一夏「最近、鈴を見てるとムカムカする」(155)

一夏「もう鈴とは友達ではいられそうにない……」

鈴「いちかぁー、いるー?」

一夏「もう、もうな、限界だよ俺」

鈴「あれ?電話中?盗み聞きしちゃえ」

一夏「もう鈴とは友達ではいられそうにない……」

鈴「……えっ」

一夏「なにもしてねえよ!なにもしてこないからなんだよ!」

鈴「だ、誰と電話してるんだろ……」

一夏「最近、鈴を見てるとすごくイライラ、ムカムカするんだよ……」

鈴「えっ……な、何かしちゃったかな……」

一夏「鈴が悪いんだよ、鈴が」

鈴「思い当たる節が……ありすぎる」

一夏「そうなんだよ!最近、鈴を見てると俺の股間がイライラムカムカするんだよ!」

鈴「……はっ?」

一夏「鈴があまりにも無防備すぎるから!俺も男なのに!」

一夏「もうこのまま鈴の友達続けていく自信無い……」

一夏「第一、何なんだよ鈴は!」

鈴「えっ?」

弾『落ち着けって』

一夏「海に行った時だって、みんなが女や胸をアピールするような水着だったのに、一人だけ運動性を重視したの着てたんだよ!」

一夏「たまんねえよ!なんで本気で遊びに来てんだよ!」

一夏「可愛すぎだろ!あのラウラですら色香を漂わせていたのに鈴は!鈴は!」

一夏「しかも帰りも遊ぶわよー、って騒いで一番最初に寝てたし!」

一夏「なんなんだよあの無防備!もう我慢できねえよ!!」

一夏「あの小さくて可愛い口開けてすぴーすぴー寝息たてて!」

一夏「よだれまでたらして!何度舐めたいと思ったことか!理性が保たねえよ!」

一夏「しかも起きたら慌ててよだれを拭く仕草もちょこまかと可愛くて!小動物かよ!くそっ!」

一夏「海だけじゃ無い!普段もそうだよ!」

一夏「制服だってそうだ!他の奴らがやれば媚びた服装にしか見えない変態性高い服も鈴がやると健康的に見えるし!」

一夏「他の奴らは香水の匂いだとかするのに、なんかほのかにベビーパウダーの甘い匂いするんだよ鈴から!」

一夏「ベビーパウダーだぞ!ベビーパウダー!わかるか!?」

一夏「鈴のはスキンケアじゃないんだよ!肌の管理なんだよ!かわいいだろ!」

一夏「いや、可愛すぎんだろ!化粧っけも無いし!無いのになんであんなに可愛いんだよ!化け物か!!」

一夏「第一この年でツインテールをナチュラルに出来るってどんだけだよ!やめろよもう俺死んじゃうよ!」

一夏「くっそ、くっそ、鈴が近くに来るたびにドキドキするんだよ!」

一夏「息するのも忘れるくらいなんだよ!どうしよう!」

一夏「殺される!俺、鈴に殺される!」

弾『……。それ、全部鈴に言ってやれよ……』

一夏「言えるわけないだろう!?嫌われたらどうするんだよ!死ぬぞ!」

一夏「鈴の蔑む目を想像してみろよ!……悪くないな。かわいい」

一夏「でももう声かけられなくなったらどうするんだよ!生きてる価値がなくなるだろ!」

一夏「いや、高嶺の花なのはわかってるし、遠くから見てるだけでももう十分だから今の状態はある意味奇跡だけど!」

弾「そんなことはないだろ」

一夏「そりゃあ中学の頃はよかったさ!単なる日本語が喋れる外人だったから!でも今は違うだろ!」

一夏「中国代表!バイリンガル!気づいたらすごい奴になってたんだよ!俺じゃ釣り合わねえよ!」

弾『なあ、要件はそれだけなのか?』

一夏「そうだよ!他に相談できる奴もいないからこうやって……」

弾『もう切っていいかな』

一夏「なんでだよ!」

弾『いや、なんか、うん。そうだな。力にはなれんわ』

一夏「なんだと、おいっ、弾!弾?くそっ、切りやがった……」

鈴「えっ、なに、なんなのよこれ……」

鈴「一夏が……あたしに?ホントに?」

鈴「……」

鈴「へへっ……えへへ……」

鈴「えへへへへ……」

鈴「えへへー」

一夏「くっそ、弾の奴、途中で切りやがって……しょうがない。千冬姉にでも相談するか……」

鈴「えへへへへへ……」

一夏「……あれ、鈴?」

鈴「えっ、あ、い、一夏!どうしたの?」

一夏「なにもないけど。むしろそんなにフラフラして鈴こそどうしたんだよ」

鈴「な、なにもないわよ!」

一夏「顔も真っ赤だし、風邪か?だめだぞ体調管理しないと」

鈴「そんなんじゃないから!本当に大丈夫だから!」

一夏「だめだ!季節の変わり目だし気をつけないと」

鈴「う……うん」

一夏「ほら、医務室に連れて行ってやるから、背中に乗れよ」

鈴「いい!いい、いい!自分で歩けるから!」

一夏「大事には大事をとって、だ。すぐそこまでだろ」

鈴「じゃ、お言葉に甘えて。えへへ」

一夏「やべっ」

鈴「どうしたの?いちか?」

一夏「なん、でも、ない」

鈴「……?」

一夏「やわらかい……それにいい匂いもする……」

鈴「うん?なにかいった?」

一夏「いや、なにも」

一夏「……」

鈴「さっきから黙って……ごめん、重かった?」

一夏「そんなことない……よ、残念なことにもうそこだし」

鈴「それならいいけど……って、一夏、
鼻血!」

一夏「えっ、あ?ほんとだ。まあしょうがないな。うん」

鈴「しょうがなくないわよ!なにいってんのよあんた!」

鈴「結局、これじゃどっちが医務室に来たのかわからないじゃない」

一夏「ははっごめん、本当にごめん。迷惑をかけた。申し訳ない。今後一切このようなこと無いよう気をつけますのでどうかご理解とご容赦ください」

鈴「そんなことないから安静にしてなさい」

一夏「ほんとか!嫌わないでくれるのか!?」

鈴「そんなんで嫌いになったりするわけないでしょ……ほら、病人は寝た寝た!」

一夏「うん……よかった、本当によかった……」

鈴「なっ、なんで泣いてるのよ!」

一夏「鈴に嫌われたらどうしようかと思って……」

鈴「大丈夫。大丈夫だから。病気の時はちょっと心細いんだよね、ほらちゃんと安静にして」

一夏「うん……うん……」

鈴「はい、いい子いい子」

シャル「一夏大丈夫!?」

セシリア「一夏さんが倒れたと聞きまして!あれ?鈴さん?」

鈴「あ、ちょうど一夏、今眠ったところだから静かにね」

セシリア「あらそうでしたの、心配で心配で……」

シャル「でも穏やかな寝顔だね。これならすぐ回復するかな」

鈴「そうね。元気そうだったし大丈夫じゃない?」

で、なんやかんやあって鈴と一夏が結ばれて

鈴「一夏……、赤ちゃん、出来ちゃった」
に続く

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