小町「ですです♪ちなみに8万ポイントでカンストですよ」
結衣「な、なにそれ!ヒッキーが自分で言ってるの?」ドンビキ
八幡「俺がそんなこと言うわけないだろ…」
小町「いやー、うちの母が発案者でしてね、将来の夢はお婿さん♪なんて言っておきながら彼女の一人も作らないんで、長男大安売り月間を始めたちゃったんですよ~」
雪乃「学校だけでなく家庭からも見捨てられようとしているのね、比企谷くん」ハァ
小町「大丈夫だよ!だれも貰ってくれなかった時は小町がお兄ちゃんを貰ってあげるから。あ、今の小町的にポイント高いっていうか」
八幡「はいはい、高い高い」
小町「大体今ので100ポイントですね~」
結衣「小町ちゃんは今、何ポイント貯めたの?」
小町「小町はちょこちょこ使っちゃうんで全然貯まってないですよ?」
雪乃「……他に何と引き換えできるのかしら」
小町「小町的におすすめは80ポイントのなでなでですね~、お兄ちゃんのなでなでは一級品ですよ!ちゃんす」
八幡「お前そればっかだもんな、手首腱鞘炎になりそうだよ。」(完全に犠牲)
小町「あとあと、お二人には800ポイントのちゅーが狙いどころですねー」
雪乃・結衣「!?」
なんでsageてんだ
結衣「ちゅーってそ、その…」
雪乃「私としてはまったく興味がないのだけれど、
プライベートまでポイントで買われるあたり
比企谷君の矮小さが表現されていて面白いと思うわ。
それに点数に上限が設定されているうえ、それとの
引き換えが結婚ということからも、最終的な勝者は
明確に一人に絞られるわけよね。勝敗をあやふやに
したがる昨今の教育には辟易しているから、その点も
評価に値するわ。ただ、勝者に与えられる褒賞が
懲罰以外の何物でもないというところが致命的な欠点かしら」
八幡「懲罰で悪かったな、それ八幡的にポイント低いぞ」
小町「はいはーい、お二人とも良かったらポイント戦に加わってくださいな。母が作った八幡ポイント測定アプリ、メールで送りますねー」
八幡「何それ、いつの間にそんなの作ってんの?」
>>3
ああ、いつもsageでコメしてるから気づかなかったわ
結衣「こ、小町ちゃんのお願いじゃ断れない、かなっ。暇つぶしくらいにはなるかもしれないし…。な、何こっち見てんの!キモいし」
雪乃「そうね、部室の掃除でもやらせようかしら」
小町「ありがとです~。お二人にはぜひぜひ8万ポイント貯めていただきたいです♪では小町は用事があるのでここらで退散いたしますー」
八幡・雪乃・結衣「……」
八幡「…俺も今日は帰るわ」
結衣「ま、まってよ、途中まで一緒に帰ろ?ね、ゆきのんもっ」
ソデクイクイ
八幡「お、おう…」
ピロリン !ポイントアップ!
結衣「あ、ポイント入った」
雪乃「はぁ、なんて安いのかしら」
八幡「いやいや、これは違いますから。いきなり引っ張られてちょっとびっくりしただけですから」
結衣「ふふんっ、なんか敬語なところがあやしいしっ!ヒッキーも結構フツーにドキドキしたりしちゃうんじゃん」ニコニコ
雪乃「気持ち悪いわね。このアプリ、あなたが下種な妄想をしたときの警報くらいには役立ちそうだわ」
八幡(小町め、余計なものを渡しやがって……)
~翌日~
平塚「お早う、比企谷」
八幡「うっす」
平塚「昨日、君の妹さんから面白いプレゼントをもらったぞ。なんでもポイント貯めれば結婚ができるそうじゃないか」チラッ
八幡(小町、渡す相手に見境が無さ過ぎるだろ)
「先生、やだなぁ、そんなのうちの母親のちょっとしたジョークですよ」
平塚「たとえ冗談のつもりでも、契約書にサインをしてしまえばそれが真実となるのだ。ところで1ポイントあたり、定期テストの点数に換算すると何点分になるんだ?」
八幡(この人、結婚が絡むと冗談効かなすぎでしょう。目的も手段も教師として完全に間違ってるし…)
なんか書いたり書き込んだり忙しいな
ストック20レス分くらしかないから、尽きたら黙々と書きます
川崎「ねえ、そこに立っていられると教室は入れないんだけど」
八幡「わ、悪ぃ」
川崎「…………比企谷さ」
八幡「ん?」
川崎「今度の日曜空いてるか?そのっ、弟がお前に、話あるみたいでっ…」
八幡「すまん、日曜はちょっとアレで」
川崎「また、妹か?昨日会ったよ。なら一緒に来ればいい。じゃ日曜な」
八幡(いや、行くとは言ってないんだが、ていうか誰?)
結衣「……」
八幡「……?」
結衣「…むー…」
八幡「なにこっち見てんの、キモいし」
結衣「キモくないし!ヒッキー、今度の土曜遊びにいこっ!」
八幡「お断りします」
結衣「何でよっ、どーせ暇なんでしょ!」ブンブン
八幡「腕振り回すなよ、お前はめだか師匠か」
結衣「せめて、だだっ子って言えし!あっ」ヨロッ
八幡「!」ムニュ
(ち、近いし柔らけぇ…)
ピロリン!ポイントアップ!
八幡「う……」
結衣「…///」カァ
結衣「ご、ごめ……ありがと……」サッ
八幡「いや…」(こいつ凹凸ありすぎでいちいち当たるなぁ、今だけは雪ノ下が恋しくなるぜ)
~部室~
八幡(なんだか今日は疲れたな…)
八幡「よう」
雪乃「あら?比企谷くんが接近してきたのに、警報が鳴らなかったわね。このアプリ壊れているのかしら」フリフリ
八幡「さっそくアプリの機能忘れてんじゃねぇよ。それ俺的に嬉しい時に鳴るから。必然的にここに来る時に鳴る訳ねぇから」
雪乃「例え辛辣な暴言ですらも、女子との希少な触れ合いとして喜びを感じてしまう特殊な癖の持ち主でしょう?」
八幡「はっ、俺のぼっちレベル舐めんな。そもそも触れられると、それがストレスになって心が傷付く。人に触られるとダメになる珊瑚礁と一緒だな、よって俺の心は珊瑚礁のように美しいことが証明されたわけだ」
雪乃「綻びだらけの証明ね。大体あなたの心は元からダメになってるじゃない。致命傷だらけなのにしぶとく生きてるあたりゾンビに近いわ」ハァ…
八幡「……」(あぁ、だから近所の小学生にいきなりニフラム使われるのかな)ポケー
雪乃「……、まぁ……、そんなに脆弱さを主張したいなら、部室に篭ることを特別に許します。ヒ・キ・コ・モ・リくん」
八幡「部室警備はまかせろーって、人の名前を現代の座敷わらしみたいに言うのやめろ、心の傷口が開く」
雪乃「ふふっ……あまり開口したら私が針で縫ってあげるわ。こういうのポイント高いかしら」ニコ
八幡「超低いっす。塩塗ってもらってる気分です」
八幡(やはり妙なアプリ配られても雪ノ下の態度変わらないな)
八幡(決して浮き足立つことなく、地に足つけた間柄)
八幡(お互い、これくらいの距離感で丁度いい…………なんだか落ち着くなぁ)
ピロリン!ポイントアップ!
