響「プロデューサーはさ、自分のこと好き?」(139)


P「いきなりどうした? そんなこと言い出すなんて、珍しいな」

響「いーからいーから、答えてよっ! 自分のこと、好き?」

P「そうだなあ……」

響「うんうん!」

P「……」


P「……まあまあ好き、かな」

響「まあまあ? それってどんくらい?」

P「たるき亭の小川さん以上、音無さん以下ってところだ」

響「えー……。なんかそれ、微妙さー……。しかも小川さんって、ほとんど接点ないしっ!」

P「小川さん可愛いじゃないか、声も良いし。なんだか罵られたい気分になるよ」

響「うぎゃー! この変態っ! ド変態っ! 変態プロデューサーっ!」

P「ありがとうございますっ! ああありがとうございますっ!!」

響「うう……、本物の変態だぞ……」


響「プロデューサーは自分のプロデューサーなんだから、自分のことが一番好きなんじゃないの?」

P「そういうわけにもいかないよ。だって俺は、今は響を含めたみんなのプロデューサーなんだから」

響「あっ、そういえばそっか。……ちなみにちなみに、一番好きなのは誰?」

P「アイドルの中で?」

響「そうそう! あーでも、ピヨコと律子も含めてもいいさー」

P「うーん……。じゃあ、あえて言うとすれば……」


P「……」チラ

響「……」ソワソワ


P「あずささんかなあ」

響「! ……あずささんかぁ……。あずささん、綺麗だもんね。優しいし、おっぱいも大きいし」

P「それに、おっぱいも大きいしな。あずささんなら仕方ないだろ?」

響「うん、仕方ない……」


響「でもでも、なーんか悔しいぞー……ちぇっ」ボソ

P(かわいい)


P「響は、自分のことが一番好きでいて欲しかったのか?」

響「……うーん……。そんな気がしてたけど……、よく考えたら、どっちでもいいかも」

P「えっ」

響「えっ?」

P「話の流れ的に、『自分が一番じゃなきゃやだぞー!』とか言ってくるのかと思った」

響「へへーん! そんなに子どもっぽいこと言わないもんねっ!」

P「響は大人だなあ」

響「まあね! 自分、カンペキだからなっ!」

P「飴ちゃん舐めるか?」スッ

響「舐める! えへえへぇ……おいひい」コロコロ

P「響は大人だなあ」

響「じふん、かんふぇきあからなっ! んー……あまぃ」コロコロ


響「しょれにしゃー……」コロコロ

P「なんだって?」

響「んっ、そ、しょれに……けほっ、こほっ!」

P「お、おい大丈夫か? 飴ちゃん喉につまっちゃったか?」

響「うぅー……、ん、んんっ……んぐっ!」

ゴックン!

P「……」

響「飲んじゃった……。うええ……せっかくプロデューサーからもらったのに、もったいないことしちゃったぞ」

P「…………」

響「プロデューサー?」

P「あっ、いや、なんでもないよ」

響「だいじょぶ? ぼーっとしてたけど……、元気?」

P「ああ、むしろ元気になったというか……。涙目でゴックンする響は、やっぱりかわいいな」

響「なっ!? な、涙目がかわいいなんて、そんなの全然嬉しくないしっ! ほ、本当に変態プロデューサーだぞ……」カァァ


P「本当に、全然嬉しくない?」

響「……ちょっとだけ」

P「ははは、そっかそっか」

響「ちょっとだけだからねっ! 本当に、ちょっとだけしか嬉しくないんだから!」

P「そうだよな、ちょっとだよな、うん。……本当にかわいい奴だな、こいつめ!」ワシャワシャ

響「……んふふ……」ニマニマ


響「……あ、それで、さっき言おうとしてたことはねっ」

P「ああ、なんか言おうとしてたな。誰が一番好きか、だっけ?」

響「うん。プロデューサーが自分のこと一番で、特別好きだったら、そりゃ確かに『うぎゃー♪』ってなるけど……」

P「喜ばれてるのか、それ……」

響「ふふんっ、それはナイショだぞっ! でもね、それだとなんか……、ヤダっていう気持ちもあるんだ」

P「……」

響「だってそれって、自分の知ってるプロデューサーじゃないぞ」


響「プロデューサーは、みんなに優しくて……、誰かだけを特別扱いしたり、しないでしょ?」

P「……そりゃ、まあな」

響「みんなの悩みとか、すぐ見抜いちゃったりしてさ! ……た、たとえば自分の場合だとっ」

響「自分のいるとこに来て、って言ったら……、沖縄だって北海道だって、すぐ飛んで来て、助けてくれたし……」

P「あんまり無茶振りはしないで欲しいけどね」

響「……や、やっぱり迷惑だった?」

P「……まさか」

響「えへへ……。それに、アリサのこととかも……」

P「俺は別に、大したことしたつもりはないよ。頑張ったのは響だ」

響「そうかもしれないけど……でもでも、そばにいてくれただけで、いっぱいいっぱい……、力もらったさー」


響「……自分は、そんなプロデューサーのことが、だいすきなんだもん」

P「……」

響「そんなプロデューサーだから……、全力で信じて、全力でアイドルやっていられるんだぞ」

P「……そーか。響の力になれるなら、俺も嬉しいよ」

響「そーだよ! えへへ……プロデューサー?」

P「どうした?」

響「…………か、」

P「……?」

響「……か、かなさんどーっ!」

P「? ……それ、前も言われたけど、どういう意味なんだ?」

響「それもナイショだぞっ。えへへ……♪」


P「……響、だっこしてやろうか?」

響「うがっ! 自分、だっこで喜ぶほど子どもじゃないしーっ!」

P「……響を喜ばせるためじゃなくて、俺がしたいんだよ」

響「…………ヤダ」

P「そうか……。それは残念だな」

響「あっ、うっ、えっと……やだ、ってのは、今は他の人がいるから、恥ずかしいからで……」ゴニョゴニョ

P「なんだって?」

響「うう……、プロデューサー! 耳貸してっ」

P「ん?」

響「……あとで、ね……」ボソボソ


響「あとで、ふたりっきりになったら……、だっこしてもいいよ」ボソボソ


P「……わかった。じゃあ、またあとでな」ワシャワシャ

響「……~♪」

P「それじゃ、それまでにいい加減、俺も仕事を終わらせるとしよう」カタカタ

響「……」

ぬーっ

P「前が見えないんだが……」

響「ねえねえ。さっきから、何やってるの?」

P「765プロのホームページの更新だよ」

響「これ、生っすかサンデー? 春香と千早と美希が映ってるぞ」

P「そう。響チャレンジの動画もあるぞ。前回は残念な結果だったが……」

響「……自分、実はあれ……毎回毎回、あんまり成功する気がしてないんだけど……」

P「お、おい、間違ってもそれを表に出すなよ」


響「自分も、みんなとトークしたりしたいぞっ!」

P「響はトークに向いてないからなあ」

響「え゛っ」

P「どうした? そんな絶望した顔して」

響「そんなにストレートに言われるとは、思ってなかった……」ズーン

P「だって、テンパると地元の言葉丸出しになるし……。こないだもさ、きっと視聴者には意味が……」

響「うぎゃー! さらに追い討ちするなんてヒドイぞーっ!」


響「……プロデューサーなんか、キライさー」ツーン

P「……まあ、響はわりとしっかりしたところがあるからな」

響「……」ピクッ

P「料理を始めとして家事はカンペキだし、ペット達の世話もちゃんと見てるし。意外と勉強できるし、頑張り屋だし」

響「…………」ピクピク

P「響がお姉さんになれるような企画なら、考えてもいいかもなあ」

響「それってどんなのっ!? 自分、そういうのやりたい! やらせて! いや、やらせろーっ!」

P(ちょろい)


P「たとえば、そうだな……。中学生組の中に響を投入して、南の島で一緒に仕事、ってのはどうだ?」

響「中学生組? やよい、亜美、真美、伊織と……、あと、美希?」

P「美希はちょっとイメージと違うから、外しとこう。それ以外のメンバーでユニットを組んで、フェスをやるんだよ」

響「それだと、自分、お姉さんになれるのかー?」

P「なれるとも。だってメンバーは、亜美や真美だぞ?」

響「! たしかにっ! えへへっ、さすがに亜美たちには負けないもんね! プロデューサー、天才!?」

P「はは、そう褒めるなよ。普段見られない、響のしっかり者っていう一面をアピールできるかもな。出来るか?」

響「なんくるないさーっ! 自分、ガンバルぞっ!」

P(良い笑顔だ。だから、やよいや伊織の方が実はしっかりしているというのは……、今は黙っておこう)


響「プロデューサーは、なんだかんだで、自分のことよく見てくれてるよね」

P「……別に響だけ、ってわけじゃないさ」

響「うん! だよねっ!」

P「なんだか嬉しそうだな」

響「さっきも言ったでしょ? 自分、プロデューサーの、そういうところがだいすきなんだっ!」

P「……旦那さんにしたいくらい?」

響「チョーシに乗っちゃだめさー。そうだなー……、プロデューサー風に言うなら、にーにー以上、いぬ美以下ってところ?」

P「はは、やっぱり家族にしたいくらい大好きってことじゃないか!」

響「あ! うう……プロデューサーはイジワルだぞ」

P「ちなみに、一番は誰なんだ?」

響「いちばん? んーと……」

響「あんまーに、……すーに……」

響「いぬ美、ハム蔵、ブタ太、へび香、オウ助、うさ江、ワニ子、シマ男、モモ次郎、ねこ吉……」

響「にーにー、アリサに……、あと、もっちろん! 765プロのみーんな!」

響「……ひとりだけ、なんて、決められないぞ」


P「そっか……」

響「えへへ……。だってみんな、本当にだいすきなんだもん。みんなのおかげで、今の自分があるんだからねっ」

P「本当に、響は……、立派になったな」

響「そお?」

P「そうさ。最初の頃は、誰にも頼らなくても、自分はひとりで生きていける! なーんて言ってたじゃないか」

響「そ、そうだっけ? そんなの、忘れちゃったさー」

P「間違いなく、響はここに来てからたくさんたくさん成長したよ。あの頃の、牙の抜けきれてない響はもういないな」

響「……そ、そこまで言われると、ちょっと照れくさいぞ……」


カタカタ……ッターン!

P「……よし、こんなもんかな」

響「お仕事、終わった?」

P「ああ、ばっちりだ。一区切りついたし、休憩にするよ」

響「今更だけど……、自分、ジャマになってなかった?」

P「そんなことないぞ。むしろ落ち着いたくらいだ」

響「落ち着く?」

P「響が近くにいると、良い匂いがするからなぁ」

響「に、におっ……!? ……自分、におう?」クンクン

P「うまく言い表せないが、ずっと嗅いでいたいくらい素敵な香りがするよ。決してイヤな匂いじゃない」

響「……なーんか、プロデューサーがいうと変態っぽいぞ……」


響「じゃ、じゃあさ! 仕事済んだなら、その……」

P「そうだな、それじゃあそろそろ昼飯いくか! たるき亭でいいか?」

響「たるき亭かー。自分、小川さんには勝ってるから、そこでいいぞ!」

P「よし、それならさっそく食べにいこうか!」

響「……んじゃなくてっ! さっき言ってた……」

P「さっき言ってた? なんか、響に約束してたっけか」

響「……う、うう……もうっ、だからーっ!」


響「だ、だっこ……」ボソボソ


P「……ん? なんだって?」ニヤニヤ

響「……聞こえてるくせに、本当にプロデューサーはイジワルだねっ!」

P「なんのことだかなあ」

響「ホントーに、ほんっとーに! プロデューサーはイジワル! だいっきらいだぞっ!」

P「…………そっか……」

響「あ……」

P「それは、残念だな……。俺はこんなにも、響のことを愛してるというのに……」

響「ぁぅ……ま、またそんなこと言って……ううう」

P(顔真っ赤で涙目な響かわいい)


響「……」チラ

P(うるうるしながら上目遣いする響まじかわいい。天使)

響「……本当に?」

P「なにがだ?」

響「本当に……、あ、愛してる……の?」

P「もちろんだよ。でも響は俺のこと嫌いみたいだから、片思いだな」

響「……! うう、う……。ほ、本当は……、そんなこと……」カァァ

P(デラかわいい)


P「ひびきん、ちょっと耳を貸すんだ」

響「ひゃいっ! って、え? ひびきん?」

P「……だっこするのは、ふたりっきりのとき、って言っただろ?」ヒソヒソ

響「!」ゾクゾク

P「今この事務所では、音無さんが鬼の形相でこちらを見てるから……、あっちの会議室でな」

響「……う、うん」ドキドキ


【会議室】

響「……んっ!」スッ

P「どうした、両手をばんざいして」

響「だっこ、するんでしょ? んっ!」

P「……」ワッシャワッシャ

響「な、なんで頭、わしゃわしゃするのさー?」

P「いや、かわいいなーって思って」

響「かわっ、かわ? うう……」

P「でも俺としては、もう少し違うシチュエーションの方がいいかな」ワシャシャ

響「しちゅえーしょん? なに言ってるの? ……っていうか、わしゃわしゃする手離せー!」スカッスカッ

P「俺が椅子に座るからさ、そこに響が抱きついてきてくれよ」


響「……自分、ネコじゃないぞ」

P「知ってるよ。響は響っていう生き物だろ?」

響「に・ん・げ・ん! ……そういうの、プロデューサーの趣味なの?」

P「ああ!」

響「……」

P「ドン引きはやめろよ!」

響「…………ま、まあ……。プロデューサーがそうして欲しいなら、そうしてあげるけど……」

P「さっすがひびきん! 話がわかるぅ!」

響「プロデューサーのためだからねっ! べ、べつに、自分がしたいわけじゃないんだからねっ!」


P「んっ!」スッ

響「うう……プロデューサーがそれやると、気持ち悪いぞ……」

P「そうか? 響がやるとめちゃくちゃかわいいんだけどな」

響「!!」

たたたっ 

P「不思議なもんだ……って、おい!?」

ぴょんっ……がしっ

響「……!」ギュー

ギシッ……

P「……」

P(響の体、熱いな。少し、汗もかいている)

響「……」


響「…………ばか」


P「……どうしてばかなんだ?」

響「さっきから……、かわいい、って言いすぎさー……」

P「だって、本当のことだからなぁ」

響「だ、だからって、そんなにたくさん言わなくても、いいし……。自分、カンペキだから、そんなの……わかってるし……」

P「……」

響「そんなの、今更言われたって、ぜんっぜん……、嬉しくないし……」ギュー

P「……」ポンポン

響「……ばか」


響「ばかばか、ばかプロデューサーっ!」

ポコポコ

P「ああ、そうだな……。こんなプロデューサーで、ごめんな」

響「……だけど……」

P「……だけど?」

響「…………」

響「なんでもないっ! ばかで変態なプロデューサーには、ナイショだぞっ!」ギュッ


響「こーやってプロデューサーに抱きついてると、落ち着くね……あったかいさー」

P「俺もだよ。響はちびすけだから、この姿勢がちょうどいい」

響「じ、自分、ちっちゃくないぞ!」

P「765プロの中でも、下から数えたほうが早いじゃないか。響よりちっちゃいの、やよいだけだぞ」

響「うう……亜美と真美が、成長しすぎなんだぞ……。伊織もちょっとだけ、背伸びたし」

P「まあ、確かに響はちびだ。……だが、それがいい!」ニヤッ

響「ちっちゃいのが、いいことなの?」

P「ああ! 小動物っぽさがマシマシじゃないかっ!」

響「よくわかんないけど……うん! プロデューサーが言うなら、だがそれがいいさっ!」ニヤッ


P「ところで、どうして急にあんなこと聞いてきたんだ?」

響「え? 自分、なんか聞いたっけ?」

P「『自分のこと、好き?』ってさ」

響「あー……」


響「……なんか最近、プロデューサーに忘れられてる気がして……」


響「自分のプロデュースがひと段落着いて、今は他のユニットをプロデュースしてるから、なんだろうけどさ」

P「……」

響「ちょっとだけ、寂しかった。自分のこと、忘れてないか、って心配になっちゃったんだ」

響「えへへっ……。ご、ごめんね! こんなの言われたって、困っちゃうよね」

P「……俺の方こそ、ごめんな」

響「ちょ、ちょっとだぞ! ほ、ほんとは全然、気にしてないしっ!」

P「わかってるよ。ちょっとだけ、なんだよな」

響「今日たまたま、事務所でプロデューサーに会えたのも……、ピヨコ以外のみんながいなかったのも……」

響「べつに、嬉しいわけじゃなかったしっ!」

P「ああ……そうだよな」

響「ねえねえ、なんか笑ってるけど、ほんとにわかってる? 本当の本当に、ちょっとだけなんだし……」

P「もちろん、わかってるさ。……俺が響にウソつくわけ、ないだろ?」

響「……うん、そうだね。わかってるならいいさー……」


P「……でもひとつ、響に謝らないといけないことがあるんだ」

響「え? なになに? 今のうちに素直に言えば、許してあげるぞっ!」

P「実はな……、さっき言った、『響のことがまあまあ好き』、っていうのが……あれはウソだったんだよ」

響「そーなの!!? てことは……自分、ほんとは……、プロデューサーにとって、小川さん以下だったのか……?」

P「そうだよ」

響「!!」ガーン

P「それもウソ」

響「!? ……プロデューサー、ウソ付かないって言ったのにウソばっかり! もう何言ったって信じないぞっ!!」

P「本当は、響はもっと上のランクにいるんだよ」

響「……それもどーせ、ウソでしょ?」

P「これはホント」

響「……」


響「ふーん……。えへへ……そ、そーなんだ。へー……」ニヤニヤ


響「……それじゃあ自分も、プロデューサーにごめんなさいするね」

P「え? 響も、なんかウソついてたのか?」

響「うん……。ウソじゃないけど、本当はホントでもなかったんだ」

P「なんだ? 今のうちに素直に言えば、許してあげるぞっ!」

響「……それ、さっきの自分のマネ?」

P「似てただろう~?」ドヤァ

響「ぜんっぜん似てないし! プロデューサーは色々、適当すぎるぞっ!」

P「ははは……まあそれは置いておいて、どんなウソをついたんだ?」

響「……あの、その……。さっき、『自分のことが一番好きじゃなくても良い』って言ったでしょ?」

響「あれ……、本当にそう思うってのもあるけど、本当はちょっと違くて……」


響「あ、でも! 全部ウソ、ってわけでもなくてねっ! みんなに優しいプロデューサーの方が良い、ってのは本当で……」

響「自分、そんなこと言うほど子どもじゃないんだけど……うう、なんか良くわかんなくなっちゃったぞ……」プシュー

P「……無理に、言葉にしなくてもいいよ」ワッシャワシャシャ

響「な、なんでまたわしゃるの?」

P「…………」ポンポン

響「……なんか言ってよー」

P「なんか」

響「ばかっ!」

P「……響の言いたいことは、わかってるからさ」

響「! えへへ……やっぱり、自分……」

P「ん?」


響「……なんでもない! ばーかっ♪」


響「ね、ねえねえ! じゃあさ、じゃあさ! プロデューサーは自分のこと、本当はどんくらい好きなの?」

P「音無さん以上、貴音と同順位ってところかな」

響「そっか……。さっきよりはランクアップしたけど、まだ貴音には勝ってないのか」

P「でも貴音なら、仕方ないだろ?」

響「うん、仕方ないね。貴音はめちゃくちゃ可愛くて、優しいもん。むしろ、自分なんかが同じ順位で申し訳ないぞ」

P「ときどき変にネガティブになるな……」

響「ちなみに、貴音の上にはあと何人くらいいるの?」

P「貴音は一位だよ。そして、貴音と同じ順位の子が、その他にあと十二人ほどかな」

響「そっか、貴音は一位なんだ……。まあ、貴音なら仕方ないけど」


響「……ん? あれ?」


P「ここで問題だ。響はいま、本当は何位でしょう!」

響「?? ……えーっと、765プロのアイドルは……」

P「ちなみに、音無さんは一位の子たちの中に含まれてないぞ」

響「うぎゃー! ちょ、ちょっと待って! 頭こんがらがっちゃうから! え、えっと……」

P「じゃあもう一個だけ、ヒントをあげよう。響、ちょっと、耳を貸してくれ」

響「な、なに?」ススッ


P「実はな……」

響「は、はやく言ってよっ! なんかソワソワするぞ……」

P「……響は、その同率一位の子たちの中にも入ってないんだ」

響「え!? そ、それじゃあ自分、本当は……、やっぱりピヨコ以下なのか……?」

P「それも違う。貴音たちの他に、頭ひとつ飛びぬけてだいすきなアイドルがいるんだよ」

響「? ……?? どういうこと? ナンバーワンじゃなくてもいい、元々特別なオンリーワンってこと?」

P「そうだ。一度しか言わないから、よく聞くんだぞ」

響「う、うん……」

P「……」

すすっ

響「? プロデューサー? 自分の前髪あげてどうしたのさー?」


P「……」

ちゅっ

響「……」

響「……? ……!?」

響「!!?? えっ、ちょっ、なに、なになにっ!? 今おでこに、なんか当たったぞっ!!!」


P「ほらほら、慌てずにもっかい、耳を貸して」

響「は、はい……なんなの、もうわけわかんないさー……!」

P「……響……」




P「……かなさんどー」

響「!!!!」

終わり

おわりです。読んでくれた人ありがとう
かなさんどーっていうのは、響ちゃんにとって「好き」とは違う特別な言葉なんだよねかわいいよちゅっちゅ

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