子猫「にゃー」 老婆「おやおや？」 (10)
子猫「にゃー」
老婆「どうしたんだい？」
子猫「にゃー？」
老婆「捨てられたんだねぇ、かわいそうに…」
子猫「にゃぁ…」
老婆「うち、来るかい？」
子猫「にゃー！」
老婆「そうかい、よいしょっと」
子猫「ゴロゴロ」
老婆「良い子だねぇ」
―老婆の家
老婆「おじいさんや、家族が増えましたよ」
そこには老人の写真と小さなコップに水が添えられていた。
老婆「さ、私の旦那だよ」
子猫「にゃー」
老婆「一家の大黒柱だったからねぇ、挨拶しといておくれ」
子猫「にゃん」
老婆「しばらくこのダンボール箱で我慢しておくれね」
子猫「にゃー」
老婆「今からお前の食べ物を買ってきてあげるからねぇ」
老婆「ただいま、ほら、キャットフードだよ」
子猫「にゃー」
老婆「お前は小さいから子猫用だね」
子猫「にゃん」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
老婆「おやおや、小さいのによく食べること」
子猫「にゃー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
老婆「よく鳴く子だねぇ」
―夜
老婆「…すやすや」
子猫「にゃーにゃー」
子猫「にゃー」
老婆「…うーん？」
老婆「寝れないのかい？」
子猫「にゃーにゃー」
老婆「私の布団に入るかい？」
子猫「にゃー」ﾋﾟｮﾝｯ
老婆「ほっほっ、元気だこと」
子猫「…ｺﾞﾛｺﾞﾛ」
子猫「…zZZ」
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