やよい「私のあしながプロデューサー」(414)

やよい「…今までお世話になりました」

春香「やよい…いままでお疲れ様」

亜美「やよいっち~…」グスッ

真美「辞めちゃやだよ~……」グスッ

律子「…よしなさい、二人とも」

やよい「ごめんね。でももう決めたことだから」

あずさ「やよいちゃんがいなくなっちゃうと……寂しいわ…」

真「寂しいけど…仕方ないよ」

雪歩「…元気でね……うぅ…」グスッ



P「……………」

千早「そうよ。いつでも歓迎するわ」

伊織「………やよい、あんたに会えてよかったわ。…またね」

小鳥「……っ………」グスッ

響「メールしてね……やよい…」グスッ

貴音「お体には気をつけて下さい」

やよい「…はい。皆さんもお元気で!」


バタン

P「……やよい」

やよい「プロデューサー…」

P「………ごめんな」

やよい「……プロデューサーのせいじゃありません」

やよい「今まで…私のこと、プロデュースしてくれて………」

やよい「………グスッ……ぁりがとうございましたっ………!」

P「………こちらこそありがとう」

──2年後──

小鳥「プロデューサーさん、お茶が入りました。……それ、何ですか?」

P「どうも。……いえ、ちょっと興味がありまして」

小鳥「……親のいない子供に、奨学金を……」

P「あはは…なんと言いますか……ほら、俺ってもう20代後半なのに、まだ身を固められてないじゃないですか」

小鳥「ぎくっ」

P「それに、給料はそこそこ良くなった割に相変わらず暇は少ないんで、お金が余っちゃってしょうがないんですよ……だから」

P「ちょっと、人の役に立つことでもしてみようかなって」

小鳥「……へ、へぇ~。い、いい心がけですね」

P「昔、親父もこれをやってたみたいで……ちょっと思い出して、調べてみたんです」

小鳥「そうだったんですかぁー……頑張ってくださいねぇ………」スタスタ

P「え?は、はい……どうしたんだろう」

──────

役員「ようこそいらっしゃいました」

P「こんにちは」

役員「あなたのような心優しいお方に来ていただいて、大変光栄です」

P「いえ、そんな」




役員「我々は震災やその他交通事故、自死などにより親御さんを失ってしまった子供たちに対し──」

役員「一定額無利子で支援を行うことを目的としています」

P「なるほど」

役員「なので、受け取る子供たちには申し訳ありませんが、それ相応の審査を要するのです」

P「条件を満たしていても支援を受け取れない子がいると?」

役員「……たまにあります。最近だとこんな子から申請が」ペラッ

役員「17歳の高校生、姉弟が全部で6人、両親が行方不明……」

P「だめなんですか?随分大変そうですけど」

役員「公的な失踪届等がないことには……口頭による申告だけではどうにも難しいんです」

P「へぇ…」

役員「……お?"元アイドル"なんて書いてますね」

P「……アイドル?」

役員「……んー、こんな名前の子は知らないけど…昔はそこそこ有名だったようですね」

役員「まあ、これはウチの誰かが書き足したものでしょうが」

P「………アイドル……17歳……高3………6人姉弟………」

役員「………どうかなさいました?」



P「あの…その子の名前、教えてもらえますか」

──────

P「まさか………こんな偶然があるとは思わなかった」

P「ここがやよいの高校か………見たところは普通の公立高校って感じだな」

P「…今年大学受験、か」

P「………もしかして、ウチをやめたあと…色々困っていたのかもしれないな」

P「……………」

P「…会うのは何だか気が引けるな…こっそり覗く程度にしておこう」


やよい「じゃあ、また明日ねー」


P「………おっと、出てきた………隠れないと」ソソクサ


やよい「えーと、このあとは…いつもどおりスーパーで買い物」

やよい「あと、そうだ!申請の結果がそろそろ届くはず……」

やよい「………なんとかなればいいけど………」ハァ

P「………ずいぶん大人っぽくなったんだな………」

P「……やべっ、こっちくる……!」ダダッ


やよい「……?誰かいるんですかー?」

やよい「……もう行っちゃったのかな」

やよい「影しか見えなかったから、誰だったのか分からないけど」

やよい「……………」

やよい「この時間だし、なんだかとっても足の長い影だったなぁ。えへへ」


P「ふぅ……あぶなかった」ハァハァ

──────

役員「残念ながら……あの子は支援の対象外です」

P「そんな……あの子は姉弟が多くて、どれだけ苦労してることか………!」

役員「そうおっしゃられましても………これは我々全体で決定したことなので」

役員「……お知り合いの方ということで、そういうお気持ちも分かりますが………」

P「…………くそっ…!」

役員「………申し訳ありません」

P「……………」

役員「……………あの」

P「……はい?」

役員「本来なら、こういう形はめったに取らないんですが………」

役員「………特例として」

P「…え?」

役員「上のものに相談を持ちかけることが出来ます」

すまぬ

やよい「うっうー!お金くれるおじさん大好きですーっ!」
続編というか補完ストーリーってことで

P「………それって、どういう」

役員「そのためには、貴方には通常以上のご協力をお願いすることになりますよ」

P「………教えてください」

役員「ええ。まずは……………」








P「………分かりました。やらせていただきます」

──────

  『これは公には明かせない援助形式です』

  『われわれは子供と貴方の仲介だけを執り行い』

  『その後は、完全に貴方の個人援助となります』

  『条件はたった2つ。月に1度、その子から学業の状況に関する手紙を受け取ること』

  『そしてもう一つは……決して正体を明かしてはならないこと』

  『それさえ守っていただければ、我々は貴方を『あしながおじさん』として歓迎いたします』




P「………やってやろうじゃないか」

P「決して……これで罪滅ぼしになるとは思わないけど」

P「『元』だろうが何だろうが、ウチの仲間であることに変わりはない」

P「困ってるなら、助けるのが当然です!」

P「……って、春香あたりが言いそうな台詞だな。ははっ」

──────
あしながおじさんへ

はじめまして、高槻やよいといいます。
本当なら申請が通らなかったはずなんですが、特例で認められることになったと言われました。
おじさんのおかげだっていうことも聞きました。本当にありがとうございます。

えっと、学業の状況を報告しないといけないんでしたよね。
私は今年高校3年生になりました。
この前までは受験も諦めてましたけど、先生が私の成績なら問題ないから頑張ってみろと言ってくれたので
まだ実際に受けるかは分かりませんが、とりあえず受験勉強を始めてみようと思います。

…こんな感じでいいんでしょうか?
これからよろしくお願いします。
よかったらお返事くださいね。

         高槻やよい
──────


P「……………やよいから手紙が……きた……」

P「やばい嬉しい泣きそう……」グスッ

P「何とか元気でやってるみたいでよかった……」

P「………返事ください、か」

P「何て返してやろうかな……」

真「おはようございまーす!」

P「!…おぉ、真おはよう」コソコソ

真「?…プロデューサー、どうかしたんですか?」

P「いや、何でもない」

真「…?」

P「…いよっし!真ぉ!!」

真「はっ!?はい!!」

P「今日はお前と響のオーディションだろ!俺がついていってやる!」

真「…おお!プロデューサー、今日は元気一杯じゃないですか!!」

P「当たり前だ!さあ響が来たら準備を始めよう!!」

真「了解です!!」

律子「プロデューサー、もう少し静かに」

──────
あしながおじさんへ

おじさんのこと、もっと知りたくてちょっと早くお返事書いちゃいました。
これを書いている今はゴールデンウィーク中です。おじさんはどこかに出かけたりしましたか?
私はせっかくなんで、兄弟みんなでお散歩に出かけました。
お弁当をいつもよりたくさん作らないといけなかったんですけど、皆美味しそうに食べてくれてよかったです。
ホントならもっと楽しいところに連れて行ってあげたかったけれど………仕方ないですね。
学校も、新しいお友達がたくさん出来ました。
昔の私のことを気にせず接してくれる、いい人たちばかりでよかったです。

受験の話なんですけど、実は1つ下の弟も高校受験なんです。
今は私が何とか教えられるんですけど…やっぱり塾に生かせてあげたほうがいいんでしょうか?

お返事待ってますね。
           高槻やよい
──────


P「雪歩ー。……雪歩ー!」

雪歩「プロデューサー…どうかしましたか?」

P「新しい仕事なんだけどな……ちょっと確認しておきたいことが」

雪歩「はぃ…何でしょう?」

P「バラエティ番組なんだが……男芸人ばっかり集まってる」

雪歩「……!」

P「お前が無理なら断っておこうかと思うんだけど…どうする?」

雪歩「……いぇ、頑張ります……せっかくプロデューサーが取ってきてくれた仕事なんですもん」

P「……そうか。よかった」

貴音「雪歩、成長しましたね」

雪歩「あ、四条さん……」

貴音「初めて貴女と会ったときは、今よりも自分に自信がなかったようですが」

貴音「私、貴女と共に活動できてまこと嬉しく思います」

雪歩「…ぁ、ありがとうございますぅ……えへへ」

P「よかったな」

──────
あしながおじさんへ

お元気ですか?いつもありがとうございます。
もうすっかり梅雨で、毎日じめじめしてますけど元気でやっていきましょう!
この前クラスにいる運動部の男の子が、部活動引退第一号になったんですけど、
後輩と泣きながらお別れをしている様子をたまたま見かけて、なんだか羨ましくなっちゃいました。
私も部活動とかやってたら、可愛い後輩とか出来てたのかな?
それと、友達もそろそろ受験勉強始めないといけないって話をしてました。
私もそうなんですけれど、何から始めればいいのかなーって。
とりあえず、今度先生に相談してみます。

昔の私っていうのは、つまり……何を隠そう、私は元アイドルだったんです!
もしかして知ってましたか?
一応、テレビにも結構出たことあるんで、無名ではないと思うんですけど……
あ、でも、インターネットとかで調べちゃめっ、ですよ!
何だか恥ずかしいんで……

ではまた。
        高槻やよい
──────


P「お疲れ、千早………話がある」

千早「お疲れ様です。なんでしょう?」

P「……お前に、ある事務所から移籍のオファーが来てるんだ」

千早「移籍?……引き抜き、ってことですか」

P「………そこのプロデューサーが大物らしくてな。お前のライブ映像を見て一目ぼれしたと」

P「来てくれれば歌手としての活動に専念させてやる、とのことだ」

千早「…………」

P「………お前を止める権利は俺にはない」

P「……夢だったんだろ?」

千早「ですが………そんな急に、確かに嬉しいです、でも……」

P「………不満か?」

千早「………つまり、ここを去れということ…ですよね」

P「……まあ、そうなるな」

千早「………!」

P「…………千早」

P「俺は……お前が向こうへ行ったとして」

P「そこで輝いてるお前を、ここから眺めることが…」

P「プロデューサーとしての最大の喜びだと信じてる」

千早「…………」

P「迷ってるのか?」

P「………なら、行くんだ」

千早「……………」



千早「………ぁりがとう、ございます………」

P「…………それでいい」

──────
あしながおじさんへ

暑くなってきましたね。体調には気をつけましょう!
ちょっとずつですが、勉強も頑張ってます。
家では弟の勉強ばっかり見てる気がしますけど……

んー、なんだか今月は平和に過ぎたような気がします。
勉強ばっかりしてたからかな?
短くてごめんなさい。お返事待ってますね。

           高槻やよい
──────


千早「……お世話になりました」

律子「千早、向こうでも頑張ってね。…応援してる」

美希「千早さん…ホントはいっちゃヤだけど、千早さんにはもっとキラキラしてて欲しいから、我慢するの」

千早「ありがとう。美希も頑張って」

亜美「千早お姉ちゃん、これ……」

千早「…これは?」

真美「みんなで書いた寄せ書きだよ」

千早「………ありがとう。大事にするわ」

春香「………千早ちゃん………私、メールするから……返事ちょうだいね……」グスッ

千早「ええ。今までありがとう、春香」

響「元気でな…千早…」

貴音「私も、影ながら応援いたします」

伊織「あんたならなんとかやっていけるわよ、きっと」

千早「ありがとう」

あずさ「たまには遊びに来てね~」

千早「ええ。機会があれば是非」


P「……まだまだ大勢いるのに、急に事務所が広く感じるなぁ」

小鳥「……ですね」

なんか微妙
風呂

──────
あしながおじさんへ

すっかり秋ですね。気持ちいい天気になってきました。
学校は楽しいです。楽しいんですけど…
最近、なんだか何人かの視線が気になります。
怒らせるようなことをした覚えはないんですけど……なんだか、会うたびに睨まれてるような気がして………
気のせいでしょうか?
勉強のほうは順調です。模試の成績も伸びてます。
私より弟のほうがちょっぴり心配です……気にしすぎなんですかね。

お返事待ってます

       高槻やよい
──────


P「………?どういうことだ?」

P「やよいは人を怒らせるようなことはしない子なのに………」

P「………くそぅ、月に一通しか来ないのがもどかしい………」

──────
あしながおじさんへ

いつもありがとうございます。
勉強はいつもどおり頑張っています。
弟も成績を伸ばしているみたいで、
この間の面談では「志望校も夢ではない」と中学の先生に言われたようです。
一安心しました。

そろそろ紅葉が始まりますね。
楽しみです。
またお返事ください。
       高槻やよい
──────

P「……あれ?学校の話は無しなのか……」

ガチャリ

P「お、響と真か。お疲れ」

真「お疲れ様です!」

響「プロデューサー!自分と真、今日のオーディションバッチリだったぞ!」

P「聞いたよ。おめでとう」

響「もう、そうじゃなくて!」

響「なんで見に来てくれなかったのって言ってるんさー!」

P「ごめんな、忙しくて」

真「手紙を読んでて忙しかったんですか?」

P「いや、そうじゃなくて…」

響「誰からのか知らないけど、自分たちのこともちゃんと面倒見て欲しいんだよーっ!」

P「わかったわかった。次は見に行くよ」

真「…響、言いたいことは終わった?」

響「今日はこのくらいにしといてあげる。約束破ったら承知しないからな!」

P「分かったよ。お疲れ」

バタン

──────
あしながおじさんへ

お返事が遅くなってごめんなさい
ちょっと最近、辛いことがあって……
でももう大丈夫です
この時期に落ち込んでられませんから

学校じゃなくても勉強できるところ、ありませんかね?

ごめんなさい……暗い話はおじさんにしたくなかったけれど
どうしても……

またお手紙送ります

         高槻やよい
──────

P「やっぱり………!」

P「学校で何かあったんだ………!」

──────

P「……………」ソワソワ

P「……………」ソワソワ


春香「最近プロデューサーさん、ずっとあんな調子だね」

真美「なんかあったのかな→?」

亜美「兄ちゃん、どうかした?」

P「……え?」

亜美「なんかずっと貧乏ゆすりばっか」

P「………あぁ、そうか……」

春香「プロデューサーさん、何か悩み事ですか?」

P「……いや、なんでもない。心配かけてすまん」

真美「しっかり頼むよー?兄ちゃんがそんな顔してちゃ事務所の空気もズーンだよー」

P「……気をつけるよ」


P「…………よし」

──────

P「高校に何度も侵入して、つかまったらただ事じゃないな……」コソコソ

P「部活中だからか、人が少なくて助かる」

P「えっと、3年のフロアは………ん……」


やよい「…………」グスッ


P「………やよい……一人で何を…………」

P「…………紙くずを集めてる」


やよい「………おじさん…ごめんなさい…」


P「!」


やよい「手紙………破られちゃいました…………」


P「……………」


やよい「………学校に持ってきたからダメだったのかな……でも」

やよい「いつもお返事くれるのが嬉しくて………いつでも読んでたいから……」

やよい「………ばかだなぁ……私」

やよい「奨学金のこともばれて……」

やよい「お家が貧乏だから、こんな嫌がらせされるのかな…………」グスッ


P「……………!!」

P「……………」


やよい「…………」グスッ

P「……手紙ならまた書いてやる!」

やよい「!?」

やよい「……だ、誰ですか?……」

P「君のおじさんだ」

やよい「えっ………!?ど、どこにいるんですかっ!?」

P「………わけあって姿は見せられないが」

P「そこにいたまま聞いてくれ」

やよい「………は、はい………」

P「やよいちゃんが望むなら、手紙なんていつでも書いてあげよう」

P「一通なくなってしまったからといって僕は怒らないよ」

P「僕の手紙を君が読んでくれるだけで十分幸せなんだ」

やよい「…………本当に、おじさんなんですか?」

P「……そうだ」

P「(やばい、これちょっとやりすぎたかな)」

やよい「わ、私!おじさんからもらう手紙、毎日毎日読み返して………!」

やよい「読むたびに、すっごく幸せな気分になるんですっ!」

やよい「だ、だから………つ、つい…学校に持ってきちゃって……」

P「………ありがとう。嬉しいよ」

P「じゃあこれからは、もっとたくさん手紙を交換しよう」

やよい「えっ……でも、一ヶ月に一通って」

P「多すぎて悪いことはないさ」

P「君からの手紙が来たら、僕はすぐに返事を書く。やよいちゃんもたくさん返事をくれたら嬉しいな」

やよい「…………はい…!」

P「………楽しみにしてるよ」

やよい「………あの、ところで、おじさんの声はなんだか聞き覚えが」

P「…え?そ、そうなのかい?(裏声)」

P「………ごほん。とにかくだ」

P「心無い人間がなんと言おうと、頑張ってるやよいちゃんはとっても立派だ」

P「僕が保証する」

やよい「………ありがとうございます」

P「…………不満なら、君にひどいことをした人たちをどうにかしてあげることも出来るけど」

やよい「………そうなんですか?」

P「………ああ」

P「(やばいなついハッタリかましてしまった)」

やよい「…………それはして欲しくありません」

P「………そうかい?」

やよい「あの人たちも、きっと受験勉強で疲れてるんです。以前はとっても優しい人たちだったんですよ」

やよい「お手紙を破られてしまったことは悲しいですけれど………あの人たちのせいじゃありません」

P「……やよいちゃんは優しいね」

やよい「……えへへ……そんなことないですよ」

P「………元気を取り戻してくれたみたいで良かった」

P「アイドルをやってたときみたいな元気なやよいちゃんが、一番ステキだよ」

やよい「えっ………!?も、もしかして見たんですかっ!?」

P「あ、いや、うん」

やよい「もう!ダメっていったじゃないですかぁっ!///」

P「ははは……またお手紙で会おう!キラメキラリっ!」ダッ

やよい「ちょっ!ちょっと待ってください!」

やよい「まだお礼が………」


やよい「………いない………」

やよい「………影しか見えなかった………」

P「…………はぁっ…………はぁっ…………」ゼェゼェ

P「………………バレてないよな………?」

P「………あれはアウトなのかなぁ………」


──────
あしながおじさんへ

この前はありがとうございます。
あの後、お手紙を破いちゃった人たちとお話しました。
やっぱりストレスがたまってたみたいで、なんだか能天気に見えるらしい私にイライラしちゃってたみたいです。
もちろん私も頑張ってるんですけど、そういう風に見えちゃうなら、私にも悪いところはあったかなーって。
きちんと謝ってくれましたし、仲直りも出来ました!
あのときおじさんがお話してくれなかったら、きっとずっとあのままだったと思います。
本当にありがとうございました!

お返事、すぐ 下さいね!

           高槻やよい
──────

P「………よかった」ホッ

──────

伊織「はぁ!?解散!?」

亜美「急すぎるよ律っちゃーん」

律子「ごめんなさい。これは社長と話し合って決めたことなの」

律子「あなたたちはこれまでの4年間、ユニットとして最大限成長してくれたし」

律子「私自身、プロデューサーを務められて本当に良かったと思ってる」

あずさ「だったら、どうして………」

律子「3人が今以上にステップアップするなら、今このタイミングで竜宮小町から離れて」

律子「新しい活動を始めるべきなんです」

P「急な話ですまないな」

律子「………勿論、ここで引退の道を選んでも構わないわ」

律子「あなたたちがこれからどうするかは、自分自身の選択よ」

律子「………よく考えておいてちょうだい」

伊織「なんなのよ、もう………!!」

亜美「いおりん、大丈夫?あんまりカッカしちゃダメだよ」

伊織「だって………私達、あんなに頑張って……ユニットのランクもAまでいったのよっ………!」

伊織「簡単に解散なんて、言うんじゃないわよっ……!!」グスッ

亜美「いおりん………」

伊織「あんた嫌じゃないの!?」

亜美「………そりゃ亜美だってさみしいよ………」

亜美「竜宮小町は最高のグループなのにっ……グスッ……!」

亜美「………いやだよぅ………!」

伊織「………ヒック…………なんなのよ、もう………グスッ…!」


あずさ「伊織ちゃん、亜美ちゃん。こっちにきてくれる?」

ギュゥー

あずさ「はいはい、二人とも泣き止んで。ね?」

伊織「………な、何よ………あずさはなんとも思ってないっていうの…!?」

あずさ「寂しいに決まってるわ………でもね、いつかこんな日がくるのは分かってたの」

あずさ「覚悟していただけ。それだけよ」

亜美「…………グスッ………」


あずさ「………私ね」

あずさ「いつか竜宮小町が解散するとき、自分もアイドルを引退しようと思ってたの」

伊織「……!?」

亜美「え……!?」

あずさ「私、今までとっても楽しかったわ」

あずさ「しっかり者の伊織ちゃんに、元気な亜美ちゃん」

あずさ「私はちょっと抜けてて、おっとりしてて」

あずさ「私たち、みんなバラバラなのに…今まで上手くやってこれたんですものね」

あずさ「きっと、二人ならこれからも心配要らないわ」

伊織「何言ってるのよっ!!」

亜美「そんなのもっと嫌だよ!!」

あずさ「……引き止めてくれるなんて、嬉しいわ」

あずさ「確かに、アイドルになった目的はまだ果たせてないけれど………」

あずさ「もういいの。今までありがとうね、二人とも」

伊織「………ぃゃょぉ……っ!!」

亜美「ぁずさぉねぇぢゃぁん………っ!!」

──────
あしながおじさんへ

合格しました!!受かっちゃいました!!
無事に第一志望の大学に行けることになりました!!
もう嬉しくて……発表から帰ってきて真っ先にこのお手紙を書いてます。
いままで色々助けていただいて本当にありがとうございました!!
あと……これからもよろしくお願いしますね。

お返事待ってます

        高槻やよい
──────

P「ぃよっしゃあっっっ!!!!!」グッ

雪歩「ふぇっ!?」ビクッ

P「…あ、すまない」

美希「何!?びっくりしたの………」

P「何でもないんだ、ごめんな」

小鳥「どうかしたんですか?急に大きな声を出して………」

P「…いや、ホントなんでも無いんです。すみません」

──────
あしながおじさんへ

今度は弟が!
弟が第一志望の高校に合格しました!
私もこの間合格したばっかりだっていうのに…
まるで自分のことのように嬉しいです。
4月からはまた新しい生活が始まるんだって考えると、心がワクワクしてきます!…うっうー!

…久しぶりに使うと、書くだけでも恥ずかしいですね…えへへ

お返事待ってます

          高槻やよい
──────


P「………なんて人の多さだ」

律子「当然です。Aランクユニット竜宮小町の解散ライブですよ?」

春香「私たち、舞台袖に来て良かったんでしょうか……?」

律子「気にしなくていいわよ。あの子達の晴れ舞台、見届けてやって」

美希「頑張ってね、律子、さん!」

律子「当然よ。一番頑張るのは3人だけどね」

  『今日は来てくれてありがとうー!!』

  『最高の夜にしちゃうYO→!』

  『うふふ。楽しいわねー。最初の曲は"SMOKY THRILL"ですよー』

真「さすが、ライブ慣れしてるなぁ…」

貴音「素晴らしいですね」

響「自分もあんなステージで踊りたいぞ…」

雪歩「綺麗ですぅ…」



P「………律子」

律子「………ぇ?」

P「ハンカチ要る?」

律子「………!い、いえ別に………」ゴシゴシ

P「無理すんなよ。感慨深くなるのは当たり前だ。俺だって感動してるんだから」

律子「………あの……」

P「ん?」

律子「私……あの子達にとって、いいプロデューサーでしたか………?」


P「勿論」

律子「……よかった………」

ごめんなさい寝ますもう限界
人少ないっぽいし落ちるかも知れんけど

11時には復活したい

保守ありがとう

──────
あしながおじさんへ

こんにちは。
たった今、大学の入学式を終えて帰ってきました。
スーツなんて着るの初めてだったから、なんだか緊張したかも………
でも、これからがとっても楽しみです。

おじさんも昔大学に言ってたんですか?
どんな大学生だったんでしょうか……気になります。

なんだか最近、おじさんの事ばかり考えてるような気がします。
馬鹿みたいだと思われちゃいますかね?

でも、それだけ今の私にとって大事な人ですから…
本当に、ありがとうございます。

またお返事ください
             高槻やよい
──────

P「大事な人……か。ありがたいな」

亜美「兄ちゃん」

P「ん?どうした?…双子揃って」

真美「真美たち、今年…大学受験の歳なんだけどさ」

P「………もうそんな歳になったのか」

亜美「うん。一応医学部目指すんだけど、それでね、パパが…」

真美「大学入ったらアイドル辞めろって…」

P「………そうか……」

真美「ほ、ホントは辞めたくないんだよ!?今メッチャ楽しいし」

亜美「でも、ここに来る前からそう言われてたの」

P「………何となく予想はしてたよ」

P「千早が移籍して、あずささんがここを辞めて………次はお前達か」

亜美「ごめんなさい……」

真美「…………」

P「そんな風に言ってるんじゃない」


P「残り1年、楽しくやっていこう」

亜真美「「………うん!」」


P「まず社長に報告しないとな」


──────
あしながおじさんへ

気づいたら、おじさんとお手紙をはじめてもう1年になるんですね………
この1年、とってもあっという間でした。
弟は部活に入って、楽しくやっているみたいです。
他の兄弟も、新しい学年で頑張っています。

気になったんですけど、おじさんはお仕事されてるんですか?
お手紙だけの関係ってなんだか不思議な感じなので、
おじさんも本当は普通の人なのかなっていうのをよく忘れちゃいます。

お返事待ってます

        高槻やよい
──────

P「俺、ニートだと思われてるのか……?」

P「…ひどい話だ、全く」

──────
あしながおじさんへ

こんにちは。今日も暑いです。
おじさんは何だか、暑さなんてへっちゃらなイメージなんですけど、
本当はそんなこと無いんでしょうか?

大学って、夏休みがすっごく長いんですね。びっくりしました。
せっかくなんでアルバイトをしてみたいんですけど、何かオススメはありますか?

お返事待ってます
         高槻やよい
──────

真「プロデューサー………お話が」

響「…………」

P「どうした?二人とも………神妙な面持ちで」

P「…………あぁ………そういうことか」


真「…………今まで、ありがとうございました」

響「………ありがとうございました……」


P「お疲れ様」

P「今年に入って、またメンバーが減っていくな」

律子「皆そろそろ、自分の生き方を考える歳ですからね………寂しいですけど」

律子「夢を追う邪魔はしちゃいけませんから」

小鳥「いつか皆旅立っていくのは分かってても……グスッ」

律子「小鳥さん、最近涙もろいですね」

小鳥「…律子さんこそ………」

春香「…………」


春香「何しみったれた顔してるんですか!プロデューサーさん」

P「………春香」

春香「確かに皆どんどん引退していって………私だって寂しいですよ」

春香「でも、765プロにはまだたくさんアイドルがいるんですよ!…私だってその一人です」

春香「いなくなったメンバーを懐かしむより先に、やることがあるんじゃないですかっ!?」

P「……………」

春香「私は………いつも元気な765プロが好きなのに………こんな空気嫌ですよ………っ…」ポロ

律子「…………」

小鳥「…………」

P「…そうだったな。すまん春香」


P「………気持ちを切り替えよう」

──────
あしながおじさんへ

メリークリスマス!…といっても、これを書いてるときはまだ1週間前なんですけど。
おじさんはなにか予定ありますか?
私は家族と過ごします。友達はみんな彼氏が出来たりしてて、デートするらしいんですけど。
ちょっと羨ましいです。私、そういうの全然縁が無いですから。

大学の授業、おじさんが言ってた通りとっても楽しいです!
きちんと勉強しないと大変ですけど…おじさんのおかげで充実した毎日です。

今回は特別に、お手紙とは別でクリスマスカードを送っておきますね。

よいお年を
             高槻やよい
──────

律子「新年度デビューへ向けた新規候補生募集………?」

P「この事務所はいま、アイドルの世代交代の最中にある」

P「今はまだ活動中でも、残りの初期メンバーだって直にアイドルを引退してしまうはずだ」

P「…現に、最近ここはどこか暗い雰囲気が漂ってる。このままじゃいけない」

P「………いくつかは俺のせいでもあるんだが………でもそのせいで、ウチが寂れた事務所に戻ってしまうのは嫌だ」

小鳥「…そうですね。これは必要なことだと思います」

P「でしょう。律子、賛成してくれるか?」

律子「………もちろんです」

P「ありがとう。お前なら新しい才能に花を咲かせてやれると信じてるぞ」

律子「あなたもですよ、プロデューサー」

春香「………あの、これって」

P「!…春香」

伊織「そんな話してたのね」

律子「伊織…?」

雪歩「………」

小鳥「雪歩ちゃん……」

亜美「兄ちゃん」

真美「ごめん。こっそり聞いてた」

貴音「無礼をお詫びいたします」

美希「ミキもいるの」

P「………なんだ。みんないたのか」

春香「新しい後輩がやってくるってことですか?」

P「………そうだ。新生765プロの第一歩ってやつだよ」

春香「……………いいじゃないですか!」

P「…………そう言ってくれるか」

春香「プロデューサーさんならやってくれるって思ってました!」

春香「皆でもっともっと事務所を盛り上げていきましょう!みんなも協力してくれるはずです!」

律子「………そうね」

伊織「当たり前よ。わざわざ竜宮を解散させといて、今の有様は何?あずさや真たちが聞いたら悲しむわ」

P「伊織…本当にすまなかった」

伊織「今までのことは大目に見てあげる。一言ガツンと言おうかと思ったけど、どうやらその必要もなさそうだしね」

伊織「これ以上ウチを空気を悪くしたら、引っ叩いてやるから」

P「……その必要は無いよ」

雪歩「わ、私も頑張りますぅ…!」

亜美「亜美たちはあんまり時間ないけど」

真美「最後まで兄ちゃんのこと手伝うよ!」

P「……ありがとう」

貴音「私も、微力ではありますが」

美希「みんな美希みたいにキラキラしてたら、きっと新人さんもたくさん来るって思うな」

律子「…ふふ。そうね」

春香「頑張りましょうね!プロデューサーさん!」

P「おう!」

小鳥「私だって気合入れるわよ!」

律子「やってやりましょう!」

P「よし、景気づけに一発決めるか!春香、頼む」

春香「任せてください!」

春香「いい?…離れ離れになったメンバーもいるけど、私信じてるの」

春香「いつも心は繋がってる。いつまでもみんな仲間だって!」

春香「今ここに居ない仲間の為に…私たちはこの事務所を守っていかないといけない」

春香「力を合わせて、盛り上げていこうっ!いくよ!」

春香「………新生765プロ───ファイトっ!!!」



「「「「「おうっ!!!!」」」」」

休憩

シンデマスはちょっといらないです

──────
あしながおじさんへ

こんにちは!また春がやって来ました……なんだかあっという間です。
成長すると時間が過ぎるのが早いって言いますけど、だんだん実感してきました。
昔より、明らかに1年があっという間に過ぎちゃいますね。


また1年間、よろしくお願いします!

            高槻やよい
──────

春香「すごぉい………こんなに一杯」

律子「そりゃ、765プロといえば曲がりなりにもトップアイドルの集まりですもの。応募者数もこんなものよ」

美希「これ、オーディションとかしなきゃダメなんじゃないの?」

小鳥「そうねぇ…受け入れるにも人数には限界があるし………」

貴音「面妖な光景ですね」

雪歩「うぅ……あんなにたくさん……ナメられたりしないかなぁ……」

伊織「シャキッとしなさいよ、もう」

雪歩「ご、ごめんね伊織ちゃん…」

「「「「「よろしくお願いします!!!」」」」」

P「ああ。これから一緒に頑張っていこう」


春香「元気一杯ですねー」

律子「春香たちがここに初めて来たときのことを思い出すわ」

美希「初々しいってやつなの」

伊織「せいぜい私たちの足を引っ張らないように頑張ってちょうだい♪にひひっ」

雪歩「よ、よろしくね………」

貴音「高みを目指して奮起するのですよ」


小鳥「みんな、もう立派な先輩なのね………グスッ」

P「小鳥さん、最近涙もろくないですか?」

──────
あしながおじさんへ

こんにちは。梅雨ですね。
雨ってじめじめして嫌だなーって昔は思ってたんですけど、
何だか最近、雨の日も好きになってきちゃいました。何ででしょう?

ところでおじさんは、忘れられない恩人っていますか?
小さいときにすっごくお世話になって、あの人がいなかったら今の自分は無いなって思えるような人です。
私には二人います。一人は勿論おじさんです。…ちょっと照れますね

もう一人はアイドルだった頃にとってもお世話になった人なんですけど……辞めて以来会ってません。
元気でやっているんでしょうか?
風の便りで聞いたんですけど、いま私のいた事務所は私の知ってる人がどんどん辞めちゃってるみたいなんです。
なんだか寂しいです。
でも、いつまでも一緒にはいられないですもんね…

ふと思い出して、プロデューサーに会いたくなっちゃいました。

よかったらおじさんの話も聞かせてくださいね

                  高槻やよい
──────


P「美希を876にですか?」

高木「一応は短期間のレンタル移籍だよ。美希君にも、そろそろ違う場所で新鮮な空気を吸わせてやりたいと思ってね」

高木「……というのは建前で……最近、君へのスキンシップがどうも目に余るんだよ」

高木「このままでは後輩達に示しがつかんのでな」

P「はぁ、確かに…ですが、本人はきっと納得しないかと」

高木「美希君を説得するなら、君のほうが長けているはずだろうと思ってな、ひとつ頼むよ」

P「…………」




美希「イヤなの」

P「言うと思ったよ………」

美希「ハニーと離れ離れになるくらいなら、ミキアイドル辞めるもん」

P「美希、これはお前のためなんだ………もし上手くいけば、お前は今よりもっとキラキラできるんだぞ?」

美希「………これ以上?」

P「Sランクも夢じゃないってことだよ」

美希「…………」

P「美希、分かってくれ」

美希「…………もし」

美希「もしミキがSランクになれたら、ハニーはミキのこともっと見てくれる?」

P「………ああ」

美希「付き合ってくれる?」

P「…あのな………」

美希「…………約束してくれないと行かないの」

P「……………」


P「分かった、分かったよ。お前が今年度中にSランクに上がれたら、迎えに行ってやる」

美希「……絶対忘れないでね」




──────

春香「美希ともお別れかぁ…」

美希「Sランクになってすぐ帰ってくるの!」

律子「簡単にいうもんじゃないわよ」

美希「それに、これでしばらくは律子の…さんの小言を聞かなくて済むんだねー」

律子「………あんた、」

美希「とりあえず、今までありがとうなの」ペコリ

律子「っ…………はぁ」

律子「…行ってらっしゃい」

美希「はいなの!」

伊織「音を上げて帰ってくるんじゃないわよ」

美希「デコちゃん、元気でね」

伊織「…もう」

美希「雪歩も、またね」

雪歩「頑張ってね」


P「…行って来い、美希」

──────
あしながおじさんへ

お元気ですか?
私はいつもどおり、楽しく大学に通っています。
紅葉がきれいですね。毎年同じ話をしてるかも知れませんけど。

ふと、あのときの事を思い出しました。
高校のとき、おじさんからもらったお手紙を破り捨てられちゃったとき………
あのときのおじさんの声、どこかで聞いたことあるなーと思ったんですけど、
よく考えると、わたしがお世話になったプロデューサーの声にそっくりだったんです!
って、おじさんはプロデューサーのこと何も知らないと思いますから、言ってもしょうがないですね。
ごめんなさい。
でも、考えれば考えるほど…なんだかあのときおじさんとプロデューサー、二人ともいたような気がして…
懐かしいなぁ。

またお手紙書きます

        高槻やよい
──────

P「…………バレテナイヨナ…」

律子「プロデューサー。伊織たちのことでお話が」

P「ん?どうした」

P「……そうか。3人揃って…か」

伊織「私も、そろそろ家のことを考えないといけなくなっちゃったの。ごめんなさいね」

雪歩「わ、私も…家の会社に就職するんです」

貴音「私は…最高のらぁめんを探す旅に出ます」

P「貴音がなんだか心配なんだけど………」

貴音「心配は無用です。ひとときではありましたが、あいどるの頂にたつことが出来、まこと光栄に思っております」

P「……みんな、今までお疲れ様。お前達と一緒に仕事が出来て、本当に良かったよ」

伊織「何言ってんのよ、まだ引退ライブがあるでしょ」

P「…そうだったな」

雪歩「最後まで頑張ります」

貴音「同じく」

伊織「こちらこそ礼を言うわ。…律子にも」

律子「………」

伊織「アンタには竜宮時代からさんざん世話になったものね」

伊織「………ぁりがとぅ………」

律子「…………ええ」

──────
あしながおじさんへ

あけましておめでとうございます!
今年もおじさんにとって言い一年になりますように!

今回は年賀状で送りました!
またお返事くださいね!!

            高槻やよい
──────


春香「……ライブ、大成功でしたね」

伊織「当然じゃない!この私がいるんだから」

雪歩「…グスッ、……ふぇぇ………ぃぉりちゃぁん……ヒクッ」

雪歩「ぃままで……本当に…ありがとう………エグッ」

伊織「……もう、泣くのやめなさいよ!あんた何歳なの!?」

雪歩「……にじゅうに………」

伊織「答えなくていいのよっ!!!」

貴音「………貴女様」

P「貴音…お疲れ」

貴音「……申し訳ありません…私、少々気が高ぶっておりまして………」

律子「…貴音、ハンカチいる?」

貴音「……ありがとうございます…律子嬢」

春香「みんな……最高だったよ………」グスッ

小鳥「~~~~っ……!!」ズビッ

P「………小鳥さん、気持ちは分かりますが………」

小鳥「ざんにんどぼぉ…よがったぁ……う゛れじぃわぁ……」ズビッ

律子「…………まあ、許してあげましょう」

貴音「小鳥嬢、これを………」

小鳥「…ぁ゛りがど」チーン

前やってた奴の前日談か?

──────

春香「…………」

P「春香、どうした?こんな遅い時間に事務所に残って」

春香「………プロデューサーさん………ぅぅ………っ…」

P「…春香、お前………」

春香「………ごめんなさい………みんな、自分の夢をかなえるために…」

春香「勇気を出して…ここから離れていったんですよね………?」

P「………そうだな」

春香「………ホントは、喜ばないといけないのに………」

春香「やっぱり…つらいですよっ……!…グスッ…」

P「…………」

春香「後輩がたくさん出来て…嬉しいです、でも……」

春香「私にとって、最初の765プロが………無くなるのは、やっぱり……ぃゃです………!」

P「……………………」


春香「うぅ……ヒック……うゎぁぁあぁん…………」


P「………………」

P「……俺も寂しいよ」

──────
あしながおじさんへ
お元気ですか?いつもありがとうございます
私はこの春から大学3年生になります
弟が大学受験で、大変な一年になりそうですが
元気でやっていきたいと思います
お返事待ってますね
              高槻やよい
──────



P「………この辺りからだな、みんながちょくちょく事務所に遊びに来るようになって………」

P「……あんなことがあって」

P「今考えれば、とんでもない話だったな」

P「………今まで、色々あったなぁ」

P「……………いけない」

P「書類の整理をしようと思ってたのに、こんなもの見つけてしまったせいで…」

P「つい始めから読み返してしまった……もうこんな時間か」

ガチャリ

春香「プロデューサーさん!」

P「春香。どうした?今日は直帰じゃなかったか?」

春香「そのはずだったんですけど、後輩達が遅くまでレッスンしてるって小鳥さんから聞いて」

春香「ちょっと見に行こうかなと思ったんです」

P「そうだったのか。みんな喜ぶぞ、行ってやってくれ」

春香「はい!お疲れ様でした!………あの、それと」

P「?」

春香「プロデューサーさん!スペシャルゲストですよ、スペシャルゲスト!」

バタン

P「………?」


ガチャリ


やよい「えへへ…こんばんは、プロデューサー…」

P「やよい!?」

春香「プロデューサーさん!スペシャルゲストですよ、スペシャルゲスト!」

バタン

P「………?」


ガチャリ


俺「えへへ…こんばんは、プロデューサー…」

春香「私たち結婚します!」


P「おめでとう!!」

やよい「また遊びに来ちゃいましたー!」

P「お、おう、いらっしゃい…今日はどうしたんだ?」

やよい「決まってますよ…プロデューサーに会いたくなって………///」

P「お、おお…そうだったのか…」

やよい「ずっとお仕事してたんですか?机ぐちゃぐちゃですよ」

P「…!あ、いやこれは」

やよい「?何ですかこれ…封筒がたくさん」

P「……ああ……いや…」

やよい「………………」

P「………あ、あのそれはあれだよほら…」

やよい「…プロデューサー」

やよい「私からのお手紙、ずっと大事に取っておいてくれてたんですか………?」

P「…………ま、まぁ…」

やよい「………ぅうっ………プロデューサー!」ダキッ

P「うわっ」

やよい「私……私……うれしいです………!」

P「そ、それは良かった…分かったからはなれっ…!?」

やよい「……ん……むっ…………」

P「…………んんっ………!?」

やよい「…………ぷはっ」

P「………や、やよい」

やよい「………えへへ、ごめんなさい……嬉しくってつい…///」

P「(ゃょぃっょぃゎ…)」

ぅゎ ゃょぃ っょぃ

飯食ってくる

P「来てくれたのはいいが、こんな時間に…弟達は大丈夫なのか?」

やよい「長介とかすみがいるから大丈夫ですよ。それに、今日は社長に呼ばれて来たんです」

P「社長に?何で」

やよい「どんなお話かは分かりませんけど……なんだか、みんな集めるって言ってました」

P「みんな?」

やよい「はい!みーんなです!」

P「…俺、何も聞いてないぞ」

やよい「そうなんですか?何でなんでしょう」

P「……まあいい。話ってのは今から?」

やよい「言われた時間は1時間後です」

P「そうか…俺も参加するよ。わざわざみんな集めるってことは事務所がらみで何かあるってことだろ」

やよい「きっと問題ないと思いますよ」

P「そうだよな。……しかし、1時間後だろ?来るの早すぎじゃないか」

やよい「……だから言ったじゃないですか」ギュゥッ


やよい「プロデューサー…忙しいし、こういう時しか二人でいられないんですもん」

P「………」

やよい「久しぶりに……甘えさせてくださいね」

──────

春香「765プロ10周年記念ライブ?」

律子「2部構成のステージで…」

小鳥「前半は現役生」

P「後半に…初期メンバーによるオールスターで復活ライブ?なんて無茶な企画だ」

高木「どうだね。面白そうだろう?」

真「確かに…いい話ですけど」

響「みんな仕事してるのに、練習時間取れるのか?」

あずさ「簡単にお休みもとれませんし……」

亜美「亜美たちも授業でいっぱいいっぱいだYO」

真美「ただでさえ真美たち赤点ギリギリなのに…」

律子「それはあんた達の責任でしょ」

美希「ミキも営業でかなり忙しいの」

雪歩「有給使えるかな…」

伊織「ウチも今は忙しいんだけれど?」

貴音「明日の仕込みが…」

やよい「……楽しそう…」

高木「その辺は心配要らない。私と彼が全員分交渉に行くのでな」

P「…………え?」

P「………俺ですか…?」

高木「ファンによる強い要望がね」

高木「わが765プロの黄金世代が、たった3年の間にでほとんど引退してしまったことに強いショックを受けていたらしいのだよ」

高木「君達のかつてのファン達に、もう一度夢を見せてやってはくれんか…頼む」

春香「ちょっと、社長…」

春香「…あれ?そういえば私は現役組か」

小鳥「春香ちゃんは両方に出演って書いてあるわ」

春香「うっわー…ハードそう」

P「…………そうだな」

P「俺もやってみたい」

真「プロデューサー」

P「………みんな…お前らがどんどんウチをやめていったあの3年間」

P「俺はダメなプロデューサーだったかも知れない」

響「…………」

P「………ある1つのことにかまけて、それまでよりお前達のことをしっかり見てやれてなかった…」

やよい「………?」

P「………いまさら許してもらえるはずは無いが………本当にすまなかった」

伊織「ちょっと、何?やめなさいよ」

真「…プロデューサー、顔を上げてください……」

響「…そうだぞ…大体、プロデューサーのせいなんかじゃないさ」

あずさ「みんな、自分の意志で引退を決めたんですよ?」

P「………俺がダメだったのは事実です」

真「………確かに、言われてみれば」

真「プロデューサー、一時期誰かからの手紙ばっかり読んでましたよね」

やよい「………!」

P「…………すまない」

真「いや、違いますよ!?ボクたちがやめたのは、それとは関係ないですし」

響「真とスクールを開くってのは、ずっと前から決めてたんだぞ。だから……謝らないでよ」

P「…………ありがとう。でも………」

P「最後に…一度だけでいい」

P「お前ら全員が輝く瞬間を、この目に焼き付けておきたい」

P「それを全力でサポートすることで、お前達に対する5年越しの償いにしたいんだ」

P「身勝手なのは分かってるが……協力してくれないか…?」

律子「プロデューサー…」

春香「………」



伊織「しょうがないわね」

雪歩「伊織ちゃん…」

伊織「別に、もともとあんたを恨んだ覚えなんて無いしね。確かにだらしない時期があったのは認めるけど」

伊織「レッスンするんでしょ?いつからどのくらい?本番はいつ?」

高木「本番は3ヵ月後だよ」

伊織「問題ないわ」

P「伊織…ありがとう!」

真「………ボクたちも、なんとか」

響「生徒のみんなには悪いけど、しばらくお休みにして自分達も参加するさー」

P「本当か…!」

美希「…………プロデューサーの頼みなら、ミキも頑張るの。一応向こうの社長に聞かなきゃだけど」

P「………美希……」

美希「その代わり、プロデューサーにはずっと言いたかったことがあるの。全部おわったら聞いてもらうからね」

P「………わかった。ありがとう」

真美「………話って何だろうね」

亜美「さあ?」

小鳥「亜美ちゃん真美ちゃんはどうかしら?」

亜美「………やるよ!」

真美「……だよね!」

あずさ「私も頑張っちゃおうかしら?うふふ」

雪歩「プロデューサー…私もやらせてください!」

P「みんな………ありがとう!」


春香「社長、千早ちゃんにも連絡したんですか?」

律子「千早には一度メールを送ってるから大丈夫。詳細が決まり次第また話をしておくわ」

高木「決まりだな。君、忙しくなるぞ!今日のうちに準備に取り掛かろう」

P「…はい!」

高木「諸君、わざわざ集まってもらってすまなかったね。今日のところはこれで終わりだ」

高木「久しぶりに会って、積もる話もあるだろう…事務所は空けておくから、よければゆっくりしていってほしい」

高木「では、解散!」





やよい「……………プロデューサー」

P「ん?」

やよい「その………さっきの話なんですけど」

──────


P「だから、何回も言ってるだろう…」

やよい「違いますっ………私が、私がプロデューサーに何年もお世話になってたから……」

やよい「だからみんなやめちゃったって………どうしてそう言ってくれなかったんですかっ!?」

P「そんなこと誰も言ってなかっただろう!?」

やよい「………グスッ…私、やっぱり…アイドル辞めた後も、たくさん迷惑かけてたんですね……」

P「そんなこと無いんだって……」

やよい「ごめんなさい………ごめんなさい……!」

P「…やよい…お前なんだかおかしいぞ………?」

やよい「………車のことも…おじさんでいてくれたことも……助けてもらったことも………今、こうやって…一緒にいることも…」

やよい「私……プロデューサーの負担になりたくなかったのに………」

P「………やよい、どうしちゃったんだよ……」

やよい「………ぅゎぁぁん………」

P「やよい………」

やよい「………ひぐっ………わたし…もう帰ります………!」ダッ

P「やよい!待てよ!おい!」


P「………なんでだよっ…くそっ!」

──────


高木「こうして無事にレッスン初日を迎えることが出来たのも、君の協力があったからだよ。ありがとう」

P「…いえ………」

高木「どうしたのかね?シャキッとしてくれたまえよ、久しぶりに彼女らが歌う姿を見ることができるのだから」

P「………そうですね……」

P「………よし…!」


P「みんな集まってるか?」

春香「プロデューサーさん!おはようございます!」

P「おはよう。調子はどうだ?」

亜美「いやー久しぶりのレッスンってことで」

真美「みんなちょっぴり緊張してるっぽいね→」


雪歩「久しぶりにこのジャージ着たよぅ…」

真「懐かしい光景だね!」

響「自分達はずっと踊ってたからきついレッスンでもなんくるないさー」

貴音「響、でしたら私にご指導よろしく頼みますよ」

響「任せてよ!」

千早「プロデューサー、おはようございます」

P「千早………おはよう。あのとき以来だな、久しぶり」

千早「お久しぶりです。懐かしいですね…ふふっ」

小鳥「先ほどあずささんから電話があって、道に迷ったから遅れるとのことです」

P「相変わらずだな…」

律子「そういえばやよいは?まだいないわよ」

美希「珍しいの、やよいが遅刻なんて」

P「…………」

伊織「誰か連絡したの?」

P「………俺からしてみる」

P「………つながらない……」

P「………はぁ…この前のことなんだろうな……」

P「………すまないが、先に今いるメンバーで始めておいてくれ。律子、後は頼む」

律子「えっ…プロデューサー、どこに?」

P「やよいの家に行ってみる」

小鳥「~~~♪」

春香「……小鳥さん、何とってるんですか?」

小鳥「メイキング映像よ」

春香「………さっきから、ストレッチしあってる真と雪歩しか映ってませんけど」

小鳥「気のせいよ~」

──────

P「ごめんくださーい」ピンポン

P「………」

P「…やよいー!いるか!?」

P「………………」

P「…………いないのか…?」

ガラガラ

やよい「…………ぷろでゅーさー」

P「……おはよう、やよい。忘れたか?今日レッスン初日だぞ」

やよい「………」

やよい「………そうでした…」

P「…い、今から……来れるか?」

やよい「…また、迷惑かけちゃいましたね」

P「……………」

P「やよい…お前…どうしちゃったんだよ…顔色も悪いし」

やよい「………」

P「みんなお前が来ないの心配してたぞ」

やよい「…私、あれからずっと考えてました」

やよい「私って、いつでもプロデューサーに色々してもらってるばっかりだなーって」

やよい「私がプロデューサーにしてあげたこと、何かありましたか?」

P「そんなこと………」

やよい「……無いんです」


やよい「私………今まで、ぷろでゅーさーにしてあげたこと…」ポロ

やよい「なんにも…何にもありませんでしたっ…」ポロポロ

やよい「私、自分が嫌になって……」ポロポロ

やよい「プロデューサーのこと…大好きなのに………!」ポロポロ

P「で、なんとなく俺に合わせる顔が無いからこなかったのか?」

やよい「…」コクリ

P「そんなこと無いぞ」

やよい「………プロデューサーは優しいですから、そういうことを言えるんです」

P「え?だって、お弁当とかいつも作ってくれたじゃないか」

やよい「そんなの…」

P「やよいにとっては大したこと無くても、少なくとも俺はめちゃくちゃ有り難かったんだがな」

やよい「…そうですか?」

P「それに、あの時だって」

P「……やよいの返事、毎日も楽しみにしてたもんだ」

やよい「………私もです」

P「俺が正体をばらしたとき…やよいは嬉しくて泣きながら俺に飛びついてきたっけ」

やよい「えっ…そ、そんな昔の話……」

P「その後、最後の手紙の内容が…」

やよい「ちょ、ちょっと、プロデューサー!何で今そんな話するんですかっ!!」

P「あ、あれ?ダメだったか?」

P「俺だってやよいに色々助けてもらってるって言いたかったんだが…伝わらなかったか?うーん…」

やよい「………」

やよい「………はぁ」

やよい「……………そうだったんですか」

やよい「………なんだか、変に悩んで馬鹿みたいですね」

P「…お、俺の説得が効いたか」

やよい「いえ…なんだかプロデューサーの話聞いてると馬鹿馬鹿しくなってきました」

P「あれ?まじめな話だったのに」

やよい「…ありがとうございます」


やよい「それと、レッスンサボってごめんなさい」

P「まだ間に合うよ。行こうか」

やよい「はい。…プロデューサー」

P「ん?」

やよい「ライブ終わったら、私の話聞いてください」

P「話?今じゃダメなのか?」

やよい「もう一度全部終わってから言いたいんです」

P「そっか。待つよ…というか、俺も話がある」

やよい「……なんのお話ですか?」

P「ライブが成功したら話すよ」

ちょっとだけ寝る
しんどい 30分くらい

──────



真「プロデューサー!ライブの第一部、どうでした!?」

P「かなりの出来だったよ!会場も大盛り上がりだ」

春香「ふぅ、ふぅ……なんとか半分おわったぁ」

P「お疲れ。春香のこの後の出番はだいぶ先だ、休憩しろ」

春香「はい!」

伊織「最初は私達でいいの?」

P「……似合ってるじゃないか。懐かしい衣装だな」

伊織「ふん、当然じゃない♪」

律子「竜宮小町、一夜限りの復活ライブよ!みんな気合い入れて」

亜美「なんかワクワクしてくるNE→」

あずさ「………」

P「あずささん?…緊張してます?」

あずさ「あ、プロデューサーさん…」

あずさ「…すみません、緊張してるの…分かります…?」

P「緊張するのは当然ですよ。俺だって心臓吐き出しそうです」

あずさ「…そうなんですか?」

P「ええ。…冷静になれとは言いません」

P「今の緊張を受け入れてください」

あずさ「………」

P「あずささんは優しい笑顔が一番素敵ですよ」

あずさ「…まぁ、お上手ですね」

あずさ「ありがとうございます。なんとか行けそうです」

P「よぉし!行ってこいっ!」


小鳥「…………夢みたいですね」

律子「夢じゃないんですよ」

──────

美希「プロデューサー、ちゃんと見ててね。ミキ、前よりもっともっとキラキラしてみせるから」

雪歩「美希ちゃん、頑張って…」

貴音「ご武運を」

P「行ってこい。楽しみにしてるよ」

小鳥「さすが現役Sランクはステージひとつ余裕ですね」

律子「美希も成長したんですね…」

P「……律子、ずいぶん嬉しそうだな」

律子「……そ、そうですか?別に変わりませんよ」

──────

貴音「行ってまいります、貴方様」

雪歩「頑張りますぅ…!」

伊織「2回目だし、私は問題ないわ。二人ともしっかりやりなさいよ?」

真「雪歩、頑張って!」

響「貴音、しっかりな!」



小鳥「あの3人組は、なんだか安心して見られますね」

律子「竜宮に負けないバランスが出来上がってますからね」

P「いい感じだな、うん」



──────

真「響、準備はいい?」

響「もちろん!」

P「あぁ、言い忘れてたけど」

真「?」

P「お前ら全員分の長期休暇の交渉に行ったとき、関係者全員にライブのチケットを配布してるんだ」

響「えっ」

P「お前らの生徒が見に来てるってこと」

真「えぇっ!?」

響「き、聞いてないぞ!!」

P「今言ったからな


真「うわぁあぁっ!?な、なんかめちゃくちゃ緊張してきたよ……!!」

響「これはミスできないぞ………」

春香「二人とも、頑張ってね!」

やよい「響さん、ファイトです!」


小鳥「今言う必要はあったんでしょうか、プロデューサーさん」

P「まあ見ててください。あいつらは追い詰められたときの本気が一番凄いんです」

律子「とかいって、結構リアクションを楽しんでましたよね」

──────

春香「じゃあ行ってきますね、プロデューサーさん!」

P「おう」

やよい「頑張ってくださいね!」

亜美「はるるんファイト→」

真美「こけちゃだめだよ→」

春香「はは、気をつけるよ…」



小鳥「春香ちゃんはさすが、安心できますね」

律子「なんだかんだでもうベテランですから」

P「だな」

──────

亜美「行ってくるね、兄ちゃん!」

真美「ちゃんと見ててNE!」

やよい「頑張ってー!」


P「双子デュオ…現役時代にやってみたかったですね」

小鳥「亜美ちゃんが竜宮小町に行っちゃいましたから」

律子「……見てくださいよ、あの二人。あんなに楽しそうなの、はじめて見たかも」

P「………いつまでも仲良くやっていってほしいな」

──────

やよい「」

P「………やよい、どうした?」

やよい「」

P「………ガッチガチやん…」


小鳥「やっぱり緊張するもんですよね………」

律子「これが普通ですよ。なんていうか、他のみんなが凄すぎたというか…」

P「全員で歌う前のトリだからな……仕方ない」

P「律子、まだ時間あるだろ。5分だけ外に行ってくる」






P「さて…どうかしたか」

やよい「す、すいません」

P「緊張するのは分かるがな。もっと肩の力を抜け」

やよい「………プロデューサー」

P「ん?」

やよい「ライブ、成功したら話があるって言いましたよね………?」

P「…そうだったな」

やよい「……あの、絶対にちゃんとお話しますから…」

やよい「成功できるように……おまじない、してください」

P「…?おまじないとな」




やよい「その………」

やよい「………い、いただきます!」チュッ

P「」


やよい「………これで頑張れるって、亜美と真美が」

P「あいつらの言うことは鵜呑みにするな」

やよい「…あ、でも…緊張しなくなったような気がします」

P「え?ならいいんだけど………」






やよい「じゃあ、いってきます!」

律子「ええ。頑張ってね」

千早「高槻さん、落ち着いてね」

やよい「はい!」

P「(そうだった、やよいの後に千早がいたじゃないか、トリじゃなかった)」

P「(忘れてた、ごめんねちーちゃん)」


小鳥「やよいちゃん、あんなに元気になって…プロデューサーさん、何したんですか」

P「いえ、何も……」

──────

千早「プロデューサー…私の歌、ちゃんと聞いててくださいね」

P「頑張って来い」

春香「行ってらっしゃい!」

美希「ファイトなの!」やよい「…あ、でも…緊張しなくなったような気がします




律子「千早も、歌手として成長できてるんでしょうかね」

小鳥「この1曲ですべて分かるはずですよ」




P「蒼い鳥……………English ver.だと………!?」


──────

律子「いよいよ最後ね」

小鳥「みんな、頑張ってね……ぅっ…」

P「小鳥さんは涙もろいなあ」

亜美「カンペキに決めてやんよ!」

真美「やんよ!」

千早「なんだか柄にも無くワクワクしてくるわ…」

雪歩「こ、これで最後なんですね…」

美希「ちょっと寂しいね」

真「そんなこと言ってる場合じゃないよ」

貴音「我々はこの最後の1曲に全力を注ぐのみ」

響「やってやるさー!」

あずさ「私、いまとっても幸せだわー」

伊織「気を抜くんじゃないわよ?」

春香「…さ、みんな!行くよ!」

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     負けないでTRY AGAIN
     立ち上がるSTREET


     ENCOREはないLIFE
     一度のLIVE
     進め!!どこまでも
     SHOW MUST GO ON☆
     3・2・1

     CHANGIN' MY WORLD!!
     変わらない夢描いて
     CHANGIN' 今を!!
     好きに自由に変えるREADY!!
     CHANGIN' 前を!!
     新しい未来追いかけながら
     私らしい私でもっともっと
     DREAM COMES TRUE





P「………………」

小鳥「……………」

律子「……………」

──────

ガチャリ

P「ん?………美希じゃないか」

美希「こんにちは、プロデューサー」

春香「あれ?美希」

美希「春香、久しぶりなの」

P「…ライブ、成功してよかったな」

美希「……うん。それでね、ミキ言ってたでしょ?話したいことがあるって」

P「……そうだったな」

春香「………あの、私いないほうが」

P「すまんな、春香。そうしてくれ」


バタン


P「…………」

美希「あのね…………ミキ、プロデューサーのこと、好きだったよ」

P「………そうか」


美希「もう知ってるの。やよいと付き合ってるんだよね?」

P「…………」

美希「……やよいったら、あんなに美人になっちゃって」

美希「料理も上手だし、優しいし……可愛いし」

美希「さすがのミキもお手上げなの。絶対勝てないって思うな」

P「……………すまんな」

美希「仕方ないの。ミキがSランクにあがる約束、期限までに守れなかったし」

美希「プロデューサーは、ミキの初恋の相手。それだけ」

P「………光栄だよ」


美希「でもね、ミキ、もういいの。今はハニーがいるから」


P「ハニー…?」

美希「今外で待ってもらってるの。紹介していい?」

P「…ああ、構わんが」

DQN「チョリーッスwwwwwwwミキのカレシッスwwwwwwwwww」

|__ ||

|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>290    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;

ごめんちょっと野暮用
30分くらいかな

これはあまとうだな

ガチャリ


赤羽根P「……はじめまして」

P「……あなたは、876の」

赤羽根P「噂は色々と伺っています」

P「そ、それはどうも………」

美希「プロデューサーにフラれて、アイドル続ける気もなくなってたミキを助けてくれた、大事なヒトだよ」

P「……そうだったんですか……」

赤羽根P「美希は素晴らしい才能の持ち主でした。この1年間で見事Sランクに昇格できなのは紛れも無く彼女の実力です」

赤羽根P「そしてその土台を作った貴方も」

P「いえ、そんな……ちょっと待ってください」

P「素晴らしい才能の持ち主でした…?」



美希「ミキ、引退するって決めたの」

美希「これからは、ハニーのために尽くすって決めたから」


赤羽根P「………正直、貴方に嫉妬していますよ」

赤羽根P「俺よりも遥かに美希と過ごした時間が長い貴方に」

P「………」


美希「そういうわけなの、プロデューサー!」

美希「ミキきっと、世界で一番綺麗な花嫁さんになって、プロデューサーがミキを選ばなかったことを公開させてあげるね!」

美希「あと、やよいのこと悲しませたら絶対許さないの!分かった?」



P「…………そうか……そうか」

P「…………よかった………」


P「………おめでとう………美希」

P「赤羽根さん…美希をよろしくお願いします」

すまぬ

公開→後悔

コンコン
ガチャ

やよい「こんにちはー」

美希「あ、やよい!」

やよい「美希さん、お久しぶりです!プロデューサーもこんにちは!」

P「おう」

やよい「そちらの方は…?」

赤羽根P「はじめまして」


やよい「876プロのプロデューサーさんだったんですかー」

赤羽根P「高槻やよいさん、ですよね」

やよい「え?知ってるんですか?」

赤羽根P「学生時代、テレビでよく見ましたよ」

やよい「えへへ…ありがとうございます」

美希「今日のところは帰るの。やよい、またね!」

やよい「はーい!」

赤羽根P「失礼します」

バタン


P「…それで、やよいはどうしてまたここに?」



やよい「……この間の約束ですよ」

P「………聞かせてもらおうか」


やよい「プロデューサー……私、考えたんです」

やよい「今まで色々お世話になったプロデューサーに…どんなお返しをすればいいのかなーって」

P「…そんなのいいのに」

やよい「私が納得できませんから!」

やよい「でも、すっごく難しくて……何にも思いつかなかったんです」

やよい「だ、だから…つ、つまりですね…その」

やよい「プロデューサー!私にしてほしいこと、何でも言ってください!」

P「…………」



P「え?」


やよい「……あ、でも、やっぱり何でもは…いや、良いんですけど…」

やよい「な、何でもいいんですけど、何でもはだめです……!」

P「落ち着け」

やよい「…だ、だって…今の私には、そのくらいしか……」

やよい「…が、頑張って出来るだけ期待にこたえるようにします…!」

P「やよい?…おーい?」

やよい「…………ど、どうですか……」

P「……………」



P「うーん…そうだなぁ」

P「その前にまず、俺の話を聞いてもらおうか」

やよい「は、はい…」

P「実はな……ライブが成功したら、お前に伝えようと思ってたことがあるんだ」

やよい「………!!」

P「大事な話だから……よく聞いて」

やよい「…ぃ、ぃゃです…!」

P「………」

やよい「そ…そんな話聞きたくないですっ…!」

P「やよい?」

やよい「私……もっと頑張りますから……今までの分、きちんとプロデューサーにお返ししますからぁ……!」

P「………やよい、なんか勘違いしてないか?」

やよい「…………」

P「…………」




P「やよいちゃん」

やよい「!!」

P「プロデューサーがダメなら、代わりに僕と話をしようか」

P「…あれ?僕のこと覚えてくれてないのかな?」

やよい「………おじさんですか?」

P「そうだよ。久しぶりだね」

やよい「お、お久しぶりですっ!!」



P「やよいちゃんは、僕とお手紙をしてたあの時、楽しかったかい?」

やよい「も、もちろんでふ!」

P「僕もとっても楽しかったよ…懐かしいなぁ、同じ手紙を何度も何度も読んだっけ」

やよい「わっ、私もです!おじさんの手紙、すっごく楽しくて………」

P「それは良かったよ」

P「(何だこれ恥ずかしいぞ?)」

P「本当はね……やよいちゃんに正体がばれてしまった以上、僕は君の前に現れてはいけない決まりなんだ」

やよい「…そ、そうだったんですか?」

P「残念ながらね………だから、君とお話をするのはこれで最後だ」

やよい「そんなっ…せっかくまた会えたのに……」

P「仕方ないんだ。ごめんね」

やよい「そんなの嫌ですっ…!」



P「……君とこうやって直接お話するのは、2回目だったな」

やよい「……そうですね…」

P「あれは君の高校で……そう、君は敗れた手紙を拾っていたところだった」

やよい「あ…あの手紙、頑張ってテープで直したんですけど…しわくちゃになっちゃいました…ごめんなさい」

P「いいんだ。手紙なんて形でしかない」

P「もし僕が、何回も読み返したやよいちゃんからの手紙を読みすぎてボロボロにしてしまったら、君は怒るかい?」

やよい「…いいえ…むしろ嬉しいです」

P「そうだろう。大事なのは気持ちだよ…僕が手紙にこめた気持ちと、手紙を大事にしてくれていたやよいちゃんの気持ち」

P「……僕たちの縁にも、同じことが言えるんだ」

やよい「………?」

P「何をあげたかじゃない。お互いがお互いをどう思いやるかだよ」



P「僕は、やよいちゃんを愛している」

やよい「ふぇっ…ふぇっ!?」

P「僕はやよいちゃんのために、今まで出来ることを精一杯やってきた」

P「お返しをもらうためじゃない。ただ僕がやよいちゃんを好きだったから」

やよい「……おじさん…」

P「君は……?」


やよい「……私も………おじさんのこと、大好きでした」

P「だった……とはつまり?」


やよい「……おじさんだと思っていた、私の大好きな人は………」


やよい「プロデューサーだったんです……」


P「それでいいんだ」

P「もう、僕の出番は無くなった。君はあしながおじさんとお別れを言うんだ」

やよい「………寂しいです……」

P「寂しくないよ。君の前に現れなくても」

P「これからはもっと近くで、君を守ってくれる人がいるんだから」

やよい「…………」

P「………あとは任せたよ、プロデューサー」




P「………と、いうわけだ。やよい」

やよい「………プロデューサー?」

P「(アホやらかしたな俺)」


P「…えー、やよい」

やよい「………」

P「改めて、俺の言いたいことをここで言おうと思う。よく聞いておいてくれ」

P「……いや、その前に…渡すものがあるんだった」

やよい「……?」

P「……これを、受け取ってくれ」

やよい「………箱……」


パカッ


やよい「…………!」



P「やよい、」





P「結婚してほしい」

やよい「…………ふぐっ、ぷぉゆーしゃぁ…………」

P「色々あったけど」

やよい「ぐしゅっ………うぇっく………!」

P「お前を危険な目に合わせたこともあったけど」

やよい「…………うっぐ……ひくっ……………!!」

P「俺が愛してるのはお前一人だけだ」

やよい「………っくっ………ぅぁぁぁん……!!」

P「……受けてくれるか?」


やよい「……ぁぃ…!わらひも…………ぁぃしゅきれしゅっ…………!!」



P「ははは…何言ってるか分からないじゃないか」

P「………よかった………」

やよいが幸せみたいでよかった
んじゃ俺は春香のところに戻るかな

──────
やよい「…プロデューサー」

P「どうした?」

やよい「私…おじさんに、今度こそ最後のお手紙を書きたくて。感謝のお手紙を」

P「そうか…いいんじゃないか」

やよい「はい…読んでくれますかね?」

P「きっと読んでくれるよ」

やよい「…あと、お返事も来たらもっとうれしいかなーって」

P「…きっと書いてくれるよ」

やよい「………じゃ、今から書きます!」

やよい「プロデューサー、絶対に見ちゃめっ、ですよ!」

P「……わかったよ」

やよい「………あしながおじさんに、感謝しないといけません」

P「ほう……どうして?」

やよい「もし………おじさんと出会えてなかったら」

やよい「私、プロデューサーともう一度会う事も無かったかもしれないからです」

P「………そうだな」

やよい「……不思議ですね」

やよい「ホントは同じ人のはずなのに…プロデューサーとは別の人のような気がして」

P「………間違ってないよ」

P「おれはあの時、おじさんとしてしかやよいを守ってやれなかった」

P「俺も、おじさんに感謝しないとな」

やよい「はい。…あの、プロデューサー」

P「ん?」



やよい「私のこと、幸せにして下さいね」

──────
あしながおじさんへ

今までありがとうございました
おじさんのこと、絶対に忘れません

大好きでした

       高槻やよい
──────


──────
やよいちゃんへ

今までありがとう
やよいちゃんのこと、絶対忘れないよ

お幸せに

       あしながおじさん
──────


END

今回は超展開なしを目指した結果
gdgdになっちゃいました

いいたかったことはつまり
「Pはおじさんの名を借りなくてもやよいちゃんを守ってあげるべきなんだ」ってことです


付き合ってくれてありがとう

若干扱いの悪かったちーちゃん救済

蒼い鳥のEnglish ver.です
http://www.youtube.com/watch?v=ZnwYriB1l7g


伊織編は?

>>404
伊織のお見合いの話かな?
俺とは別の作者です

一個訂正
>>276
美希「ファイトなの!」やよい「…あ、でも…緊張しなくなったような気がします

美希「ファイトなの!」

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