九月の某日
冬馬「100円セールじゃなくて半額かよ。すげぇな」
翔太「何が半額なの!?ハニーディップあるの!?」
北斗「落ち着け翔太。ほら、これがチラシだ」
翔太「貸してっ!」
冬馬「チラシまで持ってくんなよ……」
北斗「事務所の掲示板に貼ってあったから拝借してきたんだ」
冬馬「芸能事務所になんでドーナツのチラシが貼ってるんだよ」
北斗「社長の趣味じゃないか?」
冬馬「……まぁそんなとこだろうな」
翔太「ハニーディップもダブルチョコレートも!エンゼルクリームもあるよ!」
冬馬「海老グラタンパイねーの?」
北斗「ドーナツだけみたいだな」
冬馬「Dーポップもないとかミスドわかってねぇなー」
翔太「ねぇ冬馬君!北斗君!ドーナツ買いに行こうよ!」
冬馬「今日収録入ってるだろ。これいつまでやってんの?」
北斗「明日までだったか?」
翔太「じゃあ明日行こうよっ!お願い!」
冬馬「つーか翔太一人で行けばいいじゃねーか。俺エンゼルフレンチとポンデリングな」
北斗「オールドファッションとゴールデンチョコレート」
翔太「そんなつまんないこと言わないで皆で行こうよっ!」
北斗「ドーナツのなにが翔太をそこまで駆り立てるんだろうな」
冬馬「単に食欲だろ……まぁそこまで言うなら行ってやってもいいけどよ」
翔太「やった!」
北斗「今日の夕飯からカロリー抑えておかないとな」
冬馬「ドーナツなんて久しぶりだぜ」
翔太「そういえばクロちゃんも誘うの?」
北斗「俺達だけで行ったら拗ねそうだしな……声だけかけておくか」
ガチャ
黒井「その必要はないぞ」
冬馬「うおぁ!?」
冬馬「び、びっくりさせんなよ……」
翔太「あっクロちゃん丁度いいとこに。明日なんだけど」
黒井「ウィ。話は全て聞かせてもらった。当日は私も行こう」
翔太「さっすがクロちゃん!セレブ!」
黒井「もっと褒めていいぞ。私はセレブだからなはーっはっはっは!」
北斗「ずっと聞き耳立ててたんですか……」
冬馬「ガキみたいなおっさんだな……」
黒井「では明日の夜はドーナツパーティだ」
翔太「ドーナツパーティ?」
冬馬「ピザパみたいなもんじゃね」
北斗「ようするにドーナツ食べて喋るだけだな」
翔太「いつもの僕たちじゃん」
黒井「まぁそう言うな。最近は忙しく全員揃う時間がとれなかったからな」
黒井「社員を労うのも王者たる私の役目だ」
冬馬「ただドーナツ食いたいじゃね」
翔太「そこは黙ってようよ」
北斗「どうせですし、765のプロデューサーさんも誘っておきますか?」
黒井「既にメール済みだ。抜かりは無い」
冬馬「速すぎだろ」
翔太「有能なクロちゃんは顔からセレブが滲みでてるねっ!」
黒井「鈍感不手際765プロとは何もかもが違うのだよ」
送信者:黒井社長
件名 :ドーナツシャイニーフェスタ招待
「明日」に行われるドーナツフェスティバルに、「ジュピター」と「私黒井」が参加する予定だ
要注目のフェスティバルだから、合格すれば、「10万人」はファンが増えるだろうし
君にはいいことが、あるかもしれないな。ただし、出場を辞退し続ければ
いつか必ずしっぺ返しが来るだろう。そう、最後には必ずね
ま、ムダだと思うが、恥を晒したければ明日の昼、961プロに来てみたまえ!はっははは!
P「10万人ってなんだ……」
響 「メールか?プロデューサー」
P「え、あぁ。業者からの迷惑メールだったよ」
響 「最近多いよなー。おかげで自分アドレス変えてばっかりだぞ」
P「長いアドレスにしたら届きにくいらしいぞ」
響 「へぇー」
美希「えぇー!すごいの!絶対行きたいって思うな!」
亜美「皆で今から行こうYO!」
あずさ「いいわね~」
P「えらく騒がしいな」
響 「どうしたんだー?」
真 「あ、響!これ見なよ!」
響 「広告?……ドーナツ、半額……半額かぁ」
P「これのことか……」
真美「ねぇりっちゃんいいっしょ?皆でドーナツ買いに行こうよ~」
律子「ダメよ!今週撮影があるのにドーナツなんて食べちゃダメ!」
亜美「えぇー!」
美希「酷いの!人権侵害なの!訴えてやるってカンジ!」
律子「馬鹿なこと言ってないでレッスンの準備しなさい!」
ギャーギャーギャー
春香(ついにきたか……!)
物陰から覗くトップアイドル(予定)天海春香は、朝自宅でチラシを見た瞬間から、この機を伺っていた。
春香(春香ちゃんと言えばクッキーと言われがちな私ですが、ドーナツだって作れるんですよ!)
春香『あちゃ~まぁお店のドーナツってカロリー高いし食べ過ぎちゃうからね!』
真美『はるるん……』
春香『でも、手作りドーナツなら大丈夫なんだよ?そう、ハルカードーナツならね』
千早『素敵!抱いて!』
P『すごいな春香!さすが裏芸能界一緒に墓に入りたいランキングぶっちぎり1位なだけあるな!』
春香「うへへ……よっし」
春香「ハルカ・アマミ!インベル、出ます!」
響 「じゃあ今度自分がサーターアンダギー作ってきてあげるよ!」
春香「!?」
真美「なにそれ?」
亜美「あんたがたどこさ?」
響 「サーターアンダギーっていうのは……」
貴音「サーターアンダーギーは、沖縄県の揚げ菓子の一種ですよ」
貴音「首里方言でサーターは砂糖、アンダーギーはアンダとアギーで揚げ物を意味します」
貴音「その名の通り砂糖を多めに使用した球状の揚げドーナツで、気泡が小さくて密度が……」
真美「あ、はい」
美希「揚げパンみたいなお菓子なの」
P「揚げパンか。美希は物知りだな」
美希「ふふん、なの」
あずさ「そういえばこの前デパートで売ってたわね~」
亜美「この際ドーナツっぽいなら何でもいいから食べたいYO!」
千早「我那覇さんはお菓子も作れるの?」
響 「うん!あんまーに教えてもらったから一通りのことはできるんだ」
真 「すごいね響!」
響 「え、そ、そう?……へへっ自分完璧だからな!」
貴音「摂氏140から150度で数分間揚げるのです。低めの油温から揚げ始めそこから油温が……聞いていますか真美」
真美「はい」
やよい「おはようございまーす!」
伊織「おはよう。何盛り上がってるのよ」
雪歩「響ちゃんがお菓子作ってきてくれるんだって」
やよい「はわっ!楽しみですー!」
伊織「お菓子ぃ?あんた達今週のスケジュール忘れたの?」
小鳥「じゃあ伊織ちゃんの分は私が貰うわね!」
伊織「ちょっと!食べないなんて言ってないでしょ!」
千早「楽しみね、春香」
春香「ソウダネ」
律子「だから今週は撮影が……聞いちゃいないわ」
P「一人ひとつくらいなら大丈夫だろ。調整すればいけるさ」
律子「まぁそうですけどね……」
小鳥「ドーナツも捨てがたいんですけどねぇ。今朝すっごい行列できてましたよ」
P「並んでまで食べたいものなんですかね」
小鳥「普段より安い、というのがキモなんですよ」
律子「120円だと60円ですからね」
P「確かにでかいな……ん?お、おい!時間やばくないか!?」
律子「え……?げ!!」
律子「皆!もうレッスンまで時間ないわよ!」
響 「あ、律子!自分達今から伊織の家でお菓子作りしてくるから!」
律子「 早 く 準 備 し な さ い ! ! !」
響 「ひぃ!」
ガチャ
高木「おはよう諸君!巷で噂のドーナツを買ってきたよ!」
律子「もうドーナツの話はやめてください!」キッ
高木「な、なんだね……」
P「これから皆を送ってきますんで!失礼します!」
美希「ミキ黒糖味が食べたいな」
響 「ちゃんと用意しておくさー」
貴音「生地に南瓜、紅いも等を練り入れたばりえいしょんも存在するらしいですよ」
真美「はい」
雪歩「春香ちゃんも早く!」
春香「ウン」
小鳥「ちょっとタイミングが悪かったみたいですね」
高木「たくさん買ってきたんだがなぁ」
小鳥「じゃあ私達で食べちゃいましょうか!お茶淹れてきますね!」
高木「そうするか……」
律子「皆わかってるわね?」
真美「ガッテン!必要以上にカロリーを消費するんだNE!」
亜美「それドーナツ!ドーナツ!」
美希「ドーナツ!ドーナツ!」
やよい「ドーナツ!ドーナツ!」
講師「凄い気迫だわ……近いうちにライブでもあるのかしら」
伊織(お菓子のためなんてとても言えないわね……)
響 「ドーナツじゃなくてサーターアンダギーだぞ」
亜美「それ言いにくいからドーナツってあだ名つけたんだよ!」
響 「あだ名なら仕方ないなぁ」
……
高木「それでは今週もランキングどっとっぷTVが始まるよ!」
千早「今日は内容の濃いメニューで良かったわね」
雪歩「で、でも疲れるね……脚が痛くって……」
真 「普段の倍くらい動いてたしね」
伊織「小鳥なんか丸くない?」
小鳥「き、気のせいじゃないかしら……」
P「あ、そういえばメール返事してないな」
P「了解ですっと」
響 「何してるんだ?」
P「明日オフだろ?仕事の付き合いで人と会う約束してたんだよ」
響 「休みでも大変なんだなープロデューサーは」
P「半分以上遊びに行くようなもんだけどな……あ、そうだ」
響 「?」
キミニフレタカラー
黒井「ようやく返事がきたか。要領の悪い男だ」
翔太「ずっと正座で待ってたもんね」
北斗「まるで恋する乙女だな」
冬馬「気持ち悪いこと言うなよ……」
翔太「で、なんて書いてるの?」
黒井「承諾と一人同伴させたいとのことだ」
冬馬「難しいな」
北斗「ドーナツ繋がりですか」
翔太「うーん……やよいちゃん?」
北斗「どうだろうな」
冬馬「つーか俺達と765プロの連中皆で買いに行くのかよ?週刊誌にすっぱ抜かれたらどうすんだ」
黒井「厳重に変装すれば問題ないだろう。策は用意してある」
翌日
羅刹「策ってこれかよ……偽名の名札とか意味わかんねーよ」
白井「念には念を入れろと言うだろう」
南斗「そうかもしれませんが、これは……」
TOTO「……」
羅刹「お、来たみたいだぜ」
P「悪い!遅れ……」
響 「はいさ……!?」
羅刹「よう」
南斗「こんにちは。プロデューサーさん。もう一人って響ちゃんだったんですね」
TOTO「こんにちは……」
P「え、なんなのこの人たち……」
響 「うぎゃー!変態がたくさんいるぞっ!」
白井「若い客の多い場所に変装無しで行ける筈無いだろう。そんなこともわからんのか」
P「いや、普通に帽子と眼鏡だけでいいじゃないですか。名札とゼッケンとか変態ですよ」
白井「妬くなセンスの無い765プロ。ちゃんと貴様の分も用意してある」
響 「P-Dragonって書いてあるぞ」
P「完全にパクりじゃないですか……」
P「翔太は人ですらないし、訴えられますよ」
白井「訴えられるのは困るな……全く庶民の感覚はわからんものだ」
黒井「仕方あるまい。全員名札とゼッケンは外せ」
冬馬「ったく。とんだ羞恥プレイだったぜ」
北斗「スタッフさん達の生暖かい視線がきつかったな……」
翔太「ありがとうプロデューサーさん……」
P「な、泣くなよ……そんなに辛かったのか……」
響 「ねぇプロデューサー」
P「ん?」
響 「なんでプロデューサーと961プロが一緒にいるんだ?」
冬馬「今の俺達はジュピターの枠を超えた戦士なんだぜ」
翔太「意味わかんないよ冬馬君」
北斗「ライバル同士でもオフではそこまで仲は悪くないってことだよ」
P「そういうわけで今日は響が一緒だ。皆仲良くしてやってくれ」
響 「まぁプロデューサーが一緒ならなんくるないさー?」
P「なんくるないなんくるない」」
冬馬「なんくるねぇな」
北斗「あぁ。なんくるない」
黒井「では行くか。約束の地へ」
翔太「それにしても帽子と眼鏡で変装した男5人組って怪しすぎない?」
冬馬「仕方ねぇだろ。顔バレしたら大騒ぎどころじゃすまねぇし」
響 「黒井社長は変装する必要ないんじゃないの?」
P「まぁ一応有名人になるのか?」
黒井「私ほどのセレブになると顔から王気(オーラ)が滲み出るからな」
冬馬「ただの若作りしたおっさんがよく言うぜ」
黒井「何か言ったか?」
冬馬「セレブなら今日は社長の奢りだよなって言ったんだよ」
黒井「菓子の100や200など宇宙一のスーパープレジデント黒井祟男に任せておけ」
響 「なんで大統領なんだ?」
北斗「社長を英語で言ったらプレジデントなんだよ」
響 「へぇーフランス語で言わないんだな」
P「そういえばフランス語で社長ってなんて言うんです?」
黒井「えっ」
冬馬「普段からウィだのアデューだの使ってるなら知ってるよな」
黒井「……」
北斗「社長?」
冬馬「俺フランス語なんてフランスパンしか知らないぜ」
翔太「それは違うと思うよ……」
P「フランスパンはフランス語でバゲットらしい」
冬馬「うどんヌードルみたいなもんか」
北斗「その例えはどうかと思うぞ」
黒井「さぁもうすぐ到着だ!」
響 「あれ?フランスパンは……」
黒井「黙れ汚い765プロ!ドーナツを買うのが目的だったろうが!」
響 「ご、ごめん」
冬馬「と、ところでずっと気になってたんだけどよ」
響 「なんだ?」
冬馬「ほら、あいつは今日一緒じゃないのか?」
P「あいつ?ハム蔵さんなら今日はいらっしゃらないぞ」
冬馬「あんな雑魚じゃねえ!我那覇と一緒にいた豚……」
響 「ブタ太のことか?」
冬馬「そう!あの豚だ!」
響 「今日は留守番してるぞ」
冬馬「お前もう帰れよ」
響 「んな!?」
翔太「冬馬君って豚専だったんだ……」
北斗「人の趣味には寛容にいこうな」
翔太「うん」
P「お前アイドルのくせに可愛い女の子より豚を選ぶのか」
冬馬「女なんて見飽きたぜ。今の時代は豚だろ」
P「どの時代に人間より豚を選ぶ男がいるんだ……」
響 「自分ブタ太以下だったのか……」
北斗「ところで社長はさっきから黙ってどうしたんです?」
黒井「……あれを見てみろ」
ガヤガヤ
翔太「あれって目当てのドーナツ屋じゃない」
冬馬「なんか人多くねえ?」
P「いや、多いってもんじゃないだろあれ……」
響 「店外にまで行列できてるぞ!」
黒井「来るのが遅すぎたか!急げお前達!」
翔太「僕何人くらい並んでるか数えてくるねっ」
黒井「店の外だけでも20人はいたな」
P「そこまでドーナツが食べたいのか……」
響 「店員さんも大変だろうなぁ」
冬馬「今のうちに何買うか決めておこうぜ」
P「俺はなんでもいいよ」
響 「自分ココナッツチョコレートとポンデリングがいいな」
北斗「社長はどうします?」
黒井「全部だ」
冬馬「は?」
北斗「全部って買い占めるつもりですか?それは……」
黒井「ノンノン。961プロはどこぞの事務所と違って他のお客様の迷惑になるような真似はしない」
P「うちだってしませんよ……」
冬馬「じゃあ何個買うんだよ」
黒井「15種類を5個ずつだ」
響 「15×5って75個も買うのか!?」
P「すごいな響。かけざん早いじゃないか」
響 「えっそうかな……えへへ」
北斗「まぁそれでも5千円以内には収まりますか」
冬馬「半額セールはすげぇなぁ」
黒井「これだけあれば口寂しくなることもないだろう」
P「響は食べ過ぎないように注意しろよ」
響 「食べた分運動するから大丈夫さー」
冬馬「つか翔太遅いな」
P「どこまで見に行ってるんだろうな」
翔太「……」トボトボ
北斗「噂をすれば、ですよ」
冬馬「何人くらい並んでたんだ?」
翔太「お店の中まで見てきたんだけど……」
P「かなり混雑してただろ」
翔太「なかったよ……」
響 「え?」
冬馬「なかったってドーナツか?やっぱ半額だから在庫少ないのな」
北斗「どれが余ってたんだ?」
翔太「なにもなかった……」
P「」
翔太「全部売り切れてた……」
黒井「なん……だと……」
冬馬「全部売り切れてたってお前15種類全部売り切れてたのかよ」
翔太「うん……お店の入り口に張り紙がしてあったよ……ぐすっ」
冬馬「な、泣くなよ……たかがドーナツだろ」
P「で、でも追加でどんどん作ってるんじゃないか?これだけの行列なのに告知もないし」
北斗「そうですよ。きっと今頃中は大忙しですよ。もう少しの辛抱だぞ翔太!」
店員「真に申し訳ございません!ドーナツの製造が追いつかないため一時閉店させていただきます!」
店員「19時をめどに再開予定になっております!真に申し訳ございません!」
P「……」
北斗「……」
響 「今何時だっけ……」
黒井「2時だな……」
P「5時間待ちですか……」
冬馬「ねずみの国じゃねぇんだぞ……」
翔太「……」
冬馬「そ、そんな落ち込むなって……ココ壱でも行くか?奢ってやるからよ」
翔太「ドーナツがいい……」
P「他だとクリスピードーナツとかか?」
北斗「今ならお客さんも少なそうですね」
翔太「半額……」
黒井「我侭を言うな翔太よ。他に策はないのだから仕方あるまい」
響 「うーん……。あ、そうだ。いい事思いついたぞ!」
P「なんだ?スーパーで特売のドーナツでも買うのか?」
冬馬「それはいくらなんでもねーよ」
響 「半額どころか無料でドーナツ食べられる場所知ってるよ!」
翔太「無料っ!?」
北斗「ひ、響ちゃん……あんまり無茶言うと翔太がまた落ち込んじゃうよ」
響 「無茶なんかじゃないぞ。自分考えたんだ」
響 「自分が作ればお店で買う必要なんかないってね!」
冬馬「自分がってお前料理できんの?」
響 「ブタ太達のご飯作ってるのも自分なんだぞ。最近は忙しくて市販のフードになってるけど」
冬馬「すげぇ……」
P「そういえば昨日ドーナツを作るとかなんとか話してたな」
響 「今日多めに作って明日皆に持って行けば丁度いいんさー」
響 「まぁ材料費はかかるけどな。きっとお店で買うより安いぞ」
冬馬「いや普通に店のほうがやすむごご」
黒井「お前は黙ってろ。では悪いが頼めるか?」
響 「わかやびたん!」
P「今のは沖縄方言でわかったって意味なんだぞ」
冬馬「なんであんたが詳しいんだよ」
翔太「ドーナツ食べられるの?」
北斗「それもタダらしいぞ」
翔太「わぁ……!あ、ありがとう響さんっ!」
響 「自分を誘ってくれたプロデューサーのおかげだなっ!」
冬馬「あれ?もしかして我那覇ん家行くの?」
響 「うん。調理器具全部家にあるし」
冬馬「じゃ、じゃあ豚いるんじゃねぇの!?」
響 「い、いるけど……」
冬馬「ファインプレーだぜ我那覇!さっさと行こうぜ!」
響 「なんか冬馬と会わせたくないさー……」
北斗「ただ動物が好きなだけだよ。……多分」
翔太「これからどうするの?響さん」
響 「昨日に足りない材料確認しといたからな。まずスーパーに行って材料を買おう」
冬馬「先に家にいかね?俺豚と遊んで待ってるからよ」
P「年頃の娘さんの部屋にお前一人置いていくとか正気の沙汰じゃない」
黒井「通報されたければ好きにするがいい」
冬馬「ちっ……わかったよ。俺も行くよ」
どうせ童貞だから何もできねえよ
冬馬「あっという間にスーパーに到着したんだぜ」
P「過程を吹っ飛ばしたな」
黒井「無駄は省くのがセレブなのだ。贅肉のついた765プロにはわかるまい」
P「太ってるスタッフなんていませんよ……」
響 「えーっと。一人何個くらい食べるんだ?」
P「2、3個じゃないか?」
翔太「僕5個くらい食べたいな」
響 「ふんふん。じゃあ家にある分じゃ足りないから卵も買って……」
響 「後はバターとバニラエッセンス……は残ってるんだったな」
P「全くわからん」
北斗「俺達は見守るだけですね」
冬馬「なぁ牛乳はあんの?」
響 「牛乳なんて何に使うんだ?」
冬馬「ドーナツ作るならいるだろ」
響 「?」
> 伊織「小鳥なんか丸くない?」
>
> 小鳥「き、気のせいじゃないかしら……」
冬馬「ちょっと待て。我那覇が作るのってドーナツだよな?」
響 「うん」
P「何むきになってるんだ?」
北斗「冬馬は料理が趣味ですから思うところでもあるんですかね」
P「危なそうなら止めるぞ」
北斗「わかってますよ」
冬馬「あ、水にすんのか。俺基本は牛乳だったから見逃してたぜ」
響 「使わないぞ」
冬馬「……お前それ本当にドーナツなの?」
響 「あ、正式にはドーナツじゃないぞ。ドーナツはあだ名だからな」
冬馬「はぁ?」
響 「サーターアンダギーを作るんさ!」
冬馬「サーターアンダギーって丸っこいあれか?」
響 「丸っこいあれだぞ」
冬馬「あれ牛乳使わねーの?」
響 「うん。あんまーから教わったから間違いないよ」
冬馬「なるほどな……あぁだから生地が重いのか。そうなると温度も低音にしねぇと……」
響 「変なやつだな……必要なの揃ったからレジ行ってくるね」
P「あ、俺が」
黒井「おい!ドデカイラーメンチキンが特売だぞ!6個持ってきた!」
P「何やってんだこの人」
北斗「社長……」
黒井「なんだラーメンおつまみのほうが良かったか?まぁ両方買ってやろう」
黒井「お前達も好きなものを買え!私はセレブだからなはーっはっはっは!」
翔太「僕蒲焼さんと焼肉さんとウメトラマン!」
響 「悪いなー黒井社長が全部出してくれるなんて思わなかったぞ」
黒井「私を高木と一緒にするなよ。王者は部下思いでなくてはならん」
P「なんで冬馬はオレンジなんて買ったんだ?」
冬馬「皮刻んで生地に加えたら美味そうだろ」
響 「へぇー色々考えてるんだな」
冬馬「ちょっと作り方違うだろうから後で台所使わせてくれよ」
響 「いいぞー」
P「疎外感を感じる」
北斗「俺達は食べ専ですしね」
黒井「タクシーを呼んである。行くぞ」
翔太「相変わらず羽振りいいねぇクロちゃんは」
黒井「こんな時くらいしか金を使わんからな
響 「さぁ着いたぞー」
冬馬「」ドキドキ
P「もう突っ込むのも疲れてきたな」
響 「ただいまー!みんな留守番させてごめんなー」
いぬ美「ばうばう!」
P「うわっ」
北斗「プ、プロデューサーさん!!!冬馬と翔太は逃げろ!ここは俺が……!」
翔太「ひぃぃぃ!!」ガタガタ
冬馬「な、なんで熊が我那覇の家にいるんだよ……」ブルブル
いぬ美「ぺろちゅぱ」
P「舐めすぎだいぬ美!ちょっと離れてくれ!」
いぬ美「ばう!」
北斗「い、犬……?」
いぬ美「ばうわう!」
響 「おーおー相変わらずプロデューサー大好きだなぁいぬ美は」
響 「ちょっと他の子みてくるなー」
冬馬「へ、へっ……驚かせやがって……い、犬なんてこれっぽっちも怖くねーぜ」プルプル
P「震えてるぞ……あぁ服がべちょべちょだ」
北斗「そ、れにしても大きい犬ですね」
P「俺も最初は驚いたよ」
翔太「こ、これ犬なの?」
P「犬だよ。な?」
いぬ美「ばうばう!」
北斗「俺こんな犬見たの初めてですよ……これは社長も驚いたんじゃ……社長?」
黒井「」
冬馬「気絶してるぜこのおっさん……」
P「仕方ない人だな……。いぬ美、この人寝かせといてくれ」
いぬ美「ばう!」ヒョイ
黒井「」
翔太「た、食べたりしないよね?」
P「いぬ美は美食家だから大丈夫さ」
響 「何やってるんだ?早く入ればいいのに」
ブタ太「ブー!」
冬馬「豚!豚じゃねえか!」
北斗「と、とりあえずお邪魔させてもらおうかな」
響 「今さんぴん茶出すから部屋でくつろいでて!」
いぬ美「」ドスドス
P「おい冬馬も入るぞ」
冬馬「おう!行こうぜ豚!」
ブタ太「ブヒ!」
響 「はい、どうぞ!」
冬馬「んじゃ一口……これジャスミン茶じゃねーか」
響 「違うぞーほら。パッケージ見てみろ」
北斗「さんぴん茶って書いてるな」
P「似てるよなぁやっぱり」
黒井「さんぴん茶の語源は、中国語の香片茶(シャンピェンツァー)からきているからな」
P「うわっ!」
翔太「しぇんぴん?」
黒井「シャンピェンツァーだ翔太よ。ジャスミン茶のことだな」
北斗「つまり双子のようなものですか」
黒井「ウィ。察しが良くて助かるぞ」
冬馬「急に起きんなよ。びっくりしたじゃねーか」
黒井「私にも一杯くれ」
響 「はいはい」
響 「さて、じゃあ休憩もしたし」スッ
冬馬「俺達調理部隊の出番ってわけだな」ガタタッ
P「俺は何もできないからテレビでも見てるよ」
北斗「あ、トランプでもしませんか?俺持ってきたんですよ」
黒井「賭けてポーカーでもするか。ベビースターでもつまみながら」ポリポリ
翔太「うまうま」モグモグ
冬馬「おい!今から作るのに菓子食ってんじゃねーよ!」
響 「プロデューサーは手伝ってよ!」
P「えぇ……でも俺洗い物くらいしかできないぞ」
響 「いいからっ!」
P「仕方ないな……」
冬馬「さぁて、まな板と包丁借りるぜー」
響 「あ、オレンジは冷蔵庫に入れてるから勝手に使っていいぞー」
冬馬「助かるぜ。よし、豚はちょっとあっちで待っててくれよな」
ブタ太「ブゥ」
P「3人だと狭いな……」
冬馬「我那覇が作るやつって生地寝かしたりすんの?」
響 「しないぞー。あ、プロデューサー卵取って」
P「ん」
響 「……いっぱい作るのになんで卵1個なんだよっ!」
P「じゃあ何個なんだよ……」
響 「えーっと、今回は10個くらい使おうかな」
P「10個な。ほれ」
響 「ありがと!あとは薄力粉をふるいにかけてっと」
P「たまにテレビで見るけどなんで粉をシャカシャカするんだ?」
響 「さぁ?あんまーがそうしろって言ってたからなー」
冬馬「そのまま使うと固まった粉がダマになっちまうからな」
P「ダマ?」
冬馬「小麦粉が溶けずに塊ができちまうんだ。それを防ぐために一度解してやるんだよ」
響 「へぇー」
P「そういえば冬馬の趣味は料理って書いてたな」
冬馬「ある程度のことはできるぜ。鍋借りるぞ」
響 「あ、うん」
P「あと何かすることあるか?」
響 「うーん。応援?」
P「じゃあ心の中で応援しながらポーカー混ざってくるよ」
響 「ここで応援してよっ!」
P「何やってるかもわからないのに酷なことを……」
響 「プロデューサーも料理すれば?節約できるぞ」ドバァ
P「うわっお前これ砂糖入れすぎじゃないのか?」
響 「これくらい入れないと美味しくないからね」
P「でも流石にこれは……」
響 「まぁまぁ食べたらわかるってば!」
北斗「さぁどうします?」
黒井「コール」
翔太「あーあまたブタだよ」
ブタ太「ブ?」
翔太「あ、君じゃないよ」
北斗「先に役言ったらダメじゃないか……ん?」
ゴソゴソ
北斗「社長の近くの揺れてるのって何です?物陰でよく見えないな」
黒井「猫かモモンガだろう。我那覇響が言っていた」
翔太「へぇー!僕ハムスター好きなんだ!出ておいでよ!」
ワニ子「……」ノソノソ
翔太「きぇあああああああああああ!!!」
北斗「う、うわぁぁぁぁあああああ!!」
ヘビ香「シュルシュル」
黒井「ひ、ひぃぃ……」
キェアアアアアアアアア!!!
冬馬「うおっ!」ビクン
P「な、なんだ?」
響 「あぁワニ子あたりが驚かせちゃったのかな。自分ちょっと行ってくるね」
響 「あ、やっぱりワニ子とヘビ香じゃないか!ダメだろお客さん驚かせちゃ!」
冬馬「俺こっちにいてよかった……」
P「噛んだりしないから意外と可愛いんだぞ」
冬馬「可愛くても怖いもんは怖いんだよ……っとこれで生地は出来たな」
P「もうできたのか?」
冬馬「後は1時間くらい冷蔵庫に寝かせて揚げたら完成、だぜ!」
P「こっちは後何するんだろうなぁ」
冬馬「へぇ、本当に水も牛乳も入れてねぇな。この臭いはバニラエッセンス使ったのか」
P「あぁバニラの匂いのするやつな。タバスコみたいな入れ物に入ってたよ」
冬馬「どうせならシロップって言おうぜ……」
響 「ごめんごめん。ちゃんと叱ってきたからもう大丈夫だぞ」
P「3人ともなんともなかっただろ?」
響 「黒井社長が気絶しちゃったからまた寝かせておいたさー」
冬馬「どこの乙女だよあのおっさんは」
響 「さぁて後はバターを入れてー混ぜて混ぜてっと!」
響 「こっち先に作っちゃっていいか?」
冬馬「俺のはまだ時間かかるからな」
響 「じゃあ油温めるぞー」
冬馬「温度どれくらいなんだ?」
響 「150度だぞ」
冬馬「やっぱ低いな」
響 「あ、もう大丈夫だからプロデューサーはあっち行ってていいよ」
P「了解。楽しみにしてるよ」
冬馬「俺も時間あるから一緒に行くよ」
響 「できたら呼ぶからなー」
P「どうもー俺達もポーカーに……って」
ねこ吉「にゃーん」
北斗「癒されますね……」
黒井「ウィ……」
うさ江「……」
モモ次郎「……」
翔太「ぐーぐー」
いぬ美「スンスン」
シマ男「ヒュヒュヒュヒューン」
冬馬「ふれあい動物園じゃねーか」
ブタ太「ブィ」スリスリ
冬馬「豚ぁ!」
P「テレビでも見てるか……ほら、お前達もおいで」
ワニ子「……」ノシノシ
ヘビ香「シャー」
……
響 「みんなお待たせー!我那覇家のサーターアンダギーが出来たぞー!」
冬馬「じゃあ撮るぜ。社長の口癖はー?」
北斗「ウィー」
P「ウィー」
翔太「ウィー」
黒井「ウィ」
冬馬「あ、犬!お前こっち向いてねぇから失敗しただろ!」
いぬ美「きゅーん」
響 「何してるんだ?」
P「響王国の住人と記念撮影会だよ」
響 「じ、自分だけ写真に入ってないなんて酷いじゃないか!」
P「後で全員で撮るさ。これは社内掲示板に貼るらしい」
響 「本当だろうな……」
黒井「この男にはしっかり目線を入れるから顔バレの心配はしなくていいぞ」
ヘビ香「シャー」
黒井「王者の私の前ではコブラですら従順になるようだなはーっはっはは!ほら食え!」
冬馬「ヘビにへんなもん食わせんなよ!」
響 「自分が料理してる間に随分仲良くなったんだなぁ。コブラじゃないけど」
翔太「出来たんなら食べようよー」
北斗「写真は後回しにするか」
黒井「ところでこのスカンクはあまり臭わないな」
響 「シマ男はシマリスだぞ!」
P「まぁ気を取り直して食うか」
翔太「僕この大きいのもらいっ!」
北斗「いい匂いだな」
冬馬「これ揚げる前はピンポン玉くらいなんだぜ」
黒井「では頂くとしよう」
響 「50個くらいあるから一4個は食べても大丈夫だからね」
P「50!?そんなに作って大丈夫なのか?」
響 「残りは765プロの皆にあげればいいんさー」
北斗「お、結構甘いね」
黒井「柔らかいな……それでいてしっとりしている」
P「ドーナツとはちょっと違うけど、これはこれで美味いな」
響 「そりゃあんまーに教わったからな!」
冬馬「畜生!うめぇ!畜生!」モグモグ
黒井「こいつは何を怒っているんだ」
北斗「料理好きとして悔しいんでしょう」
響 「どう?プロデューサーも見直してくれたか?」
P「あぁすごいよ響は。これでオーディションも合格できたら完璧だな」
響 「うぎゃー!今日は仕事の話は無しにしてほしいぞ!」
冬馬「あぁ畜生うめぇ……くそっ」
翔太「結構お腹にくるねこれ」パクパク
北斗「俺は3個で十分だな」
黒井「私は2個でいい。おやつカンパニーの策に乗せられてしまってな」
P「自分から地雷原に突撃しただけでしょうに……」
翔太「僕もう1個食べてもいい?」
響 「いいぞー。家族以外に食べてもらうなんて初めてで嬉しいさ」
冬馬「あぁーよし!そろそろだな」
翔太「どうしたの?」
冬馬「今度は俺が作ったのを食べてみてくれ!どっちが美味いか勝負だぜ!」
北斗「俺もう腹いっぱいだから響ちゃんに1票」
冬馬「は!?」
翔太「僕1個くらいなら食べられるかな」
黒井「いらんぞ」
冬馬「プロデューサー!」
P「テイクアウトで」
冬馬「おい!!」
冬馬「……」チラッ
響 「じ、自分食べ過ぎたら律子達に怒られるから……ごめんな」
冬馬「ち、ちくしょう……」
ブタ太「ブヒ」
冬馬「豚……」
ブタ太「ブヒヒ」
冬馬「豚……!俺をわかってくれるのはお前だけだ!」
冬馬「待ってろよ!今すぐ最高のサーターアンダギーを作ってやるからな!」
ブタ太「ブゥ!」
翔太「ブタ太と会話してるんだけど……」
北斗「ショックで頭のネジが緩んだのかもな」
響 「いい話だなぁ」
P「えっ響今のわかったのか?」
響 「えっわからなかったのか?」
P「あ、あぁ……」
冬馬「よっしゃ!完成、だぜ!」
ブタ太「ブヒブヒ!」
冬馬「さぁ食ってくれ!火傷すんなよ!いっぱいあるから慌てんな!」
響 「あ、ブタ太にこんな砂糖いっぱいのお菓子食べさせたらダメだぞ!」
冬馬「な!?」
ブタ太「!?」
響 「これは皆で分けて持って帰ってもらおうな」ヒョイ
ブタ太「ブ、ブヒャアア!!」ダッ
響 「あっ!ブタ太!?ブタ太ー!」ダッ
P「出て行ってしまった……」
冬馬「確かに豚にこんなもん食わせたら腹壊しちまうよな……」
冬馬「負けたよ我那覇……お前がNo1だ!」
P「そしてお前は何一人で完結してるんだ」
響 「はぁ……はぁ……み、みんなお待たせ……ブタ太連れて帰ってきたぞ」
P「よしっ!いけ!」
冬馬「おい!俺ばっか狙うなよ!」
北斗「悪いな。これも作戦のうちだ」
響 「な、何やってるんだ?」
翔太「クロちゃんが持ってきたスマブラしてるんだよ!よしっ!冬馬君最下位ー!」
冬馬「あぁくそ!」
黒井「すやすや」
響 「じ、自分抜きでゲームするなんて酷いじゃないか!」
P「だって響の携帯ここに置いてあるから連絡のとりようがなかったんだよ」
響 「自分だって遊びたいのに……」
P「悪い悪い、じゃあ皆で人生ゲームでもやるか」
翔太「銀行係は最下位の冬馬君ね!」
冬馬「違うゲームになったらリセットに決まってんだろ!」
……
響 「やったぞー!自分ついに1位になれたんだ!」
北斗「おめでとう響ちゃん」
冬馬「まさか1位になるまで連戦するとは思わなかったぜ……」
P「同じ人生ゲーム何回もやるのは結構くるな……」
翔太「っていうかもう遅いしそろそろ帰らないと不味くない?」
P「もうそんな時間か」
冬馬「久々に長時間遊んだな」
北斗「夕飯どうします?」
P「ドーナツもどきが結構腹に溜まってるからなぁ」
黒井「今日は無しでもいいだろう。解散後各自の判断で食べればいい」
黒井「カロリーを考えて軽めにしておけよ」
冬馬「了解だぜ」
北斗「じゃあ帰るよ響ちゃん」
響 「あ、自分皆の散歩あるから途中まで一緒に行くよ」
P「よっこいしょっと」
冬馬「年寄りくせぇ声出すなよ」
P「お前達と違ってもう学生じゃないからな」
黒井「鍛え方が足りんぞ」
P「ジョギングでも始めようかな……」
響 「じゃ、じゃあいぬ美達の散歩手伝ってよ!いい運動になるでしょ?」
P「そうだなぁ」
北斗「……」チョイチョイ
冬馬「んあ?……あぁ」
北斗「いいんじゃないですか?ジョギングよりまずはウォーキングのほうが効果あるんですよ」
冬馬「運動不足にジョギングは長続きしねぇしな」
P「確かにいきなり走るのは厳しいかもな」
響 「じゃ、じゃあ!」
P「時間空いた時にでも付き合わせてくれるか?」
響 「もちろんだぞ!これでプロデューサーと、じゃなかったプロデューサーも健康になれるな!」
いぬ美「ばうわう!」
響 「まずはいぬ美とブタ太とねこ吉と……今日は人手が足りてるから全員いけるな!」
黒井「コブラよ。私の背に乗るがいい」
ヘビ香「シュルシュル」
P「いぬ美ー乗せてくれー」
冬馬「あんた最初からやる気なさすぎだろ。運動するんじゃなかったのかよ」
P「座りすぎて疲れた……」
翔太「おじさんぽいよプロデューサーさん」
響 「乗せなくていいからな。プロデューサー引っ張ってやってくれ」
いぬ美「ばう!」ダッ
P「うわっ!おいやめろ!服が伸びる破ける千切れる!うぉおおお!!」
北斗「どうします?駅まで歩いて電車で帰りますか?」
黒井「ある程度歩いたらタクシーを拾えばいい」
翔太「ちゃんと考えてるんだねー」
黒井「ウィ。セレブだからな」
いぬ美「へっへっへっ」
P「はっはっはっ……ちょ、ちょちょちょっと止まってくれ!本当に死ぬ!」
いぬ美「ばう!」
P「はーっ……はーっ……つ、疲れた……」
P「か、かなり……は、離れただろうし……少し休憩……ふぅ」
タッタッタッタッ
北斗「お待たせしましたプロデューサーさん」
P「ぇ……北斗?お前走ってきたのか……」
冬馬「こんなもん走ったうちに入らねーだろ」
翔太「食後の運動は気持ちいいねー」
P「冬馬に翔太もか……ということは響も……」
響 「オウ助ー!今まで忘れててごめんなー!自分が悪かったから帰ってきてくれー!」タッタッタッ
P「行ってしまった……」
黒井「はっ……はっ……き、鍛えがはっ!……き、鍛え方が、違う、からな……っ」
P「俺より死にそうじゃないですか」
黒井「ま、まぁ今日はこのくらいで、許して、やるか……タクシーを呼ぶぞ……」
P「そうしてください……」
冬馬「だらしねぇな」
北斗「普段鍛えてる俺達と一緒にしちゃ可哀想かもな」
翔太「響さんはさすがの体力だねー」
冬馬「どっか行っちまったけどな……」
冬馬「あ、そうだ。今のうちに渡しておくぜ」
P「はぁ……ふぅ……ん?何だこれ」
冬馬「俺が作ったやつだよ。オレンジの皮入ってるんだぜ」
P「そういえば食べてなかったな」
冬馬「今度感想くれよな」
黒井「の、乗るぞ……お前達……ふぅ」
翔太「タクシー来るの超早くない?」
黒井「5万上乗せすると言ったらこの結果だ。世の中金だな」
北斗「愛以外はお金で買える時代ですね」
響 「はぁ……はぁ……み、みんなお待たせ……オウ助連れて帰ってきたぞ」
冬馬「すげぇデジャビュを感じる」
翔太「あ、それ言おうとしたのに」
P「まぁ食べたらメールなりで連絡するよ」
黒井「明日の朝にでも食べてみるか」
響 「な、何やってるんだ?」
P「冬馬が作ったサーターアンダギー貰ってたんだよ」
響 「自分がいない間に渡すなんて酷いじゃないか!」
冬馬「お前そればっかだな……ほら、これ我那覇の分」
響 「おぉ!ありがと!」
北斗「じゃあ帰りましょうか」
翔太「僕前乗るねっ!」
P「なんで3台あるんです?」
黒井「私達の車、貴様の車、我那覇響ファミリーの車だ」
響 「自分歩いて帰れるぞ」
黒井「さっきまで走っていただろう。少しは休まないと明日に響くぞ」
P「まるでプロデューサーみたいだ」
冬馬「あんたが言うな!」
響 「じゃあお言葉に甘えて……皆乗ってくれー!」
ワニ子「……」ノソノソ
いぬ美「フンフン」ドスドス
オウ助「……」バサバサ
運ちゃん「ひゃあああ」
P「じゃあ今日は皆お疲れ。想定外の事が多かったけど」
北斗「その分楽しかったですよ。響ちゃんもお菓子美味しかったよ」
冬馬「豚……また会いに行くからな」
ブタ太「ブヒィ……」
翔太「最初我侭言っちゃってごめんねみんな」
P「ま、気にするなよ。結果的にドーナツより美味いの食べられたんだしな」
響 「今度は本当にドーナツ皆で食べたいな!」
黒井「時が来ればそんな事もあるだろう。では今日はここまでだ」
北斗「チャオ☆」
冬馬「豚も元気でな!」
翔太「お疲れ様ー」
響 「じゃあなー!」
P「響はまた明日だな」
響 「うん!また明日。プロデューサー!」
翌日
P「うーん……胃が重い……昨日と朝続けてサーターアンダギーはヘヴィだな……」
P「おはようございまーす」
美希「えぇー!すごいの!絶対食べたいの!」
小鳥「でしょ!?こんな機会もうないわよ!」
真美「りっちゃん!」
律子「アンタ達ねぇ……」
P「なんだまだドーナツの話してるのか?」
真 「あ、プロデューサー!これ見てくださいよ!」
P「チラシ?なになに……10000店出店記念ピザLサイズ全品半額」
バン!
冬馬「プロデューサーいるか!」
千早「961プロの……天ヶ崎竜馬 ?」
冬馬「ちょっとずつ間違えてんじゃねぇ!俺は天ヶ瀬冬馬だ!」
雪歩「あ、おはようございますぅ」
伊織「あんた何でこんなとこに来てんのよ!」
冬馬「そんなことはどうでもいい!それより今日の広告見たか!?」
北斗「チャオ☆765プロのエンジェル達!」
翔太「僕達とピザパーティしようよ!」
黒井「高木!会員登録できんのだ!なんとかしろ!」
高木「急に来ていきなり何を言い出すんだお前は……」
貴音「なんと黒井社長まで」
真美「一体何が始まるんです?」
亜美「第三次アイドルマスターだ!」
律子「プロデューサー殿?説明していただけますか?」
P「俺達の戦いはこれからだ……!」
おわり
ミスドではココナッツチョコしか買えずドミノは会員登録ページにすら飛べなかった
悔しかったので書きなぐった。支援、保守ありがとうございました。お疲れ様でした。
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