八幡「……雪ノ下ってそういえば妹属性あったよな」 (19)

八幡(小町が家に男友達を連れてくると今日の朝言われた)

八幡(俺はあまりの驚きできっと死んだ魚のような目になっていただろう、ソウルジェムも真っ黒になる勢いで)

八幡(どうやら女友達も普通に遊びに来るらしい……だが家に男って…)

八幡(……妹ってお兄ちゃん無しじゃ生きていけないんじゃないんですかね常識的に考えて)

八幡(つか俺が無理、逆に無理、小町無しとか考えられないから石油以上に貴重な妹エネルギーが枯渇するとか考えらんないから)

八幡「というのを気持ち悪さ9割減して雪ノ下に話したら…」

雪ノ下「どうしたのかしら兄さん、いつもゴキブリのような兄さんが自分の家だというのに縮こまって」

八幡「……じゃあこの家はゴキブリホイホイの家なんですかね」

八幡(雪ノ下が俺のことを兄さんと呼び出した…ついでに家にまで連れ込まれた……どうしてこうなった)

八幡「……なあ雪ノ下」

雪ノ下「何かしら兄さん」

八幡「……これって何のギャルゲー?」

雪ノ下「ぎゃるげー…?……ごめんなさい、ゴキブリの視点から見える世界を理解するのは私には手に余るわ」

八幡「通りでゴキブリって多いのか、じゃあ秋葉原辺りは害虫の巣窟と化してるレベルで多いんだろうな」

八幡(つかもー八幡君帰りたいよー妹の胸の中に帰りたいよーゴキブリの飛翔速度並みのスピードで抱きついてドン引かれたいんだよー)

八幡「でだ雪ノ下、突然で悪いが今日はもうかえ

雪ノ下「あら兄さんもうお腹がすいたのかしら」

八幡「えっ…いやですからあの…」

雪ノ下「仕方ないわね、少し早いけれど後々這い蹲って擦り寄られるよりはマシね……今から作るわ」

八幡(……あれ?冗談で言ったのに俺本当にゴキブリホイホイに引っかかっちゃってるのコレ?逃げ道が見えないんだけどねえ神様ねえ)

雪ノ下「どうかしら兄さん」

八幡「んっ…あー…まあうまい」

雪ノ下「……私の料理に何か不服な点でも?」

八幡「いえとてもおいしゅうございます」

雪ノ下「ふふ、いつも埃で飢えを凌いでる分今日はたくさん食べてくださいね兄さん」

八幡「……もう飯食ってるしゴキブリネタやめね?」

八幡(もう8時か…いい加減雪ノ下との強制妹プレイに終止符を…)

八幡「な、なあ雪ノ下いい加減…」

雪ノ下「……ねえ兄さん」

八幡「な、なんだよ…」

八幡(いい加減奴の動きに慣れてくれ俺ぇえええええっ!)

雪ノ下「兄さんは私と一緒にご飯を食べるの…その……嫌…なのかしら」

八幡(嫌というかもう、胸がいっぱいです)

八幡「ち、違うんだ雪ノ下…そういうわけじゃな…」

雪ノ下「それに雪ノ下って……今日の兄さんは随分と他人行儀なのね…」

八幡(お前にとってのいつもの俺ってどんだけ冒険してんだよはじけすぎだろおい)

八幡「じゃあ俺はどうすりゃいいんですかね…?」

雪ノ下「どうって……今日の兄さん少しおかしいわよ?」

八幡(首をかしげながら言うな、俺が本当におかしいみたいだろ)

八幡「そ、そうか…じゃあ悪かったな…ゆ…雪乃…」

八幡(もう明日学校休みたひ)

雪ノ下「……いきなり何なのかしら比企谷君…血走った目で私の下の名前を呼ばないでほしいのだけれど」

八幡「あれ?ねえ今素が出たよね?ねえ出ましたよね雪ノ下さんねえ?」

雪ノ下「す?……酢が足りないのかしら?自分で取りに行くこともできないなんてゴキブリ以下の行動力ね兄さん」

八幡(……今決定的に足りないのは…優しさだよ…雪ノ下さん…)

八幡「はぁ…」

八幡(……明日が来るまで残り3時間30分)

八幡「…どうも雪ノ下の家は落ち着かん」

八幡(将来的にはドルアーガの塔のような高さの所に居を構えるつもりだったが…)

八幡「どうやら俺にはこういうのは似合ってねーな、うん」

雪ノ下「一人で何をブツブツ言ってるの兄さん?」

八幡「…何、妹君には関係のないことですよ」

八幡(もうこの塔から脱出するのは諦めた…今日は雪ノ下の遊びに付き合うだけ付き合って時間がヤバくなったらしれっと帰れば大丈夫だろう)

八幡(………帰れればの話だけどな)

雪ノ下「そう……兄さん」

八幡「ん?」

雪ノ下「お風呂にはいつ入るのかしら?」

八幡(ふ、風呂だとっ!?)

八幡「……風呂なら帰って入るから大丈夫だ、安心しろ」

八幡(……っ!し、しくじった!この場面でこのカードは…)

雪ノ下「あら?帰るって既に帰っているわよ?兄さんの家はここでしょう?……いい加減頭の悪いことばかり言ってないで早く入ってきてもらえるかしら」

八幡(こうやって逃げ道を着実に埋められる……なんという無理ゲー…ミスが許されない)

雪ノ下「それにいくら兄妹だからって……同居人が臭うと…その…」

八幡「おいやめろ入るからそれ以上は言うんじゃない」

八幡(クラスメイトに臭いと言われる人間の気持ちが分からんのか、俺も中三に上がる前までは分からなかったよ……分かりたくなかったよ)

雪ノ下「そう、それはよかったわ」ニコッ

八幡(……直感的に分かる…どうやら今日は帰れそうにないよ小町……あ、今の八幡的にポイント高くね…?)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom