501基地 通路
エーリカ「ごっはん~。ごっはん~」
バルクホルン「ハルトマン、少しいいか?」
エーリカ「どうかした?早く行かないと宮藤の料理冷めちゃうよ」
バルクホルン「このボックスはなんだ?昨日まではなかったはずだが……」
エーリカ「トゥルーデ、知らないの?遅れてるなぁ」
バルクホルン「いいから教えろ」
エーリカ「そこに書いてるじゃん。ウィッチフレンド(仮)って」
バルクホルン「それは分かる。使い道を聞いている」
エーリカ「これは、ここに硬貨を入れて……それで、ここをガチャガチャ回すと……」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255550.jpg
エーリカ「ほら、世界中にいるウィッチのイラストが出てくるんだ。お、これ割りとレアじゃん。ラッキーっ」
バルクホルン「……それだけか。下らん。軍人に必要なものではないな」
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エーリカ「ま、トゥルーデならそういうよね。さ、ごはんだ、ごはん~」
バルクホルン「……しかし、解せないな」
エーリカ「何が?」
バルクホルン「ウィッチフレンド(仮)という名称だ。意味がわからない」
エーリカ「ああ。そういうこと。これには……流石に書いてないか。トリオカードだもんね」
バルクホルン「なにかあるのか?」
エーリカ「たまーにだけど、イラストに描かれたウィッチとプライベート交信が出来る暗号が書いてたりするんだよね」
バルクホルン「なに?」
エーリカ「私もソレ専用の通信機、持ってたりして。トゥルーデも欲しかったらミーナに言うといいよ。取り寄せてくれるからさ」
エーリカ「まぁ、持つとなるとこれからはトゥルーデのイラストにも暗号が記載されることになるけどね」
バルクホルン「ハルトマン、何をしているんだ」
エーリカ「えー?これ結構面白いんだよー?知らないウィッチからいきなり連絡くるから」
バルクホルン「実際に来たのか?」
エーリカ「モチロン。友達にもなったし」
バルクホルン「……それでウィッチフレンド(仮)か」
エーリカ「そーそー。面白いだろー?」
バルクホルン「しかし、ウィッチ以外が購入する可能性もあるだろう?」
エーリカ「してもいいけど、交信はできないよ。これはウィッチ専用の暗号だからね」
バルクホルン「そうか……。なら、宮藤たちが通信機を持っていたとしても不貞の輩と会話することはないということだな」
エーリカ「そうだね」
バルクホルン「……」
エーリカ「気になるならやってみれば?」
バルクホルン「いや。軍人には不要なものだ。こんなものに金を使うわけにはいかない」
エーリカ「そう?」
バルクホルン「全く。こんなものに熱を入れる奴がこの隊に居ないことを願うばかりだ」
芳佳「あ、バルクホルンさん、ハルトマンさん」
エーリカ「どうかした?」
芳佳「え、と……食事の準備が、できましたよ?」
バルクホルン「すまない。今すぐ行く」
芳佳「……」ソワソワ
バルクホルン「何をしている、宮藤?」
芳佳「あ、その……えっと……」
エーリカ「ふふーん。みやふじぃ?」
芳佳「は、はい」
エーリカ「誰狙い?」
芳佳「あ、の……リーネちゃんとシャーリーさん……えへへ……」
エーリカ「あー。結構お目が高いねー。でも、中々でないよねー」
芳佳「そうなんです。どうしてなんですか?」
エーリカ「501と504はレア扱いだからねー。これとかさっき出たときは少しびっくりしたぐらいだ」
芳佳「わぁ!!トリオカード!!いいなぁ!!ハルトマンさん、いいなー!!」
エーリカ「ふふーん。宮藤も描かれてるよねー」
芳佳「それ珍しいんですよね。私も一枚しか持ってないんです」
バルクホルン「おい。何をしているんだ。食事の時間だろう」
芳佳「あ、すいません!!あの、一回だけ、いいですか?」
バルクホルン「あのな……」
エーリカ「いいじゃない、一回だけって言ってるしさ」
芳佳「お、お願いします……」
バルクホルン「早く済ませろ」
芳佳「ありがとうございます!!」
エーリカ「宮藤、念じろ。そしたら、出るっ!!」
芳佳「はい!!行きます!!」チャリン
バルクホルン(まさか宮藤が……。精神的にも未熟だから致し方ない面もあるにせよ、こういうことは自重してもらわなければな)
芳佳「……」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255554.jpg
芳佳「でました!!こ、これ……レアバルクホルンさんです!!」
バルクホルン「誰が描いたんだ、それは。いいか。肖像権というものがあってだな……」
エーリカ「おぉ!!宮藤!!それ、交換して!!交換!!このトリオと交換!!」
芳佳「いいですよー」
エーリカ「やったね!!今日はツイてるぅー!!」
芳佳「わーい。リーネちゃんとルッキーニちゃん、かわいー」
エーリカ「得したね。サンキュ、宮藤」
芳佳「いえいえ。こちらこそ、こんな貴重なものを」
エーリカ「レア度でいえばトゥルーデのほうだと思うけど?」
芳佳「でも、バルクホルンさんのイラストカードはもうコンプしてますから」
エーリカ「コンプって1枚ずつ持ってるだけだろ?そんなの甘いね」
芳佳「そうなんですか!?」
エーリカ「私みたいにトゥルーデコレクターになると全種10枚ずつぐらいもってるよ」
芳佳「そうなんですか!?」
バルクホルン「おい」
エーリカ「なに?」
バルクホルン「いい加減にしろ。遊ぶのは食事と訓練が終わってからだ」
芳佳「は、はい。すいません」
食堂
ルッキーニ「はむっ!!はむはむ……!!」
シャーリー「ほら、ルッキーニ。口元汚れてるぞ。拭いてやるからじっとしてろ」
ルッキーニ「にひぃ。ありがと、シャーリー」
バルクホルン「シャーリー。少しいいか?」
シャーリー「どうしたんだよ?」
バルクホルン「ウィッチフレンド(仮)というのは知っているか?」
シャーリー「当然。そういえば、今朝筐体の数を増やしたって言ってたっけ」
ルッキーニ「あったあったー。向こうの廊下に置いてたー」
シャーリー「そっか。これからは購入も楽になるな」
バルクホルン「前から基地内にあったのか?」
シャーリー「あったに決まってるだろ。あれ、今めちゃくちゃ流行ってんだから。知らなかったのか?」
ルッキーニ「大尉、おっくれってりゅー」
バルクホルン「軍人にはいらないものだ。知っていたからとなんの得がある」
シャーリー「はいはい。で、今更ながら気になってるのか?」
バルクホルン「そういうわけではない!!」
シャーリー「なら、なんだよ」
バルクホルン「関係のないものに金を使うのはいかがなものかと思っただけだ」
シャーリー「あんなの硬貨一枚でいいんだし、気にするようなことでもないだろ」
バルクホルン「あのような紙に硬貨一枚では割りに合わないとは感じないのか」
シャーリー「ああ、確かに大半はハズレカード、ハズレイラストだ。でも、最近のは凝ってるんだよ」
バルクホルン「背景の書き込みが丁寧だとかその程度ではないのか」
シャーリー「まぁまぁ。あたしはもってないけど、この前リーネが凄いの引いたんだよ。えーと……おーい、リーネ!!」
リーネ「は、はい。なんですか?」
シャーリー「あの幻のレアカードをバルクホルンに見せてやってくれ」
リーネ「あ、あれですか」
ルッキーニ「あたしももう一回みたいぃ」
リーネ「……これです」
スッ<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255566.gif
バルクホルン「これは……!?う、動いている……!?しかも……この描かれている下半身は……宮藤……!!」
ルッキーニ「いつみてもしゅごーい」
シャーリー「これ世界に一枚しかないよな、今のところ」
リーネ「私の宝物です」
シャーリー「ああ。したほうがいい」
バルクホルン「――宮藤!!!」
芳佳「は、はい!!なんですか!?」
バルクホルン「いいのか!?こんなものを描かれて!!!」
芳佳「あの、ちょっと恥ずかしいですけど、絵ですから……」
バルクホルン「だが……!!!」
シャーリー「ウィッチがこうした商売に使われるのは今に始まったことじゃないだろ?」
バルクホルン「これは度を越えている!!」
シャーリー「本人が許諾してるんだから、とやかくいう必要はないと思うけどな」
バルクホルン「……」
芳佳「リーネちゃん、そのカードいつも持ち歩いてるんだ」
リーネ「うん。ちょっと失敗して落ち込んだときにこれを1時間ぐらい眺めるの。そしたら元気になってくるから」
ミーティングルーム
バルクホルン「ミーナ!!!」バンッ!!
ミーナ「どうしたの?」
美緒「ハルトマンがまた何か仕出かしたか?」
バルクホルン「ウィッチフレンド(仮)について何故、私に一言もないんだ!!!」
ミーナ「何故と言われても、それは作戦行動等においてはなんら関係がないからで」
美緒「それにこれだけ巷を賑わしてるものだ。当然、存在を知っているものだと思っていたが」
バルクホルン「私がこういうことに疎いのはミーナが知っていると思っていた」
ミーナ「ごめんなさい……」
バルクホルン「この商品は問題が多いように思えるが?」
ミーナ「何か嫌悪感を抱いてしまうイラストがあったのかしら?」
美緒「何番だ?言ってみろ」
バルクホルン「何番……?」
ミーナ「ここに全イラスト一覧表があるの。ウィッチが不快に思うイラストをすぐに指摘できるようにね」
美緒「指摘されたイラストは即座に撤廃される仕組みだ。今のところ、一件もそのような報告はないようだがな」
バルクホルン「そ、そうなのか」
美緒「現実の人間を取り扱うからな。神経質にもなるのだろう」
ミーナ「それで、どれが貴方のいうイラストなのかしら?」
バルクホルン「こ、こんなにあるのか……!?」
美緒「そうだ。それどころか毎週10枚は増えている。こちらでもこの一覧が無くては把握できなくてな」
バルクホルン「なるほど……ん!?」
ミーナ「あったの?何番かしら。すぐに報告するわ」
バルクホルン「ああ、いや、違うんだ……。ここまで徹底されているなら、文句はない」
ミーナ「そう?」
美緒「ならばいいが、何かあればすぐに報告しろ。描くほうもどこまで描いていいのか線引きが欲しいだろうからな」
バルクホルン「了解」
ミーナ「本当にもういいの?」
バルクホルン「ああ。失礼する」
ミーナ「明らかに何かを見て驚いているようだったけど……」
美緒「……」
通路
バルクホルン「……」
ペリーヌ「――まぁ!本当においてありますわ!!ウィッチフレンド(仮)!!」
ペリーヌ「今日こそは坂本少佐のレアカードとプライベート交信暗号、ゲットですわ……!!」チャリン
ペリーヌ「……ふん!!!」ガチャガチャ
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ペリーヌ「むぅ……。もう一度!!」ガチャガチャ
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ペリーヌ「きぃ……!!もう一度!!」ガチャガチャ
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ペリーヌ「なぁぁ……!!ど、どうして……どうして……!!」
バルクホルン「ペリーヌ」
ペリーヌ「きゃぁ!?バ、バルクホルン大尉!?い、いつからそこに……!!」
バルクホルン「楽しいか?」
ペリーヌ「え……それは、まぁ、はい……」
バルクホルン「どういうところが楽しいんだ?見ている限りでは金を無駄に使っているとしか思えないが」
ペリーヌ「そ、そんなことはありませんわ。目当てのイラストカードが出てきたときは感涙ものですもの」
バルクホルン「それだけか?」
ペリーヌ「あ、あとは、やはり見知らぬウィッチと親しくなれるかもしれない、という期待感といいますか」
バルクホルン「お前もこういう形で出会いを求めるのか?」
ペリーヌ「あ、あくまで一般論の話ですから」
バルクホルン「目当てのもの以外は全てゴミになるのだろう?」
ペリーヌ「いえいえ。トレードのため、あるいはコレクションとしてしっかりと保管しておきますので」
バルクホルン「ハルトマンと宮藤もそんなことをしていたな……」
ペリーヌ「あ、大尉もおやりに……?」
バルクホルン「興味などない」
ペリーヌ「そ、そうですか……では……」ガチャガチャ
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ペリーヌ「……少佐はいずこに……」ガチャガ゙チャ
バルクホルン(やはり楽しさは分からないな……)
別の日 格納庫
バルクホルン(訓練の時間だな。急ぐか)
エイラ「宮藤ー!!宮藤ー!!」
芳佳「エイラさん、どうかしたんですか?」
エイラ「どうかしたじゃないって!!これ見てみろよ!!」
芳佳「サーニャちゃんのカードじゃないですか!!」
エイラ「しかもだ……ほらっ!!暗号までついてる奴だ!!」
芳佳「すごーい!!エイラさん!!501の暗号付きカードなんてレアすぎますよぉ!!」
エイラ「給料の半分を突っ込んだ甲斐はあった」
芳佳「えぇぇぇ!?エイラさん!!そこまでしなくてもエイラさんはいつでもサーニャちゃんと話せるじゃないですか!!」
エイラ「サーニャに指一本触れさせてたまるか」
芳佳「な、なるほど。そういう意図で暗号付きを回収しているんですね」
エイラ「ふっふっふ。未だにサーニャの通信機は一度も動いたことがないんダ」
バルクホルン「……エイラ。今の話は本当か?」
エイラ「大尉か。ナンダ?」
バルクホルン「ナンダではない。給料の半分をその下らないカードに使ったのかと聞いた」
エイラ「別にイイダロ。私の給料ダシ」
バルクホルン「何を言っているんだ!!!その給料はそんなことのために与えられたわけではないんだぞ!!!」
エイラ「……」
バルクホルン「エイラ!!!」
エイラ「好きな人のカードを集めて何が悪いんだ」
バルクホルン「本気で言っているのか?」
エイラ「別に使い道もないし、明日死ぬかもしれないんだ。こんなことぐらいにでも使わないと、溜まる一方だしな」
バルクホルン「退役したあとのことも考えろ」
エイラ「退役するときもお金いっぱいもらえるんだろ」
バルクホルン「もういい。好きにしろ」
エイラ「する」タタタッ
芳佳「あ!エイラさーん!!」
バルクホルン「宮藤、話がある」
芳佳「は、はい……なんでしょうか……?」
バルクホルン「あのイラストカードには一体、どんな魅力があるというんだ?」
芳佳「それは……」
バルクホルン「エイラがサーニャに入れ込むのは理解できるが、あれは絵だ。本物が傍にいるエイラが熱中する意味がわからない」
芳佳「エイラさんは特別かもしれませんけど、私やリーネちゃんはこういう人たちが一緒に戦ってくれているんだってことを知りたいからやっています」
バルクホルン「……」
芳佳「特に私はバルクホルンさんとは違って、普通の学生から急にウィッチになったから他の国で戦っている人のことはよく分かりません」
バルクホルン「それがどうした?」
芳佳「私たちと同じように戦っている人たちのことをよく知らないままじゃいけないって思います」
バルクホルン「何故、そう思う?」
芳佳「戦いで怖いことがあっても、辛いと思うときがあっても、これだけ多くの人たちと一緒だと考えれば少しは気が楽になるというか……」
バルクホルン「宮藤……」
芳佳「で、でも、あの、目当てのカードのために続けているのも確かです。シャーリーさんとリーネちゃんのカードが中々出なくて」
バルクホルン「そうか。確かに仲間の顔を知っておくことは悪いことではないかもしれない」
芳佳「はい。それにお話できる可能性もあるので、なんだがやめられなくて」
バルクホルン「名前と顔を知らなくては別隊の基地へ行くことがあっても話すことは簡単にできないからな。相手が有名人でもなければ」
芳佳「はい。顔と名前さえ知っていれば、偶然会ったときも話しやすいですよね」
バルクホルン「そういう意図で購入していたのか。すまない、宮藤」
芳佳「え?」
バルクホルン「私は少し勘違いしていた。皆、不純な動機で娯楽に消費しているものだとばかり……」
芳佳「あ、えっと、でも、あの、ルッキーニちゃんやハルトマンさんは――」
バルクホルン「よくわかった。宮藤、時間を取らせて悪かったな」
芳佳「あ、いえ。そんな」
バルクホルン「訓練が終わったら、私も始めてみるか」
芳佳「始めるって……」
バルクホルン「ウィッチフレンド(仮)をだ」
芳佳「バルクホルンさんも!?なんだか嬉しいです!!」
バルクホルン「そうか。ならば、あとで一緒にどうだ?」
芳佳「行きます!!」
バルクホルン「よし。では、またあとでな」
芳佳「はいっ!!」
通路
バルクホルン「ここに硬貨を入れて、このハンドルを回せばいいわけか」
芳佳「はい。がんばってください!」
バルクホルン「何を頑張ればいいのかわからないが……」チャリン
芳佳「ドキドキしますね」
バルクホルン「……」
バルクホルン(宮藤の言う通り、妙な緊張感があるな。金を使っているからか……)
バルクホルン「いくぞ」
芳佳「よろしくおねがいします!」
バルクホルン「はぁぁぁ!!!!」ガチャガチャ
芳佳「おぉ!!」
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バルクホルン「これは……。少佐か」
芳佳「す、すごーい!!バルクホルンさん!!一回目で超レアカードじゃないですか!!!」
バルクホルン「これが、レアカードというものなのか。少佐のことは見慣れているから感動もなにもないが……」
芳佳「いいなー。いいなー」
バルクホルン「……欲しいのか?」
芳佳「え?あ、えっと……」
バルクホルン「ほら、手を出せ」
芳佳「ダ、ダメですよぉ!それなら、あの、私も交換します!!」
バルクホルン「別に私は集めているわけではないからな。それに少佐のイラストよりは別部隊のウィッチが欲しい」
芳佳「そうですか。それなら……えーと……えーと……」ゴソゴソ
バルクホルン(上級者になると、ああやって専用のケースがあるわけか)
芳佳「これを!!」
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バルクホルン「……!?」ビクッ
芳佳「どうかしましたか?」
バルクホルン「いや、懐かしい顔だと思ってな」
芳佳「あ、違うのがいいですか?」
バルクホルン「これでいい。ありがとう、宮藤」
芳佳「わーい、わーい!坂本少佐のレアカードだー!!リーネちゃんに自慢しちゃおう!」
バルクホルン「……」
芳佳「わーい!わーい!バルクホルンさん、本当にありがとうございます!!」
バルクホルン「……」チャリン
芳佳「あれ?もう一回、するんですか?」
バルクホルン「悪いか?」
芳佳「いえ、そんなことは……」
バルクホルン「一回で終わるわけがない」ガチャガチャ
芳佳「……」
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バルクホルン「宮藤、出たぞ」ドヤッ
芳佳「え?あ、はい。そうですね」
バルクホルン「……これはレアカードではないのか?」
芳佳「あの、残念ですけど、違います」
バルクホルン「そ、そうか……」
芳佳「本当にありがとうございました。それでは」
バルクホルン「こちらこそ、付き合ってくれて助かった」
芳佳「いえ。私も坂本さんのイラストカードが手に入りましたから」
バルクホルン「喜んでくれてなによりだ」
芳佳「今日は腕によりをかけてごはん作りますから」
バルクホルン「楽しみだな」
芳佳「では、またあとで!」
バルクホルン「ああ」
芳佳「リーネちゃーん!!坂本さんのレアカードもらったよー!!」ダダダダッ
バルクホルン「……」
バルクホルン(やはり珍しいものというのはコレクターからすれば嬉しいものなのだろうな)
バルクホルン「……」チャリン
バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「……ほう?」
サーニャ「……」テテテッ
サーニャ「……あ」
バルクホルン「……」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255610.jpg
バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「……どれがレアカードなんだ。これだけあれば一枚ぐらいはあるだろうが」
サーニャ「……」オロオロ
バルクホルン「念のためあと10回ほど回しておくか」
サーニャ「……」オロオロ
美緒「ん?サーニャ、どうした?」
サーニャ「あ、あの……その……バルクホルンさんが……」
美緒「まさか代わってくれないのか?仕方のない奴だな。少し待っていろ」
バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「シャーリー……。これは間違いなくレアカードのはずだ」
美緒「バルクホルン」
バルクホルン「少佐。何かようか?」
美緒「後ろを見ろ」
バルクホルン「後ろ……?」
サーニャ「……」モジモジ
バルクホルン「サーニャ、何かあったのか?」
美緒「バルクホルン。言ったはずだ。これは今、人気があると」
バルクホルン「あ、ああ」
美緒「カードを欲しているのはお前だけではない。並んでいるのなら譲れ」
バルクホルン「す、すまない、サーニャ。気が付かなくて」
サーニャ「いえ、気にしてませんから……」
バルクホルン「それにしてもサーニャもこれをしていたのか。いや、エイラが言っていたな。サーニャは通信機も持っているとか。集めていて当然か」
サーニャ「はい」
美緒「サーニャはナイトウィッチ故に、このW.Fのシステムは気に入っているらしくてな」
バルクホルン「W.Fとはなんだ?」
美緒「ウィッチフレンド(仮)の略称だ」
バルクホルン「そうか」
サーニャ「……」チャリンチャリンチャリンチャリン
美緒「サーニャ、連コインはマナー違反だ」
サーニャ「すいません」
美緒「入れてしまったものは仕方ない。回せ」
サーニャ「はい」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
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バルクホルン「何故、サーニャが気に入っているんだ?」
美緒「知らないウィッチと繋がる可能性があるからと言っていた」
バルクホルン「宮藤も似たようなことを言っていたな。やはり501だけではなく他も気になるのか」
サーニャ「いえ、気になるんじゃなくて、お話したいんです」
バルクホルン「話を?」
サーニャ「はい……」
美緒「普段からサーニャは私たちとすら、あまり会話することもないからな」
バルクホルン「そうか。それで……。だが、通信機を持っている限りは世界のどこかから通信が入るのではないのか?」
サーニャ「それが、幾ら待っても一向に交信できなくて」
バルクホルン「そういえばエイラの奴が暗号付きのカードを集めていたが、それが原因か」
美緒「この筐体は世界中至る所に配備されている。エイラ一人が買いあさったとしても、いつかはサーニャの通信機から声は聞こえてくる」
サーニャ「でも、まだなにも聞こえてきません」
美緒「暗号付きは最も珍しいカードだ。まだ出回ってすらいない可能性もある」
サーニャ「……」ガクッ
バルクホルン「そうなのか?」
美緒「当然の配慮だろう。頻繁に知らない相手から通信が入っても迷惑だからな」
バルクホルン「それもそうか。混線することもあるだろうしな」
美緒「故に暗号つきはレア中のレア。特別なものだ」
>>28
美緒「暗号付きは最も珍しいカードだ。まだ出回ってすらいない可能性もある」
↓
美緒「暗号付きは最も珍しいカードだ。まだ数枚しか出回っていない可能性もある」
バルクホルン「では、気長に待つか、自分が暗号付きカードを引き当てるしかないわけか」
美緒「サーニャはそれでこうして――」
サーニャ「……」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255617.jpg
サーニャ「あ」
美緒「毎日のように繰り返しカードを引き続けている」
バルクホルン「毎日か。少し問題だな」
美緒「度が過ぎなければ何も言わん」
サーニャ「見てください」
美緒「どうした?おぉ、これは……」
バルクホルン「宮藤……!?」
サーニャ「暗号付きです」
美緒「はっはっはっは。よかったな」
サーニャ「はいっ!」
バルクホルン「……」
サーニャ「よかった……。お給料全部使ったけど……。暗号付きが出てきて……」
美緒「だが、宮藤とはいつでも会えるからな」
サーニャ「それでも構いません」
美緒「ならばいいが」
サーニャ「早速、交信してきます」
美緒「食堂に行けば宮藤はいるはずだが」
バルクホルン「サーニャ!!!」
サーニャ「は、はい!?」ビクッ
バルクホルン「このシャーリーのカードと交換してくれ」
サーニャ「え……」
バルクホルン「これ一枚では釣り合わないか。ならば、このカードを全てとそれ一枚を……!!!」
サーニャ「あ、あの……その……」
バルクホルン「頼む!!」
美緒「バルクホルン。無茶をいうな。サーニャは暗号付きのカードが欲しかったのだからな」
バルクホルン「……そ、そうだな。すまない、サーニャ。今のは忘れてくれ」
美緒「宮藤のカードが欲しかったのか?」
バルクホルン「いや、そういうわけではない……」
美緒「そうか」
サーニャ「あの……」
美緒「もういってもいいぞ」
サーニャ「失礼します」
バルクホルン「恥ずかしいところを見せてしまったな」
美緒「目当てのカードが出るまでは根気と軍資金が必要だ」
バルクホルン「分かっている」
美緒「あまり無茶はするな」
バルクホルン「了解」
美緒「あとでな」
バルクホルン「……まだ、余裕はある」
バルクホルン「……」チャリン
バルクホルン「……」ガチャガチャ
食堂
ルッキーニ「おなかしゅいたぁ」
シャーリー「ルッキーニ。これ見てみろー」
ルッキーニ「んにゃ?おぉぉー!!赤ズボン隊だぁー!!」
シャーリー「これ、滅多に出ないんだよな。何でかしらないけど」
ルッキーニ「シャーリー、いいなぁー」
シャーリー「はい。やるよ」
ルッキーニ「いいのー!?やったぁー!!」
シャーリー「あははは」
ペリーヌ「ふぅ……。今日もダメでしたわ……。坂本少佐のイラストカードなんて存在しないのでは……」
芳佳「これ、かっこいいよねー。坂本少佐カード。暗号はないけど」
リーネ「ホントだねー。私もほしいな」
ペリーヌ「ちょ!!ちょっと!!!み、みみみ、宮藤さん!!!その、その、ののの、カードは……!!!!」
芳佳「坂本さんのレアカードです。凛々しくていいですよね」
ペリーヌ「何が望みなの!?ほら!!このコレクションの中から好きなのを持っていってもいいですから!!!それを!!!その少佐のカードを!!わたくしに!!!さぁ!!!」
芳佳「で、でも、これ、私も持ってなくて……」
ペリーヌ「いいから!!!わたくしに恵んでください!!!お願いしますわぁ!!!」
リーネ「ペリーヌさん、あの、落ち着いてください」
ペリーヌ「これが落ち付いていられるものですか!!!」
芳佳「暗号付きじゃないですよ、これ」
ペリーヌ「そんなものはどうでもいいの!!!!少佐のカードぉ……わたくしにぃ……うぅぅ……」
芳佳「あ、あの、どうぞ……」
ペリーヌ「いいんですの!?」
芳佳「もう、見てられないので……」
ペリーヌ「宮藤さん!!感謝しますわ!!」ギュッ
芳佳「あははは……」
リーネ(いくら使ったんだろう、ペリーヌさん)
ピリリリリ……ピリリリリ……
芳佳「あ、私のウィッチフレンド(仮)用通信機が鳴ってる……!?」
リーネ「誰かが芳佳ちゃんの暗号付きを手に入れたんじゃないかな?出てみて、芳佳ちゃん。誰からか楽しみだね」
芳佳「は、はい!えっと、こちら宮藤芳佳です!」
『……』
芳佳「……もしもし?」
『……ウィッチフレンド(仮)で……暗号付き……出てきて……』
芳佳「うんうん。えっと、貴方の名前を教えてください!」
『あの……』
芳佳「はい」
『……あの、そんなことより、お話……』
芳佳「でも、名前知りたいですし」
リーネ「ん……?えっ!?」
サーニャ「ワタシノナマエナンテツマラナイデスカラ」
芳佳「えー?そんなことないですよー」
リーネ(サーニャちゃんが食堂の隅で通信機を……。つまり……)
芳佳「お願いします、教えてください」
サーニャ「デモ、ワタシハヨシカチャントオハナシシタクテ」
ペリーヌ「はぁ……今年の運を全て使い果たしたようですわ……。少佐ぁ……」
エイラ「んー……」
ペリーヌ「どうかなさいまして?ふふふ、これを御覧なさい、エイラさん」
エイラ「んー?」
ペリーヌ「坂本少佐カードですわぁ」
エイラ「すごいな」
ペリーヌ「……それだけですの?」
エイラ「……」
エーリカ「エーイラ、なんかあった?」
エイラ「……中尉もカード集めてるんだよな?」
エーリカ「集めてるけど、まぁ、熱心に集めてるわけでもないよ。トゥルーデが出るまで粘るなんてこともしないし」
エイラ「大尉に怒られたンダ」
エーリカ「トゥルーデに?」
エイラ「こんなことにお金を使うなーって。あのときはちょっとむっとなってさ、大尉に酷いこと言ったんダ」
エーリカ「ま、他人の趣味を理解するのは難しいから。気にすることはないんじゃない?」
エイラ「だけどナー」
ペリーヌ「何かありまして?」
エイラ「みんなもやってるし、サーニャのカードが欲しくて集めてはいたけどサァ、確かにこんなにお金を使うことでもなかったなーって」
エーリカ「冷静になっちゃったわけだ」
エイラ「筐体を見かけたら一回やるぐらいでいいんだよなぁ。サーニャが出るまで回し続けるのもおかしな話ダロ」
エーリカ「でも、出ないと腹が立つからなんどでもやるんだよね。値段も手ごろだし」
エイラ「そうだけど、塵も積もればダカンナ」
ペリーヌ「何がいいたんですの?」
シャーリー「エイラがバルクホルンに謝ってくるって話かぁ?」
エイラ「うるさいぞ」
シャーリー「いいんじゃないか、やりたいようにやれば。所詮は趣味だろ?」
エイラ「そうだけどさぁ」
エーリカ「シャーリーは何のためにカード集めてるんだっけ?」
シャーリー「あたしか?あたしは集めてない。ただレアカード欲しさにたまにするだけさ」
ペリーヌ「そうなのですか?でも、どうしてレアカードを……?」
シャーリー「あれを見てみろ」
ペリーヌ「あれって……」
ルッキーニ「みてみてー!!よっしかー!!!レアカードだぁ!!」
芳佳「すごぉい!!それどうしたの!?」
ルッキーニ「シャーリーにもらったぁー!!にゃはははは!!!」
芳佳「いいなぁー!!」
ルッキーニ「にひぃ!でしょー!!たまにだけどシャーリーがくれるんだー」
芳佳「私にもくれないかなぁ」
ルッキーニ「ダメダメー。シャーリーはあたしにだけって言ってたからー」
芳佳「そっか、残念」
ルッキーニ「で、芳佳はなにしてるの?」
芳佳「あ、うん。今、ウィッチフレンド(仮)で私の暗号付きカードを引き当てた人と交信してるんだけど、名前を教えてくれなくて……」
シャーリー「な?」
エーリカ「ルッキーニか」
シャーリー「カード一枚であいつがあんなに笑ってくれるんだ。レアカードは欲しくなるよ」
エイラ「ふぅん……。でも、買い漁ったりはしないんだろ?」
シャーリー「そんなことしてみろ。ルッキーニが泣くだろ」
エイラ「……」
ペリーヌ「そういうことですか」
シャーリー「金欠になっても困るしね。ハルトマンは何で集めてるんだ?」
エーリカ「私は完全に趣味。色んなトゥルーデが見たいだけ」
シャーリー「なるほど。そんなわけだ、エイラ。集める目的なんてバラバラだし、理解してもらう必要もないんだ。バルクホルンには好きに言わせておけばいい」
エイラ「……」
シャーリー「勿論、エイラが謝りたいって思うのも自由さ」
エイラ「――行ってくる」
エーリカ「いってらっしゃーい」
ペリーヌ「はぁ……。なんだか、シャーリー大尉とハルトマン中尉を見ていると、自分が恥ずかしくなりますわ」
エーリカ「なんでさ?」
ペリーヌ「きちんと自制されているようなので……」
シャーリー「それは情熱の差じゃないか?あたしはペリーヌやエイラみたいなことはできなかったってだけだし」
芳佳「あの、どうして名前を言ってくれないんですか?」
『ごめんなさい』
芳佳「うーん……」
ルッキーニ「芳佳、困ってるじゃん」
リーネ「う、うん……。でも、いえないのも分かるけど……」
芳佳「……私の暗号付きカードが出るまでにどれぐらいお金をかけたんですか?」
『え……。いっぱい、使った、と思う』
芳佳「分からないぐらい、使ったんですか?」
『え、ええ……』
芳佳「あの」
『はい』
芳佳「何か困ったこととかないですか?」
『困ったこと……?』
芳佳「私、貴女が使ったお金の分だけ、力になります。なんでも言ってください。その、お金を返して欲しいって言われたら困るんですけど……あはは……」
『芳佳ちゃん……』
芳佳「私は貴女の顔を知りませんし、名前も分かりません。だから、恥ずかしいことはないはずです。何でも言ってください」
『それは……』
芳佳「私でも助言できることはあるかもしれません。ううん、全くないかも……。だけど、一生懸命考える。貴女のために何時間でも悩む自信もあるから」
『……名前も顔もわからないのに?』
芳佳「貴女とはもう友達だから。それぐらいはするよ」
『……』
芳佳「あ、違うのかな……」
サーニャ「――芳佳ちゃん」
芳佳「え?サーニャちゃん?」
サーニャ「芳佳ちゃん……」
芳佳「ど、どうかしたの?」
サーニャ「……もっと仲良くなりたい」
芳佳「え?あの、サーニャちゃん。501のみんな以外でってこと?」
サーニャ「違う……みんなと……」
芳佳「これ以上、仲良くなるって……あの……どうしたらいいのかな……」
リーネ「サーニャちゃん、私たちはとっくに(仮)じゃないよ」
サーニャ「え……」
ルッキーニ「そうだよー?サーニャ、嫌われてるとか思ってたの?」
サーニャ「そうじゃなくて……私……」
芳佳「サーニャちゃんのこと、みんな大好きだよ?だから、これ以上仲良くなんて無理だと思うけど」
サーニャ「……ありがとう……」
ルッキーニ「サーニャ、こんど虫一緒につかまえよー。虫ー」
サーニャ「うん」
ルッキーニ「あと、カードも交換しよ。サーニャもいっぱいやってるんでしょー?」
サーニャ「うんっ」
リーネ「私も、交換……いいかな……?」
サーニャ「勿論」
芳佳「あははは。よかったぁ。急に変なこと言い出すからびっくりしちゃった」
サーニャ「ごめんね、芳佳ちゃん」
芳佳「あ、ちょっとまってね。――すいません、あの、相談があれば……あれ?切れてる……?一体、誰だったんだろう……」
通路
エイラ「いないな……」
ミーナ「エイラさん、どうかしたの?」
美緒「食事の時間だろうに」
エイラ「ああ、バルクホルン大尉を探しててさぁ」
ミーナ「ごめんなさい。見てないわ。坂本少佐は?」
美緒「最後に見たのはW.F筐体の前でだが」
エイラ「そこかもな」
美緒「待て。既に30分近く前のことだぞ。いるわけがない」
エイラ「一応、確認だって」
美緒「そうか」
ミーナ「美緒、トゥルーデがアレを始めたの?」
美緒「そのようだ。宮藤のカードを欲していたようだが」
ミーナ「……私たちも行きましょう。気になるわ」
美緒「なにがだ?」
バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「……っ」ガチャガチャ
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バルクホルン「……!!」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255636.png
バルクホルン「何故だ……!!!こうなったら!!!」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ!!!!
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カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255639.jpg
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255640.jpg
バルクホルン「何故、ミーナばかりだ!!!!くっ!!!」バンッ!!!
バルクホルン「少しだけ……ほんの少しだけ……ミーナのことを嫌いになりそうだ……!!!」ガチャガチャ
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255641.jpg
バルクホルン「……」ホッコリ
エイラ「――大尉!!なにして……!?」
ミーナ「トゥ、トゥルーデ!?そ、そのカードの山は……!?」
美緒「これは……。バルクホルン、いくらつぎ込んだんだ?」
バルクホルン「……」
ミーナ「どうしてこんなことをしたの?」
エイラ「大尉……」
バルクホルン「……」ガチャガチャ
ミーナ「やめなさい!!」
カシャン<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255642.jpg
バルクホルン「……これで持ち金は尽きた。やりたくてもできない」
美緒「そこまでして宮藤のカードが欲しかったのか?」
バルクホルン「……」
エイラ「今の大尉をみたら、宮藤だけじゃなくてみんな悲しむぞ」
ミーナ「そうよ」
バルクホルン「今は、ミーナの顔をみたくない……」
ミーナ「なっ……!?」
美緒「ここまでされると流石に看過できんな。バルクホルン、ついてこい。話がある」
食堂
シャーリー「少佐たち遅いな」
エーリカ「エイラも戻ってこないね」
ペリーヌ「何かあったのでしょうか」
ルッキーニ「うーん、これ!!」バッ
サーニャ「……あ」
ルッキーニ「あにゃー!!!!」
芳佳「だから、ルッキーニちゃん、ジョーカーを引くたびに大声出したらだめだって」
ルッキーニ「だってぇ」
リーネ「あははは」
サーニャ「ごめんね」
シャーリー「楽しそうだな。W.Fカードのババ抜き」
芳佳「シャーリーさんもどうですか?」
エイラ「……」
エーリカ「お、エイラ。遅かったね。トゥルーデはどうしたの?」
エイラ「……」
ペリーヌ「エイラさん?どうかしまして?」
サーニャ「エイラもカードゲームやる?」
エイラ「宮藤」
芳佳「は、はい。なんですか?」
エイラ「これ、大尉がお前にって」
芳佳「これは……リーネちゃんとシャーリーさんのカード……」
リーネ「わ、わたし!?」
シャーリー「うんうん。美人で描かれてるなぁ、あたし」
エーリカ「すごいじゃん。リーネのは暗号付きだよ、これ」
エイラ「そりゃ、あれだけつぎ込めば一枚ぐらい出てくるって……」
ルッキーニ「あれだけってどれくらい?」
エイラ「筐体の中が空っぽになるぐらいだ」
芳佳「えぇぇ!?そ、そんなにぃ!?」
シャーリー「なんだ。ついに狂ったのか、あいつ?」
ミーティングルーム
美緒「バルクホルン。エイラに言ったことを思い出せ」
バルクホルン「……聞いたのか」
美緒「お前のところに向かう途中、エイラが話してくれた。お前の叱責のおかげで、目が覚めたとな」
バルクホルン「……」
美緒「だから、謝罪したい。そう言っていた。だが、お前があれではな……」
バルクホルン「目的のものが全くでなくてな。ついつい熱くなってしまった」
ミーナ「宮藤さんのカード?」
美緒「言っておくがな、バルクホルン。ミーナのカードも相当レアだ。そもそも501のカードは希少価値が高い」
バルクホルン「知っている」
ミーナ「私では満足できなかったの?」
美緒「いらないのであれば、私に……」
バルクホルン「リーネ、シャーリー、少佐でなければダメだったんだ。いや、ミーナでもよかったかもしれない。ハルトマンでもペリーヌでも……」
美緒「……どういうことだ?」
バルクホルン「とても楽しそうだった。嬉しそうだった。どうしても、もう一度だけあの笑顔が見たくてな……」
美緒「宮藤のカードが欲しかったわけじゃないのか?」
バルクホルン「……」
スッ<ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima255643.jpg
ミーナ「……ちゃんと取っていたのね」
美緒「これはいつ出たものだ?」
バルクホルン「数回目には出てきた。額縁にでも飾っておくつもりだ」
美緒「宮藤のカードよりもリーネやシャーリーのほうがほしかったのか」
バルクホルン「ああ」
ミーナ「笑顔が見たいって、もしかして宮藤さんの?」
バルクホルン「イラストもいいが、やはり本物には劣るからな」
美緒「ここまでやるとはな」
バルクホルン「反省はしている。大人気のない行為だった」
ミーナ「トゥルーデ……」
バルクホルン「もうしない。ここに誓う」
美緒「わかった。お前がそういうなら、もう何も言わん。行っていいぞ」
通路
バルクホルン(エイラが皆に事情を話している頃だろうか……)
バルクホルン(宮藤やリーネには軽蔑されたか。シャーリーは笑っているだろうな)
バルクホルン「……いや、何も考えるな。これから少しばかり隔たりが出来るだけの話だ。上官として毅然としていればいい」
バルクホルン「していれば……」
バルクホルン「はぁ……」
バルクホルン(宮藤のカード、ペンダントに出来ないだろうか)
エーリカ「トゥルーデ」
バルクホルン「……なんだ?」
エーリカ「これあげるから元気だしてよ」
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バルクホルン「……」
エーリカ「このウィッチ、超セクシーでしょ?」
バルクホルン「ああ、可愛いな」
エーリカ「かわいいってなんだぁー!!!バカにしてんのかー!?」
バルクホルン「今は一人に……」
エーリカ「しかたないなぁ。これもあげる」
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バルクホルン「……ありがとう」
エーリカ「みんな、別に気にしてないって」
バルクホルン「私の問題だ」
エーリカ「強情だなぁ」
バルクホルン「いいから、今は一人にしてくれ」
エーリカ「はい、これ」
バルクホルン「なんだ、これは……?」
エーリカ「知らないのも無理ないか。これはウィッチフレンド用の通信機。これをもっていれば暗号付きカードを引き当てた誰かから連絡がくる」
バルクホルン「これが……。だが、私のカードに暗号付きのものはないはずだ」
エーリカ「まぁまぁ。もしかしてっていうこともあるじゃん」
バルクホルン「何を言っている!!通信機を持っていないウィッチのカードには暗号は付かないとお前が……!!」
エーリカ「またね」
バルクホルン「何を考えているんだ……」
ピリリリリ……ピリリリリ……
バルクホルン「な……!?どうして……?」
ピリリリリ……
バルクホルン「――はい?」
『あ、どうも。暗号付きカードを引き当てたんですけど』
バルクホルン「それはありえない。私のカードには――」
『あの、相談いいですか?』
バルクホルン「待ってくれ。だから――」
『私の知り合い、といっても年上で私にとってはお姉ちゃんみたいな存在なんですけど』
バルクホルン「何の話だ」
『で、そのお姉ちゃんが今、すごく悩んでいるみたいなんです。だから、相談したいんです。バルクホルンさんは妹さんがいましたよね』
バルクホルン「……それがなんだ」
『だったら、お姉ちゃんの気持ちもわかるんじゃないかって思って』
バルクホルン「的確なアドバイスなどできないぞ。それでもいいのか」
『はい!バルクホルンさんに相談することが一番正しいことだって思いますから』
バルクホルン「どういう悩みを抱えているんだ」
『今、自分が私たちに嫌われているんじゃないかって思い込んでいるみたいなんです。私たちはむしろ大好きなのに』
バルクホルン「私たち?何人かいるのか?」
『あ、はい。いっぱいいます』
バルクホルン「その者たちは、誰一人としてその姉を嫌っていない、ということか」
『そうなんです。みんな心から尊敬してます』
バルクホルン「なのにその姉は何故嫌われていると思い込んでいるんだ?」
『ウィッチフレンド(仮)の所為かもしれません』
バルクホルン「……入れ込みすぎたのか?」
『その通りです!!流石、バルクホルンさん!!鋭いですね!!』
バルクホルン「現在も購入し続けているのか?」
『いえ。恐らく、今後は買わないと思います。私たちのことを気にして』
バルクホルン「ならばそれでいいだろう。放っておいてやれ」
『そういうわけにもいきません。私たちにとって大切なお姉ちゃんが悩んでいるのに、放っておくなんて。絶対にできません』
バルクホルン「……随分、好かれているんだな。羨ましい限りだ」
『ですから、どうしたら私たちの気持ちが伝えられるかなって』
バルクホルン「難しいだろうな。一人で思い悩んでいるのなら、周りが何をいっても上辺の気遣いにしか思えないはずだ」
『そうですよね』
バルクホルン「かといって、普段通りに接してもその姉はきっと不安を抱えたまま過ごすだろう」
『八方ふさがりですね……』
バルクホルン「お前たちの姉というのはウィッチか?」
『勿論ですよ』
バルクホルン「カードもあるのか?」
『いっぱいあります。私はフルコンプリートです』
バルクホルン「それを見せ付けるのはどうだ?」
『え?カードをですか?』
バルクホルン「カードを取り合っているところを見せ付ける。嫌いな者のカードを皆で取り合うことはしないだろう?」
『なるほど!!早速やってみます!!!ありがとうございました!!!』
バルクホルン「あ、おい!!まて!!……切れてしまったか。好かれているのに悩むとは……贅沢な奴もいるものだな……」
食堂
バルクホルン(食事でもとって……明日に備えるしかない……)
バルクホルン(私はもう……)
シャーリー「次はこれだ!!」
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シャーリー「レアトリオカードだ!!ほら、交換する奴はいないかー?」
エイラ「持ってるし」
サーニャ「これ、描いた人はいい人だと思うわ」
エーリカ「いらなーい」
ペリーヌ「エイラさんでは……」
ルッキーニ「つぎー!次、はやくぅー」
バルクホルン(カードの交換会でもしているのか……)
シャーリー「なら、今日の目玉といくか」
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シャーリー「バルクホルンの激レアカードだ。いるやつ、手あげろー」
エーリカ「もらったぁ!!!このカードと交換だー!!!!」
リーネ「わ、私も……!!」
芳佳「この坂本さんとミーナ中佐のカードと交換してください!!!」
ルッキーニ「あたしもほしー!!!」ズサァァ!!!
エイラ「ルッキーニ!!コラぁ!!!暴れるなぁ!!カードが飛んでいくだろ!!!」
サーニャ「あの、ハルトマンさんの入浴時のイラストと交換でどうですか?」
シャーリー「なんだよ、全員か。でも、これ一枚しかないからなぁ」
芳佳「私にください!!お願いします!!」
エーリカ「宮藤のカスカードより私のやつのほうがいいってー!!」
芳佳「ハルトマンさん!!坂本さんとミーナ中佐に謝ってください!!!」
ペリーヌ「今の失言は聞き逃せませんわよ!!!ハルトマン中尉!!!」
ルッキーニ「あたしもたいいのカードほしぃー!!」ズサァァ!!!
エイラ「だから、暴れんなってー!!!カードが痛むだろー!!!」
サーニャ「あの、ハイデマリーさんのセミヌードカードもつけます」
バルクホルン「……なにをしている?」
シャーリー「よっ。バルクホルン。お前もやるか?交換会」
バルクホルン「……」
美緒「随分と騒がしいな。なにがあった?」
ミーナ「はいはい。静かにして。カードで盛り上がるのはわかるけど、場を弁えてね」
芳佳「す、すいません」
美緒「ほう?カードの交換か。私も参加する」
エイラ「少佐が?その辺に転がっているようなレアカードじゃ意味ないぞー」
美緒「はっはっはっは。ウィッチフレンド(仮)ファーストシーズンが発売されたころから集めている私に向かっていい度胸だな、エイラ」
シャーリー「ファーストシーズンって……!!今となってはレアカードばかりの初期シーズンか!?」
美緒「その通りだ。こんなのもあるぞ」ドヤッ
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ペリーヌ「ぜ、全員が……!!!しかも、わたくしが少佐の隣!?これを描いた人はどこの誰ですの!?賛美を贈りますわ!!!」
美緒「はっはっはっは。では、私がこのバルクホルンのカードは貰うということでいいな?」
芳佳「いつの間にそんなことになったんですか!?」
バルクホルン「お前たち……」
芳佳「バルクホルンさんも参加してくださいっ」
バルクホルン「……よくわかった」
芳佳「何がですか?」
バルクホルン「エーリカの仕業か?」
芳佳「なんのことですか?」
バルクホルン「だから……」
エーリカ「少佐の特レアカードに対抗するにはどうしたら……!!」
サーニャ「分かりました。私が自作したフルヌードカードもつけます」
エイラ「それ私にくれー!!!」ズサァァァ!!!
リーネ「サーニャちゃんが自作したの!?」
バルクホルン「……」
芳佳「ほら、バルクホルンさんっ」
バルクホルン「ふっ……。ありがとう、宮藤」
芳佳「ほら、いいカードがなくなっちゃいますよ!」
バルクホルン「いや。私はここから眺めているだけでいい。最高のカードを既に貰っているからな」
ルッキーニ「あたし、リーネのカードいっぱいもってるから、だれか交換しよー」
芳佳「リーネちゃんの!?するするー!!」
リーネ「なんだが、恥ずかしいよぉ……」
ルッキーニ「リーネはツーショットカードが多いんだよー」
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芳佳「ど、どれも可愛い……!!」
ルッキーニ「シャーリーのカードなら無条件で交換しゅるー」
芳佳「こ、これで!!お願い!!!ルッキーニちゃん!!!」
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シャーリー「こんなのもあるのかよ」
ミーナ「私のカードはないのかしら?」
エイラ「私のカードはいらないか?」
バルクホルン(カードなどなくとも、こうしているだけで十分あの笑顔は見ることができる。私は何を勘違いしていたんだろうか……)
別の日 通路
ペリーヌ「でましたわー!!念願の坂本少佐幼少期バージョン!!!かわいい!!!」
エーリカ「まだまだ人気みたいだね。トゥルーデはあれから買ったの?」
バルクホルン「いや。触れてもいないな」
エーリカ「もったいないなぁー。新しいカードは次々でてるんだから、チェックはしておかないと」
バルクホルン「……なら、久しぶりに一回だけやるか」
エーリカ「そうこなくっちゃ」
バルクホルン「……」ガチャガチャ
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バルクホルン「これは……」
エーリカ「あたり?ハズレ?」
バルクホルン「……大当たりだ」
エーリカ「どんなカード?みせろよー。どんなウィッチフレンドカードなのー?」
バルクホルン「そうだな。少なくとも(仮)ではない」
エーリカ「どういういみだー!!見せろよー!!いじわるすんなー!!」
おしまい。
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