まどか「悪魔さんの噂」 (39)
◇ショッピングモール
まどか「あ、このお洋服可愛いー♪」
杏子「おー、まどかに似合いそうじゃん」
まどか「そ、そうかな? えへへ……」
さやか「あ! いやー、それはやめておいたほうがいいんじゃない?」
まどか「え? どして?」
さやか「だってそれ黒っぽいじゃん。だから、さ」
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まどか「……? 黒だとダメ?」
さやか「まどかは知らない? あの噂」
杏子「あー……あれか。知らないんじゃないか、転校してきたばっかだし」
まどか「噂、って……」
さやか「うん、まあ、噂なんだけどさ……」
さやか「黒い服を着た女の子は、悪魔さんの奴隷にされちゃうんだって」
まどか「あ、悪魔さん……?」
さやか「そ。噂によると……」
さやか「『悪魔さんは黒い服を着た少女を狙う』」
さやか「『悪魔さんには14人の奴隷がおり、みんな黒い服を着せられている』」
さやか「『黒い服を着ていると悪魔さんに連れ去られて奴隷にされてしまう』」
さやか「『だから黒い服を買ってはいけない。着てはいけない』」
さやか「っていう話だよ!」
まどか「そんな噂があるんだ……」
まどか「悪魔さんの奴隷になっちゃうと、どうなるの?」
杏子「そりゃ奴隷なんだからこき使われるとかだろ」
さやか「んーん、噂だとね……」
さやか「エッチなイタズラをされて、頭をおかしくされちゃうんだって!!」
まどか「え……えええ!? え、エッチなイタズラ……!?」
杏子「ふーん、いわゆる淫魔の類なのか」
まどか「ど、どうしよう、この服買うの止めたほうが良いかな」
杏子「でも噂は噂だろ? 気にすることないって、買っちゃえよ」
まどか「そ、そうだよね! うん、悪魔なんているわけないし!」
さやか「……まあ、まどかが良いならあたしは口出ししないけどさ」
さやか「知らないぞー? 悪魔さんにエッチされてもー?」
まどか「ううっ……さ、さやかちゃんのイジワル!」
◇夕方 まどかの家
知久「まどか、悪いんだけどお醤油買ってきてくれるかな?」
まどか「うん、いいよ」
知久「よろしくね。好きな物も一つ買っていいからね」
まどか「やった! ありがとうパパ!」
知久「ああ、もう暗くなってきてるから気をつけるんだよ」
知久「ちゃんと人通りの多い道を選んで……」
まどか「もお、大丈夫だよー」
まどか(……あ、そうだ。せっかくだから新しいお洋服着てみよっと!)
◇大通り
まどか(お醤油も買ったし、きのこの山も買ったし……うん、オッケー!)
まどか(早く帰ろっと!)
まどか(……? なんだか視線を感じる……)
子供『…………』ジーッ
まどか(女の子……? 黒いお洋服の……)
まどか(……黒い、お洋服!?)
『悪魔さんは黒い服を着た少女を狙う』
『悪魔さんには14人の奴隷がおり、みんな黒い服を着せられている』
『黒い服を着ていると悪魔さんに連れ去られて奴隷にされてしまう』
『だから黒い服を買ってはいけない。着てはいけない』
まどか(どうしよう……これって、もしかして)
まどか(いや、そ、そんなわけ……ないよね……?)
子供『Wie hei?en Sie?』アナタノ ナマエハ?
まどか「えっ?!」
子供『Wie hei?en Sie?』
子供『Wie hei?en Sie?』
子供『Wie hei?en Sie?』
まどか(わわっ! なんか女の子がいっぱい出てきた!)
まどか(しかもみんな黒っぽいお洋服……こ、これってまさか、ホントに……!)
子供『Wie hei?en Sie?』
まどか「うう、英語じゃないし、何言ってるかわかんないよぉ……ドイツ語かなぁ」
まどか「えーと……あい、きゃんと、すぴーく……」
子供『!』
子供『Es wurde gefunden!』ミツケタ!
まどか「えっ?」
子供『Gehen wir! Gehen wir!』イキマショウ! イキマショウ!
まどか「きゃ、や、やだ、引っ張らないで!」
まどか(何? なんなの……!!)
まどか「だ、誰か助け……!?」
まどか(周りに誰もいない……?! そんな、なんで、大通りなのに!)
子供『Gehen wir! Gehen wir!』
まどか「やっ……わ、分かったよ、ついてく、ついてくから髪引っ張らないで!」
◇夜の公園
まどか(どこなの、ここ……こんなとこ、近くにあったかな……)
まどか(お花がいっぱい咲いてる……)
子供『Gott ist tot!』
子供『Gott ist tot!』
子供『Gott ist tot!』
まどか(何を叫んでるんだろ……怖いよ……)
まどか(……あれ、向こうから誰か来る……)
まどか(も、もしかして、本当に、悪魔さんが……!!)
まどか「ひっ……や、いやあああ!!」
ほむら「……貴女たち、また誰かを連れてきたのね」
まどか「えっ……」
子供『Liebe!』アイ!
ほむら「人違いでしょう。いい加減に、黒い服の子を無差別に拉致するのは止め……」
ほむら「……まどか?」
まどか「ほ、ほむらちゃ……?」
ほむら「貴女、どうしてここに……」
まどか「ど、どうしてって言われても……」
ほむら「……ああ、そういうこと。その黒い服……」
まどか「……?」
ほむら「ごめんなさい。この子たちの遊びに巻き込んでしまったみたいね」
まどか「あ、遊び……? この子たちって」
子供『Gott ist tot!』
ほむら「この子たちは私の……まあ、オトモダチのようなものよ」
ほむら「暇つぶしに黒い服を着た仲間を探すのが好きなの」
まどか「は、はあ……そう、なの?」
まどか「ねえ……も、もしかして……噂になってる『悪魔さん』って、ほむらちゃんのことなの……?」
ほむら「噂? ああ、あれね……」
ほむら「ええ、私が『悪魔さん』みたいよ。噂と事実は少し異なるけれど……」
まどか「や、やっぱりそうなんだ……え? あ、じゃ、それじゃあ……!!」
ほむら「何?」
まどか「わ、私も……え、エッチなイタズラされちゃうの……!?」
ほむら「……?」
ほむら「……そんな噂になっているの?」
まどか「えっ? う、うん。そうだよ」
まどか「悪魔さんに連れ去られたら、エッチなことされちゃうって……」
まどか「……違うの?」
ほむら「淫らな行為をしたことはないわ。噂に尾ひれがついただけでしょう」
まどか「……なーんだ、そっか……」
ほむら「…………」
ほむら「貴女まさか、期待していたの?」
まどか「ふえっ!? ちちち、違うよ!! そんなわけないよ!!」
ほむら「そう……そういうことなら、本当にイタズラしてあげましょうか」
まどか「えっ……? あ、や、嫌っ、やめてっ……」
ほむら「……嫌ならもっと抵抗するべきよ? どうして逃げないの?」
まどか「え、えと……それは、その……」
ほむら「ほら、捕まえたわ。貴女はもう逃げられない。私の可愛い玩具……」
ほむら「さあ、どうしてあげましょうか? キスして欲しい? 愛撫して欲しい? それとも……」
まどか「あ……あぅ……」///
ほむら「…………」
ほむら「……冗談よ」
まどか「ふえっ?」
ほむら「エッチなことなんて、するわけないでしょう」
まどか「あっ……あうう!」
まどか「ひ、酷いよ、ほむらちゃん! からかうなんて!」
ほむら「くすっ……ごめんなさい。貴女の慌てる顔が可愛くて」
まどか「可愛いっ……?! そ、そんなこと言っても誤魔化されないんだからね!」
ほむら「ふふ……ああ、楽しい。やっぱり貴女は可愛いわ、まどか」
まどか「もうっ……!! ほむらちゃんのバカ! もう嫌いになっちゃうんだから!」
ほむら「それは悲しいわね。困るわ……」
まどか「……あれ? でも、なんだか……」
ほむら「まどか?」
まどか「何だろう……なんだか不思議……」
ほむら「?」
まどか「私、前にもここで、ほむらちゃんと二人きりでお話ししていたような気がする……」
まどか「それに、ずっとこうしてほむらちゃんとお話ししたかったような気がするの……」
ほむら「…………」
ほむら「……とりあえず、その黒い服はやめたほうが良いわね」
まどか「えっ?」
ほむら「またこの子たちに連れ去られるかもしれないわ」
まどか「あ……うん」
まどか「お気に入りだったんだけどなあ……残念」
ほむら「大丈夫よ、代わりのお洋服はあげるし……」
ほむら「私が記憶を消してあげるから」
まどか「えっ、それってどういう────」
ほむら「またね、まどか」
◇まどかの家
和久「おかえりまどか。早かったね」
まどか「……えっ? あ、うん」
まどか「はい、これお醤油」
和久「うん、ありがとう」
和久「……あれ? 出かけるときは黒い服じゃなかったかい?」
まどか「ううん? 最初から白だったよ? この前買った、白のワンピース」
和久「そうだったかな……まあいいや、もうすぐ晩御飯出来るからタツヤと遊んでてあげて」
まどか「はーい」
◇翌朝 通学路
さやか「それでさ、杏子ってば……」
杏子「あれはさやかが悪いんだろ!」
まどか「あははっ……」
ほむら「────お早う、まどか」
まどか「っ……!!」ドキッ
杏子「あ。ほむらじゃん、おっす」
さやか「……何の用よ、ほむら」
ほむら「クラスメートに声をかけただけよ。そう身構えないで頂戴」
まどか「あ……えと、お、おはよう、ほむらちゃん……」
ほむら「ええ、おはよう。顔が紅いけれどどうかしたの?」
まどか「ふえっ?! え、えと。よ、良く分かんないけど、なんか急に……」
まどか「ご、ごめんねほむらちゃん。私なんだかちょっと変みたい」
ほむら「気にしなくて良いわ」
ほむら「ああ、それと────」
まどか「?」
ほむら「……」ボソッ
まどか「っ……!?」///
ほむら「それじゃあ、私は先に行くわ」
まどか「は、はううう……!!」///
さやか「ちょっと! 今まどかに何を吹き込んだの!?」
ほむら「何でもないわ。少し、女の子の好奇心について助言しただけ」
杏子「好奇心? なあまどか、何を言われたんだ?」
まどか「ななな、何でもない! 何でもないから!」
ほむら「ふふっ……それじゃあまどか。また……ね?」
まどか「う、うん……また……ね」
『悪魔さんは黒い服を着た少女を狙う』
『悪魔さんには14人の奴隷がおり、みんな黒い服を着せられている』
『黒い服を着ていると悪魔さんに連れ去られて奴隷にされてしまう』
『だから黒い服を買ってはいけない。着てはいけない』
『でも、もしも本当に悪魔さんの特別になりたいなら、白いワンピースを着て……』
おしまい。
乙
まどか可愛い、途中まで知久なのになぜ和久に変わったのやら
>>32
しまった……間違った。
自分でもわけがわからないよ
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