男「お、お願いがありまして……」 少女「復讐」(139)

男「!?」

少女「驚くことないじゃない? ここを訪ねる人間って大概そういうのだし」

男「……」ゴク
男「わかってくれているのなら話が早いです」

男「復讐をお願いしたいんです」

少女「理由は?」

男「学生時代に私を虐めていた連中に対してです……」

少女「代金は?」

男「成功報酬は私の命でもなんでも」

少女「……じゃあ、死ぬ覚悟があるなら自分で復讐すれば?」

男「……」

少女「……まあ、詳しい話は中で聞くとして…」
少女「おじさん、割りと好みのタイプだから引き受けてあげる」ニィ

男「……」

少女「ああ、その身体の所有権は前払いで貰っておくから」ニコッ

男「……?」

男「所有権……?」

少女「そう、文字通りの意味」
少女「今からその身体は私の好きにさせて貰うから」ニコ

男「……」

少女「飲み物は? 温かいお茶? 冷たいお茶? 苦くて黒いお茶??」

男「……冷たいので」

少女「ん……じゃあ相手の人数だけど…」

男「……」
男「本当に、貴方みたいな……その…」

少女「『子供に可能なのか?』って?」
少女「可能です。ええと、復讐方法は希望があれば…」

男「……」

少女「……」ハァ
少女「信じられないなら引き返してもいいけど?」

少女「実行に移すだけの能力があるって証拠ならみせてもいいかな」

男「……お願いします」

少女「人外とか、エスパーやらどんな呼ばれ方をされても良いけど…」
少女「……とりあえず"ひとでなし"とでも頭に入れてちょうだい」フワァ

男「"人で無し?"」

少女「色々な事が出来るわ。透明になったり、不死だったり……」
男「……透明…」

少女「証拠が見たい? ……はい。」
スケー

男「……」

少女「どう?」

男「あ、あの…」
男「……スカートを履いているのに、その…下着が見えます」

少女「でしょう。はい、証拠見せお仕舞い」
スゥ…

男「……」

少女「けど、出来ない事もあるの」

男「?」

少女「人の心は読めない。だから、お仕事を実行するかどうかはもう少し調べてから決めるから」ニコ

男「……はあ…」

少女「それじゃあ、話を聞かせて。はいお茶」
カラン
男「……どうも…」
少女「理由は……虐めだったかしら?」

男「アイツらのせいで様々なモノを失いました……学生生活、友達…家族までが被害を被って」
少女「具体的には?」

男「……そうですね。私自身の恨みはどうでもいいのかもしれません」
少女「……」

男「家族です。父は冤罪を着せられ、会社を首に。母は嫌がらせでノイローゼに。妹は引きこもりになってしまい…」
男「……姉は、殺されました」

少女「事実ならとんだ外道ね」
少女「殺人事件が起こったなら警察が動くんじゃないの?」

男「……証拠が見つからず、犯人は捕まっていません」
男「犯人は、主犯格の男が一人に、手下が10人以上です……」

少女「大所帯ね……」
少女「その犯人全員殺して欲しいとかなら、おじさんの命だけだと足りないかも」ウーン

男「……」

少女「まあ、対価を貰うのはなんとなくで必要性は無いんだけど…」
少女「……なら、おじさんが一生 精の尽きない性奴隷になるなんてどう?」

男「……そ、それは…」
少女「だめだよね……残念」フム

男「ちなみに……その、内容というのは?」

少女「朝、私が騎乗位で起こしてあげて。昼には食後や食中に、テーブルに体重を預けてバックで…夕方には、私が帰ってきたら夜までずっとエッチ」

男「……たしかに、なんでもするとは言いましたが…」

少女「私はまだ綺麗な身体だし、ピンときたからおじさんにお願いしたいんだけど…」
少女「……精力って、身体に入れてもらうと能力も強くなるらしいし…」

少女「嫌ならいいよ、おじさんが帰ってから自分で慰めるし……」

男「……君が成人しているなら承諾したんだが」

少女「……前払いでおじさんの身体は既に私のものなんだけどぉ」
少女「ご家族の復讐って、命がけでも成し遂げたいんじゃなかったんだ」

男「……」
男「そうだ…俺に断る余裕なんて……」

少女「……さあ、決断。早急にどうぞ」ニコ

――…

男「……アイツが、主犯格の男です」

少女「どれどれ」
ヒョコ

主犯『~~』ゲラゲラ

少女「見るからに悪童上がりね。体格もストリートを腕一本でのしあがった黒人みたい」

男「アイツのせいで……」

少女「じゃあ、行こうか」ニコ

男「え?」

少女「直接会って話をしないと、アイツが本当に悪い人間かこの目で確かめられないし」

男「俺は……それに、君だって危険だ」

少女「大丈夫。私強いから」

男「……」

――…
スタスタ…
少女「……」

主犯『……?』

男「……」

主犯「……おっ」
主犯「懐かしいな、まだ生きていたのか」ハッハッハ

男「……」

主犯「アレがお前の車か、おいナンバー控えろ」

手下「はいっス」

主犯「ナンバーがわかれば住所も割れるからな…お前、急に消えるから探したんだぜ……ん?」

少女「……」

主犯「なんだ? お前のガキか……へへっ、うまそうなガキだな…」ジュルッ

少女「……流れるように見事なゲスね」

男「……私の言った通りでしょう…くそ」

主犯「嬢ちゃん、今からイケメンばかりいるクラブに行くんだ。一緒に行かねえか?」ヒヒ

少女「……」

主犯「お前のガキにしては上玉だな……俺は年下だろうが気にしねえんだ。少し遊ばせてくれよ男、俺ら友達だったろう……?」ニヤニヤ

男「……くっ」

少女「……ごめんなさい」
ダキッ

男「?」

少女「私、男さんの囲っている女で……もう、この人のアレ無しだと生きていけないの…」カァ

男「ちょっ……」

主犯「……へえ、暫く見ない内に立派になったんじゃねえか」

男「私は……子供に興味は…」

少女「今日も朝から何ラウンドも……」ポッ

少女「……でも、気が変わったわ」
少女「付いていってあげる」ニコ

男「!」

主犯「よしよし……じゃあ、そこの車でいこうか」

少女「ああ、ちょっと待って」
少女「イケメンが多いなら私の友達も呼びたいんだけど良い? それもとびっきりの美少女」

男「なにを考えているんだ……」
少女「……貴方は少し黙って」

主犯「ああ構わないぜ。じゃあ連絡先の交換だ」
少女「ええ、いいわ」クス

男「何を考えているんですか……」ハァ

――…
男「……30分後におちあう話になりましたけど…」
男「そのお友達はどこに?」

ポンッ

男「?」

少女「あら、美少女なら数秒後にはここにいるわよ」ニコ
男「……??」

――…

女(男)「……な、な…」

少女「セクシュアルイメージっていうの? 性別くらい瞬く間に変えられるわ」

女「戻せるんでしょうね……?」

少女「戻すのも瞬く間。心配しなくていいよ」
少女「せっかく可愛くしてあげたのに……目に隈があるけど、ポニーテールにすることで元気さをアピールしてみました」

女「私には倒錯趣味なんてないんだ……足がうすら寒い…」

少女「似合っているわよ、そのスカート。スタイルだって華奢にして…まあ、胸は薄いけど。そこは私以上だと面目が立たないし」

女「……そうだ、私は何だってやると決めたんだ」グッ

少女「お洒落にヘッドホンはどうかしら」ムゥ…

女「遅刻しますよ、行きましょう……」ハァ

――…

ブロロロロロロロ…

手下♂『お友達はモデル? スラッとしてるね』

女「はあ……」ヒク

手下♀『仕草は男みたい……』

女「……直らなくて」ハハ…

少女「人目に出すのが憚れるくらい可愛いわ……その姿のまま戻すのをやめようかしら」

女「約束したじゃないですか……」ヒソ

主犯「確かに美少女だが…」
主犯「……なぜかピンと来ないな、珍しく俺の趣味と合わないらしい」

女「それは…………よかったです」

少女「そうそう言い忘れていたから今伝えるけど…」

女「?」

少女「とりあえず手下の男と行動を共にするから。倒しちゃっても良いけど、出来る限り穏便にいきたいし」

女「? 了解です……」

――…

主犯「着いたぞ。俺は他のやつらに顔見せしてくるから適当にくつろいでいてくれや」

少女「じゃあ……この人と一緒に回ります」チラ

手下♂「俺?」

女「……」コク

手下♀「……」

手下♂「あの姉ちゃんに付いていけよ……俺はボスのところに行くから」

少女「いえ、人が良さそうなのでお兄さんにしました」ニコ

女「(……だから、どうしてこの男なんですか?)」

少女「(貴方が女性になっても主犯の男に目を付けられないように、相手の性癖やら覗いてみたんだけど…)」
少女「(……その時ついでにこの手下さんも確かめたらあることがわかったから)」
女「?」

少女「(この人……ゲイね。間違いなく)」

女「っ」ブッ

手下♂「? だからボスの所に行きたいんだけど……」

ワイワイ… ガヤガヤ…

少女「そういえば、主犯さんってどういう人なんですか?」

手下♂「……ボスに気があるとか?」

少女「いえ。私もこの子も同性にしか興味が無くて……」

女「そ、そう……です」コク…

手下♂「あーそれなら仕方ないな。わかるわー十年くらい前からその気持ちわかるわー」ウンウン

手下♀「……」

少女「オーラがあったので、武勇伝があればお聞きしたいな…と」

手下♂「そうだな……ならさっき君といた渋めのお兄さんとの話だけど」

女「っ」

少女「……気になります」ニコ

手下♂「あれな……実は犯人が別にいるんだけど、ボスが身代わりになって汚名を被ってる…ってワケ。格好良いだろう」

女「!」
女「う、嘘だ……」ボソ

少女「……それは、興味深いお話ですね」フム

手下♂「ごめんごめん、例の事件を知ってるって前提で話を進めていたんだけど……大丈夫?」

少女「大丈夫です、耳にはしていましたから」

女「……」サアァ

手下♀「どうしたの? 気分が優れないみたいだけど」

女「い、いえ……少し休んだら落ち着きます…平気です」

手下♀「倒れてからじゃ遅いわよ。一緒に休憩室に行きましょう?」

少女「……」チラ

手下♀「……」

少女「……なるほど」

手下♀「……お友達、看病して良いかしら?」

少女「ええ、どうぞ」ニコ
少女「その子の身体は私のものだから……よろしくお願いします」

女「(待って……危険に巻き込まれるかもしれません)」
少女「(大丈夫、少しなら未来視も出来るから。悪いようにはならないわ……頑張ってね)」クス

手下♀「それじゃあ行きましょう」ヒョイッ

女「この歳で抱っこされるなんて……」ズーン

――…【休憩室】

手下♀「どう? 少しは落ち着いた??」

女「……はい、ありがとうございます…」
女「(悪い人じゃないみたいだ…悪人ばかりじゃないってことか)」

手下♀「……綺麗な肌ね」

女「はは……どうも」

手下♀「髪もサラサラで…結ってるゴム、取って良い?」

女「? はあ……」

手下♀「小顔で、身体の線も細くて……」
スゥッ…

女「あっ、あの……」

手下♀「……本当は、ボスのお下がりを貰うんだけど…」
手下♀「……貴方には興味が無いって言っていたから、良いわよね?」ハァハァ

女「ひっ……だ、誰か…」

手下♀「ここには誰も来ないわ……貴方の彼女にはわるいけど…」
手下♀「……そこのベッドに行きましょう?」クス

女「(何が未来視だよっ、ペテン師め……)」アセ

――…
手下♂「それでボスがさあ……」
少女「……」

手下♂「? どうかした??」

少女「ああ、いえ…」
少女「向こうは上手くやっているかな、って」ニコ

手下♂「……なにか気づいた?」
少女「少しは……」

手下♂「お友達、危険な目に合ってるかも」
少女「それは……残念」

手下♂「あのお姉さんはさ、ボスの古くからの友人でここでも幹部クラスに偉いんだ」
少女「……」

手下♂「それで、ボスの好きな食べ物がさ……っ!」
少女「……もういいです…」ハァ

――…
手下♀「はぁ……すごく、よかったわよ…」ウットリ
ナデ…

女「(ひどい……)」ウル

手下♀「お詫びといっては何だけど…」
手下♀「……ボスのあの事件について教えてあげるわ」
女「……?」

手下♀「それを調べに来たんでしょう?」

女「……どうしてそれを」

手下♀「向こうの子については、前から少し知っていてね。何かあるんじゃないかと思ったけど…」
手下♀「……貴方は、わかりやすいというか…反応からしてバレバレよ」ハァ

女「……それで、真相があるんですね?」

手下♀「ええ……あっちのお兄さんじゃ教えてもらえないような悪い話をたくさん…ね」

女「……お願いします」

手下♀「その代わりといってはなんだけど」

女「?」

手下♀「これからも、定期的に私の相手をしてくれること。どう? 悪い話じゃないと思うんだけど」ニコ

女「……」
女「…………」グッ

女「わかりました。その代わり、本当の事を教えてください……」

手下♀「そろそろボスも首が回らなくなってきたから切り所だったのよね。天誅屋まで来たなら尚更終わりが来たって事だし……」

女「(天誅屋……?)」

少女「……?」
女「お待たせしました……」
少女「やあ、どうだった?」

女「ええ……わかりましたよ。やはり、あの男は… 少女「そうじゃなくて…」
少女「女の身体は良かった?」ニィ
女「!」ハッ
女「そ、そうですよっ…ああなるってわかっていたのなら……」パクパク

少女「……」チラ
手下♀「? ああ、最高だったわ」ニコ

少女「そう……それは良かったわ」
少女「じゃあ、入手した話は家で聞くから…」

手下♂「悪いけど、君らを返すワケにはいかないんだ」
手下♀「大丈夫。私が監視しておくから、貴方はボスのところに行っていて良いわよ」クス

手下♂「そういう事なら……お任せします!」
タッタッタ…

手下♀「……さて。逃げても良いわよ」
女「え……?」

手下♀「私はアンタらに片付けられた事にしておいて…少し雲隠れするから」
手下♀「あと……あのお兄さんも悪いことには加担していないから、見逃してあげてほしいな」
女「……」

少女「了解。良い情報をくれたワケだし…この子との情事はサービスにしとく」
女「思い出すと悲しくなります……」

――…

男「……以上が事件の真相です」

少女「証拠隠滅はほぼ完璧っと…」
少女「……まっ黒だとわかった以上、私も本腰入れるし」

男「よろしくお願いします…」ペコ

少女「……ただ裁きたいだけなら適当に自首でもさせるけど?」

男「いえ……あの男には相応の罰を受けて貰いたいんです」
男「それこそ……この命と引き替えでも」

少女「……冷たいアイスと温かいアイス…どす黒いアイスならどれが良い?」

男「? ……冷たいアイスで…」

少女「……じゃあどうしようかなぁ」
少女「お姉さんがされた用に痛めつける? 辱しめる?? 自殺させる??? 」

男「……死なせてはいけない」
男「出来るだけ長く、苦しみを味あわせたい…」

少女「……あむ」パクリ

少女「……やっぱりアイスは半溶けが美味しいよね…」

少女「……天誅に、半端なんてないけど」クス

――…ガチャッ
主犯「……ん?」
主犯「誰もいないのか…おかしいな、このクラブには誰かしら…… 『残念。誰もいないんだなそれが』

少女「お久しぶりです。中国語ならハオジュウブージエンラ?」ニコ

主犯「……どういう事だ?」
少女「さあ……」チラ
主犯「?」キョロ
主犯「っ」

男「……」

主犯「なるほど……そういうことか」
主犯「どうやって人払いしたかは知らないが、電話を鳴らせばすぐに集まるぜ」クク

主犯「まあ……お前相手なら人を呼ぶまでもねえか」
男「……」

ドガッ!!
男「!?」
男「っ……」ゲホッ ゲホ

主犯「ああ……どうすっかなコイツ…」
少女「確かに……私の方も『どうすっかなコイツ』って気持ちだよ」
少女「さあそろそろお時間だ」

主犯「?」

少女『天誅タイムです。死ねないから死ぬまで苦しんでください――…クロさん』クス

カッ
ワイワイ ガヤガヤ

少女「さあさあギャラリーは今までクロが殺め・間接的に殺してきた皆様です」
ワーーー!! ガヤガヤッ!!

主犯「……ずいぶん凝ってるな…」
主犯「それで、今からリンチでもするってか?」
少女「考え中です ナウ リーディング……」

主犯「俺くらい恨まれていると、緊急用の呼び出し装置を持っていてな……」
カチッ
……

少女「ああ、それ壊れてるから」
主犯「ハッタリぬかすなっ、数分後には仲間が集まってくるからな! ……姦してやるよ嬢ちゃんの家族まで洗って…」

少女「Niceゲス。殺すには惜しいくらい」
少女「なので殺さないであげます。優しいでしょう? ギャラリーの皆様」

ブーブー!!

少女「おやお気に召さない…」ウーン
少女「……ではこうしましょう」

少女「まずはクロが犯した罪の一つ。万力で一本ずつ両手足の指を潰してさしあげましょう」ニコ

ワーワー!! 

主犯「な、なんだお前……?」

少女「さあさあ一人ずつ順番にっ!」
主犯「聞いてんのかよおい!」

少女「……刑事罰で被害者は納得するのか…」
主犯「?」

少女「遺族の復讐で恨みが消え、成仏出来るのか…」
主犯「……」

少女「やっぱり。"自らの手でやり返す"これに限りますね」ニコッ
ワーワー!! ワイワイ!!

主犯「イカれてんのか……?」
主犯「っ?」
ギチッ

少女「動けません。金縛り? NO、普通に紐で縛ってます。すみません地味で」クスン
ワイワイ!!

主犯「くそっ、アイツら早く助けに……っ!」

少女「来ません。残念です」
少女「さあ皆様列を作って…」

少女「……十本潰したら、次の罰に移りまーす!」
ワーーー!! ガヤガヤッ!!

主犯「おいやめろ……俺に手を出したらどうなるか…」

少女「ああそれも残念。皆様既に他界しておりますので」クスン、クスン

少女「はい右手小指、撃ー!!」
ブチッ
主犯「~っ!!」
主犯「……わかった、俺が悪かった。謝る」

少女「返す手が無いとわかればプライドを捨て、謝罪ですか……懸命賢明」
少女「さあ二本目!」
ワイワイ!!

主犯「……っ」

――…
少女「はい十本目ー」

ブチッ
主犯「……っ」
男「……」

主犯「なあ、謝る……反省した。もう許してくれ…」
男「……」

少女「じゃあラストはお姉さん。ドウゾー」
男「十一本目……?」

少女「頭が残ってるから、良いタイミングで回ってきましたね?」

姉『……』
主犯「や、やめてくれっ!」ヒィッ

男「……」グッ

一気に完結まで進めようと思いましたが、1時間ほど家を出る必要が出来ました。60分程度出掛けます。

主犯「俺が悪かった!!」

姉「……」

主犯「もう言い訳もしねえ! 全て俺の責任だ!!」
主犯「反省した……これからはもうしない…約束する…………」

姉「……」

少女「……さあお姉さんは何も言いませんよ?」チラ

男「……」

主犯「被害者の家族全員に頭を下げて謝る。警察にもいく……だから殺さないでくれ」

男「……」

少女「警察にいけばどちらにせよ死罪は免れないと思うけど……本人も口では立派に反省してるよ、どうするぅっ?」

男「……」

主犯「…………すまない……」ウッ…

男「……」
男「頼む。やってくれ」

少女「……………………了解」ハァ

主犯「っ…………」ウッ… グスッ

少女「すみませんウチの旦那キレちゃってて……」
主犯「悪かった……悪かった…」

少女「いつもは優しいんですけど、酒が入るとこうなんですよ……なにか良い家庭の医学ありますかね?」

姉「……」

男「……姉さん」
男「……」

主犯「すまない……俺が、悪かった…」

男「姉さんにはやらせない。俺がとどめをさす」
ジャキ…

少女「殺さないんじゃなかった?」
男「殺しても死なせない事が出来るんだろう……この空間は」

少女「鬼畜冷酷残酷だ。鬼だねまさに」
少女「けど……おじさんが危害を加えるなら話は変わってくるよ」

男「……構わない」
主犯「……わかった、もう諦める…」

男「悪いな、私も命をかけて来てるんだ。お互い地獄行きだな……」

少女「……覚悟を決めたのなら止めないよ」


 バチンッ!!

――…

少女「……」

手下♀「あら、久しぶり」

少女「……」
手下♀「あら…なにやら意気消沈みたいだけど……例の件は首尾通り上手くいったんじゃなかったかしら?」

少女「……」ハァ
少女「最近、お店も休業して…なぜかやる気が出ない」

手下♀「……ボス…あの男はどうなったの?」

少女「ああ、それは伝えてなかったね」
少女「あそこまで罪を重ねていたら反省しようがどうしようもないんだ」

少女「決めるのは全て私だけど……アレに救いは与えられない」

手下♀「……ふうん」
手下♀「天誅屋も"罪"には厳しいわね…生前、とても酷い事をされたとか」
少女「……私はこうして生きてるよ」

手下♀「それで、その"救いの無い結末"って?」
少女「……ああ」

少女『魂が消えるまで続くから……今度、痔に効く薬持っていってあげようかな』シラ

手下♀「……最近、手下♂君の姿も見えないんだけど…」タラ

少女「……」
手下♀「それで、例の男さんはどうなったの?」

少女「……」
手下♀「確か…彼が最後の一撃を与えたのよね」

少女「……私も、最後の最後で踏み留まると思っていた」
少女「けど、彼は葛藤しながらも…手を汚した」

手下♀「……その後は?」
少女「……私の手の届かない所にいった…」

手下♀「…………そう」
手下♀「彼も覚悟の上だったんでしょう? 後悔はしていないと思うわ」

少女「……そう」
少女「貴方が言うのなら…そうなのかもしれないね」シュン

手下♀「……」

 『あ、あのー……』

手下♀「ああ、すぐに戻るからシャワーを浴びて待っててね?」ニコッ

女「はあ……憂鬱です…」

少女「そ、そろそろ期限だろう。返してもらう!」
手下♀「だめだめ、まだ満足していないから」ニコニコ

女「……」ハァ

少女「……おじさんが余計な約束をするから…」

女「貴方には感謝しています」

少女「経緯については話しておいたよね?」

女「ええ、若干ですが記憶も残っていますし…」
女「……あの空間にいた時とは大分、テンションに差があるみたいですが」

少女「まあ、アレは場を盛り上げるためだったし…」
少女「……本当は、死者なんて一人もあの場にいなかった」

少女「そもそも死者を呼べるのなら、始めから呼び出して真相を聞き出すし」

女「……」
女「とにかく。ありがとうございました、約束…したという通りに死ぬまでお尽くしします」ニコ

少女「……待っているから」

女「それと…遺族の仇討ちのために今回の計画を実行したと聞きましたが……それ以前に…」

少女「?」

女「どうして私をおじさんと呼ぶんでしょうか……」ハハ…

少女「……んーと」
少女「…教えない。私は意地悪だから」クス

女「はあ……」?

――…
少女「それじゃあ、またね」

女「はい。本当に、ありがとうございました」ペコ

少女「貴方の期間限定ご主人様にもよろしく伝えておいて」

女「はい、わかりました」ニコ


少女「……」
少女「前払いの身体だけ残して…勝手に死んじゃって……」

少女「……私らしくないか、うん」

(本当に、感謝しています。 ……それと、透過させるならスカートではなく他の物にした方が――…)

少女「?」
クルッ

女「?」

少女「……最後に伝えるのがソレ…? まあ、遺言として受け取っておくわ」

少女「……もし次に会う機会があれば…そうね、その時は――…」


少女『……冷たいお茶でも、出してあげるわ』ニコ

      <了>

 保守&支援ありがとうございました。
 短くまとめる事が出来たと思っていただけたら幸いです。
 わるい癖で、エピローグなんかも考えたりしますが今回はこの辺で。乙です。

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