春香「学校での響ちゃんってどんな感じなんだろ?」(285)

春香「ということで」

貴音「響の通っている高校に」

美希「潜入してみたの!」

千早「……いいのかしら、これ」

美希「あ、響が登校してきたの! 皆、廊下の陰に隠れるの!」

貴音「でもここにいては、教室の響の様子が見えないのでは?」

美希「ふふふ……貴音、その心配には及ばないの」

貴音「?」

春香「貴音さん、実は昨日、プロデューサーさんが電気工事の業者さんのフリをして、響ちゃんの教室に隠しカメラを取り付けてくれたんですよ」

貴音「なんと面妖な……」

千早「……いいのかしら、それ」

クラスメイト「自殺の練習しろよww」

響「……」

美希「あ、皆、モニターを見るの! 響が教室に入るの!」

春香「ホントだ!」

千早(というかモニター越しに見るのなら、私たちが学校に潜入する必要なかったんじゃ……)

響『おはよー』

友人A『おはよう、響ちゃん』

友人B『おはよー』

美希「!? ひ、響が普通に挨拶してるの! いつもみたいに『はいさーい!』って言わないの!」

貴音「確かに……」

春香「やっぱり学校だとちょっと違う感じになるのかな」

千早(そういや私、学校で「おはよう」なんて言ったことないような……)

春香「? どうしたの? 千早ちゃん」

千早「え! べ、別になんでもないわよ? 春香」

春香「? そう? それだったらいいんだけど」

貴音「皆の者静粛に……響が、クラスメイトと会話を始めましたよ」

友人A『ねぇ響ちゃん、昨日のドラマ観た? 三浦あずさ主演のやつ』

友人B『三浦あずさ“さん”でしょ。響ちゃんにとっては同僚なんだから』

響『うん! もちろん観たよ! あずささんやっぱり演技上手だよね~』

美希「……ん?」

貴音「……ふむ」

春香「……なんか」

千早「……やっぱり、普段とちょっと違うみたいね、我那覇さん」

美希「でも、響はああ見えて結構女の子っぽくしゃべるときもあるの」

貴音「確かに。まだ判断を下すのは尚早かと……」

春香(でもこの響ちゃん、なんかかわいいな)

友人A『それでね、最後のシーンでね、私泣いちゃった~』

友人B『あー私も! 泣かしにきてるって分かってても泣いちゃうんだよね』

響『そうそう、私も泣いちゃったよ~』

美希「!?」

貴音「こ、これは……」

春香「響ちゃんが自分の事を……」

千早「“私”ですって……」

美希「……どうやら、これはもう確定的に明らかなの」

貴音「そのようですね」

春香「学校での響ちゃんは、明らかに……」

千早「私たちが知っている我那覇さんとは、違う……!」

貴音「おや、また別の女生徒が響の元に近付いてきましたよ」

美希「なんか真面目そうな子なの」

女子生徒『あの、我那覇さん』

響『? なに?』

女子生徒『その、英語の宿題、教えてもらっていい? 私、今日、当たりそうで……』

響『うん! もちろんいいよ!』

女子生徒『ありがとう! ごめんね、いつもいつも……』

響『別にいーよぉ。で、どの問題?』

女子生徒『あ、うん。この接続詞のとこなんだけど』

響『あーここはね……』

美希「……ひ、響がクラスメイトに勉強教えてるの!!」

春香「な、なんかすごく意外のような……」

千早「しかもこの問題集、難関大学の入試問題を集めたやつよ」

美希「えっ……」

千早「これを二年の時点で使っているということは、かなりの進学校なんじゃないかしら、我那覇さんの高校って……(っていうか今私たちが潜入してる高校だけど)」

響『……っていう感じ』

女子生徒『ありがとう~我那覇さん!』

響『いいよいいよ』

友人A『やっぱすごいな~響ちゃんは』

友人B『うんうん。流石は我らが響ちゃん』

響『な、なによぅ……』

友人A『ニヤニヤ』

友人B『ニヤニヤ』

響『うぅ……もぉー……』

友人A『優等生の響ちゃんにはご褒美をあげよう』

友人B『うんうん、あげよう』

響『へ? な、なに……?』

友人A『……いいこ、いいこ』

響『ひゃっ、ちょっ……』

友人B『いいこ、いいこ』

響『あ、や、やめっ』

友人A『響ちゃん、かわいい』

響『うぅ……もぅ……』

友人B『響ちゃん、ちっちゃい』

響『ち、ちっちゃいっていうなぁ……』

美希「……ひ、響が、響が頭をなでなでされてるの! なんかめちゃくちゃかわいいの! あーもう! ミキもなでなでしたいの!」

貴音「お、落ち着きなさい、星井美希! それは……それはわたくしの役目です!」

春香「み、皆ちょっと落ち着こうよ! 確かに頭なでなでされて顔赤くしてふみゅふみゅ言ってる響ちゃんはなんかこう、色々とアレだけど……」

千早「……我那覇さんかわいい……!」

春香「ち、千早ちゃんまで……」

友人A『ごろごろ』

響『うぅ………喉はやめてぇ……』

友人B『よしよし』

響『もぅ……もういいでしょお……』

美希「ひ、響が完全に手懐けられているの……まるでネコみたいなの」

貴音「そういえば、響のペットにネコはいませんね」

春香「そうか、それはつまり……」

千早「我那覇さん自身がネコだから、ということなのかしらね……」

美希(それにしても、頭なでなでされたり喉ごろごろされたりしてる響の可愛さは異常なの……なんか飼いたくなるの)

貴音(よもや、響にこれほどまでの“すぺっく”があろうとは……じゅるり)

春香(響ちゃんってそういえば私と同い年なんだよね……なのにこの可愛さって……一体……)

千早「……我那覇さんかわいい……!」

春香「……声に出てるよ、千早ちゃん」

千早「はっ!?」

                      ,'⌒ヽ
                  ⌒\___/_, '⌒\         ヽ、,jトttツf( ノ
            /  _ノ⌒\/_,/`⌒ヽ  \     \、,,)r゙''"''ー弋辷_,,..ィ
                 /∧(7^⌒∨⌒^Y)/∧   ヽ  =、..,,,ニ;ヲ_     ヾ彡r''"^
          /    // (乂 _人 _乂)//∧     ``ミミ,   i'⌒!   ミミ=-
              /    ⌒ ̄ ̄ ̄⌒ 丶 ∧   i= -三t   f゙'ー'l   ,三
           i   //              \   i  ,シ彡、 lト  l!  ,:ミ.
           i  /      /       \     ヽ  ;   / ^'''7  ├''ヾ!
          ∨ : :/: : : : : : :/: : : : : :ヽ : : : : : : : : ∨ /    l   ト、 \.
           /: : : : : : :/: :i: i : : : : : : : い:|: :i: : : : : :\ 〃ミ ,r''f!  l! ヽ. \
         / : : : | : : : : /|: i |:: : : : : | i/|:|: :|: : :|: : :| : \   イ,: l! , ,j! , ト、  、
         ̄|: : : i:| : : :{`ト{八|:: : : : : i/.:仏イ: : : : : 厂 ̄ ィ,/ :'     ':. l ヽ. 、 \
          人:.: :j八\≫斥八:: : : : 斗斥≪: :/: : ∧ / :: ,ll        ゙': ゙i,ヽ、  ひなだお!
            /\:\ゝi{ r{//| \/ r{//| }iイイ|/:::::\ /ll         '゙ ! \
.          /: : :::入∧ 弋)ソ   ,   弋)ソ '_ノ::::::::∧: /' ヽ.         リ  \
          ∠: : : ::::::: ーヘ :.:.::::       :::.:.: 厶(::::::::::/::: /  ヽ        /    ヽ
.          /: : : :::::::::::/::::ゝ    (`つ   ノ´   _〕::::::::::::::〈  )      /
         /: : : :::::::::::/:/{7'⌒≧=- ァ′  <}\::::\:::::::\ /      /

キーンコーンカーンコーン

友人A『あ、予鈴鳴っちゃった』

友人B『残念ながらこれまでか』

響『た、たすかった……』

友人A『とみせて、えいっ』

響『ふみゅ!?』

友人B『あ! ずるい! 響ちゃんのやわらかほっぺを!』

友人A『ふふふ……』

響『ひょ、ら、らめ……』

友人A『うみゅーん』

響『ふむぃぃぃ』

友人A『むにーん』

響『うむうううう』

美希「ひ、響のほっぺってあんなにもちもちだったの!? すごくのびてるの……」

貴音「おいしそう……」

春香「え?」

千早「え?」

美希「え?」

貴音「……お、おほん」

友人A『ふぅ~気持ち良かった~』

響『もぉ……人のほっぺをおもちゃにしないでっていつもいってるでしょぉ……』

友人B『ふふふ……じゃあ次は私が』

響『だめ!』

友人B『ぐっ……響ちゃんガード発動……!』

響『むー。これ以上されたら私のほっぺがのびのびになっちゃうもん』

友人B『しかしその隙間を縫って……』

友人A『ほらほら。もう先生来たよー』

響『ほっ』

友人B『ちぇっ』

春香「……ホームルームが始まったね」

貴音「……では、我々もここいらで退散致しましょうか」

美希「……なの」

千早「……そうね」

春香(…………)

貴音(…………)

美希(…………)

千早(…………)

~その日の放課後・765プロ事務所~

春香「……ねぇ皆、そろそろ……」

美希「……うん」

貴音「……響が」

千早「……来る……!」

ガチャッ

響「はいさーい! 皆元気かー!? 自分だぞー!」

春香「…………」

美希「…………」

貴音「…………」

千早「…………」

響「……ん?」

響「あれれー? どうした皆ー? なんか元気ないなー?」

春香「…………」

響「春香ー? 具合でも悪いのかー?」

春香「……響、ちゃん」

響「ん?」

春香「かわいいっ!」

ガバッ

響「うっひゃあ!?」

春香「あ~響ちゃんちっちゃかわいいいぃぃぃぃ」

響「えええええ? な、なななななななにいってんだ春香!!???」

春香「は~かわいいよぉ~事務所では男の子っぽいしゃべり方なのに学校では普通に女の子しゃべりの響ちゃんかわいいよお~すりすり……」

響「春香、ちょっと苦し……ってええ!? な、ななな何言ってんの!??」

美希「ちょっと春香、言い過ぎなの。響が事務所では『自分』って言ってるのに学校では『私』って言ってることは、ミキ達だけの秘密なの。あと自分だけ響に抱きついてずるいの」

響「!?」

貴音「口を慎みなさい、星井美希。響が学校でいいこいいこされていることは他言無用のはずです。そして響に頬ずりするのは私の役目です」

響「!!??」

クラスメイトA「おはよう、如月さん」

クラスメイトB「おはよー」

黒板「……」

千早(なぜみんな黒板にあいさつしてるのかしら)

響「ちょ、ちょちょちょっとまって! 皆何言ってるの??」

春香「いやあ~実は今日、プロデューサーさんが響ちゃんの教室に取り付けた隠しカメラで、学校での響ちゃんの様子を皆で見てたんだよね~」

響「え……ええええええ!? な、何さらっと暴露してんの!!?? ていうかプロデューサー何やってんの!!??」

美希「流石にそれをばらしちゃうのは響がかわいそうかなーってミキ的には思うな」

春香「うーん、でも私たち友達なんだし、ずっと内緒にしてるっていうのも……」

千早「そうね。春香の言う通りだわ」

響「い、いやいやいや! え、なに? ホ……ホントに皆で見てたの!??」

貴音「……響、大丈夫ですよ」

響「た、貴音?」

貴音「…………」

ギュッ

響「むぎゅ」

貴音「……ちっちゃかわいい……」

美希「あー! さりげなくずるいの貴音! 次はミキの番だと思ってスタンバってたのに!」

貴音「…………」

ナデナデ

響「あっ、あっ……ふみゅ……」

千早「し、身長差を利用して頭なでなでまで……!」

春香「流石貴音さん……!」

貴音「……よしよし」

響「……うむぅ……」

貴音「ふふ……響は響です。何も気にすることはありません」

響「な、何言ってるの……」

貴音「どんな響きであれ響はかわいい、ということです」

響「なっ……」

貴音「いいこいいこ」

響「あ……ああううう」

貴音「……どうですか? 響。気持ち良かったですか?」

響「べ、別に気持ちよくなんか……ない……もん」

春香(あ、かわいい……)

美希(も、もう我慢できないの……!)

貴音「ふふ……響は響です。何も気にすることはありません」

響「な、何言ってるの……」

貴音「どんな響であれ響はかわいい、ということです」

響「なっ……」

貴音「いいこいいこ」

響「あ……ああううう」

貴音「……どうですか? 響。気持ち良かったですか?」

響「べ、別に気持ちよくなんか……ない……もん」

春香(あ、かわいい……)

美希(も、もう我慢できないの……!)

美希「響っ!!」

ギュッ

響「うっひゃあ!!」

美希「は~響ちっちゃかわいいの~」

響「う、うう……貴音はともかく、美希に言われるのはちょっとフクザツな気分だぞ……」

美希「? なんでなの?」

響「だ、だって、自分、一応、美希よりお姉さんだし……」

美希「………か………」

響「?」

美希「かわいいのっ!!」

ギュギューッ

響「うにゃあっ!?」

美希「頑張ってお姉さんアピールする響、めっちゃめっちゃかわいいの!!」

響「な、べ、べつに頑張ってなんか……っていうか、美希、胸が苦し……」

美希「ミキより二つも年上なのに、全然そうは見えない響ちっちゃかわいいの……」

響「うぅ……なんかそう言われると、やっぱりすごくフクザツだぞ……」

美希「…………」

ナデナデ

響「あっ……またっ……」

美希「ふふふ……年下のミキに頭なでなでされてビミョーな表情を浮かべる響かわいいの……」

響「うぅ……美希はいじわるだぞ……年下のくせに……」

美希「ふふふ……でもミキ、響より10センチくらい背、高いよ?」

響「うぅ……」

美希「だから、こーやってなでなでもできちゃうの」

ナデナデ

響「ふみゅぅ……と、とししたの、くせに……な、なまいき、なん、だぞ……」

美希「ふふふ……頭なでなでされて呂律が回らなくなってる響かわいいの……」

響「う~っ……」

美希「ふふ、どうだった? 響。気持ち良かった?」

響「……ふんっ」

美希(か、顔を赤くしてそっぽを向いたの……!)

貴音(い、今のはいけません……一旦静まった胸のときめきが、また……)

春香(ああ、また自然と手が響ちゃんの方に……)

千早「我那覇さん」

響「……え?」

春香「あっ。千早ちゃん……」

貴音「如月千早……」

千早「もう大丈夫よ」

響「……千早……千早だけは、自分の味方……」

千早「私で、最後だから」

響「………え?」

ギュッ

響「うっひゃあ!!!」

千早「はあ……ちっちゃかわいい……」

響「うぅ……同学年の千早に言われるのも、これはこれでフクザツだぞ……まあ、春香も同学年だったけど……」

千早「ねえ、我那覇さん」

響「な……なに?」

千早「頭……なでなでしてもいいかしら?」

響「えっ……!」

美希「きょ、許可を求めたの!」

春香「流石千早ちゃん……! あくまで相手の意思を尊重するスタンスで攻める気だね」

響「だ、だめだぞ……」

千早「どうして?」

響「だ、だってもう、春香にも、貴音にも、美希にもやられて……自分、頭くしゃくしゃのぐしゃぐしゃだし……」

千早「……そう。春香や四条さんや美希は良いのに、私は駄目なのね……」

響「えっ……あ、いや、別にそういうわけじゃ……」

千早「じゃあ、私も頭なでなでしていいかしら?」

響「う、うぅ……」

美希(ち、千早さん凄いの……!)

春香(これで響ちゃんは、承諾せざるを得なくなった……!)

貴音(しかも自身の承諾にもとづいてされる以上、途中で拒絶することも許されない……これは正念場ですよ、響……)

響「わ、わかったぞ……」

千早「いいのね?」

響「も、もう好きにすればいいさ……」

千早「じゃあ、遠慮なく……」

ナデナデ

響「うみゅぅ……」

千早「ハァ……ハァ……か、かわいい……! 今すぐ持ち帰りたくなるくらいかわいいわ……!」

春香「千早ちゃん、また声に出てる……」

美希「もうそっとしておけばいいってミキ的には思うな……」

千早「……ねえ、我那覇さん」

響「うみゅう……え?」

千早「……我那覇さんの髪って、すごく綺麗ね……」

響「……え?」

千早「……ちょっと、梳いてもいいかしら?」

響「ま、まあ……いいけど」

千早「…………」

スーッ

響「あっ……」

千早「すごい……指がまったく引っかからずに通る……」

響「あ……ん……」

美希(響、すっごく気持ち良さそうなの……)

春香(ちょっと私もやってもらいたいかも……)

千早「……我那覇さん、よく手入れしてるのね」

響「……べ、べつに……ふつうだぞ」

千早「女の子だもんね」

スーッ

響「な、なにいって……ふみゅう」

美希(こ……ここにきてまた羞恥心を煽るなんて! 今日の千早さんはいつにも増してキレキレなの!)

貴音(如月千早、恐るべし……!)

響「…という夢をみたんだぞ、ハム蔵」

ハム蔵「」

生徒「我那覇さんまたぬいぐるみに話しかけてるよ」ヒソヒソ

千早「ふふ……どう? 我那覇さん。気持ち良かったかしら」

響「う、うぅ……」

美希(否定するフリすらできないなんて……)

春香(本当に気持ち良かったんだ……いいなあ)

響「もう……皆、なんなの……」

貴音「ふふ……響」

響「ふぇ?」

貴音「皆……貴女が大好きなんですよ」

響「なっ……!」

春香「そうそう、ただそれだけのことなんだよ、響ちゃん」

美希「みんなみんな、かわいい響が大好きなの!」

響「な、なんなんだぞ、皆、急に、そんな……」

千早「普段の我那覇さんも、学校での少し違った我那覇さんも、どっちもかわいい我那覇さんであることに変わりはないわ」

響「う、うぅ……」

美希「というか、そもそもなんで学校では微妙にキャラ違ったの? 響」

春香「うんうん。私もそれ聞きたかった」

貴音「途中から、何故か響の可愛さを堪能する流れになってしまいましたからね」

響「途中からも何も、今日ここに来てからずっとそうだったぞ……」

千早「でも私も気になるわ。我那覇さん。別に言いたくなければ……いいのだけれど」

響「……べ、別に大した理由なんて、ない、けど……」

千早「ちょっと照れてる我那覇さん可愛いわ。抱きしめたい」

千早(うん。話せる範囲で、構わないから)

春香「千早ちゃん……本音と建前が逆だよ」

千早「はっ!?」

響「まあ、自分……昔からずっとこういう話し方だったんだけどさ」

春香「うん」

響「でもこっちの高校に進学することになって、その、やっぱり周囲の目とか気になって、それで……」

美希「キャラ変したの?」

響「……まあ、うん。そういうことになるのかな……」

春香「ふーん。私は別に、そのままの響ちゃんで良かったと思うけどなー」

貴音「ええ。私もそう思いますよ、響」

響「春香。貴音……」

美希「響は響なの」

響「美希」

千早「そうね……でも、良かった」

響「え?」

千早「私たちの知ってる我那覇さんが、昔からの方の我那覇さんで」

響「えっ……」

春香「うんうん! 私もそこちょっとホッとした~」

美希「ミキも、もし学校の響が素の響で、ミキ達と喋ってるときの響がキャラ作ってる方の響だったら、ちょっとショックだなーって思ってたの」

響「べ……別に自分はキャラ作ってるわけじゃないぞ! 学校では、最初にそういう感じでいったから、こう、その流れっていうか……」

貴音「……ええ。分かっていますよ、響」

響「貴音」

貴音「確かに、学校での響は、私達といるときの響とは少し違う響でした。しかしそうであるからといって、学校での響が無理をしているようには、微塵も見えませんでしたから」

響「貴音……」

春香「そうそう、響ちゃん、学校の友達ともすごく仲良さそうだったもんね」

美希「まあミキ的には、なんか一方的に猫可愛がりされてるみたいに感じたけど」

響「うっ……」

千早「そうそう。学校での我那覇さん、なんかネコみたいだったものね」

美希「ネコ響なの。にゃーにゃー」

響「う、うるさいぞ! 自分はネコじゃないもん!」

春香(あ、かわいい……)

美希(ぷりぷり怒ってかわいいの)

貴音(ああ……また胸のときめきが……)

千早「もう我慢できない今すぐ飼いたいわ」

春香「……千早ちゃん、もうツッコまなくていいかな……」

美希「まあとにかく、響がミキ達の前でキャラ作ってるわけじゃないって分かって、ミキ的には安心したの!」

響「だから作ってないっていってるじゃんか……むー」

春香「ふふふ。拗ねない拗ねない。よしよし」

ナデナデ

響「ん……ふみゅ」

美希(春香……この短時間で響を手懐けることに成功したの……!)

千早(くっ……。私ももっとなでなでしたいわ……!)

春香「まあでも……私たちからすれば、今までとはちょっと違う、響ちゃんの新しい一面が見れて……むしろラッキーだったよね」

ナデナデ

響「ふみゅぅ……ん?」

美希「うんうん。これから毎日のように響を猫可愛がりするの!」

響「……え?」

貴音「考えてみれば、学校の響の友人たちは学校の響しか知らないのに対し、私たちは本日、両方の響を知ったわけですから……これを利用しない手はありませんね」

響「……えっ? ……えっ?」

千早「そうね……。せっかく掴んだチャンスだものね」

響「み、皆……何言ってるんだぞ?」

バタンッ

亜美・真美「やっほー。皆集まって何してるのー?」

美希「これはこれはちょうどいいところになの」

亜美「……んん? 何で、ひびきんがさながらネコのように丸くなってはるるんに膝枕されながら頭なでなでされてるのー?」

真美「ふふふん? これはナニヤラ事件の臭いがしますなあ~」

響「……えっ? ……わ、わあっ!」

ガバッ

美希(今の慌て振り……)

千早(膝枕の体勢になってるのに気付いてなかったのかしら……)

亜美「ねえねえひびきん、なんではるるんに膝枕されてたの~?」

響「そ、それはだな、えっと……」

春香「それは響ちゃんがネコだったからだよ」

響「はるかー!?」

春香「え、なに?」

響「なにじゃなくて! な、なにふつーにゲロッてるんさあ!!」

春香「だって亜美も真美も同じ765プロの仲間だし……」

美希「そうなの。仲間外れはいくないの!」

響「そ、そういういいかたはずるいと思うんだぞ……」

亜美「ふむふむ……なんだか楽しそうなお話だけど、ひびきんがネコってどゆこと?」

真美「もうちょっと詳しくお聞かせ願いたいものですなあ~」

春香「そう? それはね……」

響「あーん! 言っちゃだめーっ!」


 ……結局その後、響ちゃんのネコ属性は765プロ全員の知るところとなり、私―――天海春香をはじめとする765プロの皆は、入れ替わり立ち代わり、響ちゃんを猫可愛がりするようになったのです。


春香「うふふ~。響ちゃんかわいい~」

響「うぅ……はるかぁ。もう夏なんだしいい加減暑いぞ……」

美希「じゃあ次はミキが冷やしてあげるの。ミキは夏でもひんやりお肌なの」

響「うぅ……美希はなんか肉感的に暑い気がするぞ……」

千早「じゃあここは私が! ……ってなんでやねん!」

響「……千早、それ微妙にノリツッコミ間違えてる気がするぞ……」

貴音「……仕方ありませんね。では響は私が頂きましょう」

スッ

響「ひゃあ!?」

美希「ひ、響がいとも簡単に持ち上げられたの!」

春香「た、貴音さん! そういう実力行使はずるいですよー!」

貴音「ふふふ……所詮この世は弱肉強食。……さ、行きましょう。響」

響「い、行くってどこに行くんだぞー? うわあーん! はなせ~っ。たかねのあほ~っ」


 ……こんな風に、愛情表現は人それぞれだけど……でも、これだけは、胸を張って言えるんです。


 それは、私たちが、響ちゃんを大好きなんだってこと。


 

 了



http://i.imgur.com/9DPYn.jpg

    く\/>
   f ,'´ ⌒´ヽ
  ノ ( ノノVヽ 夜食にカップ焼きそばだ作るぞ!
 ´'' ノ ヽソ゚ ヮ゚ノ
   (_J⌒J_____
    ̄\~∥~   |\
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    く\/>
   f ,'´ ⌒´ヽて
  ノ ( ノノVヽそ
 ´'' ノ ヽソ゚ ヮ゚ノ
   (_J⌒J_____
    ̄\~∬~ザバァ|\
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   :::::::::::::::::::::::::::::       :::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::  , く\/>ノ  :::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::  f ,'´ ⌒´ヽ  :::::::::::::::::
 ::::::::::::::::::::::::   ノ ( ノノVヽ〉  ::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::  ´'' ノ ヽソ´┴`ノ  ::::::::::::::
   ::::::::::::::::::     ∪ィ杏}J  ::::::::::::::
    ::::::::::::::::::    〔. ィ }  ::::::::::::
     :::::::::::::::     |_,_l_|  ::::::::::::

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom