P「俺の頭がP型の理由?」 (28)
P「……なるほど。春香たちは気付いていたんだな。俺のバランスがおかしい事に」
春香「バランスというか……その頭がおかしいだけなんですけど」
亜美「っていうか、気付かない方がおかしいでしょ」
真美「何となく今までスルーしちゃったけど、もう我慢できないんだYO!」
P「ならば答えよう。それは……純正パーツじゃないからだ」
律子「……はい?」
P「だから、純正パーツで組んでないからだよ」
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真「ねぇ、雪歩……意味分かる?」
雪歩「分かるわけないよぉ」
伊織「パ、パーツって……アンタ、自分がロボットだとでも言いたいの?」
やよい「はわっ!? ロボットだったんですか!?」
P「バカ言うなよ。俺がそんな無機物の塊に見えるか?」
千早「見えませんが、何か釈然としません」
貴音「そもそも純正とはいったい?」
P「純正ってのは同じ型番のパーツで揃った状態だ」
響「うがー! ますますわからなくなったぞ!」
P「何で分からないんだ。例えばだぞ。今、俺の頭パーツはPRD型のパーツになってる」
美希「PRD……プロデューサーの略かな?」
P「その他のパーツはTNGシリーズを使ってる。元もとのベースはTNG型だから、頭パーツが浮いて見えるんだよ」
小鳥「TNGって何ですか?」
P「ただの(T)人(N)間(G)です。間違ってもラスボス的なパーツではありません」
あずさ「意味が分かりませんが……ちょっと強引ですね~」
P「型番に文句言われても……でも、これで疑問も解決したろ?」
春香「つまりプロデューサーさんの頭がP型なのは、頭パーツを交換したからだったんですね!」
P「イエス。もやもやが解けて良かったな」
伊織「えぇ、これで解決……って、なるかぁぁぁぁっ!!」
P「うおっ!? び、びっくりしたぁ」
律子「パーツ交換って何なんですか! え? プロデューサーって人ですか!? 人なんですよね!?」
P「だからただの人間だって言ってるのに」
あずさ「ただの人間はパーツ交換なんて出来ないと思うんですけど~」
P「えっ、皆は出来ないのか?」
雪歩「そこで聞き返されるとは思いませんでした」
真「……仮に頭パーツを交換したってのが事実として、記憶とか性格とかどうなってるんですか?」
P「真もおかしな事を聞くのな。幾ら器が変わっても、メダr……魂が変わらなきゃ記憶も性格もそのままに決まってるだろ」
小鳥「今メダルって言いかけませんでした?」
P「気のせいですよ」
やよい「何で頭パーツを交換する必要があるのかなーって」
P「何でって、そりゃPRD型の方がプロデュース業に適した性能だからだよ」
響「性能……そういうのまで変わるのか!?」
P「当たり前だろ。見た目だけしか変わらないなら純正パーツで揃えるさ」
美希「断言されても分かんないの」
P「TNG型は律子の頭パーツみたく、プロデュース値が高くないからな。入れ替えないとやってけないんだ」
亜美「りっちゃん、プロデュース値高いってさ」
真美「良かったね」
律子「これは素直に喜んでいいの……?」
千早「……」
春香「千早ちゃん? さっきから考え込んでるみたいだけど、どうかした?」
千早「あの、プロデューサー」
P「なんだ?」
千早「例えばですが、私とあずささんの胸部パーツを交換する事は可能ですか?」
あずさ「えっ」
春香「ちょっ、千早ちゃん!?」
真「なるほど。確かにそれなら……」
雪歩「真ちゃん……?」
P「あー。残念だがそれは出来ない」
千早「何故ですかっ!?」
P「頭パーツって上半身込みなんだ」
真「上半身込み……つまり、頭パーツと胸部は合わせて一つ?」
雪歩「胸を交換しようとすると、頭まで変わっちゃうって事ですか」
P「そうだ。後は右腕、左腕、脚部の四パーツだな」
千早「顔ごと変わる……それくらいのリスクは……いいえ……でも……」
春香「千早ちゃん、そろそろ悩むのやめようよ」
P「春香の言うとおりだ。交換したら貴重な歌姫スキルがなくなってしまうぞ」
伊織「千早の頭パーツってそんな特性なのね」
小鳥(今気付いたけど、皆パーツって呼称に慣れちゃってるわ……)
P「うん。頭パーツ交換しちゃうと、歌唱能力が下がるばかりかフォース制御も出来なくなるしな」
千早「?」
律子「……プロデューサー、ちょっといいですか?」
P「なんだ?」
律子「当然のように話が進んでますが、パーツ交換って本当の事……なんですね?」
P「まだ疑ってるのかよ」
律子「では、この場で交換をお願いします。そうすれば私も信じますから」
P「はぁ?」
春香「あっ、なるほど」
美希「ハニーの話が本当なら、元のパーツ……ハニーの素顔があるって事だね」
貴音「素顔を見せて頂けたなら、流石に信じざるを得ませんね」
伊織「律子の言うとおりね。それなら誰もが納得するわ」
小鳥「プロデューサーさん、まさか素顔を隠したいから出来ない、なんて言いませんよね?」
P「そんな事はないですけど……皆正気か?」
雪歩「なんで私たちがおかしいみたいな感じになってるんでしょう?」
亜美「正気を疑いたいのはこっちなんだけど」
P「いや、ここで交換なんて無理に決まってるだろ」
律子「何故です? やはりウソなんですか?」
真美「やっぱり素顔見られたくないの?」
P「そうじゃない。ただ、ロボトル中……もとい仕事中のパーツ交換はルール違反だ」
律子「どこにそんなルールが……」
P「どこにって……普通に常識だろ」
真「プロデューサーに常識を説かれた……」
響「すっごく理不尽な気がするぞ」
P「理不尽って……俺にルール違反して協会に追われる身になれって言うのか? 皆、そんなに酷いやつだったか!?」
P「961プロよりも極悪な行為を俺にやれって、そういうんだな!?」
あずさ「何だかすっごく悪い事をしてる気がしてきたわ」
伊織「おかしいわよ……明らかに正気なのはこっちなのに……」
響「っていうか協会って何なんだ?」
律子「くっ……じゃ、仕事が終わったら大丈夫なんですね? でしたら帰り際に見せてくださいよ」
P「家に帰るまでが仕事だろ。それくらい、小学生でも知ってるぞ」
律子「……」ピキッ
あずさ「り、律子さん落ち着いて? ね?」
亜美「……今の話だと、休日なら純正パーツでいいんだよね?」
真美「それならお休みの日に見せてもらうとかは?」
P「なるほど。休日に仕事場来るってのもあれだが、この状況を見ると……仕方ないか」
やよい「これで解決ですね!」
千早「ちょっと待って……プロデューサー、次の休日はいつです?」
P「え? ……あー、今忙しいし当分先かなぁ」
小鳥「スケジュール的に、少なくとも一ヶ月は先になりません?」
貴音「ふむ。貴方様の体も心配ですが、皆の不満も限界……ですね」
春香「あのさ、家で自由に交換できるなら、写真送ってもらえばそれでいいんじゃないかな」
美希「! 春香、それはナイスアイディアなの!」
P「確かにそうだ。よし、今日帰宅したら皆に写真を送る。それでいいな?」
伊織「メール受け取れない人は明日事務所で見ればいいってわけね。悪くないんじゃない?」
真「問題無さそうですね」
雪歩「いいと思いますぅ」
P「じゃ、今日の夜にメールするな」
響「……ちょっとドキドキしてきたぞ」
貴音「貴方様の素顔がついに見られるのですね」
律子「はぁ……これでようやく肩の荷が下りそうね」
~翌日~
春香「……」
千早「……」
美希「……ハニー」
亜美「……誰かメール、来た?」
真美「真美たちのところには来なかったけど」
響「やっぱり来なかったの自分だけじゃなかったんだな」
あずさ「プロデューサーさん、どうしたのかしら」
伊織「アイツが嘘をついたなんて考えたくないけど……」
律子「えぇ。プロデューサーはこんな嘘はつかないわ。けど、だとしたらどうして……」
バタン!!
P「皆、すまん!」
やよい「プロデューサー!?」
貴音「貴方様、頭を上げてください」
P「本当にすまない。昨日メール送れなくて」
真「もういいですから。それより、何があったんです?」
雪歩「何か理由があったんですよね?」
P「あ、あぁ。実はな、昨日パーツ交換した後、写真撮る前にちょっとコンビニに行こうとしたんだ」
小鳥「はい」
P「その途中で真剣ロボトr……勝負を申し込まれて、負けちゃってさ」
春香「何の勝負でどうやって負けたのか気になりますけど、それで?」
P「遊びの勝負じゃないから、負けたらパーツ渡さないといけなくて……」
千早「つまり……」
P「頭パーツ取られました」
真「頭パーツを取られた状態がどうなってるのか、考えたいような考えたくないような……」
雪歩「それより! それって素顔がなくなっちゃったって事じゃ……!?」
響「た、大変じゃないか!」
美希「どんな顔のハニーでもいいけど、それとこれとは話が別なの!!」
P「あー、待て。落ち着け」
あずさ「でも、こんな話落ち着けませんよ!」
やよい「うぅ……プロデューサー、二度と元の顔に戻れなくなっちゃったんですか」
P「そんな事ないから。大丈夫だから」
伊織「大丈夫って……アンタまさか、もう一度勝負してパーツ取り返そうっていうんじゃ……」
P「違う違う。デパート行けば普通に売ってるから。今度時間作って買ってくるよ」
貴音「はて?」
千早「う、売ってるんですか?」
P「お前ら、パーツ売り場見た事ないのかよ。そりゃ、販売してるパーツなんて性能はたかが知れてるけどさ」
律子「頭痛くなってきました」
小鳥「奇遇ですね。私もです」
P「そういうわけで、悪いが写真はまた今度な。さ、今日も一日仕事頑張ろー!」
P以外「お、おー」
…………
高木「私の顔が見えないのは、いんぺいパーツを使っているからなんだが……」
高木「誰も興味は無さそうだね」
終わり
読んでくれた方、ありがとうございます。
今更ではありますが、お気付きの通りメダロットパロです。
Pヘッドとは何か、あれこれ考えているうちに一つの推論が浮かんでこんな形になった。
定期的にやりたくなる最近の自作品羅列(謙虚な宣伝)
P「俺が皆の胸ばかり見ている?」
P「俺は765プロの敵だったのさ」
P「しっとマスク?」
P「願いを叶えるランキング」
P「誰も俺の名前を呼んでくれない」
P「俺に足りないもの」
あとアイマス関係ないけど
戒斗「アラガミアームズだと?」
ってのも書いてます。(ダイレクトな宣伝)
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