平塚「比企谷、私が出した作文の課題はなんだった?」
八幡「高校生活を振り返って、でしょう」
平塚「そうか。テーマを知らなかったわけではないんだな。なぜ白紙なんだ?」
八幡「振り返っても何もなかったってことです」
平塚「はぁー 君が暴力をふるうタイプの不良だったらな・・・変に理論武装しているから困る」
八幡「今の時代は腕っ節より頭ですからね。先生も男勝りなところ直したら結婚d」
平塚 ビュォォォーン! 八幡「!?」
平塚「次はあてるぞ・・・」
八幡「はい・・・・・・」
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平塚「君はこのままでほんとに大丈夫なのか・・・1年の時はちょくちょくサボってたそうじゃないか」
八幡「テストではそこそことってんだし文句言われる道理はないですね」
平塚「出席の話をしているんだ。いくらテストがよくても出席日数が足りてなきゃ進級できないぞ」
八幡「まあそこは適当にあわせますよ」
平塚「そんなんじゃ社会に出たときどうするんだ? 会社だったらそんなやつ即刻クビだぞ?」
八幡「社会にはでません! 専業主婦になります!」ドヤアアアア
平塚「・・・ったく・・・ああいえばこういう・・・きみのひねくれまくった理論武装はたちがわるい・・・」
平塚 ジーーーーーッ
八幡「な、なんすか?」
平塚「・・・ちょっとついてきたまえ」
>>1
>結婚するチャンス「ビュォォォーン!」
>平塚「」
>八幡「!?」
>
>平塚「次はあてるぞ・・・」
>
>八幡「はい・・・・・・」
こういうことか、悲しすぎる泣いた
平塚「とーちゃく!ここだ!」
八幡「教室・・・ですか? まさかヤキ入れようってんじゃ」
平塚 ガラッ
雪乃「・・・先生、ノックを」
平塚「悪い悪い。今日は新入部員をつれてきた」
八幡「あ?」
平塚「この男の腐り切った根性をたたき直してほしい。それがわたしの依頼だ」
雪乃「・・・お断りします」
八幡「速ぇえなおい! 」
平塚「ふーん、雪ノ下もさすがに不良相手だと怖いか?」
雪乃「・・・わかりました。その安っぽい挑発にのってやりましょう。依頼承りました」
八幡「おい、俺の同意は」
平塚「よし! じゃあ頼んだぞ雪ノ下」ガラララッ ピシャ
シーン
ペララッ
八幡「ったくなんつう教師だ・・・・・・」
八幡「おっ後ろに椅子あんじゃん」シュバッ
ペラッ
八幡(新入部員来たのにほったらかして読書かよ)
八幡「おい」
ペラッ
八幡「おい聞けよ」
ペラペラッ
八幡「ぺージをめくる音で返事をするな!」
雪乃「なにか?」
八幡「俺何すればいいの? ていうかここ何? なんでおまえ一人でいたの?」
雪乃「質問する前にまず自分で考えたらどうなの? 比企谷八幡くん」
八幡「あ? おまえどっかで会ったか?」
雪乃「うちの学校であなたみたいなのは珍しいから。よく噂になってるわよ」
八幡「ちっ!どうせ陰口叩いてんだろ?」
雪乃「そうね。悪口もあるし暴言もあるし妄言の場合もあるわ」
八幡「全部似たようなもんじゃねえか」
八幡「ていうかそろそろ教えろよ。ここ何だよ」
雪乃 フゥ~
八幡(なにもったいつけてるんだよ)
雪乃「ようこそ奉仕部へ。比企谷八幡くん」
八幡「奉仕部・・・ボランティアすんのか」
雪乃「英訳しただけじゃない・・・」
八幡「あれだろ? 募金活動とか老人ホーム訪問とかやんのか?」
雪乃「そんなわけないでしょう。この低脳」
八幡(こいつが女じゃなかったら殴り倒してるところだ・・・)
雪乃「ホームレスには炊き出しを。アラサー未婚には婚活を。ヤンキーには真っ当な人格を」
雪乃「困っているものに救いの手をさしのべる。それが奉仕部の活動内容よ」
八幡「・・・えっと・・・」
雪乃「なに?」
八幡「なんか怪しげな宗教臭えんだけど」
雪乃「・・・心外だわ・・・進学校の落ちこぼれぼっちヤンキーに悪徳宗教扱いされるなんて」
八幡「落ちこぼれてないから。俺そこそこ点数高いから。顔だっていい方だ」
八幡「あとなんでおまえおれがぼっちって知ってんの? ストーカーかよ」
雪乃「ろくに学校もきていない、どこでも陰口を叩かれる、そんな人に友達がいるとも思えないのだけれど」
八幡「・・・くっ・・・」
雪乃「いい? 宗教なんかじゃない。立派な部活動よ。もう1度そんなことを言ったらどうなるかわかってるでしょうね?」ガルルルル
八幡「あーはいはいわかりましたいいませんよー」
雪乃 ペラッ
八幡(なんで答えてないのに読書に戻るんだよ)
ペラッ
ペラッ
ペラララッ
八幡(・・・帰るか・・・)
八幡 スタスタスタ
雪乃「わかっていると思うけど、あなたは今日から部員なのだから明日から放課後はここにくるのよ?」
八幡「あ? わかってるよ」(言われなきゃバックれたのによ!)
雪乃「そう」
八幡 ガララッ ピシヤ
八幡邸
八幡 ガチャ
小町「おー、にーちゃんおかえりー」
八幡「おう」
小町「って今日なんか遅かったなぁ? 彼女でもできたのかよ~」ウリウリー
八幡「女は関係しているが彼女じゃねえな。 むしろ敵だ敵」
小町「はぁん? どゆこと?」
八幡「まんまだ。俺の敵の女」
小町「・・敵の女・・・・」ポクポクポクチーン
小町「」プシュー チリチリ ドゴォオオオオン!バゴンッ!
八幡「おまえが考えても無駄だからやめとけ」
小町「なんだよそれ! ひでぇな」
八幡「飯食いながらでも話してやっから」
小町「うーっす」
小町「へぇーにーちゃんが部活にねぇ。どうしたの急に? 」パクパクパク
八幡「無理矢理入れられたんだって。 先生に言われたんだからしょうがないだろ!」
小町「にいちゃんが怖がるようなせんせーっていたんだ?」
八幡「怖がってるつーかやっぱ? 教師に逆らうと卒業やばいし?」
八幡「ていうかおまえどーなんだおまえ! ら、らいねんは受験だろ! 高校は決まったのか?」
小町「もちろん総武にするぜぇ」ドヤァァァ
八幡「ばっか。やめとけやめとけ。15の春で泣くことになるぞ」
小町「古い言葉知ってんなぁ・・・」
八幡「とにかくレベル落とせよ」
小町「推薦を使うんだよ。生徒会活動は大きなアドバンテージになるからなぁー!」
八幡「・・・こいつ・・・そのために生徒会を・・・なんて計算高いやつだ・・・」
小町「にーちゃんにいわれたくねーから」
小町「で? その雪ノ下さんって人がにーちゃんの敵の女?」
八幡「そ」
小町「ひょっとしてかわいい?」ババッ
八幡「どの辺がひょっとして、なんだよ・・・ まぁかわいいちゃかわいいな。にしてもあんなやつうちの学校にいたのか」
小町「サボリまくってる人がなーにいってんだか」
八幡「お、おまえは出席は大丈夫なのかよ?」
小町「あたしは一度もサボったことありませーん。皆勤は推薦でアドバンテージになるんだぜー」
八幡「推薦受かるために学校いってんのかよ・・・・・・勉強した方がはやくね?」
小町「そこそこでいーの」
八幡「このインテリヤクザが」
小町「にーちゃんにそっくりそのまま返すぜその言葉」
八幡 ガラッ ドンッ!
雪乃「あら本当に来たのね」
八幡「来いと言われちまったからな。言われてなきゃ来なかった」
雪乃「あら、不良がよく言う、筋は通すってやつかしら?」
八幡「んな大層なもんじゃねえよ。おまえに逆らうと平塚センセーがキレる。俺の進級が危うくなる」
雪乃「狡猾ね。そんなことだからぼっちなのよあなたは」
八幡「そこには触れるなもうほっとけ」
八幡「で、この部活って依頼が来なかったらどうなんの?」
雪乃「来るまで待つわ」
八幡「待っても来なかったら?」
雪乃「来るまでもっと待つわ」
八幡「もっと待っても来なかったら?」
雪乃「来るまでもっともっとまt」
八幡「わかったわかった。 ってことはよ、依頼がこなきゃ何もできねぇじゃねえか。 これ寝てるほうがマシじゃね?」
雪乃「来るわよ。人はだれしも悩みを抱えているのだから。あなたも。わたしも」
八幡「そりゃそーだけどさ・・・」
ドンドンッ!
八幡「わっ! って先生か?依頼か?」
雪乃「どうかしらね。どうぞ」
結衣「し、しつれいしまーす・・・・・・」
結衣「あっ!」
八幡「あぁん?」
結衣「な、なんで比企谷くんがぁ?」
八幡「な、なんだよ。俺がいたらまずいのか? ていうかおまえ誰?」
結衣「なっ! 同じクラスでしょ! 何で知らないの!」プンスカ
雪乃「あきれた・・・ほかのクラスならまだしも同じクラスの人も知らないのね。低脳」
八幡「おい、それやめろ。確かに俺は頭よいほうじゃねえけどな、中脳くらいはあるぞ」
雪乃「そんな言葉はないのだけれど・・・あなた日本語分かる?」
八幡「分かってて言ったんだよ! それくらい察しろよ!」
雪乃「そう」
結衣「仲良いんだね・・・・・・」
八幡「どこがじゃ!」
結衣「比企谷くん、ちょくちょく授業でてないし、来てもムスッってしてるからなんか意外」
八幡「単にしゃべる相手がいねえだけだよ。まあこいつみたいな口の悪い奴もどうかと思うけどな。ていうかおまえ誰?」
結衣「また言った! あたしは結衣だよ! 由比ヶ浜結衣!」プンスカ
雪乃「比企谷くん、口の悪さはあなたも大概よ」
八幡「おまえのほうが上だよ!おめでとう!」
雪乃「で、由比ヶ浜結衣さん、あなたは悩みがあるからここへ来たのよね?」
八幡(シカトかよ)
結衣「うん」
雪乃「早速聞かせてくれないかしら」
結衣「えーっとね」
ペラペラペラペラ
雪乃「クッキーを作りたい?」
結衣「そういうこと」
八幡「作ればいいじゃねえか。なんでわざわざ俺らに頼むんだ?」
結衣「料理苦手でさ」タハハ
八幡「じゃあ市販のやつでいいんじゃね?」
結衣「て、手作りのほうが心がこもってていいでしょ! なんか家庭的って感じで」
八幡「俺はうまけりゃなんでもいいけどなぁ」
結衣「そ、そうなの? 男子って手料理つくれば喜ぶもんだと思ってた」
八幡「な、なんだその言い方・・・手料理作れば喜ぶなんて男って単純だわーちょろいちょろい って翻訳できるぞ今の」
結衣「ち、違うから! 誰だって市販のやつより手料理の方がうれしいでしょ!」プンスカ
雪乃「由比ヶ浜さん、この男はあらゆるものが一般的な男子高校生とはだいぶ外れているから参考にしないほうが身のためよ」
八幡「おまえが俺の何を知っているんだよ」
雪乃「目が腐っている、友達なし、恋人なし、進級危うい」
八幡「くっ・・・・・・」
結衣「や、やっぱ無茶かな? このお願い」
雪乃「いいえ、ただし奉仕部は便利屋ではないから、私がやるのはあなた自身が作れるように教えることよ? いい?」
結衣「うん!」
雪乃「ではさっそくいきましょうか。家庭科室へ」
スタスタ ガララッ ピシャ
八幡「ま、料理系は雪ノ下一人でやるしかないか。もどってくるまで昼寝でもしてるか」
ガララッ
雪乃「何をしているのかしら。あなたも早く来なさい!」
八幡「俺もいくのかよっ!」
ガチャン ガチャン
チガウワヨ アーシテコーシテ ソレハアト
八幡「おい、これのどこがクッキーなんだよ! 木炭じゃねーか」
結衣「・・・やっぱダメかぁ」
雪乃「・・・どうすればいいのかしら・・・うまく伝えられないわ・・・」
八幡(見てるだけってのも退屈だ・・・うし! 一応部員だし)
八幡「作れなきゃ作らなくていいだろ」
結衣「へ?」
雪乃「比企谷くん、どういう意味かしら? 私と由比ヶ浜さんを侮辱しているの?」
八幡「侮辱するかよ。 これ見る限り、まだ料理初心者だろ? そんな短期間でうまいクッキーが作れるようになるなんて無理な話なんだよ」
八幡「由比ヶ浜、おまえ市販のやつより手作りの方が心がこもってていいって言ったよな。そっちの方が相手も喜ぶとも」
結衣「う、うん」
八幡「少し違うな。何かを渡して喜ぶってのは渡したものに喜んでるわけじゃない」
結衣「?」
八幡「相手が自分にプレゼントしたってことに喜んでるんだ。どうでもいい相手に金出して何かをあげるか?」
結衣「お礼ですませる・・・かな」
八幡「な?」
雪乃「でもやっぱり手作りの方がいいでしょう。市販だと社交辞令だと取られかねないわ」
八幡「だからラッピングやらメッセージカードやらがあるんだろうがよ。それ使え」
結衣「なるほどねー」
八幡「市販のものだって結構使えるもんあんだからよ。活用しろ活用。料理はこれから少しずつ学んでけ」
結衣「じゃあ・・・そうしよっかな・・・雪ノ下さん・・・その・・・せっかく準備とかしてもらったけど・・・」
雪乃(私がこれまでしたことは・・・・・・)
結衣 「!?」ヒラメキーノッ
結衣「雪ノ下さん!」
雪乃「な、なにかしら」
結衣「私の依頼、クッキーを渡したいから作り方おしえてじゃなくて、料理うまくなりたいから教えてくださいに変えていい?」
八幡(こいつすげえな。こんなとこまで気配れるのか・・・)
雪乃「えぇ、かまわないけれど。ちゃんと聞くのよ? 私もちゃんと教えるように努力するわ」
結衣「うん!」
雪乃「あ、あなたはもういいわ。とっとと出てってちょうだい」
八幡(機嫌直ったとおもったら暴言かよもう意味分かんねぇこいつ)
八幡 ハァーッ・・・
八幡(帰ろ・・・・・・)
八幡「さて部室にでも」スッタカスッタカズンチャッチャッ
八幡(ん? あいつらは?)
八幡「おい」
結衣「わわわわっ!」
雪乃「いきなり声をかけないでくれるかしら!」
八幡「んなにキレてんだよ! つーか何してんだよ? 早く入れば?」
結衣「いや、その変な人がいて・・・」
雪乃「あなたちょっと見てきてくれる?」
八幡「ったく・・・」ガララッ
八幡「お? おまえ」
材木座「やっと来たか」
八幡「何の用だ材木座」
材木座「連れねぇなぁ。ぼっちのお前にこうして会いに来てやってんのに」
材木座「ぼっちなのはお前もだろうが。寂しくて俺に会いに来たのか?」
八幡「あ?」
材木座「あん?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
結衣「な、なんかヤバくない?」
またあしたーーーーー
>>34
>材木座「連れねぇなぁ。ぼっちのお前にこうして会いに来てやってんのに」
>
>材木座「ぼっちなのはお前もだろうが。寂しくて俺に会いに来たのか?」
これはwwwwwwwwwwww
八幡「思ってたけどその格好何? 制服の上にスカジャンってカッコいいとか思ってんの?」
材木座「あ? いいだろうがどんな格好しようが俺の勝手だろ。ゲロアホ毛」
結衣「!?」ヒラメキーノッ!
結衣「まあまあ、すとっぷすとっぷー」
結衣「喧嘩めっ! 比企谷くん」
八幡「…可愛くねえからやめろ」ハァー
材木座「!?」カアアアア
八幡「おまえそんなナリして女苦手ってどういうことだよ」
材木座「か、関系ねぇだろ! おまえだって不良のくせに勉強できるくせに!」
雪乃「驚いたわ。比企谷くんに友達がいたなんて」
八幡「そんなんじゃねぇよ」
八幡「で、なんの用だ材木座」
材木座「あ、それだそれ。奉仕部ってぇのは悩みの相談にのって解決してくれるんだろ?」
雪乃「そうね。正しくは解決のお手伝いをする部活ね」
材木座「!?」カァァァ
雪乃「ひとが話しているときは話している人の目を見なさい!」
材木座「…んなことわかってるさ…」
八幡「んで、その悩みってのは?」
材木座「ああ」
雪乃「女の子をデートに誘いたい?」
材木座「ばっ! リピートアフターミーしなくていいんだよっ!はずいだろっ」
八幡「なんで俺を見ていうんだよ!」
雪乃「正直、そういうのはよくわからないのだけれど…悪いけどそういう経験ある友達に相談する方がいいんじゃないかしら」
八幡「あっ、いやこいつ」
材木座「友達…いない…」
結衣「…えー…」
雪乃「そう」
雪乃「わかったわ。具体的に話を聞かせて頂戴」
八幡「実質喋るの俺なんだがな」
雪乃「クラスや名前は知っている?」
材木座 ボソボソ
八幡「2年F組だとよ」
八幡「っておい!うちのクラスだろ!」
結衣「気付くの遅いし…」
雪乃「名前は?」
材木座 フルフル
八幡「知らない…とさ」
雪乃「外見的な特徴とか」
材木座 ボソボソ
八幡「髪染めてる人だとよ…って髪染めてるやつおれしかいねぇぞ?」
結衣「あたしも染めてるから! いい加減覚えてよ!」
雪乃「そう。何色?」
八幡(こいつもうちょっと描写詳しく言えよ。イライラすんなもう)
材木座 ボソボソ
八幡「赤みがかかった茶髪」
雪乃「由比ヶ浜さん」
結衣「えーっと優美子は茶髪だし、川崎さんかなっ? あっあれは青だ。えーっと…」
結衣「!?」ヒラメキーノッ!
結衣「佐賀民だよさがみん!」
八幡「さがみん? かわった名前だな? 苗字はなんていうんだ?」
結衣「ちがうし! さがみんはアダ名で本名は相模みなみっていうの!ていうかどんだけ人の名前知らないの?」
八幡「たぶん知っているのはお前だけだ」
結衣「そんな自信マンマンにいうことじゃないと思うけど…」
雪乃「その由比ヶ浜さんを知ったのもたまたま奉仕部に彼女が来たからよね」
雪乃「本来ならだれひとり知らないはずなのよあなたは」
八幡「うるせ。いいんだよ知らなくて」
結衣「そ、そんなこと言わないでもっとクラスに参加しようよ…」
八幡「たるいし…」
材木座「八幡…依頼依頼」ボソボソッ
八幡「……ったく…材木座が忘れられてる。話戻そうぜ」
雪乃「名前も知らない、とうことは言葉を交わしたこともないのね?」
結衣「誘うのはむずかしいんじゃないかなー」
材木座 ショボーン
八幡「おいいつもの強気はどうした! 体育で堂々とサボるおまえはどこいった!」
雪乃「女子が苦手なのにデートに誘いたいというのもおかしな話よね」
八幡「ひとめぼれってやつだろ。男ならだれでもある」
結衣「比企谷くんもあるの?」
八幡「ああ、小学生のときも中学のときも」
雪乃「まさか私にも惚れたのではないでしょうね? もしそうだとしたら非常に不愉快なのだけれど」
八幡「んなわけねぇだろ! どこの誰がおまえに惚れるんだ。見栄を張ることはないんだぞ?」
雪乃「本当よ。私は暴言は吐くけれど虚言は吐かない。私に告白してくる男子は大勢いたわよ。」
雪乃「わたし、かわいいから」
八幡 ピキッ
材木座「はちま~ん・・・・・・」
八幡「ぬあ! おまえちょっとは自分からしゃべれよ! 存在忘れられんなよ!」
材木座「・・・・・・」
八幡「はぁ・・・で、どうするんだ雪ノ下」
雪乃「そうね。こういうのは由比ヶ浜さんに聞いてみましょう」
八幡「どーなんだ? えーっとおまえ誰?」
結衣「なっ! だぁかぁらぁ! ゆいだってば!」フガー
八幡「あそ。 で、なんかいい案ないか?」
結衣「うーんっと」ポクポクポク
結衣「まずはお友達からはじめよー! メールとかやりとりしてさ」ヒラメキーノッ!
八幡「アドレスは?」
結衣「あたしが仲立ちしたげる! わたしさがみんとは一応交友あるから!」
八幡「一応ってなんだ一応って。義務的感感じるぞ。俺もな、1年の頃、一応クラスメイトだからさ、とか言われて入院したやつの励ましの寄せ書き書かされたんだぞ。なんだよあれそんなもん書くな!」
結衣「比企谷くんがサボるからいけないんじゃないの?」
八幡「・・・・・・」
雪乃「図星ね」
結衣「じゃあ材木座くん、明日のお昼休みに聞こう! 」
雪乃「では明日の昼休み、部室に集合ということでいいかしら?」
八幡「まっ! がんばれや」
雪乃「あなたもくるの」
八幡「はぁ?」
材木座「・・・・・・」
八幡「何見つめてんだ! 気持ちわるいなおい」
結衣「比企谷くんにもきてほしいんじゃないの?」
八幡「こいつに頼まれてもなぁ・・・・・・」
結衣「とかいいながらけっきょっくきてるじゃん」
八幡「うっせーよ! 弱み握られてんだから仕方なくだよ!」
雪乃「由比ヶ浜さん、さがみんさんには」
結衣「それアダ名だってば! ゆきのんワザとやってんの?」
八幡「ゆきのん? レズっぽくてキモいからやめろ」
結衣「いいんじゃん。アダ名なんだし」
雪乃「相模さんには伝えてあるの?」
結衣「うん! 朝のうちにちょっと顔かしてって言っておいた」
八幡「ケンカ売ってんじゃねーか」
結衣「じ、冗談だって言ったし!」
雪乃「ムダ話はやめていきましょう」
八幡「おまえだって俺ににたようなことやってんじゃねぇか・・・・・・」
材木座 ブルブル
八幡「少しはしゃべれよおまえ・・・・・・ヤンキーが女でビビるなよ・・・・・・」
雪乃「由比ヶ浜さん、場所は?」
結衣「中庭」
雪乃「ではさっそく移動しましょう」
スッタカスッタカズンチャッチャッ
八幡「おれらは隠れてみてるわ。 っと材木座これつけてろ」カチャカチャ
材木座「んだよこれ」
八幡「気にすんな。ただのお守りだ」
材木座「まぁ・・・なにもないよりはマシか。いいだろう。つけておいてやる」
結衣「あっ、もうさがみん来てるみたい さっいくよ!材木座くん」
材木座 コクッ
雪乃「うまくいくといいのだけれど」
八幡「望みは薄いな。由比ヶ浜でオドオドしてるようじゃ」
八幡 ブスッ グサッ
雪乃「ちょっと、音楽を聴いている場合ではないでしょう。外しなさい!」
八幡「音楽じゃねぇよ! あいつのお守りな、音を拾ってくれるんだよ。そしてその音がこのイヤホンからきこえるってわけ」
雪乃「盗聴器じゃない・・・」
八幡「ただのガラクタになるかとおもってたけどここで役立つとはな」
雪乃「そう。ではイヤホンの片方を貸しなさい」
八幡「あ? いやに決まってるだろ。これは俺のだ」
雪乃「女子生徒への暴言、部長命令に違反、平塚先生に報告ね」
八幡「わーったわーったよ! ほら!」
雪乃 グサッ
ネェチョット アレ ヒソヒソ アレユキノシタサントヒキガヤクンジャナイ? ツキアッテルノカナ? イクラナンデモココデイチャツカナクテモ ユキノシタサンカワイソウ・・・
八幡(なんで俺が無理矢理付けさせたことになってんだよ! あとこいつと俺はカップルじゃねえ!)
八幡(こいつはこいつで近いしよ)
八幡「おい、もうちょい離れろ」
雪乃「いやよ。 イヤホンがとれちゃうじゃない」
八幡「・・・わかった・・・もういいわ」
八幡「おっ、聞こえてきたぞ」
結衣《この子、材木座義輝くん》
相模《あ、どうも》
・・・(無言で会釈)
結衣《さ、さがみんさ、いまつきあってる子とかいるの?》
八幡(馬鹿! へたくそ! 直球過ぎるんだよ!)
相模《別に、なんでそんなこと聞くの?》
結衣《い、いやー材木座くんとさ、メル友になる気はない・・・かな?》
結衣《ほ、ほらまず友達からって》
八幡(それは言わなくてもいいだろ)
相模《ごめーんいま携帯持ってないんだー》
八幡(あなたとなんかメアド交換したくないんだー(訳:比企谷八幡))
結衣《あっあははは・・・そーなんだーしょーがないねーそれは》
結衣《用事はそれだけだから、ほんとごめんね呼び出して~》
相模《いや、全然いいよーじゃまた》
雪乃「・・・・・・」
八幡「おい、いくぞ、イヤホン外せ」
雪乃「あっ、そ、そうね」
スッタカスッタカ
結衣「いや~ちょっとダメだったみたい・・・ごめんねゆきのん」
八幡「いや、雪ノ下関係ねぇだろ。 材木座に謝れよ・・・」
結衣「あ、ご、ごめんね」
材木座「」パクパクパク
八幡「あぁ・・・だめだこりゃ。魂抜け切っちまってる」
八幡「まあ気にすんなよ。 こういうこともあるさ」
材木座「・・・・・・太ってるから・・・フラれたんじゃね・・・」ボソボソ
八幡「まぁ・・・ひょっとしてそれもあるかもしれんが・・・」
結衣「うんうん」
雪乃「女性から見ても太った体型はマイナスポイントになるわね」
材木座「」パクパク
八幡「ま、大事なのは見た目より中身なんだから。そんなに気にすんなよ」
雪乃「あなたのそのプリン頭は」
八幡「茶髪だ茶髪!このノリ頭!」
雪乃「日本人女性の90%がブチ切れるわよ」
八幡「女が切れたって怖くねぇんだよ。あ、平塚先生は例外な」
雪乃「女性差別発言、平塚先生への暴言・・・と」メモメモ
八幡「いやっまーでも、女には優しくするべきだなっ。男の方が体力あるからな。もちろん平塚先生も含めて」
雪乃「すぐに立場を翻す。 不良としてどうかと思うけれど」
八幡「偏見過ぎるだろ。漫画の読みすぎだおまえ」
八幡「立場翻さないやつなんていねぇだろ。みんな多数派につこうとする」
雪乃「あら、私の場合は」
ドンドンドンッ!
八幡「あ、あいつか。あの桃色頭のアホ」
雪乃「由比ヶ浜さんね、また悩みごとかしら」
雪乃「どうぞ」
結衣「やっはろー!」
雪乃「由比ヶ浜さん、今日はどうしたの?」
結衣「今日はなんと依頼人を連れてきたよー! あたしも一応部員だし。そういうの手伝わなきゃね」
雪乃「あなたは部員ではないのだけれど」
結衣「ちがうんだっ!?」
雪乃「ええ。 だってまだ」
結衣「入部届けだねっ? 」ヒラメキーノッ!
雪乃「そうよ」
結衣「書くよ書くよ~今すぐ書くよ~」
八幡「泣くこたぁねぇだろ・・・・・・」
雪乃「で、その人が依頼人?」
結衣「うん! 同じクラスの戸塚彩加くん」
八幡「男子かよ・・・女かと思った」
戸塚「ははは・・・よく言われるなあ・・・」
八幡「で、おまえはなんて言うんだ?」
結衣「わたしは由比ヶ浜y・・・っていつになったら覚えるのぉ!?」フガーッ
八幡(やべえこいつおもしれぇ)
戸塚「楽しそうだねー」
雪乃「比企谷くんがいなければもっと楽しいわよ」
八幡「じゃあやめさせろよ!」
雪乃「いやよ」
雪乃「それでどんな依頼かしら、戸塚くん」
戸塚「うん。で、できれば比企谷くんに・・・お願いしたいかなあって」
八幡「俺に? ていうかなんでおまえそんなに怯えてんだよ」
戸塚「いや僕、比企谷くんみたいな人と話すの初めてで・・・」
結衣「あたしが背中押して連れてきたの!」
八幡「手を引っ張って連れてきたの間違いだろ!」
雪乃「大丈夫よ戸塚くん。 この男は不良と言ってもケンカはできないヘタレだから。ていうかケンカ弱いとおもうわ」
八幡「おい勝手に決めんなよ! まあ事実だが・・・・・・」
戸塚「ほ、ほんとにっ!?」
八幡「変わり身速っ!」
戸塚「あの、比企谷くんっ!」ズイッ
八幡「あ? な、なんだ?」
戸塚「僕を・・・僕を・・・男にしてくださいっ!」
・・・
・・・
・・・
・・・
八幡「それは医者に頼むことじゃないのか?」
戸塚「あっ! 違うよ! 男にしてっていうのは精神的にってことで」
雪乃「厳密にいえば、男、らしく、してほしいということね」
結衣「あ、あ、な、なーんだ。びっくりしたーあははー」
八幡(こいつと同じレベルの間違いしてたのか俺は・・・)
雪乃「で、どうなの不良くん。やるの、やらないの?」
八幡「なんか腹立つ言い方だなオイ。 やるよ! やらなきゃ平塚先生にチクるんだろ?」
雪乃「ええ、そのつもりよ」
結衣「認めちゃうんだ!」
八幡「わーったよ。これは俺の専門だし! おまえを男にしてやる」
戸塚「ほんとっ? ありがとー」ギュッ
八幡「へーへーわかったから離れろ・・・・・・」
八幡邸
八幡「というわけでおまえに協力して貰いたい」
小町「ろんもちだぜっ! にーちゃんの頼みならなるべく引き受けるさ」
八幡「なるべくとかいって予防線張るなよ・・・・・・」
小町「ていうか、といってもあたし女だぜー? あのたまに兄ちゃんに話にでてくるあの人は?」
小町「ほら? 材料みたいな」
八幡「材木座、な。 あいつは戸塚みたら何もできんよ。女だと思い込んでオドオドするにきまってる」
小町「役に立たないのか・・・」
八幡「残念ながらな」
小町「よし! つーことはあたしたち兄妹の腕の見せ所ってわけだなー?」
八幡「まあこっちも進級がかかってるからな。まじめにやんねーと」
部室
八幡「と、いうわけでだな、しばらく休みの日は俺のとこな」
戸塚「うん!」
結衣「あ、あたしもいく! なんか心配だし」
雪乃「私も部長として参加するわ」
八幡「好きにしろ」
小町「うーっす! 小町っす。あなたが雪ノ下さん? にーちゃんから話は聞いてるっすよ~」
雪乃「こんにちは。今日からよろしくね」
結衣「よろしくー」
小町「はいよろしくっす~」
戸塚「よろしくね小町さん」
小町「あ?戸塚さん? よろしくー」
八幡「おい、戸塚、なんだその服は」
戸塚「へ? いや普通の私服・・・だと思うけど」
八幡「ったく・・・おい小町」
小町「おす! はい戸塚さんちょっと来てください」ガシッ
戸塚「へ? な、なに?」
雪乃「何をするつもり?」
八幡「衣装チェンジだよ。そういうのは小町が得意だからな」
雪乃「言っておくけど、髪染めはなしよ」
八幡「あ、マジ?」
オーイ コマチー カミゾメハナシダッテサー チュウシダー
結衣「やるつもりだったんだ・・・」
ジャジャーン
小町「いやーお待たせでーす」
結衣「スカジャンにジーンズだ。なんか新鮮」
八幡「男らしいのはこっちだろ」
雪乃「うん・・・まあ方向性は間違ってはいないわね」
戸塚「ははは・・・なんかすごいね・・・」
八幡「おし! つぎいくぞ!作戦その2」
結衣「映画?」
八幡「そうだ。任侠映画だ」
結衣「えーディズニーとか見ようよ~」
八幡「テーマから外れるだろうよ・・・・・・」
雪乃「なるほど。内面を変える前に外面から変えていくのもいいわね」
小町「でしょでしょ! さっ、いきましょいきましょ!」
ウリャ バキュンバキュン ビシッバシッ テメェコノ
アニキーッ テメェラヤッチャマエ
小町「いやーどーでしたかー戸塚さん」
戸塚「なんかああいうのはじめてだったけど・・・おもしろいね!」
八幡「おお! 男ならああいうのに興味持つよな」
結衣 ムスーッ
雪乃「・・・私にはまったく良さがわからないわ・・・」
八幡「よし! 作戦その3」
結衣「プロレス?」
八幡「ああ。おまえらが興味持ちやすいように女子プロにしておいた」
雪乃「あら、それはありがとう」
小町「雪乃さん、あたしっす!女子プロにしようっていったのあたしっす!」
雪乃「そんなことだろうと思った」
八幡「うるせ」
カーン
イケイケ ソコダー
オリャー バン
カンカンカン
八幡「どーだ戸塚」
戸塚「うん! おもしろいよ! プロレスも! 今度は男子もみたいな!」
八幡「よし! こんど連れってもらえ。小町に」
結衣「小町ちゃん任せ!?」
八幡「だって外出るのたるいし・・・」
雪乃「あなたがぼっちになったのは不良だからではなくて、そういうものぐさも起因しているようね」
小町「小町も同じこといったんすけどねーなかなか直んなくて」
八幡「いんだよ直さなくて」
八幡「とりあえず用意したプランは全部終わったけど」
戸塚「なんかぼく変わった気がする」
結衣「うそぉ! あんなんで?」
八幡「あんなんでとは失礼な! 俺と小町が来るべき日にそなえて考えていたデートコースだぞ」
結衣「デートぉ!?あれデートなのぉ?」
八幡「おれと小町の趣味で塗り固めたデート」
結衣「いやだーこの兄妹のデートプラン」
雪乃「小町さんはともかく比企谷くんにはその日はたぶんこないだろうけどね」
結衣「あ、いやそれは・・・そんなことはないかもしれないというかいや」
八幡「なにが言いたいんだ、ゆいが・・・ごめん忘れた」
結衣「はあああああ!? ゆいがらまゆいだってば!」フガー
八幡「自分の名前噛んでんじゃねぇよ」
小町「なんか結衣さん面白ぇえ」
部室
八幡「あの戸塚の依頼は成功ってことでいいのか?」
雪乃「ええ、悔しいけれど・・・あなたにお礼を言っていたし。そうとらえてかまわないわ」
結衣「方法がちょっとあれだったけどね。あれさいちゃんじゃなかったらドン引きしてたよ?」
八幡「されてもいいんだよ。されたら、おれはそいつと会話するのをやめるだけだ」
雪乃「その必要はないわ。そもそもあなたに話しかける人なんていないのだから」
八幡「おまえみたいに突っかかってくるやつにも話かける相手はいないだろうな!」
結衣「わ、わたしは話しかけるよっ! 比企谷くんにも! ゆきのんにもっ!」
ドンドンっ!
雪乃「平塚先生かしら?」
八幡「あの人はノックしねぇだろ」
雪乃「どうぞ」
戸塚「失礼しまーす。比企谷くーん」
八幡「は?」
結衣「さいちゃん? ていうかなんで真っ先に比企谷くん?」
戸塚「いやーぼくあれ以来任侠の映画いっぱいみたんだよー」ズイッ
戸塚「あっ、スカジャン?あれもお店に見に行ったりして」ズイッズイッ
八幡「そ、そか・・・そりゃよかったな・・・」タジタジッ
結衣「さいちゃんが比企谷くんに染まっちゃった・・・」
結衣「!?」ヒラメキーノッ!
結衣「でも女の子みたいな言葉遣いが直ってない?」
戸塚「今度プロレス見に行こうよ! こんどは男の人の」
八幡「そ、それは小町といってくれよ!」
戸塚「比企谷くんとがいいんだよ。なんかいろんなこと知ってるし」
雪乃「比企谷くん、戸塚くんは男らしくなったのではなく、男らしい趣味を見つけただけみたいね」
八幡「あ? どういうことだよ?」
雪乃「あなたが変えたのは戸塚くんの内面ではなく外面だけ」
雪乃「よってこの依頼は失敗。罰として一週間女らしい趣味。つまり私の趣味につきあうこと」
八幡「ざっけんな! 罰ゲームとか聞いてねええ!」
結衣「あ、あたしもそれいくからね!」
お わ り
このSSまとめへのコメント
面白かった。乙