ほむら「音楽が繋ぐ絆」 (318)



スレもssも初めてなのでグダグダしてるかも

まどマギはアニメしかみてないので劇場版の世界観ではないし、改変後でもないよ

改変前の世界での話のssです


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1390316036

ほむら「また上手く行かなかった…」

ほむら「しかも上手く行かなかったどころか私がまどかの因果を増やして魔法少女の素質をあげていたなんて…」グスッ

ほむら「…はぁ」
ほむら「何もしたくない…」ゴロゴロ

ほむら「まどかのために時間を繰り返していたけれど…、私の素質はあがらないのかしら」

ほむら「…まどかのためは私のわがままのためでもあるし」

ほむら「気のせいかもしれないけど、肉体強化と時間停止は少しずつ強くなってるような気はしていたのよね」

ほむら「てっきり魔法を上手に使いこなせるようになったのだと思っていたけど…」

ほむら「…まさかね」

ほむら「はぁ、ベットでゴロゴロしてても仕方ないわ」モソモソ

ほむら「…気持ちを切り替えて起きましょう」ガバッ

ほむら「とりあえず肉体強化と視力回復をしましょう」

ほむら「…」パァァァ

ほむら「やっぱり強くなってる…?」

ほむら「…」カシャッ

ほむら「…………」

ほむら「…あれ?」

ほむら「こんなに時間を止めること出来たかしら…」


ーーーーー

ほむら「…まだ止まってる…!」カシャッ

ほむら「これなら!私も魔法で武器を作り出すことが出来るかもしれない…!」

ほむら「…以前マミが武器を作るのは、武器がそこにあるのをイメージしながらだって言ってたわよね」

ほむら「…」ムムム

ほむら(…デザートイーグル…! デザートイーグル…!)ムムム

ほむら「…出来ない」

ほむら「…私はもう魔法少女になっているし、もしかしたら魔法少女としての能力が伸びただけなのかもしれないわね」

ほむら「…なるほど、確かにそれなら肉体強化などの魔法が強くなったことにも納得がいくわ!」

ほむら「…でも、武器は作り出せないのね」

ほむら「せめて何か他に出来ること…」

ほむら「…思いつきそうにないわ」

ほむら「とりあえず、三つ編みのリボンをほどきましょう」スルスル

ほむら「リボンは引き出しにいれておいて…」ゴソゴソ

ほむら「…あら、これは…」

ほむら「東京のミッション系スクールに居た頃のロザリオ…」

<<2
まだそれは決めてないや

ほむら「懐かしいわね」

ほむら「…」

ほむら「そういば学校のチャペルで賛美歌、一度も歌ったことないのよね」

ほむら「心臓の病気だったからって、みんな変に気を使いすぎだったのよ」

ほむら「別に賛美歌くらい歌えたのに」

ほむら「…それだけが原因じゃなかったけど」

ほむら「…みんなと一緒に賛美歌歌いたかったなぁ」

ほむら「ピアノも、ちゃんとみんなの前で弾きたかった…」

ほむら「…自分の意見をちゃんと言えてたら何か変わったのかな」

ほむら「…!」

ほむら「そうだわ!肉体強化してるんだから歌やピアノに魔法の効果をつけられないかしら…!」

ほむら「回復系ならゆったりとした癒しの歌…とか」

ほむら「…賛美歌じゃダメかしら」

ほむら「属性的には聖とか光っぽいし」

ほむら「なにより、ミッション系スクールだったからある程度歌えるわ!」

ほむら「…よし、Ave Mariaを歌いましょう…!」

ほむら「…Ave Maria, gratia plena(癒しのイメージ…、癒しのイメージ…!)」~♪ パァァァ

ほむら「!」

ほむら「…出来た」

ほむら「出来たわ…!」

ほむら「回復系の魔法は苦手だったから、これは嬉しいわ…!」

ほむら「…っていうことは他にも
攻撃とかできないかしら」

ほむら「歌で攻撃…」ウーン

ほむら「単純にイメージがわかないわ」

ほむら「でも、攻撃翌力をあげたりするイメージはわかるかも」

ほむら「それに、相手のスピードを落とすようなイメージとかなら出来るようにかもしれないわ…!」

ほむら「上手くいけば歌での攻撃だって…!」

ほむら「…色々試したいけど試すには時間が足りなさそう」

ほむら「長くなった時間停止をしている間に色々試すのもいいけど、前の時間軸でグリーフシードは底をついたからあまり魔法を使いたくないし…」

ほむら「…」

ほむら「…今回の時間軸はこの魔法を研究する時間軸にしようかしら」

ほむら「まどかの因果の真実を知ってから絶望しかけていたし…」

ほむら「ついでにやりたいことを思いっきりするのもいいわね」

ほむら「…えぇ!それがいいわ!たまには息抜きも必要よね…!」

ほむら(…ごめんね、まどか)
ほむら(諦めるわけじゃないから…!)

ほむら「…やりたいこと」

ほむら「…それなら、みんなで賛美歌を歌いたい!」

ほむら「魔法の研究にも繋がるしね」

ほむら「どうせならたくさんの人の前でみんなで歌いたいわ!」

ほむら「まずは一緒に歌う仲間を探そうかしら!」

ほむら「そうと決まったら…!」

ーーーーー
ほむら「ふぅ、病院を抜け出したわ」

ほむら「学校に転入するまでまだ3日あるのよね」トコトコ

ほむら「今までは武器を集めたりしてたけど…」トコトコ

ほむら「この時間軸ではなるべく平和に過ごしたいわ」トコトコ

ほむら「…でもあいつがまどかに契約を迫ったりしたら平和にはいられない…?」ウーン

ほむら「…」トコトコ

ほむら「次の時間軸で辛くなるだけだし…」グスッ

ほむら「それにできるだけまどかに魔法少女の知り合いを作らせないようにしたいし…」トコトコ

ほむら「まどかたちは賛美歌仲間に誘わないようにしようかしら…」

ほむら「…ソウルジェム、指輪じゃなくて、ロザリオの形にして…、制服の下に首からさげておきましょう」ジャラ

ほむら「こうしたら指輪で魔法少女だって気づかれることもないし…」トコトコ

ほむら「でも、魔法少女の賛美歌仲間は欲しいわ」トコトコ

ほむら「攻撃翌力をあげる歌が歌えたら、仲間がいた方がいいしね」

ほむら「…あの人ならすでに賛美歌の歌詞くらい覚えてそうね」フフッ

ほむら「巴マミといい関係を築くには…」

ほむら「…はぁ、今回はQBに攻撃をしかけないようにしましょう」トコトコ

ほむら「QBにまどかの存在を知られないように、まずは私というイレギュラーとコンタクトを取るというのはどうかしら…?」トコトコ

ほむら「あいつがイレギュラーに注意を払っている間に…」トコトコ

ほむら「あら…?考えながら歩いているうちに隣町まで来ていたのね」

ほむら「あれは…教会ね…」

ほむら「…??」

ほむら「賛美歌といえば教会よね!」

ほむら「他に賛美歌仲間になるような人、誰かいないかしら…!」ワクワク

ーーーーー

ほむら「うぅ、外見とは裏腹に中は廃墟のようだわ…」

ほむら「でも、夕日をステンドグラスが反射してとても綺麗…」

ほむら「この教会結構大きいのにどうしてこんなに荒れてしまったのかしら…」

ほむら「…こことても声が響きそうよね」ウズウズ

ほむら「賛美歌仲間を探す前に、まずは私が上手く歌えないといけないわよね!」

ほむら「まずはさっきのあの曲を」

ほむら「Ave Maria」


ほむら「…Ave Maria, gratia plena」~♪

ほむら「Dominus tecum」~♪

ーーーーーー

~♪

??「…なんだ?あっちの方からなんか歌が…」

??「…アヴェマリア」

??「…もしかして誰かがあたしんちの教会で歌ってんのか?」

ーーーーー

ほむら「Amen」~♪

??「」パチパチパチ

ほむら「だ、だれ??」クルッ

??「あぁ、ごめん」

杏子「あんた、歌うまいね」

ほむら(き、杏子??)
ほむら(な、なんでここに…)ハッ

ほむら(ま、まさかここが…)

ほむら「…ごめんなさい」オドオド

杏子「うん?」

ほむら「…ここはあなたの家なのでしょう?」

ほむら「勝手に入ってごめんなさい…」

杏子「…いや、確かにここはあたしんちだけどさ、べつに気にしてないよ?」

杏子「しばらく帰ってなかったしな」

杏子「…それに、ちょっとうれしかったんだよね」
杏子「こんなところでも賛美歌を歌ってくれるなんてさ」

杏子「それより…」 ガサ ガサ

杏子「くうかい?」スッ

ーーーーーー

杏子「…ふぅん」モグモグ

杏子「心臓の病気でねぇ」モグモグ

ほむら「えぇ、それで一度も学校のチャペルで歌ったことがなかったの」

ほむら「いつも後ろからみんなの歌声を聞くしか出来なくて」

ほむら「心臓の病気がなおったらずっとやってみたかったのよね」

ほむら(そのこともずっと忘れていたけれど…)

杏子「…ふぅん」

杏子「…私もその賛美歌仲間とやらに入れてもらおうか」

ほむら「??」

杏子「私も一応教会の娘だしね」
杏子「賛美歌、歌えるよ?」

ほむら「…ありがとう!嬉しいわ!」

ほむら(まさか、さっそく魔法少女の賛美歌仲間ができるなんて!)


杏子「ん…」モグモグ

杏子「あんた見た目より感情豊かだね」

ほむら「///」

ほむら(でも本当…)
ほむら「…こんなに嬉しい思いをしたのは久振り」

杏子「…」

アケミサーン! ドコナノー?

杏子「…お前のことじゃないか?誰か読んでるぞ」

ほむら「ゲッ」
ほむら「病院抜け出していたの忘れてたわ…!」

杏子「おいおい」
杏子「意外とアグレッシブなやつだな…」

ほむら「…」

杏子「…どうしたんだ?」
杏子「呼んでるぞ、行かないのか?」

ほむら「…もっとあなたと話したいわ」

杏子「これまた意外とさびしやがりなことで」

杏子「しかたねぇなぁ」

杏子「明日にでもあんたんとこに見舞いがてらいってやるよ」

ほむら「本当??」
ほむら「ありがとう!」トタタタタ…


ほむら「杏子!今日は楽しかったわ!」

杏子「…おう」

ーーア! アケミサン! ドコマデイッテタノ!

ーーゴ、ゴメンナサイ…

杏子「…」

杏子「ホントわたしもどうかしてるよ」ボソッ

ーーーーー

看護婦「暁美さーん!」
看護婦「お父様からプレゼントが届いてるわよ!」

ほむら「…」

看護婦「お父様が病気が治ったお祝いに、ですって!」

ほむら(いつもどうせ音楽関係のだしいらないって言って受け取ってこなかったけど…)

ほむら「…ありがとう…ございます」

看護婦「…!」
看護婦(暁美さん、お父様からのプレゼント一度も受け取ったことなかったのに…!)

看護婦「今もってくるわね!」トタタタタ…

看護婦「はい、どうぞ!」スッ

ほむら「…でか」

看護婦「電子ピアノですって!」

ほむら「電子ピアノ…?」

看護婦「えぇ、心臓の病気の手術が無事に終わったお祝いにって」

看護婦「しばらくぶりなんでしょう?」

ほむら「…」

ほむら(いつも病気が治ったお祝いのプレゼントはピアノを送ってくれていたのね)

ほむら(…それ以外のいつも断っていたプレゼントは何だったのかしら….)

ほむら(うぅ、今更ながら罪悪感が…)

ほむら(ピアノ…ピアノも本当に久振りだわ)

ほむら(お父さんの思ってるしばらくぶりよりもずっと長い間弾いてなかった…)

ほむら(ちゃんと弾けるかしら…?)

ほむら「あ、あの…ピアノ」
ほむら「ここで弾いてもいいですか…?」

看護婦「…??」
看護婦「えぇ、もちろんよ!」
看護婦「暁美さんピアノ上手だって聞いてるし」
看護婦「それに、この部屋はセラピー用の部屋でもあるから」

ほむら「…セラピー用の部屋?」

看護婦「えぇ、暁美さんだったミュージックセラピーかしらね」

看護婦「音楽は心のお薬にもってこいなのよ」

看護婦「もうすぐ退院で不安なことも多いんじゃない?」

看護婦「ストレスの発散にもなるんじゃないかしら」

看護婦(それに、これは勝手だけど、暁美さんのピアノに患者さん達に希望を与えてくれたら…)

ほむら「…そうですね、ありがとうございます」

ほむら(さて、何を弾こうかしら…)
ほむら「…ピアノ、本当に久振り…」ナデナデ

看護婦「…?」

ーーーーーーー
~♪

看護婦(暁美さんの演奏、本当に上手)
看護婦(本当に久しぶりなのかしら)
看護婦(お父さんは有名なバイオリニストみたいだし、楽器は違うけど遺伝があったりするのかしらね)

???「…この曲」

看護婦「…あ」
看護婦(しまった…、この子は事故でバイオリンが弾けなくなったんだったわ…!)
看護婦「え、えっとね」オロオロ

??「…誰か演奏しているんですか?」

看護婦「え??」

看護婦「え、えっと、お向かいの病棟の暁美さんって子よ」

??「…そのひとはなんで入院してるんですか?」

看護婦「…心臓の病気でずっと入院してるのよ」
看護婦「手術も無事終わったからもう少ししたら退院するけどね」

看護婦「たしか上条くんと同じ年齢だったし、見滝原中学に転入するみたいだから、もしかしたら同んなじクラスになるかもしれないわね」

???「…そうなんですか」

ーーーーー

ガラッ

???「きょ~すけっ!」
恭介「…さやか」
恭介「部屋に入る時はノックしてよ…」

さやか「…あ!」
さやか「ご、ごめん」
さやか「そうだったね、入り直すよ!」

恭介「いや、もう入ってるからかわんないし、いいよ」

さやか「あ、あれ?そう?ご、ごめんね」

恭介「…」

さやか(…なんか今日、恭介機嫌いい…?)

~♪

さやか「あれ?」
さやか「これ…ピアノ?」
さやか「どこからだろ…」

恭介「…お向かいさんだってさ」
恭介「ほら、ちょうど向かいの…」

さやか「ホントだ!美人さんだね~」

恭介「…見えるの?」

さやか「え?見えない?」
さやか「髪の長いふいんき美人さんだよ!」

恭介「目よすぎでしょ…」
恭介「それから雰囲気だよ、さやか」

さやか「あ、あれ~?」
さやか「そうだったかな…」

さやか「それにしても上手だね~」
さやか「主よ人の望みの喜びよ、だっけ?」

恭介「…うん」

さやか「…そっか」
さやか「ふぅん…」
さやか「恭介が機嫌いいの、わかっちゃった!」

恭介「…え?」

さやか「やっぱ、CDより生演奏の方がいいよね~」

さやか「しかもこんなに上手いときた!」

恭介「…」
恭介「…うん、本当に上手だよ」

恭介(演奏している人の気持ちが、心が現れているようだ…)

恭介(僕の演奏を聞いてくれていた人たちもこんな気持ちになったりしたのか
な…?)

恭介「…」

恭介「そうだ、お向かいの暁美さん?だったかな、来週には僕たちと同じ学校に転入するみたい」

恭介「年齢も同じって聞いてるし、同じクラスになるかもしれないよ」

さやか「そうなの?」
さやか「ヘェ~」

さやか「 やぁ~、さやかちゃんのお嫁さん候補が増えちゃいますかな??」


?????
~♪

さやか「あ、曲が変わった」

恭介「!?」ガバッ

さやか「ちょ、ちょっと恭介!どうしたの!?」

恭介「…」

恭介「暁美…」

恭介「もしかして…??」ガタッ

さやか「ちょ、ちょっと恭介!」

さやか「どうしたのさ、いきなり!」

さやか「まだ全然歩けないだから無理しないでよ」

恭介「さやか、向かいの病棟の暁美さんに会いたいんだ!」

恭介「もしかしたら僕がバイオリンを始めたきっかけになった人がこの病院にいるかもしれない!」

さやか「…恭介がバイオリンを始めたきっかけにらなった人?」

恭介「あぁ、世界的にも有名なバイオリニスト!」

恭介「暁美焔だよ!」

?????
さやか「ちょ、ちょっとまってよ恭介!」

さやか「さっき、その暁美さんは中学生で同い年っていってたじゃん!」

さやか「恭介がいってるバイオリニストの暁美焔はたしか30代くらいでしょ!?」

さやか「それに、焔って名前かわかんないじゃんか」

さやか「弾いてるのピアノだし…」

恭介「…」

恭介「…言われて見ればそうだね」

さやか「恭介、なんで暁美焔って人だと思ったの?」

恭介「……今、お向かいの暁美さんが弾いてる曲」

恭介「暁美焔が有名になった曲でもあるんだ」

恭介「賛美歌をアレンジした曲なんだけど」

恭介「暁美焔の賛美歌新解釈ってなかんじで曲もセットで結構有名になったんだよ」

~♪

恭介「…」
恭介(最近音楽を聞くのも嫌だったのになんだか、このピアノを聞くのは落ち着くな…)

?????
ーーー


杏子「…あいつの病院どこだよ」

杏子「あ~、軽々しく見舞いに行くなんて言わなきゃよかったな」

~♪

杏子「…主よ人の望みの喜びよ」

杏子「ピアノか」

杏子「…一応賛美歌だし曲の聞こえる方にいってみるかな」

~♪

杏子「この病院からか…」

杏子「ここの屋上から望遠鏡で探してみるかな」

杏子「よっ、ほっ、ほいっと!」シュッ シュッ シュタッ!

杏子「…お、いたいた」

杏子「っていうか風見野の病院じゃねぇーのかよ」

杏子「はぁ、あたしが魔法少女じゃなかったら1日じゃぜってーみつかんなかったね」

?????
杏子「ん?」

杏子「病室の前に誰かいるな」

杏子「…おい、あんたもあいつの見舞いかい?」

さやか「え!?」

杏子「あ、もしかして賛美歌仲間の1人かい?」

さやか「え?えーと…」

さやか「み、未来のクラスメイトというか、友達…に」

さやか「なれたらなぁ~なんて…?」

杏子「ふぅん」ボリボリ

杏子「まぁいいや、ドアの前で喋ってないで早く入ろうぜ」

さやか「い、いや!いいよ、わたしはちょっと来ただけだから!」

さやか「じゃ!」ダッ

杏子「?」

?????
~♪
ほむら「…楽しい」

ほむら「…久しぶりに、弾いたわ」

ほむら「でも、指が思ったように動かない…ちょっと絡まりそうになるわ」

ほむら「…でも、少しずつ速さになれていけばいいわよね!」

杏子「よっ!」ガラッ

ほむら「!」ビクゥゥ

ほむら「ちょ、ちょっとびっくりするじゃない!」

ほむら「ノックしてから入りなさいよ!」

杏子「あ~、わりぃわりぃ」
杏子「次からは気をつけるよ」

杏子「っていうかお前こそ病院どこかいっとけよな!」

杏子「お陰でずっと探してたんだからな!」

杏子(…こっちにはあんまり来たくねぇのによ)

ほむら「…そういえばいってなかったわね」

ほむら「だからこんな夕方に来たのね」

ほむら「…ごめんなさい、それから」

ほむら「昨日会ったばかりなのにわざわざ探してまで来てくれてありがとう」

杏子「…(でもこっちなら使い魔でもマミが守ってくれるだろうな)」

?????
杏子「そういえば、ドアの前に誰かいたぞ、知り合いか?」

ほむら「え?」

ほむら(この時間軸で面識があるのは杏子だけ…)

ほむら「…どんな子だったの?」

杏子「え?えーと…」

杏子「…ショートカットのなんか青いやつだ!」

ほむら(美樹さやか…?)

?????
看護婦「暁美さ~ん、面会時間を過ぎていますよ」

看護婦「お友達にはもう帰ってもらいなさい」

杏子「…なんだよ、来ただけじゃねーか」

ほむら「でも、会えてよかったわ」

杏子「それで、賛美歌仲間になったのはいいけど、何をするんだ?」

ほむら「みんなで歌う曲も決めたいけど…」

ほむら「その前にもっと一緒に歌う仲間を増やしたいの」

ほむら「あさってには見滝原中学に転入するし、そこでも誰か誘ってみようと思うのよ」

杏子「ふぅん」

杏子(賛美歌仲間に入れてくれって言ったのはこっちだけど、あんまり一般人の知り合いを増やすのもねぇ)

杏子(あ、でもここはマミのテリトリーか…)

杏子「いいんじゃねぇの?」

杏子(ここで魔女をからなければいいだけだ)

?????

杏子「じゃ、今日は帰るよ」

杏子「明日もここにくればいいのか?」

ほむら「明日にはここを退院するの」

ほむら「退院の準備で忙しくて会えないとおもうわ」

杏子「そういえば心臓の病気だとかいってたな」

杏子「悪いな見舞いの品なんか持ってきてねぇや」

ほむら「いいわよ、どうせ期待してなかったから」

杏子「…そんだけ悪態つけれたらいらねーだろ」

ほむら「それで、あさっての放課後….、4時半ごろに会える?」

杏子「こっちはいつでも大丈夫だよ」

ほむら「じゃあ、あさっての4時半に」

ーーーーー
看護婦「暁美さん、退院おめでとう


看護婦「一人暮らしは大変だろうけど、頑張ってね」

ほむら「…ありがとうございます、頑張ります」

うわあああああ
書き溜め消しちゃったあああ

だいぶあったのに…

ありがとう

再開するよ

ーーーーー

コンコン

恭介「…どうぞ」

ガラッ
さやか「美少女かと思った?」

さやか「残念!さやかちゃんでした!」

恭介「…」フイッ

さやか(あれ?今日は昨日と比べて機嫌があまりよろしくない模様…)

さやか「…うーん?」ムムム

さやか「…あ!なるほど!」

さやか「今日からは暁美さんの生演奏が聞けないから拗ねてるのか!」

恭介「!?」

恭介「拗ねてないよ!」

恭介「それに、どうして今日からは、なんだい?」

さやか「あ、えっとね、さっき下のホールで暁美さんの退院のお別れ会をしてたから…」

恭介(…そういえば看護婦さんがもうすぐ退院するっていってたな)

さやか「チラッとみただけだけど、ふいんきどころか近くで見ても美少女だったよ…!」

さやか「くそう!ピアノもうまい癖に不公平だぁ~」

恭介「…雰囲気だってば」

さやか「あ!それより聞いてよ恭介!」

恭介「…」

さやか「昨日、その暁美さんにクラスメイトになるかもだし、挨拶しにいったんだけどね」

さやか「なんと!昨日恭介と話していた暁美焔と一緒な名前だったんだよ!」

恭介「!」

さやか「結局挨拶はしなかったんだけども…」

さやか「病室前のプレートに暁美ほむらって書いてあって…」

さやか「あ!ほむらは平仮名なんだけどね」

さやか「こんなことってあるんだね~」

さやか「あけみほむらって読みの人達はみんな音楽の才能があるのかぁ~?」

さやか「くそう!」

さやか「さやかちゃんにもその才能を分けて欲しい!」

さやか「…あ、でも、年も離れてるし、暁美さんの親が暁美焔のファンなだけかもしれないね」

ーーーーー
ーーー

早乙女「はい、これはあなたの生徒手帳」

早乙女「それからこっちは学校行事などの連絡事項のプリントね」

ほむら「ありがとうございます」

早乙女「じゃあ、さっそくだけど、教室に行きましょうか」

ーーーーー
早乙女「暁美さん、一人暮らしなんですってね」

ほむら「はい」

早乙女「退院したばかりなのに大変ね」

ほむら「いえ、そんなこともないです」

早乙女「そう?でも、なにか困ったことがあったら、先生や周りの大人をたよってくれていいのよ」

ほむら「…はい、ありがとうございます」

ーーーーー
早乙女「目玉焼きは固焼きですか、半熟ですか!?」

早乙女「はい!中沢くん!!」ビシッ

中沢「え!?ど、どっちでもいいかと…」

早乙女「そうです!その通りです!目玉焼きの焼き加減なんて固焼きでも半熟でもどっちでもよろしい!!」

早乙女「女子のみなさんは~…」グドクド

生徒「また先生彼氏と上手くいかなかったんだね…」ボソッ

ーーーーー
早乙女「はい!では今日は転校生を紹介しま~す!」

さやか「そっちがあとかよ!」ビシッ

早乙女「暁美さん!入ってきてー!」

ガラッ

早乙女「暁美さんは心臓の病気で~…」

ほむら(…自己紹介は何度やっても慣れないのよね)スタスタ

ほむら「…」ピタッ

ほむら「暁美ほむらです」

ほむら(……ここで、この時間軸で自分のしたいことをするのよ!ほむら!)

ほむら「…賛美歌を一緒に歌う仲間を募集しています」

ほむら「興味がある人は私のところに来てください…!」


???「あれ?あの子、夢で…?」

ーーーーー

ほむら(…おかしい)
ほむら(いつもの時間軸だと質問攻めに合うのに…)

女子生徒「あ、暁美さん!」タタタッ

ほむら「…なにかしら」

女子生徒「ま、前はどんな学校に通っていたの?」

ほむら「…東京のミッション系スクールよ」

女子生徒「!」

女子生徒「ありがとう!」タタタッ



暁美サン、東京ノミッション系スクールニ通ッテタンダッテ!
キャー! ステキ!
暁美サンナラ様ニナルデショウネ!

暁美サンノ賛美歌ヲ歌ッテル姿見テ見ターイ!
興味アルッテイッテキタラ?

イヤイヤ、遠クカラ見レルダケデ十分ヨ!



次私ガ質問シテコヨウカナー

ア、ズルイ!

ほむら(質問が1ずつしかこないわ…)

キャーキャー

ほむら(…周りがうるさい)

さやか「よ!転校生!」

さやか「さっそく女子の注目の的だね~」

ほむら「…あなたは」

さやか「あ、あたし美樹さやか!」

さやか「んで、こっちの緑のウェーブがかかった髪の子が志筑仁美!」

仁美「志筑仁美ですわ」

さやか「それからこっちのピンクツインテールのキュートな私の嫁!」

さやか「鹿目まどかだー!」ダキッ

まどか「も、もう!さやかちゃんてば!」

まどか「私、鹿目まどか!よろしくね」

ほむら「暁美ほむらよ、ほむらと呼んでくれて構わないわ」

さやか「お!転校生は話がわかるね!」

さやか「じゃあ、さっそく!」

さやか「ほむら!私のこともさやかって呼ぶのだー!」

ほむら「…さやか」

さやか「おおともよ!」

仁美「私のことも仁美で構いませんわ、ほむらさん」

ほむら「えぇ、ありがとう、仁美」

まどか「わ、私のこともまどかって呼んでくれて構わないよ!ほむらちゃん!」

ほむら「えぇ、まどか、よろしくね」ニコッ

まどか「…!」

ーーーーー
ーー


ほむら(まどかに魔法少女の知り合いを作らせたくなかったけど…)

さやか「ほむら~!一緒に屋上でご飯たべない?」

ほむら「えぇ、ご一緒させてもらうわ」

ほむら(やっぱりみんなと一緒にいられるのは嬉しい…)

まどか「ほ、ほむらちゃん!もしかしてお弁当それだけ!?」

まどか「そういえば、クラスの女の子たちがいってたけどほむらちゃんはミッション系スクールに通ってたんだってね」

さやか「…ミッション系スクール?」
さやか(な、なにそれ…?スパイを育てる学校か??)

仁美「キリスト教系の学校のことですわ」

仁美「私も初等部は隣町のミッション系スクールでしたの」

まどか「あれ?そうだったんだ」

さやか「…なるほど!だから賛美歌なのか!」

ほむら「えぇ、確かにミッション系スクールだっけど、心臓の病気だったからあまり通っていなかったわ」

ほむら「賛美歌をみんなで歌ったことも、結局1回もなくて…」

ほむら「みんなで賛美歌を歌えたらってずっと思っていたのよ」

仁美「そうでしたのね」

仁美「それでしたら、わたしもその賛美歌仲間に入れていただきたいですわ!」

仁美「私の通っていたスクールでも賛美歌は歌いましたし、それにまた賛美歌を歌ってみたいですわ!」

さやか「それならあたしも!」

さやか「あたしこうみえてクラシックとか好きなんだよね~」

さやか「さすがに賛美歌を歌ったことはないけど、興味ないわけじゃないし!」

まどか「わ、わたしも!」

まどか「私は演歌が好きで、賛美歌とはイメージかけ離れてるかもだけど…!」

まどか「演歌も賛美歌も熱い魂込めて歌うのは一緒だよ…!」


ほむら「!」

ほむら「ありがとう!」

ほむら(まどかと一緒に賛美歌を歌うことが出来るなんて…!)

ーーーーー
仁美「それにしてもほむらさん、すごかったですわよね」

仁美「勉強も体育も出来る才色兼備だなんてその才能を少し分けていただきたいですわ」

まどか「そうそう、凄かったよね!」

まどか「数字の先生いっつも意地悪な問題ばっか出すのに、あんなにスラスラ解いちゃうなんて!」

さやか「くそう、なんでこんなに不公平なんだ…」

ほむら「…入院中は暇だったのよ」

さやか「それにしたって運動出来るのは違くないかー!?」

まどか「本当に入院してたのかって先生も驚いていたしね」

さやか「それに、ほむらはピアノも上手いだよ~!くそ~!!」

まどか「え!?ほむらちゃん、ピアノも出来るの?」

ほむら「…えぇ、少し」

ほむら(なんでさやかが知っているのかしら…)

さやか「少しなもんかー!恭介が褒めるほどの凄腕なんだぞ!」

仁美「恭介さんが?」

まどか「へぇ!それはすごいね」

ほむら「…」

まどか「あ、ほむらちゃんは知らないよね」

まどか「上条恭介君、さやかちゃんの幼馴染で私たちのクラスメイトだよ!」

まどか「バイオリンが上手で有名なんだ」

さやか「音楽にはちょ~とうるさいんだよね、恭介」

まどか「今はちょっとした事故があって入院しているんだけど…」

ほむら「……なるほど、病院で聞いていたのね」

さやか「たまたまだったけどね」

さやか「そうそう!それから、ほむらと同姓同名のバイオリニストの暁美焔って知ってる?」

まどか「え!?ほむらちゃんと同姓同名!?」

仁美「えぇ、存じ上げてますわ」

仁美「賛美歌の新解釈と言われる、賛美歌のアレンジで有名な方ですわ」

仁美「ただ、その暁美焔さんは男性ですけれど」

まどか「へぇ~、そんな人がいるんだ…」

さやか「そう、その人!あけみほむらって珍しい名前なのに同姓同名でしょ?」

さやか「もしかして親が暁美焔のファンだったりするのかなーって」

ほむら「…父親よ」

さやか「あ、やっぱりお父さんがその人のファンなんだ?」

ほむら「…いえ、そういう意味ではなくて…」

ほむら「…そのバイオリニストの暁美焔は、私の父親よ」

さやか・仁美・まどか「「「!?」」」

ーーーーー

まどか「え!?だ、だって同んなじ名前…」

仁美「そうですわ!親子で同じ名前はたしか法律で禁止されているは
ず…」

ほむら「漢字が同じなのはダメだけど、読みが同じなのはいいのよ」

ほむら「お父さんの焔を私はひらがなにしてるから違法ではないの」

さやか「でも、どうしてほむらの親は同んなじ名前をつけたんだ?」

ほむら「…お母さんが、暁美焔の全てを受け継ぐようにってつけたのよ」

まどか「暁美焔の全てを…」

まどか「で、でも、ほむらちゃんのお父さんはその名前に反対しなかったの?」

ほむら「その頃、お父さんは有名になったばかりなのもあって世界中をまわっていたのよ」

ほむら「私のことを知ったのは私が生まれたあとらしいわ」

仁美「つまり、ほむらさんのお母様は妊娠も出産もお父様につたえていなかった、ということですか…?」

ほむら「…そういうことね」

仁美「…そのような時期に1人だなんて、心細くないはずがあるはずありませんのに」

さやか・仁美「…」

さやか・仁美『あたし(私)も、もし恭介(さん)と結婚したらそんな思いをするのかな(でしょうか)』


ほむら「そ、そんな顔しないでちょうだい」

ほむら「別にお父さんは冷たいわけじゃないのよ」

ほむら「毎月手紙もくれるし…」

ほむら(ループの間はもらっていないけど…)

ほむら「むしろ私のことをよく気にかけてくれるのよ」


キーンコーンカーンコーン

まどか「あ、予鈴のチャイム」

さやか「やば!確か次、移動教室だったよね、急ごう!」ダッ

まどか「待ってよ!さやかちゃん!お弁当箱忘れてるよ!?」

仁美「…ほむらさん、名前のことにびっくりしたとはいえ、ご家庭のこと深く聞き入りすぎましたわ」

ほむら「大丈夫よ、気にしてないわ」

ほむら(…本当は考えるべきだったことを振り返るきっかけにもなるしね…)

ーーーーー
ーー


まどか「ほむらちゃん、私たちと一緒に帰らない?」

ほむら「えぇ、一緒に帰りましょう」

ーーーーー

まどか「あれ?校門に人だかりが出来てる」

さやか「なになに~?有名人でも来てんのかぁ!?」

ほむら「あれは…」

杏子「あ、やっと来た!」

杏子(…マミが来る前に来てくれて助かったぜ)

仁美「…うそ、そんなはずは…」

杏子「…ん?」

杏子「!」

仁美「…杏子さん!!」

杏子「…仁美」

ーーーーー
ーーー

まどか「じゃあ、2人は小学校が同じだったんだね」

さやか「じゃあ、この子もミッション系スクール?」

さやか「なんかイメージちがうなぁ~」

さやか「淑女とはイメージかけ離れてるような…」

杏子「…ほっとけ」

まどか「杏子ちゃんはサバサバ系女子って感じかな?」

仁美「ふふ、でも実はそんなこともないんですのよ!」

仁美「なんと、杏子さんは紅茶の種類を百発百中で当てることができるんですわ!」

さやか「あ~!それならイメージ分かるかもしんない」

まどか「お菓子の種類とかも当てるの得意そうだよね!」

杏子「どういう意味だおい」

杏子(得意だけどさ…)

仁美「それにしても、杏子さんがもう1人の賛美歌仲間でしたのね」

仁美「また杏子さんと賛美歌が歌えるなんて嬉しいですわ!」

杏子「こっちも仁美が賛美歌仲間になるとは思わなかったよ」

杏子「昔のよしみ、また仲良くしてくれよな!」

仁美「もちろんですわ!私こそまた仲良くしてください!」

杏子(…こっちで仲良くするぶんにはいいよな)

さやか「それで、杏子はいったい何しに来たの?」

さやか「仁美に会うためでもなさそうだったし…」

杏子「ほむらに会いにきたんだよ」

杏子「賛美歌仲間のことで今日会う約束をしてたんだけど…」

ほむら「そういえば、待ち合わせ場所を決めてなかったわね…」

杏子「そうゆうこと」

杏子「見滝原中学に転校するって言ってたことは覚えてたし、それでここまできたんだよ」

杏子「ったく、前といい、今日といい」

杏子「どっか抜けてるよな~、ほむらは」

ほむら「…その時に気づかなかったあなたに言われたくないわ」

杏子「それで、今日はどうするつもりだったんだ?」

ほむら「みんなで歌う賛美歌の曲を決めたかったのよ」

さやか「あ、それならCDショップに行かない?」

さやか「実は今日CDショップに寄る予定だったんだよね~!」

まどか「それいいね!そこでなら色んな賛美歌も聞けるし…!」

仁美「私は今日、茶道のお稽古ですの」

仁美「残念ですけれど、ここでお別れですわ」

杏子「そうなのか」

仁美「…杏子さん、ちょっとこっちに来てください」

杏子「?」

ーーーーー
仁美「…杏子さん」

仁美「…失礼しますわ!」ドスッ

杏子「ぐぇ!(不意打ちで腹パン!?)」

杏子(しかも結構重い…)サスサス

仁美「…私、もう杏子さんと二度と会えないかと思っていたんですのよ…!」ポロポロ

杏子「…」

仁美「あの事件で杏子さんはてっきりもう…!」

杏子「…悪かったな」

仁美「…いえ、もういいんです」グスッ

仁美「一発思いっきりパンチをお見舞い出来ましたし、それに…」

仁美「戻ってきてくれましたから」ニコッ

杏子「…」

杏子「…ありがとな」ボソッ

ーーーーー
さやか「あ、戻ってきた」

仁美「じゃあ、私はここで帰りますわ」

まどか「うん、バイバイ仁美ちゃん」

ほむら「さようなら」

さやか「あ、仁美はなんか賛美歌のリクエストとかある?」

仁美「そうですわね…」

仁美「主よみもとに近づかん」

仁美「ですわ!」

杏子(あぁ、フランダースの犬のクライマックスのBGMか…)

ほむら(沈みゆくタイタニックの曲ね…)

さやか(…身元?…痴漢図鑑?…なんだそれ??)

ーーーーー

杏子「そういえばほむらはあたしんちの教会でAve Mariaを歌っていたな」

杏子「ほむらのところは英語での賛美歌を歌っていたのか?」

さやか「え!?杏子は教会の娘なの!?」

杏子「…そんなに驚くことねーだろ」

杏子「もう、つっこまないからな」

ほむら「いいえ、あれはお父さんに習った曲だから特別よ」

まどか「そっか、お父さん、賛美歌のアレンジで有名なんだっけ?」

杏子「…?」

杏子「ほむらの父親は音楽家かなんかか?」

ーーーーー

杏子「ふぅん」

杏子「なんか変な母親だな」

さやか「ちょ、ちょっと杏子!」

杏子「いや、だってさ、父親の全てを~、じゃなくて普通は私達の全てを~だろ?」

杏子「だから両親から一文字ずつ名前とったのを子供につけりするのがいるわけじゃん」

ほむら「…お母さんは自分は得意なことが何もない、何にもないただの人間だということにコンプレックスを持っているみたいなの」

ほむら「そしてバイオリンが上手なお父さんのことが唯一の自慢」

ほむら「だからよく、『私なんかから受け継ぐものはなにもないのよ、私みたいにならないで』なんて言っていたわ」

まどか(…なんだかほむらちゃんのお母さんの気持ち、わかっちゃうかも)

まどか(私には何にも得意なことがないけど、なんでも出来ちゃうほむらちゃんと友達なこと、自慢に思っちゃうと思うもん)

ほむら「…何にもないわけなんてないのに」ボソッ

まどか「…え?」

ーーーーー

さやか「あ、あそこが私がよく行くCDショップだよ!」

さやか「珍しい曲なんかも結構置いてあるんだよね!」

まどか「あ、賛美歌のコーナーあったよ!」

ーーーーー
まどか「私は賛美歌全然知らないって思ってたから、歌えるか不安だったけど…」

まどか「聞いてみると結構知っている曲も多いね」

まどか「この曲なんかクリスマスソングとして有名だし、私も知ってるよ!」スッ

『きよしこの夜』

さやか(あぁ、私が氷川き○しの曲だと勘違いしていた奴だ…)

さやか(まどかに絞められそうだから言わないけど…)

ほむら「そうね、ミッション系のスクールだった頃もクリスマスにはよく歌ったわ」

ー???『…助けて!まどか!』

まどか「?」

まどか「誰か何か言った?」

さやか「うん?何も言ってないけど…」

ほむら「…どうしたの?まどか」

ー???『…助けて…!』

まどか「!」

まどか「わ、私!ちょっとトイレ!」ダッ

杏子・ほむら((!))

杏子・ほむら((これは、魔女の気配…!))

杏子「…くそッ!」ダッ

ほむら「あ!杏子!」ダッ

さやか「え!?な、なんなの!?」

さやか「ちょっと待ってよ~!」ダッ

ーーーーー
まどか「はぁ、はぁ」

まどか「確かこっちの方から声が…」キョロキョロ

杏子「待ちな」

まどか「…杏子ちゃん!」

杏子「…こっから先は立ち入り禁止になってるぞ」

杏子「この先になんのようがあるっていうんだ?」

杏子「トイレの場所はもう過ぎたぞ」

杏子(魔女の口づけは…ないな)

まどか「あ、あのね、実はこっちの方から『助けて』って声が聞こえるの…!」

杏子(……QBの方か…!)ギリッ

杏子「…じゃあ、私が行く」

まどか「だ、だめだよ!」

まどか「私を呼んでるんだもん…!」

ほむら「…まどか」

さやか「ちょ、ちょっと…待ってよ…みんなあ~」ゼエゼエ

さやか「みんな走るの速すぎ…」ゼエゼエ

杏子(くそ、みんな来やがった…)

杏子・ほむら((!))

杏子・ほむら((…来る!))

ーーーーー
ーーー

まどか「え!?え!?な、なに!?」

まどか「なんなの!?」

さやか「な、なんなのよこれ!」

杏子「くそ、お前らここから離れんなよ…!」ダッ


ほむら「!」

ほむら(私達に杏子が結界を…!)

ほむら「ま、まって!杏子!私も…!」

杏子「お前に何が出来るんだよ!?」

杏子「一般人はそこでみてな…!」ダッ

ほむら(私も変身して…!)

ほむら(あ、あれ…!?)

ほむら(ソウルジェム、どこにやったっけ…??)

ほむら(そ、そうだ!たしかロザリオにして制服の下に下げてるんだったわ…!)

ほむら(あ、あれ?)

ほむら(制服が首まであるやつだから取り出しづらい…!)グイグイ

ほむら(ど、どうしよう)

ほむら(制服脱ぐにしたってこの状況じゃ脱ぎづらいし…)

ほむら(それになにより…)

さやか・まどか「「ほむら(ちゃん)!私達夢見てるんだよね…!?」」ギュー

ほむら(…動けそうもないわ)

ほむら「…」

ほむら(…どうしよう)


わかった、次から気をつけるよ

このssだけど、展開早かったりしないかな?


再開します


ーーーーー
ーーー


ほむら「!」

ほむら(景色が元に…!)

ほむら(…魔女は逃げたようね)

ほむら「…でも!」ダッ

まどか「あ、待って!ほむらちゃん!」ダッ

さやか「お、おいてくなよ~!ほむらぁ~!まどかぁ~!」ダッ

ーーーーー

ほむら(…いた!!)

ほむら(…思えば、巴マミと良い関係を気づくにはいつもコイツがキーだった)

さやか「ほ、ほむら?なにその生き物…」

まどか「…かわいそう、怪我をしてるみたい」

さやか「…うさぎ?…でもないみたいだね」

ほむら「…それより今は、杏子の所に急ぎましょう」ダッ

まどか「…あ!う、うん!」ダッ

ーーーーー

杏子(…よし、魔女は逃げたようだな)

???「…なにをしてるの?佐倉さ
ん」

杏子「…!」バッ

杏子(くそ、見つかっちまった…!)

???「…私のテリトリーを荒らそうとしているなら容赦しないわよ…?」チャキッ

杏子(…そんなんじゃねぇって言っても、信じないだろうな)

さやか・まどか・ほむら「「杏子(ちゃん)!!」」

まどか「よ、よかった~!無事だったんだね!」

さやか「…あれ?その人、誰…?」

まどか「ヒッ!」

まどか「その人、じゅ、銃持って…!」ガクガク

さやか「!!」

ほむら「…巴マミ」

まどか「ほ、ほむらちゃん誰か知ってるの…?」

ほむら「えぇ、私たちと同じ見滝原中学の…先輩よ」

マミ「…あら?あなた、キュウベエを助けてくれたのね?」コツコツコツ

まどか「ヒッ!」

さやか「まどか!下がって!」

マミ「…そんなに怖がらないで頂戴」

マミ「…」スッ パァァァ

まどか「け、怪我が治ってく…」

ほむら「…杏子が、この子を(魔女を追い払うことで間接的に)助けたのよ」

ほむら(…嘘はついてないわ)

マミ「…そうなの」パァァァ

QB「ありがとう、マミ!助かったよ!」キュップイ!

さやか・まどか「!?」

さやか・まどか「「…しゃ、しゃべった!?」」

まどか(…あ、もしかしてこの子が私を呼んでたのかな)

まどか(杏子ちゃん、ホントに助けてくれたんだ!)

まどか「わ、私たちのことも、杏子ちゃんが助けてくれたんです!」

まどか(なんとなくだけど、そんな気がする…!)

マミ「…ふぅん、あなたがキュウベエや一般人を助けるなんてね、佐倉さん」

マミ「まぁ、いいわ」

マミ「あなたたち、この後あいてるかしら」

まどか・さやか「!!」

マミ「よかったら、私の家で話をしない?」

マミ「3人とも私たちと無関係ではないみたいだしね」

杏子「…」

マミ「…あなたもどうかしら、佐倉さん」

杏子「…!」

ーーーーー
ーーー


まどか「わぁ、素敵なお部屋…!」

さやか「…」

杏子「…邪魔するよ」

ほむら「お邪魔するわ」

マミ「独り暮らしだから遠慮しないで」

マミ「ろくにおもてなしの準備もないんだけど」

ーーーーー

マミ「…あなたは知っているみたいだけど一応自己紹介をするわね」

マミ「私は巴マミ」

マミ「あなたたちと同じ見滝原中学の3年生」

マミ「そして、キュウベエと契約した魔法少女よ」

マミ「キュウベエに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事じゃないものね」

マミ「ある程度の説明は必要かなと思って」

ーーーーー
ーーー


さやか「…その話は本当なんですか?」

マミ「え?えぇ、本当よ」

マミ「信じられないのも無理ないわ」

さやか「…マミさんが魔女をやっつける正義の味方なら…なんで!」

さやか「なんで杏子に銃を向けてたんですか!?」バンッ

さやか「…それに、杏子が言うには魔法少女が増えたらグリーフシードっていうやつの取り合いになる事も多いって!」

まどか「…!」

マミ「…」

さやか「マミさん」

さやか「私にはマミさんが私達に魔法少女になって欲しいって言っているように聞こえるんですけど…!」

マミ「!」

杏子「……さやか、やめてくれ」

杏子「本当なら責められるべきはあたしなんだ」

杏子「…ちょっとばかし長い話になる」

ーーーーー
ーーー

杏子「…あたしの祈りが家族を壊しちまったんだ」

まどか「そ、そんな…!杏子ちゃんのせいじゃないよ…!」

杏子「いや、間違いなくあたしのせいだよ」

杏子「あたしの勝手な願いごとが結局はみんなを不幸にしたんだ」

杏子「…その時心に誓ったんだよ」

杏子「もう二度と他人のために魔法を使ったりしない」

杏子「この力は、全て自分のためだけに使い切るって」

さやか「…杏子」

杏子「その時に師弟関係だったマミの元を離れたんだ」

杏子「…そして仁美ともな」

まどか(…それで、仁美ちゃんあんなに驚いていたんだ)

マミ(…仁美って誰かしら?)

杏子「そんなあたしが、マミのテリトリーにいた」

杏子「警戒しないやつの方がおかしいのさ」

マミ「…」

マミ「でも、佐倉さん」

マミ「あなたは鹿目さん達を助けた」

マミ「他人のために魔法を使ったりしないんじゃなかったの?」

杏子「…使い魔だったら見逃してたかもな」

マミ「そうかしら」

マミ「ねえ、佐倉さん」

マミ「守りたいって思えるもの、見つけたんじゃない?」

杏子「!」

マミ「よかったら、また私と一緒に、戦わないかしら」

杏子「!!」


マミ「…美樹さん」クルッ

マミ「あなたが言っていたこと、正しいわ」

さやか「!」

マミ「…私は仲間が欲しかったの」

マミ「魔法少女の戦いは命がけ」

マミ「けど、私が魔法少女としてみんなのために命がけで戦っていることなんて、誰も知らない」

さやか「…」

マミ「…だから、私は魔法少女の仲間が、友達が欲しかったのよ」

マミ「正義の魔法少女って1人でやるにはつらすぎるのよ」ウルウル ニコッ

杏子「…マミ」

杏子「マミがそんな思いをして戦っていたなんてな…」

マミ「私こそ佐倉さんのこと、全然わかっていなかったわ…!」

さやか「マミさん!私も!!」

さやか「マミさんのこと全然知らないのに、杏子に銃向けてたことでカッとなっちゃって…!」

さやか「…ごめんなさい!!」

マミ「いいのよ、美樹さん」

マミ「私が佐倉さんのこと、勝手に勘違いしちゃったから…!」

マミ(いいわ!いい!私、青春してる…!)

杏子「さやか」

杏子「今日会ったばかりの私のためにそんな風に思ってくれて、ありがとな…!」

マミ(え!?今日会ったばかりなの!?)

まどか「…なんだかんだで一件落着…なのかな?」コソコソ

ほむら「…そのようね」ボソッ

ほむら(それにしても私、ひたすら空気だったわ…)

ほむら(QBと同レベルで空気扱いされるなんて…!)クッ

QB「…」

さやか「あ!でも、杏子は別!!」

杏子「!?」

さやか「杏子、家族がいないってことは、いったい何処に住んでるの?」

杏子「……………ホテル」ボソッ

さやか「ふぅん、ちゃんとお金払ってる?」

杏子「……………払ってない」ゴニョゴニョ

さやか「杏子ちゃーん?なんっていったのかなあ?」

杏子「あ、あたしは魔法少女なんだぞ!!」

杏子「あたしの魔法であたしがなにしようと勝手だ!」

さやか「ふっふっふ!果たしてそれはどうかな!?」

さやか「正義の美少女さやかちゃんの目が青いうちは杏子の悪行、見逃さないのだぁ~!」ダキッ

杏子「や、やめろ!」ジタバタ

杏子「く、来るな!!」ダッ

さやか「あ!まて~い!」ダッ

マミ「…それもそうよね」

杏子「!?」ピタッ

さやか「あ!さすがマミさん!わかってくれます?」

さやか「…友達が悪事を働かないと生きていけなんて、そんなのやだよ」

杏子「…」

マミ「よかったら佐倉さん、一緒に暮らさないかしら?」

杏子・さやか「!?」

さやか「いいんですか!?マミさん!」

杏子「…なんでお前が聞くんだよ」

マミ「えぇ、私は独り暮らしだし…」

さやか「やったね、杏子!」

杏子「…勝手に決めるな」

さやか「これでやっと飢えない暮らしができるんだね…!」オヨヨ

杏子「…」スパーン

まどか(いい音したな…)

さやか「いったぁ!なにすんのさ!」

杏子「ウザかったから叩いた」

さやか「ひっどい!麗しき美少女の頭を叩くなんて!」

杏子「何処に麗しき美少女がいるってんだよ!?」

さやか「なによー!?ここにどうみたって美少女がいるでしょーが!!」

杏子「自分で美少女っていうとこが美少女じゃねーんだよ!!」

ギャーギャー

マミ「2人とも!静かにしなさい!近所迷惑よ!!!」

ピタッ

杏子・さやか「「ご、ごめんなさい」」

ーーーーー
ーーー


QB「…それで3人は魔法少女になる気はないのかい?」

ほむら「!?」

まどか「命を懸けてまで叶えたい願いっていうのは…ないかな…」

ほむら(どういうことなの!?QBは魔法少女候補に私も入れている…)

さやか「左に同じく」

ほむら(それはつまり、QBは魂の場所まで把握できる万能宇宙珍獣って訳ではないってこと…!!)

ほむら「…私はなるわ」

ほむら(って言うことは、QBと二重契約を交わすことで、願いをもうひとつ叶えてもらうこともできるかもしれないということ…!)

まどか・さやか・マミ・杏子「「「「!?」」」」

杏子「お前!!あたしの話聞いて…!!」

杏子(ずっと空気扱いだったこと怒ってんのか…!?)

まどか「…ほむらちゃん」

ほむら「ごめんなさい、でも、私には叶えたい願いがある…!」

ほむら「…私は最悪の魔女、ワルプルギスの夜を倒す力が欲しい!!」

マミ・杏子「「ワルプルギスの夜ですって(だと)!?」」

パァァァ

QB(どうして魔法少女でもないのにその情報を…!)

QB(暁美ほむら、君はいったい…?)

QB「!」ピタッ

QB「…だめだ、ほむら」

QB「君の願いは叶えることが出来ない」

ほむら「な!どうして!!」

ほむら(ループで因果が増えているならこれくらいの願いなんて…!!)

QB「…君の魂はすでに結晶化されている」

ほむら「!?」

ほむら「やっぱり、そう簡単にはいかないのね…」ハァ

マミ(魂が結晶化ってなにかしら…?)

ーーーーー
ーーー


ほむら「…」コト

まどか「わぁ、きれいなロザリオ」

杏子「ロザリオにしては装飾が凝りすぎじゃないか?」

杏子・マミ「「!」」

ほむら「これは私のソウルジェムよ」パァァァ

まどか「わ!本当だ!」

さやか「形が変わって…!」

QB「どういうことだい?ほむら」

QB「僕は君と契約した覚えはないんだけど…」

杏子・マミ「「!?」」

マミ「これは暁美さんのソウルジェムなの?」

QB「…そのようだね」

QB「どうやら本物みたいだし、ほむらの物で間違いないだろう」

杏子「キュウベエの野郎と契約しなくてもソウルジェムは手に入るのか?」

QB「それは不可能じゃないかな」

マミ「じゃあ、これは…?」

杏子「説明してもらうぞ、ほむら」

QB「それはぜひ僕のからもお願いしたいね」

ほむら「…」

今日はここまで

展開早いかもなのもだけど、キャラ崩壊とかしてないかな

私の妄想をssにしてるわけだし

再開します

ーーーーー

ほむら(この時間軸での目的は私の肉体強化の魔法の研究)

ほむら(この魔法を研究するためにも、魔法少女の2人には協力してもらいたい…)

ほむら(下手に嘘をついて信用を失うより、ここは本当のことを言うのが得策ね)

ほむら「信じてもらえるかわからないけれど」

ほむら「…私は未来でQBと契約した魔法少女よ」

まどか・さやか・マミ・杏子「「「!!」」」

ほむら「そして、QBとの契約の祈りによって私はここにいる」

ほむら「といっても、今からそうと遠くない未来」

ほむら「…私は約1ヶ月後の世界から来たの」

マミ「……その祈りは、さっき言っていたワルプルギスの夜が関っているのね?」

ほむら「…えぇ、そうよ」

ほむら「私のいた未来では、ワルプルギスの夜がここ、見滝原に現れた」

マミ・杏子「「!」」

マミ「ワルプルギスの夜がこの町にくる…」

杏子「…」

さやか「あの~、さっきから話が見えないんですけど…」

まどか「ワルプルギスの夜ってなんなんですか?」

杏子「…伝説の超弩級の魔女さ」

マミ「その魔女は結界に隠れて身を守る必要がないほど協力な魔女なの」

マミ「普通の人には見えないから、大災害として認識されるわ」

まどか「!」

さやか「なにそれ、魔女でも十分ヤバそうなのに…!」

QB「…なるほどね」

QB「どうりで僕が契約した覚えがないはずだ」

マミ「キュウベエ、暁美さんの言っていることは正しいの?」

マミ「ワルプルギスの夜が来るってこと、キュウベエならわからないかしら…?」

QB「…事実だよ」

QB「ワルプルギスの夜は来る」

まどか「そんな…!」

マミ「…じゃあ、暁美さんの未来で、私はワルプルギスの夜に負けてしまったのね」

まどか・さやか・杏子「「「!!」」」

マミ「だって、私がこの町を捨てて逃げるはずがないもの…」

ほむら「…」

杏子「…マミ、確かにほむらのいた未来で、マミはワルプルギスの夜に負けちまったかもしれない」

杏子「けど、今はあたしがいるじゃねぇか」

杏子「それに、契約したほむらもいる」

杏子「確かにワルプルギスの夜は強いだろうけど、魔法少女が3人もいれば楽勝だろ!」

杏子「しかも、そのうち2人はベテランなんだぜ?」

マミ「…それも、そうよね」

ほむら「…私は魔法少女になったばかりでまだ上手く魔法が使えないの」

ほむら「ワルプルギスの夜までまだ1ヶ月あるし、よかったら私を鍛えてくれないかしら」

マミ「えぇ、もちろんよ!」

マミ「暁美さんにはワルプルギスの夜が来るまでに1人前になってもらわないとね!」

マミ「ビシバシ鍛えるから覚悟しなさい!」

ほむら「!?」

杏子「あたしの特訓も覚悟しとけよな!」

ほむら「!?!?」

さやか(うわぁ、2人とも厳しいんだろうなあ…)

ーーーーー

QB「それはそうと、ほむら」

ほむら「?」

QB「君は僕と未来で契約したのに、僕が覚えていないことをいいことに契約することで願いをもう1つ叶えようとしたね」

ほむら「!」ビクゥゥ

QB「まったく、僕を騙そうとするなんて酷いじゃないか」

ほむら「…」

QB(契約の願いの叶え方を知らないということは、ソウルジェムの秘密についも知らない可能性が高いだろうね)

ーーーーー
ーーー


さやか「わ!もうこんな時間…!」

まどか「ホントだ!パパに怒られちゃう…!」

マミ「本当だわ、もうこんな時間」

マミ「長い間お話していたものね」

ほむら「まどか、さやか、送って行くわ」

さやか「え!?私はいいよ、ほむらはまどかを送ってやって!」

まどか「え!?」

マミ「そうはいかないわ、美樹さん」

マミ「あなたたちがいつ魔女や使い魔に襲われるかわからないもの」

マミ「佐倉さんは美樹さんをお願い出来るかしら」

杏子「おう!」

マミ「暁美さんはまだ魔法少女になったばかりみたいだし、私と一緒に鹿目さんを送りましょう?」

ほむら「わかったわ」

まどか「わわ、2人ともありがとう、なんだかごめんね…?」

ほむら「いいえ、まどか」

ほむら「護衛はあくまで建前よ」

ほむら「帰り道もたくさんお話しましょう?」

まどか「!」

まどか「…///」

ーーーーー
ーーー


ほむら「ところでマミ」

ほむら「あなた、賛美歌に興味はないかしら?」

マミ「!」

ほむら「実は賛美歌を一緒に歌う仲間を募集しているの」

ほむら「まどかとさやかと杏子も賛美歌仲間よ」

まどか「実は今日CDショップにいたのは、みんなで歌う曲を決めるためだったんです」

まどか「あともう一人、私たちのクラスメイトの志筑仁美ちゃんって子が賛美歌仲間なんですけど…」

まどか「仁美ちゃんは習い事で忙しいからあんまり一緒に練習とかは出来ないかもしれないです」

マミ「なるほど、だから佐倉さんが貴方たちと一緒にいたのね」

ほむら「えぇ」

ほむら「どうかしら?」

マミ「いいのかしら、私も入れてもらっちゃって」

ほむら「もちろんよ」

まどか「マミさんなら大歓迎です!」

マミ「ふふ、ありがとう」

ーーーーー
ーーー


ほむら「…ふぅ」

ほむら「なんだか今日はとても疲れたわ」

ほむら「あ、病院から荷物が届いてる…」

ほむら「はぁ、毎回この荷物の整理、地味にめんどくさいのよね」

ほむら「あ、でも電子ピアノがあるわ」

ほむら「寝る前に少し整理をしましょう」

ーーーーー

ほむら「あら?電子ピアノだけじゃなくて今回は荷物がいつもよりも多いわ」

ほむら「…手紙?」

ほむら「看護婦さんからのようね」

ほむら「えっと、『今まで預かっていた、暁美さんの家族からのお手紙とプレゼントを返します』」

ほむら「……全部取っておいてくれたのね」

ほむら「プレゼントはなにかしら…?」ゴソゴソ

ほむら「うわ、めっちゃCD」

ほむら「お父さんのことだから『音楽を嫌いにならないでくれ』ってことだと思うけど、正直いらないわ」

ほむら「CDプレイヤーなんて持っていないし…」

ほむら「…明日にでもさやかに押し付けましょう」

ほむら「手紙の方は…」

ほむら「…封筒にはなにも書いてないわね」

ほむら「…お母さんからの手紙かな」

ビリビリ

ほむら「?」

ほむら「…おかしいわね、なにも書いてないわ」

ほむら「間違えて入れてしまったのかしら…?」

ーーーーー
ーーー

ほむら「…」

ドスッ

さやか「!」

さやか「…なにこれ?」

ほむら「あなたにあげるわ」

さやか「え!?これ全部!?」

さやか「結構あるのにいいの?」

ほむら「えぇ、私はCDプレイヤー持っていないから」

さやか「まじか!じゃあ、ありがたく頂戴するよ!」

さやか「実は結構今月ピンチでさぁ」

まどか「さやかちゃん、上条くんにいっつもCDのお土産持って行っていたもんね」

さやか「わ、いつの間にまどかまで…」

まどか「ティヒヒ、遠くからほむらちゃんがさやかちゃんの所に行くのが見えたから」

ほむら「…上条くんにいつもCDのお土産を持って行ってるの?」

さやか「え?うーん、いつもって訳じゃないけど…」

まどか「え?でもさやかちゃん、最近毎日CDショップに寄ってるよね?」

さやか「あれ?そうだっけ…?」

さやか「あぁ、でも言われて見るとお土産いつもCDだわ」

ほむら「…そう」

ほむら「でも、今の上条くんに音楽はお勧めしないわ」

さやか「え?どうしてさ」

ほむら「私も病院にいる時にこのCDをお父さんからプレゼントされたのだけど…」

ほむら「プレゼントなんていらないって突っ返していたのよ」

ほむら「CDだってわかったのは昨日だけど、音楽関係だろうからいらないって思っていたわけだし…」

さやか「…でも、恭介は音楽が好きなんだよ」

ほむら「…私も音楽は好きよ」

ほむら「それに、上条くんのようにバイオリンを弾いていた時期もある」

ほむら「……そして、バイオリンから離れた時期もね」

さやか・まどか「「!」」

ほむら「私の場合、事故とはちょっと違うけど…」

ほむら「あまり、お勧めしないわ」

さやか「…じゃあ、ほむらは今の恭介に何をあげればいいと思う?」

さやか「恭介、事故にあってからずっと元気なくって…」

さやか「ちょっとでも元気になってくれたらって…!」

ほむら「…さやかは上条くんのことが本当に好きなのね」

さやか「!?」

さやか「いやいやいや!アイツとはそんなんじゃないって!」

まどか「ティヒヒ、バレバレだよ、さやかちゃん」

ほむら「…さやか、あなたは上条くんのどんなところが好きなの?」

さやか「い、いや、その…」

さやか(…あれ?そう言われて見ればあたし、恭介のどんなところを好きになったんだっけ…?)

さやか「…わかんない…かも」

まどか「…え?」

さやか(…あたし、恭介のどんなことろが好きなんだろう?)


あ、間違えてる

とりあえずここまで

今日はまたあとで再開するかも

再開するよ

ーーーーー
ーーー


さやか(…なんとなくだけど気まずいや)

さやか(でも、昨日はお見舞いに来なかったし…)

さやか「…」スゥゥ ハァァ

コンコン

恭介「…どうぞ」

さやか「やっほー、恭介」

恭介「…さやか」

さやか「やぁ~、昨日は来れなくてごめんね?」

恭介「別にいいよ」
恭介「さやかにも用事くらいあるだろうし」

恭介「それより、どうしたんだい?その大荷物」

さやか「あ、これ?」
さやか「全部CDだよ」

ドスッ

恭介「…それを僕に?」

さやか「…あ、これはダメ」

さやか「これ全部、ほむらにもらったやつなんだよね」

さやか「あ、向かいの病棟だった暁美さんだよ」

さやか「一緒なクラスになって、友達になったんだよね」

恭介「…そうなんだ」

さやか「うん」

さやか「あ、そうそう!」
さやか「そのほむらだけど、恭介がいってた、バイオリニストの暁美焔の娘なんだって!」

恭介「!」

恭介「…それは本当なのかい?」

さやか「うん、そうみたいだよ」

さやか「あ、親子で同じ名前だから驚いた?」

恭介「…だからか」

さやか「…?」

恭介「…さやか、どうやら僕はその転校生の暁美さんと従兄弟同士みたいだ」

さやか「…え!?従兄弟ぉ!?」

恭介「うん」

恭介「バイオリニストの暁美焔は僕のおじさん」

恭介「母さんの弟なんだよ」

さやか「!?」

ーーーーー
ーーー


さやか「じゃ、今日はもう帰るね」

恭介「うん」

恭介「……さやか、明日も来てくれるかい?」

さやか「!」

さやか「ふっふっふ、もしかしてさやかちゃんが帰っちゃうのがさみしいのかなぁ?」

恭介「な!…ちゃ、茶化さないでくれよ」

さやか「ごめん、ごめん」

さやか「明日も来るね、恭介!」

恭介「!」

恭介「…ありがとう、さやか」

ーーーーー
ーーー


さやか(…ほむらの言った通りだ)

さやか(CDの話をしたら露骨に嫌そうな顔をしてたし…)

さやか(それに今日は音楽の話じゃなくて、学校の話しとかだったけど心なしか恭介、嬉しそうだった)

さやか「…」

さやか(…恭介が嬉しそうにしてあたら、やっぱり嬉しい)

さやか(でも、ほむらが言ったみたいにどこが好きかって言われたら…)

さやか「…やっぱり、わかんないや」

マミ「何がわからないのかしら、美樹さん」

杏子「なぁにショボくれてんだ?さやか」

さやか「わ!!ま、マミさん!」

さやか「それに…杏子!」

ーーーーー

マミ「はい、どうぞ」

さやか「…ありがとうございます」

さやか「!」

さやか「美味しい…!」

杏子「…まあまあだな」モグモグ

マミ「ふふ、佐倉さんももうちょっと素直な感想を言ってくれると嬉しいんだけど」

杏子「はいはい、うまいうまい」モグモグ

マミ「…もう」

さやか(…前来た時は私が勘違いしてケーキ、手をつけなかったんだよなぁ)

さやか(あれ、なんで怒ってたんだっけ…)

さやか(確かマミさんが杏子に銃を向けてるところをみて、カッとなって)

さやか(…杏子が少し悲しそうな顔をしていたように見えたのもあって…)

さやか(…あれ?)

さやか(…杏子が悲しいとあたしも悲しい??)

さやか(これって恭介と同じかも…)

さやか「…」

マミ「…美樹さん?」

さやか「マミさん」

さやか「マミさんは…恋をしたこと、あります?」

ーーーーー

マミ「…なるほどね」

マミ「美樹さんはもしかしたら、恋に恋しているのかもしれないわ」

さやか「…そうかも、しれないです」

さやか「恭介が嬉しそうにしていたら、私も嬉しい」

さやか「でもそれは、まどかだって同じで」

さやか「ほむらやマミさんや杏子だって、昨日知りあったばかりだけど」

さやか「みんなが悲しんでいたら、私も悲しい…」

杏子「…」

さやか「異性の友達なんて、恭介しかいないいから、勘違いしてたのかも、しれないですね…」

ーーーーー
ーーー



ほむら「おはよう」

まどか「おはよう、ほむらちゃん」

仁美「おはようございます、ほむらさん」

まどか「さやかちゃん遅いね」

さやか「おーい!」ブンブン

さやか「ごめん、遅れちゃったね」

ーーーーー

さやか「あ、そうだ、ほむら」

さやか「恭介から聞いたよ~?」

さやか「なんで黙ってたのさ」

仁美「…何をお聞きになったんですか?」

さやか「それがね、なんと!ほむらと恭介は従兄弟同士だったんだよ!」

まどか・仁美「!?」

ほむら「…そうね、でも私は彼と親しい訳ではないもの」

ほむら「言う必要は、ないかと思って」

さやか「あ~、なんだかほむらの話には驚かされてばかりだよ」

まどか「ホントだね」ティヒヒ

ーーーーー


ほむら「そうだ、3人にこれを」

仁美「これは…CDですか?」

さやか「え、またくれるの?」

ほむら「これは賛美歌のCDよ」

ほむら「みんな忙しくてなかなか会えないし、賛美歌の曲はマミと杏子と一緒に決めたの」

仁美「そういえば、巴先輩も賛美歌仲間に入ったそうですわね」

ほむら「えぇ」

さやか「え!?そうだったんだ」

まどか「さやかちゃんが杏子ちゃんと一緒に帰った日に誘ったんだよ」

ほむら「曲はAmazing graceにしたの」

ほむら「曲も有名だから、覚えやすいかと思って」

まどか「あ、知ってるよ!」

ほむら「一応歌詞にカタカナのルビをふるったプリントも作ってきたのよ」

さやか「おぉ!これがあればそれっぽく歌えるね!」

仁美「…でもどうしてそんなにプリントがあるんですの?」

さやか「ホントだ、私たちだけの分にしては多すぎない?」

ほむら「まだあるわ」

ドサッ

まどか「わ、これ全部?」

ほむら「えぇ」

ほむら「このプリントを学校中に配ってもらってみんなに賛美歌に興味を持ってもらおうと思ったのだけど…」

ほむら「早乙女先生に断られてしまったわ」

まどか「さすがに全学年は多いもんね…」

ーーーーー
ーーー


マミ「さて、暁美さんの魔法だけど…」

ほむら「時間停止と、肉体強化の延長くらいしか使えないみたいなの」

杏子「…肉体強化の延長?」

ほむら「えぇ、歌とかに魔法の効果をつけることができるの」

ほむら「たぶん、あなたたちにも出来るわ」

ほむら「その肉体強化が、私はあなたたちよりも強いってだけ」

杏子「ふぅん、そんな魔法の使い方もあるんだな」

マミ「…歌に効果をつけられるなら、言葉にだってつけられるわよね」

ほむら「!」

ほむら「そうね、出来るかもしれないわ」

ーーーーー

マミ「私達もその暁美さんの魔法の使い方に慣れるためにも…」

マミ「さっそくだけど、実戦にうつしましょうか」

マミ「ちょうど、魔女の反応もつかめたしね」

杏子「…前に逃したやつか」

マミ「暁美さんは、魔法少女になったばかりなのもあるけど、あなたの魔法はどちらかと言うと私達のサポートに特化しているわ」

マミ「私達の動きを見渡せるようなところから魔法をかけて頂戴」

ほむら「わかったわ」

ーーーーー
ーーー


マミ「さぁ、一気にきめるわよ!」

ほむら「!」

ほむら『マミ、引きなさい!』

マミ「!」

マミ(つるが…!)

マミ(よけないと!)ヒュン

マミ「ありがとう、暁美さん!」

マミ(暁美さんの魔法でスピードがあがって、なんとか避けられた…)

マミ「おかげで助かったわ!」

ーーーーー

ほむら『』~♪

杏子(どうやら今は歌に回復の効果を乗せてるみたいだな)

ほむら「!」カチッ

杏子「うお!」

杏子「場所が変わってる…」

杏子(本当に危なくなったら時間停止によるサポート)

杏子(コイツの魔法は本当にあたしたち魔法少女のサポートに特化してるな…)

杏子(しっかし、何度やられても、いつのま間にか場所が変わってるってのには慣れないな…)

杏子「おらよ!」ザシュ!

ーーーーー
ーーー


マミ「凄い、凄いわ、暁美さん!」

杏子「ほむらの急な状態にも対応できる的確な指示に魔法の効果」

杏子「ホントにお前、魔法少女になったばかりなのか?」

マミ「でも、暁美さんの魔法は私達と共闘するには心強いけど、1人で魔女を狩るには危ういわ」

マミ「暁美さん、魔女を見つけたら必ず私達を呼ぶのよ?」

ほむら「わかったわ」

マミ「ふふ、暁美さんの魔法に私達のコンビネーションがあれば、向かうところ、敵なしね!」

杏子「確かに」

杏子「こりゃ、ワルプルギスの夜もホントに楽勝なんじゃねえの?」

ほむら「…でも、ワルプルギスの夜の時は私が全体を見渡せる場所はないわ」

マミ「…それもそうね、超弩級の魔女なわけだし…」

マミ「暁美さんには動きながらでも魔法をかけれるように慣れてもらうしかないわ」

マミ「それと、今日の暁美さんの魔法を見て思ったんだけど、継続的にかける魔法には歌が、瞬間的にかける魔法には言葉が向いていると思うの」

マミ「今は回復だけ歌にしているみたいだけど、スピードをあげたりする魔法も歌で継続的にかけられるようになって貰わないとね」

ほむら「回復はイメージがしやすいのだけど、スピードは…」

杏子「ただ単に、リズムを早くしたり遅くしたりすればいいんじゃねぇの?」

ほむら「!」

ほむら「確かに、それならイメージしやすいわ」

マミ「これで目処はたったようね」

マミ「今日はもう遅いし、帰りましょうか」

ーーーーー
ーーー


さやか「まどか、今日も病院よって行っていいかな?」

まどか「わかった、外でまってるね」

ーーーーー

さやか「あれ?面会謝絶になってる…」

さやか「…なにかあったのかな」

ーーーーー

まどか「あれ?上条くん、会えなかったの?」

さやか「なんだか今日は都合悪いみたいでさ」

さやか「わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね」

まどか「…」

さやか「ん?どうしたの、まどか」

まどか「あそこ…あれ、なんだろう?」

QB「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」

まどか「わ、キュウベエ!」

さやか「グリーフシードって魔法少女同士で取り合いになることもあるってあれ?」

まどか「た、たしか魔女の卵でもあるんだったよね…!」

さやか「じゃ、またあの時みたいなのが出るってわけ…!?」

まどか「嘘…なんでこんなところに」

QB「マズイよ、早く逃げないと!もうすぐ結界が出来上がる!」

まどか「そ、そんな!」

さやか「あ、まどか!」

さやか「マミさんかほむら、それか杏子の携帯、聞いてる?」

まどか「え?あ、うん!」

まどか「確か、一緒に帰った日に…!」

まどか「あった!」

まどか「ほむらちゃんの名前、暁美だから1番上のところにあって、たすかったよ…」プルルルル

ほむら『もしもし、どうしたの?まどか』

まどか「あ、ほむらちゃん!」

まどか「今病院で孵化しかかってるグリーフシードを見つけたの!」

ほむら『!』

ほむら『わかった、ちょうど今、マミと杏子とも一緒にいるの』

ほむら『すぐに向かうから、まどかはそこを動かないで…!』プツ ツー ツー

まどか「あ、切られちゃった」

さやか「ほむらはなんて?」

まどか「マミさんと杏子ちゃんとすぐに来るって!」

まどか「それから、ここを動かないでって」

さやか「そっか、よかった…!」

ーーーーー

ほむら「…」 ツー ツー

マミ「暁美さん、鹿目さんは何って?」

ほむら「…まどかが病院で孵化しかかってるグリーフシードを見つけたみたいなの」

マミ・杏子「「!」」

ほむら「2人とも、私の手を握って頂戴」

マミ「暁美さん、今は…!」

ほむら「お願い、一刻をあらそうの」

マミ「…」

マミ「なんだかよくわからないけれど…わかったわ」

ほむら「あ、2人とも握るのはわたしの左手を」

杏子「へいへい、なんだか握りづらいな…」

ほむら「…」カチッ

マミ・杏子「「!」」

マミ「景色が灰色に…」

杏子「これがほむらの時間停止か…」

ほむら「えぇ」

ほむら「急ぎましょう!」

ーーーーー

マミ「あ、あれは、鹿目さんたちね」

杏子「ホントにとまってら」

杏子「今ならさやかに落書きしてもばれないよな」キシシ

マミ「もう、佐倉さん変なこと考えないの!」

マミ(それにしても、ここまでくるのに歩きづらかったわ…)

ほむら「…」カチッ

まどか「ほむらちゃんたち…ってわあ!!」

さやか「って来るの早っ!!」

QB「…」

杏子「あ、動いちまった」

マミ「よかった、間に合ったのね」

さやか「さっきまどかが電話したばっかりなのに…」

QB「気をつけて!結界が出来上がるよ…!」

杏子「!」

杏子「まどかとさやかは離れときな」

杏子「結界に飲み込まれるぞ!」

まどか「う、うん!」

さやか「…ねぇ、あたしもその結界の中について行っちゃ…ダメかな」

杏子・マミ・ほむら・まどか「「「!!」」」

まどか「…さやかちゃん?」

さやか「…あたし、魔法少女の戦いをちゃんと見ておきたいの」

ほむら「…」

まどか「わ、私も!!」

まどか「いつか、マミさんいってましたよね」

まどか「正義の魔法少女は誰にも頑張りを知られなくて辛いって…!」

まどか「私、みんなが頑張ってるところ、ちゃんと見ておきたいんです…!!」

マミ「…」

ほむら「マズイわ!結界が…!」

マミ「…2人とも、ちゃんと隠れているのよ」

さやか・まどか「「!」」

まどか「ありがとうございます、マミさん!」

ーーーーー

ほむら「…結界は出来上がってしまったけど、まだ魔女は生まれてないようね」

マミ「気づかれると厄介だし、ゆっくり行きましょうか」

ーーーーー
さやか「マミさん、杏子、ほむら」

さやか「それに、まどかも…ちょっと、聞いてくれるかな」

さやか「…実はあたし、叶えたい願い、あるんだよね」

杏子・マミ・ほむら・まどか「「「!」」」

杏子「…それは自分のための願いなのか?」

さやか「…」

まどか「もしかしてさやかちゃん、その願いって上条くんの腕のこと?」

さやか「…うん」

マミ「…美樹さん」

マミ「あなたは彼に夢を叶えて欲しいの?それとも、彼の夢を叶えたい恩人になりたいの?」

さやか「…」

マミ「同じようでも全然違うことよ、これ」

マミ「酷い言い方をしてごめんなさいね」

マミ「でも、今のうちにいっておかないと」

マミ「そこを履き違えたまま先に進んだら、あなたきっと後悔するから」

さやか「…あたしは」

QB「気をつけて!魔女が出てくるよ!」

ーーーーー
ーーー


まどか「あ、ぬいぐるみみたいで可愛い…!」

マミ「こんな見た目でも魔女は魔女」

マミ「侮れないわよ!」

ほむら「さやか、まどか、あなた達はここに隠れていて!」

ほむら「マミ、まどかたちに結界をお願い出来るかしら」

マミ「わかったわ」

マミ「暁美さんは先に行って、全体を見渡せる場所に待機していて頂戴!」

ほむら「わかったわ!」ダッ

杏子「マミ、あたしもほむらと先行ってるぞ!」ダッ

マミ「えぇ、任せたわ!」

マミ「…よし、結界ははったけど…」

マミ「2人とも、ちゃんと隠れているのよ!」ダッ

ーーーーー
ーーー


マミ(背中を預けられる、魔法少女の仲間がいて)

マミ(ふりかえれば、私たちのことを思ってくれる、知っていようとしてくれる後輩がいる)

マミ(ふふ、つい最近まで1人で戦っていたなんて嘘みたい)

マミ(体が軽い…)

マミ(こんな幸せな気持ちで戦うことが出来るなんて…!)

マミ(もう何も怖くない)

マミ(私、1人ぼっちじゃないもの!)

ーーーーー

まどか「わ、マミさん凄い…!」

QB「2人とも、彼女が戦っているところを見るのは初めてだね」

QB「凄いんだよ、彼女の戦い方は」

ほむら『』~♪

さやか「ところでほむらはあんなところで歌って何してんの?」

QB「ほむらの魔法はどうやら魔法少女の戦いをサポートするような魔法みたいだ」

QB「あの歌声には魔法の効果がついているんだよ」

QB「おそらく今は、魔女の動きをゆっくりにするような効果をのせているんだろうね」

まどか「へぇ~、そんな魔法もあるんだ」

QB「杏子は使い魔に徹底してるみたいだね」

杏子(…マミのやつ、飛ばしんてんな)

マミ「せっかくのところ悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

ーーーーー

マミ「!」

ズドォォン

杏子「大丈夫か!?マミ!」

マミ「えぇ、大丈夫よ!ありがとう、佐倉さん」

ほむら『』~♪
ーほむら『マミ、大丈夫!?』

ーマミ『えぇ、大丈夫よ、暁美さん!』

ーマミ『暁美さんの魔法で魔女のスピードが落ちていたことと、佐倉さんのおかげで助かったわ!』

マミ「…暁美さんの魔法がかかっているのにあのスピード」

マミ「なるほど、そっちが本体ってわけね!」

ーマミ『暁美さんは引続きサポートをお願い!』

ーほむら『わかったわ!』

ほむら(それにしても中身の方にもちゃんと魔法がかかってるみたいで良かった…)

ほむら「!」カチッ

杏子「!」

ーマミ『暁美さん!ナイスよ!』

マミ「ティロ・ボレー!!」

杏子「なるほど、そういうことか」

ー杏子『さんきゅー、ほむら!』

杏子「あたしもいくぜ!」

杏子「「ロッソ・ファンタズマ!!」」

ーーーーー

まどか「す、凄い!!」

まどか「マミさんの一斉射撃に杏子ちゃんのたくさんの分身!」

さやか「それに、杏子やマミさんの場所がいつのまにかかわってる!」

さやか「瞬間移動!?」

QB「どうやらそれもほむらの魔法みたいなんだ」

まどか「ほむらちゃんの?」

QB「そうだよ、ほむらは常に全体を見渡せるところにいて、2人必要な魔法をかける」

QB「必要がない時は魔女のスピードを落としたり、2人のスピードをあげたりしておくみたいだ」

QB「そしてそれでも足りない時、彼女の切り札時間停止によって手助けをする」

さやか「時間停止!?」

まどか「それがほむらちゃんの魔法…」

QB「でも、彼女の魔法は1人で狩りをするには危うすぎる」

QB「彼女の魔法はチーム戦だからこそ意味をもつ」

QB「そして彼女のサポートを信頼する仲間がいることで初めて成立するんだ」

QB「まさに彼女らのチームワークがこのコンビネーションを作っているんだろうね」

まどか・さやか「!」

QB「どうやら終わったみたいだよ」

ーーーーー
ーーー


まどか「すごいなぁ、憧れちゃうな、魔法少女」

まどか「マミさんは正義の魔法少女は1人でやるには辛いって言ってたけど…」

まどか「今は杏子ちゃんやほむらちゃんと一緒に戦ってて」

まどか「私も一緒に戦えたら…」

まどか「…」

まどか「さやかちゃんは魔法少女になるのかな…」

ーーーーー
ーーー


さやか「まどか、今日あたし先にかえるわ!」

まどか「あ、うん」

まどか「ばいばい、さやかちゃん!」

ーーーーー

さやか「…よかった、今日は面会できるみたい」

コンコン

恭介「…どうぞ」

さやか「やっほー、恭介」

恭介「…さやか」

さやか(あれ…?おとといは少し元気になってたのに…)

さやか(昨日は面会謝絶だったし、なにかあったのかな…)

恭介「昨日はごめんよ」

恭介「おととい、こっちがまた来て来れって頼んだのに…」

さやか「あ、ううん、気にしてないよ」

恭介「…そっか、ならいいんだ」

さやか「…」

さやか「…もしかして何かあった?」

恭介「…」

さやか「あ、いや、別に言いたくないんならいいんだけど…」

恭介「……腕」

さやか「ん?」

恭介「治らないんだってさ」

さやか「!」

恭介「今の医術では修復不可能だって」

恭介「もう演奏は諦めろって先生から直々に言われたんだ」ポロポロ

さやか「…」

さやか「…そう、なんだ」

さやか「………恭介はさ、もう音楽のこと嫌いになった?」

恭介「…そんなわけ、あるわけないじゃないか…!」

恭介「でも、自分で弾けもしない曲、ただ聞いているだけなんて…!」

さやか「……ならさ、あたしたちと一緒に歌おうよ」

恭介「!?」

恭介「さやか、何を言って…」

さやか「…あたしさ、恭介のバイオリンのおかげでクラシック、好きになったんだよね」

恭介「…」

さやか「あたしそれまで全然、音楽の素晴らしさなんて知らなかった」

さやか「けど、恭介があたしに教えてくれた」

さやか「…あたし、そんな恭介に音楽との関わりを断って欲しくない…!」

さやか「こんなの、あたしの勝手だけど…」

さやか「恭介にとったら、もう音楽と関わるのは辛いことだってわかってるけど…!」

さやか「けど、私は恭介に音楽の素晴らしさを教えてもらったの…!」

さやか「…だから、恭介には音楽を続けてもらいたいんだ」

恭介「…さやか」

さやか「…」

恭介「…そうだね」

恭介「どうやら僕は、バイオリンに固執し過ぎていたみたいだ」

さやか「!」

恭介「どんな形であれ、また音楽と関わる事が出来たら…!」

今日はここまで

ちなみに、わかりづらいかもだけど

『』はほむらが言葉に魔法の効果をのせてる時で

ー『』はテレパシーです

再開します

ーーーーー
ーーー


まどか「…あれ?あそこにいるのって…」

まどか「仁美ちゃん、今日はお稽古の日じゃなかったのかな…?」

まどか「仁美ちゃ~ん!」

仁美「あら、まどかさん、御機嫌よう」

まどか「仁美ちゃん、どこかにいくの?」

仁美「ふふ、ここよりもずっといい場所に行きますの」

まどか「ここよりもずっといい場所?」

まどか(仁美ちゃんなんだかようすが変…)

まどか(あれ?仁美ちゃんの首になにか…)

まどか「!」

まどか(もしかして、これがマミさんの言ってた魔女の口づけ!?)

仁美「そうですわぁ」

仁美「是非まどかさんもご一緒に」

まどか(ひぃ!ど、どうしよう)

まどか「ちょ、ちょっと待って!」

まどか「と、友達も呼んでいいかな?」

仁美「えぇ、もちろんですわぁ」

まどか「じゃ、じゃあ、ちょっと電話するね…!」プルルルルル

まどか「…」プルルルルル

まどか(ほむらちゃん、早く出て…!)

ーーーーー
ーーー


ほむら『裂けろ!』

シュパッ

マミ「…うーん」

マミ「言葉での攻撃も一応は出来るみたいだけど」

杏子「威力に欠けるな」

マミ「そうなのよね」

マミ「…言い方を変えて見たらどうかしら?」

ほむら「…言い方?」

マミ「えぇ、例えばそうね」

マミ「『ボウチディ・アウトリータ』とかって言ってみるのはどうかしら?」

マミ「暁美さんの魔法での攻撃って、なんだか相手を従わせるようなイメージがあるでしょ?」

マミ「だから…」

杏子「やっぱりイメージの問題だろ」

杏子「豆腐を切るようなイメージをしてみればいいんじゃないか?」

ほむら「なるほど、やってみるわ」

マミ「ちょ、ちょっと無視しないで
頂戴!」

~♪~♪~♪

ほむら「ごめんなさい、私の携帯みたい」

ほむら「!」

ほむら「もしもし、まどか?」

まどか『あ、ほむらちゃん!実は仁美ちゃんが…!』

ーーーーー
ーーー


カチッ


まどか「うわ!ま、また…!」

ほむら「待たせてしまったかしら?」

まどか「あ、ううん!全然待ってないよ」

まどか「それどころか、さっき電話したばかりだよ」

まどか「こんなこと出来るのはほむらちゃんの魔法?」

まどか「たしか、時間を止められるんだっけ?」

ほむら「えぇ、そうよ」

まどか(やっぱり凄いなぁ、魔法少女)

まどか(私も魔法少女になりたいけど、ちゃんとした願いごとを見つけないと、みんなは許してくれないだろうし…)

仁美「まぁ、お友達って、杏子さんに巴先輩でしたのね~」

杏子「仁美…」

マミ「…志筑さんを助けるのためにも、今は彼女に魔女のところまで案内してもらいましょう」

まどか「わ、私も一緒に…!」

マミ「…鹿目さんは」

杏子「いいんじゃねぇの?」

まどか「!」

杏子「あたしたちが魔女を見てる間仁美のこと、頼んでおきたいしな」

マミ「…それもそうね」

マミ「鹿目さん、くれぐれも無茶はしないでね」

まどか「はい!」

ーーーーー

まどか「あ、だ、ダメっ!それはダメっ!」

仁美「邪魔をしてはいけません」

仁美「あれは神聖な儀式ですのよ」

まどか「は、離して!」

杏子「…ッ!」ダッ

ガシャーン

ナ、ナニヲスルンダ!

マミ「!」

マミ「鹿目さん、こっちに!」ダッ

ほむら「!」

ほむら(あっちはたしか魔女の結界がある方向…!)

ほむら「杏子!私たちも今はマミについて行きましょう!」ダッ

杏子「あぁ!」ダッ

ーーーーー
マミ「!」

マミ「しまった、魔女の結界…!」

マミ「鹿目さんはここにいて頂戴!」パァァ

ほむら「マミ、私は先に行っているわ…!」ダッ

マミ「えぇ、お願い!」

ーーーーー

ほむら(この魔女は精神攻撃を仕掛けてくる…!)

ほむら(トラウマを持っている2人には辛いかもしれないわ…)

ほむら(でも、今の私じゃ攻撃は期待出来ないし…)

ほむら(せめて、2人のために癒しの歌を歌いましょう!)

杏子「…にしても、気持ち悪い使い魔だな」

マミ「本当ね、片方しか翼がない天使なんて」

杏子「魔女はあのパソコンみたいなヤツだな…!」

マミ・杏子「!」

ほむら(杏子、マミ、大丈夫)

ほむら(あなた達は決して1人なんかじゃない!)

ほむら(だから、過去のトラウマなんかに、負けないで…!)

ほむら『』~♪

ーーーーー
ーーー


女子生徒「先日、海外にいるお父様から紅茶の茶葉をいただきましたの」

女子生徒「今日のお茶会はこの茶葉を使ったパウンドケーキをおともにいただきません?」

女子生徒2「わぁ、素敵!」

女子生徒3「是非ご一緒させてください!」

杏子「…」

女子生徒「私、あの方もお誘いしたいのですけれど、よろしいですか?」

女子生徒2「え?あの子も誘うの?」

女子生徒3「あの方を誘うのはちょっと…」

女子生徒「…?」

女子生徒「あの方がどうかしなさいましたの?」

女子生徒2「え?志筑さん、知らないの?」

女子生徒3「あの子の親、教義にないことまで信者に説教して、本部から破門されたのよ」ヒソヒソ

仁美「まあ、説教を…」

仁美「ですけど、誰かのために怒れるって素晴らしいことですのよ」

仁美「愛なしに説教をすることはできませんもの…!」

女子生徒2・3「「…へ?」」

女子生徒2「あ、愛…?」

仁美「えぇ、愛ですわ!」

仁美「佐倉さ~ん!私のお茶会にご一緒しませんか?」ダッ

杏子「!」

ーーーーー

杏子「…仁美」

杏子「…あたしはあんたに救われたんだ」

杏子「仁美はあたしの親父の話も真面目に聞いて、一緒に考えて、一緒に悩んでくれたよな」

杏子「仁美が魔女に付け入られるほど何かに悩んでいたなんて、気づけなくて悪かったな…」

杏子「帰ったら、お前の話、たっぷり聞かせろよな!」

杏子「今度は私があんたを救う番だ!」

ーーーーー
ーーー


マミ「…ごめんなさい」

マミ「お父さん、お母さん」

マミ「あの時助けることができなくて…ごめんなさい」

オマエダケ生キ残ルナンテ絶対ニ許サナイ…

マミ「ヒッ!」

ドウシテアノ時、私タチヲタスケテクレナカッタノ?

マミ「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…!」ガクブル

ーーーーー

まどか「大丈夫ですよ、マミさん!」

さやか「そうですよ!マミさんの両親が娘の無事を喜ばない親なわけないじゃないですか!」

マミ「け、けど…」

ほむら「それとも、あなたは自分の両親を信じられないの?」

マミ「そんなわけ…」

杏子「なら、そうなんじゃねぇの?」

マミ「!」

ーーーーー

マミ「いつか、私が契約の内容を後悔していると言ったとき、あなた達が私に言ってくれた言葉」

マミ「何気ない一言だったけど」

マミ「私はあの言葉に救われたの」

マミ「あなた達に出会って、ひとりぼっちじゃなくなって」

マミ「私は両親の夢も見なくなった」

マミ「もう、私の悪夢は終わったのよ…!」

ーーーーー
ーーー


パァァァ

マミ・杏子「!」

マミ「ソウルジェムが…」

杏子「光って…!?」

マミ(暖かい光…)

杏子(なんだか魔力に包まれてるみたいだ…)

ーーーーー

杏子「あたしに何を見せようと、そんな攻撃、きかねぇよ!」ザシュ

マミ「私の両親はそんな人なんかじゃないわよ!」

マミ「くらいなさい!」

マミ「ボンバルダメント!!」

ほむら(よかった、2人とも無事のようね)

ほむら「!」

ほむら(しまった…!)

マミ・杏子「「ほむら(暁美さん)!!」」

ーーーーー
ーーー


ほむら「」ゴホゴホ

大人びた女の子「…咳が辛くて、眠れないの?」

大人びた女の子「大丈夫だよ、ほむらちゃん」ナデナデ

大人びた女の子「ほむらちゃんが辛くなくなるまで私も一緒に起きてるからね」ナデナデ

ほむら(辛くないよ、大丈夫だよ)ウルウル

ほむら(だから)

ほむら(だからそんな悲しそうな顔、しないで…!)

私、もう嫌なんです

ーオ父サンハアンナニバイオリンガ上手ナノニネ

お父さんと比べられることも

ー皮肉ネ、実ノ娘ヨリ甥ッ子ノ子ノ方ガバイオリンガ上手ナンテ

上条くんと比べられるバイオリンも

ー暁美ホムラ?知ッテルヨ!有名バイオリニストダヨネ

私を見てもらえないことも

ー今ノ演奏トテモヨカッタワ!オ父サンニソックリナ演奏ネ

私の演奏を聞いてもらえないことも

ーホムラチャン、私ミタイニナンカ、絶対ナラナイデネ

あの人を悲しませてしまうことも

私、もう嫌なんです

ーオ父サンハアンナニバイオリンガ上手ナノニネ

お父さんと比べられることも

ー皮肉ネ、実ノ娘ヨリ甥ッ子ノ子ノ方ガバイオリンガ上手ナンテ

上条くんと比べられるバイオリンも

ー暁美ホムラ?知ッテルヨ!有名バイオリニストダヨネ

私を見てもらえないことも

ー今ノ演奏トテモヨカッタワ!オ父サンニソックリナ演奏ネ

私の演奏を聞いてもらえないことも

ーホムラチャン、私ミタイニナンカ、絶対ナラナイデネ

あの人を悲しませてしまうことも

髢馴&縺医◆縲√#繧√s

ーーーーー
ーーー

ほむら「!」バッ

まどか「!」
まどか「ほむらちゃん!」

まどか「よ、よかった…!」

ほむら「ここは…?」

マミ「私の家よ、暁美さん」

杏子「大丈夫か?ほむら」

ほむら「え?えぇ」

ほむら「いったい何が…」

ほむら「!」

ほむら「魔女は!?あの魔女はどうなったの…!?」

杏子「あぁ、あたしらが始末したよ」

マミ「それも暁美さん、あなたのおかげよ」

マミ「暁美さんでしょう?私たちに魔法かけたのは」

マミ「暁美さんのおかげであの精神攻撃にも対抗できたの」

杏子「そして、なんだったんだ?」

杏子「あのソウルジェムの輝き…」

杏子「ソウルジェムが輝いてたからか、いつもよりもずっと強い攻撃が出来たぞ?」

マミ「それも暁美さんの魔法なのかしら」

マミ「それに…」

QB「恐らくそれは、感情の高ぶりが原因だろうね」キュップイ

マミ「キュウベエ!」

マミ「最近見ないけど、いつもどこにいってるの?」

QB「僕にもいろいろとやることがあるんだよ」

まどか「それで、感情の高ぶりとソウルジェムにどんな関係があるの?」

QB「想いはエネルギーなんだよ、まどか」

杏子「エネルギーだと?」

QB「そうだよ、君たちの考えていることもすべてはエネルギーなんだ」

QB「ソウルジェムはいわばジェネレーター」

QB「強い想いはエネルギーに変わり、魔翌力になるんだ」

QB「大方、ほむらの想いが2人のトラウマを乗り越えることを手伝い、2人はトラウマを乗り越えた時の高い興奮状態が魔翌力に変わった、ってところだろうね」

まどか「よくわからないけどつまり、想いの力が勝利を導いたんだね!」

QB「そう捉えてもらって構わないよ」

まどか(なんだか青春ドラマみたい…!)

マミ「でも、それはわかったけど、あれは何だったのかしら…?」

杏子「確かにな…」

ほむら「あれって言うのは?」

マミ「暁美さんが使い魔に襲われそうになった時に、何かが光ったの」

まどか「そしたら、ほむらちゃんに襲いかかろうとしていたはずの使い魔は消えていて…」

杏子「あれもほむらの魔法なのか?」

ほむら「…そんな魔法、私はしらないわ」

マミ「そうよね、暁美さんは不意をうたれたわけだし…」

QB「それは簡易結界じゃないかな?」

まどか「簡易結界?」

QB「そうだよ」

QB「魔翌力を練ってつくった結界を物に移したものだよ」

QB「使い魔や魔女からの影響をふせぐお守りみたいなものだね」

QB「恐らくほむらはその簡易結界のおかげで使い魔の攻撃を受けずにすんだんだろう」

まどか「そんなことも出来るんだ…」

QB「出来るよ」

QB「でも、そんなことが出来るのは魔翌力の扱いに長けたベテランだけだ」

QB「マミと杏子はベテランだし、出来るだろうけど…」

杏子「あたしたちのではないな」

マミ「そうね、それどころかそんなことが出来るなんて今知ったわ」

QB「ほむら、君に心当たりは?」

ほむら「魔法少女の知り合いなんて、マミと杏子しかいないわよ」

まどか「じゃあ、一体…?」

今日はここまで


文字化けのとこは気にしないで

間違えて連投した、ごめん
って書いただけだから

それから、ボウチディ・アウトリータは
意味違うかもだけど
鶴の一声のイタリア語です

魔翌翌翌力とキュウベエをなんとかしろ
saga入れろ

乙でした

>>171
わかった、気をつける

ーーーーー
ーーー


???「!」

???「…QB、私になにか言うことあるんじゃない?」

QB「君に?」

QB「僕から君に言うことは特にないよ」

???「…」

あ、ごめん
再開するよ

ーーーーー
ーーー


杏子「教えてもらうよ、仁美」

杏子「なにがお前をそんなに悩ませてるんだ」

仁美「…」

まどか「仁美ちゃん…」

仁美「…なんでも、ありませんわ」

杏子「集団自殺未遂をしといてなんでもないわけ…!」

仁美「…ごめんなさい」

仁美「でもこれは、私の問題ですの」

杏子「…ッ!」

杏子「仁美!あたしは…!」

仁美「…ごめんなさい、今日はもう、帰りますわ」

ーーーーー
ーーー


杏子「…」

さやか「…なんで杏子はあんなに機嫌悪そうなの?」ヒソヒソ

まどか「じ、実は…」ヒソヒソ

ーーーーー

さやか「え、仁美が!?」

まどか「うん、魔女くちづけを受けて集団自殺をしようとしてたんだよ」

マミ「魔女のくちづけを受けるのは心が弱っている証拠なの」

マミ「志筑さん、何か悩み事があるんでしょうね」

さやか「そうなんだ…」

さやか「あ、そうだ」

さやか「悩み事といえば私も、マミさん達にちょっと相談したいことがあるんです」

ーーーーー

さやか「その前に、ほむらにはお礼を言っとかないとね」

さやか「ありがと、ほむら」

ほむら「?」

ほむら「私、何かしたかしら?」

さやか「いやさ、前にほむらが私に助言してくれたじゃん?」

さやか「恭介にCDのお土産を持って行くのはあまりお勧めしないって」

ほむら「…それ、役に立ったのかしら」

さやか「うん」

さやか「それと、ほむらのおかげで大切なこと思い出せたんだよね」

ほむら「…?」

さやか「そのことはまたあとで話すよ」

ーーーーー

さやか「あたしさ、恭介のこと、ずっと好きだと思ってたんだよね」

まどか「え、思ってたって…?」

さやか「うん、あたしの好きはそういう好きじゃなかったってこと」

まどか「で、でもさやかちゃんあんなに…」

さやか「いや~、恥ずかしい話なんだけどさ、どうやらあたしは恋に恋してたっぽいんだわ」

まどか「恋に恋して…」

さやか「うん」

さやか「マミさんと杏子には前に聞いてもらったんだけどさ」

さやか「恭介じゃなくても、事故にあったのがまどかでも、マミさんでも、杏子でも、ほむらでも」

さやか「あたしはすっごく心配するし、お見舞いにだって毎日行くと思うんだよね」

ほむら「…」

さやか「恭介はバイオリンの天才少年なんて呼ばれててさ」

さやか「でも、事故で腕が動かなくなって、もうバイオリンは出来ないって」

まどか「そんな…!」

さやか「なんで恭介なんだろうって思ってた」

さやか「あたしの指なんていくら動いたってなんの役にも立たないのにって」

さやか「考えが変わったのは、ほむらの話を聞いてからなんだ」

ほむら「…?」

さやか「ほむらも昔はバイオリンをしてたんだってね」

ほむら「…えぇ、昔はね」

さやか「ほむらがなんでバイオリンをやめたのかは知らないけどさ、ほむらは今もピアノをしてる」

さやか「そのことが、大切なこと思い出させてくれたんだよね」

さやか「私も恭介も音楽が好きだってこと」

さやか「そりゃ、恭介はバイオリンで天才少年って言われてたくらいだし、バイオリンが弾けなけない今、音楽と関わることは辛いことかもしれない」

さやか「けど、恭介に音楽が好きだってこと、忘れて欲しくなかったんだ」

さやか「だから、恭介に私たちと一緒に歌おうって誘ったの」

まどか「!」

さやか「そしたら、恭介もわかってくれて…」

さやか「どんな形であれ、また音楽と関わることが出来たらって言ってくれたんだ」

ほむら「…じゃあ、もう上条君も賛美歌仲間ね」

さやか「うん、勝手に誘っちゃって、ごめん」

ほむら「別に構わないわ」

ほむら「私はもともと、どうせならたくさんの人と一緒に歌いたいって思っていたわけだし」

さやか「…そっか、よかった」

さやか「それで、マミさん達に相談っていうのはその恭介のことなんですよね」

マミ「…魔法少女の契約のこと?」

さやか「はい」

杏子「…」

さやか「さっきも言いましたけど、恭介の腕はもう腕は治らないんです」

さやか「今の医術では修復不可能らしくって…」

さやか「恭介は今は前向きにリハビリに励んでいます」

さやか「…けど、これから先、腕をコンプレックスに思わないわけ、ないんです」

マミ「…」

さやか「けど、あたしには恭介の左手を治すことが出来る」

マミ「…美樹さんは、上条くんに引け目を感じているのね」

マミ「美樹さんには、契約の祈りで上条くんの動かなくなった腕を治すことが出来る、力がある」

マミ「けど、美樹さんは魔法少女になる決心がつかない」

さやか「…はい」

マミ「美樹さん、前にも聞いたけどあなたは彼に夢を叶えて欲しいの?それとも、彼の夢を叶えたい恩人になりたいの?」

さやか「…私は、大切な友達に笑っていて欲しい、ただ、それだけなんです」

さやか「夢を叶えて欲しいわけでも、恩人になりたいわけでもなくて…」

さやか「一緒に笑っていられたら、それだけで…いいんです」

さやか「友達が笑ってくれていたら、私も笑っていられるはずだから」

ほむら「…さやか、それは相手も同じだと思うわよ」

ほむら「上条くんもさやかが自分のために命がけの戦いをするはめになるなんて望んでないと思うわ」

さやか「…うん」

さやか「だから、余計に決心がつかないんです」

さやか「…あたしって嫌な子だ」

杏子「そんなことねぇよ!」

杏子「そんなの、さやかに自分を犠牲にしろってことじゃねぇか!」

ほむら「そうよ、そんなの間違ってるわ」

さやか「杏子、ほむら…」

マミ「私も同じ意見ね」

マミ「美樹さん、上条くんのことをあなたが心配するように、あなたのことだって上条くんは心配するはずよ」

ほむら「心配するのは私たちも同じだわ」

ほむら「それに、もしも上条くんがあなたに犠牲になれなんていったら、それこそその人とは縁を切るべきよ」

杏子「そうだな、そんな奴友達なんかじゃねぇな」

まどか「さやかちゃん、私もさやかちゃんに自分を犠牲になんかして欲しくないよ!」

さやか「み、みんなぁ…!」

さやか「あたし、ホントはこわかった…!」グスッ

さやか「恭介のためにも、魔法少女になった方がいいなんて言われるかもって…!」

杏子「…そんなこと言わねぇよ」

さやか「うん…!うん…!」

さやか「ごめんね、ありがと…、みんな!」

ーーーーー
ーーー


まどか「さやかちゃんは、上条くんのことを信じて魔法少女にはならないみたい」

まどか「マミさんも、杏子ちゃんも、ほむらちゃんも、魔法少女の辛さを知っていて、元々さやかちゃんが魔法少女になることには反対していたし…」

まどか「魔法少女の仲間がいても、その辛さは変わらないのかな…」

ーーーーー
ーーー


QB「グリーフシードを回収しにきたよ」

マミ「キュゥべえ!」

杏子「久しぶりだな」

マミ「ちょっと待って頂戴」ゴソゴソ

マミ「はい、これ」

杏子「ほらよ」

QB「ありがとう」

QB「」キュップイ

QB「他に用事はないかい?」

マミ「特には…あっ、そうだキュゥべえ!」

マミ「あなたに聞きたいことがあったのよ」

QB「それはなんだい?」

マミ「前に、暁美さんが二重契約をしようとしてた時、魂の結晶化が~とかっていってたでしょ?」

QB「…確かにいったね」

マミ「それから、強い想いはエネルギーになって魔力になるのよね」

QB「そうだよ」

マミ「そこのところをもっと詳しく教えて欲しいのよ」

杏子「そんなこと聞いてどうすんだ?」

マミ「だって、強い想いが魔力になるなんて知らなかったもの」

マミ「もっと詳しく知っておけば、効率の良い魔法の使い方とかも出来るかもしれないじゃない?」

マミ「簡易結界みたいな魔法の使い方もわかるかもしれないし…」

杏子「…確かに」

QB「…」

QB(まどかは魔法少女そのものには憧れているみたいだけど、今のところ3人の影響で契約は踏みとどまっている)

QB(ここは、揺さぶりをかけてみるべきかな?)

今日はここまで

再開するよ

ーーーーー
ーーー


ほむら「今日はオムライスを食べたい気分ね」

ほむら「卵はきれてるはずだし、帰りに材料を買って帰りましょう」

ほむら「あ、でもお金どれくらい持ってきていたかしら?」ゴソゴソ

ほむら「あ、あれ?」

ほむら「…ない!」

ほむら「財布がない!」

ほむら「ど、どこに落としてしまったのかしら…!」

ほむら「え、えっと…」

ほむら「とりあえずここら辺に落としてないか調べよう…」

ーーーーー

ほむら「…ど、どうしよう」

ほむら「財布には家の鍵もいれていたし、このままじゃ家に入れない…!」

ほむら「うぅ、なんで私こういう所はかわらないんだろう…」

ほむら「…」グスッ

ほむら「…あ、そういえば!」

ほむら「今日、マミの家に寄った時にはまだ財布はあったわ!」

ほむら「もしかしたら、マミの家に忘れて帰ったのかもしれない!」

ほむら「…」

ほむら「なかったらどうしよう…」

ほむら「……もしもマミの家になかったら、マミに今日一日だけ泊めてもらいましょう」

ーーーーー
ーーー


ほむら「…」ピンポーン

ほむら「…」

ほむら「…あら?」

ほむら「おかしいわね、電気はついているみたいだけど…」

ガチャ

ほむら「…不用心ね、あいているわ」

ほむら「…」

ほむら「…もしかして、マミ達になにかあった…!?」

ほむら「ゆ、誘拐事件とか…!!」

ーーーーー

ほむら「マミ!杏子!」バッ

杏子「…なんだ、ほむらだったのか」

ほむら「よかった、ちゃんといるじゃない」

ほむら「どうしたの?」

ほむら「インターホンを鳴らしても出ないから、てっきりなにかあったのかと…」

杏子「…そうだな、なにかあったかって言われたら、あったな」

ほむら「…?」


杏子「…キュゥべえに聞いちまったんだよ」

ほむら「!」

杏子「…その様子じゃ、ほむらは知ってたみたいだな」

ほむら「…えぇ、黙っていてごめんなさい」

ほむら「でも、私が未来から来たこと自体、貴方たちは半信半疑だったでしょう?」

ほむら「ソウルジェムのことを話したら、もっと信じてもらえなくなると思ったのよ」

杏子「…まぁ、そうだろうな」

杏子「QBにソウルジェムのことを聞いた今でも信じきれねぇのに、知り合ったばかりのほむらに聞いてたらもっと余計に、信じられなかっただろうな…」

ほむら「それで、マミは…?」

杏子「あそこでボーッとしてるよ」

杏子「マミはマミで、ソウルジェムのこと信じきれねぇんだろうな」

杏子「さっきから何もいわねぇんだよ」


マミ「…」

ほむら「…マミ」

杏子「マミはキュゥべえのことも友達だと思っていたみたいだから余計にきつかったみたいでさ」

ほむら「…あなたは、大丈夫なの?」

杏子「そりゃ、最初は怒りもしたけどさ」

杏子「まぁ自業自得かなって思ってるんだよね」

ほむら「…杏子」

杏子「それよりも、今はマミが心配だよ」

杏子「あたしがQBに文句言ってる間もずっとあの調子でさ」

ほむら「…そうなの」

ほむら「杏子、マミのことは私に任せて欲しいの」

ほむら「マミには私から話したいこともあるし…」

杏子「…席、外したほうがいいか?」

ほむら「いいえ、杏子、あなたにも聞いてもらいたいことなの」

ほむら「マミ、少し台所を借りるわね」

マミ「…」

ーーーーー
ーーー


ほむら「紅茶をいれたわ、どうぞ」コトッ

マミ「…」

ほむら「杏子にも、はい」コトッ

杏子「お、いい香りだな」

ほむら「マミの好きなアールグレイをいれてみたの」

ほむら「マミはいらないかしら…?」

マミ「…」

マミ「….……いただくわ」

ーーーーー
マミ「…」

マミ「おいしい…」

杏子「ホントだな」

杏子「ほむらも紅茶はよく飲むのか?」

ほむら「そうね、気分でコーヒーを飲む日もあるけれど」

マミ「いれ方はどこで…?」

マミ「それに、どうして私がアールグレイを好きだってこと…」

ほむら「…あなたに習ったのよ、マミ」

ーーーーー
ーーー


杏子「そうだったのか…」

杏子「ほむらは一回だけやり直している訳ではなかったんだな」

ほむら「えぇ」

ほむら「この1ヶ月を何回も繰り返しているうちにソウルジェムの真実を知ってしまったの」

マミ「ソウルジェムのことはやっぱり、本当のことなのね…」

ほむら「…えぇ」

ほむら「私は実際にこの目で見てきたわ」

マミ「…」

ーーーーー

ほむら「…マミ、横になりなさい」

ほむら「膝枕をしてあげるわ」

マミ「…いいわよ、してくれなくても」

ほむら「そう?私はお母さんにしてもらう膝枕、大好きだったのだけど」

マミ「…もう、そんなことしてもらう年じゃないってことよ」

ほむら「そうね、でもたまにはいいんじゃない?」

ほむら「年下に甘えてみるのも」

マミ「…」

マミ「….そう、ね」
マミ「…じゃあ、少しだけ」

ほむら「えぇ、どうぞ」ポンポン


ほむら「マミ、大丈夫よ、マミが辛くなくなるまで一緒にいてあげる」ナデナデ

マミ「…」

ほむら『』~♪

マミ「…子守唄」

マミ「ホントに子供扱いしてくれるんだから…!」ポロッ

マミ「ホントに…!」ポロポロ

ーーーーー
ーーー


マミ「…」

マミ「見苦しいところを見せてごめんなさいね」

マミ「少しだけだけど、泣いたらスッキリしたわ」

ほむら「そう、よかった…」

マミ「佐倉さんも、心配させてしまってごめんなさい」

杏子「…マミはもう、大丈夫なのか?」

マミ「…わからないわ」

マミ「でも、あの時契約していなかったらどっちみち私は死んでいた」

マミ「そう思ったら、すこし気が楽になったのよ」

ほむら「…マミ、私が魔法少女ではなかった頃、マミに魔女から助けてもらった事があるの」

マミ「!」

ほむら「今の私がいるのはマミのおかげでもあるのよ」

マミ「…そっか、そうやって私が魔法少女として生きていることで助けてこれた人たちだっているのよね」

マミ「….よかった」

ほむら「それともう一つ、ソウルジェムのことで伝えないといけないことがあるの」

マミ・杏子「「!」」

マミ「そんな…!」

杏子「キュゥべえのやつ、まだ何か隠してやがったのか…!?」

ほむら(大丈夫よ、ほむら)

ほむら(キュゥべえの口から突然聞かされるより、2人には私から先に伝えてしまった方がいい)

ほむら「えぇ、ソウルジェムは私たちの魂」

ほむら「QBにはそこまで聞いたのでしょう?」

マミ「…えぇ、契約する時に魂を結晶化することで、エネルギーが得られる」

杏子「そのエネルギーであたし達の契約の願いを叶えるみたいだ」

ほむら(なるほど、契約の祈りが叶えられるのはそういう仕組みだったのね)

ほむら「まずは…そうね、QBの話からしましょうか」

ーーーーー
ーーー


ほむら「QBは本当の名前はインキュベーターという名前の宇宙人なの」

杏子「はぁ?」

マミ「暁美さん流石にその冗談は…」

ほむら「本当のことよ」

杏子「…マジで言ってんの?」

ほむら「えぇ」

ほむら「QBは人類よりも遥かに高度な文明と技術をもつ宇宙人」

ほむら「QBは人類よりも遥かに高度な技術や文明は持っているけれど、個の概念がなく、感情も持ち合わせていない生き物なの」

杏子「感情がないのか…」

ほむら「彼らの文明では、感情は極めて稀な精神疾患であるみたいよ」

マミ「個の概念がないっていうのは?」

ほむら「QBは同じ個体で記憶や情報を共有しているの」

ほむら「つまり、私がこの町のQBを殺しても、前のQBの記憶と情報を引継いだ新しい個体がやってくるわ」

杏子「記憶を共有…」

マミ「プライバシーも何もないわね…」

マミ「それに、この町のQBって…」

ほむら「QBにはどうやら担当地区が決まっているそうよ」

ほむら「その担当地区の中で少女と契約したり、使い終わったグリーフシードを回収したりするみたい」

杏子「あたしが風見野で見てたQBと見滝原で見てたQBとは個体が違うかもしれないということか?」

ほむら「えぇ、見た目は一緒だから、区別はつかないけどね」

マミ「高次元な生き物だとは思っていたけど、ちがうベクトルで高次元ね…」

杏子「それで、その宇宙人がなんのために地球に来てるんだ?」

杏子「QBはあたし達魔法少女に魔女を狩ってもらうため、契約してると思ってたんだけど…」

マミ「感情がないのなら、人助けとも違うのよね」

ほむら「QBは地球にエネルギーを求めてやってきたの」

マミ「また、エネルギーなのね…」

ほむら「そうね、すべてはエネルギーだわ」

ほむら「宇宙全体のエネルギーは目減りしていく一方なの」

ほむら「QBたちはエネルギーが目減りしていくのを防ぐため、熱力学の法則に縛られないエントロピーをも凌駕するエネルギーを探し求めてきた」

マミ「エントロピー?」

ほむら「エネルギーは形を変換する毎にロスが生じることよ」

ほむら「簡単に例えると、焚き火で得られる熱エネルギーは木を育てる労力と釣り合わないってことね」

杏子「言われてみると確かにそうだな」

ほむら「彼らはそのエネルギーを探し求めているうちに、その高度な技術と文明で、知的生命体の感情をエネルギーに変換するテクノロジーを開発した」

ほむら「その技術はエントロピーをも凌駕する膨大なエネルギーを得ることができるそうよ」

ほむら「だけど、あいにくQBには」

マミ「感情がない…」

ほむら「えぇ」

ほむら「そして、私たちが選ばれた」

マミ「…なんだか壮大な話ね」

杏子「魔法少女も結構スケールのでかい話だと思ってたのにな」

ほむら「えぇ、私も初めて聞いた時は耳を疑ったわ」

ほむら「話を続けるわね」

ほむら「その知的生命体の感情をエネルギーに変換するテクノロジー」

ほむら「それが、ソウルジェムよ」

杏子「…そういえば前にソウルジェムはいわばジェネレーターだって言ってたな」

ほむら「えぇ、ジェネレーター、つまり発電機」

マミ「…想いがエネルギーになり、魔力になるってそういうことだったのね」

マミ「それに、QBにとっての私たちは、まるでエネルギーを得るためだけの道具でしかないみたい…」

ほむら「そうね、感情がないわけだし」

ほむら「家畜同然かも、しれないわね…」

マミ「…」

杏子「でも、それだとあたしらが魔力としてエネルギーを使うからQBらが欲しがってるエネルギーは回収できないんじゃないのか?」

ほむら「それが、そうでもないのよ」

ほむら「そんなちょっとのエネルギーではなく、もっと膨大なエネルギーを発生させることができるの」

マミ「それは…?」

ほむら「…この先を言う前に、2人にはソウルジェムを私に預けてほしいの」

ほむら「ソウルジェムは私たちの魂、それは感情を司るものでもあるわ」

ほむら「感情によってソウルジェムが濁ったりもするのよ」

杏子「ソウルジェムが濁るくらいの衝撃か…」

ほむら「えぇ」

ほむら「辛い現実だから、これからのことは声に癒しの魔法をかけて話すわね」

マミ「…暁美さん、私はあなたを信じるわ」スッ

杏子「あたしもほむらを信じるよ」スッ

ほむら「ありがとう」

ほむら『私も、あなた達を信じるわ』

ーーーーー

ほむら『ソウルジェムは私たちの魂』

ほむら『つまりそれは、魔法を使ったり、落ち込んだりすると私たちの魂に穢れが溜まるということ』

マミ「…」

ほむら『そして、ソウルジェムが濁り切る、魂が穢れで覆われてしまうと、形が変わり、その時に膨大なエネルギーが発生する』

杏子「形が変わる…?」

ほむら『…えぇ、ソウルジェムはグリーフシード、魔女の卵になるのよ』

マミ・杏子「「!!」」

杏子「…つまりあたし達はゾンビにされたどころか、ソウルジェムが濁りきったら魔女になるのか?」

ほむら『…えぇ』

マミ「…」

ほむら『希望と絶望の相転移』

ほむら『それがソウルジェムから、膨大なエネルギーを発生させるの』

マミ「…魔法少女が魔女を生む」

ほむら『濁り切る前にソウルジェムを砕けば、膨大なエネルギーも発生しないし、魔女にもならないわ』

マミ「でもそんなの…!」

ほむら『マミ、それこそインキュベーターの思うツボよ』

ほむら『私たちは彼らのエネルギーにも、魔女にもならないわ!』

ほむら『なってたまるもんですか…!』

マミ「…私魔女になりたくなんかないわ…!!」

ほむら『それは私たちも同じよ、マミ』

マミ「それに、それじゃあ…今まで倒してきた魔女は…!?」

マミ「魔法少女は魔女になるんでしょう?」

マミ「それって今まで倒してきた魔女はみんな、元は人間の魔法少女ってことじゃない!」

杏子「…」

ほむら『…マミ』

ほむら『元が魔法少女ってことはきっと、みんな倒されることを望んでいるわ』

ほむら『みんな、絶望を撒き散らしたりなんかしたくないはずよ』

ほむら『だって私たちは、希望を信じて魔法少女になったのですもの』

マミ「なんで…どうして…!?」

ほむら『マミ、この力は使い方次第でいくらでもすばらしいものに出来るわ』

マミ「でも、いつか…私たちは…!!」

ほむら『マミ…』ダキッ

マミ「いや…!いやよ!私、魔女になんか…!」

ほむら『…じゃあ、』

ほむら『じゃああなたはここで死ぬの…?』

ほむら『…マミは、魔女になっちゃうかもしれないから、ここで死んじゃうの…!?』

マミ「魔女になるくらいなら、いっそ…!」

ほむら『…私、私はマミに死んで欲しくなんか、ない…!』ポロポロ


ーー『間一髪ッテトコロネ』

マミ「!」

ほむら『…私、私は…!』

ーー『暁美サン!ソウソウ、ソノ調子ヨ!』

杏子「これは…」

ーー『暁美サン!』

杏子「ほむらの記憶か…?」

ほむら『せっかくまた、仲良くなれたのに…!』ポロポロ

マミ「…暁美さん」ギュッ

ーーーーー
ーーー


ほむら「グスッ、マミ…」ムニャムニャ

杏子「…泣き疲れて寝るって…子供か」

マミ「…」

杏子「でもそんだけ、あたし達のために頑張って来てくれたってことなんじゃねぇの?」

杏子「マミも見ただろ?」

杏子「ほむらの記憶をさ」

マミ「…」

マミ「…暁美さん」ナデナデ

マミ「ごめんなさい、あなたをそんな風に立ち振る舞わさせちゃって…」ナデナデ

マミ「あなただって、特別大人なわけ、ないものね…」ナデナデ

マミ「…私、死にたくないなぁ」ポロポロ

マミ「魔女になんか、なりたくない…」

マミ「魔法少女が辛い時もあったけど、それでも魔法少女はやりがいがあって」

マミ「暁美さんたちに出会って、佐倉さんと仲直りして、1人ぼっちじゃなくなって…」

マミ「魔法少女になったこと、後悔なんかしてないのに」

マミ「ただ、魔女になることが、誰かを傷つけてしまうことだけが、怖い…」

杏子「…マミ」

マミ「…でも、暁美さんはそんな怖さや辛さも押し殺して、私のためにあんな風に立ち振舞ってくれたのよ」

マミ「私の方が年上なのに、なんだかそれが嬉しくて…」ウルウル

杏子「…」

ーーーーー
ーーー


ほむら「昨日はごめんなさい…」

ほむら「泣き疲れて寝てしまうなんて…」

マミ「ふふ、いいのよ」

マミ「暁美さんの意外な一面を見れたしね」

マミ「それに、謝るのはこちらの方よ」

マミ「暁美さん、ありがとう」

杏子「あたしもほむらには迷惑かけたな」

ほむら「マミ、杏子…」

ほむら「それで、2人とも大丈夫なの?」

マミ「私はまだ、完全には割り切れないけど、暁美さんが言ってくれたみたいに前向きに考えてみようと思うの」

マミ「それに、考えてみたらあなたはずっとこの辛い1ヶ月を繰り返しているのだものね」

マミ「私は貴方を助けたいのよ、暁美さん」

杏子「それはあたしも同じだな」

杏子「愛と勇気が勝つストーリーってのをQBたちに見せてやろうじゃんか」

ほむら「2人とも…!」

マミ「ふふ、またよろしくね、暁美さん」

杏子「よろしくな、ほむら!」

ほむら「えぇ!2人とも!」

ほむら「財布、鞄の外ポケットに入れてあったわ…」

ーーーーー
ーーー



マミ「あら、あれは鹿目さんじゃない?」

杏子「本当だな、こんな時間にどうしたんだ?」

ほむら「まどか!」

まどか「あ、マミさん、杏子ちゃん、ほむらちゃん…!」

ほむら「どうしたの?こんな時間に…」

まどか「そ、それが実は…!」

ーーーーー

ほむら「それは本当なの!?」

まどか「…うん」

まどか「さっき仁美ちゃんのお父さんから電話がかかって来て…」

まどか「お昼に出かけたっきり帰って来ないって…!」

杏子「…ッ!」ダッ

マミ「待ちなさい、佐倉さん!」

杏子「仁美がまた魔女に襲われてるかもしれないんだぞ…!」

マミ「えぇ、だから」

マミ「2手に別れて探しましょう!」

杏子「!」

ーーーーー
ーーー


ほむら「…使い魔すら見つからなかったわ」

マミ「そっちも収穫はなしなのね」

杏子「くそ、何処にいったんだよ、仁美!」

まどか「あ、あれ、仁美ちゃん!」

まどか「い、今の駅に入っていった人…!」

杏子「本当か!?」

まどか「うん、きっとそうだよ!」

ほむら・マミ・杏子「「「!」」」

ほむら「魔女の気配…!」

杏子「くそ、こんな時に…!」

マミ「佐倉さん、あなたは鹿目さんと志筑さんを追って!」

マミ「私は暁美さんと魔女を狩りにいくわ…!」

杏子「!」

ほむら「仁美のことが、心配なんでしょう?」

杏子「…悪い、そっちは任せた!」ダッ

ーーーーー
ーーー

見滝原~、見滝原~ 、ゴ乗車アリガトウゴザイマシタ

プシュー

髭の男性「君の荷物を持つよ、そんなに大荷物じゃ運べないだろう」

大人びた女の子「大丈夫、これくらい普通だよ」

髭の男性「そうかなあ」

ーーーーー

大人びた女の子(…あれ?あの子、こんな時間にこんな場所でなにしてるんだろう…)

大人びた女の子「!」

大人びた女の子「ごめん、ちょっとここで待ってて!」ダッ

髭の男性「え?」

髭の男性「ちょっと待っててって、おい…!」

大人びた女の子「本当にちょとだけだから!」

髭の男性「…」

ーーーーー

大人びた女の子「ねぇ、あなた」

仁美「!」

大人びた女の子「こんなところで、何してるの?」

仁美「…ただ、夜風に当たっているだけですわ」

大人びた女の子「駅のホームで?」

仁美「…えぇ」

大人びた女の子「…悩みごとなら、私が聞くよ?」

大人びた女の子「知らない人の方が話しやすいこともあるでしょ?」

仁美「…いえ、もういいんです」

大人びた女の子「そんなあなたに、魔法をかけてあげるよ!」

仁美「…ふふ、では、是非そうして下さい」

大人びた女の子「ちちんぷいぷいあなたは元気にな~る!」

大人びた女の子(青い糸があなたを癒してくれますように…!)シュルルルル

杏子「お前、仁美になにしてるんだ!」ジャキ

大人びた女の子「!」

大人びた女の子「…あっ!」グラッ

ガシッ

髭の男性「…」

大人びた女の子「あ、ありがとう…」

髭の男性「君!」

大人びた女の子「待って!」

大人びた女の子「今のは、私が悪いの!」

髭の男性「…お前!」

大人びた女の子「ごめんなさい、先に行ってて」

大人びた女の子「私、この子達とお話しないといけないことがあるの」

髭の男性「また君は…!」

大人びた女の子「…お願い」

髭の男性「…」

髭の男性「はぁ、…わかった」

髭の男性「駅のエントランス付近で待っている」

大人びた女の子「ううん、待っていなくていいよ」

大人びた女の子「…あの子の家まで先に行ってて」

髭の男性「…」

ーーーーー

大人びた女の子「ごめんね、魔法少女のお友達がいるなら、私の出る幕はなかったね」

仁美「杏子さん、さっきのは…」

杏子「…お前、仁美に何をしてたんだ?」

大人びた女の子「私はただ、元気がなさそうな女の子がいたから…」

大人びた女の子「ちょうど魔女の反応もあったし、このまま帰ったら危ないと思って…」

杏子「…変身しないで魔法を使うなんて相当のベテランだな」

大人びた女の子「それを言うならあなただって」

大人びた女の子「ソウルジェムから直接槍をだすなんて、相当のベテランじゃないかな」

仁美「杏子さん…?」

杏子「悪い、仁美」

杏子「訳はあとで話す」

杏子「お前、名前は?」

大人びた女の子「私は綾、…暁美、綾だよ」

今日はここまで

恭さやフラグが折れたのは残念だったが全員キャラが立ってて中々面白いな

>>217

>>217

まちがえた

よかった、面白いって言ってもらえると嬉しい

さやかのところもマミのところも強引すぎたかな?って思ってたから


恭ほむは好きだけど
さやかちゃんも好きなのでちょっと複雑

声に魔翌力を込められるって設定が上手いと思う
ほむらの諸々の話に、ぎりぎりパニックにならず納得できる理由の補強にもなってるし
なんていうか、希望が感じられる展開だと思う
恭ほむは無い派だけど面白いよ

>>221

ありがとう、よかった

自分の中では納得出来てても
他の人はどうかなーって思ってたから

再開します

ーーーーー
ーーー


さやか「恭介、今日はちょっと公園の方まで出かけようよ」

さやか「久しぶりに外の空気吸いたいでしょ?」

ーーーーー
恭介「ごめんよ、さやか」

さやか「ん?なにが?」

恭介「いつも車椅子を押して外に出させてくれるだろ?」

さやか「あ、なんだ、そんなことか~」

恭介「さやかにとってはそんなことでも、僕にとっては嬉しいことなんだ」

さやか「嬉しいこと言ってくれますなぁ~、恭介は!」

恭介「…本当にさやかには感謝しているんだ」ボソッ

ーーーーー

さやか「あ、そういえば恭介!」

さやか「今日、病院から外泊の許可をもらったんだって?」

恭介「うん、おじさんが今日の夜、こっちに来るんだって」

恭介「だから、出迎えに行きたいんだ」

さやか「え、おじさんってことは、ほむらのお父さんの暁美焔!?」

恭介「うん、そうなるね」

さやか「あれ?でも、出迎えだけなら、外泊しなくてもいいんじゃない?」

恭介「おじさん、夜の11時の電車でこっちに来るみたいなんだ」

さやか「あ、そんな時間にくるんだ」

恭介「うん、本当はそんな時間だし出迎えはいいって言われてるんだけど…」

さやか「早く会いたいってことか!」

恭介「…うん、おじさんに会うのは久しぶりだしね」

さやか「へー、あのほむらのお父さんかぁ」

さやか「名前は知ってるんだけど、顔は見たことないんだよね」

さやか「うーむ、気になりますな」

恭介「さやかもよかったら一緒に出迎えに行かないかい?」

さやか「え、いいの?」

恭介「うん、むしろ、1人で出迎えに行くより2人で出迎えに行く方が心強いしね」

さやか「え、1人で行こうとしてたの!?」

恭介「うん、母さんには内緒なんだ」

さやか(夜に出歩くと魔女に出くわしやすいって聞いたけど…)

さやか(どっちにしろ、恭介は1人でも出迎えに行くだろうし、暁美焔の出迎えならほむらも一緒だろうから大丈夫…だよね?)

ーーーーー

さやか「」
恭介「」

仁美「気晴らしにお散歩でも、と思っていましたのに」

仁美「今一番見たくないものを見てしまいました…」

仁美「…さやかさん、やっぱりあなたには敵わないんですのね」

ーーーーー
ーーー


髭の男性「…」

髭の男性(また綾は僕に隠し事をしている…)

髭の男性(なんなんだ、あの少女たちは…)

髭の男性(あの赤い髪の子なんか、刃物を持っていたように見えたのに、駆けつけたら何も持っていなかった)

髭の男性(綾は刃物に驚いて転倒しかけたに違いないはずなんだ)

髭の男性(けれど、あの子は何も持っていなかったし、綾は自分のせいだと相手をかばった)

髭の男性(…綾をあの子たちのところに置いてきて正解だったんだろうか)

髭の男性「…わからない」

髭の男性(綾は何をあんなに隠しているんだ…?)

髭の男性(娘のことだってそうだ)

髭の男性(手術が無事に終わったとはいえ、こっちにくるのはまだ当分後のはずだった)

髭の男性(綾が急にこっちに来ると言いだしたんだ)

髭の男性「….はぁ」

???「暁美焔!」

髭の男性「!」

恭介「出迎えにきたよ!暁美焔!」

焔「…出迎えには来なくていいって言ったのに」

焔「それから、君は相変わらず僕のことをフルネームで呼ぶね」

恭介「暁美焔は暁美焔だからね」

焔「せめて焔と呼んでくれよ」

恭介「じゃあ、おじさんで」

焔「…」グリグリ

恭介「いだだだだだ!!」

焔「はぁ、おじさんか」

焔「そうだよな、もう30歳も超えてるんだよなあ」

焔「それに、確かに僕は君の叔父でもあるし…」

焔「おや、君は…?」

さやか「こんばんは、美樹さやかって言います」

焔「こんばんは」

焔「ふぅん、恭介くんもやるねぇ、ガールフレンドかい?」

恭介「い、いや!そんなんじゃ…!」

さやか「幼馴染なんです」

恭介「………はい、そうなんです」

焔「あはは、勘違いしてごめんよ」

焔「そうか、幼馴染なのか」

焔「先は長そう見たいだけど、頑張れよ」ボソッ

恭介「…」

ーーーーー

恭介「それで、遠くから見た時なんだか元気がなかったけど、なにかあったのかい?」

焔「…心配してくれていたのかい?」

恭介「別にしてないけど」

焔「…」グリグリ

恭介「いで!いだだだだ!!」

さやか「恭介があのままじゃ暁美焔が川に身を投げ捨てて死んじゃうって言ってましたよ」

焔「さすがに自殺なんかしないけど、そんな風に見えたのかい?」

恭介「うん」

焔「…」スッ

恭介「うわっ!」

焔「…はぁ」

恭介「…?」

恭介「やっぱり何かあったのかい?」

焔「…いや、ちょっと娘のことを思っていてね」

さやか「娘って、ほむらのことですか?」

焔「知っているのかい?」

さやか「はい、同んなじクラスで、友達なんです」

焔「そうなのか」

恭介「僕もクラスメイトだよ」

焔「え」

恭介「な、なんだよ、その顔は!」

焔「ま、恭介くんはともかく、さやかちゃんみたいな友達がいるなら安心だ」

恭介「ともかくって言うな!」

焔「その前に恭介くんは事故で今も入院してるんだろう?」

焔「クラスメイトでも、クラスで会わないじゃないか」

恭介「それは…そうだね」

焔「腕の方は、治りそうなのかい?」

恭介「…治らないって」

焔「…そうなのか」

焔「…音楽のこと、嫌いになったか?」

恭介「…ううん、嫌いになるわけなんてないよ」

恭介「…だから、僕は音楽を続けていこうと思うんだ!」

焔「!」

焔「…そうか」ポンポン

焔「君もほむらみたいなことを言うんだなあ」

さやか「そのほむらが、どうかしたんですか?」

焔「…いや、体の弱いほむらに1人暮らしをさせたことは本当に正しかったんだろうかってね…」

さやか(そういえばほむらは1人暮らしなんだっけ…)

さやか(あれ?でも…)

さやか「体が弱い…?」

焔「え?」

さやか「ほむらは、体育の高飛びで県内記録を更新してましたよ?」

焔「!?」

焔(そんな、ほむらは生まれつき体が弱いだけでなく、ここ1年は手術を受けていたんだぞ?)

焔(いくら手術が成功したとはいえ、体が弱いのは変わらないはず…)

焔(…どうなってるんだ)

ズモモモモモ

さやか「!」

さやか(これって…!!)

さやか「焔さん、恭介!」

さやか「ここを離れよう!」

ズモモモモモ

恭介「!」

焔「な、なんだこれは…!?」

さやか(どうしよう、早くしないと飲み込まれちゃう…!)

ズモモモモモ

さやか「だ、誰か…!」

バシュゥゥ

ほむら「間に合ったみたいよ、マミ!」

マミ「よかった!」

マミ「じゃあ暁美さん、何時もどうりサポートをお願い!」

ほむら「任せて!」

ほむら『』~♪

さやか「ほむら!マミさん!」

さやか「よかった!」

焔(…ほむら?)

ーーーーー

焔(この歌声…)

焔(…いつか綾と歌っていたアイツの歌声に似ている)

焔(しかし、いったいこの子達は…)

焔(それにこの化け物は…)

シュゥゥゥゥ

焔(景色が元に戻った…)

さやか「マミさん!ほむら!」

マミ「美樹さん、よかった」

恭介「一体今のはなんだったんだ…?」

ほむら「上条くんも一緒だったのね」

ほむら「それに…」

ほむら「!?」

焔「…ほむら」

焔「ほむら、なのか…!?」

ほむら「………うん、お父さん」

ほむら「ほむらだよ」

ーーーーー
ーーー


まどか「あ、杏子ちゃん!」

まどか「よかった、仁美ちゃんに会えたんだね」

仁美「まどかさんまで…」

まどか「仁美ちゃんのお父さんたちも仁美ちゃんを心配してるよ…?」

仁美「…そうでしたの」

まどか「あれ?その子…誰?」

杏子「こいつも魔法少女なんだ」

まどか「え、ホント!?」

綾「うん」

綾「私は東京から来たの」

綾(この子、糸の数が他の人よりも多いな…)

まどか「そうなんだぁ!」

まどか「私、鹿目まどか!」

まどか「よろしくね!」スッ

綾「私は綾って言うの、よろしくね!」スッ


綾「!?」バッ

綾(な、この数は…尋常じゃない!)

綾「…あなた、何者なの?」

まどか「えっ?」

まどか「わ、私は…」

杏子「そいつは候補生ってところだよ」

綾「…そう、なんだ」

綾(こんな数を人間が持てるなんて…)

ーーーーー

仁美「さっきから疑問に思っていたのですけれど…」

杏子「悪い、先に仁美と綾に合わせたい人がいるんだ」

杏子「質問はそれからにしてくれ」

仁美「…わかりましたわ」

綾「合わせたい人ってこの町の魔法少女?」

杏子「ああ、この町には私を含めて3人魔法少女がいるんだ」

綾「3人も…」

杏子「2人ともあたしの仲間であり、大切な友達さ」

綾「そうなんだ」

まどか「それにしても綾ちゃん、大荷物だね…」

まどか「少し持つよ?」

綾「え?そうかな」

綾「これくらい普通じゃない?」

まどか「え」

杏子「小柄だから余計に大荷物に見えるな…」

まどか「そっちの肩に掛けてるの、何が入ってるの?」

綾「ハープだよ!」

まどか「ハープ?」

まどか「ハープってこんなに大きいんだ…」

綾「グランドハープなのもあるけどね」

まどか「な、何キロくらいあるの?それ…」

綾「えーっと、30kgくらいかなぁ?」

まどか「さ、30kg…」

杏子「持ち運ぶもんではないだろ…」

綾「でも、業者に頼むとお金、結構取られるんだよね」

杏子「魔法で小さくしたりすればいいんじゃねぇの?」

綾「うーん、家族の前でそれはちょっと…」

まどか「一発でバレちゃいそうだもんね…」

ーーーーー
綾「あ、魔女の反応も消えたと思ってたけど、逃げた使い魔の反応も消えた…」

綾「使い魔も狩ってるんだ」

綾「この町の魔法少女は優しいね」

杏子「…お前は使い魔は狩らない派か?」

綾「ううん、私も狩るよ」

綾「ただ、協力関係にある魔法少女も珍しいのに、使い魔も狩ってなんて珍しいなぁって」

綾「それに、あの子のいるこの町の魔法少女が優しい人でよかったなって」

まどか「あの子って…?」

綾「あ、そういえば最近あの子、使い魔に襲われたみたいなんだよね…」

綾「もしかしたら、あなたたちも知ってるかも…」

杏子「候補生か?」

綾「…たぶん」

綾(あれはQBからは近づけないようにもなってるし…)

杏子「!」

杏子「…どうやらあっちも説明しなきゃいけねぇ人間がいるみたいだ」

綾「テレパシー?」

杏子「ああ」

まどか「説明しなきゃいけないってことは、知り合い…だよね?」

ーーーーー
綾「!」

まどか「あ、マミさん!それに…」

綾「ほむらちゃん!!」ダッ

まどか「え?」

杏子「あ、そういえば暁美綾って名前だっけ?」

杏子「妹かなんかか?」

まどか「え?」

ダキッ

ほむら「うわあ!」

綾「ほむらちゃん、会いたかったよ~!」

ほむら「お母さん!」

ほむら「もしかして、杏子が会わせたいって言ってた魔法少女って、お母さん…!?」

まどか「え?」

杏子「え?」

マミ「え?」

さやか「え?」

杏子「おかあ…さん、だと…!?」

ここまで

また夕方ぐらいにあげるかも

メインの魔法少女に加えて恭介や仁美にもしっかりスポットが当たるSSは良作
になると信じてるので頑張って欲しい

>>243

まじか
頑張る


再開します

でも、ちょっと魂うんぬんの話が入ってくるから、受け入れてもらえるか心配…

ーーーーー

まどか「綾ちゃん…じゃなくて綾さんが、ほむらちゃんのお母さん!?」

マミ「…ずいぶん若いお母さんね」

さやか「確かに大人びてはいるけど、ほむらよりも身長低いし」

杏子「母親ならもう魔法少女って歳じゃないだろ…」

恭介「こ、こんばんは、綾さん」ビクビク

綾「あ、恭介くん、こんばんは!」

綾「久しぶりだねぇ、おっきくなっちゃって!」

綾「あ、ほむらちゃん、恭介くんだよ」

綾「小さい時は何回か会ったことあるはずだけど、覚えてる?」

ほむら「え?あ、えーと…」

ほむら(あんまり覚えてない…)

ほむら(下の名前だって、こっちに来て思い出したくらいだし…)

綾「覚えてないかぁ」

綾「上条くんは覚えてる?」

恭介「あ、僕も同じ年の女の子がいるってことぐらいしか覚えてなくて…」

綾「まぁ、2人は結構前にあったっきりだもんね」

綾「焔さんとは結構会う機会あったみたいだけど…」

ほむら「あの、えっと、お、お噂?はかねがね伺っておりました…」

恭介「え?あ、はい、そうなんですか…」

さやか「プッ」

綾「もう、2人ともかたすぎだよ」

マミ「まるでお見合いをしてるみたいね」

まどか「…」ムッ

仁美「…」

ーーーーー
綾(ほむらちゃんの糸の数も尋常じゃないな…)

綾(もしかして、ほむらちゃんはもう…)

焔「…綾」

綾「!!」

綾「ほ、焔さん…」

焔「…君が、ずっと隠してきたことは魔法少女に関係することなんだね」

綾(…あーあ、ついにこの日が来ちゃった)

綾「あはは~、内緒にしてて、…ごめんね」ニコッ

焔「…詳しく、聞かせてもらうよ」

焔「君達も、詳しい話はうちで話そう」

ーーーーー
ーーー


ほむら「みんなコーヒーでいいかしら?」

マミ「暁美さん、私も手伝うわ」

まどか「あ、私も…!」

さやか「まどかと仁美は先に家に連絡いれといたら?」

さやか「私はお母さんに今日は遅くなるって伝えてあるけど…」

まどか「あ、そっか…そうだね」

綾「今日はここに泊まっていくといいよ!」

まどか「え?いいんですか?」

綾「うん、もうこんな時間だし、魔法で部屋を広くしたりくらい出来るしね」

まどか「じゃあ、お言葉に甘えて…」

まどか「あ、パパ?あのね、実は…」

仁美「…」

綾「家に連絡、私からいれよっか?」

仁美「…いえ、お構いなく」

仁美「自分で連絡できますわ」

綾「そう?わかった」

ーーーーー
綾「まずは自己紹介をしようよ」

綾「ほむらちゃんの…お友達のことも知りたいなって…」ニコッ

まどか(あれ?なんだか綾さん…)

ほむら「…」

綾「あ、それからみんなには私に敬語を使うの、やめてほしいかな!」

マミ「…わかったわ」

マミ(全然年上って感じがしなくて、ちょっと話しづらかったから、そう言ってもらえるとありがたいわね…)

ーーーーー
ーーー


綾「へ~、マミちゃんと杏子ちゃんは一緒に暮らしてるんだ」

焔「ほむらに1人暮らしをさせておいてなんだけど、子供だけじゃ大変じゃないかい?」

焔「そうだ、よかったらこっちで僕たちと一緒にと暮らさないかい?」

焔「しばらくは僕もこっちにいるつもりなんだ」

綾「そうだね、それがいいよ!」

綾「そして私のことはお母さんと呼ぶのです!」

焔「じゃあ、僕はお父さんだね」

マミ「え、えっと…」

杏子「お父さんはともかく、あたしより背低いのにお母さんはねぇよ」

綾「え」ガーン

綾「ほむらちゃんは私のこと、身長低くてもお母さんって呼んでくれるのに…」グスン

杏子「そっちは親子だろうが!」

綾「それは…そうだけど…」

さやか「恭介は焔さんには懐いてるみたいだけど、綾さんのことは苦手なの?」コソコソ

恭介「懐いてるって…」

恭介「でもたしかに、綾さんは苦手なんだ…」

さやか「どうして?」

恭介「実は、僕が小さい頃、綾さんにしてもらった高い高いがトラウマで…」

さやか「?」

恭介「ほら、さっきも綾さん、凄い荷物を1人で持ってただろう?」

さやか「そ、そういえば…」

恭介「綾さん、昔から凄い力持ちでさ…」

さやか「じゃあ、恭介が小さい頃にしてもらったっていう高い高いは…」

恭介「…そうなんだ、実はその高い高いが原因で高所恐怖症になっちゃってさ…」

さやか「いったいどんな高い高いだったっていうんだ…」

ーーーーー
仁美(お昼に恭介さんとさやかさんが一緒にいるのを見て、ただでさえ気まずい思いをしてますのに…)

仁美(お二人をみていると本当に妬けてしまいます…)

仁美(はぁ、来るべきではなかったですわ…)

ーーーーー
マミ「…それじゃあ」

マミ「綾さん、魔法少女の説明は私たち3人で話すわね」

綾「わかったよ」

綾(やっぱり、魔法少女なのはマミちゃんと、杏子ちゃんとほむらちゃんなんだ…)

マミ「魔法少女がどういうもので、さっき焔さんと上条くんが見たものは何かということ、今から話します」

ーーマミ『それから、ソウルジェムの秘密とQBのことは、候補生の鹿目さんと美樹さんだけに話しましょう』

ーーほむら『そうね、変に同情されても困るだけだし…』

ーーほむら『契約の時の祈りも黙っておきましょう』

ーーマミ『えぇ、それこそ普通の人には縁のない話だもの』

ーー杏子『綾にはソウルジェムのこと伝えるのか?』

ーーマミ『綾さんはベテラン中のベテランよ』

ーーマミ『知っていてもおかしくないし、伝えようと思うの』

ーーマミ『それに、魔法少女なら知っておいた方がいいわ』

ーー杏子『それもそうだな』

ーーほむら『…』

ーーーーー
ーーー


仁美「そんな…」

仁美「それじゃあ、私が前に集団自殺に巻き込まれたのは…」

マミ「確かにそれは魔女のせいだけど、魔女の口づけを受けていたってことは、心が弱まっていた証拠よ」

マミ「何か悩み事があったんじゃない?」

仁美「…」

ほむら「お父さん達も、使い魔に襲われそうになったのは心が弱まっていたのが原因だと思うの」

ほむら「なにかマイナスな気持ちになること考えてなかった?」

恭介「…」

焔「…たしかに考えていたね」

焔(ほむらの雰囲気や喋り方があの頃とはだいぶ違う…)

焔(…魔法少女になったことが焔をこんなに大きく変えてしまったんだろうか…)

綾(根っこは変わらないとしても、ほむらちゃんを変えるような出来事があったってこと…)

綾(それに、ほむらちゃんの願いだって…)

綾(辛い現実がほむらちゃんと変えたんじゃないといいけど…)

焔(綾がほむらと離れる時、あんなに必死になっていたのはほむらが変わったことと関係があるのだろか…?)

綾(いったい離れている間にほむらちゃんは何を見てきたんだろう…)

仁美「…お三方はどのようにして、魔法少女になられたんですの?」

マミ「えっ、えっと…」

ほむら「QBという生き物と契約してなるのよ」

まどか「QBと契約すると、願いを1つ叶えてもらえることが出来るんだって!」

ほむら・マミ・杏子「「!」」

仁美「願い事…ですか?」

まどか「うん、どんな願い事も1つだけ叶えてくれるみたい」

マミ「…でも残念ながら、魔法少女になれる人間は素質のある少女だけなの」

ほむら「素質がないとQBも見ることは出来ないわ」

焔(…なるほど、もしかしたら綾はキュゥべえっていうのとほむらを契約させないために東京にいる時、あんなに側を離れなかったのかもしれない….)

焔(綾からしてみれば、そんな命を落とすかもしれない魔法少女の辛さなんかも知っているだろうし…)

焔(…綾とほむらの命をかけてまで叶えたかった願い事っていったい…)

ーーーーー

仁美「…」

仁美「私はもう、帰らせていただきますわ」

綾「え、泊まって行かないの?」

仁美「はい、そこまでご厄介になる訳にも行きませんから」

焔「なら家まで送っていくよ」

仁美「いえ、家のものが迎えに来たようですので…」

さやか「いつの間に…」

さやか「じゃあ、あたしも恭介と帰ろうかな…」

さやか「親に泊まるっては言ってないし」

恭介「そうだね」

マミ「あ、美樹さんはちょっと待って頂戴」

マミ「話したい事があるの」

綾「私からも恭介君にはちょっと待って欲しいな」

杏子「仁美、あたしも今度、今日のことで話したいことがあるんだ」

仁美「…」

杏子「仁美のことじゃなくてさ、あたしがなんで魔法少女になったのか、仁美に聞いて欲しいんだ」

仁美「それって…」

杏子「ああ、あたしが魔法少女の契約をした時の願い事のことでさ」

仁美「…わかりましたわ、後日、日を改めてまた…」

仁美「今日はみなさんに迷惑をかけてしまって申し訳ないですわ」

まどか「そんな!私たち、友達だもん」

まどか「迷惑なんかじゃないよ!」

仁美「…ありがとうございます、まどかさん」ニコッ

まどか(…あ、またこの笑い方…)

ーーーーー

さやか「それで、話ってなんですか?マミさん」

マミ「あ、その話は…」

綾「その前に、3人の固有魔法を教えて欲しいの」

綾「それと、得意な魔法や武器なんかも」

杏子「そんなの聞いて、どうするんだ?」

綾「…恭介君の腕、もう動かないんだってね」

恭介「…」

綾「私たちの魔法で治らないかなって思って」

恭介・さやか「「!」」

焔「魔法でそんなことも出来るのかい?」

綾「もしかしたらだけどね」

綾「それに、これからは私も一緒にこの町の魔女や使い魔を狩りたいし…」

綾(それに、ほむらちゃんの固有魔法がわかればある程度だけど、どんな願い事をしたかもわかるかもしれないしね)

綾(こんな聞き方だと、みんなを騙すみたいで悪いけど…)

マミ「それなら確かに、お互いの魔法を知っておくべきよね」

マミ「…私の魔法は繋ぐ魔法なの」

マミ「だから、リボンで拘束するような魔法が得意よ」

マミ「武器はマスケット銃を使っているわ」

マミ「それから、マスケット銃をリボンで補強したりも出来るの」

綾「!」

綾「私と同じだね」

綾「私の魔法も、繋ぐ魔法だよ」

綾「私のはリボンじゃなくて五色の糸だけど…」

綾「糸には5色とも、意味があるの」

綾「それから、その色と糸が出てくる指も決まってる」

綾「親指は青で癒し、人差し指は黄色で力を高め、中指は黒で力を断ち、薬指は緑で再生、小指は赤で運命」

まどか(あ、もしかして小指の赤い糸って…)

マミ「凄い、魔法のバランスがとれているのね」

綾「そうだね、確かに、この力のおかげで私は長生きしてるのはあるかな」

まどか(綾さんの年で長生きだなんて…)

杏子「青の癒しと緑の再生は何が違うんだ?」

綾「青は心、緑は体って具合の違いだよ」

綾「それから、武器はハンマーだよ」

杏子「ふぅん、じゃあ次はあたしだな」

杏子「あたしの固有魔法は幻術だ」

綾「幻術…」

杏子「ああ、幻覚や幻聴なんかが得意で、実体のある分身のんかもつくることが出来る」

綾(願いで、嘘を本当にしたりしたのかな…)

杏子「武器は伸縮や湾曲、分割なんかが出来る槍だ」

マミ「佐倉さんの槍は多節棍になっているの」

綾「へぇ~、凄いね!」

ほむら「次は私ね」

ほむら「私の固有魔法は…」

ほむら「時間停止よ」

綾「時間停止!?」

綾(時間操作系の願い…)

綾「強力な魔法だね…」

綾(…いったいほむらちゃんは何を願ったの…?)

ほむら「えぇ、だから他に得意な魔法はないわ」

ほむら「強いて言えば、肉体強化が人よりも強いの」

綾「肉体強化が…」

綾「じゃあ、拳で戦ってるの?」

ほむら「ううん、そうではなくて…」

綾(言葉遣いが混ざってる…)

綾(私たちの前だから前の言葉遣いにしようと気を使ってるのかな)

杏子「ほむらは歌や声なんかであたしたちをサポートしてくれてるんだ」

綾「え、歌!?」

ほむら「うん、肉体強化の延長で声に魔力を込めて歌うことで、スピードをあげたり、回復したりするの」

ほむら「歌の中では癒し系の歌が得意かな」

ほむら「スピードをあげたりする歌はまだあまり強くは出来ないの」

綾「そんなことが…」

綾(時間停止という強力な魔法が使えるのに、肉体強化も人より強い)

綾(もしかしたらこれは、東京にいた時よりも増えた糸が関係してるのかも…)

綾(いったい、まどかちゃんも、ほむらちゃんもどうやって糸を増やしたんだろう…)

綾(ほむらちゃんはともかく、まどかちゃんは魔法少女ですらないのに…)

綾「…」

さやか「それで、恭介の腕は治りそうですか…?」

綾「え?あ、うん!」

綾「これなら治りそうかな」

恭介・さやか「「!」」

綾「これは私たち魔法少女の組み合わせが良かったと思うの」

綾「マミちゃんも、杏子ちゃんも、ほむらちゃんにも力を貸してほしいな」

ーーーーー

綾「まず、焔さんとまどかちゃん、さやかちゃんは他の部屋にいってて欲しいの」

まどか「え?」

焔「僕たちに魔法は見せられないかい?」

綾「ううん、ちょっとグロテスクになるかもだから…」

まどか「ひっ!」

さやか「わ、わかったよ」

焔「…じゃあ僕は、魔法でも手術みたいに神経使うだろうから、なにか甘いものでも用意しておくよ」

綾「わ、やった!」

綾「私、焔さんのブラウニー大好き!」

焔「わかった、ブラウニーだね」

杏子「そんなにうまいのか?」

綾「うん!あとでみんなで食べようね!」

マミ「こんな時間に食べると太っちゃいそうだけど、甘いものの誘惑には勝てないわね」

ほむら(やった、お父さんのブラウニー私も大好き!)

まどか(ほむらちゃん、凄い顔がほころんでる…)

まどか「私も楽しみだなぁ」

ーーーーー

恭介「…」

綾「恭介くんには一応目隠しをしてもらうね」

恭介(綾さんがするってだけで、すでに怖い…なんて、言えないけど…)

綾「杏子ちゃん、恭介くんに魔法で一時的に視力と聴力、それから痛覚を奪ってもらいたいの」

杏子「!」

杏子「なるほどな」

恭介(あれ?さっきまで微かに光があったのに真っ暗…)

綾「恭介くんにお医者様から聞いた腕の症状を事細かに聞いたけど、どうやら神経はズタボロみたいなの」

綾「私の魔法の緑の糸で、そのズタボロの神経を慎重に繋ぎあわせていきたいんだけど…」

マミ「なるほど、強度に欠けるから私がその神経と糸の繋ぎ目を補強すればいいのね」

綾「さすが、2人とも話が早いね!」

ほむら「それで、私は…」

綾「ほむらちゃんには、今、視力や聴力、痛覚がない状態の恭介くんが不安にならないように癒しの歌を歌って欲しいの」

ほむら「聴力がない状態なのに大丈夫かしら…」

綾「うーん、でも、私のちょっとした言葉にも反応して不安がられると困るし、聴力を戻すわけには…」

綾「効果はないかもしれないけど、一応、して欲しいな」

綾「それから、ほむらちゃんの癒しの歌で私とマミちゃんが繋げた神経をさらに強化して欲しいの」

綾「私青の糸でしてもいいけど、絡まっちゃうといけないから…」

ほむら「わかったわ、歌でならそんなことにはならないものね」

綾「うん」

綾「じゃあ、はじめよっか!」

ーーーーー
ーーー


まどか「あの、焔さん」

焔「ん?どうしたんだい、まどかちゃん」

まどか「こんな踏み入ったこと聞くのは失礼を承知なんですけど…」

まどか「綾さんって何かあるんですか?」

焔「…え?」

焔「…何かって、なんだい?」

まどか「あの、実は前にほむらちゃんにほむらちゃんのお母さんの話を聞いたことがあるんです」

さやか「そういえばそんなこともあったね」

まどか「その時に聞いたほむらちゃんのお母さんのイメージと綾さんのイメージが合わなくて…」

さやか「言われてみれば確かに…」

まどか「それに、あの綾さんの困ったような、悲しんでいるような笑い方…」

綾「…ほむらは綾のことをどんな人だっていっていたんだい?」

まどか「えっとたしか…『お母さんは自分は得意なことが何もない、何にもないただの人間だということにコンプレックスを持っているみたいなの』って」

さやか「それから『バイオリンが上手なお父さんのことが唯一の自慢』だっても言ってたよね」

まどか「うん、そして、『私なんかから受け継ぐものはなにもないのよ、私みたいにならないで』って言っていたみたいで…」

焔「…あぁ、なるほど」

まどか「あの、私も何にも得意なことがなくて、それがコンプレックスなところ、あるんです」

まどか「きっとこれからも、みんなに迷惑かけながら生きて行くんだろうなって…」

まどか「だから、マミさんや杏子ちゃんや、ほむらちゃんみたいに、魔法少女になって、みんなを助けられたらって…」

さやか「…まどか」

まどか「いまだって、魔法少女のみんなのおかげで、上条くんの腕が治るかもしれないんです」

まどか「そんな、みんなを助けることが出来る魔法少女なのに、どうして綾さんはコンプレックスを持ってるのかなって」

焔「…」

焔「家族の立場から魔法少女の話を聞いた僕としてはね、正直、綾とほむらが魔法少女をしてることは不安だなって思うよ」

まどか「それは…」

焔「うん、いつ死んじゃうかもわからないしね」

焔「それにきっと、僕はこれから綾とほむらのちょっとしたことでも心配するようになるだろうね」

さやか「それはどういう…?」

焔「例えばほむらがさやかちゃんやまどかちゃんと取っ組み合いのケンカをしたとするだろう?」

まどか「そんな…!」

さやか「まどか、たとえ話だよ」

まどか「あ、そ、そっか…」

焔「あはは、確かに君たちとならそんなことはないかもしれないけどね」

焔「実際にケンカになって、ボロボロで帰ってきたとする」

焔「そしたら僕はほむらは魔女と戦って怪我をしたんじゃないかって心配してしまうとおもうんだ」

まどか「あ…」

焔「うん、まあ、ほむらはちがうって言うだろうけど、僕はほむらのことを心から信じることが出来ないだろうね」

さやか「…」

焔「綾の場合、そのコンプレックスの本質は違うところにあるんだろうけど、ほむらを魔法少女にさせないようにしてたのは事実だと思うんだ」

焔「ほむらの一人暮らしも反対していたし、何よりこっちに来たのは綾が急にほむらが寂しがってるだろうからって」

焔「多分、ほむらの心が弱くなったりしていたのを感じたんじゃないかな」

焔「心が弱くなると、魔女や使い魔に襲われやすくなるって言っていたしね」

まどか(それって、綾さんは魔法少女であることにコンプレックスを持っているってことなのかな)

まどか(でも、綾さんのコンプレックスの本質が違うって…?)

ーーーーー
ーーー


綾「し、神経使った…」グテー

マミ「…本当ね、こっちの神経がすり減ってしまいそうだったわ…」グッタリ

恭介「う、動く!」

恭介「腕が動くよ!」

杏子「…ちょっとお前、しばらく黙っててくれ」

ほむら「のどが辛い…」

さやか「うわぁ、死屍累々」

さやか「でも、上手くいったんだね!」

綾「うん、なんとか…」

綾「全部の神経は繋げてないけど、再生の糸だから少しずつ動くようになっていくと思うよ」

焔「やっぱり凄いな、魔法っていうのは」

焔「こっちもブラウニーがちょうど焼きおわったんだ」

焔「まどかちゃんとさやかちゃんが手伝ってくれたから、今日のはとびきり美味しいはずさ」

綾「やった!ブラウニー!」

マミ「それにしても、くるみとか買いに行かなくても家にあったんですか?」

綾「私が持ってきてたんだよー!」

杏子「お、じゃあこのブラウニーは綾のおかげだな!」

さやか「おい!普通作ってくれた人のおかげでしょーが!」

まどか「むむ、これはパパのブラウニーにも匹敵する美味しさかも…」

綾「え?まどかちゃんのお父さんもブラウニー奉行なの!?」

綾「今度食べさせてー!」

焔「え?あ、綾?」

焔「…そんな、僕のブラウニーじゃ綾を満足させられないというのかい?」ガガーン

さやか「ブラウニー奉行って…絶対意味違うでしょ」

恭介「おじさんの作ったブラウニー?」

恭介「まだまだだね」パクパク

杏子「何様なんだよ、食うなよ」

マミ「ふふ、なんだかいつもより賑やかで楽しいわ」

マミ「それに、たまには他の人が作ったお菓子を食べるっていうのもいいわね」

ほむら「あ、ちょっと、さやか!」

ほむら「そのブラウニーはどう考えても私のでしょう?」

さやか「はあ?どう考えたらほむらのになるってのよ!」

さやか「まだ沢山あるじゃない!」

ほむら「そこの位置は私が取りやすい場所にあるんだからどう考えても私のブラウニーよ!」

さやか「なによそれ!」

焔「まぁまぁ、ほむらも落ち着いて」

ほむら「…」ムー

まどか「ほむらちゃん、こっちのは私が焼いたの!」

まどか「食べてくれると嬉しいな」

ほむら「!」

ほむら「ありがとう、まどか!頂くわね!」

ーーーーー

恭介「!」

恭介「もうこんな時間…」

恭介「僕は母さんには内緒で来てるし、もうそろそろ帰るよ」

恭介「さやかはどうする?」

さやか「あ、そういえば、まだマミさんから話聞いてない…」

マミ「そうだったわね、ごめんなさい」

綾「さやかちゃんも泊まっていかない?」

綾「明日、私からさやかちゃんのご両親にごめんなさいの電話入れとくよ」

綾「ご両親は心配してるかもだけど、こんな時間に電話いれるのも悪いし…」

さやか「うーん、じゃあ私もお言葉に甘えてちゃって泊まっていこうかな」

焔「じゃあ、僕が恭介くんを送って行くよ」

綾「ありがとう、焔さん」

綾「でもちょっと待って!」ゴソゴソ

綾「はい、お守り」

焔「ありがとう、綾」

ほむら「!」

ほむら「それってもしかして…簡易結界…!?」

さやか「なにそれ…?」

マミ「使い魔や魔女からの影響を防ぐことが出来るそうよ」

ほむら「じゃあ、あの何にも書いていない手紙って…!」

綾「あ、ちゃんと持っててくれたんだね」

綾「ほむらちゃんなら、きっと持ち歩いてくれると思ってたよ!」

ほむら「え、えぇ」
ほむら(持ち歩いてたのはこの時間軸が始めてなのだけど…)

綾「使い魔や魔女からの攻撃を受けたとしても、場所もわかるようになってるからすぐに助けに行けるの」

綾「それくらいの間は結界が守ってくれるだろうし…」

ほむら「じゃあ、お母さんたちがこっちに来たのって…」

綾「うん」

綾「ほむらちゃん最近、使い魔に襲われたでしょ」

ほむら「…うん」

綾「…心配、したんだからね」

ほむら「お母さん…」

綾(でも、この時点で既にほむらちゃんは魔法少女になっていたんだろうな)

綾(杏子ちゃんの話を聞いてる限りじゃ、この3人はチームを組んでしばらく経ってるみたいだし…)

ーーーーー

綾「これで、やっも魔法少女と候補生だけになったね」

ほむら「!」

ほむら「お母さん、さやかとまどかが候補生だって知ってたの?」

綾「ううん、まどかちゃんは知ってたけど、さやかちゃんはしらなかったよ」

綾「でも、私の魔法の特性で、糸が見えるの」

ほむら「糸?」

綾「うん、因果の糸」

ほむら「!」

マミ「綾さん、因果って一体…?」

綾「その前に、あなたたちは魔法少女のこと、どこまで知ってる?」

ほむら・マミ・杏子「「「!」」」

まどか「どこまでって、さっきみんなに説明していたのだけじゃ…?」

マミ「鹿目さん、それだけじゃなくて、私たち魔法少女には秘密があるの…」

ほむら「それから、QBのこともね」

綾「!」

綾(真実だけじゃなくて、QBのことまで知ってるんだ…)

ーーーーー
ーーー


まどか「そんな…!」

まどか「そんなのってないよ!」

まどか「あんまりだよ!」

さやか「QBのやつ、そんなこと黙っていたなんて…!」

さやか「それじゃあ、マミさんたちはいつか…!」

マミ「…えぇ、魔女になるわ」

ほむら「でも、ソウルジェムが濁り切る前にソウルジェムをくだけば、エネルギーにもならないし、魔女にもならない」

まどか「…!」

杏子「だから、あたしたちはみんなで決めたんだ」

さやか「…」

杏子「濁り切る前にソウルジェムを砕くってな」

まどか「…そんな」

綾「…」

ほむら「お母さんは知ってたみたいだね」

綾「…うん、私もたくさんの魔法少女たちを送り出して来た身だしね」

ほむら「…そうなんだ」

綾「それに、私の体が成長していないのも、そのせいなの」

まどか・さやか「「!!」」

綾「…私はソウルジェムでこの死んだ体を動かしているに…過ぎない」

マミ「…」

マミ(やっぱり、そうやって言われると心にくるわね…)

ーーーーー
綾「じゃあ、次は私の話を聞いてもらおうかな」

綾「みんなは因果ってなにか知ってる?」

ほむら「…なにかはよくわからないけれど、QBが因果が魔法少女の素質や潜在能力に関係すると言っていたわ」

綾「うん、確かにそうだね」

綾「因果の糸が多いほど魂も強くなっていくから、それがソウルジェムの大きさになって、強さになる」

綾「うーん、初めに魂のはなしからしよっか」

綾「まず、人間は一霊四魂といって4つの魂から成り立っているの」

ほむら「4つの魂…」

綾「そしてその4つの魂のうちどの魂が強いかとかで、その人の性格が異なってくる」

綾「人間はその4つの魂の修行のために輪廻転生を繰り返しているの」

マミ「魂の修行…?」

杏子「なんのために修行してるんだ?」

綾「その4つの魂の弱い部分を鍛え、強い部分はさらに磨きをかけるためだよ」

さやか「修行するとなんかいいことあるの?」

綾「うーん、そうだね、最終的には神様になれるよ」

まどか「え!?神様に…?」

綾「うん、そう簡単にはいかないけどね」

綾「魂はある程度の強さと大きさになったら分裂するの」

まどか「分裂…」

杏子「簡単には神様にはなれねぇってそういうことか」

綾「うん」

綾「自分と魂を分け合った人なんかはツインソウルなんて呼ばれてるね」

綾「そんな風に、魂の強さにはランクがあるの」

綾「そして、そのランクで何になれるかも決まってくる」

まどか「何になれるか…?」

綾「うん、そのランクは霊格っていうんだけど、その霊格の強さで、守護霊や神様になんかにもなれるの」

まどか「そ、そんな!じゃあ、魔女や使い魔だけじゃなくて、幽霊もいるかもしれないってこと…!?」

杏子「…驚くとこ、そこかよ」

マミ「ソウルジェムはその4つの魂のうちのどれが変化しているのかしら」

綾「それはおそらく4つとも全部だと思うよ」

綾「その4つの魂で1人の人間を作っているから、一霊四魂っていうわけだし…」

ほむら「それで、因果っていうのは?」

綾「原因と結果だよ」

ほむら「原因と結果?」

綾「うん、起こるべくして起こることだと考えてくれればいいよ」

ほむら「…」

綾「因果の糸はこの世にどれくらいの影響を及ぼすかによってその量が決まってくるの」

綾「これは、魂の強さや大きさにも影響してくるよ」

ほむら「因果の糸が多いほどこの世界に大きな影響を与えるってこと?」

綾「うん、だから、魔法少女になれる子はある程度の量の因果の糸を持ってるの」

マミ「だから、美樹さんが魔法少女の候補生だとわかったのね」

綾「うーん、それもあるんだけど、魔法少女の候補生や魔法少女の子たちは、因果の糸自体に色を持っているからわかったんだよ」

マミ「色を…?」

綾「魂の特質によって染まった糸だよ」

綾「普通の人のは白色の糸なんだけど…」

綾「たぶん、この世界では契約していなくても、他の世界ではすでに契約しているってことだと思うの」

ほむら「!」

マミ「他の世界?」

綾「並行世界のことだよ」

綾「まどかちゃんやさやかちゃんが契約している世界も存在するってことだね」

杏子「それって…」

ほむら「因果の糸が多いほど魂も強くなっていくって言うのは?」

綾「因果の糸はこの世に関わった数でもあるの」

綾「ただ輪廻転生を繰り返すだけでも少しずつ増えていくんだよ」

ほむら「魂がこの世に修行して来ているのなら、魔法少女の素質もあがったりはしないの?」

綾「そんなには変わらないよ」

綾「輪廻転生を何回も何回も繰り返してやっと少し強くなったりするわけだからね」

綾「でも確かに、この世にいる時に霊格をあげることが出来ないわけじゃないの」

綾「そうするためにはお坊さんになったりして、少しずつ徳をつんでいくしかないけどね」

綾「けど、因果の糸自体を増やすことなんて出来ない」

綾「出来ない…はずなんだけど…」

ほむら「…」

綾「ほむらちゃんの因果は、東京にいた時とは比べものにならないくらい因果の糸が増えている」

マミ・杏子「「!!」」

綾「そして、まどかちゃんの因果の糸も桁外れ…」

まどか「…え、え!?」

綾「それこそ、神格化してもおかしくないくらいの霊格を2人は持ってるの」

さやか「ま、まじで?」

まどか「じゃあ、QBが途方もない願い事だって叶えられるって言ってたのは…」

杏子「そんなこと言ってやがったのか、あの野郎」

まどか「う、うん、でもてっきり冗談だと…」

綾「出来るだろうね、そんなに強い魂を持っていたら…」

綾「でも、魔法少女になったら魔女になる」

綾「強い魔法少女になるということは、強い魔女にもなりうるってこと、忘れないで」

まどか「う、うん」

綾「…これは、私の想像でしかないけれど、2人の因果がこんなにも桁外れなのは…」

綾「ほむらちゃんが、何度もこの世界をやり直しているとしか思えないの」

マミ・杏子「「!」」

マミ「じゃあ、暁美さんがこの1ヶ月をやり直すたびに…」

杏子「まどかとほむらの因果の糸が増えていったってことか…!?」

ほむら「…」

ほむら「…前の時間軸でもQBにそう言われたわ」

綾「!」

綾「じゃあ、やっぱり、そうなんだね…」

今日はここまで

ほむらって肉体強化の魔法も最弱クラスって設定じゃなかったっけ?

>>277

ほむらにも因果の糸が絡んでいったって解釈でお願いします

けど、その因果の糸もまどかよりは少し少ないってことにしてる

再開します

ーーーーー
ーーー



まどか「…」

まどか「はぁ、結局、一睡も出来なかった…」

まどか「ほむらちゃん、私との約束を守るためにずっとこの一ヶ月をやり直していたなんて…」

まどか「私…」

~♪

まどか「あれ?これって…」

ーーーーー

綾「…」~♪

ーー『ハープってこんなに素敵な音なのね』

綾「!」ピタッ

まどか「あ、ご、ごめんなさい…」

綾「あ…」

綾「まどかちゃん…」

まどか「けど私、ハープがこんなに素敵な音をするなんて、知りませんでした!」

綾「!」

綾(さっきのは幻聴かと思っちゃったけど、まどかちゃんが言ってくれたんだ…)

綾「…ひいてみる?」

まどか「え、いいんですか!?」

綾「もちろんだよ」

綾「けどハープは、優しさだけじゃひけないよ?」

ーーーーー

まどか「うう、優しさだけじゃ弾けないってこういうことだったんですね…」

綾「ふふ、思っていたよりもずっと弦が一本一本、重いでしょ?」

綾「でも、まどかちゃん、ハープをひくのに向いてると思うよ」

まどか「え、本当ですか!?」

綾「うん、薬指でもちゃんと強く弾けてる」

まどか「薬指…?」

綾「意外とその指に力をいれることが出来ない人もいるんだよ」

綾「ほむらちゃんとかね」

まどか「ほむらちゃんが?」

綾「うん」

綾「でも、ほむらちゃんの場合、指に力を入れすぎて、かたすぎるのも問題なんだけど…」

綾「ピアノもずっとそんな感じでね」

まどか「え、そうなんですか?」

まどか「でも、さやかちゃんは、ほむらちゃんのピアノとっても上手だって…」

綾「うん、今はとっても上手だよ」

綾「でも、初めのうちはずっとそうだったの…」ニコッ

まどか「…」

まどか(…まただ)

まどか(またその笑い方…)

まどか「…あの、綾さん」

まどか「綾さんはどうして自分のことをコンプレックスに思ってるんですか?」

綾「!」

綾「…まどかちゃんはどうして、私が自分のことをコンプレックスに思っていると思うの?」

まどか「…ほむらちゃんに聞いたことがあるんです」

綾「…ほむらちゃんに?」

まどか「はい、ほむらちゃんの名前の由来を聞いた時に少しだけだけど、綾さんのことも話してくれたことがあるんです」

綾「…ほむらちゃんは何って言ってた?」

まどか「綾さんのことを『得意なことが何もない、何にもないただの人間だということにコンプレックスを持っているみたいなの』って言っていました」

綾「…」

まどか「…あの、これは焔さんにも聞いてもらったことなんですけど、私も自分のことがコンプレックスなんです」

まどか「得意なことなんか1つもなくて、誰かに迷惑をかけて生きていくしかなくて…」

まどか「こんな自分が、嫌で嫌で仕方なくて…」

まどか「だから私、魔法少女に憧れていました」

綾「…!」

まどか「けど、杏子ちゃんから聞いていた一言があって、ずっと契約は踏みとどまっていたんです」

綾「…杏子ちゃんからは何を聞いたの?」

まどか「『奇跡ってのはただじゃない』」

まどか「『奇跡を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる』」

まどか「『そうやって差し引きゼロにして、世の中のバランスは成り立っている』って」

綾「…それは、事実だよ」

まどか「…昨日、正確には今日だけど、QBにも直接その話を聞きました」

綾「!?」

綾(簡易結界じゃなくて、ちゃんとした結界を張っとけばよかったな…)

まどか「その時にQBも言っていました」

まどか「『どんな希望も、それが条理にそぐわないものである限り、必ず何らかの歪みを生み出すことになる』」

まどか「『やがてそこから災厄が生じるのは当然の節理だ』って…」

ーー『彼女たちを裏切ったのは僕たちではなく、寧ろ自分自身の祈りだよ』

綾「…」

まどか「でもそんなの、希望を抱くのが間違いだなんて…!」

まどか「そんなの…!」

まどか「…綾さんは」

まどか「綾さんは希望を抱くのが間違いだって思ってますか?」

まどか「間違いだって思ってるから、自分自身のことが、魔法少女であることがコンプレックスなんですか…!?」

綾「…」

綾(魔法少女じゃなかったら、こんな思いはしなかった…?)

綾「…私はね、ずるくて卑怯なの」

綾(ううん、魔法少女じゃなくても、きっと私は…)

まどか「それは私だって…!」

まどか(私だって弱虫で卑怯…)

綾「今ある私の幸せは全部、貰い物に過ぎない」

まどか「私だって同んなじです…!」

まどか(みんなに守られて、生かされているだけ…)

綾「…私にはそれを受け取る資格なんて本当はないんだよ」

まどか「そんなの…!」

まどか(そんなの私が一番そんな資格なんてない…!)

綾「けど、これは自分への罰で、使命なの」

まどか「…」

まどか(また…)

まどか(こんな顔して欲しいわけじゃない…!)

まどか(私は…!!)

まどか「…私、魔法少女になって叶えたい願いごと、見つけました」

綾「!?」

まどか「私、希望を抱くのが間違いだなんて思いたくありません」

まどか「私は希望を信じて戦ってきた魔法少女を泣かせたくないんです」

まどか「そんな、希望を持つ限り救われないなんて…!」

綾「…私たちは泣いてなんかいないよ」

まどか「泣いてます」

綾「泣いてないよ」

まどか「泣いています!」

綾「泣いてなんかいない…!」

まどか「心の中で泣いているんです!」

まどか「…私、嫌なんです」

まどか「みんなが無理をしているのを見ているだけなんて…!」

まどか「マミさんだって、杏子ちゃんだって、ほむらちゃんだって、綾さんだって…!」

まどか「みんな、割り切ってるんだって、これでいいんだって言ってるけど…!」

まどか「みんな、無理をしているだけじゃ無いですか…!!」

綾「無理なんてしてない!」

まどか「…じゃあ」

まどか「じゃあ、どうしてそんな風に笑うんですか…?」ポロポロ

まどか「どうしてそんなに悲しそうに、笑うんですか…!?」

綾「!」

ーー『そんな顔しないで』

綾「…」

綾(結局、ほむらちゃんにも、まどかちゃんにも心配させてるだけじゃない…)

まどか「…私」

まどか「私はこんな世界を変えたいんです」

まどか「みんなが、心の中でだって笑っていられるような世界に…!」

綾「!」

綾(それってもしかして…)

綾「…」

綾「…私もね」

綾「私も、ずっとこの世界を変えたいと思っていたの」

まどか「!」

綾「あの子たちにとってこの世界はあまりにも辛すぎる」

まどか「それは、綾さんにだって…!」

綾「私はいいの、これは自分への罰だから」

まどか「そんな…」

まどか(私はみんなに笑っていて欲しいのに…)

綾「私は、もう少しでも、この世界が優しくあったらって思うんだよ」

綾「せめて、魔女がいない世界だったら、とかね」

まどか「!!」

綾「まどかちゃん」

綾「私、まどかちゃんの考えていること、わかるよ」

まどか「…」

綾「でも、その願いは、きっと、まどかちゃん自身が消えゃうような願いなんじゃないかな」

まどか「それは…」

まどか(なんとなくだけど、確かにそんな気はする…)

綾「だから」

綾「だからその願い事は、QBじゃなくて、私が叶えるよ」

まどか「!?」

まどか「それってどういう…?」

ーーーーー
ーーー


さやか「綾さん、焔さん、泊めてくれてありがとうございました!」

さやか「電話もいれてもらっちゃったし、ほむらには他の世界の私が迷惑かけてたみたいだし…」

ほむら「さ、さやか、別にいいのよ?」

ほむら「これは私のわがままみたいなものだし…」

ほむら(それに、私こそ、他の世界で見捨てたりして、ごめんなさい…)

綾「マミちゃん、杏子ちゃん、2人とも帰っちゃうの?」

焔「気を使わなくても僕たちは2人を歓迎するのに…」

マミ「え、えっと…」

ほむら「私も歓迎するわよ?」

杏子「いや、やっかいになるにしたって、今日はいったん帰るよ」

杏子「必要なもんとかも持ってこないといけねぇし、それに…」

杏子「家族水入らずで話すこと、あるんじゃねぇの?」

マミ「!」

マミ「そ、それもそうよね!」

綾「…」

ほむら「…」

杏子「気持ちはわからなくもねぇけどよ、きちんと腹を割っていろいろ話し合った方がいいと思うぞ」

ほむら「…それは、そうなんだけど…」

まどか「あの、綾さん!」

まどか「今日はありがとうございました!」

まどか「あの、魔法少女のみんなのこと、よろしくお願いします!!」

綾「…うん、まかせといて!」

杏子「いくらベテランとはいえ、こんなちびっ子にまかせられるってのはな…」

綾「ふっふっふっ!でも私、人間として生きてるより、魔法少女として生きてる方が長いんだよ!」

ほむら「そ、そういえばお母さん今年で…」

綾「あーーー!!!!」

綾「だ、だめだよ、ほむらちゃん!」

綾「私は永遠のじゅうさ…」

綾「じゃなくて!え、えーと」

綾「じゅ、じゅー…」

綾「18歳、そう、18歳なの!」

さやか(あ、鯖読んだ…)

杏子「18歳にも見えねぇよ」

ーーーーー
ーーー


ほむら「みんな帰っちゃったから、なんだか一気に静かになっちゃったね」

綾「そうだね~」

焔「…」

ほむら「え、えっと…」

綾「…」

綾「…じゃあ、杏子ちゃんも時間をくれたし、私たちも話し合おっか!」

焔・ほむら「「!」」

ーーーーー

焔「綾、ほむら」

焔「先に、僕の方からの謝らせてくれないかい?」

綾・ほむら「!」

焔「2人とも、すまない」

焔「綾、君の気持ちも知らないでほむらと離れさせたこと、怒っているかい?」

綾「…ううん、怒ってないよ」

綾「あの時、焔さんが言っていたことだって、正しかったもの」

綾「私の方こそごめんね」

綾「いつも私が内緒にしてたこと、深く聞かないでいてくれてありがとう」

綾「ほむらちゃんも、いつも私のこと心配させていたんだね、ごめんね」

ほむら「え?あ、うん…」

ほむら(なんのことを言ってるんだろう…?)

焔「ほむら、君も手術で心細かっただろう時期に1人にされてしまって悪かったね…」

ほむら「…ううん」

ほむら「こっちでの手術は最後の手術だけだったし、大丈夫だよ」

綾(でも、ほむらちゃんはずっとループを繰り返していた…)

綾(私たちが思っているよりもずっと長い間、ほむらちゃんを1人にしてきたんだ…)

ほむら「…お母さんも、そんな顔をしないで」

綾「!」

ほむら「私はそんなことより、お母さんたちが心配して、こっちに来てくれたことが嬉しかったから…」

綾「ほむらちゃん…」

綾(…絶対に守らなきゃ)

綾(QBからは守ることは出来なかったけど…)

綾(魔法少女にさせちゃったけど…!)

綾(でも、せめて…!)

ーーーーー
ーーー

マミ「じゃあ、今日はワルプルギスの夜に向けての特訓のためにも、綾さんの戦い方を見させてもらいましょう」

マミ「綾さんの糸を戦闘でどの様に使うかも見させてもらいたいしね」

ほむら(お母さんの戦い方…)

ほむら(どんな戦い方をするんだろう…)

杏子「お手並み拝見ってとこだな」

綾「まかせて!私は強いんだよ!」

ーーーーー

綾「」

ドゴォォ

綾「」シュルルルル

シュタッ

マミ「す、凄い…」

マミ「あんなに大きなハンマーを軽々と振り回していることもだけど…」

杏子「あのハンマーとの体重差を利用しての跳躍…」

ほむら「それに、糸…」

マミ「確かに1本1本じゃ強度は弱いだろうけど、編み込むことで…」

杏子「力を断つ黒の糸なんて何に使うのかと思ってたが、糸を編み込んで使う時なんかに使えるなんてな」

ほむら「相手に癒しや再生を与えるためにはいかないものね」

マミ「私の魔法は綾さんと同じで、繋げる魔法だから、新しい魔法の参考になるわね」

ほむら「…」

ほむら(お母さんの繋げる魔法…)

ほむら(お母さんは一体、何を願って魔法少女になったんだろう…)

ーーーーー
ーーー


マミ「綾さん、凄かったわね」

杏子「確かに、見た目はあんなでも、さすがベテランって感じだよな」

杏子「ひょっとしたら、綾のヤツが一番魔法少女で長生きかもしれねぇしな」

マミ「確かに…」

マミ「大人の魔法少女なんて聞いたことないし…」

マミ「…そ、それでね、佐倉さん…」モジモジ

マミ「暁美さんご夫婦からのお誘いについてだけど…」

杏子「…別に構わないよ」

マミ「え!?」

マミ「え、えっと…」

マミ「それってどっちの意味かしら…?」

杏子「別にやっかいになるのも悪くないんじゃねーの、ってことだよ」

マミ「!」

杏子「マミだってそう思ってんだろ?」

マミ「え、えぇ」

マミ「けど、本当にいいのかしら…?」

杏子「なんだよ、世話になりたいんじゃないのかよ」

マミ「だ、だって…」

杏子「素直になれよ、マミ」

マミ「…佐倉さんがそれを言う?」

杏子「はいはい、マミのケーキは美味いですよ」

マミ「…もう」

ーーーーー
ーーー


マミ「…」ドキドキ

杏子「…緊張しすぎだろ」

マミ「そ、そういう佐倉さんだって、手が震えてるんじゃない…!?」

杏子「…寒いんだよ、早くしろ」

マミ「じゃ、じゃあ、押すわよ…!?」

マミ「押すからね…!?」

杏子「早くしろよ!」

マミ「うぅ…え、えい!」

ピンポーン

綾「はーい!」

ガチャ

綾「いらっしゃい!マミちゃん、杏子ちゃん!」ニコニコ

ほむら「もう、遅いじゃない、2人とも」

ほむら「待っていたのよ?」

焔「マミちゃん、杏子ちゃん」

焔「僕たちの申し出を受けてくれるなんて、嬉しいよ!」

マミ・杏子「「!!」」

マミ「待っていたって…」

ほむら「きっと2人は来てくれると思っていたの」

焔「だから、僕たちみんなでご馳走を作っていたんだ」

綾「お腹空いてるでしょ?」

マミ(暁美さんたち家族ならきっと暖かく出迎えてくれるだろうと思ってたけど…)

杏子(こんなにしてもらえるなんてな…)

ーーーーー

ほむら「私、これから一緒に暮らせるなんて嬉しいわ、マミ、杏子!」

マミ「わ、私もよ、暁美さん!」

綾「あ、マミちゃん!」

綾「これからら家族になるんだから、暁美さんはダメだよ!」

マミ「え!?か、家族…!?」

綾「だ、ダメだったかな…?」

マミ「い、いえ!そんなこと…!」

綾「!」

綾「よかった!」

綾「じゃあ、これからは私のことはお母さんって呼ぶんだよ!」

焔「僕のこともお父さんと呼んでくれてかまわないよ」

マミ「!?」

杏子「…そっちもマジだったのかよ」

綾「家族だもの、当然だよ!」

ーーーーー
ーーー


綾「ほむらちゃん、マミちゃん、
杏子ちゃん!」

綾「もう学校行く時間だよ!」

綾「起きて~!!」

マミ「!」

マミ「え、もうこんな時間…!?」

ほむら「…まだ眠い」

杏子「」zzz

ーーーーー

マミ「…寝坊したのなんていつぶりかしら」

焔「マミちゃん、おはよう」

マミ「!」

マミ「おはようございます、焔さん」

焔「うーん、敬語は使わなくてもいいって言ったんだけど…」

マミ「ご、ごめんなさい」

マミ「まだ慣れなくて…」

焔「いや、いいんだ」

焔「少しずつでもいいから、本当の家族になっていこうね」ニコッ

マミ「!」

マミ(嬉しい…)

マミ(親戚の人ならこんなこと、絶対に言ってはくれなかったでしょうね…)

ーーーーー

ほむら「いってきまーす」

マミ「い、いってきます…!」

綾「あ、待って!」

綾「杏子ちゃんは一緒な学校じゃないの?」

杏子「あたしは学校行ってないよ」

綾「え、もしかして杏子ちゃんってば不良!?」

マミ「あ、あの…」

ほむら「マミ、急ぎましょう!」

マミ「あ、で、でも…!」

ほむら「…そのことは、杏子から話すべきよ」

ほむら「それに、私たちはまどかたちを待たせているもの」

マミ「それも、そうよね…」

焔「行ってらっしゃい、2人とも!」

ほむら「うん、いってきます」ダッ

マミ「…い、いってきます!」ダッ

ーーーーー
ーーー


綾「…そうだったんだ」

綾(まどかちゃんが杏子ちゃんから聞いたって言うしわ寄せはこのことなんだ…)

杏子「あぁ」

杏子「それから学校にはいってないんだよ」

杏子「家族で無理心中したことになってるから、戸籍だってないしな」

綾「そっか…」

綾「でも、杏子ちゃんはこれから私たちの家族だからね!」

杏子「…それで?」

綾「学校にもちゃんと行ってもらうよ!」

杏子「…戸籍ないっていってるだろ」

綾「ふっふっふ!」

綾「戸籍なんて私が用意してあげようではないか!」

杏子「…はぁ?」

綾「私の固有魔法は、『運命を繋ぐ』なんだよ!」

ここまで


ちょっと駆け足になっちゃったかも

ごめん

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