カレン「私知ってんだからね!どんなとこ行ってんのか」ゼロ「……」(326)

黒の騎士団アジト

扇「ゼロ、黒の騎士団の財政も……」

ゼロ「何?私の指示通りにしていれば予算で困ることはないはずだが」

扇「そ、それは……」

ゼロ「予算管理は玉城だったな」

玉城「お、俺の所為じゃねえぞ!!後輩も増えたから色々と出費が増えるのは仕方ねえだろ!!」

カレン「私、知ってんだからね!どんなとこ行ってんのか」

玉城「そ、そうなの……?」

ゼロ「カレン。玉城たちはどんなところへ行っているんだ?」

カレン「え……」

ゼロ「教えてくれ」

カレン「そ、それは……あの……えー……」モジモジ

ゼロ「どうした。早く言え」

カレン「えっと……あの……お、男が行く店ですけど」

ゼロ「男が行く店だと?……それだけでは分からんな。具体的に言ってくれ」

カレン「具体的にですか?」

ゼロ「予算がどこに消えているのか知りたい」

カレン「……扇さん」

扇「あー、そうだ。ナイトメアの点検があったな」

カレン「たまきぃ」

玉城「トイレいこっと」

カレン「……」

ゼロ「カレン。早く言え」

カレン「で、ですから……えっと……大人の男の人が行く店です……」

ゼロ「全然わからん。もっとはっきり明確に伝えてくれないと困る」

カレン「なんで私に聞くんですか?」

ゼロ「知っている者に訊ねてなんの問題がある?」

カレン「いや……そうですけど……」

ゼロ「私の予算編成を崩してまでその店に出資する意図を知りたいだけだ。カレン、答えてくれるな?」

カレン「……ソ、ソープ……ン……です……」

ゼロ「よく聞こえない」

カレン「もう他の人に聞いてくれませんか?!」

ゼロ「カレンが答えてくれれば何も問題はないし、時間の無駄にもならない」

カレン「……」

ゼロ「何故いえない。これは業務連絡のようなものだろう」

カレン「そ、それもそうですね……。申し訳ありません」

ゼロ「分かってくれればいい。では、言ってくれ。玉城はどんな店に我々の予算を使い込んだのかを」

カレン「ソープランド……です」

ゼロ「ソープランド?」

カレン「は、はい」

ゼロ「……」

カレン「……」ドキドキ

ゼロ「……レジャープールみたいなものか?」

ゼロ「あの玉城も戦闘での苦しみを童心に帰ることで忘れようとしているのか。リーダーとして考えなくてはならないか」

カレン「え?」

ゼロ「ん?どうした?」

カレン「あの……もしかして……知らないんですか?」

ゼロ「遊ぶ場所ではないのか?」

カレン「いえ。遊ぶ場所と言えば遊ぶ場所なんですが……」

ゼロ「どうした?」

カレン「わざとですか?」

ゼロ「意味が分からないな。どのようなことをする場所なんだ?」

カレン「え?!」

ゼロ「どうした?」

カレン「それ質問ですか?!」

ゼロ「他にどのような捉えかたがある?」

カレン「……」

ゼロ「カレン。そのソープランドとは一体どのような遊び場なんだ?」

カレン「あの……言えません」

ゼロ「言えないだと?何故だ?」

カレン「ゼロ!!からかうのもいい加減にしてください!!」

ゼロ「私は大真面目に訊ねている」

カレン「ぐっ……」

ゼロ「答えろ」

カレン「えっと……あの……えー……?」

ゼロ「えー、ではない。予算がどこに消えているのか調査するのはトップとしての責務だ」

カレン「わ、分かっていますが……」

ゼロ「ならば答えてもらおうか。ソープランドとはどのような場所だ!!!」

カレン「大声出さないでください!!」

ゼロ「これはすまない。少し力が入りすぎた」

カレン「あの……本当に聞いたこともないですか?」

ゼロ「無いな。なんとかランドといえば、巨大テーマパークぐらいしか思いつかない」

カレン「……」

ゼロ「まさか、賭博場の類ではないだろうな?」

カレン「それは違います。安心してください」

ゼロ「そうか。大人の男が行く遊び場と言えば……他に考えられるのは……」

カレン「あ、あの。ゼロ」

ゼロ「なんだ?」

カレン「本当に申し訳ないんですが……ゼロは何歳ですか?」

ゼロ「質問には答えられないな。その質問の意図も―――」

ゼロ(そうか。成人男性にとってソープランドなる遊戯場は常識なのか。俺が知らないとなれば年齢の推測ができてしまう……!!)

ゼロ(ここから修正していくしかないな)

カレン「あのー」

ゼロ「まて。カレン。すまなかった」

カレン「え?」

ゼロ「そうか。ソープランドか。思い出した」

カレン「お、思い出したんですか?」

ゼロ「ああ。私もよく通っていた。昔のことだがな」

カレン「……」

ゼロ「余りにも懐かしい単語なのですっかり忘れていた」

カレン「そ、そうなんですか……ちょっとショックです……」

ゼロ「?!」

ゼロ(ショックだと?くそっ!!益々わからん!!!どのような場所なんだ!!ソープランドとは!!!)

ゼロ(もしや威厳を失うような場所なのか……!?これはかえって失言になってしまったか!!)

カレン「ゼロも経験があるなんて……」

ゼロ「まて、カレン。違うな。間違っているぞ」

カレン「どういうことですか?」

ゼロ「現在のソープランドと私が通っていた時期のソープランドは別物だ」

カレン「別物?」

ゼロ「そうだ。勝手に失望されては困るな」

カレン「も、申し訳ありません」

ゼロ(よし。なんとか誤魔化せたな)

カレン「あの、興味本位の質問なんですが。どのように違うんですか?」

ゼロ「……」

カレン「別物なら聞ける話かなって思うんですが……」

ゼロ「……せ、石鹸が買える」

カレン「はい?」

ゼロ「と、当時のソープランドでは石鹸が買えた」

カレン「へー。それって薬局とは別の石鹸が買えるということですか?」

ゼロ「まあ、そうだな」

カレン「どんな石鹸が売っていたんですか?」

ゼロ「桃の香りがするやつとかだ」

カレン「今とは全然違いますね」

ゼロ「そうだろう」

カレン「でも、どうしてそんな石鹸屋から現在の形態に変化してしまったんでしょうか?」

ゼロ「……」

カレン「ゼロは変わっていく様子を目の当たりにしていたんですよね?」

ゼロ「あ……ああ。勿論だ」

カレン「一体、何が原因で現在のようなソープランドに変化してしまったんですか?」

ゼロ「そうだな。少し長くなるからまた今度にしよう」

カレン「え。でも、もう今やることは特にないですよね?」

ゼロ「……」チッ

カレン「ゼロ?」

ゼロ「そうだな。確かに何もなかったな」

カレン「では、教えてください」

ゼロ「……現在のソープランドはどのような感じになっている?」

カレン「え?」

ゼロ「最新の営業スタイルを私は知らないからな。変化の途中までしか語ることができないために、カレンと私の知識に齟齬をきたすことになる」

カレン「あ、ああ……なるほど」

ゼロ「今の営業形態を知らなくてはこちらもソープランドの変革を語ることは難しい」

カレン「確かに」

ゼロ「答えてくれるな?」

カレン「でも、昔から変わっていないと思いますけど……」

ゼロ「常に人類は進歩している。僅か一年で猿から人へ進化するぐらいの変化が起こっていてはどうする?」

カレン「それはないんじゃ……」

ゼロ「いいから答えろ!!!」

カレン「は、はい……」

ゼロ(よーし。これで主導権は我が手の内。くくく……ソープランドの実態さえ掴めれば、いくらでも自身の失言失態の修繕は可能!!)

カレン「えっと……私はお店自体には行ったことがないんですけど……」

ゼロ「なんだと?」

カレン「だって。あの、女ですし……」

ゼロ「そういえば、今は男しか行けないのか」

カレン「ゼロの時代では女性が普通に出入りしていたんですか?!」

ゼロ「勿論だ!!!」バッ

カレン「す、すごい時代ですね……」

ゼロ「続けてくれ」

カレン「はい。えっと……お店に入って複数の女性から一人を指名するか……お店の人が女性を用意してくれるんです」

ゼロ「女性を用意する……?なんのために……」

カレン「で……浴室に移動して……そこで……あの……」モジモジ

ゼロ「そこでなんだ?」

カレン「一緒にお風呂に入るんです」

ゼロ「見知らぬ男とか?バカな……」

カレン「そういうサービスですから」

ゼロ(なるほど。分かったぞ。ソープランドとはつまり、女性に背中を流してもらうというサービスが受けられる公共のお風呂場か)

ゼロ(そういえば日本に銭湯という共同風呂の店があると聞いたことがあったな。そういうことか。それでソープランド……ふふははは。知ってしまえばなんということはなかったな)

カレン「今のでえっと……いいですか?」

ゼロ「ああ。問題ない。これで分かった。どうやらあまり変化していないようだな」

カレン「やっぱり」

ゼロ「私の時代は先も述べたように世界中の石鹸を売っている店に過ぎなかった」

カレン「はい」

ゼロ「そんなある日、とある銭湯とソープランドが業務提携を結んだ」

カレン「おお」

ゼロ「あれが現在の営業形態の祖となるものだな」

ゼロ「その銭湯ではあらゆる石鹸を実演販売していた」

カレン「実演販売?」

ゼロ「そうだ。石鹸の効果を文字通り肌で感じてもらうために考え出されたセールス方法だ」

カレン「ふむふむ」

ゼロ「そのとき若い女性が実演販売のために男性の背中を流した。世の男どもはそのサービスに大変喜び、その銭湯には連日長蛇の列が出来上がっていた」

カレン「まだ女性もいたんですよね?」

ゼロ「ああ。しかし、男性の人気が高く、いつしかソープランドは男性のためだけに営業しているような状態になった」

ゼロ「また他店も真似をし始め、サービス競争が激化し、現在に至るわけだ」

カレン「え?!じゃあ、今でも石鹸の販売が主な目的なんですか?!」

ゼロ「勿論だ。コンセプトは変わらない。サービスが過剰になっただけだな」

カレン「でも、玉城は石鹸を買ってきたところを一度も見たことないですけど」

ゼロ「買わないこともできる。サービスを受けて帰る客もいるだろう」

カレン「ああ。そうですよね。ただお風呂に入りに来ただけって人もいますもんね」

ゼロ「その通りだ」

カレン「じゃあ、私は勘違いしてました。もっと卑猥なお店とばかり……。そっか、ただ石鹸を売るお風呂屋さんなんだ……」

ゼロ「卑猥な店?」

カレン「は、はい。えっと……その……」

ゼロ「おいおい、カレン。どんな想像をしていた?」

カレン「あの……聞いた話なんですけど……」モジモジ

ゼロ「うむ」

カレン「お風呂場で女性と……エ、エッチなことを……するとか……しないとか……」

ゼロ「フハハハ。カレン。我が右腕ともあろうお前がそのようなまやかしに踊らされてどうする?」

カレン「は、はい!申し訳ありません!!」

ゼロ「まあ、多少は卑猥とも思える過剰サービスをする店員がいるのだろう」

カレン「そうですよね。きっと無駄に胸を押し付けてきたりとかその程度ですよね」

ゼロ「そうだ」

カレン「あははは」

ゼロ「フハハハハ」

藤堂「楽しそうだな。ゼロ、紅月」

ゼロ「藤堂か」

藤堂「ナイトメアのチェックが終了した」

ゼロ「ご苦労だったな」

藤堂「で、どのような話をしていた?」

カレン「ソープランドの歴史をゼロから学んでいました」

藤堂「ソープランド……?」

ゼロ「ああ」

藤堂「そ、そうか……。紅月はそこに興味があるのか?」

カレン「いえ。玉城が新団員をつれてそこによく行っているってことから話が膨らんで……」

藤堂「なるほどな。ゼロも店には行ったことがあるのか?」

ゼロ「当然だ。行きまくりだ」

藤堂「……どの程度の頻度で行っていた?」

ゼロ「そうだな。週に3度は行っていたな」

藤堂「そうか。ベテランの域だな」

ゼロ「フハハハ」

カレン「流石はゼロですね」

藤堂「ゼロはどれぐらいの店に行っていたのだ?」

ゼロ「どれくらい、とは?」

藤堂「店のランクだ」

ゼロ「ランク……?」

ゼロ(ランクってなんだ?!ここに来て新要素が発覚するとは!!まさか店によって下級中級上級とランク付けされているのか?!)

藤堂「どうした?」

ゼロ「……」

カレン「藤堂さん。ランクってなんですか?」

ゼロ(素晴らしいアシストだ!!カレン!!そういうところが好きだ!!)

藤堂「ああ。紅月は知らなくても当然だな」

藤堂「ソープランドでは「入浴料+サービス料金=総額料金」となる。この総額料金が高いものが高級店となる。その下には中級店。時間が短い店を大衆店と呼称する」

カレン「高級店だとどれぐらいになるんですか?」

藤堂「そうだな……。日本円で5万ぐらいはするだろうな」

ゼロ「……!!」

カレン「結構いきますね……。あ、そうか。それだけ高級な石鹸を使うからですね?」

藤堂「石鹸……?まぁ、サービスが行き届いているだだろうからな。あと時間も長いためにそれぐらいはする」

ゼロ(つまりプリタニアポンドで計算すると約400ブリタニアポンド。かなりの大金だ。玉城たちが予算を横領しようとするのもよくわかる)

カレン「へー、高級とそれ以下だとかなり違うんですか?」

藤堂「ああ。まず時間が違うからな。高級店だと180分ぐらいはある」

ゼロ(時間制限があるのか……。風呂屋で?俺はまさか何か勘違いをしているのではないか……?)

カレン「180分?入浴だけでですか?結構入りますね」

藤堂「……ゼロ」

ゼロ「な、なんだ?」

藤堂「紅月は未成年の少女だ。確かに実態を語るのは少々忍びないとは思うが、間違った知識を教えるのも先達の身としてはどうかと思う」

ゼロ「む……」

カレン「嘘だったんですか?」

藤堂「紅月。ゼロの気持ちを察してやれ。恐らくは言葉を選びすぎて上手く伝えられなかったのだろう」

カレン「え……」

藤堂「少女に語るには些か配慮に欠ける事柄だ」

カレン「それって……やっぱり……エ、エッチ……な……お店……?」

ゼロ(これは好機!!ここは藤堂の口から語ってもらうしかない!!!)

ゼロ「藤堂。流石だな。カレンの言動から違和感をすぐさま感知するとは」

藤堂「いや。誰でも気づく」

ゼロ「確かに私ではソープランドの真実をカレンに伝えることは難しい。サブカルチャーな講釈は不得手でね」

藤堂「しかし」

ゼロ「カレンに正しい知識を教えてやってくれないだろうか。後学のために」

藤堂「……」

カレン「……」モジモジ

藤堂「辛い現実を見ることになるかもしれんがいいのか?」

カレン「は、はい……。ゼロの説明だけでは自分だけで入店するところでしたから」

藤堂「なんだと?!それはいかん!!!ゼロ!!どのような説明をした?!」

ゼロ「……」

カレン「ゼロは石鹸を売る場所だと」

藤堂「ゼロ!!それは言葉を選びすぎだ!!間違った知識は無知よりも罪が重いぞ!!!」

ゼロ「す、すまない……」

藤堂「いいだろう。ホワイトボードを持ってこよう」

カレン「なんだか……緊張してきたぁ……」ドキドキ

ゼロ「ああ……」ドキドキ

藤堂「―――よし、始めようか」

カレン「お願いします」

ゼロ「頼むぞ」

藤堂「しかし、何から語ればよいのやら……」

カレン「とりあえず、何をする場所なんですか?」

藤堂「いきなり核心に迫る質問だな」

カレン「ごめんなさい」

藤堂「いや、いい。ここで隠しても仕方あるまい。今日は私が紅月の親となり、社会のルールを伝えることにしよう」

ゼロ「……」パチパチパチ

藤堂「ソープランドの中で何が行われているのか……それは……」

カレン「それは……?」

藤堂「春の売買だ」

カレン「はる……?」

ゼロ「……?」

藤堂「そうだな。ゼロよ?」

ゼロ「あ、ああ!!そうだ!!」

カレン「春って買えるんですか?」

藤堂「紅月、春を買うのだ」

ゼロ(意味がわからない。どういうことだ……?!)

カレン「あ!!そ、そうか……!そういうことですか!!―――はっ!そういえばゼロは桃の香りの石鹸を買えるって……そういうことだったのですね……!!」

藤堂「そういうことだ」

ゼロ「……」

ゼロ(まずい。カレンは何かを理解したぞ……)

カレン「じゃあ、やっぱり……」

藤堂「そういうことだな。紅月、どうする?まだ何か訊きたいことはあるか?」

カレン「じゃあ、折角ですから……えっと……具体的にはどんなことを?」

藤堂「難しいな……。マット運動と言えば分かるか?」

カレン「マット運動?」

藤堂「通じないか。まぁいい。ともかく、浴槽、マット、ベッドでサービスが行われる。サービスの内容については……言わずもがなだ」

カレン「なんか気になりますね……」

ゼロ「藤堂」

藤堂「なんだ?」

ゼロ「お前がもっとも好きなサービスはなんだ?」

藤堂「ゼ、ゼロ……!?それを訊ねるか……。紅月の前で……!!」

ゼロ「何もおかしくはあるまい。カレンにも正しい知識を身につけようと始めたことだ」

藤堂「そうだが……」

ゼロ(とりあえず情報収集をしなくては。予期せぬところで矢を向けられては困る!!)

藤堂「……どういえばいい?」

ゼロ「カレンにやってもらえばいい」

藤堂「?!」

カレン「わ、わたしですか?!」

ゼロ「ダメなのか?」

藤堂「それはできない」

ゼロ「真似だけでもいい」

藤堂「ダメだ!!ゼロよ!!紅月はまだ花散らす前の乙女だ!!そのような少女になんと卑劣な……!!!」

ゼロ「……カレン。できるな?」

カレン「え……えーと……」

ゼロ「で、藤堂。お前はどのようなサービスが好みなんだ?」

藤堂「……潜望鏡」

ゼロ「潜望鏡?」

カレン「なんですかそれ?」

藤堂「知らなくてもいい」

カレン「でも、気になります」

ゼロ「カレンにやってもらえ」

藤堂「無茶だ!!できるわけがない!!!」

ゼロ「ならばカレン。俺に潜望鏡を行え」

カレン「どうやるんですか……?」オロオロ

藤堂「ま、まて、ゼロ!!」

ゼロ「なんだ?私が実験体では不服か!?」

藤堂「そういう問題ではない!!」

カレン「ゼロ……潜望鏡なるものはどうやれば……?」

ゼロ「藤堂。この何も知らないカレンにレクチャーしてやってくれ」

藤堂「なんだと……!?」

ゼロ「正しい知識を伝えるのが先達の役目なのだろう?」

藤堂「ゼロ……私に修羅の道を歩かせるつもりか……!!」

ゼロ「恐れては何も成し遂げることはできない!!!藤堂よ!!奇跡の藤堂と呼ばれたその手腕、ここで見せてみろ!!!」

藤堂「ぐぐ……奇跡とはなんら関係が……」

ゼロ「違うな!!間違っているぞ!!お前は奇跡を起こしてしまった!!!ならばいつ如何なるときでも奇跡を求められるのだ!!!」

藤堂「……!!」

ゼロ「カレンに悪影響を与えないように伝えればいいだけの話だ。まさか、出来ないとは言うまいな?」

藤堂「……いいだろう」

カレン「いいんですか?!」

藤堂「カレン。潜望鏡の本来の意味は知っているな?」

カレン「えっと、潜水艦に搭載されている海上を偵察するための光学装置です」

藤堂「その通り。潜望鏡と名があるということは……。そのサービスを受けられるのは、どこだと思う?」

カレン「水辺ですか?あ、浴槽!」

藤堂「正解だ。潜望鏡とは浴槽で受けられるサービスだ」

ゼロ(なるほど)メモメモ

藤堂「では、このテーブルが浴槽だということにするか。まずはゼロ、湯船につかるようにテーブルの上へ乗ってくれ」

ゼロ「分かった」

藤堂「そして紅月。向かい合うように湯船へ」

カレン「は、はい……」

ゼロ「……」

カレン「こ、このとき……お店ではどんな格好なんですか?」

藤堂「無論。何も着衣していない」

ゼロ「……っ」

ゼロ(ダメだ……少し想像してしまった……)

藤堂「では、ゼロ。頼む」

ゼロ「え?」

藤堂「腰を浮かせてくれないと困る」

ゼロ「あ、ああ……そうか、そうだな」クイッ

カレン「え……」

ゼロ「どうした?」

カレン「あの……藤堂さん。お互いに裸、なんですよね……?」

藤堂「そうだ」

カレン「じゃあ……ゼロと向かい合って、それで……腰を浮かせたら……え?」

ゼロ「なんだ?」

藤堂「……そういうことだ」

カレン「潜望鏡って……!!!」

藤堂「そうだ。見た目が潜望鏡のようだろう?」

カレン「いやぁ……」ブルブル

ゼロ「どうした、カレン。はやく潜望鏡を行え」クイックイッ

カレン「えっと……どうしたら……」ウルウル

藤堂「……まぁ……紅月の想像に任せる……」

カレン「そ、そんな……私……あの……」

ゼロ「早くしろ」

カレン「ゼロ?!本気で言っているんですか?!」

ゼロ「カレン。潜望鏡の意味が分かったのなら、証明して見せろ」クイッ

ゼロ(俺のためにな)クイックイッ

カレン「……っ」

ゼロ「カレン。私では不服か?」

カレン「そ、そんなことは決してありません!!わ、私はゼロのなら喜んで……あの……えっと……」モジモジ

ゼロ「ならば、頼む」ドーン

カレン「……!!」

藤堂(今、私は少女が大人になるところを目撃しているのかもしれない……)

カレン「では……いきます」

ゼロ「よし。こい」

カレン「……っ」ゴクッ

ゼロ「リラックスだ、カレン」

カレン「は、はい……」

カレン「ゼロ!!!紅月カレン!!女になります!!!」

ゼロ「苦しゅうない」

カレン「うわぁぁぁ!!!!弾けろぉぉ!!!ブリタニアァ!!!!」ギュッ!!

ゼロ「ぬおぉぉ!?!?!」

カレン「ぬぐぐぐぐぐぅぅぅ!!!!」グググッ

ゼロ「カ、カレェン!!!どこに顔をうずめて……ひゃぁ……!!」ビクッ

カレン「むぐぐぐ……!!!!!」ググググッ

ゼロ「やめ、ろぉ!!微妙な振動がつた、わるぅ……!!!」ビクッビクッ

藤堂(いかん……いかんぞ……これはぁ……!!!しかし、私に二人の行為を止める勇気はない!!!)

カレン「あぶぶぶぶ……」

ゼロ「ふわぁぁ……!!!だめぇ……!!」

藤堂「……」ホッコリ

カレン「ぷはぁ!!―――ど、どうでしたか、ゼロ?私の潜望鏡は……」

ゼロ「……ひ、ひどい……どうして……こんなことを……」グスッ

カレン「あ、あれ?!ゼロ?!どうしたんですか?!」

ゼロ「……」モジモジ

藤堂「ゼロ、どうした?プロのテクニックに遠く及ばないことは百も承知だが、紅月もかなり頑張ったほうだ。ここは素直に賞賛を送るべきだ」

ゼロ(今、全てを理解した。潜望鏡の意味を、ソープランドの真実を……!!)

ゼロ(ソープランドは俺が最も唾棄すべき場所のようだな……!!!全く、下らん!!!)

カレン「ゼロ……。ごめんなさい。至らないところしかなかったと思いますけど、私も自分なりに考えて……!!」

ゼロ「分かっている。カレン、お前はよくやった。だが、絶対にソープランドでは働くなよ」

カレン「も、勿論です!!」

ゼロ「潜望鏡もお前が見初めた相手にしてやれ」

カレン「は、はい!!」

藤堂「いきなりそんなことをする恋人なんて普通の学生なら引くぞ」

ゼロ(玉城め。こんなことに黒の騎士団の予算を横領していたとは。許せないな。予算管理は別の者にさせなければ)

カレン(いつかゼロに本当の潜望鏡を……。だめだめ!!私ったら何を考えて……!!!だめぇ……顔があつい……)

扇「ゼロ。呼んだか?」

玉城「よう、ゼロ。呼び出しなんてどうしたんだよ」

ゼロ「予算管理はこれから扇にしてもらう」

玉城「はぁ!?なんでだよ!!予算の管理は昔から俺がしてきたんだよ!!」

カレン「変な店に行って黒の騎士団の予算がなくなったら意味ないでしょ?!」

玉城「ちゃんと考えてるよぉ!!!」

ゼロ「くだらん!!ソープランドに行っては潜望鏡を受け、鼻の下を伸ばしているだけだろうが!!!」バンッ!!!

玉城「おぉ……?!」

カレン「変態玉城ぃ」

玉城「ち、ちげぇよ!!!俺はなぁ泡踊りからの花時計が一番好きなんだよぉ!!!」

ゼロ「……」

カレン「え?」

扇「玉城!!」

玉城「潜望鏡なんてやんねーよ!!」

ゼロ(くそ……玉城の分際で……俺を見下すのか……!!!)

藤堂「玉城……」

玉城「んだよ」

藤堂「同志よ」

玉城「なんだ。藤堂もか。やっぱ、一番いいよな」

藤堂「花時計は素晴らしいな」

扇「おい!!カレンも居るんだぞ!!そういう話はやめろ!!!」

藤堂「心配はない。紅月にはゼロと私で正しい知識を伝達したからな」

扇「何を言っているんだ?!」

カレン「ゼロ……あの……玉城が言ったのってなんですか?」

ゼロ「……」

藤堂「やはりゼロも花時計がいいか?」

玉城「なんだゼロも行くのか?」

藤堂「玉城、口を慎め。ゼロは大ベテランだぞ。一時期は週に三回も通っていたらしいからな」

玉城「マジかよ?!じゃあ当然、鶴の恩返しとかもしたことあるよな?!あれどんな感じだった?まだ、やったことなくてさぁ」

ゼロ「つ、鶴……だと……?」

ゼロ(なんだ……もう全く想像もつかないぞ……なんだ……鶴の恩返し……?添い寝してもらって童話を話してもらうとかそんなのか……?!)

ゼロ「……」

カレン「ゼロ?」

藤堂「ゼロほどになれば即即だろう」

玉城「マジで?!いや、でも、最終形態はそうなるかな」

扇「お前ら!!もうやめろって!!!カレンがいるんだぞ!?カレンはまだ未成年だぞ!!」

ゼロ「……」プルプル

藤堂「ゼロクラスになれば二輪車も経験しているはず」

玉城「それすっげえききてぇ!!!」

扇「……本当かゼロ?」

ゼロ「……れ……」

カレン「ゼロ……?」

ゼロ「黙れぇぇぇ!!!!おまえらぁぁぁぁ!!!!!わけのわからない言葉で私を見下して楽しいのかぁぁぁ!!!!!」

玉城「お、おい……」

カレン「ゼ、ゼロ……」

藤堂「……」

扇「ゼロ……すまない……あの……」

ゼロ「ふぅー……ふぅー……はっ?!」

ゼロ(しまった……!!我を忘れてしまった……)

カレン「ゼロ……もしかして……」

玉城「おめえ……へへ……」

ゼロ「……!!」

ゼロ(終わったか……。だが、ギアスを使えば……まだ、俺の尊厳は……!!)

藤堂「待て。玉城」

玉城「あ?」

ゼロ(藤堂……?)

藤堂「ゼロはかなり昔に通っていたと言っていた」

玉城「それがなんだよ?」

藤堂「故にまだサービスの専門用語が確立してないな時期だったかもしれない。二輪車も花時計も別名称はあるからな」

ゼロ「藤堂……」

玉城「あ、そうか」

藤堂「ゼロよ。気を悪くしないでくれ。どの専門用語も比較的新しいものだからな。馬鹿にされたと思っても致し方ない」

ゼロ「……」

藤堂「ゼロの経歴を疑うような発言をしてしまったことは謝罪する」

扇「俺も少しだけ思ってしまった。すまない」

玉城「わ、わるかったよ」

ゼロ「わ、分かればいい」

玉城「じゃあ、予算管理の件は……」

ゼロ「扇にやってもらう」

玉城「なんだとぉ!?」

ゼロ「下らない店に行くからだ」

玉城「ゼロも週3で通ってたんだろ!?俺たちと同じじゃねーか!!!」

ゼロ「私は!!!一回400ブリタニアポンドの店に通っていた!!!」

玉城「超高級ソープだとぉ……?!」

ゼロ「紳士の嗜みと声高に言うなら自腹で最高級のサービスを受けて来い。世界が変わる」

玉城「くっそ!!!いってやらぁ!!!絶対にいってやらぁぁ!!!」

扇「ゼロ。じゃあ、今日はこれでいいか?」

ゼロ「ああ。ご苦労だった」

藤堂「私もこれで失礼する」

ゼロ「藤堂」

藤堂「……」

ゼロ「お前の忠義に感謝する」

藤堂「何のことかわからんな」

ゼロ「ふっ……」

カレン「ゼロ」

ゼロ「なんだ?」

カレン「もしかして……経験、ないんですか?」

ゼロ「……!!!!」

カレン「……」

ゼロ「ち、ちがうな……わたし……は……経験しか、してこなかった、といっても過言、ではない……!!」

カレン「でも……」

ゼロ「私のことが信じられないのか?!」

カレン「こればっかりは」

ゼロ「……!!」

ゼロ(馬鹿な……俺は完璧に演じていたはずだ……!!完璧な人間であるために……!!カリスマで人を動かすために……!!!)

カレン(よかった。顔は見えないけど、この反応ならきっとソープランドの経験なんて無いんだ。ゼロが穢れてなくてよかった……)

ゼロ「……」

カレン「ゼロ……」

ゼロ「カレン!!」ガシッ

カレン「は、はい?!」

ゼロ「……」

カレン「な、なんですか……」ドキドキ

ゼロ(いや、ここで何をしても俺が無経験であることを露呈させるだけ。無様に鼻で笑われて終わりだ……!!カレンにギアスはもう通じない!!!こうなれば……!!)

カレン「あの……」

ゼロ「ええい!!!そうだ!!!俺は経験したことがない!!!だからなんだ!?カレンよ!!それで人の価値が変わるのか?!違うだろう?!」

カレン「勿論です。寧ろ男の価値を下げると思います」

ゼロ「なんだと?価値を……下げる?」

カレン「はい」

ゼロ「守り抜いたほうがいいといのか?」

カレン「当然です。ゼロのような人は特に」

ゼロ「……それ、他の女性も思っているのか?」

カレン「はい。大半はそう思ってると思いますけど」

ゼロ「……」

カレン「ゼロ?」

ゼロ「フフフ……フハハハハハ……なんだ、そうだったのか」

カレン「……?」

ゼロ「ありがとう、カレン。私はこのまま勘違いをしたまま、道を踏み外すところだった」

カレン「ゼロ……よかった……。そうです。経験なんてしなくてもいいんですよ」

ゼロ「分かった。ここに誓おう。私は経験なんてしないと」

カレン「わー」パチパチパチ

ゼロ「私は経験ゼロ!!!」

カレン「ゼロぉ……素敵です……」

ゼロ「カレン、こんな私についてきてくれるか?」

カレン「はい」

ゼロ「守るために修羅にならねばならないが、強制はしない、引き返すなら今だ」

カレン「共に進みます。私は、あなたと共に」

ゼロ「カレン……」

カレン「ゼロ……」

ディートハルト「―――聞かせていただきました。ゼロよ」

ゼロ「ディートハルト!?」

カレン「わっ?!」

ディートハルト「ゼロは経験ゼロ。これはいい。親近感を抱く者もいるでしょう」

ゼロ「そうか?」

ディートハルト「ええ。経験ゼロでも立派なリーダーを務められる!!そんな勇気をもらう若人もいるはずです」

ゼロ「なるほどな……」

ディートハルト「では、黒の騎士団の広告には『我が名はゼロ!!経験もゼロ!!!』で行きましょう」

ゼロ「任せる」

ディートハルト「では、早速準備を始めます」

ゼロ「ああ」

カレン「ゼロの男らしさが日本中に伝わりますね。私も嬉しいです」

ゼロ「ふっ……カレンよ。お前のおかげで私は大きな一歩を踏み出せた気がする」

カレン「ゼロ……」ギュッ

ゼロ「カ、カレン……」

カレン「……」

ゼロ「やめろ」

カレン「あ……」

ゼロ「カレン。私は貫くつもりだ」

カレン「いつでも貫いてください」

ゼロ「ああ。見ていろ」

カレン(やったぁ♪念願のゼロに……♪お風呂はいってこよ)テテテッ

カレン「あれ?」キョロキョロ

千葉「どうした、紅月?」

カレン「ゼロは?」

千葉「見てないな。自室じゃないのか?」

カレン「いなくて……」

千葉「そうか。何か用事でもあったのか?」

カレン「いえ……別に……」

千葉「なら日を改めろ。お前も明日は学校に行くんだろ」

カレン「え、ええ」

千葉「なら、早く帰れ」

カレン「はぁーい」

千葉「ああ、そうそう」

カレン「なんですか?」

千葉「藤堂さんにはきつく言っておいたから。それで勘弁してほしい」

カレン「は、はい……わかりました……」

翌日 アッシュフォード学園 生徒会室

カレン「こんにちはー」

ミレイ「これ本当だとおもうー?」

リヴァル「あのゼロがでしょ?信じられませんよね」

シャーリー「でもでも、わざわざ言うってことは本当なんじゃないですか?」

ニーナ「そうかもね。案外、ああいうタイプってモテないのかも」

スザク「ゼロが……経験ゼロ……ふふっ」

ナナリー「スザクさん。笑うなんて失礼ですよ」

スザク「ごめん。でも……ふふふっ」

リヴァル「実際、笑っちまうよなー。あれだけ偉そうなこと言ってるのにー」

ミレイ「リヴァルー、じゃあ、あんたはゼロより経験豊富なのかなー?」

リヴァル「……」

スザク「もう17歳だし、当然じゃないですか」

リヴァル「え?」

カレン(なにしてるのかなぁ……?)

ミレイ「あ、カレーン。やっほーい」

カレン「何してるんですか?」

シャーリー「この広告みた?ネットでも大々的に書かれてるの」

カレン「え?」

スザク「我が名はゼロ!!経験もゼロ!!!―――くくっ」プルプル

カレン「……」

ニーナ「ふふっ。わざわざこんなこと言わなくてもいいのにね」

ミレイ「まーでも、ちょっと怖かったイメージもこれでかなり緩和されちゃうから、いいんじゃない?」

シャーリー「確かに。経験ゼロって可愛いですね」

カレン「あの……え……?」

スザク「守り抜いて価値があるのは女性で、男の価値は経験の差だと思うよ」

リヴァル「くぞぉ……!!!スザクめぇ……!!!」

スザク「ルルーシュもそう思うだろ?」

ルルーシュ「ふふふ……フフハハハ……アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!!」

カレン(ゼロ……ごめんなさい……私の勘違いだったみたいです……)

別の日 某エリア

ギルフォード『黒の騎士団だ!!!迎え討て!!!』

ゼロ『よし!!コーネリアを討て!!!』

コーネリア『ゼロをとめろ!!こちらに近づけさせるなぁ!!』

ランスロット『経験ゼロか!?僕が相手だ!!経験ゼロ!!!』

ゼロ『フフフフ……フハハハハハハ!!!!!!!!ヒャーッハッハッハッハッハ!!!!』

紅蓮『ゼロを侮辱するなぁぁぁぁ!!!!!』

ランスロット『経験ゼロ!!!君は間違っている!!!!―――ふふっ』

紅蓮『やめろぉぉ!!!』ガキィィン

ランスロット『経験ゼロ!!こんなことしていないで経験をイチにするべきだ!!』

ゼロ『カレェェン!!!!』

紅蓮『は、はい!!』

ゼロ『そいつを殺せぇぇ!!!』

紅蓮『ゼロ……うぅぅ……。―――はいっ!!ゼロは私が守ります!!!』

コーネリア(ゼロめ。そんなことで私に親近感を覚えさせようとも無駄だ。私は鉄の女だからな)キリッ

ギルフォード『経験ゼロだ!!!攻撃を開始せよ!!』

ダールトン『経験ゼロ!!この場でし止めてくれる!!』

ゼロ『……』

藤堂『貴様らぁ!!!ゼロを経験ゼロを侮蔑するのはよせぇ!!!』

玉城『経験ゼロでもよぉ!!俺たちにとっては最高のリーダーなんだよ!!!』

ゼロ『やめ……ろ……』

カレン『経験がゼロだからってなんだ!!!ゼロはゼロだ!!!』

スザク『間違った結果(経験ゼロ)に価値なんてない!!!』

ゼロ『もう……やめ……て……』

コーネリア『私はゼロを支持する!!がんばれ!!』

千葉『まけないでー。私がついているぞー』

ゼロ『うおぉぉぉ!!!!!!皆殺しだぁぁ!!!』ドドドドド!!!!!

スザク『経験ゼロが乱心した!!』

カレン『ゼロー!!!私がイチにしてあげますからー!!』

ゼロ『ゼロの何がわるいぃぃぃ!!!!!』ドドドドド!!!!!

黒の騎士団アジト

藤堂「ゼロは?」

扇「自室に閉じこもっている。今、カレンとC.C.が傍にいるみたいだが……」

玉城「ゼロ……どうしちまったんだ……」

千葉「みんなでイジメすぎです」

玉城「いや。俺はちゃんとフォローしたぜ?」

藤堂「私もでき得る限りのことはしたつもりだ」

扇「全部ブリタニアだ……!!あいつらがゼロを追い込んだんだ!!!」

藤堂「おのれ、ブリタニアめ……!!」

朝比奈「許せませんね」

仙波「今度の戦場で借りを……!!」

卜部「ああ。ゼロの仇を取る」

千葉「次はゼロの弔い合戦になる!!」

藤堂「許すまじ!!ブリタニア!!!」

扇「やるぞ!!俺たちだけでもやるんだ!!ゼロのために!!!」

ゼロ「うぅぅ……ぅぅぅ……みんなが……俺を……おれをぉ……」

C.C.「よしよし。お前はよく耐えたよ」ナデナデ

カレン「ゼロ……」

ゼロ「俺をその名で呼ぶなぁ!!!」

カレン「え……」

C.C.「もうゼロがトラウマになったようだな」

カレン「そんな……ゼ……いえ、じゃあ……なんと呼べば……」

ゼロ「……」プイッ

C.C.「今はそっとしておこう」

カレン「そうね……」

C.C.「またいつか、いつものリーダーに戻ってくれるはずだ。少なくとも私はそう信じている。なぁ?そうだろ?」

ゼロ「……」コクッ

カレン(ゼロ……いつか私が貴方をイチにしますから……!!だから戻ってきてください!!!)

C.C.(そろそろルルーシュの初めて、奪っておいてやるか。やる気もでるだろうし。そうだな、今晩あたりでも―――)
                              

おしまい。

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