C.C.「ル、ルルーシュの傷が治っていく!?」(173)

ーードクン、ドクン。

意識が覚醒していく。

俺はゆっくりと瞼を開けた。

C.C.「ルルーシュ…」

C.C.が目に涙を浮かべて俺の顔を覗きこんでいた。

フッ、らしくないな魔女よ。

お前は傲岸不遜に俺を見下しているくらいが丁度いい。

ルルーシュ「…作戦は成功したようだな」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371739218

C.C.「ああ、ゼロレクイエムは無事成功たよ。しかしまさか、シャルルがこんなプレゼントを残していたとはな」

ルルーシュ「俺は何となくこうなるとわかっていたがな。コードを渡された感覚はあった。しかしギアスが使えたままだったから確証はなかったが…」

C.C.「…なぜすぐ私に言わなかった? コードが発動する前なら防ぐ方法もあっただろうに。[ピーーー]ない、ということはお前が思っているより何倍も辛いんだぞ!」


ルルーシュ「そんなことはわかっている。だが俺はまだ契約を果たせていない。C.C.、お前を笑わせてやると約束しただろう」

C.C.「な、なにっ。お、お前はバカなのか? 私のために自分を不老不死にするなんてバカげている!」

ルルーシュ「フン、なんとでも言うがいい。お前と俺は共犯者だ。共に永遠に罪を償い続けようではないか」

乙乙、気長に待ってます
強いて訊くなら、カレンたんの出番はあるですか

C.C.「ああ、ゼロレクイエムは無事成功たよ。しかしまさか、シャルルがこんなプレゼントを残していたとはな」

ルルーシュ「俺は何となくこうなるとわかっていたがな。コードを渡された感覚はあった。しかしギアスが使えたままだったから確証はなかったが…」

C.C.「…なぜすぐ私に言わなかった? コードが発動する前なら防ぐ方法もあっただろうに。死ねない、ということはお前が思っているより何倍も辛いんだぞ!」


ルルーシュ「そんなことはわかっている。だが俺はまだ契約を果たせていない。C.C.、お前を笑わせてやると約束しただろう」

C.C.「な、なにっ。お、お前はバカなのか? 私のために自分を不老不死にするなんてバカげている!」

ルルーシュ「フン、なんとでも言うがいい。お前と俺は共犯者だ。共に永遠に罪を償い続けようではないか」

>>8 出番はあるよ!

C.C.「童貞坊やのくせに中々言うじゃないか。だが私を口説くには経験値がたりないぞ。フフフ」

ルルーシュ「…やっとお前らしくなってきたな。ではまずはスザク…いや、ゼロに会いにいくとするか」

C.C.「良いのか? お前が生きていると知れば、ゼロレクイエムのことを不義にされたと怒るかもしれないぞ」

ルルーシュ「そうかもしれないな。だがこうして生き返ってしまった以上、話をつけておくのが筋だろう」

C.C.「まったくお前という奴は…。仕方ない、私が話の場を設けてやろう」

ルルーシュ「ああ、よろしく頼む」

王の間

ルルーシュ「よう、久しぶりだな」

スザク「ル、ルルーシュ!? どうして生きている!?」

ルルーシュ「少し色々あってな。事情を説明しにきたんだ」

スザク「…なら聞こう。それにしてもどうやってここまで来れたんだ?黒の騎士団員にはギアスの効かないコンタクトの着用を義務付けていたのに」

ルルーシュ「C.C.がまだ俺のギアスにかかっている兵士を調べ上げてきてくれたからな。俺の顔を見たらオールハイルルーシュと快く通してくれたよ効かない」

スザク「そうか、それでこんなにあっさりと入って来れたんだね。…じゃあ本題に入ろうか」

王の間

ルルーシュ「よう、久しぶりだな」

スザク「ル、ルルーシュ!? どうして生きている!?」

ルルーシュ「少し色々あってな。事情を説明しにきたんだ」

スザク「…なら聞こう。それにしてもどうやってここまで来れたんだ?黒の騎士団員にはギアスの効かないコンタクトの着用を義務付けていたのに」

ルルーシュ「C.C.がまだ俺のギアスにかかっている兵士を調べ上げてきてくれたからな。俺の顔を見たらオールハイルルーシュと快く通してくれたよ」

スザク「そうか、それでこんなにあっさりと入って来れたんだね。…じゃあ本題に入ろうか」



スザク「…そういうことか。でもどうしてわざわざ僕に言いにきた? 黙って遠い所で暮らすこともできたはずだ」

ルルーシュ「お前にはゼロとして生き続けて罪を償ってもらうと言ったな。それなのに実は俺だけ黙ってC.C.と仲良く暮らしていました、なんてことはできないだろう」

スザク「…」

スザク「もういい。僕はやっぱりユフィーを殺したゼロを許すことはできない。でも前のゼロはもう死んだんだ…。ルルーシュ、君は生まれ変わった。新しい人生を生きろ」

ルルーシュ「スザク……いいのか?」

スザク「良いんだ。永遠に生き続けるのも十分な罰になるだろうしね。…でも一つ条件がある。もし僕が死んだ後、また悪い奴らが国を支配し始めたら君は再びゼロの仮面を被るんだ」

