地球侵略を目論み異世界から突如現れた暗黒邪竜魔神帝王の前に、なす術もなく窮地に陥る人類最後の希望の光である朱刃 皇(しゅじん こう)。
二人の名前は二秒ぐらいで考えました。
「やらせはせん、やらせはせんぞ! あqwせdrftgyふじこlp; 」
暗黒邪竜魔神帝王と対峙するだけで全身が震えて一歩も動けず、言葉を発することすらままならない。
それは決して皇がコミュ症だからという理由だけから生じているわけではない(が、理由の大半はそれである)。
脅えているのだ、暗黒超竜魔神帝王との絶望的な力の差に。
そして、深夜アニメを録画し忘れ今から帰っても絶対間に合わないという最悪の事実に……。
暗黒邪竜魔神帝王は邪悪な笑みを浮かべながら、右の手のひらに魔力を集中させる。
「ダークネスブレイジングヘルカオスボルトver.Ω」
放たれた、作者が考えた超かっこいい技。かすっただけで死ぬし、絶対避けれない。
──もうダメぽ。
全米がそう思ったときだった。
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「お兄ちゃん、朝だよ~」
胸の辺りがこそばゆくなるような甘ったるいロリヴォイス(CV:田村ゆかりさん希望)に、意識は別の世界へ誘われる。
「嫁か……」
嫁ではない。
夢と言いたかったのかもしれないが、動揺のあまり意味不明の言葉が発せられた。
悪夢から醒めた安堵の為か涙が出てくる。
皇はどさくさに紛れて愛しい妹の胸に顔をうずめた。柔らかさはあるが、ほとんど平べったい。
だがそれがいい。
少女のぬくもりで、また余計に涙が出そうになった。
「お……おおおっ、お兄ちゃん!? どうしたの!?」
「手前にもわかりませぬ」
突然かぶきだした兄にパニックになる妹ちゃん。好きなヒロインの名前を付けてあげてね。
彼女と主人公は血のつながらない兄妹であり、恋する妹はせつなくてお兄ちゃんのことを思うとすぐに×××しちゃうということは作者と読者の暗黙の了解であり、もはや世界の常識である。そして、パンツを見せることは大宇宙の誇りである。
彼は最愛の妹の瞳を正面から見据え、柔らかな髪を優しく撫でながら静かに──しかしながら確かな意志をこめて口にした。
「一万年と二千年前から愛してる。あなたと合体したい」
「お兄ちゃん……素敵、抱いて(きゅん)」
赤い実はじけた。
おいおい、来たと思ったらもう終わってるのかはえーな
>>4
まだもうちょっとだけ続くんじゃよ
これまで人を──降り注がれる愛情を、彼はずっと避け続けていた。
失うことを恐れて。傷つくことが怖くて、ずっと逃げ惑っていた。
そう、それは(なにか悲しいエピソードが入ります)だったから……。
彼の胸の時計は、あの日で時間を止めたままだった。
だが、もう決して逃げない。相手の気持ち、それに自分の気持ちと正面から向き合っていく。そう決心したのだ。
少女の双瞼から流れ出る雫石。拭うたび、次々と新しいものがこぼれていく。こぼれるたび、何度も何度も拭ってやる。ぺろぺろ、妹汁美味しいです。
「私はもう、一人じゃないの? 今の私は、あの(なにか悲しいエピソードが入ります)で独りぼっちの私とは違うの……?」
少女が擦れた声で呟くと、少年は無言で頷き彼女を力強く抱き寄せた。
らぶらぶちゅっちゅする為に。
イベントCGを回収する為に。
そして──
「おにいちゃんらめぇぇぇ──……ハッ、ドリームか!」
少年は自室のベッドで目を覚ました。
ついでに彼は一人っ子で童貞だった。
銀河の歴史がまた一ページ……。
HAPPY END.
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