ほむら「杏子、私の家で何をしてるのかしら?」(463)

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杏子「暇だったんだよ」

ほむら「それならマミの家に行けばいいじゃない」

杏子「別に私がどこに行こうが勝手だろ?」

ほむら「あなた人の迷惑考えたことある?」

杏子「迷惑なのか?」

ほむら「まあそうね」

杏子「別に邪魔しねぇからさ」

ほむら「じゃあ何をしにきたのよ」

杏子「くつろぎに」

ほむら「だからそれならマミの家でいいじゃない」

杏子「私がここに来たかったんだからいいじゃねぇか」

ほむら「来たかった……?」

杏子「あっ」

ほむら「てっきりマミに追い出されてここに来たものだと思っていたのだけれど」

杏子「そ、そうだよ!」

ほむら「ふーん……っそ」

ほむら「でもご生憎様。あなたに構ってられるほど私も暇じゃないの」

杏子「別にいいよ、それで。私はこうしてくつろいどくだけだからさ」

ほむら「本当に何しに来たのよ……」

杏子「理由なしに来ちゃいけねぇのか?」

ほむら「なんだか居心地が悪いのよ」

杏子「気にするなって。あんたと私の仲だろ?」

ほむら「そんな仲になった覚えはないわ」

杏子「うっ……厳しいやつだな」

ほむら「ちょっとマミに連絡してみようかしら」

杏子「げっ」

ほむら「なぜマミがあなたを追い出したのか気になるし……」

杏子「お、おい!」

ほむら「マミはそんなに冷たい人間じゃないはずだもの。もしかしたら何かあったのかも」

杏子「待てほむら」

ほむら「何よ」

ほむら「つまり、あなたはマミの家には行ってないと、そういうことかしら?」

杏子「あぁ……」

ほむら「なぜ?」

杏子「そ、それは……」

ほむら「質問を変えようかしら。なぜここなの?」

杏子「……」

ほむら「答えられない? ますます怪しいわね」

杏子「ち、ちがっ……!」

ほむら「じゃあどういう理由なのかしら?」

杏子「なんか……んだよ……」

ほむら「えっ? 聞こえないわ」

杏子「な、なんか! ほむらの家の方が居心地良くなってきちまったんだよ!」

ほむら「……はぁ」

杏子「……」

ほむら「なによその理由」

杏子「べ、別にいいじゃねぇか」

ほむら「こっちとしては迷惑なのに代わりはないのだけれど」

杏子「……」

ほむら「……そんなにここが居心地がいいの?」

杏子「……あぁ」

ほむら「別に、あなたが気に入るようなものは何もないわよ」

杏子「……」

ほむら「ご飯だってマミの家の方が豪華でしょう?」

杏子「……」

ほむら「それにここは味気ないし」

杏子「……で、でもほむらがいるじゃねぇか」

ほむら「…………あなた」

杏子「な、なんだよ」カァ

ほむら「とても様子がおかしいわ。早いところ病院に行くべきじゃないかしら」

杏子「う、うるせぇ!」

ほむら「はぁ……」

杏子「ほむらの方こそ、なんでそこまで私をマミのとこに行かせたがるんだよ」

ほむら「言ったでしょ? 私は暇ではないの」

杏子「なんかあるのか?」

ほむら「まどかが来るのよ」

杏子「えっ?」

ほむら「聞こえなかったの? まどかが来るのよ」

杏子「今からか?」

ほむら「ええ、そうよ」

ちんこ侍

ほむら「これからここはまどかと私の楽園になるの」

杏子「ら、楽園?」

ほむら「ええそうよ。まどかの匂いが付着しやすいようにありとあらゆる家具の匂いは消しておいたわ」

杏子「うわあ……」

ほむら「何よ、引くなら引きなさい。別に私は誰になんと思われようが構わないわ」


杏子「ほむらってまどかのこと好きなのか?」

ほむら「な、なによ急に!」カァ

杏子「いや……」

ほむら「あ、あなたには関係のないことだわ」

杏子「バレバレだぞ」

ほむら「う、うるさいわね! とにかく、そういうことなのよ!」

杏子「ふーん」

ほむら「ふーんじゃないわよ。今からマミに連絡してみるから、あなたは」

ピンポーン

杏子「あ、誰か来た?」

ほむら「まさか……!」

まどか「あれ? 杏子ちゃんも来てたの?」

杏子「おう、今日はよろしくな」ニッ

ほむら「よろしくなじゃないわよ。佐倉杏子、あなたはマミの家に」

まどか「うん! よろしくね杏子ちゃん!」

杏子「おう」

ほむら「え? まどか? 二人だけの楽園は?」

まどか「じゃ、お邪魔するねほむらちゃん!」

ほむら「え? あ、ええ、そうね……」

リビング

まどか「なんか新鮮だね!」

杏子「ん?」

まどか「杏子ちゃんと遊べて、私なんだか嬉しいなって……」カァ

杏子「へへっ、そうか?」

ほむら「ま、まどか……?」

まどか「って、こんなこと言うのなんだか恥ずかしいね」ウェヒヒ

まどか「ねぇ杏子ちゃん! 何する?」ヒシッ

杏子「んー、別になんでもいいぞ」

ほむら「ま、まどかが! 佐倉杏子の腕に……!」ガシャン

杏子「ってほむら! 何してんだ、コーヒーが……」

ミラクルちんぽ侍

ほむら「ハッ!」

杏子「ほむら、危ねぇからちょっと離れてな。私が掃除してやるから」

まどか「あ、それなら私も!」

杏子「いや、いいよ。大丈夫。私、こういうの慣れてっからさ」ニッ

まどか「あっ……杏子ちゃ……」ドキドキ

ほむら「ま、まどか……?」

まどか「あ、あれ? どうしてだろう、な、なんだかドキドキ……あれ?」カァ

ほむら「まどか! しっかりして! どこかに魔女の口付けが……!」

杏子「ほむら、カップの破片どこに捨てりゃいいんだ?」

ほむら「あ、案内するわ……」

ほむら「佐倉杏子、どういうつもりなの?」

杏子「あ? なんの話だ?」

ほむら「私からまどかを奪うつもりね!?」

杏子「う、奪う? なに言ってんだ?」

ほむら「あ、あなたの行動がまどかを惑わせて……!」

杏子「はぁ? 私はただほむらが怪我すると……あっ」

ほむら「なんでそこで私の名前が出てくるのかわからないわ」

杏子「な、なんでもねぇ」

ほむら「はぁ……」

まどか「ほむらちゃん! 杏子ちゃん!」

ほむら「まどか、暇を感じさせてしまって申し訳ないわ」

まどか「そんなことないよ、ほむらちゃん!」

杏子「気をつけろよな、ほむら」

まどか「それにしても二人は仲良しだね!」

ほむら「二人?」

まどか「ほむらちゃんと杏子ちゃん! なんだか並んで歩いてる後姿がすっごくお似合いでカップルさんみたいだな、って」ウェーィヒヒヒ

杏子「なっ! そ、そんなんじゃねぇよ!」カァ

ほむら「まどか、熱があるのかしら? 視覚がとち狂ってるわよ」

杏子「それを言うならほむらとまどかだって、仲良いじゃねぇか」

ほむら「あ、当たり前じゃない! 私とまどかは運命の赤い綱で」

まどか「そうだけど、私とほむらちゃんはカップルさんって感じじゃないかも」

ほむら「まどか、あなた今度は脳神経がとち狂ってるわよ。心配になってきたわ」

まどか「私、ずっとほむらちゃんに守って貰ってばかりだから……」

ほむら「意味を考えなさいまどか。私があなたを守る意味を」

まどか「妹みたいな感じなのかなって、ウェヒヒ」

杏子「へーぇ、じゃあまどかにとってほむらはお姉ちゃんみたいな感じなのか?」

まどか「ほむらちゃんは、最高の友達だよ!」

ほむら「まどか……」

まどか「ほんとにありがとね、ほむらちゃん」

ほむら「あ、あなたは気にしなくていいのよ。私があなたを守りたかっただけなのだから」

まどか「ウェヒヒヒヒ、ほむらちゃんは優しいね」

ほむら「ありがとう、まどか」

杏子「ほむら、なんかしようぜ」

まどか「あっ、そうだね! 今日はほむらちゃんに教えてた手芸の続きを……」

ほむら「そうね、今準備してくるわ」

杏子「手芸?」

まどか「う、うん。ほむらちゃんとマフラー一緒に編んでるの」

杏子「マフラー? 誰かにあげたりするのか?」

まどか「そ、そんなつもりはなかったんだけど……」

杏子「ふーん」ゴロン

まどか「ね、ねぇ杏子ちゃん!」

杏子「ん?」

まどか「か、完成したら、受け取ってくれない、かな? その……」カァ

杏子「え? いや、別に私はいいよ。なんてったって寒さには慣れてるからな! へへっ」ニッ

まどか「あ、そ、そうなんだ……。そう、だよね……」

杏子「ん? どうした?」

まどか「……杏子ちゃんのバカ」ボソッ

ほむら「待たせたわね」

まどか「ううん、大丈夫! 早速始めようよ!」

ほむら「ええ、そうね」

まどか「き、杏子ちゃんはどうする? せっかくだし、杏子ちゃんも……」

杏子「いや、私は眠らせて貰うよ。昨日はなんだか眠れなくてね」

まどか「あ、そ、そっか……」シュン

ほむら「まどか……」

おまんこ侍

杏子「……Zzz」

まどか「……」ジッ

ほむら「まどか……」

杏子「むにゃ……Zzz」

まどか「……ハァ」

ほむら「まどか、あなた……佐倉杏子のことが、好き……なの?」

まどか「えっ!? い、いや、な、なんでっ!?」

ほむら「さっきから、佐倉杏子の方をずっと見つめたままよ?」

まどか「あぅ……」

ほむら「……まどか」

まどか「……わ、わかんない」

ほむら「……そう」

杏子「……ハッ!」

ほむら「やっと起きたわね。眠りすぎよ。普段どれほど劣悪な環境で睡眠をとっているのかしら」

杏子「……ありゃ、まどかは?」

ほむら「とっくに帰ったわよ」

杏子「うわっ、もう暗いな」

ほむら「9時だもの。良い子(まどか)は寝る時間よ」

杏子「わ、わりぃ……あまりに居心地が良すぎて……」

杏子「ん? なんか首がちくちく……って、なんだこりゃ」

ほむら「……まどかが巻いていったわ……。完成、したみたいだから」

杏子「マフラーか……ま、返すわけにもいかないしなぁ」

ほむら「貰っておきなさい。まどかの気持ちをないがしろにするのは私が許さないわ」

杏子「……ほむらは、まだ完成してないのか?」

ほむら「慣れてないのよ。形もいびつになってしまうわ」

杏子「ふーん、ほむらも誰かにあげるのか?」

ほむら「……そうね……多分、あげないわ」

杏子「ん?」

杏子「おっと、悪りぃな。そろそろ帰らないとさすがに迷惑だな」

ほむら「あら、あなたもたまには空気が読めるのね」

杏子「たまにはってなんだよ」

ほむら「……」

杏子「ほむら?」

ほむら「……泊まっていっても構わないのよ?」

杏子「へっ?」

ほむら「な、なんか気持ち悪いじゃない。最後になって急に気を遣われると」

杏子「ど、どういうことだ?」

ほむら「黙って泊まっていきなさい。これは命令よ」

杏子「えぇ? ほむら、頭でも打ったのか?」

ほむら「うるさいわね」

ほむら「一丁前に空気を読まないでって言っているのよ」

杏子「はぁ?」

ほむら「泊まるの? それとも泊まりたくないの?」

杏子「いや、まぁ……泊めてくれるってんなら、ありがたくそうさせて貰うけどよ」

ほむら「よろしい」


ほむら「そうだわ、マミも呼ぼうかしら」

杏子「はぁ?」

ほむら「カップラーメンと、手作りハンバーグ、どちらがいいかしら?」

杏子「ハンバーグ!」

ほむら「決まりね。もちろん手伝うのよ」

杏子「マミがいねぇと料理できないもんな」ニッ

ほむら「黙りなさい」


マミ「暁美さんっ!」ハァハァゼェゼェ

ほむら「よく来たわね、マミ」

マミ「お、おじゃまさせて貰うわ!」

杏子「おー来たかマミ。おいしいハンバーグよろしくなっ」ニッ

マミ「任せて!!」

ほむら「いいわね、賑やかになってきたわ」

杏子「へへっ、そうだな」

QB「僕は中にはいれてもらえないのかい?」

ほむら「入れて貰えると思ったのかしら? 幸せな脳ね」

QB「これは参ったね」

ほむら「と、言いたいところだけど、浮かれたマミを制御できるのはあなたしかいないわ」

QB「それはそうかも知れないね」

ほむら「彼女、必要ないものまで沢山持ってきたでしょう?」

QB「さすがに人生ゲームは荷物になるから止めておいたよ」

ほむら「助かるわ。そういう条件でなら、入れてあげてもいいわよ。間違っても下手なことはしないことね」

QB「君の部屋でご飯を食べて帰る。それだけさ。下手なことなんて起こりようがないよ」

ほむら「ふん……入りなさい」

QB「助かるよ」

お腹すいた。なんか買ってくる
おっぱい

マミ「いいから! 佐倉さんと暁美さんは座って待ってて? 私が作るわ!」

ほむら「巴マミ、さすがにあなた一人では……」

杏子「ほむらん家なのにどこになにがあるとかわかんのか?」

マミ「大丈夫よ!」

QB「マミ」

マミ「どうしたの? QB」

QB「皆で仲良くご飯を作るというのも、醍醐味じゃないのかい?」

マミ「ハッ! た、確かにそうだわ! 暁美さん! 佐倉さん! 手伝ってくれるかしら?」

ほむら「もちろんよ」

杏子「簡単なことしかできねぇけど」

マミ「ありがとう!」

ほむら「やはりあなたを招いておいて正解だったようね」

QB「僕はただマミに楽しんで欲しいだけだよ」

ほむら「……あなた、もしかして感情が」

QB「ほら、マミが呼んでるよ。その間、
僕はゆっくりさせてもらおうかな」

ほむら「え、ええ、そうね……」

マミ「暁美さーん! 包丁はどこかしら?」

ほむら「待ってなさい、今行くわ」

杏子「生でもうまそうだな、この挽肉」

ほむら「犬じゃないんだから……」

ほむら「すっごくおいしそうだわ」

マミ「私達が力を合わせるとこんなもの楽勝よ!」

杏子「早く食べよーぜ。お腹と背中がひっつきそうだ」

ほむら「そうね、じゃあいただきます!」

杏子「はふっ! はふっ!」

ほむら「杏子、そんなに勢いよく食べると喉に」

杏子「うっ!?」

ほむら「杏子!?」トントン

マミ「……ふふっ」

QB「楽しいかい?」

マミ「ええ、とっても」ニッコリ

杏子「いやー、うまかったな!」

ほむら「ええ、じゃあ片付けはQBにお願いするわね」

QB「非効率すぎるよ」

ほむら「身体に洗剤を纏って必死にこすりつければいいじゃない。無様ね」

QB「想像でけなさないでくれるかな」

マミ「私がやるわ」

ほむら「マミ、冗談よ。皆でやりましょう?」

マミ「!……ええ!」

杏子「がんばれよ」

ほむら「あなたもよ、杏子。私が洗うからマミはゆすいで、杏子は拭いて整頓をお願いするわね」

杏子「えー、めんどくせーけど……りょーかい」

QB「じゃあその間僕は」

ほむら「机を綺麗に拭いておいてちょうだい。ぞうきんはいらないわよね」

QB「僕自身が雑巾みたいなものだからね。ほむら、怒るよ?」

ほむら「……驚いたわ、QBらしくないわね」

QB「僕にだって色々あるのさ。ま、マミのおかげだよ」

ほむら「……ありがたいと思っているの?」

QB「……今はね。マミがいるから」

ほむら「そう……。あなたへの考え方を360°改めないといけないわね」

QB「変わってないよ、ほむら」

ほむら「……冗談よ」

杏子「やっと終わったか」

マミ「あっという間ね!」

ほむら「マミの手際が良すぎて流れるようだったわ」

マミ「ふふっ」

QB「それよりマミ、もうこんな時間だ。僕がついているとはいえ、そろそろ危険だよ」

マミ「そうね……」

ほむら「……泊まっていったらどうかしら。部屋も空いてるし」

マミ「い、いいの!?」

ほむら「呼んだのは私なのだから、遠慮は必要ないわ。QBも……変わったようだし」

QB「じゃあ遠慮なくそうさせてもらうかい?」

マミ「えぇ! ありがとう暁美さん!」

ほむら「気にすることはないわ」

ほむら「杏子は、私と同じ部屋でいいわよね?」

杏子「えっ?」

ほむら「しょうがないわ。あなたが使う部屋は、巴マミとQBが使うことになったのだから」

杏子「なっ! ほ、ほむらと同じベッド!?」

ほむら「同じ部屋とは言ったけれど、ベッドとまで言ったつもりはないわよ?」

杏子「あっ……」カァ

マミ「まぁ……!」

ほむら「それとも嫌かしら? それなら私がリビングにでも寝てなんとかすることは可能だけれど」

杏子「い、いや! 嫌じゃねぇから!」

ほむら「そう……?」

QB「それでも、まだ眠るには早い時間だね。何かするかい?」

ほむら「あなたに指揮権を与えたつもりは毛頭ないわ。仕切ろうとしないでくれるかしら?」

マミ「ふふっ、私、お話がしたいな」

ほむら「お話?」

マミ「なんだかワクワクしない? お泊りの時のお話って」

ほむら「そうね……わかる気がするわ」

杏子「お話っつったって桃太郎くらいしか知らねぇぞ?」

ほむら「バカね、私達の話よ」

マミ「ふふっ」

いつもと変わらない光景
空は夕焼けに色づき、校舎は橙に染まっている。
冬の冷たい空気を深く吸い込み空を仰ぐ俺の右隣には淡い桃色の綺麗な髪をした女の子、鹿目まどかがいた。
不意に視線を下げると彼女は頬を赤く染めながら俯く。その仕草があまりにも可愛いくて思わず俺も目を背けてしまう・・・。

そんな時だった、彼女が不意に声あげる

まどか「結論くんっ・・・!」

結論「!・・な、なに・・?」

まどか「あ、あの・・その・・す、好きですっ!つ、付き合って下さいっっ!!」

突然の告白。
俺はあまりに驚きと嬉しさで頭が真っ白になり思考が停止する。

まどか「・・ぁあ・・ぅ・・」

結論「・・・」

まどか「うぅ・・」

いまにも泣き出してしまいそうなまどかを尻目に

結論「・・・俺もまどかの事が好きだ!!!」

俺は叫んだ

カーテンの隙間から射し込む日が朝の訪れを知らせる。

結論「ぅう・・もう、朝か」

ここはまどかの部屋。
俺は今まどかのベッドの上に居る
そして、もちろん隣で幸せそうに寝息を立てているのはまどかだ
つまり、昨日はお楽しみだったわけだが・・・。

結論「・・・・」

まどかの寝顔を見つめる
そして抱きしめる

まどか「んぅ・・」

起こしてしまった・・・

まどか「ぁ・・もう起きてたんだ、おはよう結論っ」

彼女は「ふわぁ」と欠伸をする
すると、躯を覆っていた布団がはだけて・・

結論「ぁ」

まどか「・・・/////」

「もう、結論のえっち///」

いま俺は幸せだ。

QB「じゃあ僕が気になっていたことを聞いてもいいかい?」

ほむら「……マミは何かないかしら?」

マミ「多分QBと同じことだと思うの。どうして私達を誘ってくれたの?」

ほむら「それは……」

杏子「カップラーメンよりおいしいハンバーグの方が良かったからだろ?」

ほむら「黙りなさい」

マミ「そうなの?」

ほむら「いいえ、違うわ。……そうね」

QB「ほむら、今日は少し無理をしているように見えたよ。何かあったのかい?」

ほむら「……生意気ね」

ほむら「……とても自分勝手で申し訳ないのだけれど、ショックなことがあったのよ」

マミ「ショック……?」

ほむら「ええ。でも、私は何もできないのよ。まどかが決めたことだから……」

マミ「鹿目さん……? もしかして」

QB「僕は契約してないよ」

マミ「そ、そう」

ほむら「だから……少し……寂しかった……のかもしれないわね」

マミ「暁美さん……」

杏子「ほむら……それで泊まってけって言ったのか」

ほむら「ええ、そうよ」

ちんこ侍

マミ「何があったの? っていうのは、聞いてもいいのかしら?」

ほむら「……そうね。ちょうどいい機会かもしれないわね」

マミ「ありがとう、暁美さん」

ほむら「まどかにね……好きな人がいるみたいなの」

杏子「えっ?」ズキ

マミ「好きな人?」

ほむら「ええ。私じゃない、他の人。……名前までは言えないけれど」

杏子「……そ、そうなのか」

マミ「暁美さんは、鹿目さんのことが好きだったのね?」

ほむら「……ええ、そうよ」

杏子「……」ズキズキ

マミ「暁美さんは……諦めたの?」

ほむら「……わからないわ。まだ、一日と経ってないもの」

マミ「そうね……。その、大丈夫なの?」

ほむら「……大丈夫よ」

ほむら「私が私自身の幸せではなく、まどかの幸せを願っている以上、おかしなことにはならないわ」

マミ「暁美さん……」

杏子「……」

QB「諦めるにしても、このままではよくないね」

マミ「QB……?」

QB「何も言わずに引くのは、君らしいと言えば君らしいかもしれないけど、今回の件についてはそうじゃないだろう?」

ほむら「……」

QB「ま、僕が言えるのはここまでさ」

ほむらの部屋

ほむら「はぁ……」

杏子「……」

ほむら「どうかしたかしら? なんだか、珍しく静かじゃないの」

杏子「なんでもねぇよ……」

ほむら「そう……?」

杏子「それより、私はどこで眠ればいいんだ?」

ほむら「あら、同じベッドのはずじゃなかったかしら?」

杏子「なっ!? ま、まじで言ってんのか!?」

ほむら「ふふっ、冗談よ」

杏子「な、なんだよ……」


ほむら「って言っても、布団を出すのが大変ね」

杏子「ああ、それならいいよ。私、慣れてるからさ」

ほむら「そういう訳にはいかないわ。お風呂に入ってきなさい。その間に、準備しておくわ」

杏子「あ、ああ、わかったよ」

ほむら「場所はわかる?」

杏子「心配すんな」

ほむら「まるで我が家ね」

杏子「へへっ、そうだな」ニッ

脱衣所

杏子「ふーう……」ガラッ

マミ「きゃっ!」

杏子「マ、マミ!?」

マミ「な、なんだ……佐倉さんね。驚いたわ……」

杏子「すまん、入ってるかよく見てから開けるべきだったな」

マミ「いいのよ。そうね……せっかくだし、一緒にどう?」

杏子「はぁ?」

マミ「ね? いいじゃない。こんなこと、めったにないんだし」

杏子「ま、まあ、そうだけど」

マミ「あ、そうだ! ちょっと待っててくれるかしら?」

杏子「ん? ああ」

浴室

ほむら「大慌てで呼ぶから何かと思ったら……」

杏子「ほ、ほむら!?」

マミ「ふふっ……いいでしょう? 3人で入りましょ?」

ほむら「はぁ……仕方ないわね」

杏子「それよりほむら、なんでバスタオルなんか巻いてんだ?」

ほむら「あ、あなたが巻いてないのがおかしいのよ!!」カァ

マミ「た、確かに佐倉さん大胆ね……」

杏子「ん……? おかしいのか?」

ほむら「まあ……あなたがそれでいいならそれでいいわ」


マミ「暁美さん、背中流させてもらってもいいかしら?」

ほむら「その言い方はやめてちょうだい。あなたの方が先輩なんだから、なんだか申し訳なくなるわ」

マミ「ふふっ、じゃあ、流させて、ね?」

杏子「よし! 洗った!」

ほむら「早っ! 杏子、しっかりと洗えたの?」

杏子「大丈夫だ。頭も身体もちゃんと洗ったぞ?」

マミ「いつの間に……」

杏子「へへっ、じゃあ湯船一番のり!」チャポン

マミ「どうかしら? ちゃんと洗えてる?」ゴシゴシ

ほむら「え、ええ、気持ち良いわ」

杏子「……」ジーッ

ほむら「杏子、あんまりジロジロ見ないでくれないかしら? その……少し恥ずかしいわ」

杏子「あっ、わ、悪い」

マミ「……佐倉さん、交代する?」

杏子「えっ!?」

マミ「なんだかやってみたそうだったから……気のせいだったかしら?」

杏子「あ、いや……」

マミ「ふふ、どうぞ?」

ほむら「だ、誰でもいいから、私としては早くしてくれたらありがたいわ……」

杏子「こ、こうか……?」ゴシゴシ

ほむら「え、ええ、問題ないわ」

杏子「そ、そうか」ゴシゴシ

ほむら「……なんでこんなことに。私だけなんだか贅沢だわ」

マミ「ふふっ、暁美さんのお家なんだから。それに、たまには賑やかなお風呂もいいと思わない?」

ほむら「……そうね」

杏子「ほむら、お前……肌キレイだな」

ほむら「な、何を言い出すのよ!」カァ

マミ「ほんと、羨ましいわね」

ほむら「なんだかすごくのぼせたわ……」

マミ「楽しかったわね!」

杏子「お、おう」

ほむら「早く眠りたいわ、身体が冷えないうちに」

マミ「そうね、もう随分遅いみたいだし」

杏子「そういえば、QBはどうしてるんだ?」

マミ「部屋でおとなしくしてると思うわ。よく言っておいたから」

杏子「そうか」

ほむら「マミの言うことはよく聞くのね」

マミ「ふふっ」

ほむらの部屋

杏子「あれ? 布団がねぇぞ?」

ほむら「準備しようとしたところに巴マミが来たのよ……」

杏子「そ、そうか……じゃあ」

ほむら「ベッドで寝なさい。この際、仕方がないわ」

杏子「え? じゃ、じゃあほむらはどこで寝るんだ?」

ほむら「? ベッドに決まってるじゃない」

杏子「は、はぁ!? い、一緒のベッドってことか!?」

ほむら「もう早く眠りたいのよ。布団を出すほど元気が余ってないわ」

杏子「だ、だけど……」

ほむら「嫌かしら?」

杏子「……わ、わかったよ」

ほむら「それが賢明よ。少し狭いけど我慢しなさい」

杏子「あ、ああ……」

ほむら「二人いけるわよね」モゾッ

杏子「あ、ああ、大丈夫だ……」モゾッ

ほむら「電気消すわよ?」

杏子「おう」

ほむら「ふわぁ……」

杏子「ほ、ほむらがあくびした……!」

ほむら「何よ、私だって人間よ?」

杏子「いや、こんなに気を抜いてるほむらは、なんだか珍しいと思ってな」

ほむら「それはそうよ……自分の部屋で、
それも眠る直前なのよ?」

杏子「ま、まあそうだな。そんなところまで気を張ってたらもたねぇよな」

ほむら「それに、ここにはマミもあなたも不安要素のQBもいるわ。普段より気が抜けるのも仕方ないわよ」

杏子「なんだか、新鮮だったよ」

ほむら「普段は、見せない顔かしらね……」

ほむら「あなただって、まさか同じベッドで寝るとは思わなかったわ」クスッ

杏子「な、ど、どういう意味だよ!」

ほむら「いえ、意外だったってだけで、別にバカにしたりはしてないわ」

杏子「うっ……」

ほむら「……まだまだ、知らないこともたくさんあるのね」

杏子「ああ、そうだな……」

ほむら「まどかにも……そういうことがたくさんあるのかしら……」

杏子「……ほむら」

ほむら「……」

ほむら「ねえ、杏子」

杏子「……なんだ?」

ほむら「……感謝するわ」

杏子「な、んだよ急に。私なんかしたか?」

ほむら「ええ……正直、一人きりだったらどうなってたか分からないわ」

杏子「それなら、マミだっているじゃねぇか」

ほむら「そうね……」

杏子「……」

ほむら「……」

ほむら「少し、いいかしら?」

杏子「……えっ?」

ほむら「ちょっと……背中借りるわね」ギュッ

杏子「お、おい……ほむら?」

ほむら「……」フルフル

杏子「!! ……」

ほむら「まどか……まどかぁ」

杏子「……くっ……」

ほむら「……」フルフル

杏子「……」

杏子「……なぁ、ほむら」

ほむら「……」

杏子「私じゃ……いけねぇのか?」

ほむら「……」ピクッ

杏子「私じゃ……ほむらの力にはなれねぇのか?」

ほむら「……また、あなたらしくないことを……」

杏子「うっ……た、確かにそうだな。くそっ、どうしちまったんだ、私は」

ほむら「……でも、ありがと。その気持ちだけで嬉しいわ」

杏子「そ、そうかよ……」

ほむら「……ええ」

おっぱい侍

ほむら「じゃあ、そろそろ寝ましょう。さすがにもう遅いわ」

杏子「そうだな……」

ほむら「おやすみなさい」

杏子「ああ、おやすみ」



マミ「QB……もう寝たかしら?」

QB「僕は眠る必要がないからね。マミが起きている限り心配はないさ」

マミ「ふふ、そうだったわね」

QB「どうしたんだい?」

マミ「暁美さんのことだけど、どう思う?」

QB「暁美ほむらかい? そうだね、彼女の中で答えは出てると思うよ」

マミ「答え?」

QB「ああ、そうさ」

ハイパー寝る

こんなゴミスレ落とせよ

朝 チュンチュン

杏子「んっ……ふぁ……朝か」ノビ

ほむら「……Zzz」

杏子「ほむらは……まだ寝てるな」

杏子「私(あたし)より起きるのが遅いなんて、意外と抜けたとこもあるんだな」ニッ

杏子「おいほむら、起き」

ほむら「……すぅ……すぅ……」

杏子(ち、近っ……)ドキドキ

杏子「うぁっ……なんだ……?」ドキドキ

杏子「な、なんか……すげぇ……」

杏子「……ほむら……なんだ……この気持ち」

ほむら「……Zzz」

杏子「ほむ、ら……」スッ

ガラッ

マミ「朝ごはんできたわよっ!」ニッコリ

杏子「!!」ビクゥ

ほむら「ん……ん?」パチクリ

マミ「そろそろ起きないと、最後の休日が無駄になっちゃうわよ?」

ほむら「え、ええ……感謝するわ。……って、杏子、なんだか近くないかしら?」

杏子「うぁっ!? そ、そそそんなことねぇよ!!」バッ

ほむら「……そう? それならいいのだけれど。マミ」

マミ「ん?」

ほむら「朝ごはんまで準備してもらって、本当にありがたいわ。大丈夫だった?」

マミ「気にしないで。昨日で配置とか覚えちゃってたから」ニッコリ

杏子「はぁ……」

リビング

杏子「おぉ」

ほむら「こんなにしっかりした朝食を食べるのは久しぶりね」

QB「マミの手にかかればこれくらいなんてことないさ」

ほむら「あなたが威張る要素はこの米粒ほども見当たらないけれど」

マミ「ふふっ、しっかり食べてね」

杏子「もちろんだ! いただきます!」ハフッハフッ

ほむら「あ! 杏子あなた、また喉に詰まらすわよ?」

杏子「心配すんなって」モグモグ

QB「どうだい、マミ」

マミ「そうね……とってもいい朝だわ」ニッコリ

杏子「ほむら、今日はなんか予定あんのか?」

ほむら「あなた、もしかして今日も居座るつもりじゃないでしょうね?」

杏子「ん? ダメなのか?」

ほむら「……はぁ」

ほむら「今日も、まどかが来るわ。休日は手芸をする約束なの」

マミ「鹿目さんが……」

ほむら「大丈夫よ、心配しないでいいわ」

マミ「……暁美さんがそういうなら」

杏子「今日もまどかがくんのか」

杏子「手芸とかならマミもできるんじゃねぇか?」

マミ「そうね……と、言いたいところだけど」

ほむら「何かあるの?」

QB「マミは君達と違って忙しいからね。家のこととか、家のこととか後家のこととか、やることがたくさんあるんだよ」

マミ「そういうことなのよ……」

ほむら「そう……それは仕方ないわね」

杏子「ふーん」

マミ「鹿目さんはいつごろ来るの?」

ほむら「さぁ……特に決めてはないわね。まどかが来たい時間に来ると思うわ」

杏子「楽園の準備はしなくていいのか?」

ほむら「黙りなさい」


ピンポーン

杏子「ん?」

ほむら「まさか……!」

マミ「か、鹿目さん? 朝食のお皿片付けちゃわないと」

杏子「私も手伝うよ」

マミ「まぁ……!」

杏子「ほむらは、手が離せないだろうしな」


ほむら「まどか!」ガチャ

まどか「ウェイヒヒ!! ちょっと早すぎたかな?」

ほむら「そ、そんなことないわ! 上がってちょうだい」

まどか「ありがとうほむらちゃん!」

まどか「わぁ……! なんだか盛り上がってるね!」

マミ「おはよう、鹿目さん」

まどか「おはようございますマミさん!」

まどか「……」チラッ

杏子「マミー、ゆすぐ皿が無くなっちまったぞー?」

マミ「あっ、今行くわね!」

まどか「わ、私も手伝います!」

マミ「えっ?」

杏子「大丈夫、後数枚しかねぇから私とマミでもすぐ終わる。まどかはほむらと遊んでな」ニッ

まどか「あっ……そ、そっか」

ほむら「まどか……きょ、今日は一方的に教えて貰う感じになってしまうけれど、退屈じゃないかしら?」

まどか「ううん! がんばろうねほむらちゃん!」ニッコリ

ほむら「え、えぇ!」

マミ「じゃあ、私はそろそろ帰るわね」

まどか「えっ?」

ほむら「そう……マミ、また来なさい。汚れた綿と遊ぶだけでは、物足りないでしょう?」

QB「僕のことかな? 確証がないからなんとも言えないけど」

ほむら「分かりにくい比喩をしてしまったわね、申し訳ないわ。……路地裏のティッシュとでも言いましょうか」

QB「ああ、僕のことだね」

マミ「うん、そうさせてもらうわね。ありがとう暁美さん、楽しかったわ」ニッコリ

ほむら「こちらこそ、よ。ではまたね」

マミ「ええ!」

まどか「マミさん帰っちゃったんだね……」

ほむら「家のことで忙しいみたいよ」

まどか「そうなんだ……。あ、ほむらちゃんそこ違うよ」

ほむら「えっ?」

まどか「ほら、貸して? ここを、こうして……ね?」

ほむら「わぁ……すごいわまどか! さすがだわ!」

まどか「も、もう! 褒めすぎだよほむらちゃん!」テレッ

杏子「……」

杏子「私も……今日はやめとこうかな」ボソッ

杏子「幸せ……そうだな、ほむら」ズキッ



ほむら「まどか、ここはどうするのかしら?」

まどか「そこは、右手をこうして……」

ほむら「できたわっ! すごい!」

まどか「ウェヒヒー!! やったねほむらちゃん!」

ほむら「見てみなさい杏子、まどかの教えで……あら?」

まどか「どうしたの?」

ほむら「杏子が……いないわ」

まどか「えっ?」

ほむら「どうしたのかしら……」

まどか「……」

ほむら「……」ソワソワ

まどか「……」

ほむら「……」キョロキョロ

まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「ハッ!? な、なにかしら……?」ファサァァァ

まどか「どうかした……?」

ほむら「え?」

まどか「なんだか、キョロキョロしてるよ?」

ほむら「あ、ああ……ええ、そうね、何故かしらね」

まどか「……?」

ほむら「杏子がいないと、なんだか落ち着かなくって……。おかしいわね、一日泊まっただけなのに」

まどか「杏子ちゃんがいないと……?」

ほむら「え、ええ……なんだか、騒がしい人間が急にいなくなると……落ち着かないわ」

まどか「……ほむらちゃん」


ザー ザー

杏子「うっ……雨降ってきやがった……」

杏子「どこかで雨宿りしないと……」

杏子「……っと、なんだか街に誰もいねぇな。雨だからか?」

杏子「……」

ザー ザー

杏子「なんでこう、気分に合わせてくんのかな……」

杏子「余計落ち込むっつうか……」

杏子「止めよ」

杏子「ん? 足元があったかい……?」

猫「にゃー」ボロッ

杏子「……へへっ、なんだか、お揃いだな」


猫「ふにゃっ」ブルブル

杏子「へへっ、そう慌てるなよ」

杏子「……黙って待ってなって。じきにやむさ」ニッ

猫「……」ゴロゴロ

さやか「……ん?」

杏子「……」ポケー

さやか「……杏子? なにしてんの?」

杏子「おっ? さやかか」

さやか「おいっす! さやかちゃんだよ!」

杏子「なにしてんだ?」

さやか「お見舞いの帰り。それよりこっちのセリフだよ」

杏子「……まあ、ちょっとな、センチメンタルな気分ってやつさ」ヘヘッ

さやか「うわぁ……二人もお見舞い行けないよ」

杏子「う、うるせぇなっ!!」カァ

さやか「あははっ」ケラケラ

さやか「これからほむらの家に行こうと思うんだけど、杏子もどう?」

杏子「ほむらの家!?」

さやか「な、何よ、なんかおかしい?」

杏子「いや……めずらしいこともあるんだなって思って」

さやか「違うわよ。一緒に宿題しようと思ってまどかの家に行ったらほむらのとこに出かけてるっていうからさ」

杏子「そ、それでか……でも」

さやか「ん?」

杏子「私は、やめとくよ」

さやか「えっ、何で?」

杏子「うーん……」

さやか「もしかして……センチメンタルって、それ……?」

杏子「うっ……」ピクッ

ほむらの家

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「き、気にしなくていいわ……続きをやりましょう」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「えーっと、ど、どこまでやったかしら……」アタフタ

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「えっ、あ、なに?」ビクッ

まどか「杏子ちゃんのこと、気になるの……?」

ほむら「えっ……?」

まどか「好き……なの?」

ほむら「す、好き……?」

まどか「ほむらちゃん、杏子ちゃんがいなくなっちゃったことに気がついた時、すごく心配そうな顔してた」

ほむら「そ、それは……」

まどか「ほむらちゃん、私、気づいてるんだ」

ほむら「まど、か?」

まどか「あのね、ほむらちゃん」

ほむら「……」

まどか「私から、お願いがあるの」

ほむら「お、お願い……?」

まどか「うん……えっとね?」

まどか「もう、私のこと、考えなくてもいいから」

ほむら「えっ? ま、まどっ……!」

まどか「見守ってくれなくてもいい、優しくしてくれなくてもいい。
    私に気を遣わなくたって、いい」

ほむら「まど、まどか……でも……!」

まどか「ほむらちゃん。私、気がついてるんだよ?」

まどか「私が杏子ちゃんのこと、少し気になっちゃってるの、ほむらちゃんが知ってるってこと」

ほむら「えっ……?」

まどか「ほむらちゃん、私の幸せを願ってくれて、ありがとね」

まどか「私ね、何度も何度もほむらちゃんへのありがとうを、伝えたいって思ってるんだ」

ほむら「まど、まどか……」

まどか「でもね、言えば言うほど、なんだか簡単なもののように感じちゃって……ほむらちゃんの優しさはそんなものじゃないのに……」

まどか「だからね、ずっと一杯の、100%のありがとうを、伝え続けられたらいいなって、いつも考えてるんだ」

ほむら「まどか……?」

まどか「でもね、ほむらちゃんはすごく優しいから、いつも私のありがとうを超える優しさをくれて、
    その度に私は嬉しくなって、どうしたらいいんだろうって、考えちゃうんだ」

ほむら「どうしたらだなんて……」

まどか「だからね? ほむらちゃん」

ほむら「……まどか?」

まどか「今度は、私がほむらちゃんの幸せを願う番だと思うんだ」

まどか「うまく言えないけど、私のことを考えて、ほむらちゃんに我慢してほしくないの」

ほむら「……まどか……」

まどか「ほむらちゃんの本当の気持ちを、もっと知りたいの。
    私、何もできないけど、ほむらちゃんのことは大好きだから、なんでもわかるんだよ?」ニコッ

ほむら「まど、まどかぁ……」ポロポロ

ギュッ

ほむら「わた、私ね、まどかのことがね……好き……なの……」ポロポロ

まどか「えへへ、ありがとね、ほむらちゃん」

ほむら「でも、まどかは杏子のこと、うぐっ、好き、だから……言えなかったの」ポロポロ

まどか「うん……うん……ごめんね、ほむらちゃん」ポロポロ

ほむら「いいの……うぐっ、こうし、て……伝えられただけで、えぐっ、満足だから……」ギュウウ

まどか「ありがとね……ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「うぅ……」ポロポロ

おっぱい侍!!

まどか「でもね、ほむらちゃん」

ほむら「……?」

まどか「私ね、ほむらちゃんがまだ気づいてないことも、知ってるんだ」

ほむら「気づいて、ないこと……?」

まどか「うん……」

ほむら「な、なに……?」

まどか「……言えないけど、ほむらちゃんの本当の幸せは、そこにあると思うんだ」

ほむら「本当の、幸せ……?」

まどか「うん! だからね、私は、それを願ってるよ?
    って、ウェイヒヒヒ! これじゃあなに行ってるかわかんないね」クスッ

ほむら「え、ええ……」

まどか「でも大丈夫、きっと、ほむらちゃんなら大丈夫だから」

ほむら「そう、かな?」

まどか「そうだよ!」

ほむら「えへへ……ありがとう、まどか」

~屋根の下~
さやか「ふ~ん……へ~え」ニヤニヤ

杏子「な、んだよその顔」

さやか「あんた……好きなんでしょ、ほむらのこと」ニヤッ

杏子「なっ!? はぁぁ!? あ、ありえねぇだろ!!」カァァァ
さやか「あはは! 顔真っ赤っ赤だよ! どこから髪の毛かわかんないって!」

杏子「こ、殺すっ!」クワッ

さやか「うわぁ! じょ、冗談だって! ごめんなさい!」

杏子「……チッ」

さやか「でも確かにそんな感じなら、ほむらの家行けないかもね~」

杏子「あ、ああ……」
さやか「ちぇ~、どうしよっかなぁ、宿題」

杏子「んなもん、一人でできねぇのか?」
さやか「がんばればできるんだけどさ~……退屈じゃん?」

杏子「お前……」

さやか「あははっ! あ、雨止んできたね」

杏子「ああ、そうだな……」
猫「にゃーお」

さやか「それにしても杏子がほむらをね~」ニヤニヤ

杏子「な、んだよ、ダメなのかよ」

さやか「うーうん、むしろ良いよ! で、ほむらのどこに惚れたのさ?」ニヤ

杏子「テ、テメェ……」カァ

さやか「あはは! 可愛い!」

杏子「ぶち殺す!!」

さやか「だ、だってあんた可愛いんだもん! あははは!」

杏子「しつけぇぞ!!」

さやか「ごめんごめん」テヘッ

杏子「ケッ……人が悩んでりゃいい気になりやがって」

さやか「え? 悩んでんの?」

杏子「あ、当たりめぇだろ!」

さやか「なにに悩んでんの?」

杏子「そ、それは……」

さやか「ん?」

杏子「ほ、ほむらと……」ゴニョゴニョ

さやか「なにさ? 俯いちゃって」

杏子「ほ、ほむらとどうやったらもっと仲良くなれるかだよ!!」

さやか「へ? 告白すりゃいいじゃん」ケロッ

杏子「ぶーっ!! こ、告白だと!?」

さやか「うん」

杏子「う、うんってお前……何言ってるかわかってんのか?」

さやか「当たり前じゃん」

杏子「告白って、あの告白だろ!?」

さやか「それ以外に何があんの」

杏子「お、女同士なんだぞ?」

さやか「だから? ほむらが気にするとは思わないけど」

杏子「ほむらはまどかのことが好きなんだぞ!?」

さやか「はぁ……あんたらしくないね」

杏子「はぁ?」

さやか「人のこと考えてどうすんのよ。自分がそうしたいならそうしなさい!」

杏子「で、でも……断られたら……」

さやか「断られたらほむらとの関係が終わるわけじゃないでしょ? アピールにもなるし」

杏子「ア、アピール?」

さやか「あんたのことが好きよ~って伝えるだけで、人の気持ちなんて変わっちゃうもんでしょ?」

杏子「そ、そうなのか……?」

さやかお前が言うなよ

杏子「そ、そういうさやかはどうなんだよ……。お見舞いのやつ、気になってるんだろ?」

さやか「わ、私は……はぁ……そうね。ごめん! 杏子!」パンッ

杏子「ええ!? な、なんだよ急に」

さやか「私偉そうに言ったけど、全然人のこと言えないや……」エヘヘ

杏子「ん? ん~まぁ……そう、かもな?」

さやか「あはは、杏子は優しいね」

杏子「はぁ? 別に普通だよ。それにさ」

さやか「ん?」

杏子「そんだけすらすらアドバイスの言葉が出てくるんだ。それって、普段から自分が思ってることなんじゃねぇのか?」

さやか「……ハッ」

杏子「自分と私が重なって、そんな言葉を言ったんなら、謝る必要なんかねぇよ。
   一緒に、進めばいいだけだもんなっ」ニッ

さやか「うっ……杏子、なんかあんた、かっこいいわ」

杏子「なにがだよ?」

さやか「あはは、ううん、なんでもない。……ありがとね」

杏子「ああ、いいってことよ」

さやか「そんじゃ私……今からもっかい恭介んとこに行ってこようかな」

杏子「えっ? も、もう行くのか?」

さやか「善は急げって、言うでしょ?」

杏子「す、すげぇな……」

さやか「どっちが先に付き合うか勝負だー!」

杏子「は? お、おい! ちょっと!」

さやか「んじゃ、まったね! 杏子に会えてよかった! がんばろ!」スタコラサッサ

杏子「さ、さやかー!?」

杏子「い……行っちまった」

杏子「すげぇな……いや、何も考えてないだけなのか?」

杏子「それとも私が考えすぎなだけなのか?」

杏子「私らしくない……か」

まどほむじゃないゴミスレなんて落とせよ

杏子「私も、ほむらのとこに行ってみようかな」

杏子「うーん……」

杏子「善は急げ、か……」

杏子「急がば回れとも言うし、よくわかんねぇな……」

杏子「って、これじゃやっぱり私の考えすぎだな。私も、さやかみてぇに……こう」

杏子「ダーっと、行動するべきだよな。っつうか、本来の私はそうなんだよ」

杏子「ほむらのこととなるとどうも調子が……って何考えてんだ」ワタワタ

杏子「あーもうめんどくせぇ。行くかっ!」

タッタッタ


ほむら「杏、子……?」

杏子「おう」

ほむら「どこに行っていたの?」

杏子「んー、適当にぶらついてただけさ。それより、まどかは?」

ほむら「もう、帰ったわ」

杏子「え? なんだ? いやに早いな」

ほむら「色々あったのよ……」

杏子「ん? ……ほむら、お前……泣いてたのか?」

ほむら「……なんでもないわ。気にしないで」サッ

杏子「……まどかのことか?」

ほむら「……放っておいてちょうだい」

杏子「まぁ、ほむらがそういうならいいけど」

ほむら「うっ……」

杏子「……」ゴロン

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「……バカね、本当に空気が読めないのね、杏子」

杏子「な、なんだよ?」

ほむら「……聞きなさいよ」

杏子「なんだほむら……お前、案外面倒なやつなんだな」ニッ

ほむら「うるさいわね」

杏子「まぁでも、ほむらの弱いとこはなんだか新鮮で、嬉しいけどな」ニカッ

ほむら「……ぐ、偶然よ。私が弱ってる時に、偶然あなたがいるだけで、
    あなたにしか見せないとか、そういうことじゃないわ」

杏子「……えぇ、そうだったのか。私にだけ見せてくれるとか、思っちまったよ」アチャー

杏子「ほら、昨日の夜のこととかもあったしな」

ほむら「……わ、忘れなさい」

杏子「無理だね」

ほむら「生意気な……!」

杏子「なぁほむら」

ほむら「な、なによ」

杏子「居座るの迷惑だとか言わなくなったんだな」ニヤッ

ほむら「……なっ、そ、それは、心の中ではもちろん思っているわよ?」

杏子「へぇ、そうかい」

ほむら「ぐっ……なんか悔しいわね」

杏子「なんか一歩近づけたみてぇだなって思ったんだけど」

ほむら「……うっ」

杏子「今はさ、違うかもしれねぇけど」

ほむら「えっ……?」

杏子「ほむらは、なんでも抱え込んじまうだろ? だから、いつかは、いつかはさ、
   ほむらのそういう部分を、一緒に抱えてやれるような私になれたら、すげぇ嬉しいなって、思うんだよ」

ほむら「なっ……! 何を言い出すのよ!」カァ

杏子「だってそうだろ? ひとりぼっちは、寂しいもんな」ニカッ

ほむら「きょ、杏子……!」バッ

杏子「あ、おい、なんで顔背けるんだよ」

ほむら「う、うるさいわね……黙ってなさい」

杏子「なんだよ? なんか怒らせたか?」

ほむら「ち、違うわよ!!」

杏子「じゃあなんだ?」

ほむら「だ、黙りなさい」カァァ

杏子「ちぇ、まだまだなのかね……」

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「……はぁ」

杏子「ん?」

ほむら「私、まどかに振られたのよ」

杏子「えぇ!? う、嘘だろ!?」

ほむら「本当よ。私は気が付いていないけれど、私の幸せはまどかとは共にないって、
    まどかにそう言われたの」

杏子「な、なんだそりゃ? どういう意味だよ」

ほむら「さぁ……言われた時は、私もさっぱりだったわ。でも今は……ほんの少しだけわかった気がする」

杏子「な、なんなんだ?」

ほむら「秘密よ」

杏子「あ、おいっ、ずるいぞ!」

ほむら「……あなた、さっきまだまだなのかって、言ったわよね?」

杏子「ん? あ、ああ……って、意味わかってるのか?」

ほむら「なんで唐突にまどかに振られた話をしたかわかるかしら?」

杏子「えっ? ……んん?」

ほむら「……感謝するわ、杏子」

杏子「はぁ? なんだよ、全然わかんねぇぞ?」

ほむら「……案外、まだまだじゃないかもしれないってことよ」

杏子「ん? んん?」

ほむら「もう」

杏子「な、なんだよ」
ほむら「あなたといると、居心地がいいわ」
杏子「……へっ? ……えぇ!?」

ほむら「杏子、私は決して弱い部分を見せないように努力してきたわ」

杏子「あ、ああ……」

ほむら「でも今は?」

杏子「見せてる……のか? 私に」

ほむら「そうね」

杏子「でも、偶然なんだろ?」

ほむら「……杏子、あなたって本当に」

杏子「な、なんだ?」
ほむら「やっぱり、まだまだかもしれないわね……」ハァ

杏子「ほ、ほむらー?」

終われちんぽ侍

えっ

だってまどかに振られたその日に杏子と付き合うなんてありえねぇじゃん?

だから杏子とほむらのこれからを匂わす感じで終わらすしかねぇじゃん?
ごめんなさい

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