ハルヒ「皇帝ルルーシュに会いたいわ!!」(683)

コードギアス~反逆のルルーシュR2から6年後


C.C「いよいよ明日からか。長かったな」

ルルーシュ「別に俺はこれまでと同じ生活で良かったんだ。それをわざわざ・・・」

C.C「私に文句を言っても仕方ないだろ、いろいろな手続きをしたのはジェレミアだぞ?」

ルルーシュ「全く、あいつは何を考えているんだ・・・。今の俺は堂々と世間に顔を晒して
生活できる人間ではないというのに」

C.C「悪逆皇帝はゼロに殺されたからな」

ルルーシュ「そうだ!なのに何故今更学校などに行かなければならん!」

C.C「仕方ないだろ『これ以上皇帝陛下に日陰の生活をさせるわけにはいかない』と
聞かないんだからな」

ルルーシュ「何が日陰だ、俺はそれを承知の上でゼロレクイエムを敢行したというのに
だいたい、この顔で堂々と外に出てみろ!大騒ぎになって終わりだ!学校に通うなど論外だな」

アーニャ「それは問題ない、これがある」

ルルーシュ「アーニャ・・・・いつからいた?」

アーニャ「ずっと前から」

ルルーシュ「そうか・・・・で、何だこれは?」

アーニャ「変装用フェイスマスクに眼鏡とカツラ」

ルルーシュ「変装だと?俺に変装して学校に通えというのか!?」

アーニャ「そう」

ルルーシュ「フン、馬鹿げてる!そうまでして学校に行く必要などない!
俺はこれまで通り静かに暮らせればそれでいいんだ」

C.C「お前は良くてもジェレミアが納得しないぞ」

ルルーシュ「あいつは何故そうまでして俺を学生に戻したいんだ・・・」

アーニャ「ジェレミアはルルーシュに普通の生活をしてほしいだけ」

ルルーシュ「俺が望んでいない以上、それはただのお節介なんだよアーニャ」

アーニャ「もう入学手続きは終えてる。今更逃げられない」

ルルーシュ「いいや、今からなら電話一つで何とでもなる!」

アーニャ「電話線は切った」

ルルーシュ「フン、固定電話などなくても携帯が」

C.C「お前の携帯はさっき私が水に沈めた」

ルルーシュ「お前ら・・・・・」

C.C「諦めろルルーシュ。大人しく言うとおりにするんだな」

ルルーシュ「今もスザクはゼロの仮面を被り続けているというのに
たった6年ちょっとで俺だけが人並みの生活に戻る事などできるはずがないだろ!」

アーニャ「大丈夫、スザクは優しい。許してくれる」

ルルーシュ「仮にあいつが良いと言ったとしても、俺が嫌なんだ!」

アーニャ「ルルーシュ、わがまま言っちゃ駄目」

ルルーシュ「わがままを言ってるのはどっちだ!
だいたい変装などして、万が一素顔を見られたらどうする!?」

C.C「皇帝ルルーシュは聴衆の面前で死んだ。それは誰もが知ってる歴史的事実だ
その後に顔形がそっくりな人間が現れたところで、他人の空似で済まされるだろう」

ルルーシュ「それだけで済むとは思えんな」

C.C「だとしても、皇帝ルルーシュ生存説なんて都市伝説のようなものが流行る程度で
実際にその真意を確かめようなんて輩はまず出てこない」

ルルーシュ「それはそうだが・・・・しかし」

アーニャ「実際に通ってみて駄目そうだったら止めてもいい
それならジェレミアも納得してくれるはず」

C.C「だそうだぞ、どうする?」

ルルーシュ「・・・・・フン、仕方ない。暫く通って、頃合を見て辞めればいいか」

アーニャ「ありがとうルルーシュ!ジェレミアも喜ぶ」

ルルーシュ「で、何て大学だ?」

アーニャ「・・・何が?」

ルルーシュ「明日から通う大学だ!何て大学に押し込んだ?」

アーニャ「だいがく?ルルーシュが通うのは高校。大学じゃない」

ルルーシュ「何だと!?俺はもう成人してるんだぞ!?通うなら普通大学だろ!」

C.C「いいじゃないか、お前の最終学歴はアッシュフォード学園中退だろ?
だったら高校から再スタートするのが自然だな」

ルルーシュ「アッシュフォードに通っていた当時ですら高校教育など
退屈で仕方なかったというのに・・・またあの身にならない授業を受けろというのか・・・」

アーニャ「大丈夫、ルルーシュは編入扱い。三年生からのスタート
大学は来年になってから通えばいい」

ルルーシュ「クソ、こんな事なら自分で学校を探せばよかった!」

アーニャ「ルルーシュが行くのは西宮にある県立北高校
特に盛んな運動部もない極普通の高校。これはジェレミアの配慮」

ルルーシュ「それはどうも・・・・西宮か、ここからじゃ電車通学だな・・・・」

アーニャ「安心して、既に神戸~西宮間の一年分の定期を購入済み」

ルルーシュ「それはどうも・・・」

C.C「そういえば名前はどうしたんだ?」

アーニャ「勿論偽名を使った。名前はルルーシュのままだけど
苗字はランペルージにした」

C.C「なんだ昔と同じか・・・つまらんな」

アーニャ「ルルーシュの部分を残したのはジェレミアの指示だけど・・・大丈夫?
私は名前も変えた方が良いと言ったんだけど」

ルルーシュ「いや、それでいい」

C.C「そういえばお前はブリタニアから隠れてる時もルルーシュという名前だけは
変えなかったな。愛着でもあるのか?」

ルルーシュ「自分の名前に愛着がないのなんてお前くらいだよC.C」

C.C「失礼な、私はこのシーツーという名前に十分愛着を持っているぞ」

ルルーシュ「親からもらった名前はどうした?」

C.C「さぁな、忘れた」

ルルーシュ「フン、魔女が」

アーニャ「それからルルーシュ、ギアスの件だけど」

ルルーシュ「何か分かったのか!?」

アーニャ「うん、この世界にはジェレミア以外にもまだギアス能力者がいるみたい」

ルルーシュ「なに!?・・・・いや、しかしV.Vが能力を与えた者はジェレミア以外
全員始末した。C.Cが能力を与えたのは最近では俺とマオの二人だけ
俺はコードと引き換えにギアスを失い、マオは死んだ・・・つまり、今現在この世界で
ギアスを使えるのはジェレミアだけのはず」

C.C「そのジェレミアの能力も、ギアスではなく正確にはギアスキャンセラーだ
自分以外に能力者がいない今となっては何の役にも立たんな」

アーニャ「V.Vが与えた側に討ちもらしがあった可能性は?」

ルルーシュ「・・・・0だと断言はできないが、限りなく0に近いはずだ。ギアス教団を襲撃した際も
以前教団の内部にいたロロから情報を得た上で、決して討ちもらす事のないよう
綿密に計画を立ててから実行したからな」

アーニャ「でも別に能力者がいるのであれば、討ちもらしがあったとしか考えられない」

ルルーシュ「それはそうだが・・・そもそもその情報は何処で入手したものなんだ?」

アーニャ「機関っていう組織の人間からの情報みたい」

ルルーシュ「きかん?それはどういう組織なんだ?」

アーニャ「そこに関しては今ジェレミアが調べてる。詳細は分かり次第報告する」

アーニャ「かなり大きな組織みたい。ジェレミアも調査に手間取ってる
でもジェレミア以外にもギアス能力者がいるという情報は確かなもの」

ルルーシュ「ギアスの存在を知っている組織か・・・・黒の騎士団や
超合衆国から派生した組織かもしれないな」

C.C「どうだろうな、お前の件でギアスの存在は多くの人間の知るところとなった
それ以外の所から独自にギアスを調査しだす連中が現れても不思議ではないぞ」

ルルーシュ「いずれにしろ、唯一ギアスを与える事のできる媒介者はこの世に俺一人
どれだけ調査しようが徒労でしかないな」

C.C「それだけは断言できるぞ、今現在コードを得ているのはお前だけだ
V.Vが所持していたコードはシャルルと共に消滅してしまったからな」

ルルーシュ「そう考えるとやはりV.Vが与えた側に討ちもらしがいたと考えるのが自然か・・・
アーニャ、他に分かったことは?」

アーニャ「その能力者のギアスは自分の望みや願いを現実に反映させる事ができるものらしい」

ルルーシュ「望みや願いを現実に?」

アーニャ「そう」

ルルーシュ「何だそのふざけた能力は・・・。で、その能力者が何処にいるかは分かるのか?」

アーニャ「機関は把握してるらしく、常にその人間を監視してるらしいけど
こっちはまだその情報は掴めてない」

C.C「監視か、一時期の誰かさんと同じ状況だな」

ルルーシュ「フン」

アーニャ「最新の情報はこれだけ、残念ながらルルーシュのコードを消す為の手がかりは
未だに何も出てきてない」

ルルーシュ「そうか・・・。やはりコードを消し去る事など不可能なのかもしれんな」

アーニャ「諦めちゃ駄目、少なくともジェレミアは諦めない『陛下に不死の苦しみを
味あわせるわけにはいかない!』が口癖。毎日一生懸命調べてる」

ルルーシュ「あぁ、お前達には本当に感謝している」

アーニャ「秘密裏にギアスを研究してる組織は沢山ある、中には国家主導で行ってる所もあるくらい」

C.C「だろうな。ギアスさえあれば世界の覇権を握る事だって可能だ
表では超合衆国などと言っていても、本心はそれだ。人は長らく平和が続くとそれに
飽きてしまい、すぐにまた戦争を起こす。世の常だ」

アーニャ「だからきっと新しい情報だって出てくる!希望を捨てちゃ駄目!」

ルルーシュ「・・・あぁ、分かったよアーニャ。C.C、残念ながらお前の考える通りにはならん
この世界は二度と戦争など起こさない!スザク・・・いや、ゼロがいるからな!」

C.C「悪逆皇帝から世界を救った英雄ゼロか・・・・だが最近ではそのゼロに対して不満を
持ってる連中もいるようだぞ?反超合衆国を掲げるテログループまで出てきてる始末だ」

ルルーシュ「自爆テロで一般人を巻き込んでるような連中だろ?あんなのでは世界は変えられない
何か大きな行動をしようとした所で、武力に勝る黒の騎士団に潰されるのがオチだ」

C.C「武力によってそれを征するのであれば、それはもう立派な戦争だぞルルーシュ?」

アーニャ「とにかく、機関とコードの件は引き続き調査しとくから
ルルーシュは明日からちゃんと学校通って。いい?」

ルルーシュ「・・・あぁ、分かってる」

C.C「お前が昼間学校に行くとなると私はその間一人になるのか・・・
さて、どうやって暇を潰したものか・・・」

ルルーシュ「いつもみたいに寝てればいいだろ・・・」


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----文芸部室

ハルヒ「退屈ねぇ」

みくる「そうですねぇ」

ハルヒ「何か事件でも起きないかしら・・・」

キョン「何物騒なことを言ってるんだお前は。ようやく世界的に平和が訪れたというのに」

ハルヒ「それは間違ってるわよキョン!平和なのは先進国と一部の発展途上国だけ
中東やアフリカでは今も内紛やらテロやらで大変なの!」

キョン「あぁそうかい。じゃあいっそ中東かアフリカにでも行ったらどうだ?
退屈な日々から一気に解放されるぞ?」

ハルヒ「ぶっ飛ばすわよ!」

キョン「ちょっと前までは日本だってブリタニアの植民地支配をうけてたんだ
お前は当時の非日常が楽しかったのか?楽しくないだろ?毎日日本人が殺されて
ブリタニア人がデカイ態度で堂々と街中を闊歩してたあの時を
楽しかったなんて言う奴がいるんだとしたらそりゃただのアホだ」

ハルヒ「誰も戦争始めろだなんて言ってないでしょアホキョン!
この退屈な日々を少しでも紛らわしてくれるようなちょっとした事件でいいのよ!
泥棒とか、殺人事件とか!!」

キョン「泥棒やら殺人事件なんて日本中でしょっちゅう起きてるだろ・・・」

ハルヒ「私たちの身近で起きないと意味ないじゃない!」

キョン「それを物騒だと言ってるんだ」

ハルヒ「はぁ、本当退屈すぎるわ・・・」

古泉「文化祭や体育祭も秋ですし、当分はこれといったイベントもないですね」

キョン「修学旅行があるじゃないか!十分大きなイベントだろ!」

ハルヒ「修学旅行?行き先が海外とかならちょっとは楽しめるんだけどねぇ
何で今時東京なの?大昔の学生じゃないんだからもう少しまともな所連れてきなさいよ!」

古泉「海外はまだ情勢不安定なところが多いようですし、我々は受験生ですからね
学校側がその辺を考慮した上で決めたのでしょう。まぁ、それでも高校三年の修学旅行が
東京というのは個人的にも無いと思いますけど」

みくる「でも確か私たちが修学旅行で東京にいる間ゼロが来日するんですよね?」

ハルヒ「え?そうなの?」

古泉「えぇ、東京で行われる終戦記念式典に参列するようですよ
ブリタニアのナナリー首相や、中華連邦の天子様もいらっしゃるようです」

ハルヒ「ふーん、まぁナナリーとか天子なんかはどうでもいいけど
ゼロは一度生で見てみたいわね!」

キョン「日本が元の状態に戻れたのはゼロのお陰だしな。俺も見てみたいもんだ」

ハルヒ「私は別にアンタ程ゼロに心酔してないけど、英雄とか言われてる人だしね
やっぱり興味はあるわ」

キョン「俺だって別に心酔はしてないさ。たださっきも言ったけど今の日本があるのは
ゼロのお陰と言っていいだろうから、その辺を感謝してるだけさ」

古泉「しかし、世の中にはそのゼロを敵視してる方々もいるようですよ」

キョン「何が気に食わんのかね。どうせ皇帝ルルーシュに手も足もでなかったような連中が
今になっていろいろと文句を言ってるだけだろ」

ハルヒ「前から思ってたんだけど、皇帝ルルーシュってゼロ並に謎の多い人物よね!」

キョン「どの辺が?」

ハルヒ「全部よ全部!!急に現れたかと思ったらそのまま皇帝になったり
貴族制を廃止してナンバーズを解放したかと思ったら恐怖政治で国民を縛ったり
やってることに統一性がないのよね!」

キョン「独裁者の考えなんか俺達凡人には到底理解できんさ」

ハルヒ「本当にただの独裁者だったのかしら・・・何か引っかかるのよねぇ
出来る事なら尋問してやりたいくらいだわ!」

キョン「残念だがルルーシュはとっくの昔に故人だ。尋問は不可能だぞ」

ハルヒ「分かってるわよそんな事!でも会ってみたかったわ皇帝ルルーシュ
どんな人物だったのか凄く気になる!同じ意味でやっぱりゼロにも会ってみたいわね!」

古泉「では行ってみませんか?記念式典」

ハルヒ「そうね、どうせ東京なんて言っても今更行く所もないし!
みんなもそれでいい?」

キョン「別に構わんぞ」

みくる「私も大丈夫ですぅ」

長門「・・・」コクッ

ハルヒ「じゃあ決まりね!SOS団は全員終戦記念式典に参加するわよ!!」

キョン「(何だか急に元気ハツラツになったな・・・。ハルヒがこんな顔をすると
その後にロクでもない事が起きると相場が決まってる・・・やれやれだ)」

------翌日

キーン  コーン  カーン  コーン

岡部「はーい全員席つけー」

ガヤ ガヤ ガヤ

岡部「えーっ、突然だがこのクラスに留学生が来る事になった」

キョン「(留学生?)」

谷口「先生!!女ですか!?」

岡部「残念だったな谷口、男だ」

谷口「何だ男かよ・・・」

岡部「何だとは何だ、失礼な奴だな。おーい、入ってきていいぞー!」

ガラガラ

岡部「じゃあ、自己紹介してくれ」

ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。よろしくお願いします」

ザワ  ザワ  ザワ

「ルルーシュだって」  「悪逆皇帝と同じ名前じゃん」ヒソヒソ

岡部「こらー静にしろ!ルルーシュ君はEUからの留学生だ
ブリタニアとは一切関係ないぞ、変な事を言わないように!」

女子A「ねぇ、よく見ると超格好良くない!?」

女子B「私も思った!イケメン、イケメン!」

谷口「フン、気に入らねぇ!」

岡部「ルルーシュくん、後ろの開いてる所が君の席だ」

ルルーシュ「分かりました」

スタスタ

ルルーシュは自分の机に鞄を置きイスに腰を下ろした

ハルヒ「・・・・怪しいわね」

キョン「何がだ?」

ハルヒ「こんな中途半端な時期に留学生が来るなんて不自然だわ!
きっと何か裏があるわよあのルルーシュって奴には!」

キョン「留学生が来るのに相応しい時期なんてあるのか?」

ハルヒ「ぜーったい何かあるわ!これはSOS団で調べる必要があるわね!」

キョン「俺の質問は無視かい・・・」

------放課後

キーン  コーン  カーン  コーン

女子A「ルルーシュくんバイバーイ!」

女子B「また明日ぁ~」

ルルーシュ「えぇ・・・(あぁ・・・やっと終わった。それにしても何て退屈な一日だ
この生活を約一年?ありえない・・・何も得るものないし、もう辞めよう)」

キョン「あのぉ~ルルーシュくん、ちょっといいかな?」

ルルーシュ「ん?何です?」

キョン「いや、あの・・・実は君に用があるって奴がいてさ。呼んで来るようにって頼まれたんだ
悪いけどちょっとだけ付き合ってくれないか?」

ルルーシュ「用があるのは向こうなのに、自ら出向かず人を使って呼び出しですか」

キョン「いや・・・本当悪いと思ってる。登校初日の放課後から面倒だろうが
君に来てもらわないと俺が怒られるんだ、頼む」

ルルーシュ「はぁ・・・・いいですよ、で?何処に行けばいいんです?」

キョン「旧館の文芸部室だ、案内するから付いてきてくれ」

ルルーシュ「(全く、面倒だな・・・)」

二人は文芸部室へ向かった

-----廊下

キョン「本当悪いな、面倒だろうけど辛抱してくれ」

ルルーシュ「いいですよ別に。で、その人は何の用があって俺を呼び出したんです?」

キョン「そいつはこの学校・・・いや、この国を代表する程奇天烈な女でな
この時期に留学生が来るのはおかしい、何か裏があるってんで、君に直接
留学の経緯なんかを聞きたいんだとさ」

ルルーシュ「ほぅ・・・・・ん?女?」

キョン「あぁ、呼び出したのは涼宮ハルヒ、女だ。意外だったか?」

ルルーシュ「いや、てっきり男だとばかり」

キョン「見た目は女だが中身は男みたいなもんだから間違っちゃいないかもな
とにかくとんでもない奴だから、きっと失礼な事を連呼するだろう
今の内に俺が謝っておく、本当にすまん!」

ルルーシュ「はは、そこまで言われると逆にだんだん会いたくなってきたよ
その涼宮ハルヒという人に」

キョン「後々後悔するぞその発言は・・・・。ついた、ここが文芸部室だ」

ルルーシュ「(どんな奴か知らんが、少しは暇潰しになるかな)」

-----文芸部室

ガチャッ

キョン「おーい、連れてきたぞぉ」

ハルヒ「遅いわよキョン!待ちくたびれたじゃないの!」

キョン「あのな、お前も同じクラスなんだから何もいちいち呼び出さないで
教室で話せば良かったんじゃないか?」

ハルヒ「警察だって尋問する時は個室でやるのよ?教室なんかでやったら
誰の耳に入るか分からないじゃない!」

ルルーシュ「(俺は尋問をうけるのか・・・)」

キョン「このやかましいのがさっき話した涼宮ハルヒだ」

ルルーシュ「君の前の席に座ってる人だろ?」

キョン「まだ一日目なのによくそんな事覚えてるな。特に自己紹介もしてないのに」

ハルヒ「怪しいわ・・・やっぱりアンタただ者じゃないわね!私のSOS団を内偵してる
敵のスパイか何かでしょ!?」

キョン「SOS団の敵っていったい何だよ」

ハルヒ「生徒会の連中とか!」

キョン「SOS団の内情を調べる為に生徒会がわざわざ留学生を送り込んだってのか?」

ハルヒ「可能性は0ではないわ!」

キョン「いや、0だろ!」

ルルーシュ「なぁ、さっきから言ってるエスオーエスダンってのは何なんだ?」

ハルヒ「私達の部活の名称よ!」

ルルーシュ「ここは文芸部室だろ?君達は文芸部員ではないのか?」

ハルヒ「違うわよ!部室は借りてるだけで、ここではSOS団として活動してるの!」

ルルーシュ「なるほど・・・・ところでそのSOSってのは何の略なんだ?」

ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略してSOS団よ!!」

ルルーシュ「・・・・・・(想像以上だなこの女、C.Cといい勝負だ)」

キョン「(当然の事ながら呆れてるな)」

ルルーシュ「まぁいいか・・・俺に聞きたい事があるんだろ?
時間がもったいないからやるなら早くやろう」

ハルヒ「ふーん、随分と余裕じゃないの!いいわ、じゃあさっそく始めましょう!古泉くん!」

古泉「分かりました。ではこれよりルルーシュさんにいくつか質問をします。答えにくいものに
関しては黙秘していただいて構いませんが、あまり多いと涼宮さんが納得しない
恐れがありますのでできるだけ答えてください」

ルルーシュ「君は?」

古泉「失礼しました、自己紹介が先でしたね。僕は古泉一樹と申します」

ハルヒ「ちなみにそこにいるメイド姿の子は朝比奈みくるちゃん!二回目の三年生を
むかえてるダブリっ娘!そんでずっと本を読んでるのが長門有希、同学年よ!」

みくる「もぉ、涼宮さ~ん!!それは黙っててくださぁ~い!」

ハルヒ「あはは、ごめんみくるちゃん!」

ルルーシュ「(高校を留年する奴なんて会長くらいのものだと思っていたが・・・世界は広いな)」

古泉「各々の紹介も終わりましたし、そろそろよろしいでしょうか?」

ルルーシュ「どうぞ」

古泉「ではまずあなたの名前を教えてください」

ルルーシュ「そんな所から始めるのか?まぁいい・・・ルルーシュ・ランペルージだ」

古泉「出身は?」

ルルーシュ「EU、イギリス領のマンチェスター」

古泉「御両親の事を簡単に説明してください」

ルルーシュ「母の名前はメアリー・ランペルージ。極普通の専業主婦だ
父はジョン・ランペルージ。国立大学の教授をしている」

古泉「今回北高へ留学する事となった経緯を教えてください」

ルルーシュ「経緯?」

古泉「日本語も御上手ですし語学留学ではないですよね?
北高は取り立てて偏差値が高いわけでもなく、かと言って運動部が盛んなわけでもない
何故そのような普通の学校への留学を決めたのでしょうか?」

ルルーシュ「日本の文化に昔から興味があったから、人生経験という名目で
親に頼んで留学を許可してもらったんだ。とにかく一度日本に住んでみたくてね
日本にさえこれれば学校なんて何処でも良かったんだ」

古泉「なるほど。ではあなたはブリタニアという国をどう思いますか?」

ルルーシュ「唐突だな・・・栄光盛衰。四字熟語で表すならこれが一番しっくりくるかな
かつてはその圧倒的武力で世界を牛耳っていたが、皇帝ルルーシュが倒れ
超合衆国が成立した今ではその発言力も低く、各国に過去の戦争責任を追及される日々
まぁ、自業自得と言えばそれまでだけど」

古泉「ではこれが最後の質問です」

ルルーシュ「ん?もう最後の質問なのか?」

古泉「えぇ。ずばりあなたはこの世に宇宙人や未来人、超能力者がいると思いますか?」

ルルーシュ「それが最後の質問か?いるんじゃないかな
特に宇宙人に関してはその存在を否定してる連中の方がどうかしてる
広大な宇宙、地球以外にも生物のいる惑星があったって何ら不思議じゃない」

古泉「ありがとうございました。以上で質問は終わりです」

ルルーシュ「(この問答にいったい何の意味があるんだ?)」

古泉「涼宮さん、終わりました。採点をお願いします」

ルルーシュ「採点?」

古泉「実は先ほどの質問は全て涼宮さんが考えたものなんです
あなたの回答の仕方によって涼宮さんが100を満点として採点する事になってたんです」

ルルーシュ「はぁ?その採点結果の良し悪しで何が変わるんだ?」

古泉「80点以上なら合格、それ以下ならば不合格になります」

ルルーシュ「話が全く見えんな・・・何だその合格、不合格というのは?」

古泉「合格ならばあなたは晴れてSOS団の団員に、不合格ならばこのままお帰りいただきます」

ルルーシュ「・・・・おい、俺がいつこのおかしな団に入りたいと言った?」

キョン「残念だがSOS団への入団に関してその人個人の意思はあまり関係しないんだ
ハルヒが気に入った時点で即入団。古泉や朝比奈さんもそうだった」

ルルーシュ「何て身勝手な女だ・・・。冗談じゃない!俺は御免だ!
こんな何の活動をしてるのかも分からない団に入るくらいなら、今すぐ国に帰る!」

キョン「(どんだけ入りたくないんだよ・・・まぁ気持ちは分かるが)」

ハルヒ「ちょっと何勝手に話し進めてるのよ!誰もまだアンタを合格だなんて言ってないでしょ!
国に帰るだのなんだの、そういう事は合格してから言いなさい!ていうかあんな回答で
合格できるとでも思ってるの?片腹痛いわ!SOS団を舐めないでちょうだい!」

ルルーシュ「フン、だったらさっさと不合格を言い渡してくれ!俺は忙しいんだ!」

ハルヒ「いいわ、じゃあ発表するわよ!アンタの点数は・・・・100点!!合格よ!!」

キョン「合格なのかよ!!」

ルルーシュ「何っ!!?おいどういう事だ!?」

ハルヒ「ふふーん、予想外の合格に感無量って所かしら?素直に喜びなさいよ」

ルルーシュ「ふざけるな!!お前さっきは不合格を臭わせていただろう!?」

ハルヒ「あれは合格した時の喜びを倍にする為の作戦よ!一度落としといて持ち上げる!
その方が落差があっていいでしょ?」

ルルーシュ「何を基準に点数を決めたのか知らんが、俺はSOS団などには
絶対に入らないぞ!」

ハルヒ「新入団員が団長に口答えするなんて10年早いわよルルーシュ!!」

ルルーシュ「誰が新入団員だ!!!」

キョン「諦めろルルーシュ。こいつに目をつけられたのが運のつきだ
言い出したら物事がそうと決まるまで突き進むのがハルヒだ
理論武装で戦っても勝ち目はないぞ」

ルルーシュ「・・・・・・・・くっ!!!」

ハルヒ「その通り!!キョン、アンタもたまには良い事いうじゃない!」

キョン「おいそこ、誰も褒めたわけじゃないぞ」

-------その日の帰り道

古泉「いや~、ここに来て新しい団員が加わるとは意外でしたね
去年も今年も新一年生は誰も入団させなかったので、涼宮さんは現状のメンバーに
満足しているものだとばかり思っていましたが」

キョン「まだあいつが入ると決まったわけじゃないだろ?結局拒否したまま
途中で帰っちまったしよ」

古泉「涼宮さんが望んでいる以上、彼は必ずSOS団に入る事になります
我々がそうだったようにね」

キョン「しかしハルヒの奴は何でルルーシュに目をつけたんだ?
あいつの言うとおり中途半端な時期に来た留学生だからか?」

古泉「それだけではないでしょうね。何か感じるものがあったのでしょう
ルルーシュという名前もある程度関係してるのかもしれません」

キョン「悪逆皇帝か?」

古泉「えぇ、昨日言っていましたからね。皇帝ルルーシュに会いたいと」

キョン「名前が同じってだけで他はまるで違うがな。皇帝の方は茶髪じゃなくて黒髪だし
眼鏡もかけてない。名前が同じってだけで目をつけられたんだとしたら
心の底から同情するぜ」

古泉「しかし顔はどことなく似ていると思いませんか?」

キョン「思わんね。ところであの質問には何の意味があったんだ?」

古泉「何の意味もないでしょうね。涼宮さんは最初から彼をSOS団に入れるつもり
だったのでしょうから、仮にあの質問全てを黙秘したところで
結果はまず間違いなく100点だったでしょう」

キョン「はぁ~・・・・全く無意味な事ばかりする奴だ。最初から素直に入ってくださいと
お願いすりゃいいのによ。それならあんなに怒らすこともなかったろうに」

古泉「涼宮さんが宇宙人未来人超能力者を望んだ結果、僕と長門有希、朝比奈みくるが集まった
となると、ルルーシュ・ランペルージという人間もかなり怪しくなってきますね」

キョン「俺と同じただの一般人枠かもしれないだろ?」

古泉「勿論その可能性もありますが、違う可能性もあります。取り敢えず彼に関しては
機関の人間が調査する事になるでしょう。それでなくても学校関係者は
全員調べているのに、登校初日にいきなりSOS団入りですからね。もう徹底的にやると思います」

キョン「長門や朝比奈さんの意見も聞いてみたらどうだ?」

古泉「勿論御二人も調査をするでしょうね。ただ基本的に我々機関と宇宙人の一派
未来人の一派は情報交換などは一切していません。それぞれが同じ学校、同じ部室で毎日
顔を合わせてる現状は奇跡と言ってもいいです。敵対関係とまでは言いませんが
決して友好な関係とも言えません」

キョン「でもお前個人は長門や朝比奈さんに対して悪く思ってたりはしてないんだろ?」

古泉「えぇ、今のはあくまで組織同士での話です。悪く思うどころか、今はSOS団の方々に対し
当初では考えられないくらいの感情を抱いてますよ」

キョン「そういや前にもそんな事言ってたな」

古泉「とにかく、何か分かったらすぐあなたに報告します」


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------ルルーシュのマンション

ウィーン

C.C「やっと帰ったか。随分遅かったな」

ルルーシュ「・・・・あぁ」

C.C「何だ、ご機嫌斜めだな。学校で嫌な事でもあったのか坊や?」

ルルーシュ「誰が坊やだ!少々頭の痛い連中に絡まれてノイローゼ気味なんだ
悪いが暫く一人にしてくれ」

C.C「ほぅ、たった一日でお前をそこまで弱らせるとはなかなか大した奴もいるものだな」

ルルーシュ「クソ、こんな事ならやっぱり学校など行くべきではなかった・・・」

ウィーン

ジェレミア「陛下、御帰りになっていたのですか。学校の方はどうでしたか?」

ルルーシュ「その呼び方は止めろと何度も言ってるだろ!!
俺はもう皇帝じゃないんだ!」

ジェレミア「も、申し訳ありません陛下!!あっ・・・・」

ルルーシュ「はぁ~・・・・」

ジェレミア「あの、ところで学校の方は?」

ルルーシュ「最悪だ!よりにもよってよくもあんなとんでもない女のいる学校へと
放り込んでくれたな!!お前は事前にきちんと下調べしたのか!?」

C.C「ほぅ、お前の悩みの種は女だったのか」

ジェレミア「女!?陛下、それはもしや涼宮ハルヒという娘ではありませんか?」

ルルーシュ「ん?そうだが・・・・・何でお前があいつの事を知っているんだ?」

ジェレミア「実は今日は例の件について進展がありましたので御報告にきたのです」

ルルーシュ「例の件?機関とかいう組織ともう一人のギアス能力者の件か?」

ジェレミア「はい。どうやら機関というのはギアスを研究してる組織ではなく
ある人物の監視を目的とした組織のようです」

ルルーシュ「そのある人物というのがもう一人の能力者か?」

ジェレミア「そうです」

ルルーシュ「監視の目的は?やはりギアスか?」

ジェレミア「いいえ、機関はその者を神だと認識しているようです」

ルルーシュ「神?」

ジェレミア「『すべての人や物は神であるその者が5年前にその形態や記憶を
予め保った状態で創造した』というのが彼らの考えのようです」

ルルーシュ「フン、まるで危ない新興宗教だな。だいたいそいつらは何を根拠にそんな事を言ってるんだ?」

ジェレミア「その者には自分の願望を現実に反映する事ができるという特殊な
能力があるというのはアーニャから聞きましたよね?」

ルルーシュ「あぁ、なるほど。その能力を目の当たりにしてそいつを神だと誤解しているのか
人知を超えた力である事は事実だから分からなくもないが、それだと過去の俺も
機関とやらからは神に見えたわけか」

ジェレミア「いえ、どうやらその者の力はギアスとは全く無関係の物だったようです」

ルルーシュ「なに!?ギアスじゃないだと!?」

ジェレミア「はい、ギアスよりももっと強い能力。機関の者曰く、ギアスという能力すら
その者の願望によって生み出されたものだと」

ルルーシュ「馬鹿な・・・・だいたい何故ギアスじゃないと断言できる?」

ジェレミア「その者が能力を得たのは5年前。5年前と言えばV.Vもシャルル前皇帝陛下も
もうこの世にはいませんし、唯一のコード所有者は陛下のみです。
つまりその者がギアス能力者であるならば、陛下が契約者でないと説明がつきません」

ジェレミア「しかし陛下はこれまで誰とも契約を結んでいない
つまりその者の能力はギアスではなくもっと別の何かというわけです」

ルルーシュ「待て、その5年前という数字は何故そう言いきれる?」

ジェレミア「機関の者曰く、『分かるから』だそうです。5年前のある日彼らは
その者に力を与えられ超能力者となり、何故そうなったのか、力を与えたのは誰なのか
という事を同時に認識したそうです」

ルルーシュ「超能力者?機関の連中は超能力を使えるのか?」

ジェレミア「どうやらそのようです。ある一定の条件を満たすと、人知を超えた力を
自在に扱う事ができるとか」

ルルーシュ「それもギアスとは関係ないのか・・・」

C.C「ギアスだって端から見たらとても信じられない能力なんだ。他にもおかしな能力
があったって何ら不思議ではないだろう。寧ろギアスという非現実的な能力の存在を
知ってるお前は、もっとあっさり他の能力の事を理解してもいいと思うぞ」

ルルーシュ「・・・・・」

ジェレミア「そして、ここからが一番大事なところなのですが」

ルルーシュ「なんだ?」

ジェレミア「機関が神と崇めている者、その者こそが陛下と同じ学校に通っている
涼宮ハルヒという娘なんです」

ルルーシュ「何だと!!?」

ルルーシュ「あいつが神だっていうのか?笑えない冗談だ・・・」

ジェレミア「現在涼宮ハルヒは機関の監視下にあります。と言っても涼宮ハルヒ本人は
監視されてるなどという自覚は全くないようですが」

ルルーシュ「という事は当然あの女の周りの人間に関しても調べているんだろうな」

ジェレミア「えぇ、恐らく今回の事で陛下もその対象になっているかと」

ルルーシュ「機関とやらがどの程度の組織かは知らんが、どんなに調べた所で
俺の正体がバレるような事はまずないだろう。情報操作は徹底してあるからな」

ジェレミア「それは間違いありません!どんなに調べても今の陛下は
EUイギリス領出身の留学生、ルルーシュ・ランペルージという情報しか出てきません」

ルルーシュ「ならば問題はないな」

ジェレミア「ただこれも信じ難い情報なのですが・・・」

ルルーシュ「何だ?」

ジェレミア「涼宮ハルヒを監視しているのは機関だけでなく、宇宙人と未来人も
同様の事を行っているようで・・・」

ルルーシュ「超能力者の次は宇宙人に未来人か・・・・もうわけが分からんな」

ジェレミア「現代の人間ならまだしも、宇宙人の一派や未来人の一派の情報収集力は
我々の常識でははかれません」

ルルーシュ「こちらの情報操作など簡単に見破られる可能性もあるという事か」

ルルーシュ「機関とかいう組織だけでも厄介だと言うのに、そこに宇宙人に未来人か・・・
手を誤ると何をされるか分かったものじゃないな」

C.C「監視対象の近くに現れた人物が実は死んだはずの悪逆皇帝ルルーシュだった
そんな事がバレたら確かに何をされるか分からんな。まぁ無事では済まないだろう」

ジェレミア「御安心を、何があっても陛下の事は私が御守りします!」

ルルーシュ「・・・いつ正体がバレるか分からない以上、こちらから手を打つ必要があるな
涼宮を一番近い所で監視している末端の人間と話をする必要があるか・・・」

C.C「ではまずその末端の連中を探し出すところからだな」

ルルーシュ「いや、もう目星はついてる」

C.C「ほぅ」

ジェレミア「流石は陛下・・・・」

ルルーシュ「機関や涼宮の件は俺に任せてくれ。お前は引き続きコードの件を頼む」

ジェレミア「イエス・ユア・マジェスティ」

C.C「フン、何だか楽しそうだなルルーシュ」

ルルーシュ「ずっと退屈な生活をしてきたからな。正直こんなにワクワクするのは久しぶりだ」

C.C「やれやれ、相手はかつてのブリタニアよりもたちの悪そうな連中だと言うのに
ま、返り討ちに合わないように気をつけるんだな」

-------翌日の放課後

キーン  コーン  カーン  コーン


キョン「・・・・・」

ルルーシュ「・・・・さっきからずっと俺の近くにいるが、涼宮に部室に連れて来いとでも
頼まれたのか?」

キョン「あぁ、家に帰す前に何が何でも連れて来いとさ」

ルルーシュ「お前も大変だな。で、あいつは?」

キョン「とっくに部室に行ったよ。SOS団なんてもんに関わりたくないってのは
当然の心理だが、あいつが入れると言った以上逃げ切るのは至難の業だぞ?」

ルルーシュ「誰が逃げると言った?」

キョン「へ?でもお前昨日は」

ルルーシュ「昨日は突然の事で驚いていただけだ。家で冷静に考えた結果
部活に入るのも悪くはないと思ってね」

キョン「部活どころか同好会として認められてるかどうかも怪しい集まりだぞ?いいのか?」

ルルーシュ「人生経験さ、ああいう奇妙な女に付き合ってみるのも悪くない」

キョン「悪い事だらけだぞ・・・・ま、部活に来てくれるなら俺は助かるが」

---------廊下

ルルーシュ「宇宙人や未来人、超能力者を見つけて一緒に遊ぶ?」

キョン「あぁ、それがハルヒがSOS団を結成した理由だ。笑っていいぞ」

ルルーシュ「主な活動内容は?」

キョン「特に何も。基本放課後は部室で各々時間潰して終わりだ。俺と古泉はゲーム
朝比奈さんはお茶入れ、長門は読書でハルヒは・・・何してるんだろうなあいつは?」

ルルーシュ「まるで娯楽部だな」

キョン「ただ月に何回か貴重な休日を潰される事もあるぞ」

ルルーシュ「その時は何をしてるんだ?」

キョン「特に何も。不思議探しと銘打って、街を散策して丸一日を棒に振るだけだ」

ルルーシュ「つまりまとめると、SOS団というのは特に何かをする部活ではないという事か?」

キョン「まぁそういうことになるな。前言を撤回するなら今だぞ?」

ルルーシュ「いや、一度入ると決めた以上入るよ。ま、場合によっては途中で抜けるかも
しれないけどな」

キョン「それができるなら俺がとっくにそうしてるさ。それをさせてくれないのが涼宮ハルヒだ」

ルルーシュ「確かに手強そうだな。そうだ、お前今夜時間はあるか?話したいことがあるんだが」

キョン「話したいこと?」

ルルーシュ「あぁ。どうだろう?都合が悪いようなら日を改めるが」

キョン「別にいいぜ。時間と場所は?」

ルルーシュ「深夜1時に北高のグランドに来てくれ。古泉一樹や長門有希
朝比奈みくるも呼んである」

キョン「古泉達も?というか1時って随分遅いな・・・・」

ルルーシュ「明日は土曜で休日なんだ、少しくらい遅くても問題ないだろ?」

キョン「まぁな」

ルルーシュ「それじゃあよろしく頼む」

キョン「(話したい事か・・・古泉の言うとおり本当にあいつもただ者じゃないのか?
実は異世界人ですだなんて告白だったら引っくり返るぞ
それにしても俺だけじゃなく古泉達まで呼んだってのはいったい・・・)」

ルルーシュ「(これで条件は全てクリアされた。後はC.Cとアーニャを忍ばせれば・・・)」

--------文芸部室

ガチャッ

キョン「うーっす」

ハルヒ「遅いわよキョン!ちゃんとルルーシュを連れてきたんでしょうね!?」

キョン「連れてきたさ、後ろを見ろ」

ルルーシュ「別に連れてこられたわけじゃない。俺は自分の意思でここに来たんだ」

ハルヒ「ふーん、それはつまりSOS団に入るって事かしら?」

ルルーシュ「あぁ、そうとってもらって構わない」

ハルヒ「随分素直ね、昨日とはえらい違いだわ!私に逆らっても無駄だって事を
この一日で悟ったようね!なかなか賢いじゃないの!」

ルルーシュ「(このやかましい女の何処にそんな力があるというんだ・・・
願望を現実に反映する事ができる能力。あれだけ拒否していた俺が結局SOS団に入ったのも
やはりこいつの能力が影響しているのか?)」

古泉「いや~、仲間が増えるというのは良い事ですね。改めまして、古泉一樹です
よろしくお願いしますルルーシュさん」

ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。こちらこそよろしく」

古泉「しかしそのお名前ですと、これまで嫌な思いをした事も多々あるんじゃないですか?」

ルルーシュ「まぁね。よりにもよって悪逆皇帝と同じ名前だから
病院や学校なんかでは何度か気まずい経験をしたよ」

みくる「誰もが知ってる名前ですもんねぇ」

ルルーシュ「えぇ、まぁ一生ついて回る事でしょうから今は特に気にしてません」

ハルヒ「ねぇ、一応聞くけどアンタ皇帝ルルーシュの親戚とかじゃないわよね?」

ルルーシュ「は?」

ハルヒ「だって珍しいでしょルルーシュなんて名前?」

ルルーシュ「名前が同じだからって何で親戚である可能性を疑う
せめて苗字が同じなら分かるが」

ハルヒ「じゃあ違うの?」

ルルーシュ「残念ながらな」

ハルヒ「なーんだ、つまんない」

キョン「何がつまらんのか知らんが、仮にこいつが悪逆皇帝の親類だとしたら
それはつまりルルーシュ自体もブリタニア皇族って事だぞ?ありえんだろ
まぁブリタニアは皇族制自体もう廃止されてるが」

ルルーシュ「俺が皇帝ルルーシュの親戚だとしたら、お前は何をするつもりだったんだ?」

ハルヒ「そんなの決まってるじゃないの!皇帝ルルーシュの謎を解き明かす為に
アンタを辿って他の旧ブリタニア皇族に会っていろんな情報を聞き出すわ!」

ルルーシュ「皇帝ルルーシュの謎?」

ハルヒ「そうよ!皇帝ルルーシュには謎が多いの!私はその謎を解き明かしたいのよねぇ
それには当時皇帝の近くにいた、或いは近くにいた可能性のある人の話を聞くのが一番でしょ?」

ルルーシュ「具体的にどの辺りが謎なんだ?」

ハルヒ「まず一番の謎は何であんなにすんなり皇帝の座に座れたのかって事ね!」

ルルーシュ「前皇帝のシャルルを殺し、その事を世界に公表したからだろ?
確か一連の流れが生中継されてたはずだが」

ハルヒ「皇帝を殺した事とその後そいつが皇帝になる事は直結しないわ!
だいたいそんな事で他の皇族達が納得するわけないじゃない!」

古泉「確かにそうですね。当時のブリタニアは皇族同士が次の皇帝の座を巡り
競い続けていたようですし、急に現れた皇族が皇帝を殺したから
次期皇帝には自分がなると言ったところで納得できるものは一人もいないでしょう」

キョン「でもみんな納得して大合唱してたじゃないか。オール・ハイル・ルルーシュって」

ハルヒ「それがおかしいのよね!第一皇女のギネヴィアなんかはルルーシュの事を最初
しれ者って言ってたのよ?それがいきなり人が変わったように・・・・怪しすぎるわ!」

ルルーシュ「・・・なるほど、それがお前の言う皇帝ルルーシュの謎か」

ハルヒ「他にもいっぱいあるんだけどね、まぁそれはいいわ
今日は決めなきゃいけない事もあるし」

キョン「決めなきゃいけないこと?何だそれは?」

ハルヒ「修学旅行の件に決まってるじゃない!もう一ヶ月しかないのよ!?」

キョン「この間まで修学旅行なんて特に興味ないって言ってたのは何処の誰だ・・・」

ハルヒ「あの時はあの時、今は今よ!」

キョン「どうせ終戦記念式典の話を聞いて気が変わったんだろ?
そんなにゼロに会いたいのか?」

ハルヒ「うるさいわね!アンタだって会いたそうにしてたじゃないの!!」

ルルーシュ「終戦記念式典?さっきから何の話をしてるんだ?」

古泉「そういえばあなたにはまだ話していませんでしたね。実は一ヵ月後三年生には
修学旅行というイベントがあるのですが、その行き先が東京でして」

ルルーシュ「なに!?東京!!?」

古泉「?どうかしましたか?」

ルルーシュ「い、いや・・・続けてくれ」

古泉「その日にちと東京で行われる終戦記念式典の日にちが丁度重なっているので
戦没者を追悼する為我々も出向こうという話を以前していたんですよ」

ルルーシュ「そうか・・・」

キョン「まぁそれは建前で、本音は生でゼロを見てみたいだけなんだけどな」

ルルーシュ「そういえば式典にはゼロを始め超合衆国に加盟してる各国の代表も数多く出席する
とテレビでやってたな。なるほど、本命はそれか」

キョン「で、今更お前は何を決めようって言うんだ?」

ハルヒ「別の日に行くところよ!他に何があるっていうのよ?」

キョン「は?」

ハルヒ「修学旅行は三泊四日なのよ?三日目は式典に出るって決まったけど
二日目の自由時間はまだ何処に行くのか全然決めてないじゃない!!」

キョン「そういやそうだったな」

みくる「あのぉ、私遊園地に行きたいですぅ」

ハルヒ「却下!!」

みくる「ひぇ・・・・」

キョン「じゃあスカイツリーなんてどうだ!?戦後日本復興の象徴、一度は登ってみたいだろ?」

ハルヒ「それも却下!!」

キョン「・・・あのなぁ、じゃあお前は何処で何がしたいんだ?」

ハルヒ「残念だけど、何をするかはもう決まってるの!
決まってないのは何処に行くかという事だけよ!」

キョン「はぁ・・・じゃあまず何をするのかを発表してくれ・・・」

ハルヒ「勿論不思議探しをするわよ!!この辺には不思議な事がなくても
人口の多い東京ならきっと何かがあるはずだわ!それを探すの!」

キョン「orz・・・・・せっかくの修学旅行時にまであんな事をせにゃならんのか」

ハルヒ「何よ、何か文句でもあるの?」

キョン「・・・いいや」

ルルーシュ「なるほど、それで何処を探すのかを決めようとしていたのか」

ハルヒ「そう!流石に東京中を探索するわけにもいかないし、ある程度場所に狙いを定めて
やろうと思ってるの!何処がいいと思う?個人的には租界の外がいいと思うんだけど!」

キョン「租界の外はまだ治安が悪いから出歩くなと岡部が言ってただろ」

ハルヒ「フン、岡部の諸注意なんてSOS団には関係ないわ!ここでは私がルールブックよ!」

ルルーシュ「じゃあ新宿ゲットーなんてどうだ?」

ハルヒ「その心は?」

ルルーシュ「最近は復興が進んできているようだがあそこは元々戦地だ
面白いものが眠っている可能性があるかもしれないぞ?それに」

ハルヒ「それに?」

ルルーシュ「新宿ゲットーといえばゼロが最初に行動を起こしたとされる場所だ
ファンとしては一度行ってみたいんじゃないのかと思ってな」

ハルヒ「別にファンじゃないわよ!キョンと一緒にしないでちょうだい!」

キョン「いや、俺も違うぞ・・・」

ルルーシュ「でも面白そうな場所だと思うぞ、不思議を探すのにはもってこいだ」

ハルヒ「うーん、そうね!じゃあそうしましょ!!行き先は新宿ゲットーで決まり!
みんなもいいわね?」

古泉「えぇ」

長門「・・・・」コクッ

みくる「ゲ、ゲットーなんて行って大丈夫なんですかぁ?怖い人がいっぱいいるんじゃ・・・」

ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!SOS団に手を出そうなんて不逞の輩が現れたら
私がケチョンケチョンにしてあげるから!!」

みくる「は・・・はぁ」

キョン「ったく、何でお前はそんなに積極的なんだ?」

ルルーシュ「早いところ意見を出しとかないとあいつの事だ、新宿ゲットーよりも
更にタチの悪そうな場所を選択しかねないだろ?」

古泉「確かにそうですね、賢明な判断だと思います」

キョン「はぁ~・・・・」

--------その日の帰り道

古泉「えぇ、僕も言われましたよ。話したい事があるので1時にグランドに来てくれとね」

キョン「長門や朝比奈さんにも声をかけてあるらしいが、あいつは何を話そうとしているんだ?」

古泉「さぁ、皆目検討もつきませんね。ただいちいち呼び出すくらいですから
重要な話である事は間違いないでしょう」

キョン「機関の調査とやらの結果はどうだったんだ?」

古泉「昨日の今日ですからまだ十分に調べられてはいませんが
彼が部室で答えた内容に関しては全て裏が取れました」

キョン「部室で答えた内容?あぁ、家族構成やら出身地の事か」

古泉「えぇ、ある程度捏造してるかと思っていましたが、どうやら全て事実のようです
彼はEUイギリス領出身のルルーシュ・ランペルージで間違いありません
ただ、分かったのはそれだけでまだ何者であるかという事までは不明ですが」

キョン「異世界人である可能性もあるのか?」

古泉「えぇ、ですから今後も調査は続ける予定です」

キョン「いっその事今夜本人に聞いてみたらどうだ?その方が話が早いだろ」

古泉「仮に彼が異世界人だとして、その勢力の規模も、我々の敵なのかそうでないのかも
分かりませんからね。正体が分かるまでそのような行為はできません」

古泉「機関は今突如として現れた第四の勢力をかなり警戒しています
できるだけこちらの正体が悟られないよう、慎重に調べる必要があるので
直接聞くというのはやはり難しいでしょうね」

キョン「今夜の話とやらで向こうから正体を明かしてくれるかもしれんぞ?」

古泉「どうでしょう、それなら助かりますが・・・」

キョン「それに俺と同じようにただの一般人である可能性だって微量ながらあるんだろ?」

古泉「本当に微量ですがね。涼宮さんが絡んでいる以上、やはり彼は普通の人間だとは
思えませんが」

キョン「はぁ~、どうなることやら」


------
---
-


-----深夜1時半(北高グランド)

キョン「ハァ、ハァ、すまん遅くなった!」

古泉「珍しいですね、あなたがここまで約束の時間に遅れるというのは」

キョン「11時くらいにウトウトしちまって・・・すいませんでした朝比奈さん」

みくる「大丈夫です!気にしないでください」

キョン「長門もすまん!」

長門「・・・いい」

キョン「ルルーシュ、本当に・・・・ってあれ?ルルーシュもまだ来てないのか?」

古泉「えぇ」

キョン「フー、助かったぜ。あいつ怒ったら怖そうだからな」

古泉「それにしても、自分で呼び出しておいて30分以上も遅刻というのは
少々引っかかりますね」

キョン「まさかすっぽかしたのか?」

古泉「流石にそれはないと思いますが・・・」

みくる「あ、来ましたよルルーシュ君!」

昇降口方面から歩いてきたルルーシュがキョン達と少し離れた場所で立ち止まる

ルルーシュ「やっと全員揃ったか・・・随分と待たせてくれたなキョン」

キョン「何言ってんだ!俺よりもお前の方が遅いじゃないか!」

古泉「もしかして、実はとっくにこちらへいらしていたのですか?」

ルルーシュ「あぁ、君達が来るずっと前からね」

古泉「分かりませんね、では何故早々に姿を現さなかったのですか?」

ルルーシュ「その質問の答えは後々分かる事になる
お前達はまず俺の質問にだけ答えてもらう」スッ

古泉「!!!」

ルルーシュが右手を上げると上空から二機のナイトメアが猛スピードで降下し
キョン達を囲むように着地して、ライフルの銃口を四人に向けたまま静止した

ドスン!   ドスン!

キョン「ぬわっ!!」

みくる「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

長門「・・・・」

古泉「やはり一筋縄ではいきませんね・・・」

キョン「ナ、ナイトメア!?どうしてこんな所に??おいルルーシュ、お前の仕業か!?」

ルルーシュ「見れば分かるだろ」

古泉「これはヴィンセント・・・ブリタニアが戦時中に開発した第七世代のナイトメアフレームですね
そしてこっちのは・・・まさかモルドレッド!?」

キョン「おい、何だそのモルなんちゃらってのは?」

古泉「かつてブリタニアに存在したナイト・オブ・ラウンズ。そのメンバーであった
ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム卿の専用機です」

キョン「ナイト・オブ・ラウンズの専用機だ?何でんなもん持ってんだよ・・・
ルルーシュ、お前は何者なんだ!?」

ルルーシュ「俺が何者であるかという前に、まずはお前達の事をはっきりさせてもらおう」

古泉「しかし手荒ですね、銃口を突きつけられた状態での問答は最早脅迫ですよ?」

ルルーシュ「こうでもしないとお前達とは対等に話が出来そうになかったのでな
何しろ宇宙人に未来人、超能力者が相手では、このくらいやらないと
我が身の安全も保障できない」

キョン「!!?」

みくる「ふぇっ・・・」

古泉「既に御存知でしたか、我々の正体は」

ルルーシュ「あぁ、だが誰がどれに当てはまるのかまではまだ半信半疑でな
まずはそこから答えてもらう。機関に所属している超能力者は・・・古泉、お前か?」

古泉「御名答です」

ルルーシュ「では未来人は?」

みくる「わ、私ですぅ・・・」

ルルーシュ「宇宙人は?」

長門「・・・わたし」

ルルーシュ「大方予想通りだな。だがこれだけはいくら考えても分からなかった
キョン、お前はいったい何なんだ?涼宮の近くにいる以上、お前もタダ者ではないんだろう?」

キョン「残念だが俺はタダ者だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない
普通の人間だ」

ルルーシュ「・・・・」

ルルーシュは古泉を見る

古泉「彼の言っている事は事実ですよ!嘘ではありません。というか、この状況で嘘はつけません」

ルルーシュ「・・・まぁいいだろう」

古泉「その物言いですと、涼宮さんの能力に関しても御存知のようですね」

ルルーシュ「あぁ、お前達機関の人間があいつを神と崇めてる事もな」

古泉「厳密に言うとそれは少し違います。機関の中でも意見が割れてましてね
神と崇める者もいれば、そうでないと主張する者もいます」

ルルーシュ「お前はどっちなんだ?」

古泉「前者です」

ルルーシュ「フン、だろうな」

みくる「ふぇぇぇぇ・・・・」ガクガク

キョン「おいルルーシュ、このナイトメア何とかならんか!?
さっきから朝比奈さんの震えが止まらんのだが・・・」

ルルーシュ「心配しなくても、お前達が何もしなければこちらも何もしない
さっきも言ったがこれはあくまで俺がお前達と対等に話す為に必要な演出にすぎない」

キョン「だそうです、大丈夫ですよ朝比奈さん」

みくる「ふぇぇ・・・怖いぃ」ガクガク

古泉「そろそろ答えていただきませんか?先ほど何故早々に姿を見せなかったのかという問いと
あなたの正体に関して」

ルルーシュ「俺が姿を見せなかったのは、お前達を観察していたからだ」

古泉「観察?」

ルルーシュ「宇宙人の勢力、未来人の勢力、超能力者の勢力がどの程度の
結びつきを持っているのか、それを確認する為だ。警戒する謎の留学生からの突然の呼び出し
お前達に横の繋がりがあるのなら、俺が来るまでの間にある程度話し合いをするはずだからな」

古泉「なるほど」

ルルーシュ「しかし、話し合いどころか長門有希は終始沈黙し続け、朝比奈みくると古泉一樹
の間にも会話らしい会話は殆どなかった。つまりお前達の勢力に横の繋がりはなく
俺に関する事も一切情報交換をしておらず、尚且つ今夜ここに無策で来たという推測が立った」

ルルーシュ「だからわざわざ遅れて出てきたんだ。始めから30分後に出ると決めていた
キョンの遅刻は少々気にはなったが、彼が加わった後も観察を続けたところで
何か変化が起こるとは思えなかったのでな」

古泉「もし観察中に我々が怪しい行動、話合いをしていた場合は
どうする予定だったんです?」

ルルーシュ「今夜は姿を現さず、諦めて家路に向かうお前達を個別に拉致し
一人ずつ尋問する予定だった」

キョン「なっ・・・・」

みくる「ひぃぃぃ・・・」

ルルーシュ「正直それはあまりしたくなかったから、お前達に横の繋がりがなくて
感謝しているところだ」

キョン「で?ルルーシュ、お前はいったい何者なんだ!?いい加減教えてくれ!」

ルルーシュ「百聞は一見にしかず。口で説明するよりもこうした方が早いな」バサッ

ルルーシュはフェイスマスクとカツラ、眼鏡を外しキョン達に素顔を見せた

キョン「!!?」

古泉「これは・・・」

長門「・・・」

みくる「ふぇぇぇ!?こ、皇帝ルルーシュ!!?」

ルルーシュ「そうだ、俺はルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ!!」

キョン「嘘だろおい・・・皇帝ルルーシュはゼロに殺されたはずじゃ」

古泉「衆人環視の中で確かに刺されたはず・・・何故生きているのです?」

ルルーシュ「何故生きているかか・・・そうだな、まずはその説明が必要か
古泉、お前ギアスという能力を知っているな?」

古泉「えぇ」

キョン「何だ、そのギアスってのは?」

古泉「王の力と呼ばれる他者の思考や人体に干渉する特殊能力の事です
そういえばあなたにはまだ教えていませんでしたね」

キョン「思考や人体に干渉する能力?そりゃまんまハルヒの謎パワーの事じゃねーか」

古泉「涼宮さんの能力はギアスとは関係ありません。一時期我々もその可能性は疑ったのですが
ギアスはコードを所有している者との契約がなければ発現しない能力です
しかし過去に涼宮さんがそういった者と接触したという事実はありませんでした」

キョン「コード?また新しい言葉が出てきたぞ・・・何が何だか分からん」

古泉「恐らく僕よりも長門さんの方が御詳しいでしょう、説明していただけますか?」

長門「ギアスというのは個人の努力等で得られる力ではない。不老不死のコードというものを
所持している者と契約して始めて得られる力」

長門「発現する能力は個々の性格や願望などが影響する為、人それぞれ異なる事が多い
能力発動の際には片目、或いは両目から赤い鳥のような紋章が浮かび上がり
コード所有者以外の者なら誰でも使用可能」

キョン「何だそれ・・・」

長門「ギアスは使用し続けるごとにその力を増していく。力を制御しきれなくなると暴走し
ONとOFFの切り替えができなくなる。しかしそれらを乗り越え、一定以上に能力を増大
させた者は、ギアスを失い不老不死のコードを得て新たな媒介者となる」

ルルーシュ「そこまで調査済みとは恐れ入った。流石は宇宙人といったところか
やはり情報戦では勝ち目は無かったようだ。こちらから正体を明かしたのは正解だったな」

キョン「いやちょっと待て、そのギアスってのと死んだはずのアンタが生きてる事と
何の関係があるんだ?」

古泉「つまりあなたはコードを所有しているギアスの媒介者という事ですね?」

ルルーシュ「そういう事だ、理解が早くて助かる」

キョン「は?つまりこいつは不老不死って事か?」

古泉「えぇ、だからゼロに刺されても死ななかったのでしょう」

ルルーシュ「俺がまだ生きている理由、御理解いただけたかな?」

古泉「えぇ、しかし新たな疑問が」

ルルーシュ「何だ?」

古泉「何故そんなあなたがわざわざ変装までしてこの学校に通っているのです?
何か理由がないと到底理解し難いのですが」

キョン「まさか皇帝の座に返り咲く為にハルヒの力を利用しようとしてるのか!?
だから北高に入って俺たちに近づいたとか?」

古泉「恐らくそれはないでしょう。さっきも言いましたが彼はギアスの媒介者です
元の地位に返り咲く為に人知を超えた力が必要ならば、わざわざ涼宮さんに近づかずとも
自ら手当たり次第に契約者を作り、利用すればいいだけです」

ルルーシュ「それに先に近づいてきたのは俺ではなく、お前達の方だろ」

キョン「そ、そういえばそうだな・・・」

ルルーシュ「涼宮の能力の事は昨日知ったばかりだ。俺が北高に入った理由に
涼宮は一切関係してないし、他に特別な理由もない。この学校に入ったのは・・・
そうだな、軽いアクシデントのようなものだ」

古泉「それは本当ですか?」

ルルーシュ「あぁ。それに俺が北高に来た理由付けなら、最も納得のいく解釈が他にあるだろう?」

古泉「何です?」

ルルーシュ「『涼宮ハルヒがそれを望んだから』これで十分だろう?特にあの女を神と
崇めてるお前にとってはな」

古泉「確かにそう考えるのが一番シックリきますね。実際この間涼宮さんは
そのような事を口に出していましたし」

ルルーシュ「あいつは心のどこかで皇帝ルルーシュ、或いはゼロに会いたいと願ったのだろう
その結果俺がここへ来る事になってしまったわけだ」

キョン「ん?何でそこでゼロが出てくるんだ?皇帝ルルーシュに会いたいと願って
お前が来るのは分かるが、ゼロに会いたいと願ってお前が来るってのはおかしいだろ」

ルルーシュ「何もおかしな事はないさ。何故なら、ゼロの正体は俺なのだからな」

キョン「・・・・・・は?」

みくる「ふぇ・・・!?」

ルルーシュ「厳密に言うと、だったと言った方が正しいか」

キョン「何をわけの分からん事を言ってるんだ!あんたがゼロ!?ありえないだろ!」

ルルーシュ「何故ありえない?」

キョン「だってあの時アンタを刺したのはゼロで・・・」

ルルーシュ「あの時仮面を被っていたのが本物であると証明できるのか?
偽者かもしれないぞ?」

キョン「いや・・・そりゃそうだが」

古泉「あの時あなたを刺したゼロが本物か偽者かの区別は、それこそゼロ本人か
ゼロの正体を知っている者にしかできませんよ」

ルルーシュ「その通りだ。自分で言っておいて何だが、そもそもゼロの正体に
本物も偽者もないんだよ。ゼロというのは個人を示す名前ではなくあくまで記号だからな」

キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが」

古泉「つまりあの仮面を被れば誰もがゼロになり得るわけで、それを本物か偽者かと
追求することに何の意味も無いという事ですか?」

ルルーシュ「そういうことだ」

キョン「無茶苦茶な理論だな・・・」

古泉「しかしその場合ですと、涼宮さんがゼロを望んだ場合過去にあの仮面を被った経験のある
人々全員が召喚対象になります。確か終戦間際、黒の騎士団は日本人を中華連邦に移す為
100万人近い人々にゼロの格好をさせた事がありましたよね?候補者の数は膨大です
何故そのような人数の中からあなたが選ばれたのでしょうか?」

ルルーシュ「推察だが、涼宮の中のゼロとはただ姿形を似せた者ではなく
実際に黒の騎士団を率いブリタニアと戦っていた者の事なんだろう」

古泉「つまり、あなたがそうだと?」

ルルーシュ「あぁ。クロヴィスを殺したのも、黒の騎士団を結成したのも、ブラックリベリオンを
仕掛けたのも全部俺だ」

キョン「百歩譲ってそれが本当だとして、じゃあ何でお前は終戦間際自分で作った黒の騎士団と
戦ってたんだ?それもゼロとしてではなく、皇帝ルルーシュとして!意味が全く分からん!」

すいません夕食の買い出しと調理をしてきます。
書き溜めはあるんですが以前似たようなの書いた時猿で大変だったので
なるべく時間を空けながら投稿してます。

古泉「同感です。そろそろ明確な説明をいただけませんか?それがない限り
あなたがゼロであったという事を信じることなど出来るわけがありません」

ルルーシュ「別にいいが、かなり長くなるぞ?」

古泉「僕は構いませんよ」

キョン「俺も大丈夫だ。説明できるもんならしてみろ!」

ルルーシュ「そうだな・・・何処から話せばいいだろう。
まずは俺がブリタニアにいた頃から話をしようか」




ルルーシュは自分がゼロになった理由と
クロヴィス殺害からゼロレクイエムを起こすまでの経緯を事細かに説明した




ルルーシュ「以上だ、何か質問はあるか?」

キョン「・・・・・・・・・・・じゃ、じゃあ何だ・・・今ゼロの仮面を被ってるのは
巷じゃ裏切りの騎士って言われてるあの枢木スザクだってのか?」

ルルーシュ「あぁ。さっきそういっただろ?」

みくる「ふぇぇぇ・・・そんな裏事情があったなんて・・・」

古泉「わざとあからさまな独裁政治を行い、世界中の人々の憎しみを自分一人に集め
ゼロの仮面を被せた枢木スザクに討たせる!結果世界は愚かな戦争を止め
話し合いという手段でもって外交を行うようになる。悪の元凶たる皇帝ルルーシュを討ち滅ぼした
ゼロは正義と平和の象徴として人々の心の支えになる。まさに今の世界そのままですね」

ルルーシュ「勿論今話した事を裏付ける証拠は何処にもない。信じるか信じないかは
お前達次第だ」

古泉「ここまで明確な回答をいただいた以上信じないわけにはいきませんよ
それにしても、まさかあの大事件にそのような裏があったとは・・・・面白いですね」

キョン「駄目だ・・・まだ頭の整理が追いつかん」

古泉「事件後は身を潜めて生活していたが、涼宮さんの能力が作用した結果
あなたは北高へ通う事となり、我々と相対する現状へと至ったわけですね」

ルルーシュ「そうだ。正直お前達の正体を知った時はどうしたものかと悩んだが
下手な嘘をつくより全てを話し、理解を求めた方が安全だと思ってな」

古泉「だから自ら告白なさったのですか」

ルルーシュ「こちらから正体を明かすのと、黙っていた正体をお前らに明かさせるのとでは
その後の関係性を考えても雲泥の差だからな。お前らが相手では
何をされるか分かったもんじゃない」

古泉「機関は基本話し合い重視ですので、後からあなたの正体が割れたとしても
手荒な真似はしなかったと思いますよ」

ルルーシュ「お前の組織じゃない、俺が恐れていたのはこの二人の組織だ」

みくる「へ!?」

長門「・・・・・・」

古泉「なるほど、そうでしたか。まぁ、確かに分かる気がします
僕が逆の立場でも、恐らく一番脅威に感じるのは朝比奈さんや長門さんの一派でしょうし」

みくる「わ、私達も乱暴な事はしませ~ん!」

ルルーシュ「お前はどうなんだ長門有希?」

長門「・・・時と場合による」

ルルーシュ「フン、やはりこちらから打ち明けたのは正解だったか」

古泉「それで、あなたはこれから我々とどのような関係を築きたいとお考えなのでしょうか?」

ルルーシュ「互いに不利益になるような事は避け、互いに干渉しない関係というのはどうだろう?
今のお前達は実際そんな感じなのだろう?」

古泉「まぁそうですね。ただ我々は時と場合によっては干渉しあったりもしますよ?」

ルルーシュ「そうなのか?まぁその辺はお前達に合わせるさ。この中では一番後輩だしな」

キョン「話がまとまったならとっとこのナイトメアと、俺たちに向けられた銃を何とかしてくれ
さっきから生きた心地がせん」

ルルーシュ「あぁ、そうだな。C.C、アーニャ、もういいぞ!」

ルルーシュが合図を送るとキョン達に向けられた銃口は別の方向へと移動し
ナイトメアのコクピットハッチが開き中から二人の女性が姿を現した


アーニャ「・・・終わり?」

ルルーシュ「あぁ、終わりだ。話はついた、ご苦労だったな」

C.C「全く、こんな夜中に迷惑な話だ。夜更かしは美容の敵だというのに
ルルーシュ、この貸しはでかいぞ?」

キョン「パイロットは女だったのか(しかも両方可愛い!)」

古泉「元ナイト・オブ・シックス、アーニャ・アールストレイム・・・どうやら本物のようですね」

キョン「元ラウンズが護衛かよ、どうなってんだあいつのコネクションは?」

古泉「こちらの御二人はあなたの協力者ですか?」

ルルーシュ「そうだ。アーニャの事は知ってるみたいだな、いい機会だからもう一人の方も
紹介しておいてやる。あいつはC.C、俺の前にコードを所持していた者だ」

古泉「つまりあなたにギアスを与えた人物ですね」

ルルーシュ「あぁ、今はコードもギアスも持たないただの人間だがな」

C.C「フン、ただの人間でいられる事の喜びはお前達には分かるまい」

アーニャ「・・・・・・」ジー

みくる「あ、あのぉ・・・私の顔に何かついてますかぁ?」

アーニャ「・・・・・・」ジー

みくる「・・・・あのぉ」

アーニャ「・・・・・・」ジー

みくる「ひぃぃぃ、キョンくーん!」ガバッ

キョン「だ、大丈夫ですか朝比奈さん!おい、あんたさっきから何で
朝比奈さんを凝視してるんだ?怖がってるじゃないか!」

アーニャ「・・・・なんか、声が似てるから」


長門「・・・・・・」

C.C「確かお前が宇宙人だったな、ずっとモニターで見ていたが
お前さっきから顔色一つ変えんな・・・・不感症か何かか?」

ツンツン

C.Cは指で長門の脇腹を突き始めた

ツンツン  ツンツン  ツンツン

長門「・・・・・・・」

ルルーシュ「おい、止めろC.C!!そいつに関しては何をしでかすか分からん!
あまり刺激するな!」

C.C「他人に止めろと言われると止めたくなくなるのは何でだろうなルルーシュ」

ツンツン   ツンツン   ツンツン

ルルーシュ「止めろと言っているだろ!?相手は宇宙人だぞ!?」

ツンツン   ツンツン   ツンツン

長門「・・・・・・・・・止めて、くすぐったい」

C.C「お?ようやく反応したか!もしかして怒ってるのか?」

長門「・・・・・」

C.C「何だ、ちゃんと感情があるんじゃないか。だったら能面ぶってないで
もっと表情に出したらどうだ?その方が人生楽しいぞ」

長門「・・・・・」

古泉「では僕はこの辺で失礼させていただきます。今夜は有意義な会談が出来て
本当に良かったです。これからよろしくお願いします」

ルルーシュ「こちらこそよろしく頼む」

古泉「では、失礼します」

古泉はその場を去った

キョン「じゃあ俺達も帰りましょうか朝比奈さん」

朝比奈「はい・・・・」

ルルーシュ「先輩は俺が送りますよ、この時間帯に年頃の女性の一人歩きは危険ですからね」

キョン「なに?・・・・お前よからぬ事を考えてるんじゃないだろうな?」

ルルーシュ「フン、お前じゃあるまいし」

キョン「何だと!?」

朝比奈「だ、大丈夫です!私一人でも・・・」

アーニャ「駄目、危ないから私がモルドレッドで送っていく」

朝比奈「へ?へ?モルドレッドでってどういう意味で・・・キャー!!!」

アーニャは無理矢理朝比奈さんを担ぎモルドレッドのコックピットに乗せ
機体を発進させた

バシューッ

キョン「・・・・なんて強引な奴だ。ハルヒ級だな」

ルルーシュ「長門有希、一応聞くがお前は夜道大丈夫なのか?心配なら送っていくが?」

長門「大丈夫」

ルルーシュ「そうか、気をつけろよ」

長門「・・・・」コクッ


長門はその場を去った


キョン「はぁ・・・じゃ、俺も帰るか」

ルルーシュ「送っていこうか?」

キョン「気持ちの悪い事を言うな」

ルルーシュ「はは、冗談だ」

キョン「しかし不思議だ・・・6年前にテレビで見てたあの皇帝ルルーシュと
今こうして話しをてると思うと」

ルルーシュ「人生というのはいつ何が起こるか分からない、良い勉強になっただろう?」

キョン「生憎だが、その手の勉強は高校入学以来何度も復習してる」

ルルーシュ「涼宮ハルヒのお陰でか?」

キョン「あぁ、あいつと出会ってから俺の平穏な日常は激変しちまった」

ルルーシュ「人によっては羨ましがるだろうな、今のお前の立ち位置は」

キョン「そんな物好きがいるとは思えんな」

ルルーシュ「お前はいろんな意味でかなり恵まれたポジションにいると思うよ
ただの人間でありながら涼宮ハルヒに引き寄せられ、周囲で起こる事件に何度も巻き込まれる
退屈な日常に飽き飽きしている人間にとって今のお前はまさに理想の塊だろうな」

キョン「代われるものなら代わってやりたいね」

ルルーシュ「残念ながらそれは無理だ。これはお前にのみ与えられた特権
お前はきっと特別な存在なんだよキョン。この世界にとって、そして涼宮ハルヒにとってもな」

キョン「・・・・・・」



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------東京租界空港

ジノ「いやー、かなり待たせちゃったね!ごめんごめん、税関でトラブっちゃってさ!」

カレン「遅すぎ!!ていうかあんた今度は何持ち込もうとしたのよ?」

ジノ「オーストラリアで見つけた珍獣の角なんだけど、駄目だってさ。
カレンにプレゼントしようと思ったんだけどなぁ」

カレン「・・・いらないわよ、そんなの」

------車内

ジノ「悪いな、迎えに来てもらっただけじゃなく帰りの運転までさせちゃって!」

カレン「別にいいわよ、アンタの荒い運転だと落ち着いて乗ってられないし」

ジノ「車の運転ってちまちましててどうも好きになれないんだよなぁ
ナイトメアでぶっ飛ばすのに慣れてるせいかなぁ」

カレン「最近もナイトメアに乗ってるの?」

ジノ「いや、終戦以降一回も乗ってないよ」

カレン「じゃあナイトメアは関係ないじゃない、性格の問題ね」

ジノ「痛いところつくなぁ」

カレン「で、今回は何で帰ってきたの?」

ジノ「そりゃ勿論、カレンの顔を見に」

カレン「茶化さないで!!何か理由があるから帰ってきたんでしょ?
知ってるのよ私、ロイドに呼び出されたんでしょ?」

ジノ「何だ、知ってるのか。じゃあロイドさんに直接聞けばよかったじゃないか」

カレン「だっていくら聞いても教えてくれないだもんあのオヤジ!」

ジノ「あの人変わってるからなぁ」

カレン「あいつに何だって言って呼び出されたの?答えないと空港に引き返すわよ」

ジノ「答える、答えるよ・・・・内緒にしとくようにって言われてるんだけどなぁ
まぁ仕方ないか、実はさ」


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-------東京租界ロイドの研究室

ロイド「セシルくん、このおにぎりなんだけど・・・」

セシル「あっ、気付きました!今日は隠し味にはちみつを入れてみたんです!」

ロイド「隠し味?はちみつの味しかしないんだけど・・・全然隠れてないよねこれ」

セシル「お口に合いませんでしたかぁ?今日はジノ君が来る日だから
沢山作ってきたんですが・・・」

ロイド「沢山って、どれくらい?」

セシル「10個以上は作ったと思います」

ロイド「10個・・・(彼に頑張ってもらうしかないね)」

ウィーーン

ロイド「噂をすれば、ようやく来たようだね」

ジノ「こんちはー」

セシル「いらっしゃいジノ君・・・・ってあれ?カレンさんも一緒?」

カレン「こんにちはセシルさん」

セシル「こんにちは、今日って紅蓮のテストの日だっけ?」

カレン「いえ、今日はジノの送迎のついでに寄ってみただけです
そこの人に言いたい事があったんで」

ロイド「ん?それって僕の事?」

カレン「えぇそうですよ!!聞いたわよ、アンタがジノを呼び出した理由!!」

ロイド「困るなぁ、内緒にしてっていったのに」

ジノ「いや~、すいません。ていうかカレン、お前まだナイトメアに乗ってるのか?
紅蓮のテストがどうとか言ってたけど」

セシル「カレンさんには大学の授業の合間を縫って私たちのナイトメア開発に
協力してもらってるの!」

ロイド「ウフフ~、彼女程優秀なデバイサーはなかなかいないからね!
本当いつも助かってるよ」

カレン「おだてて誤魔化そうったってそうはいかないわよ!ジノを呼び出した理由
何で私に黙ってたの!?」

ロイド「そうしろって言われたからだよ、コーネリア元殿下にね」

カレン「コーネリアに?」

ロイド「そう。実はジノ君を呼び出すようにと連絡してきたのはあの人なんだけどね
その時僕が、じゃあカレン君にも手伝ってもらった方がいいんじゃないですかって言ったら
平和な生活を取り戻した普通の大学生を元の世界に連れ戻すような事は
しちゃいけないって怒られちゃってさ。あの人もだいぶ変わったよねぇ」

カレン「あいつがそんな事を・・・」

ジノ「ていうか、俺も今は普通の一般市民なんだけど・・・・俺は元の世界に戻ってもいいんだ・・・」

ロイド「コーネリア元殿下曰く、仕事もしないで世界中歩き回ってるような放浪者は
例外だそうだよ」

ジノ「失礼だなぁ、旅先で必要に応じてちゃんとしてますよ!仕事」

カレン「コーネリアが変な気を回してくれたのはありがたいけど、結局私も知っちゃったんだから
詳しい事を説明してもらうわよ!」

ジノ「そうそう、詳しい事を教えてよ。ざっくりとした情報しか受けてないんだから
来月の終戦記念式典に反超合衆国の連中がテロを仕掛けようとしてるんだろ?」

ロイド「そうだよ。ま、詳しい事はセシルくんお願い」

セシル「来月行われる終戦記念式典の場で、反超合衆国の過激派で知られる組織が
テロを行い、ゼロ及び式典に参列する各国の代表を抹殺するとの情報が入ったの」

ジノ「何処の組織だいそれ?過激派って言っても今そういうのいっぱいあるでしょ?」

セシル「それがそれまで沢山あった組織が最近一つにまとまったらしくて・・・」

ジノ「一つにまとまった?あのイカれた連中が?確か一つ一つ微妙に主義主張とか
異なってなかった?」

ロイド「どうやら優秀な指導者が上に立ったのが原因みたいだよ。詳しい事は分からないけど」

ジノ「へー、またゼロみたいなのが現れたって事か」

カレン「ちょっと、ゼロとそんなのを一緒にしないでちょうだい!!」

セシル「一つ一つは大した勢力ではなかったんだけど、これらが一つにまとまった今
その勢力は黒の騎士団と比較しても遜色のないレベルにまで達してるそうよ
だから最近は超合衆国や黒の騎士団の中でもこのテログループへの対策案ばかりが
議論されてるの」

ジノ「そこへ来て式典でテロをするって情報が流れてきたわけか」

セシル「えぇ、だからあなたを呼んだのよジノ君。あなたには当日ナイトメアに乗って
式典会場周辺の警備を行ってもらいます」

ジノ「それは別にいいんだけどさ、何も俺がいなくたって今の黒の騎士団にも
沢山優秀なパイロットがいるんだろ?何でわざわざ俺を呼んだんだい?」

ロイド「当日黒の騎士団のナイトメアや戦闘機は日本には来ないよ」

カレン「は?何でよ?」

ロイド「終戦記念式典は平和への祈りを込めたものらしくてね、大掛かりな軍隊の出入りは
一切禁じられてるんだよ。だから当日会場を警備しているのは日本の警察と自衛隊のみ」

カレン「はぁ?何よそれ?事前にテロの情報が入ってるんでしょ?」

ロイド「例外はないそうだよ。ちなみにこの決定を下したのは今の超合衆国代表ね
まぁ仕方ないよ、テロを警戒して黒の騎士団の軍隊を総動員しちゃったら
式典のムードぶち壊しだからね」

カレン「だからって・・・警察と自衛隊だけだなんて」

セシル「だから私たちは警察と自衛隊の他に、少数精鋭による別の部隊を組織するようにと
扇首相から要請を受けたの」

カレン「扇さんから!?」

セシル「えぇ。その組織のリーダーがコーネリア元殿下で、最初にジノ君に
白羽の矢が立ったって事なの」

ジノ「なるほど・・・・ハハ、ちょっと面白くなってきたな」

カレン「何処がよ馬鹿!!セシルさん、その部隊に私も参加させてください!!
ただ見ているだけなんてできない!」

セシル「どうしますかロイドさん・・・?」

ロイド「ん?いいんじゃないの?新型紅蓮の実戦データがとれるかもしれないし
個人的にはカレン君にも今回の部隊には参加してほしかったんだ」

ジノ「新型紅蓮?」

ロイド「んふふ~、そうだよ!僕とセシル君の血と汗と涙の結晶
かつて君が乗ってたトリスタンを10とするなら、新型紅連は100を超えるスペックだ」

ジノ「凄いなそれ!俺に乗せてくださいよ!?」

ロイド「残念だけど、あの機体の性能をフルに生かせるのはカレン君だけだと思うよ
操縦時における彼女独特の癖なんかを考慮して作ってあるからね
まぁ安心しなよ、ちゃんと君の実力に見合った機体をコーネリア元殿下が
用意してくれてるみたいだからさ」

セシル「ではカレンさんの件は私がコーネリア元殿下に伝えておきますね
カレンさんたっての希望とあらば承知してくださるでしょうし」

カレン「よろしくお願いします」

ジノ「少数精鋭って言ってたけど、最終的に何人くらい集める予定なんだい?」

セシル「現状はジノ君とカレンさんを合わせて5人です。コーネリア元殿下の騎士を務めていた
ギルフォード卿、藤堂鏡士郎に玉城真一郎」

カレン「えっ?・・・・・・玉城?」

セシル「はい、元黒の騎士団で凄腕のパイロットだと伺ってますけど?」

カレン「誰がそんなデマ流したのかしら・・・」

ジノ「何だ、それだけいればテロリストなんて怖くないって!ていうか、俺とカレンがいる時点で
他の戦力とか全く恐れる必要ないですよ」

カレン「何処から出てくるのよその自信、もう5年以上もナイトメアに乗ってないくせに」

ジノ「ハハ、そのくらいハンデだよハンデ」

セシル「実はアーニャ・アールストレイム卿やジェレミア卿にも声をかけようとしているんだけど
連絡しようにも居所が全くつかめなくて・・・・」

ジノ「アーニャか、懐かしいなぁ・・・今何してんだろあいつ?」

カレン「ジェレミアが戦後姿を隠すのは分かるんだけど、何でシュナイゼル側で戦ってた
アーニャって人まで行方不明になったのかしら?」

ロイド「まぁいろいろと理由があるんでしょ、連絡がつかないなら仕方ないよ」

ウィーーン

ニーナ「ロ、ロイドさん大変です!!」

カレン「あらニーナ、久しぶりね」

ニーナ「あっ、カレン久しぶり!って、それどころじゃないんです!」

ロイド「どうしたの珍しく慌てちゃって?」

ニーナ「テレビつけてください!」

ロイド「テレビ?セシル君」

セシル「はい」ピッ


ザーーーーーーーーッ

セシルはテレビをつけるがどのチャンネルも砂嵐が映っているだけで
まともな映像を映し出しているところは一個もなかった


ザーーーーーーーーッ  ンキセヨ・・・

セシル「変ですねぇ・・・・アンテナの故障でしょうか?」

ロイド「アンテナの故障?面倒だなぁ」

カレン「ねぇ、何か聞こえない?」

ジノ「何が?」

カレン「ほら、砂嵐のザーッって音に紛れて何か聞こえる」

ジノ「どれどれ」

ザーーーーーーーッ   ブソウ・・・ホウキセヨ

ジノ「本当だ、何て言ってるんだこれ?」

セシル「確かに何か聞こえますね」

ニーナ「武装蜂起せよ、つまり戦えと言っているんです」

ジノ「誰が?誰に?」

ニーナ「それは分かりません」

カレン「ねぇニーナ、何なのこれ?」

ニーナ「分からないけど、何処のチャンネルももう20分以上この状態が続いてて
よく聞いてみたら武装蜂起なんて言葉が出てるし、もしかしたらテログループのメッセージ
なんじゃないかと思って急いでここまで来たの!」

ロイド「もしかしたらっていうか、間違いなくそうだろうねぇ。それにしてもここまで
大規模な電波ジャックはゼロが起こした時以来だね」


ザーーーーーーーッ   ブソウ・・・ホウキセヨ


ジノ「何がしたいんだろうねぇこいつら、ずっとこのままってわけじゃないだろうけど」

カレン「どういう事?」

ジノ「わざわざここまで大掛かりな電波ジャックを仕掛けたんだ、こんなか細い声で
武装蜂起なんちゃらだけで終わらせるなんて到底思えない。たぶんその内明確な
声明を出すんじゃないかな?」

ロイド「僕もそう思う、暫くこの画面と睨めっこだね」


すると突然画面が切り替わり、テロリストのリーダーらしき人物が姿を現した
見慣れた仮面に見慣れた服装、誰もが分かる人物。それは英雄ゼロだった

 ゼロ『私は、ゼロ!!!』


カレン「えっ!!?」

ジノ「なーんでここでゼロが出てくるんだぁ?」


 ゼロ『ゼロと言っても、超合衆国の相談役である諸君等がよく知っているあのゼロではない
     私はこの間違った世界を正す為に現れた新たなゼロである』


カレン「新たな・・・ゼロ?」


 ゼロ『6年前、愚かな戦争は終結し世界は新たな道に向かって進み始めた
     新たな道、それは武力ではなく話し合いという選択でもって世界を
     変えていこうというものであり、長らく続いた戦争に疲弊しきっていた
     各国の人々は歓喜の声をあげた。そして我々は超合衆国の掲げる
     [優しい世界]へと歩みを進めたのである。しかしどうだろう
     今現在のこの世界は果たしてかつて歩を進めた先の世界なのだろうか?
     断言しよう、それは断じて違う!!』


ジノ「力入ってるねぇ~、どう違うのか言ってごらん」

カレン「ちょっとジノ黙ってて!!聞こえないでしょ!」 

  ゼロ『平和、平等など名ばかりで、実際は今も各地で戦争や差別、格差が広がっている
     当初超合衆国は経済的に苦しい国を支援すると明言していたが、今ではその予算は
     黒の騎士団の軍事機密費として計上されている。結果貧しい国はより貧しくなり
     平和維持軍であるはずの黒の騎士団の軍事力ばかり肥大しているのが現状だ
     これがかつて我々が目指した[優しい世界]だと言えるだろうか?』


ジノ「今の話は本当なんですか?」

セシル「さぁ・・・でもここ数年貧しい国への支援が行われていないってのは事実よ」

ロイド「黒の騎士団の軍事力が格段に上がってる件も事実。その証拠に、僕等への研究費も
当初の倍以上にまで上がってるからね」

ジノ「ロイドさん達って今黒の騎士団に依頼を受けてナイトメアの開発してるんですか?」

ロイド「そうだよ」

ジノ「じゃーあのゼロの言う事が本当だとすると、ここの研究開発費の殆どが
貧しい国へ支援として行くはずの金だったってことか」

セシル「・・・・・・・・・・」

ロイド「一応言っておくけど、僕もセシル君もそんな事実は知らなかったんだからね」

ジノ「ハハ、分かってますよ」

カレン「ここの給料貰ってなくて良かったわ。何考えてるのよ超合衆国の連中は!」

 ゼロ『更に黒の騎士団は超合衆国でその製造自体を禁止されているはずの
     フレイヤを密かに所有している!これは重大は裏切り行為である
     強大な軍事力を武器に政策に異を唱える国に対して圧力をかけ屈服させる
     これではかつてのブリタニアと何ら変わらない!ブリタニアという名前が
     超合衆国と名を変えただけで、この世界は何も変わっていない!!』


カレン「・・・・・」


 ゼロ『にも関わらず、ゼロを始め、超合衆国の代表も
     これらを正すどころかただ静観を決め込んでいる!
     確かに彼らはかつて皇帝ルルーシュから世界を救った英雄である
     しかし、だからと言ってこの愚行を見逃すわけにはいかない!!
     超合衆国が黒の騎士団を御せないのであれば、私がそれをしよう!
     人々を恐怖で縛る軍事力など、私が全て破壊してやる!!』


ロイド「過激な事言うねぇ」


 ゼロ『まず手始めに、愚かなるラムサス卿にたった今天誅を下した!!』


画面が切り替わり、炎の海と化した黒の騎士団中央軍事基地の映像が映し出される


 ゼロ『彼は黒の騎士団総司令という立場にありながら、中東でいつくも
     無意味な虐殺行為を部下に指示していた。罰を受けて当然の人間だ・・・』

再び画面がゼロに切り替わる


 ゼロ『これはこれから始まる粛清のほんの序章に過ぎない!
     この世界を正す為なら私は如何なる手段も選ばない
     かつての英雄ゼロも、私の邪魔をするなら容赦はしない!
     世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!!』


映像が切れ元の画面に戻った



ロイド「凄い事になっちゃったね。黒の騎士団のフレイヤ所持を暴露された上に
黒の騎士団の中で最も大きい軍事基地が炎上、そして犯行声明。これは荒れるよ」

セシル「何よりゼロの仮面を被っているというのがちょっとあれですね・・・」

ロイド「テロリストに限らず、今のゼロに対して不満を持つ人は少なくないからね
こんな形で新たなゼロが出てくると、そういう人達はそっちになびくかも」

カレン「黒の騎士団がフレイヤを所持してるっていうのは本当のことなんですか?」

ロイド「前からそれらしい噂が絶えなかったからねぇ、たぶん本当でしょ」

カレン「なに考えてるのよ・・・・黒の騎士団は弱い者の味方だったのに・・・
どうしてこんな事になっちゃったの・・・」

ロイド「さっきゼロが殺したって言ってたラムサスってEU出身の軍人なんだけどね
彼が総司令になった辺りから段々おかしくなってきたんだよ」

カレン「許せないわ・・・ゼロの作った黒の騎士団を滅茶苦茶にするなんて!」

ジノ「でもそのゼロも今では腑抜けと化してるんだろ?自業自得なんじゃないか?」

カレン「それは・・・(そりゃそうよ、今のゼロはスザクであってルルーシュじゃないんだから・・・)」

ジノ「こっちは当然として向こうにもちゃんと戦う理由がある、こういう状況下での
戦闘は本当に楽しいんだよなぁ。式典が楽しみになってきた!!」

カレン「言っておくけど遊びじゃないのよ?こっちはゼロやナナリーを守らないといけないんだから!
足手まといになるくらいなら今のうちから辞退しなさい」

ジノ「あんまり元ラウンズを舐めるなよ?ロイドさん、シュミレーター使えますか?」

ロイド「んふふ~、そう言うと思って準備してあるよぉ」

ジノ「一ヶ月で全盛期の状態に戻してやる!」

カレン「(またこんな事になるなんて・・・ルルーシュ、私達はどうすればいいの?)」

--------ブリタニア政庁(本国)

 ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』



ギルフォード「大変な事になりましたね・・・」

ゼロ「新たなるゼロか・・・」

ナナリー「あの、先ほど言っていた事は事実なのでしょうか?フレイヤ所持の件や
予算計上の件」

ギルフォード「予算の件は事実だと思います。フレイヤの件は・・・何とも言えませんが
事実だとしたら確かに大問題です」

ゼロ「しかしテロリストはどうやってあの基地を落としたんだ?黒の騎士団の中で
最も大きなの軍事基地だというのに」

シュナイゼル「いずれにしろ、彼らが行動を起こした以上我々も何かしら手を打たねばなりません
黒の騎士団への攻撃は超合衆国への立派な反逆行為です」

ナナリー「でも、武力に対して武力で向かっていったら戦争になってしまいます!
それだけは何としても避けないと・・・」

シュナイゼ「これはもう戦争です。甘い事を言っていると取り返しのつかない事になりかねません
ゼロ様、いかがなさいますか?」

ゼロ「・・・・・超合衆国で話し合って対処を決めるしかないだろう。私はこれから本部へと向かう
シュナイゼル、お前もついてこい」

シュナイゼル「はっ!」

ナナリー「ゼロ・・・・気をつけてください」

ゼロ「・・・・分かった」


ゼロとシュナイゼルが部屋を出て行った


ギルフォード「これで式典当日の襲撃はほぼ間違いなく行われるでしょうね」

ナナリー「どうしてこんな事に・・・」

ギルフォード「御安心を、私と姫様がついております!今各地から同士を募っている所です!」

ナナリー「ありがとうございます。私は今も昔も守られてばかりですね・・・」

ギルフォード「ナナリー様・・・」

ナナリー「(お兄様、今の私に何ができるでしょうか・・・)」

--------ルルーシュのマンション

 ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』


ルルーシュ「何なんだこれは・・・」

C.C「いつぞやのお前も端から見たらこんな感じだったのだろうな」

ルルーシュ「テロリストがゼロの名を騙ったのは恐らく本物のゼロ、つまりスザクへの挑発だろう」

C.C「ゼロに本物も偽者もないんじゃなかったのか?」

ルルーシュ「それはそうだが、異なる二つの勢力にそれぞれゼロがいる以上
後から出てきたほうを偽者とでも表現しなければややこしくなるだろ」

C.C「さっきその偽ゼロが言ってた事が全て事実だとするならば
私はテログループの方を支持するぞ。奴の言うとおり、かつてのブリタニアと変わらん」

ルルーシュ「連中が行動を起こす理由は十分理解できる。かつての俺や黒の騎士団が
そうだったように、彼らも強い信念の下に行動を起こしているのだろうからな
だが超合衆国側にはナナリーや、昔の仲間が沢山いる」

C.C「ではお前は合衆国側につくのか?」

ルルーシュ「どちらにつくも何も、俺はとっくにいないはずの人間だ
これからの事はスザクとナナリーに任せるしかない」

C.C「やれやれ、無責任な奴だ」

ルルーシュ「何だと!?」

C.C「今回の件はお前にも多少なりと責任があるはずだ。お前の見立て
考えが甘かったからこそ、6年やそこらでこんな事になったのだからな」

ルルーシュ「ゼロレクイエムが失敗だったとでも言いたいのか?」

C.C「あの策のお陰で一時的にでも世界から戦争が無くなったんだ、失敗ではないだろう
問題はその後だ、超合衆国や黒の騎士団が世界を牽引するようになってからの事
お前はその辺の事を考えられなかった、だからこんな事態が起こってる。違うか?」

ルルーシュ「数年も先のことまで予測した作戦など立てれるはずがないだろ!」

C.C「それを無責任だと言ってるんだよルルーシュ。ゼロレクイエムで一時的に
戦争を無くしたらお役御免でその後の事は他の者に丸投げ。丸投げされた者達
特にゼロの仮面を被っている枢木への負担はかなりのものだ」

ルルーシュ「・・・・」

C.C「あいつは武には優れているが政治に関しては素人、お前の代わりなど務まるはずがない
結果、ゼロは人々の要求に応えられず次第に支持を失っていき、超合衆国と黒の騎士団内での
求心力も低下、そんな中偽ゼロが登場し堂々と宣戦布告。今のあいつの心に余裕は
殆どないだろうな」

ルルーシュ「スザクの事を悪く言うな、あいつはよくやっている・・・ただ、人々が求めすぎているんだ
英雄ゼロ、奇跡のゼロ、何か問題があるとすぐにゼロを頼り、答えを求める
自分で考えるよりもその方が楽だからな、自らが責任を負う心配もない」

C.C「そうなる事は6年前からでもある程度予想出来たはずだ。枢木は勿論ナナリーも
相当悩んでいるだろうな。ルルーシュ、それでもお前は静観を決め込むつもりか?」

ルルーシュ「・・・・」

C.C「ルルーシュ・ヴィ・ヴリタニアは確かに6年前に死んだ。しかし、今のお前は
ルルーシュ・ランペルージなのだろう?妹と友人が苦しんでいるんだ、助けてやればいいだろ
あの二人を助けられるのは恐らくお前だけだ」

ルルーシュ「・・・・・・・C.C」

C.C「なんだ?」

ルルーシュ「お前はたまに、本当にたまにだが正しい事を俺に教えてくれる」

C.C「何だそのたまにというのは?私は常に正し事しか言わんぞ」

ルルーシュ「お前の言うとおり、確かに俺は無責任だったのかもしれない
だから今回の問題を全て解決し、6年前のゼロレクエイムを完璧なものにしてやる!
そうすればナナリーやスザクへの負担も軽くなるだろう」

C.C「ふぅ、ようやくその気になったか」

ピッ

TRRRRRRR

ルルーシュ「ジェレミアか、俺だ」

ジェレミア「陛下、先ほどの映像」

ルルーシュ「その件でお前に至急調べてもらいたい事がある!頼めるか?」

ジェレミア「勿論です!何なりとお申し付けください!」

ルルーシュ「いいか、まず・・・」



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------一昨日の昼休み(文芸部室)

ガチャッ

キョン「うーっす」

古泉「お待ちしていましたよ」

キョン「あれ?ハルヒは?」

古泉「まだ来ていませんが」

キョン「急に昼休みに部室集合だって言うから、俺は昼飯も満足に食わず
急いで部室まで来たってのに、当の本人はまだ来てないのかよ・・・」

ルルーシュ「まだ来てないならここで昼食の続きをとればいいだろ」

キョン「そうさせてもらう」

みくる「キョンくんお茶飲みますかぁ?」

キョン「あ、お願いします!」

みくる「ルルーシュくんは?」

ルルーシュ「いえ、俺は結構です」

古泉「ルルーシュさん、ちょっとよろしいでしょうか?」

ルルーシュ「一昨日の件だろ?」

古泉「えぇ、あなたに聞きたい事、確認したい事があるのですが」

ルルーシュ「その件は後で話す。今夜俺のマンションに来い。時間はいつでもいい」

ルルーシュは自分の住所が記されている紙を古泉達に配った

みくる「え?私達も行くんですかぁ?」

ルルーシュ「お願いします、今後の事を話し合う必要がありますので」

キョン「今後の事?」

ルルーシュ「一昨日のテロリストの・・・・新たなゼロのメッセージは間違いなく涼宮も見ているだろう
あんなものを見てあの女が大人しくしているはずがない。恐らく何か企んでいるはずだ
いちいち昼休みに俺達を呼び出したのもそれが原因だろう」

キョン「それは分かるが、それと今後の事とどう関係があるんだ?」

ルルーシュ「それは直に分かる、取り敢えず今日の夜、必ず俺の家まで来てくれ」

古泉「分かりました」

ガチャッ

ハルヒ「やっほーーーーー!!!みんな待ったー?」

キョン「待ちくたびれたさ・・・・で、何でいちいち昼休みに集合をかけたんだ?」

ハルヒ「何でって、そんなの決まってるじゃない!!アンタ一昨日のテロリストの放送
見てなかったの?」

キョン「やっぱりその件か・・・」

ハルヒ「新たなゼロが出てきて超合衆国や黒の騎士団に喧嘩売ったのよ!?
こんな面白い事ないわ!!私はこういうのを待ってたのよ!!」

キョン「こういうのって、下手したら戦争になるかもしれないんだぞ?」

ルルーシュ「下手をしなくても、新ゼロは既に黒の騎士団の軍事基地を攻撃してる
もうとっくに戦争だ」

ハルヒ「昨日の発言から察するに、新ゼロは超合衆国と黒の騎士団を消滅させるつもりね!
そんでもって旧ゼロを殺そうとするに決まってるわ!」

キョン「あのなぁ、だから何だってんだ?そんな国際規模の話、一高校生の俺達じゃ
どう引っくり返っても関わりあえるもんじゃないぞ?」

ハルヒ「うるさいわね、話は最後まで聞きなさい!それでね、新ゼロの立場で考えてみたの
一気に超合衆国や旧ゼロを攻略する方法はないかってね!」

ルルーシュ「・・・それで?」

ハルヒ「一ヵ月後の終戦記念式典よ終戦記念式典!超合衆国の関係者は勿論各国の要人
旧ゼロが一堂に会するこの舞台を、新ゼロが見逃すはずがないわ!!」

ルルーシュ「(やはりそういう考えに至ったか・・・馬鹿なのか賢いのか分からん奴だな)」

キョン「終戦記念式典にテロを仕掛ける可能性があるって言いたいのか?」

ハルヒ「可能性っていうかこれはもうほぼ確定事項と言ってもいいくらいだわ!
この式典の警備って警察と自衛隊だけしか参加しないみたいだし
新ゼロにとってこれは千載一遇のチャンスと言っていいわ!」

キョン「テロリストが宣戦布告した上に攻撃までしてきた後だぞ?いくらなんでも
黒の騎士団が厳重に警備するだろ」

ルルーシュ「いや、涼宮の言うとおり警察と自衛隊だけで済ますようだぞ
警備しようにも黒の騎士団は中央軍事基地が奇襲を受けたばかりで
それどころではないだろう」

ハルヒ「新ゼロが最初に黒の騎士団の軍事基地を攻撃したのは、式典でのテロの成功率を
上げる為のものだったって事よ!」

キョン「本当に新ゼロが式典でテロを仕掛けるってんなら、俺達の予定も変えないとな」

ハルヒ「何でよ?」

キョン「何でって、わざわざ戦場になるかもしれない所に好き好んで出向くアホが何処にいる
巻き込まれでもしたら死んじまうじゃねーか!」

ハルヒ「こんな面白そうな事から逃げようって言うの!?ありえないわ!!駄目よ!
もう決めたの、SOS団はこの戦いに参戦するわよ!!」

みくる「ひぇぇ・・・・」

キョン「・・・・・お前は自分が何を言っているのか分かってるのか?」

ハルヒ「勿論よ!ただ現実的に考えて、私たちがナイトメアや戦闘機を所持してる
テロリストに戦って勝てるわけがないわ!だから別の戦い方をするの!」

古泉「別の戦い方?」

ハルヒ「そっ!私達SOS団は、ナナリー・ヴィ・ブリタニアをテロリストから守るわよ!!」

ルルーシュ「!!?」

キョン「・・・・は?」

ルルーシュ「・・・・・なんでナナリー首相なんだ?お前なら旧ゼロを守ろうと言うと思っていたが」

ハルヒ「旧ゼロなんて私たちが守らなくたって自分の身くらい自分で守れるでしょ!
でもナナリーは足が不自由で車椅子なしには自分で移動する事も出来ないのよ?
私たちが守ってあげるしかないじゃない!」

キョン「ちょっと待て、ナナリー首相は文字通り国の代表だ。俺達が心配しなくても
周りにボディーガートやら大勢の取り巻きがいるだろ」

古泉「いえ、この式典に参加するブリタニア人、ブリタニア関係者は彼女一人だけです」

キョン「そうなのか?何で?」

古泉「ブリタニアはかつての戦争のいわばA級戦犯です。超合衆国の中にはブリタニアの
終戦記念式典への参加を拒む方々も大勢いたのでしょう、今回のナナリー首相の出席は
『一人だけならば』という条件付きで許可されたもののようです」

ハルヒ「流石古泉君よく調べてるわね!!つまり会場がパニックになった時
ナナリーを助けようとする人は皆無なわけ!だから私たちがやるのよ!」

キョン「お前はアンチブリタニアじゃなかったのか?」

ハルヒ「それとこれとは話は別よ!だいたい今になってもまだ昔の事を引きずってる連中は
頭がおかしいとしか思えないわ!そんなんだからいつまで経っても平和にならないのよ!」

ルルーシュ「しかし助けると言っても具体的にどうするつもりだ?」

ハルヒ「テロリストが攻撃を仕掛けてきたら会場がパニックになるでしょ?
そしたら一般人も関係者もないんだから、それに乗じてナナリーの所まで行って
無理矢理車椅子引っ張って安全なところまで移動すればいいじゃない」

ルルーシュ「かなり強引だな・・・見方によっては俺達もテロリストの仲間に見えてしまう恐れがあるぞ?」

ハルヒ「大丈夫よ、当日も私ちゃんと腕章つけていくから!!」

キョン「腕章ってお前・・・・まさかそのSOS団と書かれた腕章じゃないだろうな?」

ハルヒ「そうよ!」

キョン「(んなもんつけてるからって誰が『あぁ、そうか』と納得するんだ・・・)」

ルルーシュ「まぁ・・・当日どう動くかに関しては議論の余地がありそうだな」

キョン「議論の余地って、お前やる気なのか?」

ルルーシュ「面白そうじゃないか。それに、他に守ってくれそうな人がいない以上
俺達がやらなければナナリー首相の身は確かに危険だ」

キョン「(そうか、こいつはルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。つまりナナリー首相は実の妹・・・)」

ハルヒ「よくぞ言ったわルルーシュ!!SOS団は常に弱いものの味方なの!!
キョン、あんたもいいわね!?誰か一人が欠けてもこの作戦は成功しないの!!
一人だけ抜けるなんて勝手許されないわ!」

キョン「はぁ・・・・分かったよ」

古泉「フフ、面白くなってきましたね」

キョン「何処がだ!」

みくる「あ、あのぉ・・・本当にやるんですかぁ?私怖いですぅ」

ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!私がついている以上なんの心配もないわ!!
大船に乗った気持ちでいなさい!!」

みくる「は・・・・はぅ・・・」

---------その日の夜

ピンポーーン

C.C「開いてるぞ」

ウィーーーン

キョン「お邪魔します・・・ってあれ?ルルーシュは?」

C.C「ん?出迎えが私では不満か?」

キョン「いえ、そんな事は(寧ろ大歓迎です)」

C.C「他の連中ももう来てる、早く上がれ。そこにあるスリッパを使え」

キョン「あぁ、はい」

ウィーーーン

C.C「来たぞ」

ルルーシュ「今日は遅刻しなかったようだなキョン」

キョン「そう何回も遅刻できるかよ」

ルルーシュ「適当にかけてくれ、さっそく始めよう」

キョン「始めるって何を?」

ルルーシュ「夕方に言っただろ、今後の事について話し合う必要があると
始めるのは話し合いだ」

キョン「あぁ、終戦記念式典の件か・・・直に分かるってお前の言葉、その通りだったな」

ルルーシュ「涼宮なら必ずああ言うと思っていたからな。ただ、護衛の対象が旧ゼロでなく
ナナリーだったのは予想外だったが・・・」

古泉「ルルーシュさん、まずこちらの問いに答えてもらってもよろしいでしょうか?」

ルルーシュ「何だ?」

古泉「一昨日の放送でカメラの前に姿を見せた、いわゆる新ゼロは
あなたとは全く無関係の人物なのでしょうか?」

ルルーシュ「あぁ。・・・フン、やはり機関はあれが俺である可能性を疑っているのか」

古泉「僕はそうは思ってませんでしたが、一部ではそういった考えの方もいるようです」

ルルーシュ「新ゼロの正体が分からない以上、俺がそうでないと完全に証明する事はできないが
断言しておく、あのゼロと俺は全く関係ない」

古泉「その言葉だけで十分です」

ルルーシュ「この二日間、俺は部下に命じあの放送を行っていたテロリストに関する
情報と、中央軍事基地襲撃に関する詳細なデータを集めていた。その結果
気になる情報が上がってきたのでそれを発表する」

古泉「気になる情報ですか?」

ルルーシュ「まず中央軍事基地襲撃の件だが、あそこは黒の騎士団の数多くある基地の中で
最も大きな軍事基地だ。テロリストの軍事力が上がったとは言え、正攻法で攻略できるほど
甘いものではない。ではどうやって落としたのか?生存者の話によると、攻撃を受ける
数十分前、基地内部では軍人同士が殺し合いをしていたようだ」

キョン「殺し合い?」

古泉「どういうことです?」

ルルーシュ「あの軍事基地は17時になると時間を知らせる音楽のようなものが流れるらしく
証言によるとその音楽が流れ始めた瞬間、一部の隊員が急に人が変わったかかのように
味方を襲い始めたそうだ。我を失ったかのように銃を乱射する為、自衛の為に他の隊員も応戦
ものの数分で基地内で銃撃戦が始まったわけだ」

キョン「何でそんな事に・・・・」

ルルーシュ「そして暫くしてテロリストのナイトメア部隊が基地上空から一斉空爆
しかし基地内部では味方同士で銃撃戦をしていた為、外から来た敵勢力に気付けないまま
或いは気付いた所で何も出来ないままに攻撃を受け、敷地内にいた隊員はほぼ全滅
格納してあったナイトメアや戦闘機、戦車も全て破壊され何も出来ずに敗戦
これがあの基地襲撃事件の真実だ」

古泉「17時の音楽が流れた瞬間に一部の隊員が同僚に向け発砲・・・つまりその者達全員が
テロリスト側の協力員だったという事でしょうか?」

ルルーシュ「協力員は協力員でも、彼らは無理矢理協力させられた者達だ」

古泉「脅されたという事ですか?」

ルルーシュ「違う、ギアスだ」

古泉「ギアス?」

ルルーシュ「そう、これはギアスによって引き起こされた惨劇。新ゼロは間違いなく
ギアス能力者だ。それも過去に俺が所有していたものと同種のギアス」

キョン「確か絶対遵守とかって言ったか?命令には逆らえないってやつだろ?」

ルルーシュ「あぁ、新ゼロはそのギアスを使いこう命じたのだろう『○月×日に17時の音楽が流れたら
仲間を撃ち殺せ』とな」

古泉「しかしおかしいですね、確かギアスを与える事のできる人間はこの世に
あなた一人のはずでしたよね?そう考えると、新ゼロがギアス能力者である場合
契約者はあなたという事になりますが」

ルルーシュ「俺はコードを継承して以降誰とも契約はしていない」

古泉「では何故新ゼロはギアスを扱えるのでしょう?」

ルルーシュ「正直その辺は未ださっぱりだ。しかし、新ゼロがギアス能力者である事は
生存者の証言を聞く限り確定事項といえる」

キョン「冗談じゃないぜおい・・・そんな反則的な技を使うような奴が攻撃を仕掛けるであろう所に
俺たちは来月行こうとしてるってのか?」

ルルーシュ「今更やる気になっている涼宮を止める事は不可能だろう。
だからこそ敵の情報を知っている俺たちで事前にある程度策を立てておく必要があるんだ
下手をすれば涼宮は勿論、俺たちもみな死んでしまう恐れがあるからな。まぁ俺は不老不死だが」

キョン「策を立てるったってよ、そんな無茶苦茶な奴とどう戦うってんだ?
基地襲撃の時みたいに、会場にいる一般客にギアスをかけられでもしたら
それだけでアウトだぞ?」

ルルーシュ「相手のギアスの件は心配ない。こちらにはギアスを無力化する
事のできる能力者がいる」

古泉「そのような能力がある事は初耳ですね」

ルルーシュ「ギアスキャンセラーという能力でな、相手のギアスを
全て無力化することができる。式典前にこれを使って会場に集まった人全員の
除洗をしておけば、相手のギアスの脅威はなくなるだろう」

古泉「その能力者の方は我々に紹介していただけるのでしょうか?」

ルルーシュ「別に構わんぞ。ジェレミア、入れ!」

キョン「ジェレミア?どっかで聞いた事のある名前だな・・・」

ウィーーーン

ジェレミア「始めまして、陛下の御学友のみなさん。ジェレミア・ゴッドバルトです」

キョン「そうだ思い出した!!オレンジ事件の人だ!!」

ジェレミア「オレンジ、それは忠義の名」

古泉「戦後は行方不明になっていると聞きましたが、なるほど・・・・あなたとご一緒でしたか」

ルルーシュ「涼宮も言っていたが、式典の警備は警察と自衛隊のみだ
それだけではどうしても心もとない。だからこちらからもナイトメアを出す
ジェレミアはジークフリードで、アーニャはモルドレッド、C.Cはヴィンセントで出てもらう」

C.C「ちょっと待て、私も出るのか?」

ルルーシュ「当たり前だろ、俺をその気にさせたのはお前だぞ?」

C.C「操縦の仕方など殆ど覚えてないぞ?」

ルルーシュ「まだ一ヶ月ある、なんとかしろ」

C.C「全く、勝手な奴だ」

ルルーシュ「しかし、正直これでもまだ足りない。相手が何機のナイトメアを送り込んでくるか
分からんが、恐らく質より量で攻めてくるだろう。パイロットがいなければギアスをかけ
無理矢理にでもナイトメアに乗せ飛ばしてくる。だからこちらはある程度優秀な
ナイトメアとパイロットを揃えておきたい」

古泉「一応何度かナイトメアの騎乗経験はありますが、実戦でお役に立てるレベルでは
ないですね」

キョン「言っておくが、俺も無理だぞ」

ルルーシュ「誰もお前達を乗せようだなんて考えてないさ。長門有希、お前に乗ってもらいたい」

長門「・・・・・・」

キョン「長門!?」

ルルーシュ「お前なら一ヶ月という限られた機間の中でも、ナイトメアの操縦を完璧に
マスターする事も可能じゃないか?」

長門「一ヶ月も必要ない。情報統合思念体からプログラムを送ってもらえれば
今すぐにでも操縦可能」

ルルーシュ「じょうほうとうご・・・何だって?」

キョン「情報統合思念体。長門の親玉だ」

ルルーシュ「ほう・・・・興味深いが今はその事はいいだろう。では長門有希
そのプログラムとやらを送ってもらっておいてくれ。君は当日貴重な戦力になる」

長門「了解した」

ジェレミア「練習せずにナイトメアを動かせるというのか・・・恐ろしいな宇宙人というのは」

ルルーシュ「ナイトメア班はジェレミア、アーニャ、C.C、長門の四人
リーダーはジェレミア、お前に任せる」

ジェレミア「はっ!」

ルルーシュ「キョンと朝比奈さんは涼宮の護衛」

キョン「おい、ハルヒの護衛は俺と朝比奈さんだけかよ!?」

ルルーシュ「安心しろ、ちゃんとサポートする。古泉は長門有希同様
俺達とは別行動をとってもらう」

古泉「具体的にどのような事をするんです?」

ルルーシュ「それは後で指示する、取り敢えず今は当日別で行動する
という事を頭に入れておいてくれ」

みくる「あのぉ・・・私運動神経良くないですし、お役に立てないと思いますけど」

ルルーシュ「大丈夫ですよ、運動神経は関係ありません。涼宮の傍にいて
危険を回避していただければそれでいいんです」

みくる「は、はぁ」

キョン「しかし勝手にいろいろ決めたところで、当日はハルヒの近くにいなきゃならないんだぞ?
別行動とか言ったって、どうやってばらけさせるつもりだ?」

ルルーシュ「古泉は敵が攻撃を仕掛けてきてから動けばいい。涼宮も言っていたが
パニックが起こった後ならどうにでも動けるからな。ただナイトメア班の長門有希は別だ
敵が攻撃を仕掛けてきたらすぐに対処できるよう準備しておく必要がある」

キョン「どうするんだ?」

ルルーシュ「当日に風邪を引いたとでも言えば大丈夫なんじゃないか?
流石の涼宮も病人を連れまわしたりはしないだろう」

C.C「おい、ところでお前は何をするんだ?」

キョン「あ・・・そうだ、お前は何をするんだルルーシュ?」

ルルーシュ「俺は当日指揮官として全体を見ながら各々に指示を出す」

キョン「まさか一人安全圏から指示を出そうってんじゃないだろうな?」

ルルーシュ「そんなわけないだろ。信用しろ」

キョン「昔ゼロだった奴にこんな事を言うのはなんだが、俺達が死ぬか生きるかは
お前の立てる作戦次第だ。本当、頼むぞ!」

ルルーシュ「あぁ、任せてくれ」

古泉「しかし相手はギアス能力者、どんなイレギュラーが起こるか分かりません
ギアスキャンセラーなるものがあるとは言っても、完全にその脅威から
解放されたわけではないですしね」

ルルーシュ「何が言いたい?」

古泉「確実に相手に勝つには、相手と同等かそれ以上の力がなければなりません
つまり、こちらもギアスが必要かと」

ルルーシュ「要するにお前は俺に誰かと契約しろと言うのか?」

古泉「万が一にでも涼宮さんの身に危険が及ぶような事はあってはいけません
神である彼女が仮に死んでしまった場合、この世界がどうなってしまうか分かりませんからね」

キョン「あいつを神だって考えてるのはお前を始めとする一部の連中だけだろ
少なくとも俺はあいつを神だなんて思っちゃいない」

古泉「えぇ、勿論そうですが、それでも僕としてはそのような可能性は1%でも
少なくしておきたいんですよ」

ルルーシュ「だからギアスか・・・お前の言いたい事は分かるが、しかし・・・」

古泉「僕が契約します。だからお願いします」

ルルーシュ「お前が?」

古泉「えぇ、勿論あなたからコードを奪おうなどという恐れ多い事は微塵も考えていません
ただ純粋に、涼宮さんを御守りしたいんです」

ルルーシュ「どうせ契約するなら奪ってくれた方がこちらとしては助かるんだがな・・・
だが、お前は駄目だ古泉」

古泉「何故です?」

ルルーシュ「お前が機関という組織に所属している超能力者だからだ
宇宙人、未来人、超能力者、それぞれのどの組織にもこの力を与えるわけにはいかない」

古泉「なるほど、確かに大きな組織の人間にそのような能力を与えてしまったら
また争いごとの原因になりかねませんからね。分かりました、諦めます」

ルルーシュ「契約するとするなら、そうだな・・・アーニャかキョンのどちらかだろう」

キョン「なに!!?」

C.C「アーニャは本日欠席だ。となると、キョンという奴しか適任者はいないな」

キョン「おい、冗談だろ!?」

古泉「お願いします、こちらにもギアスがあれば作戦が成功する可能性が大幅に
上がります!なんとか涼宮さんの為にも・・・」

キョン「マジな目をするな!顔が近いぞ古泉!!」

C.C「そんなに怖がるようなもんでもないぞ、乱用さえしなければ
お前自身に直接的な害はない。寧ろそこさえ気をつけていれば
お前は便利な力を手に入れこの先の人生万々歳だ」

キョン「まるで詐欺師のような言い回しだな・・・」

ルルーシュ「無理強いするな、本人が嫌だというなら止めておいた方がいい」

古泉「そうですね・・・・すいませんでした」

キョン「・・・・・なぁ長門、お前はどう思う?」

長門「情報統合思念体はルルーシュ・ランペルージとの契約は推奨していない」

キョン「統合思念体じゃない、お前の意見は!?」

長門「・・・・・・・した方が、みんなの危険が少なくなる」

キョン「・・・・・はぁ~、何でこんな事になっちまったんだろうなぁ・・・
分かったよ、契約する。なってやるよギアス能力者に」

古泉「ほ、本当によろしいのですか?」

キョン「お前がそうしてくれって頼んだんだろ?俺がルルーシュと契約する事で
全員の助かる確率が上がるって言うなら仕方ないさ」

C.C「なかなか仲間想いの良い奴じゃないか、気に入ったぞ」

ルルーシュ「ではキョン、手を」

キョン「手?」

ルルーシュ「契約をするには対象者の肌に触れる必要があるんだ」

キョン「そうなのか、ほら」

キョンが差し出した手をルルーシュが握る

ルルーシュ「・・・もう一度だけ聞くが、本当にいいんだな?」

キョン「あんまりしつこく確認されると気が変わっちまいそうだ
やるなら早くしてくれ」

ルルーシュ「分かった、感謝するぞキョン」

その瞬間キョンは激しい目まいのようなものに襲われその場に倒れた

キョン「ん?な、何だ急に・・・・頭が・・・」

バタンッ


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キョン「ん?あれ?・・・・・寝てたのか俺?」

みくる「あっ!ルルーシュ君、キョン君起きましたよぉ!」

キョン「朝比奈さん・・・なんで俺・・・あれ?」

C.C「やれやれ、ギアス契約時に目を回す奴なんて始めてだぞ」

キョン「ギアス・・・契約・・・・・そうだ、俺はルルーシュと契約したんだった!」

C.C「その事すら忘れていたのか・・・」

みくる「キョン君急に倒れたからビックリしました!痛い所とかないですかぁ?」

キョン「心配させてすいません、大丈夫ですよ」

古泉「ところでルルーシュさん、契約の方は上手く行ったのでしょうか?」

ルルーシュ「あぁ、気絶された時はどうなる事かと思ったが、なんとかな」

C.C「で、こいつのギアスはどんな能力なんだ?契約者のお前なら分かるはずだぞ」

キョン「(わけの分からん能力じゃありませんように・・・・)」

ルルーシュ「キョンのギアスは時間を戻す力」

キョン「時間を戻す?」

ルルーシュ「そうだ、時間を戻す事のできる能力。それがお前のギアスだ」

古泉「面白い能力ですね」

ルルーシュ「ただ制約がかなり多い。まずこのギアスは5回までしか使用できない
戻す事ができるのは発動した時間から24時間前まで
つまり戻せる時間の限界は5回連続で使用したとして120時間、つまり5日前までとなる」

C.C「私も過去に多くの人間と契約してきたが、回数自体に制限のある能力は初めてだな
加えて言うと、時間を戻すという能力も初めてみる」

古泉「かなり珍しい能力という事ですね」

キョン「5回までか・・・」

C.C「良かったな、5回なら暴走する心配も、万が一達成人となり
コード所有者になる可能性もない」

キョン「ただこれ新ゼロの能力に比べるとかなり弱くないか?」

ルルーシュ「いや、そうでもない。特殊な制約があるせいか、この能力はかなり強い
お前のギアスは発動した時点で全世界の人間が対象となり時間を巻き戻す。
いや、人間だけでなく、地球上の全ての物や、宇宙すらその対象になるだろう」

古泉「そう考えると、かなり怖い能力ですね」

ルルーシュ「だがこの能力はかなり使える、万が一にも新ゼロに敗れるようなシナリオになった時
最高5回再チャレンジできるのだからな」

ルルーシュ「しかも契約者である俺とキョンは巻き戻す前の記憶を引き継げる、新ゼロがどのような
策を講じてきたのか、予め知った状態で再び式典に臨めるという事だ」

古泉「なるほど、確かにそれは大きなアドバンテージになりますね」

ルルーシュ「新ゼロはこちらにこのような能力者がいる事を知らない
仮に知っていたとしても対策の取りようがないのがこの能力の大きな利点だ
更にギアスキャンセラーを持つジェレミアもこちらの駒、最早勝利は確定したも同然だな」

キョン「おいおい、変なフラグ立てるなよ・・・」

C.C「発現する能力にはその者個人の性格や願望が反映されるものだが
お前何か心当たりはあるか?」

キョン「ありまくりですよ、ハルヒに出会っちまう前の時代に戻りたいと何度思った事か
制約のお陰でその願いは叶いそうにありませんが」

C.C「そんなに凄いのかその涼宮とかいう女は?」

キョン「そりゃーもう、奇想天外傍若無人、稀代の変人ですよ」

古泉「そこまで言いますか・・・」

C.C「ほう・・・一度会ってみたいものだな」

ルルーシュ「それは駄目だ!俺が許さん!」

C.C「何故だ?」

ルルーシュ「火事場に灯油まくようなもんだからな、お前と涼宮だけは絶対に会わせん!」

キョン「(どっちが火事場でどっちが灯油なんだ?)」

C.C「全く、束縛の激しい男だ」

ルルーシュ「何が束縛だ・・・」

古泉「あの、今更ですが御二人はどういった関係なのでしょうか?」

ルルーシュ「ん?契約者だと前に言っただろ?」

古泉「それは過去の関係ですよね?僕が聞いているのは今現在の関係です」

ルルーシュ「今も昔も大した変化はないさ、強いて言うなら今は」

C.C「恋人だ」

ルルーシュ「なにっ!!?」

みくる「へぇ!?や、やっぱりそうだったんですかぁ?」

ジェレミア「陛下・・・・まさかそこまで進展していたとは・・・」

キョン「こんな綺麗な人か彼女か・・・羨ましすぎてヘドが出るぜ」

ルルーシュ「おい!真に受けるな!!嘘に決まってるだろ!!」

C.C「照れるな照れるな、顔が真っ赤だぞルルーシュ」

古泉「C.Cさんの言っている事が真実であるというのは、その顔色が証明してますね
どうして今まで黙っていたのですか?」

ルルーシュ「だから違うと言ってるだろ!!」

C.C「照れ屋だからなこいつは。自分で言うのが恥ずかしかったんだろう」

古泉「なるほど、それで」

みくる「ふふっ、ルルーシュ君も可愛い所があるんですね!」

キョン「意外だな」

ルルーシュ「おのれ魔女め・・・・・・・」




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----一ヵ月後(東京租界駅)

カレン「・・・・・・ねぇ、何これ?」

ジノ「何って、東京ラーメン街だよラーメン街!知らないのか?全国の有名ラーメン店が
一堂に会する夢のイベント!テレビなんかでも宣伝してたじゃないか!」

カレン「そういう事を聞いてるんじゃないのよ!式典が迫ってるって言うのに呑気にラーメン?
あんたナイトメアの方は大丈夫なんでしょうね?」

ジノ「もう完璧に感覚戻したから大丈夫さ、それにせっかく日本に来たのに
カレンと一回もデートしないってのも失礼だと思ってさ」

カレン「な、何が失礼なのよ///その上から目線・・・・本当に腹立つわ!
今日だっていきなり呼び出すし!私の事なんだと思ってるのよ!!」

ジノ「何って、彼女だけど」

カレン「うりゃ!!」

ドスッ

カレンの回し蹴りがジノの腹にヒット

ジノ「うっ・・・・」

カレン「だ・・・だ、誰が彼女よ///か・・・か、からかわないで!」

ジノ「うぅ・・・・息が・・・(からかったつもりはないんだけど・・・・)」

?「ラーメン食べるわよー!!!」

?「おい、分かったから引っ張りまわすな!転ぶ、転ぶって!!」

ドテッ

カレン「騒がしいわね、何かしら?」

ハルヒ「何やってんのよキョン!だらしないわね!」

キョン「お前が俺の腕を掴んだままありえないくらいのスピードで走るのが悪いんだろ・・・
そんなに急がなくても、ラーメン屋は逃げたりせん!」

ハルヒ「うるさいわね!とっととラーメン食べて違う所に行きたいの!
初日の自由時間は3時間しかないんだから!」


カレン「修学旅行生か何かかしら・・・学生服着てるけど」

ジノ「だろうな。・・・・・それにしても、可愛いなあの子」

ドスッ

カレンの肘がジノの腹にヒット

ジノ「うぉっ・・・・・・・・」


キョン「ラーメン食って、その後何処へ行くつもりなんだお前は?
どうせあまり遠い所へはいけないぞ?」

ハルヒ「そうね、じゃあ東京競馬場なんかどう!」

キョン「・・・・何しに?」

ハルヒ「競馬場なんだから馬券買う為に決まってるじゃない!」

キョン「高校生は馬券なんて買えんぞ」

みくる「涼宮さぁ~ん!」ヒョコヒョコ

ハルヒ「みくるちゃん遅いわよ!迷子になったのかと思ったじゃない!
あれ?有希達は?」

みくる「え?おかしいですね、さっきまで一緒にいたのに・・・」

ハルヒ「もう、みんなして迷子になってるの?しょーがないわねぇ」

キョン「お前が目的地も言わずに急に走り出すのが悪いんだろうが」

ハルヒ「まぁいいわ。キョン、今いる所有希達にメールしといて!」

キョン「ったく」ピッピッピ

みくる「あのぉ~、これから何するんですか?」

ハルヒ「みんなで美味しいラーメン食べるのよ!何処のお店がいいかしら
みくるちゃんも入りたい店があったら遠慮なく言いなさい!」

みくる「分かりました」

キョン「おいハルヒ、メール送ったぞ」

ハルヒ「キョン、アンタも入りたい店があったら言いなさい!善処してあげるから!」

キョン「そりゃどーも。ていうか・・・土日祝日でもないのに何なんだこの混みようは・・・
何処の店も行列ができてるじゃねーか」

みくる「日本人はラーメンが好きですからねぇ」

ハルヒ「ん~・・・・これだけいろいろな店があると一つに決めずらいわね」

ジノ「お困りですかお嬢さん?」

ハルヒ「ん?何よアンタ?ナンパならお断りよ!」

ジノ「通りすがりのラーメン好きさ!見たところ何処のお店に入るか
悩んでるようだけど、俺のオススメを教えてあげようか?」

ハルヒ「オススメ?ん~・・・」

キョン「教えてもらったほうがいいんじゃないか?このまま悩み続けても
時間だけが過ぎる一方だ」

ハルヒ「そうね、じゃあ教えてもらおうかしら!」

ジノ「OK!俺のオススメはこの先にある麺工房って店だ!
魚介系をベースとした濃厚なスープと」

ハルヒ「そっ!ありがとう、じゃあ行きましょうみんな!」

ジノ「いや、ちょっと待って!説明がまだ」

ハルヒ「いらないわよ説明なんて!どうせ今から食べるんだから」

ジノ「・・・・・うん、いいな。やっぱりいい・・・・」

ハルヒ「は?何が?」

ジノ「君だよ!タイプなんだ、君みたいな子!悪いけど電話番号とか教えてく」

カレン「うりゃああ!!」


ドンッ

助走をつけたカレンの飛び蹴りがジノの背中にヒット
衝撃でジノは5mくらい先へ飛ばされる

ドサーッ


ジノ「う・・・・・うぉぉ・・・・」ピクピク


キョン「(なっ・・・・すげー蹴り。死んだんじゃないか?)」

カレン「何やってんのよアンタわ!!高校生相手に馬鹿じゃないの!!」

ハルヒ「凄いわね今の飛び蹴り!!どうやったの!?まるでプロの格闘家みたいだったわ!」

カレン「え?ア、アハハハハ・・・・(つい本気でやっちゃった)」

ハルヒ「あれ?あなた何処かで見たことあるわね・・・えーっと誰だっけ・・・」

カレン「(やばっ!髪型変えててもやっぱりバレるか)」

ハルヒ「あっ!思い出したわ!あなた紅月カレンでしょ!?元黒の騎士団の!?」

カレン「あ、あんまり大きな声出さないで!人が集まっちゃうから!」

キョン「紅月カレンって、あの紅蓮のパイロットのか?(そういやこんな顔だったっけ)」

ハルヒ「凄いわ凄いわ!東京に来た初日にこんな人に会えるなんて!!!」

カレン「だーかーら、静にしてって!!」

ハルヒ「ねぇ、あなた戦時中は零番隊の隊長だったのよね?旧ゼロの素顔見たことある?」

カレン「え?旧ゼロ?」

ハルヒ「あなたには聞いてみたい事がいっぱいあるの!今から時間つくれないかしら?
喫茶店か何処かでお話しましょう!勿論代金はこちらが出すわ!」

キョン「(こちらがっていうか、どうせ俺だろう)」

カレン「う~ん・・・・・悪いけど今そこの奴とデート中なの。だからごめん!」

ハルヒ「こんなナンパ男とのデートなんて今すぐ止めるべきだわ!
だから私達と一緒にお茶しましょう!!」

カレン「あははは・・・(な、何なのこの子・・・・)」

キョン「いい加減にしろ!!」ビシッ

ハルヒ「痛いわね、何するのよキョン!」

キョン「デート中だってんだから仕方ないだろ、こっちの都合を押し付けるな」

ハルヒ「うるさいわね!分かってるわよ!」

カレン「ふぅ・・・」

キョン「ところで、あの人放っておいて大丈夫なんですか?」

カレン「え?あぁ、大丈夫よ大丈夫。あのくらいで倒れるタマじゃないから!」

キョン「いや、倒れてますけど・・・」

ジノ「・・・・・・」グデー


古泉「遅くなりました!」

キョン「おぉ、やっと来たか。ていうかお前ら何処にいたんだ?」

古泉「ずっと八重洲口周辺をウロウロしていましたよ」

ルルーシュ「全く、急に涼宮とキョンがいなくなったかと思えば、次は朝比奈さんが
音もなく消え、傍にいろと忠告したはずの長門有希は書店にフラフラと入っていく始末。
俺と古泉がどれだけ苦労をしたかお前らには分かるまい・・・」

キョン「なんというかその・・・大変だったな」

古泉「まぁまぁ、こうやって無事合流できたのですからいいじゃないですか」

ハルヒ「その程度のアクシデントも上手く切り抜けられないようじゃ、SOS団副団長の座は
遠いわよルルーシュ!」

カレン「ルルーシュ!!?」

ルルーシュ「誰もそんなポジションなど望んでない!!」

カレン「今ルルーシュって・・・・」

ルルーシュ「ん?(カ、カレン!!?何故こんな所に??)」

キョン「(ん?ひょっとしてこのバッティングは結構まずいんじゃないか?
ルルーシュは元ゼロで、この人はそのゼロと一緒に戦ってた黒の騎士団の元メンバー・・・
うぉぉぉぉ、結構所じゃなくかなりまずいじゃねーか!!)」

ハルヒ「そうよ!ルルーシュ・ランペルージって名前なの!
悪逆皇帝と同じなんて珍しいでしょ?」

カレン「ランペルージ・・・・(あいつが使ってた偽名と同じ)」

キョン「(まずいな、ここらで誤魔化しておかないと・・・)」

古泉「しかし、彼はEU出身の留学生です。かの有名なルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとは
縁遠い関係にあります。当たり前ですが、顔も全然違いますしね」

キョン「(そうだ、変装してるしバレてないよな・・・・)」

カレン「へー、そうなんだ・・・(確かに顔や髪型なんかは全然違う・・・でも同姓同名なんて・・・)」

ルルーシュ「ハハ、名前が同じだというだけでもいろいろと大変なのに、顔まで一緒だったら
まともに生活すらできないよ」

古泉「それもそうですね」

カレン「・・・・・・ねぇあなた、歳はいくつ?」

ルルーシュ「今年18になりますが」

カレン「そう・・・C.Cって人の事知ってる?」

キョン「!?」

ルルーシュ「シーツー?誰ですかそれは?」

カレン「・・・・ううん、何でもないの。変な事聞いちゃってごめんなさい
(そうよね、ルルーシュはあの時、間違いなく死んだ・・・今更何考えてるのかしら私・・・)」

古泉「ところで、あなたはもしや紅月カレンさんではありませんか?」

カレン「えぇ、そうよ」

古泉「会えて光栄です、握手してもらってもよろしいでしょうか?」

カレン「いいわ」スッ

カレンと古泉が握手を交わす

ハルヒ「流石古泉くんね、気付くのが早いわ!」

ルルーシュ「(カレン・・・・元気そうだな。ん?あそこに倒れてるのはジノか?
なるほど、二人でデートか。普通の生活を歩んでいるようで何よりだ)」

古泉「ところで、何処のお店に入るのかはもう決まっているのでしょうか?」

ハルヒ「麺工房って所に決めたわ!早く行きましょう!」

ハルヒ「あっ、その前に!はいこれ!」スッ

カレン「何かしら?」

ハルヒ「この紙に私達SOS団の連絡先が書いてあるわ!何か面白い事、不思議な事があったら
いつでもそこに連絡してちょうだい!SOS団は24時間365日いつでも営業中だから!」

カレン「エスオーエス団?」

ハルヒ「じゃ、連絡待ってるからねー!」ダッダッダ

キョン「おい、引っ張るなハルヒ!!」ダッダッダ

ルルーシュ「またお前達は勝手に!行きますよ朝比奈さん、今度は離れないでくださいね!
長門有希、お前もだ!!」

みくる「は、はい」

長門「・・・・・・・」コクッ

古泉「では我々はこれで失礼します」

ダッダッダ

カレン「エスオーエス団って・・・・・・何?」

ジノ「・・・・・おーいカレン、救急車呼んでくれ・・・」

--------式典前夜(ホテル)

キョン「ぐあー、もう一歩も歩けん!!」

古泉「今日は流石に疲れましたね・・・東京版不思議探し、まさかあそこまで
歩き回ることになるとは思いませんでした」

キョン「足が・・・足がいてー・・・」

古泉「無理もありません、今日だけで5万歩近く歩いてますからね」

キョン「・・・一歩一歩を数えてたのか?」

古泉「万歩計ですよ、制服の中に入れておいたんです」

キョン「爺臭い奴だ」

古泉「我々以上にルルーシュさんもかなり疲れてたようですね」

キョン「運動系はあいつの領分じゃないだろうからな
しかしこりゃ確実に明日に響くぞ・・・」

コンコンッ

キョン「ん?先生か?」

古泉「いえ、恐らくルルーシュさんです。先ほど最後の打ち合わせをすると言っていましたから」

キョン「それでクラスが違うはずのお前が俺の部屋にしれっといるわけか」

ガチャッ

ルルーシュ「・・・・・」

キョン「・・・その顔、だいぶ疲れてるみたいだな」

ルルーシュ「お前もな」

古泉「明日に関する打ち合わせですよね?長門さんはいるようですが
朝比奈さんは呼ばないのですか?」

ルルーシュ「朝比奈さんは気分が悪くなったらしく、たった今引率の教師と一緒に
近くの病院へ行った」

キョン「なに!?気分が悪くなったって、まさか不思議探しのせいか?」

ルルーシュ「それ以外に何がある。あれだけ歩かされれば、気分だって悪くなるさ
彼女は俺以上に体力がないようだしな」

古泉「参りましたね、明日はいよいよ式典当日だというのに」

ルルーシュ「相当グッタリしていたようだからな、恐らく朝比奈さんは明日戦力外になるだろう」

キョン「どうするんだそれ?」

ルルーシュ「どうするもこうするも、一人でも欠けると事前に立てた計画が水の泡だ
それに朝比奈さんだけでなく、俺やお前も疲労困憊で明日に疲れを引きずりそうな勢いだ
こんな状態ではテロリスト共とはまともに戦えない」

キョン「とは言ってもなぁ・・・・今更止めるわけにもいかないだろ?」

ルルーシュ「当たり前だ。だからキョン、ギアスを使って今日の朝まで時間を戻せ」

キョン「こ、こんな所で5回の内の1回を使っちまっていいのか?」

ルルーシュ「このままでは明日の作戦は間違いなく失敗するからな
ここで使わずしていつ使うというくらい大事な局面だ」

古泉「しかし時間を戻しただけでは何の意味もありませんよ?」

ルルーシュ「分かってる。時間を戻し、涼宮を説得して不思議探しを
面舵いっぱいで回避する!」

キョン「それを誰がやるんだ?」

ルルーシュ「記憶を引き継げるのは俺とお前だけだ、俺達でやるしかないだろう」

キョン「はぁ~・・・」

古泉「羨ましいですね・・・・僕もそちらの側で行動したいですよ」

キョン「代れるものなら代わってやりたいね」

ルルーシュ「戻す時間はギアスを発動した際に頭の中で念じればいい
今朝ホテルを出発したのが9時だから、今からだとだいたい13時間前だな」

キョン「分かった。・・・初めてだからなんか緊張するな・・・・よしっ!」キュイーーーーン


キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった

--------
-----
--

-------朝9時(ホテル・ロビー)

ハルヒ「みんな揃ったわね?いいこと、今日こそは何か面白いものを見つけるの!
いいわね?」

キョン「・・・・・・」

みくる「はぁ~い」

古泉「分かりました」

キョン「(・・・・・・凄いな、本当に今日の朝に戻ってる。さっきまでの
足の痛みや身体のダルさもない)」

ハルヒ「キョン・・・・・・・・・キョン!!!」

キョン「うわっ!何だよ!」

ハルヒ「いつまで寝ぼけてるのよ!?ちゃんと私の話聞いてた?」

キョン「あ、あぁ・・・・(このまま何もしないとまた地獄の東京散歩が始まっちまう
何とかしないと・・・・あっ、そういえばルルーシュは!?)」

ルルーシュ「・・・・・・」

キョン「(本当にあいつも記憶を引き継いでるのか?さっきから黙りこくってるが・・・・)」

ハルヒ「じゃ、時間がもったいないから早いとこ行きましょう!」

キョン「(ヤバイヤバイ!!何とかしないと・・・)」

ルルーシュ「なぁ涼宮、お前アッシュフォード学園という学校を知ってるか?」

ハルヒ「ん?アッシュフォード学園?明日の式典の開催地でしょ?」

ルルーシュ「あぁ。その学園には面白い秘密が隠されているんだが、それも知ってるか?」

ハルヒ「面白い秘密?知らないわ、何それ?」

ルルーシュ「アッシュフォード学園、それは皇帝ルルーシュと裏切りの騎士枢木スザクが
かつて学びをともにしていた場所なんだ」

ハルヒ「そうなの!?そんな話初めて聞くけど!?」

ルルーシュ「父の知り合いにその辺の情報に明るい人がいてな
学校経営に支障をきたす恐れがあるとかで、一般には公開されていない情報だ」

ハルヒ「皇帝ルルーシュに裏切りの騎士枢木スザク・・・時代を動かした二人が
同じ学校に通っていただなんて・・・・・凄い事じゃないの!」

ルルーシュ「だろ?お前が喜びそうなネタだと思って言ってみたんだ」

キョン「(そこからどう不思議探しを回避させるつもりだ?)」

ハルヒ「面白いわね、そうなってくるとそのアッシュフォード学園にも
何か裏があるのかもしれないわ!実はそこの理事長が悪の枢軸だったりして!?」

キョン「どこまで飛躍するんだお前の脳みそは」

ハルヒ「分からないじゃない!」

ルルーシュ「どうだろう?あるかどうかも分からないゲットーの不思議探しよりは
こちらの方が面白そうじゃないか?アッシュフォードは明日俺達が作戦を行う場所だし
前日の下見も兼ねて行ってみるというのはどうだろう?」

キョン「(そうきたか!!ナイスだルルーシュ!!)」

ルルーシュ「(フン、学園内なら歩き回ったところでたかが知れてる
さっきのように病人が出るほど疲れるような事はないだろう)」

ハルヒ「う~~~ん、そうねぇ・・・・」

ルルーシュ「ちなみにルルーシュは皇帝になる前、学園のクラブハウスに住んでいたそうだ」

ハルヒ「クラブハウス?何でそんな所に住んでたの?」

ルルーシュ「さぁな謎だ。ちなみにこれも一般には公開されてない情報らしい」

ハルヒ「クラブハウスって言うくらいだから学園が管理してるはずよね・・・
そこに住んでたって事はやっぱり理事長が怪しいわ!!決めた、不思議探しは止めにして
今日はこれからアッシュフォード学園に行くわよ!!」

ルルーシュ「ふぅ・・・・・」

キョン「御苦労さん」ポンッ

------アッシュフォード学園(正門)

ハルヒ「着いたわよー!アッシュフォード学園!」

みくる「わぁ~、綺麗な学校ですねぇ」

古泉「敷地面積もかなり大きそうですね。式典の会場に選ばれてた
意味が分かりました」

キョン「北高とはえらい違いだな・・・・これが公立と私立の差か・・・」

ルルーシュ「やはり正門付近や運動場は式典の準備でごった返してるようだな
所々警察や自衛隊の姿も見える」

キョン「設営に大忙しってか、これじゃ中に入るのは無理そうだな」

ハルヒ「ここの学生だって言えば入れるんじゃないの?」

キョン「思いっきり制服が違うだろう」

作業員「こら、君達ここの学校の生徒じゃないよね?部外者は立ち入り禁止だよ
邪魔だからどっかいったいった!」

キョン「あ・・・すいません」

ハルヒ「何よあのオヤジ、イラつくわね!!せっかくここまで来たのに
中に入りもせずに帰るなんてありえないわ!」

ルルーシュ「作業員が多いのはここだけだろう。恐らく裏のクラブハウスの辺りは
殆ど誰もいないはずだ。後ろに回って中に入ろう」

--------クラブハウス周辺

みくる「ふぇぇ!涼宮さーん助けてくださーい!」ガタガタ

ハルヒ「全くしょーがないわねみくるちゃんは!こんな低いフェンスも
乗り越えられないなんて。待ってなさい今行くから!」

キョン「しかしいいのか?フェンス乗り越えて敷地内に入ったりして?
騒ぎになったりしないだろうな?」

古泉「明日は式典当日で警備している警察や自衛隊もピリピリしているでしょうし
バレたらちょっと怒られるだけでは済まないでしょうね」

ルルーシュ「大丈夫さ、何とでも言い訳はできる」

みくる「みなさんお待たせしましたぁ」

ハルヒ「で、何処から探検してみる?」

ルルーシュ「お前は何処を見てみたいんだ?」

ハルヒ「そうねぇ、やっぱりそこのクラブハウスかしら!皇帝ルルーシュが住んでた
場所なんでしょ?何か面白いものが見つかるかもしれないわ!」

キョン「建物の中にまで入るのは流石にまずいんじゃないか?」

ハルヒ「何でよ?」

キョン「だって俺達完全な部外者だぞ?」

ハルヒ「チッチッチ!甘いわねぇキョン、バレなきゃいいのよバレなきゃ!」

キョン「悪党の常套句だな・・・」

ルルーシュ「その通り、バレなければ問題ない。幸い鍵も開いているようだし
少し中を見て回るか」

ハルヒ「それでこそSOS団よ!キョン、ちょっとはルルーシュを見習いなさい!」

キョン「はぁ・・・・どうなっても知らんぞ」


------
---
-

----クラブハウス内

みくる「大きな建物ですねぇ」

キョン「これがクラブハウスだってんだから金持ち私立は恐ろしい
北高の本館にしてもいいくらいだ」

古泉「部屋の数もかなり多いですね」

ハルヒ「これだけあると、何処に皇帝ルルーシュが住んでたのか分からないわね
ルルーシュ、そこ辺の事は分からないの?」

ルルーシュ「流石にそこまでは・・・・(あまり知りすぎていると、またおかしな疑いをかけられ
かねん)」

ハルヒ「そっ、じゃあ地道に探すしかないわね!」


その後ハルヒ達はクラブハウス内にある部屋のドアを何度も開け閉めし
かつてルルーシュが生活していた場所を必死に探した


ハルヒ「う~ん、ないわねぇ」

キョン「そもそも、皇帝ルルーシュが生活していた部屋があったとしても
6年も経った今その部屋を探し当てるなんて不可能だろ・・・・
生活の名残か何かが残ってりゃ話は別だが」

古泉「表札が立っているわけもないですしね」

キョン「アッシュフォードからしたら、昔ここに皇帝ルルーシュが住んでいたって事実は
黒歴史に近いはずだし、証拠の類は全部綺麗さっぱり消し去ってるだろうよ(ルルーシュすまん)」

ルルーシュ「(別にいい)確かにそうだな、このまま無作為に探し続けても
恐らく見つける事は困難だろう」

ハルヒ「仕方ないわ、じゃあ理事長に直に問いただすしかないわね!!」

キョン「また過激な事を・・・んな事してみろ、本当に警察沙汰になって
全員ブタ箱送りになるぞ?」

ルルーシュ「あまり長居はしない方がいい。涼宮、次で最後にしよう」

ハルヒ「このまま手ぶらでなんか帰れないわ!ぜ~ったいに当たりを引いてやる!!
・・・・・・・1階よ、1階だわ!!1階の角部屋!!そこが怪しいわ!!」ダッダッダ


そう言うとハルヒは一人で走り出した


キョン「何だってんだ急にあいつは!」ダッダッダ

みくる「待ってくださ~い!」ダッダッダ


他の四人もその後を追う


ルルーシュ「(1階の・・・・角部屋・・・)」



-------クラブハウス2階

ハルヒ「ここだわ・・・・うん、ここ!ここが一番匂う!」

キョン「何を根拠に言ってるのか知らんが、早く開けてみたらどうだ?」

ルルーシュ「(やっぱりそうだ・・・俺とナナリーが暮らしていた部屋・・・・
願望を現実に反映させる力か・・・恐ろしい奴だ)」

ハルヒ「言われなくてもそうするわ!」ポチッ

ウィーーーーン

ルルーシュ「(こ、これは!!?)」

みくる「何だかここだけ他の部屋と少し違いますね。何か生活感があります」

ハルヒ「さっきまでの部屋は殆どがただの部室みたいなものばかりだったのに
ここはまるでマンションみたいな作りになってるわね・・・。台所はあるし
寝室なんかもあるんじゃないかしら?」

古泉「棚に日用雑貨などが沢山入ってますし、今現在誰かが
住んでいるのではないでしょか?」

キョン「お前はどう思うルルーシュ?ルルーシュ?」

ルルーシュ「(あの時・・・あの時のままだ。俺とナナリーが、俺とロロが住んでいた
あの時と何も変わっていない。これはどういう事だ?)」

キョン「(珍しく動揺してるな・・・・そうか、ハルヒの奴本当に当たり引きやがったのか!)」

ルルーシュ「(まさかまたここに来る事があるとはな・・・懐かしい)」

みくる「あのぅ、ここに写真があるんですけど」

ハルヒ「写真?どれどれ」


みくるが見つけた写真はかつての生徒会メンバーが
全員写った集合写真だった

ハルヒ「ねぇ、これって皇帝ルルーシュじゃない!?しかもナナリーまでいるわ!
この兄妹一緒に住んでたのね!!あっ、これ枢木スザク!!こっちには紅月カレンもいるわ!
どうなってるのこれ!?何で敵同士のはずの連中がこんなに仲良さそうなの??」

ルルーシュ「(何でこんな写真が今ここに・・・・)」

キョン「おい、しかもこの真ん中にいる人はお天気お姉さんのミレイさんじゃないか!?」

ハルヒ「本当だわ!!どういう事なのこれ?・・・・・ミレイ?ミレイって人確か苗字は
アッシュフォードじゃなかったっけ?」

キョン「そういえばそうだな・・・まさか?」

ハルヒ「そのまさかだわ!ここの学校の理事長の娘、それがミレイ・アッシュフォードよ!
そしてこの写真は彼女が在学中に友達と撮った写真って事でまず間違いないわね!」

キョン「(くそっ!ルルーシュ、お前あのミレイさんと友達だったのか!?
羨ましいぜくそ!今度紹介してくれ!!)」

ルルーシュ「(何だその目はキョン・・・)」

ハルヒ「この写真を見る限り、皇帝ルルーシュとナナリー、枢木スザクと紅月カレンは
一般で語られてるような敵対関係ではなかった可能性が大きいわね!
仲の悪い者同士が一緒のフレームに収まるはずがないし、何しろみんな笑顔だもん!」

古泉「しかし、この写真を撮影した何年後の事かは分かりませんが
彼らが争い始めるのは事実です」

ハルヒ「きっと何か裏があるのよ!皇帝ルルーシュにも、ナナリーにも
枢木スザクや紅月カレンにもね!」

ハルヒ「それに見てこの皇帝ルルーシュの顔!!物凄く優しい顔してるわ!
これは独裁者の顔じゃない、やっぱり何かあるわねこの連中は・・・・面白くなってきたわぁ!!」

ルルーシュ「(異様なまでに鋭い奴だ・・・この写真だけでそこまで見抜くとは)」

ハルヒ「秘密を握ってて、尚且つ私達でも接触が可能なのは、ミレイ・アッシュフォードと
昨日たまたま駅で出会った紅月カレン、それと写真に写ってるこの青い髪の人と
眼鏡をかけた人、それとオレンジ色の髪の人ね・・・・・何処から攻めるべきだと思うルルーシュ?」

ルルーシュ「(オレンジ色の髪・・・・シャーリーか・・・)」

ハルヒ「ぬあ~、やっぱり昨日紅月カレンを尾行でもして住所を特定しておくべきだったわ!」

キョン「お前は探偵にでもなるつもりか」

ハルヒ「まぁいいわ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない!新しい情報が分かったんだし
ここから少しずつ詰めていけばいつか真実にたどり着けるはずよ!」

ルルーシュ「(たどり着かれては困るんだが・・・)」

ガタッ!!

?「動くなっ!!!!」

キョン「!!?」


ある人物が急に部屋に入ってきハルヒ達に銃を向けた

カレン「動くな!!ここで何してる!?・・・・・・って、あなた達昨日の!?」

キョン「あははは・・・ど、どーも」

カレン「ここで何してるの!?あなた達学園の関係者じゃないわよね?
こんな所に勝手に入って、ただで済むと思ってるの?」

キョン「(だから俺はあれほど自重すべきだと言ったんだ)」

ハルヒ「渡に船とはこの事だわ!!また紅月カレンに会えるなんて!!」

カレン「渡に船?何言ってるのあなた?」

古泉「申し訳ありません、実は僕等は今皇帝ルルーシュの秘密を調べてまして」

カレン「ルルーシュの・・・秘密?」

古泉「えぇ、それでかつて彼が通っていた学校、住んでいた場所を見てみようと思って
ここへ来たんです。無断で建物の中に入ってしまった事は弁解の余地もありません
本当に申し訳ありませんでした」

カレン「ちょっと待って!何であなた達知ってるの?ここがルルーシュの通っていた
学校だって」

古泉「噂を辿ってきただけですよ。半信半疑だったのですが、その物言いですと
本当にここが皇帝ルルーシュが通っていた学校のようですね」

カレン「(噂?誰が流したのかしら・・・・)」

古泉「先ほどお話した通り怪しい者ではないので、できれば銃を下ろしてもらえると
助かるのですが・・・」

カレン「・・・・まぁいいわ、あなた達悪い人には見えないし。今の話信じてあげる」

古泉「ありがとうございます」

カレン「ただし、勝手にここに入った事への罰は受けてもらうわよ!」

キョン「け、警察に通報ですか!?」

カレン「あなた達修学旅行中なんでしょ?流石にそれは可哀想だから、勘弁してあげる
その代わり」

ミレイ「その代わり罰としてこの部屋を掃除してもらいまーす!」

カレン「か、会長!?どうして来ちゃったんですか!?」

キョン「(お、お天気お姉さんのミレイさん!!!)」

ミレイ「だって何かカレンだけじゃ心配だったんだもん」

カレン「何か怪しい人達がいるから様子見てきてって言ったのは会長ですよ?
私一人じゃ心配ってのは心外です!」

ミレイ「ごめんごめん!でも良かったわ、空き巣とか強盗の類じゃなくて
まさか修学旅行中の学生とはねぇ~」

キョン「あ、あの・・・勝手に入ってすいませんでした」

ミレイ「ん?別にいいわよ、若気のいたりって事で許してあげる
ただし、さっきも言ったけどこの部屋の掃除はペナルティーとしてやってもらうわよ!」

キョン「(ミレイさんと一緒にいれるなら喜んで!!)」

ルルーシュ「(カレンに続いて会長まで・・・これも涼宮の力のせいか?)」

ミレイ「それにしてもあなた達さっき面白そうな事話してたわね
皇帝ルルーシュの秘密とかって」

ハルヒ「そうよ!私達はルルーシュの秘密を探ってるの!そこでズバリ聞くけど
あなた達何か隠してるでしょ?皇帝ルルーシュに関する事や、妹ナナリーに関する事で!?」

カレン「(うっ・・・・)」

ミレイ「どうしてそう思うのかしら?」

ハルヒ「皇帝ルルーシュがこの学園に通っていた事も、ここのクラブハウスで生活していた事も
学園に通っていた時敵であるはずの紅月カレンと友達だった事も一般には明かされてない情報だわ
明かされてないってのはそこに何か知られたくない秘密があるからだと思うのよね!」

ミレイ「知られたくない情報って、例えば?」

ハルヒ「当時この学校の生徒の中に旧ゼロがいて、あの戦いは友達同士だった
ゼロとルルーシュによる茶番だったとか!?」

ルルーシュ「(!!?)」

キョン「(脳みそが飛躍しすぎて遂に正解に辿りついちまった。まぁ、正確には
ゼロもルルーシュだったんだが)」

カレン「(昨日から思ってたけど、何なのこの子・・・)」

ハルヒ「他にもいろいろな可能性があるわ!とにかく皇帝ルルーシュは一般に言われてるような
ただの独裁者ではなかったと思うのよね!」

ミレイ「うーん・・・・・・・・素晴らしい!!」

キョン「え?」

ミレイ「あなた素晴らしいわ。そう、その通り!ルルーシュはただの独裁者なんかんじゃないの」

ルルーシュ「(余計な事は言わなくていいんですよ会長!俺は独裁者のままでいいんだ!)」

ハルヒ「やっぱりそうなのね!お願い、あなたの知っている事全部教えて!」

ミレイ「教えてあげたいのは山々なんだけどね、私が知っているのは
ルルーシュの人間性だけ。だからその事に関してならいくらでも説明してあげるわよ
妹ナナリーとの思い出とかもね!」

ハルヒ「本当!?じゃあお願いするわ!」

ミレイ「た・だ・し!掃除をした後にね!」

ハルヒ「みんな急いで掃除するわよ!!キョンは床を雑巾がけ、古泉くんは掃除機!
みくるちゃんは台所、有希は棚を拭き掃除!ルルーシュはトイレとお風呂!!」

ミレイ「ル、ルルーシュ?」

ルルーシュ「お前は何をするんだお前は!?」

ハルヒ「私は全ての作業を指揮する鬼教官よ!」

ルルーシュ「ふざけるな!お前も動け!掃除如きに指揮官などいらん!」

ハルヒ「甘いわねルルーシュ、こういう全体作業には一人指揮する人間を置かないと
いつまで経っても作業が終わらないものなの!」

ルルーシュ「仮にそうだとしても、その場合は適した人物を指揮官に据えるべきだ!」

ハルヒ「同感だわ、だから私がやるのよ!文句ないでしょ?」

ルルーシュ「大有りだ!だいたいお前はいつも」ガヤガヤ


ミレイ「ね、ねぇ君」

キョン「何です?」

ミレイ「あの子の名前、ルルーシュっていうの?」

キョン「え・・・えぇ、そうなんですよ。大変みたいですよ、同じ名前だといろいろと」

ミレイ「ふーん・・・でもなんかあの子、雰囲気が何処となく似てるわね、ルルーシュに」

キョン「えっ?」

カレン「会長もそう思いますか?私も何となくそう思ってたんです」

キョン「(まぁ当人だからな、雰囲気が似てるのは当たり前か)」

--------数時間後

ミレイ「すっかり遅くなっちゃったわねぇ。ごめんね、いつまでも喋っちゃって」

ハルヒ「ううん。話をしてってお願いしたのはこっちなんだし、本当貴重な話が
聞けて良かったわ!ありがとう!」

ミレイ「部屋も綺麗に掃除してくれたし、ギブアンドテイクよギブアンドテイク」

カレン「いや会長、部屋の掃除は無断でクラブハウスの中に入ったペナルティーでしょ」

ミレイ「あはは、そうだったっけ?」

キョン「おいハルヒ急ぐぞ!早くホテルに戻らにゃ先生に怒られる!」

ハルヒ「分かってるわよ!じゃあ、またね!今日は本当にありがとう!
みんなダッシュで帰るわよぉ!!!」ダッダッダ

カレン「元気な子ねぇ・・・ていうか足はや。周りの子達大変そう」

ミレイ「あれ?みんな行っちゃったけど、君は行かなくていいの?」

ルルーシュ「最後に一つだけ質問してもいいですか?」

ミレイ「ん?なに?」

ルルーシュ「皇帝ルルーシュが住んでいたあの部屋、確かさっき当時のままにしてあると
言っていましたよね?」

ミレイ「そうよ、それがなに?」

ルルーシュ「何でそんな事をしてるんですか?最早必要の無い事でしょ?
誰も戻ってこないあの部屋を、何故いつまでも当時のままにしているんです?」

ミレイ「そうねぇ・・・ルルーシュは6年前に死んじゃって
ナナリーは今やブリタニアの代表。二人とも二度とここへは戻ってこない
そんな事は100も承知なんだけど、何だか残しておいてあげたいのよ。あの部屋は」

ルルーシュ「何故?」

ミレイ「大切な思い出なんだもん。私達にとっても、そしてきっとナナリーにとってもね」

ルルーシュ「・・・・・・・・・・・」

ミレイ「これが質問の答え!不満は?」

ルルーシュ「いえ・・・ありがとうございました。では」ダッダッダ


ルルーシュがその場を去った


カレン「あの子、何であんな質問したのかしら?」

ミレイ「さぁ。それにしても、変わった子達だったわねぇ」

カレン「・・・・・・・・」


ルルーシュ「(明日、絶対にここを戦場にはさせない!!会長が守り続けていてくれた
俺達の思い出は、絶対に壊させたりしない!!)」

-------ホテル(ロビー)

古泉「ギアスを使用した?」

キョン「あぁ、勿論ルルーシュの指示でだがな」

古泉「いつ使用してどの時間まで巻き戻したのか、詳しく教えていただけますか?」

キョン「今日の夜に使って今日の朝に戻ったんだ・・・って、我ながら意味不明だな」

古泉「つまり、我々は今日という日を二度過ごしたという事ですね?」

キョン「そうだ。一度目は当初の予定通り新宿ゲットーで不思議探しをしたんだが
あまりの過酷さ故朝比奈さんが病院送りになるは、俺とルルーシュが筋肉痛になるはで
とても明日の作戦を計画通りに進める状態じゃなくなってな」

古泉「それで時間を戻したのですか。なるほど、朝にルルーシュさんが
不思議探しを回避しようとしていたのはそういった経緯があっての事だったのですね」

キョン「お陰で万全の状態で明日を迎えられそうだ」

古泉「しかし羨ましいですねぇ」

キョン「何がだ?」

古泉「記憶を引き継げない僕は、あなたやルルーシュさんのように前後の変化を
楽しむ事が出来ませんからね。いや、本当に羨ましいですよ」

キョン「毎度毎度おかしな事を羨ましがる奴だ・・・」

-------翌日早朝(ルルーシュの部屋)

ルルーシュ「全員揃ったな?それじゃ作戦の最終確認をしておく
まずはキョンと朝比奈さん。前にも言ったがとにかく二人はずっと涼宮の傍にいて
あいつを守ってくれ」

キョン「俺が守ってもらわにゃならん事になるかもしれんが・・・まぁ頑張ってみるさ」

みくる「が、頑張りますぅ」

ルルーシュ「長門有希はこの後C.Cと共に移動、ナイトメアで出撃してもらう
細かい指示は状況に応じてその都度俺が出す」

長門「・・・・分かった」

ルルーシュ「古泉は事が始まったと同時に涼宮達と別れ
Aポイントまで移動しランスロットに搭乗しろ
その後旧ゼロに機体を渡し、その後お前は仮面を被り旧ゼロを演じる」

古泉「上手く演じれるか分かりませんが、最善を尽くします」

ルルーシュ「ランスロットの操縦の方は大丈夫だな?」

古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」

ルルーシュ「安心しろ、決めてあるルートは戦場とは無縁な場所を選んである
恐らく連中は疎開の外、品川方面から攻めてくるはずだ。問題ない」

古泉「それを聞いて安心しました、正直戦闘になった場合対処できる自信がありませんからね」

キョン「ナナリーはどうするんだ?ハルヒは自分が助ける気満々だが
正直あいつの計画通りに物事が進むとは思えん」

ルルーシュ「ナナリーの件は心配ない、既に手を打ってある
キョンと朝比奈さんの最優先事項は涼宮を守る事だ
危険だと思ったらナナリーの事は諦めて力ずくでも涼宮を安全圏へと運べ」

キョン「あいつを力ずくで?」

ルルーシュ「それから全員これを耳につけといてくれ」


ルルーシュは鞄からイヤホンのようなものを取り出してテーブルに置いた


古泉「無線機か何かですか?」

ルルーシュ「あぁ。これがあれば常に互いの状況を理解できるし、俺も指示が出しやすい
何か問題があった場合はすぐに俺に連絡を入れてくれ」

キョン「了解」

ルルーシュ「ただし涼宮の近くにいるキョンと朝比奈さんは基本聞き手に徹してくれ
無線であれこれ喋っている所をあいつに見られたら面倒だからな」

みくる「分かりました」

ルルーシュ「それからキョン、万が一作戦が失敗した場合は俺が指示を出すが
明らかにこれは駄目だと思った時は自分の判断でギアスを使用してもらって構わない」

キョン「分かった」

ルルーシュ「例の軍事基地襲撃事件を見る限り、新ゼロは勝つ為には
手段を選ばない者だ。各自油断せずに行動してくれ」

古泉「分かりました」

キョン「はぁ・・・やるしかないよな」

みくる「が、頑張りましょう!」

長門「・・・・」

ルルーシュ「じゃあそろそろ行こう、下で涼宮が待っているだろうからな
長門有希はここから別行動だ、ホテルの裏でC.Cが車で待っている
直ちに向かってくれ」

長門「了解」

キョン「長門、お前にこんな事言っても仕方ないだろうが、無理はするなよ」

長門「・・・・」コクッ

-------ホテル・ロビー

ハルヒ「有希が風邪!?」

ルルーシュ「あぁ、昨日の夜から具合が悪かったそうだ。さっき先生と病院に行った」

ハルヒ「大丈夫かしら・・・・」

ルルーシュ「一人欠けてしまったが、どうする?計画は中止するか?」

ハルヒ「中止なんかしないわ!有希がいないのは残念だけど、ここで止めるわけにはいかないの!
私達だけでナナリーを助け出しましょ!」

ルルーシュ「(そう言うと思った)」

キョン「ならとっとと行こうぜ、早くしないと会場に入れなくなるぞ?」

ハルヒ「そうね、急ぎましょう!」



------
---
-

-----東京湾

ジェレミア「ようやく来たか、遅いぞ!」

C.C「予定より少し遅れただけだろ、いちいち怒るな」

ジェレミア「あらゆる作戦行動において時間厳守は基本だ」

C.C「まだ作戦は始まっていないぞ早漏くん」

ジェレミア「なっ・・・なんという下品な言葉を!やはりお前は陛下の恋人には相応しくない!」

C.C「相応しいか相応しくないかを決める権利などお前にはない」

ジェレミア「お、おのれ魔女が・・・・」

アーニャ「二人とも、作戦前に喧嘩は駄目」

C.C「悪いのはジェレミアだ、私ではない」

ジェレミア「貴様・・・」

アーニャ「ジェレミア、C.C達が来たんだからあなたは次の行動に移らないと」

C.C「そうだそうだ、時間厳守なんだろ?早く会場に行って除洗してこい」

ジャレミア「フン、分かっている!!!」

ジェレミアは式典会場へと向かった

C.C「さて、うるさいのがいなくなった事だし、長門有希。お前のナイトメアを見せてやろう」

長門「・・・・」

アーニャ「・・・・」ジーッ

C.C「ん?何を見ているんだアーニャ?」

長門「・・・・」

アーニャ「この子、無口キャラ?」

C.C「キャラかどうかは知らんが、無口なのは確かなようだな
ベラベラといらん事ばかり喋る奴よりは、私はこっちの方が好きだぞ」

アーニャ「私アーニャ、よろしく」

長門「・・・・よろしく」

アーニャ「あっ、やっと喋った!」

C.C「何をしている、さっさと格納庫へ行くぞ!」

アーニャ「うん。私たちについて来て、案内する」

長門「・・・・・」コクッ


-------
---
-



-------アッシュフォード学園(式典会場)

ガヤ   ガヤ   ガヤ
  ガヤ   ガヤ


古泉「何でしょうかねこれは・・・凄い数です」

キョン「5、6万人くらいいるんじゃないかこれ?いくらなんでもこんなにいたんじゃ
トラブルが起きた場合かなりの死傷者が出るぞ・・・」

ルルーシュ「当初の予定ではこんなに多くの人を入場させるはずではなかった
恐らく超合衆国の馬鹿共が途中で設けていた上限を撤廃したのだろう」

キョン「何でんな事したんだ?テロリストが攻撃を仕掛けてくるって分かってるのに!」

ハルヒ「どうせテレビ的には来場者が多い方が盛り上がるとか思ってるのよ!
全く信じられない連中だわ!」

キョン「そんなテレビマン的発想を、政治家の連中が持ち合わせてるとは思えんが・・・」

古泉「しかし、これだけ多くの人を入場させているからこそ、我々も中に入れたわけですし」

ルルーシュ「確かにそうだな、予定通り入場制限をかけられていたら
俺達は今頃会場の外だ」

ハルヒ「あんた達が起きてくるのが遅いのが悪いのよ全く!」

キョン「悪かったよ。ていうか今何時だ?」

古泉「12時半、式典開始まで後30分です」

------テロリスト側航空母艦(ハートネット)

新ゼロ「現場の状況は?」

カノン「以前変化はないようです」

新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」

カノン「12時45分です」

新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」

カノン「何者かが解除したという可能性は?」

新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」

カノン「しかしその場合・・・」

新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」

カノン「いかがなさいますか?」

新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」

カノン「突撃部隊ですか?」

新ゼロ「あぁ、今すぐ出撃させろ」

カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」

新ゼロ「気に入らないか?」

カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」

新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」

カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」

新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」

カノン「はい」

新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」

カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」

新ゼロ「何だ?」

カノン「あなたは一体何者なんです?」

新ゼロ「フン、瑣末な事を気にするな。それよりも我々も動く、準備しろ」

会場では5万人近い人々が椅子に座り式典の開始を待っている。
一般参加者より高い位置に軍や各国の政府関係者が椅子を並べて座っており
中央には大きな慰霊碑が置かれている


ガヤ   ガヤ   ガヤ


キョン「古泉、今何時だ?」

古泉「もうすぐ13時です。いよいよですね」

ハルヒ「いいみんな、猛ダッシュでナナリーを助けに行くのよ!!」

キョン「ていうか来てるのかナナリー首相は?ここからじゃ関係者は豆粒程度にしか見えん!」

ハルヒ「いるわよ、慰霊碑の横の席!中華連邦の天子と何か話してるわ!」

ルルーシュ「よくこれだけ離れた場所からそんな事まで確認できるな・・・」

ハルヒ「私視力2.0だし!」

キョン「いや、2.0でもこれは普通見えん」

古泉「13時です」


その瞬間会場全体に大きな爆撃音が鳴り響いた

ドゴーーン!!    ズドーーン!!


ザワ   ザワ   ザワ

「何今の音?」   「爆発?」   「まさかテロ!?」

ザワ   ザワ   ザワ


関係者「み、みなさん落ち着いてください!何でもありません、今の音は花火です!」

ハルヒ「花火?何言ってんのあいつ!?終戦記念の式典で花火なんて
打ち上げるはずないじゃない!?」

ルルーシュ「そうか、何でこんなに多くの人間を入場させたのかと不思議に思っていたが
なるほど、どうやら連中は犠牲者を増やしたいようだ」

キョン「犠牲者を?どういう事だ?」

ルルーシュ「この間の放送で超合衆国と黒の騎士団の不正、怠慢を暴露した新ゼロは
今現在多くの人々の支持を集めている。この状態では黒の騎士団はテロリストに対して
報復攻撃ができない。支持を受けているテロリストを攻撃しようものなら
たちまち正義と悪の立場は逆転し、彼らは民衆の敵になってしまうからな」

キョン「だから何だって言うんだ?」

ルルーシュ「だがどうだろう、新ゼロによるテロに、何の罪も無い人々が大勢巻き込まれたとしたら・・・
そうなったら民意はガラリと変化するだろう。新ゼロは誰の目にも明らかな悪となり
それと戦う黒の騎士団は正義となる。そうなれば堂々と報復でもなんでも好きなだけできる」

古泉「つまり、彼らがこの式典にこれだけ多くの人々を入場させたのは・・・」

ルルーシュ「あぁ、十中八九犠牲者を多くする為だろう。犠牲者が多ければ多いほど
人々の反新ゼロ感情は大きくなるだろうからな」

キョン「さっきの音を花火だなんだと誤魔化したのも、みんなをここに留まらせておく為の嘘か!」

ハルヒ「腐ってるわね・・・許せないわ!!どっちがテロリストだか分かったもんじゃないわ!」

ルルーシュ「同感だ。しかし、まさか民意を得る為とはいえここまでするとはな・・・」

ハルヒ「私達でなんとかするしかないわね!このままじゃこの会場にいる殆どの人が
テロに巻き込まれちゃうわ!」

キョン「何とかするって、どうするつもりだ?」

ハルヒ「とにかく叫ぶしかないわ!!『今のはテロリストの攻撃よー!』とか、『みんな逃げてー!』って!」

キョン「戯言だとスルーされるんじゃないか?」

ルルーシュ「いや、かなり有効だ。平静を装っているが、さっきの爆発音でみんなかなり動揺している
これなら少し背中を押してやるだけでみな回避行動をとるだろう」

ハルヒ「決まりね!みんないいわね?力いっぱい叫ぶのよ!?」

キョン「ええい、やるしかないか!」

その頃東京湾ではテロリストの部隊とコーネリアの指揮する部隊が
交戦状態に入っていた


テロリストA「落ちろ赤いの!!」

テロリストのナイトメアが紅蓮に対しハドロン砲を撃つ
しかしカレンは操縦桿を素早く動かしこれを回避

カレン「そんな攻撃当たらないわ!」

テロリストA「くそ、何でこの距離から撃って当たらねーんだ!!」

紅蓮がテロリストのナイトメアの後方に回り込む

カレン「後ろ、がら空きなんだけど?」

テロリストA「は、早すぎる!?」

紅蓮は敵ナイトメアの両腕部、両脚部を即座に切断
相手を無力化しては次の相手へと向かい、それを繰り返していた

ジノ「相変わらず早いなぁ、カレンの機体は」

藤堂「よそ見している暇はないぞジノ君!相手の数を見ろ!」

ジノ「へ?・・・うわー、凄い数。一機ずつじゃ日が暮れるね
面倒だから一気に減らすか!」

ジノはハドロンブラスターを放出し敵部隊を一気に撃ち落とした!

ドカーーン!!

テロリスト「うわああああ!!」


カレン「ちょっとアンタ、そんな技があるなら最初からやりなさいよ!
一機ずつ倒してた私が馬鹿みたいじゃない!」

ジノ「凄いだろこれ?四連動式ハドロンブラスター!新型トリスタンの目玉さ
まぁエナジー消費が滅茶苦茶多いのが欠点だけど」

玉城「エナジーの心配なんていらねーって!もう今ので全部撃ち落しちまったんだしよw
これで俺達の大勝利だwww」

カレン「あんたよく落とされなかったわね・・・」

藤堂「油断するな、この程度で終わるとは思えない」

玉城「おっ?噂をすればだwwまーた団体さんのお出ましだww」

カレン「あの機体・・・旧型のサザーランド?」

ジノ「本当だ、旧型のサザーランドにフロートユニットをつけただけじゃないか
あんなんで俺達と戦おうってのか連中は?」

藤堂「いや・・・何かおかしい」

大量のサザーランド部隊がカレン達目掛け一直線に飛んでくる

司令官「今度は我々の番だ!全機遅れをとるなよ!」

自衛隊のナイトメア部隊がカレン達の前に出て敵部隊を迎え撃つ


藤堂「おい待て、正面から当たるのは危険だ!!!」

司令官「問題ありません、このような旧式、我々で十分!!」

自衛隊のナイトメアが敵部隊に向かってライフルの一斉射撃を行う
しかし弾に当たらなかったナイトメアが自衛隊のナイトメアに抱きつき相次いで自爆した

自衛官A「な、何だこいつ!?は、離れろ!!」

ドカーーン!!  ドカーーン!!  ドカーーン!!

藤堂「なっ!?」

ジノ「自爆かよ、こりゃまずい!みんな逃げろ!取り付かれたら終わりだ!」

カレン「くそっ」

藤堂「一定の距離を保ちつつ、遠距離攻撃で少しずつ数を減らしていくしかない!
近づきすぎると爆発に巻き込まれるぞ!」


その間にも自衛隊のナイトメア部隊はどんどん落とされていった

ドカーーン!!  ドカーーン!!  ドカーーン!!

-------式典会場

ハルヒ「テロよー!!テロリスト!!これは花火の音なんかじゃないわ!!」

キョン「みんな逃げろ!!テロの標的はここだ!!巻き込まれるぞ!」

古泉「みなさん今すぐ会場の外に逃げてください!間もなくここは戦場になります!」

みくる「みなさーん、逃げてくださ~~い!」


「やっぱりそうか!に、逃げるぞ」  「みんな逃げるわよ、お母さんに着いてきなさい!」
「早く逃げろー!殺されるぞ!」   「おい押すな!!」   「さっさと行けよお前!!」


  ワー   ワー   ワー   ワー  


ハルヒ達の言葉によって一般来場者の殆どが会場の外へと向かい走り出し
会場はパニック状態へと陥った


関係者「み、みなさん落ち着いて!席に御戻りください!」

キョン「この期に及んでまだ言ってるのかあいつ?」

ルルーシュ「こうなってしまった以上式典は中止せざるを得ない、すぐに諦めるさ」

ハルヒ「この混乱状態・・・まさに思い描いていた通りだわ!今ならナナリーの所へ行っても
何ら不自然ではないわね!」

キョン「いや、今向かっていったら俺達がテロリストだと勘違いされるんじゃないか?」

ハルヒ「問答無用よ!ぐずぐずしてたらテロリストが来ちゃうし、今のうちにナナリーを
安全圏まで運ぶわよ!みんなついてらっしゃい!!」

キョン「お、おい待てハルヒ!!」

ハルヒ「突撃ー!!」ダッダッダ


ハルヒは会場の外へ逃げようとする人々を掻き分けながら
ナナリーのいる壇上目掛けて猛スピードで走り出した


ルルーシュ「キョン、朝比奈さん!」

キョン「あぁ、分かってるよ!あいつの事は任せとけ。行きましょう朝比奈さん!」

みくる「は、はい」


キョンとみくるがハルヒの後を追い走り出す


古泉「さて、では僕も動きますか」

ルルーシュ「頼むぞ、必ずスザクにランスロットを渡してくれ!」

古泉「えぇ、任してください」

ピーッ

ルルーシュ『C.C、応答しろ!』

C.C『何だ?』

ルルーシュ『そちらの状況は?』

C.C『今アーニャ達と東京湾に向かっている。あと5分程度でつくだろう』

ルルーシュ『よし、予定通りだな。奴等は戦力を分散させずに一点に攻撃を集中させるはずだ
つまり、東京湾からの部隊させ食い止めればこちらの被害は0で終わる
一機たりとも先へ進ませるな!』

C.C『言われなくてもそのつもりだ。で、そっちは今どうなってる?』

ルルーシュ『今さっき涼宮達がナナリーのもとへ走り出したところだ
俺はこれから蜃気楼に乗り込み一般人の避難誘導をする!そちらは任せたぞ』

C.C『了解だ』

ルルーシュ『何かあったら連絡を入れろ。無理はするなよ!』

C.C『あぁ、分かってる』

ピッ

ルルーシュ「よし、行くか」

ワー   キャー   ワー   キャー


関係者A「ちっ、これではもう式典どころではないな・・・」

関係者B「テロリスト共は何をやっているんだ!?さっさとここへ来い!」

ナナリー「あ、あなた達は何を言っているんですか!?」

関係者B「い、いや・・・今のは」

ナナリー「みなさん急な事で混乱しています!私達で非難誘導をしましょう!」

関係者A「避難誘導?我々がですか?」

ナナリー「そうです!」

関係者B「冗談でしょ、そんな事は警備してる連中に任せとけばいいんです!
我々には式典を遂行するという重大な役割が」

ナナリー「もうそんな事を言っている場合ではありません!式典は中止です
だから私達で出来る事を」

関係者A「ええい、うるさい!!ブリタニアの分際で我々に意見するな!!!」

ナナリー「国は関係ありません、今は一人の人間として」

関係者A「黙れ!!!この虐殺皇女が!!」

ナナリー「!!」

関係者A「へ、何人殺したか知らないが、この世界で歴史上フレイヤを放ったのは
あんたと裏切りの騎士枢木スザクだけだったな?そんな人間がどの面下げて
ここに座ってやがんだ?あぁ!?」

ナナリー「わ、私は・・・」

関係者B「おい止めろ!!今支持が出た、プランBに以降だ!」

ナナリー「プランB・・・何ですかいったいそれは?」

関係者A「あはははいいねぇ!!面白くなってきた!」

ナナリー「な、何を笑っているんですか?」

関係者A「我々はこれからこの会場を爆破します!」

ナナリー「何を言ってるんですか!?そんな事をしたら」

関係者A「そんな事したらいっぱい死んじゃいますよね、何の罪も無い一般人が
でもね、それでいいんですよ。この状況で会場が爆発すれば
誰もがテロリストの仕業と思うでしょう、そうなれば世論は超合衆国支持に傾き
テロリスト共を徹底的に叩く事ができる」

ナナリー「まさか、そんな事の為に・・・」

関係者A「そんな事?大事な事でしょう。民衆の支持無くして政治はできません
ちなみに、あなたはここで死んでいただきます」カチャッ


関係者Aがナナリーに銃を向ける

ナナリー「それもプランBという作戦の中に入っているんですか?」

関係者A「勿論です。国家の代表がテロに巻き込まれて死亡。
そうなれば民衆は更に強く反テロリストへの感情を強める事になる
必要な事なんです、世界平和の為に死んでくださいナナリー首相」

ナナリー「・・・・・・」

関係者A「いつもあんたを助けてくれるゼロも、今回ばかりは助けてはくれませんよ?
爆発音と同時に様子を見てくるとか言って外に出ちゃいましたからね
まぁ、プランBが発令された以上、彼ももう用無しなんですが
今頃私の部下が始末してるはずです」

ナナリー「ゼロは・・・スザクさんはあなた達になんて負けません!」

関係者A「は?スザク?枢木スザクの事か?わけ分からんな・・・
もう楽にしてやるよ!!」カチャッ

ナナリー「(お兄様!!)」

ハルヒ「ちょーーーーと待ったぁぁぁ!!!!」


ハルヒのとび蹴りが関係者Aの顔面に炸裂する


ドサッ

関係者A「ぐはっ!!」

関係者B「お、おい大丈夫か!?」

ハルヒ「あんた達今何しようとしてた!?撃とうとしてたでしょ!?
考えられないわ!なに考えてんのよ!!」

関係者A「うっ・・・・うぅ」

ナナリー「あ、あなたは?」

ハルヒ「私?私は涼宮ハルヒ!あなたを助けに来たのよ!」

ナナリー「わ、私を?」

ハルヒ「そっ、私達SOS団が来たからにはもう大丈夫よ!」

ナナリー「エ、エスオーエスダン?」

キョン「お、おいハルヒ!!ハァハァ」

ハルヒ「遅いわよキョン!!何してたの・・・・・ってあれ?古泉くん達は?」

キョン「逸れちまったよ、お前が一人でぶっ飛ばすもんだから」

みくる「ま、待ってくださ~~い!ゼェゼェ」

ハルヒ「みくるちゃんですらちゃんと着いてきるっていうのに、全く何やってるのかしら!
ルルーシュはともかく、古泉くんって運動神経良かったわよね?」

ナナリー「(ルルーシュ・・・?)」

キョン「んな事言ってる場合か!さっさと逃げるぞ!!」

みくる「えぇ!?ま、また走るんですかぁ!?」

キョン「朝比奈さんよく見てください、あの連中銃を持ってます!
早いとこ逃げないと危険なんです!」

みくる「ひぇ、ひぇぇぇぇ!」

ハルヒ「じゃあとっとと逃げるわよ!!ナナリー、振り落とされないようによ~~く掴まってなさいよ!」

ナナリ「は、はい」

関係者B「待て!!逃がすか、お前ら全員まとめてあの世へ送ってやる!!」

関係者Bが銃をハルヒ達に向ける

キョン「まずい!!ハルヒ逃げろ!!」

関係者B「死ね!!」


ドンッ!!    ドンッ!!


引き金を引く瞬間、関係者Bの額にクナイのようなものが突き刺さった
体勢を崩した彼から放たれた弾丸は上空へと消える

ドサッ

キョン「なっ・・・・・」

すると何処からともなく一人の女性が現れハルヒ達にこう告げた

咲世子「ここは私がおさえます、みなさんは早くナナリー様を安全な所へ!」

ハルヒ「あなた誰よ?今のあなたがやったの!?」

咲世子「そうです。早くナナリー様を安全な所へ!」

ナナリー「咲世子さん!!!」

ハルヒ「へ?知り合いなの?」

ナナリー「お久しぶりです咲世子さん!今まで何処にいらっしゃったんですか!?」

咲世子「再会を懐かしむのは後にしましょう、とにかく今は」

咲世子がキョンへアイコンタクトを送る

キョン「(そうか、この人はルルーシュの協力者か!)」

ナナリー「私達だけで逃げるなんて、咲世子さんも一緒に!」

咲世子「それはできません、私には私の役割がございますので・・・さあ、早く!!」

キョン「よし、行くぞハルヒ!さっきみたいにぶっ飛ばせ!!」

ハルヒ「そうね、ここはお言葉に甘えましょう。行くわよみんな!」

ナナリー「咲世子さん!!」

咲世子「ナナリー様、どうか御無事で」

ハルヒ「フルスロットルよー!!!」ダッダッダ


ハルヒは猛スピードで走り出し、キョンとみくるはその後を追った


関係者A「おのれ・・・貴様ただで済むと思うなよ!!お前が今殺したのは超合衆国の幹部だ!
貴様は勿論親兄弟、まとめてあの世に」

ドスッ


咲世子のクナイが関係者Aの額に突き刺さった


ドサッ


咲世子「ナナリー様を愚弄した罪、そのあの世とやらで償ってください」

関係者C「何だあいつは・・・誰でもいい、早くあの女を殺せ!!!」

号令と共に無数の警官隊が咲世子へ銃を向ける

咲世子「・・・少々数が多いですが、まぁいいでしょう。篠崎流の恐ろしさ
その身に味あわせてあげましょう」

その頃東京湾では依然テロリストの自爆部隊との交戦が続いていた
何とか取り付こうというテロリストのナイトメアを交わしながら遠距離で攻撃という
面倒な作業が、戦闘時間を大きく長引かせていた


玉城「う、うわっ!!しまった!!」

ジノ「おい、あの人捕まっちまったぞ!?」

藤堂「早く脱出レバーを引け!!」

玉城「か、神様ぁぁぁ!!」

バシュー

ドカーーン!!


脱出が一歩早く玉城は命を繋いだ


カレン「ったく、危なっかしいわねあいつは!」

ジノ「でも、あの人じゃなくてもこれはちょっと厳しいな・・・キリがない」

ピーッ、ピーッ、ピーッ

ジノ「はぁ?やばい、エナジーが・・・」

カレン「調子に乗ってあんなの使うからよ馬鹿!!」

ジノ「あははは・・・・まいったな」

ブウンッ

エナジーが切れ降下するトリスタンに自爆部隊のナイトメアが取り付く


カレン「何やってんのよ早く脱出を!!」

ジノ「駄目だ、くそっ、連中が取り付いたせいで動かない!」

カレン「そ、そんな・・・ジノ!!!!」


機体が自爆しようとしたその時、大量のハーケンがトリスタンに取り付く
サザーランドを弾き飛ばした

ドカーーン!!

ジノ「ぐあっ!」

爆風を受けトリスタンは大きく飛ばされ、また降下を始めたが
モルドレッドがそれを受け止める

ガシッ

ジノ「た、助かった・・・・のか?」

カレン「なに、あの機体?」

カレン達の視線の先にはジークフリードにモルドレッド、ヴィンセント
そして見慣れない金色のナイトメアが存在していた


藤堂「ジノ君を助けたのはあの金色の機体だな。それにしても何ださっきの攻撃は?
あんなに大量のハーケンを一度に・・・それもあの状況で敵のナイトメアだけにヒットさせた・・・」

カレン「味方・・・・ですよね?」

藤堂「ジノ君を助けてくれたんだ、恐らくそうだろう。それに他の二つの機体には
君も見覚えがあるだろう?」

カレン「えぇ・・・(ジェレミアとナイト・オブ・シックス)」

ジノ「この機体・・・・アーニャ、アーニャなのか!?」

アーニャ「・・・・・違う」

ジノ「やっぱりアーニャだ!!助かったよ、ていうか今まで何処で何してたんだ?」

C.C「そんな話をしてる場合ではないだろう、まずはこの連中を何とかしてからだ」

カレン「そ、その声・・・・・まさかC.C!!?」

C.C「久しぶりだなカレン、だいぶ手こずっているようだから私達が力を貸してやる」

カレン「ちょっとアンタ、今まで何処でなにして」

ジェレミア「話は後だ、敵を殲滅するぞ!」

ジノ「その声・・・・やはりジェレミア卿か。じゃああの金色の機体には誰が乗ってるんだ?
さっきの攻撃見る限り、相当な腕前のようだけど・・・」

藤堂「何故彼らがここへ来たのかは知らんが、これ程頼もしい戦力もない
紅月くん、ここは彼らの力を借りよう!」

カレン「わ、分かりました!」


モルドレッドが新しいエナジーフィラーをトリスタンにとりつけた

ブゥーンッ


ジノ「用意がいいなアーニャ、まさかこの事態を想定してたのか?」

アーニャ「無駄話禁止」

ジノ「何だよ、冷たいな」

カレン「C.C、この戦いが終わっても逃げないでよね。アンタには聞きたい事が
山ほどあるんだから!」

C.C「おぉ怖い怖い」

ジェレミア「行くぞ!!!」


ジェレミアの号令と共に各ナイトメアは自爆部隊に向け一斉射撃を行った

------式典会場の外

軍人「ぐはっ・・・・・」ドサッ


会場の外、人気のない所に黒いマントと黒い仮面を被った男が立っていた
その周りには武装した多くの軍人が地を這うようにくたばっている


ゼロ「ハァ、ハァ・・・・何故このような事を・・・・・誰の指示だ!?」

軍人「くそ・・・・化物め、まさかゼロがここまで強いとは・・・くっ」

ゼロ「答えろ!!誰の指示だ!?」

軍人「へ、アンタの時代はもう終わりだ・・・これからは俺達が・・・・」ガクッ


そう言うとその軍人は絶命した


ゼロ「間違いない、この人達は黒の騎士団の暗殺部隊だ・・・何でこんな事を
いや、考えるのは後だ!このままだと恐らくナナリーが危ない!早く助けにいかないと!」

?「何処へ行く気ですかゼロ様?」

ゼロ「!?お前は誰だ?こいつらの仲間か?」

隊長「この部隊を率いてる者です。あれまぁ、全員殺しちまったんですか・・・凄いねこりゃ」

ゼロ「誰の指示で動いている?」

隊長「さぁね、それは答えられません。ただ、あなたには確実にここで死んでいただかないと
私が困るんですよ」

ゼロ「私に一対一で勝てるとでも?死にたくなかったらそこをどけ」

隊長「愛しのナナリー首相をお助けに参るのですか?」

ゼロ「なに?」

隊長「あなたはいつもそうですよね、何故かかつて敵だったはずのブリタニアのナナリーに付き添い
常にサポートしている。あれは何故です?」

ゼロ「答える義理はない。何度も同じ事を言わせるな、そこをどけ!」

隊長「気に入らないねぇ、絶対に自分が勝てるもんだと思ってやがる
俺は戦場で生まれ戦場で育ち、物心ついた時から殺しをしてる、あんたとは環境が違う
そいつらを倒したくらいで調子に乗るなよ?」

ゼロ「・・・・・」

隊長「じっくりあの世に送ってやる。あのゼロを殺せるなんて、こんな喜びはねぇ!興奮するぜ!!」

ゼロ「クズが・・・・」

ゼロは猛ダッシュで隊長に迫る

隊長「へ、馬鹿が!!」

隊長は持っていたライフルをゼロに向け乱射

隊長「死ねぇぇぇ!!!」ドドドドドドドドドッ


しかしゼロは走りながらこれを全弾回避
隊長に向けいつもの回転蹴りを放つも紙一重で交わされる


隊長「あっぶねー!!ヘヘ、なんて野郎だ!!ライフルの弾を交わしやがった!!
ククク、こりゃ想像以上の上玉だ!!殺し甲斐がある!!」

ゼロ「・・・・最後のチャンスだ、そこをどけ。そうすれば見逃してやる」

隊長「うるせー!!死にやがれ!!」ドドドドドドドッ


再びゼロに向けライフルを乱射
ゼロは弾を避けながら持っていた小型ナイフを投げ
銃口に命中させ、ライフルは暴発し粉々に破裂した

ボンッ!!

隊長「ぐあっ!!」

その瞬間ゼロは再び回転蹴りを繰り出し隊長は地に伏せた

ドサッ

ゼロ「終わりだ」

隊長「ク、クソがっ・・・・・・」

ゼロ「誰の指示で俺を襲撃した?答えれば命だけは助けてやる」


ゼロは倒れた隊長をマウントポジションで押さえ込み
顔に銃を突きつけている


隊長「ヘ、ヘヘヘ・・・くたばりやがれ!」

ドンッ!!


ゼロ「・・・・・・・早くナナリーの所へ行かなければ・・・・ん?何だあれは?」


その時上空から一機のナイトメアがゼロの前に降り立った


ゼロ「これは・・・・・・まさかランスロット!?」

コクピットハッチが開きある人物が姿を現し答える


古泉「その通りです。あなたの専用機、ランスロットですよ。いや~、探すのにかなり
苦労しました。しかし、何とか見つけられてよかった」

ゼロ「君は・・・・いったい何者だ?」

古泉「超能力者です」

ゼロ「・・・・・冗談に付き合っている暇はないのだが?」

古泉「冗談ではないんですけどね・・・・まぁいいでしょう、今はそんな事よりも
やらねばならない事がありますし」

ゼロ「もう一度聞く、君は何者だ?何故ランスロットを動かしている?」

古泉「頼まれたからですよ、ルルーシュさんにね」

ゼロ「なに!!?ルルーシュ!?」

古泉「えぇ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。僕は彼の協力者です」

ゼロ「そうか、ルルーシュの・・・ではある程度の事情は大体聞いているんだろうな」

古泉「はい、あなたが枢木スザクだという事も知っています。だからこうしてここに
ランスロットを持ってきたんです。ルルーシュさんは今回の事件を事前に察知し
あなたやナナリー首相を守る為密かに動いていたんです」

ゼロ「では彼もここに来ているのか?」

古泉「えぇ。あなたはこれからランスロットに乗って東京湾の部隊に合流してください
その間は僕がその仮面を被りゼロを演じます」

ゼロ「君がゼロを?しかし、私は・・・ゼロは今命を狙われている。危険だ」

古泉「そのようですね・・・正直あなたが外だけでなく中からも命を狙われるという事態は
想定していませんでした。しかし、だからといって計画を変更するわけにもいきません」

ゼロ「しかしそれでは君が・・・」

古泉「人目の多い所に出れば恐らく大丈夫でしょう。それに、仮に襲撃を受けたとしても
こちらにも一応護衛をしてくれる者が数名いますからたぶん大丈夫です」

ゼロ「護衛?」

古泉「えぇ、僕の所属している機関という組織の戦闘部隊です。プロの方々には劣るでしょうが
それでもいないよりはだいぶマシでしょう」

ゼロ「機関?」

古泉「詳しい事はまた機会がありましたらその時に説明します。それより急ぎましょう
ルルーシュさんの計算では、あなたとランスロットが加わらないとあちらの戦いは
かなり厳しいものになるとの事でしたので」

ゼロ「分かった」


スザクはゼロの仮面、衣装を脱ぎ古泉が用意していたパイロットスーツに着替え
古泉はスザクが脱いだ仮面、衣装を身に着けた


スザク「ふーっ・・・・・・・・久しぶりだな、外で顔を出したのは・・・」

古泉「これまで一度も外さなかったのですか?」

スザク「外ではね。屋内でも寝る時や入浴する時くらいしか仮面は外さなかった」

古泉「それは大変でしたね」

スザク「何が一番大変って、常に小難しい言葉づかいをしていなくちゃいけないって所だよ
口調なんかは出来るだけ前のゼロ、ルルーシュに似せないといけないからね」

古泉「なるほど」

スザク「それにしても、また枢木スザクとしてランスロットに乗る日が来るなんて・・・」

古泉「このランスロットはあなたが最後に乗っていたアルビオンよりも数世代進んだ機体です
簡単な教本は中に入っていますが、操縦できそうでしょうか?」

スザク「あぁ、何とかやってみるよ」

古泉「頼もしいですね。元ラウンズの方に先ほどの質問は愚問でしたか」

スザク「そういえば、まだ君の名前を聞いていなかったね」

古泉「古泉一樹です。よろしくお願いします」

スザク「古泉くんか、僕が戻るまでゼロのフリよろしく頼むよ」

古泉「はい」

スザク「じゃあいってくる!」



スザクはランスロットに乗り込み、東京湾へ向け飛び立った

-------アッシュフォード学園クラブハウス内

キョン「ハァ、ハァ、ハァ」

みくる「ふぇ~~、もう走れない~」

ハルヒ「みんなよく頑張ったわね!ここまでくればもう大丈夫よ!」

キョン「何処が大丈夫なんだ?会場から殆ど離れてないじゃないか!」

ハルヒ「灯台下暗しよ灯台下暗し!さっきの連中やテロリストも、まさかこんな所に
ナナリーがいるだなんて思わないでしょ!」

ナナリー「あ、あのぉ・・・・助けてくださってありがとうございます」

ハルヒ「いいのよお礼なんて、当然の事をしたまでだから!」

ナナリー「本当にありがとうございます!ところで、みなさんの御名前をお聞きしたいんですが」

ハルヒ「そういえば自己紹介がまだだったわね!私は涼宮ハルヒよ、よろしくね!」

キョン「俺は」

ハルヒ「こいつはキョンよ!」

キョン「何でお前が俺の紹介をするんだ!しかも本名の前にあだ名を教えてどうする!」

ハルヒ「いいじゃない別に、キョンの方が呼びやすいんだし!」

キョン「いや、そういう問題じゃないだろ・・・」

ハルヒ「そんでもってそこでへばってるのが朝比奈みくるちゃん!
全員SOS団のメンバーで、私が団長よ!」

ナナリー「先ほども言っていましたけど、そのエスオーエスダンというのは
一体なんなんでしょうか?」

キョン「(当然の疑問だな)」

ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略して、SOS団よ!!」

ナナリー「・・・・・は、はぁ」

キョン「(鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている・・・誰でもそりゃそうなるわな)」

ナナリー「あの、ところでみなさんは何故私を助けてくれたんですか?
誰かに頼まれたのでしょうか?」

ハルヒ「違うわよ!SOS団が独自に考えて行動したの!もしテロが起きた場合
他にブリタニアの関係者が一人もないあなたが一番危ないだろうと思ってね!
だから一目散に保護したのよ!」

ナナリー「そうだったんですか・・・あの、本当にありがとうございます!」

ハルヒ「だからいいのよお礼なんて、SOS団は正義味方なんだから
困った人を助けるのは当然の事なの!」

ナナリー「あの、ところで他の方は?先ほどの会話を聞く限りだと
他にも何人か団員の方がいらっしゃるようですけど」

ハルヒ「そうだわ、完全に忘れてた!有希達大丈夫かしら・・・」

キョン「ルルーシュや古泉も一緒だろうし、大丈夫だろ」

ナナリー「ルルーシュ・・・・」

キョン「あっ・・・・ルルーシュって言っても、あなたの御兄さんの事じゃありませんよ!
全くの別人です、別人」

ハルヒ「いちいちそんな事言わなくたって、ナナリーだって分かってるわよ!ねぇ?」

ナナリー「え?あっ、はい・・・」

みくる「あのぉ、それでいつまでここにいるんですか?」

ハルヒ「う~ん、そうねぇ・・・まだ外はかなり騒がしいし、暫くはここにいた方がいいわね」

みくる「で、でもいつテロリストが攻撃してくるか分からないですよ?」

ハルヒ「そういえば最初の爆発音から随分経つのに全然来ないわねテロリスト
日本の警察と自衛隊って結構優秀なのね」

キョン「(長門達が食い止めてくれてるお陰だな。それがなけりゃ今頃ここは火の海だったかもしれん・・・)」

ハルヒ「ま、ここにいれば取り敢えずは安全よ。テロリストが来たら別のところに移動すればいいわ
疲れたでしょナナリー?またいつ動く事になるか分からないから、今の内に休んでなさい」

ナナリー「ありがとうございます」

キョン「(そういえば古泉は無事枢木スザクにランスロットを渡せたのだろうか・・・)」

--------ランスロット(コクピット内)

ピーッ ピーッ


スザク『僕だ』

ルルーシュ『久しぶりだな、スザク』

スザク『ルルーシュ・・・・古泉という人から聞いたよ、わざわざすまない』

ルルーシュ『構わん、それより後どのくらいでつきそうだ?』

スザク『もう目の前まで来てるよ、すぐに参戦できる』

ルルーシュ『そうか。会場とその周辺の避難誘導は無事終わった
万が一連中が会場へ攻撃してきても、死傷者はでないだろう』

スザク『そうか、それは良かった』

ルルーシュ『だが、あそこは・・・アッシュフォード学園は俺達の思い出の詰まった場所だ
出来る事なら戦場にはしたくない、そこで食い止めてくれ』

スザク『分かった!』

ルルーシュ『・・・・フッ、またお前とこうやって話せる時が来るとはな』

スザク『僕も意外だよ、でも・・・・話せて良かった』

ルルーシュ『俺もだ。ではこれから詳しい事を説明する』

--------東京湾

ジノ「そこ、密集しすぎだぞ?食らえ、四連動式ハドロン重砲!!」

ドカーン   ドッカーン  ドカーン


カレン「あんたはまたエナジーの無駄づかいを!」

ジノ「大丈夫だって、もうあっちの戦力も数える程だし。連中が全滅するのは時間の問題さ
アーニャ達の援護のお陰だな」


ジェレミア「落ちろ!!」

ドカーン

アーニャ「・・・遅い」

ドカーン

長門「・・・・」


ドカーン   ドカーン


ジェレミア、アーニャ、長門の三人が次々と敵ナイトメアを落としていき
ジノの言うとおり敵の自爆部隊は残り数機程度にまで減っていた

カレン「凄いわね・・・」

ジノ「今更驚くような事でもないだろ?元ラウンズにあのオレンジだぞ?」

カレン「その二人じゃないわよ、あの金色の機体!」

ジノ「あぁ・・・確かにさっきから良い動きしてるよな、撃墜数もたぶん一番多いだろ」

カレン「誰が乗ってるのかしら・・・」

C.C「気になるか?」

カレン「うわっ!急に何よC.C!勝手にこっちの通信に割り込んでこないでちょうだい!」

C.C「ん?あぁ、彼氏との会話中だったか。それはすまなかったな、謝るよ」

カレン「だ、誰が彼氏よ誰が!!!」

C.C「フフ、変わらんな。からかい甲斐のある奴だ」

カレン「ていうかあんたどこにいるのよ!?さっきまで一緒に戦ってたのに!!」

C.C「私の技量では連中の突進を回避しつつ攻撃などという器用な真似は出来ないようなのでな
危ないから今は下のコンテナの陰に身を隠しているところだ」

カレン「・・・アンタ、いったい何しに来たのよ」

C.C「だが私の変わりにあの金色のが大活躍してるんだ、何の問題もないだろ?」

カレン「で、あのナイトメアのパイロットは誰なの?私達の知っている人?」

C.C「いや、知らないだろうな。あの機体に乗っているのは長門有希という女だ」

カレン「ながとゆき?って、日本人なの!?」

C.C「いや、宇宙人だそうだ」

カレン「それ、からかってるつもりかしら?」

C.C「からかってるつもりなどないぞ?私は本当の事を」

ジェレミア「おい、無駄話は戦いが終わってからにしろ!!」

C.C「・・・・だそうだ、気をつけてな」

ピッ

カレン「あっ、ちょっと待ちなさいよC.C!!」

ジノ「ハハ、面白い人だなカレン!宇宙人はいくらなんでもないだろ」

カレン「あいつ、どうせまたからかってるんだわ!!」


そんな無駄話をしている最中もジノとカレンは敵の攻撃を交わし
遠距離攻撃で敵ナイトメアを撃墜していった



ジノ「よーっし、最後の一機!!!」

ジノが最後の一機に対してハーケンを放とうそしたその時
別方向から攻撃が飛んできてその一機に命中した

ドカーン


ジノ「うわっ・・・・なんだよ誰だ?最後は俺が決めようとしたのにって・・・あれ?あれは・・・」

カレン「ラ、ランスロット!?」

藤堂「何故あの機体がここに・・・・まさかパイロットは・・・」


スザク「これはどういう事だ?何でモルドレッドやジークフリードの他に紅蓮やトリスタンまで・・・
ルルーシュ、ルルーシュ、応答してくれ!」

ピーッ

ルルーシュ『どうした?』

スザク『それが、ちょっと聞いていたような状況と違うんだけど・・・』

ルルーシュ『なに?敵の数が予想よりも多かったか?』

スザク『いや、そうじゃないんだ。敵はもう全滅してる』

ルルーシュ『何を言っているんだ、あいつらと自衛隊の戦力だけでそんな事ができるはずがないだろ』

スザク『それが紅蓮にトリスタン、それとたぶん藤堂さんらしき人が乗ってるとみられるナイトメアが
あるんだけど・・・』

ルルーシュ『紅蓮にトリスタンだと?』

スザク『古泉という人からは、戦力的には僕が加わってようやくなんとかなるレベルだと
聞いていたけど・・・この様子だと必要なかったかもしれない』

ルルーシュ『・・・・・なるほど、恐らくカレン達も今回の件に関して独自に動いていたのだろう
だからこそ警護の面で手薄なナイトメアの部分を補うために自ら出撃しているという事か
これは嬉しい誤算だ、戦力は俺が当時見積もっていた2倍にも3倍にも膨れ上がっているというわけか』

スザク『で、僕はこれからどうすればいい?』

ルルーシュ『そこから南に行ったところの上空に敵の航空母艦が浮いてる
恐らく新ゼロもその中だろう、詳しい位置情報を送るから行って撃墜してこい』

スザク『分かった!』

ルルーシュ『ジェレミアと長門有希にも同様の支持を出しておく、協力して叩いてくれ
長門有希が乗っているのは金色の機体だ』

スザク『例の宇宙人か・・・』

ルルーシュ『あぁ、話しかけてもまともな答えは帰ってこないぞ』

スザク『まず僕等の言葉を理解できるのかい?宇宙人なんだろう?』

ルルーシュ『理解はしているんだろうがリアクションが殆どない
まぁ、挨拶だけしておけばいいだろう』

スザク『はは、分かったよ』

ジノ「誰が乗ってるんだ?あのランスロット・・・」

カレン「(まさかスザクが・・・?)」


ピーッ ピーッ

ルルーシュ『俺だ、聞こえるか!』

ジェレミア『陛下!えぇ、聞こえます』

アーニャ『聞こえてる』

長門『・・・聞こえる』

C.C『聞こえるぞ』


--------アッシュフォード学園(クラブハウス)

みくる「き、聞こえてますぅ~!」

キョン「!!?」

ハルヒ「ん?みくるちゃんどうしたの?何が聞こえるの?」

みくる「へ?い、いや・・・そのぉ」

キョン「み、耳鳴りですか朝比奈さん?」

みくる「へ?あっ・・・そ、そうなんです!さっきから耳鳴りがしてて」

ハルヒ「耳鳴り?さっきの爆発音が原因かしら?大丈夫?」

みくる「だ、だ、だ、大丈夫ですぅ!」

キョン「(ふぅ・・・朝比奈さん、お願いですから向こうの問いかけには答えないでください・・・)」

みくる「(キョンくんありがとう)」



----------東京湾

ルルーシュ『お前達はスザクと共にテロリストの母艦を沈めて来い
可能ならば新ゼロの身柄を確保しろ!』

ジェレミア『イエス・ユア・マジェスティ!』

アーニャ『了解・・・・スザクとの共闘、久しぶり』

長門『分かった』


ランスロットがその場から離れ、ジークフリードやモルドレッドもその後を追った


カレン「ちょ、ちょっとあいつら何処に行くのよ!?」

ジノ「急に来たと思ったら急にいなくなったな・・・」

カレン「後を追うわよ!」

ジノ「な、何で!?」

カレン「何でって、あいつらが誰の指示で動いているかとか気にならないの?」

ジノ「そりゃ気にはなるけどさ、残念ながらトリスタンはもうエナジーが・・・」

カレン「だから言ったのよ、あんな技使うから・・・・いいわ、一人で行くから!
下で待ってなさい!」


カレンもスザク達の後を追ってその場を去った



ルルーシュ『フ・・・・フハハハハ、フハハハハハ!!』

C.C『何だ急に笑い出して、気持ちの悪い男だな』

ルルーシュ『これを笑わずにいられるか、まさかこうもあっさり新ゼロを追い詰めれるとはな
どうやら俺は彼を過大に評価しすぎていたようだ。所詮ギアスが無ければただの凡庸な人間だったか
ジェレミアのギアスキャンセラーがこちらにある時点で勝負は決していたようだな』

C.C『カレン達が動いていた事がかなりプラスに働いたな』

ルルーシュ『あぁ、新ゼロが用意していた自爆部隊をこの早さで殲滅できたのは
カレン達が参戦していてくれたお陰だ。予定ではもう少し時間がかかると思っていたからな
実に運がいい、どうやら神は俺達の味方のようだ』

C.C『その神ってのは涼宮ハルヒの事なんだろ?』

ルルーシュ『この際あいつが神でもいいさ、こちらに有利に事が運ぶのならな
ところでC.C、お前の機体の信号だけさっきから一ミリも動いてないのだが・・・
俺はスザクと一緒に母艦を落とせと命じたはずだぞ?』

C.C『私がいなくても問題はないだろう、元ラウンズが二人に、オレンジ
それに宇宙人の四人組だぞ?』

ルルーシュ『・・・・ん、まぁ別にそれでもいいが』

C.C『では私は暫く休んでいる、後は頼んだぞ』

ピッ

ルルーシュ「全く・・・・まぁいい、直に戦いは終わる。キョンのギアスも必要なかったな
新ゼロ、お前はゼロを名乗るにはあまりにも無能だ。お前にその仮面は相応しくない!
俺が今から剥ぎ取ってくれる!」




-----------テロリスト側

オペレーター「敵とみられるナイトメアが5機、ハートネットに向かっています
も、物凄い速さです」

カノン「どうやって場所をつきとめたんだ・・・・」

新ゼロ「誰が指揮をしているのか知らんが大したものだ、このままでは我々の完敗だな」

新ゼロ「攻撃の場所、時間、方法、全てあちらの指揮官の手の内か
まさかこれ程に有能なパイロットとナイトメアを用意していたとはな・・・」

カノン「いかがなさいますか?」

新ゼロ「予定通りでいいだろう、その五機がハートネットの半径500m内に入ったと同時に
艦を放棄、フレイヤを使って自爆する」

カノン「フフ、容赦ないですね。それで我々はどうします?」

新ゼロ「もう少しここで待機だ。私の読み筋が正しければ、直にあの男がやってくるだろうからな」


-------
---
--


------合衆国ブリタニアナイトメア空輸機

シュナイゼル「ゼロ、御無事でしたか!!ん?そちらの女性は?」

旧ゼロ「私をここまで護衛してくれた森という人だ。それより、超合衆国の艦は今何処を飛んでる?」

シュナイゼル「シェバトは今府中市上空にあります」

旧ゼロ「なるほど、テロの巻き添えを恐れて自分たちは早々に安全圏へと避難か・・・」

シュナイゼル「我々も向かいますか?」

旧ゼロ「あぁ。超合衆国の中に私を暗殺しようと企んでいるものがいる
恐らくそいつはもう既にゼロは死んだと思い込んでいる事だろうから
行って驚かせてやろう」

シュナイゼル「ゼロ様の御命を?なんという・・・。しかし、ナナリー様はいかがなさいますか?
未だ連絡すらつかない状況ですが?」

旧ゼロ「ナナリーの事は心配ない、既に安全を確認済みだ
我々はこれからシェバトに向かう」

シュナイゼル「了解しました!」

旧ゼロ「(枢木さんの為にも、こちらの問題は解決しておいてあげましょう)」


-----
---
-

------アッシュフォード学園

ハルヒ「だいぶ静かになってきたわね!」

みくる「結局テロリストは来ませんでしたね」

ハルヒ「張り合いのない連中ね、私のオーラを感じ取って逃げたのかしら?」

キョン「あぁそれはありえるな、全身から湧き出る奇人変人オーラ
人間版虫コナーズみたいなもんだなお前は」

ハルヒ「ぶっとばすわよ!!」

ナナリー「フフフ、みなさんは仲が良いんですね!」

キョン「これが仲良しに見えますか?」

ナナリー「えぇ、とっても」

ハルヒ「ナナリーにもいるんでしょ、仲の良いお友達!」

ナナリー「・・・・そうですね、はい」

ハルヒ「それってさ、ひょっとしてこの人達の事じゃない?」


ハルヒはポケットから昨日ルルーシュの部屋で見た写真を取り出した


ナナリー「これは・・・・何故涼宮さんがこれを?」

ハルヒ「お天気お姉さんのミレイ・アッシュフォードに貰ったのよ!」

ナナリー「そうですか、ミレイさんに・・・」

ハルヒ「これがお兄さんのルルーシュよね!こうやって見るとなかなか良い男ねぇ・・・
学生時代はかなりもててたでしょ?」

ナナリー「はい!お兄様は学園の女性の憧れの的でした!」

ハルヒ「ねぇ、もし良かったらルルーシュの事いろいろ教えてくれないかしら!?」

ナナリー「嬉しいです。私にお兄様の事を聞いてくる人なんて、最近は誰もいませんでしたから」

ハルヒ「ナナリーはお兄さんの事が大好きなのね!」

ナナリー「はい、今でも大好きです!」

キョン「(あいつが聞いたら卒倒するだろうな・・・今の台詞は)」


-------
---
-


------超合衆国航空母艦シェバト

シュナイゼル「ゼロ様、やはり御一人では危険です。私を同席させてください」

旧ゼロ「心配ない、中には他の国の関係者も大勢いる。それに私の暗殺を企てていたのは
恐らく一部の人間だけだ。この場でどうこうしようという事はまずないだろう」

シュナイゼル「分かりました。では私はここで待機しています
万が一何かありましたらお呼びください」

旧ゼロ「あぁ。森、お前もここで待機していろ」

森「分かりましたゼロ様」

旧ゼロ「では行ってくる」

ウィーーーーン


艦内ブリッジに入った旧ゼロ(古泉)は即座に異変に気付いた


旧ゼロ「誰もいない?」


すると後方からある人物が声をかける


?「やはり来ましたねゼロ、彼の言うとおりでした」

旧ゼロ「誰だお前は?他の者達はどうした?何故君一人しかいない?」

?「いいえ、私一人ではないわ」


その者の後ろから黒い仮面に黒いマント
古泉と全く同じ姿をした人物が姿を現した


旧ゼロ「なっ・・・・・・・・お前はまさか!?」

新ゼロ「始めまして、ゼロ!」

旧ゼロ「そんな馬鹿な・・・・何故お前がここに・・・お前は東京湾にいるはず」

新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ」

古泉はマントの中でゆっくりと右手を動かし無線機のスイッチを入れた  ピピッ


   ルルーシュ『ん?どうした古泉?何かトラブルか?』

旧ゼロ「・・・・・・」

   ルルーシュ『おい、応答しろ古泉!!何があった!!』

   C.C『SOSのサインかもしれんぞ!言葉を発せない状況にあるのかもしれん』


新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ!!」


   ルルーシュ『この声・・・・・まさか!!?』


カノン「枢木スザク、あなたの正体は分かっている。早くその仮面を外しなさい
この世にゼロは二人もいらない。本物のゼロは彼だ」

新ゼロ「いいや、俺が言った偽ゼロとはそういう意味ではない
今ゼロの仮面を被っているのは枢木スザクではなく別の人間だ」

カノン「別の人間?」

新ゼロ「考えても見ろ、枢木スザクにここまで策を巡らす事は不可能だ
恐らく途中で入れ替わったのだろう、枢木本人は今頃ランスロットに乗って東京湾の上だ」

旧ゼロ「なるほど、全てお見通しというわけか・・・」

新ゼロ「あぁ、だからその仮面をとれ。君の正体には多少興味がある」


古泉は仮面を外した


カノン「子供!?」

新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな
君は実に優秀だったよ。だが、優秀だからこそ読み易い
まずは名前でも聞いておこうか」


   ルルーシュ『何故だ・・・・何故奴がそんな所にいる!!』


古泉「古泉一樹と申します、お察しの通り高校生です
しかし参りましたね、まさかあなたがここで待ち構えているとは・・・」

新ゼロ「当初の予定ではずっとハートネットで作戦の指揮をとる予定だったのだが
直前にギアスが発動しないというイレギュラーが発生したのでな
相手側にギアスを無力化することの出来る者がいて、尚且つ私がギアス能力者だという事を知っている
これはかなりの脅威だった、だからこそリスクを恐れず動いたのだ。ハートネットを棄ててな」

古泉「ギアスキャンセラーの事までご存知でしたか」

新ゼロ「ギアスキャンセラーというのか?半信半疑ではあったがな
しかし時間になっても発動するはずのギアスが発動しないのであれば、そういった可能性を疑うしかない
この情報が無ければハートネットからここへ移動する事もなかっただろう
今頃お前の仕向けたナイトメア部隊に蜂の巣にされてたかもしれんな」

    ルルーシュ『馬鹿な・・・・読んでいたというのか!?俺の策を!!
            かけたはずのギアスが発動しないという、たったそれだけの情報で!!』

    C.C『見事に出し抜かれたわけか・・・なかなかやるな』



新ゼロ「ここにいれば必ず君が現れると思っていたよ。まさかここまで思い通りに行くとはな
ギアスを使い人払いをしてまで待っていた甲斐があったというものだ」

古泉「となると、今ハートネットの中にいるのは」

新ゼロ「あぁ、ギアスの奴隷と化した者達だけだ。お前がよこしたナイトメア部隊が
半径500m以内に入ったらフレイヤを使って自爆する手はずになっている」

古泉「なっ・・・・」


    ルルーシュ『何だと!!?』


新ゼロ「残念だったな古泉一樹、お前の負けだ」

古泉「どうやらそのようですね・・・しかし、あなたは一つだけ間違っています」

新ゼロ「なに?」

古泉「あなたがこれまで戦っていたこちら側の指揮官は僕ではなく
別の人間です」

新ゼロ「別の人間だと?」

古泉「はい」

新ゼロ「フン、そのようなハッタリは今更何の意味もなさない!
古泉一樹、お前にはここで死んでもらう」カチャッ


新ゼロが古泉に銃を向ける


古泉「嘘ではないんですがね・・・まぁいいでしょう、直に分かります」

新ゼロ「まだ言うか!!ここでお前を殺し、ハートネットを爆破させた後に
式典会場にフレイヤを打ち込む、これで今回の作戦は完遂される
超合衆国の要人は既に俺の奴隷、残すは弱体化した黒の騎士団のみ!
フハハハハハハハ、見えてきたぞ!本当の優しい世界が!」

古泉「フレイヤを打ち込む?待ってください、ハートネットを爆破したらフレイヤを
打ち込むのは不可能では?」

新ゼロ「ところが不可能ではない。何故ならこの艦にも積んであるからな、フレイヤは」

古泉「どういう事です?」

新ゼロ「超合衆国の連中は我が身守る為なら何だって作り、何だって持ち込むという事だ
よほど小心者なのだろうな、4つも5つも積んであったぞ
だから私がありがたく有効活用させていただく」

    ルルーシュ『フレイヤで東京を・・・・まずい、このままではナナリーや涼宮達が!!』

キョン「・・・・・・・・・・ッ!!?(フレイヤだと!!)」

みくる「キョ、キョンく~ん」

ナナリー「それでお兄様は私の為にサンタクロースの格好をしてくれて」

ハルヒ「ふーん、話を聞けば聞くほど良いお兄さんね!」

キョン「お、おいハルヒ!!」

ハルヒ「ん?何?」

キョン「今すぐここを離れるぞ!!」

ハルヒ「はぁ?何で?」

キョン「理由を説明してる暇はない、とにかく少しでも遠くへ逃げないと!!」

みくる「そ、そうです!早く逃げましょう!」

ハルヒ「みくるちゃんまで急にどうしたの?外よりここの方がどう考えたって安全じゃない!」

キョン「ここにミサイルが飛んでくるんだ!!だから早いとこ逃げないとみんな死んじまう!」

ハルヒ「あんたの妄想に付き合ってる暇は無いの!私はナナリーの話を聞かないといけないんだから!」

キョン「くっ・・・・(どうやってこいつを動かせばいいんだ・・・)」

みくる「キョンくんこのままじゃ!!」

ルルーシュ『おいキョン、話は聞いたな!!?今すぐナナリー達を連れてそこを離れろ!!
聞こえてるのか!!おいキョン、応答しろ!!』

C.C『落ち着け!あいつの近くには涼宮ハルヒやナナリーがいるんだ
こちらの問いかけには応答できないだろ!心配しなくても音声は届いてる』

ルルーシュ『そ、そうだな・・・』

C.C『それよりもハートネットに向かった枢木達に指示を出すべきだ!
このままだと全滅するぞ?』

ルルーシュ『スザク、さっきの通信は聞いたな!?今すぐ引き返せ!
おいスザク!!ジェレミア、アーニャ、応答しろ!!』

C.C『何故応答がない?』

ルルーシュ『分からん・・・クソ、どうなってるんだ!!』


   古泉『ジャミング?』

   新ゼロ『あぁ、ハートネットから放出されている。半径3kmに入った時点で
        通信機器の類は全て誤作動を起こす。今更攻撃に向かった連中を
        戻そうとした所で無駄と言うわけだ。まぁ、お前がここにいる時点で
        そのような指示すら出せる状況ではないだろうが』


ルルーシュ『ジャミングだと!?おのれ新ゼロ!!』

C.C『チェックメイト・・・・・・・のようだな』

---------ハートネット周辺

スザク『ようやく見えてきた。あれが敵の母艦か・・・あそこに新ゼロが』

ジェレミア『枢木スザク、君が先攻するのか?』

スザク『そうさせていただくと嬉しいのですが・・・』

ジェレミア『フッ、まぁいいだろう。我々は援護に回る。アーニャもそれでいいな?』

アーニャ『別にいいけど・・・・紅蓮はどうするの?』

ジェレミア『紅蓮?・・・・・な、何故あの機体まで着いてきたんだ!?』

アーニャ『ずっと後ろにいたしずっと通信入れてるよ。全部拒否してるけど』


カレン『なーーんでこっちの通信拒否してんのよあいつらぁぁぁ!!!』イライラ


ジェレミア『仕方ない、今更戻れと言っても聞かないだろうしな
それに彼女は戦力になる、このままこちらの戦いに参加してもらおう』

スザク『了解しました。では、行きます!!』


    新ゼロ『終わりだ』ピッ

新ゼロがボタンを押した瞬間ハートネット内にあるフレイヤが起爆
巨大なピンク色のエネルギー球体が発生し、スザク達を飲み込もうとしていた


ズズズズズズズッ・・・


スザク「そんな・・・・これは!?」

ジェレミア「まさかフレイヤか!!?全機撤退、速やかに離脱しろ!!」

アーニャ「・・・・今更動いても無理。間に合わない」

カレン「ちょ、ちょっと何よこれ・・・・何でフレイヤが」

スザク「みんな逃げろー!!!」


ピーッ

ピーーッ


C.C『・・・・・シグナルロストだ』

ルルーシュ『スザク・・・・カレン、長門、アーニャ・・・ジェレミア・・・・クソッ、俺のせいだ!!』バンッl

C.C『落ち着け、まだあいつのギアスがある!』

ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処まででもいい、時間を戻せ!!!』

カノン「これで枢木スザクも今度こそ終わりですね」

新ゼロ「フハハハハハハハハ!!!さて、次は東京租界だ」ピッ


シェバトからフレイヤが発射され東京租界へ猛スピードで飛んでいく


   ルルーシュ『おいキョン早くしろ!!!ギアスを使え!!』



------
---
-

キョン「ハルヒ、俺のいう事を聞け!!すぐにここを離れるんだ!!」

ハルヒ「しつこいわねぇ!!外よりここの方が安全だって言ってるでしょ!!」

みくる「キョンく~~ん!」

キョン「(クソ・・・・こうなったら仕方ない!!)お、俺は・・・俺はジョン・スミスだ!!!」

ハルヒ「!!?」

    ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処でもいい!時間を戻せ!』

キョン「(ルルーシュ!?逃げるだけの時間はなかったか!)」

ハルヒ「ジョ・・・・ジョン・スミスって・・・・何であんたがその名前を知ってるのよ?
まさか本当に・・・・・」


    ルルーシュ『おいキョン早くしろ!ギアスを使え!!』


キョン「あぁ分かってるよ!」キュイーーーン


キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった



-------
---
-


-------ホテル(ルルーシュの部屋)

ルルーシュ「(・・・・・・・ここはホテルか?)」

古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」

ルルーシュ「(この状況・・・・そうか、当日の朝。作戦の最終確認をしている時か
悪くない時間帯だ。キョン、よくやってくれたな)」

古泉「あの、ルルーシュさん?そこが大いに不安なのですが?」

キョン「(・・・・・・・おいルルーシュ!)」チラッ

ルルーシュ「(分かっている)・・・悪いが、作戦内容を一部変更する!」

古泉「ここへ来てですか?御言葉ですが、直前で作戦を変えるというのは・・・」

ルルーシュ「お前ならこの一言だけで読み取ってくれるだろうと思っていたのだがな」

古泉「どういう意味です?・・・・・・・・・まさか!」

ルルーシュ「そうだ、作戦は一度失敗した。スザクやジャレミア、長門有希とアーニャが戦死し
お前は新ゼロに捕まってしまった」

古泉「ギアスを使ったんですね?」

ルルーシュ「あぁ。認めるしかないだろう、完敗だ。奴を甘く見ていた・・・
まさかフレイヤを使ってくるとは・・・」

古泉「フレイヤ!?」

ルルーシュ「だが一度経験した敗戦を糧にできるのがこちらの大きな利点だ
奴がどのように動くのかはもう十分理解できた。その上で作戦を立て直す!」

キョン「立て直すって言っても、フレイヤなんてどうやって防げばいいんだ?」

ルルーシュ「奴が戦場の中にいる以上やり方はいくらでもある
今度こそその仮面を剥がしてやるぞ、新ゼロ!!」

--------式典開始前(東京湾)

ジノ「本当にここで合ってるのか?」

カレン「コーネリアがそうだって言うんだからそうなんじゃないの?」

ジノ「でもこれで連中が攻めてくる場所が全然違ったら大変だぞ?
俺達だけじゃなく自衛隊の軍も殆どがここに集まってるんだから」

藤堂「東京湾から攻めてくると断言した以上、確かな情報による裏づけがあるのだろう
ここはコーネリアを信用するしかあるまい」

カレン「今何時?」

ジノ「11時、式典開始まで後2時間だ」

ガーッ   ガーッ

ジノ「ん?何だ?ノイズが」


ガーッ   ガーッ


   ルルーシュ『聞こえるか?藤堂鏡士郎』


藤堂「誰だ!?」

   ルルーシュ『間もなくテロリストの部隊がそちらに到着する
           最初は普通のナイトメアが、次に爆弾を積んだ
           大量の自爆部隊が攻め込んでくる』


カレン「な、何よこいつ急に!」

藤堂「おい、こちらの質問に答えろ!!」


   ルルーシュ『お前達なら自爆部隊にも対処できるだろうが
           自衛隊の連中にそれは無理だ、多くの死傷者が出る
           だから早急に彼らを別の場所へ移させる必要がある』


藤堂「何を勝手な事を言っている!だいたいその自爆部隊とやらは何処から出てきた情報だ?
お前が何者であるか分からない以上、話を聞く事は出来ない!」

カレン「そうよ!あんた誰なのよ、まず名前を」


   ルルーシュ『誰でもいい!!勝ちたいのなら、私の話を聞け!!』


カレン「!!?(この感じ・・・・新宿の時と同じだ・・・・もしかしてこいつ・・・)」


   ルルーシュ『自衛隊の連中はそこにいても死ぬだけだ
           ならば別の場所で有効活用した方がいいだろう
           私に預けてもらえないだろうか?』

藤堂「また勝手な事を・・・・こちらはこれでも戦力がギリギリなんだ
自衛隊がいなくなったら我々は三機だけになってしまう・・・それでは敵を押さえきれない」

ジノ「まぁ俺は三機でも余裕だけど」


   ルルーシュ『問題ない、こちらから援軍を出す。既にそちらに向かわせた
           そろそろ到着する頃だと思うが』


藤堂「援軍だと?」

カレン「藤堂さん、あれ!!」


カレンと藤堂の視線の先にはジークフリードとモルドレッド
ヴィンセントと金色に輝く謎の機体が浮遊していた


カレン「あの機体って・・・」

ジノ「モルドレッド・・・・・アーニャか!!!」

藤堂「あっちのはジェレミアが乗っていた機体だな・・・何故ここに?」


   ルルーシュ『その四機がこちらから出した援軍だ。元ラウンズのアーニャ・アールストレイムに
           オレンジ疑惑のジェレミア・ゴットバルト。これだけ戦力があれば問題ないだろう?
           そちらの四機は藤堂、君が指揮してもらって構わない。だから私に自衛隊を
           預けてもらえないだろうか?』

藤堂「・・・・・・・」


   ルルーシュ『何度も言うが、自衛隊はそこにいても死ぬだけだ
           指揮官であるならば、まず部下の命を最優先に考えるべきだ
           私に預けてもらえれば、彼らの身の安全は保障する』



藤堂「(こんな何者かも分からない奴のいう事を鵜呑みにしていいのだろうか・・・
しかし、何だこの妙に懐かしい感覚は?私はこの者と過去に話した事があるのか?)」


   ルルーシュ『自衛隊のナイトメア部隊など最近組織されたばかりの
           いわば素人部隊だ。実戦でどうこうなるレベルではない
           お前も分かっているはずだぞ藤堂?』


藤堂「(そうだ、似てるんだあの男に!)・・・・・・いいだろう、お前に預ける」


   ルルーシュ『賢明な判断だ、それではあちらの司令官に話を通してくれ』


藤堂「分かった。少し待っていろ」

ジノ「本当にいいのかよ?敵の罠かもしれないぞ?」

藤堂「いや、それはないだろう。私は彼を信じることにする」

カレン「(藤堂さんも感じてるんだ・・・この感覚に・・・やっぱりこの声の主は)」

ジノ「アーニャ、おいアーニャ!!久しぶりだな、今まで何処で何してたんだ?」

アーニャ「・・・・愛媛でみかん作ったり、神戸でボーッとしてたりいろいろ」

ジノ「みかん作り!?ていうかお前今神戸に住んでるのか?」

アーニャ「・・・ちょっと喋りすぎた」

C.C「みかん作りだけで止めておくべきだったな」

カレン「そ、その声・・・・まさかC.C!?」

C.C「久しぶりだなカレン、乳は相変わらずデカイのか?」

カレン「な、何でアンタがこんな所に・・・ていうか今まで何処で何してたのよ!?」

C.C「何処で何をしてようが私の勝手だ」

カレン「(C.Cがいるって事は・・・もしかして本当に・・・でもあいつはあの時確かに死んだはずだし・・・)」

藤堂「自衛隊への説明は終わった、これから何処へ行けばいいか指示を待っているぞ」

   ルルーシュ『感謝する。彼らへの指示は直に出すとしよう
           そちらはお前たちに任せる、頼んだぞ』

ピッ

ジノ「本当に誰なんだ今の奴は?」

------テロリスト側航空母艦(ハートネット)

新ゼロ「現場の状況は?」

カノン「以前変化はないようです」

新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」

カノン「12時45分です」

新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」

カノン「何者かが解除したという可能性は?」

新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」

カノン「しかしその場合・・・」

新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」

カノン「いかがなさいますか?」

新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」

カノン「突撃部隊ですか?」

新ゼロ「あぁ、今すぐ出撃させろ」

カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」

新ゼロ「気に入らないか?」

カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」

新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」

カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」

新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」

カノン「はい」

新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」

カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」

新ゼロ「何だ?」

カノン「あなたは一体何者なんです?」

新ゼロ「フン、その内分かるだろう。それよりも我々も動く、準備しろ」

カノン「動く?ここで指揮をとるのではないのですか?」

新ゼロ「そのつもりだったのだがな、嫌な予感がする
あちらの指揮官に私のギアスの事がバレている以上、ここからは常に最悪の事態を想定して動くべきだろう」

カノン「最悪の事態とは?」

新ゼロ「ハートネットと共に我々が落とされる事だな。だからこの艦を棄てる」

カノン「しかし、いくらなんでもこの艦の位置までは分からないのでは?」

新ゼロ「どうだかな、あちらも十分非常識な連中の集まりだ。ギアスを無力化するような
奴がいるくらいだぞ?何をされても不思議ではない。もしハートネットまで飛んでくるようなら
フレイヤで丸ごと吹き飛ばし、来なかった場合はハートネットからフレイヤを東京へ放てばいい
いずれに転んでも私達の身は安全だ」

カノン「それで、我々はどちらに?」

新ゼロ「今後のゼロの動きを考えると、そうだな・・・・ジェバト辺りがいいだろう」

カノン「シェバト?超合衆国の母艦ですよね?」

新ゼロ「あぁ、連中は既に安全圏に避難しているようだしな。迂回して回り込めばいいだろう
中にさえ入ってしまえばギアスでどうにでも操れる」

カノン「分かりました。では移動の為の小型機を準備します」

新ゼロ「あぁ、頼む」

-------数時間後(超合衆国航空母艦シェバト)

乗組員A「識別コードの無い小型機が着陸したらしい、見に行くぞ!」

乗組員B「面倒だな、どうせ日本の警察か自衛隊だろ?
燃料でも切れて慌てて着陸したんじゃないか?」

乗組員A「さぁ、どうだろうな。取り敢えず確認する必要がある、格納庫へ行こう」



------シェバト格納庫


乗組員A「ん?これって黒の騎士団とかが移動に使ってるやつじゃないか?」

乗組員B「本当だ、何でこんなもんが・・・・」

乗組員A「中にいる者、早急に外に出なさい!繰り返す、早急に」


ウィーーーーーン


乗組員A「なっ・・・・・・ゼ、ゼロ!!?」

乗組員B「何でゼロがこんな所に?」

新ゼロ「死ね!!」キュイーーーーン

新ゼロの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる


乗組員A「・・・・・あぁ」

乗組員B「分かった」


バンッ   バンッ


カノン「相変わらず手荒ですね。何も殺す必要はなかったのでは?」

新ゼロ「必要だからそうしたまでだ。俺が奴隷にするのは使えそうな駒だけだ
このような凡庸な連中にその価値はない」

カノン「では私は使える駒という解釈でよろしいのですか?」

新ゼロ「あぁ、お前に関してはギアスを使う必要はないがな」

カノン「それでこれからどうするんです?」

新ゼロ「このままブリッジへ向かう。道中邪魔する奴はギアスで仕留めればいい
そしてそこでゼロを待つ」

カノン「本当に来るでしょうか?ゼロは」

新ゼロ「奴は超合衆国の一部の人間に命を狙われている。その危機を脱したならば
恐らくここへ来て諸悪の根源を見つけ出そうとするだろう。きっと来るさ」

-------シェバト(通路)
---
-


新ゼロ「死ね!!!」


バンッ    バンッ


カノン「ようやく着きましたね。それにしても、いくらなんでも殺しすぎです」

新ゼロ「黙れ。短い命令でないとこちらが先に攻撃される恐れがあるんだ、仕方ないだろう
長々と命令している時間はない」

カノン「とは言っても、艦を操縦している方々まで殺してしまったら
我々は地上へダイブしてしまいます」

新ゼロ「流石にそいつらまでは殺さないさ。行くぞ」


ウィーーーーーン


--------シェバト(ブリッジ)


新ゼロ「ん?何だこれは?」

カノン「誰もいない・・・・どういう事でしょう?操縦席にも誰もいないなんて・・・」

新ゼロ「自動操縦で飛んでいるのか?それにしても人っ子一人いないというのは・・・」


?「ようやくお出ましか、待っていたぞゼロ」


カノン「ゼ、ゼロ!!?」

新ゼロ「・・・・・・馬鹿な、何故お前がもうここにいる?」


旧ゼロ「おや?意外だったかな?その物言いだと、君の予定では
俺はもう少し遅く登場しなければならなかったようだな」


新ゼロ「・・・・・全て読まれていたという事か」


旧ゼロ「あぁ、お前がハートネットにフレイヤを積んでいる事も知っている
東京湾の部隊はあちらへは向かわせない」

カノン「何故その事まで・・・・あなたは一体何者なんです?」

新ゼロ「私も気になるな、君の正体は。枢木スザクではないのだろう?
裏で彼らを指揮し、私と戦っていたお前は何者だ、仮面を外して素顔を見せてもらえないか?」

旧ゼロ「フッ、いいだろう」カチャッ

旧ゼロは仮面を外した


カノン「・・・・・・子供?」

新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな」


旧ゼロ「いや、まだ俺は仮面を被っている」


旧ゼロはフェイスマスクとカツラを外し素顔を晒した


カノン「あ、あなたは・・・・・ルルーシュ!!」

新ゼロ「なるほど、そういうわけか・・・・」

ルルーシュ「カノン・マルディーニ、シュナイゼルの元側近だったか。こうなるのであれば
あの時お前にもギアスをかけておくべきだったな」

カノン「何故あなたが生きているのです?あの時確かに死んだはずでは・・・」

ルルーシュ「その答えは、君ならもう分かっているのではないかゼロ?」

新ゼロ「・・・・・コードか」

ルルーシュ「そうだ。やはり知っていたようだな」

新ゼロ「C.Cのコードはお前が継承していたのか」

ルルーシュ「C.Cの事を知っているのか!?」

新ゼロ「あぁ、よく知っている。しかし、となるともうこちらは窮地だな
私のギアスもお前には効かないのであろう?」

ルルーシュ「当然だ。ゼロ、お前に聞きたい事は山ほどある
これからじっくり尋問してやる、覚悟しておけ」

新ゼロ「私を倒せば全ての問題が解決すると思っているのかルルーシュ?
超合衆国と黒の騎士団はかつての志を忘れ私利私欲ばかりを追い求めている
かつてのブリタニアと変わらない存在だ。君に彼らを粛清できるのか?」

ルルーシュ「粛清する必要は無い。組織自体を解体し、また最初から作り直す」

新ゼロ「超合衆国と黒の騎士団を解体するというのか?あれ程までに肥大化した
組織を解体するなど、容易く出来る事ではないぞ?」

ルルーシュ「お前がやろうとしていた事だって決して容易くはなかっただろう?
だがお前はそれをやろうとした、俺も同じだ。道のりは険しいだろうが
きっと実現させてみせる」

新ゼロ「・・・・・」

ルルーシュ「お前と俺は手段さえ違えど、やろうとしている事は同じだ
お前が目指した未来は俺が引き継ぎ、必ず実現させてやる
だから降伏しろ、もうお前に勝ち目はない。それともハートネットに積んであるフレイヤを
東京租界へ向けて発射するか?」

新ゼロ「・・・・・いや、止めておこう」

カノン「ゼロ・・・・」

新ゼロ「私の負けだルルーシュ。先のことは全て君に任せよう」

ルルーシュ「フン、案外あっさりしているな」

新ゼロ「私は馬鹿ではない。こうなってはもうどうしようもない事くらい分かる
ここに来る途中シェバトの回りを日本の自衛隊が包囲するように飛んでいた
最初はシェバトの護衛の為だと思っていたが、あれは私を追い込む為に
お前が仕掛けたものだったのだろう?」

ルルーシュ「あぁ、お前が少しでも抵抗するようなら指示を出し、周囲から集中砲火して
この艦ごと落とそうと思っていた」

新ゼロ「なるほど、それでも君は不老不死だから死なず私とカノンだけがやられるというわけか」

ルルーシュ「まぁ不老不死とは言っても痛みは伴うからな、できればやりたくは無かった」

新ゼロ「C.Cは元気か?」

ルルーシュ「元気すぎて毎日迷惑しているところだ。ところで何故お前がC.Cの事を知っている?」

新ゼロ「その答えは、これを見てくれれば分かるだろう。
ルルーシュ、さっきの約束を忘れるなよ?必ず実現しろ、本当の優しい世界を」


新ゼロは仮面を取って素顔を晒した


ルルーシュ「お、お前は・・・・・・・・」

-----数時間後(アッシュフォード学園)

ハルヒ「結局来なかったわねぇテロリスト」

キョン「来ないに越したことはないだろ、みんな無事だったんだから良いじゃねーか」

ハルヒ「みんな無事って、会場で逸れた有希達と連絡とれたの?」

キョン「え?・・・・・あぁ、ついさっきメールが来てな」

ナナリー「他の方も無事だったんですか?良かったですね!」

ハルヒ「何で私じゃなくてキョンなのかしら!まずは団長に連絡するがの常識じゃない!
これは教育が必要ね!」

キョン「んで、これからどうするんだ?」

ハルヒ「そうねぇ、まずナナリーを然るべきところへ届けないといけないわよね!」

キョン「然るべきところって?」

ハルヒ「超合衆国は論外だから、やっぱりブリタニアの関係者かしらね」

ナナリー「あのぅ・・・何から何まで本当にありがとうございます」

ハルヒ「気にしなくていいのよ!それより、ブリタニアの人に連絡入れる
方法って何かないかしら?」

ナナリー「携帯電話は式典入場の際に係りの方に預けてしまいましたし・・・
あっ、でも私のつけてるこのペンダントは中にGPSが入ってますから
その内誰かが迎えに来てくれると思います!」

ハルヒ「何だそうなの!それならここで待ってれば大丈夫ね!」

キョン「んな事言ってたら早速なんか来たぞ」


上空から小型の空輸機がハルヒ達の前に着陸した


ハルヒ「ナナリーを迎えにきたのかしら?」

キョン「どうだろうな、少なからず超合衆国の連中である可能性もあるぞ・・・」

ハルヒ「もしそうだったら今度こそ私が叩きのめしてやるわ!」

キョン「何処から出てくるんだその自信は・・・」


ウィーーーーン


ハルヒ「ゼ、ゼロ!!?」

ナナリー「ゼロ!!無事だったのですね!!!」

ゼロ「えぇ、御心配をおかけしましたナナリー首相」

ナナリー「いえ、本当に無事で良かったです!」

ハルヒ「つ、遂にゼロに会える事ができたわ!!ねぇゼロ、いきなりだけど素顔見せて!!」

キョン「本当にいきなりだな・・・」

ゼロ「君は?」

ハルヒ「私は涼宮ハルヒ、SOS団の団長よ!!」

ナナリー「ゼロ、この方々がずっと私を守ってくださっていたんです!」

ゼロ「ほぅ、君達が。それはお礼を言わねばならないな」

ハルヒ「お礼なんていらないわ、その代わり素顔を見せて!」

ゼロ「フッ、面白い娘だな。素顔を見せるわけにはいかないが
出来る限りの礼は尽くさせてもらおう」

ハルヒ「キョン、礼ですって!私達あのゼロに感謝されてるわよ!!」

キョン「あぁ、そうだな」

ハルヒ「あぁそうだな、じゃないわよ!もっと感動したらどうなの!?」

キョン「(こいつ前は自分はゼロに心酔してないなんて言ってたが
この反応だと相当ゼロの事好きだな・・・)」

ゼロ「しかし今は取り敢えずナナリー首相をブリタニアへ届けなければ」

ハルヒ「そりゃそうよね、いつまでも国の代表がこんな所にいるわけにもいかないし」

みくる「お別れですか、寂しいですねぇ」

ナナリー「涼宮さん、キョンさん、朝比奈さん、みなさんがいなかったら
今頃私はどうなっていたか分かりません、本当にありがとうございました」

キョン「礼なんていりませんよ」

ハルヒ「そっ、SOS団は正義の味方なんだから!当然の事をしたまでよ!」

ナナリー「フフッ、もし良かったら私も入れてくれませんか?SOS団に」

キョン「いや、それは止めといた方がいいと思いますけど・・・」

ゼロ「(断れ・・・断れ涼宮)」

ハルヒ「勿論大歓迎よ!!ブリタニアの首相が団員だなんて
SOS団にも伯がつくってもんだわ!」

ナナリー「本当ですか!嬉しいです!」

ゼロ「(orz・・・)」

カノン「ゼロ様、そろそろ」

ゼロ「あぁ、そうだな。ナナリー首相、では行きましょう」

ナナリー「みなさん本当にありがとうございました!また会いましょうね!」

ハルヒ「元気でねナナリー!絶対にまた会いましょう!」

ナナリー「はい、絶対に!」


ナナリーはゼロと共に空輸機へと乗り込み
その場を去った


ハルヒ「はぁ・・・・行っちゃったわね」

みくる「また会えるといいですねぇ」

ハルヒ「会えるわよ、きっと。・・・・あれ?キョンは?」

みくる「え?さっきまでここにいたんですけど」


-------
---
-

-----空輸機内


キョン「・・・・・・・・・・・・・何故俺までここに?」

ゼロ「悪いな、もう少しだけ付き合ってくれ」

ナナリー「?ゼロはキョンさんと面識があるんですか?」

キョン「え?」

ナナリー「それと、何故ここにカノンさんがいるのでしょうか?
確か何年か前から行方不明だったはずですけど・・・」

カノン「異国で自由気ままな生活を送っていたのですが、先日ゼロ様に見つかって
しまいましてね。無断で国を出た私を再び登用してくださったのです
本当に感謝の気持ちしかありません、私は一生ゼロ様についていきます」

ナナリー「そ、そうなんですか・・・・」

ゼロ「(やはり疑っているか、まぁ不自然な点しか見当たらないし当然か)」

ナナリー「それで、ゼロとキョンさんは面識があるのでしょうか?」

キョン「いや、それはあの・・・」

ゼロ「ナナリー首相、実は私はあなたの思っているゼロではないんです」

ナナリー「そ、それはどういう意味ですか?」

ゼロ「私は枢木スザクではないという事です」

ナナリー「へ・・・・ではあなたは誰なんです?」

キョン「(ルルーシュ、妹に素顔を晒すのか?)」


ルルーシュは仮面を外して素顔を晒した

ナナリー「お、お兄様・・・・・・・」

ルルーシュ「久しぶりだねナナリー」

ナナリー「な、何でお兄様が・・・・わ、私は夢でも見ているのでしょうか?」

ルルーシュ「夢じゃないよナナリー。ほら、手を」スッ


ルルーシュの差し出した手にナナリーが手を重ねる


ナナリー「はっ・・・・・・・・」

ルルーシュ「お前ならこうするだけで、何故俺が生きているのか
何故ここにいるのか、これまでの経緯が分かるだろ?」

ナナリー「お兄様・・・・本当にお兄様なのですね!!」

ルルーシュ「だから何度もそうだと言っているだろ、全く」

ナナリー「嬉しいです、またお兄様とお話ができるなんて・・・・
あの、でもスザクさんは今どちらにいらっしゃるのですか?」

ルルーシュ「あいつは今頃ジノ達と旧交を深めてるんじゃないか?
心配しなくても、すぐにこっちに戻ってくるよ」

ナナリー「お兄様・・・・」ギュッ

ルルーシュ「ナナリー・・・・・・本当に久しぶりだな」ギュッ

ナナリー「本当に嬉しいです。お兄様・・・・・・・もう何処へも行かないでください
これからはずっと私の傍にいてください!」

ルルーシュ「ナナリー、残念だがそれはできない」

ナナリー「何故です?」

ルルーシュ「お前も分かってるはずだ、俺は世界に名の知れた悪逆皇帝
それも6年前に死んだ事になっているんだ。今更昔のようには戻れない」

ナナリー「では、仮面を!ゼロの仮面を被っていれば私の傍にいても
誰にもばれません!」

ルルーシュ「それじゃスザクはどうするんだ?そうなったら今度はあいつが
隠れまわる生活をせざるを得なくなる」

ナナリー「でも、それでも私はお兄様と・・・」

ルルーシュ「それに、ずっとゼロの仮面を被り続けるというのもなかなか辛い事なんだよ
スザクは文句一つ言わずに頑張ってくれてるようだがな」

ナナリー「お兄様・・・」

ルルーシュ「そんな顔をするな。これからも、何かあったら必ず俺が助ける
離れた場所に住んでいても、心はいつも一緒だナナリー」

ナナリー「・・・・・・はい」

ルルーシュ「それとカノンの事だが、こいつにはシュナイゼル同様『ゼロに仕えるように』と
ギアスをかけてある、今後はゼロに絶対服従だ。今回のようにお前達の敵に回るような事は
もうないだろう」

キョン「ギアス?お前はもうギアスは使えないんじゃなかったのか?」

ルルーシュ「新ゼロが消える間際にやってくれたんだ。『使える駒を増やしてやる』等と
偉そうな事を言ってな」

キョン「消える?新ゼロは死んだのか?」

ルルーシュ「死んだというより、正確に言うと消えたんだ」

キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが・・・」

ルルーシュ「後で説明するさ。ナナリー、これからはやる事が多いぞ
腐りきった黒の騎士団は勿論、既得権に縛られた超合衆国も絶対に今のままではいけない」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「本当の意味での優しい世界を実現する為には、険しい道のりが待っている
お前にそれを乗り越える覚悟はあるか?」

ナナリー「はい、あります」

ルルーシュ「・・・・そうか、じゃあもう俺がいう事は何もないな。お前は大丈夫だ
キョン、ギアスを使え」

キョン「は?」

ルルーシュ「ギアスを使えと言ったんだ。俺が仮面を外す約5分前まで時間を戻してくれ」

ナナリー「お兄様、何を言っているんですか?」

キョン「だから俺を連れてきたのか・・・・いいのか?せっかく妹さんと」

ルルーシュ「いいんだ。俺が生きているという情報は、今後の事を考えても
ナナリーにとってマイナスに作用する可能性が大きい」

キョン「じゃあ何でいちいち仮面を外したんだ?」

ルルーシュ「自己満足だろうな・・・・もう一度、もう一度だけ素顔を晒した状態で
ナナリーと話をしたかったんだ。お前のギアスに甘えたわけだ、すまないとは思ってる」

キョン「いや、別に俺はいいんだが・・・」

ナナリー「お兄様?さっきから何を・・・」

ルルーシュ「ナナリー、俺は常にお前の傍にいる。忘れないでくれ」

ナナリー「は、はい」

ルルーシュ「キョン、頼む」

キョン「あぁ、分かったよ。お前の意志を尊重する」

ルルーシュ「すまない」

キョン「フンッ!!!・・・・・・・・・・・・・あれ?」

ルルーシュ「何をしてるんだ?早くしてくれ」

キョン「フンッ、フンッ、フンッ!!・・・・・・・・・おかしいな、発動しない・・・」

ルルーシュ「何をふざけてるんだ!まさか、過去に二度も使っておいて今更
使い方を忘れたなんて言うつもりじゃないだろうな?」

キョン「いや、そんな事はないんだが・・・・駄目だ、何度やっても発動しない・・・・」

ルルーシュ「なっ・・・・・・そんな馬鹿な」

ナナリー「あの・・・・御二人はさっきから何をされてるのですか?」

ルルーシュ「発動しないわけがない、お前は後3回あの能力が使えるはずなんだ!
頑張れ、ほら!」

キョン「いや、頑張れって言われてもな・・・・無理なもんは無理なわけで」

ルルーシュ「くっ・・・・・・・・・・!ありえない、ギアスが急に無くなるなど
ギアスはコード所有者からコードを奪うか、お前の場合は5回使用しない限り
絶対にその身から消えないはず・・・・なのに何故・・・・」

キョン「お、俺は何もしてないぞ?」

ルルーシュ「(ありえない事が起きている場合、やはりあの女の奇怪な能力を疑うべきか・・・
涼宮ハルヒ!あいつが『ギアスがなくなるように』と心の何処かで願い、それが実現したとしか思えない
しかし、涼宮はキョンがギアス能力者であるという事以前に、ギアスの存在自体知らないはず
知らないことは願いようもない・・・・・では一体これはどういう・・・・・・・・ま、まさか!!!)」

ルルーシュは慌てて身にまとっていたマントを脱ぎ
下の着ていたタイツを捲って自分の左腕を確認した


キョン「お、おいどうしたんだ急に?」

ルルーシュ「無くなっている・・・・・」

キョン「無くなってるって何が?」

ルルーシュ「俺の、俺のコードが・・・・・」

キョン「コード?それってあれだろ、確か不老不死の・・・・あれ?お前確か前にあれは
他にコードを継承する奴が現れない限り無くならないって言ってなかったか?」

ルルーシュ「あぁ、それがなくなってる(間違いない、こんなルール無視な事ができるのは
涼宮しか考えられない・・・・・しかし何故あいつが)」

キョン「お、おいルルー・・・・・シュってお前泣いてるのか?」

ナナリー「お、お兄様?」

ルルーシュ「ア、アハハハハ!!心配するな、嬉し泣きだ」

キョン「嬉し泣き?」

ルルーシュ「アハハ、まさかこんな形でコードが消えてくれるとはな・・・
キョン、本当に涼宮は神かもしれんぞ?」

キョン「急に何を言い出すんだお前は?そういうのは古泉だけで十分だぞ」

---------アッシュフォード学園敷地内

カレン「ル、ルルーシュが生きてるですってぇぇ!!?」

C.C「おい、声がでかいぞ」

カレン「あっ・・・・・ゴメン」

C.C「あいつは私のコードを継承し不老不死となっていた
だから刺されようが撃たれようが死ぬ事はないんだ。ちなみにもうギアスは使えない」

カレン「そうだったんだ・・・・ていうか、だったら何で私に教えくれなかったのよ!!
だいたいあの時だって、スザクにはいろいろ教えて私だけのけ者にして!!
ちゃんと理由を説明してくれれば私だってルルーシュ達と一緒に戦えたのに!!」

C.C「まぁまぁそう目くじらを立てるな。あの時ルルーシュ側で戦うという事は
戦後は今の私達のように人様の目を避け続けながら生活しなければならないという事だぞ?
お前には母親がいるのだろう?その辺を考えてあいつはお前を巻き込まなかったんだろう」

カレン「うっ・・・・・・C.Cのくせに、何だかそれらしい事言うじゃない
で、あいつは今何処にいるの?会わせてくれるのかしら?」

C.C「何処にいるかは知らんが、今は神戸に住んでいる。会えるかどうかはあいつ次第だな
というか、お前今更ルルーシュに会ってどうするつもりだ?告白でもするのか?」

カレン「はぁ///な、何言ってんのよアンタ!!」

C.C「フフ、顔が真っ赤だぞ?相変わらずからかい甲斐のある奴だ」

カレン「シ、シーツゥゥ!!!」

そんなカレンとC.Cの会話を物陰に身を潜め聞き耳立ててる者がいた



ジノ「はぁ・・・・」

アーニャ「何その溜息?」

ジノ「いやさ、結局カレンはルルーシュの事が好きなのかな~と思ってね」

アーニャ「・・・・・・ジノ、あの人の事が好きなの?」

ジノ「まぁね。ただ相手がルルーシュじゃなぁ・・・・・ところで、さっきあの緑の人が言ってた
ギアスだのコードだのってのは何の隠語なんだ?」

アーニャ「ジノは知らなくていい事。世界には知らない事がいっぱいある」

ジノ「おっ、暫く会わないうちに何か大人っぽい事言うようになったなアーニャ」

アーニャ「それ誉めてる?」

ジノ「勿論!見た目もいろんな所が成長してるし、もう立派な大人の女だな!」

アーニャ「ジノ、それギリギリセクハラだよ?」

ジノ「え?そうなの?厳しい世の中だな・・・」

-------数週間後の放課後(文芸部室)


古泉「暫定議会は超合衆国及び黒の騎士団の解体を決定。ゼロを暗殺しようと企んでた者は
全て議員としての資格を失い、それぞれ自国の裁判所で裁かれる予定
今後暫定議会は民衆の声を第一とした組織の構築を目指すとの事です」

キョン「あぁそうかい、わざわざ新聞まで引っ張り出して御苦労だったな」

古泉「これらの事を最前線に立って指揮しているのはゼロのようですね
やはり何だかんだ言ってもまだゼロの求心力は高かったという事でしょうか」

キョン「そりゃそうだろ、悪逆皇帝から世界を救った英雄・・・・って事になってるんだからな」

古泉「確かに、6年やそこらで記憶から消えるような事ではないですね
それにしても、あの事件から僅かこれまでの機間でここまで物事を進めるとは
いやはや、流石はルルーシュさんですね」

キョン「そのせいで最近学校をよく欠席するもんだから、ハルヒの奴の機嫌は悪いがな」

ガチャッ

ルルーシュ「ん?なんだ、二人だけか」

キョン「悪かったな。ていうかお前、今日学校休んでただろ?
何でわざわざ部活にだけ来たんだ?」

ルルーシュ「たまには顔を出さないとな・・・あいつのストレスが溜まると
何とか空間ってのが発生して機関の連中が大変なんだろ?だから来たんだ」

古泉「いや~、最近特に多いので助かります。できればもう少し頻度を多くしてもらえると
我々としては助かるのですが」

ルルーシュ「そうしてやりたいのは山々だが、今は一番忙しい時だからな
なかなか両立するのは難しい」

キョン「なぁ、こうやってお前がルルーシュ・ランペルージとして生活してる時は
今まで通り枢木スザクがゼロの仮面を被ってるんだよな?」

ルルーシュ「あぁそうだ。いろいろと立て直すまでは暫くこの状態が続くだろうな
ゼロの仮面を被っている時は近くにいれるからナナリーは喜んでくれるが
正直この行ったり来たりの生活はなかなかキツイものがある」

キョン「いいじゃねーか、もう二度と会えないと思ってた妹と
長い時間一緒にいられるんだからよ」

ルルーシュ「まぁな」

古泉「新しい組織を構築した後は、やはりゼロをトップに据えるおつもりですか?」

ルルーシュ「いや、ゼロはあくまで象徴的存在とするべきだろう。適任を探しその者を
トップに置く予定だ」

古泉「そうですか。しかし本当に良かったですね、コードが消えて」

ルルーシュ「間違いなく涼宮の力が原因だろうな。感謝してもしきれん
ギアスの存在自体を知らないあいつが何故ギアスの消滅を願えたのかは謎だが」

古泉「彼女の力に関しては我々もまだ分からない事だらけとうことでしょうかね」

ルルーシュ「キョンのギアスと俺のコードだけじゃなくジェレミアのギアスキャンセラーまで
無くなっている所を見ると、この世界からギアスやコードそのものを消滅させたのだろう
これで、新たな能力者やコード所有者が現れる心配は無くなったわけだが
全くあいつの力は常軌を逸してるな、強すぎる」

古泉「我々から見ると、ギアスも十分常軌を逸してますがね」

ルルーシュ「しかし、本当に何でこんな事が起きたんだろうな
あいつはギアスの存在自体知らないというのに」

古泉「推察ですが」

ルルーシュ「言ってみろ」

古泉「恐らく今回涼宮さんは、他人の願望を現実に反映させたのではないでしょうか?」

ルルーシュ「他人の?」

古泉「えぇ、比較的身近にいる他人の願望を、ですが」

ルルーシュ「常日頃からギアスやコードの消滅を望んでいた者・・・・・フッ、なるほど俺の事か」

古泉「そうです。涼宮さんはルルーシュさんの願望を現実に反映させたんですよ
だから自分の知識に無いギアスやコードを消滅する事ができたんです」

キョン「あいつは遂に自分以外の人間の願望まで叶えちまうようになったのか?
でも確かお前、前にハルヒの力は次第に弱まってきてるって言ってなかったか?」

古泉「の、はずだったんですがね。どうやら違ったようです
まぁ、ルルーシュさんの願望が物凄く強かったからという可能性もありますが」

キョン「ルルーシュがどんなに強く願ってもハルヒには関係ないじゃないか」

古泉「あまりに強い願い故に、涼宮さんの力が反応したのかもしれません」

ルルーシュ「いずれにしても、今後もあいつの監視は必要だな
今回の件で、僅かだがあいつが神であるというお前の説を信じつつある」

古泉「ほぅ、それは良い傾向ですね」

キョン「何処がだ」

古泉「そういえば、式典開始の際に鳴ったあの爆撃音。あれは何だったのでしょうね」

キョン「ん?テロリストの攻撃音だろ?」

古泉「テロリストが戦っていたのは東京湾ですよ?いくらなんでもあそこまでは聞こえませんよ」

ルルーシュ「あれは俺が流した音だ。観衆が逃げるきっかけを与える為に準備しといた」

古泉「なるほど、そうだったんですか」

キョン「それならそうと事前に説明してくれよ、俺はマジでビビってたんだぞ?」

ルルーシュ「ハハ、悪い悪い」

古泉「それともう一つ疑問なのですが、結局新ゼロとは一体誰だったのですか?」

キョン「あぁそうだ!消えたとか何とか言ってたが、あれはどういう意味だ?」

ルルーシュ「消えたんだよ、奴は。負けを認め、仮面を外した後でな」

キョン「詳しく説明してくれ、それだけじゃ意味が分からん」

ルルーシュ「新ゼロの正体、それは・・・・・俺だったんだ」

キョン「・・・・・は?」

ルルーシュ「奴が仮面を外した瞬間はビックリしたよ、俺と全く同じ顔だったんだからな」

キョン「どういう事だ?そっくりさんか何かだったって事か?」

ルルーシュ「いや、あいつは紛れも無く『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』だった」

古泉「・・・・・・・なるほど、そういう事ですか」

キョン「何一人で納得してんだ、俺にも説明しろ!」

古泉「つまり新ゼロを演じていたもう一人のルルーシュさんは、涼宮さんが
作り出したものなんですよ!」

キョン「ハルヒが?何で?」

古泉「お忘れですか、いつぞやここでこう言っていたではありませんか
『皇帝ルルーシュに会ってみたかった』と」

キョン「・・・まさかあの目立たない一文を現実に反映させちまったのかあいつは?」

古泉「そしてその後にはこう続けてます、『ゼロにも会ってみたい』と」

古泉「しかしご存知の通り皇帝ルルーシュと英雄ゼロは同一人物です
二人を同時に呼び寄せる事はできません、ですからもう一人のルルーシュさんを作り上げたのでしょうね」

ルルーシュ「俺も全く同じ考えだ。奴の顔を見た瞬間、涼宮の仕業だとすぐに理解できた
じゃなきゃありえないからな。奴がギアス能力者だという事も、俺のコピーであるというならば納得できる
ただ一つ解せないのがナナリーへの対応だ」

古泉「どういう意味です?」

ルルーシュ「あいつがルルーシュであるならば、妹であるナナリーを危険な目に
合わせるような事は絶対にしないはずだ。しかしあいつは危険な目に合わせるどころか
ナナリーがいる東京租界へ向けフレイヤを放っている・・・・あれはどういう事なんだ?」

古泉「涼宮さんが多少アレンジを加えたのではないでしょうか?
当時の彼女が描いていた皇帝ルルーシュは、自らの覇道の為なら家族の命すらいとわないような
そんな人物像だったのでしょう。実際、世間では今もそのように語られてますし」

ルルーシュ「なるほど」

キョン「みんな無事だったんだ、何でもいいさ」

古泉「ですね」


ガチャッ


ハルヒ「農業やるわよーーーーー!!!」

キョン「いきなり入ってきて第一声がそれか・・・・ていうか農業だと?」

ハルヒ「そうよ、農業!国内の食料自給率が低下する昨今、日本に一番必要なのは
農業なのよ!!だから私達でやるの!」

キョン「やるったって、畑がないだろ畑が」

ハルヒ「そんなもんどっか借りてやればいいじゃない!」

ルルーシュ「高校生に畑を貸してくれる農家など、何処探せば見つけられるんだ?」

ハルヒ「あーっ!!ルルーシュ、あんた今日も学校休んでたでしょ!!
最近休みすぎ&怠けすぎよ!!」

ルルーシュ「だから今日はこうして部活だけ顔を出しただろ」

ハルヒ「部活だけ顔を出せば良いってもんじゃないわ!ちゃんと授業を受けなさい!!」

キョン「(おぉ、ハルヒが割と普通の事を言っている)」

ハルヒ「とにかく農業よ農業!!目標は日本の食料自給率を10%上げる事よ!!
みんな張り切って行くわよぉー!!」

キョン「はぁ・・・・」

ルルーシュ「まぁ、戦争させられるよりは遥かにマシだろう」

古泉「同感です」

---------ルルーシュのマンション


アーニャ「式の日取り?」

C.C「そうだ、あいつも晴れてコードの呪縛から解放された事だし
そろそろ身を固めても良い時期だろう」

アーニャ「それはいいと思うけど・・・・・相手は誰なの?」

C.C「そんなの決まってるだろ、勿論」

カレン「私よ!!」

C.C「・・・・・なんだまだいたのか赤ゴリラ」

カレン「誰が赤ゴリラよ!!あんたには絶対に渡さないわよ!!」

アーニャ「ちょっと待って、勝手に話進めすぎ。ルルーシュは私のもの
誰にも渡す気は無い」

カレン「はぁ?あんたもあいつの事が好きなの?」

アーニャ「・・・そう」

カレン「ちっ、どんだけいんのよライバル!!」

C.C「(・・・・・・・・・・・駆け落ちでもするかな)」

                            完

終わりです、猿避け支援マジで助かりました!
前にもギアスとハルヒ、ドラえもんを絡めたクロスを何度か書いた事があるので
暇な時にでも読んでみてください


ドラえもん「黒の騎士団を迎え撃とう」
ドラえもん「エンドレスエイト?」
ルルーシュ「SOS団?」
ハルヒ「黒の騎士団に入るわよ!」


これでググればたぶんログがあると思うので
お疲れ様でした。

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