杏子「さやかが消滅してもうひと月か…」(127)
杏子「早いもんだな」
マミ「そうね…未だに、魔獣との戦いの時になるとどこからか美樹さんが現れるんじゃないかって思うことがあるわ」
ほむら「……」
杏子「こうして、形だけの墓は作ってやったけど…虚しいもんだな」
マミ「美樹さん…どうかゆっくり休んでね……」シュボッ
杏子「………」
マミ「………」
杏子「さ、お参りも終わったし、帰ろっか」
マミ「ええ、そうしましょう」
ToLOVEる×まどか
ヴァンパイア十字界×まどか
blackcat×まどか
CODE:BREAKER×まどか
吸血殲鬼ヴェドゴニア×まどか
PHANTOM OF INFERNO×まどか
天使ノ二挺拳銃×まどか
ヴァンパイア十字界×まどか
鬼哭街×まどか
Claymore×まどか
スレイヤーズ×まどか
鬼切丸×まどか
真・女神転生CG戦記ダンテの門×まどか
鬼畜王ランス×まどか
鬼切丸×まどか
エヴァ×まどか
ガンダムW×まどか
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破
誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
住宅街―――
杏子「そういや、さやかが魔法少女になった時に助けた男って、今はどうしてるんだ?」
ほむら「上条恭介のことね。彼なら、無事退院して今は学校に復帰しているわ」
杏子「恋人にはなれなかったとは言っても、そいつはさやかの親友だったんだろ?」
ほむら「そうみたいね。わたしも彼のことは詳しくないのだけれど」
杏子「そいつはさやかのこと、どう思ってんのかな……」
マミ「一応、世間的には美樹さんは行方不明ということになっているわ。上条さんも、心配しているんじゃないのかしら?」
ほむら「………」
杏子「そいつ、さやかが死んだって知ったらどう思うのかな……」
マミ「親友ですもの、やっぱり悲しむでしょうね」
杏子「……なぁ、ほむら」
ほむら「何?」
杏子「そいつにはさ、ちゃんと説明してやった方がいいんじゃねえのかな?」
ほむら「上条恭介に?」
杏子「ああ。」
ほむら「説明って……魔法少女のこととかも、全てってこと?」
杏子「ダメか?」
ほむら「信じてもらえないと思うわよ?」
杏子「そんときゃそん時だ」
マミ「そうね、わたしもそれには賛成よ」
ほむら「……わかったわ。明日、学校で上条恭介に声を掛けてあげる。ただし」
杏子「なんだよ?」
ほむら「言い出したのはあなたなんだから、あなたが責任を持って彼に全てを説明してあげなさい」
杏子「ああ、わかった。明日の放課後、公園で待ってる。そこまで来てくれるように、伝えてくれ」
ほむら「ええ、わかったわ」
翌日、学校―――
ほむら「上条恭介」
恭介「ん?あ、えーと……暁美さん、だったっけ」
ほむら「ええ、暁美ほむらよ。ほむら、」
恭介「うん、ほむらさん。それで、僕になにか用?」
仁美「………」ギュッ
ほむら「……ごめんなさい、志筑さん。上条くんと二人で話したいことがあるの。席をはずしてもらえないかしら?」
仁美「え、あ……」チラッ
恭介「僕なら大丈夫だよ」
仁美「……わかりましたわ」
屋上―――
恭介「それで、話って何かな?」
ほむら「…美樹さやかが行方不明になっているのは知ってるわね?」
恭介「! ほむらさんはさやかのこと、何か知っているの?」
ほむら「ごめんなさい、わたしの口から説明は出来ないわ。今日の放課後、公園であなたのことを待っている人がいるわ。そこまで行ってあげてほしいの」
恭介「……どういう、こと?」
ほむら「あなたと話がしたいって人がいるの。大丈夫よ、あなたにはちゃんと彼女がいるってことも知っている人」
恭介「その人が……さやかのことを知ってるってこと?」
ほむら「ええ。美樹さんのことを知りたかったら、そこまで行ってあげて。悪いようにはしないから」
恭介「………」
放課後―――
仁美「さあ、恭介さん、帰りましょう?」
恭介「ごめん、仁美さん。この後、ちょっと用事があるんだ。先に帰っていてもらえるかな?」
仁美「……今朝、暁美さんと二人で話した事と、関係のあることですの?」
恭介「…うん。さやかのことを知りたかったら、放課後公園まで来てくれ、って」
仁美「さやかさん!?彼女、見つかりましたの!?」
恭介「そういうわけじゃないと思うんだけど……何かを知っている風だったから」
仁美「わたくしも一緒に行ってはダメなのでしょうか?」
恭介「僕にだけ話すってことは、何か意味があると思う。だから、僕一人で行くことにするよ」
仁美「わかりましたわ。それでは恭介さん、また明日」
恭介「ごめん、仁美さん」
公園―――
杏子(考えてみりゃ、さやかの惚れた男に直接会うのは初めてなんだな)モグモグ
杏子(どんな色男が来るんだ……?)モグモグ
恭介「……公園のどこに行けばいいのかがわからない……」
恭介「ん?ベンチに座ってる人がいる……。あの人、かな?」
杏子「……ん?」モグモグ
恭介「こ、こんにちは」
杏子「誰だ、お前?」モグモグ
恭介「えっと……上条恭介、です」(ちょっとガラが悪い……)
杏子「! お前が上条恭介か!」
恭介「僕の名前を知ってるってことは……ほむらさんが言っていたのは、やっぱりあなたのことですね」
杏子「ああ、待ってた。っと、自己紹介しないとな。あたしは佐倉杏子。杏子でいい」
恭介「はい。僕のことも、恭介でいいですよ」
杏子「敬語なんか使わなくていいって。タメ口で話してくれ、こっちの肩がこっちまう」
恭介「はい…あ、いや、うん。隣、座ってもいい?」
杏子「ああ。」スッ
恭介「……」ストンッ
ほむら(お膳立てはしてあげたわ、佐倉さん。あとはあなた次第よ)
マミ(とか言って、こうして木の陰に隠れてるってことは、あなたも少なからず心配してるってことじゃないの)
ほむら(あ、当たり前でしょ。一般人に魔法少女のことを話すなんて、心配じゃないわけないわ)
マミ(ふふ、そうね)
恭介「それで……さやかのことで、話したいことがあるって聞いて来たんだけど……何か、知ってるの?」
杏子「ん……まぁ、色々とな。あいつとは短い間だったけど、仲間だったし、友達だったから」
恭介(『だった』……?)
杏子(……さやかが魔法少女になる時に、こいつの手を治すよう願ったんだったか……)
杏子「なぁ、恭介。」
恭介「なに?」
杏子「その……変なお願いかもしんねぇけどさ……ちょっと、手ぇ見せてもらってもいいかな?」
恭介「手?」
杏子「さやかからお前の話は聞いてるんだ。事故で怪我を負って、それから奇跡の復活をした……って」
恭介「ああ……うん、そうだね。さやかにもまた、僕のヴァイオリンを聞かせてあげたかったなぁ……。どこにいるんだろう」
杏子「………」(さやか…)
杏子「見せてもらっても、いいか?」
恭介「うん、いいよ。はい」スッ
杏子(……)スッ
杏子(まだ……微かに、さやかの魔力が残って……っ)ポロポロ
恭介「っ!? え、ちょ、杏子さん!?」
杏子「あっ…ごめっ……」ポロポロ
杏子「さやかのことっ…思い出しちまってっ……!」ポロポロ
杏子「うぅっ……さやかぁっ……」ギュッ
恭介「………?」
杏子「……恥ずかしいとこ、見せちまったな」
恭介「いや……。」
杏子「んで、さやかのことだったな」
恭介「杏子さんは、何か知ってるんだよね?」
杏子「ああ……まぁ、知ってると言えば知ってるが……」
杏子(いざとなったらなんて言ったらいいのかわかんなくなっちまった……)
杏子「……今からする話を、信じるか信じないかはあんた次第だ。だが、他言だけは絶対にすんじゃねーぞ?」
恭介「う、うん」
杏子「ちっとばかしショックな話になっちまうが、構わないな?」
恭介「お、お手柔らかに……」
マミ(佐倉さん……)
ほむら(やっぱり、あの手にはまだ美樹さんの魔力が残ってるのね)
マミ(ええ……そうみたいね)
ほむら(よかったじゃないの。美樹さんがこの世に確かに存在した証が残ってるってことよ)
マミ(佐倉さんにとってはつらいだろうけど、そう考えると確かによかったのかもしれないわね)
ほむら(あとは上条恭介が、それについてどう思うか、ってことね)
マミ(………)
杏子「まぁ、いきなりこんな話をして、信じろって言う方が無理な話なんだが……。お前、魔法少女の存在って信じるか?」
恭介「まっ、魔法少女?」
杏子「ああ」
恭介(いきなり何を言い出すんだこの人は……)
杏子「………」
恭介(でも……すごい真剣な顔をしている……本気で言ってるのかな……?)
恭介「ごめん……にわかには信じられない」
杏子「ま、それが普通の答えだわな。あたしだって、いきなりこんなこと言われても信じられねぇし」
杏子「でもな、魔法少女って存在がこの世にいるってのは事実だ」
恭介「それが、さやかの行方不明と関係あるの?」
杏子「あぁ。関係あるってか、それそのものなんだけどな」
恭介「どういうこと?」
杏子「あたしにほむら、一個上の先輩のマミ、それにさやか……あたしらが、その魔法少女ってやつだ」
恭介「………さやか、も?」
杏子「ああ」
恭介「……それで?」
杏子「魔法少女になる時に、どんな願いでもひとつだけ叶えてもらうことが出来るんだ」
杏子「さやかももちろん例外なく、願いを叶えてもらった」
恭介「………」
杏子「その願いの対象が、あんただ、恭介」
恭介「……え?」
杏子「身に覚えはないか?最近、自分の周りで起きた不思議なこと」
恭介「ごめん……特に、思い当たることはないよ」
杏子「…そっか。ま、これはあたしの口から言うようなことじゃねえな。あんたがこの先、生きてくうちに気付くべきことだ」
杏子「話を戻すぞ」
杏子「魔法少女ってのはみんな、このソウルジェムってのを持ってるんだ」スッ
恭介「……」(綺麗な宝石にしか見えない…)
杏子「これに穢れがたまって……濁りきると、あたしたち魔法少女は消滅しちまうのさ」
恭介「………え?」
杏子「ここまで言えば、想像はつくだろ?」
恭介「ま……まさか、さやかは……?」
杏子「……ああ。さやかは、消滅しちまったよ。」
恭介「そんな……まさか………さや、か…が…?」
杏子「………」
恭介「う、嘘……だよね?」
杏子「言ったはずだ。信じるか信じないかは、あんた次第だ……って」
杏子「もし今の話を信じる気になれたなら……また、ここに来な」
恭介「………」スクッ フラフラ…
杏子「………さやか…」
マミ「お疲れ様、佐倉さん」
杏子「マミ、ほむら……。なんだよ、隠れて様子を窺ってたのかよ」
マミ「ええ、ごめんなさい」
ほむら「彼は大丈夫なの?酷くフラフラしながら歩いて行ったけれど」
杏子「さぁな……親友が死んだなんて話を聞きゃ、そりゃフラフラもするだろうさ」
マミ「彼…自棄にならないといいけれど」
杏子「それよりあたしはあいつに失望したよ。まさか、自分の身に起きたことに覚えがない、なんてな」
ほむら「魔法少女の願いって言うのは、文字通り奇跡だもの。余程のことじゃないかぎり、気が付くことはないと思うわよ」
杏子「でも……あまりにもさやかが可哀想じゃねえか……」ポロポロ
恭介「………」フラフラ
恭介「さやかが……死んだ、なんて……」フラフラ
恭介「………」フラフラ
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破
誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
翌日、学校―――
ほむら(上条恭介は……今日は欠席…ね)
ほむら(無理もないかもしれないわね。ショックが大きすぎたのね)
仁美「あの、暁美さん」
ほむら「志筑さん?」
仁美「恭介さん、今日はお休みですの。昨日、何かありましたの?」
ほむら「ええ、色々と」
仁美「恭介さんをいじめたんじゃありませんの!?」バンッ!
ほむら「!」
仁美「昨日の夜、恭介さんと電話しましたの!恭介さん、酷く元気がありませんでしたのよ!」
ほむら(困ったわね……)
仁美「あなたが何かしたとしか考えられませんわ!」
ほむら「ごめんなさい、仁美さん。あなたには話せないの」
仁美「!」
ほむら「でも、信じて。わたしを、じゃない。上条くんを、信じてあげて」
ほむら「彼は、あなたの思うような弱い人ではないって」
仁美「ど、どういうことですの?」
ほむら「理由は言えないのだけれど、彼は今酷くショックを受けている」
ほむら「あなたは、彼の恋人なのでしょう?なら、彼を信じて、そして元気づけてあげてちょうだい」
ほむら「彼がショックから立ち直ったら……あなたにも、全てを話してあげる」
仁美「な……なんですの、その言い草は」
ほむら「ごめんなさい。わたしからはそれくらいしか言えないわ」
仁美「っ……もういいですわ」
ほむら(………)
ほむら「はぁ……」
杏子「どうした、ほむら?珍しくため息なんてついて」
ほむら「いえ、なんでもないわ」
杏子「ふ~ん…?」モグモグ
ほむら「それより、今は上条恭介を待たなきゃダメでしょう?」
杏子「昨日の様子じゃ、すぐには立ち直れなさそうだけどな……」
マミ「美樹さんが好きになった人だもの、きっと立ち直ってくれるわよ」
杏子(しかし次の日も、そのまた次の日も恭介は公園に姿を現すことはなかった)
杏子(ったく、軟弱な野郎だ。さやかはあんな男のどこを好きになったんだが)
一週間後、学校―――
早乙女「さて、それじゃ出席取るよー」
ガラッ
早乙女「はい、君は遅刻…って、上条くん!?」
恭介「す、すみません、遅くなりました……」
ほむら(一週間ぶりの登校ね……でも、見て取れるくらいに元気がない)
早乙女「い、いやそれはいいよ。ほら、席について」
恭介「はい……」
仁美(恭介さん…)
休み時間―――
仁美「恭介さん、大丈夫ですの?」
恭介「うん、ごめんね仁美さん。心配かけて」
仁美「わたくしのことはいいんですの。恭介さんが元気になってくれさえすれば……」
恭介「ありがとう。……」チラッ
ほむら「…」ジッ
恭介「……」サッ
ほむら「!」(明らかに視線を逸らした…)
仁美「あ、そうそう!前に恭介さんが……」
ほむら(佐倉さん…これはダメかもしれないわよ)
放課後―――
仁美「それじゃ、恭介さん。帰りましょう」
恭介「う、うん。……」チラッ
ほむら「…」スクッ スタスタスタ
恭介「…そうだね、帰ろう」
仁美(……)
恭介「………」
仁美「あの、恭介さん?」
恭介「! え、ああ、何、仁美さん?」
仁美「いえ、なんだか上の空という感じでしたので…」
恭介「ああ、僕なら大丈夫だよ、僕なら……っ」ポロポロ
恭介の腕が治る前
仁美「あんな手マンもできない奴いらねwwwwwww」
腕が治った
仁美「」ガタッ
仁美「え!?あ、あの恭介さん!?どうかしたんですの!?」オロオロ
恭介「ごっ、ごめんっ…なんでもないんだ、なんでもっ…」ポロポロ
恭介「は、ははっ…僕は、欲張りだよね……」ポロポロ
仁美「何の話、ですの…?」
恭介「こうして無事に退院出来て、ヴァイオリンもまた弾けるようになって、更には仁美さんみたいな綺麗な恋人が出来たって言うのにっ……」ポロポロ
恭介「その上、僕の親友が帰ってきてほしい、なんて思うなんてっ……!」ポロポロ
仁美「……さやかさんのこと、ですの?」
恭介「そうだよっ…僕は、さやかがいなくなって寂しいんだっ……!」ポロポロ
仁美「………さやかさんは、相変わらず行方知れず、ですものね…」
恭介「違う、そうじゃないんだっ……」ポロポロ
仁美「え?そうじゃないってどういう意味ですの?」
恭介「さやかはっ・・・もう、帰ってくることはないんだってっ……思うと…っ」ポロポロ
仁美「……一週間前に暁美さんから聞いた話、ですの?」
恭介「っ…うん」
恭介「ある人に、他言無用って言われてるんだ……」
仁美「……わたくしからは、何も聞きませんわ」
恭介「………」
仁美「さやかさんは……もう、二度と帰ってこないんですのね」
恭介「……そうみたいだ」
仁美「さやかさんとは、よきお友達だっただけに、残念ですわ…」
恭介「ごめん仁美さん……ちょっと、寄って行きたいところがあるんだけど、いいかな?」
仁美「ええ、もちろんですわ」
公園―――
マミ「やっぱり、今日も来ないみたいね……」
杏子「もう、待つだけ無駄じゃねぇのかな」
ほむら「わたしも佐倉さんの意見に同意ね」
マミ「……もう、手遅れなのかしら……」
杏子「……ん?おい、あいつ……」
恭介「……」
仁美「……」
ほむら「……上条、恭介……」
恭介「ごめん、杏子さん。……ここに来るの、ずいぶんと遅くなって」
杏子「全くだ。こっちはもう二度と現れねえんじゃねえかって思い始めてたところだよ」
仁美「………」
杏子「…今日は、彼女も同伴か」
恭介「うん……仁美さんも、さやかの友達だったから」
仁美「志筑仁美です、初めまして」
杏子「ああ。あたしは佐倉杏子だ」
杏子「んで、恭介。ここに来た…ってことは、あたしの話、信じる気になったってことでいいのか?」
恭介「……正直、全てを信じる気にはなれなかった」
恭介「でも、杏子さんは嘘をつくような人にも見えなかったんだ」
杏子「……」
恭介「だから……さやかが、僕たちの手の届かない所に行ってしまったんだってことだけは、なんとなく理解出来たよ」
杏子「……そっか。そっちの、志筑さん…だっけ?あんたは、さやかの話を知ってんのか?」
仁美「わたくしは、何も聞かされていませんわ」
杏子「あたしとの約束は、ちゃんと守ったみてぇだな」
杏子「いいぜ、連れて行ってやるよ……さやかの墓に、な」
マミ(ねぇ、なんだか私たちお邪魔みたいね)
ほむら(…ええ、そうね)
マミ「ごめんなさい佐倉さん、わたしと暁美さんは先に帰ってるわ」
杏子「ん、ああ。あたしも後でマミの家に行くからな)
マミ「ええ。……美樹さんにも、よろしく言っておいて」
杏子「了解。んじゃ、行くぞ、二人とも」
恭介「……うん」
仁美「……」
マミの家―――
マミ「ただいまー……っと」
QB「おかえり、マミ。どうだい?彼は姿を現したかい?」
マミ「キュゥべえ。ええ、後は佐倉さんに任せてきたわ」
QB「よかったじゃないか。でも、ちょっと残念だな」
ほむら「なにがかしら?」
QB「その志筑仁美、だっけ?その人も、契約してくれるかなってちょっと期待していたんだけど」
マミ「それはダメよ、キュゥべえ。魔法少女は、あたしたちだけで十分」
QB「まぁ、無理強いをするつもりはないさ」
町外れ、さやかの墓―――
杏子「よぉ、さやか。連れて来たぜ、お前の親友……」
恭介「……」
杏子「ほら、恭介。さやかの墓だ。と言っても、遺体はねぇから形だけの、だけどな」
志筑「……あの、佐倉さん?」
杏子「ん、なんだ、志筑?」
志筑「ここは、恭介さんとさやかさんの二人きりにさせてあげたいのですけれど……」
杏子「…そうだな。恭介、あたしたち、ちょっと離れてるからな」
恭介「さやか……」
杏子「…聞こえてねぇか」
仁美「……佐倉さん」
杏子「ああ、あたしのことは杏子でいいよ」
仁美「そうですか。ならわたくしのことも、仁美、とお呼びください」
杏子「ん、わかった」
仁美「それで、杏子さん……」
杏子「なんだ?」
仁美「杏子さんは……さやかさんのこと、どこまで存じておりますの?」
杏子「………。そうだな、真っ直ぐな奴だった」
杏子「自分の信じたことを貫く様な、そんな奴だったよ」
仁美「さやかさんの想い人については…?」
杏子「ああ、それも知ってる。恭介のことが、好きだったんだろ」
杏子「ホントに……なんで、こんなことになっちまったんだろうな」ポロポロ
仁美「……」
杏子「自分が死んじまったら、どうにもなんねぇだろうが、さやかの馬鹿っ…!」ポロポロ
仁美「さやかさんは……亡くなられてしまったのですね」
杏子「っ……あぁ。自分の想いに殉じて、消滅して行ったよ」
仁美「……さやか、さんっ……!」
仁美「ごめんなさい、さやかさんっ……!」ポロポロ
杏子「仁美……」
仁美「うっ……ううぅぅっ……」ポロポロ
杏子「……さやかが消滅したのは、誰のせいでもねぇよ」
杏子「だから、謝るのは無しだ。な?」
仁美「はっ…はいっ……!」
いや、主にひtうわやめ
恭介「さやか……」
恭介「こんなところにいたんだね、さやか……」
恭介「君が行方不明になって、僕も仁美さんも…それだけじゃない。クラスの人たち、みんな心配してたよ」
恭介「ねぇ、さやか……」
恭介「どうして、いなくなったのかな、さやかっ…」
恭介「君が毎日のようにお見舞いに来てくれて、すごくうれしかったんだっ…!」
恭介「もうっ…君に会うことは、出来ないのかなっ…?」
恭介「っ…っ、さやか…ぁっ……!」ポロポロ
杏子「…そろそろ、さやかと恭介のところに戻るか」
仁美「はい、そうですわね…」
恭介「………」
仁美「恭介さん……?」
杏子「……」
恭介「ねぇ、杏子さん…」
杏子「…なんだ?」
恭介「魔法少女のさやかの姿ってさ、どんなだったのかな……?」
杏子「……剣を持ってて、体はビスチェ風の服、それにマントをつけてたな」
恭介「っ……あぁ、やっぱり…」
杏子「?」
恭介「思いだしたんだ……僕の手が、すごく調子がよくなった時のことを…」
杏子「どういうこと、だ?」
恭介「まだ僕が入院していた時の事だった…。なんだか、手に不思議な、あったかいような物が触れた感覚がしたんだ……」
杏子「………」
恭介「それと同時に、視界の端を白いマントがちらついたんだ……。最初は気のせいだと思ってた」
恭介「でも、今ようやくわかったよ。僕の手は、さやかが治してくれたんだね……」
仁美「さやかさん……」
恭介「はは……僕はホントに馬鹿だ。今更になってから気付くなんて……」
杏子「恭介」
恭介「なに…?」
杏子「勘違いしないでほしいのは、さやかはただ単にお前を心配してたからってだけじゃねぇんだ」
恭介「………」
杏子「野暮なことを言うつもりはねぇけどさ……あんたも、それはなんとなくわかってんだろ?」
恭介「……そうだね…。さやかには、感謝してもし足りないよ」
杏子「ん、わかってんならいいんだ」
恭介「さやか……ありがとう、君に治してもらったこの手、大事にするよ」
恭介「大事に手マンするよ」
杏子「もう、いいか?」
恭介「うん、ありがとう杏子さん。なんだか、すごくすっきりしたよ」
杏子「そっか。なら、帰ろうか」
恭介「それじゃあ、ね。さやか。また会いに来るよ」
仁美「わたくしも、また会いに来ますわ、さやかさん」
恭介「今度来る時は、ヴァイオリンも一緒に持ってくる。さやかに治してもらった手で、また僕の演奏を聞かせてあげる」
杏子「そうだな、そうしてくれ。さやかも、喜ぶと思う」
住宅街―――
仁美「あの、杏子さん」
杏子「ん、どうかしたか、仁美?」
仁美「えっと…暁美さんに、ひと言謝っておいてもらえませんか?わたくし、何も知らずに暁美さんに酷いことを言ってしまって……」
杏子「ああ、そんくらいおやすい御用だ。ほむらも、気にしちゃいねえと思うぜ?」
仁美「わたくしの口からも、謝らないといけませんわ。」
杏子「ま、それが一番かもしんねぇな。」
仁美「……はい」
まどかが完全に空気
>>110
この世界じゃ意味通りの空気だからな
マミの家―――
杏子「ただいまー…っと。ま、あたしの家じゃねえけどな」ガチャ
マミ「おかえり、佐倉さん。どうだった?」
杏子「ああ。二人とも、さやかとの別れをきっちり済ましてきたよ」
マミ「そう、よかったわね」ニコッ
ほむら「どうなるかと思ったけれど……丸く収まったみたいね」ズズッ
杏子「あ、ほむらてめぇマミのケーキ食ってやがんのか!?マミ、あたしの分は!?」
マミ「ふふ、心配しなくてもちゃんと残してあるわよ」
杏子「そ、そっか。よかった…」
ほむら「卑しいわね、佐倉杏子」モグモグ
杏子「うるせぇ!マミのケーキは別腹だ!」
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破
次の話は誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
杏子(ま、そんなこんなでさやかを巡る一連の話はこれでケリがついたわけだ。
恭介と仁美は、あれ以降は頻繁にさやかの墓参りに行ってるみたいだ。
円満解決ってわけにはいかねぇけど、これでよかったんじゃねぇのかな。
そういや、恭介の奴が「さやかと仲の良かった人がもう一人いたような気がする」って言ってたけど、結局そいつのことはわからずじまいだ。
仁美もそれについては何か思い当たる節があったみてぇだけど、やっぱり思いだせないらしかった。
……実を言うと、あたしにもなんだかそんな気がした。でも、例のごとく思い出せず。
その事をほむらに話すと、ちょっとだけ泣きそうな顔をしてたけど、ありゃなんだったのかな。)
杏子「はぁ、さやかがいねぇとやっぱ寂しいな」モグモグ
杏子「でも、なんか妙に清々しい気分だな」
杏子「さって、今日も元気に魔獣狩りと行きますか!」
終わり
一応参考画像。これを見て今回の話を思いついて書いた。
この画像については広いものなんで、詳細とかはわからぬ
>>122
サンクス、pixivだったんだな
これ見るとすごい泣きそうになる・・・
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません