ここはとあるコンビニ


一方通行「コイツとコイツとォ…」ﾎﾟｲﾎﾟｲｶﾞｼｬｶﾞｼｬ

一方通行「おォ、このコーヒーは新商品じゃねェか」ｶﾞｼｬﾝ

一方通行「あとは…どうすっか…」

一方通行「コイツらも一緒に買っとくか」ﾎﾟｲﾎﾟｲｯ

ドア＜ウィーン

上条「あ、一方通行がいる」

結標「あらホント」

一方通行「あァ…？」


.

一方通行「…なンだ、おめェらか」

上条「ああ。なにしてんだ？」

一方通行「コンビニにいて何してるもクソもねェだろォがよ」

結標「まあ、買い物よね」

上条「それもそうか」

一方通行「おめェらこそ揃いも揃ってなにしてやがンだ」

上条「上条さんは日用品買いにきた。塩とか砂糖とか諸々」

結標「喉乾いたからジュース。そしたらそこで上条とバッタリ」

一方通行「ふゥン…」


.

結標「しかし一方通行、貴方よくもそんなに買うわよね」

上条「うわぉ商品山積みじゃねえか」

一方通行「わりィか」

結標「別にそんなこといわないけどさ」

上条「コンビニでカゴ使うほど買い込むやつとか滅多にみないよな」

一方通行「うっせェよ」

結標「しかもカゴ底が見えない程のコーヒーとか嗜好も偏り過ぎで…あれ？」

上条「どうした？」

結標「一方通行、コレなに？」ｶﾞｻｯ

.

一方通行「なにって…みりゃわかンだろ」

結標「上条、コレ何に見える？」

上条「上条さんの目にはメロンの乗った豪華プリンが映っておりますことよ？」

結標「こっちはシュークリームとエクレア…あと色んなデザート系のもの…」

上条「………なぁ、コレ…」

結標「なに？……あ、イチゴ大福……」

一方通行「あァ。それがどォした」

上条・結標「……えぇー」

一方通行「……ンだよその目は。言いたいことでもあンのか」


.

結標「え、だって…え？マジで？」

一方通行「何がだよ」

結標「いやほらぁ…あの一方通行がこんな…ねえ上条？」

上条「ああ…まったくだ、あの第一位が…」

結標「ビックリよね」

上条「驚天動地ってやつだな」

一方通行「なンだってンだ…文句があるならハッキリいいやがれ」


.

上条「じゃあ言わせてもらうけどな一方通行」

一方通行「おォ」

結標「言っちゃえ言っちゃえ」

上条「コンビニでデザートを買うなんてのはな？」

上条「私こと上条さんにとっては月に一回一個、許されるか許されざるか」

上条「そういうレベルの贅沢な行為なわけですよ」

上条「それをお前…いとも簡単に無造作にデザートをいくつもカゴに放り込みやがって！」

上条「慎ましい生活を営んでいるこの俺に申し訳ないとおもわねぇのか、このブルジョワ！！」ﾊﾞーﾝ

一方通行「お前もコイツと同意見か？」

結標「違うわよ…」


.

結標「ていうかなに？一方通行ってこういう甘いもの食べるの？」

上条「あ、それ俺も疑問に思った」

一方通行「オレが甘いもの食っちゃいけねェのか」

結標「だっていっつもコーヒーガブガブ飲んでるし…」

上条「しかもブラックばかりな」

結標「正直、甘いものを食べる一方通行ってイメージが湧かないわ」

一方通行「実は甘党なンだよ」

上条「なんと」

結標「意外」


.

上条「甘党がなんでブラック飲んでんだ？」

結標「そうよ。MAXコーヒーでも飲んでなさいよ」

一方通行「はーァ…バカだなァあわきちゃンは」

結標「あわきちゃン言うな」

上条「バカだったか？今の結標」

一方通行「本気で言ってるンだとしたら、抱きしめたくなっちまうくらいにバカだったわ」

結標「やめて、その台詞やめて、地味にトラウマだから」

一方通行「あ、ごめン」

結標「ええ」

上条「素直だな」


.

上条「で、なんでMAXコーヒー飲んだらバカなんだ？」

結標「そうよそうよ。納得のいく説明を求めるわ」

一方通行「お前らさァ…そのチンケな脳みそ使ってよォく考えてみろよ」

一方通行「甘いものと甘い飲み物組み合わせたらァ」

一方通行「胃がもたれンだろォが！」ｶｯ

結標「…………あー、うん」

上条「こだわりがあるんだな」

一方通行「おゥ。こだわるぜオレは」

結標「あなた食にこだわるタイプじゃないでしょうに」


.

一方通行「こォいうコンビニの甘味とか良く食うぞオレは」ｶﾞｻｶﾞｻ

上条「マジでか」

結標「知らなかったわ」

一方通行「あと和菓子とかも好きだなァ…」

結標「つくづくイメージにそぐわないわね」

一方通行「ほっとけ」

上条「ちなみに好きな和菓子は？」

一方通行「かしわもちィ」

結標「なによそのチョイス」


.

上条「和菓子のときはやっぱコーヒーじゃなくて緑茶飲むのか？」

一方通行「そォだな」

結標「緑茶と和菓子でほっこりしてる一方通行……」

上条「おま、変な想像させるなよ…」ﾌﾟｯ

結標「『あァ〜…やっぱこし餡に限るぜェ……ｼﾐｼﾞﾐ』とか？」

上条「縁側で？」

結標「縁側で」

上条「あっはは！似合わねえ〜！」

一方通行「ケンカ売ってンのか」


.

上条「ははは…ん、じゃあ待てよ？」

一方通行「まだなにかあンのか」

上条「甘党がなんでこれ見よがしに毎日ブラックコーヒー飲んでるんだよ」

結標「あ、確かに」

一方通行「……………」

結標「なになに？何か理由があるの？」

一方通行「いや、理由ってほどでもねェけどさ…」

上条「せっかくだから聞かせてくれよ」

一方通行「……断る」

上条「なんでだ」

結標「なんでよ」


.

一方通行「なンででもいいだろが。オラ、もォいいだろ。とっととあっち行きやがれっての」

上条「いーやーでーすぅー」ｼﾞﾀｼﾞﾀ

結標「話してくれるまで動きませんー」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

一方通行「うるせェ。あばれンな。腕振ンな。こっち見ンじゃねェ」

結標「はーなーせーよー」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

上条「たーのーむーよー」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

一方通行「てめェらはてめェらの買い物があったンじゃなかったのか？」

上条「買ってきました」ｼｭﾊﾞｯ

結標「買いました」ﾋｭﾊﾟｯ

一方通行「無駄に迅速なのはなンでだよコラァ！」


.

結標「ホラ、憂いもなくなったことだし、私、一方通行さんの話聞きたいなー」

上条「上条さんも聞きたいなー」

一方通行「この、三下どもがァ……」

上条「さっ、お早く！」

結標「どうぞどうぞ！」

一方通行「………だってよォ」

上条「ああ」

結標「うん」

一方通行「カッコいいだろが」

結標「は？」

上条「え？」

一方通行「ブラックコーヒー飲んでた方が…こう、カッコいいじゃねェかよ」


.

上条「……」

結標「……」

一方通行「……」

結標「………ぷっ」

上条「ぶふっ」

一方通行「……………」

上条・結標「「あっはっはっはっはっはっはっは！！」

一方通行「な、なンだなンだ、なンなンですかァお前らァ！？」

上条「子供ですか！お前は子供ですか！中学生になりたての少年ですか、もー！！」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

結標「あ、あの一方通行が…！天下の第一位が…！」ﾌﾙﾌﾙ

一方通行「あああァ！！だから言いたくなかったンだよ！！」


.

結標「そんな理由でコーヒー買い込んでたのね…」

一方通行「まあ今じゃ半分カフェイン中毒で買っちまってるけどなァ」

上条「いやいや、いつまでも純粋でいるのって大切なことでせうよ？」ｷﾗｷﾗ

一方通行「チッ…生暖かい目ェ向けんなクソが」ｽﾀｽﾀ

上条「あ、どこ行くんだ？」

一方通行「あァ？レジだよ」

結標「そういえばまだ会計してなかったのね」

一方通行「そォいうこった」

＜ｲﾗｯｻｲﾏｾー

一方通行「カードでェ」ﾋﾟｯ

上条「ぶ、ブラックカード…！」ﾌﾞﾜｯ

結標「うわ！いきなり血涙流さないでよ！」


.

ドア＜ｳｨーﾝ

一方通行「さァて！甘味の時間だぜェ！」ｶﾞｻｶﾞｻ

上条「もう食べるのか」

結標「かつてないテンションの上がりようね」

一方通行「まずはこのシュークリームからだァ！」

結標「甘味にはしゃぐ一方通行とかすごい構図ね」

上条「まさかこの目で見るとは思わなかったよ」

一方通行「うン、うン、これァまったく…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「どうしたの？」

一方通行「うめェ」

一方通行「なンというかァ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

一方通行「うめェ」

結標「ストレートな感想ねえ」

上条「………」ｼﾞー


.

一方通行「…その顔はなンだ三下ァ」

上条「いや、あの、とっても美味しそうだなーって……」

一方通行「ああ、うめェ。なンというか…うめェ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「さっきも聞いたわよそれ」

上条「…………」ｼﾞー

一方通行「…………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「………ちょっとわけt」

一方通行「シネ」


.

上条「む、むごひっ！」

結標「若干食い気味だったわね」

一方通行「あのな、これはオレが買ったンだっつーの」

上条「それは上条さん重々承知！しかし、そこをなんとか！」

一方通行「うるせェなァ。食いたきゃ自分で買え」

上条「そんな家計の余裕はないんだ！頼む、一口でいいから！」

一方通行「…………」

上条「この通り！この通り！」


.

一方通行「…………チッ」ｶﾞｻｯ　ﾎﾟｲｯ

上条「おわっ！こ、これはエクレア先輩！？」ﾊﾟｼｯ

一方通行「それやる。だからそれ以上情けねェ面拝ませンな、三下が」

上条「うおおお！マジで！？いいのか！？」

結標「あらら、ずいぶんお優しいことね」

一方通行「うるせェっての」

上条「ありがとう、ありがとう！神様仏様一方通行様〜！」

一方通行「おめェもうるせェよ。さっさと食え」

上条「うう……久方ぶりの甘いもの…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

結標（……私もおなか減ったなぁ）


.

上条「うまい…あまい…うまい…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

結標「ふふ、よかったわね」

一方通行「あァ、あとあわきちゃン」

結標「だからあわきちゃン言うなって…」

一方通行「ホラよ」ﾎﾟｲｯ

結標「え？うわっ！？」ﾎﾟｽｯ

結標「何コレ、イチゴ大福？」

一方通行「イチゴ大福ゥ。……おめェにやる」


.

結標「…え。なんで？」

一方通行「なンでって、三下にだけやンのは不公平だろォが」

結標「……いいの？」

一方通行「オレが良いってンだから良いんだよ」

結標「……でも」

一方通行「いらねェってンなら返してもらうぜェ？」ﾋｮｲｯ

結標「い、いる！いるわ！食べるわよ！」ﾊﾞｼｯ

一方通行「だったら黙って食っとけっての」

結標「………アリガト」

一方通行「おゥ」

上条「うまい…あまい…うまい…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

結標（大福、柔らかい……）ﾌﾟﾆ


.

上条「ごちそうさん！あー美味かった！」

一方通行「そりゃァ、オレが目をつけた品物だからなァ」ﾌﾌﾝ

結標「イチゴ大福もおいしいわ」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「イチゴ大福っていう選択がまたすごいよな、一方通行」

一方通行「なにがすごいンだよ」

上条「こう…数ある大福の中で敢えてそれを？みたいな」

一方通行「イチゴは季節ものだからな。食えるときに食わねェと」

結標「冬場にしか見ないわよねぇ、コンビニのイチゴ大福って」ﾓｷｭﾓｷｭ


.

上条「………」

一方通行「………」

結標「…………」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「………三下ァ」

上条「ああ……なあ、結標」

結標「んー？」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「なんで大福食べるのにﾓｷｭﾓｷｭ言ってんだお前？」

結標「え……変かしら」ﾓｷｭﾓｷｭ


.

一方通行「普通食べるときの音ってのはﾊﾟｸﾊﾟｸとかﾓｸﾞﾓｸﾞだろォ？」

一方通行「それをﾓｷｭﾓｷｭって、どんな音なンですかねェ？」

結標「別にいいじゃないの、食べるときの音くらい…」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「てか、イチゴ大福くらい片手で食えよ。わざわざ両手で持つなよ」

一方通行「しかもまだ半分しか食えてねェしな」

結標「案外ビッグなサイズなのよこの大福」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「……両手でチマチマ食ってンの見てるとなんだか笑えてくンな」

上条「結標が女の子っぽい食べ方とかしてるのもイメージにあわねぇな」


.

結標「なによそれ、どういう意味よ！」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「そのままの意味でせうよ？」

一方通行「ここは三下に同意だァ」

結標「アンタら…」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「しかしよォ。どっかで見たような食べ方だな」

上条「アレだ。リスとかハムスターの食い方だろ。げっ歯類的な感じ」

一方通行「げっ歯類だったのかあわきちゃン」

結標「人を勝手に小動物扱いするな！」ﾓｷｭｯ

上条「あ、残り全部口に放り投げた」


.

一方通行「まー、あわきちゃンったらお行儀の悪い」

結標「あわふぃふぁんいうふぁっふぇほ（あわきちゃン言うなっての）」ﾓｷﾞｭﾓｷﾞｭ

上条「うん、やっぱ結標と言ったらこのワイルドな感じだな」

結標「うるふぁいふぁほ（うるさいわよ）」ﾓｷﾞｭﾓｷﾞｭ

一方通行「ちゃンと飲み込んでからしゃべりやがれェ」

結標「ふぉーふぁなふぃふぇほ（しょーがないでしょ）」ﾓｷﾞｭﾓｷﾞｭ

一方通行「無理矢理詰め込むからだってェの。変に口ィ膨らませやがって」

上条「あれだな、結標がほっぺ膨らませてるの見ると」

一方通行「あン？」

結標「ふぁに？（なに？）」


.

上条「ほお袋に見える」

一方通行「……」

結標「………」ﾓｷﾞｭ

上条「ハムスター的な」

一方通行「………っ！」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

結標「………」ｺﾞｸﾝ

上条「やっぱあわきちゃンはげっ歯類だったんだな」

結標「誰がげっ歯類だ！お前まであわきちゃン言うな！！」

一方通行「くかっ！くかかきけきくきけかきこきかけかっ！」

結標「そっちの第一位はツボってんじゃないわよーー！」


.

結標「はぁ……はぁ……」

上条「お疲れのようだな」

一方通行「ごくろォさまでェす」

結標「誰のせいだと思ってんのよ！」

一方通行「まァまァ、そンなカッカすンなよ」

上条「そうだぞ。少しは落ち着いたらどうだ？」

結標「はぁ……まったくもう……」

一方通行「…………」

上条「…………」

結標「…………」

上条「『へけっ！座標移動しちゃうのだ！』」ｶﾝﾀﾞｶｲｺｴ

結標「こォの三下があああああああああァァァァ！！！！」

上条「そげぶっ！？」ﾄﾞｷﾞｬ

一方通行「…っ！…！…っ！！」←腹を抱えている


.

上条「いたいすごくいたい」ﾋﾘﾋﾘ

結標「ハムスターじゃないもん」ﾌﾟﾝｽｶ

一方通行「いやー、おもしれェもンみせてもらったぜェ」

上条「上条さんには大きな犠牲が伴ったけどな」

結標「本気度５割のグーパンを放ったのは久々だったわ」

上条「ツンツン頭でなければ即死だった」

一方通行「よかったなァ、ツンツン頭で」

上条「まったくだ……よし、じゃ、そろそろあわきちゃンの家に行くか」

結標「えっ」

一方通行「おォ、そうするかァ」

結標「えっ」


.

結標「いやいやいやいやちょっと待って。ストップ。ウェイト」

一方通行「なンだあわきちゃン？」

上条「どうしたあわきちゃン？」

結標「あ、私の呼び名はあわきちゃンで固定なのね」

結標「…ってちがーう！私の家に行くってなによ！？どういう流れでそうなったわけ！？」

上条「え？」ｷｮﾄﾝ

一方通行「え？」ｷｮﾄﾝ

結標「不思議そうな顔をするな」


.

一方通行「おいィ三下、このあわきちゃンポンコツだぞ」

上条「そうだな。上条さんも今それを考えてた」

結標「なんでよ！」

上条「だってよあわきちゃン、良く考えてみ？」

上条「まず、オレとあわきちゃンがコンビニで偶然出会っただろ？」

結標「…ええ」

上条「一方通行にも出会っただろ？」

結標「うん」

上条「みんなで甘いもの食べるだろ？」

一方通行「オレの奢りだけどなァ」

結標「そうね」

上条・一方通行「「じゃ、後はあわきちゃンの家に行くしかなくね？」」

結標「はい、訳がワカラナーイ！！！」


.

結標「ていうか私の家って、厳密には私の家じゃないわよ」

上条「あー、今は小萌先生の家に厄介になってるんだっけなお前」

一方通行「何度見てもアレがナチュラルな生物には思えねェぜ」

結標「私だけの空間ならともかく、そうじゃないんだからいきなり来ちゃダメよ」

上条「うーん、確かに先生もいるんだったらいきなり突撃は良くないかもな…」

一方通行「オレらがカチコミかましたら驚くだろォからなァ」ｳﾝｳﾝ

結標「ふふん、分かったらさっさと諦めることね」

上条「そうだなー…ん？」

一方通行「しょォがねェなァ…じゃあどうすっかァ…」

上条「……イヤまて一方通行」

一方通行「あン？」


.

上条「上条さんの記憶が確かなら、今、小萌先生は家にいないはずだ」

結標「！」ｷﾞｸﾘ

一方通行「あァ？どうしてそンなことがわかるンだよ」

上条「前にな小萌先生、旅行行くんだーってウキウキしてたんだよ」

上条「有給使って温泉巡りだってさ。現に一昨日あたりから学校来てなかったし」

一方通行「そうなのあわきちゃン？」

結標「う、うん。明日帰ってくるって言ってた」

一方通行「あわきちゃン一人でお留守番ってことですかァ？」

結標「…………うん」

上条「じゃ、今は家に誰もいないから行っても良くね？と、トウマはトウマは尋ねてみたり」


.

結標「………」

上条「………」

一方通行「…………」

一方通行「じゃァとりあえず突撃するk」

結標「」ｼｭﾝｯ

上条「あ！あわきちゃン逃げやがった！」

一方通行「なにィ！？げっ歯類のクセにィィ！」

上条「おそらく能力を駆使して小萌先生の家に舞い戻ったものと思われますなぁ」

一方通行「アイツ…弱点克服したんだなァ…」ﾎﾛﾘ


.

上条「あっ、あわきちゃンのやつ、買ったジュース置いてってら」ﾋｮｲ

一方通行「飲ンじまえばァ？」

上条「いやーさすがに無断で頂くような真似、上条さんはいたしませんのことよ？」

一方通行「そォかい」

上条「しかしどーすんだよ一方通行ー、あわきちゃンいなくなっちゃったぞー？」

一方通行「まァ落ち着け、こういうときこそ甘味を食べるンだぜェ」ｶﾞｻｶﾞｻ

上条「さ、さすが甘党、心得てやがる…！」

一方通行「うン…うン…そォだなァ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

一方通行「！」ﾋﾟｯｶﾘーﾝ

一方通行「……オイ三下ァ、その家の場所は知ってやがンのかァ？」

上条「え？あ、ああ…一応…」

一方通行「よォし、耳貸せェ」


.

小萌宅


結標「」ｼｭﾝｯ

結標「はー…疲れた……」

結標「コンビニに行っただけなのに、なんでこんなに疲労感がたまったのかしら…」

結標「……あいつらに会ったからよね…」

結標「……はーぁ」

結標「……ていうか」

結標「なんでコンビニ行ったんだっけか……」


.

結標「あ！」

結標「うーわー…ジュース買いに行ったんだー…せっかく買ったのに忘れてきた…うーわー」

結標「……取りに帰ろうかしら」

結標「いや、行ったらまたあの二人に絡まれちゃうわね」

結標「もったいないけど、放っておきましょう…ホントにあいつらは…はぁ…」

結標「………」


.

結標「もしかしたら、上条が私のジュース飲んでたりするかもね」

結標「デザートも買う余裕ないなんて…苦労してるのねぇ」

結標「一方通行も…彼、甘党だったのね」

結標「イチゴ大福、美味しかったな」

結標「『ブラックコーヒー飲んでた方がカッコいいじゃねェかよ』」

結標「………ふふっ、かわいい…」





「あ”ァァァァァわきちゃァァァァァァァァン"ン"ン"ン"！！！！！」

結標「！？」ﾋﾞｸｩ


.

一方通行「おらっしゃああああああァァァァァァ！！！！」ｶﾞｼｬーﾝ

結標「ああ！窓が！窓が！」

一方通行「ダイナミック☆お邪魔しまァァァァァァす！！！」

上条「一方通行の能力で全力で飛んできましたァァァァァ！！！」

結標「なにしてんのよアンタらぁ！？」

上条「左手だけで第一位にぶらさがってます」ﾊｲ

一方通行「ぶらさがられてまァす」ﾊｲ

結標「そういうことじゃないわよ！」


.

一方通行「おおっとォ！逃がしやしねェぜェ！？」

上条「よっしゃ！今だ一方通行！」

結標「え？え？」

一方通行「食らえェェ！ハイパー三下キャノン！！」ﾋﾞｭﾝｯ

上条「よいしょおおおお！！！」ｺﾞｯ

結標「上条が飛んできたーーーーー！？ここ室内なんだけどぉ！？」

一方通行「ひゃっははははァ！これ以上ォ他の所へ移動させるかあわきちゃンよォ！！」

上条「そうだ…今こそ、上条さんの真の力を発揮するときなんだ！」ﾋﾞｭｵｵｵｵ


.

一方通行「そォ！三下が右手で触れりゃァ、あわきちゃンは座標移動ができねェ！」

上条「ぬううおおおおおおお！！！！！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵ

結標「こわっ！？む、座標移動…！」ﾊﾞｯ

一方通行「遅いぜェ！いけェ、三下ァ！！あわきちゃンの能力を封じちまえ！」

上条「おれの右手が真っ赤に燃える！幻想砕けと轟き叫ぶ！」

上条「いいぜ……お前がどこにでも座標移動できるってんなら！」ﾊﾞｯ

結標「ひっ…！」

上条「まずは！そのふざけた幻想をぶちこr」


ﾑﾆｭｯ


上条「」

結標「」



結標「………え？」


.

上条「あ…」

一方通行「あーあー」

結標「………」

上条「………」

一方通行「三下……お前ってやつはさァ、その右手を…」

一方通行「あわきちゃンのドコに勢い良く繰り出してるんですかァ？？」ﾆﾔﾆﾔ

結標「………っっっ！！」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

上条「え、あ、ちょっ…！ち、ちが、い、今のは一方通行のコントロールが悪くて……！」

一方通行「え？オレはただ投げただけだけどォ？触ったのお前じゃン？」

上条「は、謀ったな一方通行ァァァァ！！！」

結標「………こぉの、バカッ！！！」

上条「またしてもっ！？」ﾊﾞｼーﾝ

一方通行「あー、たのしィー」ｹﾗｹﾗ


.

上条「いたいとてもいたい」ﾋﾘﾋﾘ

結標「…ふん、だ」ﾌﾟﾝｽｺ

一方通行「三下、顔に手形がくっきりだぜェ？」

上条「誰のせいだ誰の…はぁ、不幸だ……」

一方通行「あわきちゃンもそんなことで怒るなよォ」

結標「いきなり胸鷲掴みにされたら誰だって怒るわよっ！」

一方通行「なンですか、女の子アピールですかァ？あわきちゃンにいまさら乙女キャラは合わねェぞ？」

結標「わ、わたし女の子だもん！れっきとした乙女だもん！」

上条「いやー、乙女な女の子はそんな露出の高い服は着ないでs」

結標「三下は黙ってなさい」ｷﾞﾛｯ

上条「あい」


.

上条「で、あわきちゃンの家に来たはいいけどー」ﾀﾞﾗーﾝ

一方通行「どォしよォかねー」ﾀﾞﾙーﾝ

結標「なんでそんなにくつろぎモードなのよ貴方たち」

一方通行「つーか、帰るのダルくなってきたなァ」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

上条「なー…あ、あわきちゃンこれ忘れてったジュース」ﾋｮｲ

結標「あ、ありがと。ていうか、割れた窓ガラスどうしてくれんのよコレ…」

一方通行「とりあえずガムテープ貼っとけばいいンじゃねェ？」

上条「そーだな、あわきちゃンガムテープ借りるぞー」ｶﾞｻｶﾞｻ

結標「ガムテープで窓修理って…貧乏くさいわね…」

上条「ぺったらぺたらこ、ぺったんこー♪」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

一方通行「三下はああいう作業慣れてそうだぞ？」

結標「せつね」

.

上条「ガムテープ貼り終わったぞー」

一方通行「あァ、ごくろォ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「あ、何食べてんだ？」

一方通行「コレか？コンビニのロールケーキ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「まだ食べるの？」

上条「だいぶ長いんだなそのケーキ」

一方通行「値段の割に太長くていいボリュームだぜェ」

上条「そんじゃ、それちょっと分けてくれ！」ｷﾘｯ

一方通行「はァ！？てめェさっきオレのエクレア先輩食っただろォが！」

上条「それだけ長いロールケーキでケチケチすんなよ！よこせよ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

.

一方通行「ふざけンなよ三下ァ！これ以上オレの甘味タイムを邪魔されてたまるか！」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「うるっせぇ！貧しい上条さんに救いの手を差し伸べてくれたっていいだろ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

一方通行「十分差し伸べたわ！これ以上良い夢見れると思うなァ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「よーこーせーよー！」ｸﾞｲｸﾞｲ

一方通行「はーなーせーよー！」ｸﾞｲｸﾞｲ

ギャーギャー

結標「………」

結標「………なんというか、貴方たちって」

上条「あ"！？」

一方通行「ああァ！？」

結標「小さい男の子たちのケンカみたいね」

上条「」

一方通行「」

結標「二人とも、ケンカは良くないわよ？ちゃんと仲良くしないと」ﾆｺｯ

上条「！？」ｿﾞｸｯ

一方通行「！？」ｿﾞｸｯ


.

上条「や、やべぇ…今のはやべぇ…」ｶﾞｸｶﾞｸ

結標「？」

一方通行「ああ、ヤバかった…一瞬で悟ったぜ…身の危険ってヤツをなァ…」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

結標「え？なに？なにが？」

上条「一方通行…その、俺が悪かったよ」

一方通行「いいンだ、気にすンな。オレの方こそだぜェ」

一方通行「ホラ、仲直りのロールケーキだ。これでまた仲良くいこうじゃねェの」

上条「そうだな…ケンカは、良くないもんな…」

結標「…よく分かんないけど、ケンカがおさまったんならよかっt」

上条・一方通行「「ショタコンを目の前にしたら子供っぽい真似は控えないと危ないもんな！」」

結標「ちょっとおおおおおおおお！！！！」


.

結標「ちがうもん！ちがうもん！」ｼﾞﾀｼﾞﾀ

一方通行「イヤイヤ、アレはやべェ。直感で危機悟ったもン」

上条「あのまま続行してたら確実にオレたち二人揃って美味しく頂かれてたな」

一方通行「性的な意味で？」

上条「無論、性的な意味で」

結標「ショタコンじゃないからぁ！別に美味しく頂いたりしないからぁ！」

一方通行「正直シャレにならない感覚だったっつーの。ガチで寒気走ったっつーの」

上条「ケツにつららを突っ込まれたような気分とはまさにああいう感じだよな」

結標「心配しなくてもアンタらみたいな男なんか、こっちから願い下げよ！」

上条「そーだろうな、あわきちゃンの好みは俺たちなんかじゃないもんな」

一方通行「ショタ相手じゃないと見向きもしてくれないもンなァ」

結標「うなあああああああああああ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ


.

結標「ちがうのよー…そんなんじゃないのよー…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

一方通行「おォ、あわきちゃンが体育座りで虚空を見つめている」

上条「現実世界からは逃げない方がいいぜショt…あわきちゃン」

結標「おいコラ、今ショタコンって呼びそうになったでしょ」

上条「え？ははは、何のことやら。あわきちゃンはいつだってあわきちゃンだろう？」

結標「もう……」

一方通行「つーか、そろそろ夕飯時だなァ。腹減って来たァ」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

結標「え？おなか減ったの？あれだけケーキやら何やら食べてたじゃない」

一方通行「ばかやろォ、オレは甘党だぞ！？甘いものは別腹に決まってンだろォが！」

結標「それって普通食後のデザートの話なんじゃ…」

上条「甘いものと普通の食べ物はあくまで別なんだな」

一方通行「じゃあここでメシ食ってくゥ？」

上条「おー」

結標「…アンタら、居座る気？」


.

上条「じゃあ何か作るか、お前ら料理出来んの？」

一方通行「皆目ゥ」

結標「さっぱりね」

上条「お前小萌先生がいない間メシどうしてたんだ？」

結標「えー、カップ麺とか…そんなの」

一方通行「あわきちゃン、今の発言は乙女ポイント−１なァ」

結標「乙女ポイントって何よ」

一方通行「女の子っぽい行動をするほど上がりますゥ。出来なかったら下がりますゥ」

上条「結標とは程遠いポイントなんだな」

結標「程遠くないわよ！これでも女の子よ！」

上条「うわー、自分でこれでもとか言っちゃってるよ」

一方通行「さらに−１だなァ」

上条「ちなみに顔面に男女平等パンチ貰ったときは？」

一方通行「−４０だな」ｳﾝ

結標「しばくわよ」


.

一方通行「とりあえず、オレたちは料理とかできない子なんでェ」ｸﾞﾃﾞーﾝ

結標「まぁ、何か料理作ってくれるのなら、お願いしちゃうわーん」ﾀﾞﾗーﾝ

上条「ひどい有様だな…あわきちゃン、冷蔵庫のものテキトーに使っていいか？」

結標「ん、どうぞー」

上条「さーて、今宵の上条さんは何を作ろうか…って、ああ！」ｶﾞﾀｯ

一方通行「どォした」

上条「しまったあああ！！インデックスの夕飯作ってねえええ！」

結標「あー…？」

一方通行「あ、あの居候の暴食シスターのことかァ」

上条「このままでは、我が家の冷蔵庫が空腹インデックスの手により荒らされ放題に…」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

結標「ホントに苦労してるのね」



.

一方通行「そンなことよりオレたちのメシはァ？」

上条「そんなことって何だ！上条さんにとってはとてつもない死活問題なんだぞ！？」

結標「家に帰ってご飯つくってくれば？」

一方通行「えー、それじゃァ誰がオレらのメシ作るんだよォ」

結標「貴方も帰ればいいじゃないのよ」

一方通行「ヤダ」ｷｯﾊﾟﾘ

結標「即答！？」

上条「うぅ……なんてことだ…明日からどうやって生きていけば…」

一方通行「しょォがねェなァ…オイ三下、お前の家の住所はなンだ？」

上条「え？第七学区の学生寮の…」

一方通行「ン、おっけェ」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

結標「？」


.

prrrr……ｶﾞﾁｬ

一方通行「もしもしィ？ちょいと出前頼みたいんですけどォ」

一方通行「そっちの店で一番高いヤツって何があるンすかねェ？」

一方通行「うン？豪華厳選特上寿司？じゃあそれ…そうだな、十人前くらいィ？」

一方通行「で、それ今から言う住所に届けてくれェ…そう、そこだ」

一方通行「金ェ？あー、学園都市の第一位につけとけ、うン」

一方通行「ほンじゃ、頼んだぜ」ﾋﾟｯ


.

一方通行「ふゥー……」

上条「…………」

結標「…………」

一方通行「どや？」ｷﾘｯ

上条「あ、甘党ォォォォオオオ！！！お前が真のヒーローですかァァアアアア！！！」

結標「濡れたァーーーーーーーッ！」

一方通行「とりあえずこれで今日のアイツのメシは持つだろ」

上条「ありがとう一方通行！お前のおかげで上条さんの首が皮一枚で繋がった！」

一方通行「なんでもいいから、早くメシ作ってくれよォ」ﾀﾞﾗーﾝ

上条「作りますとも！いくらでも作って差し上げますとも！」ﾙﾝﾙﾝ


.

数十分後

上条「さあ、出来たぞお前らぁ！」ﾄﾞﾝｯ

一方通行「おォ、悪くねェ料理たちじゃねェか」

上条「そりゃあこの上条当麻、腕に全力をかけて作り上げたからな！」

結標「なんでそんなにテンション高いのよ？」

一方通行「寿司もそうだが、よく考えりゃここでの夕飯もタダメシだもンなァ」

上条「それも要因の一つではある！」

結標「現金ね」

上条「金の問題だけにな！」ｷﾘｯ

結標「なにこいつうざい」

一方通行「それじゃァ、いただきまァす」

結標「おー」


.

結標「あら、美味しい」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「三下もやるなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「だらしないお前らと違って、おれは毎日料理自分で作ってるからな。インデックスの分も」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

一方通行「なるほどな。お前に乙女ポイント＋１ィ」

上条「うれしくねえよ」

結標「このお肉、良い柔らかさねぇ」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「そうか？いっぱい作ったからどんどん食えよー」

結標「私の家の食材だけどね」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「お前の家じゃねェだろォ？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「それもそうだけどね…よっこいしょっと」ｶｼｭｯ


.

上条「あ、お前なにビール開けてんだよ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

結標「えー、だって呑みたくなっちゃったしぃー」ｺﾞｸｺﾞｸ

一方通行「はァい、今の発言乙女ポイント−１ィ」

結標「もうどうでもいいわそんなの」

上条「うわぁ、女投げ捨てやがったコイツ。ていうか、お前未成年だろ」

結標「小萌がやたら呑ませてくるから抵抗なくなっちゃったのよねぇ」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「高校教師としてどうなんだ先生…」

一方通行「まァ学園都市で今さら法律云々を気にしてもなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「つーか小萌先生の家、マジで酒類いっぱい置いてあるな…」


.

結標「そんなわけで、アンタも呑みなさいよ上条」

上条「え？イヤイヤ、上条さんは至極まじめな高校生でして…」

結標「今時高校生なんてみんな呑んでるわよ、ホラ、呑みなさい」ﾄｸﾄｸ

上条「うわーい、勝手にコップに黄金の液体が注がれてしまっているぞー？」

結標「よーし、一方通行は？」

一方通行「オレはいい。酒入れたら食後のデザートが美味しく食えなくなるからなァ」

結標「ふーん、そっか。まぁ注いじゃうんだけどね」ﾄｸﾄｸ

一方通行「オイてめェ！？今の質問の意味はどこにいったンですかねェ！？」

結標「え？そんなの初めからないわよ！あっはっは！」ｺﾞｷｭｺﾞｷｭ

上条（あれ？もしかしてあわきちゃン酔ってね？）


.

一方通行「チッ…まァ注がれたもンは呑むしかねェか…」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「お、おれはいいや…一方通行が代わりに呑んでくれよ」

一方通行「あァ！？なに情けねェこと言ってンだてめェはよォ！」

上条「いや、それがですね？上条さんはお酒にあまり良い思い出がなくてですね？」

一方通行「…ったく、三下がヘタレてンじゃねェぞ！貸せ！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

結標「よっ！一方通行、良い呑みっぷりだにゃー！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

一方通行「うぜェよ、土御門かてめェ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

上条「ていうか一方通行って酒も呑めたんだな、甘党なのに」

一方通行「第一位は好き嫌いはしないンですゥ」

結標「偉いんだにゃー第一位さんはー」ｸﾞﾋﾞｯ


.

上条「ていうか結標さん、酔ってますよね？」

結標「えー？酔ってない！酔ってないよー！？」ﾋｯｸ

上条「いや顔赤いぞお前」

一方通行「あわきちゃン弱いんだなァ」

結標「そんなことないわよー！お姉さんはいつだってバリバリよー！あっはっはー！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

一方通行「あァ、ダメだこりゃァ…完全に出来上がっちまってるぜェ」

上条「そうみたいだな…まったく仕方ないやつだよ」

一方通行「ホントになァ…ところでよォ、三下ァ」

上条「うん？」

一方通行「酒もっとねェの？」ﾋｯｸ

上条「」

.

一方通行「ビール空になっちまってよォ…なンかねェのか？あとつまみもっと作ってこいや」

上条「え！？なに！？もしかして一方通行さん酔ってらっしゃる！？早くね！？」

一方通行「あァ！？酔ってねえよ！酔ってる？って聞いてくるヤツが一番酔ってンだよ！」ﾋｯｸ

上条「言ってる意味わかんねーし！つーかデザート云々はどうしたんだよお前！」

一方通行「男にはな、全てを捨ててでも呑まなきゃならねェ時があンだよ…それが今だ」

上条「ちがう！絶対にちがうって！今じゃないって！」

結標「一方通行ちゃーん、焼酎持ってきたよぉ〜？」

一方通行「よっしゃァ！でかしたぞあわきちゃン！それでこそげっ歯類、真のげっ歯類だァ！」ﾋｯｸ

結標「にゃっははー、私こそ真のげっしるいー！」ﾋｯｸ

上条「し、素面がおれしかいねええええ！？」


.

結標「かぁみじょ〜く〜ん、わたしと一緒に呑もうよぉ〜」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「ひぃっ！？ひ、引っ張るな腕を！」

一方通行「さァンしたァ〜、つまみが足りねえェぞォ〜〜！？」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「つ、作る！作ってくるからまずは離してくれ！おれを解放してくれ！」

結標「じゃあおつまみ作ってる間に一方通行ちゃんと呑み比べでもしましょ〜」

一方通行「いいねェいいねェ、最ッ高だねェ！第一位に勝てるとおもってンのかァ！？」

結標「ふーんだ、甘党のヤツなんか私にかかればイチコロなんだよーん！」ﾋｯｸ

一方通行「上等だァコラァ！杯構えやがれェ〜〜！」ﾋｯｸ

上条「ふ、不幸だ…確実に不幸だ…」


.

結標「ﾋｯｸ…負けないわよ〜！」ｺﾞｸｺﾞｸ

一方通行「くかかっ！せいぜいおれを楽しませてくれよォ！？」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「お、おふたりさーん…おつまみつくりましたよー…？」

一方通行「おっせェぞ三下ァ！もっとキビキビしやがれェ！」ｸﾜｯ

上条「は、はいぃ！すんませんっした！」

結標「うーん、でもおいしー♪さっすが上条くんね〜♪」ﾑｷﾞｭー

上条「や、やめろ！あっちいけ！胸を押し付けないでくれ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

結標「むー、ひどーい！上条くんつめたーい！」

一方通行「ヒャッハハハハァ！あわきちゃン三下に振られてやンのォ！」


.

結標「んなぅ、振られちゃった…ひどいわ、しくしく」

一方通行「あーァ、な〜かせた、三下があわきちゃン泣〜かせた〜」

上条「ち、ちがっ！？振ったとか振られたとかそういうことじゃなくてですね！？」

一方通行「あァ〜焼酎うめェなァ〜…ここに甘味があればなおのこと良しなンだがなァ〜」

上条「酒飲みながらでも甘いもの食うの！？」

一方通行「あァ！？甘党の常識だろォがナメてンのかてめェ！」ｸﾜｯ

上条「うひっ！すみません！」

結標「甘いのが欲しいのなら台所から砂糖持ってきて食べればぁ〜？」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「！？」

一方通行「なァるほどォ…その手があったか…やはりあわきちゃンは天才だったンだなァ…」

上条「！？」


.

結標「そーお？そーお？わたひ、天才？」

一方通行「あァ、本気で言ってるンだとしたら、抱きしめたくなっちまうくらいに天才だったわァ」

結標「わーい！じゃあわたひを思いっきり抱きしめて一方通行〜〜〜！」

一方通行「まァかせろあわきちゃァァァァああああン！！」ﾀﾞｷｯ

結標「うっひゃー！一方通行の腕の中あったかーい！」ﾋｼｯ

一方通行「そォだろそォだろ！？くかかかかかっ！」

結標「えへへへへー…」

上条（なんだこれは…まさか、魔術なのか…！？）ｶﾞｸﾌﾞﾙ


.

一方通行「よォし、もっと呑むぞ！ビールでもなンでも持ってきやがれェ！」

結標「きゃー！かっこイー！！惚れちゃいそうよ一方通行ァァアア！」

上条（くっ…！なんてイカれた状況なんだ…！）

上条（この有様を無事に切り抜けるにはどうしたら…！）ﾁﾗｯ

ビール＜ﾊﾛー

上条「…………」

上条（………おれも）

上条（おれも呑んじまえば…楽になれる…？）


.

上条（そうだ、おれも酔っぱらっちまえば、コイツらに頭を抱えることも…）

上条（いや、いかんいかん！ここで上条さんまで正気を失ったら、大変な惨事が…！）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

一方通行「……オイ、三下ァ」ﾕﾗﾘ

上条「ひいっ！な、なんでしょう！？」

一方通行「今…自分を誤摩化さなかったかァ？」

上条「…へっ？」

一方通行「酒を呑みてェって思いながら…自分でそれを押しつぶしたンじゃねえかって言ってンだよ！」

上条「なっ…！？」


.

一方通行「どォだ？酒を呑みたいンじゃねえか？あ？」

上条「そ、それは…たしかに、少し思った…けど」

結標「がまんは体によくないよぉ〜？」

上条「で、でも、おれまでが酒を飲んじまったら、後のことが…！」

一方通行「三下ァ…がっかりだぜェ、オレの知ってる三下は、そんな人間じゃなかった！」

一方通行「オレの知ってる、オレたちの知ってる三下はなァ！」

一方通行「いつだって自分の思った道を突き進む、考えるより先に体が動く、そんなバカみてェなヒーローだった！」

一方通行「今みてェにグダグダ悩んで、自分のやりたいことを自分で否定しちまうようなヤツとは違ってなァ！」

上条「！」


.

結標「やりたいことがあるのなら、やればいい。酒を飲みたいと思ったのなら、呑んでしまえばいい」

一方通行「悩むっていうことはよォ…全ッ然！ヒーローらしくないぜェ！？」

一方通行「いい加減、自分に素直になっちまえよ…上条当麻よォ…！」

上条「そうか…そうだよな…グダグダ悩んだりするのは、おれらしくないよな…」

一方通行「そォだぜェ」

結標「そうよ」

上条「………一方通行」

一方通行「おゥ」

上条「結標……」

結標「ええ」

上条「テメェら、ずっと待ってたんだろ……？」






上条「いい加減に始めようぜ……飲んだくれども！」ｶｼｭｯ



.

一方通行「もちろんだ三下ァァァァ！！それでこそオレたちの三下だぜえええェェェ！」ﾋｯｸ

結標「さーさー！ゴクッといっちゃってー！」ﾋｯｸ

上条「……………！！」ｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯ

上条「プッハーーーーー………！！」

上条「いよっしゃー！！！上条当麻、この最弱にエンジンがかかりましたぁあああ！！」ﾋｯｸ

結標「だったら主役が必要ね！ちょっと日本酒もってくる！」ﾀﾞｯ

上条「それならお供が必要だな！ちょっとつまみ作ってくる！」ﾀﾞｯ

一方通行「こうしちゃいられねェ！ちょっと砂糖とってくるゥ！」ﾀﾞｯ


.

上条「上条さんお手製☆お酒のお供セットでっきあがりー！」ﾊﾞﾝｯ

結標「小萌がとっておきにしてた一番高い日本酒もってきたわよぉー！」ﾄﾞﾝｯ

一方通行「オラァ！ありったけの砂糖だァ！せいぜい味わいやがれェ！」ｽﾞｻｧ

上条「うわー、白い！テーブルの上に白い山が！」

結標「じゃまー！すっごいじゃまー！なんとかしてーあははー！」ｹﾗｹﾗ

一方通行「よォし任せろ！圧縮圧縮、砂糖を圧縮ゥ！」ﾌﾟﾗｽﾞﾏ

上条「しかしその幻想をぶちころーーーーす！！」ｷｭﾋﾟﾝ

一方通行「ああああァァァァ！おれのプラズマ砂糖が爆散したァ！」

結標「きゃははは！砂糖が顔に掛かったー！でもあまーい！」

上条「さあさあもっと呑めお前たち！まだ夜は始まったばかりだぜー！！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

一方通行・結標「いやっほォォォォォおおおうう！！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ


.

時を経て翌日・昼


小萌「ふうー…久々の温泉旅行、なかなか楽しかったのです♪」

小萌「最近は教師も有給をキッチリ使わないと上がうるさいですからねぇ…まったく…」

小萌「結標ちゃん、私がいない間寂しい思いしてませんでしたかねー」

小萌「ふふ、いっぱいお土産話を聞かせてあげるのです！」

ドア＜ガチャッ

小萌「ただいまなのですよー！」


.

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.

小萌「」

小萌「……あ、あれ？結標ちゃん？それに上条ちゃんと一通ちゃんも…？」

上条「ぅぁ……」

一方通行「……………ァ？」

結標「…………きゅぅ」

小萌「な、な、な……」


小萌「何事なのですかーーーーーーッ！？」



完

.

以上で投下は終了です。
合いの手と閲覧をありがとうございました。
普段はこことは別の場所でAAを使ってお話を創っています。いきなりAAが登場したのはそのせい。
ssは不慣れでしたが、これもなかなか良いものですね。お楽しみいただけたのなら幸いです。

あの…なんとなく完成しましたけど、見ます？
人がいるならやりますけど。

それでは参りましょう。短いのですぐ終わると思います。のんびりお付き合いください。

ここは上条の家

上条「う〜ん…」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

上条「せっかくの休日だってのに、やることがねえ」

上条「インデックスは三日前からなんか用事があるってんで神裂がイギリスに連れてっちゃったし」

上条「話し相手がいなくなるって退屈なんだなぁ」

上条「まっ、こうしてのんびりできることを大切に思わないとな」

ドア＜ピンポーン

上条「んぁ？」


.

上条「なんだ…宅急便か？しかし何も頼んでなかったような」

ドア＜ピンポーン

上条「はいはい、今開けますよっと」ｲｿｲｿ

ドア＜ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

上条「わかってるっての…せっかちだな」

ドア＜ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

上条「だぁー！少しは静かに待ってろよ！うるさいだろ！」ｶﾞﾁｬ

一方通行「おゥ三下ァ、[ﾋﾟｰｰｰ]」

上条「ゴキゲンな挨拶だな、お前が[ﾋﾟｰｰｰ]」


.

上条「なんだ…宅急便か？しかし何も頼んでなかったような」

ドア＜ピンポーン

上条「はいはい、今開けますよっと」ｲｿｲｿ

ドア＜ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

上条「わかってるっての…せっかちだな」

ドア＜ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

上条「だぁー！少しは静かに待ってろよ！うるさいだろ！」ｶﾞﾁｬ

一方通行「おゥ三下ァ、シね」

上条「ゴキゲンな挨拶だな、お前がシね」


.

一方通行「ったく、ドア開けんのおせェンだよ」

結標「ハーイ、上条」ﾋｮｺｯ

上条「ああ、結z…あわきちゃン」

結標「ちょっと、何で今言い直したのよ」

上条「なんとなく。それより、私こと上条当麻は結構迅速にドアに向かったのですが？」

一方通行「俺がチャイムならしたら一秒で出てくるのが常識だろうがよ」

上条「いや、その常識はおかしい」

一方通行「あ、やっぱりィ？」

上条「わかっててやってたんかてめェ！」

結標「相変わらずねこの男は」


.

上条「まぁいい…で、お前ら何の用だ？」

一方通行「それがなァ、ちっとばかし厄介なことになっちまってよォ」

上条「厄介なこと？」

結標「なんか手を焼いてるんですってね」

一方通行「そンなところだ…正直、アレはどうにもならン」

上条「おいおい、大丈夫なのか？おれでよかったら力を貸すぞ？」

一方通行「くかかッ、流石はヒーローさンだぜ…ひとまず、上がってもいいかァ」

上条「ああ、詳しく聞きたいしな」

一方通行「おじゃましまァす」ﾍﾟｺﾘ

結標（あ、意外と礼儀正しい）


.

上条「ほら、麦茶でいいか？」ｺﾄ

結標「あら、ありがとう」

一方通行「ふゥ…やっと一息ついたぜぇ」

上条「で、話を聞かせてほしんだが…その前にだ」

一方通行「あン？」

上条「なんであわきちゃンが一緒にいるんだ？事件に関係してるのか？」

一方通行「拉致った」ｳﾝ

上条「えっ」

結標「拉致られた」ｳﾝ

上条「えっ」


.

一方通行「道歩いてたらあわきちゃンいるの見えたから強制連行してみましたァ」

結標「いきなり腕を掴まれてあれよあれよという間にここへ来たわ」

上条「犯罪じゃねーかよ！最悪、誘拐アンド婦女暴行未遂でジャッジメントにしょっぴかれるぞ！？」

一方通行「落ち着けよ三下…その心配はねェ」

上条「…なんでだ？」

一方通行「あわきちゃンは婦女じゃねェ、痴女だ…だからノーカン」

上条「あ、なるほど」

結標「おいこら」


.

上条「あ？」

一方通行「どうしたあわきちゃン」

結標「わたし、痴女なんかじゃないんだけど？」

上条「ははっ」

一方通行「またまたご冗談をォ」

結標「違うってば！むしろなんで私が痴女なのよ！」

一方通行「はーァ…だからあわきちゃンはポンコツなんですよォ」

上条「あわきちゃン…あなたは自分の格好に疑問を持ったことがないのでせうか？」

結標「な、なによ！サラシにブレザーの組み合わせのどこが悪いってのよ！」

一方通行「全部だよボケ」


.

一方通行「つーかよォ、サラシって要は下着の一種なんだろ？」

上条「下着丸出しで出歩くあわきちゃンって…なんかもう女として終わってないか？」

結標「これは私のアイデンティティなのよ」

上条「ひどいアイデンティティもあったもんだな」

一方通行「乙女ポイント−１５くらい行くなコレは」ｳﾝ

結標「うっさいわねー！私が下着丸出しとか言うんだったら少しは欲情でもしてみなさいよアホども！」

上条「えっなにその発言は」

一方通行「うわァ…どン引きですねェ…」

結標「うなぁ！こいつらむかつくぅぅぅ！！！」ｼﾞﾀｼﾞﾀ


.

結標「もーイヤ、疲れた。不幸だわ」ｼｸｼｸ

上条「おお、あわきちゃンが部屋の隅でのの字を書いている」

一方通行「ポンコツあわきちゃンは放っといてそろそろ本題入っていいかァ？」

上条「あ、そういえばそうだったな」

結標「私いる必要あるのかしら…帰りたいわ…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

一方通行「あ、あわきちゃンは帰って大丈夫でェす」

結標「えっ」


.

結標「ちょっ…勝手に連れてきて何よその言い草」

一方通行「だから帰っていいって言ってンじゃねェか」

上条「別に帰りたいっていってるヤツを引き止めたりしないぞ？」

一方通行「あわきちゃンいてもあまり役に立ちそうにねェしなァ」

結標「ひ、ひどい！」

上条「元々悪いのは拉致った一方通行だしな」

一方通行「帰りたければご自由にどうぞォ、止めませェん」ﾍﾟｺﾘ

結標「う、うー…」


.

結標「………」

一方通行「………」

上条「………」

上条「まぁ…あわきちゃンが残っててくれるってんならそれはそれで助かるけどな」

結標「！」

一方通行「あァ…まあそれもそうだなァ」

上条「で、どうするんだ？」

結標「……や、やっぱり残っててあげるわよ！仕方ないわね！」ﾌﾌﾝ

一方通行（ハイ、おもちゃ確保ォ）

上条（あわきちゃンは仲間はずれにされるのがイヤ…と）ﾒﾓﾒﾓ


.

上条「それで一方通行…問題ってのはなんなんだ？」

一方通行「おォ…最ッ高に愉快な厄介ごとだぜェ」

上条「オレたちで解決できるといいけどな…」

結標「第一位にここまで言わせる事件なんてどうにかなるのかしら…」

上条「それでもなんとかしてやらなきゃなんねえだろ」

結標「じゃあ一方通行、詳しく話してくれるかしら？」

一方通行「あァ…三下は打ち止めのことは知ってるよなァ？」


.

上条「ああ、あのミニ御坂のことだろ」

結標「打ち止め？ミニ御坂？」

上条「あー…コイツと同じところに住んでる子でな」

結標「えーなにそれ！同棲ってやつ！？」ｷｬー

一方通行「年端もねェガキだぞ、それに二人きりで暮らしてるわけじゃねェしな」

結標「なんだ…つまんないの」

上条（こういう話題に反応するところではまだ乙女…か…？）ｳーﾝ


.

上条「で？そのミニ御坂がどうしたんだ？」

結標「まさか、事件に巻き込まれたとか…？」

一方通行「…今朝のことなんだけどなァ」

上条「ああ…」

結標「ごくり」

一方通行「あのチビガキ、仕舞ってあった俺のプリン食いやがったンだよ！」ｶｯ

上条「」

結標「」


.

上条「…んっ？」

一方通行「俺は怒ったぜェ…そりゃあもう今週最高の怒りパワーを発揮した」

結標「………はあ」

一方通行「だがなァ、あのガキは名前を書いてない方が悪いって悪びれもしねェし」

一方通行「黄泉川や芳川のヤツらは子供が相手だし許してやれと言いやがる」

一方通行「番外個体に至ってはプリンくらいで怒ってだっせェと来たもんだ」

上条「…それで、あなた様は上条さんにどうしてほしいのでせうか？」

一方通行「…ムカついたからしばらくこっちに居させろ」

上条「よーしあわきちゃン撤収ー」

結標「うぃーっす」


.

一方通行「まてまてまてェ！おめェらは俺の味方だったンじゃねェのかよォ！」

上条「うるせええええ！！厄介ごとって要するに家出してきただけじゃねえか！！」

結標「しかも原因がプリン勝手に食べられたからって…」

上条「開始から散々引っ張っといてそれですか！もっと重大な事件かとおもったっつーのに！」

一方通行「バカやろォ！甘党にとってプリンは必需品なんだぞォ！？」

上条「だー！やかましい！あわきちゃン任せた！」

結標「任せなさい！座標移動！」ﾊﾞｯ

一方通行「おいヒーロー！少しは話を…あっ」ｼｭﾝｯ


.

上条「ふう…静かになったな」

結標「ええ…そうね」

上条「アイツ、どこに送ったんだ？」

結標「ここから５００mくらい先のどこかよ」

上条「なるほど、手間をかけさせてすまなかったな」

結標「いいのよこれくらい、貴方も苦労してるのね」

上条「ははっ、不幸だー…ってか？」

結標「ふふふ……」

上条「………へへ」


.

「あ”ァァァァァわきちゃァァァァァァァァン"ン"ン"ン"！！！！！」

結標「！？」ﾋﾞｸｩ

上条「！？」ﾋﾞｸｩ


.

結標「ふふふ……」
上条「……へへ」

脳内変換でショタな上条を見つめるあわきんになった

一方通行「おらっしゃああああああァァァァァァ！！！！」ｶﾞｼｬーﾝ

上条「ああ！窓が！窓が！」

結標「あれ！？なにこれデジャヴ！？」

一方通行「やってくれるじゃねェかあわきちゃンよォ…いきなり人をすっ飛ばすなんざ…」

一方通行「地獄の底から…舞い戻ってきたぜェ…！」ﾕﾗﾘ

結標「……………」

結標「いや、地獄へは座標移動してないわよ？」

一方通行「あ、うン、言い過ぎたわ」

上条（あ、やっぱり素直だ）


.

上条「って！お前は一体何をしちゃってくれてるんですか！上条さんちの窓ガラスを！」

一方通行「あァ…？知らねェなそンなこと…」

一方通行「おれにはなァ…プリンさえあればいいンだよォ！」ｶｯ

結標（やだ…最高の決め顔で最低に格好悪いこと言ってる…）

一方通行「お前にも分かるだろ三下ァ！この俺の想いがァ！！」

上条「そげぶパンチ！」ｷｭﾋﾟﾝ

一方通行「ひべェ」ﾄﾞｷﾞｬ

結標「あーっと顔面に貰ったー」


.

一方通行「へへ…いいね、最ッ高にいいね…愉快にステキに決まっちまったぞォ…」ｶﾞｸｶﾞｸ

結標「足震わせながら余裕そうな発言しても説得力に欠けるわよ」

一方通行「いや全然効いてねェから、ホントにノーダメージだから、うン」ｶﾞｸｶﾞｸ

結標「…アナタさっき決まっちまったぞって…」

上条「ったく…とりあえずお前は窓ガラスの修理やっとけよ」

一方通行「あァ！？どうして俺がそんなことしなくちゃなンねェんだ！」

上条「お主が壊したんだから当然でござろうが！もう一発顔面欲しいと申されるか！？」

結標「上条、言葉遣い変よ？」


.

一方通行「しかたねェな…あわきちゃン手伝いやがれェ」

結標「なんでよ、イヤよ」

一方通行「俺はこういう作業になれてねェンだよ！窓修理なンか出来るか！」

結標「私だって出来ないわよ！」

一方通行「ちっ……つかえねェ痴女だ」

結標「なんですってこのモヤシがああああ！！」ﾊﾞｯ

一方通行「上等ォだぜェげっ歯類がァアァァァ！！！」ﾊﾞｯ

上条「人んちで暴れんなタコスケどもが！」

一方通行「おうふ」ｺﾞﾝｯ

結標「いたっ」ﾍﾟﾁｯ


.

一方通行「二度も殴りましたねェ…」ﾋﾘﾋﾘ

結標「なんで私まで…」ｻｽｻｽ

上条「あわきちゃンはデコピンで済ませてやっただろ」

結標「うん…まあそうだけど」

上条「ほら、一方通行はとっとと窓ガラス直せよ？」

一方通行「……なァ、三下」

上条「うん？」

一方通行「焼き肉奢りで…手ェ打たねェか？」ﾊﾞーﾝ

結標「そんなにイヤなの！？」

.

一方通行「俺に肉体労働なんて似合わねェンだよ」

結標「呆れた男ね…上条も何か言ってやりなさいよ」

上条「そうだな…おい、一方通行」

一方通行「なンだ」

上条「…デザートはつくのか？」

一方通行「甘党なめンな、モチのロンに決まってんだろォがァ！」

上条「よっしゃ！流石甘党！その案乗ったぜ！！」

結標「上条のブルータス…（訳：お前もかよ、コンチクショウ）」


.

上条「でもあわきちゃンだって窓修理したら焼き肉奢るって言われたら…？」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

結標「いや、普通に引き受けるけどね、うん」

上条「だろ？何せ労働に対して報酬が桁違いすぎるし」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

一方通行「俺にとっちゃ焼き肉奢りなンざなンでもねェンでなァ」ﾀﾞﾗーﾝ

上条「第一位の財布の中身は相変わらず桁違いなんだな…格差を感じるぜ」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

結標「あら？ということは私にも当然奢ってくれるってことよね？」

一方通行「ア”ァ！？なンでてめェの分まで奢らなきゃ…」

結標「いやー悪いわね一方通行♪ごちそうさまでーっす☆」

一方通行（あ、うぜェコイツ）

上条（今のは普通にうざいな）ｳﾝ


.

一方通行「チッ…ならてめェが食材買って来やがれ、カード渡すから」

結標「えー、なにそれめんどくさいわねえ」

一方通行「うるせェ！奢ってもらえるだけ有り難いと思えサラシ女！」

結標「誰がサラシ女よ！」

上条「ていうか上条さんの家で食べるつもりでせうか？」

一方通行「もう店まで行くのもだりィ」

上条「…まあいいけど。じゃああわきちゃン頼んだぞ」

結標「ったくしょうがないわねー…それじゃ行ってくるわよ」

一方通行「デザートも忘れんなよ？」

結標「ほいさー」ｼｭﾝｯ


.

上条「さて…あわきちゃンが帰ってくるまで暇だな」

一方通行「そォだな…おい、何か甘味よこせ」

上条「あ？ねえよそんなもん」

一方通行「ンだとォ！？甘味の一つも家にねェとはどォいう神経してんだてめェ！」

上条「甘いものを常備できる程上条さんの家に経済的余裕はないんですよ…」

一方通行「ちっ…これだから貧乏人は…」

上条「仮に買ってきたとしてもだ」

一方通行「おゥ」

上条「インデックスに塵も残らず屠られる運命にある」

一方通行「屠るって言い過ぎじゃねェ？」


.

一方通行「…………」ﾀﾞﾗーﾝ

上条「…………」ﾀﾞﾙーﾝ

一方通行「なー」

上条「おー」

一方通行「かき氷ってさァ…おめェ、何味が好き？」

上条「あ…？んーと、レモン…かな」

一方通行「おれァイチゴなんだよなァ…」

上条「そうか」

一方通行「おゥ」

.

上条「テレビでぁ、超能力マジックショーとかやってるだろ？」

一方通行「あ？あァ、たまになァ」

上条「あれって、おれが右手で触ってる状態でやってもらったら出来んのかな？」

一方通行「あー…それでできたら、超能力じゃなくてトリックってことだよなァ…」

上条「お前のやっていることは全てまるっとお見通しだ、ってな」

一方通行「……いや、トリックでも右手で触られてたら邪魔で出来ないンじゃねェか？」

上条「……それもそうだな」

一方通行「…………」ｸﾞﾃﾞｸﾞﾃﾞ

上条「…………」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ


.

結標「ただいまー」ｼｭﾝｯ

一方通行「おかえりィ」ﾉｿﾉｿ

結標「うわ、なにしてんの一方通行」

一方通行「暇すぎたンで、尺取虫の要領でどこまで動けるかの実験中ゥ」ﾉｿﾉｿ

結標「なにその不毛極まる実験」

上条「ただいまーって、ここおれんちだぞあわきちゃン」ﾁﾏﾁﾏ

結標「しょうがないでしょ、他になんて言えば…」

結標「…って、アンタはなにしてるわけ？」

上条「ん…暇だったから割り箸の紙をどこまで小さく畳めるかの実験中」ﾁﾏﾁﾏ

結標「………バカみたいこいつら」


.

上条「で、食材は買ってきたのか？」

結標「ええ、しっかりとね」ｶﾞｻｯ

一方通行「甘味はァ！？」ｶﾞﾊﾞｯ

結標「わひゃっ！？」

上条「うわぁ、第一位がかつて無い飛び起き方を見せたぞ」

結標「びっくりした…ほら、ちゃんといっぱい買ってきたわよ」

一方通行「よォォし！でかしたぜェ！お前に乙女ポイント+１だァ！」

上条「あ、そんなことで上がるんだ乙女ポイント」

結標「ふんっ、今更そんなの貰ったって嬉しくないわよ」ﾆｺﾆｺ

上条「あわきちゃン、顔、顔」


.

一方通行「さァて！甘味の時間だぜェ！」ｶﾞｻｶﾞｻ

結標「ちょっと！それデザート用に買ってきたんだけど！？」

一方通行「ガキにプリン食われてからなんも食ってねェンだよこっちは」

上条「甘味が食事代わりになるとは流石甘党だな」

結標「今食べちゃったらデザート無くなっちゃうじゃないの…」

一方通行「そンときゃァまた買いにいきゃあ良いだろォが」

結標「私はもういかないからね？」

一方通行「……チッ」

上条「行かせるつもりだったんかい」


.

上条「せっかくだから俺も食っちまおうかな」ｶﾞｻｺﾞｿ

結標「ああ、上条までそんな…」

上条「まあまあ、あわきちゃンも食えよ、さもないと無くなっちまうぞ？」

一方通行「うめェ…なンというか…うめェ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「デザートだったら焼き肉の後に三人でまたコンビニでもいけばいいのさ、そうだろ？」

結標「うー…わかったわよ」

上条「なんといっても、今日は一方通行の奢りなんだからな！」

結標「なるほどそうか！それは食べなきゃ損ね！頂きます！」ｶﾞｻｶﾞｻ

一方通行「コイツらの意地汚さには感服しますゥ…あ、うめェ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


.

上条「むむ…このシュークリームはいけるな」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

一方通行「最近はコンビニ同士も競争が激しいらしィからなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「コンビニスイーツ侮りがたし、ね」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「三下ァ、コーヒーねェのか？」

上条「あ？カッコいいブラックコーヒー飲みたいのか？」ﾆﾔﾆﾔ

一方通行「うっせェそのネタ引っぱンな！俺は味覚のバランスを求めてンだよ！」

上条「わかったわかった、ちょっと待ってろ探してくる」

一方通行「ちっ…急げよォ」

結標「やだもー…こんな食べたら太っちゃうわー…」ﾓｷｭﾓｷｭ


.

一方通行「太るのがイヤなら食べなきゃいいだろォが」

結標「それでも女の子は甘いものに惹かれちゃうものなのよ」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「けっ、そンなだからお腹に余計なお肉がつくンですよあわきちゃンはァ」

結標「なンですってこの雪国もやし！」ﾌﾞﾝｯ

一方通行「反射ァ」ｷﾝ

結標「きゃん！」ﾍﾞﾁｬ

上条「持ってきたぞー…なにしてんだあわきちゃン、顔にクリームつけて」

一方通行「くかか、自業自得だァ」ｶｼｭｯ

結標「うぅ…相変わらず反則よその能力…」


.

顔にクリームだと……

一方通行「あー、コーヒーがうめェなァ」

上条「流石こだわりの男だ、苦みを楽しむ余裕すらあるぜ」

一方通行「俺くらいの甘党になるとこれくらいは余裕だァ」ｺﾞｸｺﾞｸ

結標「甘党関係ないんじゃないの？」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「ていうかあわきちゃンまたげっ歯類食いしてんだ」

結標「げっ歯類食いとか言うなぁ！」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「お前のその食べる音あらゆる食べ物に有効だったンだなァ」

上条「そういやこの前の夕飯の時もﾓｷｭﾓｷｭ言ってたしな」

結標「意識して出してる訳じゃないけどね」ﾓｷｭﾓｷｭ

.

上条「そういや上条さんはどーもあの日の夕飯後からの記憶がスッポリなんだが…」

結標「…わたしも覚えてないわね」

一方通行「…おれもだァ」

三人「…………」

上条「…ま、いっか」

一方通行「おゥ」

結標「うん」

一方通行「そォいや、げっ歯類で思い出したが、あわきちゃンよォ」

結標「…なに？」

一方通行「今日はハムちゃンズは一緒じゃねェのかァ？」

結標「さァて、スクラップの時間なのだァ！三下がッ！！」

上条「え！？こっちですかうぼぁっ！？」ﾄﾞｷﾞｬ


.

上条「あの、何故今上条さんは殴られたのでせうか？」ﾋﾘﾋﾘ

結標「だってあのモヤシ攻撃しても反射されちゃうんだもの」

一方通行「第一位は伊達じゃねェぜ？」

結標「それにそもそもこの前げっ歯類って言ったの上条だし、だったらこっちでいいやと」

上条「さ、さすがに理不尽じゃありませんかね…？」

結標「んー…じゃあ、私の胸触らしてあげるからチャラにして？」

上条「えっ…！？」ﾄﾞｷッ

結標「バカね、冗談よこのスケベさん♪」ｹﾗｹﾗ

上条「くっ…ちょっとでも期待をしてしまった自分が情けねえ…！」ｼｸｼｸ

一方通行（こォいうこと言うから乙女ポイント下がるンだろォなあわきちゃンは…）


.

一方通行「さァて、甘味も補給したことだし、焼き肉いっとくゥ？」

上条「アホですか、食ったばっかじゃ肉が腹に入らねえよ」

一方通行「甘いものは別腹っつってンだろォが！」

上条「その奥義は甘党以外には食後のデザート限定なんだよ！」

結標「ていうかまだ夕飯時じゃないし…」

一方通行「しゃァねェなァ…ンじゃ、なにして時間つぶすンだ？」

結標「ん……ゲームとか？」

上条「上条さんちにはゲームボーイしかありませんのことよ？」

結標「むしろ何故それだけある」


.

一方通行「他に何かアイデアないか？」

上条「はい！」ｽｯ

一方通行「はい三下ァ」

上条「三人で遊びにいく！」

一方通行「時間帯が微妙に遅いので却下、次ィ！」

結標「はい！」ｽｯ

一方通行「はいあわきちゃン」

結標「上条の家を家捜しする！」

一方通行「それいいな、採用ォ！」

上条「いやなんでだぁぁぁあ！！！」

.

一方通行「そォと決まれば話は早ェ、あわきちゃン！」

結標「イエッサー隊長！」ｼｭﾊﾞｯ

上条「ぬっ！いかせるかっ！」

一方通行「おおっとォ、てめェの相手はこのオレだぜェ！？」

上条「一方通行！そこをどけ！結標を止めさせろ！」

一方通行「そいつァできない相談だなァ…結標を止めたくば…」

一方通行「このオレを倒してからにしてもらおォかァ！」

上条「上等だぜ！歯ァ食いしばれよ最強ォォォォオ！！」ﾀﾞｯ

一方通行「ヒャッハハハァ！かかってきなァ三下がァァァ！！」ﾀﾞｯ

結標「えーとベッドの下とか…」ｶﾞｻｺﾞｿ


.

上条「そげぶパンチ！」ﾌﾞﾝｯ

一方通行「おせェぜ！」ﾋｭｯ

上条「なにっ！？」

一方通行「バカめェ！要はおめェの右手にさえ当たらなきゃ良い話だろォが！」

一方通行「おめェを足止めさえしてれば後はあわきちゃンが仕事をしてくれるからなァ！」

上条「あ、お前髪の毛にゴミついてるぞ？」

一方通行「え？マジで？とってとって」

上条「ウソじゃボケェ！」ｶﾞｯ

一方通行「ぽきゃっ」

結標「洋服ダンスの下から二段めの奥…と」ｺﾞｿｺﾞｿ

.

一方通行「てめェェェェ！それがヒーローのやることかァ！？」

上条「ヒーローだからやれんだろぉ！！」

一方通行「クソがァ…だがな、タイムアップだ！アホヒーローが！」

上条「な、なにぃ！？」

一方通行「あわきちゃーン、どォよ釣果は」

結標「んー、隠された財宝が結構見つかったわよー？」

一方通行「どれどれ…おいおい年上系ばっかじゃねェかよコレ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

結標「やっぱり男の子って胸が大きいのが好みなのかしら…」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

上条「うわわわわわ、やめろてめーら！やめろって！やめてください！やめて！」

.

結標「むっ、この娘結構大きいわね…私よりあるかも」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

一方通行「そりゃァ雑誌に載るくらいなンだから半端じゃねェンだろォよ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

結標「でも大きすぎると肩が凝ったりするのよね…この娘も大変そう」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

一方通行「そうなンか…男にゃわからねェな、その辺の苦労はよ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

結標「あっこの娘もすごぉい…私ったらまだまだだったかしら、自信あったのに」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

一方通行「そのたるンだボディで自信を持ってたおめェがすげェよ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

結標「た、たるんでなんかないわよ！ぴちぴちよぴちぴち！」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

一方通行「くかかっ、どォだかなァ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

上条「あの、そろそろ上条さんのお宝を漁りながら談笑するのやめてもらえませんかね」


.

一方通行「ンー、暇つぶしにはなったなァ」

結標「いい具合に時間も過ぎたわね」

上条「エロ本読んで時間潰すおめーらもどうかと思いますのことよ？特にあわきちゃン」

結標「エロ本読むのが目的じゃなかったもの、別にいいじゃない」

上条「エロ本見つけて読む耽る時点で乙女ポイントがだだ下がりだろ…この痴女が」

結標「んー？そういうこというの？上条の性癖みんなに披露しにいってもいいのよ？」

上条「すいませんそれは勘弁してください」

結標「ふふーん、一つ弱みを握ったわね」

上条「うう、不幸だ…ぐすっ」

一方通行「そろそろ腹減ったなァ」ｸﾞｩー


.

上条「あー、確かにもう夕方だな」

結標「御飯時にはまだちょっと早いけど…どうする？始める？」

一方通行「おれはかまわねェぜ」

上条「おれもー」

結標「じゃあ準備しちゃいましょ、上条鉄板出してきて」

上条「あいよ」ｶﾞｻｺﾞｿ

結標「買ってきたお肉とかもってこなきゃ…」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

一方通行「急げよおめェらァ」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

上条・結標「おめーもなにかやれよ！」


.

上条「念のために買っておいたホットプレートが役に立つとは」

結標「備えあれば憂い無し、ってね」

一方通行「備えあればうれしいな？ンだそりゃ」

上条「お、おしい！」

結標「ホントにコイツ第一位なのかしら」

一方通行「いやー最強ですいませンねェ」

上条「レベル０の上条さんには負けてるけどな」

一方通行「うっせェツンツン頭がァ！」

結標「レベル４＜レベル５＜レベル０というカーストがここに完成している…」


.

結標「それはさておき、今回の主役よん」ﾄﾞｻｯ

上条「うおっ！高そうな肉ぅ！しかもこんなにたくさん！」

一方通行「てめェ、人の金だと思って一番高いヤツ買ってきやがったなァ…」

結標「あら悪い？滅多に無い機会ですもの」

一方通行「チッ…まあ良いけどよ」

上条「こ、これ今日いっぺんに使うのか！？」ｺﾞｸﾘ

結標「そうよ？焼き肉だもの」

上条「バカな！これだけで上条さんの食事が一ヶ月は持つというのに！？」

結標「普段どんな慎ましい生活送ってるのよ…」

一方通行「あのシスターがいたら一日も持たねェだろうがな」

.

上条「鉄板の準備よーし」

結標「食材の準備よーし」

一方通行「飲み物とメシもちゃんと準備してあるぞ」

上条「やっぱり焼き肉といえば白いご飯だよな！」

結標「野菜を焼くのはどうしても苦手なのよね」

一方通行「いっつも焦がしちまうンだよなァ」

上条「まあ野菜は気が向いたらでいいだろ、そんじゃ食おうぜ！」

結標「おー」


.

ジュウウウウウウウウ・・・・


上条「うっめえええええ！！！！！！！」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

結標「うるさいわよ上条」ﾓｷｭﾓｷｭ

上条「いやマジでうめェ！なんだこの肉！？」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

結標「確かにかなり良いお肉買ってきたけど…ちょっと騒ぎすぎよ」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「コイツ普段からグラム９８円の鶏肉くらいしか食ってなさそうだしなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「やけにリアルね」ﾓｷｭﾓｷｭ

一方通行「ンー…こいつはまだ早ェか」ﾁｮﾁｮｲ

結標「この焼けるのを今か今かと待ってるのが醍醐味よねー」


.

上条「目の前で焼いてるからこそ美味いんだよな」

結標「奥で焼いたものを持ってこられても嬉しくないわよね」

一方通行「焼き加減を自分で調節できるのもいいよなァ」

上条「どうする？野菜も焼くか？」

一方通行「あー…いいんじゃねェの、適当に放り込んどきゃ」

上条「あいよー…あれ、あわきちゃン」ﾎﾟｲﾎﾟｲ

結標「ん、なぁに？」

上条「ヒマワリの種は買ってこなかったのか？好物なのに」

結標「いや食べないわよ！？あ、げっ歯類だからか！ハムスターかチクショウ！」

.

一方通行「三下ァ、メシおかわりー」

上条「はいよー」ｶﾊﾟｯ

結標「一方通行、お肉焼けてるわよ、はい」ﾋｮｲ

一方通行「ン？おお、わりィな」

上条「あ！その肉は上条さんが大切に育てていたのに！」

結標「え？知らないわよそんなの、焼き肉は戦争なのよ」

上条「くっそー！ほら一方通行、メシだ！」

一方通行「ン、ありがとよォ」

上条「兵士達を奪われてなるものか！もっと食ってやるぞ！」

結標「ちょっと！がっつかないでよ、行儀悪いわね！」

.

一方通行「ひたすら肉と米を貪るってのもたまには良いよなァ」

結標「いかにも食ってるぞ、って感じの食事よねぇ」

上条「上条さんにとっては年に一回あるかないかの瀬戸際ですよ…」

結標「普段からこんな食生活してたら太るからそれくらいでいいんじゃないの？」

一方通行「あわきちゃンはすでに二つのお肉がたっぷりついてるもんなァ…どこにとはいわねェが」

結標「むー！ちょっとそれセクハラよ第一位！」

一方通行「その格好はオレたちへのセクハラになりかねないンじゃないンですかァ？」

結標「ぐっ…これはファッションよファッション！」

上条「ひっどいファッションもあったもんだ…あ、うめぇうめぇ」

.

結標「あ、このお肉もうよさそうね…よいしょっ」ｼｭﾝｯ

一方通行「オイ、肉取るのに能力使ってンなよ！」

結標「いいじゃない、便利なんだし」

一方通行「それは今オレが取ろうとしてたンだよ！何も無い空間に箸だしたオレが間抜けみてェだろォが！」

結標「やーい間抜けー」ｹﾗｹﾗ

一方通行「（イラッ…）…ふン」ﾋｮｲｯ　ﾊﾟｸ

結標「ああ！私のお皿から取らないでよ！」

一方通行「うっせバーカ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

上条「子供みたいなことやってんなよお前ら…」


.

一方通行「あー、あわきちゃンの皿から取ったお肉はうめェなァ」ﾆﾔﾆﾔ

結標「むっかちーん！ていやっ！」ｼｭﾝｯ

一方通行「モガッ…アァァァ熱ィィィィィィ！！！！？」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

上条「なにしたんだ？」

結標「鉄板から直接お肉を口の中にテレポートしてやったのよ」

上条「うわぁひどい」

結標「ふんっ、悪いのはアイツよアイツ！」

一方通行「三下ァァァア！！水ゥゥゥゥ！！！」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

上条「はいはい」


.

一方通行「アァ…エラい目にあったぜェ」

上条「美味いなあ焼き肉…インデックスにも食わせてやりたかった」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「タマネギ美味しいわね」ｼｬｸｼｬｸ

一方通行「肉もっとねェのか？」

結標「あるわよー、はい、適当に焼いといて」

一方通行「おゥ、任せとけ」ｼﾞｭーｼﾞｭー

結標「そういえば上条さぁ」

上条「んー？」

結標「この家ビールないの？」

上条「！？」

一方通行「」

.

結標「…どうしたの二人とも」

上条「いや…なにか本能が警告を…」

一方通行「なンか悪寒が走った」

上条「踏み込んじゃいけない領域に足を踏み入れそうになった気がしたというか…

結標「…なにそれ」

上条「どっちにしろ上条さんちにお酒はありませんのことよ？」

一方通行「そンな余裕ねェもンなお前…おっ、この肉もらいィ」ﾋｮｲ

結標「はぁ！？焼き肉なのにビールがない！？ふざけてるの！？」

上条「そんな激怒することかそれ」

一方通行「乙女ポイント−１だなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


.

結標「いいかしら？焼き肉といえばビール！これは絶対にして不可侵なのよ！？」

上条「ずいぶんと庶民的な不可侵だな」

結標「法律でもそう決まってるもの！焼き肉を食べる際にはビールをつけることを義務づけるって！」

一方通行「どこの国の法律だよ」

結標「ええい！もう辛抱たまらないわ！」ﾋｭﾝｯ

上条「あっ、消えた！？」

一方通行「…アイツ酒買いにいきやがったな」

上条「…能力使ってまでか」

結標「ただいまっ！」ｼｭﾝｯ

一方通行「いや早過ぎねェ！？」


.

結標「一方通行カード借りたわよん」ｶｼｭｯ

一方通行「てめェ…奢るのは焼き肉までだったはずだぞ…」

上条「てかもう開けてやがるし…ホントに女子高生かコイツ」

結標「くはー！この冷えた一杯がなんともこたえられないわー！」

一方通行「完全に女を捨ててやがンな」

上条「まあ…あわきちゃンだしな…」

一方通行「サラシ丸出しで出歩いてる時点でお察しだったなァ」

結標「なーによぅー！サラシをバカにしないでぇー！」ﾋｯｸ

上条「もう酔ってやがるし…」


.

結標「ほーらー、上条も飲みなさいよぅ」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「腕を引っ張るな腕を…上条さんは肉に集中してるんで却下です」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「ただ肉をほおばってるよりお酒入れた方が楽しいわよ？」

上条「そういうのは一方通行にでもやっててください、ほらほら」ｸﾞｲｯ

一方通行「おい三下、こっちに押し付けンな！」

結標「えー、一方通行酔わせてもなんも面白くないしぃー！」

一方通行「よし、じゃおめェが相手しとけ」ｸﾞｲｯ

上条「いやだー！何かもの凄いイヤな予感がするんだよー！」

結標「ほーら上条くん口開けなさーい♪」ﾆｯｺﾘ

.

上条「やめろォ！オレは肉を堪能したいんだ！滅多に無い機会なんだ！」
　
結標「うっさいわねー！男なら潔く飲まんかいィ！」ｼｭﾝｯ　ｶﾞｼｯ

上条「うわ！後ろを取られた！？」

結標「にっがさないわよーん♪」ｸﾞｲｸﾞｲ

上条「やーめーろー！背中になんかやらかいのが当たってんだよー！離れてくれー！」

結標「はーいお飲みなさーい」ﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞ

上条「もがっ、やめ…ごぼぼぼぼぼ…」ｺﾞｸｺﾞｸ

一方通行「一人でのンびり食う焼き肉もいいもンだなァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


.

上条「…………」ﾎﾟｸﾁーﾝ

一方通行「あーあー、三下も大変だなァ」

結標「さーて次は一方通行ちゃんよー！」

一方通行「ちゃンとか言うな、うぜェ」

結標「一方通行ちゃんも呑むわよね？はいかイエスで答えて？」

一方通行「どっちもはいじゃねェか…呑まねェよ俺ァ」

結標「むー！ならば実力行使あるのみよー！てりゃー！」ｼｭﾝｯ

一方通行「反射ァ」ｷﾝ

結標「あう」ﾄﾞｻｯ


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一方通行「出直してきなァ、げっ歯類がァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「おのれ第一位…その能力は厄介ね…」

一方通行「あーうめェ、誰も食わねえから独り占めだァ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

結標「仕方ないわ…カモン上条！」

上条「イエス、マム…」ﾕﾗｧ…

一方通行「なにィ！？三下てめェ潰れたンじゃ…」

上条「潰れてなどいない…！ちょっとアルコールを分解できてないだけだ…！」ﾋｯｸ

一方通行「イヤてめェ酔ってンじゃねェかよ！」

結標「いきなさい！その右手で一方通行の能力を封じるのよ！」

上条「くかかかかかかー！！！」ﾊﾞｯ

一方通行「うおおおォォォォォ！？！？」ﾊﾞｯ


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上条「そげぶパンチ！」ﾌﾞﾝｯ

一方通行「あぶねェ！？」ｽｶｯ

上条「そげぶキック！」ﾌﾞﾝｯ

一方通行「あばばば、てめェやめろコラァ！」

上条「あ、おめー口の周りに焼き肉のタレついてんぞ？」

一方通行「え、マジで？ティッシュティッシュ」

上条「拭いてあげるぜ！！」ﾄﾞｷﾞｬ

一方通行「あべっ！？」ﾄﾞｻｯ

結標「あーっと右から綺麗に貰ったー！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ


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上条「任務、完了っ…！」

結標「よーしそれじゃあ一方通行の体を抑えといてー」

上条「YES,BOSS」ｶﾞｼｯ

一方通行「て、てめェ…やめやがれェ…」

結標「はーいビール一丁はいりまーす」ﾄﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

一方通行「はぼぼぼぼぼ…」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「いやー面白いように入っていきますなー！」ｺﾞｸｺﾞｸ

結標「これで万事オッケーね！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

一方通行「」ﾎﾟﾁーﾝ

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三十分後


一方通行「だァから甘味こそ世界平和の礎になり得るってンだろォがァ！！」ﾀﾞﾝｯ

上条「う〜ぃ…そこにいるのは…あれ、誰だぁ？」ﾌﾗﾌﾗ

結標「きゃはははは！ビール美味しいわー！」ｺﾞｸｺﾞｸ

上条「いいぜ！そんなにビールが好きだってんなら！その幻想をぶち[ﾋﾟｰｰｰ]！」ｶﾞｯ

結標「あー！私のビールが奪われたー！おのれ上条ー！」

一方通行「せっかくならビールンなかに砂糖も混ぜてみようぜェ！？」ｻﾞﾗｻﾞﾗ

上条「おぅ、やれやれ！どうせおれが呑むんじゃねえしなー！」

一方通行「ほらァ呑みやがれェ！第一位特製のビールカクテル砂糖入りだァ！」

結標「いやー匂いが！匂いが甘いわー！」ｹﾗｹﾗ


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上条「はーいイッキイッキ！イッキイッキ！」

結標「ちくしょー年貢が高すぎるんだよぉ！農民なんざやってられるかぁ！」ｺﾞｸｺﾞｸ

一方通行「あーあわきちゃンが一揆を起こしたぜェ！」

結標「あら！？意外と美味しいわこのビールカクテル（甘）！」

上条「マジで！？上条さんにもすこし分けて欲しいですの！」

結標「どうぞですの！」

上条「ごくごく…ぐっはぁ！不味い！不味いじゃねえか味覚イカれてんのか！？」

結標「なによー美味しいわよ！上条の方がおかしいノよ！ねえ一方通行！？」

一方通行「おォよ！俺の作ったカクテルが不味いなンざ番外個体にも言わせねェ！」

上条「イヤマジでこれはダメだって！お前も呑んでみればわかるって！」ｹﾞﾗｹﾞﾗ


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一方通行「ンー…この舌触り…砂漠でダイブした時のような感覚だぜェ」ｼﾞｬﾘｼﾞｬﾘ

一方通行「総じて言うと…不味い！」

結標「うっそー！？しんじらんなーい！」

上条「な！？な！？いくらなんでもビールに砂糖山盛りは頭おかしいよな！？」

一方通行「流石にダメだァこりゃ…あわきちゃンの味覚おかしいンじゃねえのかァ？」

上条「ああ…普段からヒマワリの種ばっか食べてるから…」

結標「むっきー！こうなったらもう脱ぐわ！脱いでやるわ！」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

一方通行「おーゥ、いいぞやっちまえー！」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

上条「そのままサラシも外しちまえー！」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

結標「いやーんスケベー！だけどそれだけは譲ってあげないのよーん！」ｹﾗｹﾗ


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一方通行「食らえェ！ベクトル操作による、エクレア生クリーム砲！」ﾄﾞﾊﾞｯ

上条「もがー！顔にクリームが…あ！うめー！」

結標「あーずるーい！それ私にもやってー！」

一方通行「おォ任せとけェ…よいしょァ！」ﾄﾞﾊﾞｯ

結標「うわーおいしー！あまーい！」

一方通行「仕上げだァ！圧縮圧縮、クリーム圧縮ゥ！」

上条「やはりそのげんそうはぶちころーす！」ｷｭﾋﾟﾝ

一方通行「ああァァァ！俺の芸術が爆発四散したァァ！！」

結標「部屋中クリームまみれー！ちゃんと掃除しなさいよコレー！」ｺﾞｸｺﾞｸ


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一方通行「よォし！ここらで一丁、誰が一番強いか勝負といこうじゃねェかァ！」ｶﾞﾀｯ

上条「望むところだあああああ！！」ｶﾞﾀｯ

結標「男なんかにゃ負けやしないわよぉーーー！！」ｶﾞﾀｯ

上条「せっかくだ…おれはおれが勝つのに百円賭けるぜ！」

一方通行「なにィ！？ならば俺は俺に千円だァ！」

結標「だったら私は私に上条の千円を賭けるわ！！」

上条「なんだとぉ！？自分の金を賭けないとは…こいつまさか策士かぁ！？」

一方通行「策士策に溺れるとはこのことだなァあわきちゃンよォ！」

結標「溺れてなーい！まだ溺れてないわよぉー！あっはっは！」

上条「やってやろうぜ…このまま朝までぶっ飛びコースってやつをよぉ！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

一方通行「バッチコイだ三下がァァァァ！！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

結標「テンション上がってきたわぁーーーー！！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ



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翌日・昼

インデックス「はぁー、やっと帰ってこれたんだよ」ﾄｺﾄｺ

インデックス「とうま元気にしてたかなぁ？私が居ない間大丈夫だったかな？」

インデックス「ふふっ、とうまに会うのが楽しみかも！」

インデックス「えーと出かける前に預かってたカギは…あ、これだ」ｶﾞﾁｬ

インデックス「とうま！ただいまなんだよ！」ﾊﾞーﾝ


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インデックス「」

インデックス「あ、あれ…これは…なに？」

上条「げんそうを…そのげんそうをぉ…うぇ…」

一方通行「くかかきこけきこかきこけ…」

結標「あー…可愛い男の子が見えるぅー…きゅぅ」

インデックス「と…」

インデックス「とうまーーーーーーッ！？」


完

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