戦士「あなたが伝説の剣士だな?」(65)
ある田舎の村に、戦士がやってきた。
戦士(かつて戦乱で大活躍し、姿を消した伝説の剣士……)
戦士(彼は長い放浪の果てに、この村で暮らすようになったという情報を掴んだが、
本当の話なのだろうか?)
戦士(とりあえず、村人から情報収集するとしよう)
戦士「ちょっとよろしいか?」
村人「なんでしょう」
戦士「私は西のソード王国からやってきた、戦士という者だ」
村人「おお、あんな遠くの国からやって来られたのですか!
ありがたいことです」
戦士「この村に伝説の剣士がいると聞いて訪ねてきたのだが……本当の話か?」
村人「はい、本当ですよ」
戦士「なんだと!?」
村人「この地方では有名でしてね、あの方を一目見ようと村に来る人は多いんですよ。
しかし、まさかソード王国にまで噂が広まっているとは……」
戦士「……で、伝説の剣士はどこに?」
村人「えぇと……」
村人「おそらく……今の時間は、酒場におられるかと……」
戦士「酒場……」
戦士「(こんな昼間から酒場だと……?)分かった、どうもありがとう」
酒場──
戦士が入ると、まだ昼間だというのに中は盛り上がっていた。
男A「もっと武勇伝を聞かせて下さいよ!」
男B「やっぱりホンモノはちがうなぁ」
女A「剣士さんって面白いわぁ~」
女B「最高~♪」
戦士(こいつら、この村の人間という感じではないな。おそらく観光客だろうな。
つまり──)
戦士は集団の中心にいる人物に目をやった。
戦士(あいつが伝説の剣士か……!)
戦士(にわかには信じがたいが、一人だけ剣を腰に帯びている。まちがいない!)
戦士は集団の中に割って入った。
戦士「悪いがお前たち、少しどいてもらおうか」
男A「なんだアンタ、いきなり……うっ」ビクッ
男B「あ、あっち行こうぜ……」ガタッ
女A「なんなのよ、突然……」ブツブツ
女B「ちぇっ、せっかくいいところだったのに」スタスタ
戦士の並々ならぬ雰囲気に、酔っ払い観光客は退散してしまった。
戦士「あなたが伝説の剣士だな?」
剣士「──いかにも」ゲフッ
戦士「私は、ソード王国では一番の剣の腕と持つといわれていた戦士だ。
ぜひ手合わせ願いたくて、あなたを探してこの村に来た」
剣士「ほう、光栄だね」
戦士「どうだ。この勝負、受けてもらえないだろうか?」
剣士「………」
剣士「俺に挑むってことは、もちろん死も覚悟の上だろう?」
戦士「当然だ」
剣士「いい覚悟だ。分かった、その勝負受けよう」
戦士「ほ、本当か!?」
剣士「ただしその命、今すぐ散らせることもない。この村は静かでいい村だ。
少しくらい、この村で休息を楽しむのも悪くはないだろう」
剣士「勝負は三日後の夜、ということでどうかな?」
戦士(本当は明日くらいには戦いたいが……)
戦士「……分かった。私は挑戦する側だし、酒が入った者と戦う気もない。
それでかまわない」
剣士「ふっ、そうかい」
剣士「じゃあ俺は改めて酒を楽しむとするよ。さぁみんな、寄っといで!」
再び観光客たちと、酒を飲む剣士。
戦士(くっ……こんなヤツが本当にあの伝説の剣士なのか!?)
戦士(とても信じられん……)
戦士(しかし、とにかく勝負の約束はしたんだ……もうここにいる意味はない)
戦士は酒場をあとにした。
戦士が村を見渡すと、剣士目当てであろう客の多さに気づく。
戦士(さすがは伝説の剣士、大したものだ)
戦士(さてと、せっかく三日間あるんだ。情報を仕入れなくてはな)
店──
店員「いらっしゃいませ、ここはおみやげ屋です」
戦士「やはり、伝説の剣士関連のグッズが多いな」
店員「えぇ、あの方は人気がありますから……」
戦士「だが、本人は酒をくらっているようだが?」
店員「まぁ……ここだけの話、あの人けっこう酒癖が悪くて大変なんですよ。
私も何度かあの人に殴られたことがありますしね」
戦士「……分かった、どうもありがとう」
伝説の剣士の影響か、チャンバラ遊びに興じる少年たち。
少年「やあっ、やあっ!」ブンッ
少女「えいっ、えいっ!」ブンッ
戦士「坊やたち、チャンバラごっこかい?」
少年「うんっ!」
戦士「伝説の剣士は好きかい?」
少女「うん、だーいすき」
戦士「どうしてだい?」
少女「あの人、とっても強いのよ」
少年「うん、すっごく強い」
戦士「へぇ……」
少女「今までも、いろんな人がちょうせんしてきたけど、ぜんぶやっつけてるし」
少年「そうそう」
戦士(なんだと!?)
少年「村はずれのおはかに行ってみるといいよ」
戦士「どうもありがとう。仲良く遊ぶんだぞ」
村外れ──
伝説の剣士に挑戦した“敗者”の墓が並んでいた。
戦士「こ、これは……!」
戦士「ブレイド王国の、剣部隊の隊長の名前じゃないか!」
戦士「こっちは“千人斬り”の異名を持っていた傭兵の墓だ……」
戦士「むむっ、この墓に刻まれた名前は“稲妻”と恐れられた達人だ!」
戦士「みんな、世界に名だたる剣士ばかりじゃないか……!」
戦士は冷や汗を流した。
戦士(うむむ、どうやら実力はホンモノのようだ)
戦士(もちろん私とて、あの墓に眠っている者たちに勝つ自信はある)
戦士(──が、念には念を入れて、もっと情報を仕入れた方がよさそうだ)
戦士(とりあえず、村のトップである村長の家に行ってみるか)
戦士(きっと色々情報に詳しいだろう)
戦士(なぜこれほどの腕を持ちながら、この村にいるのか気になるしな)
村長の家──
村長「……なるほど、あの方についてお聞きしたいと」
戦士「ええ、自堕落に見えますが実力はたしかなようです」
戦士「しかし、どうしてこの村にとどまるようになったのかが気になりますので」
村長「………」
村長「……分かりました」
村長「全てをお話ししましょう」
村長「そしてできることなら、あの方を倒して欲しいのです」
戦士「!」
村長「あの方はかつての大戦乱にて多大な功績を残したにもかかわらず、
戦後はあてもなく旅をしていたのことです」
村長「そして、この村に流れ着き、定住したまではよかったのですが……」
村長「もうご覧になったかもしれませんが、
酒場に毎日入り浸り、どんちゃん騒ぎをし、ツケも払わない有様のようで……」
村長「私どもとしても、ほとほと困り果てているのです」
村長「かといって、剣の強さだけはホンモノなので追い出すこともできません」
戦士「なるほど……」
村長「ところで、勝負の日はいつなのですかな?」
戦士「三日後です」
村長「そうですか……」
村長「よろしければ、私の家で特訓をしませんか?」
戦士「特訓?」
村長「私もかつては兵士として従軍した過去がございまして、
練習相手くらいにはなると思います」
村長「それに、あの方の剣のクセも知っています」
村長「いかがでしょうか?」
戦士(向こうは私のことを知らない……にもかかわらず、
ここで村長から情報を教えてもらうのは少々アンフェアかもしれない)
戦士(だが、多少剣のクセを知ったくらいで優位に立てる相手とも思えんし……)
戦士(なにより村人を困らせているのは事実だ……)
戦士(誇り高きソード王国の人間としても、ここは放ってはおけないな)
戦士(ならば、勝率を上げておくことも必要だ)
戦士「分かりました、ぜひお願いしたい」
村長「おおっ、全力でサポートしますので、あの方をなんとか倒して下さい」
戦士「はい」
村長家の庭──
木刀を持ち、構える戦士と村長。
村長「あの方の剣技はとにかく速いんです」
村長「先手必勝という感じで、瞬時に相手に近づき、斬る……」
村長「これまでの挑戦者もテクニックに関してはあの方よりも上だったかもしれませんが、
あの速さの前では無意味でした」
村長「剣の勝負は、最初に一撃入れた方がほとんど勝ちますからね」
村長「あの速さで一撃入れられてしまえば、もう逆転の可能性は皆無です」
戦士「なるほど……」
村長「だからこそ、私はそこにつけ入るスキがあると考えます」
戦士「ほう?」
村長「不可避の神速の一撃目さえ凌いでしまえば……」
村長「スキができると思うのです」
戦士「思う、というのは?」
村長「あの方の一撃目を防いだ剣士は、今までおりませんから」
戦士「………」
戦士(なるほど謎が解けた)
戦士(おそらく剣士は天性の瞬発力を持っているのだろう)
戦士(テクニックは少しサボればどんどん落ちてしまうが、
先手必勝という単純な戦術ならば、あんな自堕落な生活をしていても
影響が少ないのだろう)
戦士(しかし、単純がゆえに破ることも難しい)
戦士(私もスピードには自信があるが、おそらく私より速いハズ)
戦士(なんとしても一撃目を防ぐ覚悟で臨まねば……命を落とすことになるだろう)
村長との特訓が始まった。
といっても、村長が可能な限り全速で仕掛ける攻撃を防御するだけだが。
村長「とあーっ!」ビュッ
戦士「ぬっ」ガッ
村長「せりゃー!」ビュッ
戦士「ほっ!」ガッ
村長「だりゃー!」ビュッ
戦士「はっ!」ガッ
村長「今日はこのくらいにしておきましょうか」ハァハァ
戦士「そうですね」
戦士(やはり、この人では鍛錬の相手にはならないな……)
戦士(年の割には動けることは認めるが、やはり私より数段遅い)
戦士(まぁいい、伝説の剣士の戦法が知れただけでも良しとしよう)
村長「ところで、もしまだ宿が決まっていなければ、泊まっていきませんか?」
戦士「よろしいのですか?」
村長「ええ、ミーハーな観光客とちがってあなたは骨がありそうで。
ぜひ色々お話を聞かせて下さい」
夜になった。
村長の家──
戦士「すいません、ご馳走までしていただいて」
村長妻「いえいえ、田舎の味でお口に合わなかったかもしれませんが」
戦士「とてもおいしかったです」
村長「さて、戦士さん。さっそくあなたのお話をうかがいたい。
いったいなぜ、あの伝説の剣士に挑む気になったのですかな?」
戦士「私はある王国で戦士として働いておりました」
戦士「数々の武功を上げ、剣術大会でも優勝を果たしました。
いつしか国内に私の相手となる人間はいなくなってしまいました」
戦士「そして私は王国軍を辞し、旅に出ました。強い敵と戦うために……」
村長「そうだったのですか……」
村長「強すぎるというのも、なかなか不便なものなのかもしれませんな」
戦士「い、いえ、強すぎるなどということは……」
村長「もしよかったら……」
村長「あの剣士などと戦わず、この村で暮らすというのはどうですか?」
村長「私の見立てではあなたとあの剣士様はおそらく五分五分。
つまり、命を落とす可能性も十分あるのです」
村長「私にとっては、あの剣士様が好き勝手に村で暮らすよりも
あなたのような偉大な戦士を失う方が辛いのです」
戦士「お心遣い感謝いたします」
戦士「しかし、すでに私の心は彼との勝負にときめいています」
戦士「たとえ命を失うことになろうとも、私は彼と戦います」
村長「分かりました。では私はいうことはありません。
また明日も、鍛錬を行いましょう」
翌日、翌々日と、村長と戦士は鍛錬を行った。
村長「ここまでとしましょう」ハァハァ
戦士「ありがとうございました」
村長「さて、いよいよ決闘は明日です。ご武運をお祈りいたします」
戦士「ええ、必ず勝ちます」
戦士(正直、この二日間で得るものは少なかったが……村長の想いを無駄にはしない!)
一方──
剣士「酒だ、酒を持ってこい!」
女A「伝説の剣士様、明日は決闘らしいけど平気なの~?」
女B「剣士様が負けちゃったらやだ~」
剣士「ふははは、俺が負けるわけないだろ!」
剣士「俺の神速の剣は無敵だ!」
そして当日──
村長妻「本当に食事はよろしいの?」
戦士「ええ、戦いがある日は取らないことにしているんです」
村長妻「では、お水だけでも」
戦士「ありがとうございます」ゴクッ
村長「いよいよ今日ですか……」
戦士「村長、あなたにはお世話になりました」
戦士「そのご恩に必ず応えてみせます!」
戦士は一人きりになると、ソード王国に伝わる戦いの儀式を行う。
戦士「我が剣に誓い──」
戦士「陛下に誓い──」
戦士「父母に誓い──」
戦士「戦友に誓い──」
戦士「恩人に誓い──」
戦士「必ずや、敵を打ち砕くっ!」チャキッ
夜になった。
決闘は、誰もいない村外れで行われることになった。
剣士「待っていたぞ」
戦士「伝説の剣士、あなたと戦える日を夢見てきた」
剣士「ふっ、そうか。だが、君は俺に一撃も当てることなく敗れるだろう」ザッ
戦士(来る……!)
戦士(相手のどんな小さな挙動も見逃すな! 一撃目を防ぎさえすれば、勝てる!)
全神経を、剣士の動きに向ける戦士。
なにせ相手は神速、油断していたらバッサリということにもなりかねない。
戦士(速さで負けている以上、先手は不利……)
戦士(相手の攻撃を防御したスキを突くしかない!)
戦士(さぁ、かかって来い……)
戦士(来い)
戦士(来い!)
戦士(来い!!)
戦士(来い!!!)
ザシュッ!
戦士「ぐあっ……!?」
戦士(き、斬られた……!?)
戦士の脇腹から血が噴き出た。
剣士「………」
戦士(バ、バカな……あいつは一歩も動いてない、はず……?)
戦士「ぐっ!」
戦士はひとまずその場から飛びのいた。
ザンッ!
すると、今度は肩口を斬られた。
戦士「あぐぅっ!?」
剣士「………」
戦士(まただ! いくらなんでも速すぎる!)
ズシャッ!
足を斬られた。
戦士「があっ!」
戦士(こいつ、まさか斬撃をかまいたちのように飛ばしているのか!?)
戦士(もはやこれは剣術なんてものじゃない、妖術だ!)
戦士(だが、妖術だろうとなんだろうと、破らねば負ける!)
戦士は目の前の剣士に集中するのを止め、全方位に注意を払うことにした。
戦士(見切れ……)
戦士(たとえ妖術といえど、必ず攻撃の際は予兆があるはず!)
スッ
戦士(来た!)
シュッ!
戦士「くぅっ!」サッ
さすがはソード王国で一番だった戦士である。
わずかな空気の揺らぎから、斬撃をかわすことに成功した。
戦士(かわせた!)
戦士「よし、ここから反撃──」
ここでようやく戦士は斬撃の正体を目にする。
少年「ちぇっ、失敗しちゃった」
戦士「!?」
戦士「君はチャンバラをしていた……」
戦士「なんで君が──!」
ヒュッ!
戦士(こっちからも攻撃が……!)
少女「うまく避けたわねぇ」
黒い服を着て、顔面を真っ黒に塗った少年と少女。
戦士(こ、これはどういうことだ!?)
戦士(まさか……さっきの攻撃はこの子たちが……!?)
さらに──
シュッ!
戦士「うっ!」サッ
店員「ちっ、惜しい」
戦士(こいつは、みやげ屋の店員!?)
シュバッ!
戦士「くぅっ!」サッ
村人「くそっ!」
戦士(今度は……最初に会った村人!?)
やはり二人とも、夜の闇に紛れるため黒い服を着て、顔を黒く塗っていた。
剣士「………」
戦士「くっ……村人たちに助太刀を頼んだのか!? 卑怯なっ!」
剣士「………」
剣士は申し訳なさそうにうつむいたまま、何も話さない。
戦士「なんかいったらどうだっ!」
すると──
ザッ
村長「さすがですな。四人がかりの不意打ちもかわすとは、
これまでの挑戦者で一番かもしれません」
戦士「村長っ!?」
村長「やれやれ、四人で十分だと思っていましたが、少し甘く見ていたようです。
もっと人数を集めておくべきでしたかな」
村長「お前たち、さっさと片付けてしまえ」
少年&少女&店員&村人「はいっ!」
戦士「くっ!?」
四対一にて、激しい攻防が繰り広げられる。
戦士(傷を負ったとはいえ、この私がたかが子供と村人にどうしてこうも手こずる!?)
戦士(こいつら、的確に私の苦手な角度から攻めてくる!)ハッ
戦士「ま、まさか、村長っ!」
村長「この三日間の特訓で、あなたの防御のクセは読み取らせてもらいましたよ。
むろん、彼らにもどう攻めればいいかを伝えてあります」
戦士「くうっ!」
戦士(私はソード王国一の戦士だ……いかにクセを見抜かれてようと──)
戦士「こんなところで負けるかぁっ!」
苦手な角度からの攻撃に、懸命に対処する戦士。
戦士「うおおおおっ!」
キィン! カキン! ギィン! ギンッ!
店員「うぅっ!」
村人「ぐっ!」
少年「わあっ!」
少女「きゃっ!」
戦士「王国にいる時から、この程度の危機はいくらでも乗り越えてきた!
さぁかかって──」
戦士「うっ!?」
戦士「がっ……(か、体が……!?)」
村長妻「さっきの水に混ぜたしびれ薬がようやく効いてきたみたいだね。
料理に混ぜた方が確実だけど、まさか手をつけないとは思わなかったし」
戦士「ぐううっ……!」
戦士「け、剣士……お前ほどの……剣の達人、が……な、なぜ……こんなことを……」
剣士「………」
村長「こいつはただの客寄せパンダですよ。剣などまったく振るえません」
戦士「な、にぃ……」
村長「あなたに話したことは一応は本当です。
かつて伝説の剣士はこの村にいて、噂を聞きつけた観光客で村は潤いました」
村長「ところが、“こんな見世物みたいな扱いはごめんだ、村を出る”と
いいだしたんです」
村長「村人総出で説得しましたが、彼の決心は変わりませんでした。
腹を立てた我々は、全員で不意打ちを仕掛けました」
村長「さすがに何人かは斬り殺されましたたが、我々は彼を殺害することに成功しました」
村長「そして、姿が似ていたあいつを伝説の剣士の代わりにしたわけです。
全ては村のためなのですよ」
戦士「あんたら……ずっとこんなことをやってきたのか!」
村長「はい。初めて伝説の剣士に挑戦者が来た時は焦りましたが、
徐々に慣れてきましてね」
村長「まず試合を数日後に設定し、村人に伝説の剣士の強さを語らせ不安を煽り、
私を訪ねてきた挑戦者を特訓してやり、防御のクセを見抜く」
村長「そして当日、私の嘘を信じて最初の一撃目を防ごうと集中する挑戦者を
村人たちの不意打ちで片付けるという仕組みなのです」
村長「保険として、妻に秘伝のしびれ薬を飲ませることも忘れずにね。
今までは、薬の効果を待たずに斬り殺すことができていましたが、
あなたは我々の想定よりお強かった」
村長「さてと、もうよろしいでしょう?」
戦士「!」
村長「伝説の剣士の正体は、私たち村人全員だったということです。
あなたのおかげで、伝説の剣士の武勇伝がまた一つ増えますよ」
~
「ソード王国の戦士が伝説の剣士に挑戦して、負けたらしいぞ」
「まだそんな身の程知らずがいたんだな~」
「でも、さすがだな。伝説の剣士はまったくの無傷だってさ」
「今度、その村に旅行に行って、サインでももらおうぜ!」
「それもいいな。けっこうバカンスにちょうどいい村らしいし」
おわり
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