―――Pの家――――
深夜
P(風呂も入ったし後は寝るだけか……)
P(そろそろメールが来るころかな)
ヴー ヴー
P(来た)
差出人:高垣楓
件名:そういえば
――――――――――――――――――
私の趣味の温泉めぐりっていうのを活かし
た温泉のレポーターみたいな仕事ってやら
なんですか?
P(なぜ今仕事の話題を……)
―――楓さんの家―――
楓(プロデューサー返事まだかな……)
楓(もうっあんまり遅いとこのまま寝ちゃいますよ)
ピロリン
楓(!)
差出人:プロデューサー
件名:Re:そういえば
――――――――――――――――――
うーん、確かに温泉自体は楓さんの得意分
野ですけど、レポーターってかなり喋らない
といけませんよ?
そこらへん大丈夫ですか?
あと駄洒落連発してもダメですからね、お茶
の間凍りますよ?
楓(………)
――――Pの家――――
P(ちょっと強引だったかな……)
ヴー ヴー
P(………)
差出人:高垣楓
件名:Re:Re:そういえば
―――――――――――――――――
もうっ私だってそこまで常識知らずじゃあ
りませんよ
お茶の間の前で駄洒落なんて言うわけな
いじゃないですか
でも喋る事に関しては、そうですねできる
かどうか一回実験しないといけませんね
ふふっでは今度二人で温泉に行きましょう
私一押しの温泉をプロデューサーだけにレ
ポートしてあげます♪
P(……本題はそれか…でもなぁ……う~ん…)
これの続きっす
モバP「なんかお見合いすることになりまして……」楓「………」
あとメールは実際は暗号化されてるってことでオナシャス
―――――楓さんの家―――――――
楓(………)ジー
ピロリン
楓(!)
差出人:プロデューサー
件名:Re:Re:Re:そういえば
――――――――――――――――――
それは不味いですって
っというかそれ以前にいいんですか?
温泉レポートっていったら実際に温泉浸か
ってレポートするものですからタオル一枚
の姿をお茶の間に晒すんですよ?
楓「えっ……」
―――――Pの家―――――
P(………)
ヴー ヴー
P(………)
差出人:高垣楓
件名:Re:Re:Re:Re:そういえば
―――――――――――――――――――
それは温泉レポートなら当たり前の事じゃ
……
もしかしてPさん私がタオル一枚の姿でテレ
ビ出るの嫌なんですか?
P「……まずい」
―――――楓さんの部屋―――――
楓「………」ジー
ピロリン
楓「!」
差出人:プロデューサー
件名:Re:Re:Re:Re:Re:そういえば
―――――――――――――――――
別にそんなことありませんよ
そこは仕事ですから
楓「………」ムー
差出人:高垣楓
件名:
――――――――――――――――――
でもホントは?
差出人:プロデューサー
件名:Re:
――――――――――――――――――
違いますって
差出人:高垣楓
件名:Re:Re:
――――――――――――――――――
実のところは?
差出人:プロデューサー
件名:Re:Re:Re:
――――――――――――――――――
違います
差出人:高垣楓
件名:Re:Re:Re:Re:
――――――――――――――――――
嘘ついちゃダメですよ?
―――――楓さんの部屋―――――
楓「………」ジー
ピロリン
楓「!」
差出人:プロデューサー
件名:Re:Re:Re:Re:Re:
―――――――――――――――――
ホントのこと言ったら嫌ですけど
楓さんがその仕事をやりたいということな
ら我慢しますよ
楓「!」
楓「ふふっ」
楓「♪」バタバタ
差出人:高垣楓
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
――――――――――――――――――
そういうことでしたら温泉リポートの仕事
はまだいいです
でも二人で温泉には行きたいですよ?
ふふっ今日はいい夢が見られそうです
お休みなさい
差出人:プロデューサー
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
――――――――――――――――――
温泉ですか……行く方法を考えてみますけ
ど期待しちゃダメですよ
そりゃ俺も行きたいですけど
お休みなさい
―――――――――――――――
――――――――
――――
――――事務所―――――
ガチャ
凛「おはようございます」
凛P「お、昨日と今日の主役が来たな。お早う凛、初めてのソロライブから一夜明けて調子はどう?」
凛「まだなんかフワフワしてるよ、自分が主役のライブをやっただなんてまだ信じらんないや」
凛P「安心しろちゃんと現実だ、昨日の凛は初の単独ライブとは思えないほど立派に主役を務めてて、かっこ良かったぞ」
凛「ふふっありがと、でもかっこ良かったじゃなくて可愛かった言ってくれた方がうれしいな」
凛P「そうなのか?凛はクールビューティー系で売り出した方がいいと思うしそのつもりだったんだが路線変えたかったりする?」
凛「冗談だから本気にしないで」クス
凛(……まぁプロデューサーに言われたいっていうのはホントだったりするんだけど)
凛P「本当か?別に無理なくていいんだぞ?」
凛「大丈夫だよ、それより今日夕方ぐらいから事務所の皆で記念に打ち上げしに行くんだよね?」
凛P「あぁ、ウチは未成年も多いからな、凛のライブ終わった後だと相当遅い時間になっちまうから今日にしたんだ。
先輩方もほとんど来るから主役が遅刻しちゃダメだぞ。まぁあの人達はただ呑んで騒ぎたいだけっていうのが大半だが」
凛「主役かぁ……なんか一発芸とかした方がいいのかな?」
凛P「なんだ凛……また犬の物まねがしたいのか?」ニヤ
凛「なっ…あれのことは言わないでよ……自分でもやらかしたと思ってるんだから」カァ
凛P「初めてのラジオのオープニングトークでぶちかましたからな」ニヤニヤ
凛「もう……やめてってば…」カァ
凛P「分かった分かった。あ、そういえば言っておくことがあったんだった」
凛「……何?さっきの引っ張るならもう口聞いてあげないよ?」
凛P「違うっての、俺さ多分担当アイドルがもう一人増える事になりそうなんだ」
凛「えっ……どういうこと?」
凛P「ちょっと前にスカウトした子がさ、先日アイドルになりたいって言ってきてくれてさ」
凛「……それで?」
凛P「それを社長に話したら、ならばその子は君に一任するって言われたんだ」
凛「……私の時みたいにナンパ紛いのスカウトしたんだ」
凛P「いや別にナンパとかそんな気持ちは全くなかったぞ?……」
凛P(あ、あれ?いきなり最悪レベルの不機嫌になった?)
凛P「あ、あのな凛、担当増えるっていってもウチの事務所にも複数アイドルを担当してるプロデューサーいっぱいいるし、
凛が割食うような事態には絶対させないからそんなに心配しなくてもいいんだぞ?」
凛「……言いたいことはそれだけ?それなら私もうダンスレッスン行くね。
担当増える事に関してはプロデューサーの好きにすればいいんじゃない?」
スタスタスタ
凛P(………)
凛P(もしかしてかなりマズったかこれ)
―――――休憩室――――――
凛(あぁ~どうしよう動揺してすごい不機嫌オーラ出して逃げてきちゃった……)バタバタ
凛(でもこれはプロデューサーも悪いよ……)
凛(割食うような事態にはさせないって絶対無理だよそんなの)
凛(だいだい私にとって何が『割食うこと』なのか分かってないもんプロデューサー……)
凛(『これからもずっと私の隣にいてね。……約束だよ?』)
凛(も~ここまで言ったのになんで気付かないかなぁ~)バタバタ
ちひろ(………)ジー
凛(担当アイドル増えるのやだなぁ、二人でいる時間減っちゃうよ……)
ちひろ(………)ジー
