春香「惚れ薬を飲んだみんなと見られた私」 (272)


それはあまりにも突然の出来事でした

ご自由にと書かれたバスケットの中のお菓子

ご自由になら食べてもいいのかな?

食べてもいいよね?

と、千早ちゃんと一緒に摘んだわけだけど

「あっ食べちゃったの?」

「えっ」

急に小鳥さんがお茶を持ってきて、

そして言ったのです

「その中に、惚れ薬入りのお菓子が混じってるから気をつけて」

……と。

千早ちゃんがとったのは白いお饅頭

私が取ったのは普通のクッキー

「お饅頭の方だからね、気をつけてね?」

「……春香」

小鳥さんの語尾のように、となりからの声が続く

「えっと……千早、ちゃん?」

温かい千早ちゃんの視線を感じる

「春香……ふふっ、可愛い」

これ、多分ダメなパターンです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382043243


「春香!」

「っ!」

ソファからの緊急離脱

千早ちゃんが顔からソファに倒れこむ

「小鳥さん!」

「ふふっ幸い今日はオフでしょ? 良いんじゃないかしら」

何がいいのかさっぱりわからないけど、

とりあえず

「時間はどれくらい経てばいいんですか?」

「ん~……大体2時間くらいかしら」

大体だなんてなんて曖昧な時間

こんな状態の千早ちゃんを外に出すわけにはいかないし……っ!

「春香……どうして? 春香、どうして逃げるの?」

「ひぃっ」

ゆらりと立ち上がり、上目遣いの鋭い眼光が私を捕える

普通に怖い、殺されそうな勢いで怖い!


「これっヤンデレ化の間違いじゃないんですか!?」

「春香……どうして無視するの? どうして逃げるの?」

ソファが軋み、

千早ちゃんの足が床へと降りていく

トッ……トッ……と、

千早ちゃんの足音が向かってくる

なんてホラー、なんてヤンデレ!?

「春香……逃げる必要なんてないのよ?」

「え、え~っとぉ……」

チラッと小鳥さんへの救援要請

だけど、そこはやっぱり小鳥さん

面白そうにニヤニヤと私たちの行く末を見守るつもりらしい

「春香ちゃん、あくまで惚れるだけだから、危険はないはずよ」

「すでに貞操……命の危機ですよ!」


「は~る~かっ」

「ひっ」

ドンッと背中が壁にぶつかった

「ふふふっ追いかけっこはおしまいね」

圧倒的絶望を前に、

私の体は動くことができなかった

震える体は言う事を聞かず

その首筋を千早ちゃんの指がなぞっていく

「ち、千早ちゃ……」

「春香には私を見て欲しいの……」

「み、見てるよ? 結構見てると思うんだけどなっ!」

後ずさることもできない私は

千早ちゃんの怪しげな手の動きを一身に受けるしかなく

夏の暑さも相まって汗が滴り落ちていった


「結構じゃ嫌よ……」

「へ?」

「常に私を見て欲しいの」

そんな無茶なことを言われても……困るよ

「だから、ね?」

千早ちゃんの右手が顎をクイッと持ち上げる

「あ、あのえっと……」

「春香」

温かくて、柔らかい唇の感触

押しつぶされるように唇の厚みが減っていく

「……………」

「……………」

互いの呼吸が止まった瞬間

その分だけ心拍数が跳ね上がった


千早ちゃんが徐々に離れていく

同時に唇の厚みが戻って言っているはずなのに

その強烈な感触が唇には残っていた

「…………………」

キスされたんだよね?

千早ちゃんに、キスされちゃったんだよね……?

確かめるように唇を指でなぞっていく

柔らかい自分の唇

そこに重なった千早ちゃんの唇

「っ……」

「春香……?」

惚れ薬なんていうモノによる偽物の心

「ぇ、えへへ……や、柔らかいなぁ」

千早ちゃんの気持ちを勝手に操作して、思いのままにキスさせて

こんなの可愛そうだよ……

「で、でもっ禁止ね? 見られたら困るし」

私自身の唇を奪われたのも少し悲しいけど

千早ちゃんの本当の意思に関係ないキスだったことが、

もっと悲しかった


一旦中断

はるちはは覇道

期待
迫り来る壁

いいねいいね

     ∧_∧  ミ _ ドスッ
   (    )┌─┴┴─┐

    /    つ. 終  了|
   :/o   /´ .└─┬┬─┘
  (_(_) ;;、`;。;`| |

  このスレは無事終了しました
  ありがとうございました
  もう書き込まないでください

これは期待

だがこの設定だと小鳥×春香が見られないな


「春香、誰も見ていない今ならいいでしょう?」

「だ、ダメだよ。小鳥さんが見てるから、っていうか観てるから!」

「そう……音無さんが邪魔なのね?」

千早ちゃんはそう言うやいなや

ぐるっと首だけを回して小鳥さんを見つめた

「ピヨッ!?」

「音無さん、たしか……必要なものを買いに行くのでは?」

「ひ、必要なもの……?」

明らかになさそうな表情

というか、千早ちゃんに怯えている表情だ

って、出て行かせるつもりなの!?


「そ、そんなのあったかしら……」

「ほら、お茶とか、お菓子とか、電球とか、色々あるじゃないですか」

「それなら昨日プロデューサーさんが」

小鳥さんが困ったように笑う

さすがに2人きりはマズいと悟ったんだろう

もう、色々と遅いけど。

「 お と な し さ ん 」

不意に響いた声

それがすぐ近くだったからか

あまりにも暗く低い声に感じた


「ひゃいっ!」

「応接室……お借りしても?」

「へっ……え、いや……」

小鳥さんは困ったように私を見つめてくる

いや、見られても困りますって

助けてくださいよ、小鳥さん!

その願いが通じたのか小鳥さんは小さく笑った

「え、ええ……少しなら」

……………

………

……

通じてなかった

「さ、春香。2人きりになれるみたいよ」

「ちょ、ちょっと、小鳥さん、小鳥さぁぁぁん」

応接室の中に引きずり込まれる寸前、

見えた小鳥さんは申し訳なさそうに手を合わせていた

……合掌

「じゃ、ないよ! 酷いよ! 惚れ薬だってどうせ小鳥さん仕込みなのに!」

頑張れ、応援してる


「春香、急に大声でどうしたの?」

「どうしたのじゃないって……正気に戻ってよ……」

再び千早ちゃんから逃げ回れるようになったは良いものの、

千早ちゃんから逃れる代わりに、

扉がガチャッと鳴ったのを聞き逃してないよ

つまり、逃げるためには数コンマぐらい扉の前で立ち止まらなくちゃいけない

だけどそんな隙を与えた瞬間捕まるのは確実

だって今の千早ちゃんまるで野獣だし、狩人だし

「千早ちゃんだって嫌だよね!? 好きじゃない人とキスしたりなんだりなんて!」

「あら、私は春香が大好きよ。タイムリープしても忘れないほど強く想っているわ」

「タイムリープ……? あぁ……」

千早ちゃんが声を当てたあれかぁって

感傷に浸ってる場合じゃないよ!

頭を振り、ソファ越しの千早ちゃんを見つめる

「でも、それは薬のせい。本当の千早ちゃんが私を好きだとしても」

「春――」

「きっと、今の千早ちゃんとは違う友達としての好き。だから――その想いは受け入れられない」

「春香……」

千早ちゃんの明らかに悲しそうな表情

薬の効果が切れたら、こういうやりとり全部忘れてくれるのかな


中断

少しずつ行きます

>>12
入ってないと思って食べたらうっかり入ってた。
でオールオッケー。

ゴミスレ。さっさとゴミ箱すてとけks

>>20
またお前かぁ……
自分が人生捨てるしかないからって八つ当たりすんなよなぁ
ミットもないったらありゃしない

どんとたっちでぃす

…わかったさ、このssはやめるさ。ハイサイ!!やめやめ!


お気に入りに入れとくぜ

あかん、ワロタ

あかん、ワロタ

楽しみにしてるよー

このはるるんは完全に恋する乙女の顔してますわ


「ごめんね?」

今の自分の表情は、

さっきの小鳥さんのように困っているのか、

それとも……苦笑しているのか

私には見えず、ただ口元gヒクつくのを感じるだけ

「……駄目」

「え?」

「そんなの……駄目!」

千早ちゃんは千早ちゃんらしからぬ感情をむき出しにした顔で私を見つめていた

嬉しさではない

悲しさしか感じられない涙をこぼしていた

「私は好きよ! 春香が好きなの! 狂おしい程愛おしいの!」

「違うよ! 今の千早ちゃんは惚れ薬でおかしいだけ……だから――」


ほんの一瞬だった

ううん、ほんの一瞬だったのは自分の体感時間での話

実際は数秒、数十秒くらいだった

千早ちゃんの言葉を否定しようと首を振る

その時に、私は目を瞑っちゃったんだ

目を開けていたくなかった

千早ちゃんの惚れ薬のせいな心だとしても。

否定し、拒絶し、

傷つけ、苦しめるということが私には耐えられなかった

その結果。

「おかしくなんかない!」

「きゃぁっ!?」

私はソファを乗り越えてきた千早ちゃんに押し倒されてしまった


「やめて……止めてよ春香」

「っ……止めてよ、千早ちゃん」

押し倒され、腕も足も押さえつけられた私は

抵抗できる要素が何も残されていなかった

「ひどいわ……貴女なら、貴女なら私の心を否定したりしないと思っていたのに」

「千早ちゃん、今の千早ちゃんは惚れ薬――」

「それでもよ!」

千早ちゃんの大声が耳に痛い

千早ちゃんの涙が心に痛い

「それでも……この思いは、如月千早のものなの……」

「………………」

薬にせよ、なんにせよ

今の千早ちゃんが私を性的に好きであることは

千早ちゃん自身の意思だってこと……なのかな……

だとしても。

「本来の千早ちゃんじゃないなら。私は受け入れないよ……受け入れちゃ、いけないんだよ」

誰がここまですごいシリアスだと知り得ただろうか


「どうしても?」

「……うん」

私はこの選択を後悔したりしない。

今の記憶が消えるにしても、消えないにしても

千早ちゃんが今みたいに積極的に接触してきたり、

好きだとか大好きだとか、愛してるだなんて言ってくる事はきっとない

ここで私が望めば千早ちゃんとはどんなことだってできるのかもしれない

でも……ダメなんだよ

そんなの、受け入れちゃダメなんだよ

「千早ちゃんのこと、大切だから。大事だから。だから……こんなことで決めたくないんだ」

「……………」

「ごめんね?」

今の私はきっと笑ってる

でも、倒れ込んでいるせいか、耳元の方に雫が流れていく

「……ううん、良いの。貴女が私をそこまで思ってくれてるって解っただけで私はもう……十分よ」

千早ちゃんはそう言って微笑む

閉じた瞼から滴る雫が私のそれと混じって床へとしみていった


「ねぇ……春香」

「ん?」

「キスが……したいわ」

千早ちゃんの急な申し出

いや、さっき強引にされちゃったし、

そんなこと言われるとその記憶があぁぁぁぁああぁぁぁっ

ボンッとオーバーヒートしそうな勢いで顔が熱くなっていく

「駄目?」

「うっ……だ、駄目」

「そう……残念だわ」

千早ちゃんはだんだんといつもの調子に戻りつつあるのか、

私の拒絶にもあまり悲しそうな反応をすることはなかった

「……ねぇ、春香」

「なに?」

千早ちゃんはその綺麗な瞳を私へと向けた


「私は貴女が言うように、惚れ薬のせいで貴女をこんなにも好きになっているのかもしれないわ」

千早ちゃんの瞳から思わず目を逸らし、

「……惚れ薬のせいだよ」

伏せていた私の手を千早ちゃんが掴む

「そうね。でも……聞いて、春香」

「……なにを?」

「……ううん、もしかしたら答えて。かもしれない」

苦笑し、千早ちゃんは続ける

惚れ薬があるからこその言葉を

「私は貴女が好き。大好き。それがもしも惚れ薬じゃなかったらどうする?」

「え?」

「もちろん……たとえの話だけれど」

千早ちゃんはそう言って顔を伏せてしまった

聞きたいのか聞きたくないのか

良く解らないなぁ


「…………………」

「…………………」

黙り込んだまま

無駄に、無意味に、時間だけが過ぎていく

千早ちゃんの質問に対する私の答えが……見つからない

これはただの質問に見せかけた告白みたいなもの

もしも記憶が残るなら、私の答えが千早ちゃんに対して

悪影響を与えてしまいかねないほどのもの

だからといって、同情するような答えでも意味がない

「……ごめんなさい。答えづらいわよね」

やがて、千早ちゃんが終わらせようと声を出す。

良いの?

終わらせちゃっていいの? このまま?

よくないよね……

続けろください


言葉を探し、言葉を選ぶ

今の状態を壊さないように、

でも、ちゃんとした答えを出す

「……嬉しいよ。私も千早ちゃんのこと好きだから」

「え?」

「もちろん、友達としてだけど」

「え、ええ、そうよね」

千早ちゃんの一喜一憂が見れて少し嬉しい。なんて

私はやっぱり、笑っている千早ちゃんがいいなぁ

「だから、好きとか、大好きとか友達としてなら嬉しい。大歓迎だよ」

でも。と、

私は千早ちゃんの表情が曇るのも構わずに続けた

「性的に好きだなんて言われても……正直わからないよ」

「………………」

「女の子同士だし……さ。友達と恋愛の好きの線引きが曖昧だろうしね」

私の好き

千早ちゃんの好き

同じようで違うけど同じ好き

「だから……今の気持ちを忘れないで千早ちゃん」

「どういうこと?」

「恋のドキドキ、千早ちゃんなら感じてるでしょ?」


「えへへ……付き合ったこともないような私が言うのもあれだけどね」

だからって恋をしたことないわけじゃない

相手が誰とは言わないけど

その時感じた胸の高鳴りは緊張とか、恐怖とか、

そういうものでは決してなくて

なんていうんだろう。

言葉じゃ難しいんだよね……これが

「……貴女のことしか考えられなくなる」

「千早ちゃん?」

「ぼーっとするの。春香を見ると、呼吸さえ忘れてしまいそうな。ううん、時間が止まったみたいに感じるの」

「う~ん。言葉にするとそんなかんじかな……?」

自分で言い出しておきながら、

詳細が掴めていないとはこれいかに


「じゃぁ、元に戻ったとき。こう感じたらそう言う意味だってことなのね?」

「う、うん……」

結局、

私は千早ちゃんの質問には

はっきりとした答えを返すことができなかった

受け入れられない。なんて言えるわけがないし、

受け入れる。なんて無責任なことも言えなかった

「……春香」

「ごめんね、答えられなくて」

「ううん、私はむしろそれでいいと思ってる」

意外にも、

千早ちゃんはそう答えて笑う

「曖昧の方が、未来には希望を持ちやすいじゃない」

「……そうだね」

その時の千早ちゃんが惚れ薬の効果が切れていたのか切れていなかったのか

私にはわからないけど

でも、千早ちゃんが悲しそうにではなく

嬉しそうに笑っていてくれたのだけは……解った


なんでこんなシリアスになった
ただいちゃいちゃしたかっただけなのに


とりあえず【ちははる】は終わり、後でやりたくなったらまたやる
次は未定。でも明日にはかくと思う


765アイドル全員分をこのスレにまとめる予定です

乙なの
次はゆきはるが見たいかなーって

乙!
全員分書くまで見守ってるよ

たかひび!ひびたかでも可!オナシャス!

まこいおとか欲しいです
逆でも可

たかぴよを所望す。

タイトル的に春香総受けじゃないのか?

いおはるお願いします

ゆきちはお願いします

これ春香さん総受けって意味じゃなかったのか?
一番好感度高そうな千早でこれなら春香さんの純潔は守られそうだね
惚れ薬であって媚薬じゃないしとんでもなく強引な手段は取らない?だろうし…

みきはるお願いします

タイトル読めないヤツ多すぎでしょ
春香が雰囲気に流されずちゃんと断れる子で安心した


千早ちゃんは惚れ薬の切れるであろう2時間くらいしたあと、

はっと気づいたように私を見つめた

「……は、春香?」

「ん? どうかしたの?」

「いえ……私、貴女に酷い事したりしなかったかしら?」

あまりにも不安そうな千早ちゃん

さっきまでのことを夢かなにかだと思っているみたい

それはそれで良かったんだか、悪かったんだか。

「んー? 夢で私に何したのかな~?」

「な、何もしていないなら良いの!」

真っ赤な表情

やっぱり、あれは夢だとしても恥ずかしいよね……

「わ、わた、私レッスン行くわ……春香、貴女はついてこないで」

「ふぇ!?」

そんな照れ隠しな一言はちょっと傷つくなぁ

でも、そうだよね。気不味いよね、夢とはいえキスしたり、

大声で大好きとか愛してるなんて言っちゃった相手と一緒にいるのはね

千早ちゃんが部屋を出て、事務所を出ていく

ほんの少し寂しそうな唇をペロッと舐め、

私は小鳥さんに注意しようと部屋を出たわけだけど――


「あっ春香ちゃ――っ!」

「……雪、歩?」

事務所のソファに座る白の似合う女の子

彼女は私を見て名前を呼ぼうとしたみたいだけど

その瞬間勢いよく顔を伏せてしまった

「あははは……ははっ」

冷静に分析してみよう

机の上にはお茶、見覚えのある包み紙

当然、中身はない

恐怖!! 饅頭怖いの始まりである……じゃ、なくて

「雪歩、お饅頭食べちゃった?」

「……ぅ、ぅん」

だよね

「……食べてから小鳥さん見た?」

「た、食べる前に……出ちゃって」

私に怒られるって思って逃げたってことですかーそうですかー

流石の春香ちゃんも怒っちゃいますよーっ


「………………」

現実逃避は止そう

雪歩の反応で解ってるよね?

雪歩は今私を好きな状態なんだってさ

「あ、あのさ……雪歩」

「にゃ、なんですかぁ……?」

「そのお饅頭、ちょっとおかしな作用があるんだけど……」

その気持ちは惚れ薬です! なんて率直に言うべきだよね?

なんて悩むまでもなく雪歩は静かに頷いた

「し、知ってますぅ……ふ、袋の裏に……」

「袋の裏……?」

近づいた際に雪歩がビクッと震えてソファの隅に逃げたのは見えなかったことにして

雪歩が食べた分の包の裏側を見てみたんだけど……。

【このお饅頭には惚れ薬が微量に含まれておりま~す。テヘッ】

思わず紙を握り潰す

どう考えても小鳥さんの悪戯です、本当にありがとうございましたッ!


「率直に聞いて良いかな?」

「……は、はい」

「私のこと……見たよね?」

「………………」

雪歩は黙って頷く

つまり、私が思っていた通り……と

幸い、千早ちゃんみたいな状態じゃないし

ここは私がどっか出かけたりすれば解決するかな

「じゃぁ、私でかけるね?」

「え?」

「今の雪歩、私がいると……アレでしょ?」

後ろからでもわかるくらいに赤くなっているんだから

私と2人きりなんて雪歩が穴を掘りかけない

それは避けるべきだもんね


「ごめんね、出かけついでに小鳥さん探し出して――……あれっ?」

雪歩ちゃんに背を向けいざ出発

とはいかないらしい

私の腕を掴む腕

「……………………」

「雪歩?」

まるで船の碇みたいに雪歩が私を固定していた

「いか、ないで……」

「行かないでって……それだと雪歩が」

「恥ずかしいより寂しい方が嫌ですぅっ!」

「うっ……」

開幕早々泣き入りの雪歩の顔

そんな凶器で見上げられたらもうね

どんな人でもイチコロだよね

とはいえ……どうなるか判ったものじゃないし……


「でも、ほら……誰か来るかもしれないし」

「そ、それでも……」

「良いの?」

「だって……み、見せつけ――の―――」

途中から言葉はそよ風のように掻き消えて

最後まで聞くことはできなかった

でも、「見せつけ」の時点で嫌な予感しかしない

それってつまりみんなに見せつけるってことだよね?

相手によってはすごく面倒なことになるよ絶対

「ご、ごめん雪歩……私、用事が――」

「ウソだよっ!」

「ひっ」

予想から外れた雪歩の大声

鋭い瞳が私の動き、呼吸さえも引き止めた


「私……知ってるんだよ?」

「な、何を……?」

「今日は何の予定もないって……私知ってるの」

ニコッと雪歩は笑うけども

正直言って怖い、怖いという言葉と感情しか出てこない

雪歩は立ち上がった雪歩は

ソファに正座していた時よりも高い目線になるけど

それでも私よりは微妙に低い

そんな状態だとしても

見上げるという可愛さ上昇テクをフル活用していたとしても

雪歩の目が怖くて仕方がなかった

「ご、ごめ……ん。ウソ――」

「うん、知ってるよ? ねぇ、どうして嘘ついたの……?」

「どうしてって……雪歩と」

「私? あははっ……そうだよね、私なんかと一緒に居たくないもんね……えへへっ悲しいなぁ」


「そ、そうじゃなくてっ」

「じゃぁ……どうして?」

「っ……ゆ、雪歩が」

「私が?」

雪歩のハイライトの薄れた瞳

それが儚げな表情とともに私へと向けられる

「雪歩が……みんなに見せつけるっていうから……」

そんな面倒なこと普通避けたいって思うし

雪歩は――……雪歩?

気づけば俯いていた雪歩

だけど、がっしりと掴まれた腕はだんだんと絞まって……しまっいたたたたたたっ

「痛い、痛いって雪歩!」

「――誰?」

「へ?」

「春香ちゃんが好きな人、春香ちゃんが見られたら困る人……誰?」

雪歩は笑っていた

嬉しさの欠片もない笑顔で……笑っていた


中断


千早と雪歩はなぜか惚れるとヤンデレ路線……

おつ

このスレ見てるとヤンデレもいいかなって…

みんなヤンデレ化路線でもいいのよ?

パイタッチされても寝たふりをする雪歩だからねしかたないね


「そ、それは……」

誰に見られても困るわけだけど

それは別に好きとかどうとかは全く関係ない話なのに

「それは?」

「えっと……ひ、み、つ。てへっていたたたたたたたっ痛いっ痛いってば!」

「あのね? 私は冗談とかで聞いてるんじゃないんだよ?」

うん、解ってる解ってます!

その目が冗談とか誰がどう見ても思わないからっ

どんなに唐変木な人でも解るから、気づくから!

「で、でも、その……す、好きとかじゃないの」

「じゃぁなんで?」

「み、見られたら変な噂が立つでしょ? そ、それが嫌っていうか……困るというか」

誰の名前も出さず、

かつ、好きとかどうとかの話題をそらす完璧な答え

「そっか、春香ちゃんは私が嫌いだから噂が立って欲しくないんだ?」

とはいきませんでした


「春香ちゃん、いつもクッキー焼いてくるもんね……」

な、なんでこの時にクッキー?

しかもいつもって、余裕があるときとかくらいしか作らないのに

「そ、それが?」

「クッキーって和菓子? 洋菓子?」

「洋菓子……だよね?」

そんな聞き方をされると

ちょっと自信なくしちゃうけど

クッキーは和食じゃないはず

だから正解だったはず。というか正解だったのに

「うん、そうだよ? 和じゃなく洋なんだよ? わかるよね?」

「いや、解って――」

「じゃぁなんでクッキーなの!?」

「うひゃぃっ!」


「私が上手くできるのはお茶なのにッ! 日本茶なのに!」

「えっ」

なに?

なにこれ?

雪歩が怒ってるのって……えっ?

「私なんか嫌いだからそうやって合わないお菓子作るんだよね!?」

「ち、ちがっ……」

和菓子なんて作るスキルあるわけないって……

いや、作ろうと思えば作れるかもしれないけど

「……えへへ、でも、最近紅茶も入れられるように勉強してるんだよ?」

急に笑ったかと思えば……あれ?

ん?

そういえば、私がクッキー焼いたかどうか確認してくるし

焼いてきてるとたまに紅茶が……

「春香ちゃんに合わせるために頑張ってるの……春香ちゃんと一緒になりたくて頑張ってるんだよ?」

「ぇ、え~っとぉ」

「春香ちゃんが……春香ちゃんが好きだからッ! なのに……春香ちゃんは他の子ばかり……」


好きって言われちゃったよ

雪歩、それが惚れ薬のせいだって解ってるはずなのに

「どうして? 何がダメなんですか?」

「ダメって……」

「私の何がダメなの? ねぇっ春香ちゃん!」

片腕だけだった拘束

それはいつの間にか両腕に変わり

体が大きく揺さぶられた

「春香ちゃんのことが好きなんですっ! 大好きなんですっ!」

「雪歩……それは」

「春香ちゃんが望むようにするからッ! だからっ、だからっ……たまには私を見てください……」

見てないつもりはないよ

いや、変な意味じゃなく見てるときはあるよ……

でも、そういう時って大体、私は雪歩の背中を見てるんだよね


「私、雪歩のこと見てるよ」

「嘘だよッ! 私、いつも春香ちゃん見てるんだよ!?」

「ぅ、うん……うん?」

すごく気になることを言われた気がするけど、

いま気にするべきことじゃない

……多分

「ううん、嘘じゃないよ。でも、雪歩には見えてないんだよ」

「そんなはず――」

「だって、私が見てるのは雪歩の背中ばかりだから」

雪歩がいつも入れてくれるお茶は美味しい

暑い日は冷たいお茶

寒い日は温かいお茶

どちらでもない日だってその人を見て、適切なお茶を出してくれて

いつもみんなを気遣ってくれるその優しさだけでなく、

些細なことにも気づける雪歩に、私は憧れてるし、凄いなって思ってる


「でもさ、そんな雪歩っていつも私の方を見てないんだよね」

「……………」

「給湯室とか、皆の方とか……そっちばかり見てるでしょ?」

「……うん」

だから、

私にはその背中しか見えない

身長的には私よりも小さい背中……でも

「私よりも、ずっと大きくて、遠い背中なんだ。雪歩は」

「そんなことないよ……春香ちゃんは私には遠いよ。ずっとずっと先なんです……」

「えへへっそっかな」

でも、

雪歩に見える景色、私に見える景色

それぞれ違う景色

今だって、今抱いてる想いだって……だから

「ごめん、雪歩。私は雪歩の好きを受け取れません」

「っ! ……っ、どう、して……?」


「今の雪歩、薬のない雪歩、そして私……それぞれの好きの形が違うから」

「……そんなことないよっ!」

「ううん、わかってるんでしょ? 今の自分の気持ちが惚れ薬だって」

私がそう訊ねると

雪歩は首を振りその顔から涙が飛んでいった……

「解ってないよっ、何もわかってないよッ!」

「………………」

「春香ちゃんの馬鹿、春香ちゃんの唐変木!」

「と、唐変木……?」

そこまで言われなくちゃいけないの?

一応ちゃんと理解してるのに……

「私は好きなんですっ! 私が好きなんですっ! 春香ちゃん!」

掴まれた腕が更に痛みを増していく……それでも

雪歩の涙の溜まった瞳

それに対して、私は首を振った

「ごめん……それでもダメ」

千早ちゃんは夢だって思っていた

でも、それは夢なんかじゃなくて現実

唇の感触は……消えてくれないんだよ……


中断

また明日

>>20
同じDOとしてお前(の存在)が恥ずかしいよ

ふーんもう明日になったけどねえ

>>73
深夜に鬼畜だなw


一生消えない記憶

一生消えない感覚

でも、消えたはずの記憶だから

なかったことにしてしまった事だから

「夢の中で付き合えたとして……雪歩は嬉しい?」

「それは……」

「私は嬉しくない。だって現実とあまりにも違いすぎて……」

言葉が消える

上下の唇を合わせただけで

千早ちゃんの唇の感触が戻ってくる

「……悲しく、なっちゃうよ」

夢だけど夢じゃない

本心だけど本心じゃない

それって結構……辛いんだよ?


「春香ちゃん……」

「だから、ごめんね?」

無理。

私は雪歩にそんな辛い思いをさせたくないし、

私自身がそれこそ悲しくて、辛くて

心を押しつぶされちゃいそうだもん

自分は覚えているのに相手は覚えてない

エンドレスエイトなんていう現象とは違う

でも……そういうのってすごく辛い

千早ちゃん一人でこんなにも……。

「……ううん、私こそごめんなさい。この気持ちが惚れ薬だって……解ってるはずなのに」

雪歩は涙を堪えながらも

我慢しきれずに零してしまっていた

「惚れ、薬……えへへっ……なんだろう。すごく……悲しいなぁっ」


腕から圧迫感が抜けていく

でも、掴まれていた痛みだけは抜けてはいかず

その温もりもまだ残っていた

「……グスッ……な、んで、なんでっ」

「雪歩」

「ごめ、ごめんなさい……ごめんなさい……」

「雪歩……」

雪歩を優しく抱きしめてあげるべきなのかもしれない

でも、出来なかった

ボソボソと名前をつぶやくのが限界だった……

「こんなのっ……おかしいよっ……惚れ薬なのにっ」

雪歩は自分の胸元を両手で抑え

苦しそうに座り込んでしまった

「ぇぇっ……グスッ……」


たとえ惚れ薬のせいだとしても

今の雪歩は私を好きで

今の雪歩の告白を断るっていうことは

夢とか現実とか関係なく

……フラレたこと、フッたことに変わりはない

「……ごめん、雪歩」

「あや、まらないでよっ……謝らないで……」

「っ……」

「謝るくらいなら好きって、好きって……言って欲しいよ……」

性的に好きなんて言えない。

抱きしめて上げられない

慰めてあげられない

「……友達としては好きだよ」

「私はっ――」

「だから……これからも、ずっと仲良くして欲しいな……」


「っ………」

「…………」

それしか言えなかった

もし、拒絶されたりなんかしたら、私は――。

そんな私の不安をかき消すように

雪歩の静かな涙混じりの声が聞こえた

「うんっ」

「………………」

「うんっ……仲良くっ……したいっ」

雪歩の笑顔

私が悲しませた、苦しませた

辛い思いをさせた雪歩の笑顔

惚れ薬の切れた雪歩とは違う笑顔

そして、雪歩は泣いたせいかゆっくりと目を閉じていく

「……ありがとう」

目を覚ましたとき、雪歩は覚えてないはず

だから……顔、洗ってこなきゃなぁ

えへへ……グスッ……えへへっ

「笑顔、笑顔だよーっ」

静かに気合をいれ、私は一人洗面所へと向かった


これで【ゆきはる】終わり


今思った
春香が受け入れない路線だとすべて 【 シ リ ア ス 】 なのでは?

もうそれでいいよね
このスレ終わったらイチャイチャさせればいいや

シリアナマダー

薬抜けた後のお話も書けばいいと思います

シリアスな春香総受け
なんという俺得

これって本当に惚れ薬だけの気持ちなんかね……?
雪歩の言葉は惚れ薬関係ないような……

内に秘めてた想いが惚れ薬によって大きくなった上にそのベクトルの先が強制的にはるるんに向くのかな
雪歩は元々まこちん大好きだからそれがはるるんに変わったらこうなっちゃうんじゃない

つまり真はいつもこの雪歩の気持ちを受けているわけか
それはすごく素敵じゃないか
実に読みたい


「んぅ……ぁ、あれ?」

「……おはよう。いや、こんにちはかな?」

寝ぼけ眼の雪歩に対して

私はなんとか笑顔で言葉を引き出すことができた

「は、春香ちゃん、あの、私……」

「ん?」

「ぇっと……」

雪歩は言いづらそうに俯く

千早ちゃんもそうだけど

やっぱりああいうのは……ね

夢だとしても自分はどうしてこんな夢って……なるよね

「雪歩」

「な、なに?」

「日本茶も好きだけど、紅茶も飲んでみたいかなって」

「え……?」

「雪歩の入れてくれる紅茶も……美味しいよ」


「そ、そう、かな?」

「うん、今度クッキー沢山焼いてくるからさ、みんなで食べない? 紅茶も一緒に」

今の私は和菓子のつくり方なんて解らないし

そもそも一般家庭の調理器具で作れるのかも知らない

「そ、それ……」

「どうかしたの?」

「う、ううん……ゆ、夢で」

夢と現実で言われた

クッキーに合わせたくて紅茶も練習してるって

私に合わせたくて、私と一緒になりたくてって

それは……いや、気にしない方が良いよね

雪歩は相手に合わせようとしてくれる優しい子だもんね

「えっと……い、入れてくるね?」

「うん、お願い」

今度……練習してみようかな

合わせて貰うばっかりじゃダメだもんね

たまには……合わせて欲しいよね? 消えちゃった雪歩


とはいえ、和菓子なんてそう簡単に作れるのかな

無難に羊羹あたりで行くべきかな

いや、でも……

『羊羹作ってきましたー!』

女子高生が?

女子高生アイドルが羊羹手作り?

……個性!?

「いやいやいや……ないない」

羊羹アイドルってどうなの……?

考えるまでもなく却下だと思う

「けど……う~ん」

「おはよーございますーっ!」

「あ、やよい。おはよう」

今度はやよいかぁ……お饅頭は回収!

よしっ、クリア

「このお饅頭、美味しいんですかー?」

えっ?


「ちょっ、やよいそれどこに……」

「小鳥さんの机の上に、アイドルみんなに差し入れですって」

なんで余計なことしちゃうの!?

せっかく出てたお饅頭を回収したのに

「やよい、それ食――」

慌てて止めようとしたけど

包は開けられ、やよいの指は微量の白い粉が付着してはいるものの

本体の存在は既になく

やよいの口がモグモグと、そして……ゴクンッと飲み込んだ

「え? も、もしかして食べたらダメでしたかーっ!?」

「いや……うん、なんでもない。平気」

小鳥さんはオシオキ確定だね

それよりも、どうしよう

やよい私のこと見ちゃったよ、じぃっと見ちゃってる、というか見てるよ!


「あのっ」

「は、はい」

「春香さん、その、あの……」

やよいは何か言いたいけど言えない

言うなれば

本命チョコを上げたいけど

気恥ずかしくて中々言い出せない女の子のように

もじもじと視線を斜め下へと向け

手のひらに指で何かを書いたり消したりしていた

「……………」

「ど、どうしたの?」

「は、春香さんと一緒に居たいかなーって」

これはもう下手に断ったりせず

薬が着れるまでの時間一緒にいるべきなんじゃないかな

雪歩の時みたいに痛いのはやだし……そうでなくても辛いし

>小鳥さんはオシオキ確定だね

  ( ゚.д゚ ) ピヨッ!!?
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/     /


「だ、ダメ……ですか?」

「うっ……う~……」

やよいの寂しそうな眼差し!

春香は逃げられない!

「うん、いいよ。何かする?」

なんでも良いからとりあえずゲームとかでもしてれば

2時間なんてあっという間だし

気が紛れて好きとかどうとか

辛い話なんてきっとしなくて済むから

「い、いえっ! 春香さんのそばにいたいだけ……ですからっ!」

やよいはそう言うと正面ではなく

私の隣に密着して座った

「そ、そう……」

さて、どうしようかな

亜美真美の置いていった人生ゲームでもやろうかな


「春香ちゃん、あとやよいちゃんにも紅茶だよ」

雪歩がそんな声と共に近づいてくる

「ありがとうございます」

「ありがとう」

……うん

やよいは雪歩とかみたいに独占欲があるわけじゃないね

良かった

最初の二人でもしかしたら

ヤンデレ促進剤でも含まれてるんじゃないかと思ったけど

どうやらそれは心配なかったらしい

「それじゃぁ……私ちょっと出かけてくるね?」

「え、雪歩出かけるの?」

「美味しい紅茶とかお茶を探しに……」

「そっか、気をつけてね」

「うん」

ついていこうかとも思ったけど

私がいると多分邪魔だろうし……ね


「……それで、さ。どうしよっか」

「は、春香さんがしたいことしていてくれれば……」

特にしたいこともないんだよね、それが

だからオフでも2時間もかかる事務所に来てるわけだし

それってなんだか寂しいなぁ……なんて

「あ、あの……亜美達が作ったすごろくがあるんです」

製作者の名前的に嫌な予感しかしない

貶したりするつもりもなく……普通に、理性的に考えても

「…………うわ酷い」

やよいが持ってきた亜美達作のすごろくは

私がさっきやろうかなと言った人生ゲームが基盤になっているものの、

そのイベント欄ははみ出た修正液から察するに無残なことになってると思う

その上、修正後のイベント欄には紙が貼られており

用意された指示ボックスから紙引け! となっている

で、その指示ボックスは紙しか入っていないのに変に重いと……


「春香さんがいいなら、これやってみたいかなって……」

「……………」

テレビゲームとか、携帯ゲームがあるわけじゃないし

気を紛らわせるならやったほうがいいかもしれない

でも……ちょっと怖いなぁ

「あ、あのっ嫌なら嫌って……」

「まぁ亜美達だし、そこまで酷い悪戯は……」

その時点で既に

悪戯的な内容しかないと悟っていることに気がつき

もう毒されているんだなぁ。と

やよいに気づかれない程度のため息をつく

けど、余計なこと忘れたりするにはユーモアも大事だよね

「春香さん、じゃんけんしましょーっ」

「よーしっ負けないよ」

……私は2番手になりました


中断

ζ*'ヮ')ζ<やよはるですよ、やよはるっ!


亜美達がつくりそうな双六イベント……隣の人にローキック


はるるん天然タラシだった
これは千早ちゃんも雪歩も惚れますわ

こういう題材だと大抵雰囲気に流されてあれこれするからな
ちゃんと受け止めて断るのは新鮮だ

しかしこのはるるん、好きな気持ちをちゃんと伝えれば聞いてくれるし
ちゃんと悩むから唐変木とかではないな

タラシなのは認める

たとえ夢でもこんな夢見ちゃったら意識するなって方が無理じゃないか?
そうして春香の事を考えてる内に好きなのかって勘違いから本当に好きになっていって……
クスリとかじゃない真・ハーレムるーと?

>>100
だろうな
千早と雪歩の反応的にというか
春香自身それを解ってるから好き云々の話から逃げようとしてるんだと思う


「あっ、イベント」

「さぁっ引いて見せい」

ちょっと亜美真美っぽく言いながら

やよいへと箱を向ける

さて、こんな重くなるほどたくさん指示を書いたみたいだけど

どの程度の割合で無難な指示が出るんだか

職業がアイドルで固定っていうのにかけてくれてると良いんだけど――

「これですっ!」

「どれどれ――」

『はるるんの転倒に巻き込まれた! 一回休み!』

「へぇ……こういうイベントもあるんだ」

亜美、真美

どっちか知らないけど

よくもこんなイベントを……くっ

わざと転んでるわけじゃないのにっ!


「あ、あのあの!」

「……なに?」

「春香さんは全然そんな迷惑かけてないですよ!」

やよいなりの精一杯の励ましの言葉

それが嬉しくて、やよいの頭を少しだけなでてあげると

「ありがと、やよい」

「えへへっ」

小動物のような可愛らしい仕草で喜ぶやよい

お持ち帰りぃ……と、

言いたいところだけど、そんなことしたらやよいの家が大変だもんね

「さて、今度は私の番だね」

もともと人生ゲームであり

そのイベント数はかなりのもの

だけど……

「あれ、白マス?」

「イベントなしみたいですね、おめでとうございますーっ!」

亜美たちの作ったイベント

それはそれで嫌だけど

なんのイベントも起こらない地味なのは嫌だよっ!


やよいが一回休みだから

私がもう一度振ることになったわけだけど

私はその時、

お願いだからイベントが欲しい。なんて思ってしまっていた

だって、イベントなしの人生ゲームもすごろくもなんの面白みもないじゃん

だから……かな

どっかの派遣契約宇宙人みたいに、

願いは叶ってもそれが歪んでいたのは。

『隣の人を抱きしめる。時間はルーレットx1分!』

隣とは、

この場合やよいになるのは間違いない

惚れ薬摂取状態のやよいを抱きしめるなんて、そんな――


「………………」

ダメだよね?

と続くはずだった思考が途切れたのは

イカサマ防止のためにイベントを先に見たやよいが

ぎゅっと目を瞑って両手を広げていたから

「……お、お願いします」

「やよい……」

気にしないでとかではなく、

お願いします。と言われたのはこの際気にするべきことじゃない

「あ、あのさ。別に無理にやる必要はないんだよ?」

「わ、私は抱きしめて欲しいです!」

……むしろ願望。と

だよね、お願いしますを無視しても意味ないよね

ルーレットは――やった6!

って喜べるわけないよ!

6分って、6分ってなんで一番長いかな……


「……えっと、じゃぁ行くよ?」

誰かに見られてるわけじゃないし、

いっそ止めてしまうべきかもしれない

でもそれだとやよいを抱きしめるのが嫌っていうようなものだし

やよいが嫌われてるって勘違いする可能性だってある

だから……私はやよいの事を抱きしめた

余計なことを考えずに、優しく

「……痛くない?」

「えへへっ苦しいです……」

「………………」

そう言う割には

私の背中に回ったやよいの腕はガッチリと締め付けてきていた


だから、

やよいが何も言わなくてもその理由は解ってしまう

「……春香さん、その」

「ダメだよ。やよい」

「っ……ですよね」

それを言うことは許されない

でも、思ってしまっている時点で

ううん、饅頭を食べてしまった時点で……遅い

「……春香さん、私それでも。言いたいです」

「ダメだよ……お願い」

少しだけ腕に力がこもってしまう

それを言われたら、

私はまた断らなきゃいけない

やよいを傷つけて、苦しめて、悲しませなきゃいけない……


「……春香さん」

「嫌、嫌……聞きたくないっ!」

千早ちゃんを雪歩を

その2人の悲しそうな顔が頭から離れてない

離れるわけがない

そこにやよいを加えるなんて……

「私、春香さんに言いたいことがあるんです」

「やよい、やよい……ダメ、そんなこと言わなくていいから!」

さらに強く抱きしめたせいで、

やよいが小さく息を吐きだし、それが耳をくすぐった

でも

やよいの言葉を止めることはできなかった

「私、春香さんが好きなんです……」

言われて、しまった


「やよい……」

「えへへっ断られるって解ってます」

私の体を締め付けるやよいの手が緩んでいく

それが私達の体の間に割り込んでくる

「……でも、言いたかったんです」

「なんで?」

断られるって解ってるなら

言わないほうが幸せかもしれないのに

「春香さんが好きだからですっ!」

その元気な声に反して

やよいの頬を涙が伝っていく

「こんなお姉ちゃんが欲しかったって……思ってたから、ですっ」

「……………………………」


「えへへっ……好きって伝えたら逆に離れちゃうかもしれないのに」

やよいは手で目をこすりながら笑う

笑って、笑って、笑って……

「なんで、言っちゃったんだろう」

やよいは多分、好きだって言いたかった理由を解ってない

どうしても、たとえ離れてしまうとしても言いたかった理由を解ってない

断られる。なんていうことは解っていたくせに

「それは……好きすぎるからだよ」

「………好きすぎるから。ですか?」

好きで好きで堪らなくて

隠している方が辛いから言ってしまう

つまりやよいは元々……ううん。

そんなの知ってるよ。

やよいとは好きとか可愛いとか、色々言い合ってたし


それは友達としてだと思ってた

もちろん、私はそのつもりだった

だけどやよいの好きは違った

友達としてであり、女の子としてであり、

私をお姉ちゃんとした……家族的な意味でもあったんだ

「……私はね、やよいの告白。受け取れないよ」

薬によってそれらが全部1つの塊

性的に私を好きだというものに変えられてしまった

「っ、で、です。よね……えへへっ」

「ごめんね、やよい」

断られてもやよいは笑顔を絶やさないように頑張って

でも、我慢できなくて泣き出してしまった

「うぅっうわぁぁぁぁぁんっ」

「……ごめん、ごめんね」

さっきはやよいが苦しいといった

でも、今は私の心が締め付けられるように痛くて、苦しかった


雪歩の時に気づかされた

ううん、きっと初めから解っていた

相手をフるという事の重さ

相手がまだ恋愛を深く理解していない

中学生だとしても……その重さはあって

でも、やよいの事を知っているから

やよいの想いがどんなものか解ってしまうから

普通よりも、2人よりも、

ずっと……ずっと重かった

泣いているやよいに背を向けて私は俯くしかない

これがやよいにとっては夢

大好きな人に告白して、振られちゃう夢

……そんな夢を、やよいは見てるんだ

なんて悪夢なんだろう?

どれほど辛くて、苦しくて、悲しい夢なんだろう?

「……ごめんね、本当に、ごめんね」

やよいの涙が落ち、声が枯れ、やがては涙が枯れていく中、

私はただただ、無意味な謝罪を呟いているだけだった


中断


ζ*'ヮ')ζ<詰んだ!

詰んだってどうしたwwww

これ結構ハードな悪戯ですよ小鳥さぁん……っ
全員こうなっちゃうとかちょっと春香さんのこと心配になっちゃうYO

見てるこっちが切ないよ

社長、Pを抜いても13人
全員これやったら春香事務所辞めるぞ

周りが全員フッた相手とか拷問だろ

夢だとしてもフラれる夢はなぁ
心折れるわ

このクソ事務員め!


「うぇっ……ううぅっ……ひっく」

やよいの声が消えていく

でも、悲しみが、辛さが、苦しさが

消えてくれたわけじゃない

「は、る……かさんっ……」

グスッと鼻をすすりながら

やよいは背中を向けている私に抱きついてきた

「……ごめんね、やよい」

「いいんですっ……春香さんが決めることですから」

やよいの表情は見えないのに解ってしまう

それほどに深い繋がりのあった私達

でも、今はそれがどうしようもないほどに恨めしくて

噛み締めた歯がギリギリと奇妙な音を頭に響かせる


やよいは笑ってるんだよね

見られなくてもやよいは笑ってるんだよね

自分の悲しい気持ちとか辛い気持ちとか、苦しい気持ちとか

隠さなくちゃいけない世界で生きてるんだもんね

でも、私は隠す時の笑顔、隠してない時の笑顔

そういうの判っちゃうから

だから、今のやよいはそのための笑顔だって、私は知ってる

「やよい、私……」

「言わないでくださいっ」

「………………」

「余計……悲しくなっちゃいます……」

友達としてなら、

擬似的な姉としてなら受け入れても良いという言葉

やよいはそれを拒絶し

さらに強く抱きしめてきた


「……えへへっ、少しだけ。こうしてても良いですか?」

「……うん」

拒絶するべきだったのかもしれない

でも、

これを拒絶するということは

高槻やよいという存在そのものとの接触を拒絶するようなこと

そうとしか思えず、私は小さく頷いてしまった

「苦しくないですか?」

「苦しいよ……苦しい……」

さっきと逆の立場だった

やよいの想いが、温もりが

背中から体の中に染み渡っていって

雪歩の時にできた我慢を、私はすることができなかった

ポロポロと落ちていく

涙に浮かぶ、やよいとの思い出

その中にあるやよいの笑顔が……一番心に痛かった


「わ、私が……私が泣くべきじゃないのにっ……」

「良いと思います……」

「どうして?」

「だって……苦しいんですよね? だったら、私はダメなんて言いません」

背中から回されていたやよいの手が

私の目元をぬぐい、涙を奪っていく

「……やよいっ」

「えへへっ……私のこと、考えてくれてるんですね」

僅かに顔を横にずらして見えたやよいの表情

辛そうな、悲しそうな、苦しそうな、そんな笑顔

涙の跡がくっきりと残ったやよいの笑顔

「ごめんっ……ごめんねっ」

「私こそっグスッ辛い思いさせグスッてごめんなさい……春香さんっ」

一層強くなったやよいの抱きしめる力

でも、全然痛くなくて、けれど、ものすごく痛くて

締め出されていく涙が、悲しさが、苦しさが、辛さが

とめどなく溢れ出していった


泣き疲れてしまった私達は

寄り添い合うようにしてソファへと体を預けていた

「……泣いちゃった」

「……泣いちゃいました」

2人してそう呟いてクスッと笑う

「春香さん」

「なに?」

「好きです」

「うん」

ダメだよなんて言わない

受け入れられないよ。とも言わない

ただ、「うん」と、その気持ちを肯定した

「この気持ちはずっと、ずっと……消えません」

「うん」

「だから……そのっ」


やよいは恥ずかしそうに首を振りながらも

ぎゅっと手を握り締め私を見つめた

「そのっ、いつか振り向かせてみせますっ!」

「……………」

薬によって増幅させられたやよいの気持ち

断られても、一緒にいたいと願うやよいの気持ち

それはきっと、薬なんて関係ないやよいの気持ち

「だから……もしも。もしも春香さんが私のこと認めてくれたなら」

「認めたら?」

「お姉ちゃんって、呼ばせてくださいっ」

自分が長女である責任の重さ

それを少しでも和らげたいという気持ちが現れたやよいの願い

これは夢

やよいの辛くて苦しく、なによりも悲しい悪夢

だけど……終わりくらいは。

終わりくらいは、やよいの笑顔で終わらせたくて

「……うん。解った」

私は微笑みとともに受け止める

「うっうー! 私、頑張りますーっ!」

そんなやよいの元気な声を聞きながらも

重くなっていくまぶたへの抵抗は衰えていき、いつの間にか意識を手放していた


【やよはる】終わり

そして中断


ζ*'ヮ')ζ<春香お姉ちゃん! 春姉!


春香さんが可哀想すぎてもう無理、次の人で終わらせるかも

最後ははるるんが薬飲むんだろ?

全員分書いてくれ
最近の楽しみなんだぜ

たまには可哀想じゃないくらい魅力か実力で押し切られればいいと思うの
相手にとっては夢落ちエンドなんだし

>>128
相手にとっては……ね
春香にとっては変わらず現実なんだぞ?

相手も自分もその瞬間だけしか満たされないんだけど

それでも良い……と?

饅頭怖い

>>126
大量の睡眠薬ですね分かります

>>128
雪歩の時にそんなの嫌だって言ってるんだよねこれが


だんだんと光差してくる闇の中

私の体を覆うように僅かな重みがのしかかってきた

「んっ……」

「ぁっ」

ぼやけた視界に映る人影は

表情は判らないけど

私の方へと手を伸ばしたまま動きを止めていた

「……ぇっと」

上体を起こすと、ファサッと薄い毛布がズリ落ちていく

「あれ?」

「お、起こして悪かったわね」

声でなんとなく相手はわかったけど

中々戻らない視界をこすって急かしその人を確かめた

「伊織、いつ来たの?」

「ついさっきよ。アンタは寝てたから気づかなかったみたいだけど」

「ごめん」

「べ、別に怒ってなんかいないわよ。謝られても困るわ」


「毛布、伊織がかけてくれたの?」

「ア、アンタが風邪でも引いたりしてみんなに移したら大変でしょ。それだけよ」

特に理由を聞いたわけでもないのに

なんでこう、伊織は分かり易いんだろう

それも伊織の可愛いところだよね

「ありがと」

「べ、別にっそれで起こしちゃったわけだし。お礼なんて要らないわよ」

そんな照れ隠しの突っぱねを微笑で流し、

ふと気づく

「ところで、やよいは?」

「やよい? 居たの?」

「え?」

辺りを見回してみると

やよいの姿はなく、伊織も不思議そうにしていた

「私が来た時は春香だけだったけど……なに、いつから寝てたのよ?」


そういえばいつから寝てたんだろう

朝に千早ちゃんと会って、そのあと雪歩と会って

お昼少し前にやよいと会って……そのあとだからお昼寝かな

『16:27』

「へっ?」

カチッカチッと静かなリズムを刻む時計

それが指す時間はちょっと壊れてるんじゃないかと疑った

「なによ」

「い、今何時?」

「はぁ? 時計あるじゃない。時計の読み方くらい覚えてなさいよ……16時27分」

携帯を見てボソッと教えてくれた時間は

私が見た時計と同じ時間

つまり間違ってない。つまり、もう夕方

「……結構寝ちゃってたんだ」

「なによ、疲れてたの?」


思わずつぶやいただけの一言に

伊織は食いついてしまった

「あ、ううん。そういうわけじゃないんだけど」

「じゃぁなんなのよ」

3人に告白されて3人フッて精神的に疲れてました

なんて言える訳もなく

「たまにない? 疲れてないのに眠くなるやつ」

「……本当にそうなのよね?」

「え?」

伊織は私の言い訳を聞きながらも、

詰め寄ってきた

いつもならだらしないとか、どうとかで終わらせてくれるのに

「アンタ他人の事気にするくせに自分のことあんまり言わないんだから。たまには……頼ってくれても。良いじゃない」

「……伊織」

「な、なによ、いいわ。私がそうだ――」

「口の横に餡子ついてる」

つまりはそういう事……だったんだね


「っ!」

一瞬で赤くなって

咄嗟にハンカチで拭うと、伊織は睨むように見つめてきた

「だ、誰かに言ったりしたら罰なんだから!」

「うん、言わないよ」

伊織もお饅頭を食べたことで

私のことを……そっか

いつもと言動は変わらなくても

お饅頭を食べてないわけじゃないんだね

「……で、どうなのよ」

「ん?」

「ん? じゃなくて、アンタがその……疲れてるとか、悩んでるとか」

「あー……そこまで疲れてるわけじゃないよ。ただ、寝れる時にぐっすり。みたいな?」

これもごまかしではあるけど

真実を話すよりはずっと。ううん、絶対にマシだよね


中断


【いおはる】

あれ……この凸ちゃん可愛い?

みんな再現率高いな


「つまりアンタ、いつも寝れてないってことじゃない」

「えっううん。そんなことないよ?」

「…………………」

「…………………」

伊織がじぃーっと見つめてくる

そらしたいけどそらしたら噛み付かれそうでそらせない

そんな強い瞳

「……だって、宿題とかあるし」

「初めからそう言いなさいよ! なんでごまかすのよ!」

「だっ、だって」

「だっても何もないでしょうが!」

まぁその通りだけど

ここまで2時間かかるし

電車の中では行きはともかく帰りは座れないし……

だから宿題なんてやる余裕ないし


「お、怒らなくたって良いじゃん!」

「うっさい! アンタが心配させなきゃ良いじゃない!」

「うるさ――……えっ?」

「あっ……ぜ、全力で見逃しなさ、じゃなくて聞き逃しなさい!」

もう聞いちゃった上に

頭に強く残っちゃってるよ

いや、前々から伊織は仲間思いの優しい子だって解ってたけどね

「心配……してくれてるんだ」

「……なによ。悪い?」

赤くなった伊織はぶっきらぼうに言葉を投げてくる

わかってはいても、口にはしてくれなくて

だから、伊織がまともには受け取ろうとしなかった言葉

「ううん、ありがと」

私が笑顔でそう言うと

「……バカ」

伊織はプイッとそっぽを向いてしまった


「……学校」

「え?」

「アンタが次の日学校休むとかいう日なら……」

伊織は少しずつ言葉を出していく

本心では言いたいけど

その性格が邪魔しちゃってる。みたいな

そんな可愛い葛藤に打ち勝った伊織は

勢いそのままに大声で言い放った

「アンタが次の日学校ないならいつでも泊めてあげるわよ!」

「え……?」

「ま、また無理されても困るし、アンタが倒れたりしたら……みんな仕事にならないんだから」

そんな伊織の優しさだらけの言葉

私のごまかしではあるけど事実であるそれに対して

伊織は優しさをくれた


「……わかったら返事!」

「は、はい!」

思わず返事をしてしまった

でも、いっか

……これも夢で終わるだろうし

好き云々の話にさえならなければ

別に気にするようなことじゃないもんね

「……それで」

「どうしたの?」

まだ何かあるんだろうか?

もしかしたら。という気がして体が強張ってしまう

でも、伊織は俯き気味のまま隣に座ると答えた

というよりも聞いてきた

「明日は学校あるの? ないの?」

「……あるけど」

「っ……そ、そう」

あからさまに悲しそうな表情で伊織は頷く

誘ってくれようとしたんだね……ありがと


「……もう帰るの?」

「うん、そろそろ帰るつもりだよ」

このままここにいたら

次は誰に惚れ薬饅頭食べた上に見られるか解ったものじゃないし

そもそも、今すぐ帰っても7時になっちゃうくらいだしね

「……もう少しいてくれないの?」

「……えっと、あれ?」

いつもの伊織じゃない?

なんかちょっと……甘えようとしているような

嫌な予感しかしない

「……アンタ、なにか悩んでるんじゃないの?」

「それは――」

「まさか、あのバカプロデューサーが好きとか言うんじゃないでしょうね!」

「はいっ!?」


まさかのプロデューサーさん

いや、

確かにプロデューサーさんはかっこいいと思うし

男の人だけど……

「アンタ、なんで否定しないのよ」

「えっもうちょっと時間くれないの!?」

私が答えるのが遅かったらしく

私のことを押し倒すようにのしかかってくると

伊織は胸ぐらを掴んで揺さぶった

「そんなこと許さないんだから! アイツなんて春香には相応しくないのよ!」

「だ、ちょ、伊、あぅあぅ」

その揺れの激しさのせいで否定も何もできず

それが収まった時にはもう遅かった

「アンタに相応しいのはこの私よ! 異論なんて認めないわ!」


「っ……」

「なのに、春香は私を頼ろうとしないじゃない……」

ギュッと

強く掴まれた服がしわを寄せていき、

布が強く擦れる音が聞こえてきた

「なんでよ。なんで私じゃダメなのよ! あんな奴よりも、ずっと、ずっと良いはずなのにっ!」

思い切り勘違いしてるよ。

伊織は私のことを心配してくれるし、優しくしてくれてる

でも、それらは仲間思いの伊織だからこそで

女の子としての好きではなかったはずなのに

惚れ薬のせいで、それは自分が春香を好きだから。なんて

勘違いしてるし、

そもそも、私は別にプロデューサーさんに恋してるわけでもない


「……私、別にプロデューサーさんが好きなんて言ってないよ」

「だったらなんですぐに否定しないのよ!」

「いや、あんなこと急に言われて即答なんてできないよ」

マスコミに囲まれたりしてるってわけでもないし、

それに

前の3人みたいに単刀直入にくるって思ってたし

……できれば来ないで欲しかったけど

「じゃぁ、良いわよね。この伊織ちゃんが――」

「ううん、それも無理だよ」

「え?」

「ごめん。伊織のものにも、私はなれないんだ」

私も夢だったなら良かったのに。

でも、夢じゃなくて現実だから

私は妥協して付き合うことを選択することはできなかった


告白を受け入れちゃったら

伊織はすごく喜ぶと思う。

それに、普通じゃ話さないこととかも

平気で話したりしてしまうかもしれない

付き合うってことになるし

キスとか、色々することになるかもしれない

私にはそれが残って

伊織はそれを忘れてる

なのに……

伊織のファーストキスを貰っていたら?

伊織の秘密を知ってしまっていたら?

それを知らないからこその関係が保てなくなっちゃう

そんなの……ダメだって思うから


「なによアンタ、この私をっこの伊織ちゃんをっ」

「……うん」

「ふざけんじゃないわよ!」

バシッと、頬に痛みが走った

理不尽だよ、それは

なんて言えないよね

惚れ薬のせいだもんね

「なによ、なによっ! いっつもニコニコして、心配してくれて、優しくしてくれるくせにッ!」

「……ごめん」

「うるさいっ!」

私はみんなにそうしてるから

きっとそれが主な理由なんてことはない

でも、それが私を好きになった理由

私のことを心配し、優しくする行為に繋がっちゃったんだよね


「思わせぶりなことばっかりして!」

「そんなつもりは」

「アンタの話なんて聞きたくない!」

「……………」

伊織は泣きそうになりながらも

それを上回る怒りに身を任せていた

体が揺さぶられる

強くはない、そこまで痛くもないビンタが私の心に強く響く

「酷いじゃない……最低よ。春香。アンタ最低の女よ」

「…………………」

「そんなことなら、初めから放っておいてくれればいいのに……」

ギュゥと服の皺がより一層広がっていき

私の頭が少しだけ持ち上がっていく

「アンタなんて、アンタなんて……大っ嫌い……大嫌い……なんだからっ!」

ポロッと……一雫が私のほほに落ち、流れていった


今日はここまで



はるるんはタラシじゃないよ。本当だよ

……これさ

惚れ薬関係なく惚れてるよね?
惚れ薬で増幅されて表に出しちゃってるだけで
元々みんなはるるんに恋してるだろ

みんなはるるんの抱き枕が家にあるレベル


いおはるって稀少種だよな、期待

このはるるんを見ているとハーレムを作るのに大事なのは鈍感力だと再認識する

鈍感力の偉大さが分かる貴重なSSか

いおはるいいな

でも良くある聞こえなかったとかを一切してないよな
女の子同士だからこそ
自分をそう言う目で見ることはないはずって
先入観と言うか前提があるんだろうさ

鈍感じゃないけどそれが邪魔してるんだよな


こういう時になんて言えばいいのか解らない

ごめんね。なんて言葉は傷つけるだけ

相手の言葉を否定しても、無駄なだけ

伊織に全てを吐き出して貰ってからの方がいい

「………………」

「嫌い、嫌い、嫌い……大嫌い、大っ嫌い!」

ガクガクと頭が揺れ、

体が揺らされ、ソファに頭がぶつかって跳ね返っていく

千早ちゃんみたいに床の上だったら……痛かった

でも、心はずっと痛いまま

服よりもずっと強く締め付けられて、揺らされて

ヒビが入ってしまいそうなほど、痛かった


「アンタなんていなければよかったのにッ!」

「っ………」

本心じゃないって判っても

そんなこと言われると辛いなぁ

正直、1日通してずっと辛いままだから

何がどれだけ辛いのか、苦しいのか

ちょっと感覚無くなっちゃってきてるけど

「大嫌い……アンタなんて……アンタなんて」

ポロポロと落ちてくる伊織の涙を顔で受け止めているせいか

私の顔を流れていくそれが

伊織のものか、私のものか判別できなくなってくる

「アンタなんて……嫌い、大嫌い……大好き、好き……」

「………………」

「アンタなんて居なくてよかった。居て良かった。嫌い、好き……大好きなのよ……」


揺れが収まって

伊織の心が段々と落ち着いてきて

自分の言葉を自分で否定するようになっていく

「嫌い、好き、嫌い、好き、好き、大嫌い、大好き、凄く好き……」

「………………」

伊織は普段気持ちを押さえ込んでいるからこそ

爆発させられたときはすごく大きなものになってるんだろう

「………………」

「………………」

やがて、言葉が止まって

互いに見つめ合って……伊織の涙が目元に落ちた

「……ダメ?」

「……………」

普段絶対に聞けない伊織の悲しげで、寂しそうな儚げな声

それでも私は。

「ごめんね、伊織」

そう答えるしかなかった


「……止めて」

「伊織」

「なんでアンタが謝ってんのよ!」

掴まれていた服までが手放され

体がポフッとソファに落ちた

「私が勝手に勘違いして、私が勝手に好きになって……ただそれだけじゃないッ!」

伊織は自分の目元を何度も拭いながら

それでも言葉は続けた

「アンタは私の気持ちに正直に答えただけ……私は告白してフラれただけ。そうなんでしょ?」

「………………」

違う。

告白なんてするはずなかった

そんな想いになるはずなんてなかった

友達としての好意が、恋愛の好意になったのは薬のせい

でも、それを言ったところで……何も変わらない。何も終わらない

薬でも、なんでも。

その気持ちがある今の伊織も、伊織であることに変わりはないから


「うん」

「なに普通に頷いてんのよ……バカ」

ごめんねと言いそうになった

でも、言うわけにはいかないと頷いた

「春香」

「……なに?」

「アンタのこと好きだって知って引いた?」

「ううん」

そんなわけない

薬のせいだし、

もしそうじゃなかったとしても、きっと……引かない

というより、そうじゃない場合に告白なんてされたら落ち着いてられないよ

「にひひっ、じゃぁまだ可能性はあるってことね?」

「えっ」

「将来の伴侶、アンタに決めたわ」

そんな、○ケモン君に決めたみたいな言い方されても……


「そ、それはダメなんじゃないかな? ほら、ここ日本だし」

「外国国籍取ればいいじゃない。許可してる国もあるんだから」

「えーっ私日本人じゃなくなるの?」

「たとえ宇宙人でも、春香は春香でしょ」

それはそうかもしれないけど

宇宙人っていう例えはどうなんだろう……

「お、お家の人は?」

「許可はされるものじゃないの。取るものなのよ」

許可を取るって言うもんね

うん、さすが伊織

私とはちょっと考え方が違うみたい

許可して欲しいってお願いするんじゃなくて、許可しろっていくってことだよね? ……多分

「……私が許可を願うのは、アンタへの告白だけなんだからね。そのへん、ちゃんと考慮しなさいよ」

「……あ、ありがとう?」

すごく嬉しいような、複雑なような


「……春香」

「うん?」

「好きよ」

「うん」

やよいの時のように、

否定せずに肯定してあげる

「バカ」

「う――ううん!?」

「にひひっ惜しい、認めさせようと思ったのに」

なんてことを認めさせようとしてるのかな

この子は

「……明日からもまた、仲良くしてくれるわよね?」

その命令口調はまさしく伊織だよ

これが夢でも、夢じゃないんだとしても。

そんな、お願い

「うん、いいよ」

受け入れるしかないよね


中断

あとちょっとで【いおはる】終わり


一人につき大体20くらいかな

やったああああああああ一人に付き20スレだってよ
僕は勝ちました

え、マジって二度見しただろ……
明らかに20レスて意味じゃねーか!

しかしいおはるは惚れ薬無しを見たいな

乙 全部やってくれるのか、ありがたい

これ惚れ薬入ってることを利用して春香さんも断れなくできるくね?
饅頭の裏に書いてあるらしいし…

つまり最後に薬飲まされて無理矢理ヤられちゃうってことですねわっほい!

そろそろはるるんが壊れそうで恐い

>>171
まだ大丈夫だろ
モノローグでおかしな発言してないし

って思ったら>>158の最後辺りが危険だった

プロデューサーとくっつくと思ったら違うっぽい?

ふむふむ

>>173
誰ともくっつかないんじゃね?
それかまだ出てない誰かか

最初に来た千早だろ

そういうのいらないから

ちょっと予想くらいええやん

sageてないレスのことじゃないか?


「……春香」

「ん?」

「あ、ありがと」

「……えっ?」

伊織が、伊織が素直にお礼言った!?

ね、熱でも……あ

私に対してお熱なんだっけ……

「に、二度は言わないわよ」

頬を染める伊織

ちょっと可愛いなぁ。なんて思ってしまう自分

まぁ……いつものことだけど。

「ごめん、聞こえてた」

「っ、アンタねぇ……」

「あははっ、でも珍しいよね。伊織がお礼なんて」

私がそれを聞くのは間違いだったのか

途端に俯いた伊織は「だって」と、

元気のない声を絞り出した


「結局私はフラれて、アンタがフッたわけでしょ?」

「そ、そうだけど……」

そうも平然と言えるのは伊織らしいけど

それが残ってしまう私としては心に苦しいよ……

「ア、アンタが気負って……その、遠くなるって思ってたから」

「………………」

なる。かもしれない

みんなといつものようにするために全部断ってきたけど

それは結局、

一線を越えなかっただけで、一線に触れてしまったことには変わりない

……でも。

急に私が態度を変えたらみんな困るだろうし、悲しむ人だって、いてくれる。と嬉しいけど

とにかく、そういうことにはならないように頑張るつもりだから

「大丈夫。私はいつも通りだよ」

「……いつもより積極的でも良いんだけど」

「あはは……それは無理かな」

笑ってごまかす、胸の内の辛さとくるしさ、そして痛み

「解ってるわ、真面目に言わないで」

伊織はそれに気付かずにぶっきらぼうに突っぱねた


「春香、一つだけ」

「お願い? 命令?」

私が冗談交じりにそう聞くと

言葉ではなく、行動で答え

伊織は私の方に頭を向けて止まった

「え、なに? 嗅ぐの?」

「殴られたいならそういえばいいのに、今なら蹴りもついてお買い得よ」

「ごめん、ボケにボケないで」

伊織の鋭い目と嫌味な笑みに押し負け

その頭に優しく触れた

「…………………」

「……アンタに命令なんて嫌よ」

黙る私と、喋る伊織

ここは何か言うよりも、黙って聞いてあげるべきだよね

「…………………」

「……アンタからしてくれなきゃ、そんなの一方通行じゃない」


「………………」

「………………」

二人して黙り込む沈黙の時間

でも、必要だった

そんな時間が、

私たちには必要だった

「はぁ……よしっ」

伊織は一人ため息をついて小さく頷くと

頭に置かれていた私の手を握った

「私はいつでも、力になってあげるから。辛くなったら言いなさい」

「……うん」

伊織は最初の伊織に戻り笑う

その優しい言葉は夢になってなかったことになるなんて知らずに

「それじゃ、私は帰るけど……どうするの? 新堂が来るみたいだから送って貰うけど?」

「ううん、もう少しだけ残ってる」

「そう、帰りは気をつけてよね。アンタ……狙われやすいんだから」


「いや、どう考えても伊織の方が」

「…………………」

「な、なに?」

本当のことを言おうとしただけなのに、

伊織は無言でにらみ、

大きくため息をついた。しかも明らかにわざと

「わかってないわね、アンタ」

「何が?」

「なんでもないわよ。言うだけ無駄だろうし」

「えっちょっと気になるじゃん!」

まだ薬は切れてないはずなのに、

伊織はもう、だいぶ落ち着いてきていた

平常運行って意味で

「うっさいわね、アンタみたいな平々凡々な人の方が狙われやすいでしょうが。警護的理由で」

「そ、そうなの……?」

「さぁ? 適当だけど」

ですよねーっ!

伊織って実は亜美達よりも悪戯っ子に近いんじゃないかな……

帰りが怖くなっちゃったんだけど


人の帰り道を不安にさせておきながら

伊織は震えた携帯を確認すると

にひひっと笑った

「お先に失礼~」

「ちょ、ちょっとぉっ!」

伊織は薬が切れるよりも早く帰ってしまった

残るなんて言わなければよかったかもしれない。

静まり返った事務所が妙に怖くて

少し冷えた毛布で体を覆った

小鳥さんが何故帰ってこないのか

雪歩に埋められちゃったかな?

いや、私が事務所にいるからなんだろうけどね

怒られるって解ってるだろうし……


どうしよう。

プロデューサーさん呼ぶのもアレだし

緊急用の鍵で締めて帰りますって連絡だけ入れておこうかな

「……17時すぎかぁ」

今から駅まで向かって電車に乗れて18時発?

だとして、家に着くのが20時?

まだいけるよね

さっさと帰ろう、

余計なことが起きる前に。

思い立ったが吉日という言葉もあるしね

私は急いで支度し、

事務所から逃げるように出ていった

急いでいたせいでカバンの中がお饅頭で一杯だけど

そこは仕方ないよね


【いおはる】終わり


その後、春香を見た者はいなかった……

「にひひっ、だから言ったじゃない」


あ、中断です

もしかしたらここで終わらせるかもしれません

さて春香は誰に狙われてるんだか
とりあえず乙


出来るなら続けて欲しいかなーって
時間はほら翌日とか…ね?

あれ、他にも765メンバーいるよね?

ま、まこはる…(震え声)

ぴよはる(小声)

はるかハーレム…


『あら、私は春香が大好きよ。タイムリープしても忘れないほど強く想っているわ』

千早ちゃん

『春香ちゃんのことが好きなんですっ! 大好きなんですっ!」 』

雪歩

『私、春香さんが好きなんです……』

やよい

『アンタに相応しいのはこの私よ! 異論なんて認めないわ!』

伊織

みんなを……フッた

勝手に増幅され、勝手に纏められ、

勝手に私へと向けさせられた好意を断った

ごめんねって謝って、無理だよって断って

みんなを泣かせた、みんなに辛い思いをさせた


『ひどいわ……貴女なら、貴女なら私の心を否定したりしないと思っていたのに』

千早ちゃんは嘆いた

『私は好きなんですっ! 私が好きなんですっ! 春香ちゃん!』

雪歩は泣いた

『だから……もしも。もしも春香さんが私のこと認めてくれたなら。お姉ちゃんって、呼ばせてくださいっ』

やよいは……笑った

『なによ、なによっ! いっつもニコニコして、心配してくれて、優しくしてくれるくせにッ!』

伊織は怒鳴った

心が痛い

心が苦しい

心が締め付けられて悲鳴を上げる

助けて、助けてって

でも……救われることなく悲劇は続き

千早ちゃんに始まり、伊織まで来て私は逃げた

ううん、逃げてない、ただ時間が来たから出てきただけ

傷みも、痛みも、苦しみも、辛さも、悲しみも……

何もかもを背負ったまま……揺られ、揺られ

誰かが私の名前を呼んだ


「大丈夫ですか?」

「……ふぇ?」

私の体を揺らしていたのは駅員さんでした

私が目を覚ましたのは電車の中でした

乗客はどうやらいないようです

外は真っ暗なようです

時間はもう、だいぶ遅い時間みたいです

着信履歴がお母さん達でいっぱいです

ですですですですですですです……あははっ

やっぱりダメだった。

疲れてた、苦しかった

精神的に厳しかった私は

ゆりかごのような電車に寝かされてしまったらしい

かといってむしろ追い詰められただけだったなのは

私がみんなに酷い事しちゃった罰だろうか

いや、そんなことより……

「家に帰れないよぉーっ!」

「もう遅き時間ゆえ、お静かになさっては如何ですか?」

私が叫ぶと、近くに停車したタクシーから降りてきた人に注意されてしまった


「まったく、貴女と言う人は」

そう言いながら、女の人は近づいてくる

ううん、女の人じゃない

この人を私は知ってる

知ってるなんてものじゃないよね……

「貴音さん……」

「みながすごく心配しているのですよ? 貴女がまだ家には帰っていないと」

「あっ」

今もまた携帯が何度も震え

メールの受信を知らせてくる

「もしかしたらと終点に来てみたのですが……当たるとは思いませんでした」

「ごめんなさい」

「いえ、お疲れなのでしょう? 水瀬伊織が物凄く心配しておりましたよ。辛そうだったからもしかしたら。と」


伊織……ごめん

悩んでるような姿見せておきながら――

でも……あれ?

「伊織には私辛そうな姿なんて見せてないよ?」

「水瀬伊織いわく、夢で見たとのことです。正夢であったらと……」

「……そっか」

夢だとしても影響はある

こんなことしちゃったら

すごく不安になったよね……

最低だ……本当に

最低で最悪の女だよね。私

「それで、真なのですか?」

「え?」

「春香。貴女が辛く苦しい悩みを抱えているというのは」


「……………」

黙り込んでしまった

嘘なんて貴音さんにはきっと見透かされてしまう

でも、正直に言うわけにもいかなくて

でも、誰かが言った

「沈黙は肯定ですよ、春香」

「………………」

貴音さんの悲しげな表情

それがまた私を苦しめようとしていて

思わず目を逸らしてしまった

「……言えぬことを追求するつもりはありませんが。まずは私の家に行きましょう」

「け、けど……」

「皆への連絡は済ませています。それに、プロデューサーやご家族の手を煩わせるべき時間ではありません」

携帯の時間は、

やっぱり終電が終わる時間なだけあって、かなり遅い時間だった


「ごめんなさい」

「言えぬことの謝罪は無用。迷惑をかけた事の謝罪も無用です」

「…………………」

「追い詰められていることに気付けなかった私達にも責があるのですから」

違う。それは違う

あぁ、嫌だ

否定、否定、否定

拒絶、拒絶、拒絶

そればっかりだよ、今日は

「気付けるわけ、ないじゃないですか」

「……なぜですか?」

「……気付けるわけが、ないからです」

だって、今日一日でここまでズタボロになったんだもん

心の欠片が落ちていく

嫌な音を立てながら、ヒビが心全てに走っていく


「……ごめんなさい、なんでもないです」

「………………………」

貴音さんは何も言わず、

ただ黙って私の手を引いてタクシーへと乗り込んだ

「お客さん、お金は大丈夫?」

「問題ありません、とにかくお願いいたします」

電車の終点までタクシーを走らせて、

そこから更に貴音さんの自宅まで

すごいお金がかかるんだろう

それは誰のせい? 私のせい

伊織が悲しんだよ。誰のせい? 私のせい

やよいが泣いたよ。誰のせい? 私のせい

雪歩が苦しんだよ。誰のせい? 私のせい

千早ちゃんが辛そうだったよ。誰のせい? 私のせい

みんな見んな、誰のせい? ねぇ、誰のせい? ――貴女のせい


中断

【たかはる】

ここら辺でリカバリーしてあげたいけど

即興ゆえ思い通りに行かないかもしれない

はるるん……もう、夢で良いじゃない
自分自身で夢だったって否定しちゃって良いじゃない
辛いだけだよ、苦しいだけだよ……はるるん

小鳥さんのいたずらで大変なことに…

この話の終わりが見えた!

【たかはる】わっほい!

おつです。
全員分見れるまで見守ってる

読んでるこっちのメンタルが持たねぇ

残ってるのは
亜美、真美、律子、あずさ、美希、真、響か?

はるるん事務所止めちゃうんじゃないか?

>>207
今までの子のヤンデレ具合からすると、春香が辞めても皆ついてきそうだね

春香プロ結成だ

>>208
ヤンデレは千早と雪歩だけじゃね?

みんなついてきたら春香が精神的に病みそうだな
もう遅いかも知れないが

>>210
ヤンデレ具合ってより、入れ込み具合か・・・
この春香は全部溜め込んじゃうし、確実に病むだろうね


「春香、紅茶とコーヒーはどちらが宜しいですか?」

「……貴音さんのおすすめでお願いします」

「承知しました。しばしお待ち下さい」

貴音さんの家、というかマンションは

響ちゃんのところよりも立派だった

それに、貴音さんはお姫様みたいだし、

案外炊事などが苦手で部屋が汚れてるんじゃ。なんて思っていたけど

部屋の中もすごく綺麗で少し驚いた

驚いたなんて言ったら失礼かな……ごめんなさい

「お砂糖等はご自由にどうぞ」

「ありがとうございます」

貴音さんの淹れてくれたストレートティー

ほろ苦い中にある僅かな甘さが少し、心に沁みた


「あの……」

「なんでしょう?」

「その……お金」

「ふふっ、お気になさらずに。私の自己満足に利用しただけです」

だとしても

それは不可抗力とは言え、

私がこんなことしなければ使わなかったお金

終点の駅までの走行、そこから貴音さんの家までのお金

2kmなんて距離じゃなかったし、

往復だったから1万円近くかかっちゃったのに

「お金は使うためにあるのです。用途はいずれにしても。使うはずだったものを使っただけです」

貴音さんはそう言って笑う

私がかけた迷惑の理由も聞かずに

無駄なお金を使わされたことを怒ることもなく

ただ、ただ優しかった……


みんな優しかったんだ

誰ひとり例外はなく、

ただ薬でその思いを狂わされただけ

そんなみんなのことを私は……傷つけた

仕方がないことだって思う。

そうしなければいけなかったことだって思う

でも、だからってあんな苦しい表情、辛い表情、悲しい表情

仕方がなかったんだから忘れちゃおう?

なんてできるわけがない

「……私」

「春香?」

「…………………」

みんなからした夢である私の現実

でも、それは現実であったからこそ

夢よりも夢らしくないほどに現実的で

だからこそみんなには影響を与えてしまう


「……みんなに会いたくないっ」

「……理由を話せますか?」

「………………………」

千早ちゃんの告白を断り

雪歩の告白を断り

やよいの告白を断り

伊織の告白を断った

そのみんなの悲しむ姿が目に焼きついて

頭の中で何度も悲鳴をあげて、泣いてる

「……知らないのに。なのにっ」

みんなが夢だと思ってるから平気

そんなの……洗脳となんら変わりない

私はそれと同じようなことを……認めちゃってるんだ

「春香」

貴音さんの声が不意に近づき

私の体を暖かさと優しさが包み込んだ

中断

貴音も見事なほど天然タラシだから困る
これ惚れ薬無しでのぎゅっだろ?

なんとかしてあげてくれ…貴音


でも、受け入れられなかった

体は求めていたのに

その暖かさと優しさを

私は何よりも求めていたはずなのに

「止めて!」

「っ!?」

「止めて、止めて……」

貴音さんを突き飛ばしてしまった

優しくしてくれた人を突き飛ばした、拒絶した

「痛いっ痛いのっ!」

体は求めているはずなのに

この優しさを、温かさを

なのに心が痛い、痛くて苦しい……


胸をどんなに強く押さえつけても

痛みが引いてくれない、なくなってくれない

それどころかだんだんと強くなっていく

「………………」

その悲しそうな顔、寂しそうな目

みんなも同じ顔を、目を、してたよね

「っ……うぅっ……」

涙がこぼれて落ちていく

耐え切れない心が流れていく

みんなの優しさを傷つけた

そのことが心に深く痛みを残し

心が優しさを受け取ることを拒んだ

また……傷つけることが怖かったから


なのに、なのに

結局傷つけてしまった

悲しみ痛み苦しみその連鎖

終わらない、終わってくれない

「春――」

「触らないでッ!」

「春香……」

貴音さんの伸ばした手が静止してしまう

違う、私が止めた

「優しくしないでッ! 私のことなんて嫌いになってよ!」

嫌だ、嫌だ

もう、嫌だよ

好きだなんて言わないで、愛してるだなんて言わないで

そんな私の拒絶、なのに貴音さんは首を横に振った

「お断りいたします。なにより春香を嫌いになれる者など、少なくとも765ぷろの中には居りませんよ」

そして、笑った


「なんで、どうして……貴音さんも食べたんですか!?」

「おや……ふふっ。ええ、食べました」

貴音さんは少し驚きながらも笑顔で答えた

聞きたくなかった言葉を

でも

本当に聞きたくなかった言葉は

「じゃぁ……貴音さんも?」

「……とっぷしぃくれっとです」

言わないでくれた

「………………」

雪歩の時みたいに、

知っちゃってるってことだよね?


「春香は誰と会いましたか?」

「………………」

「ふむ、言えることではありませんか」

黙り込んだだけで

貴音さんは理解し、小さく頷く

ダメだ、隠せない

貴音さんには何も隠させてくれない

「みな。と言わせていただきますが、みな傷つけるつもりはなかったのです」

「知ってる」

「では、なぜそこまで自分を追い詰めているのですか?」

「背負うべきことだって思うからだよ」

私が笑ったことを。

自分が一番驚いていたかもしれない

やよいには話せず泣くことしかできなかったことが

貴音さんになら話せることが嬉しかったのかな……


「背負うべき。ですか?」

「うん、みんなは夢だって思って忘れるかもしれない。でも、私は現実だから」

夢の中のみんなはみんなの中から消えてしまった

でも、存在したことは事実で

その事実がある現実に私はいるから

夢にはならず、現実として覚えているから

「泣かせたこと、苦しめたこと、全部。背負うべきなんだよ……」

「……そして現実であるみなを傷つけ、苦しめ、悩ませ、不安にさせるのですね?」

「それはっ」

すぐには言い返せなかった

言い返すための言葉がなかった

事実、みんなに心配をかけ、伊織を不安にさせ

貴音さんを傷つけてしまっていたから


「みなが夢ならば、貴女も夢としてみれば良いではありませんか」

「そんなことできないよ……悲しそうな顔、見ちゃったんだもん」

それができたらどんなに楽なんだろう。

夢だからいいよねって、自由になれたらどれだけ軽いんだろう……

でも、無理

腕に、足に、みんなの腕が絡みついてくる

見捨てないでって、縛り付けてくる

「ですが、みなも同じはずです。その様子を見るに夢とはいえ大好きな貴女が辛そうだったのでしょう?」

「……………………」

「伊織が物凄く心配していた。と言いましたね? ですが、【夢】を見たみなが不安そうでした」

多分、私が帰ってないことを聞いて全員で連絡を回したりなんだりしたのかな

貴音さんは私に告白する現実を夢にした人を知ってるんだ

貴音さんは私の様子を確認し、儚げな笑みを浮かべた

「ご存知ですか? 悪夢を見るように、夢は現実に侵されますが。現実もまた夢に侵されるということを」


「将来の夢がある。人はそれを目指して現実を生きるでしょう」

「……………」

「大切な方が傷つく夢を見たとき、人はたとえ深夜でも安否を確認するでしょう」

「……なにが、言いたいんですか?」

言いたいことは解る。

でも、分かるだけではダメな気がした

言われなくちゃいけない気がした

そう思うのではなく、そうであると断言するために。

「夢はもうひとつの現実。ゆえに……みなもまたその身に背負っているのですよ」

「………………」

「告白し、断られたという現実は。みなが背負っているのです」


1度だけではなく

貴音さんは2回も言った

私だけじゃないよって

みんなで背負ってるんだよって

消えてしまったと思っているみんなの気持ちは

しっかりと残っているんだよって

自分で全部背負い込んで、苦しむ必要なんかないんだよって

「……でも」

「悪いと思うなら背負い、傷つき、苦しむことをお止めなさい」

「え?」

「みなが望んでいるのは笑顔の春香です。いつもの明るい春香なのですから」

貴音さんの手が、私の手を握った


『……ううん、良いの。貴女が私をそこまで思ってくれてるって解っただけで私はもう……十分よ』

千早ちゃん

『うんっ……仲良くっ……したいっ』

雪歩

『うっうー! 私、頑張りますーっ!』

やよい

『私はいつでも、力になってあげるから。辛くなったら言いなさい』

伊織

みんなの言葉

最後のみんなは笑顔だった

辛かったり苦しかったり、悲しかったみんなが見せてくれた笑顔

私は笑顔で終わらせたいって思った

でも

みんなも……みんなもそう……思っていてくれたのかなっ

>>207
社長、P、焼鳥、春香(鏡)も入れてあげて


「貴音さんっ……私っ私……」

手を強く握り締めていて、

痛いって思うはずなのに、そんな素振りも見せず

それどころか、落ちていく涙は貴音さんが拭ってくれた

「泣いている春香も十分愛らしい。しかし、笑顔の春香はその何倍も、愛らしい」

薬の入った貴音さんはやっぱり私のことを大好きみたいで

手を握るだけじゃなく

またしても力強く抱きしめてきた

でも……今度は心も体も拒絶しない

「私も……夢でいいんですよね?」

「ええ、それで良いのです」

みんなが私を女の子として

恋愛対象にするなんてありえない話だもんね

そもそもそこが間違ってたんだよ

そんな現実離れしたことを現実として背負うこと自体間違い

夢として考えて、夢として背負う。

貴音さんの言うとおり、そうするべきなんだ


「明日、一緒に事務所行っていいですか?」

「ダメですよ。まずはご両親に謝罪するべきです」

「うっ……うん」

千早ちゃん、雪歩、やよい、伊織

みんなが見たのは悪夢かもしれない

それに比べたら、告白されるなんてすごく嬉しいものを断っただけの私の夢は

そんなに悪い夢じゃないのかもしれない

でも、悲しそうなみんなのこと、ちゃんと覚えてるから、忘れないから

「……さて、春香」

「はい?」

「ともに入浴いたしましょう」

「えっ」

「ふふっ、世間では裸の付き合いなるものがより親交を深めると聞いています。参りましょう」

こ、断るべきだよね?

これ、確実に千早ちゃんより危ないよね!?


中断

(話の都合上)全員はちょっと無理かもしれません

>みんなが私を女の子として
>恋愛対象にするなんてありえない話だもんげ

おい待て春香
それはなんかおかしいんじゃないんですかねぇ!?

逆落とし神って感じか

番外編として後で書いてもいいのよ


「……貴音さんって意外と普通のシャンプー使ってるんですね」

「おや、私とて春香達と同じただの人間ですよ」

そんな風に思えないから

宇宙人だとかなんとか言われたり

不思議系なんて言われてるんだけどね

「して、どこか痒い所でもお有りですか?」

「か、痒くはないけどくすぐったいかなって……」

主にうなじの辺りが柔らかいそれについた石鹸で擽られてるんですよ

口に出せないからあえて言わないけどね

うん。今、私は女の子で良かったって心から思ってるよ

いや、女の子じゃなかったらこんなシチュエーションあり得なかっただろうけど

もしかしたら

見た目は女、頭脳は男。その名は両性類、春香!

なんてありえない人間が生まれてくる可能性も1億分の1くらいの確率であったわけだしね


「おや、それは失礼いたしました」

「ううん……それより聞いて良いかな?」

「何をですか?」

貴音さんはこのマンションに一人暮らし

行ってきますって言っても

ただいまって言っても

誰からの返しもない……

「寂しくはないのかなって……その、一人で」

「それはもちろん、寂しく思うこともあります」

「ごめんなさい、変なこと……」

「いえ、私よりも如月千早の方が辛く。だからこそ私達は似ているのかもしれません」

貴音さんはクスッと笑い、

私の方へと体を寄せ――あっあーっ!

それはダメ、ダメです!

柔らかいよぉぉぉぉっ!


「はわわわわっ」

「春香? 大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫、大丈夫……」

いや、ダメだったけど

色々な意味で……というより?

千早ちゃんとはちょっと違うと思う

「? 春香?」

振り向いた先に見える、乙女の柔肌

そして見える大きな……

主にそこらへんが違うかなって

「う、ううんなんでもない」

「そうですか、流しますよ」

「お願いします」

温かい水が頭の上から流れ落ちていく

一緒にいろいろなものを流してくれるシャワーは

人類史上に残る素晴らしい発明だと思う……残ってるけど


「では、春香。お願いいたします」

「い、良いの? 本当に良いの!?」

「ふふっ。私がお願いしているのですよ?」

貴音さんの綺麗な銀髪は

シルクなんかよりもずっと綺麗で

軽く触れただけでその滑らかさが解る

そんな風ですら触ることのできないような髪が

今、私の手の中にあるわけなんだけど

濡れているだけなのに宝石のように輝いて見えるし

その高級感に正直言って

私なんかの手で触っていいのか躊躇することしかできない


でも、いいって言ってるし良いんだよね?

シャンプーを手に取り

貴音さんの頭の上からゆっくりと撫でるように触れていく

「春香、もう少し強くお願い致します」

「ご、ごめん……なんだか傷めちゃいそうで」

「春香の手ならば傷つくのではなく、癒されることでしょう。遠慮なくお願い致します」

そこまで信頼してくれてるんだ

ううん、髪を触らせてくれる時点で

貴音さんは私を信頼してくれてるし

私もまた自然に委ねちゃっていたけど

貴音さんのことを信じてるんだよね

少しだけ力強く髪を撫でるようにかく

「ふふっその調子です」

「……なんだろう、気持ちよくしてあげてるはずなのに、私が気持ちいい」

指に触れる、爪の間に入り込む不愉快なはずの感覚さえ

心地よく感じてしまった


「春香」

「なんですか?」

「私は寂しい。と言いました」

さっきの話かな?

終わったかと思ったんだけど……

「ですが、私はだからこそ毎日を笑顔でいられるのです」

かもしれないではなく

だからこそそうなんです。と、振り向き

貴音さんは断言して微笑んだ

「事務所に行くことで貴女の、みなの。笑顔を見ることができるのですから」

その言葉と一緒に

貴音さんの体が流れるように向かってくる

「……貴音さ、柔っ」

「貴女方が、私の支えなのです」

人の体温って、凄く温かいんだね……

皆のアタックを受け止める余裕が出てきたら最終的にはるるんが目覚めちゃう可能性も出てくるな


「貴音さん……」

「春香……」

密着した体

湿度の高い風呂場のせいか、

水滴に混じってじわりと汗が浮かぶ

「……だ、ダメですよ?」

「雰囲気で流せば、接吻くらい頂けると思ったのですが」

貴音さんは小さく笑って離れていく

貴音さんってたまに隙を狙ってくるから怖い

「……流しますよ?」

「ええ、春香」

「はい?」

「貴女方のおかげで救われているのは事じづでぶぶっ――ぷはっ、春香!」

「あははっ流してる時に喋るからいけないんですよーだ」

少しくらい仕返ししたって良いじゃないですか

ちょっとその気にさせたんだから……


「許しません、このことは絶対に許しませんからね?」

「あっ、そういえば期間限定のカップラーメンが」

「……それで?」

あっ、乗ったよ

やった、貴音さん意外と安い!

「はい、じづばばばばばばっげほっけほっ」

「ふふっ、お返しです」

訂正、策士だった!

「正面からはずるいじゃないですか!」

「争いにルールなどないのです!」

子供じみた水の掛け合い

深夜のテンションといえばその通りかもしれない

でも、心から楽しいと思えた

私も、貴音さんも。笑顔になることができた

これも夢になっちゃうかもしれないけど

でも楽しい夢で……良かったです


もう寝ても仕方ないかもしれないような時間

真っ暗な部屋の白いベッドの中

私達は寄り添う

「春香」

「はい?」

「抱きしめて良いですか?」

「……まぁ、そのくらいなら」

答えた瞬間

後ろからぎゅっと抱きしめられてしまった

柔らかい、温かい、いい匂い

でも、匂いだけは私も一緒だったりする……

私も今度から同じやつにしようかな


「……今日は真、良き日でした」

「夢だとしても。ですか?」

「ええ。大好きな方と一緒に入られたのですから」

貴音さんの表情は見えないし

やよいのようにすぐに察することはできない。

でも、あからさまに明るい声だったからすぐに解った

「喜んでくれて嬉しいです」

「誰でも喜ぶと思いますよ。たとえ……水瀬伊織でも」

そこでたとえに出されるのはちょっと可愛そうに思えたけど

いつもツンとしてるからちかたないね


「貴音さん、お休みなさい」

「………………」

行ってきます、ただいま

いってらっしゃい、お帰りなさい

お休み、お休み

その言葉が言って貰えない貴音さん

「貴音さん」

言い合いたくて名前を呼んだのに、

応えたのは強い抱きしめ

溢れたのは……嗚咽

「おやすみ、なさい……春香っ」

でも、悲しそうなものじゃなかった

嬉しそうな……声だった

「今日だけは――ずっと一緒にいますからね」

笑顔と共にもらした言葉は、

「……ありがとう」

貴音さんの笑顔を引き出すことができた


中断

あとちょっとで【たかはる】終わり


このスレはたかはるで終わりにする予定です



続いて欲しいけど>>1が言うならしょうがない
「このスレは」の部分に期待しよう

作中で1日経過だしここら辺が一番良い切り所だろうな

所々の小ネタが酷すぎ
見た目は女、頭脳は男、その名は両性類春香ってなんだよ……わりと言いやすいのがムカつく

おい……これ夢だったってなるんだよな?
てことは朝チュンじゃ……

キモすぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>252
最初の方で小坊みたいな低脳レスしてたAOだろ?
アンタの方がキモいから安心してくれ


「ふわぅ……おは?」

翌朝、目を覚ました時には

既に貴音さんの姿はなかった

私が起きた時間も、8時20分前と実に早――くない!?

ここから2時間かけて家に行くんだし

準備を1時間で済ませるとして11時頃かぁ

「おや、春香。おはようございます」

「お、おはよう……」

貴音さんはエプロンじゃなくて割烹着なんだ……

うん、実にらしいよ。ではなく、

「学校どうしよう、遅刻どころじゃないよ」

「おや、たいていの学校は8時40分頃から開始と伺っております。時間は十分でしょう?」


「え?」

「はい?」

そっか、そういうことか

何回か言ったと思うんだけど

貴音さんもやっぱり可愛いところあるよね

天然さんだって響ちゃんも言ってたし

伊織にアンタが言うなって言われてたけど

「私、家まで2時間かかるんです」

「ええ、もちろん存じております。それがなにか?」

「学校は家のある地元にあるんですよ」

「なるほど――あっ」


そこまで言えば伝わるらしい

貴音さんは口元に手を当て、小さく首を振った

「わ、私はなんと愚かな……」

「あ、あーっそんな落ち込まないでください!」

「し、しかしっ、これでは春香が遅刻してしまう……学友に会える大切なお時間を」

「大丈夫ですから! ね? ね? お昼からでも会えるってことなんですから!」

「くっ……申し訳、ありません」

宥めるのにさらに時間を使った

なんて意地悪なことを言うのは止めておこう

可愛かったし


「おおう……平凡な料理」

焼き魚、味噌汁、ご飯、目玉焼き……納豆はないらしい

いや、それでも日本人の朝食といえばコレ

みたいなものの例で出てきそうな朝食だった

「いつもこういうものなんですか?」

「……いえ。今日は特別ですよ」

「ごめんなさい」

「ふふっ。罰として残さぬように」

「はいっ」

食べてくれる人のいない手料理

作っても自分だけしか食べない手料理

虚しい、寂しい……千早ちゃん

……そうだ


「貴音さん、一つ提案があるんです」

「おや、なんでしょう?」

「同居しませんか?」

「……………………はい?」

ポチャッと、

豆腐が味噌汁の中へと消え

貴音さんは唖然と私を見つめていた

「春香、どうやら耳が遠くなってしまったようなのでもう一度お願いします」

「えっと、同居しませんか?」

「なんとっ」

「千早ちゃんと」

「薄情者!」

叩かれたーっ!?


「まったく、春香はいけずです」

「ごめんなさい」

なんで私が謝らなくちゃいけないのかなぁ

千早ちゃんと貴音さんって別に仲が悪いようには見えないし、

昨日なんか似てるなんて言ってたくせにぃ

それなら、千早ちゃんも一人暮らしだし同居したら寂しさも紛れるんじゃないかなって

そう思ったんだけどなぁ

「食べ終わったら準備いたしましょう。しゃわぁはお使いになられますか?」

「あ、いいの?」

「ええ、私は荷物などの準備をしておきます」

朝シャワー浴びて

……歯ブラシは、まぁ、ちょっと拝借して

急いで準備した私達は、

なんとか8時30分前には家を出る準備を終えていた


「さて、春香」

「ん?」

「行ってきます」

「! うん、行ってらっしゃい。じゃぁ、行ってきます」

「はい、行ってらっしゃい」

行ってきますと言えること

いってらっしゃいと返されること

当然なようで、当たり前のようで

必ずしもできることじゃない挨拶

貴音さんの家を2人で出て行く

残されたのは私達がいたという空気だけ

帰ってきた時に迎えてくれるのは思い出だけ……か


「……貴音さん、また今度来てもいいですか?」

「ええ、いつでも。私は空いておりますからね」

泣いてる時も綺麗っていうのは凄いけど

でもやっぱり、

泣いているよりも笑顔が良い

「貴音さん、また事務所で」

「ええ、お待ちしておりますよ」

2人で別の道に行く

でも、夕方にはまた事務所で会える

学校も、勉強も

レッスンも、営業も

どんなことだって、その後に待つ

幸せのためなら、何にも辛くない、むしろ楽しい

だから、うん、今日もまた……楽しい1日になりそうです!


【たかはる】終わり

ということですいません
このスレはここで終わりにします

他の人はまた別の時系列として書くかもしれません


新たな何かに目覚めたわ

>>253
つ鏡


最高だった、次も期待してる
>>1はたかはるが気に入ってそうだな


これ以上このまま他の子書いてくのはキツそうだけど
今回薬飲んじゃった子達との後日談とか面白そうで見てみたいな

これで終わりだと

おつん!


だけど、後日談はみたかったなあ

キモいスレでクズ百合豚だな。さっさと死 ねks


きれいに終わってよかった

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