アスカ「バカシンジ、あんた自分が好かれてるとでも思ってたわけ?」(475)

シンジ「別にそんなこと思ってないよ」

アスカ「なら話しかけないで。私、イケメン以外の男とは会話したくないの」

シンジ「……」

シンジ「……」テクテク

レイ「……」

シンジ「あ。綾波」

レイ「…………」

シンジ「あの」

レイ「…………なに?」

シンジ「エヴァのことで聞きたいことがあるんだけど。考えてるように動くのに、あの操縦桿って何の意味が」

バシン!

シンジ「ぶふっ」

レイ「お父さんの仕事にケチをつける気?」

シンジ「そ、そんなつもりじゃ……」

シンジ「はぁ~……」

マリ「なに黄昏てるにゃ」

シンジ「真希波。なんでもないよ……いつものことだし」

マリ「ふぅん。何だか知んないけどグズるな、男だろ!」

シンジ「……」

マリ「姫のために頑張んな。ついでにちょっとは世間を知りな」

シンジ「あのさ、悪いけどほっといてよ」

シンジ「ミサトさん。僕、エヴァのパイロット辞めたいんですけど」

ミサト「なに言ってるのよ今更」

シンジ「僕がいなくなっても、戦力的には問題ないんですよね?」

ミサト「それはまあ、新しいパイロットが用意されるでしょうね。だから司令もリツコも、シンジ君を引き留めようとはしないでしょうし」

シンジ「ならもういいじゃないですか……他の人に任せると悪いから、って理由はダメだって言われたし」

ミサト「ええ。そんな気持ちで乗られるのはこっちも迷惑よ」

シンジ「だからって、あんな父さんと仲良くなるために頑張るのもなんだかバカバカしくなってきて」

ミサト「逃げる気!?」

シンジ「……」

ミサト「思い出して。最初、なんのためにこの街に来たのか」

シンジ「それは、父さんに呼ばれたから」

ミサト「それだけじゃないでしょ? きっかけにして親子関係を修復したいって思いがあったんじゃない?」

シンジ「……無かったわけじゃないです。でも、もういいです」

ミサト「それが逃げだって言うのよ。望みがあるなら、得るために努力しなさい」

シンジ「分かってますよ! けど、だからってなんでも我慢しなくちゃいけないんですか!?」

ミサト「それが大人になるってことなのよシンジ君。逃げちゃダメよ」

シンジ「……ミサトさんの言うことはそればっかりだ」

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

自室

シンジ「……」ドサッ

シンジ(もう疲れた……僕が悪いのかな……)



ドゴッ!

シンジ「げふっ!?」

アスカ「ちょっと、いつまでグースカ寝てんのよバカシンジ! さっさと夕御飯の用意、しなさいよ!」

シンジ「あ……ごめん。でも蹴とばして起こすことないじゃないか」

アスカ「サボっといて文句? サイテーね」

シンジ「………」

アスカ「なによその目は」

シンジ「今日は疲れてるから、弁当買ってきちゃダメかな」

アスカ「はぁ? なにそれ、寝といて疲れたって。あんたいっつもそうやって自分のことばっかり」

シンジ「ならたまにはアスカが作ってよ」

アスカ「イヤ。めんどいもの。あーもう! うじうじ言ってないでさっさとしなさいよ!」

シンジ「はぁ」

ジャー

シンジ「……」トントントン

アスカ「こっちはあんたの怠慢のせいで待たされてイラついてんだから、手早くね」

シンジ「……」トントントン

アスカ「あ~……そこそこ」

マリ「この辺? まったく、姫は人使いが荒いにゃ」

アスカ「なぁに言ってんのよ。肩揉むだけで夕食食べさせてやってんだから感謝しなさい」

マリ「そりゃもちろん。お、どーですかここ、お客さん」

アスカ「真面目にやんなさいってば。ガキシンジのお守りで、苦労が肩にたまってんだから」

マリ「姫は大変だにゃ~」

シンジ「……」トントントン

NERV

シンジ「―――だから、僕はエヴァを降りたいんです。乗る意味があるって思えなくて」

リツコ「そう。残念だけど仕方ないわね」

シンジ「やっぱり、止めないんですね」

リツコ「あら? 引き留めて欲しかった?」

シンジ「いえ、安心しました」

リツコ「ただ、即座にというわけにはいかないわ。戦力が欠ける期間を作らないよう、態勢を再構築する間はNERVに所属していてもらうわ」

シンジ「はい」

リツコ「ちょうどいい、と言うのもなんだけど、新しいパイロットが来るから。引き継ぎのつもりで彼に色々教えておいてくれるかしら」

シンジ「あ、はい。また増えるんですね……パイロット」

数日後

テクテク

シンジ「今日から、新しいエヴァパイロットが来るんだって。男の子の」

レイ「……」

シンジ「どんな人かな」

アスカ「必要事項以外で話しかけないでって言ったわよね?バカシンジ。あ、それとも独り言?」

マリ「にゃはは」

シンジ「……」

シンジ(やっぱり最後まで仲良くなれそうにないや)

カヲル「渚カヲル―――カヲルでいいよ。よろしくね」

アスカ「きゃああああ!♥」

マリ「こいつはまた、随分とイケメン君がきたね」

レイ「……」

アスカ「私アスカ、アスカでいいわ! 仲良くしましょ♥」

カヲル「……」スッ

アスカ「ありゃ?」

カヲル「君が碇シンジ君だね。会いたかったよ」

シンジ「え、え?」

カヲル「~」ペチャクチャ

シンジ「~」ペチャクチャ



マリ「やー。内容聞き取れないけど、楽しそうだねえ」

レイ「……碇君があんなに喋ってるところ、初めて見た」

アスカ「く……っ」

学校

ケンスケ「凄いんだぜ。本物のコクピットみたいで」

トウジ「まぁ、正真正銘の本物ロボットで戦っとるセンセに、ゲーセンの話してもしゃーないけどな」

シンジ「そんなことないよ。エヴァのとはまた違うだろうし。僕も今度一緒に行っていい?」

トウジ「お、ホンマか? 本物じゃ勝てんでも、ゲームならわしも負けへんで」

シンジ「はは」

ヒカリ「……なんだか碇君、元気ね。ここしばらくキツそうだったのに」

アスカ「ふん。グズを甘やかすやつに甘やかしてもらえて、浮かれてんのよ」

アスカ「ちょっと構ってもらうとすぐ尻尾振っちゃって、みっともないったらないわ」

ヒカリ「ア、アスカ。聞こえるわよ」

アスカ「別にいーじゃない聞こえても」

シンジ「……」

アスカ「なによバカ犬シンジ」

シンジ「優しくしてもらえるのが嬉しくて、何が悪いんだよ」

アスカ「あんたのは逃避してるだけでしょ」

シンジ「ミサトさんもアスカも、うんざりだ。わけわかんない目に遭わされても我慢してしがみつかないとダメで、優しい人を好きになったらダメで、そのくせ自分たちの要求には従って応えなくちゃダメで……!」

アスカ「そうやって、楽なほうに転がるのを正当化したいわけ?」

シンジ「好きに言ってなよ。正論気取ったワガママ勝手に振り回されるのは、もうイヤだ」

トウジ(……この空気引きずってゲーセン行くんか)

おウチ

カヲル「手伝わなくていいのかい?」

シンジ「うん。お客さまは座って、テレビでも見ててよ。下準備してあって、もうそんなにかからないから」

カヲル「それじゃあお言葉に甘えて」

シンジ「♪」トントントン

カヲル「楽しみだなぁ。シンジ君の手料理」

アスカ「……」

アスカ「クソガキ……なに無断でカヲル呼んでんのよ」ボソボソ

シンジ「アスカだって、何も言わずに真希波呼んだりするだろ。作る量の都合とかあるのに」

アスカ「人の話にすり替えてんじゃないわよっ。勝手して、何様のつもり?」

シンジ「……」トントントン

アスカ「ちょっと」

シンジ「話しかけないで。心配しなくても、アスカのもきちんと作るから」

アスカ「……」

シンジ「それじゃ、また明日」

カヲル「ごちそうさま。とても美味しかったよ」

シンジ「またいつでも食べに来て。もう遅いから、気をつけて帰ってね」

カヲル「そう遠くないから大丈夫さ。今日は呼んでくれてありがとう……嬉しかったよ」

シンジ「カヲル君……」

カヲル「シンジ君……」

アスカ「……キモ」

シンジ「じゃ、じゃあ、またね」



アスカ「―――コンビニ行ってくる」

シンジ「え? 今から?」

アスカ「夜道だからってついて来なくていいわよ」スタスタ

シンジ「あ……行っちゃった」

アスカ「ハァ、ハァ、ハァ」タッタッタ

アスカ「ハァ、ハァ、ハァ」タッタッタ

アスカ(―――いた!)

カヲル「?」

アスカ「ハァァ……わりとすぐ出てきたのに、歩くの早すぎよ」

カヲル「僕になにか用事かい?」

アスカ「カヲル。あんたどういうつもり?」

カヲル「話が見えないな」

アスカ「なんでバカシンジなんかにベタベタしてんのかって事。自分が新参で、他の男子があいつ一人だから、溶けこむためにまずそうしてるってなら……無駄よ」

カヲル「どうしてだい?」

アスカ「当のバカシンジが浮いてるからよ。あいつと仲良くして得することなんて何一つ無いわ」

カヲル「そう。だけど関係ないよ。僕がシンジ君といるのは、彼のことが好きだからで、損得はどうでもいいんだ」

アスカ「……っ」

カヲル「好きだから一緒にいたい。ただそれだけさ」

アスカ「…………私にしときなさい」

アスカ「あんなやつに拘るくらいなら私のほうがいいでしょ? カヲルだって男なんだし」

カヲル「……」

アスカ「なによ。それとも、女と仲良くするのは恥ずかしい?」

カヲル「いや。性別は僕にとって問題じゃない」

アスカ「ならいいじゃない。NERVやエヴァで分からないことも私が教えてあげるから、不便もないわ」

カヲル「悪いけど、断らせてもらう。シンジ君だから仲良くしたいんだ。君じゃない」

アスカ「……ッ」

カヲル「そんなにシンジ君から僕を遠ざけたいのかい?」

アスカ「……」

カヲル「まぁいいさ。とにかく、僕は残された時間を少しでも多くシンジ君と過ごしたいんだ。それだけだよ」

アスカ「残された時間?」

カヲル「聞いてないのかい? シンジ君はもうすぐこの街を、NERVを去るんだ。そして二度と戻らない」

アスカ「!!?」

ミサト「どういう事よっ!?」

リツコ「そのままよ。シンジ君は近日中にここを出て行くわ。ミサトにも相談したと聞いてるけど」

ミサト「そう言えば……そんな感じのことは言ってたけど……シンジ君が弱音吐くなんていつものことじゃない」

リツコ「あなた達がその程度の認識でいるから、彼は嫌気がさしたんじゃなくて?」

ミサト「……」

レイ「……」

アスカ「……」プルプル

マリ「ひ、姫……」

おウチ

シンジ「クー、クー」

ガララ…

アスカ「……」

シンジ「クー、クー、ムニャ」

アスカ「……」

シンジ「ンン」

アスカ「起きなさいよ。バカシンジ」

シンジ「ん……アスカ……?」

アスカ「蹴飛ばさないで起こしてやったんだから感謝しなさい」

シンジ「どうしたの……?」

ザクッ

シンジ「!?」

アスカ「動かないで。下手に動くと怪我するわよ」

シンジ(ほ、包丁……!? 顔、すぐ横にっ)

アスカ「あんた。本気で第3新東京市から逃げるつもり?」

シンジ「さ……刺さない?」

アスカ「大人しくしてればね」

シンジ「……」

シンジ「……逃げ、でも……なんでもいい。NERVと関係ない場所で生きたいんだ」

アスカ「ダメよ。許さない」

シンジ「アスカが許さなくても関係ない。家事くらい、頼めば代役が」

アスカ「イヤ」

シンジ「なんで……僕なんかいなくなったって」

アスカ「いなさい」

シンジ「わけわかんないよ。ねえ、アスカ、包丁どけて」

アスカ「……」グイッ

シンジ「ンンッ!?」

シンジ「ん、ンッ、んンン……ぷはっ」

アスカ「……」

シンジ「ハァ、ハァ。ど、どうして」

アスカ「キスだけなら毎日してやるから。私の側にいなさいよ」

シンジ「側って……なに言ってんだよ、アスカ」

アスカ「私のモノなんだから。あんたは。そうでしょ?」

シンジ「ふざけないでよ! 無茶苦茶言って、無茶苦茶してきたくせにっ」

アスカ「……」

シンジ「側にいろっていうなら、少しは僕に優しくしてよ!」

アスカ「それもイヤ」

シンジ「あ…………頭おかしいんじゃないの」

シンジ「アスカが何考えてるのか、僕には全然……だって支離滅裂じゃないか」

アスカ「理解できないのは、あんたが他人を分かろうとしないからでしょ」

シンジ「……ならいいよ、それで。全部僕のせいで。だから邪魔しないで」

アスカ「……」

ズボッ

シンジ「!?」

アスカ「なにオタついてんのよ。暴れなきゃ刺したりしないっての」

ビビビッ

シンジ「なっ、なにすんだよ!」

アスカ「いいでしょこんな安物のシャツくらい」

ビリリッ

アスカ「ふん……相変わらず貧相な身体。もっと筋肉つけなさい」

レロッ

シンジ「ひ……!?」

アスカ「ま、ガキにはこのくらいのほうがお似合いかもね」

チュッ レロッ

アスカ「ん、ちゅ」

シンジ「やっ、く……なんで、こんな事……? は、話しかけもするなって言ってたくせに……!」

アスカ「言われても話しかけなさい」

シンジ「叩き起こしてでもご飯作らせたり……」

アスカ「マズい弁当より、あんたが作るのを食べたいもの」

シンジ「カ、カヲル君が来た時だって、僕よりアスカのほうが喜んで飛びついてたじゃないかっ」

アスカ「なのになんで嫉妬しないのよ」

シンジ(ダ……ダメだ。話して噛み合う気がしない……)

チロッ チュパッ

シンジ「ふぁ、う……っ」

アスカ「……ほら。拒んで見せたって、ちょっと舐めてやっただけでしっかり反応してんじゃない」

シンジ「やめてよ……もうやめてよ、アスカ」

アスカ「こういう時に目に涙溜めて懇願するのって、相手を悦ばせるだけだって思わない?」

ガタッ

シンジ(今の音……! 包丁が床に落ちたんだ!)

アスカ「ねえバカシンジ。あんた、自分が誰かに好かれてるとか思ってるわけ?」

シンジ「お、思うわけないだろ」

アスカ「あ、そ」グッ

シンジ「だって……んんムっ」

チュッ チュク……ニュルッ

シンジ「ッ!」

ニュチュッ チュパッ ヌチュプッ

シンジ(うあ、あ、あぁっ)

アスカ「ハァァ……NERV辞めるの、取り消すって言いなさいよ」

シンジ「ぃ……言わな、い」

アスカ「まだ欲しいわけ? 欲張り」

チュプッ レロ…チュルッ!

シンジ(あぅ……ぅ……な、流されちゃダメだ。流されちゃダメだ)

シンジ「やめて……てばっ、く!」グイッ

アスカ「きゃっ!?」

ドサ!

シンジ(今……ッ)ガシッ

アスカ「あ! シンジ……!」

シンジ「……出てって。出てけよ、アスカ」

アスカ「包丁なんて向けてみせたって、人を怪我させる勇気もないくせに」

シンジ「けど、僕が持ってればアスカも使えないだろ」

アスカ「……」

シンジ「それに無理に揉みあったら、傷つけたくなくたって安全だなんて言えない」

アスカ「……」

シンジ「だ、だから、出てって」

アスカ「そんなに私が嫌い……?」

シンジ「アスカ!! お願いだから!」

アスカ「…………分かったわよ。寝てるとこ邪魔したわね」

シンジ「……」

ガララ パタン

シンジ「はぁぁぁ……」

シンジ「……」

シンジ(どうしてこんな時間に、夜道をフラついてるんだろう、僕)

シンジ(でも……あのまま家にいたって、落ち着かないし、寝られそうにないし)

シンジ「……」

シンジ(だけどもうすぐ、あと何日かでこの街から消えられるんだ……!)

シンジ(アスカ、さっぱり分からないけど、寂しいとは思ってくれてるのかな……?)

シンジ「…………ごめん」

翌朝

ミサト「アスカは?」

シンジ「今日は先に出ました」

ミサト「そう」

シンジ「……」

ミサト「本気でエヴァを降りるつもりなの?」

シンジ「はい」

ミサト「降りてここから出て行っても、あなたの行動にはかなり制限がつくことになるわ」

シンジ「そのくらいは分かってるつもりです」

ミサト「シンジ君。私達の期待、希望が、あなたの重荷になってしまってることは知ってる。特に私は、私の目的や感情をあなたに重ねてしまっていた……だけど」

シンジ「ミサトさん」

ミサト「な、なに?」

シンジ「そうやって回りくどい言葉で、誠意があるみたいなポーズ作って丸め込もうとするの止めてください」

ミサト「あ……」

プシュッ パタン

ミサト「行っちゃった……参ったわね」

学校屋上

シンジ「……」



教師「えー、4番は、さっきの解答を使って―――」

ケンスケ「シンジのやつ、どこ行ってんだ?」

トウジ「サボりかいな。珍しいこっちゃ」

ケンスケ「トウジならともかくな」

トウジ「人のこと言えんやろーが」

アスカ「…………あのバカ」

ギィ…

レイ「……」

シンジ「綾波。今、授業中だよ?」

レイ「碇君も」

シンジ「うん……まぁ、そうなんだけど」

レイ「本当にいなくなるのね」

シンジ「うん。皆同じこと聞くね」

レイ「ごめんなさい」

シンジ「…………へ? な、なに、急に」

レイ「司令から、碇君に厳しくした方がいいと言われていたの」

シンジ「父さんが?」

レイ「ええ。でも、もういなくなるから」

シンジ「そっか……」

レイ「……」

シンジ「あのさ。なんて言うか、厳しくするのと何でも叱るのってかなり違う……と思う」

レイ「そうかも知れない。だから、ごめんなさい」

シンジ「い、いや、綾波のせいじゃないけど。ヘンなこと頼むのが悪いんだし」

シンジ「こんなこと言ったら悪いけど……NERVの人達はどこか狂ってるみたいに見えるんだ」

レイ「……」

シンジ「僕がまともだなんて言えないし、皆はそうでないとやってけないんだろうけど……ついてけない」

レイ「だから前の街に帰るの?」

シンジ「うん」

レイ「そう。さよなら」

シンジ「さよなら、綾波」

旧劇みたい

ガヤガヤガヤ

ミサト「おらぁ~、も一杯いきなさいよぉリツコぉ」

リツコ「悪い酒には付き合わないことにしてるの」

ミサト「あによぉ、じゅーぅ年来の友だってのに冷たいわねえ」

リツコ「いよいよ明日ね、彼が去るの。二日酔いで起きられない、なんてことにならないでね」

ミサト「らいじょぶよぉ……見送りくらいちゃあんとやるからぁ」

リツコ「ならいいけど」

ミサト「はぁ。あー、もぉいっちょ」

店員「はい」

リツコ「なんにしろ、酔い潰れるのは今夜だけにしてちょうだい、ミサト」

ミサト「わぁかってるてばぁ。私たちはぁ、シンジ君が抜けた後をかんがえなくちゃ」

リツコ「そういうこと」

ミサト「彼が消えたあと、かぁ……これでおしまいじゃないのはお互いさまよね」

はよ

クズどもが

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

自室

シンジ(こうやってこの天井見上げるのも、今夜までなんだな)

ガララ

アスカ「……」

シンジ「なに? また……ノックくらいしてよ」

アスカ「男が細かいこと気にすんじゃないわよ。どうせボケっとしてただけのくせに」

シンジ「最後の夜くらい、静かに寝させてくれたっていいだろ」

アスカ「……」ゴソゴソ

シンジ「あの。アスカ、何してるの?」

アスカ「今日は別に睡眠の邪魔はしないから、もっと向こう寄りなさい」

シンジ「ちょ……押さないでよ!」

アスカ「……」

シンジ(ホント、何考えてんだ)

アスカ「横で寝るだけだから。こっち向いたら殺す」

シンジ「頼まれたって向かないで勝手に寝るよ」

アスカ「なによその言い方。私が入ってきたから、またキスとか期待したくせに」

シンジ「し、ししてないよっ」

アスカ「あっそ。じゃあ止めとく。期待してるなら、最後にそれくらいって思ってたけど」

シンジ「え……っ」

アスカ「なんて、嘘に決まってんでしょ。バカスケベ」

シンジ「……はぁ……なんなんだよもう……」

アスカ「……」

シンジ「とにかく、僕寝るから。おやすみ」

シンジ「クー、クー」

アスカ「……」

シンジ「クー、クー」

アスカ「……」

チュ…チュッ

シンジ「ン、ム……」

アスカ「……」

当日

シンジ「―――え? でも、こんなに」

ミサト「シンジ君が自分の力で得た正当な報酬なんだから、遠慮することないわ。大人になるまで、その通帳は私が預かっとくつもりだったんだけど」

シンジ「……ありがとうございます」

ミサト「ま、せっかくだから無駄遣いはしないでね」

シンジ「はい」

ミサト「鈴原君たちとの挨拶は済ませた?」

シンジ「ええ。昨日」

ミサト「そう……シンジ君がいなくなるのは正直痛手だけど、使徒は私達が必ず殲滅する。だから、離れても安心して暮らしてて」

シンジ「はい。あ、あの!」

ミサト「ん?」

シンジ「色々生意気言ってすみませんでした。お世話になりました」ペコリ

ミサト「なぁーに言ってんのよ。お世話になったのは私達のほうじゃない」

シンジ「……」

ミサト「元気でね」

シンジ「ミサトさんこそ、気をつけて」

カヲル「…………シンジ君。少しいいかい?」

私怨

テクテク

シンジ「カヲル君……ごめん。僕一人だけエヴァから逃げて」

カヲル「気にすることはないさ。元々君の義務ではないし、見合う対価も得られなかったのだからね」

シンジ「……」

カヲル「葛城さんも、これまで以上に使徒を倒すために力を注ぐはずだよ。大丈夫」

シンジ「うん……」

カヲル「僕もできる限りのことはさせてもらう。それがシンジ君の心の平穏に繋がるなら」

カヲル「ただそれでも―――おそらく再び、シンジ君をこの街に召還せざるを得ない時がやってくる」

シンジ「また……ここに?」

カヲル「そう。運命の期日が訪れた時、僕を止める力を持つパイロットは、きっと君だけだろうからね」

シンジ「カヲル君? なんでカヲル君を。ねえ、なにを言ってるのかよく分かんないよ」

カヲル「今は分からなくていいんだ。どこかで覚悟だけしておいてくれたら……」

シンジ「……」

カヲル「さ、そろそろ電車が来る」

シンジ「……カヲル君。ありがとう。カヲル君に会えて良かった」

カヲル「また会えるよ、シンジ君」

ガタタン ガタタン

シンジ(結局最後まで、父さんとはろくに話せなかったな……)

シンジ(綾波とは前に話できたけど。アスカは朝から口も聞いてくれなかったし、見送りにも)

シンジ(でもアスカらしいか……ここで乗り換えだっけ)

シンジ(……あれ?)

プシュー

マリ「やっほ。待ってたよん」

シンジ「な、なんでいるの??」

マリ「お見送りに決まってるじゃん」

シンジ「いや、だって……途中の駅にいるなんて」

マリ「あの街から離れないと、うるさい目が多いからさ」

>>380
いいかげんに使途きや

>>385
え?

マリ「意地っ張りの姫を引きずってここまで先回りしてたってわけにゃ」

シンジ「姫? じゃあ」

マリ「あっちあっち」

シンジ「……アスカ」

アスカ「……」

マリ「てことで、私は声聞こえないとこまで離れて観察してるから。後ヨロシク」

シンジ「観察はするの?」

マリ「そのくらいはしないとツマンナイじゃん。じゃね」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……根性なし」

シンジ「それわざわざ言いに来たの……?」

アスカ「あんたなんかいなくても、私と弐号機がいれば使徒くらいなんてことないわ」

シンジ「う、うん」

アスカ「だからま、そこは気にしなくていいわよ。ホントに。他に3人もいて、お釣りがくるっての」

シンジ「……」

アスカ「あと、私も近々ミサトの部屋は出るから」

シンジ「へ? なんで?」

アスカ「日本に来るまではよく知らなかったけど、あそこまでガサツとはね……掃除係がいなくなったら一緒に暮らしてらんないわよ」

シンジ「生活のだらしなさではアスカもあんまり変わらないと」

ゲシッ

シンジ「イタっ!? もう、そうやってすぐ手とか足出すのやめろってば!」

アスカ「どう言われたって、そんなすぐには人間変われないわよ」

シンジ「そりゃそうだろうけど……」

アスカ「……いつか、あんたに今度会う時までには……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「シ、シンジから、キスしたくなるような女になっててみせるから」

くそデレたなwwww

アスカ「だからっ、私のこと、忘れんじゃないわよ。絶対」

シンジ「……」

アスカ「聞いてんの!?」

シンジ「うん。僕も……頑張るよ。ほら、もう少し筋肉つけたり」

アスカ「ガキのうちから筋トレやると弊害が出ることも多いから、普通に運動するだけにしときなさい」

シンジ「え、なんだよ、それ。元はアスカが言ったくせに」

アスカ「人のせいにしないで」

シンジ「はぁ」

アスカ「……」

シンジ「じゃ、そろそろ戻るね。乗り換えの電車が来るから」

アスカ「シンジ」

シンジ「なに?」

アスカ「あんた、自分がみんなに嫌われてるだけだって思ってる?」

シンジ「もう、よく分かんないや。どうせいなくなるから、後腐れ無いように皆で手のひら返したような気もするし」

アスカ「ひねくれてるわね。まぁいいわ、これあげる。お腹すいたら食べなさい」

シンジ「あ……ありがと。どうしたのこれ」

アスカ「バカシンジがあんまり『自分でもやれ』ってうるさいから、試しに作ってやったのよ」

シンジ「アスカが!?」

アスカ「やれば何でもできるあたり、さすが私って感じでしょ」

シンジ「うん、凄いや……あ、ホントに行くね」スッ

アスカ「……何?」

シンジ「なにって、握手。トウジ達がこうしようって」

アスカ「あいつらと同じことさせようっての?」

シンジ「いいだろ、そんなの」

ギュッ

シンジ「さよなら。アスカ」

アスカ「…………またね、バカシンジ」

ガタタン ガタタン

シンジ「……」

シンジ(お腹すいてきたな)

ペリペリ

シンジ「これ……」

シンジ(作ったって、ご飯じゃなくてお菓子じゃないか)

シンジ(チョコクッキーかな?)

シンジ「……」カリッ

シンジ(あれ。カードが入ってる)

シンジ「おにぎりか・・・具は何かな?」パカッ

ゲンドウ「エヴァに乗れ」

シンジ「父さん!!?」

『4日前に渡せなかったから、特別に今日あげます』

ガタタン ガタタン

シンジ「……」カリッ

シンジ「……美味しいや」



お終い

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月04日 (月) 05:41:29   ID: DbrxDCoy

はいやーーーん!///

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