律子「収録後プレイ3」 (49)

今日も立ったら

千早「ただいま戻りました」

律子「はい、お帰り」

千早「あら、律子だけなのね」

律子「最近小鳥さんが談話室に入り浸ってるからね……全く、みんなのために設置したのに」

千早「いいじゃない、休憩も必要よ」

律子「それでプロデューサーは春香たちと局ね」

千早「そうだったわね」

律子「待つでしょ?」

千早「え?」

律子「春香」

千早「ええ、そのつもりだけど……どうして?」

律子「……まぁ、本人が言わない限りこっちから何か言うつもりは無いけどね」

千早「?」

真「お疲れ様でしたー!」

P「はいお疲れ。今日も良く頑張ってたな」

真「へへっ、ま、当然ですね!」

春香「プロデューサーさん!早く帰りましょう!」

P「おお?いやに急ぐな」

真「千早が待ってるからね」

春香「うん!」

P「……ま、いいけどな。帰るか」

真「あ……響にメールしとかなきゃ」

P「なんつーか、あれだな。うちの事務所大丈夫かな」

春香「え?何でですか?」

P「お前たちが何も言わないならそれでいいけどね……」

響「はいさーい」

千早「あら我那覇さん。こんにちわ」

律子「響?あれ、帰ったんじゃなかったかしら」

響「いや、帰ろうかと思ったんだけどさ。ちょっと近くでひまつぶしてたんだー」

千早「どうして?」

響「真待ってるんだ。最近一緒に帰らないと拗ねるからなぁ」

律子「ああ……はいはい」

響「だからちょっと待たせてよ」

律子「好きにしなさいな……」

千早「だったら一緒に待ちましょうか」

響「千早は春香か?」

千早「ええ、そうよ」

律子「はぁあああ……」

春香「ただいま帰りました!」

真「たっだいまー!」

千早「おかえりなさい春香」

響「おー真ー、待ってたぞ!」

春香「千早ちゃん!帰りに真と話したんだけど、今からちょっとご飯行かない?」

千早「え?構わないけれど……」

真「もっちろん響も一緒にね!」

響「うぇ!?自分、小腹が空いたからさっきちょっと食べ……」

真「まぁまぁまぁまぁ」

春香「それじゃ律子さん、プロデューサーさん、お疲れ様でしたー!」

バタンッ

P「……」

律子「……」

P「ただいま」

律子「はい、おかえりなさい」

ガチャッ

P「ただいまー」

律子「おかえりなさい。送迎お疲れ様です」

P「律子もお疲れ。作業の進捗は?」

律子「ほぼ終わりです」

P「そっか」

律子「……」

P「……」

律子「あの……?」

P「ん?」

律子「仕事、残ってるんですか?」

P「いや?」

律子「じゃあなん……あ」

P「どうせだったら待っとこうと思って」

律子「……ありがとうございます」ボソッ

P「そういや聞いたんだけど」

律子「何をです?」

P「TRPGやるんだってな」

律子「ああ……そうですね」

P「何やんの?」

律子「色々考えたんですけど、自作でやろうかなと」

P「自作!?お前経験は?」

律子「……全然ですけど」

P「それいけんのか……」

律子「ま、まぁ多分」

P「どうせなら全裸焼き肉とかやろうぜ」

律子「アレをアイドルにやらせるのはどうかと」

P「TRPGなんてそんなんばっかりだろ!」

律子「偏見です!」

P「しかし……あれか……」

律子「今度はなんですか……」

P「律子は経験全然無いのかぁ……」

律子「無いですよ……?」

P「そっかぁ……無いのかぁ……」

律子「……ん?」

P「やー、みんなの前では大人ぶってるけど経験無しかぁ」

律子「ちょっと」

P「まぁ律子はカタそうだもんなーしょうがないかなー」

律子「いい加減にしろ」ガシッ

P「ツッコミが強いんだけど!?」ギリギリ

律子「対プロデューサー専用ですから」パッ

P「俺が何したっていうんだ……」

律子「セクハラです!!」

律子「でも経験は無いですけど、リプレイは集めるのが趣味みたいなとこありますし」

P「リプレイだけじゃアレだろ」

律子「って言ってもサプリが」

P「……あー、な」

律子「いや、妥当だと思いますよ?思うんですけど……」

P「基本上級拡張アイテムガイド」

律子「ゲーム買うよりはね!間違いなく安く済むんですけどね!」

P「種類も多いしな」

律子「大判だと買って帰るのもかさばりますし……」

P「とはいえな」

律子「……ええ、まぁ」

P「やりたくなるよなぁ」

律子「引力が凄いんですよ、引力が……」

P「まぁ律子は本や妄想で愉しむタイプとして」

律子「おい」ガシッ

P「アイアンクローはやめろ!」

律子「じゃあいちいち引っかかる言い方やめてくださいよ」

P「悪かった!悪かったよ!」

律子「全く……」パッ

P「最近だと動画サイトとかでもあるよな、リプレイ動画」

律子「あー、ありますねぇ」

P「一周回って流行んないかなー……」

律子「プロデューサー殿は経験者なんですか?」

P「若いころはバリバリ言わせたもんよ」

律子「はー、そうですか」

P「……ちなみにさっきの、たのしむって字は愉悦の愉な」

律子「その補足必要ですか?」

P「で、動画サイトの話に戻るけど」

律子「はい」

P「はしりというか、最初に流行ったシステムが増える傾向にあるだろ」

律子「あー、それはありますね」

P「でさ、動画見てやりたがる初心者が増えるわけだ」

律子「それは良い事なんじゃないですか?」

P「それ自体はな。ただ……ほっとんどのヤツがCoCやりたがるんだよ!」

律子「あー……」

P「あのシステムめっちゃくちゃ難しいからな!マスタリングも!」

律子「自由度の高さと難易度は比例しますからねぇ」

P「それも大体のヤツが地雷だからな!」

律子「それは偏見じゃないですか……?」

P「警察権力使って事件自体ぐちゃぐちゃにすんじゃねーよ!」バンッ

律子「あはは……」

P「ったく……滑ってるっつーの……周りの事考えろっての」

律子「まぁ楽しみ方はそれぞれですし……」

P「脚本の書ける動画と実際のプレイを一緒にしたらダメだぞ」

律子「その辺は弁えてますよ」

P「でも初心者なんだったら、よかったらサブマスでついてもいいぞ」

律子「あ、ほんとですか?」

P「うん。いつやるんだ?」

律子「えっと、月末の土曜に……」

P「あー……悪い!その日無理だ!」

律子「あ……そうですか」

P「そっか、オフがなかなか合わないんだな……俺たちはともかく、みんながな」

律子「そうなんですよ」

P「まぁ、後で話聞かせてくれよ。その日はダメだけど」

律子「わかりました」

律子「……よし、おしまい」

P「はいお疲れ。帰るか」

律子「はい。小鳥さんに戸締まりお願いしてきます」

P「おう、頼むわ」

律子「小鳥さーん?戸締まりお願いしたいんですけどー」ガチャッ

P「……」

P(いつも通りだなぁ。いや、そりゃそうなんだけど)

律子「お願いしてきました、帰れますよ」

P「ん。帰ろう」

律子「って言っても逆方向ですけどね」

P「まーな」

律子「なんで待ってくれたんですか?」

P「別に?一人の事務仕事とか寂しいだろ」

律子「大人なんだから平気ですってば」

P「あ、っそう。……まぁ帰るわ」

律子「ただいま戻り……」

P「おう!お帰り!」

律子「なんでテーブルの上にカードセッティングしてるんですか」

P「いやー久々にやりたくなってさ。待ってたんだよ、やろう!」

律子「いや、それって四人用……」

P「二人でも出来ないわけじゃない!」

律子(すごい嬉しそうな顔……どんだけ待ってたのかしら)クス

P「ん?どした?」

律子「いーえなんでも。ちょっとだけなら付き合いますよ」

P「よっしゃ!セットは錬金術までな!」

律子「はいはい」

P「こういうゲーム出来る相手がいるっていいよなぁ」

律子「普通の会社だとなかなかいなさそうですね」

P「いてもそんな話しなさそうだし……この事務所入ってよかったよ俺」

律子「そこでそう思うんですか」

P「わかるだろ?」

律子「……まぁ、わかりますケド」

P「なー。プロデューサー権限で布教も出来るからな」

律子「いや、それはどうなんでしょう」

P「みんな二つ返事でやりたいです!って言ってくれるんだよ」

律子「へー……」

P「いやー信頼厚いプロデューサーだなー俺」

律子「……」

P「おい錬金術師何枚目だそれ、待って、待った!やめろ!」

P「錬金術セットは調整ミスってるよ絶対」

律子「入れたのプロデューサー殿じゃないですか」

P「アクションとドローで山札のトップに戻るっておかしいだろ絶対……」

律子「人数多ければ動きもありますけど……二人ですからね」

P「くっそー……もう一回!もう一回!」

律子「だーめーでーす。一回だけって言ったじゃないですか」

P「勝ち逃げとか……わかった!負けたら罰ゲーム受けるよ!それでどうだ!」

律子「いいんですか?本気でやりますよ?」

P「望む所だ……あ、もちろん律子が負けても罰ゲームな」

律子「えっ!?」

P「ゲーム始めるぞー」

律子「ちょ、ちょっと!?」

律子「……」

P「勝った!勝ったぞ!」

律子「さー仕事仕事」

P「罰ゲームな」

律子「知りませんよそんなの。付き合ってあげたんだからそれでいいじゃないですか」

P「俺にだけリスク背負わせるつもりか」

律子「そっちが勝手に言い出しただけじゃないですか!」

P「ちぇー……せっかく衣装考えてたのに」

律子「衣装って……」

P「まぁ気にするな、仕事にかこつけて着てもらうから」

律子「……」ガシッ

P「無言でアイアンクローはやめろ!」

律子「大体、私のコスプレなんか見ても面白くないでしょう」

P「元アイドルが何を言う」

律子「『渡り鳥に何を言う』みたいなノリで言われても……現役がいくらでも見られるじゃないですか」

P「……律子が良かったんだよ」

律子「いやいや、真顔で言われても。完全に欲望丸出しですし」

P「でも、律子は綺麗だし見たいのはマジだ」

律子「……そんなので騙されませんよ」

P「本心だけど」

律子「……そのうち、で良ければ」

P「聞いたぞ?」

律子「プライベートで!プライベートですからね!」

P「全然構わん!」

律子「はぁ、もう……」

「律子」

「なんです?」

「俺ら、付き合わない?」

「……は?」

「だからさ、その……男女交際をだな」

「あ、え、えぇ?」

「……ダメか?」

「あの、私は、その……そういうのは」

「……」

「ごめんなさい」

「そっか。悪かったな変な事言って」

「あ、いえ……ごめんなさい」

「謝られてもな」

「……」

律子「んぁ……っやば!寝ちゃって……」

P「起きたか」

律子「ぷっ、プロデューサー!?あの、今何時で……」

P「11時くらいかな」

律子「そんなに……起こしてくださいよもう!」

P「いや、疲れてるみたいだったからな」

律子「あ、上着も……返します」

P「おう。起きたら帰ろう」

律子「あの、ごめんなさい……」

P「ん?何がよ」

律子「だって、待っててくれたんでしょう?」

P「……趣味みたいなもんだし、気にするなよ」

律子「でも……」

P「いいって」

律子「今日は本当にごめんなさい。もうあんな事無いようにしますから」

P「疲れてる時は仕方ないだろ」

律子「でも」

P「いいって。お前も結構しつこいな」

律子「……何か言わないと気が済まないんです」

P「だったらな、律子」

律子「はい」

P「俺はごめんなさいよりありがとうが聞きたい」

律子「……待っててくださって、ありがとうございました」

P「貸しイチな」

律子「なっ……」

P「おお、顔真っ赤になってるぞ」

律子「っ、もー!どうしてそういう……」

P「はっはっは、気を付けて帰れよー」

律子「……もう」

P「ただいまー」

律子「おかえりなさ……ん?」スンスン

P「おっ、なんだよ急に積極的だな」

律子「いや、何か……タバコ、ですか?」

P「あ、匂うか」

律子「少し。気にする人いるんですから気を付けないといけませんよ」

P「いやぁ、俺が吸うわけじゃないんだけどな」

律子「え?それじゃ誰か吸ってる人がいたんですか?」

P「いや……合間にちょっと時間があったから……」

律子「どこ行ってたんですか」

P「ゲームセンターに少し」

律子「ほう」

P「その手をやめろ!」

律子「……仕事自体はちゃんとやってたみたいなんで、許してあげます。これで借りは返しましたよ」

P「お、おう……ありがとな……」

律子「で、何やってたんです?」

P「興味ある?」

律子「まぁ、少しは」

P「これだよこれ」

律子「カード……どっちのですか?」

P「どっち……?ああ、スクエニの方」

律子「ああ、あっちですか」

P「いやそもそもこんなヤツ三国志にはいないからな!?」

律子「中国にシェラハがいたら大混乱ですね」

P「九尾の狐はいてもおかしくなさそうだけどな」

律子「けどアレ高くないですか?」

P「チーム戦が楽しいんだわ……」

律子「足抜け出来ない感じですね……」

P「でさ、俺のデッキがこれなんだけど」

律子「よく知りませんけど、バランス悪くないですか?」

P「普通のだとつまんないと思って尖らせてみた」

律子「そういうの好きですよね……」

P「これがまた思いの外」

律子「強いんですか」

P「弱いんだわ」

律子「バランス悪そうですもんね」

P「けど味方が優勢だとめっちゃ働くんだ」

律子「すっごい性格悪いヤツみたいですね」

P「スネオデッキって呼んでる」

律子「それ解体した方が良いですよ……」

P「そこまで言うか……」

P「それでさ、このカードが……」

律子「……」

P「律子?」

律子「あっ、な、なんでしょうか?」

P「いや……聞いてた?」

律子「あ、えっと……」

P「あー……いや、大した事言ってないしいいや」

律子「……プロデューサー殿は、どうして私なんかに」

P「え?」

律子「……」

P「律子なんかに……なんだ」

律子「なんでもないです」

P「言えよ」

律子「……」

P「言えって」

律子「……なんで、私なんかに……付きあおうだなんて言ったんですか?」

P「やっぱそんな事か」

律子「大事な事です」

P「なんでって……多分、今の俺たちじゃ絶対意見合わないよ」

律子「どういう事ですか?」

P「お前さっき、自分なんかって言ったろ」

律子「そうですよ、私なんかと……」

P「お前がそう言い続ける限り、一生俺とお前の意見は合わない」

律子「何でですか!」

P「それもわかんないなら……その話はもうするな」

律子「だって……わからないんですよ……」 

律子「私、他のみんなみたいに魅力的じゃないです」

律子「地味で、暗いです」

律子「頭も固いです」

律子「素直にもなれないし」

律子「好きだって言ってくれる人に、応える自信がありません」

律子「だから……」

P「……」

P「……」バンッ

律子「っ!」ビクッ

P「言いたかった事は、それだけか」

律子「……はい」

P「……」カツ カツ カツ

ガチャ

バタン

律子「……」

律子「……」

律子「好きです」

律子「……好きです。好きです」

律子「好きで……大好きです……」

律子「でも……しょうがないじゃないですか……」

律子「私はきっと、あなたに甘えてしまう……」

律子「甘えて、緩んで……ダメになる」

律子「だったらいっそ……離れてくれればよかったのに……」

律子「どうしていつも通りなんですか?迷惑かけても平気な顔するんですか?どうして……」

律子「どうして、私を嫌いにならないんですか……」

律子「……好き、です」

律子「本当は、あなたが、大好きです」

P「俺も好きだぞ」ガチャ

律子「……え?」

P「俺も律子の事が好きだぞって言った」

律子「い、いや、そうじゃなくて。怒って帰ったんじゃ……」

P「コーヒー買いに行ってただけ。ほれ」

律子「あ……ありがとうございます……」

P「……あのな。律子は甘えてもいいと思うぞ」

律子「え……」

P「頑張りすぎだ。お前は自分に自信が無いのか自信過剰なのかわかんないんだよ」

P「口先では私なんて、って言う。でもやる事は全部自分でやろうとする」

P「出来るわけないんだよ、全部一人でなんて。誰かに頼ったっていいのに、自分でやる気で……自分ならやれると思ってる」

P「ほっとけないだろ、そんなヤツ」

律子「……」

律子「それが、理由ですか……」

P「ん?あー……まぁ……」

律子「だったら嫌です。そんな理由で好きだって言われても嬉しくありません」

P「いやいや、待てって」

律子「何ですか?私がやれる事を私がやって何が悪いんですか?」

P「違うから!それは、理由っていうか……好きだからほっとけないわけでだな」

律子「じゃあ何なんですか!」

P「……眼鏡が」

律子「……は?」

P「いや、俺眼鏡が似合う人が好きなんだよ」

律子「……眼鏡、だけですか?」

P「ほんとに最初の最初はな。今は……色々だ」

律子「……はぁ」

P「くそ、なんでフェチ暴露しなきゃなんないんだ。こっ恥ずかしい……」

律子「もういいです、わかりました」

P「ま、そういうわけだ」

律子「……よく考えたら、お互い様ですよね。プロデューサーもよく迷惑かけてくれますし」

P「まぁな」

律子「だったら引け目感じる事無かったんじゃないですか。あー馬鹿馬鹿しい」

P「そこまで言うか」

律子「全く……こんなバカな人、ほっとけないですよ」

P「……もっかい言うぞ。俺たち、付き合わないか?」

律子「はい。私がちゃんと面倒みてあげますよ!」

P「そうだな、俺のこと大好きだーって泣いちゃう子に面倒みてもらわないとな」

律子「それはっ……まぁ、本心ですけど!」

P「あら、素直だな」

律子「隠すのが馬鹿らしくなったんです」

P「そりゃ良かった」

P「おー……すっかり暗くなっちゃったな」

律子「ですね」

P「さて、反対方向だけど」

律子「……良かったら、ウチ来ますか?」

P「え」

律子「準備とかいるなら一旦帰ってからでも」

P「いや、そういうのは特に無いんだけど……いいのか?」

律子「コスプレ。まだしてないですし」

P「……耳まで赤いが」

律子「わかってます」

P「ならおじゃまさせてもらおうかな」

律子「じゃ、今日は一緒に帰りましょうか。あ……それから」

P「ん?んっ!?」

律子「……ん。改めてよろしくお願いしますね?ダーリン!」


GO!

りっちゃんが可愛いけどこの二人の場合収録後っていうか定時後プレイって感じだ
前作は真「収録後プレイ2」、その前が千早「収録後プレイ」です。おやすみ

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