咲「部長の誕生会が案の定『竹井久被害者の会』になった」 (83)

美穂子「……」

池田「……」

加治木「……」

モモ「……」

まこ「……」

藤田「……」すぱー

咲(き、気まずいっ!)
和(空気が完全に氷ついてますよ)
優希(に、逃げ出したいじぇ…)


久「さ、みんなケーキ食べましょー」ヘラヘラ

加治木「…それでは、いただこうか」

モモ「あ、私はいらないっす」

加治木「モモ」

モモ「ダイエット中っす。遠慮させていただくっすよ、先輩」

美穂子「そ、それじゃあ私たちがいただいてしまおうかしら?ね、華菜?」

池田「私も遠慮させてください。キャプテン」

美穂子「…うっ」シュン

久「そう?なら、美穂子とゆみはアーンして?」

モモ「ハァ!?」ガタッ

久「せっかく来てくれたお礼に、私が食べさせてあげるわね~♪」ヘラヘラ

池田「ちょっ、ちょっとっ!」ガタッ

まこ「やめんしゃい、そんな真似…!」

久「え~?ダメなの?」ニヤニヤ

まこ「からかうのはやめぇ言うとるんじゃ」イライラ

久「もー。みんな堅いわよ~。せっかく私の誕生日に来てくれたって言うのに、ねぇ美穂子?」

美穂子「へっ!?あ、えっと、はい…」もじもじ

池田「キャプテン、その人に流されないでください」

藤田「……フッ」クスクス

モモ「ちょっと、何がおかしいっすか藤田プロ?」

藤田「うーん?」ニヤリ

加治木「やめないかモモっ!」

モモ「だって先輩、さっきからこの人私たちをバカにしたような目で…」

藤田「……ハッ」じとぉ

モモ「ほら!それっすよ!」イライラ

池田「私もさっきから思ってましたよ」

美穂子「も、もうっ!華菜まで…」

久(ケーキおいしー♪)もぐもぐ

藤田「いやぁ?別になんでもないけど?」すぱー

モモ「へぇ、なんでもないっすか」

藤田「ああ、ただガキ同士で勝手にいちゃついてりゃいいんじゃないかと思って見てただけだよ」フーッ

池田「ならアンタ帰ればいいじゃないんですかね?」ボソッ

藤田「あーん?何か言ったかガキがぁ?」ギロッ

久「もー、盛り下がるような事しないでよヤスコ~?」ニヤニヤ

藤田「…このガキに言えよ」チッ

池田「いえ、私が生意気な事を言ってしまったみたいです。すみませんでした」しれっ

久「気にしないでよー。どーせヤスコが勝手にキレただけだし?」ヘラヘラ

藤田「私かよ…」すぱー

池田「いえいえ、せっかくのお誕生日に宴の席をぶち壊してすみません。私は帰るので、皆さんは楽しく続けてください」しれっ

美穂子「か、華菜っ!?」

久「あらあら、本当に気にしなくっていいのよ?」

池田「いえ、それでは私はお暇しますので。…キャプテンはどうしますか?」

美穂子「ど、どうって…まだ来たばかりだし、そのっ」チラチラ

久「ん~?」ヘラヘラ

池田「…どうしますか、キャプテン?」

モモ(あちらさんは強引な手に出たっすね)

美穂子「そ、その…あの、まだ上埜さんにプレゼントも渡してないし、ね?帰るなんて言わないで華菜?ね?」うるっ

池田「……」

久「へぇ~?」ニヤニヤ

美穂子「は、はぅ…///」かぁぁ

池田「…チッ」イライラ

加治木「……」
まこ「……」

モモ(先輩とメガネさんの、あえて何も言わず傍観してるのなんなんっすかね?)イライラ

藤田「……」ガツガツモグモグ

モモ(こっちはこっちでご飯めちゃくちゃ食べてるし)

池田「…キャプテンを一人で帰すわけにはいかないので、その辺で邪魔にならないようにしてますね」

モモ(あ、結構あっさり折れるんすね)

美穂子「華菜っ」ぱぁぁ

久「もう、気にしないでよ~みんなで楽しみましょうよ、ねえ?」

加治木「ああ、そうだな」

モモ「!!」ピクッ

加治木「プレゼントの話題が出たところだし、ここらでみんな今日の主賓へプレゼントを献上しないか?」

まこ(…上手いのう)

美穂子「えっ?あ、そ、そうですね…」

池田(よし!)

モモ(…これで、風越さんは帰る口実が出来たっすねー。さすがは先輩っす。嬉しくないけど、っす)

久「おっ、みんな何持って来てくれたの?いやぁ、嬉しいなわね~♪」ヘラヘラ

藤田「じゃあ、歳の順に行こうか」ずいっ

まこ「そうじゃの。じゃあ儂から」ずいっ

加治木「……」

美穂子「あのっ、あのっ」おずおず

モモ(うわぁ、なんすかこの争い)

池田(藤田プロが先だと、収入から言って一番豪華でしょうからね。後から出す側からすればたまったもんじゃないよ)

久「もー、みんな一斉に出せばいいんじゃない?」モグモグ

池田「あ、私はキャプテンの付き添いなんで。何も用意してきてませんよ?」

モモ「私もっす。食事遠慮してるし、別に構わないっすよね?」

加治木「モモ、もっと言い方というものが…」

美穂子「か、華菜もよっ!?」

藤田「…ハッ、お前らこそ帰ったらどうなんだ?」ニヤリ

池田「チッ」イラッ

モモ「すみませんっす」しれっ

まこ「久、新しいヘアゴム欲しいって言うとったろ?今度の試合にでも使ってくれ」スッ

久「おっ、ありがとー。使う使う~!」ひょいっ

藤田「オイ…」イラッ

加治木「…みんなで一斉に、ではなかったのかな?」

まこ「お前さんらがモタモタしとるからじゃ」

美穂子「あのっ、あのっ」おずおず

久「お、可愛いー♪今付けちゃおーっと」シュルッ

久「ねえねえ優希ー!似合う?」ヘラヘラ

優希「へっ!?私っ!?」ビクッ

久「ちょっとー。どうして3人ともさっきから隅っこですわってるのよ?」

咲「あ、いや、これは…」チラッ
和「なんと言いますか…」そわそわ

久「あなたたちもこっち来てケーキ食べて行きなさいよ?チキンも冷めちゃうわよ?」モグモグ

咲「あー、えーっと、なんだか皆さんわざわざ遠くから来てくれてますし」(帰りたい…)
優希「今日は遠慮した方がいいかな?みたいな感じだじぇ…」(帰りたいじぇ)
和「ご、後日、部室で改めてお誕生会なんてどうでしょうか?」(帰りたい…)

久「え~っ?そんなに気を使わなくていいのよー?」モグモグ

咲和優希(この空気で気を使わいでかっ!)

加治木「…では、早い者勝ちという事で。久、君にコレを」すっ

久「ゆみのはなーに?」

加治木「指輪だ」カパッ

モモ「!!!」ガタッ

久「わーお」

加治木「コレを君に。出来れば、いつも身につけておいてくれると嬉しいよ」

藤田「うっわ」フーッ

モモ(先輩……)

久「へーっ、キレイな指輪ねぇ」じー

加治木「気に入ってもらえれば幸いだ」

久「うん、ありがとゆみ。気に入ったわ!」にこっ

加治木「そ、それでは…!」ドキドキ

久「でも、いつも身につけておくのは難しいかな?」にこにこ

加治木「あっ…」

藤田「ったりめぇだろが。そんなデカいだけの指輪」プッ

まこ「……」

加治木「あ、いや、気に入ってもらえたのならば、いいんだ…」シュン

モモ(私としては良かったはずなのに、ムカつき具合がハンパないっすねー)イライラ

久「本当にキレイな指輪ねー。こんなの貰っちゃって良かったの?」ヘラヘラ

美穂子「あ、あのっ!」

池田(…キャプテン、あなたの失敗を願う私を許してください…)

久「なーに美穂子?」なでなで

美穂子「あっ///」ドキドキ

池田「!!!」ビクッ

まこ「!!」ピク

加治木「!!」ガタッ

藤田「……」ガツガツ

美穂子「あ、はわわっ、う、上埜さん!?///」かぁぁ

久「あ、ごめん。なんだかふるえてて可愛いかったから、つい♪」にこっ

美穂子「あ、あう///」ドキドキ

まこ「…ふんっ」ぷいっ

久「それで、美穂子は何を用意してくれたの?」にこにこ

美穂子「あのっ!私は上埜さんが喜ぶ物なんてわからなかったし、加治木さんの様に高価な物も持ってきていないんです…」

久「私は誕生日を祝ってくれる人がいれば、何だって嬉しいわよ?」

美穂子「は、はいっ!えっと、私からはコレを上埜さんに…」スッ

久「…アルバム?」

美穂子「あのっ、こ、これから、上埜さんとの思い出をいっぱい作っていけたらなって///」かぁぁ

池田(…健気すぎです、キャプテン)

久「ふふっ、美穂子らしいプレゼントねぇ」にこにこ

美穂子「もらっていただけますか、上埜さん?」うるっ

久「もちろんよ。いっぱい写真撮りましょうねっ」にこにこ

美穂子「は、はいっ!」ぱぁぁ

池田(キャプテン…私とは部活以外で写真を撮った事なんてないのに…)ぐすっ

藤田「……」ニヤニヤ

池田「…クッ!」ぐしぐし

久「えーっと、ヤスコは何くれるの?」くるっ

藤田「…私だけ言い方がぞんざいじゃないか?」

久「いいじゃない。何かちょーだい♪」にっ

藤田「やれやれ。ほら、コレやるよ」ピラッ

久「…何これ?」

藤田「旅館の宿泊券」

まこ「は?」

藤田「温泉行こう、久」

久「わぁ、いいわねー!」

加治木「なっ!?そ、そんなのいけない!」ガタッ

藤田「あん?何がいけないって?」すぱー

加治木「未成年と二人きりで泊まりがけの旅行だなんて…そんなの普通ダメだろう!?」

藤田「はぁ?何を言ってるんだ、このムッツリは…」フーッ

まこ「いや、いかんじゃろ?」

藤田「あ?」イラッ

美穂子「わ、私もいけないと思いますっ!」

藤田「あん!?」ギロッ

美穂子「うっ…ううっ!」キッ

久「あらあら、みんなどうしたのー?」ヘラヘラ

モモ「…いいんじゃないっすか?」クスッ

加治木「も、モモ?」

モモ「いいじゃないっすか。別にそんなの。そちらの部長サンがどこで誰と旅行行っても、それは自由だと思うっすよ」

池田「そうですよねー」

美穂子「華菜まで…」

池田「個人の問題だと思いますよ。キャプテンが口を挟んだら失礼ですよ」

美穂子「ううっ…」シュン

藤田「ハハッ、初めて意見が合ったな?」ニヤリ

モモ「…あなたに合わせたわけじゃないっす」ぷい

池田「プレゼント渡したなら、さっさと帰ればいいんじゃありませんか?」

藤田「おめえだよ、それは」すぱー

藤田「ま、そういうことで」フーッ

まこ「何がそういうことでじゃ」ガタッ

藤田「ぐちぐちと口を挟むんじゃねえってんだよ。久、適当に日にちを開けておいてくれよ?」

久「んー、でも、みんながそこまで反対するならなぁ」

加治木「!!」
美穂子「!!」
まこ「!!」

藤田「お、おい、お前まで何を…」

久「そうだ!だったらみんなで行きましょ?」にこっ

全員「……は?」

久「みんなで行けば解決でしょ?ね?」にっ

藤田「いやいやいやいや…」

美穂子「め、」

池田「…め?」

美穂子「名案です、上埜さん…っ」

池田(えぇ~っ!?)

美穂子「み、皆さんで行きましょうっ!」あせっ

モモ(あきらかに無理やり言ってる感があるっすね…)

加治木「そ、そうだなっ!」あせあせ

モモ(そして先輩も乗っかるっすね…)

藤田「おいおい…お前らさっきまで反対だったろうが?」イライラ

久「まこはどう?」

まこ「…お前さんは言い出したら聞かんじゃろうが」

久「それもそうね♪じゃあまこも連れてっちゃいましょー」にこにこ

藤田「おい、おい久!おいっ!」

久「はい、けってーい!みんなの空いてる日を見つけて、第二回合同合宿ね~!」にこにこ

藤田「…マジかよ」ガクッ

モモ(調子乗るからっす)プッ

池田(いい気味だし!)プッ

久「ふふっ♪ヤスコには良いプレゼントを貰ったわ!」にぃ

美穂子(上埜さんと温泉旅行上埜さんと温泉旅行上埜さんと温泉旅行…///)くらくらくらくら

加治木(ま、それなりの着地点かな?)フッ

藤田「はぁ…ま、久が喜ぶならそれでいいよ。もう…」がくー

久「まあまあ。温泉ではたっぷり付き合ってあげるから♪」

藤田「マジか!?」スクッ

まこ「ダメじゃそんなもんっ!」

モモ「ちょっと、またぶり返し気っすか!?」

久「え?何がー?」ヘラヘラ

池田「もう絶対わざとだこの人っ!」

久「んー?」

おしまい

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