凛「今日打ち上げあるのに……どうしよう……」
ちひろ「何かあったんですか?」
凛「!? ち、ちひろさんいたんですかっ?」
ちひろ「はい♪」
凛「い、いいいつから?」
ちひろ「凛ちゃんがここに入ってすぐソファにダイブして足をバタバタさせたあたりからいましたっ」
凛「最初からじゃないですかっ」
ちひろ「それより何があったんですか?力になりますよ?」ニコ
凛(………まぁ知られたら不味いところはぼかせばいいかな)
凛「じ、実はですね―――」
――――――――――――――――――
ちひろ「なるほど、担当アイドルが増えることに対してまったく悪びれずにいるプロデューサーさんにイラッときて
それをどうにかしたいってことですね!」
凛「えぇ……まぁそんな感じです」
凛(けっこう違うけど)
ちひろ「でもどうしてそれにイラッときちゃったんですか?もしかして凛ちゃん――――」
凛「――――担当アイドルが一人増えるってことは接する時間が半分になるってことじゃないですか。
その分指導していただける時間が減るので、私にとって損にしかならないですよね?」
ちひろ「……なるほどそういうことですか」
ちひろ(15歳にしては感情を隠すのが巧いですね……これなら万が一でも大丈夫かな)
ちひろ「凛ちゃん、私にいい考えがあります」ニコ
――――――――――――――――――――――――――
ちひろ「―――っというのはどうでしょうか?これなら凛ちゃんの目的を果たせると思うんですけど」
ちひろ(いろんな意味で)
凛「……それやったらすごい幼稚だと思われちゃいませんか?私がやったらダメな気が……
それに協力してくれる人が必要ですよね?」
ちひろ「凛ちゃんもプロデューサーさんも若いんだから大丈夫ですっ」
ちひろ「それに協力者ならいます。○○プロデューサーさんは私に貸しがあるので協力してくれます」
凛「○○さんって無茶苦茶真面目な人じゃないですか、怒られますって」
ちひろ「それに関しては大丈夫です。断言できます」
凛「なんですかその自信……楓さんにも迷惑かけますよ?」
ちひろ「楓さんはその過程で何か思われるかもしれませんが事情を説明したら絶対迷惑に思ったりしませんって」
凛「そうだとは思いますが……」
ちひろ「凛ちゃんは興味ないんですか?これを実行した時プロデューサーさんが何を思うか」
ちひろ「何か現状が変わるかもしれませんよ?」
凛(現状が変わる……)
凛(………)
凛「……分かりました、やります私」
ちひろ(……ふふふっ)
――――――事務所――――――
P(今日は凛ちゃんお祝いの打ち上げがあるんだったな……なるべく早く仕事を終えないと……)カタカタ
ヴー ヴー
P(メール……ちひろさんだ)
差出人:千川ちひろ
件名:お願いがあります
――――――――――――――――――
今日の打ち上げでプロデューサーさんに凛
ちゃんが仕掛けてくると思います
それホントは演技ですので全力で乗ってあ
げて下さいっ
よろしくお願いします
P(またなんか企んでるな……仕掛けてくるって何をだよ…)
P(まぁ……ちひろさんには恩があるから断れないんだけどさ…)
ごめん飯
―――――居酒屋――――――
打上げ中
楓「社長、プロデューサー、ご一緒してもよろしいですか?」
社長「おぉ楓君か、もちろんだよ。しかし今日はウチの事務所のほとんど全員がいるから賑やかで大変結構だね」
P「そうですね、こんなに揃うのはあんまりないんじゃないですか?ウチの事務所は本当にいろんな年齢の人が
いますから遠巻きに盛り上がってるのを見てるだけでも楽しめますよね」
楓「……ふふっ」
社長「さて…私も他のグループの輪に入っていくとするかね、君、楓くんを頼むよ」
P「分かりました」
スタスタスタ
――――――――――――――――――
楓「ふふっ二人になっちゃいましたね」
P「そうですね、楓さんあんまり飲みすぎちゃダメですよ。明日も仕事あるんですから」
楓「分かってますよー」ムー
楓「……プロデューサー、どうして私の所に来てくれなかったんですか?」シュン
楓「そんなに色んな年齢の女の子を眺めるのに忙しかったんですか?」
P(……あちゃー楓さん既に結構酔ってるなー)
P「何言ってるんですか、楓さんずっとアイドル達と楽しそうにお喋りしてたじゃないですか」
P「そんな中誘えませんよ、無理くり二人で飲んでる状況を作るのも不自然ですし」
楓「つまり、誘いたかったけど誘えなかったってことですか?」
P「……まぁそういうことです。」
楓「ふふっ……だったら許してあげます」
楓「お酒、おいしいですね。プロデューサーももっと呑みましょう」トクトク
P「ちょ、ちょっとそんなにはいいですって、っというか楓さんはもうほどほどにして下さい」
P「もう大分飲んでるでしょう?」
楓「倒れてもプロデューサーに介抱してもらうから大丈夫、ですよね?」ニコ
P「倒れたらしますけど倒れたらダメです」
楓「連れないですね、ふふっ」
――――――――――――――――
凛「社長がいなくなった、ちひろさん私そろそろ行きます」
ちひろ「え?……!凛ちゃん今は不味いですって」
ちひろ(よりにもよって楓さんと二人で仲良く呑んでる時に行こうとするなんてっ)
凛「でもいつ社長が○○プロデューサーの所に戻るか分かんないし……
もうすぐ打ち上げも終わっちゃいますよ……」
ちひろ(それは確かに……う~ん楓さんとプロデューサーが付き合ってることは言えないしなぁ)
ちひろ(……ごめんなさい、○○プロデューサー)
ちひろ「そうですね、頑張って!凛ちゃんっ」
凛「はい」
スタスタ
凛P「ちひろさん、凛何しに行ったんですか?」
ちひろ「何か○○プロデューサーにお願いがあるそうですよ」
凛P「凛が○○先輩に……?」
ちひろ「何お願いするか気になりますよね、ちょっと聞き耳立てましょうか」ニヤ
凛P「………」
―――――――――――――――――――――
凛「○○プロデューサー、楓さんお疲れさまです」ペコ
P「お疲れ様、昨日の凛ちゃんはすごかったって事務所のライブ行った人が口々に言ってたよ」
凛「本当ですか、嬉しいですっ」
楓「生中一丁乾杯♪(お疲れ様です♪)」
凛「楓さんそれ気に入っちゃったんですか?蘭子に怒られますよ」クス
楓「ふふっ」
凛「実は○○プロデューサーに、楓さんにも聞いてほしいんですけどお願いがありまして……」
P(ちひろさんのメールはたぶんこれのことなんだろうな……)
楓(どうしたんだろう凛ちゃん…)
凛「私を今担当してもらっている××プロデューサーの担当アイドルが今度増える事になったんです」
凛「××さんって新人じゃないですか、私の事に加えて慣れない新しいアイドルの分の仕事がいきなり増えたら大変過ぎて回せないと思うんです。」
凛「だ、だから、××さんが新しいアイドルのことで落ち着くまでは○○プロデューサーに私の担当をお願いしたいんです……」チラッ
P(…実際はその気がないがそう言ったら××がどう反応するかが知りたいってことか)
P(大人びてる子だと思ったけどそういうところもあるんだな)
P(でも凛ちゃん反応が気になるからってそんなに××の方をちらちら見たら演技だってばれるぞ、もう楓さんも気付いてるだろうし)チラッ
楓(それは大変ですね…Pさん凛ちゃんをよろしくお願いします)コク
P(頷いた……やっぱ演技って分かるよなぁ…これ意味あんのかな…まぁいいや)
P「俺は別に構わないよ、楓さんの方はもう安定してるしね。時間がたっても××が無理そうっていうなら、
完全に俺が凛ちゃんの担当をさせてもらってもいいし。凛ちゃんは担当しがいがありそうだしね」
楓「!」
楓(えっ……)
凛「ありがとうございます。××プロデューサーとも相談してからまた伺います。
お邪魔してすいませんでした、失礼します」チラッ
スタスタスタ
――――――――――――――――――――
ちひろ(凛ちゃんが去っていった……トイレにでも行ったのかな…)
ちひろ(っというか凛ちゃんこっちチラチラ見すぎでしょ!反応窺ってるのバレバレですよっ)
ちひろ(プロデューサーも気付いただろうなぁ……作戦失敗かぁ)チラッ
凛P「………」ズーン
ちひろ(気付いてないのかよっ)
ちひろ(じゃあなんとか成功したのかな……)
ヴー ヴー
凛P(………メールだ)
差出人:渋谷凛
件名:
―――――――――――――
話があるから今すぐ居酒屋の
裏まで来て
―――――――――――――――――
P「大人びてるかと思いきや、凛ちゃんにもああいう子供っぽい面あるんですね。」
楓「………」
楓(いままで一度も私以外に正式に担当増やしたことなかったのに……)
P「……楓さん?」
楓「プロデューサー、明日の仕事のことで相談したいことがあるのを忘れてました」
楓「ちょっと事務所まで付いてきてもらっていいですか?」
P「……大丈夫ですけどここではダメなんですか?」
楓「ダメです。……お願いします」
P「分かりました」
P(なんかあったかなー)
――――――居酒屋裏―――――――
凛P「凛、話ってしばらく○○先輩に担当してもらうって話か……?」
凛P「実は先輩達と話してるの聞こえてたんだ……」
凛「うんその話、ど、どう思った?」
凛P「………」
凛P「………」
凛P「……ごめん、個人的には嫌だ」
凛「!」
凛「……なんで?」
凛P「確かに新人の俺には回らなくなるかもしれないし、凛が先輩に担当してもらうことは凛にとって
ものすごくプラスになると思う。」
凛P「それでも俺は他の誰かが一時期でも凛の担当になるのは嫌なんだ」
凛「……ふふっ……なんで?」
凛P「そ、それは……俺――――」
凛「―――ごめんそれはやっぱいいや、これ以上の欲しい言葉はまだもらえなさそうだし」クス
凛「プロデューサーがそう思う気持ちと、
朝私がプロデューサーに担当が増えるって言われた時思った気持ちは同じなんだよ?」
凛P「!」
凛P「………そうだよな、ごめん凛」
凛「もういいよ、許してあげる。でもプロデューサーは担当が増えるんだから、
これからずっとそういう気持ちを私に思わせ続けるってことを分かってほしいな」
凛「担当増やすのはこれで最後にしてね?」
凛P「あぁ、約束する」
凛「約束だよ?……じゃあ私もネタばらししちゃおうかな、
実はさっきの○○プロデューサーとの会話は全部演技だったんだよ?」
凛P「……えっ?」
――――――――――――――――
凛「――――っという訳でした。なんでそんなことしたんだとか聞いちゃう?」クス
凛P「……いや聞かないよ。全く……凛には敵わないな」
凛「ふふっ……ねぇ、もう打ち上げも終わるだろうし、このまま事務所まで歩こうよ」
凛「車で送ってくれるでしょ?」
凛P「おう」
―――――事務所―――――
ガチャ
P「なんかありましたっけ?楓さん」
楓「………」
ギュ
P「い、いきなりどうしたんですか?」
楓「さっきのどういうことですか?……説明して下さい」
P「さっきのって……凛ちゃんのことですか?」
楓「……はい」
P(あれ……気付いてたんじゃなかったのか)
P「……(凛ちゃんが××に)焼きもち焼かせたかったんですよ」
楓「……えっ」
楓「ど、どうしてそんなことっ」
P「そりゃ(凛ちゃんが××を)好きだからですよ」
P(恋愛感情であるかは分からないけど)
楓「………」カァ
P(……あれ?なんだこの状況)
P(そういえば楓さん凛ちゃんのが演技って気付いてなかったんだよな……)
P(………)
P(そういう事か)
P「どうでしたか?」
楓「そ、そんなのっ……焼くに決まってるじゃないですか…」ギュー
P「ありがとうございます。でも楓さん、いろいろ勘違いしてますよ」
楓「………?」
P「とりあえず離れます?」
楓「……ダメです、そのまま話してください」ギュ
―――――――――――――――――――――
P「―――っという訳です。俺、楓さんがあの場で気付いてると思ってました。」
P「楓さんは場の空気に敏い方だと勝手に思ってて、すいません」
楓「……場の空気に敏いなんてそんな訳ないですよ……」
楓「何度も私は自己紹介とか人に自分の考えを伝えるのが苦手って言ってるじゃないですか、
どうしてそうなっちゃったんだと思います?」
楓「人が何を考えてるのかよく分からないからですよ、人にどう思われてるのか分からないのに
積極的に自分の事を伝えるのなんて無理ですよ………」
P(なるほど、楓さんが時々する空気を読んでるんだか読んでないんだか分からない子供っぽい行動は
場の状況が分からないから手探りでやってることなのかもしれないな)
P「……可愛いなぁ楓さんは」ナデナデ
楓「なっ…いきなりなんですかっ…馬鹿にしてるんですかっ」
P「違いますよ、そういう不器用な部分も可愛いなと思っただけです」ナデナデ
楓「……もっとして下さい」
P「はいはい」ナデナデ
楓「……もうっ」
楓「……今回はプロデューサーが悪いですよ?温泉に連れてってくれないと許しませんっ」
P「だから厳しいですって……温泉以外になんかないんですか?」
楓「………」
楓「……じゃあ作文を書いてきてください」
P「作文?」
楓「私と出会ってからの自伝小説みたいな感じでお願いします。出来事ごとにプロデューサーが何を
考えてたか知りたいので」
P「なんですかそれ……恥ずかしすぎますよ」
楓「ふふっ……あの時の楓は最高に可愛かった……
この時から俺は楓の事が好きだったんだ……こんな感じで」
P「いやいや嫌ですよ絶対……っというかなんで俺心の中では楓さん呼び捨てにしてる事になってるんですか」
楓「してないんですか?プロデューサー紳士の皮を被った狼だから絶対してると思ったんですけど」
P「してないですよっ」
楓「大体プロデューサーには私の気持ちを知りながら私のアプローチをスルーしてた
期間があるんだから、その時何考えてたのか知る権利が私にはあります」
P「まぁそれは……」
楓「それに今回のようなことが起こらない為にも、喋らなくても考えてることが
分かるぐらいまでいかなきゃだめですよ。教材として必要です。だって……」
P「だって?」
楓「だ、だって…い、いずれ……夫婦になるんですから……」カァ
P「な、なんなですかもう。不意打ちはやめて下さい」
楓「し、知りませんよ…、とにかく温泉か作文のどっちかですからねっ」ギュー
P「……考えときます…」ギュ
――――――事務所―――――――
ガチャ
凛「あれ、楓さんに○○さんなんで事務所にいるんですか?」
P「ちょっと明日の仕事のことでね、もう帰るつもりだったんだ」
凛(こんな時でも仕事かぁ……やっぱりこの二人はすごいなぁ……)
凛「………」
凛「楓さん、この後時間あります?ちょっと相談したい事が」
楓「大丈夫ですよ、とくととーくしましょう……ふふっ」
凛「プロデューサーそういう訳だから、今日送ってもらわなくていいや」
凛P「分かった、気を付けて帰れよ」
凛P「先輩、俺も付き合ってもらっていいですか?どこかで呑み直しません?」
P「そうだね、まだそんなに遅くないし。行こうか」
凛P「はい」
――――――事務所――――――――
楓「ふふっ、仲直りできたみたいでよかったです」
凛「あ、はいお陰様で。変な事に巻き込んでごめんなさい」
凛「事務所まで歩いてくる途中、ちひろさんから電話があって分かったんですけど
私すごい猿芝居だったんですよね。楓さんにはバレバレだったでしょう?」
楓「………」
楓「も、もちろん気付いてましたよ」
凛「やっぱりそうですよね~はぁ、私やっぱりまだまだだな~」
凛「それでですね、相談というか質問なんですけど」
凛「れ、恋愛とかってどうやって我慢してるんですか?」
楓「……えっ?」
凛「楓さん今も打ち上げ終わった直後だっていうのに仕事してたし
仕事(とお酒)のことだけに集中できてて本当にすごいと思うんです」
凛「禁止だっていうのは分かるんですけど、でもそういう気持ちって
自分で制御できないじゃないですか……」
凛「そこら辺どうしてるか教えてもらってもいいですか?」
楓(……どうしよう)
――――――居酒屋―――――――
凛P「今日は迷惑かけてすいませんでした」ペコ
P「いいって全然、俺は芝居しただけだし。それより凛ちゃんってあれで意外と感情的なんだね」
P「あてつけであんなことするなんて、驚いたよ。ちひろさんに唆されただけかもしれないけど」
凛P「そこらへんの本当の事は分からないですけど、結構負けず嫌いな所はありますね」
凛P「それを表にだそうとはしませんけど」
P「まぁ誰でも多少はそれがないとアイドルなんてできないってことかもね。それでホントに担当増やすの?」
P「俺が社長に頼んでその新しい子に他の人が付いてもらうようにしようか?」
凛P「……やっぱり増やさない方がいいと思いますかね?」
P「××なら二人担当することもできるとは思うけど、俺は凛ちゃんに専念した方がいいと思うよ」
P「あの子はいずれ上に行くだろうし、そうなればどの道一人につき一人付くって体制になるしね」
P「なんせ最初あった時のセリフがアレなんでしょ?絶対大物になるって」ニヤ
凛P「アンタが私のプロデューサー?ってやつですか……あの時は正直びっくりしましたよ」
凛P「でも今思い返してみると、舐められたらダメだって思ったんでしょうね」
凛P「凛は別に馬鹿じゃないから、ああいう言い方は良くないって分かってたはずなんですけど
それでもああいう風に言ったってことは、そういう事なんだと思います」
P「なるほどね。なんにせよあの子をプロデュースできるってことは幸せなことだと思うよ。
だから今回のようなことはあんま起こすなよ」
凛P「肝に銘じます。それと先輩の言うとおりプロデュースは凛に専念しようと思います」
凛P「社長に話す件お願いしていいですか?」
P「了解、あとちひろさんにもお礼言っといたほうがいいよ、あの人は敵に回さない方がいい」
凛P「ちひろさん?……分かりました」
凛P(そういえば……今回先輩に演技を頼んでくれたのがちひろさんだったよな)
凛P(ちひろさんなんで先輩に頼んだんだろ……?)
―――――――事務所―――――――
凛「えぇー!?○○さんと楓さんって付き合ってたんですかっ」
楓「ぜ、絶対誰にも言ったらダメですよ?……絶対ですよ?」
凛「言いませんけど……びっくりしました…」
楓「本気で隠してますから、びっくりされて当然です……」
楓「絶対誰にもダメですよ?……」
凛「絶対言いませんから安心して下さい」クス
凛(こんなに念を押すってことはホントにバレたら困ることなんだよね……)
凛(当たり前か……事が事だもんね…)
凛(でもそういう手段があるってことか…ふふっやっぱり楓さんに相談してよかったな)
―――楓さんが引退して数か月後―――
凛Pの車の中
凛P「凛、今日監督がお前の事褒めてくれてたぞ
あの監督が褒めるなんて滅多にないらしいから、大分気に入られたな。
女優としても成功できそうだ」
凛「ホント?うれしいな」
凛P「……しっかし凛も綺麗になったよな~」
凛「……いきなり何?」クス
凛P「いやアイドル始めたころはまだ女の子で可愛らしいって感じだったけど
今はもう立派な女性で綺麗って感じだからさ……」
凛「……もう私は可愛くはないってこと?」
凛P「そういう訳じゃないよ、可愛いって部分ももちろんいっぱいある。
ただ昔はなかった大人の色香みたいなのが最近すごいからさ」
凛「だったらそう言ってよ、私はプロデューサーに綺麗とも言われたいけどさ、
やっぱり可愛いって言ってもらうのが嬉しいんだから」
凛P「……分かったよ、ごめんな」
凛P(全く……最近こういうド直球ばっか投げてくるからなコイツ)
キー
凛P「凛、着いたぞ」
凛「………」
ギュ
凛P「!だ、ダメだって凛、撮られたらどうするんだっ」
凛「すぐ離れるから大丈夫、それより耳貸して」ギュ
凛P「!?」
凛「今日もメールしてね……待ってるから……」ボソ
バッ
凛「じゃあね~」
バタン
凛P「………」
凛P「はぁ……ホントに大物になりやがって……」
――――Pの家――――
コンコン
P「楓さん着れましたか?」
楓「……はい」
P「入りますよ」
ガチャ
P「!」
楓「ど、どうですか?……やっぱり似合いませんよね?」
P「こ、これは……」
P(セーラー服姿の楓さんがベッドの上に体育座りで不安げにこっちを見ている……)
P(なんなんだこの犯罪臭は……セーラー服似合いすぎだろ楓さんいくつだと思ってるんだよ)
P(このあとどうにか説得して写真を撮る予定だったが、こんな写真持ってるのがバレたら捕まるぞ…)
P(そもそもこの姿の楓さんと俺が町を歩いただけで職質されそう……)
P(職質……取り調べ……逮捕……)
制止「やめたれ」
放棄「わっかんねー」
同意「間違いないっすね」「ことととしだいによっては」
疑問「いやさすがに?」
否定「いや、それはないでしょ」
持ち上げ「やっぱり ”◯◯” なんだよなぁ~」「◯◯を信じろ」「◯◯サイキョ」
確定「確定」
敵対「なんだ敵か?」←「まあシカト安定だなw」
確認「◯◯が××って、マジ?」←「マジだよ」
天才「知識とかをよく吸収するのをスポンジと表現する事があるが
こりゃスポンジどころかポリウレタンだな」
奉昌「ハッハッハッwww俺要るぅ~~??↑↑www」
寛容「一回だけだぞぉ~?」
懇願「ワンモア!」
捜索「○○おらず??」「○○あらず??」
待望「○○の出番はまだかな?」
威嚇「口にするなよ・・・メッタなことは・・・」「もっかいいくか?」
抱負「僭った言い方かもしれんが俺たちががんばっていかないとな」
友情「協力する。だから頼ってくれ」
楓「何にも言ってくれないんですね……」シュン
楓「だから似合わないって言ったじゃないですかっ……」
P「似合ってますよ楓さん………似合いすぎてて不味いぐらいです」
楓「!」
楓「ほんとですかっ?」ピョン
楓「ふふっ、嬉しいです、似合ってないって言われたらどうしようかと思いました」クルリ
楓「Pさん、もっと近くで見てもいいんですよ?」
P「だ、ダメです楓さん!近づいたらダメですからねっ」
P「触っちゃったら俺捕まりますからっ」
楓「えっ?」
楓(こんなに動揺してるPさん初めて見た……捕まる訳ないのに)
楓(……ふふふっ)
誤爆してんじゃねぇよウメスレに帰れ
>>129
気づかなかった
ばいばい
楓「……そういえばPさん、私にセーラー服着せて何するつもりだったんですか?」
P「!」
楓「ふふっ……言わなくても分かりますよ、
私はもうPさんの顔を見ただけで何を考えてるかが分かりますから」ジリジリ
P「ち、近づいたらダメですってっ!」
バッ
ギュ
楓「つかまえました♪」ギュー
楓「ふふっ、これでPさん捕まっちゃいますね」
P(……終わった)
終わり
生中一丁乾杯!
楓さんだってあんさんぶるとかで凛とか蘭子とかとの絡みあるんやで(震え声)
凛好きな人物足りなかったらごめん
見てくれてありがとう。セーラー服姿の楓さんとデートしたい
最後の文字が見えない
続きあらず??
このSSまとめへのコメント
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