奈緒「寒いなァ」杏「おめでとー奈緒」(25)

奈緒「おはよっす、寒いなァ」ガチャッ

菜々「おめでとうございます、奈緒ちゃん♪」ヌクヌク

杏「おめでとー」ヌクヌク

奈緒「テレビ版かな?」

菜々「アレならもっと大人数じゃないとですね」

杏「みんなで囲んで……今やると『ねぇどんな気持ち?』の図っぽいね」

奈緒「やめい」


※こたつのアレです。短いです

菜々「奈緒ちゃんも、ついにCDデビュー決定!ですねぇ♪」

奈緒「ありがとな安部さん。おかげさまであたしもメルヘンデビューだよ」

菜々「ちょっ」

杏「よし奈緒、印税で杏に飴を買い与える権利をやろう」

奈緒「いや……まぁ食事くらいはおごるつもりだったからいいけどさぁ」

杏「おー、言ってみるもんだね」

菜々「杏ちゃんのCD印税、いまだに全部スタドリ現物支給ですからねぇ……」

奈緒「えっ」

杏「私もまさかCute jewelries!の印税までスタドリで届くとは思わなかったよ」

奈緒「どんだけスタドリ貯まってんだよ今……」

菜々「たぶんお店出せるってレベルじゃないんでしょうねぇ」

杏「あー、今はそんなにないよ。ちょっと配れるくらいはあるけど」

菜々「そうなんですか?」

杏「うん、こないだ入った新人の子が実験に使うって引き取ってくれてね」

奈緒菜々「「あぁ……」」

杏「なんか成分分析して何かするとか言ってたかなー」

菜々「そ、それ止めた方がいいんじゃ……」

奈緒「よくてミドルキック、最悪電気椅子かな……」

杏「その時は春菜に頼ろう(提案)」

奈緒「それはともかく、杏も安部さんもちょっと話いいか?」

菜々「ナナは構いませんけど……どうしたんです? そんなに改まって」

杏「このこたつに入った時点で話すか寝るかしか選択肢はないよ」

奈緒「いや事務所で『寝る』を選択肢に入れてるのは杏くらいだからな」

杏「えー他にも結構いるけどなぁ、ゆかりちゃんとか」

菜々「美波ちゃんも寝ちゃってましたよね」

奈緒「おぅ……みんな結構寝てるもんだな……」

杏「つまり私が寝てても許されるはず! 寝よう!」

奈緒「それは話が別だな」

菜々「ですね」

杏「えっ、ひどくない……?」

菜々「それで、話ってなんです?」

奈緒「いやほら、CD収録にあたっての心構えとか聞きたかったんだよ」

杏菜々「「あー」」

奈緒「初めてのことだからさ、経験者に聞いておこうと思って」

杏「経験者って言われてもねー」

奈緒「曲はまぁ別として、シンデレラNO.1の方がとにかく不安でさ……」

杏「わかるわ」

菜々「なんかもう収録前からなんとなく見えてますもんね」

奈緒「そうならないように聞いてるんだってのに」

菜々「実のところ、ナナ達の話はあんまり参考にならないと思いますよ?」

杏「だね」

奈緒「そうなのか?」

杏「私と安部さんのCDに限っても、収録の経緯は全然違うからね」

菜々「ま、まぁ、ナナたちがちょーっと特殊かな?って気はしますけど……」

杏「むしろなんでよりにもよって杏達に聞いたの?ってレベル」

奈緒「ぐうの音も出ない」

杏「て言うか、なんで凛ちゃんに聞かないかな」

奈緒「いや聞いたんだよ……つーか、杏のちゃん付けやっぱり違和感あるな」

杏「杏は自分を曲げないよ」

凛(回想)『……私がどうこう言う話じゃ、ないんじゃないかな』

凛(回想)『奈緒は、奈緒の足跡を残していけばいいと思うよ』

奈緒「……ってさ」

杏「ザ・しぶりん」

菜々「いいこと言いますねぇ、そうです奈緒ちゃんらしくですよ♪」

奈緒「その『あたしらしく』ってのが問題なんだよなぁ……」

菜々「??」

杏「奈緒が何躊躇してるのか、杏にはわかるわ」

奈緒「わかるわやめろ」

杏「んっんー……『あたしらしくってどうせツンデレらしくだろ!』(激似)」

菜々「すごっ」

奈緒「」

杏「どやっ☆」

奈緒「合ってるけど……しかし杏すげえな……」

菜々「いざとなったら奈緒ちゃんの代役出来ちゃいそうなクオリティですね」

奈緒「やったね杏、仕事が増えるよ!」

菜々「よしなさい(真顔)」

杏「よし封印しよう」

奈緒「決断の早さもさすが杏」

奈緒「いやほら……実際あたし、言うほどツンデレでもないだろ?」

菜々「実はそうなんですよねぇ……」

杏「『広い意味では』とか『風味』とかが付く感じだよね」

奈緒「……まさか肯定してもらえるとは思わなかった」

菜々「本来の自分とはかけ離れたところで評価されると、辛いですよねぇ……」

菜々「ナナにはわかりますよ、うんうん」

奈緒「さすが安部さん、わかってくれるか」

菜々「17歳のナナに『ナナちゃんギックリ腰かわいい』なんてファンレターが来たりとか」

杏「かけ離れてないよね?」

奈緒「『ギックリ腰かわいい』はさすがに理解の範疇外だな……」

奈緒「そんなわけで、あたしとしては脱ツンデレ路線を果たしたいんだけど」

杏「ムリダナ」

菜々「無理ですねぇ」

奈緒「なんでだよ!?」

杏「そういうの、意識してると逆に出ちゃうもんだよ?」

菜々「そしてあのスタッフはそういうの絶対見逃しませんよ?」

杏「選挙ハガキの件をそのまま収録された安部さんが言うと説得力が違うね」

菜々「ゔっ」

杏「まぁ気負わず行きなよ。私みたいに力を抜いてさ」

奈緒「杏以外が杏みたいにやると放送事故にしかならなさそうだ」

杏「しかしもう何度目の話題かわかんないけど、奈緒の曲はどんなんだろうね」

奈緒「何度も言うけどあたしの希望は、なんかこうかっこいい系の……だ、ダンサブルな」

杏「心まで……」

奈緒「言われると思ったから言いたくなかったんだよ!」

菜々「んー……今回、本当にあるかもしれませんよ。可愛い系奈緒ちゃん」

奈緒「えっ」

杏「ほほう、安部さん詳しく」

菜々「はいはーい♪ えーと、今回の面子が……」

杏「輝子に奈緒、加蓮に紗枝ちゃん、それとユッコだね……あ、なるほど。わかるわ」

奈緒「名前挙げただけで納得する杏がこわい」

杏「順に説明したら奈緒も納得するんじゃないかなー」

菜々「正直ナナもなんか自分の予想より先に行かれてそうで怖いんですけど」

奈緒「杏なら普通にあり得るから困るな」

杏「いや普通にティンと来ちゃっただけだからね?」

奈緒「まぁそれはいいや……それじゃ、その説明頼むよ」

菜々「えーと、まずはそうですねぇ……裕子ちゃんは、こう言うとアレなんですけど」

菜々「間違いなく、ナナと同じ電波ソング枠だと思うんですよ」

杏「サイキックウェィィィブピリピリーン」

奈緒「ピリピリーンってレベルじゃないな……」

菜々「は、ハートウェーブはもっとこうラブリーな……ええと、何かですよ!」

奈緒「……うん、確かに裕子が電波ソング枠ってのは納得せざるを得ないな」

菜々「それで次はー……加蓮ちゃん行きますか?」

杏「加蓮は、どっちかって言うとクールでもしっとり系寄りってイメージなんだよね」

奈緒「プライベートはともかく、仕事中はそういうイメージになるのか」

菜々「バラードまでは行かないでしょうけど、綺麗系のラブソング路線ってとこですかね」

奈緒「うーん……加蓮に関しては、あたしはちょっと客観的には見れないかも」

菜々「普段距離が近いとどうしても……ってやつですかねぇ」

杏「まぁ、私達からはそういう感じに見えてる、くらいに思えばいいよ」

奈緒「そんなもんか……まぁそうだよな」

杏「どっちにしても、加蓮と奈緒なら加蓮の方がクール寄りなんだしさ」

奈緒「こんちくしょう」

奈緒「ふーむ……次は?」

菜々「紗枝ちゃんは間違いなく和風テイストですよね」

杏「きくまでも なかろうよ!」

奈緒「あー……そこはもう確定で扱ってもいいな」

杏「まぁ、和風でも方向性は色々あるけどね」

菜々「この場合はざっくり和風で引っくるめちゃっていいんじゃないですか?」

奈緒「そんなもんか……?」

杏「あとは輝子だね。いつものヒャッハーかラブリーきのこ路線か、それ次第かなー」

菜々「あっ……ナナ、ヒャッハー路線しか想定してませんでした」

杏「多分そっちで正解だよ。なんだったら小梅みたいに途中で転調って手もあるし」

奈緒「……なるほど、面子だけでも色々見えてくるものなんだな」

菜々「まぁ、全部ナナたちの想像なんですけどね」

杏「杏の予測はすでに予言だ」キリッ

奈緒「んで、つまりどういうことだってばよ……?」

杏「ここまでの予想をまとめるとねー……安部さんどうぞ」

菜々「ちょうど、可愛い系の正統派アイドルポップ枠が空くんですよ」

杏「毎回最低一人は必ずいるからね」

奈緒「Oh……」

杏「やったね奈緒☆」

菜々「やりましたね奈緒ちゃん♪」

奈緒「……って騙されるか! なんで消去法であたしが残るんだよ!」

杏「ちっ」

菜々「ちっ」

奈緒「ちくしょう無駄に説得力のあるいじりをしやがって……」

菜々「まぁ、半分くらいは可愛い奈緒ちゃんがいい!って希望ですからねぇ」

奈緒「残りの半分は?」

菜々「やさしさですかね?」

杏「それか面白」

奈緒「根拠が残らないんだが」

\アンズチャーン? ドコデスカー?/

\タ、タブン ジメジメシタトコロ…フヒッ/

杏「あ、やば」

奈緒「ん? 卯月と輝子?」

菜々「杏ちゃんまさか」

杏「あ、杏はたった今急用を思い出したからこたつに潜むね」

奈緒「ほーら飴だぞー」ヒョイ

杏「わぁい」

菜々「なんというちょろさ……」

卯月「あーっ! 見つけましたよ杏ちゃん!」

奈緒「まさかとは思うけどやっぱり?」

卯月「そのまさかなんです!」

輝子「フヒ……み、見習いたいくらいの、鮮やかな逃走劇……」

奈緒「いやそこ見習っちゃダメだ」

菜々「お二人ともお疲れさまです♪」

卯月「菜々ちゃん奈緒ちゃんもお疲れさまです! ほら頑張りましょう杏ちゃん!」

奈緒「よし輝子、この杏釣り用の飴袋を託そう」

輝子「ど、どうせなら……キノコ型の飴とか……欲しい……フヒ」

菜々「その飴だけはアイドルとして絶対ダメですからね?」

卯月「それじゃ、島村卯月! 杏ちゃんを頑張らせてきますね!」ガシッ

輝子「ヒャッハァー! 仕事だァ!」ガシッ

杏「かわいそうなあんず うられてゆくよ」ズルズル

\ドナァ…/

奈緒「悲しそうな瞳で見やがって……」

菜々「今、法子ちゃんいませんでした?」

奈緒「気のせいです」

菜々「二人になっちゃいましたけど、どうしましょう?」

奈緒「あー、あたし一回行ってみたかったんだ、ウサミン星」

菜々「えっ」

奈緒「それは冗談として、最近ガンプラ熱がすごくてさ。安部さんもどう?」

菜々「あ、いいですねぇ♪ よーし、ナナ糸ハンダでヒートロッド作っちゃいますよ!」

奈緒「ハンダってプラフスキー粒子効くのかなぁ……」

菜々「プラモシミュレーションなら大丈夫ですよ♪」

奈緒「えっ」


おわり

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