玄「どうしたのおねーちゃん?」 (25)

私が目を覚ますとお姉ちゃんは既に起きていた
今日は何曜日だったっけ?と問うと

「土曜日だよ」

と優しく微笑んだ


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土曜日、ということは部活があるはずだ
全国に向けて今日も練習に励まなければならない
今日も練習頑張ろうね、とお姉ちゃんに言うと少し悲しそうな顔をしながら静かに頷いた
時計の針は7時を指していた

早く学校に行こうよとお姉ちゃんを急かす
しかしお姉ちゃんは

「ごめんね、ちょっと待っててくれる?」

と言って部屋を出て行ってしまった

お姉ちゃんが帰ってきてから一緒に学校へ向かった
近所のおばあさんにおはようございます、と元気よく朝の挨拶をすると何故か最初は怪訝な顔をされたがちゃんと挨拶を返してくれた

「さっき何してたの?」

とおねえちゃんに問うと

「ちょっと電話をね」

と答えた

「誰に電話してたの?」

と問うが、返ってきたのは沈黙だった

お姉ちゃんにも聞かれたくないことがあるのだろうと自らを納得させる
私の知らないお姉ちゃんもいるのだろうと思うと少し悲しい気持ちになった

一番乗りだった
部室のドアを開けると中には誰もいなかった
最近お掃除をサボっていたからか少し埃っぽい感じがする
全員が揃うまでお掃除しながらまっていることにしよう

床を拭き終わり窓を拭いていると、お話をしながら歩いてくる三人の姿が見えた
三人一緒に来るなんて少し珍しいなあと思いながら最後の窓を拭き終えた
外はもう暗くなっていた

あれ?なんで夜に集まっているんだろう?
不思議に思ったがよく思い出せなかった
全国に向けての特訓なのかな?
私たちは高校生、限られた時間しかないのだからと自分を納得させる

部室の扉があき、三人が入ってきた
三人の視線は部室内を這い回り、私に止まった
いつもと様子が違う
こんばんは、今日も練習頑張ろうね、と声をかけると三人とも少し悲しそうな顔をした
さっきのお姉ちゃんと同じ顔だ
少し間が空いて

「こんばんは!頑張りましょーー!」

とシズちゃんが元気よく声を上げた

その声はいつものシズちゃんと同じはずだったが何かが違うような気がした
何が違うんだろう……、と思考を巡らせる

ズキリ

頭に痛みが走った
よくわからない不快さがこみ上げてくる
シズちゃんだって夜はテンションが違うのだろうと自分を納得させる

とりあえずメンバーは揃ったので卓につくことにした
タン、タンと牌を切る音だけが部室に響く
皆いつもより真剣な面持ちで牌を睨んでいた
大会も近いので気合が入っているのだろうか

「み、皆今日は気合はいってるみたいだね!私も頑張らないと!」

恐る恐る声を上げる

「ん……そだね」

憧ちゃんがボソリと答える
少し怖い雰囲気だった

「よぉし!打倒白糸台!打倒清澄!」

空気を変えようとみんなを鼓舞しようとした
そのはずがその場の空気が凍りついた

するとパタリと手牌を伏せ灼ちゃんが言う

「ごめん、やっぱ……無理……」

牌の上に涙が数滴落ちた

「ど、どうしたの灼ちゃん!?」

そう言い終わる前にシズちゃんも声をあげて泣き始めていた
何が起こっているのかわからなかった
憧ちゃんも冷や汗をかきながら震える自分の体を抱いている
お姉ちゃんの方を振り向くと「ごめんね、ごめんね」とブツブツとつぶやきながら塞ぎ込んでいた

あぁ、とても頭が痛い

アカン短いから今日中に終わらすつもりやったけど久しぶりに地の文書いたから時間かかるし疲れた
展開見え見えかもしれんけど続きは後日にします

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