アニ「アナタの名前は?」(84)
『アニ、アニ』
誰かに呼ばれた気がして目が覚める。
私の名前をただひたすら呼ぶ2人。
その2人が誰かは分からない。
「……あの、誰ですか?」
そう問いかけると2人は一瞬表情がこわばり、少し顔を歪めて泣きだす。
私は力を振り絞って弱々しい声を発した。
__アナタの名前は?
「おい、本当に分からないのか?」
2人の内、がっちりとした体格の人が私に声をかけてきた。
その声は震えているようで、これ以上泣くのを抑えるようにハンカチを思いきり握りしめている。
「はい……」
このたった2文字の返事だけで、2人は諦めかけたような目をした。
「俺はライナーで、もう1人がベルトルトだ」
私の視界から見えるのは白いベッドと青白い顔の2人。
「ライナーさんとベルトルトさんですか……良い名前ですね」
2人は泣きながら相槌をうってくれた。
「名前はちゃんとフルネームで言わないと。
あっちがライナー・ブラウンで、僕がベルトルト・フーバーだよ」
背の高い人が名前を訂正した。
「私はアニです。
生憎、私に名字のようなものはついていません」
その言葉を聞いて2人はまたポロポロと涙を溢す。
何故泣いているのだろう。
私は疑問に思ったが、今は聞いて良さそうな雰囲気ではなかった。
仕方なく他の質問に変える。
「ここはどこですか?」
部屋を見渡すと天井も壁も白く、ベッド以外に特に目立ったものは置かれていなくて殺風景だ。
他に特徴を挙げるとすると、花瓶に入っている白、ピンク、紫、赤色の花だろう。
「ここは医務室の部屋だ」
ライナーさんがそう教えてくれた。
成る程。
医務室の中ならあまり物が置かれていないのも納得できる。
「ライナーさん、ありがとうございます。
でも、どうして医務室に私が居るのですか?」
「……えっとね、訓練所で君は朝に倒れたんだよ」
ベルトルトさんは悲しい顔で私に言った。
訓練……?
どこからともなく次々と疑問が沸き上がってくる。
何これアニはこんなんじゃないだろ
記憶喪失でって設定だろ。
いちゃもんつけるにしてももうちょっと考えろよ。
期待
アニ「やめて下さい!私の為に争わないで!」ポロポロ
アニ「争うなら…」ヌギ…
アニ「この水虫でズルズルでベタベタな足で履いていたブーツを…」
アニ「嗅がせますよ!?」
アニ「えーい!」バシッバシップーン…
>>5「くっさあー!」バタッ
>>6「有り難う御座います!」バタッ
>>7「俺巻き添え!」バタッ
アニ「喧嘩はダメだぞ☆」
その快感は凄まじい。
私はたまらず小便も漏らした。
キモチイイキモチイイキモチイイキモチイイキモチイイキモチイイキモチイイ!!
「キモチイイイイイイイ!!」
冷めない興奮。
記憶なんてなくても本能が体を動かす。
「ウンコオイシイウンコオイシイヨおおお」
手掴みなんてハシタナイと思いながら、自ら出したウンコを貪り食う。
翌日。
私は開拓地送りになった。
「まあいっか。
ウンコオイシイし」モグモグ…
【完】
オマケ
ライナー「任務どうするよ?」
ベルトルト「アニのウンコで訓練所閉鎖したしね」
ライナー「面倒だから今日壊しちまうか」
ベルトルト「そうしよう」
ガリッ…カッ!!
【完】
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