八幡「げ……」
雪乃「……っ、あんな苦言を吐かれて悦ぶなんて、本当にどうしようもない変態ね……、え、嘘これ、ポイントかなり上がって……///」カァァ
雪乃「ちょ、ちょっと喉が渇いたわ、席を外します」タッタッタッ
八幡(いないものになりたい)
結衣「ヒッキー、やっはろー」
八幡「おう」
結衣「ゆきのん、どったの?顔赤くして出てったけど」
八幡「さぁな」
結衣「ふぅん?ところでヒッキー、このは、八……ヒッキーポイントって使っていいのかな?」
八幡「ヒッキーポイントっていうのやめろ」
八幡「……ちなみに何ポイントあるんだ?」
結衣「んっと、800ポイント」
八幡「おっと、そうだ、今日はアレの日だったわ、じゃまたな」ガタッ
結衣「待って待って!違うの!ちゅ、ちゅー……とかじゃないの!」
八幡「由比ヶ浜、わがままはボディだけにしろよ」
結衣「へ、ぼでー?……っ!ヒッキー、キモっ!ばーかばーか!」
結衣「小町ちゃんがオススメしてたヤツ、少しどんな感じか知りたかっただけだもん……」
八幡「撫でるやつか」(本当、犬みたいな奴だな)
結衣「それにヒッキー、あんまり変なことお願いしたって困っちゃうよね」タハハ
結衣「わ、私はヒッキーに日頃のお礼したいだけだから、困らせるのはちょっと違うっていうか……」
結衣「そりゃ、ちゅー……とかもちょっと気になっちゃうけど……」モジモジ
八幡(なるほど、確かに貯まらせる前にとっとと消化させたほうが良いな)
八幡「……ほらよ」クシャクシャ
結衣「んっ……くすぐったい……///」クスクス
結衣「ヒッキー大丈夫だよ、私、無理やり何かさせようって気ないから……。もしポイント全部貯めたら小町ちゃんにお願いして全部保留にしてあげる……ね?」ニコ
八幡「……お前はホントいいヤツだよな」
ピロリン!ポイントアップ!
八幡・結衣「あ」
結衣「あははっ、ポイント元にもどっちゃった」
八幡「でも良い作戦かもな、それ」
結衣「ほえ?」キョトン
八幡「だからさ、俺と女子誰かが組んで一気にポイント稼いでさ、さっき由比ヶ浜が言ったように勝者の特権で全部なしにするんだよ」
結衣「おー!さすがヒッキー、ズル賢い!」
雪乃「捻くれた性格だけあって発想まで狡猾ね……」
結衣「あ、ゆきのん!戻ってきたんだ」
八幡「お前ら素直に褒めろよ」
雪乃「嫌よ、そもそも褒めていないもの。その作戦、協力する女子に何のメリットもないわ」
結衣「うーん、そうかも……。8万ポイント分も、ヒッキーにサービスするの疲れるし」
八幡「おい、平塚先生というシャレならん人物が参加していて気が気じゃない俺の身にもなってくれ……いや、下さい。お願いします」フカブカ
結衣「でもヒッキーが喜ぶことかぁ。と、隣に座って、お弁当食べさせてあげる、とか?」
八幡「それキャバクラじゃねぇか、さすがビチヶ浜は言うことがビッチだな」
(あと、さりげにお弁当というキーワードから死亡フラグ臭がする)
結衣「ビッチ言うなし!」
雪乃「由比ヶ浜さん……。この男は女性に接待されれば終始うつむき、甲斐甲斐しく食べさせても喉が通らなくなるような生き物よ」
(お弁当、私まで巻き込まれる気がするわ)
結衣「むー、じゃあゆきのん何か思いつく?」
雪乃「……、ごめんなさい、私もこういうのは不得手だわ。ちょっと話したくらいで喜ぶような変態なんて……私、わからないもの」プイッ
雪乃「わからないことは先人に聞くことが賢明よ。私は小町さん、あなたは同じクラスだし戸塚君に聞きましょう」
結衣「うん!オッケー」コクコク
八幡「くっ、なんて隙のないチョイス!好きはあるけどな!」
(俺にとっての究極と至高を選ぶとはさすがだな!小町と戸塚が両方そなわり最強に見える)
雪乃「情報収集と準備に少し時間が必要かしら……、そうね、今度の土曜に本番決行しましょう」ムシ
結衣「じゃあ、土曜お昼12時に駅前でいいかな?」
雪乃「それでいいわ、短期決戦で終わらせてしまいましょう」
八幡「おい、俺の意思確認はしないのかよ」
八幡(とは言っても、結局協力してくれることには感謝するか)
残りは今書いてる最中なんで二時間後をめどに再開します
それで終わるつもりです
取り敢えずここまで読んでくれた方ありがとうです
9割書けたんであとは添削しながら上げていきます
保守ありがとう
~土曜日~
八幡(小町のやつ、雪ノ下と最終打ち合わせするとか言って先に出て行きやがって)
結衣「ヒッキー、おはー」テコテコ
八幡「おー……お?」
結衣「あ、服ね、さいちゃんにも選んでもらったんだ!たまにはスポーティなのもいいかなって」
八幡「なるほど、なんかいつもの私服と違うから気になったっつーか」
結衣「えっ、私の服覚えてくれてるんだ……えへー///」
八幡「違うから、いつもは痴女みたいな格好だからショッキング的な意味で記憶にこびり付いてるだけだから」
結衣「いつもフツーの私服だし!素直じゃないなー」
八幡(しかしこれはさすが戸塚。すこし大きめの服がとつかわいい成分を放っているぜ……)
ピロリン!ポイントアップ!
八幡「……くっ!」
結衣「ふふーん♪」ムフー
小町「お兄ちゃーん」
八幡「お、やっときたか」
結衣「ゆきのん、小町ちゃんやっはろー!」
小町「結衣さんやっはろーです!」
雪乃「こんにちわ」
結衣「わぁ、ゆきのんカワイイ!スカートだぁ」
雪乃「私はこんなラフなの嫌って言ったのよ……」ムス
八幡「おお、我が妹ながら超適当な性格がにじみ出た着崩しコーディネートだな」
小町「まずは雪乃さんのカチカチな壁を崩そうと思って、着崩しだけに!」
八幡「うまくねぇよ」
(大体ウォール・ユキノは函谷関並だから崩せない、攻略不可能だ)
八幡(ていうか首元開きすぎてブラ紐見えてるぞ、そーゆーもんなの?そーゆーもんとして雪ノ下はそれに適した見えてもいいブラとか持ってんの?)
小町「ほらほら、雪乃さん!アピってアピって!」
雪乃「……///、やっぱり私、」
小町「いーから、雪乃さん負けちゃいますよ?」
雪乃「この際、負けでもいい気がするけど……わかったわ」ハァ
雪乃「比企谷くん、恥ずかしいけど今日はあなたのために頑張って服を選んだわ、どう……かしら?」ソデギュッ
小町「ナイスでーす!今の絶対に雪乃さん的にポイント高いですよ!」グッ
八幡「ぐっ、仲睦まじい兄妹の掛け合いパターンを踏襲するとはやるな」
ピロリン!ポイントアップ!
雪乃「……///」
小町(まだ伝授していない奥義・袖掴みまで使いこなすとは!雪乃さんも結構乗り気ですね)クハー
小町「そーだ、ここで小町からひとつ耳寄りな情報です!現在ポイントは雪乃さんと結衣さんがほぼ同率で2位と3位ですー」
雪乃・結衣「!?」
結衣「1位が別にいるの!?」アセアセ
小町「残念ながらー、ちなみに小町は4位ですよ?」
雪乃「へぇ、奇特な人もいるのね」キッ
八幡(こわいから睨むなって)
小町「いざとなったら小町に相談してください。小町のポイント譲っちゃいますよ!個人的にはお二人どちらかがおねえちゃんになって欲しいっていうか。あ、今の義妹的にポイント高い?」
八幡「ていうか譲れるのかよ」
雪乃「受け側の気持ちを配慮するとからすると押し付けると言ったほうが正しいわね」
八幡「そんな添削コメントいらないから」
結衣「そんな落ち着いてられないよー!二人共、早くいこっ」
小町「あー、小町はこのへんで退散しますね~」バイバーイ
八幡「くぅ、俺の対人オプションが帰っていく」
雪乃「逆よ、あなたが小町さんのお荷物でしょ?」
八幡「おい、雪ノ下、おまえ今日の趣旨わかってるんだろうな」
雪乃「分かってるわ、比企谷くんを上げるだけ上げてポイント稼いだら叩き落とすんでしょ?そういうの得意なの家族にいるから」
結衣「た、叩き落とすのは予定にないし」タハハ
プルルル
雪乃「電話だわ、ちょっと失礼、……はい、雪ノ下です」
小町『雪乃さーん、そういうのはダメですよー?』
雪乃「!……小町さん、帰ったんじゃないの?」ヒソヒソ
小町『小町は大好きなお兄ちゃんの状況はどこからでもわかるんです』フフン
小町『それよりもっ、罵倒はダメだって言ったじゃないですかー。兄は強がってるように見えて結構ナイーブなんですよ?』
雪乃「そ、そうね、気をつけるわ。小町さん、あなた盗聴器とか仕込んだんじゃないでしょうね」
小町『んー、雪乃さんには何もしてないですよ?お兄ちゃんの方を全部脱がせばなんとかなるかもです♪ではではー』ガチャ
雪乃「それって実質八方ふさがっ……もう」フゥ
結衣「ゆきのんだいじょぶー?」
雪乃「え、ええ、行きましょう」
~ファンシーグッズ店~
八幡「うへぇ、こういうところ俺向いてないんだよ……」
結衣「まぁまぁ、なんだかゆきのんのオススメみたいだし」ヒソヒソ
雪乃(今日は小町さんになりきるのよ、私は小町さん、私は小町さん、姉さんのような傍若無人で唯一神気取りのような可愛げのない身内ではなく、年上の兄に甘甘べたべたな理想的な可愛い妹……!)ブツブツ
八幡「雪ノ下なんか疲れてるみたいじゃん、帰る?」
結衣「だからさらっと帰ること提案するなし!ゆきのん、大丈夫?」
雪乃「ええ、大丈夫よ、ゆいが……結衣ちゃん!」
八幡・結衣「!?」
雪乃「に、兄さん!一緒にお店回りましょう」キラキラ
八幡「お、おう……って俺に同い年の妹なんていないから……」
八幡「おいこれ、救急車か?救急車でいいんだよな?」ヒソヒソ
結衣「ヒッキー、逃げちゃだめだよっ!ゆきのんは頑張ってるの!受け止めてあげて!」
雪乃「わぁ、ほらあそこ、パンさんグッズフェアやってるわ!」ウデグイグイ
八幡「わ、わー、ほんとだなー」ヒキワライ
雪乃「このパンさん可愛いわ、今にもノコギリで竹を切り落としそう!」クスクス
八幡「いきいきしてるねー……」ドンビキ
(なんだこいつ、まさか雪ノ下の格好した姉の方なのか?いや違う!胸が違う!)
八幡(タ・ス・ケ・テ)クチパク
結衣(ガ・ン・バ・レ)クチパク
雪乃「ほらほら、兄さんも可愛いと思うでしょ?」パンサングニグニ
八幡(ぐっ、邪気のない笑顔でヌイグルミの手足フリフリさせてると、普通に……いや、めちゃめちゃ可愛いな)
ピロリン!
雪乃「……///」
(躊躇しちゃダメよ、私は可愛らしい妹になりきるの。姉はいるんだし妹としては素人じゃないはずだわ!)
雪乃「ねぇねぇ、どのパンさんが兄さんはいいと思う?」ウワメヅカイ
八幡「う、ぐ、この笹食ってるパンさんなんか良いんじゃないか?」
雪乃「あら、それはもう持ってるわ」シレッ
八幡「なら、自分で選べよ」
雪乃「でも、兄さんが選んでくれたなら、特別に買っちゃおうかな……///」ニコ
八幡「っ!勝手にしろ……」プイッ
ピロリン!
雪乃「はい、じゃあ買ってくるわ」
~ベンチ~
結衣(う~、お店から戻ってきてから二人共ポケーっとして動かない)
八幡・雪乃「……」
雪乃「……私、今すごく惨めな気分だわ」ポツリ
八幡「俺もだ、いっそこのアプリのほうが壊れてればいいのに」ポツリ
結衣「まあまあ!まだ来たばっかなんだしもうちょっと遊ぼうよー」アセアセ
八幡「……そうだな、せっかく企画してもらってるしな」
雪乃「ごめんなさい、私ここで少し休むわ」ゲソ
結衣「じゃ、じゃあなんか冷たいもの買ってきてあげる!ヒッキー行こっ」
結衣(ゆきのん頑張ったもんね!私もさいちゃんにヒッキーのデレデレするタイミング色々教えてもらったし頑張んなきゃ!)
結衣(確かチョココロネ食べたる時ヒッキーと盛り上がったって言ってた……、わ、私にさいちゃんみたいな可愛い仕草できるかわかんないけど……)
結衣「ゆきのん!ソフトクリーム買ってきたよ」
雪乃「ええ、ありがとう……」
八幡「食ってるあいだは座って休憩にしようぜ、なんか疲れてきたわ」
結衣「……」
雪乃「冷たくておいしいわ、由比ケ浜さんありがとう」ニコ
結衣「えっ、う、ううん。よ、良かったー」ニコー
結衣「……」ムム…
八幡「……早く食ったほうがいいんじゃないの、溶けてるぞ」
結衣「……う、うん」
(優美子、姫菜、そしてさいちゃん!少しでいいの!私に女子力を分けてくださいっ)
結衣「んっ……」ペロッ
八幡「……」
結衣「ぅん……、ぁ、ふ……」ピチャピチャ
八幡「……」
結衣「はぅ……、おっきくて入らないよぅ……」チュパチュパ
八幡(なんだこれ?いつからドリームなクラブになったんだ?確かに今日は土曜だが)
結衣「あっ……」タラー
(アイス垂れちゃった恥かしい……///)
八幡「ガハマさん、まるでプロのビッチみたいっすね」
結衣「えーーっ!なんでそんなコメントになるし!」ガーン
結衣「ていうか今のさいちゃんっぽくなかった!?」
八幡「おい、俺の戸塚がそんなビッチ行為するわけないだろ」
雪乃「……確かにちょっとはしたない印象を受けたわ、行儀が悪いからちゃんと食べなさい」
結衣「ご、ごめんー、あれー……こんな感じでさいちゃん食べたって聞いたんだけどなー……」シュン
八幡(まぁ、なんか狙ってたんだなってのは分かるよ。由比ケ浜は結構人の良いやつだからな)
八幡(素人の割にAV女優並にエロかった点は男として評価したいが黙っておこう)
・
・
・
~一ヶ月後・部室~
小町『えーえー、テステスー……』マイクハッポウ
小町『あーこれよりー、第一回比企谷家長男大安売り月間の結果発表を始めさせていただきまーす!』
小町『実況はぁ、兄が欲しくば私の屍を越えていけッ!アニシカこと比企谷小町がお送りしまぁーす!』
八幡(アニシカじゃ、兄の屍を越えていけみたいだぞ…イツカキットお仕置きしてやる)
雪乃・結衣・平塚・川崎「……」パチパチパチ
八幡「小町、今更だが、なんで戸塚には配らなかったんだ?」
小町「えー、だって戸塚さんはオトコノコじゃーん。戸塚さんに配るんなら葉山さんとか、ほら、あのざ、ざ、ざいもくざ?さんとかにも配らないと不公平だしいぃ」
八幡「くそ、戸塚が女だったら……」ハギシリ
小町(ていうか戸塚さんに渡すと勝負が一瞬で決まるんですよねー。小町としてはお兄ちゃんはもういるし、お姉ちゃんが欲しいって感じ?)
小町『あー、ちなみにこの大会をもちましてポイントの引換は終わりといたしますー。なおー、目玉景品の長男引渡し權は、ポイントの一番高い人に渡されることとなります♪キャリーオーバーは無しの方向でーす』
雪乃(とうとうポイントを貯めきることはできなかったわ……)
結衣(ヒッキー、日を経つごとにポイントつくハードル高くなっていくんだもん、絶対無理だよ)
雪乃(私たちは頑張ったけれども、何度小町さんに順位を聞いても2位か3位だった)
結衣(この中に……1位の人がいるんだね)
平塚「なるほど」フッ
雪乃・結衣(!?)
平塚「ポイントが少々足りないから不安であったが、そういうことなら杞憂だったかな?」フフン
雪乃(平塚先生!?正直見くびってたわ……、女性も一回り近く離れていると別格、ということかしら)
結衣(た、たしかに先生、結婚に敏感だけど、私たちだって面倒くさくても頑張ってたんだよ!?アラサーってそんなに必死になれるんだ……こわい)
八幡「ひ、平塚先生……」
(なぜだ……)
小町『あー、すいませーん、平塚先生は30ポイントで最下位でーす』
八幡「なんであんな俺の嫌がることばかりしてポイント高いつもりでいるんだ、あの人……」ゲンナリ
平塚「なにぃ!」ガタッ
平塚「比企谷を思ってあんなに職員室で一緒だったのに、なんでそんな低いんだ!」
八幡「一緒でも説教されたり、体罰受けたり、ポイント低かったですよ」
小町『んー、マイナスポイント集計してたら確実にマイナスいってましたねー』
平塚「うう……、私の人生設計がぁ……」シクシク
八幡(誰かもらってやれよ……俺以外の誰かが)
結衣(平塚先生が最下位、ということは)
雪乃(1位は消去法により、この人!)
川崎「ていうかさ、もったいぶらなくていいよ。結果、もう見えてるし」ムス
小町『あー……そうですねー、ぶっちゃけ言っちゃうと沙希さん・雪乃さん・結衣さんの順で1・2・3位ですー』
雪乃「比企谷くん、どういうことかしら?」イライラ
結衣「ヒッキーの浮気者!」プンプン
八幡「浮気の前提満たしてないから……、それにさ、川崎はなんていうか、うまいんだよ」
結衣「う、上手いって……その……///」アワアワ
雪乃「?」キョトン
八幡「正直、こいつのくれる弁当は美味かった」
川崎「べ、弁当はついでだよ、下の子の分も作ってるからね///」カァ
八幡「授業でもペアとかで手持ち無沙汰なとき助けてくれたし……」
雪乃「……、盲点だったわね」
結衣「な、なにが?」
雪乃「彼は自分の孤独を守るのために都合がいいことに対し、一番ポイントが高いんだわ」
雪乃「川崎さんは同じ立場として、必要な時だけ手を差し伸べたのね」
小町『ちなみにポイント発表しときまーす。私が1万ポイント、結衣さんが3万5千ポイント、雪乃さんが3万6千ポイント、沙希さんが7万9千ポイントでーす』
結衣「わぁ!すっごい差つけられてる!」ガーン
雪乃「いつ聞いても1位が不動なわけね……」
川崎「んんっ……、私も一家の長女だからな。婿に来てもらえるのは、助かる、というか///」
小町『おおーっとここで沙希さんのあざとさりげない婿入り待ち宣言ーーっ!』
八幡「気持ちは嬉しいが、俺も一家の長男として、」
小町『これには拒否権のないお兄ちゃん、逃げられなーい!お兄ちゃん、逃げられないよ?』
八幡「ぐっ……」
雪乃「比企谷くん」
八幡「なんだよ、雪ノ下……」
雪乃「助けて欲しいかしら?」ニコー
八幡(うっ、嫌な予感のする笑顔だ)
八幡「……しかたない、何か手はあるのか?」
雪乃「ええ、あなたがお願いすれば、奉仕部として受けてあげるわ」クス
八幡「くそっ、はいはい!なんでもしますから助けてください!」ヤケクソ
雪乃「ええ、受けましょう」
雪乃「小町さん、いいかしら」
小町「あー、この度は残念でしたねー、お二人を応援する気持ちは本当なんですが、世知辛いものですね~」パタパタ
雪乃「私のポイントをすべて比企谷小町さんに譲ります」ドン!
八幡・結衣・小町・川崎「!」
結衣「ゆきのん……?」オロオロ
雪乃「由比ケ浜さん、私を、信じて?」
結衣「う、うん!小町ちゃん!私もポイント小町ちゃんに譲るよ!」
小町「……なーるほどー、さすが雪乃さんです。考えましたね!でもこれ、すこし最後の詰が甘くないですかぁ?」
雪乃「しょうがないわね……、今度あなたのお願い、ひとつ聞いてあげるわ」
小町「わ~~っかりました!」オホン
小町『ここにきて~~!まさかの大・展・開!!雪乃さんと結衣さんがポイントを私に譲ったことで、小町のポイントが8万1千ポイントとなりましたっ!!』
小町『私としてはこのポイントを兄ごと他人に引き継いでもいいんですけどぉ、やっぱりまだお兄ちゃんは、小町が独占しておきたいっていうか?あ、今の小町的にポイント高くて』テレテレ
八幡「はいはい、わかったよ、つまり全部無し……ってことなんだろ?」
小町『えー、わがままな妹でごめんなさい♪』
八幡(逆転一位の小町の宣言により、この大会はお開きとなった)
八幡(日本の法律じゃ、残念ながら兄と妹は結婚できない。必然的にお流れだ)
八幡(結局は足踏みばっかりで俺らの関係はプラスとマイナス、合わせてしまえばゼロのままだろう)
八幡(とにかく、俺としては元の平穏なぼっち生活に戻ることができたのだった)
~部室~
八幡「うす」
結衣「やっはろー」
雪乃「あら、由比ケ浜さんこんにちわ」
八幡「無視かよ……」
雪乃「あら、比企谷くんもいたのね。視界に入らなかったわ」
八幡「嘘つけよ、どんなけお前の盲点でかいの?」
結衣「たはは……、まぁまぁ、ね、また今度三人で遊ぼうよ!」
八幡・雪乃「……」シラー
結衣「二人とも嫌そうな顔禁止!」プンプン
八幡「俺はアレだ、休みの日はアレがあるからさ……」
雪乃「ふぅ、そうね、先月はいろいろあって疲れたから、」
八幡・結衣「……」
雪乃「今度は比企谷くんに私たちのポイントを稼いでもらおうかしら」ニコ
八幡「……は?」
結衣「あーっ、それ面白そうだし!私たちすっっっごく大変だったもんねー」
八幡「いやいや、それ俺にまったくメリットないから……」
雪乃「ところで比企谷くん、まだこの前の報酬、もらってないんだけど」
八幡(雪ノ下の目は「ん?なんでもするっていったわよね」とでもいいたげに細められていた)
八幡「………………くそ」
八幡(やはり俺の青春ラブコメは……微粒子レベルには悪くなかったという結論で締めておくことにしよう)
終わり
くぅ~疲れましたw
明日法事なんでご先祖様の前で発表してきます
では、お付き合いただきありがとうござました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません