「以上でお荷物はすべてです!これで失礼しまーす!」
律子「はい!ありがとうございました!ご苦労様です!」ペコリ
ガチャ バタン
律子「・・・」
律子「ふふふ・・・」
律子「やっと・・・やっと始まるわ!私の新生活!」
律子「ここが私の新たな家になるのね!」
律子「~♪」ルンルン
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律子「思えば・・・今まで実家暮らしだったこの私」
律子「アイドルたちの仕事が忙しくなるにつれ、実家と事務所の間の1時間の通勤がネックになって・・・」
律子「そこでやっと親を説得して契約した、去年建てられたばかりの新築同然のこのマンション!」
律子「お風呂もトイレも分かれてて、寝室付き!さらにキッチンにはIH!」
律子「そんなマンションが毎月こんな家賃で借りられるなんて・・・」
律子「しかも最寄り駅まで歩いて5分!事務所まで20分で行けるとか・・・」
律子「私ったらなんてツイてるのよ!」イェイ!
律子「~♪」
律子「あっ、そういえばお隣さんにご挨拶しないと」
律子「一応親から『これを渡せ』って言われてタオル貰ったけど・・・」
律子「昔はお蕎麦を渡してたのよね」
律子「確かに何も渡さないで挨拶しに行くのは良くないわ」
律子「よし!お隣さんにご挨拶してこよーっと♪」
_________
______
___
律子「はい!よろしくお願いします!」
律子「あっ、これつまらないものですけど・・・」
律子「いえいえ!ではお邪魔しましたー!」
ガチャ パタン
律子「・・・ふぅ」
律子「私の部屋から出て右のお隣さんは子供連れの家族ね」
律子「奥さんすっごく優しそうで綺麗だったな~、それに抱いてた赤ちゃんも可愛らしくて・・・」
律子「近所トラブルはなさそうね?・・・こっちが何かしない限りは」
律子「後は左隣、一番端っこの部屋ね」
律子「こっちも良い人だと嬉しいけど・・・」
ピンポーン
律子「・・・」
律子「いないのかしら?一応もう一度・・・」
ピンポーン
律子「・・・いないみたい」
律子「仕方ない、もう少ししてから後で「あれ、律子?」
律子「はい?」
律子「うえっ!?ぷ、プロデューサー!?」
P「律子、どうしたんだ?こんなところで?」
律子「どうしたもこうしたも、こっちのセリフですよ!どうしてここにいるんですか!?」
P「え?だって俺、このマンション住んでるし」
律子「え?どの部屋ですか?」
P「どこって・・・この部屋」
律子「この・・・一番端っこの?」
P「ああ」
律子「えええええぇぇぇ!!」
_________
______
___
P「・・・そういえば今日、律子は引っ越しで休むって言ってたな」
律子「はい、それで両隣の部屋に挨拶回りしようと思って」
律子「インターホン鳴らしたんですけど、出てこなくて後で出直そうとしてたら・・・」
P「住人の俺が帰って来たってわけか」
律子「そういうことです」
律子「プロデューサー、もう仕事終わりですか?」
P「今日は収録に出た春香と千早を迎えに行って終わりだな」
P「ついでに収録先のディレクターに渡しときたい書類があったから、取りに来たんだよ」
律子「そうだったんですね」
P「もう引っ越しは済んだ?」
律子「いえ、さっき業者が荷物を運んでくれて・・・」
律子「今から段ボールから荷物を色々と引っ張り出す予定です」
P「そっか、今からが忙しいと思うけど頑張るんだぞ」
律子「はい、ありがとうございます」ニコッ
P「そうだ!俺が早く帰ってこれたら手伝うよ」
律子「そんな!大丈夫ですよ!」
P「いいって。引っ越しなんて慣れないことだし、時間かかるぞ?」
律子「確かにそうですね・・・じゃあお願いしてもいいですか?」
P「ああ!」ニッ
律子「それじゃあ荷物出したりしますんで、失礼します」
律子「あとプロデューサー、春香と千早、よろしくお願いしますね?」
P「ああ!」
ガチャ パタン
律子「・・・」
律子「・・・大変だ」
律子「引っ越したらお隣さんがプロデューサーだった」
律子「なんで!?なんでよ!?なんでプロデューサーが隣なのよ!?」バタバタ
律子「すっごく嬉し・・・じゃなくて!!」///
律子「ホントにどーしてプロデューサーが隣に住んでるのよー!もーっ!」ジタバタ
律子「こんな偶然・・・」
律子「この壁の向こうにプロデューサーの部屋が・・・」チラッ
律子「えへへ・・・」テレテレ
_________
______
___
ちょっと中断します。
30分から1時間で戻りますね。
ピーンポーン
律子「!」ガタッ
律子「は、はい!」ピッ
P『律子?開けてくれー』
律子「あ!はい!分かりました!」ダダダ
ガチャ
律子「お、お帰りなさい!プロデューサー!」
P「あ、ああ・・・ただいま、律子!」ニッ
律子「あうぅ・・・」カアァ
律子(お帰りなさいっって何なのよ・・・)///
P「引っ越しの進み具合はどうだ?」
律子「まあまあ、ってとこですかね」
律子「一応、本や食器は終わりました」
P「そっか・・・ん?まだテレビが出してないのか?」
P「よし、テレビ出していい?」
律子「いいですよ、っていうかお願いします。流石に一人じゃ重くて・・・」
P「だよな~・・・よいしょっと、どこら辺に置く?」
律子「えっと・・・もう少し右です!そこで!」
・・・
P「律子、この段ボール箱は?」
律子「それは確か・・・仕事関連の資料だったはずです」
P「OK、じゃあ開けるぞー」
律子「お願いします」ニコッ
律子(やっぱり1人だけより捗るわね)
律子(ホントにプロデューサーがいてくれて助かる・・・)
律子(さっきのテレビも1人で運んでくれて)
律子(プロデューサーって案外力持ちだったのね・・・)
律子(・・・)///
律子(・・・ってあれっ)チラッ
律子(この段ボール箱に書類が入ってた気がする、これかなり重いし)
律子(ってことはプロデューサーが開けた段ボール・・・まさか!)
律子「プロデューサー待って!その箱は!」
P「」
律子「タオルとか・・・あと、下着、が・・・」
P「あ、あはは・・・」///
律子「い、いやああぁぁ!!!」///
律子「ううぅ・・・」///
P「わ、悪かったよ」
律子「いえ・・・私が間違って言ってしまったんですから・・・」
P「それに大丈夫だって、ほとんど見てないからさ」
律子「ホントですか・・・?」///
P「ああ!」
律子「ちなみにプロデューサーの好きな色って何ですか?」
P「レースのついたライトグリーン!・・・ハッ!」
律子「やっぱり見てるじゃないですかああぁぁ!!!」ポカスカ
P「だ、だって仕方ないだろ!不可抗力だよ、不可抗力!」///
律子「お願いですから・・・忘れてください・・・」ウルウル
P「ああ、分かったよ」
律子「うう・・・バッチリ見られた・・・お嫁いけない・・・」グスッ
P「・・・」
P(この律子、めっちゃ可愛いんですけど)
P(忘れる?・・・無理です一生記憶しておきますありがとうございます)
_________
______
___
律子「・・・よし!終わった!」
P「お疲れ様!律子!」スッ
律子「お疲れ様です、プロデューサー」スッ
P律子「「イェイ!!」」パチン!
律子「ホントにありがとうございます。プロデューサーが手伝ってくれたおかげで早く終わりました」ペコリ
P「どういたしまして」ニッ
P「まあ・・・色々あったけどな、段ボール箱開けたら・・・」
律子「もーっ!プロデューサー!」///
P「でも6時前か・・・おやつも食べてないから腹減ったな」
律子「確かにちょっとお腹が・・・」クゥ
P「じゃあどうする?どこか食べに行く?」
P「色々美味い店も知ってた方がいいだろうから紹介するぞ?」
律子「ホントですか!じゃあお言葉に甘えて!」パアァ
P「じゃあどんな店にする?もう律子も20歳だし、居酒屋でもいいけど・・・」
律子「そうですね・・・でも今日は洋食が食べたいです!」
P「洋食か、近くにいい店あるぞ!昔からあって常連さんの多い店なんだけどそこにするか!」
律子「はーい♪」
_________
______
___
翌日 夜 765プロ事務所
律子「・・・」カタカタ タンッ
律子「・・・ふぅ、あ~今日の分終わった~」
小鳥「ふふっ、お疲れ様です律子さん。お茶いかがですか?」スッ
律子「ありがとうございます、小鳥さん」
律子「ズズッ・・・ああ、沁みわたる・・・」フゥ
小鳥「クスッ・・・あっそうだ、律子さん昨日お引っ越ししたんじゃないですか?」
律子「はい。小鳥さん、私の名簿新しい住所に書き変えておきましたんで」スッ
小鳥「はい、分かりました・・・ってあれっ、この住所どこかで・・・」
律子「!」ギクッ
小鳥「ああっ!やっぱり!プロデューサーさんと同じマンションじゃないですか!」ペラッ
小鳥「し、しかも部屋番号が連番・・・ってことはお隣!?」
律子「あはは・・・じ、実はそうなんです・・・」///
小鳥「な、なんて偶然・・・」
律子「私もビックリですよ!挨拶回りしてて、後ろから急に声掛けられたと思ったらプロデューサーですよ?」
小鳥「でも同じフロアだけじゃなく、お隣なんて・・・ちょっと運命的ね?」
律子「う、運命だなんて!」ガタッ
小鳥「あら、その言葉で簡単にうろたえるなんて律子さんもしや~?」ニヤニヤ
律子「ううぅ・・・」///
小鳥(りっちゃん、かわええ)
ガチャ
P「ただいまー!」
律子「!!」ビクッ
小鳥「お帰りなさい、プロデューサーさん!」
律子「お、お帰りなさいプロデューサー・・・」///
P「?」
小鳥「そうそう、プロデューサーさん聞きましたよ?律子さんがお隣に引っ越してきたんですね?」
P「実はそうなんですよ!いやあ、俺もビックリで・・・しかも隣ですからね」アハハ
律子「プロデューサー、今日はもう仕事は終わりましたか?」
P「ああ、今度のイベントの資料も午前中に終わらせておいたからな」
律子「それじゃあスーパーの位置教えてくれませんか?」
律子「昨日夕飯食べた帰りにコンビニは教えてもらったんですけど、スーパーは教えて貰ってなかったので・・・」
P「あ、そういえば教えてなかったな、悪い悪い」
P「いいぞ?丁度俺も何か買って帰ろうって思ってたからさ」
律子「はい!ありがとうございます!」パアァ
小鳥「律子さん、良かったわね?」ニヤニヤ
律子「な、何がですか?」ピクッ
小鳥「何?って・・・プロデューサーさんと一緒に帰ることができるじゃない!」
律子「そ、それがどうしたんですか?」タジタジ
P「あ~、確かに2人で一緒に帰れるってのは良いよな」
律子「うえぇ!?」///
小鳥「おおっ!」ピヨッ!
P「女性が1人で夜道歩くっていうのは中々危ないからな、2人で帰る方が安心だろ?」
律子「ああ・・・まあ、そうですね・・・ハァ」
律子「準備できましたよ、プロデューサー!」
P「OK!じゃあ帰るか!」
律子「はいっ♪」
P「じゃあ音無さん、お疲れ様でした!」
小鳥「はーい、お疲れ様です♪」
小鳥「律子さん」チョイチョイ
律子「どうしました?」
小鳥「私、律子さんのこと応援してるわよ?」ボソッ
小鳥「ライバルはたくさんいるけど・・・頑張ってね♪」
律子「!?・・・あ、ありがとうございます・・・」カアァ
P「律子ーどうしたー?早くしないと置いて行くぞー」
律子「ああっ!待ってくださいプロデューサー!」
律子「それじゃあ小鳥さんお疲れ様です!」
タタタ ガチャ パタン
小鳥「・・・」
小鳥「もう、律子さんも恋する乙女ね♪」ウフフ
小鳥「そうだ、明日も色々聞いちゃおーっと♪」
_________
______
___
ガタン プシュー
<○○、○○ですお忘れ物のないように・・・
律子「ん~!やっぱり早い!」
P「確かに律子の実家からだとかなり遠いもんな」
律子「はい。前だと乗り換えもしないといけませんでしたからね」
P「乗り換えあるとキツイよな、電車逃した時の絶望感とか・・・」アハハ
律子「そうですよ~、一体何回そういうことがあったことか・・・」クスッ
・・・
テクテク
P「律子、ここ右な」
律子「あっ、はい」
律子「マンションに帰るにはさっきの道もう少しまっすぐ進んで左でしたよね?」
P「そうそう。マンションとは逆側にスーパーがあるんだよ」
律子「それだったら私も気付かなかったかもしれませんね」
P「かもしれないな」
P「そうだ律子、今日何か作るつもりだった?」
律子「そのつもりでしたけど・・・どうしてです?」
P「いや、良かったら一緒に食べるっていうのはどう?」
律子「!・・・い、一緒にですか!?」
P「俺も何か作るつもりだったからさ、2人で1つにまとめた方が手間もかからないし経済的かなって思ったんだけど」
P「それに2人で食った方が楽しいだろ?」
律子「は、はい!そうですね!」
P「それじゃあメニューは何にしようか?」
律子「そうですね・・・色々作るってのもアリですけど・・・」
P「一から作るってなったら流石に遅い時間だよな」
律子「ですね・・・ティン!そうだ!鍋なんてどうですか?」
P「おおっ!いいな!」
P「比較的早く用意できるし、こんな寒い時期にはピッタリだ!」
律子「それに2人で一緒に食べられますからね」
P「そうだな!・・・よし、今夜は鍋だな!どんな鍋にするかはスーパー入ってから決めよう!」
律子「はいっ!」
・・・
律子「とりあえず白菜と水菜と大根はカゴに入れました」
P「あとシメジやシイタケも入れよう」
律子「そうですね。あと、何をメインにして鍋をするかですけど・・・」
P「そうだな・・・海鮮鍋でも良いけど・・・」
P「!・・・なあ律子!これなんてどうだ?」チョイチョイ
律子「どれですか?・・・おっ、地鶏ですか!良いですね!」
P「少し値が張るけど地鶏の方が美味いからな。それに、鶏のつみれもあるぞ!」ヒョイ
律子「わあ!今日は鶏鍋で決まりですね!」ニコッ
ウイーン
P「思わず結構買ってしまったな・・・」アハハ
律子「そうですね。こういう形で買い物するのって初めてでテンション上がっちゃって・・・」
P「だよな~・・・おっと!」
律子「大丈夫ですか?ちょっと転びそうになりましたけど」
P「ああ、結構袋が重くてな。ついバランス崩してしまったよ」
律子「・・・代わりに持ちましょうか?」
P「いやいや!それだと男がすたるってもんだろ?」
律子「もうすでにコケそうになった人が何を言いますか」
P「うがっ・・・」
律子「クスッ・・・じゃあ、こうしましょう」ガサッ
P「お、おう」
律子「こうやって1つの袋を2人で持ったら多少は軽くなるでしょう?」
P「いいのか?律子、重くないか?」
律子「少し重いですけど・・・私も持ちたいんです、こうさせてください」
P「ああ、じゃあお願いするよ。ありがとう律子、助かるよ」ニッ
律子「!・・・いえ、これくらいのこと・・・」カアァ
律子「そういえばどっちの家で作って食べます?」
P「そうだな・・・律子は土鍋とコンロ持ってる?」
律子「持ってます。あ、でも土鍋は1人用のしか持ってないですね」
P「それじゃあ俺の家でやろう、デカい土鍋持ってるし」ニッ
律子「分かりました」
P「じゃあ、着替えてから来てくれ。流石にスーツで作ったり食べたりするのは不便だろ?」
律子「そうですね」ニコッ
P「じゃあ律子、後でな!」ニッ
律子「はい、準備ができたらすぐ行きます!」
ガチャ バタン
律子「・・・」
律子「・・・」プルプル
律子「もーっ!何やってんのよー私!!」バタバタ
律子「袋を一緒に持つとか・・・1つの袋を2人で一緒に持つとか・・・それって・・・」///
律子「~~~っっ!!!」ボンッ
律子「ああっ!こんな1人でモヤモヤしてる場合じゃなかった!着替えないと!」ヌギヌギ
律子「今から一応プロデューサーと会うんだから、部屋着じゃないでちょっとはマトモな恰好してた方がいいわね」
律子「プロデューサーの部屋か・・・どんな部屋だろう、キレイにしてるのかしら?」
律子「プロデューサーの部屋・・・えへへ・・・」テレテレ
ピーンポーン
律子「?」
律子「はい」ピッ
P『律子?あのさ、コンロのガス缶持ってない?俺の家のが切れちゃってさ・・・』
律子「!・・・わ、分かりました。後で持ってくるんでプロデューサーの部屋で待ってて下さい」
律子「今・・・着替えてる途中なんです」///
P『ああ!悪い!じゃあ持って来てくれ!』
ピッ
・・・
ガチャ
律子「お、お邪魔します」
P「ああ。おっ、ガス缶持ってきてくれたか、ありがとう。持つよ、律子」
律子「あっ、助かります」スッ
律子「プロデューサー、部屋かなりキレイにしてますね?」
P「そうか?まあ、律子が来るからテーブルの上に散らかってた雑誌とか書類は片付けたけど」
P「一応こまめに掃除してるんだぞ?」
律子(家でもしっかりしてるんだなぁ・・・)
P「よし、そろそろ取り掛かるぞ!」
律子「そうですね!」
律子「ちょっと待ってくださいね?エプロン着るので」
P「エプロンか・・・律儀だな、律子」
律子「プロデューサーはエプロン着けないんですか?」
P「最初は着けてたけど段々面倒になって・・・」アハハ
律子「ダメですよ、ちゃんと着けないと服が汚れちゃいます!どこにあるんですか?」
P「え、えっと、その左の棚の真ん中の引き出し」
律子「プロデューサー!着せますので、ほら!」
P「お、おう」
律子「もうっ、面倒だからとかそんな理由で・・・油跳ねたら、危ないし汚れるじゃないのよー・・・」シュルシュル キュッ
律子「はいっ、出来ました!」
P「あ、ああ・・・ありがとう、律子」
律子「今度からちゃんと着けてくださいよ?プロデューサー殿!」バシッ
P「こうやって律子が着けてくれたらいいんだけどな~」
律子「うえぇ!?」カアァ
P「なんてな、今度からちゃんと着けるようにするよ」
律子「もうっ!!」///
P「じゃあ始めよう。律子、野菜切ってくれる?」
律子「はい」ザクザク
P「その間に鍋に水入れて、昆布と出汁パックを・・・」ピッ
律子「・・・よっと」ザクザク
P「・・・包丁、使い慣れてるな」
律子「そうですか?ありがとうございます」ザクザク
P「あっ、フライパン温めとかないと・・・」ピッ
P「律子、そのネギ切ったら代わるぞ」
律子「分かりました・・・はいっ、じゃあ交代で」
P「サンキュ。フライパン温まってきたらさっきのネギを焼いてくれ」
律子「焼きネギにするんですね?」
P「そういうこと。少し焦げ目をつけるんだぞー」
律子「はーい♪」ジュウウゥゥ
P「白菜を・・・」ザクッザクッ
律子「ずいぶん荒っぽい切り方ですね?」
P「乱切りの方が味染みて美味そうだからな」ザクッザクッ
律子「プロデューサーは自分でよく料理するんですか?」
P「大学の頃は一時期凝って色んなの作ったけど、最近は忙しいから時々だなぁ」
P「律子は?・・・って昨日まで実家暮らしだったな」アハハ
律子「はい。でも母から料理は叩き込まれたので一応作れることは作れますよ?」
P「なるほど」
律子「プロデューサー、ネギの状態どうですか?」ジュウウゥ
P「おっ、いい感じだな。そろそろ火から上げてネギを皿に入れてて」
律子「分かりました」
P「鶏も切らないとだな・・・」スッスッ
律子「ホントに上手ですね、鶏の皮って中々切りにくいのにスッスッってキレイに切ってて・・・」
P「ふふっ、自分完璧だからな!」
律子「・・・」ジトー
P「ごめんなさい」
P「鶏も焼いちゃおう」ジュウウゥゥ
律子「残りの具材切っておきますね」
P「ああ、ありがとう」
律子「・・・」ザクザク
P「・・・」ジュウウゥゥ
律子「・・・」トントン
P「・・・」ジュウウゥゥ
P「・・・醤油はこんなもんかな?律子、ちょっと鍋のダシの味見てくれ」
律子「はい・・・んっ、良いと思いますよ?」
P「OK、じゃあ具材も入れて行こうか」
律子「そうですね」
P「まず、つみれを入れて、鶏も・・・あとネギ・・・」
P「水菜はシャキシャキ感を残しておきたいから、食べながら入れよう」
律子「はいっ♪」
_________
______
___
P「そろそろ開けよう」パカッ
グツグツ
律子「わあ!・・・いい香り・・・」パァ
P「よし、いい感じだな!」
律子「これで完成ですね!」
P「ああ!早く食べよう、腹減ったよ・・・」
律子「そうですね!私もお腹ぺこぺこ・・・」
P「律子、酒飲む?」
律子「そうですね、いただいても良いですか?」
P「分かった。その棚にグラスがあるから取ってくれる?」
律子「はい!」
P「・・・ほいっ」トクトク
律子「ありがとうございます」
P「それじゃあ、律子の引っ越しを祝って!」
P律子「「乾杯!!」」カチン
P「・・・ぷはっ!」
律子「美味しいっ!」
P「鍋にも手をつけよっか」
律子「そうですね!プロデューサー、具材とりますよ?」
P「ありがとう」
律子「はいっ」コトッ
P「悪いな・・・じゃあ」
律子「はいっ」
P律子「「いただきます!!」」
P律子「「・・・」」モグモグ
律子「美味しいっ!」
P「鶏がゴリゴリしてるな!」
律子「一回焼いて焦げ目つけたおかげで香りも良いですし・・・」
P「だろ?ちょっと焼くと美味いんだよ」
律子「それにつみれも美味しいですよ!」
P「どれどれ・・・あっ、ホントに美味い」
_________
______
___
P「・・・あ~、食った食った!」ポンポン
律子「ホント、お腹一杯です」
P「締めの蕎麦がまた特に美味かったな」
律子「そうですね!鍋をつついてる間に色んな具材のダシが出たでしょうから・・・」
P「そうそう!だから思わずダシもたくさん飲んでしまったよ・・・」アハハ
律子「私もです」クスッ
律子「それに、途中からプロデューサーが持ってきた日本酒も美味しかったです!」
P「そうだろ?アレ、手頃な値段だけど美味いんだよ」
律子「日本酒ってあんまり飲み慣れてないんですけど、ついつい沢山飲んじゃいましたよ」
律子「でも、あんな美味しいお酒どうやって手に入れたんですか?」
P「さっきのスーパーの通りに酒屋があってな、良い酒置いてるんだ」
律子「そうなんですか」
P「今度律子にも教えるよ」
律子「それは嬉しいですね、助かります!」
律子「ん?・・・プロデューサー、この棚に入ってるのって・・・」
P「あっ、見つかったか・・・俺のお宝BOX、アイドルたちのCDとDVD!」
律子「担当アイドルに竜宮も・・・ってこれ、プロデューサーが765プロ入る前に出した春香のCDじゃないですか?」
P「それ見つけるの苦労したんだぞ?・・・あとほら、他の娘たちのも」
律子「自分で買ったんですか?」
P「ああ。色んな店訪ねてな」
律子「・・・事務所の倉庫行ったらこのCDとか、かなり残ってると思いますよ」
P「マジで?」
律子「マジです」
P「でもこういうのって、苦労して自力で手にいれる方が良いよな」
律子「確かにそうですね、私も買ってます」クスッ
律子「・・・って、わあっ!こ、これ!!」ガタッ!
P「ん?おっ、気が付いたか!」
律子「な、何で持ってるんですか!?私のCD!?」
P「探した」
律子「だからどうして!?」
P「俺が欲しかったから」
律子「し、しかも!これも!あっ、このCDも!ええっ、デビューシングルまで!?」
P「そうそう!その律子のデビューシングルが一番探すのに苦労したんだよ!」
P「ちなみにみんなのCDもそうですけど、りっちゃんがプロデュース業に転向するまでのCDも全部取り揃えてます」ザッ
律子「!!・・・うううぅぅぅ・・・」カアァ
律子「買っていただけるのはとても嬉しいんですけど・・・やっぱり少し恥ずかしいですよ!」///
P「そういうもんなのか?」
律子「はい!」
律子(特にプロデューサー、あなただからですよ!ばかっ!)///
律子「もーっ!この話題はやめにしましょう!やめやめ!」///
P「分かったよ・・・でも最後に律子、1つだけ頼みがあるんだ」
律子「・・・何ですか?」
P「このCDにサインくれない?」
律子「うえぇっ!?サインですか!?」
P「ダメか?律子のCDの中で一番気に入ってるんだけど・・・」
律子「気に入ってるって・・・それ!ジャケット撮るの一番恥ずかしかったやつじゃないですか!よりによって!!」///
P「そうなのか?でもさ、このジャケットの律子ってかなり官能的というか・・・エロい」
律子「!!」
P「それに、そういう服だから胸も結構強調されて・・・」
律子「!!!」
P「あと歌もさ!・・・って律子?」
律子「・・・」プルプル
P(あっマズい、熱中というか、興奮しすぎて言いすぎt「ばかああぁぁぁ!!」バシーン!
・・・
律子「本当にごめんなさい!プロデューサー!」ペコペコ
P「いや、大丈夫だよ。俺も調子乗って色々言い過ぎだからさ」ヒリヒリ
律子「それでも手を出したのは私なんですから・・・」
P「じゃあ律子、このCDにサインするっていうのでこの話はチャラにしよう」
律子「!・・・は、はい!そうさせてください!」
P「よし!」グッ
律子「もうっ!そんなガッツポーズしないでくださいよ!」///
律子「キュキュッ・・・これで、よし!はいプロデューサー、出来ましたよ!」スッ
P「おおっ!ありがとう、律子!」
律子「・・・大切にしてくださいよ?」
P「当たり前だよ!ホントに一番気に入ってるからさ、大切にするよ!」
律子「うううぅぅぅ・・・///」プシュー
P(りっちゃん、かわいい)
P「そろそろ良い時間だから、帰った方が良いんじゃないか?」
律子「あっ、そうですね!もうこんな時間・・・」
律子(もう少しここにいたかったな・・・)
P「なあ、律子」
律子「何ですか?」
P「また今度さ、こうやって一緒に作って食べよう」ニッ
律子「はい!・・・えへへ」テレテレ
P「それじゃあお疲れ様、律子」
律子「はい、明日も頑張りましょうねプロデューサー!」
P「ああ!」
ガチャ バタン
P「ああ、楽しかった~」
P「やっぱり誰かと一緒に食べるのって良いな!」
・・・
律子宅
律子「~~~っっ!!!///」ジタバタ
_________
______
___
朝 自宅
律子「・・・戸締りよし!」
ガチャ バタン カチャッ
ガチャ
P「おっ律子、おはよう!」
律子「あっ、プロデューサーおはようございます!」
P「奇遇だな、同じ時間に2人とも出てくるなんて」
律子「そうですね。プロデューサーはいつもこの時間出るんですか?」
P「ああ。25分の電車に乗るからさ、この時間に出たら丁度良いんだよ」
律子「そうなんですね」
律子(・・・覚えておこうかしら)
P「せっかく同じタイミングで出たんだ、一緒に行こう」
律子「はいっ♪」
テクテク
律子「プロデューサー、昨日はありがとうございました」
P「こっちこそありがとう、律子。昨日は楽しめたか?」
律子「はい!とっても!」ニコッ
P「そっか、それならよかったよ」ニッ
P「また今度機会があったら昨日みたいなことしような」
律子「楽しみにしてます!」
・・・
カツカツ コツコツ
ガチャ
P律子「「おはようございまーす!!」」
真美「わあ!ホントに兄ちゃんとりっちゃん一緒に来たよ!」
亜美「ピヨちゃんの言う通りだねー!」
P律子「「!?」」
小鳥「ごめんなさいプロデューサーさん、律子さん。引っ越したこと話したらみんなが食い付いちゃって・・・」
真「ボクは春香から聞きましたよ!」
雪歩「私は千早ちゃんに・・・」
P「あっ、おととい春香と千早に俺が言ったんだった」
あずさ「でも同じマンションで、さらにお部屋が隣だなんてスゴいですね?」
律子「ぐ、偶然ですよ!ホントに!」
P「もうみんなはこのこと知ってるのか?」
響「多分ね!春香とか真とか、色んな人からそういうメールが来たから!」
貴音「おそらく瞬時に皆に伝わったでしょうね」クスッ
P「ってことは美希も・・・」
真美「ミキミキには亜美がメールしてたよー!」
亜美「でもミキミキ寝てたのかなぁ?メールしても帰ってこなかったもん!」
律子「ってことは今朝見て・・・」
ダダダダダ!
ガチャ!
美希「ハニー!律子と同棲ってどういうこと!?」
律子「美希、『さん』は?」
美希「さん!」
美希「そんなことより、亜美のメールはどういう意味なの!?」
P「なあ亜美、美希に何て送ったんだ?」
亜美「んとね、『速報!りっちゃんと兄ちゃんが同棲状態!?』って送ったよ!」
P「そんな紛らわしい風に書くから話がこじれるんだよー」グリグリ
亜美「うぎゃーっ」グリグリ
美希「それでハニー!どういうことなの!?」
P「ええっと・・・カクカクシカジカ」
美希「・・・っていうことは、律子...さんがハニーの隣に引っ越したってこと?」
律子「そういうこと。だからプロデューサーと同棲してるわけじゃないわよ」
千早「ねえ律子、昨日は何もなかったの?」
やよい「昨日も一緒に帰ったって聞きましたー!」
伊織「それに、おとといは一緒に夜ご飯食べに行ったって聞いたわよ?」
律子「うえぇ!?じ、情報が早い・・・」///
P「昨日も一緒に飯食ったよな?」
律子「は、はい」
P「そうそう、鶏鍋を一緒に作ってさ・・・美味かったなぁ」
一同「「「!!!」」」ガタッ
真「一緒に・・・」
雪歩「作った・・・?」
小鳥「どっちのお家で作ったんです?」
P「俺の家です。いやぁ、私用で母親以外の女性を家に入れるのって初めてだったんで緊張しましたよ・・・」アハハ
律子「!!」カアァ
一同「「「!!!」」」ガタッ
あずさ「ってことはプロデューサーさんのお宅に初めて入った女性が律子さん・・・」
P「ま、まあ、そういうことになりますね」///
一同「「「!!!」」」ガタタッ!
美希「どういうことなの!?律子!?」
律子「うう・・・そんな言い方されると・・・」///
亜美「真美隊員、これは念入りな取り調べが必要ですなー?」
真美「///!・・・う、うん!旦那ぁ、覚悟して下さいよ?」
あずさ「うふふ~」ジリジリ
律子「えっ、ちょ、ちょっとみんなどうしてそんなに近づいて来て・・・きゃああぁ・・・!」
P「あはは・・・律子、頑張ってくれ・・・」
社長「ん?朝からどうしたのかね?」ヌッ
P「あっ、社長実は・・・カクカクシカジカ」
社長「ああ、音無君に聞いたよ。しかしこんな偶然もあるものなんだねぇ」
P「本当にそうですね、俺もビックリしましたよ」
社長「しかし、悪いことではないからねぇ、2人とも仲良くやってくれたまえ!」
P「はい!そういっていただけると嬉しいです!それに・・・」チョイチョイ
P「ん、どうした?春香・・・だけじゃなくて・・・みんな?」
春香「・・・プロデューサーさんにも、色々とお聞きします♪」
P「え、ちょっと待って・・・し、社長!っていない!さっきまでいたのに!!」
P「うわああぁぁ・・・!」
おわり
続きものにする予定です。
あと2~4つこれの話で書く予定にしてます。
温かく見守っていただけたら嬉しいです。
以前あった、律子「一人暮らし考えてるんです」P「家の隣空いてるぞ?」ってSSから
律子が引っ越してたら・・・みたいなのを思いついて・・・
自分はその以前書かれた律子の方ではありません。
途中、クセでまた酒のことになった書きそうになった・・・
りっちゃんのアルバムはSPの時に出された(?)やつです。写真の貼り方分かんないので誰か・・・
それです!ありがとうございます!
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