姉「彼女がほしい?この軟弱ものがぁ!!」 (11)
男「でも俺だってもう高校生だし・・恋人の一人くらいほしい」
姉「高校生になったらどうして恋人が欲しくなるんだ?」
姉「私はそんなものいないし、できたこともないぞ?」
男「う・・それは姉さんがおかしい」
姉「私が何だって?」ギロ
男「うう・・・なんでもない」
姉「ふん・・思ったことも言えないのかお前は」
姉「この臆病者」
男「ううう・・・」
妹「それで?どうでした?」
男「だめだった・・・彼女なんて軟派な物作ったら駄目だって」
妹「ふむ・・・そうですか・・」
妹「やはり私が直接言ったほうがいいですね」
妹「兄さんと私の交際を認めなさい!」
男「俺は彼女を作りたいのであって」
男「お前と、どうこう。というわけではないんだよ」
妹「そうだったんですかぁ!!!」
男「そんなにびっくりするなよ。わかってるだろ」
妹「そうですか」
妹「てっきり私と交際をしたいがたいめに」
妹「最近彼女が欲しいとか、騒いでるのかと思ってました」
男「違うよ。何が悲しくて妹とそんな関係にならなきゃいけないんだ」
妹「良いじゃないですか。近親相姦上等!」
男「俺は嫌だよ」
妹「へたれですね。知ってましたけど」
男「へたれとかじゃなくて、別にそういう関係にもなりたくないんだよ」
妹「え・・・?」
男「そんな切なそうな顔するな」
妹「姉さん姉さん」
姉「ん・・?」
姉「妹か。何だ?」
妹「はい。質問がありやってきました」
妹「どうしてあの愚兄は彼女を作ったらだめなんです?」
妹「別に恋人なんて、今時高校生なら普通じゃないですか」
姉「妹から質問があると言うから何かと思ったら」
姉「男のことか。相変わらず仲が良いな」
妹「いえいえ。それほどでも」
姉「質問の答えだが」
姉「恋人などいつでも作れるだろう」
姉「だが学校生活には限りがある」
妹「ふむふむ」
姉「そんな限りのある学生生活を恋人と過ごして終わり」
姉「なんて退廃的じゃないか」
姉「学生である内は、心身ともに鍛えるべきだ」
妹「まぁ言いたいことは分かりました」
妹「でもそれは決め付けでは?」
姉「そうだな。正直」
妹「?」
妹「決めつけなんですか?」
姉「私は男のことが心配なんだ」
姉「あいつはだらしないからな」
妹「つまり姉の愛情と?」
姉「そうだな。都合よく言えば」
妹「都合良く?」
姉「私は目の前にいる人間が怠惰していくことが嫌だ」
姉「さすがに第三者にまで、私の考えを押しつけることはしないが」
姉「弟である男にはやはり立派な奴になって欲しいという勝手な願望も少しはあるんだ」
妹「ふーん。なるほど。そうですか」
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