ルルーシュ「ああ、わかった。約束しよう」

スザク「よし、信じるよ。 そう言えばこれからいく宛はあるのかい? もし必要なら住む所ぐらいは用意するけど」

ルルーシュ「正直用意してくれると助かる。この顔では外を出歩くのも困難だからな…」

スザク「なら手配しておくよ。明日の同じ時間にまた来てくれ。今度はC.C.も一緒にね」

ルルーシュ「すまない。では帰るとしよう」

ルルーシュ「…そうだ、ナナリーは元気か?」

スザク「ああ、君が死んでしばらくは元気がなかったけどね。今は日本の親善大使として元気にやっているよ」

ルルーシュ「そうか、それならいいんだ。じゃあな」

ガチャ




翌日の夜、俺は約束通りC.C.を連れてスザクと面会した。

その後三人で食事を済ませた後、スザクから新しい家の鍵をもらった。

いよいよ今日から俺とC.C.の同棲生活が始まるというわけか。

今までも同棲に近い生活ではあったが、今回は部外者がいない。

ダモクレス戦の時にはカレンに邪魔をされたが、あの日の続きができるかもしれない。

フッ、フフフ、

ルルーシュ「フゥーーッハッハッハッハッ」

C.C.「どうした、いきなり笑って。頭でもぶつけたのか?」

ルルーシュ「あ、いや…これは…」


C.C.「まったく変な奴だ。ほら、家の前で突っ立ってないではやく鍵を開けろ」

ルルーシュ「うるさいぞ! 言われなくても今開ける」

ガチャ

C.C.「ほう、なかなか良い部屋じゃないか。 二人で住むには少し広すぎる気もするがな」

ルルーシュ「ああ、確かに良い部屋だ。……だが、どうしてベットが一つしかないんだ!?」

C.C.「ルルーシュ、私はお前が優しいヤツだと知っているぞ。だから…」

C.C.「男は床で寝ろ」

ルルーシュ「バカを言え、ここは俺がスザクにもらった家だぞ? つまり、この家にあるすべての物の所有権は俺にある。よって…ベットで寝るのはこの俺だ!」

C.C.「おいおい、私のような可憐な少女を床で寝かせるつもりか? ハァ、ルルーシュ。だからお前はいつまでたっても童貞なんだ」

ルルーシュ「そ、そんなに言うなら一緒に寝れば良いだろう」

C.C.「おやおや、それが狙いか坊や」クスッ

ルルーシュ「フン、俺はお前と一緒に寝たぐらいで興奮するような男ではないからな。はっきりいって余裕だ、C.C.よ」

C.C.「では、……襲ってくれないのか?」

ルルーシュ「ほわあ!? な、何を言っている魔女よ!」

C.C.「お前は私が横で寝ていても何も思ってくれないんだろう?」

ルルーシュ「い、いや…そんなわけではないぞ…」

C.C.「冗談だよルルーシュ。ふふ、顔が真っ赤だぞ。まあそんなに私と寝たかったのなら仕方ないな。うん、仕方ないから一緒に寝てやろう」





ルルーシュ(…結局本当に一緒に寝ることになってしまった)

C.C.「どうした、寝ないのか?」

ルルーシュ「今から寝る。少し端によってくれ」

C.C.「…変なことするなよ?」

ルルーシュ「するわけないだろう!」



ルルーシュ(眠れん…)

C.C.「ルルーシュ、もう寝たのか?」

ルルーシュ「…起きているぞ」

C.C.「そうか」

ルルーシュ「…」

C.C.「…」

C.C.「な、なぁルルーシュ」

ルルーシュ「なんだ?」

C.C.「その、だな…腕に抱きつきながら寝てもいいか?」

ルルーシュ「な、なにッ! また俺をからかうつもりか?」

C.C.「…違う。だが勘違いするなよ。私はチーズくんの抱き枕がないと寝られない質なんだ。今日は抱き枕をなくしてしまったからお前で我慢してやると言っているんだ」

ルルーシュ「…フッ、今日のところはそういうことにしておいてやる。俺の腕でよければ好きに使え」

C.C.「おい、何をにやにやしている! 本当に抱き枕がないと寝れないだけだからな! 勘違いするなよ!」

ルルーシュ(クックック、少しC.C.のいじり方が分かってきたぞ)

ルルーシュ「ああ、わかっている。もう寝るぞ」

ギュッ

C.C.「う、うむ、おやすみルルーシュ」

ルルーシュ(む、胸が…)

翌朝

C.C.「おい、起きろ」

ルルーシュ「ん、朝か…」

C.C.「腹がへった。ピザを頼もう」

ルルーシュ「なぜ朝からピザを食わねばならん。作ってやるから少し待っていろ」

カパッ

ルルーシュ「…しまった。昨日来たばかりだから冷蔵庫が空だ」

C.C.「ピザだな」フフン






ルルーシュ「どうだC.C.、似合うか?」

C.C.「なんだその格好は? 不審者みたいだぞ」

ルルーシュ「変装だよ。このままでは外にも出れんからな」

C.C.「サングラスはいいがマスクはいらんと思うぞ。逆に警察に止められそうだ」

ルルーシュ「む、そうか。…これでどうだ?」

C.C.「良いんじゃないか。それならバレないし自然に見えるぞ」

ルルーシュ「では買い物に行くとしよう。C.C.、お前もついてこい」

C.C.「強引だな。恋愛もそのくらいでいけば童貞も捨てられるのにな…」

ルルーシュ「な、何を言っている。はやく用意しろ!」



ルルーシュ「よし、必要なものは大体買ったな」

C.C.「乙女をこんなに歩かせるな。おかげですごく疲れてしまったじゃないか」

ルルーシュ「ふん、あれだけピザを食べたんだから少しくらい動いておけ」

C.C.「うるさい、私は食べても太らない体質なんだ」

ルルーシュ「まあいい、どうせ昼飯もまだだしな。そこの料理店で休憩しよう」

C.C.「良いのか? なんだか高そうだぞこの店」

ルルーシュ「ここは貴族達がよく来ていた高級料理店だからな。金のことは気にするな。賭けチェスの金がたっぷり残っている」

店員「いらっしゃいませー」

店内

ルルーシュ「どうしたC.C.、食べないのか?」

C.C.「…静かにしろ。隣の席の会話に耳をすませ」

ルルーシュ(なんだ?)

元貴族1「本当にやるのか?」

元貴族2「当たり前だ。やっと黒の騎士団に入れたんだ。このチャンスを逃すわけにはいかねえ」

元貴族1「だがナナリー様を殺した後どうするんだ?」

ルルーシュ(ナナリーを殺すだと!?)

元貴族2「シュナイゼル国王に向かって言うのさ。貴族制度の復活をしなければ皇族を順番に殺していくとな」

元貴族1「そうか…。これが成功すれば俺たちは…」

元貴族2「ああ、再び地位と富を得ることができる!」

ルルーシュ(こいつらの名誉のためだけにナナリーを…。必ず阻止してやるッ!)

C.C.「どうするんだ?」

ルルーシュ「とりあえず作戦を考える。お前はスザクに面会の時間をつくってもらうよう頼んできてくれ」

C.C.「わかった」

シュナイゼル「国王」ってどういう事なの…

>>37 指摘ありがとう。 皇帝とうったつもりが国王になってた

ルルーシュ(ナナリーを殺すだと!?)

元貴族2「シュナイゼル皇帝に向かって言うのさ。貴族制度の復活をしなければ皇族を順番に殺していくとな」

元貴族1「そうか…。これが成功すれば俺たちは…」

元貴族2「ああ、再び地位と富を得ることができる!」

ルルーシュ(こいつらの名誉のためだけにナナリーを…。必ず阻止してやるッ!)

C.C.「どうするんだ?」

ルルーシュ「とりあえず作戦を考える。お前はスザクに面会の時間をつくってもらうよう頼んできてくれ」

C.C.「わかった」

シュナイゼルはゼロに従ってるし
皇帝はナナリーのはずなのに
何故シュナイゼルなんだ

>>42そこは意図して変えている部分です

このSSではナナリーは合宿国日本の親善大使でしかありません

シュナイゼルが皇帝になっているのは後で明かしていくつもりでしたが、簡単に言うとゼロがブリタニアを動かすために皇帝にさせています

今日はここまで

明日からは書けない日もでてくると思うが不定期で書いていきます

設定とか違う部分もあるし矛盾もあるかもしれんが軽いノリで見てくれたら助かるぜ

ルルーシュ(とりあえず奴らとナナリーが接触しそうな行事を調べるか)

カタカタ

ルルーシュ(これだ! 黒の騎士団とナナリーが接触するのは恐らくこの超合衆国・ブリタニア共同平和会議。開始時刻は明後日の午後二時か。…時間が少ないな)

プルルルルル

C.C.「おいルルーシュ、私だ。スザクが今からきてくれと言っているぞ。場所は第三倉庫だ」

ルルーシュ「ああ、わかった」

第三倉庫

ルルーシュ「待たせたな」

スザク「ルルーシュ、大事な話ってなんだい?」

ルルーシュ「ナナリーが元貴族達に狙われている。日付はたぶん合同平和会議の日だ」

スザク「どうしてナナリーが?」

ルルーシュ「俺に爵位を剥奪された貴族達が計画しているんだ。ナナリーを見せしめに殺し、爵位復活を訴えるつもりらしい」

スザク「そんな事のために…!! ルルーシュ、何か打つ手はあるのか?」

ルルーシュ「…今のところはない。俺はもう表舞台には立つことはできない。だからお前に頼むしかないんだ」

スザク「ごめん…。合同平和会議の日、僕はゼロとして参加しなくちゃいけない。だからあまり身動きはとれないんだ」

ルルーシュ「…そうか」

スザク「…」

スザク「…なあルルーシュ、少数部隊を率いてみないか?」

ルルーシュ「なに? そんなことできるわけがないだろう」

スザク「ゼロレクイエムの真意に気付いている人達がいる。 その人達なら君の顔を見ても力になってくれるはずだ」

ルルーシュ「…まさかジェレミアとか言うんじゃないだろうな」

スザク「違うよ。僕が見た限りではカレンと藤堂さん、そして玉城さんと扇さんも気付いている」

ルルーシュ「あいつらが…」

スザク「どうだい、やってみないか?」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「…良いだろう。俺はナナリーの求めた優しい世界を完全につくることはできなかった。 次こそ争いのない平和な世界をつくってやろう!」

スザク「それじゃあ早速みんなを集めないとね」

ルルーシュ「…待て。俺はカレン以外に一度裏切られている。直接接触してメンバーを選考したい。今日だけゼロの仮面を貸してくれないか?」

スザク「…そうか。後でみんなの居場所を紙に書いて渡すよ」

ルルーシュ「すまない」

スザク「ナナリーの為だ。気にするな」

BAR

ガチャ

玉城「おう、いらっしゃーい。……ってゼロじゃねえか!?」

ゼロ「久しぶりだな、玉城」

玉城「どうしたんだよ急に。 あ、何か飲むか?」

ゼロ「いや、やめておこう。それより話がしたいんだが今しても大丈夫か?」

玉城「ヘヘッ良いぜ。見てのとおり客なんて居ねえしな」

ゼロ「では単刀直入に聞こう。お前は俺の正体が誰だか知っているか?」

玉城「…知らねえけどよ、少なくとも最初のゼロ、ルルーシュじゃねえってことはわかるぜ」

ゼロ「ほう、まあ及第点と言ったところか。あのような残虐非道な男と一緒にされては困る」

ドン!!

玉城「…おい、いくらてめえがゼロでも、俺の親友の悪口は許さねえぞ!」

ゼロ「フッ、すまない。少しお前を試していたんだ。では玉城、ゼロレクイエムの真の狙いとはなんだ?」

玉城「お、おい! あんたがそれを聞くってことは、やっぱりゼロレクイエムには隠された意味があったんだな!?」

ゼロ「さあな。私はお前の見解が聞きたいだけだ」

玉城「…いいぜ、教えてやるよ。あいつは……、あいつはワザと悪役をやって死にやがった。あんたに殺されるのも予定通りだった、そうだろ?」

ゼロ「…」

玉城「いや、予定通りなんてことはねえよな。あいつが死んだのは俺のせいだ…。俺はあいつを裏切っちまった…!親友なのに、信じきることができなかった…」

ゼロ「なぜお前のせいなんだ? 前のゼロの死は予定通りと言っていたじゃないか」

玉城「あんたは知らねえかもしれねえが、黒の騎士団は敵のはずのブリタニアからの言葉を聞いてルルーシュを裏切ったことがあるんだよ。俺はその時、親友をかばえたはずなのに、流れに身を任せちまった」

玉城「…チャンスはあった。タイミング良くいけばカレンと一緒にかばうことだってできたはずなのによ…。もしあの時俺があいつの味方になっていたら、あいつは死なずに世界を平和にできたはずなんだ。だから俺のせいでルルーシュが死んだようなもんなんだよ」

ゼロ「フハハハハ、ただのバカではなかったらしいな」

俺は玉城を信頼できると判断し、仮面を外した。

玉城「なっ!! ルルーシュ!?」

ルルーシュ「順を追って説明する。落ち着いて聞いてくれ」

ーーすべてを説明した後、玉城は二つ返事で小隊に入ることを了承してくれた。

最近BARの経営がうまくいってなかったのでちょうど良かったらしい。

玉城にはスザクの所に向かうように言うと、俺は藤堂の所へ足を運んだ。

日本軍軍事基地

藤堂「ゼロ、話とはなんだ?」

ゼロ「単刀直入に言おう。私の正体が誰だかわかるか?」

藤堂「ふむ。それは誰かと入れ替わっているから当てろという遊びか?」

ゼロ「まあそんなところだ」

藤堂「くだらん。…と言いたいところだが、ゼロが関わっているということは何か意味があるのだろう。少し考えさせてくれ」

ゼロ(やはり藤堂の判断力は使えるな。俺が指示を出せない状況下でも良い判断ができるだろう)

藤堂「…」

藤堂「フッ、やはりバレていたんだな。正直に言おう。私は君の正体を知っている」

ゼロ(なにっ!? 流石に知られるのが早過ぎる。盗聴でもされていたか?)

ゼロ「ま、まあそのぐらいのことはこちらもすぐにわかっていた。どうやって知ったのかが問題だ」

藤堂「どうやって……か。私自身にもよくわからんな。あえて言うならなんとなくと言ったところか。君とは長い付き合いだからな」

ルルーシュ(ただの勘か。嘘という可能性もなくはないが。とにかく心配する必要はなさそうだな)

ゼロ「そうか。良い勘をしているな」

藤堂「いや、君こそ大したものだ…。スザクくん、これからは私といる時くらいはゼロの仮面を脱いだって構わないぞ」


ルルーシュ(…そういうことか。まあ間違ってはいないが。タイミングが悪かったな)

ゼロ「では望み通り仮面をはずしてやろう」シュッ

藤堂「…バカな!? 君は死んだはずだ!!」

ルルーシュ「フッ、俺も死んだと思ったよ」



藤堂「ーーつまりギアスの力で不老不死になったということか。信じられんな…」

ルルーシュ「無理もない。試しに俺を撃ってみるか?」

藤堂「いや、その摩訶不思議さに驚いただけだ。今さら遅いと言われても仕方ないが、私は今後何があっても君を信用すると決めた」

ルルーシュ「遅くなどない! 藤堂よ、俺に手を貸してくれ」

藤堂「私にできることなら全力で手を貸そう。君がゼロレクイエムが台無しになるリスクを背負ってまで来たのだ。何か起きるんだな?」

ルルーシュ「察しが良くて助かるよ。実は元貴族たちにナナリーの命が狙われている」

藤堂「なるほど、妹か。それなら君がわざわざ来たのも合点がいく。しかし一つ肝に銘じておいてほしい。神根島の時のようにはならぬよう冷静に動いてくれ」

ルルーシュ「ああ、わかった。ちなみにナナリーが狙われるのは恐らく超合衆国・ブリタニア共同平和会議だ。俺とその他の少数精鋭で護衛をしたいと思っている」

藤堂「護衛なら任せてくれ。そして…できれば他の護衛達の実力や性格を把握しておきたい。教えてくれ」

ルルーシュ「お前もよく知っている奴らだよ。一人は玉城、もう一人はスザク。それにこれからカレンと扇を仲間に入れるかを判断してくるつもりだ」

藤堂「扇か…。やめておいた方が良いかもしれんな」

ルルーシュ「…なぜだ?」

藤堂「こんなことは言いたくないが、あまり良い噂を聞かん。怪しい組織に資金を流しているという噂もある」

ルルーシュ「怪しい組織…。もしかしたら今回の件と何か繋がりがあるのか?」

藤堂「それはわからないが、まああくまでも噂だ。一度会って自分で見極めた方が良いだろう」

ルルーシュ「ふむ、そうだな」

藤堂「では私は玉城と合流して作戦を練っておく。明日また会おう」

ルルーシュ(扇の家はここか。総理大臣になったからと言って贅沢をしているわけではなさそうだな)

ピンポーン

扇(ん? …ゼロだ!)

ガチャ

ゼロ「久しーー」

扇「どうしてきたんだ!! 君とは遊びだったって言っただろ。もう君みたいな女にはこりごりなんだよ。帰ってくれ!」

バタン

ルルーシュ(な、なんなんだ一体…)

ガチャ

扇「君が誕プレにくれたこの薄気味悪い人形も持って帰ってくれ!」ポイッ

バタン

扇が俺に投げてきた人形は、不気味でもなんでもないただのチーズくんだった。

それにしてもあいつの噛み合わない一方的な会話はどうなっている。

俺を部屋に入れたくなかったか、それとも一緒にいるのを見られてはまずかったのか。

色々と考えられるケースはあるが、今のままでは情報が少な過ぎて憶測の域を出ない。

ルルーシュ「ん? これは…」

俺はチーズくんの背中の部分に不自然な縫い目があるのを見つけた。

カレンに会う前に一度この人形を調べておいた方が良さそうだな。

自宅

C.C.「お、おいルルーシュ、何をしている!」

ルルーシュ「見ての通りチーズくんの背中を切っているんだが、どうかしたか?」

C.C.「ほう、よほど私に嫌がらせしたいようだな」

ルルーシュ「勘違いするな。扇が何か隠しているかもしれないんだ」

C.C.「扇が? 前々から役に立たんとは思っていたが…、チーズくんに手をかけるとはいよいよ許せないな」

ルルーシュ「思った通りだ! 人形の中に手紙が入っている」

C.C.「扇め、内容によってはピザを一年分奢らせてやる」

ルルーシュ「…」

C.C.「扇を助けるのか?」

ルルーシュ「そのつもりだ」

C.C.「扇が嘘をついているとは考えないんだな」

ルルーシュ「そうだな、多少引っかかる点があるのは確かだ。だがナナリーが狙われるという情報を示していることを考えると信憑性が高い」

C.C.「ちゃんと根拠があるのか? ブラコンだからなんて言うなよ」

ルルーシュ「当たり前だッ! 貴様も知っての通り、俺たちがナナリーの暗殺を知ったのは偶然。もしあの偶然が無ければ暗殺は呆気なく成功していただろう」

C.C.「その偶然自体が仕組まれていたという可能性は?」

ルルーシュ「くどいなC.C.、相当扇のことを信用できないようだな」

C.C.「あいつは当時敵対していたヴィレッタと接触して黙っていたりシュナイゼルの言葉を簡単に信じたりと、色々と信用に値しない行動が多かったように思うが…」

ルルーシュ「フッ、確かにあいつは人を簡単に信用しすぎるところがある。優柔不断で流されやすいし、戦闘面でも目立った活躍はない」

ーーだが、決して悪いやつではなかったよ。

アッシュフォード学園・カレンの部屋

コンコン

カレン「はーい?」

ガチャ

カレン「……え?」

ルルーシュ「……久しぶりだな」

カレン「そんな……なんで……」

ルルーシュ「その、なんだ。ギアスの力の一種らしくてな。不老不死になってしまったらしい」

カレン「ねえ……ルルーシュ、本当に、本当にあなたなの!?」

ルルーシュ「なんならお前とのエピソードを語ってやっても良いが…」

カレン「そっか……。うぐっ、良かった…良かったぁ……」

ルルーシュ「な、泣くなカレン…。いきなりで悪いが君に頼みがあるんだ。」

ーー会議室

ルルーシュ「全員揃ったようだな」

藤堂「では扇奪還作戦について説明する」

藤堂「まずは明日の朝に扇を護送している車を襲撃し扇を拉致する。その後あくまで身代金目当ての誘拐を装い、最後に現金の引き渡しを行い扇を解放する。このときの犯人役は千葉が率いる黒の騎士団の小隊がわざと取り逃がす手筈になっている」

ルルーシュ「カレン、君に襲撃役を任せたい。やってくれるか?」

カレン「まっかせて!」

玉城「おいおい、俺はどーすんだよ?」

ルルーシュ「藤堂と一緒に監視役を捜してくれ。見つけ次第捕まえてほしい」

玉城「よっしゃ! 燃えてきたぜ!!」

翌朝

ルルーシュ「…時間だな。作戦を開始する」

カレン「いくよッ!!」

護衛「り、量産型ナイトメアフレームの接近を確認!!」

扇「なに!?」

護衛「こ、こちらに向かってきます! 総理、急いで降りましょう。車に居るよりは安全です」

扇「わ、わかった」ガチャ

カレン「そいつを渡してもらうよ」

護衛「…はやくお逃げください!」

カレン「…ごめんね」ビリビリ

護衛「ぐぁっ」

カレン「扇さん、助けにきました」

扇「その声…カレンか?」

カレン「はい、説明は後で。KMFで掴んで運びますけどちょっと我慢してくださいね」

扇「あ、ああ…」

カレン「こちらカレン、任務完了」

藤堂「…こちらも監視役の拘束に成功した」

玉城「へへっ、ちなみに俺が見つけたぜー」

ルルーシュ「よくやった。では例の倉庫で合流だ」

倉庫

扇「助かったよ、ゼロ」

ゼロ「気にするな。それよりもあの手紙の内容について詳しく話してくれ」

扇「そうだね、まずは組織のリーダーについて話そう。正体は不明だが、確実に黒の騎士団に内通している人物だ。そいつ経由で組織のメンバーが何人か黒の騎士団に入団できているらしい」

ゼロ「内通者か…。心当たりはあるか?」

扇「わからない。そういえば…皇帝もこの件に関与しているらしい」

ゼロ「…ナナリーが!?」

扇「何を言ってるんだ? 皇帝はシュナイゼル殿下じゃないか」

…ナナリーが皇帝ではなくなっている?

一体なぜだ。

ゼロレクイエム前の話し合いでもナナリーが皇帝のままということで決めていたはずだ。

一昨日俺がナナリーが元気か尋ねたとき、スザクはこう言った。

「今は日本の親善大使として元気にやっているよ」

その時は皇帝をしながら親善大使までしてあいつらしいなと思っていた。

だが、違った。

ナナリーはただの親善大使なんだ。

シュナイゼルを皇帝にした時のメリットはゼロとして自由に操れるということだが…スザクは一体何を考えている?

扇「ゼロ、大丈夫か?」

ゼロ「…ああ、悪い。続けてくれ」

扇「…わかった。黒の騎士団に潜入しているメンバーだけど、恐らく三人いる。組織のメンバーは全部で十人だ」

ゼロ「数は少ないな。護衛を強化すれば軽く防げそうだが…」

扇「甘く見ない方がいい。組織のNO2がかなり強いんだ。子どもを身籠っているとはいえあの千草を一人で連れ去るほどに」

ゼロ「なるほど、相当な手練れのようだな」

扇「とりあえず僕がわかっているのはこのぐらいだ。それで、千草のことなんだけど…」

ゼロ「もちろん私も手を貸そう。具体的な状況を教えてくれ」

扇「グッ…すまない。本当に感謝するよ」

扇「千草は常にNO2の奴が見張っているらしい。場所は……わからない」

ゼロ「そうか…。私の方でも調べておこう」

扇「ただ暗殺の日は全員で動くはずだから場所さえわかればなんとか…」

その後は扇を予定通りに解放し、カレンも無事に逃げてきた。

捕まえた監視役も扇と似たような情報しか知っていないらしい。

ただリーダーの正体を知っているのはNO2だけだそうだ。

とりあえず俺はスザクのところへ向かうことにした。

ゼロの部屋

ルルーシュ「スザク、どういうことだ。どうしてシュナイゼルが皇帝になっている!」

スザク「そ、それは…」

ルルーシュ「お前も暗殺計画に加わっているんじゃないだろうな?」

スザク「それは断じてないよ! うーん他言はしないでくれって言われたんだけどなぁ」

スザク「…実はジェレミア卿に言われたんだ。ゼロレクイエムを認める代わりに皇帝はシュナイゼルにしてくれって」

ルルーシュ「どういうことだ? ますますわからんな」

スザク「さあね、僕にも理由はわからないけど、あの人がナナリーの暗殺を企てるわけないよ」

ルルーシュ「そこは俺も同意するが…。シュナイゼルが暗殺計画に加わっていると聞いたぞ」

スザク「なんだって!? とりあえず直接本人に聞いてみよう」



シュナイゼル「お呼びですか」

ゼロ「ナナリー暗殺計画に加担しているのか?」

シュナイゼル「心当たりがありませんな」

ゼロ「では最近KMFがお前経由で数台流れているのはどうしてだ?」

シュナイゼル「ん? すべてはゼロ様の命令通りにしましたが…。何か不備がありましたか?」

ルルーシュ「…これはどういうことだ?」

ゼロ「ま、待って、僕じゃないよ!」

ゼロ「とりあえずわかった。シュナイゼル、お前は元の業務に戻れ」

シュナイゼル「はっ!」



シュナイゼル「お呼びですか」

ゼロ「ナナリー暗殺計画に加担しているのか?」

シュナイゼル「心当たりがありませんな」

ゼロ「では最近KMFがお前経由で数台流れているのはどうしてだ?」

シュナイゼル「ん? すべてはゼロ様の命令通りにしましたが…。何か不備がありましたか?」

ルルーシュ「…これはどういうことだ?」

ゼロ「ま、待って、僕じゃないよ!」

ゼロ「とりあえずわかった。シュナイゼル、お前は元の業務に戻れ」

シュナイゼル「はっ!」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「とりあえず…誰かがゼロの仮面をつけてシュナイゼルに命令した可能性が高いな」

スザク「でも一体誰が…」

ルルーシュ「それはわからない。だが俺たちに深く関わっている人間で間違いはないだろう」

スザク「…ルルーシュ、僕を疑っているかい?」

ルルーシュ「そうだな、可能性の一つとしてはなくはないが…違うだろうな。動機も見当たらない」

スザク「良かった。…誓うよ、絶対に僕じゃない」

ルルーシュ「信じたぞ。まあ現時点で犯人の特定は不可能だ。それよりもナナリーの護衛は慎重に選ばないとな」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「とりあえず…誰かがゼロの仮面をつけてシュナイゼルに命令した可能性が高いな」

スザク「でも一体誰が…」

ルルーシュ「それはわからない。だが俺たちに深く関わっている人間で間違いはないだろう」

スザク「…ルルーシュ、僕を疑っているかい?」

ルルーシュ「そうだな、可能性の一つとしてなくはないが…違うだろうな。動機も見当たらない」

スザク「良かった。…誓うよ、絶対に僕じゃない」

ルルーシュ「信じたぞ。まあ現時点で犯人の特定は不可能だがな。それよりもナナリーの護衛は慎重に選ばないとな」

ルルーシュ「次にヴィレッタの居場所だが、どうにかして調べられないか?」

スザク「うーん、今の条件では不可能に近いよ。せめてどの辺りかさえわかれば…」

ルルーシュ「…」

スザク「…とりあえず怪しそうな場所は僕の方でも調べておくよ」

ルルーシュ「ああ、助かる」

スザク「平和会議まであと二十七時間か…。とにかくやれるだけのことは全部やろう」

会議室

玉城「どーすんだよ。何も浮かばねえー」

藤堂「まずはナナリー親善大使を守ったほうが得策ではないか? その後No.2を捕まえてヴィレッタ殿を助けよう」

カレン「でも同時に助けないとヴィレッタさんが殺されたりする可能性もあるわ」

ルルーシュ「…」

会議は平行線のまま進まなかった。

ヴィレッタの居場所がわからない今、対策のしようがない。

時間だけがただ過ぎていく。

ヴィレッタを助けるのは不可能ではないか?

そんな言葉が脳裏に浮かんでは消えていく。

そんな時だった。

C.C.「ルルーシュ、扇から電話だぞ」

このたった一本の電話から事態は思わぬ好転を見せた。

扇「もしもし。聞いてくれゼロ。千草が帰ってきたんだ!」

ルルーシュ「何!? 無事なのか?」

扇「ああ、無事だよ。それから…どういうわけか部屋の盗聴もなくなっている」

ルルーシュ「…わけがわからんな」

扇「僕にもさっぱりだよ。とりあえず千草に代わろうか?」

ルルーシュ「ああ、詳しく話を聞きたい」

ヴィレッタ「…ゼロか?」

ルルーシュ「久しぶりだな。捕まえられてからの話を詳しく聞かせてくれ」

ヴィレッタ「…私から話せることは一つだけだ。ナナリー様の暗殺は行われない」

ルルーシュ「なッ、どういうことだ!?」

ヴィレッタ「そのままの意味だ。組織のメンバーはリーダーとNo.2以外死んだよ」

ルルーシュ「全員死んだ…?」

ヴィレッタ「ゼロ、いや…枢木スザク。選ぶんだ。前のゼロのためにゼロレクイエムの真実を守るのか、それとも発表するのか」

今日はここまで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月24日 (水) 12:47:29   ID: ZT8VqKfL

続きお願いします。

2 :  SS好きの774さん   2014年12月28日 (日) 03:41:17   ID: uPrQCApw

続きお願いします

3 :  SS好きの774さん   2015年03月24日 (火) 02:15:29   ID: Oe_Xna_P

続きは?

4 :  SS好きの774さん   2016年03月03日 (木) 19:16:45   ID: XNLlGurd

続きは?

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