ミカサ「エレン、私の名前はミカサ」

エレン「知ってるけど」

ミカサ「エレンは今ミサカと言った」

エレン「？」

ミカサ「私がなにか悪い事をしたなら謝る。だからちゃんと名前を呼んで欲しい」

エレン「なに言ってるんだ」

ミカサ「わざとじゃないの？」

エレン「なにがだよ」

ミカサ「そう……疲れてるのね。大丈夫、私に任せて」

エレン「さっきからなに言ってるのかわかんねえぞ。おかしくなっちまったのか？」

ミカサ「おかしいのはエレンの方。私の名前を呼んでみて」

エレン「ミサカ」

ミカサ「ほら」

エレン「なんなんだ」

ミカサ「繰り返して。ミ」

エレン「ミ」

ミカサ「カ」

エレン「カ」

ミカサ「サ」

ミカサ「ミカサ」

エレン「ミサカ」

ミカサ「なぜなの」

ミカサ「なにも難しいことはない。ミの次にカ、最後にサと言うだけ」

エレン「どうしたんだよミサカ」

ミカサ「んもう！」

エレン「なに怒ってるんだよ」

ミカサ「落ち着いて」

エレン「おまえが落ち着けよ」

ミカサ「ゆっくりでいい。ミ・カ・サ」

エレン「ミカサカ」

ミカサ「カが多い」

エレン「ミサ」

ミカサ「誰なの」

ミカサ「カを足して」

エレン「ミサカ」

ミカサ「戻って来た」

エレン「どうすればいいんだ」

ミカサ「私が聞きたい」

アルミン「エレンとミカサじゃない。こんなところでどうしたの？」

エレン「よおアルミン。ミサカが変なこと言うんだよ」

アルミン「え？」

ミカサ「変なのはエレン」

アルミン「……そうみたいだね」

エレン「はあ？」

エレン「さっきから一体なんなんだよ」

アルミン「念のため聞くけどふざけてるわけじゃないんだよね？」

エレン「この状況でふざけるわけないだろ」

ミカサ「エレンがわざと私の名前を間違えるとは思えない」

アルミン「う～ん……」

アルミン「エレン、“ミサカ”って１０回言ってみて」

エレン「誰だよそれ」

アルミン「いいから」

エレン「わかったよ……ミサカミサカミサカミサカミサカミサカミサカミサカミサカミサカ」

アルミン「この子は？」

ミカサ「！」

エレン「美香さん」

ミカサ「誰なの」

エレン「セレブ」

ミカサ「なにを言っているの」

クリスタ「どうしたの３人とも、こんなところで」

ユミル「もめてんのか？」

エレン「おう、おまえらも来たのか」

アルミン「やあクリスタにユミル。奇遇だね」

ミカサ「もめてなんかない」

アルミン「そうだエレン、この２人の名前はわかるよね？」

エレン「当たり前だろ。同期だぜ？」

エレン「同期より長い付き合いの私の立場は」