にこ「すき焼き大作戦!にこ☆」 (72)

にこ「それじゃあ、にこにーはお買い物に行くけど、夜ご飯なにがいいにこー?」


「うーんとね」


「えーとね」




玄関まで見送りに来てくれた、ふたりの小さな天使


たまにはと、にこが夕食のリクエストを聞くと、頭を傾げて必死に考えてる。かわいい



※SID設定で書いてます
※ここではアニメ2期4話なんてなかった。いいね?


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399380506

片方の天使が何か思いついたのか、耳打ちをしてね



こころ「あれがいいにこー」


ここあ「ここあもこころと一緒にこー」


せーのっ


仲良く掛け声をかけてね



にっこり笑顔で


「すきやきー」

なんてことがあってね


ど、どうしよー!!



すき焼きってお肉を卵に絡ませるあれよね




お買い物に行った時なんて、いつも鶏肉以外完全スルーなんだけど



牛肉だよね?


高級品だよー!

やんわり駄目って言ったら、泣きながら駄々こねられて



お友達にすっごーく美味しかったって自慢されたのを思い出したみたいで


どうしても食べたーい!って



思わず、うんって了解しちゃったけど


う~ん……


う~ん………!

頭を抱えながら道を歩いていると



こつん



あいて



電柱にぶつかっちゃった




ううん、違うの


にこの魅力に電柱が引き寄せられたの

なんてやってる場合じゃなぁーい!



どうやって、こころとここあを納得させるか



ぴらっ



にこが電柱にぶつかった拍子で貼ってあった張り紙が落ちたの

張り紙は商店街で福引をやっているって広告みたい





ん?


商店街で福引?



そういえばもう少しでポイントカード貯まるけど






えーと、使えるみたいね


って、これもちがぁーう!

八つ当たりで張り紙をびりびりに破ろうとした時に




ちらっと視界に入ったの




  3等賞
商品券 3000円分



こ、これだー!







お財布に入れていたポイントカードを確認



あと1ポイント………500円お買い物をすれば福引に挑戦できる!

悩んでいる暇なんてないわ


お野菜買ってポイント貯めて


福引で手に入れた商品券でお肉もゲットにこ!







当たらなかった時?


そんなの考えてないにこー



そもそもにこが、もし失敗したらー。なんてこと考えてる方がおかしい事なの



にこにーのラブリースマイルで絶対成功するんだから☆






――――――――もしもの時は、鶏のささ身で誤魔化すけど

むむむ………


お鍋用のお野菜特用パックとにらめっこ


2人用と4人用


最近こころもここあもよく食べるから4人用にしようかな


でも、そうしたら予算オーバーに……




にこの分は減らしてもいいけど、やっぱりママの分もと考えると2人用はきついかも





頭の中で、ぐるぐると明日以降の食費の計算が始まる



むむむ………

こうなったら




にこ「おじさーん。お願いがぁ~あるんだけどぉ~」




にこの極上ラブリースマイルでお願い


頻繁に使うと断られちゃうから、半年に1回使う頻度


これマメにこよ☆

八百屋のおじさんも悩んでいたけど


お得意様のにこちゃんだものね、って



わーい!ありがとーおじさん!





やっぱり持つべきものは、生まれ持ったキュートで美しいこの美貌と



気前の良い八百屋さんね

やっぱりスーパーをでお買い物するより、商店街のお店を利用した方がいいにこ



こうして、おねだりも効くし



なによりここの人たちに愛されてるの




ずっと昔からにこは商店街のアイドルだったんだから




アイドル歴でいったらμ'sの中じゃ多分一番ね

4人用の特用パックと



おじさんが、こころとここあの為にってピーマンと人参をサービスしてくれて、全部合わせて500円





ポイントカードもサービスしてくれて2つ押してもらっちゃった☆



こころもここあも待ってるだろうし、はやく3等当てて家に帰るにこー


商店街の中心辺りに設営されている抽選会場に来たけど



ごくりっ…………



絶対3等が当たるっていっても、やっぱり緊張しちゃう




貯まったポイントカードを渡していざ挑戦



3回挑戦できるみたいだけど、1回目で出しちゃうわよ

抽選器の取っ手をしっかり握って



がらがら



ころん


出てきたのは、真っ白な小さい玉



残念賞のポケットティッシュ


き、きっとラブにこパワーが足りなかったのよ



むむむ

すーはーすーはー




深呼吸



ラブにこパワーが足りなかったってのもあるけど



集中力も足りなかったのね



そうよ。そうでなかったら外れたりしないわ

ふるふると震える手を動かし再び取っ手をつかむ



カタカタと小刻みに動く抽選器




お店の人に心配されちゃったけど



だだだだだだだだ大丈夫に決まってるわ!



に、にこのこ……こ、この生まれ持った天性の強運で…!



カラン

白玉




くらっ



めまいがしちゃった





よくよく考えてみたら



この抽選器って苦手




これで当たりなんて出てことない

どうしよう


あと一回しかできないわ





辺りを見て見る


なにか、なにか手は…………





ふと見えた



特徴的なもふっとした赤髪の女の子



にこ「ま、真姫ちゃん!」

真姫「………?」



にこ「真姫ちゃーん!こっちー!」



ぶんぶんと手を振っって、にこがここにいるってことをアピール





この嫌な雰囲気を変えてくれるなら誰でもよかった



いや、こういう風な言い方すると真姫ちゃんに失礼だよね



でも真姫ちゃんがいて嬉しかったな♪

にこに気付いてくれたのか



真姫ちゃんがこっちに来た





真姫「にこちゃん……?どうしたのよ」



右手にはビニール袋



お買い物の途中だったみたい

にこ「お願いにこ。にこを助けると思ってこれ回してほしいにこ」



にっこり笑顔でお願い




真姫「えぇー………」



なんかすっごく嫌な顔されたんですけど




お願いー!今日は何も企んでないのー!


ただ3等賞当ててくれたらいいのー!

理由は伏せて真姫ちゃんにお願い



だって、真姫ちゃん絶対何か言うでしょ?



計画性がないとか



だってこれしか思いつかなかったんだもん






真姫「それで、3等を当てたらいいの?」


にこ「そうにこよ。3等賞の青い玉にこ。真姫ちゃんお願いね……!」

真姫ちゃんの手を強く握って、上目づかいで見つめる




真姫「なっ――――――――」


顔を赤くして慌ててる



やん、慌ててる真姫ちゃんかわーいーいー☆


って、この辺にしないと真姫ちゃんが拗ねて回してくれなくなっちゃう


てへっ♪

真姫「こほん………それじゃあ、回すわよ」



う、うん………



ぎゅっと真姫ちゃんの腕を握る



真姫ちゃんが痛いって言ってた気がする



そ、そんなことより抽選器よ





真姫ちゃんががらがらと抽選器を回し始める





お願いお願いお願いお願い――――――――――




青い玉青い玉青い玉青い玉――――――――



抽選器から






こぼれ出てきた







金色の玉

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?




いっ、1等!?





1等賞ってなに!?


景品一覧表を見る



      1等賞
○○温泉宿泊券 4名様 1泊2日

しゅ、宿泊券!?


こ、ここ、これってもしかして





やったー!!


ママに温泉旅行プレゼントできる!



こころやこころにも旅行に行けるって喜ぶにこ!





思ってもないところから舞い込んだ幸福

もう、一生分の運を使い果たしたみたいにこ




でも、これで…………



思わず涙が溢れてきて




真姫ちゃんの腕をぎゅ、って

そして聞こえる



真姫「にこちゃんごめんなさい……」



真姫ちゃんの声



―――――――――えっ?


「おめでとうございまーす!4等賞でーす!」

えっ



金色でしょ……?


1等賞じゃないの……?




景品一覧表をよく見て見る




      1等賞        赤玉
○○温泉宿泊券 4名様 1泊2日

そ、そんなぁ……!?



舞い上がっていたにこの気持ちは急転直下




ま、ママに………


愛する妹たちに………



最高の贈り物が

溢れていた涙が




意味を変えて



なんかもう止まらなくなっちゃって





いい大人なのにこんな場所で泣いちゃって

すすり泣くにこを真姫ちゃんが


真姫「本当にごめんなさい……」

って




いいの



真姫ちゃんは悪くないの



勝手に勘違いしちゃったにこが悪いの

分かってはいるけど



気持ちが収まるまで少し時間がかかっちゃった







抽選会場から少し離れた人通りの少ない場所に真姫ちゃんが連れて行ってくれて


真姫「もう平気?」


こくりと頷く

にこ「うん………大丈夫…」


真姫ちゃんが、ごめんなさいって





いつまでも泣いてちゃ駄目よ



アイドルに涙は似合わないもの



元気………って訳にはいかないけど、無理してでも笑顔でいなきゃ

にこ「ううん……にこの我儘に付き合ってありがと……にこ」



涙を拭って真姫ちゃんにお礼



にこ「さ、さあて。早く帰ってごはんつくらなきゃね」



にこ「それじゃあまた明日ね」



その時の精一杯の笑顔をして真姫ちゃんとお別れ――――――

真姫「あ、にこちゃん」



の前に、真紀ちゃんが引き止める



真姫「これ、さっきの景品」




なに?


ポケットティッシュにしては大きくて

竹の皮に何か包まれている……?


おにぎりでも包まれてるのかな?





真姫ちゃんから受け取ったけど



柔らくて、ひんやりして


包みを外して中をチラッと見る




赤色の柔らかい何か


んんー?

真姫「すき焼き用のお肉みたいよ。それ食べていつものにこちゃんに戻りなさいよ」





え、ええー!?



真姫ちゃん置いて、抽選会場の景品一覧表がある場所までダッシュ





そこには




   3等賞      青玉
 商品券 3000円分


   4等賞      黄玉
 すき焼き用牛肉  800g


   残念賞      白玉
ポケットティッシュ


なんて偶然



いえ奇跡って言ってもいいわ




そして、それを引き当てる真姫ちゃん





またまたダッシュ


向かう先は――――――




真姫ちゃんの胸の中

ありがとー!



そう言ったか言ってなかったかは覚えてないけど



真姫ちゃんったら、今まで見たことないぐらい顔を赤くしてたわ





ほんっとうに押されたり、弄られると弱いんだから




そこが真姫ちゃんの良いところでもあるにこ☆

真姫ちゃんには本当にお世話になった訳だし



今日は真姫ちゃんを夕食に招待してすき焼きパーティーにこ☆





始めは真姫ちゃん断ってたけど


お約束っていうか、なんていうか


何回か押してたら簡単に折れちゃって




真姫ちゃんを連れて愛する妹たちの居る我が家へ帰宅

扉を開けると、小さな天使たちがバタバタって駆け寄ってきて



「おかえりにこー」



にこ達をお出迎え



こころ「おなかすいたにこー」


ここあ「すきやきー」

にこ「ちゃんと材料買ってきたから、少し待つにこね」


荷物を置いて、二人の頭を撫でる


にこ「それと、今日はお客様も一緒だけどいいにこね?」




こころとここあが真姫ちゃんを見上げる


真姫ちゃんは「こんにちは」って挨拶したらね


こころとここあはとっても元気で、嬉しそうに


こんにちはー、って

顔をかすかに赤らめて、照れる真姫ちゃん



あら、真姫ちゃんもしかして、小さな子供にも弱かったりする?



これは弄りがいがあるにこね




にこ「ママはもう帰ってるにこ?」



にこがそう聞くと二人は、うん!って返事をして奥に走って行ったにこ

こころ「ままー!すきやきー!」


ここあ「お客様にこー!」



こころとここあの声が聞こえちゃったから


にこが慌てて訂正を入れちゃった☆




にこ「ママー!お客様じゃないにこー!」





にこ「にこ達の将来の家族にこよー!」

ふふ、言っちゃった



理解するまでに少し時間がかかったのか真姫ちゃんは、少し間を置いてから顔を真っ赤にして




慌ててにこの肩揺さぶってるけど、気にしないにこー





だってこんなに可愛くて、弄りがいのあって、強運で、にこのこと想ってくれて




そんな人、他には絶対みつからないし








絶対真姫ちゃんを離さないにこ☆







おしまい

最後まで読んでいただきありがとうございました。
いまさらですが、にこまきのような何かで読んでくれた方がいいかもです。

にこにー難しいです。そのまま書いてると穂乃果ちゃんぽくなって……
ところで、穂乃果ちゃんの瞳を見ていると瞳に吸い込まれそうな恐怖があってなんだか怖いです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月07日 (水) 17:16:45   ID: vawgSBu8

どんだけコタロー君嫌いなんだよwwww
あ、作品は面白かったっすよ

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