ほむら「三度目のセンター試験」(145)
暁美ほむら
志望:国立文系
受験科目:英語筆記&リスニング/国語/数学ⅠAⅡB/世界史/地理/生物
1月14日(土) 午前5時
ジリリリ
ほむら「うーん……」
ジリリリ
ほむら「ん……朝ね……」
ポチッ
ほむら「寝坊しないで良かったわ。風邪も引いてない。天気もいい。無事に受けられそうね」
ほむら「一昨年の失敗から二年……。今年こそは受かってみせる!」
ほむら「受験票よし、受験上の注意よし。世界史は教科書だけでいいわね。地理は今更暗記もないだろうし、過去問でも持っていこうかしら。
単語帳の類はいらないわ」
ほむら「朝ご飯は軽目で。お腹壊すのも嫌だし」
午前六時半
ほむら「多少早い気がするけど……。年には念を入れて」
ほむら「いい天気」
午前6時五十分 駅
ほむら「遅延もないみたいね。ここまでは順調」
ほむら「まともに試験を受ける事がまず大事だもの。……ん?」
マミ「あ、暁美さん」
ほむら「巴マミ」
マミ「久しぶりね。あなたもセンター試験?」
ほむら「ええ。……あなたも?」
マミ「そうよ」
ほむら「(三浪……)」
マミ「会場はどこなの?」
ほむら「シャフト大学よ」
マミ「あら、同じね! なら……」
ほむら「悪いけど巴マミ、わたしは世界史の最終確認をしたいの」
マミ「あ……。そ、そうよね! わたしも社会やらなきゃ。じゃ、わたしはあっちの車両に乗るわね!」サササッ
ほむら「(……少し悪いことをしたかしら)」
ほむら「(いえ、試験は特別。それにこんなところでつるむのが友情ではないわ)」
「電車が参ります……」
ほむら「さて……」
午前7時半 シャフト大学
ほむら「……誰もいない」
マミ「誰もいないわね。あ、ごめんなさい! 邪魔して」
ほむら「……。今くらいはいいわ」
マミ「ごめんね……」
ほむら「あの人に訊いてみましょう。あのー」
係員「はい」
ほむら「入場はいつからですか?」
係員「あっちの入り口から、8時ですね」
ほむら「ありがとうございます」
マミ「八時って……あと三十分もあるわね」
ほむら「そこらのベンチで待ってましょう」
マミ「そうね」
ほむら「……寒い」
マミ「手をあっためておかないとすぐにペンが持てないわね」シャカシャカ
ほむら「カイロ……」
マミ「暁美さん、持ってないの?」
ほむら「ええ」
マミ「なら、二つあるからあげるわ」
ほむら「いいの?」
マミ「もちろん」
ほむら「……ありがとう」
8時
ほむら「開いたわ」
マミ「行きましょう」
係員「はい、受験票見せてくださいねー。はい、じゃあどうぞー」
ほむら「わたしの教室は……3階ね」
マミ「わたしは2階。ここでお別れね」
ほむら「じゃあ、健闘を祈るわ」
マミ「お互い頑張りましょう!」
教室
ほむら「(誰もいない……。まあそうよね)」
ほむら「(社会一科目目は9時10分に教室集合だったはず。あと一時間以上あるわね)」
ほむら「ふう」
ほむら「(あれから二年か……)」
~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「まどか!」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「じゃ、じゃあお互い結果を言いましょう」
まどか「うん。そういう約束だもんね。……せーの!」
「「不合格!」」
ほむら「……」
まどか「……」
ほむら「……駄目だったわね」
まどか「ティヒヒ……。そうだね」
ほむら「まどか、まどかはこの後どうするの?」
まどか「私大に行くよ。うち、浪人できるほど経済状況良くないんだ」ティヒヒ
ほむら「そんな……。じゃあ、まどかの受験はこれで終わり?」
まどか「うん。……ほむらちゃんは、浪人が出来るって言ってたよね」
ほむら「ええ。今浪人を決めたわ」
まどか「わたしには出来ないこと出来るって、言ってたよね。だから、わたしに叶えられなかった夢、叶えてくれないかな……」
ほむら「まどか……! わたし、受かるわ! 何度繰り返すことになっても、絶対にこの大学を合格してみせる!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「(けど結局去年も駄目。今年こそは……)」
ガヤガヤ
ほむら「(……少し人が入ってきたみたいね)」
「ショウさん俺マジ緊張するんスけど」
「あー、お前、あれだよ。多少変な行動とっても周りにプレッシャー与えるんだよ」
「ショウさんなんかそのあたり上手いからうらやましいっすよねー。リスニングの時の咳とかマジウザいっすもんね」
ほむら「(つるんで来て会場でも喋っているなんて、なんて緊張感のないやつらなの!)」
ほむら「(まあいいわ。わたしはわたしよ。世界史の教科書でも読みましょう)」
「あれー、ほむらじゃん」
ほむら「!?」
さやか「ほむらも浪人してたんだー」
ほむら「美樹さやか、何故ここにっ!」
さやか「聞かないでよー悲しくなるからさ」ハハハ
ほむら「……。じゃあ、わたしは教科書を読むから」
さやか「おっ、ほむらも世界史? じゃあ一緒に問題出し合いっこしようよ~」
ほむら「悪いけど、ひとりで勉強させてもらえるかしら」
さやか「怖~。余裕ないと逆に点落ちるよー? じゃあねー」
ほむら「……」
9時10分
監督官「それでは、諸注意を始めます」
ほむら「(ざっと見たけど怪しいところはなかったわね。これが二浪の貫録……。悲しいけれど)」
ほむら「(いいかげんこの諸注意聞くのも飽きるのよね)」
試験管「携帯電話などの電子機器類を机の上に出して下さい」
ほむら「(そういえば今年はカンニング対策が厳しいのよね……。不審な行動と見られないよう気をつけないと)」
解答用紙、問題冊子配布……
ほむら「(さて、後は試験開始を待つだけね)」
⑤
④
②
①
世界史「キャハハハハハッ!!!!!」
ほむら「(今度こそ……決着をつけてやる!)」
ほむら「(さすがに簡単ね。これは100点狙わないと)」
ほむら「(多少現代史が多めな気がするけど、現役生は苦しいんじゃないかしら)」
ほむら「(……一通り終わり。30分も経ってないわね。とりあえずマークミスを確認しましょう)」
ほむら「(マークミスなし、凡ミスなし。受験番号も回答科目も大丈夫ね)」
ほむら「(まだ15分もあるし、地理の問題を見ておきましょう)」
ほむら「(……。何よこれ。ちょっと難しいじゃない)」
ほむら「(天気図……まあこれは常識で解けるわ)」
ほむら「(それにしても思考力を試す問題が多い。ちょっと時間がかかりそうね)」
ほむら「(たぶんいくつか落とすかも……。まあ地理だしある程度覚悟はしていたわ)」
監督官「第一回答科目の回答を終了してください」
ほむら「(さて、地理ね……)」
ほむら「(何度やっても手ごたえが感じられないのよね。得点も70代~90代と落ち着かない)」
ほむら「(逆に大コケはしないのが強みだけど)」
ほむら「(ふう。結構きつかったわ。でも一応終わった)」
ほむら「(ミスは確認したけど……85点取れていれば上出来じゃないかしら)」
監督官「第二回答科目の回答を終了してください」
ほむら「(ふう。とりあえず社会は何事もなく終わったわね。昼休みか……)」
ガヤガヤ
ほむら「(どこで食べようかしら)」
ほむら「(現役時代は学校の友達がたくさんいたけど、今はホントぼっちね)」
ほむら「(まあ、教室の中でしょうね)」
さやか「ほむらほむらー」
ほむら「美樹さやか」
さやか「これの答えってさ、彩陶だよね?」
ほむら「……」
さやか「あれ? 聞こえてる?」
ほむら「ごめんなさい。初日の問題は答え合わせしないことにしてるの」
さやか「えー、ちょっとくらいいいじゃん! ほむらの見せてよー」バッ
ほむら「ちょっ……!」
さやか「ふむふむ……。大分違うなー。これってトリエステだよね?」
ほむら「返してっ……!」
さやか「はーいはい。あたしもご飯食べよーっと」
ほむら「(全く……)」
ほむら「(センター試験会場で一人で昼食……。これほどの孤独はループ時にも味わえなかったわ……)」
ほむら「(食べ終わったら何しましょうか。正直、英国なんてもうやることないのよね。多浪の余裕)」
ほむら「(ipodで音楽でも聴いて、集中力を高めましょう……)」
ほむら「(美樹さやかに限らず、余計な情報を入れてくる輩も多いし……)」
ほむら「(……巴マミは何をしているのかしら……)」
ほむら「(いえ、センターは独りの戦いよ……)」
国語試験開始
ほむら「(去年は小説と漢文で爆死したけど……)」
ほむら「(今年の漢文は簡単ね。満点も狙えるわ)」
ほむら「(古文は……。よし、行ける!)」
ほむら「(さて、現代文……。……何なのこの文章……!?)」
ほむら「(抽象度が高すぎて理解できない……! いえ、落ち着くのよわたし)」
ほむら「(こういうのは大抵問題が簡単になっているもの。理解しようとしたら負け。よし、ペースを取り戻したわ)」
ほむら「(小説は、……井伏鱒二。……なんか普段と雰囲気が違ってやりにくいわね)」
ほむら「(まあ小説の多少の失点は織り込み済みよ。……よし、ちゃんと終わった!)」
監督官「回答を終了してください」
さやか「ねーねー、小説のここの問題何にしたー?」
ほむら「……答え合わせはしたくないと言わなかったかしら」
さやか「あ、そっか。にしてもこの小説良く分からなかったなー」
ほむら「まあこの主人公の心情説明はあまり単純ではないわね」
さやか「第一問も意味不明だったし。100切るかも」
ほむら「……次は英語よ。備えなくていいの?」
さやか「おっとそうだ。ネクステ見ないと」
ほむら「……ふう」
英語試験開始
ほむら「(英語は今までの二年間、一度も落としてないわ)」
ほむら「(多少傾向が変わっても平気なはずよ!)」
ほむら「(……にしてもスタンダードね。まあ英語なんてこんなものかしら)」
ほむら「(最後の問題がちょっと変わってるけど、パラグラフ趣旨指摘のマイナーチェンジってところね)」
ほむら「(どう転んでも9割は切らないでしょう)」
監督官「回答を終了してください」
ほむら「(次はリスニングだけど……これこそ本当にすることがないわね)」
ほむら「(何でリスニングのためだけに1時間もとるのよ。早く帰してほしいわ)」
ほむら「(まあトラブルがないことを祈りましょう……)」
リスニング試験開始
ほむら「(ぶふぉっwww何この仮面はwww何でこんなにバトン持った女がいるのよwwww)」
ほむら「(毎年リスニングはイラストのネタ度が高くて集中できないわwwww)」
ほむら「(まあそんなに点数にも響かないし、気楽にいきましょう)」
センター試験 1日目終了
ほむら「(ふう、初日は何事もなく終わったわね)」
ほむら「(美樹さやかは……まだ荷物の準備をしている。絡まれないうちにさっさと帰りましょう)」
屋外
マミ「あら、暁美さん」
ほむら「巴マミ」
マミ「あ、話しかけちゃまずかったかしら……?」
ほむら「帰りはいいわ。そんなに気にされるとわたしが悪人みたいよ」
マミ「そ、そうね。ごめんなさい」
ほむら「帰りも同じ駅よね?」
マミ「ええ。どうだった?」
ほむら「まあ、普通よ。何より無事に終わって良かった」
マミ「そうね……。わたしも今日はなんとか」
ほむら「問題は明日よね……」
マミ「理科に数学……。さすがに化学は大丈夫だけど、数学は何があるか分からないから怖いわ……」
ほむら「……あなたも一昨年爆死したクチかしら?」
マミ「……よく分かったわね」
~~~~二年前~~~~~~~~~
マミ「(今年の1Aは簡単みたいね。第一問も二問もすらすらいける! 時間もかからない!)」
マミ「(こんな幸せな気持ちで解くのなんて初めて。もう何も恐くない)」
マミ「(さて、第三問。平面図形ね……)」
マミ「(内接円の半径? 懐かしい公式ね)」
マミ「(えっ、この長さ……。いやいや、普通に余弦定理よね。え、外接円の半径?)」
マミ「(……)」
マミ「(……確率に行きましょう)」
マミ「(……これはどうやって考えるのかしら)」
マミ「(やっぱり図形……。外接円? 知らないわよ!)」
マミ「(やばい。1Aは100近くとらないといけないのに……!)」
マミ「(時間が……)」
監督官「回答を終了してください」
マミ「(マミった……)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「わたしと恐ろしいほど同じパターンね。たぶん1Aで90超えていれば浪人することはなかった」
マミ「よくよく考えたら2B簡単だったのに……引きずっちゃってね。もうあんな思いはしたくないわ!」
ほむら「確認しましょう。まず回答科目のマークを忘れない」
マミ「ええ。マークはいちいち正しいところにしているか確認する」
ほむら「xの変域をaで計算していないか。場合の数に重複はないか」
マミ「数列はその一般項に代入して成り立つか」
ほむら「傾向が変わってもあわてない」
マミ「難しい問題が出たら、どうせ周りもあせってる」
ほむら「……はあ。これだけやっても不安がぬぐえないのが数学よね」
マミ「全くね。何事もないといいけど……」
ほむホーム
ほむら「まあ小説の爆死もなさそうだし、今日の結果は気にしないで明日に備えましょう」
ほむら「今日は10時には寝るわ」
ほむら「そうだ、リスニングで貰ったイヤホンを使って音楽を聴きましょう」
ほむら「これ意外と音いいのよね」
ほむら「……よし、大丈夫。落ちつけてる。明日も頑張るわ」
ほむら「……まどか、今年は受かるからね」
ほむら「zzz……」
1月15日 午前8時30分
ほむら「(やっぱり早すぎたかしら……。周りは皆理系ね)」
ほむら「(まあ早すぎて困ることなんてないわ。教室に向かいましょう)」
教室
ほむら「(誰もいない。生物の最終確認でもしようかしら)」
さやか「……」
ほむら「(あら、美樹さやか。……様子が少し変ね?)」
さやか「……はぁ」
ほむら「(何かあったのかしら。……わたしから話しかけるのは気が進まないけど……)」
さやか「……おー、ほむらじゃん……」
ほむら「美樹さやか、何かあったの?」
さやか「いや、昨日自己採点したんだよね……」
ほむら「(あー、やっちゃったのか)」
さやか「英語155、世界史79、倫政77。まあここらはいいよ。国語84って……!」
ほむら「小説?」
さやか「小説もそうだし、評論もボロボロ。古文も和歌意味分かんなかったし、漢文も結構落とした……」
ほむら「(何て言葉をかければいいのかしら……)」
さやか「ほむらはどうせ出来てるよね。うん、いいよ。あたしってほんとバカだからさ」
ほむら「まだ理系科目があるわ。引きずらないようにね」
さやか「はは、ありがとー」
ほむら「(やっぱり当日自己採点はするもんじゃないわね……)」
生物試験開始
ほむら「(ん、例年より簡単かしら……)」
ほむら「(一問一問時間はかかるけど、あまりミスってる気はしないわね)」
ほむら「(そりゃ多浪で生物落とすのも悲しい話だけど)」
ほむら「(90点くらいね。いい感じ)」
監督官「回答を終了してください」
ほむら「(もう昼休みか。二日目は楽でいいわ)」
ほむら「(美樹さやかは……まだ死んでる。よっぽど昨日のが響いたのね)」
ほむら「(まあ、わたしも今夜ああなっていない保証があるとは言えないけれど……)」
ほむら「(数学に備えて何をするべきかしら……)」
ほむら「(とりあえず問題は持ってきてあるわ。いくつか解いて頭を慣らしましょう)」
ほむら「(その後は……ひたすら精神集中ね)」
ほむら「(計算ミスしても、マークミスしても、慌てない)」
ほむら「(さて……)」
数学①試験開始
ほむら「(まずは二次関数からやりましょう)」
ほむら「(……なんの捻りもないわね。10分で終わったわ)」
ほむら「(じゃあ、平面図形。今年はどうくるか……)」
ほむら「(……何のことはない、平凡な問題じゃない)」
ほむら「(じゃあ第一問。……普通ね)」
ほむら「(必要十分は飛ばして……。確率……簡単すぎない?)」
ほむら「(命題と論証……あれ? 全部必要条件でも十分条件でもない?)」
ほむら「(ああ、自然数か。分かりやすくていいわね)」
ほむら「(……15分も余った。満点行けるんじゃないかしら)」
監督官「回答を終了してください」
ID変わったけど>>1です
ほむら「(なんだか1Aはあっけなかったわね。去年が簡単だったから今年は来るかと思ったんだけど……)」
ほむら「(特に間違えた気がしない。ひょっとして、今回はかなりいいんじゃないかしら)」
ほむら「(美樹さやかもちょっと顔に明るさが戻ってるし……)」
ほむら「(ちょっと外に出ましょう。歩いて頭を冷やしたいわ)」
廊下
マミ「あら、暁美さん」
ほむら「巴マミ。あの、1Aなんだけど……」
マミ「簡単、だったわよね?」
ほむら「……ええ。これなら正直2Bが70点くらいでも平気だわ」
マミ「わたしもそんなところ。あーよかったぁ」
ほむら「この問題が二年前出ていたら……」
マミ「それは言いっこなしよ。じゃあ、最後の2B、お互い頑張りましょう」
ほむら「ええ」
数学②試験開始
ほむら「(いつも通り微分積分からいくわ!)」
ほむら「(大丈夫。むしろ簡単なくらいね)」
ほむら「(12分で終わった。いいペースね)」
ほむら「(さて、ベクトル……)」
ほむら「(何、この設定)」
ほむら「(……なんだ。よく考えればただの直方体じゃない)」
ほむら「(……にしても量が多い。しかも計算スペースが狭い)」
ほむら「(……これでまだ半分!? まあいいわ。どうせベクトルは計算だけだし、後にしましょう)」
ほむら「(次は、第一問ね……)」
ほむら「(対数は楽勝ね! 5分もかからないわ)」
ほむら「(さて、三角関数……やっぱり見た目多いわね)」
ほむら「(ん?sinθが? ん?)」
ほむら「(ああ、そういうことね。+Π/2とかごちゃごちゃ変形して……)」
ほむら「(え、範囲? 面倒くさすぎるわよ!)」
ほむら「(無視して数列。これは解きやすい……のかしら。テンパってて分からないわ)」
ほむら「(この答えは合ってるの間違ってるの?)」
ほむら「(Snって何? ああ、anの和か)」
ほむら「(やばい、すごく焦っている……)」
ほむら「(数列は一応終わったの? 自信ないわ……)」
ほむら「(じゃあ、ベクトル……)」
ほむら「(だから計算が面倒すぎるのよ!)」
ほむら「(あ、あと7分……)」
ほむら「(三角関数……そもそも分からないし)」
ほむら「(くっ……! どうして? 何度やっても……あいつ(数学)に勝てない……)」
ほむら「(また浪人?)」
ほむら「(はっ……。繰り返せば、それだけ就活は不利になる……。わたしのしてきたことは一体……)」
ほむら「ううっ……うっ……」ポロポロ
監督官「回答を終了してください」
監督官「センター試験はこれで終了です。お疲れさまでした」
ほむら「」ポカーン
ほむら「……帰りましょう」
ほむら「(しかしあれでは……60……いや、50代もありうる……)」
さやか「ほむら……」
ほむら「美樹さやか……」
さやか「ねえ、あたしのしてきたことって何だったの? この受験ってやる価値あるの?」
マミ「あ、二人とも……」
ほむら「その顔を見る限り、死んだみたいね……」
マミ「皆死ぬしかないじゃない!!」
ほむら「ちょっ、落ち着いて!」
ほむホーム
河合塾「数2Bはやや難化した」
ほむら「『やや』って何なのよおおおお!!! 超難化でしょう!?」
ほむら「……でも冷静になってみれば、微積と数列は簡単だった……」
ほむら「冷静になっていたら、取れたのかしら……」
ほむら「……嘆いたって点数は変わらないわ。自己採点を始めましょう」
ほむら「手が震えてきたわ……」
ほむら「こういうときは一番悪そうなのからやりましょう。2B……」
ほむら「……58点。笑えない」
ほむら「1Aは……97。あ、でも合計150は越えたか……」
ほむら「生物、90。ドンピシャね」
ほむら「世界史が……結構ミスしたわね。……92。地理、81。意外と行けてるんじゃないかしら」
ほむら「国語162。英語が188……190は無理か。リスニングは40。まあそんなものね」
ほむら「……意外と2Bは響かなかった。足切り余裕だったわ」
ほむら「あら、メール」
『ほむらちゃん、センター試験お疲れ様! ほむらちゃんならきっといい結果を残せていると思います。
大丈夫、信じようよ。だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから! あと一カ月、ガンバッテ!』
ほむら「……これでわたしが失敗してたらどうするつもりだったのかしら」
ほむら「いえ、わたしを信じてくれてるのね」
ほむら「まどか、わたし頑張るよ……」
センター試験って各教科何点満点で合計何点満点なの?
ほむら「あら、またメールが……2通」
マミ『他の科目で稼いでたから大丈夫だったみたい。さっきは取り乱してごめんなさいね』
さやか『化学100点だった! はい、志望下げまーす(笑)』
ほむら「化学100点って、何が起こったのよ……」
ほむら「まあ皆思ったより落ち込んでいなくて良かったわ」
ほむら「今日は……休みましょう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大学入試センター「君たちはいつもそうだね。国語や数学が爆死すると、決まって何やら喚きだす。わけがわからないよ」
大学入試センター「しかし志望校合格という希望からセンター失敗という絶望へ叩き落された時のエネルギーの相転移は相当なものだ」
大学入試センター「そのエネルギーを回収するのが僕たちの役目なんだ」
大学入試センター「だから僕に願書を出して、センター試験を受けてよ!」
終わり
この話は若干ノンフィクションを含みますが、だいたいフィクションです。2012年センターを想定してるけどね
ありがとうございました。
乙
数2Bのとき計算スペースせまくてごちゃごちゃしたから
後ろの白いページやぶって手元において計算したら捗った
>>123
昔の記憶だし今では仕組みさえ変わっているかもしれないが
国語100+50+50(=200)
英語(200+50)*(4/5)(=200)
数学100+100(=200)
理社100*3(=300)
合計900
>>136
よく試験官に注意されなかったな
最悪融通の効かない試験官にバレていたら退場ものだぞ?
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません