向日葵「今度は何の勝負ですの?」ハァ
向日葵(どうせまたくだらない事ですわね)
櫻 子「来週の英語の実力テスト!」
向日葵「はあ?! 櫻子、あなた正気ですの?」
櫻 子「当たり前じゃん!」
向日葵「きっと熱がありますのね? そうに違いありませんわ」
櫻 子「いや、健康だって」
向日葵「ほら、保健室いきますわよ!」グイグイ
櫻 子「あっちょっと! 痛いから引っ張るなって」
向日葵「あなたから勉強で勝負を挑んでくるなんて、病気以外に考えられませんわ!」
櫻 子「だーーっ! もう! 大丈夫だって」
向日葵「ですが……」
櫻 子「とにかく! 負けた方は勝った方の言うことを何でもひとつ聞くこと! いい?」
向日葵(櫻子を自由に……そんなこと恥ずかしくて出来ませんわ//)
向日葵「///それはいいですが……ホントに大丈夫なんですの?」アセアセ
櫻 子「どんだけ下に見てんだよ!」ガーッ
向日葵(これは千載一遇のチャンスですわね)
向日葵「まぁそんなに言うのなら、受けてたちますわ」
櫻 子「ふっ 後悔するなよ」
向日葵「その言葉、そのままお返しいたしますわ」
【テスト前日・櫻子の部屋】
ガサゴソ……
櫻 子「じゃ~ん! 千歳先輩に借りた問題用紙アーンド模範解答!」
櫻 子「あの先生、めんどくさがって毎年出題の順番を変えるだけらしいからね」
櫻 子「これを暗記すれば向日葵に勝てる!」
櫻 子「ええと……次の英文を日本語に訳せ。いきなりかよ! 普通単語とかだろ」
1)It may rain tomorrow.
櫻 子「イット マイ? ライン トモ…あ、トゥモロー」シーン
櫻 子「さ、さて……答え答え」
櫻 子「明日は雨が降るかもしれない。なるほど、かもしれない、かもしれない」
2)May I borrow this book?
櫻 子「私はー…この本、かもしれない?」
櫻 子「絶対ちがう気がする。えっと、この本を借りてもいいですか?」イラ
櫻 子「ややこしいわ!」
3)Try as you may, you will never win first prize.
櫻 子「長っ! これの答えは~」
櫻 子「どんなに頑張っても君に一等賞は獲れない……」イライラ
櫻 子「絶対勝つ! 見てろよ~向日葵!」ガーッ
ガチャ
花 子「櫻子! ご飯できたし! って机に向かって何してるし」
櫻 子「勉強!」
花 子「嵐が来るし」サァー
【翌日】
櫻 子「完・璧!」
向日葵「やけに自信ありげですわね」
櫻 子「謝るなら今のうちだよー」ニヤニヤ
向日葵(あの自信……私としたことが、少し不安になってきましたわ)
向日葵(ですがここで折れたら、今後の示しがつきませんし……)
櫻 子「負けたら何でも言うこと聞く約束だからな!」
向日葵(そもそも負けるなんてあり得ませんわ)
櫻 子「さてさて、向日葵には何してもらおうかな~」ニヤニヤ
向日葵(負けたら櫻子に自由にされる……)
向日葵(そんなっ///いけませんわ//)
櫻 子「聞いてんのか向日葵ー」ガー
向日葵「き、聞いてますわよ///」
【テスト終了後】
櫻 子「終わった……全て終わった」チーン
向日葵「その様子だと、私の勝ちのようですわね」
櫻 子「くそぅくそぅ」
向日葵「キャラ変わってますわよ…」ハァ
向日葵「そもそも、なんで勉強で勝負を挑んで来たんですの?」
櫻 子「うっ……それは」シラー
向日葵「……」ジトー
櫻 子「いやその、実はね…」
生徒会】
櫻 子「くそ~どうすれば向日葵に勝てるのか…」
千 歳「なんでそんな勝ちたいん?」
櫻 子「だってこうも負けっ放しだとムカツクじゃないですか」
千 歳「相変わらず負けず嫌いやなぁ。せやったら、これなんてどうや」ピラ
櫻 子「テスト……ですか?」
千 歳「せやせや」
櫻 子「って訳でして」
向日葵「今年から教科書代わりましたのよ」ハァ
櫻 子「げ! だから全然違う問題だったのか」ショボン
向日葵「自業自得ですわ」
向日葵(ですがこれで櫻子を……///)プシュー//
櫻 子「う~…なんでもなんて言うんじゃなかった。あんまし変なことは禁止ね」
向日葵「ふぇっ///べ、別に変なことなんて考えてないですわ//」
櫻 子「?」
向日葵「い、いえ。何でもありませんわ」
向日葵(冷静に、冷静になるのですわ私)
向日葵「それでは週末に、その…私とデ――…買い物に付き合ってくださいな」
向日葵(私のバカ~)
櫻 子「え? それだけでいいの?」
向日葵「えぇと、で、では荷物持ちもお願いしますわ」
櫻 子「オッケーオッケー!」
向日葵(う~これでは櫻子との距離が縮まりませんわ……)
【週末】
向日葵(きょ、今日こそ言いますわ//)ソワソワ
向日葵(櫻子に…///好きって//)カァ~
向日葵(で、でももし断られたら……女の子同士なんて気持ち悪いとか…)シュン
櫻 子「そろそろバス降りるよ」
向日葵(嫌われる事だけは避けなくてはいけませんわ)ソワソワ
櫻 子「向日葵?」
向日葵(ああぁ…もうどうすれば良いんですの)ソワソワ
櫻 子「おーい」
向日葵(そうですわ。昔みたくさーちゃんって呼べば////櫻子も//)
櫻 子「ひまちゃん!」
向日葵「ひまっ――あ、さ、櫻子?」ドキ
櫻 子「さっきからそわそわしすぎ! 子供か!」
櫻 子「ほら! もう降りるよ」//
向日葵(き、聞き違いですわよね//)
【市街】
櫻 子「でさ、今日は何買うの?」
向日葵「もうすぐ春ですので服でも見ようかと」
櫻 子「あ、じゃあ私も買う!」
向日葵「いいですわよ。でも、荷物持ちはしっかりしていただきますわよ」
櫻 子「大丈夫大丈夫!」
櫻 子「あ、そうだ! この辺って、この前新しい喫茶店でたんだって」
櫻 子「後で行ってみよ?」キラキラ
向日葵(ムード的に買い物より、お茶の時に告白した方がいいですわよね///)
向日葵(告白///あ、あぁぁ//冷静になるのですわ向日葵!)
向日葵「ええ。でも買い物が先ですわよ」
櫻 子「やったー」
【服屋】
向日葵「あ、これ可愛いですわ。櫻子、どうでしょう?」
櫻 子「お~似合う似合う」
向日葵「そう素直に褒められるとなんだか照れますわ//」
櫻 子「こうしてるとさ、なんかデートみたいだよね//」
向日葵「で、デートって…急に何言い出すんですの///」カァァ
向日葵(れ、冷静に!冷静になるのですわ///)
櫻 子「だって一緒に買い物して、お茶してってデートじゃん」
向日葵「べ、別にデートじゃなくてもそのくらい普通ですわ//」
櫻 子「そっかなぁ~ あ、向日葵! これなんてどう?」
向日葵「あら、いいですわね。似合ってますわ」
向日葵(今日の櫻子、なにか変ですわ//)
向日葵(お洋服選びで"おっぱい禁止"がでないなんて天変地異ですわ)
櫻 子「そう? じゃ、これ買おっと」
櫻 子「あ、向日葵。せっかくだしお揃いにしようよ!」
向日葵「お揃っ////」プシュー
向日葵「ど、どうしたんですの櫻子?」
櫻 子「どうって?」
向日葵「ですからその…お揃いとか…」
櫻 子「だってこの服可愛いし、向日葵も似合うよ」
櫻 子「向日葵は嫌?」シュン
向日葵(こ、この櫻子は反則ですわ///)カァァ
向日葵「嫌なわけありませんわ!」
櫻 子「あ…///」カァ
向日葵(なんでそこで赤くなるんですの!!)//
向日葵「///これを買ったら喫茶店、行きますわよ//」
櫻 子「///」コクン
【喫茶店】
店員I「いらっしゃいませ~」
店員K「こちらへどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください」
櫻 子「……」//
向日葵(…最高に気まずいですわ)
向日葵(しかもお客さんが私たちだけ…)
櫻 子「…えと、向日葵は何にする?」
向日葵「あ、で、ではセイロンティーで」
櫻 子「オッケー すいませーん」
店員K「はい」
櫻 子「セイロンティー2つお願いします」
店員K「かしこまりました」
向日葵「…」
櫻 子「…」モジモジ
向日葵(気まずいですわ…これじゃ告白なんて)
向日葵(そうですわ。ムードを作りませんと)
向日葵「さ、櫻子…」ハンキョー
向日葵(なっ! 私の声が跳ね返って余計に恥ずかしいですわ//)
向日葵(このお店、なんでお茶時にガラガラですのよ~///)
櫻 子「な、なに?」モジモジ
向日葵「その…この間のテストですけど…」
櫻 子「う…」ビク
向日葵(って私なに言ってるんですの! これではムードぶちこわしですわ)
向日葵「いえ、あの――」
櫻 子「ごめん! その、ずるして勝とうとして…」
向日葵「櫻子…そんなこと気にしてませんわ」
櫻 子「ありがと。向日葵」グスン
向日葵「さ、櫻子、ホントに気にしてませんから…」アタフタ
向日葵(あぁぁああ! もう修正不能な域に達してますわ)
店員I『ふふ…さらさちゃん。2人にアレも出してあげて』
店員K『はい。アレですね』
店員K「お待たせしました。セイロンティーになります」コト
店員K「それと、こちら新作のケーキ。サービスです」コト
向日葵「あ、ありがとうございます。櫻子、とりあえずいただきましょう」
櫻 子「うん」
向日葵「モグモグ……美味しい」
櫻 子「うまっ! 向日葵! これうまい!」キラキラ
向日葵(店員さんに感謝ですわ)
向日葵(櫻子の機嫌が直ったとこで…告白///ですわね)
向日葵(告白///思えば私、告白なんてしたことありませんわ)
向日葵(なんて言えば…)アセアセ
櫻 子「向日葵? これ食べないならもらうよ~?」ウマウマ
向日葵(ええぃ…こうなったらヤケですわ!)
向日葵「櫻子!」
櫻 子「ムグっ……ごめん、やっぱ食べるよね」
向日葵「え?」
櫻 子「…私のかじりかけ良ければ…」アーン
向日葵「なっ……////////」
向日葵「///」パク
櫻 子「///」モジモジ
向日葵「コホン//気を取り直して…」
向日葵「櫻子! えぇと、その」
向日葵「私、櫻子のことが、す、好きですわ! ///」
櫻 子「……」
向日葵(う…やっぱり引きますわよね)シュン
櫻 子「……」ポロポロ
向日葵「あぁ~櫻子、その、今のは――」
櫻 子「私も…向日葵のこと好きだよ」グス
向日葵「え…」
櫻 子「私も好き!」
向日葵「櫻子…」
店員K『///』イイナー
店員I『ふふ』ニコニコ
櫻 子「とりあえず出よっか///」カァァ
向日葵「そう、ですわね////」プシュー
店員K「ありがとうございました~」
・
・
・
櫻 子「手。繋ご?」//
向日葵「いいですわよ//」ギュ
向日葵「///」
櫻 子「でもさ、まさか向日葵から告られるとは思わなかったな~」
向日葵「う…」
櫻 子「今日は私から告白するつもりだったし」
向日葵「そ、そうだったんですの?」
櫻 子「だけどなかなか言い出せなくて」
向日葵「わ、私だってすごく恥ずかしかったんですのよ」
櫻 子「うん。だからあの時はすっごく嬉しかった///」
向日葵「~~//」カァァ
櫻 子「だから次は私の番ね!」ビシ
櫻 子「向日葵、私と付き合ってください!」カァ
向日葵「///もちろんですわ」グス
櫻 子「な、泣かなくてもいいじゃんか」
向日葵「櫻子だって泣いてましたわ」
櫻 子「それは…まぁ置いといて、晴れて恋人同士だし///キス//とか?」
向日葵「っ!///////」コクン
終
長々とお付き合いありがとうございました。
初SSなので至らぬところもあったと思いますが
生暖かい目でスルーしてください。
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