アスカ「…いつまでそうしてるつもり?」(211)

アスカ「手をひかなきゃまともに歩けないの?」

シンジ「…………」

アスカ「………チッ、うじうじうじうじウザったいのよ、リリンが来れるポイントまでかなりあるってのにそんなんじゃいつまで経っても先に進めないっつの」

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「……一人で喋ってたらバカみたいじゃないの、なんか言いなさいよ」

シンジ「…………」

レイ「……なにも話す事無いもの」

アスカ「アンタに言った訳じゃない、こっちのバカに言ったのよ」

レイ「そう」

アスカ「……フン」

シンジ「…………」

………


アスカ「……はぁ、今日の移動はここまでね」

シンジ「………」ギュッ

アスカ「…いつまでも握ってんじゃないわよ、さっさと休んで明日の移動に備えなさい」バッ

シンジ「…………」

レイ「………」ゴソゴソ

アスカ「……まったく」ゴソゴソ

シンジ「…………」

レイ「………」モグモグ

アスカ「はぁ、こんなしけたレーションしか無いのはやっぱり不満だわ…せめて缶詰めくらいあれば良いのに」

シンジ「…………」

アスカ「……いつまで突っ立てんのよ? アンタのバッグにも食糧入ってるでしょ、さっさと食べろ」

シンジ「…………」

アスカ「………チッ…世話の焼ける…!!」スクッ

シンジ「…………」

アスカ「シンジ、アンタそうやってれば誰か助けてくれるって思ってんの?」

シンジ「…………」

アスカ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「……死にたいなら死ねば? 辛いんでしょ、生きるのが」

シンジ「…………ッ………」

アスカ「………そのバッグにサバイバルナイフくらいなら入ってるわよ、さあ…どうなのよ糞餓鬼」

レイ「ダメ」

アスカ「…アンタは黙ってろ!!」

レイ「碇君は必要な人、死んだらダメ」

アスカ「フン……ネルフとしてはそうでしょうねお人形さん?」

レイ「…………」

アスカ「………チッ……反論くらいしろっつの」

シンジ「…………」

アスカ「……もう良い、勝手にしろバカシンジ」

…………

シンジ「…………」

アスカ「…起きろ、いつまで寝てんのよ」

シンジ「………ぅ……」

アスカ「………」ドカッ

シンジ「……ぐ…っ…」

アスカ「………先に行くわよ、はぐれたくなかったら急いでついて来なさい」スタスタ

レイ「………」

シンジ「…………っ…」

レイ「行かないの?」

シンジ「…………」

レイ「…………」

シンジ「…………」

レイ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「……っ…!!」スタスタ

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「…ホンットになんだってのよ糞餓鬼!! いちいち引っ張ってかないと歩けもしないの!?」グイッ

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「アンタも!! こいつに死なれたくないならちゃんと付いてくるようにするくらいしなさいよ!!」

レイ「命令なら、そうする」

アスカ「……ええそうよ、命令!! 次このバカがくずったら殴り倒してでも歩かせなさい!!」

レイ「………わかった」コクリ
シンジ「…………」

ミス

くずったら×

グズったら

………

アスカ「………くそ、思ったより距離がある……このペースじゃ後数日かかるかも」

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「……仕方ない、今日はここまで」

レイ「………」ゴソゴソ

シンジ「…………」

アスカ「シンジ、今日はちゃんと食べなさい…ペースが遅いのはアンタがのろのろ歩いてるからなんだから体力つけろ、良いわね?」

シンジ「…………」

アスカ「………ああくそっ!! いちいちあたしがやってやんなきゃならないのアンタ!? もう良いからバッグよこしなさい!!」グイッ

シンジ「…………」

アスカ「クソ…クソっ!! イライラするわねホントに!!」ゴソゴソ

レイ「………」モグモグ

アスカ「ほら、食べなさい」

シンジ「…………」

アスカ「……食べろっつってんのよ!!」グイッ!!

シンジ「…ぐっ…うぇ……!!」

アスカ「吐こうとすんな…無理矢理にでも食べなさい、良いわね?」

シンジ「…ぐ…ぅ……!!」

レイ「………」

シンジ「…う……ぐ…っ……」ゴクリ

アスカ「そうよ、その調子で食べなさいよ? 見捨てられたくなかったらね」

シンジ「…………っ……」
レイ「………」

………

アスカ「…さて、そろそろ出発するわよ」

レイ「………」コクリ

シンジ「…………」モゾッ

アスカ「…………そうやっていつまでもうじうじしてなさい、いい加減にしろ餓鬼」スタスタ

レイ「……碇君」

シンジ「…………」

レイ「…出発」

シンジ「…………」

レイ「………起きて」スッ

シンジ「…触るなよッ!!」バシッ!!

レイ「…っ!」

シンジ「………綾波じゃない癖に………綾波じゃない癖に…!!」

レイ「…………綾波じゃない……?」

シンジ「………くそ………くそ………!!」

レイ「…私は………綾波レイじゃない?」

シンジ「…………う……うぅ……」

レイ「碇君…?」

シンジ「……もう…いいよ……放っておいてよ…!!」
レイ「でも」

シンジ「うるさい!!!!もういいって言ってるだろ!?」

レイ「…………」

アスカ「言いたい事はそれだけ? ガキシンジ」

シンジ「…………」

アスカ「辛いなら死ねば? どうせ誰に優しくされても信じられないんでしょアンタ」

シンジ「………」

アスカ「アンタみたいな甘ったれが生きていけるほど今の世界は優しくないの、誰かさんのせいでね」

シンジ「…………」

アスカ「……分かったのなら立ちなさい、そして歩け、まだ死にたくないなら前を見ろ」

シンジ「………う……うぅ……綾波……」ポロポロ

レイ「………」

アスカ「……そうやって居もしない奴にすがったって辛いだけだってなんでわからないの? だから餓鬼なのよ、バカシンジ」

シンジ「……アスカには……わからない癖に……」

アスカ「………わかんないわよ、アンタなんて所詮は他人だもん」

シンジ「………う……っ……」

アスカ「人に優しくされたいなら、自分からも何かしなきゃダメ、わかる?」

シンジ「……カヲル君は……優しくしてくれた……!!」

アスカ「そう………で? そいつは今居るの?ここに」

シンジ「っ!!」

アスカ「下らない事で移動の時間削らないで、早く行くわよ」

シンジ「…………くそ………くそ…!!」

…………

アスカ「…………」

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「……食糧はこれで終わり、か…明日中に目標ポイントに着ければいいけど」

シンジ「…………」

レイ「………」

アスカ「…なんか言いなさいよ、辛気くさい」

レイ「…命令?」

アスカ「…違うわよ、あぁもうめんどくさい奴ね…」
レイ「そう」

アスカ「………はぁ、バカシンジ…アンタはなんかない訳?」

シンジ「…………」

アスカ「……チッ…いつまでうじうじしてんだかねー…ホンットイライラさせてくれるわアンタ」

シンジ「……うるさい…もういいよ…」

アスカ「……フン…なら、勝手に何処へなり行けば良いじゃない、今なら好きに何処へでも行けるわよ?」

シンジ「………っ……」

アスカ「……いくじなし」

シンジ「…………綾波…」

レイ「……………」

…………

アスカ「今日はちょっと迂回して進むわよ」

レイ「どうして?」

アスカ「食糧の調達よ、この辺りは以前大きな市街地だったみたいだし何かしらあるかもしれないから」

レイ「わかったわ」

アスカ「バカシンジ、アンタもそれで良いわよね?」

シンジ「…………」

アスカ「……フン、じゃあ出発するわよ」スタスタ

レイ「………」スタスタ

シンジ「…………」トボトボ
アスカ「………まぁ、付いてくるだけマシ…か」スタスタ
レイ「………」

シンジ「…………」トボトボ

………

アスカ「……はぁ、久しぶりに食べると缶詰めでも美味しく感じるわね…ちょっと食べられるか不安だったけど」

レイ「………」

シンジ「…………」

アスカ「……ねぇ、アンタさ…これからどうするつもり?」

レイ「私?」

アスカ「そーよ、こっちに聞いても今は何も言えないだろうし」

シンジ「…………」

レイ「……そう」

アスカ「…アンタはさ、どうしたいの?」

レイ「…………わからない」

アスカ「じゃあ、どうして付いてきたの?」

レイ「…碇君が、居るから」

アスカ「…そう」

レイ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「…で、アンタはいつまでうじうじしてんの?」

シンジ「………放っといてよ………良いだろ別に……」

アスカ「良くないから言ってんのよ、バカねホント」
レイ「………」

シンジ「………綾波に……会いたい………」

レイ「…………」

アスカ「………情けない奴」

シンジ「…うるさいって言ってるだろ!? 僕が誰に会いたがったって勝手じゃないか!! 綾波に会いたいって思うのがそんなにダメな事だっていうのかよ!!」

アスカ「ならさ、エコヒイキに会ってどうしたいのアンタ?」

シンジ「…っ…そんなの…どうだって良いだろ……!!」

アスカ「どうせ慰めて貰いたいだけの癖に、それだけの為に会いたいとかぬかしてるだけなのまるわかりよ?」

シンジ「…っ…!! 違う…違う違う違う違う違う違う!!!!そんな事考えてなんか無いよ!!!!!」

アスカ「どうだかね、無条件で優しくしてくれる奴にもう心当たりが無いのは確かなんじゃないの? ミサトも怖い、友達ももう居ない、カヲルって奴ももう居ない、あたしは優しくしてくれない、
だから居ない奴にすがる、ホント情けないわね」

シンジ「うるさい…うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!! だったら優しくしてよ、だったらもう嫌な事言わないでよ!!」

アスカ「…………」

シンジ「……もう…嫌だ………綾波…」

アスカ「………嫌なら、自分でなんとかしろ」

シンジ「…出来…ないよ…!! 僕が何かしたって…良い事なんか何も無いよ…!!」

アスカ「…なら、どうするのよ?」

シンジ「知らないよ…どうすれば良いのか教えてよ……!!」

アスカ「あたしはもう散々言ってるわよ、アンタがそれを拒絶してるだけ」

シンジ「出来ない事言われたってどうしよも無い…!!」

アスカ「……出来ないじゃなくてやらないだけでしょ…糞餓鬼」

レイ「………碇君は、優しくされたい?」

シンジ「…………」

レイ「優しくするって、どうすれば良いの?」

シンジ「…………」

アスカ「……優しくされたがってるのに、それを拒んでたら世話ないわね」

シンジ「……だって…綾波じゃないんだ……」

レイ「……そう」

アスカ「確かにエコヒイキじゃないわよ、でも…アンタの事考えてる奴なのは確かよ」

シンジ「………っ……」

アスカ「アンタはなんにも変わんないわねホント、嫌な事から逃げてばっかりで、逃げられなきゃそうやってうじうじうじうじ…それで何か上手く行った事なんてない癖に」

シンジ「…………」

アスカ「このままで良い訳? 誰からも必要とされないまま蹲ってて、それでアンタは満足?」

シンジ「………逃げなくても辛いなら…逃げたって良いじゃないか…!!」

アスカ「…話を反らすな、誰にも相手にされなくなって、それで良いの?」

シンジ「逃げなかったからこうなったんだよ…!! 綾波も助けてなかった!! 僕のせいで世界がめちゃくちゃになった…!! カヲル君も…!! 僕がエヴァにのったから……!!」

アスカ「…………」

シンジ「……僕が何かすればみんなが迷惑なんだ…だったら何もしないほうが良い…!!」

アスカ「………そっか」

レイ「………」

アスカ「…じゃあ、もう良いわよ、勝手にしなさい」
シンジ「………っ…!!」

アスカ「…悪いけど、何もしない奴に優しく出来るほど余裕がある奴なんてもう何処にも居ないから」

シンジ「…………う…ぅ…!!」

レイ「…碇君」

アスカ「止めなさい、どうせアンタじゃ拒絶されるだけよ」

レイ「…………」

アスカ「………フン」

………深夜

シンジ「…………」ムクッ

アスカ「…………」

レイ「………スー…スー…」

シンジ「…………」ノソッ…

アスカ「…………」

レイ「……スー…スー…」

シンジ「…………」ヨロヨロ

シンジ「………何処、行こう…かな…」トボトボ

アスカ「………」パチッ

レイ「…………」

アスカ「………どうせ何処にも行けない癖に、バカシンジ」ムクッ

………

アスカ「………」イライラ

レイ「………? 碇君?」キョロキョロ

アスカ「…あのバカならどっか行ったわよ」

レイ「どうして?」

アスカ「あたし達と居るのが辛いから、じゃないの?」

レイ「…………」

アスカ「……なによ、何か文句ある訳?」

レイ「…………」スタスタ

アスカ「…フン、探さなくてもどうせ戻ってくるしか無いわよ、あのバカは」スタスタ

…………

シンジ「…………」

シンジ「…………」

シンジ「……………」

シンジ「…………何も無い」

シンジ「………誰も…居ない………」

シンジ「…………」

シンジ「…………」

シンジ「……どう…すれば良いのさ…」

シンジ「…教えてよ」

シンジ「…………誰か……」

…………

シンジ「…………」

アスカ「…居た、以外に遠くまで来てんじゃないの」
レイ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「…さあ、余計な時間潰したわ、早く行きましょ」スタスタ

シンジ「…………」

レイ「…碇君、行くって」

シンジ「………」

シンジ「…………」

レイ「……碇君」

シンジ「…………」

アスカ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「あたしに何して欲しいのよ? 構って欲しいの? それともホントに置いてって欲しいの?」

シンジ「…………」

アスカ「…チッ……黙ってりゃ良いってもんじゃないっつの」

レイ「………」

アスカ「言いたい事があるならはっきり言いなさい」

シンジ「………っ…」

レイ「………」

アスカ「………何?」

シンジ「………アスカも…ミサトさんと同じ事言うんだね…」

アスカ「…誰だって言うわよ、今のアンタ見たらね」
シンジ「…………どうせ、アスカも僕の事必要無い癖に…」

アスカ「………」

アスカ「…だったら、どうなのよ?」

シンジ「…………」

アスカ「………答えなさいよ」

シンジ「………」

アスカ「…………アンタが要らないなら、とっくに置き去りにしてる…ううん…その前に殺してる」

シンジ「…………どうせ、嘘の癖に」

アスカ「…………」

レイ「…………」

アスカ「……信じられないか、当たり前ね」

シンジ「…………」

アスカ「…信じないのも信じるのも勝手だけど、今は歩いてくれない? いい加減うんざりだわ」

シンジ「…………」

レイ「碇君、行きましょう?」

シンジ「………」

………

アスカ「…………」スタスタ

レイ「………」スタスタ

シンジ「………」トボトボ

アスカ「…………」スタスタ

レイ「…………」スタスタ

シンジ「………」

アスカ「…………はぁ……ほら、早く歩く!!」ギュッ

シンジ「………」トボトボ

レイ「…………」

………

アスカ「………缶詰めもラストか、明日には行けるかしら…うーん」

レイ「………」モグモグ

シンジ「………」

アスカ「……食べなさいよ、倒れても担いであげたりしないからね?」

シンジ「…………」

レイ「…………」

アスカ「………チッ…なんであたしがこんな事まで!!」カパッ

シンジ「…………」

アスカ「ほら…もったいないでしょ? 今の世の中缶詰めだってけっこう貴重なんだから食べなさいよ」

シンジ「…………」

シンジ「………アスカは…どうして僕なんかに構うんだよ…」

アスカ「久しぶりに口聞いたと思ったらまたそれ? もう言ったじゃない」

シンジ「……どうせ、ミサトさん達の何処へ行ったって…僕に居場所なんか無いのに…」

レイ「………」

アスカ「…そうね、厳重に監禁して何もさせないでしょうね」

シンジ「……行く意味なんか…ないのに……」

アスカ「……あるわよ」

シンジ「………嘘だ」

アスカ「………否定しか出来ないのも無理ないかもしれないけどさ、あるのよ」

シンジ「……どうせ、父さんみたいに僕を利用するだけなんだ」

アスカ「…それは否定しない、ミサト達にも何かあるかもしれないのは事実だし」

シンジ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「裏切られるのが怖い?」

シンジ「…………」

アスカ「…なら、まずはアンタが裏切るのを止めなさいよ、自分の事を」

シンジ「………」

アスカ「…そしたら、あたしはアンタを裏切ったりなんかしないから」

シンジ「………………………」

………

アスカ「………見えた!! ようやく着いたわね」

シンジ「………」

レイ「………」

アスカ「さて、と…シンジ」

シンジ「………」

アスカ「あの時言った事、覚えてる?」

シンジ「…………」

アスカ「………まあ良いわ、改めて言うから」

アスカ「あたしの事、助けてよバカシンジ」


アスカ「…そうしたら、アンタの事も助けてあげる…分かった?」

シンジ「…………」

アスカ「………フン、そういう事だから、行くわよ…ミサト達も待ちくたびれてるはずよ」

シンジ「…………うん」

批判大いに結構、叩かれるのは覚悟の上

ちょっと真面目なのたまには書こうかなって思っただけのにわかですもの(`・ω・´)


じゃーな

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