春香「プロデューサーさんの寝言」 (24)
春香「天見春香、ただいま帰りましたー!……ってあれ、誰もいないのかな」
春香「他のみんなは仕事っていうのは知ってるけど、小鳥さんとかプロデューサーさんとかいそうなんだけど……あ、小鳥さんの伝言が机の上に」
春香「……小鳥さんは買い出しかー、あれ、でもプロデューサーさんがいるから何かあったらプロデューサーさんにって書いてあ……」
P「…………」
春香「ってわっほい!プロデューサーさん居たんですか!やだ、私ずっと独り言を……」
P「……zzz」
春香「……ってあれ、プロデューサーさん眠ってる?」
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P「……zzz」
春香「パソコンの画面は難しそうな書類……呼んでる最中に気を抜いて寝ちゃったのかな。まぁプロデューサーさんも忙しいし仕方ないかな」
P「……」
春香「……えへへ、プロデューサーさんの寝顔って初めて見るかも……もし、私とプロデューサーさんが結婚したら、この寝顔が目覚めるたびにすぐ横にあるなんてことが……ってもう私ってば何を!」
P「……zzz」
春香「……危ない危ない、小鳥さんじゃないんだから妄想は自分の内にとどめないと、聞かれてたら大惨事ですよ大惨事」
春香「それにしてもプロデューサーさん起きないなぁ……そんなに疲れてるのかな。寝息も静かだし……寝言とかも言わないなぁ……」
春香「……プロデューサーさんの好きな食べ物はなんですか?……なーんて、マンガじゃないんだから寝言で返事何て帰ってくるわけが」
P「……春香のお菓子」
春香「……ん?」
春香「あれ、幻聴かな」
春香「……幻聴でも、私のお菓子って言ってくれたのは嬉しかったな、えへへ」
春香「ってそんなこと言ってる場合じゃない。改めてもう一度プロデューサーさんの好きな食べ物はなんですか?」
P「……春香のお菓子」
春香「!!?」
春香「……いやいや、これはもしかして、何かの、うん、違う質問をしてみよう。プロデューサーさんの好きな番組はなんですか?」
P「……みんなが出てる番組全部」
春香「みんな……みんなっていうのは私たちのことでいいんですよプロデューサーさん!」
P「……うん」
春香「あはは、寝言でもプロデューサーさんにそんな風に言ってもらえると嬉しいですね!」
春香(……あれー、これは一体どういうことなんだろう)
春香(寝ている筈のプロデューサーさんと会話ができている……?)
春香(正確には、聞いた問いに答えてくれるってだけなんだけど……)
春香(でも、そんなの普通に考えたらプロデューサーさんのいたずらだと思うけど、でも、私にはとてもプロデューサーさんが寝ているふりをしているようには見えない)
春香(……確かめる必要がある!)
春香「あはは、プロデューサーさん。いつ起きるかわからないですけれどいつ起きても大丈夫なように煮えたぎったグツグツのコーヒー、用意して机の上に置いておきますね!」ゲンキニアザトクッ
P「……」
春香(……!? 反応しない……だと!?)
春香(もし、プロデューサーさんが起きていたら『そんなことをされたら転んだ春香にアツアツのコーヒーをぶっかけられてグツグツのシチューにされてしまう!飛び起きなければ殺られる!』とか言ってなんだかんだ起きてくるに決まってる……)
春香(でも、反応も何もないということはこれはつまり……)
春香「……確実に寝てる」
春香「……えー、こ、これどうしたらいいんだろう……」
春香(目の前には、寝言で問いに答えるプロデューサー、そして他に誰もいないこの状況……)
春香(…………)
善春香『プロデューサーさんなこんなところで寝ているのが悪いのです。やってしまえー!』
悪春香『善がそういたら私もうなにもいえないじゃないか』
春香(うん、満場一致。やるしかない!天海春香、行きます!)
春香「……えと、そのプロデューサーさん……」
春香「……プロデューサーさんに好きな人、いますか!」
春香(頑張ってるようでそんなに頑張っていない!寝てる相手にそんな質問しかできない天見春香です!くそう!)
P「……いない」
春香「あら……そうなんですか……」
春香(それはなんだか残念のような……でも嬉しいような……えへへ)
春香(……って、浮かれてる場合じゃない。と、とにかく次の質問ですよ!次の質問!)
春香(えーと、その……そう、これだ!)
春香「プロデューサーさんの女性の好みって、どんな人ですか!」
P「…………」
春香(……って、あれ、これも反応なし……?もしかして文字数が大きすぎるような質問も除外するのかな……)
P「…………」
春香(しょうがない、次の質問を……)
P「……誰よりも笑顔が素敵な、明るく前向きな女の子……」
春香「……ん?」
春香(……あれー?この、明るく前向きな女の子って、もしかして私のこと……?ではないだろうけど!だってただ好みだし!好きな人のところは空白だったし!うん!)
P「……誰よりも強い信念を持つ、ちょっとクールな女の子」
春香「……ん?」
P「誰よりも輝く素質を持った、マイペースな女の子」
春香「……あれ、これって」
P「誰よりも仲間や家族を大切に思う、とっても元気な女の子」
P「誰よりも強くなろうとする、優しい女の子」
P「誰よりも可愛くなろうと努力する、とってもかわいい女の子」
P「誰よりもアイドルであろうとする、ちょっと素直じゃない女の子」
P「誰よりも無邪気な、いたずらが大好きな女の子」
P「誰よりも頑張り屋で、でもおねえちゃんより少し大人びた女の子」
P「誰よりも気高い、でも少しお茶目なみすてりあすな女の子」
P「誰よりも優しい、おっとりとしたみんなをいやしてくれる女……の子」
P「誰よりも純粋で、完璧であろうとする太陽のような女の子」
P「みんな……俺にとっては……大切な……Zzz」
春香「……」
春香「……えへへ、もうプロデューサーさんったら、気が多いんですから」
春香「プロデューサーさん、最後に一つ」
春香「……プロデューサーさん、プロデューサーさんの夢はなんですか?」
P「……あいつらを、みんなきらきらさせること」
P「あいつらの、みんなのゆめをかなえてやること」
P「それが、おれにとっての……Zzz……」
春香「…………」
春香「……えへへ、なんだか、そうやっていわれると照れますね。やっぱり、プロデューサーさんは私たちにとっての最高のプロデューサーさんです」
P「…………」
春香「……って、あはは、私ったらプロデューサーさんに一番初めにかけるべき言葉をずっと間違ったままここまできちゃいました……それじゃ改めて」
春香「いつもお疲れ様です、そしていつもありがとうございます、プロデューサーさん♪」
P「……zzz」
終わり。お目汚し失礼しました。
この後これを自慢した春香の話を聞いた真美と亜美が悪逆の限りを尽くすのが見えた。
P「……ハッ! やばい、俺もしかして俺寝ちゃってた……?」
小鳥「あ、おはようございますプロデューサーさんよく眠れましたか?」
P「はい、それはもうぐっすり……って、すいません!俺、仕事中にこんな……」
小鳥「いえいえ、気にしないでください。プロデューサーさんが疲れてるのはみんな知ってますから……でも今日だけですよ?ちゃんと眠って疲れを取ってくださいね?」
P「はい、もちろん……ってあれ、このタオルケット。小鳥さんが?」
小鳥「いえ、それは私じゃなくて―」
春香「プロデューサーさん、おはようございます!天海春香です!」
P「おお、春香おはよう……じゃなかった、お前らが頑張ってる間に居眠りなんてしてすまん……!」
春香「もう、気にしなくていいですよプロデューサーさん、むしろ頑張りすぎです!ゆっくり休んでくださいね?」
P「……ああ、ちゃんと気を付けるよ。でもまさか居眠りするとはな……って、もしかしてこの流れ。もしかしてこのタオルケット……」
春香「はい、私ですよ! 風邪ひいちゃたりしたら大変ですからね♪」
P「居眠りをしたプロデューサーに優しくタオルケットをかけてくれる……やっぱり俺の信じた天海春香は天使だったか……本当、ありがとうな春香」
春香「天使だなんて大げさな……あ、でもならそのお礼って形で、プロデューサーさんに一つだけ正直に聞きたいことがあります!」
P「……ん、俺にか? 何度も聞いてくれ、答えられることなら答えるぞ?」
春香「それなら遠慮なく……ちゃんと正直に答えてくださいよ? プロデューサーさんが好きな食べ物はなんですか?」
P「……俺の好きな食べ物? ……そうだな」
P「ぱっと出てくるのは春香の作ったお菓子とかかな」
P「……なんて、ちょっと曖昧かもしれないが本当だぞ?春香の作ってくれたお菓子はなんだか食べると元気が出る気がしてな…… って、これだけでいいのか?」
春香「……はい、それだけ聞ければ充分です♪」
P「……?」
春香「えへへー、プロデューサーさん……」
春香「……これからもプロデュース、ずっとずーっと!よろしくお願いしますね♪」
春香「ちなみにプロデューサーさんにとっての律子さんは?」
P「? 律子は俺の大切な「同僚」だぞ?」
春香「……ですよねー」
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ウェーイ