神山「口寄せ屋?」森野「そう。」(71)
・スレ立て二回目
・別のssと掛け持ち・GOTH×低俗霊(誰得)
更新遅いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371434497
あれ?失敗したと思ったのに立ってる?
見てる人がいるか分かりませんがちょっと待っててください。
放課後、僕が帰り支度をしていると森野が話しかけてきた。
「神山君、口寄せ屋って知ってる?」
相変わらず何の脈絡も無い。
「・・・いや、知らないけど。」
「・・・そう。」
会話が途切れる。恐らく聞いてほしいのだろうと判断する。
「・・・その口寄せ屋って言うのは何なのかな?」
「・・・あなた口寄せって何なのか知ってる?」
質問に質問で返された。僕は答える。
「青森県の方にある恐山っていう場所が総本山で、自分の身体に霊を乗り移らせて生きている人と会話をしたり、占いをしたり、後はそれを職業にしている人が盲目、若しくは弱視の女性ってことくらいしか分からないな。」
「詳しいじゃない。」
「・・・そうでもないよ。」
それきりまた話が途切れた。僕はまた聞く。
「・・・で、その口寄せ屋がどうかした?」
「今日他のクラスの人が話してくれたの。事件や事故の起きた場所で幽霊が出るようになったとき、役所からその現場の調査、浄化を依頼される口寄せ屋っていう職業の人がいるらしいわ・・・。」
僕は途中から話を聞き逃していた。
正直、僕に取って興味があるのは死体であり死者の想いなどどうでもいい。第一、
「・・・胡散臭い。」
「そうね・・・。」
彼女の話は終わったようだ。
僕は支度を済ませ教室を出る。既に用意を終えていた森野も僕の後から出てくる。
帰り道は途中まで同じだが別に家がちかいわけでは無い。僕は駅に行くし、彼女は歩いて家に帰る。
その間会話は無くその日最後にした会話は・・・
「・・・じゃまた明日学校で。」
「さようなら神山君。」
だけだった。
ここまで。不定期更新です。
>>1です。レス感謝です。ファンがいるとは思いませんでした。
まだ、書き上がっていませんが一つ注意を。
コラボしているのは
MONOPHOBIAではなく DAYDREAMです。
では。
>>1です。もう少しかかると思いましたが期待してる方もいるようですし、テストを兼ねて投下します。
深小姫sideです。
東京都 某所
崔樹 深小姫のマンション
「・・・ですからまた、深小姫さんに口寄せをお願いしたいと・・・ミサキさん?」
「・・・そ~いちろ~ぉ・・・!」
「ひいっ!」
「・・・いい加減にしろよ!今月に入ってからあたしは一度も休めてないんだよ!」
私は自分の部屋で目の前の男に怒鳴り散らしていた。
現在私は口寄せ屋としてとある案件の解決に追われている。
本業・・・といっていいのかは分からないが(というか認めたくないが)女王様は休業中だ。現状こちらが忙しすぎて手が回らない。仕事着は口寄せの時に着てるけどね・・・。
「大体!眼球コレクターだぁ!んな変態警察に任せときゃいいんだよ!」
それが出来ないから自分が駆り出されていること位私にだって分かってる。
ウェルテル効果による集団自殺事件に協力して以来私にはこの手の案件が警察から回ってくる。
役所からの報酬、警察からも口止め料を兼ねて金一封がでる。それはいい。それはいいのだが、しかし・・・
今回は長い!長すぎるのだ!七月初旬に始まった事件がもう中旬に差し掛かっていた。
世間ではもう夏休みを取っている人間さえいると聞く。
お金も貯まった。今度こそ夢の海外旅行に行きたかったのに・・・。
そんな私は今、金も払わない究極の変態の相手。何たることか。
散々当たり散らしたものの惣一郎はいよいよ私の扱いに慣れてきたらしく最後は・・・
「それじゃあ明日は十時に迎えに来ます。」
丸め込まれる。そんな私は相当甘いのだろう。
キツく出れないのは当然だ。私が休めないのは彼の所為では無い。
私はソファに座ったまま鷹揚に手を振り惣一郎を見送った。
彼が帰った後、私は食事もせず酒を煽り眠った・・・。
ここまで。モノローグの少ない低俗霊をssに興すのは難しいです。
次の更新は大分、かかると思います。
深小姫の語り部に違和感があるようでしたらご意見をお願いします。
それでは。
投下します。
東京都 某所
神山樹の家
家に帰った僕はいつものように母親と妹をやり過ごし新聞を持って部屋に入る。いつものようにスクラップブックを取り出す。
新聞から目当ての記事を探し出し、切り取る。
眼球コレクター・・・死体から目玉を持ち去る猟奇殺人犯。その殺害方法は多岐に渡り、目玉を持ち去られている以外は被害者に共通点は無い。
僕としては老若男女問わず殺していることからあの事件を思い出していた。
リストカット事件。
犯人は今、どうしているのか。不思議と彼の事件はあれから目にしない。無論、彼が犯人という事は無いだろう。彼ほど手を愛していた人間はいない。
現在この事件はかなり離れた町で起きているため僕と接点は無い。只、もうすぐ来る夏休みに合わせ僕は何とか母親に二週間の一人で旅行に行く了解を取り付けた。後は森野に気付かれなければいい。
今回はどうしても一人で行きたかった。犯人は今のところ一日に五件のペースで事件を起こしているらしい。毎日ではないが。
もし、運が良ければ犯行現場に立ち会い、あわよくば犯人のコレクションを・・・。いずれ来る時を思い、僕は声を上げずに笑った・・・。
ここまで。
・・・二週間の一人で
>のは入りませんね・・・。
>>1です。レス感謝です。これから投下します。
東京都 某所
神山樹side 終業式
僕は改めて明日からのことを思い浮かべていた。既に準備を終え、明日の朝早く出発するつもりだ。僕は彼女の方を伺う。
森野・・・。幸か不幸か彼女の席は現在、僕の隣である。彼女の方を見ずに様子を窺うがいらぬ心配だったようだ。彼女は惰眠を貪っている最中であるらしい。
よくよく考えれば彼女は終業式にも顔は出していなかった。集合の際いくら声をかけても起きず途方に暮れる担任の顔を思い出す。
「・・・ハハハ!おいおい。そりゃ~ねぇよ・・・。」
突然笑い声が聞こえた。前を見るとクラスメイトが二人こちらの机の前におり笑っていた。
二人の雰囲気から察するに僕が言った冗談か何かを受けて笑ったらしいが僕は二人に何を言ったのか思い出せなかった。
こういう状況はいつもの事だが今日は危うくボロが出るところだった。僕は教室の時計を盗み見て今日の日程が終了していることを確認すると適当に話を切り上げ席を立った。
二人と教室を出る際、森野の事を一人に聞かれたが多分疲れてるんだ。寝かしといてやろうと言った。
それがいけなかったらしい。下手に気遣うような事を言ったため散々からかわれた。
実際は面倒くさかっただけなのだか・・・。
家に帰り夕食が出来るまで部屋で本を読み、過ごした。食事が終わった後は明日のことを考え早めに休んだ・・・。
東京都 某所
深小姫side 神山樹が町に現れる日より数日前
「どっ、どうですかミサキさん・・・?」
あいつの裏返った声を聞き私は溜め息をつく。幽霊が怖いなら配置転換を願い出るように何度も言っているのに・・・。
あいつはいくら言っても聞きやしない。その理由は分かりすぎる位分かっているが・・・。
幼少期から霊とともに会った私にとって幽霊が怖い男など論外である。
実際彼は格闘技の素養がありこんな所で幽霊相手にギャーギャー騒いでいるより・・・
違法に物件に居座っているチンピラやヤクザを相手にしてる方が何倍も楽だし向いているだろう。
女王様なんてやってると色々な男と出会うことになる。皆本性が例えマゾだとしてもそれは性格の本質はまた別物である事が多い。
色々な人がいた。格闘家だったり、政治家だったり、変わり種だと店の人間の話だが青年実業家、極端なところだとフィクサー何かが。
私のような人間からするとフィクサーを仕事と考えるかは微妙である。
まあそれはさておき、ある意味は私は多くの男の秘部を見ているわけだが、そのせいか私は男に夢を見ることはない。
父親がクズだったからとも言えるが。
「・・・えっ!?ちょっ、ちょっとまっくだしゃい、みしゃきさん!?」
あいつが後ろからついてくる。
そうね・・・この仕事が終わったら予定通り旅行に行こう・・・あいつを連れて。
さっきまでとは違って私は晴れやかな気分で例の変態をぶん殴ってやる決意を固めた・・・。
東京都 某所 樹side 出発当日の朝
朝食を食べ外に出る。妹の……
「お土産買ってきてね~♪」に適当に返事を返しメモ帳に書き込む。
薄着にしているし、まだ午前中だが日差しがキツい。
暑い……自然にそんな呟きが口をつく。歩きながら現在、眼球コレクターについて分かっている事を整理してみる。
・一日に大体、五件の犯行を行っている(毎日ではない)
・目撃情報が無い(死体が発見されるのは大抵人気の無い場所らしいが……七月初旬に始まった事件で今日まで一度も発見されないということが果たして有り得るだろうか……?)
ちなみに現在、事件の起きてる町ではパトロールを強化し、昼夜問わず町中のあちこちに警官が配置されているらしい……。
にも関わらず事件は起き続けている。このことから既にある程度犯人の目星をつけてはいるがあくまで当て推量にすぎない。
今はっきり分かってるのはこれくらいか……。
後は行ってみないと分からないが……何とか二週間で答えをある程度出せるといいんだけど……
犯人の残した痕跡すら確認できなければ行く意味はない。まあ後は運次第か。
そして僕は駅まで汗を拭きながら歩いた……。
東京都 某所
崔樹 深小姫のマンション 深小姫side
事件発生から三日目
「……」
「ミサキさん。拒否権はありません。」
「今回の依頼……断れば……警察は藤原充、椚アイ、柧武 惣一郎、崔樹 深小姫……あっ、それからミサキさんのお父さんもですが……全員警察の方に連行するそうです……。」
「……罪状は……?」
「何とでもなると……」
「……」
「……ミサキさん……受けてください……お願いします……。」
そういって私の前で頭を垂れ土下座までする姿は酷く滑稽に見えた。
多分、この男は自分が責を負えばどうにかなる話なら甘んじて受けるのだろう……。だが今回は……
「……頭、上げろよ。」
「……ミサキさんが了解するまで出来ません……。」
私は溜め息をつきながら頭をわしゃわしゃとかきむしった。
私は彼の顎を思いっきり蹴り上げてやった。
「……ごぶっ!なっ、何を!?」
「頭上げろって言ってんだろうが!」
「だから僕はあなたが承諾するまで……!」
「……受けるよ。」
「えっ!?」
「……やるって言ってんだよ!何度も言わせんな。」
それがこの一件を押し付けられた瞬間だった……。
「ミサキさん?どうしました?」
車の運転をしながら惣一郎が聞いてきた。
「んっ……ちょっと、考え事を、ね。」
「……僕から言うことじゃないですけど……やっぱりお疲れのようですね。次の現場まではまだ結構ありますし寝てて良いですよ。」
「んっ…そうさせてもらう。」
そう言って目を瞑ると一気に睡魔が襲ってきてそのまま私は眠りについた……。
ここまで。
>>1です。レス感謝です。樹sideのみですが投下します。
東京都 某所 樹side
出発当日の午後
僕は電車から降りると凝り固まった筋肉を解していた。
予想以上に時間がかかってしまった。僕はメモを確認すると比較的新しい現場に向かった。古い現場はもう警察が調べ尽くしているだろうし意味がない。
勿論、殺人事件の現場に立つのは僕の趣味だが今回は時間が無い……。また、今度ゆっくり来ることにしよう。さて、もう宿は確保してある。思いのほかお金がかかったが仕方ない……。僕はとりあえず最初にリストアップした現場に向かう。
……考えてみればこうなるのは当たり前だろう。現場にはKEFP OUTの文字の付いた黄色いテープが張られその前には警官が二名……。当然入れない。
といってここで引き下がれない。僕は物陰から様子を窺っていた。暫くすると車が近づいて来る音が聞こえてきた。僕はとっさに身を隠す。
現場に到着したのは何の変哲もないワンボックスカーだった。そこから一組の男女が降りてくる。
男性の方はくたびれたスーツを着た冴えない男だった。眼鏡を掛けている。
女性の方は鮮やかな白髪、多少日に焼けてはいるが白っぽい肌、アルビノを彷彿させる。
顔立ちは整っており少なくとも十人中九人は美人だと形容するだろう容姿だった。夏だというのに何故かコートを着用していた。
その異質な組み合わせの二人は警官の方に向かって歩いている。職務を果たそうとして二人に警官が何事か声をかけている。
距離があるので声は聞こえない。男の方が何かを言い後ろにいる女性を警官に示している。そして何故か警官が敬礼し、こちらが呆気に取られる中、黄色いテープを持ち上げ出来たスペースを女性がくぐり悠然と歩いて行った……。
ここまで。深小姫sideも残ってますし続きは近い内に投下します。
>>1です。投下の前に二つほど謝罪する事があります。一つは>>1の構成力不足により深小姫sideが説明による地の分だらけになりました。ある程度は行間も空けましたがどうしても読みづらい時は読み飛ばしてください……。二つ目はこっちてま一つ問題がありましてもしかしたら一ヶ月くらい投下が出来ないかもしれません。
只、伸びる可能性もありどちらにしろss速報は二ヶ月立つとおちてしまうのでその場合は楽しみにされている方には申し訳ありませんがおとして頂いて構いません。
本当にすいません。
ではこれから投下します。
>>38
こっちで一つ問題がありまして……ですね。すいません。
では、今度こそ投下します。
東京都 某所
深小姫side 同時刻
私は惣一郎に口利きをしてもらい現場を訪れた……。
気を落ちつかせ、精神を集中し、その場に居る霊の言葉を読み取り、反芻し、己が口でその言霊、最後のメッセージを紡ぐ。
口寄せとは死者の口を真似、その言葉を生者の元へ届けること。
私はアンプであり彼、若しくは彼女達はギター……その聞こえぬ唄を響かせ、増幅させる。生者達に聞かせるのだ。その詩を……そして……
「……やっぱり今回も駄目か……。」
最近、口寄せが上手くいかない……。始めは私の調子が悪いのだと思っていた。しかし……
「……気晴らしに受けた別の案件だとはっきり聞こえたのよね~……」
誰に言うとでも無くそう呟いてみる……。
実際、彼女の周りには誰も居らず彼女も声を潜めていた……。
「……」
結果出された答えは……
「……同業者……。」
無論、そうとも限らない。この事件……何かがおかしい……。あちこちの現場を巡ったが、ここのように被害者の霊の存在を確認出来ない場所もあれば、存在を確認出来たが言ってる事が支離滅裂で判断不能……まあこれに関してはどの霊も同じで普通口寄せ屋は皆、霊の浄化を行う時、その霊の意味の通らない独白を聞き……
そこから浄化に必要な言葉を抜き取り、死者の鎮魂に必要な言葉、物、そして人を用意するのだ……。
只、今回は事情が違う。浄化はいずれ行わなければならないだろうが今回は後回しだ。正直自分一人では手が回らないという本音もあるが……。
さて、改めて考えてみる。今回すべき事は浄化ではなく、被害者の言葉から犯人の特徴を洗い出すこと。普通、殺人事件の被害者の霊というのは例外無く悪霊寸前か悪霊と化し、その想いは極端にドロドロし、濁っている。
その憎悪の中から犯人の特徴という小さな鍵を探し出すのは並大抵の事ではない。
只、やるだけでいいのなら私でなくても少し手慣れた者や、駆け出しの口寄せ屋、何なら人より霊感の強い人間でも不可能ではない。
実際私より上手くやる口寄せ屋は沢山居るだろう……。
つまり大抵の被害者は犯人に関する情報を持っているのだ。普通は。だが今回に限っては……
「無い……。」
被害者が犯人の特徴を言わないというよりは明らかに知らない。それに……
「聞き取るのは恐ろしく容易ね……。」
この事件の被害者は不思議な程濁りが見られない。濁りがあるとしてもそれは殆どが現状に関する自問自答や混乱、早い話が自分の死を一切認識できていないのである。普通死んだ人間というのは自分の死のきっかけに関しては覚えているものだ。
でも、今回の事件に関しては被害者にその記憶は無い。その理由は……
「……プロの犯行……。」
世間では犯人の眼球を抜き取るという行為が故、猟奇殺人と騒がれているが、実際の遺体は、見せて貰ったが非常に綺麗というと語弊があるが……
要は犯人は鋭利な刃物で一撃で被害者を死に至らしめており外傷はその致命傷一カ所のみである。目の方も殆ど余計な傷を付ける事無く眼球から視神経を剥がすことに成功していたようだ。[ピーーー]のもプロだが医療技術に精通しているというのが警察の見解である。
「……」
そこまで考えたところでいよいよ胸糞悪くなり私は溜息を一つつく。今回の現場には手掛かりは無い。私は後ろを向き惣一郎の元に帰ることにする。
「無い……。」
被害者が犯人の特徴を言わないというよりは明らかに知らない。それに……
「聞き取るのは恐ろしく容易ね……。」この事件の被害者は不思議な程濁りが見られない。濁りがあるとしてもそれは殆どが現状に関する自問自答や混乱、早い話が自分の死を一切認識できていないのである。普通死んだ人間というのは自分の死のきっかけに関しては覚えているものだ。
でも、今回の事件に関しては被害者にその記憶は無い。その理由は……
「……プロの犯行……。」 世間では犯人の眼球を抜き取るという行為が故、猟奇殺人と騒がれているが、実際の遺体は、見せて貰ったが非常に綺麗というと語弊があるが……
要は犯人は鋭利な刃物で一撃で被害者を死に至らしめており外傷はその致命傷一カ所のみである。目の方も殆ど余計な傷を付ける事無く眼球から視神経を剥がすことに成功していたようだ。殺すのもプロだが医療技術に精通しているというのが警察の見解である。
「……」
そこまで考えたところでいよいよ胸糞悪くなり私は溜息を一つつく。今回の現場には手掛かりは無い。私は後ろを向き惣一郎の元に帰ることにする。
そういえば折角例の衣装を着用しているのに私は随分コートを脱いでいない。気合いを入れる必要が無いからだ。まあ別に私は露出狂のつもりは無いからこれでいいのかもしれないが……
惣一郎の元に戻り私は車に戻らず惣一郎を連れとある場所に向かう。そして……
「……アンタはさっきからそこで何をしているのかしら?」
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