海未「赤点をとってしまいました……」(144)
――――――――
海未「しかも二枚も」
海未(穂乃果の勉強ばかり見ていたせいで自分の方を疎かにしてしまうとは……)
海未(ハッ……穂乃果のせいにしてしまうなんて、いけません!!)
海未(私もまだまだ鍛練が足りていませんね――って、何を私は冷静に……)
海未(これでは穂乃果たちが赤点を免れていたとしても私のせいでラブライブにはエントリーできないことに……)
海未(あぁ…っ、ど、どうしたら……)
ことり「どうしたの?海未ちゃん」
海未「な…何でもないですよ、ことり」
ことり「ねぇ海未ちゃんは数学何点だった?」
海未「うぐっ!?」
ことり「うぐ?」
海未「い、いえ……まぁまぁでしたよ、至って平凡で面白味のない点数です」
ことり「ふ~ん、私は今回危なかったんだ~、ギリギリ平均点越えたくらいだよ」
海未「そ、そうですか……ことりもまだまだですね」
ことり「ほのかちゃんは大丈夫だったかな~?」
海未「ど、どうでしょうね……穂乃果のことですから安心はできません」
海未(何といっても穂乃果ですから赤点の一つや二つとっていてくれているでしょう)
海未(それに凛やにこ先輩もいることですし……)
海未「ふふっ……」
ことり「??」
――――
凛「あぁー遅いですよー!!海未先輩、ことり先輩」
海未「り、凛……」
ことり「凛ちゃんはテストどうだった~?」
凛「凛はですね……」
海未「ゴクリ……」
凛「余裕で赤点回避したにゃー!!これもかよちんとマキちゃんのおかげー」
花陽「凛ちゃんがガンバった結果だよ」
真姫「あれだけ教えこんで赤点だった日にはただじゃおかなかったわよ」
ことり「よかった~!!」
海未(くっ……!!しかしまだにこ先輩が)
海未「にこ先輩!!」
にこ「うぁっ!?びっくりした!!」
海未「にこ先輩、赤点とりましたよね?」
にこ「にっこにっこにー☆にこにーは赤点なんかとったりしないにこー」
海未「ふふ、怒りませんから正直に仰っていただいて結構ですよ」
ニコッ
にこ「う、ウソじゃないわよ、ほれっ」
パラパラ…
海未「こ、これは……!?」
凛「90点!84点!88点!79点!91点!74点!……33点?」
花陽「高得点ばっかり、すごいです~」
にこ「ふっふ~ん」
真姫「33点って……超ギリギリじゃないの」
海未(そんな……にこ先輩までも……)
ガクッ…
海未「あぅ……」
花陽「海未先輩がうなだれてる」
真姫「まだ気を抜くのは早いわよ」
ことり「あとはほのかちゃんだけだね」
海未(穂乃果……穂乃果ならきっと……!!)
穂乃果「みんな、お待たせ」
ことり「ほのかちゃん!!」
にこ「あんたまさか、私たちの努力を水の泡にしたんじゃ……」
穂乃果「もうちょっと良い点だったらよかったんだけど……」
海未(穂乃果ぁぁ!!!!)
パァーッ
穂乃果「はい!!」
52テン
ことり「ほのかちゃん、やった~!!」
花陽「おめでとうございます!!」
凛「これでラブライブに出場できるにゃー!!!!」
真姫「まったく、冷や冷やさせないでよもぅ……」
にこ「よーし、今日からまた気合い入れて練習するわよ!!!!」
「「「おーっっ!!!!」」」
海未「…………」
海未「あ……あ……」
フラフラ…
穂乃果「あれ?海未ちゃん、どこ行くの?」
海未「はぁ……そうですね、理事長のところですかね……」
穂乃果「そっか、報告しに行ってくれるんだね!!」
海未「ほう……告……?」
穂乃果「うん!!μ'sはメンバー全員揃ってラブライブにエントリーしますって」
海未「ラブ……らいぶ……っ」
ことり「じゃあ私たちは先に練習始めてるね~」
穂乃果「待ってよ、ことりちゃん!!」
海未「はは……っ……、っ…ひぐっ……うああああああああぁぁぁぁ!!!!」
ポロポロ…
海未「ひっく……ひぎっ……わ、わたしは…何ということを……っ」
フラフラ…
海未「あんな、……に……偉そうなこと、言って…おきながら……っ、ひぐっ……ぇぐっ、おぇっ……」
ポロポロ…
海未「み、みんな、に……何て、ぐすっ……言ったらいい…か…っ……うぇぇっ……ああぁぁっ……」
ポロポロ…
絵里「……あの子」
希「どしたん?エリち」
絵里「何でもないわ」
海未「うっ…うぅ、うあああああああぁぁぁぁ……!!!!」
コンコン
理事長「どうぞ」
ガチャ…
海未「うぇ…っ……ひぎっ…ぐすっ……おぇぇっっ……!!」
理事長「……!?」
海未「ひぐっ……ぁっ…ひっく……」
理事長「園田さん?」
海未「……っ……ふぁ…ふぁい……ぐずっ」
理事長「えぇと……どうしたのかしら?何か用があって来たのよね?」
海未「あぅっ…は…い……っ…らぶら……いぶ……あかて、ん……私…っ、わたしぃぃ!!うぁぁぁっ……!!」
理事長「よしよし、いい子だから泣かないの」
海未「ぉぐっ…ふぁ……おぇぇぇ……っっ!!!!」
理事長「成る程ね、他の子は赤点免れたけど自分だけ赤点とってしまったと」
海未「ふぁ…っ……ふぁい……」
ポロポロ…
理事長「それで自分のせいでラブライブにエントリーすることができなくなった」
海未「ぁぁ…っ…ひっく……うわぁぁぁん……、ごめ、ごめんな……さい……ごめんなさい……っっ!!!!」
理事長「残念だったわね」
海未「ふぇ……!?」
理事長「残念」
海未「そん……な、何とか……ひぐっ…なりま゛……ぜんか……?」
理事長「かわいそうだけど……」
海未「うっ…うぅ……おねがいしま……す、おねがい……します……っっ」
理事長「園田さん、私はこの学院のトップに立っている人間なのよ」
理事長「その人間が簡単に自分の意見をコロコロ変えていたら周りの人はどう思うかしら?」
海未「……っ!!」
理事長「今回は残念だけどラブライブには――」
海未「穂乃果は、他のみんなは……赤点とっていませんっ!!!!」
理事長「そうみたいね」
海未「わ、私が……ひぐっ、みゅー…ずやめます……から……っ」
理事長「え?」
海未「わたしが、やめ……ます、から……っ……みんなは――」
翌日――
穂乃果「結局、昨日は海未ちゃん練習に来なかったね……」
ことり「どうしちゃったのかな?電話にも出てくれないし……」
海未「……」
穂乃果「あ、海未ちゃん!!」
海未「おはようございます、穂乃果、ことり」
ことり「お、おはよう……」
穂乃果「おはよう海未ちゃん、昨日何かあった……?」
海未「……昨日?」
ことり「練習終わった後もみんな海未ちゃん来るの待ってたんだよ」
海未「練習?あぁ……言うのが遅くなってしまいすいません」
海未「私、アイドル辞めることにしました」
ことり「え……?」
穂乃果「ど、どうしたの……ははは、海未ちゃんの冗談は相変わらずおもしろいなー」
海未「冗談などではありません、私はもうアイドルはやりません」
穂乃果「な、何で!!!!」
ことり「ほ、ほのかちゃ……」
穂乃果「何でそんなこと言うの!?今日の海未ちゃんおかしいよ!!!!」
海未「……っ!!放してください!!!!」
ことり「ねぇ海未ちゃん、せめて理由を教えてくれないかな?」
海未「……理由、そうですね……簡単に言えば私には元々向いていなかったからでしょうか」
穂乃果「そんなの嘘だよっ!!!!」
海未「話は以上です、二人も急がないと遅刻してしまいますよ」
スタスタスタ…
穂乃果「あ……」
ことり「海未ちゃん……」
穂乃果「行こう、ことりちゃん」
ことり「ほのかちゃん……」
穂乃果「し…仕方ないよ……、もしかしたら明日にはひょっこり戻ってくるんじゃないかな……」
穂乃果「『穂乃果、私、アイドル辞めるのやめます』って、はは……」
ことり「だといいんだけど……」
海未「ごめんなさい……穂乃果、ことり……っ、私だって……本当はやめたく…なんか……ひぐっ……」
――――
凛「えぇぇっ!!??海未先輩が辞めた……!?」
真姫「ちょっと!!どういうことよそれ!!」
ことり「私たちにも何がなんだか……」
花陽「あの海未先輩が突然そんなこと言うなんておかしいですよ!!!!」
穂乃果「聞いてもちゃんとした理由教えてくれないんだ」
にこ「……これは何か裏がありそうね」
花陽「ラブライブは!?ラブライブはどうするんですか!?」
ことり「……」
穂乃果「……海未ちゃん抜きでやるしかないよ」
――――
海未「はぁ……怒ってましたね、穂乃果」
海未「それも当然です……急にあんなこと言われたら誰だって……」
希「何で本当のことみんなに言わんの?」
海未「っ!?希先輩……」
希「あんたも案外ドジやなぁ、人の世話ばっかりして自分のことは後回し」
希「そういうとこエリちによぅ似とるわ」
海未「どうして……?」
希「あんた見とればすぐわかるよ」
海未「穂乃果はとてもいい子なんです、頑張り屋で友達想いで」
海未「私が辞めたことによりラブライブにエントリーできたと知れば――」
穂乃果『海未ちゃんがいないμ'sなんてあんこを使ってない鯛焼きと一緒だよ!!海未ちゃんが出ないならμ'sはラブライブには参加しません!!!!』
海未「て、言うに決まっています」
希「ふふっ」
海未「ラブライブは学校の廃校を見直して頂くにはまたとないチャンスです、それを私なんかの為に棒に振るなんか……してほしくありません」
海未「ですから今のμ'sに私は必要ない、いない方がいい存在なんです」
希「本当にそうやろか?」
海未「え……?」
希「何もラブライブだけが学校存続の手段やない、探せば可能性なんか無限に見付かると思うけどな」
海未「し、しかし……!!」
希「それにラブライブの件も諦めるにはちと早いんやないか?」
海未「それはどういう……?」
希「もうこんな時間か、はよ行かなエリち機嫌悪くしてしまうな」
スタスタスタ…
海未「あ、待ってくだ、…………諦めるには早いですか」
にこ「……」
海未「……へ?」
にこ「あ、えっと……、バイバイにこー☆」
海未「待ってください」
ガシッ
にこ「い、いやっ盗み聞きするつもりはなかったんだけど!!」
海未「全部聴いていたんですね?」
ゴゴゴ…
にこ「……にこっ☆」
海未「はぁ……絶対穂乃果たちには言わないでくださいよ?」
にこ「んー、でもまさかお前も赤点とっちゃってたとは……」
海未「初めてですよ!!赤点なんかとったのは――ん……?お前もって……?」
にこ「いやー採点ミスだったみたいにこっ☆」
海未「矢澤にこ……28点……?」
海未「はああああぁぁぁぁ……!?」
にこ「……にこっ☆」
海未「てことは私が辞めても辞めなくてもμ'sはラブライブにはエントリーできない……?」
にこ「そ、そういうことみたいだな」
海未「……このことをみんなには?」
にこ「……まだ」
海未「…………」
にこ「はぁ……こうなったらにこも辞めるしか」
海未「それは駄目です」
――――
海未「というわけです、本当にすみませんでした!!!!」
にこ「ひっく……みんな、ごめんな……さい、にこ……っ」
海未「にこ先輩、嘘泣きはやめてください」
にこ「にこぉ……」
「「「「…………」」」」
穂乃果「……ぷっ、あはははは」
海未「穂乃果……?」
穂乃果「はははっ、ごめんごめん、海未ちゃんが赤点なんて、ぷっ…おかしくて」
ことり「ほ、ほのかちゃ……笑ったら、ぷくっ…し、失礼だよ」
海未「お、怒らないのですか?」
花陽「まぁでも結果、にこ先輩も赤点だったんですから」
凛「にこ先輩は予想通りだにゃー」
にこ「うぐぅ……」
真姫「で、どうすんの?これから」
花陽「ラブライブには参加することできなくなったわけですから、何か別の手段を考えるしか」
海未「す、すみません……」
花陽「い、いえ!!別責めているわけでは、決して」
凛「うーん、難しいにゃ」
穂乃果「簡単だよ!!」
海未「何かいい案でも思い付いたのですか?」
穂乃果「うーん、案とかじゃないんだけど私たちに出来るのって応援してくれてる人たちに少しでも元気を伝えることじゃないかな?」
電池切れそう…
残ってたら後で書く
海未「穂乃果……」
花陽「そ、そうですよね!!私たちはアイドルなんですから」
真姫「でも具体的に目標は決めておいた方がいいんじゃない?」
凛「マキちゃんはノリ悪いにゃー」
真姫「うっさい!!」
ビシッ
凛「い、痛いにゃ~」
海未「私に一つ考えがあります」
穂乃果「海未ちゃん?」
海未「もう一度、理事長に掛け合ってみようと思います、にこ先輩と一緒に」
にこ「えっ!?私も!?」
真姫「何とかなりそうなの?」
海未「それはわかりませんがみんなに迷惑をかけてしまったことをこのまま忘れるなんてできません」
――――
海未「……」
にこ「あ、あのさ、何か作戦でもあんの?」
海未「ありませんよ、にこ先輩にお任せします」
にこ「えぇ!?ちょ…」
コンコン
ガチャ
海未「失礼します」
理事長「あら?今日は何の用かしら」
海未「にこ先輩」
にこ「うっ……、にっこにっこにー☆赤点とっちゃったけどラブライブへの参加認めてほしいにこっ☆」
理事長「それはできませんね」
にこ「あぅ……」
――――
海未「やはり玉砕してしまいましたね」
にこ「当たり前だろっ!!!!」
海未「まぁここまでは想定の範囲内です」
にこ「んで?こっからどうすんの?」
海未「そうですね……>>80はどうでしょうか」
ことりちゃん渾身の「お願いっ!」
海未「ことりに協力してもらいましょう」
海未「親族がいるというのは大きな武器です、これを使わない手はないかと」
にこ「なるほど、色々考えてんだなー」
海未「というわけで、ことりを呼んできました」
ことり「呼ばれちゃいました~」
海未「ことり、やることはわかっていますね?」
ことり「う~ん……もっと露出度の高い衣装を作る?」
海未「違います!!ことりから理事長にラブライブへの参加を頼んでみてください!!」
ことり「上手くいくかな~?」
にこ「大丈夫かよ……」
ガチャ
ことり「ママぁ……」
理事長「ことり?どうしたの?」
ことり「ひっく……うぇ…っ…んぐ……」
理事長「何かあったの!?」
ことり「だって……ままが、いじわる…する、からっ……」
ことり「みんなで……ラブライブに、出ようって…ひぐっ…、言ってた……のに…っ」
理事長「そ、それは意地悪じゃなくて赤点をとった子がいたから」
ことり「ママだって…、うみちゃ……がいつも勉強ガンバってるの、知ってる……はずなの、に……」
理事長「園田さんが真面目な生徒ってことは勿論知っているわ、でも」
チラッ
にこ「……っ!?」
ことり「…………み、みんな……がんばってるのに……ひどいよぉ…ひっく……」
ことり「ママぁ…、おねがい……ことり、みんなと一緒にラブライブに出たいの……」
ウルウル
理事長「……っ、はぁ……わかりま――」
絵里「待ってください!!!!」
海未「!?」
絵里「まさか今、この子たちの要望を了承しようとしました?しましたよね!?」
理事長「そ、そんなことは……」
絵里「親族の頼みだからといって贔屓するのは不当にあたると思うのですが、そのことについてはどうお考えでしょうか?」
にこ「チッ、あと一歩のところで」
理事長「こほんっ、前にも言った通りμ'sのラブライブへの参加は認めることはできません!!」
ことり「そんなぁ~……」
海未「失敗ですか……」
海未「なかなか思うようにいきません……」
にこ「あの生徒会長がいる限り無理じゃない?」
海未「いえまだ考えがあります、できればこれはやりたくなかったのですが背に腹は変えられません」
にこ「な、なんか凄そうだな……!!」
海未「>>907」
海未「ま、間違えてなんかいません!!」
海未「勢いが足りませんよ!!」
海未「弓道、楽しいです」
ヒュッ…
穂乃果「うわわっ……!?」
ヒョイッ
穂乃果「海未ちゃん、人に向けて射るのは危ないよ!!」
海未「ふふふ、まだまだですね穂乃果。戦国時代でしたら生き残れませんよ」
穂乃果「もー!!」
海未「心を静め……精神統一、狙った獲物は逃しません!!」
シュッ…
花陽「」
グサッ!!バタッ…
凛「かよちん!?かよちん!!!!」
にこ「チーズバーガーもぐもぐ」
凛「ラーメンつるつる」
花陽「ワッフルはふはふ」
にこ「もぐもぐもぐもぐ」
凛「つるつるつるつる」
花陽「はふはふっはふはふっ」
真姫「最近三人とも太ってない?」
「「「……っ!!」」」
真姫「もーやだー……」
真姫「もーばかぁぁ……」
真姫「なんなのよぉぉ……」
真姫「どんだけぇぇー……」
真姫「はらしょー」
凛「」
ニヤニヤ
花陽「あの、ことり先輩」
ことり「あ゛?」
花陽「ひぃっ…!!」
海未「ことり、次の衣装のことなんですけど」
ことり「あ゛ぁ!?」
海未「ほ、穂乃果ぁ……ことりが、ことりが……!!」
ことり「けほっ…けほっ……、のど痛いよ~」
絵里「……」
ジーッ…
希(エリちがテレビに釘付けになっとる、めずらしいなぁ)
絵里「……」
ジーッ……
希(何観とるんやろ?お笑い番組や……エリちもバラエティーとか観たりするんやな……)
絵里「ふふっ」
希(おぉ…笑ぉとる、確かにおもろいもんな)
絵里「私には素人にしか見えないわ」
希(あんたどんだけやぁぁ!!!!)
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