両津「? なんだお前」
れんげ「お巡りさんなん! 事件あったん?」
両津「違う。転勤してきたんだ。東京から」
れんげ「ほたるんと同じなのん!」
両津「蛍? ……まあいいや」
両津「なあ。この村の駐在所どこにあるか知ってるか?」
れんげ「恥ずかしながら知りません」
両津「そうか……まいったな。自転車漕ぎ続けでクタクタなんだが」
れんげ「お巡りさん。疲れてるん?」
両津「まあな。休もうにも、店の一件すらありゃせん」
両津「しょうがない……そこらで寝るか」
ゴロン
れんげ「ウチも寝るん」
ゴロン
両津「……のどかだな」
れんげ「お巡りさん、名前なんていうん?」
両津「わしか? 両津勘吉だ」
れんげ「おおっ! 津勘吉!」
両津「違うっ! 両津、勘吉だ! そこで区切るやつは初めてだぞ」
れんげ「じゃあ、両さんって呼ぶのん」
両津「出会って数秒なのに馴れ馴れしいな。まあいいや。お前は名前なんていうんだ?」
れんげ「れんげ!」
両津「そうか、ランドセルってことは、小学生か?」
れんげ「そうなん! ウチ、ぴっかぴかの一年生です」
両津「檸檬のいっこ上か。まあ、大して変わらんな」
れんげ「両さんはどうしてここにきたん?」
両津「魔改造したセグウェイの試運転をしていたら警視総監の車と正面衝突してな。警視庁の管轄から追い出された」
れんげ「……両さんの言ってること無茶苦茶すぎて……ウチ、ぜんぜんわからないのん」
両津「そ、そうか? うーむ、たしかに、我ながら無茶苦茶なことを言ってるな」
両津「わしってずいぶん非現実的なことをしてきたんだな。のどかな田舎にきて実感した……」
れんげ「ウチ、つくしのみそ汁飲んできたん」
両津「唐突になんだ。つくしって、つくしんぼか?」
れんげ「美味しいのん! グルメなウチの舌すら唸らせる一品……さすがです」
両津「最近の幼児はどいつもこいつもグルメだな……わしなんて交通費をケチった上に雑草食ってきたんだぞ」
れんげ「つーくしー♪ つーくしんぼー♪」
両津「おい。お前、学校はどうしたんだ? サボりか?」
れんげ「ウチ真面目ですから。今日はお帰りが早いだけなん」
両津「友達はどうした。いないのか?」
れんげ「失礼な。いっぱいいるんお掃除当番とか、飼育当番とかなん」
両津「ふーん」
れんげ「両さん両さん!」
両津「なんだ?」
れんげ「草相撲するん!」
両津「オオバコか。いいぞ。わしはそこそこ強い」
夏海「せーっかく午前中で授業終わったのにさー、時間を無駄にしちゃったじゃんかー」
夏海「掃除なんてしなくていいのに。大して汚れてないんだし」
小鞠「アンタ、どうせ帰ってもダラダラしてるだけでしょ」
夏海「ダラダラすることだって有意義だし」
小鞠「あっそ」
蛍「あっ。あれってれんちゃんじゃないですか?」
夏海「んー? ほんとだ。って、あれ警官じゃね!?」
小鞠「えっ!? お巡りさん!?」
蛍「なんでれんちゃんがお巡りさんと……?」
夏海「れんちょん、何をやらかしたんだ!?」
小鞠「いやいや、ありえないでしょ! ただ世間話してるだけだって! たぶん……」
蛍「とにかく行ってみましょう」
中川「先輩!なにしてるんですかさがしましたよずいぶんと!」
両津「おお中川じゃねえか!だから言っただろお前のフェラーリで来ればよかったんだ」
両津「電車で来るから歩いてる内にはぐれちまうってんだ」
中川「こんな砂利道が通れるわけないじゃないですか・・」
両津「ワシは根っからの江戸っ子だからな 田舎のことはよくわからん」
れんげ「いけめんおまわりさんなのん」
両津「まだ居たのか もうすぐ日が暮れちまうから嬢ちゃんも帰った帰った」
れんげ「はーいなのん」
・・・
関西新聞広島本社 8月13日11時配信
岡山・津山で小学生行方不明、誘拐事件か
11日午後5時35分ごろ、津山市山中の集落で同地区在住の宮内れんげ ちゃん(6才)が
行方不明になる事件がありました。11日、8時を過ぎても帰宅がなく不安を感じた保護者が警察へ通報
同日10時より、10人体制で同集落近隣を捜索したものの、現在でも発見できていません。
警察では、誘拐事件の可能性を視野に近隣住民へ聞き込み捜査を行っています。
両津「げ!おいこの新聞を見てみろ中川!」
期待
れんげ「また負けたん!」
両津「がっはっは! 十連勝だ!」
れんげ「もう一回やるん!」
両津「お前、めげないな」
れんげ「ウチ、勝つまで諦めたくないん」
両津「うむ、いい根性だ。若いうちはそうでなくてはないかん」
両津「コツを教えてやるよ。いいか、オオバコ相撲は無理に引っ張ったらだめだ」
両津「引っ張ると先が曲がって切れやすくなるからな。緩やかに構えて、相手から引っ張ってくるのを待つんだ」
れんげ「なるほど! ウチ、天啓を得たのん!」
両津「よし、じゃあもう一回」
蛍「あ、あのぉ」
両津「あん?」
蛍「ひぃ! ごめんなさいっ」
夏海「ああっと。勘弁してもらえませんかねぇ。うちの舎弟が迷惑かけちまったみたいでぇ」
小鞠「夏海、話し方がおかしくなってるよ! あの、すいません。なにかあったんですか?」
両津「なにかって、特になにもないけど」
夏海「なーんだ。焦って損した」
小鞠「駐在所の人ですか?」
両津「まあな。今日からそうなる」
蛍「ここにも交番はあるんですね」
夏海「あたりまえじゃん。日本だもん」
両津「お前らがれんげの友人か?」
夏海「夏海でーす。中学生でーす」
小鞠「越谷小鞠です」
蛍「あの、一条蛍です」
両津「中学生と小学生がつるんでるのか? 珍しいな」
夏海「そう? クラスメイトなんだから当たり前でしょ」
両津「なに、クラスメイト? おまえら同い年なのか?」
小鞠「違いますよ。えっと、うち分校で、全校生徒がひとクラスにまとまってるんです」
両津「ぶ、分校……ド田舎にぴったりな響きだ」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|.おまわりさんこっちなのん.|
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\=@ (ヽ <ゝ-‐:<>
( ・∀・) | 「くソ(,y'リ'))ゝ
// У ノ | |゙(l.|.゚△ノ○
(フ==◎=| _}}と)ニャ|/))
(__)_) {_,r_}
中川「急に大声でどうしました先輩」
両津「ほら!見てみろよここ!」
中川「なんですか・・・あ!これって前行ったとこじゃないですか!」
両津「このレンゲとかいうヘンテコな名前の子、たしか会ったことあるよな」
中川「ええ、変わった挨拶をする子ですよね」
中川「11日の17時ってことは・・・僕らと別れてからすぐですよ」
両津「なんてこった こりゃ大変だ、ワシらも応援しに行くぞ!」
中川「あっ、先輩どうするんですか!?向こうの人たちにまかせて・・・」
両津「馬鹿野郎!一度でも会っちまったガキが行方不明なんだから探さねぇと気が済まん!」
中川「ちょっと待ってください 今から岡山まで行くなんて無茶ですよ、とりあえず明日に」
両津「中川!車借りるぞ!」
中川「待ってくださいよ! ああ、行っちゃった・・先輩は気が早いから・・」
れんげ「なーなー! 両さんすごいのん! 草相撲がすごく強いのんなー!」
夏海「両さん?」
両津「わしの名だ。両津勘吉」
蛍「りょ、両津勘吉……?」
小鞠「どうしたの? 蛍」
蛍「えっと……聞いたことのある名前だなぁって」
両津「そうか?」
れんげ「ほたるんは両さんと同じで東京からきたん」
両津「おっ。同郷だな」
蛍「あはは、……ど、どうも」
夏海「両さんはさー」
両津「もうその名で呼ぶのか。田舎の子供はフレンドリーだな」
夏海「えーだめ?」
両津「別にかまわんが」
両津「ここらへんだったはずだが・・・こんな山道だったか、うーむこりゃ中川の車が傷だらけになっちまうな」
両津「まスシでも食わせりゃヘーキだろ!」
両津「ん?こんなとこで検問か」
警官「すみませーん ちょっと車停めていただけますかー?」
両津「俺も警官だ 協力しに来た」
警官「え?あれ、新しく要請はされていないはずですが・・・」
両津「なーに気にするな、例の嬢ちゃんの知り合いみたいなもんだから」
警官「は、はあ、そうですか、じゃあお通りください」
両津「へいへいおつかれさん」
ブーン
警官「(品川ナンバー・・・一体なんで東京から?)」
両津「さすがに眠いな、200キロで飛ばしても10時間もかかっちまった」
両津「冷静に考えるとワシも警官とはいえ、一度会ったくらいでおおげさだな・・」
両津「しかしすごい田舎だな!一面森と山ばっかじゃないか、どこかそのへんで迷ってるんじゃないのか?」
夏海「どうしてこんな田舎にきたの?」
両津「さっきもれんげに説明したんだが……」
れんげ「セグメントを魔界でけーしーかんの車と書面衝突したのん」
小鞠「はい?」
両津「違う違う。セグウェイで警視総監の車に突っ込んだんだよ」
夏海「すげー!!! 両さんセグウェイに乗ったことあんの!?」
小鞠「セグウェイってなに?」
蛍「あっ、私知ってますよ」
小鞠「っ! わ、私も知ってる!」
夏海「姉ちゃんさっき『セグウェイってなに?』って言ってたじゃん」
小鞠「う、うるさいっ」
両津「立ち乗りする二輪車のことだよ。アメリカでは警察が正式採用してたりするんだぞ」
夏海「めっちゃ乗りたーい!」
両津「乗せてやるよ。わしが何台か持ってる」
夏海「うっそ! 両さんお金持ち!?」
両津「来ちまったもんは仕方がない、一緒に探すか!とりあえず通報した保護者とやらは」
両津「たしか苗字は・・・ くそ!新聞を忘れちまった!」
両津「村の連中に聞けばわかるだろ!」
ブーン
両津「くそ・・人っ子ひとりいやしねぇな 本当に人間が住んでるのかここに」
両津「お、ガキが歩いてるじゃねえか」
両津「おい!そこの嬢ちゃん!」
小鞠「・・・・(トボトボ)」
両津「おい!聞こえねぇのか!」
小鞠「へぁっ!は!はいなんでしょう!?(びっくりした~)」
両津「そんなに驚かなくたっていいだろ、俺は警官だから安心しろ」
小鞠「は、はぁ、警察の人ですか あの、れんげはまだ見つかってないんですよね・・」
両津「嬢ちゃんは、その子の知り合いなのか?」
小鞠「同じ学校の友達です・・昔からよく遊んでたので」
両津「そりゃ災難だな、ワシはここの警官じゃないが、捜査に協力してるから」
両津「正確にはわしの後輩だがな。待ってろ」
ピピピ
れんげ「それは噂に聞くスマーフホン!」
両津「惜しいな。それじゃ青い妖精だ。スマートホンも珍しいのか?」
蛍「こっちじゃあまり見ませんから」
両津「ふーん……ああ、中川か。わしだ」
両津「いま転勤先についたんだが……そう。セグウェイを持ってきてくれないか?」
両津「違う違う。改造したやつじゃなくて、安全なやつだよ。子供が乗るから……」
両津「なに? 年齢制限? 知らん、いいから持って来い。ああ、それでいいよ。ブラックバードで飛ばしてこい」
両津「あと少しで届くぞ」
夏海「やった!」
れんげ「せぐえーに乗るんじゃーい!」
小鞠「やったー?」
夏海「姉ちゃん、まだセグウェイが何かわかってないだろ」
小鞠「し、知ってるしー」
れんげ「実はウチ、よく知らないのん」
両津「まあ、日本じゃ布教に失敗したからな。こういうのだ」カキカキ
小鞠「あっ! 見たことある!」
夏海「やっぱりわかってなかったんじゃん」
れんげ「ウチも見たことあるん! 乗っかるだけで動くのんなー」
両津「そうだ。体重移動で操作する」
蛍「絵がうまいですね」
両津「漫画家をやってたからな」
夏海「えっ! 両さん漫画家もやってたの!?」
両津「まあな。ロボ刑事番長、知ってるだろ?」
小鞠「聞いたことない」
蛍「知らないですね」
夏海「ウチも」
れんげ「タイトルの響きはいいのん」
両津「あっそ……全国区の雑誌で連載したんだけどな……ちょっとショック」
カキカキ
両津「これがワシの携帯番号で、こっちはウチの派出所だから(東京だが)」
両津「なんかあったらかけてくれ、嬢ちゃんは小学生かい?いまどき携帯くらい持ってるだろ」
小鞠「(小学生じゃないんだけど・・)携帯は持ってないです。それにここ、電波入らないし・・」
両津「心配するな!ワシはドコモとAUを二台持ちしとるからな!」
小鞠「たぶん、どっちもつながらないと思うんですけど・・・」
両津「まさか!いまどき地下鉄でもつながるんだぞ!?」ガサゴソ
両津「げ!!どっちも圏外じゃねえか!?」
両津「ここらでつながる場所はどこか知らねぇか嬢ちゃん!?」
小鞠「え、えっと・・山の向こうに街があって、そこならたぶん・・・」
両津「うーむ・・これじゃ携帯の意味がないな」
両津「(くそ~せっかくの最新スマホもこれじゃただの文鎮だぞ・・)」
両津「あ、そういや嬢ちゃんの名前聞いてなかったな、ワシは両津勘吉っていうんだ 東京から来た」
~数十分後~
両津「セグウェイは原付二種扱いだから公道を走るためにはブレーキやウインカーをつけなければならん」
両津「だが、構造上、ブレーキをかけると前につんのめって転ぶ! 非常に危ないだろ?」
両津「だから日本じゃあまり売れなかったんだ」
小鞠「へー」
夏海「両さん物知りー」
れんげ「はやく乗りたいのん! ウチいつになったらせぐえー乗れるん?」
両津「中川遅いな……まったく」
ィィィィィィン
両津「おっ。きたな」
蛍「飛行機?」
夏海「はやっ」
両津「ブラックバードじゃないな。さすがに無理だったか」
小鞠「なんか落ちてきた」
両津「パラシュートで降ろしたんだ。拾ってくる」
セグウェイって原二で乗れるんだ
ID:iXl+XY1i0は定期保守してくれてる有難い存在だと思って、おとなしくNGにしよう
思ったより叩かれたワロタ ごめんねもうやらないから
両津「よしよし。届いたぞ。なんだ、少し形状が違うな」
夏海「ウチー! まずウチが乗るー!」
れんげ「ウチが乗りたいのん!」
小鞠「ちょっと、落ち着きなって」
両津「順番だ順番。若い順にしよう。一応、16歳以下は乗っちゃいかんことになってるが」
夏海「えー! ウチ乗れないじゃん!」
両津「いいよ乗っても。わしは見て見ぬふりをするから」
蛍「い、いいんですか? お巡りさんがそんな……」
両津「細かいことは気にしないタイプだ。ちょっと待ってろ、バラして調整する……」
ガチャガチャ
蛍「き、器用ですね」
両津「まあな……よし。これで体重が軽くても反応するはずだ。れんげ、乗ってみろ」
れんげ「あいあいさー」
ID変えなきゃ,,,
れんげ「おー! 動くん! ウチ、足動かしてないのに動くん!」
夏海「いいなー!」
両津「ハンドルを引くと減速する」
れんげ「おー! 止まったん!」
両津「よし。次は……小鞠だな」
小鞠「え?」
両津「若い順だろ」
小鞠「……う、うわああああん! お姉さんらしく振る舞ってたのにぃ!」
両津「お、おい、どうした」
夏海「よーしよし。両さん、姉ちゃんは中二だよ」
両津「えっ……! そ、そうか。すまん。いやー、どうりで小学生にしては色気があると思ったんだ」
両津「はっはっは。じゃあ、次は夏海か?」
蛍「えっと……私です。小学五年生ですから」
両津「なに? わしと同じぐらいの身長なのに……!? そういえば、ランドセル背負ってるもんな……」
両津「最近の子供の発育状況はファンタジーだな……地球温暖化の影響か?」
~数時間後~
夏海「ウチもういっかい乗りたーい! ってか家までこれで帰りたい!」
れんげ「ウチもー!」
小鞠「駄目だよ。両さんのなんだから」
両津「別にタダだしいいよ。やるよ」
夏海「やったー!」
小鞠「駄目だって! お母さんに怒られるよ!」
夏海「うっ……じゃあいい」
両津「気付けばもう夕方だな……やばい。初日から大遅刻だぞ」
蛍「えっ。今日お仕事があったんですか?」
両津「まあ、あったけど。パトロールしてたってことでいいだろ」
両津「そういえば、誰か駐在所の場所知らないか?」
夏海「……さあ」
小鞠「あるのは知ってるけど……そもそもお巡りさんを見たことがないかも」
両津「本当に実在するのか……? 不安になってきた……」
蛍「他の人に聞いてみたほうが……」
両津「そうだな。この村にきてからまだお前らとしか話してない」
れんげ「だったら駄菓子屋いくん!」
両津「駄菓子屋?」
れんげ「駄菓子屋なら駐在所の場所も知ってるん! たぶん!」
両津「駄菓子屋か……興味あるな」
れんげ「ウチ案内するん!」
夏海「あっ、だったらウチたちも」
小鞠「もう帰らないと、お母さんに」
夏海「なら帰る……」
蛍「私もそろそろ帰らないと」
両津「そうか。じゃあ寄り道せずにまっすぐ帰れよ」
夏海「じゃーねー」
小鞠「またねー」
~駄菓子屋~
れんげ「駄菓子屋ー!」
楓「おー。れんげかー……ゲッ! サツだ!」
両津「邪魔するぞ」
楓「うちは清廉潔白。真っ当な商売しかしてないよ」
両津「ここの連中は警察に耐性が無いのか? 別に何かを咎めようときたわけじゃない」
れんげ「両さんが駐在所の場所を知りたいと!」
楓「駐在所? あんた警官なのに知らないの?」
両津「今日初めてきたんだ。場所を知ってたら教えてくれ」
楓「さぁーねー。知ってたような気がするけど……最近客が少なくてなー。困った困った」
両津「……よっちゃんイカを箱で買おう」
楓「まいどー。駐在所の場所ね。知ってる知ってる」
れんげ「大人買いすてきです」
両津「一袋やるよ。案内してくれた駄賃だ」
れんげ「すっぱいイカー!」
~駐在所~
両津「やっと着いた……」
警官「あんたが両津さん? 遅かったじゃない」
両津「ハハハ。自転車できたもんで」
警官「じ、自転車で!? 東京から!? 噂どおり無茶苦茶な人だな」
両津「これからよろしくお願いします」
警官「ああ、はい。まあ、とりあえずこれがうちのシフト表ね」
両津「ほぼパトロール……」
警官「なにせ管轄が広いからねェ。待ってるだけじゃだめなのよ」
両津「はあ、まあ、自転車で駆け回ってればいいんすよね」
警官「そう。問題は起こさないようにね。まあ、ここなら爆発するようなものも少ないからいいけど」
両津「ははは……参ったな。わしの名は同業者の間じゃ相当知られているらしい」
警官「寝起きはここね」
両津「えっ! 寮とかないんすか!?」
警官「ないよ。そんなに人いないもん」
~翌日~
両津「ハイヨーシルバー!」
ギャルルルルルル
夏海「あっ、両さんだ」
れんげ「両さーん」
両津「おお、お前らか。これから学校か?」
蛍「はい。両さんはお仕事ですか?」
両津「パトロールだ。これだけ殺風景だと、なにを見回ってるのかわからんがな」
夏海「ならウチらと学校いこうよ」
小鞠「いや駄目でしょ。お巡りさんなのに仕事をサボっちゃ」
両津「学校はもういいな。好きじゃない。むしろ嫌いだ」キッパリ
小鞠「そんなはっきりと」
れんげ「なら学校終わったら遊ぶん!」
両津「おう。いいぞ」
夏海「じゃーねー」
両津「田舎なんてもうこりごりだぁ~」
~放課後~
れんげ「おーい。両さーん」
両津「おお。学校終わったか」
夏海「うん。遊ぼー」
小鞠「で、なにすんの?」
蛍「またセグウェイですか?」
両津「良い年頃の娘が機械でばかり遊ぶのはよくない。そこで、駄菓子屋で調達しておいた」
両津「ベーゴマだ。歴史が長く、非常にアカデミックでもある」
小鞠「……両さん本当に働いてたの?」
両津「村人との交流の一環だ。もう台はつくってある。関東式でいいよな?」
夏海「関東式とか言われてもウチらわからんよ」
両津「まあ、そこはスルーしよう。こいつで戦うんだ」
れんげ「ウチ知ってるん! ベイブレードなん!」
両津「うむ。ベイブレードはこれの進化形だな。だが、こいつも奥深いぞ」
れんげ「にゃんぱす~」
両津「てめぇ!その挨拶はなんだ!」バキュン バキュン
>>218
初期の両さんでもそんな理不尽な理由じゃうたないだろ
>>221
初期なら運悪くイラッとしてるときだと
話しかけただけでも撃たれてた可能性はある
~数分後~
小鞠「ん~うまくまわらないっ」
両津「巻きが甘いな。紐にのりがつきすぎてるのかもしれん。水でちょっと洗うと巻きやすくなるぞ」
夏海「おおっ! 回った! 超回ってる!」
蛍「あっ、すごい。本当によく回りますね」
両津「だろ? マンk……女巻きは初心者でも回しやすいんだ」
れんげ「マン?」
両津「さ、さあ! わしも回してみるかな」
両津「チッチノチ!!!!!!!」くわっ
ギュルルルルルルルル
夏海「おわっ」
ギャンッ
夏海「は、弾かれた……」
両津「ガッハッハ! わしのペチャ王は最強だ!」
蛍「お、大人げない……」
れんげ「かっこいいのん!」
両津「ベーゴマは鉄だからな。ベイブレードにだって勝てるぞ」
夏海「両さんがつかってるやつ、なんか強すぎるんだけど!」
両津「当たり前だ。わしのはペチャ王。薄いうえに重いからな」
両津「ベーゴマは薄ければ薄いほど、重ければ重いほど強い」
両津「しかも、わしのはタカ王を削ってつくった特製ペチャ王だ」
両津「お前らが授業を受けている間の数時間をかけてつくりあげた傑作だ。絶対に負けん」
小鞠「働いてないじゃん」
蛍「ですね……」
両津「さあ、かかってきなさい」
夏海「よーしれんちょん! ふたりがかりで挑もう!」
れんげ「挟み撃ちにするん!」
両津ってベーゴマ最初に1個買った以外は全部勝ち取ったんだよな
~数十分後~
れんげ「にゃん、ぱ、っす!」
ギュルルルル
夏海「おお! れんちょんがなんか見つけた!」
両津「語呂は悪いが、よく回ってるな」
れんげ「ウチ、とうとう到達してしまいました」
蛍「にゃん、ぱ、っす!」
ギュルルルル
蛍「ほんとだ。回しやすーい」
小鞠「チッチノチとか、意味わかんないしね」
両津「にゃんぱすだって意味わからんだろ」
れんげ「聞き捨てなりませんが」
夏海「ベイブレードと戦わせてみようよ。両さん、ないの?」
両津「いや、さすがにもち歩いてないぞ」
夏海「じゃあウチいこう。たしか押入れにあったような気ぃするし」
~越谷家~
夏海「ただいまー」
雪子「おかえりー……ひっ!」
両津「ど、どうも」
雪子「夏海! あんたなにしたの!?」
夏海「ええええっ!? 母ちゃんそれは酷いよ!」
小鞠「日頃の行いでしょ」
両津「このリアクションにも慣れたな」
夏海「んーっと……ああ、あったあったー」
夏海「なっついな~。ドラグーン。ほれ」
両津「おっ、ドラグーンストームか。渋いな」
れんげ「ウチはトライピオが熱いと思いますが!!!」
両津「あれは笑えるよな」
小鞠「私、夏海に騙されてそれ買わされた……」
蛍「センパイはこの下の部分(ボトム)だけ回すのが可愛くてピッタリだと思います」
小鞠「どういう意味!?」
両津「わしの特性ペチャ王で粉砕するからな。壊れてもいいやつと対決させよう」
夏海「じゃあトライピオ」
小鞠「だからそれ私のだってば!」
両津「チッチノチ!!!!!」
グシャアァァァァ
小鞠「トライピオがあああああああああ」
れんげ「ダイナマーイ!」
夏海「アハハハハハハ! すっげえ飛んだよ」
蛍「ほんとに勝てましたね」
両津「当たり前だ。初代ベイブレードが出て以来、わしはベーゴマを挑ませ続けている」
夏海「じゃあ次はトライグルを……」
小鞠「それもウチのなーん!」
両津「いいぞ。ジャンプするやつだろ?」
小鞠「やめるーん!」
れんげ「コマちゃんウチみたいになってるん」
~夕食~
両津「いや~。奥さん申し訳ない。ごちそうになっちゃって」
雪子「いいえ。うちの馬鹿娘がお世話になったそうで」
夏海「馬鹿って言う方が馬鹿なんだよー」
雪子「ほんとに、口が減らん子で」
卓「……」
両津「……? なあ」
小鞠「なに?」
両津「あいつ誰だ? さりげなく食卓に並んでるが」
小鞠「お兄ちゃんだけど」
両津「なに!? 兄貴がいたのか!」
夏海「あっれー。言ってなかったっけー」
雪子「ほら。ちゃんとあいさつなさい」
卓「…………」ボソッ
両津「…………今しゃべったのか?」
~卓の部屋~
両津「邪魔するぞ」
ガララ
卓「……?」
両津「お前も夏海たちと同じ分校に通ってるのか?」
卓「……」コクン
両津「そうか……ん? けいおんか」
卓「……」ピクッ
両津「お前、けいおんが好きなのか?」
両津「わしの知り合いにも好きなやつがいてな」
卓「……」ガタッ
両津「おっ。なんだ突然活発になったな」
夏海「両さーんどこいんのー?」
ガララ
両津「そいつは紬ってキャラが好きらしい。わしもこの五人の中ではこいつが一番だな(金持ちらしいから)」
卓「……」クイッ
両津「エレキ? ひくのか」
卓「……」コクン
両津「月月火水木金金とか演奏できるか?」
卓「……?」
両津「軍歌だよ軍歌。さすがに軍歌はわからんか」
夏海「なーにしてんの。ふたりとも」
両津「おお、夏海か。いや、この村にきて男に会うのは珍しいからな」
夏海「そう? そういえば……たしかに、ウチも女にばっか会ってる気がする」
夏海「そんなことより、両さんゲーム得意?」
両津「まあな。得意だぞ」
夏海「だったら一緒にやろーよ」
千本桜にしろよwwwwwwww
両津「そうしたいけど……もう遅いからな」
両津「朝パトロールに出てから一度も駐在所に戻ってないから、そろそろ帰らないと」
夏海「えー。もう帰っちゃうの?」
両津「明日また来てやるよ」
夏海「約束ねー」
両津「おう」
~駐在所~
両津「ただいま戻りました~」
警官「随分長かったね」
両津「地元村民との交流を深めていまして。ハハハ」
警官「まあ、こんな田舎じゃ何が起きるわけでもないからいいけどね」
両津「基本的にモチベーションが低いな……のどかな風土がそうさせるのだろうか」
警官「そういえば、東京から連絡がきたよ」
両津「えっ」
警官「大原さんとか言ったかな。『真面目に働いてるか』って」
両津「で、なんと?」
警官「『よくやってる』と答えておいたよ」
両津「よしよし。心象を良くしておけばすぐに東京へ戻れるかもしれん」
~翌日~
両津「うおおおおおおおおおおおおおお」
ガタガタガタガタ
夏海「ちょっ、両さん動きが」
小鞠「ひぃ! 暴れないでぇ!」
両津「フィニッシュ!!!」
ドガッ KO!
両津「ふっふっふ……ちょっと本気出しちゃったかな? ぜぇぜぇ」
れんげ「両さん頭から湯気が出てるん」
夏海「テレビゲームをプレイしてる人とは思えない激しさだよ」
蛍「本当に戦ってるみたいでしたね」
両津「わしなど甘いほうだ。知り合いにはプレイしながら対戦相手を直に攻撃してくるやつがいる」
両津「バーチャルとリアルの同時ノックアウトだ。デュアルショックなど目じゃない。命がけだぞ」
小鞠「なにそれ、東京こわっ」
蛍「そ、そんなことないですよっ。安全な場所です」
両津「お。ガイアマスターがあるじゃないか」
小鞠「よくやるよね」
夏海「両さんできんの?」
両津「当たり前だ。仕事仲間と派出所でよくやった」
小鞠「働きなよ」
両津「それにしても、妙に古いラインナップだな。誰の趣味だ」
夏海「いやー。ウチらあんまりゲーム買いにいかんから。失敗を恐れるあまり、評判のいい中古が増えるんだよね」
両津「このちかくにゲームソフト売ってる店はないのか?」
小鞠「十駅離れたところにあるけど」
両津「じゅ、十駅……なんだかお前らが可哀想に見えてきた」
れんげ「えっ! ウチら可哀想なん!?」
夏海「そ、そんなことないってー! なあほたるん!?」
蛍「そうですよ。私も最初は何もないなー不便だなーって思ってましたけど」
小鞠「思ってたんだ……」
蛍「い、今は思ってませんよ!」
小鞠「ひぃ! 暴れないでぇ!」
ここの画像くれ
両津「よし! また踏み倒してやった」
夏海「あー! 金払えよー! 警官なのにー!」
両津「ゴライアスの利点を生かしているだけだ」
小鞠「わっ、また蛍の領地踏んじゃったよ……」
蛍「ご、ごめんなさいっ。あ、ラッキーだ」
れんげ「ほたるんツイてるのんなー」
両津「よし。狙いはメグメグだな。おい、夏海、仕掛けろ」
夏海「ウチに体力削らせといて横からかっさらおうとしてるんだろー。せこいなー」
小鞠「夏海がよく使う手だしね……」
両津「アガートなんだから勝負をしかけなきゃ意味がないだろう」
夏海「そうだけどさー」
小鞠「やった! 二回行動……わー! また蛍の領地踏んだー!」
蛍「すいませんっ!」
こまちゃんかわいいよこまちゃん
http://i.imgur.com/CQF9fAH.jpg
れんげ「両さん両さん」
両津「ん? なんだ」
れんげ「明日学校きてほしいってお姉ちゃんが言ってたん」
両津「どういうことだ?」
蛍「れんちゃんのお姉さんは分校で先生をやってるんです」
両津「ふぅん。で、なんでわしなんだ?」
れんげ「知らないのん!」
両津「そこが一番重要なんだが……まあどうせ暇だからいいけど」
小鞠「警察官とは思えない発言……」
蛍「ですね」
夏海「両さん。ウチ勝負しかけてるんだけど」
両津「なに!? 体力がやばいっ」
>>326
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~駐在所~
警官「ああ、両津さん。明日は旭丘分校に行ってね」
両津「えっ、正式な要請ですか?」
警官「社会勉強の一環で、授業をやってくれないかと頼まれてね。頼むよ」
両津「まあ、いいっすけど……」
警官「謝礼金は受け取れないけど、お米券なら貰ったよ。ほら」
両津「米券か……まあ、換金すれば」
警官「えっ」
両津「いや、なんでもありません!」
~翌日~
一穂「えーっとね。はい。今日は警察官の方に来ていただきましたー」
両津「やあどうもどうも」
夏海「ヒューヒュー」
卓「……」
れんげ「両さんが先生なん?」
一穂「そうだよー。あのねー。今日は、社会勉強の一環として、この両津さんに講師をつとめてもらいます」
両津「まあ、テキトーにやるよ」
一穂「はい。じゃあ、お願いしますねー」
両津「よし。一限をつかってやるのか?」
一穂「一限っていうかー、一日?」
両津「なにっ」
一穂「今日は終礼まで、お願いします」
両津「丸投げかよ……」
新米警官・両津
一穂「じゃあね。先生はちょっと事務的な仕事を片付けるからねー。ばいばーい」
小鞠「行っちゃった……」
両津「お前らの先生はいつもあんな感じか?」
蛍「まあ……そうですね」
夏海「授業中寝てるし」
両津「そうか。素晴らしいじゃないか」
小鞠「えっ」
れんげ「お姉ちゃん褒められたん! 嬉しいのー」
両津「よし。では授業を始めるか」
夏海「おねがいしまーす」
両津「えー。我々警察官の仕事は、市民の安全を守ることです」
蛍「……」
れんげ「……」
夏海「……」
小鞠「……」
卓「……」
両津「以上」
小鞠「終わり!?」
れんげ「授業おわったーん!」
夏海「やっほーい!」
小鞠「いやいや駄目でしょ! 開始して一分も経ってないし!」
両津「じゃあ残り時間は遊ぶか。全員外出ろ」
蛍「両さんと一緒にいると遊んでばっかりな気が……」
ラジコンカーでも遊ぶか
両津「子供は遊ぶことが仕事だ。遊びから学ぶことは多い!」
両津「そういうわけだから、今日は缶けりをしよう」
夏海「お! ウチ得意~」
れんげ「ウチもなかなかのものですけど!」
卓「……」
両津「蛍はやったことあるか?」
蛍「はい。何度かは」
両津「じゃあいいな。最初はわしが鬼をやってやる」
両津「言っておくが。わしは缶けりのオリンピック代表に選ばれた猛者だ」
両津「本気でいくと勝負にならんだろうから、少しは手を抜いてやらんこともない」
小鞠「缶けりってオリンピックの種目にあったっけ……?」
夏海「そりゃあるでしょ。楽しいもん」
小鞠「そういうものなの?」
両津「一分で隠れろ。目を閉じて数えるぞ」
れんげ「わー隠れるーん!」
のんのん
両津「……よーし。全員うまく隠れたようだな……。とりあえず仕掛けてみるか」
両津「見ーつけた!!!!!」
ガタッ
両津「体育館裏! 誰か反応したな!」
バッ
蛍「ひっ」
両津「蛍みぃーつけたぁ!!!」
ズドドドドドドドド
両津「ポコペン!!!!」
ガンッ
両津「フフフ。古典的なトラップにかかったな。まずは一人だ」
蛍「あうぅ……」
夏海「うわーっ。両さんエグイことすんなー。まあアレにひっかかるほたるんもほたるんだけど……」
夏海「ここはウチのテリトリー……初見では気づけない……! ふっふっふ」
両津「見つけてるぞ」
夏海「なぁ!?」
両津「ガハハハ! 夏海みぃーつけた!!!」
夏海「そんなぁー!」
両津「ポコペン!!!!!」
ガンッ
両津「スタート地点の近くに隠れるのはいいアイデアだが、わしの裏をかくには足らんな」
夏海「姉ちゃんなら『えーそんな近くにいたのー!』って驚いたのにぃ……」
両津「さて、後は小鞠とれんげと卓か」
両津「……小柄なふたり……隠れる場所を考えると……」
両津「そこの草むら」チラッ
ガサガサ
両津「やはりな! 誰だ!」
ヒョコ
具「……」
両津「なに!? タヌキ!?」
れんげ「ひっかかったのん!」
両津「しまった!」
れんげ「とぉー!」
カンッ
夏海「やーい! また両さんが鬼だー!」
両津「くそっ! まさかタヌキを囮にするとは……!」
両津「まいったな。まさかれんげに蹴られるとは思わなかったぞ」
両津「とりあえず、逃げたあいつらよりもまだ見つけてない小鞠と卓を……」
卓「……」
両津「おわっ! おまえいつのまに!」
卓「……」
カンッ
両津「また蹴られた!」
卓「……」
タッタッタッタ
両津「なんてやつだ……気配を消して近くに潜んでたのか……背後霊みたいなやつだ」
両津「このままではイカン。本気を出そう!」
両津「隙あり!」ボコベン
れんげ「ソレは残像だのん!」
両津「なん…だと…!?」
~数分後~
両津「小鞠みぃーつけた!」
小鞠「うわぁ!」
ドドドドドドド
両津「ポコペン!」
ガンッ
両津「ふぅ。まさか、あんな狭いところに隠れてるとはな」
小鞠「とっておきだったのにぃ」
夏海「小さい姉ちゃんならではだよね」
小鞠「小さい言うな!!!」
両津「よしお前らじゃんけんだ。次の鬼をきめるぞ」
「じゃーんけーんぽん!」
小鞠「えー! 私ぃ……? 最後まで見つからなかったのに」
両津「小鞠が鬼だな。目をつぶって60数えろ。よし、散れ!」
れんげ「うおー」
両津「……待てお前ら。静かに、スタート地点へ戻るぞ」
蛍「えっ?」
両津「目を閉じてる小鞠を全員で囲むんだ。気づかれないようにな」
夏海「わかった」
小鞠「さーん。にー。いち! よし!」
パッ
小鞠「って、なんでみんないるの!?」
両津「うおりゃ!」
カキィン
両津「数え終わって目を開けたら全員に囲まれているという異常事態に脳の処理が追いつかず隙が生まれる」
両津「その間に蹴ってしまうという禁断の技だ。開始と同時に終わる! 何度もやると鬼が泣いちゃうから多用は禁物だぞ」
夏海「はーい」
小鞠「うわーん! ひきょうものー!」
蛍「もう泣いてますよ……」
夏海「他に卑怯な手ないの?」
両津「卑怯とは人聞きがわるい……まあ、色々とあるがな」
れんげ「すごいのんなー! 両さん軍師なん!」
両津「よし。じゃあ蛍。脱げ」
蛍「えぇ!?」
夏海「両さん……それはさすがに」
両津「ばか。上着だけだよ」
蛍「あ、ああ。はい」
両津「そしたらその上着を……夏海が頭からかぶれ」
夏海「こう?」
両津「そう。そしたら、わしの下駄を履いて、無言で突撃して来い」
夏海「了解っ!」
両さんやるわね
両津「よし。じゃあ蛍。脱げ」
蛍「ホ別で1.5頂きますけど…」
小鞠「もう騙されないからね! 全員見つけてやるっ!」
???「……………」
小鞠「ひぇ!? 誰!?」
???「…………」
ズドドドドド
小鞠「なんかきたー!」
???「……………」
小鞠「顔が見えないっ! な、夏海!? あれ、だけど蛍の上着? なんで下駄はいてるの!? 両さん!?」
バッ
夏海「ウチだー!」
カンッ
小鞠「夏海だったー!」
夏海「逃げろー!」
れんげ「わー! また蹴ったん!」
両津「今やった技の進化形として、上着で顔を隠しながら全員で特攻するというものがある」
両津「だが、そこまでやるともはやホラーだからな。多用すると鬼が泣いちゃうから気をつけろ」
夏海「はーい」
小鞠「わ~! また蹴られた~!」
蛍「もう泣いてますって」
両津「さすがにやりすぎたか……ちょっと罪悪感。連携プレーはこのくらいにして、個々で隠れよう」
れんげ「ウチがんばるのん!」
蛍「先輩可哀想……」
両津「……よし、じゃあ新ルールだ。鬼をふたりにしよう」
夏海「おお! 二対三!」
卓「……」
夏海「ごめん。二対四だったよ」
両津「蛍。お前が小鞠と鬼をやれ」
蛍「は、はいっ」
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~数十分後~
小鞠「両さんみつけたよー!」
両津「しまった!」
蛍「両さんみーつけた! ポコペン!」
ガンッ
両津「くそっ! ファンネルをやられるとキツイな……! ただのかくれんぼになる」
夏海「あー。全員見つかっちゃったか~」
れんげ「ウチとしたことが……まさかコマちゃんに見極められるとは。修行が足りないのん」
小鞠「なんかその言い方気になるんだけど」
警官「おーい! 両津さーん!」
夏海「わっ! 警察だ!」
小鞠「両さん何したの!?」
両津「おいどういう意味だよ。わしだって警察だぞ」
警官「なにしてるの、こんなところで!」
両津「なにって、社会勉強でしょう?」
れんげ「缶けりしてるーん!」
両津「オイばかっ! はっはっは! いやー、缶などのゴミ拾いをね」
警官「それどころじゃないよ! 広報聞いてなかったの!?」
両津「広報? 流れてたか?」
夏海「全然気づかなかった」
警官「熊が出たんだよ!」
両津「熊!?」
蛍「く、熊ってあの熊ですか!?」
警官「ああ。村まで降りてきたらしくてね。猟友会が探してるとこだ」
小鞠「どどどど、どうしよう……!」
両津「慌てるな。たかが熊だ。室内にいれば何も怖くない」
れんげ「熊さーん。熊さーん」
夏海「すっげー! 熊見たい!」
警官「馬鹿言っちゃいけない。危険だよ。はやく校舎に入って」
両津「まあそういうことならしかたないな。ほらお前ら戻るぞ」
夏海「っちぇー」
両津「しかし外で遊べないとなると暇だな」
夏海「両津センセー。熊ってどうやったら素手で倒せんのー?」
小鞠「倒せるわけないじゃん」
両津「ふむ。良い質問だ。その道のプロに聞いてみよう」
ピピピ
両津「……もしもし。ボルボか? 熊ってどうやったら倒せる?」
両津「……素手だよ。そう。なるほど。じゃあな」
両津「わかったぞ」
夏海「倒せるの!?」
両津「顔面が弱いらしい。だから、顔面を殴れば倒せる」
夏海「なるほどー顔面かー」
蛍「それってどの動物にも言えることじゃ……」
小鞠「無理だって。顔面を殴る前に食べられちゃうよ」
両津「まあ、素早く背後に回り込んで首を絞めながら顔を叩けば大丈夫だろう」
れんげ「熊さんなんで降りてきたん?」
両津「さあな。食糧でも探しに来たんじゃないか?」
れんげ「熊さんって何食べるん?」
両津「肉食だから……肉だろ」
夏海「ハクビシン?」
小鞠「アライグマ?」
蛍「イタチとかも食べそうですよね」
両津「あとタヌキとかな」
れんげ「えっ」
両津「なんだ。どうした」
れんげ「熊さんタヌキ食べるん?」
両津「食べると思うぞ。くわしくは知らんが」
れんげ「具ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」ダッ
夏海「あ! れんちょん!」
小鞠「外に出たら危ないよ!」
蛍「ど、どうしよう。走ってっちゃいましたよ!」
両津「どうもこうもない! わしが追いかける!」
夏海「ウチも!」
小鞠「えっ! じゃ、じゃあ私も!」
蛍「わ、私も!」
卓「……」
両津「ばかっ。熊に出くわすかもしれないぞ! お前らは待ってろ!」
夏海「行く! れんちょんを熊に食べられたら困るよ!」
小鞠「わ、私は一番お姉さんだし! れんげは一番、年下だし!」
蛍「れんちゃんが心配ですっ……!」
卓「……」
両津「……しかたないな。わしから離れるなよ」
両津「おい卓。いざとなったら兄貴として、しっかり妹たちを守るんだぞ」
卓「……」コクン
両津「よしっ」
夏海「れんちょーん!」
小鞠「れんげー!」
蛍「れんちゃーん!」
卓「……」
夏海「兄ちゃん声出せよ!」
卓「…………スゥー」
卓「r両津「れんげー! どこだー!」
小鞠「どこ行っちゃんたんだろう」
両津「あのタヌキを探しにいったんだよな。どこで飼ってるんだ? 離し飼いか?」
夏海「そっかそっか! あそこだ! 口笛で呼ぶと出てくるとこ!」
れんげ「フィー!」
具「……」
ガサッ
れんげ「具っ。無事だったん! ウチ安心しました」
具「……」ピクッ
れんげ「? どうしたん」
具「……」
ガサササササ
熊「……グルルルル」
れんげ「あら」
夏海「あそこ! あの倉の横……!」
バッ
熊「……グルルル」
れんげ「どうどう。落ち着くん」
蛍「く、くまが!!!!」
夏海「真っ最中だったー!」
小鞠「あわわわわわどどどどどうしよどうし」
両津「やぶれかぶれだ! てやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ガシッ
熊「グッ」
れんげ「両さん!」
両津「このやろ! 山帰れ! この!」
ボカスカボカスカ
夏海「両さんつよっ!」
両津「くらえ! 巴投げ!」
ブンッ ドタン
熊「キャン」
両津「どうだ!」
熊「グゥゥゥゥ……」
ペタン
夏海「やった! 熊に勝った!」
小鞠「えー!? 勝っちゃった!」
蛍「だ、大丈夫ですか!?」
両津「なに。ちょっとひっ掻かれた程度だ」
れんげ「熊さん。柔道弱かったんなー」
両津「コラッ。れんげ、ダメじゃないか。ひとりで外に出たら危ないだろ」
れんげ「ごめんなさい……具が心配でウチ……」
両津「まあ無事だったならいいや。とにかく警察を呼ぼう……って、わしもそうか」
~翌日~
ローカル新聞『警官お手柄! 熊を投げ飛ばし児童を守る』
両津「まさか熊を撃退した記事が一面を飾るとは……よほどネタがないんだな」
れんげ「ウチ全国デビューなん!」
小鞠「いや地元紙だし。見切れてるよ」
夏海「改めて思うけどさー。両さんって何者?」
両津「なんてことはない、公務員だが」
小鞠「なんてことない公務員が熊を素手で倒せるとは思えないけど……」
両津「まあ、新聞には何度か乗ってるがな……ハハ」
蛍「あーっ!」
れんげ「ほたるん、急にどうしたん」
蛍「両さんの名前、聞いたことあると思ったら……思い出しました」
蛍「警察署を爆破した人ですよね……!」
小鞠「犯罪者!!!!!」
熊って美味しいらしいね。
夏海「えぇー! 両さん、爆弾魔!?」
れんげ「衝撃の事実なん!」
両津「違うっ。不発弾が爆発しちゃっただけだ。わざとじゃない」
小鞠「爆発させたのは本当なんだ……」
蛍「けっこう話題になってましたよね……?」
両津「まあ、少しやんちゃしたりしたかな? ハハハ……」
れんげ「でも両さんかっこよかったん!」
夏海「そうだよ。れんちょんを熊から守ってくれたし」
小鞠「んーまあね。この村の番犬としては有能かも」
蛍「そうですね」
両津「人ですらないのか、わしは」
夏海「両さんがいればこの村も刺激的になるなー」
れんげ「ふぁんたすてぃっく!」
小鞠「そうだね。ちょっと楽しいかも」
蛍「爆発は嫌ですけどね」
両津「わし=爆発の認識がしみついてるな……イメージって怖い」
警官「両津さんいるかい?」
両津「あれ、なんすか? もしかしてまた熊とか」
れんげ「具ぅぅぅぅぅぅぅぅ」
夏海「ちょっ! れんちょん!」
警官「違うよ。大原さんから連絡が入ったんだ」
れんげ「なんと! ウチはやとちりしてしまいました。恥ずかしい」
両津「げっ、部長から?」
警官「帰ってこいって。また葛飾署の勤務らしいよ」
両津「えっ、本当ですか!?」
両津「思ったよりはやかったな……毎度のことながら、島流しと帰還の繰り返しは疲れる」
夏海「えっ、両さんずっとここにいるんじゃないの!?」
れんげ「ここにいるのんな!?」
両津「いや、期間限定で出張してたようなもんだからな……。また東京へ戻ることになった」
夏海「えっー!」
小鞠「そう、なんだ……」
蛍「さみしくなりますね……」
れんげ「ウチ嫌! 行ってほしくないのん!」
ガシッ
両津「お、おいれんげ(檸檬ぐらいの歳頃にはモテるんだよな……なんか複雑)」
れんげ「両さんともっと遊びたいのん! もっと色々教えてほしいのん!」
両津「参ったな」
夏海「そうだよー! 両さんずっとここにいればいいじゃんかー」
小鞠「わがまま言っちゃ駄目だよ。両さんだって警察官なんだから。たぶん」
両津「たぶんってなんだよ」
プルルルル
両津「おっと、電話だ」
両津「はい……なんだ中川か。いいとこなのに……なに? セグウェイ? あるけど……面倒だな」
両津「わかったわかった。持ち帰るよ……今すぐ? だったら途中まで迎えにこいっ!」
両津「ったく。今すぐ戻って来いってよ」
れんげ「もう行っちゃうん!?」
両津「……ああ。ごめんな、れんげ。またくるから、その時に遊ぼう」
れんげ「いつくるん!?」
両津「え? えーっと……そのうち、かな」
れんげ「絶対!?」
両津「……ああ。絶対だ」
れんげ「わかった! 待ってるん!」
両津「よし。わしのシルバーは?」
警官「自転車かい? 持ってきたよ」
にゃんたそー
両津「じゃあ帰るか!」
蛍「ほ、本当に自転車で東京に帰るんですか?」
両津「当たり前だ。新幹線なんて軟弱ものがつかうものだ」
夏海「両さん、絶対にまた来てよねー」
小鞠「不発弾は持ってこないでいいから」
両津「当たり前だ」
れんげ「両さん……」
両津「れんげ。絶対にまた来る。絶対だ。そんな悲しそうな顔すんな」
れんげ「うん! ウチ待ってるん!」
両津「ああ。……っと、卓によろしくな」
夏海「あっ、そういえば兄ちゃん忘れてた」
両津「それじゃ、アバヨッ」
ギャルルルルルルル
両津「ハイヨー! シルバー!」
ギュオオオオオオオオン
大原「両津はどこだぁ!?」
寺井「都会の暮らしは嫌になったとかで長期休暇を取って田舎にいきました…」
~葛飾署~
中川「先輩。お疲れ様です」
両津「ったく、急にセグウェイ持って帰って来いっていうから走り通しで自転車がボロボロだ」
中川「えっ! 自転車で!? 新幹線を使えばいいのでは……?」
両津「高いだろ。もったいない。で、セグウェイがどうしたって?」
中川「まさか自転車とは思わなかったので持ち帰るように頼んだんですが……」
中川「実は、日本警察へのセグウェイ導入が計画されてまして」
中川「そのデモンストレーションとして、警視庁主催のイベントが明日、開催されるんです」
中川「なので、先輩に貸した試作型を提供しようと」
両津「そうだったのか」
大原「おまえもイベントに参加するんだぞ」
両津「ぶ、部長! お久しぶりです!」
大原「機械に詳しい人間という要請だったからな、お前を押しておいた」
両津「た、たしかに機械には強いですが……エンジニアとはまた違うような」
両津「しかし、明日なんだろ? 間に合うのか」
中川「先輩に貸した試作型はアタッチメントの装着を考えて設計されてるんです。うちも開発に関わってるんですよ」
中川「本当はもっと早く連絡をとりたかったんですが、先輩のケータイになかなかつながらなくて」
両津「ああ、あそこは電波悪いからな……。それにしても、コンパクトが売りのセグウェイなのに色々つけちゃうのか」
中川「はい。日本の公道で走れるように機能を追加するんですよ。短時間で済みます」
中川「開発グループには石頭鉄岩さんや絵崎コロ助教授に参加してもらってます」
両津「ひどいことになりそうだ……」
中川「さっそくですが、その試作機、返してもらってもいいですか?」
両津「ああいいぞ。ほら」
中川「はい。たしかに受け取りました。バランサーとか勝手に調整してませんよね?」
両津「してないしてない。わしはここで寝るぞ。疲れてるんだ」
中川「えっ、せめて寮に帰っては」
両津「ぐが~」
中川「どこでも寝られる人だ……」
~翌日~
警視総監『ええー、海外でも積極的な導入が試みられているセグウェイを我が日本警察にも~』
両津「ふあぁ~。眠い」
中川「先輩っ。もうすぐプレゼンですよ。機能の説明は大丈夫ですか?」
両津「大丈夫だ。ノリでいける」
中川「そ、そんな」
両津「それよりも。試作機はうまく改造できたのか?」
中川「ええ。改造ではなく機能追加ですが。試運転もうまくいきましたよ」
両津「誰が乗ったんだ?」
中川「交通課の乙姫さんです」
両津「また超軽量級に頼んだんだな。セグウェイって40kg以上じゃないと反応しないんじゃなかったか?」
両津「たしかあいつ、35kgぐらいだろ」
中川「だからですよ。小柄な婦警さんでも扱えるようにというコンセプトで。アタッチメントで重くなりますから」
両津「ふーん。れんげが乗っても動いたもんな……ん?(あれ、そういえば、あのセグウェイちょっと弄ったような)」ピクッ
中川「どうしたんですか?」
両津「い、いや、別に」
ピピピ
乙姫『はい』
両津「……ああ、乙姫か?」
乙姫『両津さん? なんですか?』
両津「あのさ。セグウェイの試作機、どんな感じだった?」
乙姫『よかったですよ。反応が良すぎるぐらいで』
両津「そう……反応が良すぎる……ね」
乙姫『はい』
両津(乙姫がそう感じるってことは……)
両津「ありがとうな。じゃ」
ピッ
両津「なあ中川。デモでセグウェイに乗る奴って体重どれくらいだ?」
中川「警視庁の交通部部長ですから……110kgぐらいでしょうか。元相撲部らしいですよ」
両津「あ……そう。乙姫の約三倍か……重いなぁ」
両津「なんだか胃が痛くなってきた……」
中川「えっ。どうしてですか?」
両津「いや……ちょっと」
司会『それでは、警視庁とセグウェイ、中川コンツェルンの共同開発による新型試作機の登場です!』
両津「……」ドキドキ
ガヤA「あれ、なんか煙が出てないか?」
ガヤB「火花が……」
両津「やばいっ」
交通部長「うわっなんだ!?」
ギュルルルルルルルル
交通部長「うわああああああああああああ」
中川「ぼ、暴走です!!!」
両津「やっぱりだ!」
キタ━(゚∀゚)━!
交通部長「うわあああああああああああ」
中川「あー! 警視総監たちの列に!」
警視総監「ぎゃあああああああああああ」
ズドーン
大原「おい両津! これはどういうことだ!」
両津「いやいやいや! わしのせいじゃないですよ!」
大原「お前がなにか仕掛けたんじゃないのか!?」
両津「仕掛けただなんて! ちょっとセンサーを調整しただけで」
中川「先輩! 何も弄ってないって言ってたじゃないですか!」
両津「あ、いや。それは」
江崎「たしかに、少しピーキーだとは思った! そういう仕様だと思って強化したが、ゴリラくんがやったのか!」
両津「お前か! 気付いてたなら戻せよ!」
大原「両ぉぉぉぉ津うううううううううううう!!! お前はまた田舎に転勤だ!!!!!」
両津「だからわしのせいじゃないって言ってるじゃないですかー! 主犯は江崎教授ですよー!」
―――
れんげ「ピーキーすぎてお前にゃムリなん」
~数日後~
両津「きちゃった」テヘ
れんげ「両さーん! ほんとにまた来たん!」
ガシッ
両津「おっと」
夏海「やったー! また遊ぼうぜー」
小鞠「両さん、今度は何をやらかしたの?」
両津「いや、今回は悪くないと思うんだが……わしがちょっと改造したセグウェイに乗った上司がけがをした」
小鞠「悪いじゃん!」
蛍「両さん、東京にいくと凶暴化するんじゃないですか……?」
両津「たしかに……なんかそんな気がしてきた」
両津「東京にいると毎週問題を起こしているような……もしかして、わしは東京に呪われているのか?」
れんげ「両さん! 釣りいくん! 釣り!」
夏海「おお、いいね。いこういこう。ほらはやく~」
両津「あ、お、おいっ。ひっぱるなって」
れんげ「遊ぶんじゃーい!」
両津「……」
両津(まあ、ここでこうしてこいつらとのんびり過ごしていくのも、いいかもしれんな……)
両津「……よし! 遊ぶかっ。いくぞれんげ!」
れんげ「肩車ー!」
夏海「ウチも~」
小鞠「また騒がしくなるね」
蛍「そうですね。でも、れんちゃん嬉しそう」
両津「どうしたっ。ふたりともおいてくぞっ」
小鞠「あ、あ、待って~」
蛍「待ってくださ~い」
~完~
乙
にゃんぱすー
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乂| ア. : . : ./ . : . : . : . : . : .\〈〕__∧
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/]: . : . : 八. : . :|/\: ハ. : .N:∧:. : . : . :,
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V从 ツ .::::乙イ. .:[/ ヽ. : . : . ヽ
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/ : .[人 (> /|: .∧_ \ : . : . : ,
. / : . 八. |≧=- <ム | / /\ ヽ. : . : : ,
Σ : . : /〔_(\ r'´/ リ'´ / 丶 . : . : .i
i : . :|( | | {二ニ7 ∧ | : . : .|
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このSSまとめへのコメント
完って上にあった行方不明の話はどうなったん?
※2
ただの横槍もしくはかまってちゃん
原作レベルのオチもあって面白い。
これは良スレ