ミカサ「温泉…ですか」(357)

*ミカサが卒業試験前に足首の怪我をしてしまい、キース教官に治療して来いと言われて温泉に行く話。
*付添人はエレンです。エレンとミカサで温泉いってきまーす!
*途中でちょっぴりお色気展開あるかも? 



ミカサ「温泉…ですか」

始めその言葉を聞いた時、ミカサは信じられない思いで一杯だった。

ミカサ「しかし、いち訓練兵にそのような贅沢は…」

キース「わしも、この時期でないなら提案はしない。ましてやアッカーマン、貴様の進路希望は調査兵団だっただろう?」

ミカサ「はい…(正しくは、エレンと同じ兵団だけど)」

キース「で、あるならば、将来に遺恨を残すべきではないと考える。憲兵団や駐屯兵団を希望するのなら、わしもここまでは言わない。勿論、無理にとは言わないが…幸い、移動距離も馬車で半日程度だ。その程度であれば、体の負担も少なかろう」

ミカサ「そうですね…しかしやはりひとりで行くとなると…少し…その…抵抗が…(エレンと離れたくない)」

キース「怪我人をひとりで行かせるほどわしも非情ではないぞ。一人くらいなら付き添いに誰か連れて行っても良い」

ミカサ「!」

キース「医者の見立てだと全治二週間程度だったな…温泉に入って足をしっかり治して来い。なんとしても、卒業模擬戦闘試験までには体を完治させてくるんだ。いいな」

ミカサ「はっ…!(敬礼)」

キース教官には返事をしたものの……

ミカサは少し迷っていた。

ミカサ(卒業試験前の大事な時期に…エレンも一緒についてきてくれるだろうか?)

今は卒業試験一ヶ月前。皆が皆、ピリピリしたムードだ。

今回の怪我は、立体機動の実技で、他の人間が装備の不具合が原因で、アンカーが途中で外れて、ミカサと接触事故を起こしたものである。

着地の際、ミカサはその訓練兵を庇って地面に降りた為、足にかかる重力が二倍になった。

普段のミカサならば、人一人抱えて着地するのは簡単だったが、突発的な事故だった為、左足首に負担が掛かってしまい、捻挫をしてしまったのだ(幸い骨折には至らなかった)。

こういった立体機動の事故は起きる時には起きるので、今更怪我のひとつやふたつ、そう気にする程のことではないとミカサは思っていたが…

ミカサ(まさかキース教官が事故の件をここまで気にされているとは思わなかった)

ミカサは自分が思っている以上にキース教官から期待されているのである。

次期、エース候補として。

ミカサ(エレンを連れて行くにしろしないにしろ…荷造りはしないと)

ミカサは女子寮に戻って簡単に鞄に衣服を詰めて旅行の準備を始めた。

と、言っても荷物と言えるほどの荷物もないが。

軍から支給されている背中でからう鞄に最低限のものを詰めていると……

エレン「(トントン)ミカサ! 足の具合どうだ?」

ミカサ「エレン…」

心配して見に来たのだろうか。一階の女子寮の窓の外からエレンの顔が見えた。

窓を開けてエレンを迎える。

エレン「捻挫はクセになりやすいからな…早めに治せよ。暫くは訓練も休め」

ミカサ「うん…実は、そのことなんだけど…」

そこでミカサはキース教官に特別休暇を頂いた件を話した。

エレン「温泉? いいなそれ! 早く治りそうだな!」

ミカサ「うん…教官は一人くらいなら付き添いを連れて行ってもいいと言っている……ので、私は、出来ればエレンについて来て貰いたい……のだけれども」

エレン「ああいいぜ! 一緒に行こう!」

エレンは窓からひょいっと女子寮に侵入し、ミカサの荷造りを手伝い始めた。

ミカサ「ほ……本当にいいの?」

エレン「あ? なんだよ。その言い草は」

ミカサ「だって卒業試験前なのに……(ゴツン!)」

何故か軽くおでこ同士でゴツっとやられた。

エレン「ばーか!(`・ω・´) いいに決まってるだろ。何遠慮してんだ。こういう時は、甘えていいんだよ」

ミカサ「でも……」

エレン「でもじゃねえ。口答え禁止! 出発はいつよ?」

ミカサ「明日の朝一…」

エレン「じゃあ俺も荷造りしとかねえとな。あ、アルミンにも言っておかないと」

そんな感じで手早くミカサの荷造りも終えてエレンは「またな!」と言って男子寮に戻っていった。

サシャ「あれ? ミカサ…どこか出かけるんですか?」

その時、ミカサの荷物に気づいたサシャがミカサに声をかけた。

ミカサ「実は…」

サシャ「ええ?! ユフイン村に行ってくるんですか? いいなあ…温泉卵…(じゅるり)」

ユミル「ミカサは温泉卵の為にいくわけじゃねえぞ……(呆れ顔)そっか、やっぱりあの時の着地で足、ひねってたんだな」

ユミルまで会話に加わり、ミカサは事情を全て話した。

ユミル「ふーん(´ー`) エレンと温泉にねえ……だったら、いろいろと準備するもんがあるんじゃねえの?」

ミカサ「もう準備は終わったけれど」

ユミル「そういう意味じゃねえって。ククク……これも持って行きな」

ユミルはそう言って、何やら袋に入れてそれを持たせた。

ユミル「万が一のこともあるから念の為、だ。いい土産話期待してるぜ」

ミカサ「……?」

ユミルの言っている意味が、いまいち理解出来ないミカサだった。

ユミルはミカサに何を持たせたのか。
いいアイデアがあったら採用するよw
>>4の方、何かある?

どう見てもコンドームしかないだろ

>>5
やっぱりそっちでいくかw
いや、水着とかそういうのでも良かったけどw
あと、逆に手錠とかプレイ用の道具とか(マニアック)
ユミルだったらどっちかなーと思ったんだ。

オーソドックスにこんちゃんでいくか。

腹減ってきたので、一回飯食ってくる。またね(^O^)ノシ

アルミンはエレンからひと通り事情を聞いて「そっかあ」と頷いた。

アルミン「温泉は怪我を治すのにいいって聞いたことがある。近くに温泉のある村があったなんて…初耳だけど、良かったね。そういう場所があって」

エレン「ああ…移動も半日で済むって言うし…ミカサの怪我が落ち着くまで俺も付き添うから。後のこと頼んだぞアルミン」

アルミン「そうだね…(僕も一緒に行きたかったけど試験前でそれどころじゃないんだよね。残念)」

エレン「一緒に行けねえのは残念だけど…土産なんか買ってくるからな!」

アルミン「気持ちだけで嬉しいよ。エレン…」

土産、で思い出した。

アルミン「僕は土産話の方をむしろ期待しちゃおうかな」

エレン「土産話?」

アルミン「ミカサと二人きりでしばらく過ごすんでしょ? 久しぶりに」

エレン「あー……まあ、そうだな。そうなるな」

アルミン「だったら……二人きりの時くらい素直になりなよ」

アルミンの意味深な後押しにエレンは一瞬、(゚д゚)ポカーンとしたが…

その意味を理解して顔を真っ赤にした。

エレン「ばっ……ミカサは怪我してんだぞ! 何馬鹿なこと言ってんだ!」

アルミン「ん? 僕は「素直になりなよ」って言っただけで、それ以外の事は何も言ってないよ?(策士) 何を想像したの?」

エレン「あ~る~み~ん~!」

ジャン「さっきから何騒いでるんだ。うるせえな」

その時、エレンとアルミンの間にジャンが割って入った。

アルミン「ああ…ミカサが左足首捻挫したでしょ? 治療の為に温泉に行くことになったんだって。エレンも付き添いで行ってくるって」

ジャン「(な…ナンダッテー!!!!)そんな……二人きりで行くのか?!」

エレン「? そうだけど」

ジャン「アルミンは! アルミンは一緒にいかねえのか!(二人きりなのか?!/(^o^)\)」

アルミン「僕はお留守番だね。試験前でやること山積みだし…成績いい方じゃないから訓練を休めないんだ」

エレン「まあミカサも俺も成績は上位の方だから少しくらいなら離れても大丈夫だろ」

ジャン「俺も上位組なんだけどな……」

エレン「なんだよ。ジャンも一緒に付き添いに行きたいのか?」

ジャン「行きたいに決まってるだろうが!!」

アルミン(必死だなあ…)

エレン「(;´д`)うーん…ミカサの話だと付き添いは一人って話だったんだが…どうするべきだこれ?」

アルミン(エレンが迷ってる。これはいけない…)

アルミン「ジャン…費用だってタダじゃないんだよ? 付き添いはひとりで十分だよ」

ジャン「いや! もしかしたら二人分の手がいる場面があるかもしれないじゃないか! 俺も行かせてくれ!!」

アルミン「(しつこいなあ…)かえって迷惑だよ。ジャン…」

ジャン泣いちゃうジャン

コニー「なんだ? さっきから騒いでるけど何かあったんか?」

興味津々に話に加わるコニー。

アルミン「実は…(かくかくしかじか)」

コニー「へえ! 温泉かあ! いいなあ! 俺もいきてー! 温泉卵食いてえな」

アルミン「コニー…(君まで参戦してどうする)」

ジャン「だよな! ミカサが心配なんだよ! な、俺も行かせてくれ!」

コニー「ああでも…折角、ミカサとエレンで行ってくるなら邪魔しちゃ悪いか…二人で楽しんでこいよ」

ジャン「(裏切り者おおおお!!)コニー! お前、意見変わりすぎだろ!!」

コニー「ああ? 何の話だよ」

コニーは疑問符を浮かべる。いまいち意味を分かってないようだ。

コニー「ミカサとエレンの二人で行くんだろ? エッチのチャンスじゃん。邪魔しちゃ悪いだろ」

エレン「は? (°д°)」

コニー「エレンも男なんだから…このチャンスを逃すなよ~ククク…」

エレン「何馬鹿なこと言ってるんだよ! 言っとくが、怪我の治療の為に行くんだぞ!」

ジャン「そーだぞ! そんなことさせるかよ! エレン! 男と男の約束だ! ミカサには絶対、手を出すなよ!」

エレン「お前に言われなくとも手なんか出すかよ! 何想像してんだお前らは!!!」

アルミン(………………赤面しながら言われても説得力ないよ、エレン)

アルミンは思ったが、口には出さなかった。

>>10
ジャンがついてくるシナリオでも別にいいですよw
お留守番組でも勿論いいですけど…
一応、両方のシナリオは漠然と考えています。

ジャン、連れて行くべき? それともお留守番?

一応、漠然としたシナリオ

ジャンがついていく→エレンとミカサがいい雰囲気になる度にジャンが阻止しにかかる。ミカサしょぼーん(´・ω・`)もあるが、ジャンが寝た後にスリルもあるコース。

ジャンお留守番→エレンとミカサの二人きりでちょっと気まずい(照れてる)エレンが緊張し過ぎてちょっとてんぱったりもする。

個人的にはどっちも美味しい( ゚v^ ) オイチイ

ついてった方がジャン涙目コースじゃねーかw

とりあえず、今日はここまでにしてどっちにするかは宿題にします。
正直、本当、どっちも捨てがたくて迷っているんで…

ここは慎重に決めたいので、意見があれば↓にどうぞ☆

>>15
ええそうなんですよw
実はついてくほうが、ジャンにとっては地獄です。
(目の前でイチャイチャされるんだぜ…? 不憫過ぎるwww)

二人だけでいい

>>18-22
圧倒的wwwwwww
まあ、ついていっても地獄が待ってるだけなので、
ジャンはお留守番のコースで続き書きましょうかねw

コニー「ジャン…本当についていきたいのか? わかんねえ奴だなあ…」

ジャン「うるせえ! ついていくったら、俺はついていく! 最悪自費で行ってもいい!」

コニー「だってさあ…逆にしんどくねえか?」

ジャン「どういう意味だよ」

コニーはそこで、ジャンに小声で耳打ちした。

コニー「旅の間、四六時中、ミカサとエレンの天然イチャイチャを見続けて耐えられる自信あんのか? それにもし、俺がエレンの立場なら、邪魔者がいる方が逆に燃えて、ジャンが寝静まったあと、絶対やっちゃうね」

ジャン「!(な、なんだと…?)」

コニー「障害があると燃えるだろ? そういう役目でいいのかよ、お前。今回ばかりは、おとなしく見守ったほうがまだ、ダメージ少なくて済むんじゃねえの?」

コニーの言葉は正論のように思えた。

コニー「それに一緒に行ったって…ジャンの出来ることなんてたかが知れてるだろ? かえって逆効果になりそうな気がするぜ?」

ジャン「くそーっ…」

コニーの意見に頷きそうになる自分が悔しい。

ジャン「それでも…エレンとミカサがエッチするのだけは阻止したいんだよっ…!」

コニー「そこんとこは、本人達の気持ち次第じゃんか…ジャンには関係ない事だし。おまえ、ミカサに告白もしてねえくせにそういう事を言うのは卑怯じゃねえ?」

更に正論の矢を放たれて胸に突き刺さるジャンだった。

ジャン「ううう…(痛いところ突かれた)」

コニー「ま、それでもどうしてもついていくってんなら、俺はこれ以上は言わねえよ。好きにすれば?」

ジャン「……………」

コニーの言う通りだと思った。

今回ばかりは、何も出来ることがない。

コニーから離れて、ジャンはエレンに渋々告げた。

ジャン「わかったよ…留守番しとく。留守番すればいいんだろ…(´;ω;`)」

エレン「(なんだ? 急に態度変わった)お、おう…ジャンは留守番すんのか。分かった」

ジャンの変わり身に不思議に思いながらも、エレンも荷造りを始めた。

コニー「エレン! 旅をするならこれ、ついでに持ってけよ」

エレン「? なんで紐?」

コニー「いろいろ役に立つと思うぜ! 荷物くくったりするのに」

エレン「おーさんきゅ!」

アルミン「エレン、僕もこれを渡しておくよ」

エレン「お、アルミンの文庫本か。暇つぶしに良さそうだな」

アルミン「馬車での移動の時とか、酔わないなら読んでみるといいよ。あと、時間つぶしには文庫本が一番だ」

エレン「助かるぜ。あ、あと座学の授業の勉強用にノートと教科書だけは持っていこうかな」

向こうにいる間も自習しなければならないと思ったエレンは真面目に荷物を作る。

エレン「ま、こんなもんかな。途中で何か足りなくなったら現地で調達すればいいか」

アルミン「そうだね。あんまり手荷物多すぎると移動が面倒だしね」

エレン「出発は明日の朝一らしい。ま、明日が楽しみだな」

ニカッと笑顔を見せるエレンとは対照的に、ジャンは「明日は雨が降ればいいのに」と思っていたのだった。

そして翌日の朝一の便で馬車に乗り込み、北の方にあるというユフイン村に向かうことになったエレンとミカサだった。

エレン「二人きりで出かけるのっていつぶりだっけ? 覚えてねえや」

ミカサ「そうね……もう随分、長い間、皆と一緒にいた気がする」

訓練兵の仲間達には少しだけ申し訳ない気持ちもあるが、今回の温泉旅行は二人にとって非常に楽しみでもあった。

特にエレンは、知らない土地に行くことが大好きなので、旅行というだけでテンションが上がっている。

馬車の外から見える赤い大地。

朝日がまだ登りきってないその時間帯に、馬車に乗っているのはエレンとミカサの二人だけだった。

エレン「寒くないか?」

ミカサ「平気…エレンこそ」

エレン「俺も大丈夫…でも、何かあったらすぐ言えよ」

ミカサ「うん……」

二人は隣り同士に座って無言で馬車の外の景色を楽しんでいる。

シーナとローゼを繋ぐ川が見えた。このまま川にそって北上を続けるようだ。

ミカサ「エレン……」

エレン「ん? なんだよ」

ミカサ「手…握ってもいい?」

エレン「ん? 冷たいのか?」

ミカサ「少しだけ…」

ほいっと手を差し出すエレンの手を握るミカサ。

ミカサ「エレン…暖かい」

エレン「お前が冷たすぎるんだよ。手袋持ってくれば良かったな…」

ミカサ「いい。エレンが手袋の代わり」

エレン「ふっ…まあ、金の節約にはなるか」

いつもだったらここで呆れたように手を離すエレンなのだが、今日はそういう素振りもない。

やはり二人きりだと、エレンもミカサに対するスイッチが若干緩くなるようだ。

エレン「いいぜ。暖かくなるまで握っといてやるよ」

ミカサ「(いつもより優しい)嬉しい…」

エレン「向こうについたら、何があるんかな…うまい魚でも食えるといいな」

ミカサ「そうね……タンパク質、大事」

エレン「ああ…肉をいっぱい食べれたらなあ…もっと早く体も治るんだろうに」

ミカサ「贅沢は言えない。温泉に入れるだけでも有難い」

エレン「ま、そうだけどさ。コニーは温泉卵があるかもって言ってたから、それはあったら食べて見たいよな」

ミカサ「確かに」

自然と、笑い合っていた。

こんな風に穏やかに時間を過ごすのは一体、いつぶりだろう。

遠い記憶すぎて鮮明には思い出せない。いや…

思い出したくない。

本当は覚えている。あの安らかな日々を。

もう二度と戻らない日のあの場所が……

二人きりの時間の、最後だったのだから。




ガタガタ…と馬車は進む。

ミカサ「少し…眠くなってきた(ウトウト)」

エレン「次の乗り換えまで、まだ時間あるもんな…いいぜ。起こすから」

ミカサ「寝るわけには…」

エレン「ちゃんと起こすよ。大丈夫。俺、昨日ちゃんと寝てきたし」

ミカサ「嘘…本当は、寝てないくせに」

エレン「3時間寝たから大丈夫だって」

ミカサ「それって大丈夫って言わないような…」

絶対、二人して眠りこけて、乗り換えの時に乗り過ごしそうだ。

エレン「じゃあお前は何時間寝たんだよ」

ミカサ「…エレンとあまり変わらない」

エレン「人のこと言えねえじゃねえか」

ミカサ「だって…興奮しちゃって」

エレン「悪い。俺もだ」

実は二人共、相当楽しみにしていたのである。

エレン「だって温泉なんて初めてだしなあ…」

ミカサ「私も初めて」

エレン「どんな風呂なんだろ…って想像するだけで楽しくてつい、な」

ミカサ「私も同じ」

クスクス笑い合ってしまう。

二人が、たわいもない雑談していると…

途中で別の人間が乗合馬車に数名、乗り込んできた。

その瞬間、エレンの表情が少し変わる。

ミカサ(あ…いつものエレンだ)

緊張したような、少し強ばった顔。

エレンは、誰か他人が入ってくるといつもこの表情に変化する。

警戒。観察。洞察。

いつ、何時、何があってもいいように、瞬時に気持ちを切り替えるのだ。

少し離れた場所に据わった二人組のうち、男性の方は少し足が悪そうだった。

もう一人は女性。二人は結婚しているように見えた。

男性「今日はイトウ先生がいらっしゃるといいな」

女性「そうね…イトウ先生のおかげで、歩けなくなってた足が歩けるようになったんですもの。感謝してもし足りないわ」

エレン「!」

今、すごい情報を聞いてしまったような気がする。

エレン「あ、あの…」

思わず、声をかけてしまったエレンだった。

エレン「すみません。その…今のお話、本当ですか?」

男性「ええ…実は私、昔、調査兵団に所属していまして。足の怪我が原因で退役せざるおえなくなり…足の神経をやられて一時は動かせなかったんですけど。イトウ先生のおかげで8割程度は治ってきたんですよ」

エレン「その…イトウ先生というのは名医なんですか」

男性「ああ…正確には、お医者様ではないんですよ。なんていうか…マッサージ師に近いかもしれないですね」

そう言ってその優しそうな男性は「詳しい話をしましょうか?」と言って下さったので、言葉に甘えるエレンだった。

男性の話を簡単にまとめると、どうやらそのイトウ先生というのは、国が定めた薬を使っているわけではなく、独自に開発したいくつかの薬草を利用し、それを燃やすことで煙をだし、煙の熱を利用して体の治療を行っている、とのことだった。

エレン「へえ…(初めて聞く治療法だな)」

男性「副作用もなく、捻挫や火傷程度なら、早い方なら一週間程度で完治しますよ。勿論、その方の体力にもよりますが…」

エレン「そのイトウ先生というのは何処に行けば会えるんですか?」

男性「イトウ先生は、各地の村を転々と往診に出てることも多いですので、確実に会えるわけではありませんが…ユフイン村にもその支部があるので、お弟子さん達はそこにもいらっしゃいますよ」

エレン「そうなんですね。(どうしよう…これは訪ねてみるべきだろうか)」

ミカサ「エレン…詳しく聞いておくべき」

エレン「そうだな。あの…実は、彼女も今、怪我をしていて…出来るだけ早く治さないといけなんです。連れて行ってやりたいんですけど、詳しい場所を教えて貰えませんか?」

男性「勿論、いいですよ」

すまぬ…
風邪ひいて熱出たんで、暫く続き書くのを休みます…。
治ったら再開する。待っててくだせえ…。

じっくり養生してくだせい。
ゆっくり待ってます。

お大事に
続き期待してる
でも無理は禁物ですよ
ちなみに俺の風邪の治療法は
風邪を治そうとしないで逆に風邪をひく原因になることをする
例えば、風呂入った後しばらく服を着ないでいるとか
※真似はしない方がいい

>>36
ありがとうございます。
やっと熱が落ち着いてきたので、ぼちぼち再開していきます。

>>37
逆に運動して汗かいて風呂入るっていうのは昔、聞いたことありますが、その方法は初耳だった…。
ちなみに今回私は、ただひたすら寝ました。
なんかもう、睡眠薬盛られたのかと思うくらい、ひたすら眠気が襲ってきて、半日くらい眠り続けたら、だんだん回復してきました。
睡眠不足が原因だったのかもしれないです。
次から気をつけます…。

******************************
ここからエルヴィン、ハンジ、リヴァイの登場有り。
人によってはリヴァハンに見えるかもなので、苦手な方はご注意!
******************************




その診療所に到着したのは夕方の5時頃だった。

夕方にも関わらず、治療に来ている人間でごった返している。

男女は半々で、年取った人間もいるが、そのほとんどが、屈強な兵士。

調査兵団の人間だった。

緑のマントを羽織った兵士達が、痛々しく待合室の椅子に座っている。

治療室と待合室は緑のカーテンだけで簡単に区切られていた。

エレン達が中でどうしたものかと待っていると、白衣の年取った女性がこちらに気づいたようだ。

エレン「あの…すみません。こちらにイトウ先生がいらっしゃるかもしれないと聞いて来たんですけど」

治療の女性「すみません…生憎、イトウは隣村に往診に出ておりまして…今日は戻られないと思います」

エレン「そうですか…」

治療の女性「イトウ先生はおられませんが…私達の方でも治療は行っております。ただ、今、混み合っておりまして…あと、調査兵団の関係者の方以外には、料金を頂いております」

エレン「おいくらですか?」

治療の女性「1回3000円(進撃の巨人の通貨単位が不明なので相当の価値を考えて下さい)になります」

エレン(た、高い…)

3000円といえば、2日分くらいの食費に相当する(*ここでは一食を500円で計算)。

エレン「どうする? 混んでるし…料金も高いし」

ミカサ「今回は諦めたほうがいいかも」

エレン「そうだな…悪かったな。ミカサ、無駄に歩かせて」

ミカサ「(フルフル)そんな事ない。(その気遣いが嬉しい)」

と、早々に二人が諦めて帰ろうとしたその時、

エルヴィン「おや? こんなところに訓練兵がやってくるなんて珍しいな」

エレン「?!」


上半身裸の、現調査兵団団長、エルヴィン=スミスが、治療室からカーテンを開けて出てきた。

突然の登場に、心臓が飛び上がったエレンだった。

思わず、二人共、敬礼をする。

エルヴィン「かしこまらなくていいよ。そちらは…もしかして、ミカサ=アッカーマンかな?」

ミカサ「はい…」

エルヴィン「キース教官から、いろいろと噂は聞いている。おっと…すまない。レディの前でこの格好は失礼だったな…暫く待っていてくれ」

一度引っ込んで、上着を着替え終え、改めて挨拶をするエルヴィンだった。

エルヴィン「私は調査兵団団長、エルヴィン=スミスだ。君達も怪我の治療に来たのかい?」

ミカサ「はい…」

エルヴィン「ここの温熱療法は確かに効果がある。調査兵団に入れば全員タダで治療を受けられるが……ここに来るのは初めてかい?」

ミカサ「はい」

エルヴィン「だったら、今回だけは私が二人分の料金を出してやろう。ここは訓練兵には少し、荷の重い料金だからね」

エレン「「えっ…いいんですか?!」

エルヴィン「その代わり、調査兵団に入ることを検討して貰えると嬉しいよ」

エレン「はい! 勿論です!」

エレンは目を輝かせ、「良かったなミカサ!」と笑った。

ハンジ「いや~極楽だった!(カーテン開ける)」

シャー…

その時、上半身裸のお姉さんが、治療室から出てきた。

一応、胸元は首元からかけたタオルで隠れていたが、待合室で待っていた一同は一斉に面食らう。

エレン「(赤面)?!!!」

ハンジ「エルヴィーン! 誰と話してんのー? って、あら可愛い(☆☆キュピーン)」

しかし本人は気にせず、エレンにぎゅーと抱きついた。

勿論、裸のままで。

ミカサ「!!(ムカッ)」

ハンジ「もしかして訓練兵? その背中のマークはそうだよね。怪我しちゃったの? 大変だったね。ま、ここで治療すれば、すぐに治るよ! ふふっ!」

エレン「なsんfsdfんsdfんskdんfks……(←どうしたらいいか分からない)」

ミカサ「あの…セクハラはやめて下さい(怒)」

リヴァイ「そうだぞ、ハンジ。てめーのちっぱいなんざ、誰も見たくも触りたくもねえだろ。離してやれ」

そこに何故か様子を見ていたと思われるリヴァイも加わり、ハンジを責めた。

リヴァイは、うつ向きでベッドの上で寝転がっている。

まだ治療の途中のようだ。

ハンジ「リヴァイひどい~! ちっぱいなめんな! ごめんね! つい、若い子見ちゃうと、可愛くて」

エレン「は、はあ…(びっくりした)」

ハンジ「君達、名前は?」

エレン「エレン=イェーガーです」

ミカサ「ミカサ=アッカーマンです」

ハンジ「ああ! 君達の名前は聞いたことがあるよ! キース教官が言ってたね! 特にミカサ! 君はリヴァイの以来の天才とか、女版リヴァイとか言われていたから、よく覚えているよ!」

ミカサ「……………」

リヴァイって誰だっけ? という顔でエレンを見るミカサ。

エレン「(小声)馬鹿! リヴァイ兵長といえば、人類最強と言われる、調査兵団の兵士だよ! そこに寝ていらっしゃる方がそうなんだよ!」

ミカサ「……(あんまり興味ない)」

ハンジ「でも怪我を甘く見ていると、後が怖いからね! 小さな怪我も早めにメンテナンスしておかないと将来苦労するから…」

エルヴィン「ハンジ。いい加減、上を着なさい。困っているのは、訓練兵だけじゃないぞ」

目のやり場に困っていた待合室の男性兵士達がハンジから目を逸していた。

ハンジ「あ! そう言えばそうだった! ごめんね~次の肩を待たせちゃ悪いよね。ベッド空けるから、ちょっと待っててね~(ぴゅ~)」

リヴァイ(やれやれ……奇行種が)

思わず、内心毒つくリヴァイだった。




そんな訳で、エルヴィンの計らいもあり、ミカサだけでなく、エレンもついでにその『温熱療法』を体験してみることになった。

一度、パンツ一枚になり、ベッドの上で仰向けになって寝っ転がる。

治療の女性「楽にしとって下さいね。途中で寝とっても構いませんから」

年は60代だろうか。白髪の白衣の体格のいい女性にそう言われ、エレンは指示に従った。

白い粉をポンポンと全身に軽く叩かれて、金属の棒のようなものを二本握った手で、全身にマッサージが施される。

エレン(おお…あったかい)

どうやら線香の先に火をつけて、穴のあいた金属の蓋を上から被せ、その穴から出てくる煙の熱を、全体に伝えているようだ。

じんわりと血流が良くなっていくのが自分でも分かる。

エレン(おお…やべえ…すげえ…気持ちいい…ZZZZZZZZZZ)

開始10分程度で本当に寝てしまったエレン。

どうやらミカサも同じような状態になったようだ。

そして………

エレン(はっ……! 寝てた!)

起きた時にはもう既に夜だった……

エレン「今何時だ……げっ…10時?!」

時計を見ると、だいたい二時間くらい寝てしまったようだ。

治療の女性「あら、やっと起きた。ぐっすり寝とったね~」

エレン「す、すみません…! こんなに寝るつもりは…!」

治療の女性「よかよか。初めてだけん、そんくらいよかよ。体、軽かろ?」

エレン「はい! ありがとうございます! そうだ…ミカサは!」

治療の女性「彼女さんもまだ寝とらすよ。でもそうね…もう起こしてあげた方がよかかもしれんね。そろそろ、おしまいの時間だし」

エレン「ミカサ…起きろ!(ペシペシ)」

ミカサ「ん……はっ…! 寝てた!!∑(゚д゚lll)」

エレン「本当、すみません! こんな夜遅くまでベッド借りて…!」

治療の女性「無理もなか。二人共、相当疲れが溜まっとったけん、体がパンパンはっとったもん」

エレン「え…そうだったんですか(自覚なかった)」

治療の女性「自覚なかったとだろ? 筋肉が硬かったもんね。体は鍛えればいいってもんじゃなか。柔軟性も大事よ。毎日、ストレッチしときなっせ」

エレン「はっ…! ありがとうございます!」

治療の女性「本当は毎日、これをした方が効果はあるばってん…ま、また来れる時にきなっせ:

エレン「はい! 本当にありがとうございました!」

そして二人はようやく診療所をあとにする。

エレン「嘘みたいに体が軽い…疲れがふっとんだなー」

ミカサ「体がまだポカポカする…」

エレン「だな…遅くなっちまったけど、予約していた宿に急ごう! ミカサ! 背中に乗れ!」

ミカサ「エレン?」

エレン「今、体が軽いから心配すんな! とにかく宿に急ごうぜ!」

ミカサ「う、うん…」

ミカサを背中に乗せて、夜道を宿まで急ぐと…

まだ宿は明かりがついていた。間に合ったようだ。

建物の大きさは二階建てのそう大きな宿ではなかったが、しっかりした建物だった。

シンプルな白い壁のその宿のドアを開け、中に入ると、広い部屋が見えた。

中央に、受付があるようだ。

そこでミカサを降ろして、エレン達は受付の方に声をかけた。

受付の女性「ミカサ=アッカーマン様のお名前でご予約ですね。少々お待ち下さい…(あれ?)」

その時、受付の女性は少し焦ったような表情になった。

受付の女性「(おかしいな…シングルが空いてない。他の担当の時の手違いかしら)お二人様、で間違いないでしょうか」

ミカサ「はい…」

受付の女性「大変申し訳ありません。こちらのミスで、シングルのお部屋が取れていなかったようでして…ダブルのお部屋でしたら、現在空いておりますが…そちらに変更させて頂いても宜しいでしょうか?」

ミカサ「ダブル? 二人でひとつの部屋を使うということですか?」

受付の女性「はい。こちらのミスですので、料金の方は半額にさせて頂きますので…」

ミカサ「では、それで(即決)」

エレン「おい! ミカサ! ∑(゚д゚lll)」

ミカサ「何? エレン」

エレン「二人でひとつの部屋を使うって…ダブルだと一緒に寝るってことじゃねえのか?! せ、せめてベッドは別のツインの方にしようぜ」

ミカサ「でも…ダブルしか空いてないのでは?」

受付の女性「あ、ツインもひと部屋空いております。そちらの方が宜しいですか? ただしこちらは室内には温泉はついておりませんが…」

ミカサ「ダブルの方は、室内に温泉がついているんですね。ではそれで(サインしようとする)」

エレン「おい! ミカサ! ここは部屋以外にも、大浴場もあるって書いてあるぞ! だったら、ツインでいいじゃねえか!」

ミカサ「………(ダブルの方がいいのに)」

受付の女性「シングルとツインには、室内風呂はついておりません。団体部屋とダブルのみ、室内風呂がついております。料金的には、ダブルと団体部屋の方が一人あたりお安くなっておりますが…団体部屋の方も既に埋まっておりますので…」

ミカサ「料金が安いほうがいい。エレン、ダブルにしよう(またサインしようとする)」

エレン「ちょちょちょちょ……待て待て待て待て! ∑(゚д゚lll)」

エレンはさすがにそれを止めた。

エレン「大浴場への移動が面倒なら、全部おぶってやるし! ツインにしよう! な?」

ミカサ「…………(そこまで言うなら仕方ない)」

エレンと一緒のベッドで寝るチャンスを逃したくなかったが、エレンがそこまで頑なに拒否するなら仕方ない。

ミカサ「分かった。ではツインで…(渋々)」

リヴァイ「おい、ちょっと待て」

その時、エレン達の後ろから別の客の気配がした。

リヴァイとハンジ、そしてエルヴィンの三人だった。

どうやら、先程からエレン達の後ろで順番を待っていたようである。

リヴァイ「今、もうダブルしか空いてねえって言ったな」

受付の女性「は、はい…今、ダブルが二つ空いておりますが…」

リヴァイ「こっちも宿を取りたい。ハンジの野郎が泥酔しちまったからな…これじゃ帰るに帰れん…おい、訓練兵。ツインをこっちに譲れ。俺達はツインとダブルの両方を使う」

エレン「!!」

リヴァイ「ダブルはエルヴィン一人で使えばいい。どうぜでかいし、丁度いいだろ。俺はハンジとツインに泊まる」

リヴァイの横暴に困るエレンだったが、先程の温熱療法の件の恩もあるので、断れなかった。

エルヴィン「すまないね。二人共。リヴァイは潔癖症でね。ハンジと一緒には寝たくないらしい(まあ私もご遠慮したいが)」

ハンジ「ちょっとおおおおお…どういう意味それー! ヒック!」

既に出来上がっているハンジを支えながら、エルヴィンは苦笑い。

リヴァイ「酔っぱらいと一緒に寝れるか! シングルがねえなら、ツインしかねえ。ダブルなんざぜってー無理だ。エルヴィンとも、ハンジともな!」

エレン(とほほほ…)

ミカサ「♪」

ミカサはニコニコと、ダブルの部屋にサインしたのだった。




エレン「104号室。ここか」

そしてダブルの部屋に入ったエレンとミカサだった。

エレン「おお…すげえ…!」

中に入ると、そこにはダブルベッドがひとつと、窓側に丸いテーブルと二つの椅子。

食事は頼めば持ってきてくれるそうなので、部屋で食べることも可能だ。

エレン「窓の外に風呂がある! かっけー!」

初めて見る部屋の造りに感動したエレンは、早速窓を開けて、露店風呂を観察してみた。

岩で風呂の淵を囲ったそれは、ボコボコと音をたてて湯が湧いている。

色は少し白く濁っているが、匂いはきつくない。ほんのりとした感じだ。

エレン「ど、どうしよう…早速入りてえ! でも、腹も減ったし…どっち先にしよう?!(興奮)」

ミカサ「風呂は後からでも入れる。食堂は12時で閉まるらしいから、そっちを先にしよう」

エレン「そうだな! 食堂閉まったら、くいっぱぐれるか!」

荷物を置いて早速食堂へ向かう。

客はもう、まばらであったが、酒を飲んでいる男性がちらほらいる程度だ。

若い男女はエレンとミカサの二人だけだった。

向かい合って二人は座り、メニューを二人で覗き込んだ。

エレン「何食う?」

ミカサ「何でもいい。エレンと同じもので」

エレン「あのなあ…こういう時くれえ別の物を食おうぜ。その方が楽しいだろうが」

ミカサ「そうなの? じゃあエレンが先に決めて」

エレン「いやだから…ミカサが先に決めろって。俺は別のを頼むから」

ミカサ「……分かった(どれにしたらいいのかな?)」

エレン「…………」

ミカサ「………(メニューはそんなにいっぱいあるわけじゃないけど、自分で決めるの面倒くさいな)」

エレン「……………………」

ミカサ「………(エレンが好きそうなものを外して頼まないと、エレンが好きなものを頼めない)」

エレン「……………………………」

ミカサ「………(どれにしよう。迷ってしまう)」

エレン「……俺が悪かった。ミカサはもう、豆スープとジャムサンドイッチにしとけ。俺は、カボチャスープとクルミパンにするから」

ミカサ「うん…じゃあそれで」

エレン「すみません、注文お願いしますー(´・_・`)ノシ」

ミカサは自分に対して無頓着な部分があるので、たまにこうやってエレンにぶん投げる時がある。

エレンは正直、ミカサのそういう部分をあまり良く思ってはいないのだが、エレン自身、深く考えると面倒臭くなるので、もう自分で決めてやった方がいいと思い、結果だいたいこうなる。

本当ならエレンは、ミカサ自身にちゃんと考えて貰って選ばせてやりたいのだが…。

ミカサ本人は、エレンに選んで貰った方が楽なのでこれで満足しているのである。

二人は質素ではあるが、簡単な食事を済ませると、部屋に戻った。

いよいよ、お風呂の時間である。

エレン「えっと……(どうすっかな)」

せめてカーテンがあれば良かったが、窓にカーテンがついていない。

ミカサが入っている間は、部屋を出て待っていた方がいいだろう。

エレン「ミカサ、先に入れよ。俺、部屋の外で時間潰してくるから」

ミカサ「? どうして? ベッドに座ってたら?」

エレン「だって、カーテンもないし、丸見えじゃねえか」

今頃気づいたのか、ミカサはびっくりしていた。

エレン「気づくのおせえよ…」

ミカサ「でも、外で待ってても…暇なのでは…」

エレン「アルミンに暇潰しの本を借りてきたから大丈夫だって」

ミカサ「……」

ミカサは少し不満の表情だ。

ミカサ「もし…足が滑ったら」

エレン「ん?」

ミカサ「もし…足が滑ったら、また怪我をするかもしれない」

エレン「うっ…」

その可能性が、全くないわけではないが…。

ミカサ「…ので、支えてくれる人が必要。エレン、一緒に入ろう」

エレン「えっ…」

ミカサ「用心の為、一緒に入ろう」

エレン「……」

そう、正論を言われると、正直、返事に困る。

ミカサ「どうしても嫌なら、せめてベッドに座って待ってて。近くにいて欲しい。念の為に」

エレン「み、見えちゃうだろ、でも…」

ミカサ「目を瞑れば、見えない。もしくは、ベッドの布団を被ってしまえばいい」

エレン「………分かったよ。じゃあ、目瞑って待っとく」

エレンは葛藤の末、そう結論づけた。

エレンが先にベッドに座って、目を瞑る。

その近くで、服を脱ぐ、音が聞こえる。

プチッ…するり…ストン…

音だけでその様子が分かる。

思わず、それを脳内で想像してドキッとする、エレンだった。

ガラガラ…窓が開く音。

体を洗う音が聞こえる。

ミカサは一人で無事に温泉に入れたようだ。

エレン「湯加減どうだー?(まだ目瞑ってる)」

ミカサ「丁度いい…」

エレン「そっかあ…良かったなあ…」

ミカサ「肌触りがいい…すべすべする」

エレン「美肌効果もあるかもなあ…」

ミカサ「だといい。エレンもきっとすべすべになる」

エレン「ばーか。男がすべすべになってどうすんだ」

ミカサ「私が喜ぶ」

エレン「ミカサが喜んでどーすんだ。全く…(苦笑)」

その時、ミカサはもう一度、言った。

ミカサ「……やっぱり、一緒に入ろう。エレン」

エレン「………」

ミカサ「昔みたいに、一緒に入りたい」

エレン「今はもう、昔とは違うんだぞ、ミカサ」

ミカサ「そんな事ない。変わったのは、私の胸の大きさと、お互いの背丈くらい」

エレン「全然違うじゃねえか!(くわっ)」

エレンは思わずツッこんでしまい、目を開けて、ミカサの方を見てしまった。

しまった。

ミカサにはめられた。

顔を真っ赤にして視線を逸らす。

ミカサは湯に入っているので、勿論、裸が見えたわけではないが、それでも、十分色っぽいわけで。

この程度で赤くなるのに。

どうして、一緒に入ることが出来よう。

ミカサ「私は…平気。見られても」

エレン「俺の方が困るんだよ(あーくそっなんかやばい。勃ってきた)」

ミカサ「どうして困るの?」

エレン「その…言わすなよ! 馬鹿!」

ミカサ「言ってくれないと分からない」

エレン「とぼけんのもいい加減にしろ! そういうの、何ていうか、知ってんのか?! 誘ってるっていうんだぞ!!」

ミカサ「? ……そのつもりだけど(一緒に風呂に入りたいから、風呂に誘っているのに)」

エレン「(こいつ、ぜってー意味分かってねえ。表情で分かる)一緒に風呂に入ったら、俺の体もミカサは見ることになるんだぞ?」

ミカサ「うん…(見たい)」

エレン「俺は、自分の裸を見せるのが、恥ずかしいんだよ!(とくに下半身がな!*立体機動中です(笑))」

ミカサ「だから困るの?」

エレン「そーなんだよ! やっと分かったか?」

ミカサ「だったら…タオルで見せたくない部分を隠して入ればいいのでは?」

エレン「!?」

ミカサ「だめなの?」

エレンはまさか、そうくるとは思わなかった。

次の言い訳を必死に考える。

エレン「だ…ダメだろ。確か、タオルを風呂の中につけるのは、マナー違反だった…(筈)」

ミカサ「黙っていれば、バレない」

エレン「そういう問題じゃねえよ! ダメなもんはダメだ!」

ミカサ「エレンは真面目。だから、立体機動の成績も、肝心なところで伸びない(ため息)」

エレン「はあ?!(今、関係ねえだろその話は!)」

ミカサ「応用力、大事。頭を使って目的を果たすこと、大事。その為には多少はずるいことをしてもいい。サシャやコニーもやってる」

エレン「あいつらと一緒にすんなよ…つか、話の論点ズレてんぞ」

ミカサ「そう? だったらタオルで隠して入るだけじゃ、問題を解決出来ないの?」

エレン「そうだよ。タオルで隠してもアレ(勃起)がバレちまうだろ…」

ミカサ「アレって何?」

エレン「アレってそりゃ言っちまえば……言わすなああああああ!!!!(赤面逃走)」

そう叫んで、エレンは部屋を飛び出してしまった。

ミカサ「……?」

ミカサはただ、はてなを浮かべるだけであった。





エレン「はーはー…ちょっと落ち着いた(←便所で抜いてきた)」

部屋に戻ると、まだミカサは湯船の中に入っていた。

エレン「?! おいミカサ?!」

様子が変だ。

ぐったりしている。

エレンは堪らず、ミカサに駆け寄る。

どうやら湯に長く入りすぎて、のぼせているようだ。

エレン「のぼせるまで入る奴があるか! 全く世話の焼ける…!」

もうこうなったら仕方がない。服は濡れるが、足を突っ込んで、風呂の中に入り、ミカサを抱き抱える。

エレン(重い…)

意思のない人間の体は、それのある時と比べると、2倍は重く感じる。

ずるずる引き摺るようにミカサを運んで、ベッドにのせると、タオルをかけて雫を拭い、タオルで風を送ってやった。

ミカサ「……エレン? 遅かったのね」

エレン「何で風呂の中でずっと待ってんだよ。さっさとあがっとけば良かったのに」

ミカサ「だって…一緒に入りたかった(ぐすん)」

エレン「だからって、湯あたりするまで待ってる奴があるか!」

ミカサ「でも何で遅かったの? すぐ戻ってくると思ってたのに」

エレン「(便所で抜いてきたなんて言えねえ)便秘だったんだよ」

ミカサ「そう…(急に出て行ったのはそのせいなのね)」

エレン「(信じた…まじか)そのせいで、時間かかったんだ。はあ…もう…何でこうなるんだろうな、全く」

結局は、どんなに抵抗しても、ミカサの裸を見る運命は決まっていたように思える。

ベッドの上でぐたtりしている裸のミカサをチラ見しながら、エレンは言った。

エレン「動けるか? 服着れるか?」

ミカサ「うん…服を取って欲しい」

エレン「これか? ほい」

鞄から適当に着替えをミカサに放り投げる。

エレン「お前、少し休んどけ。俺も風呂入ってくっから先に寝ててもいいからな」

ミカサ「うん…」

ガララ…

そしてようやくエレンは一息ついた。

問題はまだ残っているが。

エレン(今日はもう、床で雑魚寝すっかな…)

そんな風に思いながら、ようやく一日目が終了したのである。

朝起きてみると、隣にエレンが居なかった。

ミカサ(……あ、いた)

正確には、ベッドの下に落っこちていた。

寝相が悪くて、ベッドから転がったのだろうか。

(*本当はわざとエレンは床で寝ました)

ミカサ(ダブルベッドなのに…)

大きいベッドなので、二人で寝るのには十分な大きさだ。

それでも、落っこちるなんて、よほどである。

ミカサ「エレン…起きて」

エレン「ん…むにゃむにゃ…ミカサ?」

ミカサ「もう朝。起きよう」

エレン「ああ…もう朝かあ…」

ミカサ「エレン、床に落ちてた。危ないから、今日からエレンが、壁側で寝て欲しい」

エレン「え?」

ミカサ「この大きさのベッドで床に落ちるなんて、よほど酷い寝返りをした。危ないから、次からはエレンはこっち(右側)で寝るべきだと思う」

エレン「(俺が最初から床の上で寝たこと気づいてねえのか)別にいいよ。俺の不注意だし」

ミカサ「よくない! エレンまでもし、怪我したら、ここに来た意味がない!」

エレン「…わーったよ。ったく」

こりゃまた、面倒臭くなるなあと思ったエレンだった。

ミカサ「エレンは、昨日、お風呂に入ったの?」

エレン「お前がのぼせた後に入ったぜ」

ミカサ「どうだった? すべすべになった?」

エレン「あーなんか、ほっぺはツルツルしてる気がすんな」

ミカサ「本当? さ、触ってもいい?(ドキドキ)」

エレン「おう…別にいいけど(チラ見)」

ふわ…

ツルツル…モチモチ…

ミカサ「!(これは…感動する!)」

確かに効果は出ているようだ。

ミカサ「き…気持ちいい…(ぷにぷに)」

エレン「おい…もういいだろ。俺にも触らせろよ」

ミカサ「ど、どうぞ…( ^ω^)」

エレン「じゃ…失礼…おお!(ノ゚ο゚)ノ なんかこれ、触ってきもちいいいな! 温泉効果あるぞこれ!」

互いに互いの頬に触れて確認する。

初めての体験に、二人共ちょっと興奮した。

ミカサ「また入れば…もっとモチモチするかも」

エレン「だな…朝風呂入るか?」

ミカサ「今度こそ一緒に(☆☆キュピーン)」

エレン「∑(゚д゚lll)ダメだって言ってんだろ! いい加減にしろ!」

今日は俺が先に入るかんな! と言ってエレンはミカサを振り切った。

エレンはタオルで下半身を隠して体を洗おうとした。

その時、

ミカサ「一緒に入るのがダメなら、せめて背中を洗わせて欲しい…」

と、何故かミカサが服を着たまま風呂場に入ってきたのである。

エレン「?! 入ってくんなって言っただろ!」

ミカサ「背中は洗いにくいでしょう?」

エレン「人の話を聞け! 自分で洗えるし! そもそも怪我してんのはミカサだろうが!! 無理すんな!」

ミカサ「足は、体重を変にかけたり、酷使しなければ、それほど強くは痛まない。だから、エレンの背中を洗うくらいなら……平気」

そう言って、ミカサはするりと両手をエレンの背中にのせてきた。

ビクッと反応してしまい、エレンは慌ててそれを振り払った。

エレン「(俺が平気じゃねえ!!!!!)だったとしても…! 自分で出来るから! 出来ることは自分でやるから! お前はベッドで休んでおけよ!」

むう…とまた、不満の表情のミカサ。

激しい睨み合いが続く…。

エレン「そんな(可愛い)顔をしてもダメなもんはダメだ!! 頼むから、言う事聞いてくれよミカサ!!(俺の心の平和の為に!!!)」

ミカサ「………分かった(渋々)」

心臓に悪い…と思いつつ、エレンは自分の体を簡単に洗い終えると、風呂にゆっくり入った。

エレン「あー気持ちいい……(ギョッ!)」

その時、窓に貼り付くようにこっちを見ているミカサと目が合った。

エレン「何でこっち見てんだよ! 休んどけっつっただろ!!」

ミカサ「エレンの入浴を見るほうが心休まる…(*´д`*)ハァハァ」

萌え萌えして興奮しているミカサにエレンは頭を抱えた。

エレン「なんで男の俺の方が覗かれてんだよ! ミカサ、そういうの何て言うか知ってるか?! 痴女って言うんだぞ!」

ミカサ「知ってる…そう思われても構わない(☆☆キュピーン)」

エレン「(ダメだこいつ、早く何とかしないと)ミカサ! あんまり勝手なことすっと、口きいてやんねえぞ!!」

ミカサ「!……ごめんなさい」

これを言うと、ミカサはすぐに大人しくなる。

あまり使いたくない手なのだが、ミカサが暴走する時のみ、使用することにしているエレンなのであった。

しょんぼり、ベッドの上で縮こまるミカサを見ていると、可愛そうではあるが…。

エレン(ったく…背中なんて表せたら、いろいろと困るんだよこっちの方が)

赤面しながら、心を鬼にしないといけないと、改めて固く誓うエレンだった。

その日の朝食もエレンが結局、メニューを決めて一緒に食べ終えると、急に暇になった。

エレン「足の調子どうだ?」

ミカサ「無理に動かさなければ痛くない。けど…まだ100%の力では動かせない」

エレン「生活するのには支障なくても、立体機動はちと厳しいって感じか…」

エレンはミカサの←足首のテーピングを巻き直してやりながら、言った。

すると、ミカサは頷く。

ミカサ「ゆっくり歩く分には平気。でも、走る時は、少し痛い」

エレン「だったらまだ5割程度ってところだな。ゆっくり治していこうぜ」

ミカサ「お医者様は、運動を全くしないのも治りが遅くなるから、出来る範囲で動いていいと言っていた。ゆっくり散歩する程度なら出来るから、村の中を観光してもいいと思う」

エレン「そうだなー…飯も食ったし、ちょっと其の辺をブラブラしてみるのもいいかもな」

そして二人は早速、いつもの訓練兵の格好で、宿の近所を散策してみることにした。

すると……

エレン「お? なんだあれ」

見たことのない物が、広場の中央にあった。

それは、真ん中に大大鼓が設置されていて、周りを四角に囲った赤と白の装飾がされていた。

エレン「祭りの準備かな?」

ミカサ「あ…ゆかたの人がいる」

エレン「ゆかた?」

ミカサ「あの、足首まで隠れているつなぎのスカートのようなものを着ている人達のこと」

ミカサの視線の先には、浴衣を着た女性が何人か群れて歩いていた。

紺色や、白地の服に、赤や黄色の帯をしたその女性達は楽しそうに道を歩いている。

よく見ると、村の道沿いにはで店がちらほらと立ち並んでいた。

エレン「お、なんか食いもんがあるぞ。うまそーだな」

ミカサ「さっきご飯食べたばかり…」

エレン「腹八分目しか食ってねえから大丈夫だって! ミカサもデザートに何か食わねえか?」

ミカサ「そう言われると…食べたくなる」

エレン「よし! じゃあアレ食ってみようぜ!」

目を輝かせて、エレンが選んだのは……

>>52
訂正

←足首
→左足首。
変換ミスです。

ミカサ「いきなり団子?」

エレン「変な名前の食べ物だろ? こういうの好きなんだよ、俺」

エレンは、新しい物が好きだ。

それが美味かろうが不味かろうが、口にしてみたくなる質らしい。

エレン「とりあえず、一個買って、半分こにしてみようぜ」

ミカサ「うん…」

一個だけ買って食べてみる。

半分に割ると、中から芋の香りがした。

ミカサ「蒸し饅頭みたいね」

エレン「いただきまーす…この白い皮うめえ!! あと、中の芋も甘くてうめえ! この黒いつぶつぶはなんだ? こっちはもっと甘いな」

ミカサ「多分、あずきだと思う。珍しい。久しぶりに食べた」

エレン「ミカサ、食ったことあんのか?(もぐもぐ)」

ミカサ「すごく昔…母が生きていた頃にお祝いがある時に食べていた。とても珍しい食べ物らしい」

エレン「へえ…じゃあここでも祭りの時くらいにしか食えねえのかもな。ラッキー♪(もぐもぐ)」

ミカサ「うん…それになんだろう。この村の雰囲気…全体的に懐かしい感じがする」

ミカサはなんとなくではあるが、このユフイン村に親近感のようなものを感じていた。

ミカサ「ゆかたも久しぶりに見た。母も昔持っていた気がする」

エレン「へえ…って事は、ミカサにも縁(ゆかり)のある村なのかな? もしかして東洋ってところの文化なんじゃねえの?」

ミカサ「私も詳しくは知らない。でも、もしかしたらそうなのかもしれない」

ミカサの母とミカサ自身には東洋と呼ばれる人種の血が流れている。

それ故に命を狙われ、事件が起きてしまった過去がある。

もしかしたらこの村には、その東洋の文化が流れ、一部で残っているのかもしれない。

エレン「そうか…だったらミカサもその『ゆかた』っていう服を着てみねえか?」

ミカサ「え?」

エレン「どこか貸してくれるとこ探してみようぜ。服のレンタル屋くらいあるだろ(もぐもぐごっくん!)」

そう言ってエレンは食べ終わると、早速行動に移してしまった。

浴衣のレンタル屋はすぐに見つかった。

店の中に入ると、エレン達以外にも、若い男女(カップルと思われる)がいっぱい居て、服を選んでいた。

浴衣の店員「あら、こんな田舎に珍しい! 訓練兵さん達ですか? わざわざ休日を利用して来て下さったんですか? ありがとうございます! 本日は祭りがあるので半額デーですよ! お好きなゆかたを選んで下さい。勿論、男性用もご用意しておりますので…ささ、どうぞどうぞ」

浴衣の若い女性が目ざとくエレン達に近づいてセールスを始めた。

しかし種類が豊富すぎてどれを選べばいいのか分からない。

ミカサ「………(多すぎて何が何だか)」

ミカサは既に目が回っている。

それを見かねたエレンが、助け船を出した。

エレン「ミカサ、お前、どういうのが好きなんだ?」

ミカサ「え…うーん…(良く分からない)」

エレン「色とか柄とか…ピンとくるのねえの?」

ミカサ「……エレンと同じ物でいい」

エレン「またそれかよ…(呆れ顔)しょうがねえ奴だなあ」

エレンはぶつぶつ言いながら考えた。

とりあえず、深く考えるとかえって選べないのは分かっているので、情報を整理する。

エレン「俺は、この中だったら、黒に近い紺色の無地にすっから、ミカサも紺色ベースで、あとは柄物の中から、選べ。3択くらいなら出来るだろ? ホイ。どれにする?」

花柄と、金魚柄と、丸と三角と四角の幾何学模様。

この中だったら…

ミカサ「分かった。金魚柄にする」

エレン「(お…進歩した)よし、決まりだな。着替えてみっか!」

そして数分後……

き・た・い☆

ざわ……!!

ミカサが更衣室から出てきた途端…

店の中が一斉にざわめいた。

男性1(すげえ美少女…! 可愛い…! 美人だ!)

男性2(あんな美人初めて見るぞ!)

男性3(地元の人間じゃなさげだな)

男性4(ミステリアス系…? いや、クールビューティー系だな)

男性5(黒髪綺麗だなあ…)

男性6(涼しげな目がいいなあ…)

男性7(尻のラインもなかなか…)

男性8((*´д`*)ハァハァ)

と、彼女連れにも関わらず、男性達はミカサに注目して鼻を伸ばしていたのである。

(*全員、ジャンのような状態になったと思って下さい!)

エレン「おおお……(想像以上に似合っとる)」

ミカサ「久しぶりに着たから変な感じがする」

エレン「いや、でも、それ、似合ってるぞミカサ」

ミカサ「そ、そう…? (〃ω〃)」

エレン「ああ! 紺色にして良かった! ミカサはそういう大人っぽい色がよく似合うもんなあ」

ミカサ「そ…そうなの?(自分では良く分からない)」

エレン「ああ…! 紺色か、紫か、黒か…あと、赤色だったら、ちょっと濃い目の赤色だな。赤茶色っていうのか? そんな感じのだな。俺から見たら、の話だけど。そういう濃い目の色の系統の色が、ミカサには似合うと思うんだ」

ミカサ「エレンが言うなら間違いない(`・ω・´)キリッ」

エレン「いや、あくまで、『俺の』イメージの話だからな。(^_^;)本当はミカサ自身が、自分で好きなのを選んだ方がいいんだろうけど…日が暮れちまうもんな、やらせると」

ミカサ「た、確かに…(決められずに一日が終わってしまう)」

エレン「でも、今日は、3択の中からだったら、自分で選べただろ? いきなりは無理でも、そうやって少しずつ、自分で選ぶ訓練をしていこうぜ。今後の為にも」

ミカサ「どうして?(きょとん)」

エレン「どうしてって…そりゃ、それがミカサ自身の人生の為、だからだよ」

ミカサ「わ…私の為?」

エレン「そうそう、俺の意見にばっかり染まっても、ダメだろ? いつかは、離れて暮らすことになるかもしれんのだし…」

ミカサ「……!」

いつか、離れて、暮らす。

そんなこと、考えたことない。

>>56
あざーすw
浴衣の参考資料は、今月号の別冊マガジンの進撃中の方のミカサの浴衣です。
金魚柄の浴衣を着てたので、多分、似合うと思います。

エレン「自分で考えて、自分で決められるようにならないと。あ、勿論、他人の意見をないがしろにしろって言ってんじゃねえぞ? でも、ミカサの場合は、ちょっと極端なところがあるからな…俺はそれを、心配してんだよ」

家族としてな、と付け加えられた。

エレンの言葉を、今は素直に受け入れられないミカサだった。

ミカサ「…………(しゅーん…)」

エレン「(やべ…言いすぎたか?)今すぐにって話じゃねえぞ? 多分、大分先の話になると思うが…」

ミカサ「先の話でも…嫌だ。エレンと離れたくない(ぐすん)」

男性達(((?! 泣かせやがった!!(怒))))

エレン「おい! 泣くなよ! 店の中だぞ! (俺がいじめてるみたいじゃないか!)」

ミカサ「じゃあ離れるなんて言わないで」

エレン「………分かったよ。俺が悪かった(また、これだ)」

傍から見れば、ただの痴話喧嘩にしか見えない。

相手の男(エレン)に対して、ムカムカする外野の男性陣に対し、それを察知する女性陣は皆、男性達の足を蹴ったり、背中を叩いたりしていたのだった。

先程の口論(?)のせいなのか、ミカサはいつも以上にエレンにべったりくっついている。

エレンの腕に絡みついて村の中を歩いている。

どう見ても、傍から見るとただのカップルにしか見えないが、当の本人達はどちらも少し暗い顔をしていた。

エレン(さっきはまずったな……)

ミカサは、エレンが離れようとすると、いつも不安がる。

エレンに拒否されることも、極端に怖れる。

まるで、従順な犬のようだ。

エレン(これじゃあ…ミカサの為にもよくねえんだけど…)

依存の度合いが極端すぎるのだ。

勿論、そうなってしまった原因は、自分にもあるのだけれども。

エレン(やっぱ、俺のせいなんかな…)

本当はもっと、ミカサ自身に欲を持って欲しい。

エレンのことを優先し過ぎて、ミカサは自分を犠牲にしている事にすら、気づいていないのだ。

ミカサは、命を助けられた恩を返したいから傍にいると言っているが、その恩に対しての対価は既に十分貰っている。

だから本当は、これから先は、彼女自身の人生の為に生きて欲しい。

そう願うのは、エゴなのだろうか。

エレン(俺と一緒に生きるって事は……地獄が待ってるって事だ)

調査兵団に入る事。

そして、巨人と闘う事。

本来なら、それに、ミカサを巻き込みたくはなかった。

でもこのままなら、恐らく……

エレン(一緒についていくって、また言い出すんだろうな……ミカサの奴は、絶対…)

もはやそれが、ミカサ=アッカーマンのアイディンティティとさえ言えるのだが、エレンはどうしても、それを素直に受け取れないのである。

ミカサ「エレン……さっきはごめんなさい」

重苦しい空気に見かねて、その時、ミカサが先に立ち止まった。

エレン「あ? ああ…さっき泣いたことか」

ミカサ「うん…泣くのは良くなかった。人前なのに」

エレン「いや、泣かせた俺も悪い。さっきのことは、もう忘れよう。……ちょっと歩きすぎたな。この辺で一度休もうぜ」

ミカサ「うん…(こくり)」

エレンはミカサを、道沿いのベンチに座らせると、何か飲み物でも買ってくると告げ、少しだけ、ミカサから離れた。

しかし、戻ってみると……

ミカサは見知らぬ男性達五人組からナンパされてしまっていた。

エレン「?!(しまった!!)」

たった3分程度、離れただけなのに、この人だかり。

エレンは慌てて、ミカサを庇った。

エレン「あの…やめて下さい。俺の連れなんで」

男性1「はあ? アンタ誰よ? この子の彼氏かなんか? プッ…ヒョロい男だな」

男性2「だよな! 姉ちゃん、こんなヒョロ男より、俺達と一緒の方が楽しいって! こっちこいよ!」

明らかに、頭の悪そうな村のヤンキー風の大柄の若い男性達が、ミカサに露骨に絡んできた。

エレン(まずい…!)

逃げるにしても、今のミカサは全力では走れない。

どうするべきか、一瞬だけ悩んだエレンだったが…。

ミカサ「離せ、クズ野郎…(ボソッ)」

男性2「え?(なんか、イメージが)」

ミカサ「その薄汚い手を離せと言っている…このクズ野郎!!!!!」

その直後、男は一回転して、宙を舞った。

今、何が起きたのか、理解できたのは、エレンだけである。

ミカサは、対人格闘術の秘技を、道中で披露しちゃったのである。

(*アニの技を見よう見真似でやっちまいました!)

軍人を、舐めて貰っては困る。

例え浴衣姿でも、この程度の素人相手なら、瞬殺できる。

と、ミカサがどや顔をしていたその時、

エレン「アホかあああ!!(ビシッ!)」

エレンが思わず、ミカサにツッコミを入れた。ビシッと。

ミカサ「エレン…? (何故、頭を叩かれた?)」

エレン「(小声)訓練兵が民間人に暴力振るったら、懲罰もんだろうが!! やばいぞ! 騒ぎになったら! ここで身元バレたら、こっちが圧倒的に不利になる!」

ミカサ「(あ! そうだった!)ご、ごめんなさい…」

エレン「(小声)向こうが呆けてる間に逃げんぞ! 掴まれ!」

飲み物は放棄して、エレンはミカサを背中に抱えて、宿まで全力で逃げた。

火事場の馬鹿力とはよく言ったもんで、人を抱えて走ったのにも関わらず、エレンはミカサを無事に連れ帰る事が出来た。

幸い、追っ手は来なかったようだ。

エレン「もうこうなったら、ほとぼり冷めるまで宿から出られんな…」

やっちまったもんはしょうがないが、エレンはミカサを叱った。

エレン「ダメだろミカサ! 軍人が民間人に暴力振るっちゃ……いつものミカサらしくないぞ! 俺も喧嘩っ早いし、手出すことは多いから、人のことはあんま言えんけど…」

今回は珍しく、ミカサが暴走したので、エレンも驚いていた。

キレるのは、いつも自分の方が多く、それを止めるのが、ミカサの役目だったのに。

ミカサ「だってあいつら……エレンを馬鹿にした。ヒョロ男って(歯ギリギリ)」

エレン「あのなあ…そりゃ事実だから、仕方ねえだろ。実際、筋肉薄いもん。俺、ライナーとかに比べれば」

ミカサ「それはライナーに比べれば、皆一緒! エレンは決して細くない! ちゃんと筋肉ついている!」

エレン「あーだとしたら、俺は着痩せして見えるタイプなだけだろ。きっと。あんま気にすんなよ」

ミカサ「私が気にする…!(更に歯ギリギリ)」

だめだこりゃ。言っても聞かないようである。

おもしーよ
いいよ

ミカサ「エレンは逞しくなった! その証拠はある…!」

ずいっ…!

ミカサはエレンに抱きついて、エレンの浴衣をぐいっと剥がしにかかった。

胸元の筋肉を指先でなぞりながら、ミカサは興奮気味に言った。

ミカサ「この胸の筋肉、肩の筋肉…ちゃんとある! あんな奴ら、エレンだって瞬殺出来た! あんな奴らに舐められるなんて……」

ミカサは熱心にエレンの体を触って怒っている。

その先が少しだけ、乳首のあたりを掠ったことにも気づいていない。

エレン(っ……!)

まずい。ちょっと、あんまり触られると……

体に火がついてしまう…!

ミカサ「エレンは負けない! 馬鹿にされる謂れは……!」

エレン「ミカサ…!」

エレンが、もう耐えられなくて叫んだその時、

ようやくミカサは自分が何をしていたのか理解した。

ミカサが見上げた先に、エレンの顔があった。

真っ赤に染まった、その顔は、

非常に困っていた。

ミカサ(あっ……)

つられて、赤くなる。

何、やってるんだろう…私は…。

エレン「み、ミカサ…服、元に、戻して、くれ」

ミカサ「ご、ごめんなさい…(いそいそ)」

気…気まずい。

非常に、空気が、恥ずかしい。

エレン「………(あっぶーねー…あのまま胸触られてたら、ちょっとやばかった)」

ミカサ「………(エレンの胸の筋肉、撫でちゃった)」

互いに気まずくなって、無言がひたすら続いてしまった。

>>63
わーいwあざーすww
ここから暫く、切ないニヤニヤシーンが続きますよ~。

重い空気に耐えられなくなった、エレンは言った。

エレン「汗…掻いちまったから、風呂、入ってくる。ミカサは……」

そこまで言って、エレンは先程、ミカサが泣いてしまった事を思い出した。

罪悪感から、つい、その言葉が零れてしまう。

エレン「…………………ミカサも一緒に入るか?」

ミカサ「……え?(パチクリ)」

エレン「歩いて、汗掻いただろ?」

ミカサ「う…うん(でも、いいの?)」

エレン「俺が先に体洗って、湯に入るから…その後に入ってくるならいいけど」

ミカサ「う…うん! 入る!」

エレンの背中を見送りつつも、ミカサは少し混乱していた。

ミカサ(あんなに嫌がっていたのにどうして急に気が変わったのだろう…?)

分からなかった。だけど、嬉しかった。

そしていざOKになると、とんでもなく緊張している自分に気づく。

ドクンドクンドクンドクンドクン…!!!

ミカサ(心臓が壊れそうに痛い…!)

どうしよう? やっぱりやめるべき?

いや、このチャンスを逃したくない。きっと、二度目はない!

興奮を鎮め、チラチラと、風呂を覗く。

エレンはもう、湯船に入ったようだ。

ミカサ「も…もういい?(チラリ)」

エレン「ああ」

エレンは、ミカサに背中と項を見せて返事をした。

ミカサは浴衣を脱いで、簡単に体を洗って、急いでエレンの隣に座った。

白い濁り湯のおかげで、エレンの体の詳細は分からないが、すぐ隣にエレンがいる、というだけでもドキドキする。

ミカサ「ど…どうして急に気が変わったの?(チャポン…)」

エレン「んー…」

エレンはミカサを見ないで、天を仰ぎながら言った。

エレン「さっき、泣かせちまったから…その詫びのつもり」

ミカサ「え?(悪いのは、私なのでは?)」

エレンはミカサの方を見ないようにして、言いにくそうに言った。

エレン「泣かせるつもりで言ったんじゃねえけど…俺も口うまい方じゃねえし…ミカサを泣かせちまうこと、あるだろ? そういう時って、やっぱ少しは罪悪感があるんだよ」

ミカサ「………(そうだったのね)」

エレン「これで少しは、気が晴れたか?」

ミカサ「う…うん…(もう十分)」

エレン「そっか…(チャポン)」

しばし二人で湯で遊ぶ。チャポン…。

エレン「正直、言っちまうとさ…」

ミカサ「ん…?」

エレン「ミカサは俺と一緒にいると、これからも泣かせること、いっぱいあると思うんだ。俺は出来るだけ、泣かせたくねえけど……それでもやっぱりそういう事は起きると思う。お前……それでも俺とずっと一緒に居たいのか?」

ミカサ「うん(即答)」

エレン「迷いねえな……どうしてだよ」

ミカサ「私が、エレンと一緒に居たいから。エレンと一緒にいる時間が、1番幸せだから」

だから、泣いてもいいの、とミカサは言う。

ミカサ「エレンが困るなら、泣かないように努力する。だけど泣く事が、エレンから離れる理由にはならない」

エレン「………」

ミカサ「今、この瞬間、とても幸せ。ずっと続けばいいとさえ、思う。私にはそれを願うことしか、出来ない」

祭りの音が遠くから聞こえる。

どうやら本格的なお囃子(おはやし)が始まったようだ。

ミカサ「エレンとは離れたくない。これだけは…誰にも譲れない私の願い。たとえ、エレンに離れて欲しいと頼まれても、これだけは、譲る気はない」

エレン「…………(はあ)」

諦めるしかないのだろうか。

エレンはため息をつくしかなかった。

ミカサ「……エレン?」

エレン「何でもねえ。ちょっと、いろいろ複雑なだけだ」

ミカサ(それって何でもないって言わないのでは?)

怪訝な思いを抱えながら、小首を傾げるミカサ。

そんな彼女を、ぐっと自分の方に引き寄せて、エレンは言う。

エレン「……ミカサ」

ミカサ「?!(きゃあっ)」

エレンの体温が直にミカサに伝わってくる。

心臓の音が聞こえる。

しばらくの間、そうしていただろうか。

エレンは意を決して、その行動を起こそうと試みた。

だが……

エレン「…………」

ミカサの幼い表情を見ていると、やはりそれは出来なかった。

やはり罪悪感の方が、ここでも優ったのだ。

エレン「…………………」

ミカサ「エレン?(どうしたんだろう? すごく辛そう)」

エレン「………やっぱりダメだ」

ミカサ「…何が?」

エレン「俺は、卑怯者にはなりたくない」

ミカサ「エレンは、卑怯者ではないけれど」

エレン「ずるい事も…したくねえ」

ミカサ「それも、別に構わないけれど」

エレン「でも、やっちまった方が、楽になれることも分かってる」

ミカサ「楽になりたいの?(何かを我慢しているの?)」

エレン「ああ…全部、吐き出して、楽になりたい。ミカサを泣かせてでも、そうしたいって今、一瞬、思っちまった。……ちくしょう」

エレンは「でもダメなんだ」と続けた。

エレン「それじゃダメなんだ。それは自分を裏切ることになる。それだけは…したくない」

ミカサはエレンの言葉の半分も理解出来なかった。

エレン「お前には自由に生きて欲しいのに………俺は、お前の自由を奪いたくねえ……」

エレンはそう呟いて、ミカサを暫くの間、ぎゅっと抱きしめ続けたのだった。

エレンは背を向けて、壁に顔を向けて寝ている。

ミカサは、エレンの方を向きながら、今日、一緒に風呂に入った時のことを思い出していた。

ミカサ(エレンは結局何が言いたかったのか、全然理解できなかった…)

頭の悪い自分をつい、責めてしまいミカサだった。

ミカサ(今に始まった事じゃないけれど…ここ最近、特にエレンの言っていることが良く分からない事がある)

まるで、パズルのピースが足りない絵を見せられているような、そんな気分になる時があるのだ。

ミカサ(一番大事な部分を隠して話しているようにも思える。だから…謎が解明出来ない)

ここにアルミンがいたら、正解を導いてくれるかもしれないが…。

ここにいない人に頼ってもしょうがないので、ミカサは不満を抱えながらそう思うと、エレンを後ろからそっと抱きしめた。

ミカサ(どうして、全部話してくれないの? 今は、その時ではないの?)

ドクン…ドクン…

エレンの心臓の音を聴くと安心する。

心臓の音は、人を睡眠に誘う力があると言われている。

ミカサが寝静まったのを確認したエレンは、ミカサの手を握り返した。

エレン(俺が…我慢すればいい……)

この温もりも、暖かさも。

犠牲の上で成り立つなら、我慢するしかない。

エレン(ミカサとここに滞在する期間の間……絶対、こいつにやらしいことはしない)

もし、そういう事をしてしまったら……

エレンが、ミカサの未来を変えてしまう。自分が、ミカサの『自由』を奪ってしまう。

その意味を正しく認識しているエレンにとって、ミカサとの必要以上の触れ合いは避けたかったのだ。

だからここから先は、エレンにとっての試練の日々だ。

一緒に寝る以上、絶対ミカサより先に寝ない。そして、ミカサより先に起きる。

そういう戦法でいくしかないと、心に決めた。

エレンは握り締めた、手をいじりながら思った。

ぎゅっと…強く。強く。

今日はここまで~。

結構、長くなりそうな予感がひしひしとしております…!
まだ半分もいってないので、読むの大変かと思いますが、
どうか最後までよろしくお願いします。

そして数日が経ち、徐々にミカサの足の具合も回復の兆しが見えてきた。

温泉に繰り返し入り、ストレッチも入念に行い、三度飯を食べ、健康的に規則正しく暮らす。

ミカサにとって、エレンと一緒に過ごす日々は、精神的にも安定をもたらし、そのおかげで、怪我の方もどんどん良くなっていった。

ミカサ(この調子だと、二週間もかからないかもしれない)

皮肉な事だが、5日目にもなると、軽めの速度であれば、走れるようになってきたのだ。

ミカサ(本当はもっと長く滞在したかったけれど…この調子なら、あと3、4日もあれば完治するだろうな)

自分の経験上、そう予測したミカサだったが、それをまだエレンには告げていなかった。

エレンは予定通り二週間(14日間)ここにいると思い込んでいるようだからだ。

ミカサ(ちょっとずるいけど、予定通り、ここに二週間いようかな)

多分、言わなければ、バレないと思う。

そんな風に、ちょっとだけミカサがずるい事を考えていたら、

エレン「ミカサー足の具合どうだ?」

と、エレンがいつものチェックをしに来た。

テーピングの巻き直しをする為である。

ミカサはベッドに座ってエレンに足を差し出した。

ミカサ「最初に比べると、大分いい。順調だと思う」

エレン「そっかー…だったらもし予定より早く治ったら、早く帰れるかもしれねえな」

ミカサ「!(しまった)」

ミカサは、墓穴を掘ってしまったと思った。

エレン「ずっと同じ生活だし…正直、ちょっと飽きてきたのもあるんだよなー…あー早く訓練に戻りてえ」

ミカサ(言わなきゃよかった。(ズーン))

ズーン…とつい、落ち込むミカサだった。

エレン「よし、おしまい!」

テーピングをし直して、エレンは立ち上がった。

エレン「今日は何すっかなー…座学の続きでもするか」

教科書とノートを取り出して、テーブルの上に広げる。

ここでやれる事と言えば、座学の復習と、読書と、ストレッチと、宿の中の散歩と、入浴と食事くらいなので、退屈と言えば退屈と言える。

それでも、エレンは真面目にそれらに取り組んでいた。

ミカサ(………)

ミカサはそんなエレンを横目で見ながら、ため息をついた。

2日目にヘマをしなければ、本当はもう少し、デートらしいデートが出来たのだが……自業自得とは言え、今は外出を控えている。

もし、また似たようなトラブルを起こしたら、今度こそ、懲罰問題に成りかねないからだ。

エレン「あーここ分かんねえ! ミカサ、この問題わかるか? ココ」

ミカサ「これは…」

ミカサはスラスラと難問を解いてみせる。

エレン「あーなるほど。やっぱミカサはすげえな…解けない問題なんてねえんじゃねえの? アルミンも、だけど」

ミカサ「そんなことない。私にだって、解けない問題は、ある」

エレン「へー例えば?」

ミカサ「例えばそう…なぞなぞとか」

エレン「なぞなぞ?」

ミカサ「エレンの出した、なぞなぞ……まだ解けない」

エレン「俺、なぞなぞなんて出したっけ? いつ?」

ミカサ「この間、一緒に温泉に入ってくれた時……」

エレンはあの時のことを思い出して、思わず青ざめた。

エレン「(ギクッ)あ、あれの事か…あれは別になぞなぞじゃねえよ。なんていうか、俺の独り言だ。気にすんな! もう忘れていいから…」

ミカサ「忘れない。私はエレンの言った事は全部忘れない」

ミカサは、エレンの目を覗き込むようにして、言った。

ミカサ「ヒントが欲しい…正解へ導く、ヒントを」

エレン「いや、解かなくていいし(まずい…)」

ミカサ「気になる…(むーっ)」

エレン「(くそっ! 可愛い顔しやがって、口尖らせんな! 頬膨らませんな!)そ、そんな大した事じゃねえから……(視線逸らす)」

ミカサ「だったら、教えてくれてもいい筈…」

エレン「(あーもう面倒くせえ!)あ、俺、喉が乾いた! なんか飲みてえな…りんごジュースとか、あったら最高だなー(棒読み)」

ミカサ「………宿の受付の人に聞いてくる。あったら、買ってくる」

ミカサは渋々、エレンから離れて部屋を出て行った。バタン。

エレン(はーっ…あっぶねー…とりあえず、助かったか)

エレンは脱力した。この間の事を思い出しながら、

エレン(あの時、思ったのは…『ミカサをここで、無理矢理にでも抱いて妊娠させちまえば…ミカサ自身の自由を奪える。そうすりゃいくらなんでも、もう俺についてくるって言えなくなるだろうって…』ことなのに)

ゲス過ぎる。

人として、最低な事を、一瞬でも思った自分が嫌だった。

エレン(そうならない為に、こっちは必死にセーブしてるっつーのに、人の気も知らんで、あいつはもう…ε=(・д・`*)ハァ…)

ため息しか出てこない。

エレン(俺がもし、そういう感情を、セーブ出来なくなったら…あいつはどうすんだろ…)

ちゃんと拒否してくれればいいが、もしそうでなかったら、ミカサ自身、本当に自由に動けなくなるのに。

エレン(……早く足治ってくんねえかな)

あまりよけいな事を考えたくなかった。

この生活自体は嫌ではないのだが、ちょっと誘惑が多すぎる。

と、その時、ミカサが戻ってきた。

ミカサ「これでいい?」

エレン「お、本当にりんごジュースあったんか(適当に言ったのに)ラッキー♪」

ミカサは瓶を一本と、グラスを二個お盆にのせて持ってきてくれた。

ミカサ「ついでにコップも借りてきた。はい」

エレン「サンキュ」

トクトクトク…

小休止に、二人でそれぞれ一杯ずつ飲む。

のど越しが気持ちいい。

エレン「おー、うめえ! なんか、喉にかーっとくるな。甘いのに、辛い感じもある」

ミカサ「(ちょっともう一口)…美味しい」

エレン「俺、これ好きかもしれん。もう一杯飲もうっと」

グビグビグビ……

エレン「かーっ! 病みつきになりそうだ、コレ!!∑(*゚▽゚*)」

ミカサ(エレンのテンションが上がってる…可愛い(*´д`*)モエモエ)

エレン「飲んでると、楽しくなってくる……なあ…ふふふっ(´∀`*)♪」

エレンがどんどん一人で瓶の中身を空けていく。

エレン「ミカサもいっぱい飲めよー♪」

ミカサ「私は一杯で十分(見てる方が楽しい)」

エレン「そんな事いうなよーっ俺ばっか、飲んじゃダメだし…(ヒック)」

ミカサ(…? ヒック? しゃっくりかしら?)

エレン「体が熱くなってきたなー上脱ごうっと…(ヒック)」

エレンは、上半身の衣服を全て勢いよく脱ぎ捨てた。

そこでようやく、ミカサはエレンの異変に気づいた。

これって…もしかして…。

見覚えがある。

そう、ハンネスさんが、しょっちゅうこういう顔をしていた。

ミカサは、慌ててラベルを確認した。

ミカサ(しまった…これ、アルコールが入ってる?!)

普通のジュースだと思って買ったそれは、どうやらりんご酒の方だったようである。

ミカサ(おかしい…宿の受付の人は、ジュースと変わらないって言ってたのに…!)

ここでのそれは、酒を飲む人にとっては、果実酒系はジュースと変わらないという意味なのだが、ミカサは額縁通りに受け取ってしまったのだ。

ちなみに今、エレン達が飲んだりんご酒もさほどアルコール成分が入っているわけではない。

どうやら、エレン自身があまり酒に耐性がない体質のようである。

(その証拠に、ミカサはほとんど酔ってない)

ミカサ「エレン! もうこれ以上飲んじゃダメ!(瓶に蓋して奪う)」

エレン「はあー?! Σ(゚д゚lll) なんでだよ!!ヽ(`Д´)ノ」

ミカサ「あなたは今、酔っている! これ以上は、危険!」

エレン「俺、酔ってねえし! ( *`ω´) 何言ってんだ?(ヒック)」

酔ってる人に、酔っていると言っても、酔ってない! と返されるのがオチである。

エレン「お前、独り占めするのか? ずりぃぞ! よこせ!」

ミカサ「ダメ! エレンには、あげない!」

狭い部屋の中でぐるぐる追いかけっこが始まってしまった。

エレン「あー! (´△`)ひでえ! くそう…よこせ!(腕伸ばし)」

ミカサ「ダメ…!」



グラッ…!!!!




その時、バランスを崩して、ミカサとエレンは、一緒にベッドにダイブしてしまった。

エレンに、押し倒される形になる、ミカサ。

瓶はベッドの下に転がっていった…。

エレン「…………(ミカサ可愛いなあ…ヒック)」

ミカサ「…………(エレン、顔真っ赤…)」

見つめ合ってしまう。

エレンはそのまま、ミカサの胸の谷間に顔を埋めた。

ミカサ「え…エレン?(ドキッ)」

エレン「もういいよ(あーいい匂いがするー)」

ミカサ「え?」

エレン「なんか、我慢すんの、疲れた(ヒック)」

ぎゅう……

と、エレンは、ミカサを抱きしめた。

エレン「ジュース飲めないんだら、ミカサを代わりに飲んでやる」

*ここから先は、エレミカのエロターンです! 珍しく、エレンが攻めます!(笑)
*ミカエレっぽい場面もありますが、基本エレミカです。ごっちゃにした感じで進むので、ややこしくてごめんね!
*おま、それ以上はやめろ! (゚A゚)ヤメロ!!と思うような表現があるかもしれませんが、自分的にはブレーキ踏まないで書きます! 先に謝っておきます!
*むしろもっとやれ! コールがあったら調子に乗る予定です!

(*エレンは現在、酔っています。キャラ崩壊中です)




ミカサ「え…エレン? 私を飲むって…どういう意味?」

エレン「んーと…こういう意味」

おっぱい、もみもみ。

ミカサ「?!(ちょっ…ええ?!)」

エレン「ミカサのおっぱ、気持ちいいなあ……ふふふ♪(もみもみ)」

ミカサ「え、エレン! やめて! 何故…そんな事するの?!(赤面) 私は母乳は出ない…!!」

エレン「知ってるよ。物の例えだよ。ただ、おっぱいをしゃぶりたいだけだ」

ミカサ「?!(な、なんですって…?!)」

ミカサの頭の中は大混乱である。

まるで、赤ちゃんに還ったようなエレンの要求に、さすがのミカサも戸惑ってしまった。

ミカサ「そ、そんな事…(恥ずかしい)」

エレン「嫌か? 嫌なら、やめとくよ。もうしない(ヒック)」

エレンの潔い態度に、ミカサの心も揺れた。

ミカサ(嫌…ではないけれど…は、恥ずかしい…)

ミカサも、さすがにそれは恥ずかしくて、頷けなかった。

ミカサ「そ、それは…ダメ…そういうのは、赤ちゃんがすること。エレンはもう、子供じゃない……のだから」

エレン「子供を作る時は、大人も、おっぱいしゃぶってもいいんだぞ?(ヒック)」

ミカサ「え……ええええ!?(初耳)」

エレン「座学で、子供の作り方は習っただろ? 男と女の生殖器を結びつけて……精液が女性の体内に……」

ミカサ「それ以上言わないで!!(再び赤面)それは知ってる! でも、子供を作る時に、お、おっぱいをしゃぶるなんて、一言も習わなかった…」

エレン「ああ…授業じゃ詳しいやり方までは言わなかったもんなあ。生物学を習うような感じだったし…(ヒック)」

ミカサ「え、エレンは…詳しく知ってるの?」

エレン「知識としては、な。実際は、まだ一度もやったことねえよ(ヒック)」

ミカサ「じゃあ…エレンは、私と、その……子供を作りたいの?」

だから、おっぱいをしゃぶりたい…という要求をしてきたのだと解釈したミカサは、そう尋ねたのだが、

エレン「んにゃ、別にそういうわけじゃない(ヒック)」

ミカサ「???」

エレン「と、いうか、子供を作るところまではしたくない。したいけど……したくない」

ミカサ「?????(ますます意味が分からない)」

一体どっちだ? と思ったミカサだった。

すると、エレンは続けた。

エレン「んとな……ミカサに子供が出来ちまったら……お腹が大きくなって、自由に動けなくなるだろ? そうなったら、ミカサの人生は、自由じゃなくなる。だから、俺は、ミカサとは子作りしたくねえ(ヒック)」

ミカサ「…………(な、なるほど)」

エレン「でもな、ミカサがあんまり可愛いと、俺もたまに、ムラムラしてきて、手出したくなる時はある。そういう事、しちゃいけないって分かってても……たまにしたくなるんだ。こんな風に(ヒック)」

むにゅ。

ミカサ「ひゃあ……! ∑(〃ω〃)ビクッ」

いきなり胸を揉まれて、声を出してしまうミカサだった。

エレン「ミカサが泣いて嫌がってでもしたい……って、たまに思う時もある。だから、最初は一緒に風呂に入るのも抵抗があったんだ。……ここが勃つと、子作りの準備が出来た合図みてーなもんだから、それがバレるのが、恥ずかしかったんだよ」

と、言って、エレンはミカサの手を、自分の下半身に誘導した。

実際に服の上から触らせて、実感させる。

ミカサ(あ…あったかい…そして…固い)

エレン「これな、こういう状態になると、いろいろ……大変なんだよ。女の体の中に、無理やりにでも入りたくなってくる。そういう面倒臭い生き物なんだよ。男っていうのは」

ミカサ「(口パクパク)……!」

エレン「なのに、ミカサがお構いなしに、誘惑してくっから…俺だってなあ…本当はいろいろ、我慢してんだぞ…(ヒック)」

エレンはそこまでぼやいて、また、ミカサの胸の谷間に顔を埋めるのだった。

ミカサ「…………」

さすがに、ミカサもやっと理解した。

今までの、エレンの不自然な行動は、そのせいだったのだと。

嬉しいけれど、恥ずかしくて、どうしたらいいのか分からない。

エレン「あー…ミカサのおっぱい最高ー…(至福)」

「エレン、正気に戻ったら憤死しそうだな」と、ここにもし、アルミンが見ていたら、きっとそう突っ込んでいただろう。

それくらい、今のエレンはネジが2、3本緩んでいる。

エレン「こんなに気持ちいいなら、もっと早く触れば良かった(もみもみ)」

ミカサ「あ…! (やだ…気持いい…!)」

声が、思わず、漏れて、エレンは気を良くした。

エレン「乳首どこだ…? あ、これだな。ちょっと固くなってる(コリコリ)」

服越しに、ミカサの胸に悪戯を始めるエレン。

ミカサ「や…や…やめて! エレン…!(気持ちいいけど…!)」

エレン「(無理)んー? 痛い?(コリコリ)」

ミカサ「い、痛くないけど…あん…!」

エレン「(にや~っ)これ、気持いいんだろ?(コリコリ)」

ミカサ「あ……あ…ダメ…やあ……!(体が…変に…なる!)」

エレン(あー楽しい♪)

エレンは、ニヤニヤしながら、ミカサの体をいじめ始めた。

普段のストレスを、ここぞとばかりに発散する。

エレン「両方、いっぺんに、いじめてみるか」

ミカサ(ええ?!)

エレン「痛かったら、止めるから。ちゃんと言えよ。手加減すっから」

エレンは、そろり、そろりと、撫でるように、乳首の辺りを回したり、捻ったり、引っ張ったり、摘んだりを繰り返した。

その度に、やってくる、快楽に、ミカサは、顔を真っ赤にして震えてしまう。

ミカサ「あ…ああ…エレン…そんな…こと…しない…で…ああ!!」

体を捻って、逃げ始める彼女を追いかける。

ミカサは俯きになって、体を反転するが、エレンは胸への攻撃を止めなかった。

後ろから、今度は下から、腕を潜らせ、乳首を探す。

口元は、ミカサの耳を噛みながら、耳の奥に落とし込むように、その声を発した。

エレン「ミカサ……可愛い」

ミカサ(……!?)

エレン「お前、そういう可愛い声、出せるんじゃん。もっと聞かせてくれよ(低い声)」

ミカサ「う…うう…ああん!」

エレンのおねだりのせいで、体中が痺れていく。

乳首の刺激も十分、体の自由を奪っていくが、それ以上に、エレンの囁きの方が、何十倍も破壊力があった。

ミカサ(ダメ…こんなの…やばい…エレンの声が…甘すぎて…!)

エレン「ミカサ……ミカサ…」

ミカサ「あう…あああ……!(名前、呼んでくれる…!)」

触れられているのも、勿論嬉しいけれど、もっと嬉しいのは、エレンの甘い声だった。

脳内を直接揺らすようなその刺激は、今まで感じたことのない快楽の世界だった。

ミカサ「ああ…はあん! や…や…ああ…うう…」

下半身から何かが溢れてくるのが、自分でも良く分かる。

エレン「ここ…気持ちいいのか?」

ミカサ「ああ!(気持ち良すぎる!)」

エレンの舌が、声が、耳の中に入ってくる。

舐められているのが、分かる。

ミカサ(これが、子作りなの? こんなに、大変なことをするの?)

このまま続けていけば、やばい事になりそうな予感がした。

自制心が効かなくなる。そんな、予感が。

下半身が疼いている。

エレンを、欲しがっている、自分がいる。

本能が、目覚める。そんな、予感がする。

ちょっと休憩するー。手首が疲れちゃった…。
また後で続き書きますねー。

面白い
>>1頑張って

>>87-90
声援が聞こえてきた! 頑張る!
続きをぼちぼち書いていきます!

その時、ミカサの脳内で、囁きが聞こえてきた。



悪魔ミカサ『このまましてしまえばいい』

ミカサ(?!)

悪魔ミカサ『エレンの気の済むまで、触らせてしまえばいい。きっと、今まで知らなかった、新しい世界が待っている』

ミカサ(でも…!)

悪魔ミカサ『何故躊躇う…?』



エレンの手は胸以外にも、脇腹や、骨盤の方にも回したりして、いやらしく動き回っている。



悪魔ミカサ『本当は、エレンにこうされたいと、ずっと思っていたくせに…ククク…』

ミカサ(そ、それは…)


否定出来なかった。


悪魔ミカサ『今のエレンなら、きっと…もっと気持ち良くしてくれる』


エレンの手は、ミカサのズボンのボタンを外し始めている。


悪魔ミカサ『こんなチャンス……二度はない』

ミカサ(……………)


エレンの手が太ももにも侵入して伸びていく。

悪魔の誘惑に屈しかけた、その時、


天使ミカサ『でも! このまま続けたら、子供が出来るかもしれない!』

ミカサ(!!)

天使ミカサ『エレンもそれは望んでいないと言った! だったら、これ以上、触れ合ってはいけない! 戻れなくなる!』

悪魔ミカサ『邪魔しないで欲しい(ムカッ)』

天使ミカサ『(無視)よく考えて! 今ここで衝動に任せてしまっては、きっと後悔する!…きゃあ!(吐血)』


悪魔ミカサは天使ミカサをザクザクと削いでいった。

天使の軍勢が、次々と消えていく。

たった一匹だけを残して。


悪魔ミカサ『もう遅い。エレンもその気になっている。今なら、エレンの子を宿すことも可能…それが、女の幸せではないの?』

ミカサ(女の……幸せ?)

悪魔『そうだろう? 愛する男の子を成し、産み、育てる。それこそが、女の幸せ。私の望み…』

ミカサ(私の望み…?)


本当に、そうなのだろうか…?


悪魔ミカサ『女の本能…原始的な欲求…それが満たされることこそ、…至福…違わない?』

天使ミカサ『違う!!』


その時、生き残った、血だらけの一匹の天使ミカサがヨロヨロと立ち上がった。


天使ミカサ『私の望みは、エレンと共に生きること…! 子を成せば、その間は、エレンを守れなくなる! 私はエレンを守る! 何があっても! その為なら、子供が一生出来なくてもいい…!』

悪魔ミカサ『な…なんだと…?(ざわっ…)』

天使ミカサ『子供が欲しくないわけじゃない…! でも今は、その時ではない…! 優先するべきものを、間違えてはダメ…! ミカサ=アッカーマン!!!』

ミカサ(……!!)

これ、俺がミカサの犬耳のスレで言ってたやつか

ミカサは我に返った。

そして、エレンに対して叫ぶ!!

ミカサ「エレン!!」

エレン「(ビクッ)な、何…?」

ミカサ「痛くないけれど、もうやめて…続けたら、子供が出来てしまうんでしょう…?」

エレン「(はうああああああ!!! そうだったああああ!!!)わ、わりぃ…!!!」

エレンは、慌てて、ミカサから、離れて起き上がった。

エレン「避妊具もねえのに、やる事じゃなかった…(ヒック)ごめん…つい…楽しくて…(やばいやばいやばいやばい)」

まだ、ヒックヒック言っているエレンだったが、とりあえず、衝動は収まったようだ。

エレン「ダメだ…ミカサが可愛すぎて下半身が辛い…便所行って抜いてくる…(トボトボ)」

便所に行く回数がやけに多いなあと思っていたが、それもそのせいだったのか、とミカサはようやく理解した。

ミカサ「え…エレン!」

エレン「んー?(ヒック)」

ミカサ「私に、出来ることは、ない…?」

エレン「ん?(ピクッ)」

ミカサ「子…子供は作れない…けれど…エレンが、辛そうなのは、私も辛い…ので、私も、出来ることがあれば…協力したい!」

エレン「協力…ねえ…(ヒック)」

そりゃ、やってもらいたいことはいくらでもある。

とくに、アレとか。

エレン「だったら、ちょっとやってみっか?(ヒック)」

>>94-95
いや、もう、今はこっちで手いっぱいっす! すまぬ!
これ、結構長く続く予定なんです…。(まだ半分もいってない)

従順なミカサと、攻めるエレン(酔っ払いバージョン)つー、インスピきたのは、あなたのおかげだ。
皆、>>94に敬礼をするんだ!(敬礼!)

>>94-95
なんかミスった!
これで大丈夫かな?
いやはや、酔っ払いエレンが楽しすぎてひゃっほーいですよ。
犬耳の続き待ってますよ! 頑張れ!

エレンはベッドに引き返し、ズボンを膝まで降ろして、ミカサにソレを見せてやった。

ミカサ「………!(こ、これは…!)」

エレンのアレが、勃っている姿を、間近で生で見るのは、ミカサも初めてだった。

エレン「ミカサ……これ、触れるか?(ヒック)」

ミカサ「こ…これを、触るの?(ドキドキ)」

エレン「ああ…ミカサの手をこうやって、上から、俺も、手を添えるから…一緒に動いて欲しいんだ」

ゆっくりと、二人で手ですいていくと、大きさが更にでかくなった。

ミカサ「す…すごい…(こんなのを…女性の体に入れるの…? 入るの…? 無理…!)」

それを想像して、思わずプルプル震えてしまうミカサだった。

エレン「あ…やっぱり嫌か? もうやめるか?(ヒック)」

ミカサ「ち、違う…嫌では…ないの…だけれども」

エレン「ん?」

ミカサ「こんなのを…体に入れると思うと……は、入らないって、思ってしまって…」

エレン「ああ…なるほど。確かに。それは、俺も思う(ヒック)」

エレンは頬を赤らめて言った。

エレン「だから、さっきみたいに、ミカサをうんと気持ち良くして、ほぐしてやらねえと、いけないんだよ。ミカサの体を、柔らかくしてからじゃないと、コレは体に入れられねえんだ…(ヒック)」

ミカサ「そ、そうなのね(納得)」

エレン「実際、フランツも、ハンナと初めてヤった時は、相当苦労したって言ってたもんな…ハンナが泣いて、血も出て、大変だったらしいけど…」

ミカサ「え? ハンナはもう、子作りをしたの?」

エレン「ああ、二人はちゃんと避妊具を使ってヤったから心配はいらねえよ。そういう方法もちゃんとある…(ヒック)」

ミカサ「? 子供を作るのに、子供を作らない方法もあるの?」

少し混乱しているミカサに、エレンはどう説明するか悩んだ。

エレン「ええっとな……俺のコレに、ゴム製のカバー…手袋みたいに保護する物があるんだ。そいつをつけてからなら、子供を作る方法をやっても、子供を作らなくて済むんだよ。アレがあれば、俺もミカサとエッチなことをやれるんだ。でもそれは、買うと結構値段もするし…1個1000円(食費二回分くらい)くらいだったかな。高価な代物だから、よっぽどしたい時にしか使えないな」

ミカサ「それをつけてからすれば…さ、さっきの続きをすることが出来る…の?(ごくり)」

エレン「ああ…今、ここにはないから出来ねえけどな(ヒック)」

その時、ミカサはふと、ユミルのことを思い出した。



ユミル『もし、エレンの様子が変だな…と思ったら、こいつを開けてみるといい』

ミカサ『エレンの様子が変…? 具体的には?』

ユミル『なんかこう…じーっと見つめてきたり、触ってきたり…近づいてきたりしたら、多分、こいつの出番だ。一回分しかないけど、あった方がいいと思うから、遠慮なく使ってくれ』



あれは、まさか…

ピンときたミカサは、一旦、エレンから離れて、鞄を漁り、ユミルから持たされた、その袋の中身を確認してみた。

手の平サイズのそれを取り出して、見つめてみる。

エレン「? どうしたミカサ……って、え?! おまえ、ソレ!!」

ミカサ「ユミルが持たせてくれた。これが、もしかしてそうなの?」

エレン「そうだよ! コンちゃん(*コンドームの事)だよ! なんでユミルが持たせてくれたんだよ! …ありがてえけど!!」

ミカサ「では…これがあれば…(ごくり)」

エレン「ああ…! ヤレる! もう遠慮しなくてもいい!」

一度、だけだけど。

このチャンスを、逃す手はない。

タイムアップだぜえ…申し訳ない。
続きはまた今度で! またね!


いいぞもっとやれ

できれば酔いが醒めてもエレンにはこの記憶残してやってくれ
酔っぱらって初体験の記憶がないとか可哀想なんで

ミカサ「」


笹崎と後藤は黙ってろ。


黙ってろ>>97-102
な、黙視・黙止の録ごっこはやめる~(≠ロシア)。>>103
西本願寺ごっこはやめる。>>2007年ごろの「あいたんの落書き帳」同然・同人の、学者の雑魚どもと、IT業界

どこがAG越えだ FK(KF)教ども、

SEGA のVirtua Fighterのシリーズとすべてのコンピュータゲームおよびコンピュータゲーム業界はこの世界に必要がない。


と擁護する。>>(現役大学進学者と東大・京大と大学院進学者を排除し、慶應義塾大学出身者およびソニー関係者をひとりも持たず、慶應義塾大学出身者およびソニー関係者の父親を持つ者をひとりも持たず、坂田淳一、福田慶太、小泉姓あるいは鈴木姓の「まゆこ(真由子/万由子)」という名前の者、鈴木利幸を、そもそも永続的に排除する、また、教育学部出身者のいない、また教育学専修出身者のいない、学者と作家を全排除し、また一文出身者も二文出身者と悪口を言われている、「学校の外でひとは育つ」が持論で、中山元とも小阪修平とも熊谷対世志とも違う、また、ビル・ゲイツがどうであれ国内ゲーム産業を排除し、ウルティマⅦBlack Gateどころかゲーム業界を敵とする、稽古(≠[人名])事どころか、球団代表だか主軸だかの通っていたボクシングジム・ネタを芸能にも学校的体育会系にも降伏・還元しない、)107-802-804-203-609-10609(アンチ・アリアンツ) および[AntiSAntiT]のコードを戦略として掲げるその管理組織(球団[≠KD])[94G-2010.95G-2011.96D-2012球団AntiSAntiT,UEFA+[AntiSAntiT]]とチーム、およびその加護組織(≠兎追いしかの山,≠鹿の児)・バックアップ組織(≠チアリーダー)、あるいはその関連団体(NPB+,FIFA+)

>>102
ふふふ…それは今後のお楽しみということで。

>>103
ミカサさんちーす!

あと、なんかスレチっぽい記事があるけど、よくわからんので放置します。

続き書いていきますよ!

エレン「たたたた、確か、封を切って、被せるんだよな……(いかん! 手が震える!)」

ちゃんと、装着しないと、途中で外れたら、意味がない。

エレン(やべえ…なんか、ヤレるって思ったら急に…手が震えてきて…)

ミカサ「エレン、落ち着いて(可愛い)」

エレンは、ミカサに優しく宥められた。

ミカサ「時間はたっぷりある。焦らなくてもいい。私は……大丈夫」

ごくり……

喉を鳴らして、エレンは、気を鎮めた。

一応、知識だけはあるので、その情報を頼りに、ゆっくりと、装着させる。

少し手間取ったけれど……完了!

エレン「ほ…本当に、いいんだな? ミカサ」

一線を超えたらもう、今までの関係ではいられない。

違う形の未来が待っている。

ミカサ「うん……(子供が出来ないなら、続きをしてもい)」

エレン「じゃ…いくぞ」

ごくり。生唾を飲み込んで、エレンは再び、ミカサに覆い被さった。

酒の香りがまだ残る息。

酔いに任せて、エレンは、ミカサに深い口づけをする。

舌を互いに絡ませながら、絡まったズボンは適当に捨てて、先に裸になると、エレンは、ミカサの服を、ゆっくりと解き始めた。

ボタンをひとつずつ、外し、手を、滑り込ませる。

エレン「ミカサ…痛いって思ったら、すぐに言えよ」

ミカサ「う…うん…」

もう一度、乳首のあたりをまさぐる。

再び火をつけられる。

ミカサ「あっ…!(さっきより、気持ちいい!)」

二度目の快楽は呆気なく訪れる。

早くも体が順応し始めているようだ。

エレンの右手は、ミカサの左胸を。

エレンの唇は、首筋から、鎖骨へ降りて、そして、右の胸へと移動する。

衣服をたくし上げ、本当に、乳首に吸い付き始める、エレンに、ミカサの目の裏は、一瞬、真っ白になった。

ミカサ(なに…これ…?)

気持ちいいなんて、次元じゃない。

体が溶ける。そんな錯覚すら覚える。

ミカサ(ああ…エレン…が…私の…胸に…)

乳首を舌で転がしたり、歯で甘噛んだり、弄ばれているのが分かる。声を、思わず堪えてしまう。

すると、それを邪魔するようにエレンは言った。

エレン「もっと声を出していい」

ミカサ「でも…! 隣に聞こえるのでは…?」

エレン「いいって。聞かせてやっても。まあ、どうしても無理なら、我慢してもいいけど……それはそれで楽しいし(ヒック)」

ニヤ~ッ…と笑うエレン。

どうやら、乳首責めを、相当気に入ったご様子。

エレンは再び、乳首を吸い始める。

ミカサ「ん……ん……はあ……ん…」

出来るだけ、声を堪えるミカサの色っぽさのせいで、エレンの下半身も更に元気になった。

だから、もう早く、次の段階に行きたくなった。

エレン「ズボン脱がす。ちょっと手伝って」

ミカサ「ん…(力がうまく入らないけど、これでいいかな?)」

ミカサは体を少し捻る。エレンがズボンを引っ張るようにして、脱がせた。

エレン「そうそう…いいぞ。よし、OK。これで、やりやすくなった」

ミカサは、下半身は裸、上半身は、シャツと下着という、アンバランスな格好になった。

エレン「ちゃんと、濡れてるかな…(さわっ)」

ミカサ「あ……!(ビクン!)」

エレン「指、入るかな……少し、試しに入れてみていいか?(ヒック)」

ミカサ「(コクコク)……」

エレン(まずは人差し指……うん、いける。2本目は…)

ミカサ「うっ…!(痛い!)」

エレン「無理か…もうちょい、続けた方が良さそうだな」

エレンは乳首以外の性感帯を探すべく、腹や脇腹、背中などにも手をまわしていった。

正直、何処を触られても、敏感に反応してしまうミカサだった。

エレン「ミカサ…どこが1番気持ちいい?」

ミカサ「全部…(即答)」

エレン「それじゃ分からんだろ……まあいいや、好きにやっちまうぞ?」

ミカサ「う、うん…(もう、頭がフラフラして、深く考えられない)」

暫く無言でエレンはミカサの体を触っていく。

体温を感じながら、今、この瞬間を愛おしく感じて、ついその言葉が漏れた。

エレン「ミカサ…ミカサ…」

ミカサ「!」

また、その声に犯される。

下半身に、くる。

ミカサ「エレン…! ああ………ああん!」

エレン「(あれ? なんか急に反応が良くなった。なんでだ?)ミカサ…どうした? どこが気持ちいい?」

ミカサ「エレン…エレンの声が、気持ちいい…!」

エレン「え? 俺の声?!」

ちょっと意外な展開に、エレンは心底びっくりしていたが、その言葉を信じて、耳元で囁いてみた。

エレン「こ……これでいいのか?(少し低い声で言ってみる)」

ミカサ「(最高…!!)エレン…もっと…もっと言って!」

エレン「(まじか…(゚д゚)これ、効くんだ)ミカサ……可愛いぞ」

ミカサ「あああん…! (素敵! 耳が孕む!)」

エレン(でも困ったな…これ以上何を言えばいいんだ?)

所謂、言葉責めをしたらいいんじゃないかな?

と、賢明な方なら気づくだろうが、この時のエレンはそこまで気が回っていない。

エレン「(しょうがねえ……もっと褒めてみるか)ミカサ……綺麗だ。本当に、綺麗な肌だな」

ミカサ「はあ…はあ…あああん!」

エレン「ここ、ぐちゃぐちゃに濡れてんぞ、そんなに気持ちいいのか?(グイッ)」

ミカサ「うん……あああ!(頭が…クラクラ…する!)」

エレン「(すげえ…さっきより、あそこが柔くなった。指、二本いけそうか?)そろそろ、イクか? イってみるか?」

ミカサ「イク…って?(きょとん)」

エレン「……楽園に、だな。イキたいなら、そう言ってくれ」

ミカサ「イキ……たい!」

すまぬ。いいところだが、一旦休憩する。
続きはまた後で~。

お色気どころかモロエロw

>>113
いや、最初はここまで書く予定ではなかったんですが…
いつの間にかこうなった。何故だ?(笑)

>>102
いいぞもっとやれコール入ったので、エロシーン増量してきた。
…ので、続きが遅くなった。すまぬ。

では、ぼちぼち続き書いていきます。

エレン「(一度やってみたかったコレ!! 成功した!!)よし、いくぞ!」

エレンは手の動きを早めて、ミカサを楽園へと誘った。

ミカサは一度、ビクンッと、体を震わせて、大きく痙攣を起こし、弛緩した。

息は、まだ整わない。

体がふわふわ浮いているような感覚が残る。

ミカサ「はあ…はあ…はあ…(今のは…一体…?)」

エレン「(ミカサのイった顔、最高だった……グッ!)今のが、イクって感覚だ。どうだ? 気持良かっただろ?」

ミカサ「こんなの……初めて……(はあはあ)」

エレン「自分でオナニーしたことねえの?」

ミカサ「……オナニーって、何?」

エレン「今みたいに、股間擦って、気持ちよくなるのが、オナニー。普通は、自分一人でやることを言うんだけど…一人ではしないのか?」

ミカサ「やったこと…ない…(はあはあ)」

エレン「そっか…じゃあ次からは、一人でも出来るよな」

ミカサ「エレンにして貰った方がいい……(はあはあ)」

エレン「そりゃそうだろうけど…そう毎回は出来ねえって」

ミカサ「………(はあはあ)」

エレン「……ちょっと無理させたな。悪い悪い」

少しだけ休憩しよう。そう言って、エレンはミカサを抱きしめた。

エレン(いよいよ………出来るか?)

もう十分、濡れただろう。次こそ、本番。

一回こっきりのぶっつけ本番だが、なんとか成功させたい。

エレン(どの姿勢が一番やりやすいんだろうか…?)

ミカサは足首を怪我しているので、ミカサに負担をかける姿勢は避けたい。

エレン「とりあえず、このまま…足をあげさせる……か?)

両足を持ち上げてやる、正常位か。

エレン(いや、正常位はミカサの腰に負担がかかるかもしんねえから、やっぱ後ろからか…?)

とりあえず、後ろからの方を、先に試してみることにした。

エレン「ミカサ、ひっくり返ってくれるか?」

ミカサ「こ、こう…?(くるり)」

エレン「そうそう……楽な姿勢にしてくれ(ヒック)」

エレンは、後ろから挑戦してみたが…

エレン(なんか、やりにくいな…これ…)

エレンはうまく挿入できず、あたふたしていた。

しまいには、入れる場所を間違えそうになる始末。

(*エレンは初心者なので大目に見てあげてください)

ミカサ「エレン! そっちは…違う…(穴が)」

エレン「ご…ごめん!! なんか……うまく入らなくて」

ミカサ「あの…多分、体勢が、良くないと、思う。逆にしても良い?」

エレン「いいのか?」

ミカサ「うん…エレンが下になって欲しい。私が、エレンの上に乗る方が、きっと楽…」

エレン(えええ?! いきなり騎乗位いくか?!)

かえって難易度が高くなったような気がするが、ミカサがやる気なので、仕方ない。

ポジションチェンジをして試してみるが……

ミカサ「………あれ?」

こっちもやはり、挿入がうまくいかなかった。

ミカサ「おかしい…何故…滑る…?(えいっえいっ!)」

エレン「(あ……あ……やばい、なんか、いじられて、気分が変になる)ミカサ、無理すんな…」

ミカサ「(じーっ)エレンのこれ…(ツンツン)」

エレン(うおっ、つっつくなよ!)

ミカサ「口に……含んだらダメだろうか?」

エレン「?!」

ミカサ「エレンも、私のおっぱいを吸ったのだから、私もコレを吸っても……」

エレン「いや、吸うな!(吸われたら、絶対イっちまう! 俺は中でイキたいんだ!)それはまた、別の時にお願いする!!」

ミカサ「そう…残念…(しゅーん)」

エレン「ミカサ…(吸いたかったのか…)」

ちょっと、罪悪感があるが、今回だけはご遠慮しておく。

エレン「えっと……やっぱり、普通のやり方にすっか……さっきのポジションに戻ろう」

ミカサ「うん」

ミカサが下になり、エレンが再び上になった。

ミカサの両足を広げさせて、持ち上げて、体を重ねる。



しかし……



ミカサ「……!!!!!!(痛い!!)」

その衝撃は想像以上のものだった。

無理に捩じ込まれていく感覚に、悲鳴をあげそうになる。

かろうじでこらえて脂汗を掻くミカサを見かねて、エレンは、挿入をやめた。

エレン「くそっ……やっぱダメかあ……」

ミカサ「エレン! 諦めてはダメ! 続けて!!」

エレン「馬鹿! 痛がってんの、無理にするなんて、出来ねえだろ(ヒック)」

ミカサ「少しくらいなら我慢する!!」

エレン「いや、今の顔、少しって顔じゃなかっただろ。激痛堪えてただろ」

ミカサ「(バレた…)そ、そんなことはない。ちょっと痛いだけ」

エレン「(痩せ我慢が見え見えなんだよ)あーもう…やっぱやめた! 今日はもう、ここまででいいや(ヒック)」

ミカサ「そんな…! Σ(゚д゚lll)」

途中で止めようとするするエレンに対し、ミカサは諦めきれなかった。

エレンは、ベッドから離れようとしたので、ミカサは慌ててひっぱり、今度はミカサがエレンを押し倒す形になる。

エレン「み…ミカサ?(様子が変だな。泣いてんのか?)」

ミカサ「ずるい……」

エレン「え?(何が?)」

ミカサ「私も、エレンを、イカせてみたいのに……!(涙目)」

エレン「(ぶほおお?!)なななんあな……(赤面)」

そんな事、臆面なく、よく言えたもんだ。

エレンはつい、目を逸らして、「女の子がそんな事言うなよ…」とぼやいてしまった。

ミカサ「入れられなくても、せめて…エレンを気持ちよくさせたい!」

ぐいっと、マウントポジションで固定され、身動きの取れないエレンには、抵抗が出来なかった。

こうなると、ミカサも頑固だ。

ミカサ「何か、方法はないの? エレン……」

エレン「(そりゃいっぱいあるけど…どうすっかなー)だったら…擦るだけでいい」

ミカサ「擦るの?」

エレン「ええっと、ミカサと、俺が、交互に動いて、股を使ってココに摩擦を加える。それだけでいい」

ミカサ「分かった……それでいく」

ミカサが前後に腰を動かし始めたので、エレンのソコに、熱が生まれた。

エレン(うっ……こ、これは……! 思った以上に…)

視覚的には、ミカサのおっぱいが揺れ……

触覚的にも、ミカサのお尻がいい感じ。

エレン「あ……あ……う……ん……」

これは、思っていた以上に気持ちいい……。

エレン「はあ…はあ…ああああっ…うっ……!!」

エレンも次第に乱れていく。

汗が胸元に浮かび、全身が赤くなっていく。

ミカサ「すごい……エレンが色っぽい……」

ここを刺激するだけで、エレンの様子が変わった。

そんなにココは気持ちいいのだろうか。

ミカサ(諦めたくない……な)

もう一度だけ、挑戦したい。

ミカサはこっそり決意して、えれんのソレを握って一度固定して、自ら腰を落として、挿入を再び試みた。

エレン「?! おい、やめろって馬鹿!!」

ミカサ「あ…入った」

……………。

あれ?

エレン「なんで…入った? 痛くねえのか?」

ミカサ「ぜんぜん…」

エレン「起きていいか?」

よいしょっと、エレンが体を起こそうとすると……

ミカサ「痛い!!(ズキッ)」

エレン「ええ?! ど、どういう事だ?」

ミカサ「分からない…エレン…! 戻って…!」

また、騎乗位に戻ると、ミカサは痛がらなくなった。

エレン「…まさか、姿勢の問題か? これは」

ミカサ「そうかもしれない…この状態だと痛くない…」

ミカサがエレンに乗る形だと、どうやらミカサ的には丁度いいらしい。

エレン「こんなことってあるんか……初めて知ったぞ」

ミカサ「私も…」

エレン「じゃあ、この状態なら、腰を揺らしても…(グイッ)」

ミカサ「ひゃあん!(ビクッ)」

エレン「あ、やっぱりか。こりゃいいなあ…(ニヤニヤ)」

眺めもいいし、楽だし、いい事ずくめだ。

ミカサ「エレン…楽しそう…」

エレン「まあ…なあ…ほれ(グイグイ)」

あん! …あ…あん! もう…! 私も…!」

きゅっと、子宮の筋肉で締め付けてやると、エレンも「おう…!」と、ビクッとなった。

エレン「おま…なんつー技を…そんな技、どこで覚えた」

ミカサ「今、開発した(どや顔)」



きゅ…きゅ…



エレン「うわ…ちょっ…たんま! それ、やめ……ああ!」


主導権(イニシアチブ)が逆転しているような状態だったが、これはこれで美味しいと思ったミカサだった。

ミカサ「エレンが喘いでいる…楽しい…」


きゅ…きゅ…


エレン「ちょっ…おま…待て! ああ…ん…!! くそっ…!! この状態は、俺がしてやりたかったのに…!!」

ミカサ「エレン…こうすると、気持ちいいんでしょ…?(きゅっ…)」

エレン「ああ…ん!!」

乱れているエレンを恍惚の表情で見守るミカサだった。

ミカサ「この締めつけと、前後運動を合わせてすれば…(グイグイ)」

エレン「待て! それじゃまるで、お前が、俺を…!」

ミカサ「別にいい。私は、エレンがイクところを見たい…ので(グイグイ)」

エレン「ああ…ああ…ん…くそっ…ダメだって…ああ…ちくしょう!」

このままだと、本当にミカサにイカされる。

それはさすがに悔しいので、エレンは自らも下から上に腰を振った。

上下のピストン運動に、ミカサの動きも乱れまくる。

ミカサ「あ…!(しまった!)」

エレン「先にイカされてたまるか…ミカサを先にイカせてやる!」

ミカサ「あん…エレンの…意地悪…!(ユラユラ)」

エレン「こっちも腰と背筋は十分鍛えてるっつーの」

ミカサは上下に揺れながら、負けじとエレンのソコを強く締め付けた。

こうなると、互いの意地の張り合いである。

まるで喧嘩のような騎乗位だったが、先に負けたのは、ミカサの方だった。

ミカサ「あ……ああ…ああああ!!(また、イク…!)」

ミカサがイク瞬間、エレンのソコも強く締め付けた。

エレン「うっ……!! はあはあはあ……(やった…ミカサが先にイったみたいだ)」

とりあえず、勝ったことを喜び、エレンは拳を握った。

全力疾走した後のような倦怠感が急に襲ってくる。

ミカサはそのまま、エレンに覆い被さり、両目を閉じた。

ミカサ「これが…子作りの方法…なのね(はあはあ)」

エレン「ああ…今回はちゃんと避妊してるから、出来ねえけど、本当に子供を作りたいと思った時は、ゴムをつけないでするんだ(はあはあ)」

ミカサ「なるほど…(はあはあ)やっと理解した」

エレン「疲れただろ? ミカサ、一休みしていいぞ」

ミカサ「うん…(眠くなってきた)」

エレン「俺もちょっと寝るから…(やばい…眠い)」

そして二人は体を繋いだまま、しばしの安息の時間を過ごしたのだった。



そして、次の日の朝……。

前半戦、ようやく終了。ここから折り返しです。
(やっと半分終わった\(^ω^)/)

ちょっとまた休憩いれます。
続きはまた今度書きます。またね( ´ ▽ ` )ノ

エレン(頭がいてえ…ガンガンする…)

二日酔いが襲ってきた。

エレンは頭をおさえながら、目が覚めた。

エレン(えっと…昨日の記憶が曖昧だ。ミカサとりんごジュース飲んだとこまでは覚えてるけど…その後どうしたんだっけ…?)

なんか、体がやけにだるいのは気のせいか?

エレン(いかん…ズキズキする。もう一眠りした方が…)

そこでようやく、自分が全裸であることに気がついた。

エレン「…………え?」

思わず声が漏れた。

しかも、隣には、服の乱れた、ミカサが寝ている。

エレン「…………………え?」

もう一度、確認する。やはりミカサだ。

エレン「ま…まさか…いや、そんな、まさか…ははははは…」

ミカサに襲われた? いや、自分がミカサを襲ったのか?

思い出せない。何一つ、何も。

エレン(あんだけ、手出さないって心に決めてたのに……!!!!)

何が原因だ? もしかして、この頭痛か?!

事実を確認しなければ……

エレン「ミカサ、起きてくれ」

ミカサ「ん…エレン?(´-ω-`) もう起きるの? そんな時間?」

エレン「いや、まだちょっと早いけど…確認したいことがある。俺達は………ヤったのか」

ミカサ「ん…何を?」

エレン「こ…………子作りを、だ」

もう、ストレートに聞くことにした。

脂汗を浮かべて、据わった目で、ミカサにそう問いただすと……

ミカサ「(避妊したから、子作りはしていない…)ヤってない」

エレン「本当か!! 本当に、子作りはヤってないんだな?! 間違いないか?!」

ミカサ「うん…(どうして今更確認するのだろう?)」

エレン「そ、そうか…でもなんで、俺は全裸なんだ? あと、ミカサの服も乱れてるし…その、変なことしなかったのか?」

ミカサ「? 言っている意味が良く分からない(´-ω-`)(眠いし)」

エレン「分からないならいい! 悪かった。まだ眠いなら、寝てていいぞ!!」

ミカサ「おやすみ…エレン…ZZZZZ」

エレン「そっか……ヤってないのか。でもなんだこの違和感…)

何か、大事なことを忘れている気がするのだが…。

エレンはどうしても、それが思い出せなかったのである(可哀想に)。

ミカサの可愛い寝顔を見ていると、また、息子が元気になってきた。

エレン(だから…ああもうくそっ! 便所いってこよっ)

その時、もう少しエレンが落ち着いていれば、或いは気づいたかもしれない。

使用済みのゴムを、ミカサがきっちり外してちゃんと保管していたことを。

ベッドのすぐそこに、それがあったことを。

しかしエレンは気付かなかった。

朝だから、ぼーっとしていたのもあるが、まさか自分が、酔ったイキオイってやつで、最後までヤっちまったとは、思わなかったのである。

(この時点では、最悪のことまで想定していなかったとも言える)

ミカサはユミルのくれた袋の中に、エレンの使用済みのソレを入れて、自分の枕元に置いていた。

普通は、すぐ捨てるべきのものなのだが、ミカサにはそれが出来なかったのである。

まるで宝物のように、ミカサはそれを大事にしていたのである。

そしてそれから数日が経ち、10日程で、ミカサの足首の怪我はほぼ完治した。

医者の見立てより4日は早い回復だった。

しかしミカサの希望もあり、念の為、やはり予定通り二週間(14日間)滞在することになったのである。

(キース教官は、帰還の時期の判断をミカサに一任している)

その間、エレンは困惑していた。

テンパっていたと言ってもいい。

前回の頭痛の後、よくよく冷静に考えた。

多分、あの状態は、最後までやってないにしろ、もしかしたら…それに近いところまではやってしまったのではなかろうか、と。

現実は、既にゴールしていると言えなくもないが、いかんせん、記憶がないのでエレンには判断のしようがない。

ミカサの証言だけが頼りなのだった。

エレン「ミカサ…その…体…大丈夫か? だるかったり、吐き気とかないか?」

ミカサ「? 特に。普通だけど」

エレン「腰とか、重くないか? すっぱいもの、食べたくなったり、イライラしたり、しないか?」

ミカサ「別に。いつも通りだけど…(何故急にすっぱいもの?)」

エレン(やっぱり、妊娠はしてねえっぽい…か。でも何故だ。何故こんなに胸がざわめく…?)

ミカサ「あの……エレン」

その時、ミカサは言った。

エレン「!(ドキーン)」

ミカサ「りんごジュースの件、なのだけど」

エレン「あ、ああ…(なんだ、そっちか)」

エレンは一瞬、最悪を想定して焦った。

ミカサ「ごめんなさい。あの時、私、間違えて、アルコール入りのものを、エレンに飲ませてしまったので、今まで謝りそびれてたけれど…」

エレン「え…そうだったのか(だから、頭痛かったのか、あの時)」

ミカサ「(こくり)そのせいで、エレンは二日酔いになってしまったし…本当、ごめんなさい」

エレン「いや、それはもういいんだが………」

エレンは確信した、嫌な確信だったが。

聞かずには、いられない。

エレン「俺、酔ってた時に、ミカサに変なこと、しなかったか?」

ミカサ「変なこと…?」

エレン「た、例えば…そうだな…抱きついたり、噛んだり…とか」

ミカサはあの時の事を思い出し、ポッと頬を赤くした。

その反応で、だいたいの事を察したエレンだった。

エレン(やっぱり…酔ったイキオイで、何かしでかしたんだ。俺…絶対!!)

エレン「あ…あの…ミカサ…」

ミカサ「?」

エレン「その…あの時の事は、出来れば忘れて欲しい」

ミカサ「どうして…?(そんなの、無理)」

エレン「俺、どうかしてたんだと思う。酒のせいで、ミカサに変なこと、しちまったんだろ? 実は俺、その時の事、あんまりはっきり覚えてねえんだよ…」

ミカサ「そ、そんな……(ショック!)」

エレン「ああ…だから、もし、ミカサを傷つけるようなことしちまったなら、謝るし…その…わりぃ…。ミカサは思い出したくねえかもしれねえけど…そん時の事、詳しく教えてくれねえか?」

ミカサ「分かった」

そしてミカサから聞き出した内容に、撃沈したエレンだった。

エレン「おま……ヤってねえって、最初言っただろ!! 何で嘘ついた?!」

ミカサ「? だって、『子作りしたのか?』って聞いたから。避妊したから、子作りはしていない…」

エレン「そうか、聞き方が悪かったのか…じゃあ、避妊具を使って、体を繋げたりしたんだな? 俺達……」

ミカサ(こくり)

エレン「うわあああん!!!!(何で覚えてねえの俺?!)

壁に頭を打ち付けて、羞恥心で死にたくなるエレンだった。

ミカサ「エレン! 頭を打ってはいけない! 怪我をする!」

エレン「もういいんだよそれくらい…(しくしく)」

ミカサ「よくない! それに、そんなに動揺するような事では…」

エレン「動揺するわ!! しない男なんてこの世にいねえよ!! ああああ……俺はなんて大馬鹿野郎なんだ…(´;ω;`)」

ミカサ「エレンが何故、そんなに泣いているのか分からない……私はどうしたらいいの?」

エレン「忘れろ(きっぱり)」

ミカサ「え? 無理(きっぱり)」

エレン「無理でも何でも忘れてくれ…! 俺の為に!!」

ミカサ「そ…それはそうしてあげたいけれど…一度知ってしまったら、その…あの甘い感覚は…(ポッ)」

ミカサが何を思い出しているのかは分からないが、エロスを感じているその表情を見ると、エレンの方も別の意味で動揺した。

ミカサ「エレンが教えてくれたことは…私の大切な…宝物だから…全部覚えていたい。エレンは忘れても、私は、忘れたくない(ポッ)」

エレン「んvsdんdkんgkdfんgんsld………!!(目を覆う)」

理性を総動員して耐えた。

もう何度目になるか分からない、ミカサの誘惑に、耐える!

エレン(あーもう、こいつ、なんでこんなに可愛いんだよ!!)

酒の入った自分が、ミカサに手を出したのも、正直無理ねえなと思った。

エレン(幸い、一回だけ、しかも避妊具をミカサが持ってたからヤったとはいえ…)

持ってなくても、或いはヤっていたかもしれないと思うと、ゾッとするエレンだった。

エレン「ミカサ…やっぱり帰ろう」

ミカサ「え? (やだっ)」

エレン「足の方は、ほとんど完治してんだろ? 4日くらい、早く帰ってもいいだろ? 別に」

ミカサ「そんな…最後まで、ゆっくりしていいって、エレンは言った!」

エレン「そりゃさっきまでの話だよ! もう帰った方がいい!! 俺の身が持たん!!(また誘惑に負ける!)」

ミカサ「酷い…エレンは嘘つきだ(ジロリ)」

エレン「嘘つきでも何でもいい……あ! だったら、俺だけ、一足先に帰るわ。ミカサは残りの日程までここに残ってゆっくり………」

そこまで言って、エレンがミカサを見た瞬間、恐ろしいものが目に入った。

テーブルの上に、飲みかけのりんごジュース(アルコール入り)と、コップを持った、ミカサが座って、トクトク…と注いでいる。一気飲みをしようとしているのか…?

エレン「あの…ミカサ…?(やばい…何か…やばいぞコレ?)」

ミカサ「エレンが帰る前に、私も酔ってみる。自分がどうなるか分からないくらいに酔ってやる…!(やけ酒)」

エレン「それだけはやめろおおおおおおおお!!!(゚A゚)ヤメロ!!」

ミカサ「だったら、帰るなんて言わないで。あとたった4日。最後までここにいたい」

エレン「分かったよ…残ればいいんだろ…(がっくり)」

結局、ミカサには甘くなってしまうエレンだった。

ミカサ「エレン…」

エレン「今度はなんだよ(ぐったり眼)」

ミカサ「結論を言えば、エレンは…避妊具さえあれば、私と体を繋げるのは出来るということよね?」

エレン「え?(そ、それは……)」

いや、本当はしちゃイケナイ関係だと思うが。

倫理的には確実にアウトであるが、エレンがすぐさまそう言えなかった。

何故なら、可能か不可能かで聞かれたら、可能だからである。

ミカサ「だったら…私は、その…多少高くても、アレを買って、定期的に、エレンとそういう事をしたい……のだけれども」

エレン「断る(きっぱり)」

ミカサ「どうして?! Σ(゚д゚lll)」

エレン「それに金を費やすくらいなら、飯食った方がいいからだ。いいか? 1回で食費2回分を我慢するくらいなら、飯食った方がいいに決まってるだろうが!」

ミカサ「で…でも…」

エレン「でもじゃねえ! それに俺は、ミカサとそういう事、しちゃいけねえ関係だろうが! 今でもすげえ、罪悪感があるんだぞ、こっちは……(家族に手出しちまった…)」

ミカサ「しちゃったくせに、何を今更……」

エレン「それは言うなあああ!! くそっ…今回のことだって、酒の力がなけりゃこんな事には………」

ミカサ「それは、酒の力があれば、出来ると受け取っていいのかしら?」

エレン「ああ?! (°д°) ………(ごふっ!!!!!)」

その時、なんとミカサはエレンに瓶ごと、りんごジュース(アルコール入り)の残りをラッパ飲みさせるように口に突っ込んだ。

あまりの早業に、エレンも抵抗出来なかった。

エレン「ん……んー!!! んー!!!!(ごぶごぶ…)」

無理やり飲まされる。

いつの間にか、マウントポジションを取られ、ミカサに自由を奪われてしまった。

(*大変危険な飲み方ですので、絶対真似しないで下さい!)

そして、あらかた中身をエレンに飲み干し終えると、ミカサは満足した。

ミカサ「エレン…ごめんなさい。実は、どうしてももう一回したかったから、受付でアレ、もう一回分、買ってきてしまったの(ズイッ)」

シングルからダブルの部屋に変更したおかげで、所持金には余裕がある。

浮いたお金を使ってコンドームをもう一回分、購入していたミカサだった。

>>130
訂正

倫理的には確実にアウトであるが、エレンはすぐさまそう言えなかった。

が→は

間違えた。単純なミスです。

エレン「へえ……(ヒック)」

ミカサ「これを使えば、もう一回、出来るのよね? エレン、私とまた、気持ちいい事しよう…!(☆☆キュピーン)」

エレン「…………(ヒック)」

酔いが回り始めたエレンの両目が、少しずつ赤くなっていった。

体中の血管が開き、血の巡りが良くなっていく。

ふわふわした心地で、エレンはミカサをじーっと見つめた。

エレン「ふ~ん……」

エレンは、唇を尖らせて言った。

エレン「なんだよ…そんなにシタイのか? ミカサ……(ヒック)」

舌先で自分の唇を濡らしながら、エレンは言う。

どこか遠くから、「(゚A゚)ヤメロ!!」という声が聞こえた気がするが、無視をする。

ミカサ「エレンとなら、何度でも、シタイ……」

ミカサの甘い誘惑に、あっさり堕ちる。

エレンは己の感情に正直になった。

エレン「そーかそーか、お前って、本当に可愛い奴だなー(ヒック)」


ぎゅうううう…


エレンはミカサに思いっきり抱きついた。

エレンのスイッチが、完全に切り替わったようである。

エレン「よし! んじゃお言葉に甘えて、もう一回、すっか! コレ、使わせて貰うからな(ニヤリ)」

コンドームをミカサから受け取ったエレンは、それを手に一度、ズボンのポッケにしまい、ミカサと一緒に風呂場へ向かった。

ミカサ「エレン…?」

エレン「一度、やってみたかった事があるんだ。今日は、風呂場でやらねえ?(ヒック)」

ミカサ「ど、どうするの?(ドキドキ)」

エレン「こうするんだ……よっと!(サバア!)」

桶を使って、温泉の湯を、ミカサにぶっかけたエレンだった。

ミカサ「きゃあ!! もう……いきなり……」

何するの…と、言いかけたミカサに対し、

エレン「ぷっはははははっは!!!」

と、笑い出すエレンだった。

エレン「やばい…ずぶ濡れのミカサ…すげえエロい…!」

ミカサ「え…えええ?! ∑(゚o゚;;」

エレン「服が体に貼り付いてて………いいなあ、こういうのも( ̄▽ ̄)ニヤリ」

ミカサの体のラインが実に良く分かる。

濡れた服がぴったりと、くっ付いて、ミカサの腹筋のラインまでうっすら分かる状態だった。

エレン「<●><●>(じーっ)ククク………」

ミカサはつい、赤くなってしまった。

ミカサ「その…エレン…あの…(もじもじ)」

エレン「んー?(ヒック)」

ミカサ「ずっとこのままだと、気持ち悪いので、脱いでもいい?」

エレン「そだなー…脱いで見せてくれ<●><●>(じーっ)」

ニヤニヤ笑いながらガン見してまているエレンを尻目に、ゆっくりと濡れた服を脱いでいくミカサだった。

どうしても、少し照れる。

エレン「(あー堪能した♪)んじゃ、ミカサここに座ってくれ」

ミカサ「?」

>>132
訂正

ニヤニヤ笑いながらガン見して待っているエレンを尻目に、

また間違えた…。ごめんね。

エレン「今日は、俺がミカサの全身を洗う!(どや顔)」

ミカサ「えええ?!」

エレン「勿論、後で俺のも洗って貰うけどな。先にミカサからいくぞ!(ヒック)」

エレンはそう言って、泡を立てて、座っているミカサの後ろから抱きついた。

ミカサ「ひやっ…!」

エレン「ふふふふ~ん♪(もこもこ)」

ミカサ「あ…(なに…これ。泡が…滑って…あ!)」

前回とは少し違った、泡の刺激とエレンの指使いにミカサの全身は見る見る間に赤く染まった。

ミカサ「あ…ああああ…(外なのに、声が出ちゃう!)」

エレン「おっと、さすがに声がでかいと困るから…口はチャックな、ミカサ」

エレンは左手でミカサの口を塞いで、右手で胸や腹や、股間を丁寧に洗っていった。

エレン「よ~く、洗わないとな~ふふふ~ん♪(もこもこ)」

ミカサ(もう…これだけでのぼせちゃう…!)

ミカサは弱々しく抵抗した。

ミカサ「エレン…もういい! 十分洗った…から! 次は、私が!」

エレン「えー? どこがだよ。まだ、ここが洗えてねえだろ?(グイッ!)」

ミカサ「ひゃあん!(指が、中に…!)」

早速緩くなり始めたそこに、エレンの中指が入っていく。

エレン「ここも念入りに洗わないといけないだろ…なあ? ミカサ」

エレンはそんな風に面白がりながら、ミカサの股を念入りに、優しく洗っていた。


もこもこ…ぬるぬる……

もこもこ…ぬるぬる……


ミカサ「や…やだ…もう…いい。エレン…そんなに熱心に洗わないで…(プルプル)」

エレン「ダメだって……ま、ここはもう十分か? 次は尻の方を洗うか(するり)」

ミカサ「ひゃあん! (ビクッ)ああ……そこも洗う…の?」

エレン「大事なところだからな! しっかり洗うぜ? ふふ~ん(´∀`*)♪」

ミカサ(酒が入ると…本当、別人みたい…)

エレンのあまりの変わり様に、再び驚くミカサだったが、これはこれで格好いいエレンなので、ときめいてしまう自分がいる。

ミカサ(ちょっと強引だけど…こんな風にエレンに遊ばれるのも悪くない…)

むしろ、気持ち良すぎて、クセになりそうだった。

エレン「あー……尻なめてみてえ…(ボソリ)」

ミカサ「え?!(ビクッ)」

エレン「あ、悪い。今のは独り言だ。気にすんな!(ヒック)」

ミカサは気にせずにはいられず、つい聞き返してしまった。

ミカサ「尻を……舐めたいの?」

するとエレンはちょっと照れくさそうにやっぱり言った。

エレン「んー…そりゃ舐めたいねえ…こんなプリプリしたケツなら、ずっと舐めていたいって思っちまうなあ(ヒック)」

まさかの告白に、さすがのミカサもちょっと躊躇ってしまったが……

ミカサ「あの…エレン」

エレン「んー?(ヒック)」

ミカサ「ど、どうしてもなめたいなら……構わないけれど」

エレン「本当に?」

その瞬間、食いつくようにエレンの両目が鋭くなった。

エレン「じゃあ、泡落とすぞ」

ザバーッ……

エレン「ミカサ、そこの鏡の壁の前で立って、手をついててくれ。俺がしゃがんで、下から尻を舐めるから………動くなよ」

ミカサ「う…うん…(下から舐めるのね)」

そして、本当に尻に舌を沿わせ始めるエレンだった。

ミカサ(あ…く…くすぐったい!)

気持ち良さより、くすぐったさの方が上だった。

しかし、動くなと言われている以上、それに逆らうわけにはいかない。

ミカサ「あ…エレン…あはっ…くすぐったい…ので…ちょっと…あは…!」

エレン「ふふっ…まあ仕方ねえだろ。ちょっとの間、我慢してくれ」

暫く我慢していると、くすぎったさは通り過ぎて、少し慣れてきた。

エレンの舌は、尻の谷間に侵入していく…。

ミカサ「ああっ(ビクッ)そこっ…いや…ダメ…!」

乳首をいじられる時と似たような快感が走った。

エレン「んー…ここも結構、敏感みてえだな…(レロレロ)」

ミカサ「はあ…ああ!!(ビクビク)ああ!! ああん!」

天井は青空で、外だということをすっかり忘れ、ミカサは喘いでいた。

エレン自身も声を塞ぐことをすっかり忘れてしまっている。

今は、ミカサの性感帯を探すことに夢中だから。

エレン「なるほど…この尻と太ももの境目あたりか。ミカサの一番気持ちいいところみたいだな」

ミカサ「え? そ、そうなの?」

エレン「ここ、舐めると、他とちょっと反応が違う……気持ちいいだろ?(レロレロ)」

ミカサ「!!!(ビクッ)」

明らかに、反応が違った。

反応の動きが、激しくなる。

エレン「うん。やっぱ全然違うな。ミカサは乳首と、ココが弱いみたいだな…」

そう言ってエレンは一度立ち上がると、またニヤリと笑う。

エレン「だったら、両方いっぺんに触った方がいいよな」

ミカサ「!!」

エレン「抵抗すんなよ(ボソリ)」

耳元で、命令されて、ゾクリと、肌が泡立った。

ミカサ「あ…ん…あああ…(何コレ…!)」

立っているのが、やっとだった。

エレンは後ろから、ミカサの右の乳首と、尻と太ももの境目あたりを執拗に触り、撫で回しいる。

その様子が鏡にも写っているので、自分でも、確認出来る。

エレンの顔の表情がいつもと全然違って本当に、格好良かった。

ミカサ(エレンの目つきが鋭い…)

常に半眼というか、細めたその目の動きと、口元のニヤケ具合に、ついつい見入ってドキドキしてしまう。

ニヒルな表情、というべきか。

普段の、どこか強ばった表情とは、全然別だ。

ミカサ(こんなエレンも…たまにはいい…!)

自分だけが、こんなエレンを知っているのだと思うと、優越感でいっぱいになる。

エレン自身もソレを知らないと思うと、自分だけの秘密のようで、ワクワクした。

ミカサ「ん…あ…ああ…(もうダメ…また、イキそう…!)」

エレン「ん…? もうイキたい?」

ミカサ「イキ…たい!(はあはあ)」

エレン「んー…でもまだダメ。今日はもう少し、我慢な」

ミカサ「え…(そ、そんな…)」

イク直前で、昂ぶりを止めさせられ、中途半端に熱が残ったまま放置された。悲しい。

ミカサ「エレン…どうして…?」

エレン「やってみたいって、言ってただろ?」

今回はいったん、ここまで~。

温泉にいくんだから、風呂場でイチャイチャは必須だと思い、
エロシーン追加した。後悔はしていない(`・ω・´)キリッ

なんか>>1で詐欺してしまった気がするが、
途中で警告してるからいいよね? ごめんね。

正直、言って、ここまでエレミカのエロが書いてて楽しいとは思わなかった。
やれるとこまでやるんで、頑張ります。

またねーノシ


枯れ果ててさえない>>1

色づいて、冬山と禿山の前に、爛熟してさえない。

しかるに秋。

森にそのAVで抜かせるな


どこかの掲示板からの引用だが、
「ミカ得ない 山 聖ミシェル山
N,M(姓,名)得ない 山 聖ミシェル山
容堂も得ないが山内Hも得ない 山 聖ミシェル山
マイコー得ない 山 聖ミシェル山
ミハ得ない ミはえない山 聖ミシェル山
ミヒャ得ない 山 聖ミシェル山
美濃得ない 山 稲葉も清水も得ない山
熱海でも伊丹でも伊東でも下田でも上田でもない山 聖ミシェル山
ミカエルとガブリエルでGMぶらない山 聖ミシェル山
ミを殻にしない 風林火山(不動如山)ではない山 聖ミシェル山」

「山!! ミカ得ない山 聖ミシェル山」

と書け。11月13日に、東洋英和の正門に、そこの松島と早坂。タケナミは要らない。

平仮名だろうが片仮名だろうが、仮名も真名も神無月ものではないものであり、「あなたごめんなさい」「アナタごめんなさい」は許さねえからな。

「あなたごめんなさい」≠AG,≠107 AG≠「あなたごめんなさい」
「アナタごめんなさい」≠AG,≠107 107≠「アナタごめんなさい」

死ね青学。

12月4日≠六本木通り(412)
六本木通り(412)≠12月4日

稲川と讀賣GIantsと「銀星」会とゴールドマン・サックスも、さあみんなで、

123と312と231のn進数は全部要らない。

11月13日はKM(MK)イニシャルのものでも、IM(MI)イニシャルのものでもない。

幸福も自由も寿も、福留のものでも福田のものでも慶太のものでも慶応のものでも福渡のものでもタケナミ、早川のものでもない。


またスレチっぽい記事あるけど、よくわからないので放置します。
間違えて書いてるっぽい? まあいいや。

だいたいラストシーンまで下書きしてきたので、
ここから出来るだけ、手首がいける限り(笑)一気に書いていきます。
よろしく!

エレンはそう言って、自分の服を全部脱ぐと、その高ぶったものを指差した。

ミカサ「!(大きい!)」

エレン「しゃぶってみたいって、言ってただろ。いいよ、今日は。ミカサの好きにやってみな」

ミカサ「!(嬉しい!)」

ミカサは早速、膝を立ててしゃがみ、目の前のそれに優しく触れた。

未知との遭遇である(触るのは二回目だけど)。

ミカサ「これがエレンの…(うっとり)」

エレン「馬鹿…! あんまじっくり見るようなもんじゃねえって(ヒック)」

ミカサ「(じ~っ)美味しそう」

エレン「(゚д゚)食うなよ! あと、歯はあんまたてるなよ!」

ミカサ「う、うん…(では、いざ!!)」


ぱくり。

ちゅぱ……


エレン「…っ! (やばい…!)」

エレンも、鏡に両手をついて、その衝撃に耐えた。


ちゅぱ…ちゅぱ…ちゅぱ………


エレン「くっ…! はあ…! (これは、すごい…!)」

男にとっては一番気持ちのいい場所を、ミカサの口内で、舐られている。

エレン(これは…気合入れないと…一気に持ってかれる…!)

早漏と思われたくないが故に、必死に耐えるエレンだったが、ミカサの舌使いは、予想していた以上に、うまかった。

エレン(こいつ…なんでこんなにうまいんだよ…!)

エレンは堪らず、一回、ミカサの口を離させた。

ミカサ「あん…(まだ途中…)」

エレン「ちょっと休憩…ミカサ…どうしてそんなにうまいんだよ」

ミカサ「? うまい? 私、上手に出来てるの?(初めてなのに)」

エレン「最高すぎる…なんかもう、危うく口の中に出しそうになった…(はあはあ)」

ミカサ「そ、そうなの? ただ、口の中で舐めてるだけなのに?」

エレン「ああ…そっか…今は直接触って貰ってるから、ゴム越しより、気持ちいのかもしんねえ…」

口でこんなに気持ちいいのなら、直接入ったら、ミカサの中はもっと最高だろうな…と、一瞬、思い、すぐそれを振り払う。

エレン(アホか! ゴムあるのに、使わないでヤる馬鹿がどこにいる! しっかりしろ俺!)

ミカサ「続けてもいい?」

エレン「ああ…いいぜ」


ちゅぱ………ちゅぱ………


また、透明な汁が溢れ出て、それを躊躇いなく吸っていくミカサ。

エレン「うっ……はあ……ああ……!」

赤く染まっていく、エレンの全身を見つめながら、ミカサはうっとりしていた。

今、この瞬間、エレンを支配していることに強い満足感を覚える。

ミカサ(もう少し、頑張ってみようかな)

ミカサはもっと奥深く、エレンのものを、一気に口に含んだ。

エレン「うっ…! (なんか、急に深くなったぞ?!)」

ぎゅっ…と、吸い上げる力が強くなった。

油断していたせいで、そのまま絶頂まで一気に持っていかれる…!

エレン「ミカサ、口離せ! 出る…!(やばい…!)」

ミカサ(いや!)

ミカサはエレンに抵抗して、そのままの体勢で待った。

そして次の瞬間、口の中に、苦いものがいっぱいに広がっていく。

ミカサ「ゲホゲホ…! (気道に入った!)」

エレン「! だから言っただろ?! 大丈夫か?!」

ミカサ「(涙目)平気………ゲホゲホ!」

エレン「平気じゃねえし…ああもう…無茶しやがって(頭グリグリ)」

そんなミカサが、愛おしいと感じてしまう一瞬だった。

ミカサ「口の中が苦い…豆乳みたいな味がする」

エレン「え…あ…そうなのか?(赤面)」

精液の味なんて知らない。

まさか、そんな味だなんて思わず、エレンは顔を真っ赤にした。

ミカサ「(こくり)ふっと、鼻につくような臭みがある。多分、一番近いのは、砂糖を入れてない無調整の豆乳。あまり、美味しくはないけれど、飲んでも大丈夫なのかしら?」

エレン「あんまり体にはよくなさそうだから、吐き出して、一度口、ゆすいできな」

ミカサ「分かった…」

ミカサは風呂場から一度離れて、部屋に戻り、口の中を軽くゆすいでから、また戻ってきた。

エレン「どうだった? ちょっと最後は失敗したけど…」

ミカサ「最高だった(`・ω・´)キリッ」

エレン「そ、そうか……なら、やらせた甲斐があったな。俺も……気持ち良かったし(〃ω〃)」

ちゅっと、頬に労いのキスをするエレンにミカサも真っ赤になった。

ミカサ「エレンの……そこを……支配している感じが、良かった。とても…熱くて…固くて…中から、トロトロ液が出てきて……(うっとり)」

エレン「馬鹿! あんま口に出して感想言うなよ! 恥ずかしいだろうが!∑(´Д`;)」

ミカサ「ふふっ………(エレン可愛い)」

ミカサはぐいっと、自分の胸を押し当てるように、正面からエレンに抱きついた。

ミカサ「もうひとつ、やりたい事がある」

エレン「ん?(何だっけ)」

ミカサ「エレンの背中を流したい……ので、洗わせて欲しい」

エレン「そいや、そんな事、言ってたな。いいぜ」

エレンはすぐに了承して、小さな木の椅子の上にちょこんと座った。

ミカサは石鹸で泡を立てて、エレンの背中にもこもこを塗りつけていく。

ミカサ「ふふっ……(いつぶりだろう。こうやって、洗うの)」

昔を思い出す。小さかったあの頃に比べると、エレンの背中も大分大きくなった。

広く、逞しい背中に、ミカサは頬を寄せる。

エレン「………?」

ミカサ「幸せ……(じーん)」

エレン「ミカサ? どうした?」

ミカサ「エレンと一緒に居れて…嬉しい……」

エレン「………」

ミカサ(幸せ過ぎて、ちょっと怖いくらい…)

エレン「ミカサ」

ミカサ「ん…?」

エレン「手、止まってんぞ」

ミカサ「! ご、ごめんなさい!(いそいそ)」

幸せを実感していたら、つい、手が止まってしまった。失敗。

ミカサは慌てて、再びエレンの背中を丁寧に洗っていく。

エレン「………」

エレンはまた、複雑な気持ちになっていた。

多分、一生、これは、答えが出ない思いかもしれない。

エレン(ごめんな……ミカサ)

心の中でしか、今は素直に謝れないエレンだった。

エレン「もうそのへんでいいよ。ミカサ」

ミカサ「で…では、湯をかける」


ザバーッ…


だいたいさっぱりしたエレンは、ミカサの方に向き直り、その場でぐいっと押し倒した。

背中が少し、ひやっとしたが、代わりにエレンの体は温かい。

ミカサは、ドキドキしながらその言葉を待った。

エレン「今日はここでシていいか?」

ミカサ「う…うん!(きた!)」

エレンは脱ぎ捨てたズボンのポッケから、アレを取り出して、封を切ると、丁寧に装着して、準備を完了した。

エレンの唇が、ミカサの首筋を伝う。

途中で何故か、噛み付かれ、皮膚を吸い上げられた。

ミカサ(な、何? 今の)

エレンは無言でその作業を繰り返す。

ミカサの胸元には、赤い花びらが散ったみたいに、色づいていった。

エレン「キスマークって知ってるか?」

ミカサ「知らない…」

エレン「こうやって…(ちゅぱっ…)吸い上げると、軽い内出血を起こして、赤くなるんだ。暫く痕が残るけど…(ちゅぱっ…)」

ミカサ「ん……(変な感じ)」

エレン「痕はマフラーで隠せるし、今、ちょっとつけてみたくなった。わりぃ…つい、な」

ミカサ「ううん…(隠せるならいい)」

エレン「他に何かあるかな」

ミカサ「…?」

エレン「まだ俺がしてない事で、俺が、ミカサにしてやれる事…あんま思いつかんけど、他に何かあったかな」

ミカサ「………」

まだ、してない事か。

いろいろいろんな事をやったせいで、特に思いつかないミカサだった。すると、

エレン「あ……これ忘れてた。今日はこれやろう」

ミカサ「……?(きゃあ?!)」

エレンは、顔を一気に下げて、ミカサの股間に顔を埋めた。

先程、ミカサがエレンに施した、ソレの逆バージョンである。

ミカサ「エレン……?! ちょっと……ああん!!!」

先程まで濡れていたその場所は、再び熱を帯びて体を溶かし始めた。


じゅる…じゅる………


蜜を吸い上げ、舐めて、まわして、また吸い上げる……

ミカサ(また…目の裏が…白くなる……!)

エレンの頭を掴み、震えるミカサ。

ミカサ「いや…待って! ちょっと……あっ…!(ビクン!)」

エレン「ん? どうした?(一回、やめたほうがいいか)」

ミカサ「今の…すごくて……気持ち良すぎて……(はあはあ)」

エレン「何言ってんだ? ミカサも俺に同じことしただろ?(ペロッ)」

ミカサ「(ビクン!)そ、そうだけど…こんなに…きついって思わなかった(フラフラする)」

エレン「今までで一番、気持ちいい?」


こくこくこく……


ミカサが勢いよく頷いて見せるので、エレンもつい、笑ってしまった。

エレン「ま、そういう場所を、舌で舐めてんだから、そりゃそうなるな(ぬるり)」

ミカサ「ひゃあん!(ビクッ)」

エレン「手で触るより、やっぱ舌でやる方がいいよな…こうやって…(ペロリ)」


ビクッ……ビクビク……


エレン「ミカサの敏感なところ、分かり易いし…調べるのにも、楽だし…」

ミカサ「ああっ……もう……(イキそう)」

エレン「そろそろイキたい?」

ミカサ「イキ…たい!」

エレン「ん…でもダメ」

そう言って、二度目の放置に、今度こそミカサは涙目になった。

ミカサ「また?! Σ(゚д゚lll)」

イカされる直前で放置され、またイク直前でまで戻されて、落とされる。

まるでおもちゃのようにされている。

ミカサ「ど…どうして…?(そんなに意地悪したいの?)」

エレン「前回より、もっと気持ちよくさせる為に決まってるだろ」

ミカサ「前回より…気持ちよくするの…?」

そんなの、想像も出来なかった。

エレン「あと、騎乗位以外で出来る体位を探す為でもある」

ミカサ「騎乗位?」

エレン「ミカサが俺の上に乗ってやったら、そんなに痛くなかっただろ? あのやり方の事だよ。でもアレだと、ミカサの方が俺を抱いてるみたいで、ちょっと悔しかったし……他の痛くない体位も探してみたいんだよ」

その為には、前回より更に念入りにほぐしてやらねえと、とエレンは思っていたのである。

エレン「一回、中に指入れてみんぞ(グイッ)」

ミカサ「ひゃあ!(ビクッ)」

エレン(一気に3本入った。これなら、いけるか?)

前回、正常位のように、互いの体を向かい合わせる形だと、ミカサは非常に痛がったので、他のやり方を探すしかない。

エレン(本当は正常位が一番やってみてえんだけど、しょうがねえよな)

一番オーソドックスなやり方が選べない以上、妥協するしかない。

とりあえず、試していなかったもう一つの案をやってみる事にする。

指を離して、エレンは言った。

エレン「ミカサ…四つん這いになってくれ」

ミカサ「はあ…はあ…こ、こう?」

エレン「そうそう……この状態で一度、入れてみる」

犬のように四つん這いになったミカサを、後ろから責めてみる。

挿入に時間がかかったが、ミカサも特に痛がってはいないようだ。

エレン「痛くないか?」

ミカサ「痛くない……けど…」

エレン「けど…?」

ミカサ「ちょっと……膝が痛い」

エレン「ああ…そうか。これはベッドの上でしかやれねえな。悪い」

床に直接、両膝があたる形になるので、風呂場でやるのには向いていないようだ。

エレン「あとはそうだな……あ、あれいってみっか」

エレンは一度、自分のものを抜いて、ミカサを立たせると、鏡の前に誘導した。

ミカサ「はあ…はあ…」

エレン「鏡越しに、立ちバックしていいか?」

ミカサ「……?」

エレン「こんな感じ、なんだけど…(グイッ)」

ミカサを鏡に押し潰すような形にして、ぐっと密着した。

肺が一瞬、潰れるかと思うくらいに押し込まれて、息が詰まった。

ミカサ「え…エレン…! ( >Д<;)クッ クルシイ・・・!」

エレン「あ、悪い。(緩める)こんくらいなら、大丈夫か?」

ミカサ「(こくり)……あの、このまま、立ったまま、するの?」

エレン「そうそう。このままここに、もう一回、入れるぞ」

エレンはそう言って、ミカサの体の中にゆっくりと入っていた。

2回目なので、もう位置は間違えない。

ミカサ「! (な…なんか…前回よりフィットしてる?)」

エレン「! (やばい…前回よりしっくりきやがる)」

二人共、同時に同じことを思ってしまった。

まさかの立ちバックが、二人のベスト体位だったようである。

エレン「う…動いてもいいか?(やべえ…これ、持つのか?)」

ミカサ「う…うん…」


ぐっ……!


下から上へ突き上げるようなグラインドの動きに、ミカサも合わせて腰を動かす。

ミカサ「あああん…!(気持ちいい! 何これ?!)」

エレン「ミカサの中…締め付け…すごい…くっ…!)


ぐっ……!


2回目。再び、腰を同じように動かす。

ミカサ「ああ……あああああ……!!(もうダメ…! イク…)」

2回目の絶頂への誘いで、ミカサは呆気なく先に果てた。

エレン「え…ちょ! 早すぎるだろ…ミカサ…! くっ…」

ミカサが先にイってしまった。

そのせいで、エレンは力の抜けたミカサを、立ったまま、繋がったまま支える羽目になる。

しかし、ここから、エレンは自分のものを出すことを諦めなかった。

このまま、自分もイク事にしたのだ。

エレン「俺、まだイってないからな…悪く思うなよ、ミカサ!」

フラフラになっているミカサを支えながら、3回目の突き上げ。

ミカサ「あああん!(また…キタ!)」

イった直後に、もう一回おかわりという、過酷な状況だが、ミカサは、それでもエレンを受け入れた。


4回目…!


ミカサ「エレン!! や…なんか…!(さっきと違う…!)」

エレン「どうした…?」

ミカサ「さっきより、大きい…強い…の! が…くる!」


5回目…!!


ミカサ「ああん!! これ…何?! 体が浮いてるみたいな…感覚が…ああ!!」

エレン「ミカサ……(囁きボイス)」

ミカサ「ああん!(また、濡れる…!)」


6回目…!!!


エレン「俺も、そろそろやばい…イキそうだ。イってもいいか?」

ミカサ「イって…! お願い…!(これ以上、耐えられない!)」


7回目……!!!!


ミカサ「あああああああ……!!!(再びがくり)」

エレン「くっ……!!!(なんだこれ…すげえ…!!!)」

二人同時に、膝が崩れて折れた。

エレン「はあ…はあ…はあ…はあ…ミカサ…? ミカサ…?」

気持ち良すぎたせいで、ミカサはそのまま気を失ってしまったようだ。

そんな彼女を見つめながら、エレンは、思った。

立ちバックはヤバすぎる…と。

エレン(この体位は封印しよう…)

心にそう、固く誓ったエレンだった。











エレンの目の前に、何故か突如、亀甲縛りにされて、床の上で転がされて身動きの取れないミカサがいた。

エレン(?!)

何だこれは?! そうか、夢か。うん、夢だな。

ミカサはパジャマの上から、縄で全身を縛られている。

エレンはミカサに近づいて、それを解こうと触るが……

ミカサ「ああん!(ビクビク)」

エレン「!」

ちょっと触っただけで嬌声をあげるミカサに、エレンの手も止まってしまった。

ミカサ「え…エレン…はあはあ…もっと」

エレン「え?(何が?)」

ミカサ「もっと…触って…私を…嬲って!!」

エレン「(ぶーっ!)ななななんああ何言ってんだよ、ミカサ!」

意味不明な誘惑に、赤面しながらも、エレンは縄を解いてやろうと、再びミカサに触れる。

しかし、触れるとまた、ミカサがあんあん言い出した。

ミカサ「ああん……もっと! エレン……いじめてえ…!」

エレン「ちょちょちょ……なんなんだよこの夢は!」

ミカサを解放してあげたいのに、これじゃ何も出来ない。

ミカサは潤んだ瞳で、エレンに訴えた。

ミカサ「私…エレンになら、何をされてもいいの……」

エレン「(ドキッ)馬鹿! 何変な事言ってんだ! 縄解けないだろうが!」

ミカサ「解かなくていい! このまま…エレンの好きなように、触って欲しいの……」

もう一度言う。

今のミカサは亀甲縛りで、身動きが取れない。

(*大事な事なので以下省略)

エレン「な………それ、本気で言ってんのか(ごくり)」

ミカサ「私は…本気…エレンになら、どこを触られても、構わない…」

エレン(ごくり)

生唾を飲み込んで、エレンはつい、服の上からミカサの胸の突起にそっと触れた。

中指でかき回すように表面に触れていく…

ミカサ「ああん…!(ビクビク)」

エレン(こいつは…やばい…!)

完全に主導権(イニシアチブ)を奪った状態で、ミカサに悪戯が出来る。

その優越感に、エレンはあっさり堕ちてしまった。

エレン(夢のような展開…いや、これ夢か!)

夢の中なら、いっか!

と、結論づけて、エレンは早速ミカサに覆い被さって、胸や脇や、唇に触れていった。

ミカサ「ん…んー!!(ビクビク)」

エレン「ミカサ…ミカサ…(うおおおっ! 楽しい…!!)」

エレンは、ミカサにちゅっちゅと口づけを繰り返した。

その度に、震える体を支えながら、縄の隙間から見える、胸の突起にも歯で食らいつく。

ミカサ「ああん……ああん…エレン…! もっと! もっと…してえ…!」

エレン「こうか? ここがそんなにイイのか?!(コリコリコリコリ)」

ミカサ「いい…気持ちイイ! はあはあ……ああああん!」

ミカサの腰が揺れて暴れる。それを押さえつけながら、エレンはもう片方の胸にも、刺激を与えた。

同時に快楽を与え続ける。ミカサの口元からは、涎が溢れ出ていた。

それを口ですくいとるようにエレンは吸い付く。けれど手は休めない。

親指と、人差し指で強く摘み、離しては、また中指の腹で優しく撫でる。

何度も、何度も繰り返す……

ミカサ「あ……あああああ……!」




ビクビクビクビク…!!




胸を少し強くいじってやっただけで、ミカサは一度、イってしまったようだ。

ミカサ「はあはあ…」

エレン「服がぐしょぐしょだな…お漏らししたみたいになってんぞ。でも、着替えらんねえな。この格好でも。それでも、いいのかよ……」

ミカサ「いいの…このままでいい…! エレン…私をもっと、辱めて!」

エレンは、ニヤニヤ笑いながら、また唇に触れた。

エレン「ミカサって、本当はエッチな体してんのな…(最高…)」

ミカサ「そんな事ない…全てエレンのおかげ。エレンが以前、教えてくれたから、私の体はエッチになった…」

エレン「そーかそーか…(ん? いつ教えたんだっけ?)」

ミカサ「これからも、ずっと、私に教えて…お願い…エレン」

そして、いつの間にか、ミカサの体にあった縄は消え、その縄は、今度は、エレンに絡みついていた。

エレン「?!(なんだ?!)」

ミカサ「あなたとは、一生離れない………(クスッ)」

縄は、エレンの、首、手首、両足に絡みつき、エレンの自由を奪っていった。

ミカサは、エレンに近づいて、言う。

ミカサ「ずっと、一緒にいよう…エレン(にっこり)」

その笑顔に、何故か恐怖した。








エレン「うわああああああああああああああああ!!!(゚д゚lll)(ズキッ!)」








目が覚めた。絶叫した。

最後のシーンは、まるでホラーだった。

エレン(何だよ今の!! 今の夢は一体………!?」



ズキズキズキズキ……!!



頭が割れるように痛い。前回の二日酔いの比ではない。

体を起こすことすら、出来ないのだ。

ミカサ「エレン…! エレン…!」

エレン「ミカサ…?(目、あけらんねえ…痛え)」

ミカサ「大丈夫? 起きれる?」

夢の中と同じパジャマ姿のミカサが顔を覗き込んでいる。

どうやら、自分はベッドで寝ていたようだ。

衣服は、自分も同じパジャマ姿だ。恐らく、ミカサがやってくれたのだろう。

しかしどうにも、動きたくない。

エレン「悪い。気持ち悪くて、頭痛いし、動きたくねえ…前の二日酔いの時より酷いぞこれ…」

ミカサ「(さーっ…(゚д゚lll))そ、そうなの…?(すっかり青ざめ)」

エレン「ああ……もう少し寝かせてくれ…何もしたくない…」

ミカサはオロオロしているようだ。

仕方なく、エレンは言った。

エレン「水…後で飲むから。水だけ、用意しててくれ」

ミカサ「分かった! 貰ってくる!(ダッシュ)」

バタン…

ミカサの姿が見えなくなると、再び、エレンは目を閉じた。

エレン(俺、何つー夢見てんだ…)

縄に縛られたミカサに悪戯した挙句、その縄に逆に縛られて、ミカサに迫られていた自分に対し、ついツッコミを入れてしまう。

エレン(………えっと、やっぱり今度も記憶がねえな)

多分、ヤっちゃった気がする。

二回目だから、すぐそう察したエレンだった。

エレン(ミカサに無理やりラッパ飲みさせられた後……ふわふわして、風呂場に向かって、湯をぶっかけてやって、ミカサを笑ってやったとこまでしか、記憶がねえ…)

何故そこから先の記憶がぶっつりと途切れているのかさっぱり分からない。

エレン(くそっ……どうせヤるんだったら、せめて記憶に残しておいてくれよ俺!!)

さめざめと泣いてしまうエレンだった。

と、その時、水を貰ってきたミカサが部屋に帰ってきた。

ミカサ「エレン! 水を頂いてきた! 飲める?」

エレン「ああ……ちょっと、待ってな…(ズキッ)」

まだ、頭痛は残っているが、とりあえず、水分の補給をしなければ、と思い、気合を居れて体を起こした。

それでも、まだフラつくエレンを、ミカサが支える。

ミカサ「ごめんなさい、エレン…」

エレン「あ?(ちょっと不機嫌)」

ミカサ「まさか、ここまで酷い二日酔いになるなんて、思わなかったの」

エレン「……どんくらい寝てたんだ?」

ミカサ「丸一日以上…」

エレン「そんなに死んでたんか……いや、まあ、一気飲みしたら、そんくらい寝るのかもしれんけど…(ズキズキ)」

ミカサ「私…間違ってた。自分の欲の為に、エレンを酷い目に遭わせてしまった。もう二度としない」

エレン「………水くれ」

ミカサ「はい」

水を口に含み、ゆっくり飲みながら、エレンは少し考えた。

今回の件を、怒っているわけではないのだが、何て言ったらいいのか、非常に困ってしまうのも事実だ。

ミカサはすっかりしょげているし、反省もしているようだから、許してやりたいのは山々だが…。

エレン「悪い、ミカサ。今は、ちょっと…頭痛いし、考えるのがきつい。暫くそっとしておいてくれ」

それから最終日の朝まで、二人はろくに会話をせずに時間を過ごした。

ミカサはエレンの容態を非常に気にしていたが、エレンの二日酔いも、時間と共に自然と治っていき、最終日の朝にはすっかり良くなっていた。

しかしエレンは、ミカサとあまり話をしなかった。

極力、距離を取って彼女と接し続けたのである。

何故なら、確認するのが怖かったから。

2回目もちゃんと、避妊してやれたのか、どうか。

ゴムは、もう一回分購入してたようだから、それを手渡されたのは覚えている。

ただ、それをちゃんと使ったのかどうかまでは、記憶がはっきりしないので分からない。

一度、臆すると、ずっと聞きそびれてしまい、エレンは口を開けなかったのである。

そんなエレンの態度に、ミカサは非常に傷ついていた。

きっと嫌われてしまったのだ、と思った。

ミカサ(私のした事って、犯罪だったのかもしれない)

女の方から、無理やり誘って、体を繋げる行為を強いたのだ。しかも泥酔させて。

一度目は、不可抗力にしろ、二度目は明らかに、その意図を持ってヤってしまったのだから、通常なら、そう取られても仕方がないところである。

ミカサ(どうしよう…エレンが許してくれなかったら)

まだきっと、怒っているのだ。

そうに違いない。

ミカサは、どうしたら許してくれるのか必死に考えた。

とりあえず、自分の分の朝のパンをエレンの皿にのっけてみる。

エレン「? 何やってんだよ」

ミカサ「食べて」

エレン「え? 食欲ねえの? どっか悪いのか?」

ミカサ「ううん、悪くないけど、エレンにパンを食べて欲しい」

エレン「スープだけじゃ足りんだろ。多少無理してでも、朝だけは腹に入れた方がいいぞ」

ミカサ「いらない…お願いだから食べて」

懇願するミカサに、エレンは不思議に思ったが、渋々パンを受け取った。

ミカサは、スープすら飲もうとしない。

エレンは仕方なく、ちぎったパンを、ミカサのスープにつけて、それを、口に押し込むように放り入れる。

ミカサ「!(食べちゃった…)」

エレン「こうすりゃ、食べやすいだろ」

ミカサ(もぐっ……)

エレン「食わなきゃ、持たないって言ったのはどこのどいつだよ」

エレンは苦笑いした。

エレン「おまえが俺に、昔、無理やりパン突っ込んできたの、まだ忘れてないからな。アレに比べたら、俺の方が優しいだろ?」

ミカサ「……覚えているの?」

エレン「忘れるわけないだろ。あれ以来、俺も、どんな時でも食事だけは取るようにしてる。だからミカサも、ちゃんと食えよ」

ミカサ「……うん」

やっぱり、パンを返して貰って、モグモグ食べるミカサだった。

ミカサ「美味しい…」

エレン「だろ? やっぱ朝飯はしっかり食わねえとな」

ミカサ(もぐもぐ)

ミカサはほっとした。昨日のエレンより、自然と会話が出来たから。

何も言わないで、食べる食事ほど味気ないものはない。

エレン「今日で最終日だな。チェックアウトは昼の12時までだったよな?」

ミカサ「うん…」

エレン「向こうに着くの、夜中になっちまうけど、いいのか? 少し早めに出て、ゆっくりした方がよくねえか?」

ミカサ「いい。予定通り、ギリギリまでここにいる」

エレンと二人きりの時間を最後まで味わいたかった。

ミカサの最後の我侭だった。

エレン「分かった。じゃあ部屋に戻ったら、帰り支度するぞ」

ミカサ「うん……」

エレンは、ここが最後のチャンスだと思った。

だから、意を決して口を開いた。

エレン「あのさ、ミカサ」

ミカサ「ん…?」

エレン「確認しときたいんだが……俺達ちゃんと、2回とも、避妊してからヤったんだよな?」

ミカサ「うん…証拠ならある。後で見せてもいい」

…………何を?

いや、やっぱりいい。

エレン「いや、そこはいい。というか、それは捨てとけ。頼むから。後、この後も念の為、生理のサイクル気にしとけよ。生理がこなかったりしたら、それも怪しいからな」

ミカサ「生理のサイクル…」

ミカサは何か思い悩んでいるようだ。

エレン「妊娠すると、生理こなくなるからな。もしこの後に、ミカサの生理こなくなったら、避妊が失敗したってことになるから……」

ミカサ「もう、3ヶ月以上、生理きてないけど」

……………………………え?

エレン「今、何て言った? ミカサ」

ミカサ「え? だから、生理は、3ヶ月以上前にあったきりで…」

エレン「その前は?」

ミカサ「…? あんまり覚えてない。私、生理がそんなに頻繁にくるタイプではないみたいで、こない時もよくあるから」

エレン「………………」

エレンはその時、ひとつの可能性を考えた。

エレン「ミカサ、俺以外の男と、体をつなげたこと、あるか?」

ミカサ「ない!(即答)」

エレン「だったら、俺みたいに、酒に酔って、イキオイでやったりとかは?」

ミカサ「お酒を飲んだのは、今回が初めて。それはない」

エレン「本当に? 既に別の男の子供を妊娠している可能性は………」

ミカサ「(ムカッ)あるわけない! 私は、エレンが全て初めてだった!!」

エレン「だったらなんで3ヶ月も生理きてねえんだよ! それって、おかしいだろ!?」

ぎょっとする、他の客の視線に気づいて、二人はしまったと思った。

エレン「悪い。ここで話すことじゃねえな。残りの飯、部屋に持っていこう。ミカサ、ちょっと詳しい話を聞かせてくれ」

ミカサ「分かった」





そして、ミカサから聞いた話をまとめると、こうである。

ミカサが初潮を迎えたのは11歳の頃。しかしそれ以降、生理のリズムはまばらで、ない時は3~5ヶ月くらい間があくことも珍しくなかったという。

ミカサ「別にそれで今まで生活に支障はなかったし、気にする程の事ではないと思っていたので…」

エレン「今まで、言わなかったと。そういう事か」

エレンは、すぐさま決意した。

エレン「今から、病院行くぞ」

ミカサ「え?! でも……(馬車の時間が……)」

エレン「いいから! もしもの可能性がある。なんか変な病気だったりしたら、まずいだろうが!」

ミカサ「そ、その可能性があるの?」

エレン「分からん! だけど、生理が定期的にきてないっていうのは、普通じゃねえって事くらい、俺にも分かる。その判断をするのは、医者だ。詳しい話を聞いた方が絶対いい!」

エレンの様子が尋常ではなかったので、ミカサも勢いで頷いてしまった。

そして朝一の診療で、空いている村の病院を探し、診てくれる、お医者様を探した。

幸い、村には一人だけ、女性の医者がいたので、その方に診てもらえる事になった。

一通りの問診の後、その医者は言った。

女性の医者「ふむふむ……なるほどね(メモメモ)。それで一応、心配になって、来てみたわけね」

その女性はハンジに良く似た雰囲気の眼鏡の女性だった。親戚なのかもしれない、とさえ思った。

女性の医者「あー結論から言うね。その原因の可能性は、ふたつあるよ。ひとつは、筋力の鍛え過ぎによる、ホルモンバランスの崩れからくるもの、だね。あなた、軍人でしょ。女性の軍人の方の中には、たまにそうやって、体を鍛え過ぎて、脂肪が男性並みになってしまって、女性としての機能を果たさなくなる人もいるんだ」

ミカサ「そ、そうなんですか(初耳)」

エレン(俺も初耳だ)

二人は驚いて互いを見合った。

女性の医者「んで、もうひとつの可能性は……実はこっちの方が、8割の方が当てはまる原因だ。だから、私は恐らく、こちらが原因だと思うよ」

エレン「そ、その原因は…?」

女性の医者「ストレスだよ」

ミカサ「ストレス…?(どういう事?)」

女性の医者「そう。極度のストレスを体験すると、こちらもホルモンバランスが崩れてしまう。例えばそうだね…肉親を亡くしたり、伴侶を失った女性は、それがきっかけで、生理がこなくなる人も多いんだ」

エレン(……!)

エレンは、思い当たる節が多すぎて、言葉を失った。

女性の医者「ミカサ=アッカーマンさん。あなたの場合は、それが複合的な原因となって、生理不順になっている可能性が高いね。精神的なストレスが生理のリズムを乱すことは多い。…何か、思い当たることはないかな?」

ミカサ「ありすぎて…どれを言ったらいいのか(腕組み)」

エレン(だよな…)

エレンとミカサは一緒に落ち込んでしまった。

女性の医者「だとしたら、まずはその原因を少しでも取り除くように努力するしかないね。一応、ホルモンバランスを整える薬を出すことも出来るけど…若いうちはあまり薬に頼らない方がいい。どうしても、無理だと思った時は、別の病院でもいいから、また診てもらうといいよ」

ミカサ「はい…」

エレン「あの…! そのホルモンバランスってやつを、てっとり早く整える方法は、ないんですか?」

女性の医者「ん? あるよ」

エレン「教えて下さい! 是非!」

女性の医者「リラックスすることだよ」

エレン「リラックス…ですか(これも初めて聞くな)」

女性の医者「まあ、簡単に言えば、欲求不満を適度に解消することだね。我慢のし過ぎが、一番体に悪い。好きなことをしたり、気分転換をしたり…ストレスを溜め込まないことを心がけるしかないね」

エレン「………」

それはつまり、今までミカサは無自覚にストレスを溜め込んでいたことの証明ではないか、とエレンは思った。

自分で気づかないって、どんだけだ…。

そんな思いで、エレンは俯いている。

女性の医者「まーそうだねー…簡単なストレス発散方法といえば『歌』を歌うことかな。音楽は、いいよ。お金のかからない、発散方法だ。あとは、好きな人とスキンシップ! これも効果があると言われているよ。キスを毎日しているカップルは、してない人より長生きしているという統計データもあるくらいだしね」

エレン「……!(まじか)」

ミカサ「……!(それはすごい)」

女性の医者「まあ、そんな感じだね。もし、半年や一年以上、生理がこないような状態になったらまずいから、その時はまた病院で診てもらいなさい。今はとりあえず、このまま様子見でいいと思うよ」

ミカサ「はい…ありがとうございました(ぺこり)」

エレン「ありがとうございました…(ぺこり)」

女性の医者「あ、ついでにちょっと待って。彼の方に、少しお話しておきたいことがあるから。残ってもらえる?」

エレン「? はい」

そしてエレンは、女性の医者と二人きりになった。

女性の医者「んーと、君は、彼女のご家族の方よね?(新婚さんかな? 若いけど旦那様よね。でないと、診察室までは同伴しないだろうし)」

エレン「はい!(兄妹みたいなもんだけど)」

多少、意思の齟齬はあったが、それを気にせず、医者は続けた。

女性の医者「早めに気づいてくれてありがとうね。今、こういった症状で病院に訪れる女性がとても増えているんだ。5年ほどくらい前からね」

エレン「!」

5年前と言えば、人類の悲劇の事件だ。

女性の医者「心の傷を抱えている人は多いからね。あの事件が原因の場合、回復にはどうしても、ご家族の協力が不可欠だ。出来るだけ、彼女を精神的に支えてあげて欲しい」

エレン「はい!(力いっぱい)」

エレンは、力強く頷いた。

ミカサは将来のある身なのだから。

女性の医者「それと……さっきは言わなかったけど、もっと簡単に治す方法もなくはないよ」

エレン「え?」

女性の医者「ただ、これは個人差もあるし、万人に通じる方法でもない。リスクもあるから、注意が必要だけど、一応聞いとく?」

エレン「は、はい!(勿論だ)」

女性の医者「よし、分かった。あのね………」

そこから聞いた話に、エレンの両眼は大きく見開いた。








ミカサ「エレン、先生と何を話してたの?」

10分程度の短い話だったようだが、ミカサは気になって聞いた。

診察室から出てきたエレンは、頭を掻きながら言った。

エレン「んーまあ、いろいろ、だな。治療には、家族の支えも必要だって話とか」

ミカサ「そう…(詳しく話させないのね)」

ちょっとしょんぼりしてしまうミカサだったが、エレンは彼女の手をするりと掴んで引っ張った。

エレン「いったん、宿に戻るぞ」

時刻は既に11時を過ぎている。チェクアウトまであと1時間しかない。

急いで宿に戻って、チェックアウトを済まさねば。

そう思って二人は宿に急いで帰還した。

部屋の中をチェックして、荷物を確認する。

そう言えば、お土産買い忘れてたけど…今回はもう仕方ない。

馬車の時間まで、あと30分程度しかない。

チェックアウトを済ませたらすぐさま馬車に飛び乗るつもりだったミカサは、急いで荷物を確認した。

エレンはまだ、終わっていないようだ。何故かもたもたしている。

ミカサ「エレン? 忘れ物はない? ちゃんとチェックした? 下着は全部鞄に入れた?」

と、ミカサが後ろを振り向いて、ついいつものお節介を焼いた、その時……!



ぐいっ……!



エレンはそのまま、正面から、ミカサを抱きしめたのである。

エレン「…………」

ミカサ「エレン…?」

その時、エレンは医者の言葉を思い出していた。





女性の医者『定期的な性交渉、つまり子作りも効果があると言われているよ』

エレン『えっ…子作りが…でsか?!』

女性の医者『まあ、性交によるストレス発散で精神的に安定して、生理が復活した例もなくはないんdなよ。要は女性はそれくらい、精神的な要素が、そのまま体に影響すると言ってもいいんだよ。女は、男の100倍は面倒臭い生き物なんだよね、これが』

エレン『(口パクパク)…そ、そうなんですか』

女性の医者『うん、でもこの方法はリスクを伴うし、既婚者同士か、恋人のいる人にしかお勧めしないけどね。そこまではやらないにしても、例えば恋愛して、脳みそが女性らしいことをすれば、ホルモンが活発になって、ちゃんと正常に戻るから。今の彼女は、ストレスや環境のせいで体が男性化しつつあると言えると思う。……心当たりはあるんじゃないかな?」

エレン『あります(きっぱり)』

女性の医者『うん、でもだからと言って、今の軍人という立場を捨てて家庭に入るってわけにもいかないでしょう? このご時世だし。だからせめて、その負担を軽減させたいなら、彼女とのスキンシップを少しでも増やしてあげたほうがいいね!(旦那様の役目だよ!)』

エレン『す…スキンシップですか』

そう言われれば、ミカサはスキンシップが大好きだ。

だけどつい、普段は照れてしまって邪険にする自分がいる。

あれが、まずかったのだろうか…。

(二人きりの時は、サービスすることもあるが)

女性の医者『恥ずかしいなら、言葉だけでも十分。毎日可愛いね! とか綺麗だね! とか、そういう褒め言葉でもいい。出来るでしょ? メンタルケアは軍人でも習う筈よ?』

エレン『ぐはっ…!(それはそうだけど!)』

女性の医者『ま、そういう訳だから、あまり焦らず、どんと構えて、様子を見ていって。また何かあったら、力になるからね!(ブイッ)』






ミカサ「エレン…? どうしたの?(急がないと遅れちゃう)」

エレン「ミカサ…」

抱きついたのはいいけど、この後、どうしよう。

しまった。NOプランだった。

>>163
訂正

→エレン『えっ…子作りが…ですか?!』
うち間違いです。
打ち間違ってるせいで、よけいに動揺してるようにも見えるけど、
一応、間違いです(笑)

→生理が復活した例もなくはないんだ。
ここも打ち間違えました。

ミカサ「エレン……急がないと、馬車に乗り遅れ…」

その時、エレンはテンパっていたのか、なんなのか、他に思いつく方法がなかったのか、

強引に、ミカサの唇に、触れるだけの軽いキスを、した。

ミカサ「……………え?(゚д゚)ポカーン」

そしてすぐさま、離れて、顔を背けたのだった。

ミカサ「えっと、何故…今、キス…?」

エレン「こ、こういうのが、いいらしいんだよ」

ミカサ「え?」

エレン「だから…その…さっき、先生から聞いただろ? き…キスは、体にいいって。ホルモンが整うって…」

ミカサ「だからしてくれたの?」

エレン「ああ……(やべっ…すげえ恥ずかしい…なコレ!)」

素面のエレンの、精一杯の勇気だった。

エレン(これ以上は無理だ)

ミカサはしばしポカーンとしていたが、ハッと我に返った。

ミカサ「エレンはもう…怒ってないの?」

エレン「え? なんだよ。怒るって。俺別に、怒ってねえけど」

ミカサ「でも…私は、エレンに酒を飲ませて…その…無理やりそういう事をやらせたわけで……」

ああ、あの時のことか。

エレン「別に、怒ってはいねえよ。もう怒ってねえけど…(覚えてないんじゃどうしようもねえし)」

ミカサ「本当? 許して……くれるの?」

エレン「まあ…そうだな。そうなるな。うん」

ちゃんと避妊具を使用しての性交だったのなら、とりあえず心配の必要はない。

いや、むしろ、今、心配なのは、その事ではない。もはやそれどころではない。

エレン(ミカサの奴、俺の為に、女であることですら、捨てようとしてたって事なんだよな…)

その事実を知り、正直言ってショックだった。

エレンはそれがとても悲しくて、悔しかったのだ。

エレン(それだけは……嫌だな)

ミカサには、女でいて欲しい。

自分の為に、そこまで身を犠牲にして欲しくない。

だとすれば、自分に出来ることは………

エレン「その…あ、あのさ…ミカサ!」

ミカサ「なに?」

エレン「……いや、やっぱ無理だ(俺には…)」

ミカサ「……?」

エレン「でも…ああ…こういう時って、どうすりゃいいんだ?!」

ミカサ「え? 何が?」

エレン「だから…! ミカサを女にするには、どうしたらいいかって事だよ!!」

ミカサ「…?!(えええ?!)∑(〃ω〃)」

そりゃ、ひとつしかないだろう。

と、アルミン他、男子がもし、この場面を見ていたら、総ツッコミしていただろう。

ミカサ「して…くれるの…?(ドキドキ)」

エレン「でないと、お前、ますます男みたいになるだろうが! これ以上逞しくなって欲しくねえよ! 俺は!」

ミカサ「そ、それは…エレンを守る為に鍛えた体なのであって、不可抗力だと思う…」

エレン「それは分かってるけど! でももし、そのせいで、将来子供が産めなくなったらどうすんだよ! 困るだろうが! ミカサが!」

ミカサ「? 別に困らない。それは仕方ない事。私は、エレンがいれば、それでいい」

その時、エレンはブチ切れたように叫んだ。

エレン「俺が嫌だっつってんの!! いいか! 忘れるな! ミカサはどんなに強くても、女の子なんだ! だから…その…俺にとっては、女でいて欲しいんだよ!!」

ミカサ「…!!」

そんなに熱弁されるなんて思わなかった。

エレンの主張はまだまだ続く。

エレン「俺の勝手な願望だって、言われちゃそれまでだけど……俺、ミカサが生理不順になってるなんて知らなかったし、その原因が、ストレスからきてるって事なら、多分、俺にも責任がある。だから……その……どうにかしてやりてえんだけど」

ミカサ「…………」

ミカサは大事な事を聞き漏らさないよう真剣に聞いている。

そんな彼女を見て、エレンの緊張は更に高まった。

エレン「(やべえ…手が震える)その…俺、ミカサと、ヤった時の事、ほとんど覚えてねえから、どんな風にヤったのか、全然分からねえんだけど…それでも、そのおかげで少しでも、ミカサのストレス発散出来たんなら、良かったって思う。……妊娠してねえなら、の話だけど」

ミカサ「………」

エレン「だから…その…ああもう、つまり、俺が言いたいのは…!!」

ミカサ「エレン、もう馬車の時間、過ぎた」

エレン「……あ」

最終便で帰る予定だったので、これでもう、今日は訓練所には戻れない。

それを確認して、ミカサは言った。

ミカサ「これで、延長決定(ため息)」

エレンはその直後、青ざめた。

エレン「えっと…金、あるのか?」

土産を買うくらいの金はあるが、延長料金を支払う程の大金を自分は持ち合わせていない。

すると、ミカサは意外にも頷いた。

ミカサ「うん…一応。最大3週間までは滞在していいと、キース教官に言われてる。卒業模擬格闘試験に間に合わせることが目的だから。多少、帰還は前後してもいいと、あらかじめ言われていた。私の判断に任せると」

エレン「そっか…じゃあもう一泊出来るんだな」

ミカサ「うん……」

エレン「だったら…その…今から…」

その先の一言が、なかなか言えなかった。

エレン「その…あーもう! 頼むから、察してくれ! ミカサ!」

ミカサ「…? 何を?(クスッ)」

エレン「くそっ…ここぞとばかり惚けやがって)つまりだなあ…俺は…ミカサと…いや、ミカサに…さわ……」

ミカサ「さわ…?」

エレン「さわ…………っても、いいか?!(よし、言った!)」

ミカサ「うん!(勿論!)」

そしてミカサは自分からエレンに抱きついて、二人は仲良く、ベッドにダイブした。











丁度その頃、ジャンは、立体機動の訓練の準備をしていたのだが、

その途中でベルトが突然、切れた。

ジャン(ここが切れるって、よほど摩耗してたんかな……)

それはありうるが、それ以上に、思うことがある。

ジャン(…………………なんか嫌な予感がする)

概ねその予感は当たっていたのだった。(合掌)

やっと次でメインデッシュが書ける……!(*´∀`*)はあはあ!
ここまでが長かった…本当、しんどかった…!
一回休憩する。体力なくて、ここが限界だ…!
回復するまで待っててね…!

俺のせいですんません(._.;)

>>169

何を謝ってるのだい? もしかしてスレチ?

飯食って充電してきたので、続きいきまーす!

エレン「うおっ?! 馬鹿! 乱暴すんなよ! あぶねーな!」

ミカサ「大丈夫。問題ない」

エレン「全く…」

ミカサはエレンの胸元に顔をうずめているので、エレンは彼女の頭をなでなでしてやった。

ミカサ「ん……(気持ちいいな)」

うっとりとした表情で目を閉じるミカサの反応を見て、エレンは苦笑した。

エレン「ミカサ…本当に俺に触られるの好きなんだな」

ミカサ「うん…どんどん触って欲しい…(☆☆キュピーン)」

エレン「(目が輝いとる)どこ、触って欲しい?」

ミカサ「全部…(うっとり)」

エレン「無茶言うなよ!!∑(゚д゚lll)(ゴムねえのに)」

ミカサ「では…エレンが触りたいところを好きなように触って欲しい」

エレンは目を細めて言った。

エレン「なあ…それ、言っている意味、分かってて言ってる?」

囁きボイスが、ミカサの脳に侵入していく。

ポッと頬を赤らめてミカサは答えた。

ミカサ「うん…実はゴムなら、まだあるので(ズイッ)」

エレン「えっ…ってことはまた買ったんか。よくそんな金あったな。(ゴムを受け取る)」

ミカサ「シングルからダブルに変えたおかげ。でも、これが最後。これ以上はもうさすがに買えない」

エレン「…………」

素面の状態で出来るんかな。

エレンは、天井を見つめてそう考えた。

ミカサ「エレン…私と、しよう」

その言葉が合図となって、エレンはミカサと体勢を入れ替えた。

ミカサを押し倒して、しっかり見つめる。



ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…



体が震えているのが、自分でもよく分かる。

緊張し過ぎて、何からしたらいいのか、分からない。

しばし無言で見つめ合った。

先に目を逸らして、ため息をついたのはエレンだった。

ミカサ「エレン…? 嫌なの…? だったら…」

エレン「違う」

エレンはきっぱり言った。遮るように。

エレン「もう、嫌とかそういう話じゃなくて…」

ミカサ「だったら、何?」

エレン「……情けねえけど……怖えんだよ」

ミカサ「怖いの…? どうして…?」

エレン「だって…俺…初めてだし(赤面)」

ミカサ「? エレンはもう2回も私とヤってる」

エレン「記憶がないから、カウント出来ねえだろ。その……その時の俺って、ちゃんとヤレたのか?」

ミカサ「うん…とても上手だった(*´д`*)ポッ」

エレン「(期待値あがった! やべえ!)そ、そうか……ああくそっ! ライバルが自分っていうのも変な感じだけど…せめて初体験は、素面の時にやりたかった…(しくしく)」

ミカサ「(もう言っても遅いのに)だったら…ひとつ方法がある」

エレン「ん?」

ミカサ「同じ事を、もう一回しよう」

エレン「へ?! (ナンダッテ?!)」

ミカサ「私は覚えているので、説明する。私がエレンの動きをトレースしていけば、もしかしたら、途中で思い出すかもしれない」

エレン「そ、そんな細かいところまで覚えてるのか?」

ミカサ「私を舐めないで欲しい。エレンに関する記憶なら、絶対的な自信がある(`・ω・´)キリッ」

エレン「分かった。そういうなら、ちょっとやってみっか」

エレンは半信半疑だったが、とりあえずはミカサを信じることにした。

ミカサ「酔っ払ったエレンは、更にお酒を飲もうとしたので、私が無理やり、止めた。お酒をめぐって、追いかけっこをして、バランスを崩して、二人共ベッドにダイブした。……こんな風に」

ミカサは、エレンと再び体勢を入れ替えて、ミカサの方が、エレンを押し倒す形になった。

ミカサ「そしてエレンは、私の胸の谷間に顔を埋めた。そして『我慢すんの、疲れた』と言って、更に私を抱きしめて、『ジュース、飲めないんなら、ミカサを代わりに飲んでやる』って言い出した」

エレン「?!(俺のアホおおおおお?!)」

何その例え。酷すぎる…。

ミカサ「最初、私は、意味が分からなくて、そう尋ねたら、エレンは、いきなり私のおっぱいを、もみもみ……した。『ミカサのおっぱい気持ちいいなあ…ふふふ』と言って、とても楽しそうだった」

エレン「………!!!」

うわああああああ……!!

何やってんだ俺はあああああ?!

と、エレンは声なき悲鳴をあげる。

ミカサ「その後は、もっと、すごかった。私が、おっぱいを揉むのを止めさせようとしたのに、エレンは『おっぱいをしゃぶりたいだけだ』って言って…きた」

エレン「………(←魂抜けてる)」

どんだけおっぱい触りたかったんだ、俺。

いや、まあ、気持ちは分かるけど。でも、

ちったあ自重しろよ、俺。

と、エレンは魂が抜けたまま、思った。

ミカサ「エレンは、『嫌なら、やめとくよ』と言ってきた。私は、その…恥ずかしかった…ので、断った。そういう事は、赤ちゃんがする事だから…エレンは子供ではないのだし…と、思って。だけど、エレンは『大人も、子供を作る時は、おっぱいしゃぶってもいいんだぞ』と、言った。だから、エレンは、私と子供を作りたいのかと思ったけれど、そう聞くと、『別にそういうわけじゃない』とも言った。……正直言って、あの時の私は、混乱した」

エレン「あー…」

そこから先は、なんとなく読めた。

ミカサ「その後、エレンは、もし子供が生まれたら、私が自由でなくなるという内容を言った。だから、子作りをしたくないとも。でも…その…私が可愛いから、しちゃいけないと分かってても、手出したくなる時があると、言っていた」

エレン「……まあ、それは……うん」

事実である。

ミカサ「だから、それがバレるのを恐れて、一緒に風呂に入るのも、最初は抵抗したのだと、言ってくれた。私は、沢山、エレンに我慢させていた事を、今も、とても、反省……している」

エレン「いや、そこはミカサが反省するところじゃねえからな。男として、当たり前のことだから。それが出来ねえ奴は犯罪者になりかねんし」

ミカサ「でも…エレンはぼやいていた『本当はいろいろ我慢してんだぞ…』って」

エレン「……(本音ダダ漏れ過ぎてこえええええ……酒の力って、こんなところまで影響すんのかよ)」

もう二度と、酒は飲むまいと強く思ったエレンだった。

ミカサ「その後、エレンは『もっと早く触れば良かった…』と言ってこんな風に、私の乳首を探して、ずっといじってきた…(コリコリ)」

実演つきの解説に、ぎょっとするエレン。

エレン「! あ…ちょ…ミカサ! そこまで厳密に再現せんでも……! (くそっ気持ちいい…)」

ミカサ「片方だけじゃない。両方いっぺんに触ってきた……(コリコリ)」

エレン「うわ…ちょ…待てって! あん…!」

女みたいな声が出て、思わず我に返るエレンだった。

エレン「おい! その辺でいいって! はあ…はあ?! (こいつ、聞いてねえ!)」

ミカサ「ダメ…私もこの時、止めたのに、エレンは構わず、暫く続けた。だから……私も同じ事をする」

エレン「!! えっ…ちょ…あ…ん…くそっ…ああ!!」

10分くらい、それを続けただろうか。

エレンの下半身は、おかげですっかり元気になってしまった。

エレン「悪かった! 俺が悪かった! ミカサ! もういいって! このまま続けたら…その…!!」

ミカサ「そう…私も、さすがに身の危険を感じたので、そう訴えた。そしたら、エレンも我に返って止めてくれた。そのあとのエレンは、今のこれのように、とても辛そうだったので、私と一緒に、それを手ですいた」

エレン「!! …そ、そうか」

かぁ~っと真っ赤になって照れるエレンであった。

ミカサ「そしてエレンは、フランツとハンナのことを例に出して、避妊の仕方を教えてくれた。その時になって、ようやく私は、ユミルに持たされていた物を思い出して、それをエレンに見せた。その『避妊具』のおかげで私達は体を繋ぐ事が出来た」

エレン(ユミル…おまえって奴は…)

あいつ、実はいい奴だったんだな…と、心の中で感謝するエレンだった。

ミカサ「今のが、導入部分。ここから先は、それをどうやったか、説明する」

エレン「え? いやもう、十分…分かったから、いいよ」

ミカサ「良くない。思い出すまで、説明は続ける」

ミカサはその先を躊躇なく説明し始めた。

ミカサ「まずは口づけ。舌を使って、深いキスをしてくれた」

エレン「い、いきなりか(ごくり)」

ミカサ「(こくり)結構、乱暴だった。エレンの舌が、私の中で暴れるような、深くて激しいキスだった」

エレン「本当かそれ! うわ…俺、大胆なことやってたんだな」

ミカサ「お酒の匂いも残っていた。だからここは特に強く覚えている」

さあどうぞ、とポジションチェンジをして構えるミカサに、エレンはうっ…となった。

エレン(は、激しく舌を暴れさせるって、ど、どうしたんだろ…)

とにかく、動かなければ、始まらない。

エレンは意を決して、ミカサに触れた。

ちゅっ……

しかし、エレンの動きは緊張で、拙くて、もどかしい。

ミカサ「違う…もっと、こんな感じ…だった」

ミカサが見本を見せると、エレンは激しく動揺した。

エレン(今、歯茎に、舌が、なぞって…!)

ミカサ(ちゅぱっ…)こんな感じ。エレンが、私に教えてくれた。もう一回…」

恥ずかしい。なんだこの、羞恥プレイは。

最後まで耐えられるのか、コレ。

エレン「わ…分かった。もう一回、やってみる」

今度は、ちゃんと、舌を使って、歯茎もなぞってみた。

ミカサ「ん…ん…(んー?)」

それでもやはり、今のエレンのキスはちょっと優しすぎる。

まだ緊張が取れていないようだ。

ミカサ「もっと…深くして…(はあ)」

エレン「こ、こうか?(よく分からん)」

ミカサ「えっと…力が弱い。遠慮はいらない」

エレン「そんな事言われても、これ以上、どうしたらいいんだよ」

ミカサ「んー…なら、もう一度、私がやってみせる」

ミカサはエレンと体勢を逆転して、あの日の再現をしてみせた。

エレン「んー…!!!!!(ちょ…おま…これ…!)」

物凄く濃厚なデュープキスだった。

いや、本当に、こんな感じだったのか?! 盛ってないか?!

と、信じられないエレンだった。

エレン「ん…ん…はあ…はあ…(くそっ息が切れる!)」

ミカサ「そして、衣服は先に、エレンが脱いだ」

ミカサはその場で訓練兵の軍服を脱ぎ捨て、自ら裸になって、エレンの服を脱がしにかかった。

エレン「!?(ちょ…おい!!)」

ミカサ「エレンは私の上のボタンを外して…エレンはボタン服ではないのでここは省略する。手をこうやって、滑り込ませて…」

乳首のあたりに手が伸びる。

ミカサ「こうやって、なでてくれた(さわさわ)」

エレン「うっ…!(やべえ! このままやったらイっちまう!)」

なんだこのテクニシャンは。

これ、本当に俺がやった事なのか?!

(*本当にやりました(笑)復習したい方は>>108-111あたりを参照)

エレン「ミカサ…もういい! もういいから!」

ミカサ「思い出した?(ぱあっ)」

エレン「違うけど、もういい! 酔ってた時、俺がどんだけ暴走してたか、よく分かったから!」

ミカサ「………(まだまだ続きはあるのに)」

ミカサは唇を尖らせて、黙ってしまった。

エレン「ミカサはこういうのが好きなのか?(はあはあ)」

ミカサ「激しいのは、結構好き(*´д`*)ポッ」

エレン「まじかよ…はあはあ…じゃあ俺、頑張んねえといけねえな」

ミカサ「エレン頑張るの? でも無理そうなら、やめてもいい」

エレン「(ムカッ)出来るさ。俺だって、本気でやれば、出来る!」

エレンはそのまま、もう一回、キスに挑戦した。

今度は先程よりも勢いをつけてやってみた。

しかしやっぱり…何かが違う。

ミカサ(うん…これも悪くはないけど、何かが足りない)

何が足りないんだろう?

と、疑問に思うミカサだった。

なのでミカサは一度、唇を離し、首筋から鎖骨へ降りて、右の胸に移動した。衣服をたくし上げ、以前、エレンがミカサにやったように、乳首に吸い付き始めたのだ。

エレンは、そんな様子のミカサに戸惑った。

エレン「おい! ミカサ! そこ…あ…(やばい声出る!)」

ミカサ「男の人も、女の人と同じように、乳首で感じるのね」

エレン「そりゃそうだよ! くそっ…はあ…なんだこれ…ああ!(首が仰け反る)」

乳首を舌で転がしたり、歯で甘噛みしたり、弄んでみる。

エレンはしんどそうに、声を噛み殺していた。

ミカサ「ふふっ…エレンも私と同じ事してる」

エレン「へ?(はあはあ)」

ミカサ「私も、声が出そうになって、声を殺してたのに…『もっと声出していい』なんて意地悪言った」

エレン(俺の馬鹿!!!!)

思わず自分にツッコミを入れるエレンだった。

ミカサ「この後は、エレンのズボンだけ、脱がした。手伝うから、脱いで」

エレン(うわあ…なんかもう、ざくざくヤってんなあ)

結構手際のいい自分に、ちょっと嫉妬すら覚える。

エレンは下半身だけ裸になって、ミカサと向かい合った。

ミカサ「ここで…私の、あそこが濡れているかどうか、確認した。エレンのここ、勃ってるからOKとする(ちょっと触る)」

エレン「お、おう…!(ビクン)」

ミカサ「そして私の体に、一本目の指を入れて…二本目は痛くて入らなかったので…もう一度、私をあちこち触ってくれた。一番気持ちいい場所は何処か、聞かれたけど、私は『全部』としか答えようがなかった」

エレン「そんなに良かったのか」

ミカサ「(こくり)その後は、耳元で、私の名前を呼んでくれた。丁度、こんな感じ」

ミカサはエレンの耳元で「エレン…エレン…」と繰り返し囁いた。

エレン「なんか、くすぐってえ(プルプル)」

ミカサ「私は、これが気持ち良すぎて…その…後…一気にイってしまった(〃ω〃)」

エレン「へえ…(そんなに効果あんのか)」

だったら、試していたいと思った。

エレン「じゃあそこは俺が再現すっぞ。ミカサ、またこっちこい。俺が上になっから」

ミカサ「うん…(くるり)」

そしてエレンはミカサの耳元で囁いてみた。

エレン「ミカサ…(耳元ボイス)」

ミカサ「(ゾクリ)エレン…!(ビクン)」

エレン(うおっ…なんか急に反応した!)



あれ…?

これ、なんか見覚えがある。


エレン「ミカサ……(甘い声)」

ミカサ「あ……!(そう、こんな感じ)」

エレンは切なげなミカサの姿に釘づけになった。

エレン「(これ楽しい)ミカサ……可愛いな」

ミカサ「ん…ああ(あれ? また同じ事言ってる)」

そのセリフは伝えた覚えはない。

エレン「喘いでるミカサ…本当、可愛い」

ミカサ「あ……!(ビクビク)」

エレン「ミカサ………………(あ……!!)」

その時、エレンはようやく思い出した。

そうだ。どうして忘れていたのか。

名前を呼ぶ時の、ミカサの反応は、本当に可愛いのに。

そしてその時、エレンの脳内に……

一気に、その記憶が戻ってきた。

エレン(………………………全部、思い出した)

名前を呼んだ時のミカサの反応のおかげで、思い出した。

そうだ。ヤった。ええ、ヤリましたとも。

自分のヤリたい放題に。

ミカサをいじり倒しましたとも。

エレン(dんsjんfsdんfsdんsd………!!!)

記憶が戻った途端、エレンは撃沈した。

恥ずかしくて、死にそうになる。ブルブル震えてしまう。

ミカサ「え…エレン?(あれ? 様子が変)」

エレン「思い出した…(ボソリ)」

ミカサ「え?」

エレン「全部、思い出した」

ミカサ「! 本当!? (良かった!)」

エレンは顔を真っ赤に染めて、まともにミカサを見れなくなった。

エレン「たんま! 今、俺を見るな! 恥ずかしくて…死にそうになる!」

ミカサ「? どうして? (やばい。エレンが可愛い(*´∀`*)はあはあ)」

エレン「だって…その…俺…結構…その…うわああああああああ!(布団かぶって逃走)」

ミカサ「! エレン! (エレンが逃げちゃった)」

まるで亀のように手足を引っ込めてしまったエレンだった。

ミカサ「エレンー?(もしもーし)」

エレン「…………」

ミカサ「どうしよう」

エレン「…………」

ミカサ(布団の上に座っちゃおう♪ えい!)

よし、今日はここまでにする。
続きはまた今度書きます。
ようやくエレンの記憶が戻ったので本番うふふ楽しみだ。

ではまた!

おつ

こっから先が楽しみだ (ゲス顔)

>>181
>>182

ありがとうございます!

ではまたここから続きを投下していくであります!(ゲス顔)

ミカサは丸まったエレンを椅子にして、座ってみた。

エレン「?! 何すんだよ(顔だけ出した)」

ミカサ「エレンが出てこないので乗ってみた」

エレン「重いから、どけ……ぐはっ!(ゴス!)」

頭を、叩かれてしまった。

エレン「くそっ…分かったよ! 出るよ! ……ったくもう…(ブツブツ)」

ミカサ「思い出せたのなら良かった。もう、大丈夫よね?」

さあ! 続きを!

と、目を輝かせるミカサに、一歩分、引いてしまうエレンだった。

エレン「お、思い出したからといって、また、同じように出来るとは、限らんぞ…! その…あれは、酔っていたから、出来たんであって、今の俺に、同じ事を、要求されても、困る! 非常に困る!」

ミカサ「ふむ…(それもそうだ)」

エレン「あ、あの時は、調子に乗ってたんだ。本当に…その…やりたい放題やってしまったっていうか…」

ミカサ「? 別に謝る事では…」

エレン「で、でも…その…自重してねえっつーか…遠慮がなさ過ぎただろ、俺……(真っ赤)」

ミカサ「? 遠慮をする、必要性の方がないと思う」

エレン「そ…そうか?(〃ω〃)」

ミカサ「それにエレンは、酔っていても、始終、私を気遣ってくれた。最中も、痛がったら、すぐにやめて、別の方法を試したりした。本当に好き勝手にやる奴は、そんな事しないと、私は思う……ので…(グッド!)」

エレン「ぐは…! (丸印出された)」

親指と人差し指で、丸印を作ってドヤ顔されてしまった。

エレン「(逆に重圧(プレッシャー)になるなコレ)そ、そんなに期待すんなよ…つか、くそっ……心臓がやばい…」

ミカサ「ドキドキ…する?」

エレン「してる…すげえ…してる…」

ミカサは、エレンの胸に、耳を当ててみた。


ドクドクドクドク…


ミカサ「本当だ。私より、脈が早い……(ドクドクドクドク…)」

エレンの緊張がはっきり伝わってくる。

ミカサ「なら私が、最初はリードする」

エレン「え?」

ミカサ「私が、好きにエレンに触るから、途中で交代してくれればいい。どう?」

エレン「…………分かった」

そう提案されて、正直なところ、ほっとしたエレンだった。

そして、ミカサの唇が、エレンに重なり……

もう一度、舌で絡め合い、互いに快楽を探していった。

エレン「ん…はあ…」

ミカサ「ん……ん…」

舌を絡める音が長く続く。

布が擦れる音と、水音が、交互に部屋に響く。

エレン「あ……ん……ん……」

頭がだんだん痺れていく。

霞がかった、その世界で、自然と、二人は、両手を重ね合わせていた。

ミカサは、力強く、エレンの口の中を探る。

唾液が、口の端から零れて、落ちていくのにも気づかずに。

エレン(悔しいけど……リードされるのも、案外悪くねえな)

自身を預けて、相手に合わせるのも、思ったよりは不快ではなかった。

本当は、自分がミカサをリードすべきなのだろうけど、今はまだ、気恥かしさの方が勝って、うまく出来ないから、このままでいい。

ミカサ「エレン…気持ちいい?(トローン)」

エレン「ああ………(雫垂れてんぞ、オイ)」

ツッコミはとりあえず、仕舞っておくとして、エレンは、手でさっとミカサの口元を拭ってやった。

夢中で貪り過ぎていた事にようやく気づいたミカサだった。

ミカサ「ごめんなさい…」

エレン「いいよ、気にすんな」

そして二人はまた、目を閉じて、キスを続けた。

ミカサはエレンの乳首に手を伸ばし、もう片方は、エレンの下半身に手を伸ばした。

そそり立ったそこを、裏側から、責めていく。

エレン「う…ああ……(やばい…そこ、気持ちいい…)」

エレンが切なげな表情で、喘いでいく様に、ミカサも興奮を覚えた。

ミカサ「ここ……が、いいのね?(すごくヌルヌルしてる…)」

エレン「あ……うん!! そ、そこが…ああ!!(ビクン)」

ビクビクと、痙攣を続けるエレンに気を良くしたミカサは、それを思い切って、口に含んだ。

エレン「!!(まさか…おい!)」

二度目のソレを感じて、エレンは焦った。

エレン「ミカサ…おい、ちょっと…それは…やりすぎ…!」

ミカサ「ほうして? (どうして?)」

エレン「だって…ああ…あああ! (いかん、抵抗出来ん!)」

ミカサは2回目なので、前回よりもコツを得ている。

吸い上げる力に、緩急をつけながら、喉の奥も使って、エレンを支配する。

エレン「ひっ……あっ……ああ……(まずい! イク……!)」

ミカサの舌使いに、自分でも情けないくらいに、呆気なく果てた。

エレン(……は、早すぎる)

自己嫌悪に陥って動けないでいたら……

それを、ミカサはなんと……

ミカサ(ごっくん…)

エレン「! (今、ごっくんって…!)」

どうやら、出したものを吐き出さず、飲んでしまったようだ。

エレン「おいミカサ! 飲むなよ!」

ミカサ「ん? んー…ごめんなさい」

ミカサは確信犯のようである。ニヤリ。

エレン「……くそっ…あんまうまくねえって言ってたくせに」

ミカサ「確かに、美味しくはないけれど……慣れれば飲めない程ではない……エレンのだし」

エレン「(か~っ)慣れんの早すぎるだろ…(嬉しいけどさ……)」

ミカサ「ふふっ……でも一応、口の中はゆすいでくる」

そう言って、ミカサは一度、ベッドを離れた。

エレンの息子は、今は落ち着いている。

エレン「はあ…はあ…はあ…(あー結構、きついなコレ)」

息がまだ、完全に整わない。

一度、イってしまったせいで、少し体がだるくなってきた。

エレン(いや、寝るな。まだここで終わりじゃねえし)

本番を前にして、既にバテている自分を叱咤した。

ミカサ「ただいま、エレン(ストンッ)」

エレン「お、おう…(お、なんかこの座り方、可愛いな)」

ミカサはエレンの目の前で、ぺったんと女の子座りをしている。

エレン(…………あ)

それを見た瞬間、また、息子がピクッとちょっぴり反応した。

エレン(まだまだ元気だなあ……俺の息子は)

2回目も、どうやら問題なさそうである。

ミカサ「少しは、緊張も、解れた?」

エレン「そう…だな」

手の震えは自然と消えていた。

少し慣れてきたようだ。

だから、だろうか。

ミカサを見ていると、つい、悪戯心が芽生えてしまった。

エレン(じ~~~~っ(半眼中))

ミカサ「? (どうしたの……かな?)」

エレン「み…ミカサ、あの…今、思いついたんだが」

ミカサ「何?」

エレン「嫌だったら、断ってくれ。実は、やってみたい事がある」

ミカサ「? 何?」

エレン「紐で、ミカサの両手首を後ろで縛って、ヤってもいいか?」

ミカサ「……? いいけど」

あっさり了承したミカサに、エレンは小さくガッツポーズをした。

コニーから渡されていた紐を鞄から取り出して、エレンはいそいそと、ミカサの手首を後ろで固定した。

両胸が強調されて、実に眺めがいい。

ぺったんこの女の子座り+後ろで両手首の拘束。

という、ちょっと変態チックな構図に、エレンのテンションは斜めに急浮上した。

エレン(すまん! ミカサ! 正直…萌える!)

なんかこのポーズだけで、パンを3個食べられる気がする。

(*ご飯三杯の意味と、同じと思って下さい)

ミカサ「…? (私、別に抵抗なんてしないのに、どうして手首を縛られたんだろう?)」

意味が分からず小首を傾げる様が、実に良く似合った。

エレンはそのまま鼻血を出して、それをしばし眺めて堪能した。

ミカサ「(ギョッ!)エレン! 鼻血出てる…!」

エレン「あ? (本当だ)いいんだ。今、俺、幸せだから」

ミカサ「??? でも、拭かないと……」

エレン「ああ…そうだな(トントン)」

鼻血が止まるよう、上を見上げる。そしてちり紙を鼻に詰めて、エレンはミカサを緩く抱きしめた。

エレン「さすがに亀甲縛りは、俺には出来ねえけど……これでも十分、可愛いぞ、ミカサ」

ミカサ「? 亀甲縛りって何?」

エレン「(しまった、いらんこと言った)知らんでいい。それじゃこのまま…触るぞ」

ミカサ「う…うん…(後でアルミンにも聞いてみよう)」



その頃、アルミンは遠くでくしゃみをしていた。



エレンは何処か吹っ切れた様子で、ミカサに甘噛みするように、体のあちこちを舐めては、噛んでいた。

勿論、キスマークをつけるのも忘れない。

ミカサ「あ……(ビクン…)」

乳首にたどり着いた時、エレンは容赦なく、それに吸い付いた。

ミカサ「ああん…! (や…前より、気持ちいいかも)」

胸を突き出すようにしているせいで、感度が上がっている。

先端の刺激が、以前にも増して、ミカサの体を支配していった。

ミカサ「はあ…はあ…エレン…もっと…吸って…!」

エレン「ああ! (これ、いいなあ)」

ミカサ「ああん…! もっと…! はあん!」


ちゅぱ…ちゅぱ…


唾液が、胸の谷間を伝い、滴り落ちていく。

汗の塩味が、舌の上で踊る。

エレン「そうだ…」

また、何か思いついたのか、エレンは一度、口を離した。

エレン「悪い、ミカサ。俺、ちょっと買ってきたいもんがあるから、部屋出るわ。このまま少し待っててくれ」

ミカサ「え……? (こ、このまま…?)」

エレンはズボンを着直して、服を整えて、部屋の外に出て行った。

ミカサ(放置……された……(゚д゚lll))

ちょっぴり悲しかったが、今、この状態で待っているという背徳感に、ドキドキしている自分もいる。

もし、今、誰か、エレン以外の人間がうっかり入ってきたらと思うと…とんでもなくヤバイ気がする。

ミカサ(…あう。私、何てことを)

こういうの、何て言うんだっけ?

エレンに聞けば分かるかもしれない。(*放置プレイです)

エレン「悪い。遅くなった」

そして5分後くらいに、エレンは息を切らせて戻ってきた。

エレン「売ってあって良かったよ。残り一個だけだったけど、あったぜ。バターが(ほら)」

ミカサ「バター? パンにつけて食べるバターを買ってきたの?」

パンがなければ、バターの意味がない気がするが……

それは2センチ×2センチくらいの大きさの小さなバターだった。

これだけでも、結構な値段はする筈だ。

ミカサ「食べるの?」

エレン「ああ! ミカサのおっぱいに塗って、食べる!」

ミカサ「え……えええ?! Σ(゚д゚lll)」

バターの包装を剥ぎ取って、エレンは欠片を指で広げて、ミカサの胸に塗りつけていった。

ミカサの体の熱で次第に溶けていくそれは、滴り落ちて、腹の方まで流れている。

正直言って、ちょっと気持ち悪い。

ミカサが反応に困っていると、エレンは嬉しそうに、

エレン「いただきまーす♪(手合わせ)」

ミカサ「あ…エレン!! (まさか…こんな…!?)」


ぬるぬる……

ちゅぱ…ちゅぱ…


ミカサ「!! (ちょっと…ああ!)」

エレン「美味い…塩味と合う。うん」

ミカサ「ああっ…こ…こんな…ああ…!!」

混乱と羞恥心の間でミカサは震えた。

エレンがまさか、こんな斜め上の行動を起こすなんて思わなかったのだ。

ミカサ(嫌じゃないけど…嫌じゃないけど…はう…!!)

ビクビク…ビクビク…!!

体は正直だ。嘘は付けない。

こんな変態プレイに、ゾクゾクしている自分がいる。

ミカサ(私…どんどんエレンに改造されてる気がする…)

もう、こんな快楽を知ってしまっては、他のことでは満足できない気がする。


ぬるぬる…

ちゅぱ…ちゅぱ…


腹の方にも脂が流れているので、そこも綺麗に舐め取っていく。

腹筋の溝の間に溜まったそれを吸い付くように取っていく。

ミカサ「ああ…ああああ! (そこも気持ちいい!)」

エレン「お? ここも案外、反応いいな。ちょっと意外」

ミカサ「はあ…はあ…」

ミカサはもう、涙目で何も言い返せない。

エレン「腹筋もそうだけど……骨盤と、腹の間もいい感じだな」

ミカサ「ああん! (ビクビク)」

エレン「このへんって確か、神経が沢山通ってるって、父さんが昔言ってたもんな……真面目に話を聞いてて良かったぜ」

門前の小僧とはよく言ったもので、エレンは専門的ではないにしろ、そういう体の仕組みに関する知識を、幼い頃に父親から聞いていた。

それがいつか、調査兵団に入った時に役立つだろうと思って真剣に聞いていたが、別の意味でも役立つとは思わなかった。

ミカサ「ああ……あああ……(ビクン! ビクン!)」

溶け切ったバターを全て綺麗に舐めとり、エレンは口元を拭った。

エレン「あー美味かった。(ペロリ)ごちそうさま♪」

ミカサ「エレン……(酷い…)」

エレン「悪い。なんかこう、塩味と合うもん一緒に食いたくなったんだ。急に、な」

ミカサ「(なら仕方ない)あの…そろそろ」

エレン「ん…勿論、いくぜ」

エネルギーを補給したエレンは、そのままミカサを押し倒した。

エレン「この姿勢だと、痛いんだったよな。どうすっかなー。また騎乗位にすっか?」

ミカサ「何でもいいけど…」

エレン「いや、そうだなー…よし、バックをもう一回、してみるか」

ミカサをひっくり返し、お尻だけ自分の方に向かせる。

両手は縛られているので、自然と両肩と膝だけで体を支える羽目になる。

ミカサ(この姿勢だと、エレンの顔が全く見えない……)

騎乗位も、立ちバック(鏡越し)の時も、エレンの顔の様子が見えたので、安心して出来たが、この姿勢だとそれが叶わない。

その事が少し、不安になるミカサだった。

エレン「この姿勢で、いってみるぞ」


ズン…


ミカサの体に少しずつ入ってくる異物。

その熱い棒は、体に侵入する度にいやらしい音をたてた。

ミカサ(あ…ああ…)

何故だろう。

今は快楽よりも恐怖の方が優っている。

震えているミカサに気づいて、エレンは「痛いか?」と気遣った。

ミカサ「痛くはないけど…」

エレン「けど?」

ミカサ「………」

どうしよう。言うべきか、悩む。

エレン「言ってみ? 怒んねえから」

ミカサ「あの……その…」

エレン「ん?」

エレンはミカサの言葉を優しく待っている。

ミカサ「エレンの……顔の様子が全く見えない……ので、この姿勢はあまり……良くない……かもしれない」

エレン「……なるほど」

エレンはすぐに承知して、挿入をキャンセルした。

エレン「俺の顔がちゃんと見える方法で、ヤリたいんだな(ニヤリ)」

ミカサ「………ごめんなさい」

エレン「ん? 別にそれは謝ることじゃねえよ。むしろ嬉しいし」

ミカサ「そうなの?」

エレン「ああ! ちゃんと嫌なことは嫌だって言っていい。俺、いつも言ってるだろ? 嫌だったら、断れよって」

そのせいで意見がぶつかる時もたまにあるが、そういった信頼関係があるというのは嬉しいことなのだ。

エレン「よし、他の手を考える。やっぱもう一回騎乗位で……」

ミカサ「あのね、エレン」

エレン「ん? 何?」

ミカサ「一度失敗してしまった姿勢、あるでしょう? アレをもう一度だけ、挑戦させて欲しい」

エレン「え…でもアレ、相当痛いんだろ? 無理するぞ?」

ミカサ「でも、アレが一番エレンの顔を見れるから……したいの」

正面で向かい合ってするのだから、確かにその通りではあるが……

エレン「……分かった。だったら、もう紐は解く。必要ねえし、邪魔になるからな」

するする…と紐を全て外して、挑戦することになった。

エレン「出来るだけ、ゆっくりいくぞ。もう無理だと、俺が判断したら、その時点で中止する。それでもいいな?」

ミカサ(こくり)

エレンは、ゆっくりと、ミカサの両足と、太ももの裏側から持ち上げるようにして、支えた。

最初の挿入の時点で、ミカサの表情はかなり曇っていたが、エレンは構わず、一度ぐっと押し込んだ。

ミカサ「……! (痛い)」

エレン(でも何でこの姿勢だと痛がるんだ? 一番やりやすい体勢じゃねえのかよ)

疑問に思いながらも、エレンは入れてから暫くは動かないようにする。

ミカサの体が落ち着くまで、辛抱強く待ってみる。

その間、暇なので、エレンは乳首を弄って遊んでみた。

ミカサ「あ………」

その途端、朱に染まる、ミカサの両頬。

そして、動く、子宮。

きゅっと締め付ける感覚に、エレンは気を良くして、乳首を手で弄り続けた。



ミカサ「ああ……!」



その時、ミカサに変化が起きた。

まるで、エレンの形に合わせるかのように、子宮が大きく動いたのである。

エレン(………?!(ゾクリ))

なんだ…? 今のは。

騎乗位とも立ちバックの時とも、微妙に違う。

その感覚を、言葉に表す力を、エレンは持ち合わせていなかった。

エレン(うまく言えねえけど…なんか急に、締めつけが強くなった?)

そう感じるのも無理はない。

元々、子宮というのは、柔軟性を持っている。

子を一人、腹に宿せるのも、その柔軟性があってこそだ。

ただ、その形は、個人差があり、正常位が一番やりやすい人もいれば、逆にバックの方がいいという人もいる。

通常、その形に合わせて性交をするのが一番良いが、ちゃんとならしていけば、それ以外の体位でも出来なくはない。

それくらい、女性の体は本来、応用がきくようになっているのだ。

(むしろ、その応用力がなければ、到底出産など出来ない)

エレン(このまま動くより、少しミカサを弄ってみるか)

挿入した姿勢のまま、エレンは再び、ミカサの耳元に唇を寄せて囁いた。

エレン「ミカサ……大丈夫か?」

ミカサ「ああ…!(ビクビク)」

エレン「まだ動かない方が良いみたいだな。このまま少し話そうか」

ミカサ「はあ…はあ…(うっとり)」

エレン「(可愛いなあ)……ミカサがこの体位がいいって言った意味、少し分かった気がするぞ」

ミカサ「え? (はあはあ)」

エレン「思う存分、ミカサの顔、見れるもんな。うん…苦労しても、こっちにして良かったぜ」

ミカサ「うん…(はあはあ)」

エレン「にしても本当、不思議なもんだよなあ」

ミカサ「え? (はあはあ)」

エレン「女の体って、精神と直接繋がってるって話……ミカサが席外した時に、医者から聞いた話なんだけど、女は男より100倍、面倒だって言われたんだ。精神の影響が、男とは全然違うって」

ミカサ「うん…でも、確かにそうだと思う」

息を整えて、ミカサは言った。

ミカサ「私だけじゃない。きっと、女であれば、皆、そう。心が満たされないと、何も出来ない。でも逆に言えば、満たされれば、何でも出来るって思う」

私は、エレンがいれば何でも出来る。

そう、心の中でだけ、ミカサは呟いた。

ミカサ「一度目は無理って思ったこの姿勢も、二度目は出来たのがその証拠……やっぱりこっちにして良かった」

エレン「もう、動いても、大丈夫そうか?」

ミカサ「ゆっくりお願い」

エレン「分かった…」

小波のような、静かな、前後運動だった。

彼らは寄せては返す、海の存在を知らないが、その原始的な情報は体の中に宿っている。

本能が教えてくれる。

今、すべきことを。全て。

エレン(…………滅茶苦茶、気持ちいい)

前回、挿入した時の比ではなかった。

しっとりとくっつく様な、柔らかい暖かさに離れたくないと思ってしまう。

エレン(なんでこんなに気持ちいいんだろう……)

それは、賢明な方ならば、この時点で気づいているだろう。

エレン(あれ? 俺、何か……忘れているような………)

実は今回、ある工程を、エレンは省いてしまっている。

それに気づいたのは、正常位の体位になって、腰を動かして暫く経った……その時だった。

エレン(ああああああ!! しまった、俺!)

調子に乗って、ゴムをつけ忘れて、ミカサと性交していた。

その事に今頃ようやく気づき、青ざめるエレンだった。

エレン(受け取ったゴム、どこ置いたっけ?)

ベッドの上をキョロキョロ探し、枕元に放置していたそれにようやく気づいた。

エレン(やべえ! 一旦、抜くしかねえ!)

エレンは一度、離れようとしたが、ミカサが両足でそれを防いだ。

ミカサ「エレン…どうしたの?」

エレン「すまん、ミカサ…さっき貰ったゴム、つけ忘れてた」

ミカサ「え?! Σ(゚д゚lll)」

エレン「バックで挿入する時に前もってちゃんとつけるべきだった。悪い。一回抜いていいか? つけてから、もう一回入れ直す」

ミカサ「え? え? じゃあまさか…私…」

エレン「本当にすまねえ! 中には出してないけど…このままだと、まずい、だから、抜かせてくれ!」

わたわたするエレンを、ミカサは複雑な心境で見つめていた。

ミカサ「私、今ので、子供出来ちゃったのかしら」

エレン「中には出してない! 出してないから…大丈夫…(多分)」

ミカサ「でも、エレンの透明な液の中に…もしかしたら、ちょっとくらい、混じっている可能性も…」

エレン「(ギクッ)ない! 大丈夫! 信じろ!」

実はほんの少しだけ、可能性はあるにはあるのだが、ここでエレンはその事を伏せた。

ミカサを騙したとも言う。

エレン(すまん…ミカサ。実は本当は今のでも、可能性が全くないわけじゃない。でもここでそれを言うと、もう続きが出来んだろ)

エレン、サイテーという声がどこからか聞こえてきそうである。

しかし、エレンもやはり男であった。

ここまで来た以上、最後まで成し遂げたいのである。

エレン「よし! 完了! これで続けられるぞ!」

エレンは再び、ミカサの中に入った。

もう、ミカサは痛がらなかった。

ゆっくり、腰を動かす。

優しく、気遣いなら。

ミカサ「エレン……(はあはあ)」

エレン「ミカサ……(はあはあ)」

キスを、しながら、腰をうねらせる。

うん。やっぱり、なんだかんだで、オーソドックスなものが一番いい。

ミカサ「あ…ああん!」

ミカサの背中が、弓のように一度、反り返った。

狩人は獲物を逃がさぬように。

狙いを定める。



ミカサ「はあ…ああ…あああああ! (エレン…!)」



少しずつ、速度を上げていく。

駆け抜ける、快楽を追う。

もう、あと少し…。

狙いを定める。



エレン「ミカサ…!」


放たれた快楽の矢は、ミカサの全身を貫いた。

その日、エレン=イェーガーは、その名に恥じぬ名手となったのである。



ミカサ「はあはあ……」



一度、自分のものを出し切って息を切らす。

事が終わった後、暫くの間、エレンはミカサを緩く抱きしめていた。

エレン「大丈夫か? ミカサ…」

ミカサ「うん…(*´∀`*)」

ミカサの満面の笑みを見ていたら、何故かすぐ、また下半身が復活した。

エレン(……あれ?)

復活、二度目である。

おかしい。酒が入ってヤった時は、ここまで元気にならなかったのに。

エレン(………どうしよう(;´Д`))

一度、抜いた方がいいかもしれないが、まだ、抜きたくない。

ミカサは少しうとうとしているようだ。

エレン「眠いのか?」

ミカサ「少し…」

エレン「ミカサ…あと、一回、ヤレるか?」

ミカサ「え…? もう終わりじゃないの?」

>>197

訂正


エレン「はあはあ……」

セリフ間違えた。
まあ、ここはミカサでも間違いではないんですが、
こっちのつもりで書いてました。すみません。

エレン「悪い。一度イったのに、またすぐ復活しちまって…もう一回、イキたくなってきた」

ミカサ「そう…なの?」

エレン「でも、ミカサがきついならここでやめる。どうする? 寝るか?」

ミカサ「……………」

体力的には、問題ない。

少し眠いだけだから、気合を入れ直す。

ミカサ「私は大丈夫。出来る」

エレン「よし、ならもう一回だけ、イクぞ!」

再びエレンは緩やかに、腰を動かし始めた。

ミカサ「あん……」

そう言えば、イった後にすぐもう一回おかわりをすると、その比ではない快楽がやってきたことを思い出す。

しんどさは二倍になるが、あの時の事を思い出して、ミカサの全身は震えた。

ミカサ「あ……ああああああ!!(やっぱりまたキタ!)」

立ちバックの2回目を思い出しながら、ミカサはまた、イってしまった。

ガクガクと、両足を震わせて股間がぐちゃぐちゃになる感覚を味わう。

エレン「ミカサ…!!」

しかしエレンはまだイケなかった。

ミカサの締め付けと共にイキたかったのに…。

エレン(何でだ…? くそっ…何で、こうもおさまらない…?)

酒の入っていた時と、勝手が違う。

その事に戸惑いを隠せないエレンだった。

ここで賢明な方なら、察して下さるだろう。

そう、酒の力というのは、理性は緩ませても、精力自体は少し減退させることもある。

勃起する力が弱まったり、イキにくくなったりすることがあるのだ。

エレンは若いので、さすがに勃起不全になることはなかったが、それでも、本来可能な勃起の回数が弱まっていたのだ。

つまり、素面の今の彼が本来の力である。

ぶっちゃけると……結構、彼は絶倫だったのである。

エレン(どうしよう……ミカサはもうイっちまってるのに、ぜんぜんおさまらねえ)

ミカサ「はあ…はあ…」

エレン「すまん! ミカサ! まだイケないから、もう少し続けていいか?」

ミカサ「う…うん…(まだ…続くのか)」

エレン「次こそはイクから…! 我慢してくれ!」



グイッ…!



ミカサ「はあん…! (もう…何が何だか)」



ミカサは、乱れに乱れた。

多分、これ、ミカサでなかったら、

普通の女性だったら、キレでもおかしくはない、と思う。

何故なら、この後、ミカサは続けて3回もイカされたからである。



ミカサ「ぜーはーぜーはー…(股がヒリヒリしてきた)」

ヤリ過ぎて、擦れて、股が痛くなってきた。

その間、エレンも2度イったが、まだ、おかわり出来そうである。

エレン(ちょっと待ってくれ…なんでだ?! おかしいだろコレ?!)

ゴムをつけているとはいえ、何度も同じゴムでイってヤルのはあまり宜しくない。

本来なら、イク度に新しいゴムに付け替えるのがセオリーなのだが、今のエレンには、そこまで余裕はない。

故にエレンは、次の挿入時にその悲惨な状態にやっと気づいた。

エレン(ご…ゴムが…!)

遂には、ヤリ過ぎて、コンドームが外れてしまった。

もう、許容量を超えてしまったのである。

エレン(……がっくり)

もうその辺でやめとけよ! と何処からか聞こえてきそうである。

エレンはすっかり落ち込んで、ゴムの口を縛ってゴミ箱に捨てた。

ミカサ「あ…! (ゴミにしちゃダメ…!)」

後で回収しようと思ったミカサだった。

エレン「くそっ…ヤってもヤってもキリがない。こんな感覚、初めてだ」

若さ故の悩みであった。

十代の性欲の力を舐めてはいけない。

エレンは計4回、連続でイケたが、すごい奴はもっとイケる奴も世の中にはいる。

ミカサは続けてイカされたせいで、体に力が入らなかった。

少し眠れば、またヤれるとは思うが……

ミカサの目が閉じかけているのを見て、エレンはもう諦めた。

エレン「悪い…ミカサ…もう無理だよな」

ミカサ「まだ、続けるの…?」

エレン「………いや、もうやめよう。 これ以上続けたら、ミカサの身が持たない」

ゴムもないし、この辺りでやめるべきだとエレンは思った。

しかし、ミカサはエレンに手を伸ばした。

ミカサ「エレンが続けたいなら…ヤる…(フラフラ)」

エレン「?!」

ミカサの根性に、エレンは不覚にもキュンとしてしまった。

エレン「でも…ゴムがもう…」

ミカサ「ゴムがなくてもいい…中に出さなければ、いいんでしょう?」

エレン「! (しまった、さっきの嘘を信じてやがる)」

エレンは自業自得だと思ったが、ミカサの誘惑にぐらついた。

エレン(いや、ダメだって! 確か、危険性が全くねえわけじゃない…!)

ああ…でも…!!

くそ…ヤリたい…!!

熱がおさまらない…!!

エレン(ごくり…)

エレンはその誘惑に身を焦がしそうになった。


その時……


エレン「……?」

ミカサの股の間から、赤い血が流れているのに気づいた。

エレン「え?」

まさか、処女膜が破れた?

え? でも今回で3回目だよな?

だったらもう破れているから違う筈。

エレン「ミカサ、おまえ、血が出てんぞ」

ミカサ「え?!」

ちょっと休憩挟みます。
続きはまた今度。またね~ノシ

ミカサは自分の股に触って確認した。

ミカサ「本当だ。もしかして、生理が今、きちゃったのかも…」

エレン「ええええ?! Σ(゚д゚lll)」

ミカサは股がヒリヒリしているので、そこから出血している可能性も考えたが……

流れている血の塩梅を見れば、ただの出血か生理の血であるかの判別くらいは出来るので、恐らく感覚的には後者だと思った。

ミカサ「ごめんなさい…多分、そうだと思う。どうしよう…」

エレン「だったらもう、ここでお仕舞いだな(やれやれ)」

一気に頭が冷えてエレンは息をつく。すると、ミカサは困ったように、

ミカサ「違うの。生理の時に必要なもの…全然、持ってきてない」

エレン「!! (ええ…そっち?!)」

どうしよう、の意味が違ったことに驚き、エレンは、えええええ(´Д`;)とした顔になった。

エレン「…………」

ミカサは動けないので、やるしかない。

エレンは深呼吸して、どうにか気を落ち着かせると、財布の中身を確認して、ミカサにキスをした。

エレン「俺が必要な物買ってくる。ミカサは休んどけ」

ミカサ「本当にごめんなさい……(´・ω・`)」

エレン「仕方ねえだろ? 行ってくる」

バタン…。

そしてミカサはエレンを待つ間に、眠りに堕ちてしまったのである。






それからミカサは暫く寝込んでしまった。

3ヶ月ぶりに訪れた生理は、その反動が大きく、出血の量も多くなってしまったようで、ミカサは貧血状態になってしまったのである。

エレン「…………」

その間、エレンは何も出来ることがなかった。

ベッドに潜り込んだ、ミカサを見守ることくらいしか。

ミカサ「エレン…ごめんなさい。本当に…ごめんなさい」

エレン「いや、謝んなって。こればっかは、どうしようもねえよ」

きっと神様が止めてくれたのだと、エレンは思った。

あのままだったらきっと、理性が飛んで、確実にぶち込んでいたと思う。

ミカサの中に、己の欲望の全てを。

エレン(にしても俺って、こんなにひどいスケベ野郎だったのか…知らんかったわ)

自分で自分にツッコミを入れてしまうエレンだった。無理もない。

今まで抑圧していた分、反動が酷くなり、止められなくなったのである。

むしろ今までよく我慢したと言える。

ミカサ「ううう……生理さえこなければ……こなければ……」

エレン「無事にきたってことは、ミカサがちゃんと女である証拠じゃねえか。俺は嬉しいぞ、うん」

これで一安心である。とりあえず、今は。

エレン「………(←手で口元を隠す。笑みを悟られないように)」

エレンは青ざめて顔色の悪いミカサを見つめながら、不謹慎なことを思ってしまった。

……………正直、この姿も可愛いと。

エレン(弱ってる相手に対して思うことじゃねえけどな)

なんというか、守ってやりたくなる。そういう感じである。

久しぶりのこの感覚は、懐かしくもある。

エレン(そうだ…小さい頃、うちに来たばっかの頃のミカサを思い出すな)

家に慣れるまでは、ミカサは時々熱を出したり、体調を崩すことも多かった。

やはり、精神的な疲労が彼女を蝕んでいたのだろう。

半年位は体調を崩す度にミカサにつきっきりだった気がする。

そういう時はいつも、頭を撫でたり、添い寝をしてやった。

あの頃は本当に純粋に、ミカサを守ろうと思っていた。

エレン(…………)

いつからだったっけ。

ミカサをそういう意味で見れなくなったのは。

欲情を心の中に宿すようになったのは。

エレン(…………)

体の成長と共に、ミカサの容態も落ち着き、次第に元気になっていた彼女が、だんだん自分より強くなっていったから………だろうか。

守る立場から守られるようになってから、反発心が生まれるようになった。

ミカサは常にエレンの世話を焼きたがり、放っておくと、寂しがるようになった。

エレン(……そうか)

寂しがるミカサを見て、ムラムラしたのを、思い出した。

多分、それが初めての欲情。

エレン(俺は……ミカサの涙に弱いんだ)

昔一度、あんまりひっつくミカサに嫌気がさして、彼女を騙して少しの間だけ、一人ぼっちにさせた事がある。

その後、泣いて怒って寂しがったミカサに、弱った自分は、目元にキスをして泣き止ませた。

それが初めての触れ合いだった。

その時は、その感覚が分からなかったけど、それ以降、ミカサが泣いて面倒な時は、頬や額にキスをしたら泣き止むようになったので、よくそれを利用した。

……そしてだんだん、それがまずい事だと後で知ったのだ。

だからよけいに触れ合うことを怖れるようになった。

エレン(…………)

これからどうっすかな……と、エレンは思った。

もう、一線を越えてしまった以上、今までのような家族としての関係とは言えない。

本来なら、これは恋人同士ですることなのに。

でも、今更、そういう関係になろうなんて、言えない。

そんな残酷なことはとても言えなかった。

調査兵団に入れば、命の保障なんてどこにもないのだから。

ずるい、と思った。自分が。

でも、仕方ないとも思った。

一線を越えた今でも、自分の気持ちは変わらないのだから。

エレンはミカサの隣に滑り込み、ミカサを抱き枕にして寝ることにした。

ミカサ「エレン?」

エレン「俺もちょっと寝かせてくれ…」

ミカサ「うん…一緒に寝よう、エレン」

エレン「おやすみ…ミカサ」

チュッ…

額にキスを落としてそのまま眠りにつく。

エレンは今はもう、何も考えたくなかった。

ただ、この温もりだけを感じていたかった。

そんなエレンを見つめながら、エレンが眠りに落ちるまで見守った。

意識が落ちて、寝返りをしたエレンに、後ろから顔を寄せる。

ミカサは彼の首筋に、一箇所だけキスマークを残した。

本人が気づかないような、その場所に。

ミカサ「……………ありがとう。エレン」

その温かい思いを込めながら。











ジャン(…………予定より遅いな)

聞いていた話だと、二週間の予定だったのに、3週間経った今日、まだミカサ達は帰ってきていない。

ジャン(………何かあったんかな)

ミカサの回復が思った以上に遅いのだろうか。

心配で心配で仕方がない。

ジャンは男子寮の中で、何度もぐるぐる同じ場所を歩き回っていた。

コニー「ジャン、いい加減諦めろよー。試験前までには帰ってくるって。そろそろ就寝時間だし、寝る準備しようぜー」

ジャン「………そうだな」

ジャンはここ最近、ずっと寝不足だった。

布団に入っても、ミカサとエレンのことが気になって仕方がない。

あの二人のことだから…きっと…

旅先できっと……

ジャン(くそおおおおお……エレンの野郎おおおおお!!)

もう、泣くしかない…。

と、ジャンが枕を濡らしていたその時……




エレン「ただいまー」



エレンが、就寝時間の直前に男子寮に戻ってきたのである。

ジャン「!! (帰ってきやがった!!)」

アルミン「エレン、お帰りー。予定より長く滞在してきたんだね」

エレン「おー。(テカテカ)」

アルミン「うわっ…エレン、なんか肌が以前と違って輝いてるよ?! 何があったの?!」

エレン「……温泉の力ってすげえよ、うん」

アルミン「そうか…温泉のおかげで、エレンも綺麗になっちゃったんだね。(何だか凄く悟ったような表情なのは気のせいか?)」

エレン「………すっげえ楽しかった(ボソリ)」

ジャン「!!! (な、なんだと…?)」

エレンの呟きに、ジャンの堪りかねた嫉妬は爆発した。

ジャン「この羨ましい…!! (エレンの胸ぐら掴む)」

まあそうなるわなw
期待

エレン「(遠い目)………」

アルミン「やめなよ! ジャン! エレンも、ぼーっとして! どうしちゃったの?!」

エレン「悪い。うん。なんかもう…いろいろありすぎて、正直、どうしたらいいか分からん。とりあえず、寝るわ。あ、これ、アルミンと、コニーと、他の奴らの土産だ。適当に食ってくれ」

と、言って、エレンは温泉たまごと、他適当なお菓子を皆に渡してジャケットを脱ぎ捨て、そのままベッドに突っ伏したのだった。

うつむきで眠るエレンに布団をかけてあげなら、アルミンは気づいた。

アルミン(あ…首の左側の襟元に、キスマークが付いてる。なんだ。ちゃんとやる事やってきたんだね、エレン」

アルミンは笑った。

そういう結果になるかもしれないとは思っていたけれど、それが叶うかどうかは五分五分だと思っていたので、良かったと思った。

ふふっと悪い笑みを浮かべてエレンのお土産を漁るアルミンだった。

アルミン「おお…見たことのないお菓子だ。『くろまめようかん』と『かぼすなっつさぶれ』か。変わった名前だなあ」

なかなか美味なお菓子にありついて、夜にも関わらず、皆一斉にお菓子を食い漁った。

コニー「この温泉たまご、なんかあめえんだけど……思ってたのと違うなあ」

コニーが食べているのは「温泉たまご」という名前のお菓子であった。

アルミン「けっこう、いろんなお菓子があるね。ユフイン村は観光名所だったんだろうか」

ジャン「……………ふん(どーでもいい)」

お菓子を食いながら、しょっぺえなあと思っていたジャンであった。






次の日の朝、アルミンは早速、起きたエレンにこう言った。

アルミン「エレン、暫くはマフラーか、ハイネックの服を着たほうがいいよ」

エレン「は? 何で」

アルミン「(小声)首の左側、少し赤くなってるよ」

エレン「!! (嘘?! いつの間に?!)」

エレンは真っ赤になって首を触る。その反応で、アルミンは確信した。

アルミン「そっかー…おめでとう。エレン」

エレン「な、なにが? 何の事だよ?」

アルミン「え? 言った方がいい? 遂にミカサとヤった……」

エレン「!」

エレンはアルミンの口を塞いで慌てて「しーっ!」と言った。

アルミン「(クスクス)言わないよ。大丈夫。良かったね。やっと君達、素直になれたんだね。僕も嬉しいよ」

エレン「………なんか正直、成り行きでヤっちまっただけな気もするけどな(ズーン)」

>>208
ジャンのことですか?
それともエレン(テカテカ)?

まあどっちもかな?(笑)

>>209

訂正

アルミン(あ…首の左側の襟元に、キスマークが付いてる。なんだ。ちゃんとやる事やってきたんだね、エレン)

かっこ間違えた。アルミンの独白です。
かっこの間違いが多いなあ…すんません。

アルミン「まあいいじゃないか。結果オーライだよ。で? 滞在が長引いた理由を、僕には教えて貰えないのかな? ん? (ニヤニヤ)」

エレン「……あー実はな」

エレンはそこで、滞在が長引いてしまった大きな理由を、アルミンに簡潔に伝えた。

その意外な内容に、アルミンも驚きを隠せなかった。

アルミン「え? ……つまり、その…ミカサは3ヶ月ぶりに生理がきちゃって、そのせいで帰るのが遅くなったってこと?」

エレン「ああ…まさか俺もそういう展開になるとは思わなかったんだよ」

エレンは言った。ミカサの怪我自体は2週間できっちり完治したが、3回目の性交を終えた後、何故か急にミカサの生理がやってきてしまったのだと。

久しぶりのソレのせいで、ミカサは貧血でグロッキー状態になり、回復を待ってからでないと帰還出来なかったのだ。

エレン「ミカサが寝込むなんて久しぶり過ぎてビビったわ。でも、母さんも生きてた頃は時々、ああやって寝込んでたから、多分アレが女の正しい形なんだろな」

アルミン「……そうだね」

男には全くわからない世界である。

アルミン「でも、ミカサらしいちゃらしいね。頑張りすぎて、そんな風になるまで気づかないなんて……本当、危なっかしいよ」

エレン「だろ?! アルミンもそう思うよな?! あいつ、人のこといろいろ言う前に、もっと自分のことを気にしろよ! って俺は言いたい」

エレンはそこで悔しそうに続けた。

エレン「今回の事は、その…罪悪感はあるけど、ヤっちまったせいで、ミカサのことをよく知れたから、結果的には良かったと思うんだ。つか、今回の事がなかったら、あいつ、絶対、もっと症状が酷くなっても、俺にその事言わなかっただろうし…早く気付けて本当に良かった」

エレンはミカサの事を本当に心配している。

そんな彼に対し、アルミンも頷いた。

アルミン「そうだね。こういうのを怪我の功名って言うんじゃないかな? エレンも、ミカサに対する気持ちを素直に出せたし、一件落着だね(やっと二人がくっついてくれて、本当に良かった…!)」

長年の胸のつかえが取れた気がしてアルミンがほっとすると……

エレン「ああ……俺は自分が生きてる限りは、ミカサが独立するまで面倒見るって決めてるからな」

アルミン(んんー? あれれ?)

なんか、おかしいな? 言ってる事が。

アルミン「え? ミカサが独立するまでって…つまり、どういう意味?」

エレン「そのままの意味だけど」

アルミン「いやいやいや、ちょっと意味分かんないよ?」

エレン「え……だから、いつかミカサも、大人になるだろ? その時まではって話だよ」

大人の階段を登らせた君が一体何を言ってるんだと、アルミンは思った。

アルミン「ごめん…さすがに意味が分からない。もう少し詳しく説明して欲しい」

頭に自信のあるアルミンが理解出来ないという珍事に、エレンも首を傾げた。

エレン「だから……ミカサが俺にべったりくっついてんのは、精神的に幼いからだろ。俺に依存してるって言ってもいい。ミカサは俺の方が子供だと思ってるみてえだけど……俺に言わせれば、逆なんだよ。あいつがあんな状態になっちまったのは、俺にも責任あるし……だから、せめてミカサが精神的に大人になるまでは、出来る範囲で面倒みてやろうと思ってんだよ」

まるで、自分の方が兄であるような口ぶりにアルミンはやっと合点がいった。

アルミン(あーうー…)

ただ、また嫌な予感も同時にする。

ツッコミたい。いろんな部分をツッコミたい…。

エレン「一線越えちまったのは、もうしょうがねえけど……だからと言って、それで関係を変えるってのも、俺には無理だ。俺はミカサを嫁には出来ない。だからいつか大人になったら、離れて暮らすこともありうると思うんだ。そういう先の事を考えた時、今のままのミカサだと、やっぱよくねえって思う。自然に変わる日が来るのが一番いいって思うけど……そういう日が本当にくんのかなあって思うこともあるし」

アルミン「………(ダメだ。ツッコミたい。でもどこから突っ込むべきだこれ?)」

エレン「なあアルミン。どうしたらいいと思う?」

アルミン(君達二人の関係を、さっさと夫婦という形に変更すればいいんじゃないかな)

戸籍の書類上の変更手続きを済ませりゃそれで全てOKである。

と、アルミンは思ったが、口には出さない。

それをする為には、越えなければならない壁が多すぎるからだ。

アルミン(体を繋げても、エレンの意識は尚変わらないのか。これは相当根深いものがあるらしい)

何がそこまで、そうさせているのか、アルミンには分からない。

多分それは、本人達にしか分からない何かがあるのだろう。

アルミン「ひとつ、聞いてもいいかな? エレン」

アルミンはどうしても気になる部分があったので、エレンに尋ねてみる事にした。

エレン「なんだよ」

アルミン「もしさ、将来、ミカサがジャンと結婚するって言いだしたら、君はどうするの?」

ジャン(ぶーっ!!!!)

こっそり二人の会話に途中から聞き耳を立てていたジャンは、陰で吹いていた。

アルミンはそれを横目で見ながら放置する。

アルミン「将来なんて、どうなるか、分からない。可能性のひとつとして、考えた時、君はどうするの?」

エレン「んーそりゃ、ミカサが選んだ相手がジャンなら仕方ねえかなあ…とは思うけど」

ちょっと、その未来を想像するのはさすがに難しかったエレンだった。

アルミン「だったら、ジャン以外の……例えば僕とかは?」

エレン「アルミンか! ジャンより断然いいな! アルミンになら、任せられる!」

ジャンよりもよほど想像しやすいと思った。

当の本人は陰でこっそり泣いていた。しくしくと。その場を退場する。

エレン「そうだな。ジャンよりアルミンの方がいいな! いっそ、一緒に暮らしてもいいくらい……」

アルミン「もし、そうなった時は、僕はエレンとは暮らさないよ」

エレン「え?」

アルミンは意外にもきっぱり拒絶した。

アルミン「夫婦になったら、さすがにそこは線引きさせて貰うよ。(勿論、僕も二人が夫婦になったらそうするつもりだ)でないと、夫婦になった意味がないじゃないか」

エレン「あ……そっか……悪い……」

アルミンはため息を混じえて言った。

アルミン「君のいう『独立』って、ミカサがいつか誰かと結婚するまでの間って意味にも僕には聞こえたけど……そうじゃないのかな? だとしたら、まだ独立出来てないのは、エレン、君の方だよ」

エレン「はあ?」

エレンは心外だと言わんばかりに顔を顰めるが、アルミンはここで大事な事を言った。

アルミン「ミカサが自分以外の誰かを最優先にする未来を、想像出来てないのは、エレン、君の方じゃないか。でなければ、僕とミカサと一緒に暮らす…なんて言葉は出てこないよ」

エレン「!!」

アルミン「ミカサが独立するってことは、今のミカサ……エレンの事を最優先にするミカサがいなくなるってことだよね? エレンに言わせると。だとしたら、それを想像した時、普通だったら、線引きすることを考えるよ。……それが大人の対応だと、僕は思う」

エレン「……(た、確かにアルミンの言う通りだ)」

指摘されるまで、気づかないなんて……。

エレンは、自分の言葉にショックを覚えていた。

キリ悪いけど、今日はここまで。続きはまた今度~。
アルミンがなんかズバッと言ったせいで、エレンもちょっと変化が訪れる予定。
あと、ジャンがちょっとだけ後で報われます(笑)。

そいではまた~ノシ

ガンバー
みてるよー

>>216-218

ありがとうー!
まあ、本当にちょっとだけなんですけどねw ジャンの出番があります。
では続きぼちぼち書いていきます。

自分は、ミカサに独立して欲しいと願いながら、

自分を最優先にしない未来のミカサを想像出来なかった。

このちぐはぐなパズルのピースが繋がっていないことは、分かる。

エレン「…………………」

エレンは酷く混乱していた。

アルミンの言葉が深く刺さり過ぎたせいで、すっかり青ざめてしまっている。

アルミン「(しまった…言いすぎた)エレン……ごめん、少し、言いすぎた。僕の言ったことは…その…気にしないで…」

エレン「いや、アルミンの言う通りだ。アルミンは間違ってねえ………」

エレンはアルミンの、はっきり自分の意見を述べる、男らしい部分が好きなのだ。

だからこそ信頼しているし、自分にとって、言いにくい事もちゃんと伝えてくれるという信頼があるからこそ、アルミンの言葉に耳を傾けられる。

エレン「俺は……俺自身も……ミカサに依存してんのか……?」

アルミン(家族としてなのか、それ以外のものなのか、そこが問題だけどね)

と、アルミンは思ったがそれ以上は言わなかった。

エレン「アルミン……家族って、何だと思う?」

アルミン「ん? (また哲学的なことを言い出したな)」

エレン「俺は、助け合って生きることだと思う。命をかけてでも、守りたい人のことだと思う。俺にとっては、そうなんだけど……アルミンはどう思ってるんだ?」

アルミン「僕は………」

エレンとほぼ同意であるが、アルミンは少し考えて、丁寧に言葉を選んだ。

アルミン「僕もエレンとほとんど同じだけど……それにひとつ付け加えるなら、僕は家族は『変わるもの』だと思っているよ」

エレン「変わる…もの?」

アルミン「うん…今は、僕達3人が家族みたいなものだけど、時が経てば、その形はいつか変わっていくことになると思う。それがいつになるかは、今は分からないけど」

エレン「…………」

アルミン「時間って、どんなに願っても、止まってはくれない。常に、同じものなんて、この世にはない。それは、時に残酷だけど、真実だ。変化は、いつか必ず訪れる。……5年前がそうだったように」

エレン「……ああ」

その通りだと、エレンは思った。

アルミン「何がきっかけになるかは、誰にも分からない。でも、『家族』もずっと、同じ形ではいられないと思う。もし、エレンが将来、誰かを好きになって、お嫁さんにしたい人が現れたら、別だけど……特にそういう人が思い当たらない時はもう、僕の個人的な意見になるけど、ミカサとずっとに一緒にいればいいんじゃないかな? それがどんな形になっても」

エレン「その時は、アルミンは一緒にいねえのか?」

アルミン「んー僕は、多分、将来、お嫁さんを貰うよ。好きな子なら………いるから」

……あくまで、そういう未来がくれば、の話だけど。

と、アルミンは心の中でだけ付け加えた。

今はまだ、エレンに伝えていないからだ。

自分もいずれ、調査兵団に入るつもりであることを。

エレン「ああ……(もしかして、あの子のことかな)」

思い当たる人物は一人だけいる。

背丈の小さい、金髪の子だ。

確か、ユミルと一緒によくいる子。

名前は確か……クリスタ、だったか。

あの子を、視線だけでよく追っているアルミンを見かけたことがある。

アルミン「いや、うまくいくかどうかは、全く分からないけどね! 失敗して、一生独身になりそうだったら、その時は、君達と一緒に住まわせて欲しいな」

エレン「当たり前だろ! そん時は一緒に暮らそうぜ!」

アルミン「ひどい! それって、僕が一生、独身になるって思ってるってこと?!」

エレン「え……いや、違うけどさ! ははは……悪い悪い! (ゝω・)テヘペロ」

エレンの顔が少し明るくなったので、アルミンも安心した。

アルミン「まあ…そんな感じだよ。ごめんね。変にエレンを悩ませてしまって…。僕の意見を押し付けた気もするけど……」

エレン「何言ってんだよ。アルミンが間違ったこと言う筈ないだろ? 俺もちょっとすっきりしたし、いいんだよ、これで」

アルミン「そう? なら良かったけど」

エレン「ああ…!」

エレンはアルミンに言われた通りにマフラーを巻いて、痕を隠した。

エレン「朝飯いくか、アルミン!」

アルミン「うん!」

そして再び彼らの日常が戻ってきた。

ミカサ「エレン、おはよう」

エレン「おはよー(あれ? なんかいつもと感じが違うな)」

エレンはすぐにその変化に気づいた。

エレン「ミカサー…お前、もしかして今、リップクリームつけてる?」

ミカサの唇がいつもより潤っていたのだ。

ミカサ「……うん(バレた。さすがエレン)」

エレン「唇、乾燥してんのか? んー…まあそういう時もあるか」

ミカサ「いえ…別に、そういう訳では…ないけれど…(ポッ)」

アルミンは「どうしてエレンは肝心なところに気づいてあげないんだろう」と思いながら黙って見守っていた。

すると、その時、朝飯を食べながら、ミカサは恐る恐る言ってみた。

ミカサ「え……エレンが………………………と言ったから」

エレン「ん? (←聞き取れなかった)」

ミカサ「エレンが『俺の女でいて欲しい』と言ったから、ちょっと頑張ってみようと思って」



エレン(ぶーーーーーーーーっ!!!!)

ジャン(ぶーーーーーーーーっ!!!!)



エレンとジャンは離れた席で二人同時にスープを吹き出した。

エレン「ちょっ……ミカサ! 盛るなよ! 『俺の』なんて、言ってねえよ!!」

ミカサ「いや、言った。エレンの心の声が、聞こえた(`・ω・´)キリッ」

アルミン(え? ってことは、『女でいて欲しい』の部分は本当に言ったんだ。へえーエレン、やるぅー♪)

アルミンは素早く洞察して心の中でククク…と笑っていた。

エレン「勝手に記憶を改ざんすんなよ!!」

エレンは真っ赤になってテーブルを叩いた。

エレン「つか、ここで言うな!! 皆にも聞かれただろうが!! (;゚Д゚)!」

アルミン「もう手遅れだと思うよ、エレン(超棒読み)」

ジャンがエレンの方を見て、メラメラと嫉妬の炎を燃やしていた。

ジャン「エ~~~レ~~~ン~~~!!! てめえ!! ちょっと表に出ろやごらあああ!!」

ミカサ「ジャン! エレンに乱暴しないで!!」

エレン「ミカサは先に飯食ってろ!! (←ジャンに引きずられてる)」

エレンはジャンに拉致られて、食堂の外に連れ出されてしまった。

ジャン「おい! どういう事だ? まさかてめえ…約束破ったのか? ああ?! どーなんだ?! (ギラギラ)」

エレン「約束…………ああ!! すまん! その事はすっかり忘れてたわ(いや、マジで)」

ジャン「!! てめくそっ! つーことは、マジか?! マジなのか?! 本当に、ミカサと……」

エレン「…………(遠い目)」

ジャン「返事しろよ!! この死に急ぎ野郎!! どっちなんだよ! ヤったのか? ヤらなかったのか?!」

エレン「…………………すまん。ヤった(しかも結構な数こなした)」

ジャン「んfsjkdんfk;sdbんfk;sdgんsdbgf;sdgfsg……!!!(言葉にならない)」

エレン「…………………………………わりぃ」

ジャン「謝られるとよけいにムカつくわ!!!! くそっ…そうか、おまえら遂に、付き合うのか」

エレン「…………………………………(ノーコメント)」

ジャン「おい、どうなんだよ。はっきりしろよ」

エレン「…………………………………((;´д`)うーん)」

ジャン「おい、ヤるだけヤっといて、まさか責任とらねえとかいうのか? お前、見損なったぞ! エレン!! てめえそんなゲス野郎だったのかよ!!」

エレン「おい、ジャン」

ジャン「ああ?! (キレ気味)」

エレン「前から思ってたけど、お前、ミカサの事が好きなんだよな? 女として」

ジャン「あ…ああ……(今更なんだよ)」

エレン「だったら、お前にとって俺って、ぶっ殺したくなるほど邪魔な存在なんじゃねえのか?」

ジャン「今すぐ本当に殺してやろうか…(歯ギリギリ)」

エレン「なのに、俺とミカサがそういう…恋人同士みたいな関係になってもいいのかよ」

ジャン「嫌に決まってるだろ!! Σ(゚д゚lll)」

ジャンは遂に本当にブチ切れた。

ジャン「でもな! ミカサは、エレン、てめえのことしか見てねえんだよ!! だったら、それがミカサの幸せに繋がるなら………俺には、何も出来ることねえじゃねえか……(もう泣きたい)」

エレン「いや……そうでもねえだろ」

ジャン「ああん?! (またキレ気味)」

エレン「ジャンにしか出来ねえこと、あるぜ」

ジャン「はあ?! 何言ってんだ?! んなわけ……」

エレン「これはミカサには秘密にしておいて欲しいんだが……」

そう前置きしてからエレンはジャンを真正面から見つめて言った。

エレン「俺にもしもの事があったら、ミカサの事、頼めるか?」

ジャン「………は?」

エレン「いや、だから、俺は前から言ってんだろうが。ここを卒業したら、調査兵団に入るつもりだって」

ジャン「………………」

エレンは、冗談を言っているようには見えなかった。

ジャン「は……敵に塩を送るつもりか? あー分かった。だったらさっさと、壁外調査に行って死んでこい。ミカサは、俺がその後にもらってやるよ」

皮肉を込めて、ジャンはエレンにそう投げつけるように言うと、エレンは何故か奇妙な事を言い出した。

エレン「本当だな? だったら、今から言う事、一回しか言わねえから、耳かっぽじって全部覚えろ」

ジャン「はあ? (何言ってんだこいつ)」

エレン「あいつの頭は出来るだけ毎日なでてやってくれ。あいつ、頭なでると、何故か知らんが、喜ぶんだよ。マフラーもよくずれてるから、その度に整えてやってくれ。急に泣き出す時もあるから、そん時は、額とか頬にキスしてやってくれ。あいつ、手が冷えやすいから、冷たい時は握って温めてやってくれ」

ジャン「…………(゚д゚)ポカーン」

エレン「キスは……激しい方が好きらしい。もしミカサと子作りすることがあれば、最初は絶対、正常位ではするな。あいつ、体位によって痛がる度合いが激しすぎる。マシだったのは、騎乗位で、立ちバックも結構いける。他のはほとんど試してねえけど、とりあえずこのみっつは覚えとけ。後は……」

ジャン「ちょちょちょ……やめろ!! エレン、お前、今、何言ってんのか、自分で分かってんのか?!」

エレン「分かってて言ってんだよ!! いいから聞けよ!!」

エレンもジャンに負けじとキレ気味に言った。

エレン「俺は、小さい頃から、調査兵団の凱旋をかかさず見てきた。だから、調査兵団に入ることがどういう事かは、知ってるつもりだ。俺は、俺自身の命を自分の意志で自由に使うつもりだ。でもミカサは……そうじゃねえんだよ」

ジャン「………!」

エレン「あいつは、自分の命を、俺の為に使うつもりでいる。俺が止めても、それだけはあいつ、譲らねえ。突き放しても、ダメなんだ。でも……だったら、俺がもし、いなくなったら、ミカサはどうなるんだよ」

ジャン「…………」

エレン「想像したくねえけど……下手すれば、俺の後を追って………絶対、それだけはさせたくねえ。だから、ミカサのことを頼める奴に、俺の知ってるミカサの情報を、渡しておいた方がいいと思ったんだよ」

ジャン「アルミンじゃだめなのかよ」

エレン「アルミンは、他に好きな子がいる。これだけは……ミカサに本気で惚れてる奴にしか頼めない」

ジャン「…………ふざけんな」

腹の底から、ジャンは言った。拳を作って。

ジャン「お前、本当の死に急ぎ野郎になるつもりか?! てめえがミカサを幸せにしなくてどうすんだよ!!」

エレン「俺だって、死ぬ気はねえよ!! だけど……死んだ後の事を全く考えねえ奴が、ここにいるのか?!」

ジャン「!!」

エレン「死んだ後のことを考えるからこそ、よけいに死にたくねえって、皆、思えるんだろうが。矛盾しているように見えるかもしれんけど……俺はそれだけの覚悟で、調査兵団に入るつもりでいる」

ジャン「………」

エレン「俺は、何としてでも、外の世界に行って、この世界の謎を解いてみせる。巨人を駆逐する為に、それが必要だから」

ジャン「俺には分からねえよ」

ジャンは苦々しく吐き捨てた。

ジャン「お前のチンケな夢と、ミカサと比べて、ミカサを捨てられる、お前が分からねえ」

エレン「………」

ジャン「……けど、そこまでいうなら、勝負してやる」

エレン「勝負?」

ジャン「ああ…卒業試験でもし、お前が俺より上位に入れたら、そん時は、お前の要求を無条件に呑んでやる」

エレン「つーことは、5位以上が目安ってことか」

現在、ジャンの順位は6位。エレンはその下の7位だった。

この時点ではまだ、エレンはジャンより下の成績だった。

(*原作ではエレンは5位卒業ですが、ここでは仮に中間発表時点は成績が下だったことにします)

ジャン「ああ…出来るだろ? その程度の成績を残せないようじゃ、調査兵団に入っても、巨人の餌になるだけだ」

エレン「分かった。二言はねえな」

ジャン「ああ、二言はねえ」

そしてふたりは睨み合い、それぞれの席に戻っていった。

ジャン(くそっ……)

本当に腹が立つ。何が一番、腹立つかって、エレン自身が、自分よりはるかにミカサのことを愛しているという事実が。

ジャン(あいつ、本当の馬鹿なのか…? 意味が分からねえ。そんなにミカサが大事なら、なんで憲兵団に行かねえんだ)

エレンの今までの成績を見れば、卒業試験も10位以内に入れるだろうとジャンも思っていた。

エレンは選べるのだ。

憲兵団に入り、ミカサと二人で幸せに暮らす人生を。

選ぼうと、さえ、すれば。

ジャン(俺には分からねえ。俺はそんな風に馬鹿にはなれねえ…!)

でも、その馬鹿をミカサは愛しているのだ。

だからもう、ムカつくしかない。

ジャン(くそおおおお!!)

ジャンの心の血の涙が、スープの上にひと雫、落ちていった。

ジャン(絶対、あいつに勝ってやる…!)

矛盾した闘志を胸に秘めながら……





卒業試験まであと6日。

久しぶりに訓練に戻ったミカサは、自分の体が凄く軽いことに気づいた。

体はもうどこも痛みがない。足も以前より動かしやすい。

調子が良すぎて、ちょっと怖いくらいだった。

ミカサ(何故だろう。エレンと温泉旅行に行ってから、体の調子がすごくいい気がする…)

体の中の気のようなものが、うまく巡っているのを感じる。

血液の流れが、体中に行き渡るようなそんな感覚がある。

ミカサ(エレンは、どうなんだろう…?)

訓練が終わったその日の夜、ミカサはエレンにその件をこっそり空いた時間に尋ねてみた。すると、

エレン「へえ…なら良かったな」

と、エレンも喜んでくれたようだった。

ミカサ「エレンは、どうなの?」

エレン「俺か? う~ん…どうかな? あ、でも、立体機動ん時、着地が楽になった気はするな。下半身が安定してる気がする」

ミカサ「そう…温泉と…アレのおかげなのかしら」

アレ、とは当然『性交』の事である。

エレン「多分、温泉の力だと思うぞ」

エレンは半眼になって、アレのことは否定した。

ミカサ「そうかしら? 検証してみよう。エレン…(ずいっ)」

エレン「馬鹿! 廊下で必要以上にくっつくな! 誰も見てねえけど、いつ誰に見られるか分からんだろうが!」

ミカサ「見られても、別に構わない(ススス…)」

下半身の方に手が伸びる。

エレン「やめろ! (ペチ!)言っとくが、俺はもうお前と、そういう事、する気ねえぞ!」

ミカサ「そんな…! Σ(゚д゚lll)」

エレン「試験前の大事な時期だし、ヤってる場合じゃねえだろが。ミカサも怪我は治ったんだし……アレの調子も戻ってきただろ? だったらもう………いいじゃねえか(プイッ)」

ミカサ「……………でも、エレンの、ソコは、反応してるように見えるけど(掴む)」

エレン「! だから、さっきから触んなって、言ってるだろうが! ちょ…本当、やめてくれ! (ペチ!)」

ミカサ「でも、ソレをどうするの? (指差す)」

エレン「自分で処理するに決まってんだろが!! つか、男は皆、そういうもんなんだって! 他の奴らも、ムラムラしても、ちゃんと処理して、我慢してんだよ!」

ミカサ「本当に…? でも、たまに、外や小屋の中で、それっぽい声が聞こえてきた事が過去にあるけど……」

エレン「え……(ドキッ)」

ミカサ「(こくり)たまに、だけど。最初は何だろう? としか思ってなかったけど、エレンと…してから合点がいった。間違いない。あれはこっそりヤってる」

エレン「(声でバレてる時点でもうこっそりじゃねえ)いや、でもな……よそはよそ! うちはうちだ! とにかく俺はもう、やらない。あれが最初で最後だ…!」

ミカサ「…………(ウルウル)」

瞳を潤ませて我慢するミカサを見ていると、まるで子犬のようだ。

その哀願に、エレンの胸はざわめいた。

エレン「それ…やめてくれ……おま…ずりぃぞ」

ミカサ「ずるいのは、エレン……私をこんな風にしておいて……酷い」

エレン「(ギクッ)あ、あのなあ……人聞きの悪いこと言うなよ。お前はなんも変わってねえよ」

ミカサ「ううん……私は変わった。その証拠にもう、体が濡れてしまっている……」


ドキッ…


エレンの、頬が、一気に、赤く染まった。

エレン(まずい……)

引きずられる。ミカサの、色気に。

ミカサ「体中が、熱い。血液が、巡ってる。体中が火照って辛いの……」

にじり寄るミカサに、一歩下がろうとするが、それを阻まれる。

壁際に押し倒され、逃げ場を塞がれた。

エレンは視線を逸らして、言った。

エレン「だから、そういう時の為にやることは、俺が教えただろ? 自分ひとりでやるんだよ」

ミカサ「エレンがいい………」

ミカサに頬を寄せられた。胸元に、吐息がかかる。


ドクドクドクドク……


ミカサの体温が、誘惑する。

ミカサは、エレンの手を自分の尻の方へ誘導した。

ミカサ「お願い…エレン…触って……」

非常に積極的なミカサに、エレンの気持ちは激しく揺らいだが……

ここが、廊下であることは忘れない。故にここは理性が勝った。

エレン「我が儘言うなって! 俺、アルミンの座学の分からんとこ、教えてもらう約束してんだ! じゃあな!」

エレンはそう言って、無理に振り切ると、ミカサを放置して男子寮の方へ逃げていった。

エレン(いかん……こうなるの分かってたから、ミカサとヤるのは怖かったんだよ!)

一回だけで済むはずがないと、心のどこかで予想していた。

その予感が当たってしまって、エレンは身震いをする。

そして、その快楽の沼に嵌ったら、本分を忘れて、他のことを捨ててしまいそうになるのも。

>>228
訂正
ミカサ「体が、熱い。血液が、巡ってる。体中が火照って辛いの……」

別にそのままでもいいけど、こっちのつもりで書いてた。(ゝω・)テヘペロ

エレン「あと少しで卒業なんだ。気合入れねえとな」

エレンはストイックに自分に言い聞かせ、慣れたように、深呼吸をして心を鎮めた。





それとは対照的に、ミカサの体は疼きを鎮められなかった。

ミカサ(ひとりで……する…か)

出来るのだろうか。いや、もう、そうするしかない。

ミカサは諦めて、女子寮に戻った。しかし周りには人が一杯いるし、ベッドも隣に人がいる。

出来る場所なんて、どこにあるのか……。

エレンを頼れない以上、一体どこですればいいのか。

途方に暮れていた、その時……

ユミル「よ、ミカサ。クリスタが座学の分からんとこ教えて欲しいって。今、時間あるか? 私もついでに教えろ」

クリスタ「もうユミル! それが人に頼む時の態度なの?!」

ミカサ「………」

そういや、もうすぐ卒業試験だった。

筆記の方も、一応試験があることをすっかり忘れていたミカサだった。

ユミル「別にいいだろ? なあミカサ。私は、お前の恩人だしなあ(ケケケケ(^▽^))」

恩を売って、人を使い、ずる賢く生きようとするユミルは、傍から見れば世渡り上手に見える。

ユミル「そいや、あれから結果報告聞いてなかったな。どうだった? アレは役に立った? ん?」

ミカサ「………………ユミル」

ユミル「ん? (あれ? 様子が変だな)」

ミカサ「私……あなたに、相談、しても、良いだろうか」

クリスタ「!」

クリスタの方が先に反応した。

クリスタ「何か、悩みがあるのね? ミカサ、私達でよければ、聞くよ!(グッ)」

ユミル「お、おい……! クリスタ、私はまだ、了承はしていないんだが(汗)」

クリスタ「何言ってるの! (°д°) ユミル! あのミカサが、こんなに弱々しくなってるんだよ! きっと、何か大変なことが起きてるんだよ!」

ユミル「(大方、エレン絡みの何かだろうけど)……まあ、それもそうか。いいよ、とりあえず言ってみな」

それを聞いたミカサはほっとしたように頷いた。

ユミル「力になれるかどうかは分からんが……」

ミカサ「ここでは、話しにくいので…人気のないところで、話しても良いだろうか」

ユミル「(よほどのことらしいな)いいよ、クリスタ。いこうか」

クリスタ「うん!」

そして三人は、とりあえず、女子寮を出て、人気のない場所まで移動した。

ユミル「ここは、建物の死角になってて、人もあまり通らない。ここなら暫くなら大丈夫だろ」

そう言って、移動したのは、教官室から一番遠い建物の裏庭だった。三人はそこで立ち話をする。

ミカサ「あの…まずは、ユミルにお礼を言いたい。あの時、アレを渡してくれて、ありがとう」

ユミル「お? …ってことは、使ったんだな?」

ミカサ「(こくり)…おかげ様で」

クリスタ「アレって何?」

ユミル「後で教える。って、ことは、やっとお前ら、付き合うことになったのか。良かったな」

ミカサ「…………………違う」

そしてミカサは、エレンがもうやらないと言ってきたことを、ユミルに告げた。

ミカサ「あれから、体の感じが変わってしまって…その…平たく言えば、体が疼いてしまって…今も…エレンの声を思い出すだけで体が濡れてしまって……」

ユミル「ストップ。ミカサ、其の辺でいい……だいたい分かった。(クリスタ、真っ赤になってんな。可愛いけど)」

少し刺激の強い話題に、クリスタは(≧∇≦)キャーと思いながら最初は聞いていたが、エレンの「もうやらない」発言に怒りを覚えているようだ。

クリスタ「それって…どういう事?! ヤったのに、責任取らないで逃げてるのね?! エレン最低!!!」

ユミル「クリスタ、落ち着け。多分、ちょっと違う。こいつらの場合は、そう単純にはいかないんだよ」

クリスタ「どうして?!」

ユミル「どうしてって…そりゃ、あいつが駆逐系男子だからだよ」

クリスタ「……? それが今、関係あるの?」

クリスタが疑問符を浮かべるが、ユミルはため息をついた。

ユミル「大有りだ。あいつ、調査兵団に入る為に兵士になったんだろ? だから、ミカサとそういう事してたら、本分がお粗末になっちまうのを恐れてるんだよ」

クリスタ「両立すればいいじゃない!」

ユミル「無茶言うなよ……(いかん、クリスタが頭に血登ってて冷静じゃねえ)調査兵団に入ったら、いつ死んでもおかしくねえのに。しかも、ミカサもエレンについていって、調査兵団に入るつもりなんだろ? だったらよけいに、手出しにくいだろ」

ミカサ「手が……出しにくい?」

ユミル「んーとな、アレ、つけてヤったとしても、避妊率は、9割。100%回避できるって代物でもねえんだ。途中で外れたり、破れたりしたら、まずいってことは分かるよな? んで、そういう不測の事態が起きたとしたら、ミカサ、お前、エレンの子供、産む気あるか?」

ミカサ「そ、それは……」

ユミル「妊娠したら、もう自由には動けねえよな。其の辺は、エレンの方が良く分かってんじゃねえかな。だから、今まで堪えてたんだろうし……ただ、私は今回、お前らが二人きりになるって聞いた時、ちょっとヤな予感はしたんだ。いくらエレンが理性的な奴でも、旅の開放感に負けるかもしれんと思ってな。だから、一応、持たせた方が良いと思って、アレを渡した。もしなかったら…ない状態でもやりかねんからな。男って生き物は」

クリスタ「ユミル……詳しいのね」

ユミル「そりゃ…人生、いろいろ経験すれば(ギクッ)私のことはいいんだよ! つ、つまり、だな。エレンはミカサより、自分の夢を優先したいから、ミカサを抱くのが怖いんだと思うぞ。嵌っちまったら、抜け出せなくなる罠みたいに感じてんじゃねえのかな」

ミカサ(ズーン……_| ̄|○)

ユミル「それだけエレンは、実直な奴なんだよ。私に言わせれば、真面目すぎる。中には女をとっかえひっかえ、ヤリたいだけの男も多いってのに……。巨人を駆逐することに本気で命かけようとしてんだからな……根っから頭が固いんだよ」

ミカサ「知ってる。エレンはそういう人……(ううう…)」

クリスタ「でも! このままだと、ミカサが可哀想じゃない!」

ユミル「んー……(どうしたもんか)」

確かに、今のミカサは可哀想とも言える。しかし……

本当に可哀想に見えるのは、エレンの方だ。

ユミルは自分の性格上、そう思っていた。

ユミル「こういうのは、どっちが可哀想って贔屓することでもねえんだよな……結局、二人の問題だから、外野がどうこう言うことじゃねえんだけど……それでも、あえて言わせて貰うなら、私はミカサより、エレンの方が可哀想に見えるね」

クリスタ「! どうして?!」

ユミル「だってさ…例えるなら、今のエレンの状態って、物凄く腹減ってんのに、極上のステーキ肉を、テーブルの上に出されて、ずっと見て匂いを嗅ぐことしか出来ない毎日を…何年くらいかしらんけど、ずっと続けてきたようなもんだろ? ……で、ある日突然、一回だけ食べていい事になって、食べてみたらやっぱり美味くて……でも、二回目以降は、食べたら今度は自分の足を奪われる…みたいな? 過酷な状況だろ? 私だったら…そんな毎日、絶対耐えられんわ……」

ミカサ「……!!」

クリスタ「そ、そういう事になるのかしら」

ユミル「まあ、ちょっと大げさな例えだけどな。ステーキ肉じゃくとも、クッキーとか、お菓子でもいい。クリスタ、自分の好物を思い浮かべてみろよ。少しはエレンの気持ちに共感できると思うぜ」

クリスタ「う! 確かに、クッキーは辛い……かも」

ミカサ(ズーン…)

ミカサはひたすら落ち込むばかりだった。

ミカサ「そうね…私は、自制する。エレンの為に…この疼きもコントロールしなければ…いけない…のね」

力を開放するより、抑制する方が難しいとミカサは思った。

ユミル「それが、恋愛の醍醐味ってもんだろ(ニシシ)」

ミカサ「え…? 恋愛…?」

ユミル「ん…?」

ミカサ「これって…恋愛感情…なの?」



チーン…



ユミルは、ツッコミを入れるべきか否か迷ったが……

ユミル「あーうん。まあ何でもいいよ。とにかく『愛』だ。愛故の悩みだと思えばいい。エレンの事を優先したいなら、我慢するしかねえし、どうしても我慢できそうになかったら、エレンを押し倒しゃいい。どっちに転んでも別にいいんじゃねえの? ミカサの好きなようにすれば」

ミカサ「そうね…でも、その…一人でする時は、どこですればいいのか…(更にズーン)」

ユミル「場所の問題か…それだったら、多分、力になれると思う。ククク……そういう人気のないスポットは、私もだけど、アニもよく知ってるし…うん、ちょっと、後でまとめて書いて渡すから、安心しな」

ミカサ「ありがとう…ユミル」

ユミル「いいって! その代わり…(卒業試験の時、クリスたの事を頼んだぞ。ミカサの力が必要だからな)」

ユミルは、後半の言葉をぼそりとミカサに耳打ちした。

ユミルはクリスタを10番以内に押し上げるために、陰で画策をしていた。

クリスタ本人は、まだこの時点ではその事を知らない。

クリスタ「何話したの? ユミル」

ユミル「クリスタには教えない」

クリスタ「ずるい! ユミルの意地悪!」

二人はそんな風にケンカしながら、女子寮に戻っていった。

ミカサはそんな二人を見ながら、仲良くていいなあとちょっぴり思っていた。






次の日の朝。

ユミルが渡してくれたメモには、いろんな場所の情報が書かれていたが、大きく分けると、それは、「鍵をかけられる場所」と「そうでない場所」に分けられた。

鍵のかけられる場所は「地下食料庫」「屋内器械体操室(*体育館に似た部屋だと思って下さい)」「ガス補給室」「備品管理倉庫」「立体機動装置保管室」の五つ。

ただしこの五つは、キース教官が管理している為、理由がないと持ち出せない。

ただ、逆に言えば、理由をつければ、立派な密室として使用可能とも言える。

それ以外の場所は、鍵はかけられないが、夜、比較的人気の少ない場所が書かれている。

「馬小屋」「食堂の屋根裏部屋」「男子の便所(大)用の壊れている方(現在使用不可)」「調理場」「座学室」などなど…。

ミカサは夜中にこっそり、それらの場所を見て回った。

鍵の必要な場所は除き、とりあえず、まずは馬小屋周辺…。

しかしそこには、フランツとハンナという先客がいた。

ミカサ(……気づかれないうちに退却しよう)

ミカサは二人を羨ましく思いながら、別の場所に移動した。

次は食堂の屋根裏部屋……。

ミカサ(………まさかの、ミーナが)

男を、連れ込んでいた。

目が合わないうちに退却する。

ミカサ(ここもダメか……)

人気スポットはやはり先客も多いようだ。

今度は、男子便所の壊れている方を覗いてみると……

ミカサ(どうやら、先客がいるらしい)

その個室は、男子にとっての別名オナニー部屋と呼ばれていたので、使用率は高かった。

なのでここもダメ。

調理場も、座学室も似たような状況だった。

皆、試験前で現実逃避をしているようだ。普段はさすがにここまで混み合ってはいない。

(むしろ、試験前だからこそ現実逃避をしたくなるのかもしれない)

ミカサ(………い、意外と皆、いろんな場所で隠れてヤってたのね)

エレンとそういう経験を経るまでは、そういう事と無関係に生きてきたミカサは、その事実を知って少々驚いていた。

ミカサ(困ったな……他の場所は、他の人に見られる危険性が高い場所しか残ってない)

鍵を盗めば、そっちを借りてやれなくもないが……。

ミカサ(屋外の死角部分か……か)

さすがにそれは、どうだろう。

スリルが有り過ぎる気がするが…。

その時、思い出したのは、エレンに少しだけ、放置されたあの時間のこと。

ミカサ(ドキドキ…したな)

もし、誰か別の人に見られたらと思うと、想像してゾクゾクしたのも覚えている。

あえて、そういう場所で、もしそういう事をやったら……

ミカサ(ダメ……)

体が、震えた。それだけで、感じてしまう。

ミカサ(私の体は、変になってしまった……)

熱が火照って、抜けない。

体にエネルギーが溜まり過ぎて、悶々とする。

ミカサは危険性を承知の上で、屋外の、とある静かな場所に座り込んだ。

ミカサ(今なら…誰も見ていない…)

服の上からなら、と、言い訳して、その作業に取り掛かった。

ミカサ(あ……濡れてる)

服の上から、股に触れても、しっとり分かるくらい濡れていた。

自分で胸を掴んで、エレンがしてくれたように、乳首を自分で弄ってみる。

ミカサ(……!)

エレンの時程ではないにしろ、快楽は、すぐに火が付いた。

じわり……と、にじみ出るような気持ちよさに、暫く酔いしれる。

ミカサ(誰も…見てないから…今だけ…)

ズボンのチャックを少しだけ降ろして、右手を差し込んでみる。

エレンが教えてくれた気持ちいい部分を擦る。

ミカサ(あ……ああ……あ…エレン!)

ここにいてくれたらと、思う。

だけど、それはもう、願っては、ダメ。

出来るのは、エレンを思い出すことだけ…。

昂ぶりは止められなかった。

一気に、そこまで、導く…!

ミカサ「あ……ん…」

声は、小さく、一回だけ、漏らした。

周りには、誰もいないけれど、聞かれないように、念の為。

ミカサ「はあ……はあ……」

こんなものでは、足りない。

これでは、ヤってもヤってもキリがない気がする。

ミカサ(ダメ……この方法じゃ、まるで意味がない)

自己嫌悪に陥る。

エレンを思いながら、自分でしても、鎮まるどころか、かえって熱が酷くなる一方だ。

ミカサ(他にないの? この熱を鎮める方法は)

ミカサは星空を見上げながら一筋の涙を零していた。

と、その時……



カサッ……

ジャン「……………」

ジャンは驚いていた。

外の空気を吸いたくて、ただ一人で散歩をしていただけなのに(エレンのことを思い出してむしゃくしゃしていたのだ)こんなところに、人がいるなんて、思わなかった。

ミカサはズボンのチャックを開けたまま、足を伸ばして、壁に背を預けて座り込んでいた。

ミカサ「ジャン…?」

こんな夜更けにどうしてこんなところに来たのだろう? とミカサは思った。

ジャン「……………」

ジャンは、ミカサに見蕩れて身動きが取れなかった。

彼は、ミカサの自慰行為を見ていたわけではない。

しかし、今、この場で、しかも一人きりでいることと、ズボンのチャックが降りていること、そしてミカサの顔の表情や雰囲気を見れば、それらを察する事ぐらいは出来る。

ミカサ「………(あっ)」

その時になって、初めてミカサはようやく、ズボンのことを思い出した。

さっと、元に戻す。

もしかして、ジャンも同じ事をしに来たのだろうか。

そう思い、さっさと立ち去ろうと思った。

ミカサ「……ごめんなさい。私はもう、済んだので、どうぞ」

何を、とあえて言わないあたり、一応、ミカサも気恥かしさはあるらしい。

ジャンは、そんなミカサを見て、思わず、肩を掴んで呼び止めてしまった。

ジャン「……ミカサ」

ミカサ「何?」

ジャン「い…今してた事は、二度とするなよ。いくらミカサでも危険すぎる。もし……見られてたら、その………その場でそいつにレイプされてもおかしくねえぞ」

ミカサ「………では、どうしたらいいの?」

ミカサは思わず、愚痴るようにジャンに言った。

ミカサ「この熱をどうやって鎮めたらいい…? ジャンは……これ以外の方法で、鎮める事が出来るの……?」

ミカサの縋るような言い様に、ジャンは生唾を飲み込んだ。

ミカサ「教えて欲しい………知っているのならば」

今日はここまでにします。(´-ω-`)眠いので。
おやすみなさい。続きはまた今度ね。またねーノシ

んじゃ、ここから一気にまた書いていきマース!!
さーて、皆、口に飲み物含んで待っててね!(笑)

ジャン「…………」

弱々しいミカサを見て、ジャンの心は揺れた。

正直言って、今、この場で、押し倒したいとさえ、思った。

そしてミカサをこんな風にしている張本人、エレンの事を心底憎らしくも思った。

だから、ジャンはミカサを抱きしめた。

そして、告げたのだ。

ジャン「分かった。教えてやる。俺が………!」

ジャンは、ミカサを助ける、覚悟を決めた。

自分の身を犠牲にして。










そして、それから数日経ち、試験前直前。

エレン(ここ最近、ミカサが俺に引っ付かなくなったな……)

前は性的な意味も含め、ミカサは隙あらばエレンにべったりしていたが、ここ数日、それがなくなっていた。

会話はしているし、別に避けられている風でもないが、ミカサは必要以上には、エレンに構っていない。

それにほっとする反面、少しだけ気持ち悪さを感じているエレンだった。

エレン(まあ…明日はいよいよ、試験期間に入るから、今のままで居てくれた方が、こっちとしては助かるが)

コニー「なあ、最近、ジャンの奴、夜中に姿見ねえよな? マルコ、何か知ってる?」

マルコ「えっ…(ギクッ)」

その時ふと、男子寮での会話がエレンの耳にも入ってきた。

コニー「(ピーン!)はは~ん、さては何かやってんな? 卒業前に、秘密特訓か何かやってんだな?」

マルコ「う…うん…らしいね。俺も詳しくは知らないけど(言えない。ミカサと会ってるだななんて)」

エレン「……………」

どうやらジャンも勝負に本気になっているようである。

コニー「そっかー…マルコが知らねえんじゃ、仕方ねえか。よし、今夜こっそり、後をつけてみよっかなーっ」

マルコ「(まずい!)それはやめた方がいいよ。迷惑になるだろうし」

コニー「はあ? なんで? んー? ははーん(ニヤリ)」

マルコ(ギクッ)

コニー「マルコ、何か、隠してんな? ジャンの奴、秘密特訓を誰かとこっそりやってんだろ? 例えば女子とか」

マルコ「(コニー、勘が良すぎる!)ええ? そうなのかな??」

コニー「誰かと夜中に会ってんなら、きっとエロい事も含めてやってるに決まってる! よし! 相手が誰なのか今夜暴いてやんぜ!」

マルコ(しまったあああ!)

エレン「コニー、お前そんな暇ないだろ。座学の点数、ギリギリもいいところなのに。最悪、卒業出来なくなってもいいのか? しらねーぞ」

その時、エレンがコニーを止めた。

コニー「うっ……そうだった」

エレン「なら人の事を構ってる場合じゃねえだろ。大方、夜中にもこっそり勉強かなんかやってんじゃねえの?」

マルコ「そ、そうだよ…たぶんきっとそうだ(エレン、ありがとう…!)」

コニー「ちぇ……ま、そりゃそうか! 人の事より、まず自分のことだなー」

マルコは心の中でエレンに感謝していた。

マルコ(エレンにだけは知られたくないって、ジャンも言ってたし…良かった)

当のエレンはもう、二人には関心がないようで、最後の仕上げに座学の独学に勤しんでいる。




そしてその日の夜……

なかなか寝付けなかったエレンは一度、起き上がり、便所に行く為に外に出た。

その帰りに、エレンは井戸の近くで一人でいるジャンを見かけた。

何やらそわそわしているようにも見える。

エレン(…………)

ジャンが夜中に何をしてようと、誰と会っていようと興味はない。

だが次の瞬間………

エレン(………ミカサ?)

遅れてやってきたミカサの姿に驚いた。

思わず、壁に隠れるようにして、二人の様子を覗き見る。

エレン(………まさか)

ミカサは、ジャケットにズボン姿だ。普段の私服姿とは違うが。

表情は明るい気がする。

最近、ミカサの様子が変だったのは、もしかして、このせいか?

ジャンと夜中に会っていたからなのか。

エレン(……………)

自分には関係ない事の筈なのに。

エレンはその場から立ち去れなかった。

二人は少しの間、談笑し、そして別の場所へ移動していった。

追うべきか。追わないべきか。

明日から、卒業試験が始まるのに。

エレン(……………)

明日の為に寝るべきだ。

理性はそう、訴えているのに……

エレン(くそっ……!)

エレンは我慢ならず、ミカサとジャンの後を追った。








二人は屋内器械体操室(*体育館に似た部屋です)に来ていた。

どうやら、教官から許可を貰って使用しているようである。

エレンは建物の外からこっそり、二人の様子を覗き見ていた。

ミカサ「ジャン……ありがとう。私はあなたのおかげで救われた」

ジャン「(照れるぜ)いいって、これくらい……」

ミカサ「今日も頼めるだろうか? 一時間コースで」

ジャン「一時間だろうが、何時間だろうが……構わんよ俺は…(ニヤニヤ)」

エレン(……………)

エレンの目つきが据わっている。

一体、今から、何をやるつもりなんだ、あの二人は…。

この「屋内器械体操室」は本来、器械体操の訓練を行う部屋である。

バク転や宙返りなど、回転の感覚を養うための練習施設であり、雨天時にはここをよく使用する。

マットを敷いて、その上で柔軟体操をしたりも出来る。

二人はマットを4枚も敷いて広めの場所を確保して、その上で何かをやるようだ。

ミカサ「では……お願いする。服を脱ぐから少し待ってて欲しい」

ジャン「お、おう……(〃ω〃)」

エレン(なっ……!!)

エレンは、顎が外れるかと思った

ミカサはジャンの目の前で、自分の上着をゆっくりと脱ぎ始めたのだ。

エレン(え……ミカサの奴……まさか……)

ジャンと、そういう関係になってたのか…?

どうして……何故………?!

エレン(……!)

自分が、相手にしなかったからか。

自業自得だと、気づいて、エレンは俯いた。

エレン(いや、でも……ミカサに限って、そんな……)

何処かで、そんな筈はないと思っていた。

しかし、現実は目の前で起きている。

エレンは止めたかった。しかし止める権利はあるのか。

ミカサの自由を。

ミカサがそうしたいのであれば……

エレン(…………)

その時になって、エレンはアルミンの言葉を思い出した。



アルミン『ミカサが自分以外の誰かを最優先にする未来を、想像出来てないのは、エレン、君の方じゃないか』



その言葉の意味を、今になって、痛感する。

エレン(俺は………)


ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……!


心臓が壊れそうな程、暴れていた。

体が震えている。制御できない。

今ここで、決断しなければならない。

エレン(俺は……!!)

エレンは、自分の気持ちに嘘はつけず、顔をあげて、屋内に突入した!



エレン「ミカサ……!!」

ミカサ「エレン……?」

ジャン「!! (ゲッ)」



エレンは、見てしまった。

ミカサと、ジャンが、触れ合っている現場を。

月明かりだけが頼りのその部屋で、二人は確かに触れ合っていた。






ジャンが、ミカサに四の字固めを決められている形で。






エレン「……………………………何、やってんだ? (゚д゚)ポカーン」

ミカサ「対人格闘術。ジャンが付き合ってくれるって言うから、夜中にこっそり、相手にしてもらってた」

エレン「……………………………何で?」

ミカサ「体が火照って、眠れないから。体を思いっきり動かして、疲れた方が、ストレス発散にもなるし、よく眠れるから」

エレン「……………………………何故、ジャン?」

ミカサ「体がムラムラする時は、体を思いっきり動かして酷使する方が、一人でアレするよりも鎮める効果かあると、ジャンが教えてくれたから。おかげで私も……以前より大分、体の熱をコントロール出来るようになった」

エレン「………(ジャンの奴、幸せそうな顔してやがる)」

ミカサ「教官には、『どうしても体を動かし足りないから、夜中に少しだけ時間を下さい』とお願いして、この部屋を借りる事にした。ここなら、うるさくしても、皆に迷惑をかけない」

エレン「………………」

エレンは、飛び出していった自分を責めた。恥ずかしすぎて……。

ああ、勘違いとは、本当に恐ろしい……。

ミカサ「エレンは、どうしてここに?」

エレン「便所の帰りにたまたま見かけたから、気になって追ったんだよ」

ミカサ「そう……(エレンが気にしてくれた。嬉しい)」

エレン「おい、ミカサ、そろそろジャンを離してやれ(幸せそうでムカつくし)」

ミカサ「うん。分かった」

ミカサが先程、服を脱いでいたのは、単に薄着になっただけだったのだ。

今のミカサは、ノースリーブに短パンだけの姿だ。

まさに格闘女子のスタイル。

エレン「明日から試験だってのに、何やってんだよ。お前らは……」

ミカサ「試験は正直、どうでもいい。卒業さえ出来れば、私は構わないので」

エレン「そりゃ、ミカサはそうだろうけどな…(それでも主席確実と言われてるお前が羨ましいよ)」

ミカサ「ジャンも、成績優秀者だし、そこまで慌てるような成績でもないので、余裕があるから、付き合うと言ってくれた。ジャンには本当に感謝している」

ジャン(ニヤニヤ)

エレン(こいつ…!)

要は、ジャンは自らミカサのサンドバックをかって出たわけである。

ストレス発散の道具に利用されているわけだが、ジャンにとっては、ミカサと二人きりになれる『時間』が得られるので、好都合だった。

ジャン「ま、そういう訳だ。だって仕方ねえだろ? 体が火照って眠れないんじゃ、汗流して、エネルギーを放出するしかねえもんなあ? (ニヤニヤ)」

エレン「……だったら」

エレンはその時、ムカついたので、つい、口に出してしまった。

エレン「だったら、俺が相手になってやるよ」

ミカサ「え……? (ドキッ)」

エレン「そういう意味で、体動かすんなら、俺だってしたいさ。いいぜ! 今からでも」

エレンがそう言って、上の服を脱ごうとしたその時、

ミカサ「そ……それはダメ!(><)」

と、ミカサが赤面して止めた。

まさか止められるとは思わず、エレンもぎょっとする。

エレン「なんでだよ!! (ムカッ)」

ミカサ「エレンと……し、したら……邪な、心が、また……復活してしまうから!」

エレン「!」

ジャン「だ、そうだ。ミカサの相手はそういう気持ちにならねえ相手じゃねえと務まらねえよ。残念だったな、エレン♪」

自分で言っててちょっぴり悲しいジャンだったが、悔しがるエレンを見ていると、ざまあと思うので、これで良しとする。

ジャン「ま、そういう訳だから、役たたずは寮に帰んな。俺達はもう少し続けるからな。いくぞ、ミカサ!」

ミカサ「エレン……ごめんなさい(ペコリ)」

エレン「うがっ……! Σ(゚д゚lll)」

エレンは複雑な思いで、格闘術を再開した二人を見つめた。

その圧倒的な動きに一瞬、見蕩れてしまうほどだ。

ミカサはジャンを投げ飛ばし、関節技を決め、また投げ飛ばす。

しかしそれでも、ジャンはとても嬉しそうだった(*ドМです)。

ジャンに、ミカサを触れさせたくないけれど……

自分がミカサの相手をするとなると、エッチな展開に持っていかれる。

八方塞がりとはこの事だ。

エレン(そりゃそうだよな。俺もよく考えてみりゃ、その通りだ)

異性と格闘術をする場合、そういう気持ちにならない相手でないと通常、務まらない。

エレンの場合は、アニがいい例である。

エレン(でもこれって、単純にジャンが役得してるだけじゃねえか…!)

ジャンの方はミカサを好きなわけで。

片思いでも、正直この展開は十分美味しいと言える。

現に、ミカサにどんな技を決められても、ジャンは幸せそうである。(至福の顔だ)

エレン(ぐぐぐぐぐぐぐぐ……!!)

エレンは歯ぎしりをしている。

この状態を続けさせたくないなら、やることはひとつしかない。

エレン「……分かったよ」

ミカサ「……?」

ミカサはジャンに、ヘッドロックをかけながらはてなを浮かべた。

エレン「俺の負けだ。ジャン。あの約束はなかった事にしてくれ」

ミカサ「? (何の約束?)」

ジャン「(やっと折れたか)ああ? どういう意味だ?」

ジャンは察していたが、エレンの口から言わせる為にあえてしらを切った。

エレン「結局、俺はミカサには勝てない。だから……諦める」

ジャン「へえ……なんだ。やっと素直になったか(調査兵団、諦めるんだな)」

エレン「ああ……自分の気持ちにもう、嘘はつかん」

ジャンはほっとした。悲しさはあったが、これでエレンも馬鹿な夢を見ないで現実(ミカサ)を優先すると。

この瞬間まで、そう思った。のだが………

エレンは、告げた。

エレン「ミカサにならもう、手出されても構わん!! ジャンに渡すくらいなら、俺がミカサの相手になってやる!」

ミカサ「?!」

ジャン「?! (え、そっち?!)」

エレンはそこから本気でブチ切れたのか、本音を全て吐き出す事にしたようだ。

エレン「調査兵団に入っても、絶対生きて帰ってやる! つか、ミカサ、お前は憲兵団に入れ! 主席候補なんだし、絶対入れる! 内地で暮らせ!」

ミカサ「?! (何で?!)」

エレン「いやもう、いっそ俺の子供産んで、家庭に入ってくれ! 何処かに適当な土地買うから、そこに住んで俺の帰りを待っててくれ!!」

ミカサ「それは絶対嫌!!!(ブチ切れ)」

エレン「何でだよ!! それが一番いい選択だろうが!!」

注意:それはエレンから見た場合、の選択である。

ミカサ「それじゃエレンが早死するに決まってる!! 私を一人にしないで!! (キレ気味)」

エレン「それはねえ! ジャンに取られるくらいなら、絶対生きて帰る! だから安心しろ!!(こっちもキレ気味)」

ミカサ「エレンの言ってる意味が全く分からない!!(怒)」

ジャン「…………」

何コレえええ。(涙)

ジャンは、一気に噴出した二人の不満を目の当たりにして精神的に死にそうになっていた。

エレン「だったらどうすりゃいいんだよ!? 俺だってなあ…! いろいろ我慢してんだぞ!! 他に方法がねえだろ…?!」

ミカサ「方法ならある。エレンも憲兵団に入ればいい」

エレン「それじゃ本末転倒だろうが!! 俺は、昔から言ってるだろ?! 巨人を駆逐する為に、調査兵団に入るって!!」

ミカサ「……別にそれを止めはしない。エレンが、調査兵団に入るなら、私もついていくだけ(`・ω・´)キリッ」

エレン「そしたら、お前も死ぬかもしれねえじゃねえか! 俺を庇って死ぬとか、絶対やめろよ!! 俺は、許さねえぞ!! そんな事!!」

ミカサ「私は強いから大丈夫(`・ω・´)キリッ」

エレン「それが通じると本気で思ってんのか?!」

ミカサ「それを言ったら、さっきのエレンの『絶対帰ってくる』という話も通じない。前にも言った筈。私は、エレンとは絶対、離れないと」

エレン(頭抱える)

ジャン「…………」

もう、帰りたいなーと思いながら、ジャンは二人の夫婦(?)喧嘩を見守っていた。

エレン「もう嫌だ……ずっと同じところ……ぐるぐる回ってる気がすんぞ……」

ミカサ「エレンが折れないから悪い」

エレン「お前もたいがいだろうが! この話になると、いつも頑固になりやがって!!」

ミカサ「私も頑固。……でも、エレンはそれ以上に頑固」

エレン「いや、お前が上だ」

ミカサ「エレンが上」

エレン「ミカサだ」

ミカサ「エレン…!」

ぶーっと、互いに睨み合っている。

もう、好きにしろよ、とジャンは思った。

二人はそれから取っ組み合いを始めた。

もう……知らん。

ジャンは、二人を放置して、男子寮に一人で先に帰っていった。



ジャン(あー体より、胸が痛いわー……)



損な役回りだよなあ…といつも思いながら、やっぱりエレンの事がムカつくジャンであった。

と、いうわけで、ちょっとだけ、ジャンが報われる(?)話でした。

ミカサにだったら、ヘッドロックかけられても、ジャンは幸せだと思うの。
ジャンミカ途中で挟んでごめんね(ゝω・)テヘペロ
ジャンはきっと、こういう星の元に生まれついたんだと思います(`・ω・´)

エレン「はあ…はあ…はあ…」

ミカサ「はあ…はあ…はあ…」

夜中に、試験前に、何やってんだろうと、ふと我に返るまでに、一時間も要した。

二人はその間ずっと、本気で掴み合い、久しぶりに喧嘩し続けたのである。

さすがに一時間を過ぎると、互いにスタミナが切れ始め、息も荒くなり、疲れが見えてきた。

先に倒れたのは、エレンの方だった。

エレン「くそっ……やっぱ……つええ……な…ミカサ…」

ミカサ「エレンも……強く……なった……はあはあ……」

正直、ここまで力が拮抗するとはミカサは思っていなかった。

エレンが思っていた以上に粘ってきたので、ミカサも手加減出来なかったのである。

二人共、室内で大の字になって仰向けになって、休んでいた。

さっきまで、何で喧嘩してたんだっけ?

と、原因が霞んでしまうくらいには、エネルギーを発散したようである。

ミカサ「はあ…はあ…」

エレン「はあ…はあ…(目が合った)」

ミカサ「はあ…はあ…(エレンの目、とても綺麗)」

エレン「はあ…はあ…(ミカサの唇、綺麗だなあ)」

ミカサ「はあ…はあ…(もっと、近くで、みたいな)」

エレン「はあ…はあ…(もっと、近くで、眺めてえ)」

自然と、引き合う、磁石のように。

二人は、体を、近づけた。

エレン「はあ…はあ…(あーもう、やっぱキスしてえ)」

ミカサ「はあ…はあ…(エレンの、体温、感じたい…)」

エネルギーを発散した直後なのに……

若さとは素晴らしいものだ。

その回復力も、人並み以上だ。故に。

二人は、無言で、手を繋ぎ………

真夜中、誰もいない、その静かな場所で、

月明かりが差し込む中、キスをした。

エレン「ん……(ああ……やっぱり堪んねえ)」

ミカサ「ん……(気持ちいい……)」

言葉を交わさなくとも、通じた。

二人を止めるものが何もない、今……

本能のまま、二人は、絡み合っていた。

エレン「はあ…はあ…(もうダメだ。我慢出来ん)」

ミカサ「はあ…はあ…(ん……あ……エレンの手、が…)」

エレンは何も言わず、ミカサの肌に手を滑らせた。

ミカサ「あ……!」

エレンは何も言わない。無言だ。

語るのは、瞳だけ。

ミカサは、もう、負けたと思った。

だから、両目を閉じる。

エレンは、ミカサに突き進む。

己の欲望を、止められず、進む。

ミカサももう、それを抵抗する気力が残っていなかった。

エレンの指先に抗えない。受け入れる。

ミカサ「あ……あああん!(ビクッ)」

エレンに気持ちいいところを、擦られて、ぐちゃぐちゃに濡らされる。

エレン「………ミカサ」

名前を呼ばれると、反応してしまう。

完全に、エレンに、支配されてしまう。

エレン「……イって」

合図が降りて、ミカサは、体中を痙攣させた。

甘い甘い、快楽に身を委ね、そのまま一気に、眠りに落ちてしまう。

エレン「…………はあ」

エレンはそれを見て、安心した。

その隣で、一緒にぐったりする。

エレン「…………はあ」

もう一度、ため息をつく。

あどけないミカサの顔を見ていると、少し落ち着いてきた。

これ以上の事は、しない。

それが、エレンの、選択だったのである。












アルミン「………で? 結局、エレンが折れることにしたわけだ?」

エレン「ああ……もう、どんなに頑張っても、俺はミカサには勝てん気がしてきた……」

エレンはすっかり落ち込んでいる。

一日目の座学の試験が全て終了したその日の夜、男子寮のベッドで、エレンはアルミンに事の経過を話していた。

エレン「ミカサが発情する時は、俺が相手になってやるしかない……。子供は作らんように最新の注意がいるけどな……」

アルミン(どうして素直に「他の男に渡したくない」って言えないのか……)

とりあえず、一歩前進したのかなとは思いつつも、アルミンは苦笑するしかなかった。

エレン「(何度、今まで孕ませてやろうかと思ったけど、それだけはさすがにしたくねえし…)俺が我慢するしかねえよ。こればっかりは」

アルミン「それだけミカサのことが好きなのに、どうして嫁には出来ないって言うんだい? エレン」

エレン「え………」

改めて「好き」という言葉を突きつけられて、ちょっと照れるエレンだった。

エレン「え……いや、だから、それは……」

アルミン「僕にはどうも、もっと、根本的な問題がある気がするんだ。何か隠してないかい? エレン」

エレン「…………」

アルミンは勘づいているようだ。

エレンは恥ずかしそうに、言いよどんだ。

エレン「わ、笑うなよ? アルミン」

アルミン「ん? うん……」

笑う? 何故、そんな事を言うのだろう。

アルミンは辛抱強くエレンの言葉を待った。

エレンは、あーうーといろいろ悩みながら、ぼそりと言い出した。

エレン「俺は……」

アルミン「うん」

エレン「俺は、嫁さんには……家で帰りを待ってて欲しいんだよ」

アルミン「え? (゚д゚)ポカーン」

エレン「だって、うちがそうだったんだ。母さんは父さんの帰りをいつでも待ってた。嫁は家の中を守る存在でいてほしい。そう……思ってるんだよ」

アルミン「……! (なるほど)」

アルミンはようやく納得した。

エレンとミカサが結ばれない原因はそこにあったのだと。

アルミン「あーその気持ちは分かる! 分かるけど!」

エレンはアルミンを遮るように続けた。

エレン「いや、そもそも俺は、嫁さん貰うつもりはねえけどな! 調査兵団に入るのに、嫁さん貰ったら、その嫁が可愛そうだろ! 未亡人にさせるかもしれんのに! だから元々、俺は一生独身でもいいとずっと思ってたんだよ!」

アルミンは「マジか」という顔でエレンの話を聞いていた。

エレン「でも、ミカサと触れ合うと、そういう気分になっちまうのは事実だし……本当は、こんな状態なのは良くねえって分かってる。でも、俺だって譲れないものはある。あいつが俺に常にくっついてくる以上、嫁には出来ないし、嫁にするとしたら、あいつには壁の中で待ってて欲しいんだ。……いや、矛盾してる事言ってんのは、俺も自分で良く分かってんだよ! でも! ああもう…アルミンなら、これ以上言わなくても分かるだろ?!」

アルミン「十分過ぎるほど分かったよ」

要はエレンもジレンマに悩まされているのだ。

こりゃ、問題を解決させるには、ひとつしかない。

アルミン(二人が結ばれるには、巨人を本当に駆逐するしかないな、これは)

アルミンは現実を見ていた。

巨人を駆逐することは悲願ではあるけれど、自分の代でそれが成し遂げられるかといえば、難しいと思っていた。

だが、もう、そんな甘い事を言っていてはいけないのだと、思った。

願うなら、危険性(リスク)を背負って突き進むしかない。

アルミン(理由が増えちゃったな……)

自分が調査兵団に入る、理由が。

もう一つ、出来てしまったようだ。

エレン「良かった。アルミンなら分かってくれると思ったぜ。だったらアルミンも加勢してくれよ。ミカサが調査兵団に入るって、卒業試験の後にも言いだしたら、止めるのを手伝ってくれ!」

アルミン「え? それは無理だよ」

エレン「何でだよ! Σ(゚д゚lll)」

アルミン「だってミカサも頑固だもん。エレンについていくことを曲げるわけないよ」

何年、一緒にいると思っているんだ。

と、ばかり、アルミンも言い切る。

エレン「うぐぐ……こればっかりは、さすがのアルミンも解決できねえのか…(がっくり)」

アルミン「僕にだって、出来ないことはあるよ。エレン、その問題を解決させるには、僕の力だけでは不十分だ。人類すべての力で、挑むしかないよ」

エレン「え?」

アルミン「つまり僕達の代で、巨人を駆逐することさ」

エレン「…………そうだな」

結局は、そこにたどり着くのだ。

欲張りだろうと言われようとも、何だっていい。

エレンはその言葉で、決意を新たにしたのだった。

エレン「それまでは……ミカサには悪いが、あいつの問題は後回しだ。明日は格闘術の試験だしな!」

その次が、馬術、兵站行進、技巧術、立体機動実技、卒業模擬戦闘試験の予定となっている。

アルミン「点数配分は他のと比べると多くはないけど、一応試験あるもんね。特に僕はここで落とすわけにはいかない」

エレン「そうだな! 明日に備えて早めに寝るー……」

エレンがそうはりきって、言ったその時、

窓の外のミカサと、ふと、目が合ってしまった。

じーっとこっちを見ている。

エレン「………はあ」

なんだよもう……と思いながらも、窓を開けてあげるエレンだった。

エレン「おい、もうすぐ消灯時間だぞ、ミカサ」

ミカサ「分かってる。時間は取らせない」

ミカサはそう言って、マフラーを外して、予め二つ程外した前ボタンの隙間を見せつけるように、エレンを引き寄せるように、ぐっと抱きしめた。

ハグの時間は、たったの5秒。

そしてすぐに離れて「おやすみ、エレン」と言って、帰っていった。

エレン「…………」

エレンは、その不意打ちに正直、不覚にもグッときてしまった。

顔の赤いエレンに、アルミンは言った。

アルミン「エレンー…一時間くらいなら、窓の鍵開けておこうか? (帰れるように)」

エレン「いや! いい! もう寝る! (ガバッ)」

アルミン(やれやれ)

アルミンは思った。こりゃ、エレンの試練は当分続きそうだなあと。







ミカサ「………これで良かったの? ハンナ」

ハンナ「グッジョブだよミカサ! これで女子力アップだよ!」

ハンナは陰で今のやりとりを見守っていた。

今の突然の仕掛けは、ハンナの指導によるものだったのだ。

ハンナ「男はね、追いかけるだけじゃダメだよ! 時には追わせる為に罠をしかけなきゃ!」

ミカサは「女でいるって大変なのね」と思いながらエレンの「女でいて欲しい」という言いつけを守るべく、少しずつ努力していた。

努力の方向性については、ミカサ自身、よく分からなかったので、現在模索中である。

つまり、他の女子の意見をほぼそのまま参考にしていたのである。

ミーナ「そうだよ! まめに触って、すぐ離れる! ヒット&アウェイ攻撃! エレンにも効くって!」

ミカサ「そ、そうなのだろうか?」

いまいち良く分からないミカサだったが、とりあえず、ハンナとミーナの二人のいう事を信じることにしたのだ。

ハンナ「今までミカサはエレンにべったりし過ぎてたからね。ちょっとひいて、距離を置くくらいが丁度いいかも」

ミカサ「それは、私が、無理、耐えられない! ((((;゚Д゚))))」

ハンナ「でも! エレンをもっと堕としたいんでしょ?」

ミカサ「いえ…私は…ただ…エレンのいいつけである『女でいて欲しい』という言葉を守りたいだけなのだけれども』

ハンナ「でも今のミカサのままだと、エレンにとっての『都合のいい女』で終わっちゃうよ?! それでもいいの?」

ミカサ「? エレンがよければそれで…」

ハンナ「それじゃダメだって! あのね、きっとエレンは『女でいて欲しい』って言葉に、『いい女でいて欲しい』って意味も込めて言ったんだと思うよ? だから、ミカサは努力しなきゃダメ!」

ミカサ「努力は……勿論したいけれども」

その方向性が未だに良く分かってないミカサなのだった。

ミカサ「本当に、こういう感じで良いのだろうか?」

ハンナ「いいんだって! だって私もこの手でフランツ堕としたんだもの」

ミーナ「そうそう、きっとエレンはミカサにもっと綺麗になって欲しいんだよ! 大人の女性になって、振り向かせないとね!」

ミカサ「………」

二人が言うなら、きっとそうなのだろう。

ミカサは二人にお礼を述べた。それに対して、二人は「いえいえ」と謙遜している。

ハンナ「(ΦωΦ)フフフ…ふふふ……ミカサをいじり倒せる機会が巡ってきて嬉しいわあ(うっとり)」

ミーナ「絶対、エレンのやつをメロメロにさせちゃおうねえ(うっとり)」

既に十分、メロメロになっていると言えなくもないが、二人はその事実をしっかりとは知らない。

ミカサは「これもきっとエレンの為だ」と思いながら、二人にいろいろレクチャーを受けていた。



その頃のエレンは、布団の中で変わらず、悶々としていたのである。

とりあえず、ここまでで下書き分が一旦、終わります。
続きはまた間空くと思いますが、もうちょい続けます。
なんか、思ってたより後半が長くなってしまった。
私の悪い癖だ。すまんのう。

そいではまたノシ

予定してたラストシーンと変えるかもしれん。
嘘予告してしまってすまぬ。
ちょっと手直ししてくるんで、時間下さい。

温泉はどこ?

>>279

>>47
あたりでミカサが温泉入ってますよ。
すまんな。
話が長くなりすぎて温泉入ってるシーンがおまけみたいになっとるけどw

試験二日目。今日は対人格闘術の試験日である。

くじ引きで決めたペアを、5組、計10名ずつ、時間内に動きを見ていく。

調査兵団からはエルヴィン、リヴァイ、ハンジ、ミケの四名が試験管の助っ人に来ていた。

キース教官を含め計五名で一斉に試験を見るようだ。

リヴァイ「配点数が低いからって、手抜いたら0点にしてやるからな。お前ら、気合入れろよ」

訓練兵達「「「はっ…! (こえええ)」」」

エレンはくじの結果、相手は……

エレン(お…ミカサか)

格闘術でペアを組むのは久しぶりな気がする。

昨日は結局、ミカサに最後、スタミナ負けをしてしまったが、今日こそは、最後くらいは勝ちたい。

ミカサは複雑な表情だったが、気持ちを切り替えると、エレンと向き合った。

キース「始め!」

一斉に、皆、動き始める。

ミカサはエレンの動きを、素早く避け、エレンの胸ぐらを掴んだ。

エレンも負けじと、服を掴んで対応する。

しかし、その時……


ブチッ…!


ミカサのシャツの一番上の前ボタンが外れてしまった。

エレン(え……あ…ちょ…!)


ドシーン…!


その先の胸元が気になった隙をついて、ミカサは、エレンを地に落とした。

ミカサ「エレン! ご、ごめんなさい!」

エレン「あやまんな! くそ…(油断した)」

今ので、ポイントはミカサについただろう。

エレンは切り替えて、もう一度、向かい合った。

しかし……



ブチッ…!


また、今度は二つ目の前ボタンが取れてしまった。

エレン(ぶーっ!!)

なんでそう、簡単にボタンが飛ぶんだよ!!

と、エレンは思っていた。

ちなみにこの事態に、ミカサも戸惑っている。

ミカサ(???)

実はこの展開になるよう、ハンナがこっそり前もってボタンにハサミを入れていたのだ。

こういうハプニング系も、男は好きな筈…と思って。

多少のリスクはあるが、ボタンが飛ぶだけだから大丈夫だろうと、ハンナが悪戯したのだ。

しかし今のエレンはそれを楽しむより苛立ちの方が上回った。

ミカサのおっちょこぶりに、八つ当たりしたくなる。

エレン「ミカサ! マフラー! マフラーを服の内側に入れてくれ!」

ミカサ「分かった!」

とりあえず、マフラーで応急処置をする。

そして今回はそれでなんとか乗り切り、試験は無事に終わった。

エレンは普段の実力の半分も出せなかったが…。

ミカサ「エレン……その…本当にごめんなさい」

エレン「いいよ。それより飛んでったボタン、探すぞ」

ミカサ「うん…」

試験後、地面に落ちた筈のボタンを二人で探す。

エレン「あった……ちゃんと直しとけよ、ミカサ」

飛んでいった二つのボタンを見つけ、ミカサに手渡す。

ミカサ「うん…(おかしい。どうして飛んでいってしまったんだろう)」

エレン「(胸元じ~っ)マフラー、巻いてて良かったな」

心底そう思ったエレンだった。







そしてその日の夜……。

夕食時、ミカサはいつもと違う格好で食堂に現れた。

その姿を見た男子は一斉にざわめいた。

ミカサは肩が大きく見える、紐で首の部分を縛る、セクシーな衣装で現れたからだ。

その上にマフラーをしているという、寒いのか暑いのかはっきりしないチグハグなファッションだったが、一番目にいくのは広い背中位。マフラーだけでは隠しきれない、綺麗な背中がとても目立った。いわゆる、ベアトップスタイルだったのだ。

そのミカサのセクシーな衣装を、ジャンも目に入れてしまい、陰で鼻血を出していた。

いつもより露出の大きいミカサの姿に、アルミンまでも顔を赤くしてしまった。

アルミン「み、ミカサ、どうしたの? その服」

ミカサ「いつもの服が、ボタンが外れてしまったので、今夜後で修理する。とりあえず、今日くらいはハンナが「これでも着ておいて」と、服を貸してくれたので、着てみた。変だろうか?」

アルミン「いや、変じゃないけど、なんていうか…(チラリ)」

エレンの方を見ると、エレンもなんとも言えない困ったような顔をしている。

エレン「上着とってくる」

ミカサ「え?」

エレン「そんな、背中出す衣装で、体冷やしたらどうすんだ。(ここじゃ場違いだし)俺の上着、貸すから、その上から着とけ」

ミカサ「……分かった」

ミカサはエレンのカーディガンを借りて、それを着た。

ハンナ「(小声)あーもう! そうじゃないのに!」

と、ハンナは陰で残念に思っていたが。





そんなわけで、試験中、ミカサの様子がずっと変だった。

私服のセンスが、いつもと違う。

ロングスカートがミニスカートになったり、やたら胸元の広い衣装を着たりしてくるので、エレンはその度に、自分の上着を着せて肌を隠してやった。ミニスカートは、ズボンに着替えさせた。

夕食時、また変なワンピースの格好をしてきた。

今度は真っ白なミニスカのフリルのワンピースだ。スカート丈は、膝上。

エレンはそんなミカサに首を傾げて言った。

エレン「お前、最近変だぞ。なんで変な服ばっかり着て夕食に来るんだ。服、足りてねえのか? 俺の貸しとくぞ?」

エレンはミカサの膝上に自分の上着をのせてナプキン代わりにすると、飯を食いながらそう言った。

すると、ミカサも困ったように言った。

ミカサ「いえ…そういうわけでは…」

エレン「だったらなんでやたら、肌を見せようとすんだよ。元々冷えやすいくせに。意味わからんぞ」

ミカサ「だって…(これが女でいるって事だと、ハンナが言ってたのだけど。違うのかしら?)」

エレン「とにかく! もうあんま肌見せる服を着るな! いいな!」

ミカサ「うん……(エレンがそう言うなら)」

ハンナ(ああ……それがダメなのにもう!)

ハンナは作戦が失敗してがっかりしていた。

ミーナはどうしたもんかと、考える。

他に何か、手はないか。

ミーナ(そうだ!)

その時、ミーナは行動を起こした。

ミーナ「ちょっとエレン!」

エレン「な、なんだよ!」

ミーナ「あなた、さっきから聞いていれば何様なの? ミカサの服に文句をつけて……そんな事、いう権利あるわけ?」

エレン「はあ? 当たり前だろ! ミカサは………」

ミーナ「ミカサは、エレンのものじゃないのよ? どんな服を着ようが、ミカサの自由でしょう?」

エレン「うぐっ…!」

痛いところを突かれて、エレンは言葉に詰まった。

ミーナ「ミカサは背も高いし、スタイルいいんだから、ちょっとくらい肌見せた服を着ても、似合うでしょう?」

ハンナ「そうだよ! 皆もそう思うよね?」

ハンナも参戦した。すると女子一同はだいたい頷き、男子に至っては、号令を受けたように盛り上がっていた。

男子1「ミカサ、足綺麗だしな。見せたほうがいいと思う」

男子2「ああ…俺は今のミカサ、いいと思うぜ。そのワンピースも似合ってる」

明らかにデレデレしている。

そんな皆の盛り上がりに、ミカサはオロオロしている。

エレンは歯ぎしりして、それらを睨みつけた。

ミーナ「ミカサの私服に文句をつけるというなら、それ相応の理由が必要よ! エレン、あなたにそれがあるのかしら?」

ハンナ「あるのかしら? (便乗)」

エレン「うぐっ…!!」

エレンはミーナ達に詰め寄られ、反論できなかった。

エレン「…………分かったよ。そこまでいうなら、もう好きにしろ。俺は止めん」

エレンはそう言って、食事の途中で席を立った。

渋々、男子寮に戻る。

ミカサ「エレン…! Σ(゚д゚lll)」

ミーナ「ミカサ! 追っちゃダメ!」

ハンナ「そうだよ! ここは我慢しよう!」

ミカサ「でも!」

ミーナ「これでいいのよ! エレンもこれで、ミカサ離れが出来る筈!」

ミカサ「しかし…!!」

ハンナ「エレンの為よ! ミカサ、ここは辛抱しよう!」

ミカサ「………」

本当に、そうなのだろうか。

だんだん本筋からズレているような気がしてならないミカサだったが……

しょぼーんとするミカサに、ミーナは付け加えた。

ミーナ「絶対大丈夫だから! 今は私達を信じて!」

それに対して、ミカサは首を振った。

ミカサ「ごめんなさい。ミーナ、ハンナ」

ミカサはやはり、エレンが優先だった。

ミカサ「気持ちは嬉しいけれど……私はもう、やめる」

そうきっぱり断って、エレンの後を追った。







エレンは苛々していた。

ミカサのセクシーな格好を見て、デレデレする周りの男子に。

こんなこと、初めての経験だ。

エレン(分かってる。俺はミカサの自由を奪う権利はねえ……)

ミカサがしたいなら、そうすればいい。

でも、なんで急にこんな事になったんだ? とも思う。

エレン(くそっ…! 理由なら、あるに決まってんだろ!)

思い出すのは、ジャンとミカサがこっそり会っていたあの時のこと。

あの事が切っ掛けで、エレンは自分の気持ちを今までよりもっと強く自覚した。

察してくれよ! と思う。

なんでこんな事、言わなくちゃならんのだ、と。

エレンは憤慨していた。

エレン(………………)

いや、憤慨する権利もないのだが。

エレンは自分にそう言い聞かせ、ベッドの中でため息をついた。

エレン(やっぱ、ガキなのは、俺の方か)

こういう時、自己嫌悪に陥いる。

自分の思い通りにいかないからといって、それに対してただ文句をつけるのは、ガキのやる事だ。

我を通したいなら、ちゃんと筋を通すべきだ。

そんな事は分かっている。分かっているのだが……

と、その時、

ミカサ「エレン!」

ミカサはいつもの服に着替え、男子寮の窓の外で待っていた。

エレンはそれを見て、窓を開けてやった。

エレン「なんだよ…(元に戻ったのか)」

ミカサ「エレン、ごめんなさい。皆に言われて、私服を変えてみたけど、もうやめる。だから……」

エレン「なんでやめるんだよ。好きにすればいいじゃねえか(プイッ)」

ミカサ「エレン…! Σ(゚д゚lll)」

エレン「さっきのヒラヒラした服、似合ってたのは本当だしな。俺は、別にいいと思うぜ」

明らかに嘘をついているエレンに、ミカサはカッとなった。

ミカサ「エレンの嘘つき!!」

エレン「?!」

ミカサ「何故、嘘をつく?! 私は、エレンが嫌なら、やめると言っている…! 本当の事を言って!!」

エレン「…み、ミカサ」

ミカサ「どんな格好をしようと、エレンが認めてくれないと、意味がない! 私は……エレンの言った通り、『女でいたい』だけなのに…!!」

エレン「……?!」

その言葉でようやく、エレンは理解した。

ミカサの奇行は、自分のせいだったのか……と。

エレン「悪かったよ……」

エレンは、窓越しにミカサを引き寄せるように、緩く抱きしめた。

エレン「俺が悪かった。ミカサは、俺の言葉をちゃんと実行しようとしてただけだったんだな…」

ミカサ「うん…(グスン)」

エレン「そうだな。ああいうセクシーな格好は、俺と二人きりの時だけにしてくれ。他の男の目には、触れさせたくねえんだ。特に、ジャンとか」

ミカサ「うん……(何故、ジャン?)」

エレン「だから、普段は、いつもの格好でいいんだよ。特別なことをしなくていい。いつもの、ミカサでいいんだ」

ミカサ「でも…それだと…女でいることは…」

エレン「もう十分、ミカサは女だよ。これ以上、頑張らんでいい」

ミカサ「そうなの…? (きょとん)」

エレン「ああ……(ぎゅっ)」

エレンは、抱きしめる力を少し強めた。

ミカサ「でも…本当にそれでいいの? エレンは私に『いい女でいて欲しい』のではないの?」

エレン「? 誰だ、そんなこと言った奴は」

ミカサ「ハンナ達……」

エレン(あいつら、ミカサにいらん事吹き込みやがったな)

エレンは一連の事件の繋がりが分かった気がした。

ミカサ「努力しないと、ダメだって。女は努力して初めて女を維持出来るんだって、ハンナ達が言ってた」

エレン「……(遠い目)」

ミカサは一度思い込むと、それをそのまま受け入れてしまう。疑うことを知らないのだ。

エレン(まあ、そこがミカサの可愛いとこなんだけど)

きっと、ハンナ達も、ミカサを弄りたくてしょうがなかったのだろう。その気持ちはよくわかる。

だってミカサは、自分の髪型も、エレンの一言で変えてしまうくらいなのだから。

エレンはミカサに抱きついたまま、耳元で囁いた。

エレン「あえて、ひとつだけ注文するとすれば……」

ミカサ「ん…? (ブルッ)」

エレン「いつも元気でいろ。ミカサが病気や怪我すんのが、一番辛い。俺はもう…それだけでいいんだよ」

ミカサ「エレン……」

エレン「ミカサも、俺が病気や怪我したら、嫌だろ?」

ミカサ「うん…! (当然)」

エレン「だったら、分かるよな? それだけでいいんだ」



ぎゅう……

ミカサ「エレン…!」


ドクドクドクドク……


その時、その様子を、陰で見ている気配があった。

一旦、休憩入れマース。またねノシ

今日一気に読んでしまった
ニヤニヤがとまらない
続きまってます

>>290
あざーす! 
そうか、後からここの掲示板でスレを知って一気に読む方もいるのね。
頑張りますよー。

さすがにそのこそこそした皆の気配は、エレンも気づいていたので、これ以上の事はしない。

ミカサの頭をポンポン叩いて、涙を拭ってやり、帰らせた。



エレン「えーっと…そこのお前らは、ちょっと待て」



一同「「「ギクッ…!」」」



エレン「とりあえず、一言いいか? お前ら……ミカサにこれ以上、いらん事いうなよ? 言ったらどうなるか、分かってんな?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ……



エレンは、怒っているらしい。非常に。物凄く。

ハンナとミーナは青ざめて「ごめんなさい」と謝った。

ハンナ「だって! エレンがあんまり薄情だから!」

ミーナ「そうそう! ミカサの純情を弄んでいるのかと思って…つい!」

フランツ「うん…俺もちょっと、エレンの態度はどうかと思うこともあったし……(←だからハンナを止めなかった)」

コニー「だなー。いい加減、腹くくっちまえよ。ここまできたら」

ライナー「男は、決めるべき時は決めんとな」

ベルトルト「……(ノーコメント)」

クリスタ「そうそう、だってエレンは、ミカサの事を好きなんでしょ? もう家族として、という言い訳は通じないわよ?」

エレン「…………」

異性としての好き、だと皆にもバレているらしい。

仕方なく、エレンはため息をついた。

エレン「……それはミカサも知ってると思うが」

ごめん、間違えた。再投下、いきます。



ライナー「(小声)ほほう、エレン。やるな(キラーン)」

コニー「(小声)エレン、さっさとベッドに連れ込めよー」

アルミン「………(やっぱりこうなったか)」

ハンナ「(小声)なんでそこで止まる! はよキス! キス!!」

フランツ「(小声)ハンナ、落ち着いて(汗)」

ミーナ「(小声)もう、どうしてそこで『好きだよ』とか言えないの?! エレンのヘタレ!」

ユミル「(小声)肝心なとこすっ飛ばしてるからなーあの二人は(棒読み)」

クリスタ「(小声)キャー! いけー! ミカサー!」

サシャ「(小声)おお! ラブシーンを生で初めて見ました! 興奮しますね! むふふ!」

アニ「(小声)……死ねばいいのに」

リア充爆発しろと、こっそり思っているアニだった。

(*ジャンとマルコはこの場を欠席しています)





さすがにそのこそこそした皆の気配は、エレンも気づいていたので、これ以上の事はしない。

ミカサの頭をポンポン叩いて、涙を拭ってやり、帰らせた。



エレン「えーっと…そこのお前らは、ちょっと待て」



一同「「「ギクッ…!」」」



エレン「とりあえず、一言いいか? お前ら……ミカサにこれ以上、いらん事いうなよ? 言ったらどうなるか、分かってんな?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ……



エレンは、怒っているらしい。非常に。物凄く。

ハンナとミーナは青ざめて「ごめんなさい」と謝った。

ハンナ「だって! エレンがあんまり薄情だから!」

ミーナ「そうそう! ミカサの純情を弄んでいるのかと思って…つい!」

フランツ「うん…俺もちょっと、エレンの態度はどうかと思うこともあったし……(←だからハンナを止めなかった)」

コニー「だなー。いい加減、腹くくっちまえよ。ここまできたら」

ライナー「男は、決めるべき時は決めんとな」

ベルトルト「……(ノーコメント)」

クリスタ「そうそう、だってエレンは、ミカサの事を好きなんでしょ? もう家族として、という言い訳は通じないわよ?」

エレン「…………」

異性としての好き、だと皆にもバレているらしい。

仕方なく、エレンはため息をついた。

エレン「……それはミカサも知ってると思うが」

ごめん、間違えた。再投下、いきます。



ライナー「(小声)ほほう、エレン。やるな(キラーン)」

コニー「(小声)エレン、さっさとベッドに連れ込めよー」

アルミン「………(やっぱりこうなったか)」

ハンナ「(小声)なんでそこで止まる! はよキス! キス!!」

フランツ「(小声)ハンナ、落ち着いて(汗)」

ミーナ「(小声)もう、どうしてそこで『好きだよ』とか言えないの?! エレンのヘタレ!」

ユミル「(小声)肝心なとこすっ飛ばしてるからなーあの二人は(棒読み)」

クリスタ「(小声)キャー! いけー! ミカサー!」

サシャ「(小声)おお! ラブシーンを生で初めて見ました! 興奮しますね! むふふ!」

アニ「(小声)……死ねばいいのに」

リア充爆発しろと、こっそり思っているアニだった。

(*ジャンとマルコはこの場を欠席しています)





さすがにそのこそこそした皆の気配は、エレンも気づいていたので、これ以上の事はしない。

ミカサの頭をポンポン叩いて、涙を拭ってやり、帰らせた。



エレン「えーっと…そこのお前らは、ちょっと待て」



一同「「「ギクッ…!」」」



エレン「とりあえず、一言いいか? お前ら……ミカサにこれ以上、いらん事いうなよ? 言ったらどうなるか、分かってんな?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ……



エレンは、怒っているらしい。非常に。物凄く。

ハンナとミーナは青ざめて「ごめんなさい」と謝った。

ハンナ「だって! エレンがあんまり薄情だから!」

ミーナ「そうそう! ミカサの純情を弄んでいるのかと思って…つい!」

フランツ「うん…俺もちょっと、エレンの態度はどうかと思うこともあったし……(←だからハンナを止めなかった)」

コニー「だなー。いい加減、腹くくっちまえよ。ここまできたら」

ライナー「男は、決めるべき時は決めんとな」

ベルトルト「……(ノーコメント)」

クリスタ「そうそう、だってエレンは、ミカサの事を好きなんでしょ? もう家族として、という言い訳は通じないわよ?」

エレン「…………」

異性としての好き、だと皆にもバレているらしい。

仕方なく、エレンはため息をついた。

エレン「……それはミカサも知ってると思うが」

あれ?なんで二回書いたんだ? 失敗した。すまぬ。

アルミン「え? 僕、エレンがはっきりミカサに『好きだ』って言ったところ聞いたことないよ?」

アルミンの一言に、皆、一斉に驚いた。

ユミル「え……一度もないのか?」

アルミン「僕の記憶の限りでは。そういう話が出れば、エレンもミカサも隠すわけないし、そうだよね? エレン」

エレン「……………そうだったか?」

そういえば、言った事、なかった気がする。

ハンナ「ますますダメじゃない!」

ミーナ「言いなさい! 今すぐ! 言ってきなさい! エレン!」

エレン「何でだよ?! 意味わからんわ!」

ユミル「あーじゃあずっと、そのままでいるつもりなのか? エレン」

エレン「と言うか、言う必要があんのかよ! わざわざ! 言ってどうなるんだよ!」

女子一同は、その途端、しら~っとした目でエレンを見た。

アニ「サイテーだわ」

ユミル「だな」

ハンナ「見損なった」

ミーナ「最悪」

サシャ「う~ん、はっきりしないと、もやもやしますよね」

クリスタ「もう知らない! (プイッ)」

女性陣は一斉に帰ってしまった。

その態度にエレンは、ええええΣ(゚д゚lll)と思った。

エレン「アルミン! 俺、何かまずいこと言ったのか?!」

アルミン「好感度は一気に全員80くらいは下がったかな」

エレン「何でだよ?! 俺、そんなに酷い事言ったのか?」

ライナー「ああ…少なくとも、女を全て敵にまわすくらいにはな」

エレン「?!」

コニー「あっちゃあ…エレン馬鹿だねー」

エレン「コニーより馬鹿なこと言ったのか俺? Σ(゚д゚lll)」

アルミン「うん。コニーより馬鹿な発言だったね」

コニー「おい、そりゃ言いすぎだろ。アルミン、俺だって、今のエレンがひでえことを言ったのくらい分かるぞ」

エレン「………(どうしろっていうんだよ)」

エレンは頭を抱えるしかなかった。すると、そこで意外な人物が、

フランツ「あのさ…エレン」

フランツが、意を決して前に出たのだ。

エレン「なんだよ」

フランツ「言葉っていうのは、大事だと思うよ。それが伝えられる機会があるうちは、ちゃんと伝えておいた方がいいと思う」

エレン「………」

フランツ「それで、その後、どうなるとか、先のことを考えると何も出来ないよ。今、その時、思ったことを、素直に伝えていいと思うよ。ミカサもちゃんと聞いてくれるよ」

エレン「……でも」

アルミン「まあ、照れくさいなら、無理はしないほうがいいよ。言えないなら、それ以外の方法で伝えたらいいんじゃないのかな?」

エレン「それ以外って…」

アルミン「それは自分で考えることだよ、エレン」

エレン「うっ…そりゃそうか」

アルミン「明日はいよいよ、試験の最終日だ。あんまり遅くなると、明日に響くよ。皆、そろそろ寝ようか」

ライナー「そうだな」

ベルトルト「……そうだね」

そして男子も皆、それぞれ寮に戻り、寝る準備を始めたのだった。



エレン「…………」



その日、エレンはまた、なかなか寝付けなかったのだった。

そして卒業試験最終日。

その日、ミカサは過去最高の絶好調だった。

エレンを補充(?)して、気力満タンだった為、歴代最高の点数を叩き出したのである。

アルミンも、苦戦しながらも、なんとかギリギリの点数で無事に試験をクリアした。

その日の夜、彼らは今まで世話になった宿舎を後にして、翌日、解散式を行う為、トロスト区に移動することになった。

宿舎での最後の夜、エレンは自分の荷物をまとめる為、男子寮の中で片付けていたが……

その手を途中で止めて考えてみた。

エレン(…………言葉、か)

好きだと、いう言葉をミカサに伝えた事は一度もなかった。

それを言ってしまったら、本当に何もかも変わってしまう気がして。

エレンは迷った。今まで何度迷ったか分からない。

ミカサに恨まれてもいいから、孕ませて、内地に置いていく。

そのゲスな行動を止める事が出来たのも、ミカサの事が好きだから。

理性が勝ち続けてこれたのも、ミカサの事が好きだから。

だから、もし、その言葉を口に出してしまったら……

何もかも壊れる、トリガーを引いてしまう気がして、怖い。

それでも、伝えた方がいいというのか。

それを、ミカサは待っているのだろうか。

エレン(………はあ)

気が重い。皆にごちゃごちゃ言われて、心の中がぐちゃぐちゃになっていた。

煩雑な荷物を途中で放棄する。

すると案の定、ミカサがエレンの様子を覗きに来た。

ミカサ「エレン…? 荷物はまとめ終わった? あ…まだ終わってない。もう……」

ミカサはエレンの傍にくっつき、エレンの途中で放置したそれを、勝手にまとめ始める。

ミカサ「忘れ物はない? この宿舎は、次の新兵が使うから、綺麗にして引き渡さないと……」

んなことは分かっている。

相変わらず、ミカサはお節介だ。

エレン「…………」

ミカサ「エレン…?」

いつもだったら、言い返したり「やめろ!」と言ってくるエレンが黙っているので、ミカサも疑問に思った。

ぼーっとしているエレンに、ミカサは小首を傾げた。心配そうにしている。

エレンはそんないつものミカサに、何故か、急に、愛しさがこみ上げて、堪らなくなった。

ぐっと、自分の方に引き寄せて、抱きしめる。

今は、この部屋には、幸い誰もいない。

皆、バタバタと、他の場所の掃除や片付け作業をしているのだ。

自分の荷物をまとめているのは、エレンくらいだったのだ。

エレンがミカサを抱きしめたまま動かない。

ミカサは疑問に思い「エレン?」と何度も問いただすが、エレンは無言だった。

エレンは何かを言おうとしているのだろう。

そう、察してミカサは暫く待ってみた。

しかしなかなかエレンが動き出す様子はない。

ミカサ(今はこんな事をしている場合じゃない)

こんな風に触れ合っている時間的余裕はない。

だからミカサは、エレンを押しやっていった。

エレン「……ミカサ?」

ミカサ「言わなくていい」

ミカサは、言った。

ミカサ「今、すべき事を、間違えてはダメ。そうでしょう?」

エレン「…………」

ミカサ「今は、荷物をまとめるのが先、言いたいことは、後で聞こう」

エレン「……そうだな」

エレンはミカサに急かされるように、自分の荷物を全部まとめた。

着替えや勉強道具、ここで使った全てのものを大きな鞄に詰め込み終えた。

そう多くはないけれど、この三年間、世話になった荷物だ。

ミカサ「………おしまい。さて、どうぞ」

エレン「え?」

ミカサ「何か、話すつもりだったんでしょう?」

エレン「………」

いざ、向き合うと逆に言いづらくなってしまった。

エレン「……やっぱり、いいわ」

ミカサ「え?」

エレン「やっぱ、何でもねえ(言わんほうがいいな、うん)」

ミカサ「どうして? 大事な話をしようとしたのでは、ないの?」

エレン「ん?」

ミカサ「エレンの目は真剣だった。きっと、大事な話に違いない」

エレン「……………」

大事な話をするつもりだった。けど……

エレン「今日、言う事じゃねえもん」

ミカサ「そうなの?」

エレン「ああ……いつか必ず言う。それまで待ってろ」

エレンは『好きだ』という言葉は、今は言わない。

いつかきっと、本当に必要な時が来るまでは、伝えたくないのだ。

巨人が本当にいなくなり、外の世界に自由に行けるようになったら……

その時は、子供も沢山作れるし、そういう時がもし、本当にきたら、

その時に、伝えたい。ミカサに。

『好きだ』と。

それまではとっておきたい男心を、どうして皆、分かってくれないだろう…。

と、エレンは内心ぼやきながら、ミカサの頭をポンポン優しく撫でた。

ミカサはそれが気持ちよくてつい、頬を赤らめた。

ミカサ「あ……! (しまった、声が)」

エレン「え? (なんで喘ぐ?)」

ミカサ「あ、違うの。ごめんなさい。今のは、つい…その…」

エレンに触られると、ついつい感じてしまう自分に、ミカサは恥ずかしさを覚えた。

ミカサ「エレンが、触ると、つい…その…感じてしまうので…その…」

エレン(ドキッ)

しまった。この展開は。

エレン「わ、悪い。やりすぎたな、今のは! 俺が悪い!」

パッと手を離して、エレンはミカサから離れた。

お互いに、気まずい。空気が流れる。


ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…


エレン(うっ……!)

いかん、ミカサの照れる顔を見ていると、下半身が一気に元気になってきた。

今、ここに他に誰もいないことをいい事に、エレンの中にも熱が滾る。

エレン(おいおい、こんくらいで滾ってどうするんだよ、俺は!)

ミカサが誘惑してきたならともかく、自分から発情してどうする!

エレン(そうだ…ミカサが、したいなら、仕方ないけど、自分がしたくて、その…するのは、ちょっと)

ダメだろ! と、エレンは自分に言い訳する。

ちょっとそれはずるいんじゃないか? と、この場にもし、ユミルがいたらツッコミを入れていたかもしれないが、とにかくエレンは「ダメだダメだ!」と首を振って自分を落ち着かせようとしていた。

でも………

ミカサがちょっと、もじもじしている姿は、可愛い。

人差し指を付き合わせて困っているようだ。

ミカサ「全然……いい。エレンが触ってくれるなら…嬉しい」

エレン「うっ……!」

ミカサ「もっと触って欲しい…けれど…あと、もうちょっと…だけ…」

もじもじ、している。何度も言うが、もじもじしている。

エレンはもう、それを我慢出来なかった。

エレン「ミカサ……! (がばっ)」

アルミン「エレンー……あ、ごめん、お邪魔だった?」

飛びついた直後、突然のアルミンの気配に慌ててミカサから離れるエレンだった。

エレン「いや、全然邪魔じゃない…! 何か用か? アルミン!」

アルミン「そろそろ、ここでの最後の夕食の時間だから、呼びに来たんだ。最後だからいつもよりちょっとだけ豪華な夕食になりそうだよ」

エレン「そうか…そりゃ良かった。ミカサ、いくぞ」

ミカサ「うん…(ちょっと残念)」

そして三人は廊下を歩きながら、一番最後を歩いていたミカサが突然、

ミカサ「そう言えば、アルミン」

アルミン「ん?」

ミカサ「アルミンに聞きたいことがあった。今まで忘れてたけど、今、聞いてもいいだろうか?」

アルミン「何?」

振り向いて、アルミンが言うと、

ミカサ「亀甲縛りとは、一体どんな縛り方なの?」

アルミン(ぶーーーーーっ!!!)

ミカサ「エレンが、聞いても教えてくれない……ので、アルミンなら知ってるかと思って」

アルミン「エ~~~レ~~~~ン~~~~~! ヽ(`Д´)ノ」

エレンは既にダッシュで逃げていた。

アルミンは「チッ」と思いつつ、

アルミン「ミカサは知らなくてもいい事だと思うよ? エレンもそう言ってなかった?」

ミカサ「そうだけど……気になる」

アルミン「あーあのね、そういうのは、巨人を駆逐できたら教えるよ」

ミカサ「それじゃ何年先になるか分からない…(ズーン)」

アルミン(僕だって、説明したくないよ。そんなこと)

ミカサ「……でも、分かった。だったら他の人に聞いてみる。ユミルなら知ってるかも……」

アルミン「!? ダメだよ! そんなこと聞いちゃダメだ!」

ミカサ「なら、今、教えて、アルミン」

アルミン(エレン、後で覚えてろよ~もう! ヽ(`Д´)ノ)

アルミンは渋々ミカサに亀甲縛りの概要を伝えたが、口で伝えただけでは、いまいち理解出来なかったようだ。

ミカサ「……実際、どういうものなのか、見てみないと分からない。図で見てみたいけれど」

アルミン「見なくていいよ。というか、何故その話になったのさ」

ミカサ「エレンが…『さすがに亀甲縛りは、俺には出来ねえけど……これでも十分、可愛いぞ』と言って……」

そう言って、ミカサは手首を後ろに持っていった。

それだけで、理解したアルミンだった。

アルミン(エレンーーー!!! 君って奴は!!!)

アルミンは真っ赤になった。ちょっと刺激が強すぎる。

エレンの隠れた本性を垣間見た気がして、アルミンは頭を抱えた。

ミカサ「エレンはきっと、それを望んでいる……ので、いずれは、マスターした方がいいかと」

アルミン「マスターしなくていいよ! というか、エレンを殴ってもいいよ?! むしろ殴ろう!!」

ミカサ「? 何故? そんなことはしなくていい。殴ったら、私が怒る(むーっ)」

アルミンは、ミカサのムッとする顔が、不覚にも可愛いと思ってしまった。

自分ですらこう思うのに、エレンはもっと毎日大変に違いない。

アルミン「分かった。殴らない。殴らないけど……ミカサ、エレンの願望を、何でもかんでも受け入れちゃダメだからね。友人として、僕は心配だよ……」

ミカサ「それは大丈夫。私は、私の譲れない部分だけは、エレンにも、譲らないと決めている……ので」

ミカサはそう言うが、それは『エレンの傍を離れない』という一点のみである。

アルミンは、ミカサのこの包容力の大きさを、たまに危なっかしく思う。大丈夫なのかと。

ミカサ「なので……私は別に構わない。その亀甲縛りとかいう縛りを、されても……。そ、それでエレンと……楽しい事が出来る……のならば(ポッ)」

アルミン(うわああ……)

なんかもう、調教されちゃってるよ、コレ…。

と、アルミンは思ったが、口には出さなかった。

ミカサ「エレンは私に、力をくれる。私は、エレンがいれば何でも出来る。たとえ…それがどんなに困難な事でも、きっと。成し遂げる事が出来る…!」

燃えちゃってるミカサを見ていると、アルミンはもう何も言えなかった。

二人が幸せなら、それでいいか、と自分を納得させる。

ミカサ「だから……アルミン。詳しく教えて欲しい」

アルミン「……後でね。うん、それは後にしよう」

アルミンは棚上げした。後でエレンに仕返ししようと思いつつ。

食堂に入ると、エレンが先に、ミカサとアルミンの分の食事を確保して、席についていた。

エレン「今日は果物もついてんぞ! オレンジ美味いぞ!」

もぐもぐ幸せそうに先に食っているエレンを見ていると、アルミンはやれやれと思った。

三人はいつものように、試験の結果どうだった? だの、互いの報告をしながら食事をとる

この日常も、あと何回、あるのだろうか。

そんな風にアルミンは思うけれど……

アルミン「(そろそろいいかな)エレン、さっきの話なんだけど」

エレン「ん?」

食事もほとんど終わったその時を見計らって、アルミンは言った。

アルミン「さっきの亀甲縛りの話は、図で説明するだけじゃ不十分だから、実際やって見せたほうがいいと思うんだ。エレン、言いだしっぺの君が、ミカサに見本を見せてくれよ。やってくれるよね?(キュピーン☆☆)」

エレン「え……いや、それは…!!」

アルミン「僕に恥ずかしい説明をさせたんだから、それくらいの事をしてくれてもいいと思うんだ。ほら、ミカサもやる気十分だよ?」

ミカサ(ばっちこーい!)

エレン(あがががが…!)

今回はこのへんで。そろそろ寝ます。おやすみなさい。ノシ
続きはまた今度、書きます。

身から出た錆とは、この事だろうか。

エレンは残りの飯を急いで口に詰め込んで逃げようとしたが、アルミンはさすがにそれを読んでいたので「ミカサ、逃がさないで!」と、言って止めさせた。

ミカサ「どうして逃げるのエレン……?」

エレン「いや、だから、それは……」

ミカサ「(顔近づける)エレンは、そういうのが、好きなんでしょう?」

エレン「………!! (顔が近い!!)」

ミカサ「エレン? 違うの? (更に接近)」

その時、エレンはつい、大声で叫んでしまった。

エレン「……そうだよ! 好きだよ! 俺は、好きだ!! (そういうのが!)」

一同(((おおお…?!)))

ハンナ「言った!」

ミーナ「エレンが遂に!」

サシャ「告白しちゃいましたね! (むふーっ)」

しかも、皆の前で堂々と!

おめでとー! の拍手が鳴る。パチパチと。

それでようやく、エレンは我に返った。

エレン「あ、いや、違うんだ、今のは…その…!」

アルミン「訂正しない方がいいんじゃない? (ゲスミン顔)」

エレン「アルミ~~~ン!!! (しまった! はめられた!)」

ミカサ「では、早速やろう。アルミン、協力をお願いする」

アルミン「了解♪」

エレン「アルミ~~~ン!!! ((((;゚Д゚))))」

飯を食べ終えて、あるミントミカサはエレンの両腕を捕まえて、ズルズル男子寮の方へ引っ張っていった。

その後、エレンは自ら亀甲縛りの見本を見せることになり……。

それを見て、ミカサが顔を真っ赤にして、

ミカサ「エレンのエッチ……」

と、小さく呟いたという。

エレン「本当、すんませんでした。もう勘弁して下さい」

広い床に転がされたエレンを見つめながら、アルミンは黒い笑みを浮かべていた。

アルミン「ふー大変だった! 見よう見まねだけど、やればなんとか出来るもんだね! (いい眺めだなあ)」

本の資料のみの説明で、それっぽく紐を使ってエレンを拘束してみた。

アルミン「でも問題は、これを解けるか、なんだよねえ。出来るかなあ」

ミカサ「出来る! アルミン、頑張ろう!」

エレン「ちょ…変なとこ、触るなよ! あ…! (*´д`*)」

アルミン「Σ(゚д゚lll)エレン! ちょっと、そっちこそ、変に抵抗しないで! よけいに絡まるから!」

しかし、やったのはいいけど……。

エレンが抵抗したせいで、今度は解けなくなってしまった。

アルミン(これは……なんというか…)

ミカサ(これは……えっと…)

二人は、ちょっと、イケナイ感情が芽生えた。

動きを完全に拘束され、蒸気したエレンを見ていると…

何だか、変な気分になってくる。

アルミンはその気持ちを断ち切るべく、はさみで紐をちょん切った。

アルミン「…………………………」

ミカサ「…………………………」

エレン「…………………………」

もうやめよう。三人は無言で頷きあった。

ミカサ「え、エレン……ごめんなさい。これはちょっと、やめたほうがいい気がする」

エレン「ああ! というか、本当、悪かった。やらなくていいからな! こんなもん! やるべきじゃねえ……(妄想で十分だ)」

ミカサ「でもエレンって……実は結構……エッチ……」

エレン「ぐはっ…!」

ミカサ「一緒に温泉行くまでは、ぜんぜん知らなかった……ずっと一緒にいたのに、知らないエレンがいたことに驚いた」

アルミン(隠してたからね……)

ミカサ「こういう事は、皆、同じなのよね? そういう感情を持つ事は、変な事ではないのよね?」

アルミン「まあ…個人差はあるけど、多かれ少なかれ、皆、通る道だよ。何も変な事じゃない」

ミカサ「良かった……(私、変じゃないのね)」

エレン「……((((;゚Д゚))))」

エレンは無言でブルブル震えていた。

ミカサ「拘束された、エレンを見て、ちょっとだけ興奮したのは、変じゃないのね」

アルミン「うん、変じゃないよ。僕もちょっとだけ興奮した」

エレン「お前ら?! Σ(゚д゚lll)」

アルミン「いや、そもそも亀甲縛りを言いだしたのはエレン、君だよ? 僕らは何も悪くない」

ミカサ「うん、悪くない」

二人にフルボッコされるエレンだった。

アルミン「でも何故、突然亀甲縛りなのさ。何がどうなって、そうなったの」

エレン「夢だよ」

アルミン「夢?」

エレン「そういう夢を、見ちまったんだよ! あーもう、これ以上、言わせないでくれよ、アルミン!」

アルミン「へえ……(ニヤニヤ)」

夢で、見たのか。と、すれば………

アルミン(エレンは、潜在意識の中で、ミカサのことを、自分の思い通りにしたいって思っているのかもしれないね……)

多分、現実ではうまくいかないから、その反動でそういう夢を見ちゃったのかな? とアルミンは予想する。

アルミン(つまり、エレンは相当、ミカサに対して独占欲を持っているってことなのかな?)

恐らく、そうなのだろう。

本人が、どこまで気づいているかは知らないが。

アルミンがニヤニヤしていると、エレンは、

エレン「仕方ねえだろ……俺、男だし。そういう事も、たまにはある。アルミんだって、あるくせに……」

ミカサ「え? アルミンにもあるの?」

アルミン「(ドキッ)いや! ないよ! 僕はさすがに夢で亀甲縛りは出てこないよ?!」

エレン「嘘つけよ、アルミン。お前、クリスタが看護婦の格好で、看病してくれる夢見たことあるって、前に言ってたじゃねえか」

アルミン「うわああああん! ((((;゚Д゚)))) (ばらさないでよ!!)」

ミカサ「? それは別にエッチではないのでは?」

エレン「いや、十分エロいだろ。クリスタが、裸の自分の全身を丁寧に拭いてくれるんだぜお。アソコも含めて」

ミカサ「………なるほど(それなら、エッチだ)」

アルミン「もうやめてくれよ! 何で三人で猥談話すはめになってんの?!」

エレン「はははっ…本当だなっ…こういう話すんの、初めてかもな」

エレンは腹を抱えて笑ってしまった。

ミカサ「確かに、初めてかも…(ポッ)」

アルミン「ミカサの前だし、もうやめよう……男の汚い部分を、女の子に見せるべきじゃない…(ズーン)」

ミカサ「別に汚いとは思わないけど……」

アルミン「ミカサ、君の優しさが時に人を傷つけることもあるってことを、覚えてて欲しい……(しくしく)」

ミカサ「ガーン……(ショック!)」

エレン「まあもういいか、この話はやめようぜ、この辺で。夢は夢でも、別の夢の話をしよう」

ミカサ「別の夢?」

エレン「ああ! だっていよいよだろ? ここを卒業したら、やっと夢の一歩目を踏み出せるんだぜ!」

そうだった。

明日はいよいよ、解散式だ。

エレン「巨人を駆逐できたら、外の世界を探検する。きっと、外の世界には、もっと面白いもんがいっぱいあると思うぜ!」

エレンは夢想する。アルミンから聞いた、本の世界を。

エレン「もしかしたら、白い温泉以外にも……バラ色の温泉だってあるかもしれねえ……もし見つけたら、今度こそは三人で一緒に入ろうな!」

アルミン「え? 三人で一緒に入るの? (混浴?!)」

エレン「ダメか?」

ミカサ「私は構わないけど」

アルミン「いや、僕はちょっと…恥ずかしいなあ…せめて水着で入るならいいけど」

エレン「おう! 十分だ。水着なら、ついでに海にも入れるしな!」

アルミン「気が早いなあ…エレンは(クスッ)」

エレン「悪いかよ」

アルミン「ううん。全然。それでこそ、エレンだよ」

アルミンは笑った。そうだ。

この三人で、いつかきっと、外の世界に出よう。

そうすれば、夢は全て叶うと。



この時の彼らはまだ知らない。

その後、過酷な運命が、突如再び、彼ら三人に訪れることを。


それでも、彼らは夢を見た。

若者らしい無限の夢を。


アルミン「頑張ろうね、エレン。君達の、未来の為にも」

エレン「おう……! ……………ん?」

アルミン「僕も及ばずながら、力になるよ(ウインク☆)」

アルミンはそう言って、一度だけ、二人に向かってウインクをした。





その意味をエレン達が知るのは、翌日のことである。







(ここで一旦、おしまい☆)

「従順なミカサが見たい」という呟きを拾い、
妄想が一気に爆発した結果がこれだよ!!

1巻でエレンに言われて髪切っちゃう、
しかも髪の長さを自分で決められないミカサだから、
普段は多分、きっといろんなことを、
エレンに丸投げしてんじゃないかという妄想も含めて書いてみました。
(*メニュー決められなかったり、浴衣を自分で選べないあたり)

酔っ払ったエレンもエロかったけど、
素面の方がもっとエロかった気がするのは、
気のせいではないような気がする(笑)。

このあとは、おまけを書くかどうか迷ってる。

リヴァハンのおまけと、
ちびエレンとミカサのおまけ書いてもいいですか?

あ、他になんかリクエストあれば、適当に書き込んでていいですよ。

乱交

書きたまへ

エレン攻めミカサ受けでエロ
お願いします

>>314

乱交ものはさすがに書いたことないwwwwww
えっと…エレン総攻めって考えていいのかしら?

>>315
おまけ書いていい?
リヴァハン需要あんのかな? と思ってたんで、まあいっかw
ちょっと書いてみよう。

>>317
また似たようなエロ系を書いていいってことでファイナルアンサー?

正直リヴァハンはどうでもいいがちびエレンとやらには興味を唆られる

温泉はどこ!?
でも、おもしろいから、よし

317です
似たようなのでいいです
エレミカでお願いします!

>>319
すまぬー先にリヴァハンのおまけからいくわー。
先に書いちゃったんで。

ちびエレンは、あれです。
幼いエレンが初めてミカサに欲情するシーンを追加するだけです。
(多分、短いと思う)

>>320
温泉シーンが少なすぎてすみませんwww前半にしか書いてないwww

>>321
エレミカ、別のパターンのエロってことでOKすね。
よし。頑張ってネタ考えてみる。

(ここからおまけ①)
*リヴァハンのおまけ。需要ないかもだが、ちょっと思いついたので書いてみる。






エルヴィン、リヴァイ、ハンジの3人が宿に泊まった翌日。

ハンジは案の定、二日酔いに陥っていた。

ハンジ「おえええええええ…」

桶に胃の中のものを吐き出している。

リヴァイ「ちっ……汚ねえな」

ハンジ「おえええええ…(←反論する気力もない)」

リヴァイ「お前は毎回そうだな……巨人の捕獲に失敗した後は、いつもこうなる……(ため息)」

ハンジ「だってえ……飲まないとやってらんないんだもん…」

おえええ…と繰り返し、吐きながら、また布団に逃げるハンジだった。

ハンジ「あと、もうちょいだったのに…」

リヴァイ「そうだな。惜しかったな」

ハンジ「どうしてこう、うまくいかないことばっかなのぉ……おえええ……」

リヴァイ(…………)

気持ちは分からんでもないが………

その度にこう、酒に逃げられては、後の片付けが面倒だ。

リヴァイは、呆れるしかなかった。

リヴァイ「………ちっ」

舌打ちして、ハンジの背中をさすってやる。

ハンジ「あら、珍しい。リヴァイ、やさしー♪」

リヴァイ「さっさと吐くもん、全部吐け。そしたら落ち着くだろ」

ハンジ「そだねー♪ おえええええ……」

そして一時間くらいそうやっていたら、ようやく落ち着いたハンジだった。

ハンジ「あーすっきりした。水のもーっと」

とりあえず、吐くものを吐いたら、少し元気になったハンジだった。

リヴァイ「よし、もう大丈夫だな。今日中に帰るぞ」

ハンジ「無茶いわんでよ! さすがにまだ馬には乗れないって!」

リヴァイ「馬でなくとも、馬車でもいいだろ。とっとと帰って、次の壁外調査の準備に取り掛かるぞ」

エルヴィン「まあ、リヴァイ。そこまで慌てる必要はないよ。次の遠征まであと三週間はある」

その時、エルヴィンがリヴァイ達の部屋にやってきた。

エルヴィン「トロスト区を出発するまで、まだ時間はある。それまでは少し、我々も体を休めようじゃないか」

リヴァイ「……ってことは数日、ここに滞在するつもりか?」

エルヴィン「金なら心配するな。必要経費で落とせる。2、3日くらい、ここの温泉で体の疲れを癒そう。リヴァイ、ハンジ、君達はそれくらいの恩恵を受けてもいい程度には、人類に貢献してくれているからね」

ハンジ「さすがエルヴィン! ありがとー!」

リヴァイ「ちっ……」

リヴァイはやれやれと思った。




そして次の日になると、ハンジはすっかり元気になっていた。

エルヴィンの部屋にお邪魔する。

ハンジ「やっほー! エルヴィン! 部屋風呂借りにきたよー! 入らせてくれるー?」

エルヴィン「ああ、いいよ」

ハンジ「やっほーい♪」

恥じらいもなく、裸になると、ハンジは子供のように温泉に突撃した。

ハンジ「いや~ん、これは、気持ちいいわ~♪ 白い湯……これ、成分気になるね~」

ついつい、湯の中に何が入っているか気になってしまうハンジだった。

エルヴィン「リヴァイは入らないのかい?」

リヴァイ「………エルヴィンは」

エルヴィン「私はもう、昨日十分、一人で入ったからね。二人で入ってきたらどうだい?」

リヴァイ「………それもそうだな」

リヴァイはその場で裸になると、一度かけ湯だけして、湯の中に入った。

ハンジ「あ、リヴァイも入るの? じゃあ、スペースあけるねー。(ちょい移動する)」

リヴァイ「別にいい……」

リヴァイはゆっくり足をつけ、腰まで湯に浸かった。

リヴァイ「ふむ……悪くない」

ハンジ「でしょー? 宿泊のばして良かったよね! やっぱり温泉地にきたら、入っとかないと!」

リヴァイ「………なんか、そこにいろいろ書いてあるな」

リヴァイは壁に書かれていた説明文に気づいた。

ハンジ「あ、本当だ。なるほど、美肌効果、腰痛、肩こり、リウマチ、神経痛などなど、効果があるみたいだよ」

リヴァイ「神経痛か……まあ、確かにたまに筋が痛むことはあるからな」

ハンジ「ええ? そうなの? それはいけないね。リヴァイも年なんだし、体に気をつけないと!」

リヴァイ「お前もな」

彼らの場合は体を酷使し過ぎるが故の、筋の痛み、である。

腱鞘炎に近い痛みは、体のそこら中にあるのだ。

しかし調査兵団に所属する以上、泣き言は言ってられない。

ハンジ「あ? バレた? そーなのよ。最近、机仕事が以前より増えて、腰と肩こりが酷くて……って、言わせないでよ」

リヴァイ「自分で言ったんだろうが」

ハンジ「てへ(ゝω・)テヘペロ」

エルヴィン「ははっ……ハンジの気持ちは、私もわかるぞ」

ハンジ「でしょー?」

リヴァイ(………)

リヴァイは面倒な仕事は全部、二人に押し付けているのでノーコメントだ。

エルヴィン「さて……私はちょっと、野暮用があるから、少し席を外すよ。二人共、ゆっくりしておくといい」

リヴァイ「どのくらいで戻る?」

エルヴィン「一時間もかからんだろう。一応、部屋には外から鍵をかけておくから、二人が上がる頃には戻るさ」

そう言って、エルヴィンは部屋を出て行ってしまった。

リヴァイ「…………」

ハンジ「いい湯だな~ハハン♪」

リヴァイ「なんだその歌は」

ハンジ「え? 知らない? 昔、流行った歌だよ」

ハンジは続けて歌う。

ハンジ「いい湯だな~ハハン♪ さよならするのは辛いけど~時間だよ~ハハン♪ 仕方がない♪ 次の回まで~ごきげんよう~♪ ババンババンバンバン♪」

リヴァイ「何の歌だ。それは」

ハンジ「さあ? 私も詳しくは覚えてない。けど、小さい頃、このメロディーをよく聞いてたから、なんとなく、風呂に入るときは歌いたくなるんだよねー♪」

リヴァイ「ほう…」

ハンジ「リヴァイも歌おうよ」

リヴァイ「俺はいい……」

ハンジ「つれないねーちぇー」

ハンジが口を尖らせて苦笑する。

その様子を、リヴァイはじっと見つめている。

リヴァイ「………」

ハンジ「?」

リヴァイ「いや、おまえ、湯に入る時くらい、眼鏡外さねえのか?」

ハンジ「あ! 忘れてた! それもそうだね」

ハンジはそう言って、眼鏡を外して、風呂の縁に置いた。

ハンジ「でも眼鏡がないと、よく見えないから危ないんだよねー視力悪くなっちゃったし」

リヴァイ「俺の顔も見えんのか」

ハンジ「うん……その距離だと、ボヤけてるね」

リヴァイ「ほう……では、この距離では?」

少しだけ、近づく。

ハンジ「まだまだ、はっきり見えないよ」

リヴァイ「これでもまだ、見えねえのか? (ズイッ)」

ハンジ「あ! やっと見えた!」

もうほとんど、顔がくっつくゼロ距離に近い。

ハンジ「そう、この距離ならやっとはっきり見えるー…………!」

その時、リヴァイは二人きりなのをいい事に、ハンジに襲撃するようなキスをした。

ハンジ「んー?! (ちょっと、突然、何?!)」

舌を絡ませる大人のキスに、さすがのハンジもちょっとだけ狼狽えた。

リヴァイの胸をドンドン叩いてやめさせる。

ハンジ「ちょっと! 不意打ち、卑怯だよ! びっくりしたじゃない!」

リヴァイ「ああ……すまん、つい」

ハンジ「もう! そういう悪ふざけはやめて欲しいんだけど! 私だって一応、女なんですけど?!」

リヴァイ「ああ……知ってる」

ハンジはその瞬間、「え?」と思った。

ハンジ「いつもちっぱいだの、男の成り損ないだの言ってるのに…?」

リヴァイ「それも事実だろ」

ハンジ「しれっと酷い事言うよねー! 全く……キスなんて、何年ぶりにしたのかしら…?」

計算するほど、遠い記憶だった。

リヴァイ「ほう……初めてじゃなかったのか」

ハンジ「リヴァイ……それはさすがに失礼だよ。私だってねえ…調査兵団に入る前は、結構……いろいろ、男の人と付き合ったことくらい、あるんだから」

リヴァイ「そいつは初耳だな」

ハンジ「でも、だいたい私の本性を知ると、向こうから『別れよう』って言われちゃってたけどねー…」

リヴァイ「まあ、そうだろうな」

ハンジ「はあーおかげで、嫁に行き遅れですよ。まあ、私はこの仕事に身を捧げるって決めてるから、別にいいんだけどねー」

リヴァイ「まだ、間に合うだろ」

ハンジ「もう無理だって! 私、リヴァイにちょい下くらいだもの、年が! 子供産むのも、きついんじゃないかなー」

この時代、女性は二十代前半までに第一子となる子供を産むのが主流の為、二十代後半に入っているハンジは、少し遅いと言える。

(*ハンジの年齢は正確には判明していませんが、分隊長という役職から大凡を計算してここでは二十代後半とします)

リヴァイ「ガキは欲しくねえのか?」

ハンジ「子供? そりゃ欲しいよ! でもねー、育てるとなると、仕事休まないといけないでしょ? 両方を選ぶことは出来ないからねー。諦めるしかないよー」

ハンジは少しだけ残念そうに言った。

ハンジ「巨人の謎を解き明かすまでは、自分のことは後回しでいいよ。私は、そう決めてるんだ」

リヴァイ「………」

リヴァイはそんなハンジを、真剣に見つめながら言った。

リヴァイ「なあ、ハンジ」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「子供、作らねえか?」

ハンジ「んん?」

リヴァイ「今、ここで」

ハンジ「はあ? ちょっと、人の話聞いてたの? 私は……」

リヴァイ「俺達がいつまで、現役でいられるかなんて分からんだろうが。だったら……次の世代に、希望を残してもいいんじゃねえかって、思うんだが」

ハンジ「………え、ってことは何? 私が、リヴァイの、子供を産むってこと?」

リヴァイ「そう言ってる、つもりだが?」

ハンジ「ちょ……冗談やめてよ!! 私、無理だって! だったらもっと、若い…ほら! ペトラとか、どうかな? あの子、可愛いし、リヴァイのこと、好きっぽいし!」

リヴァイ「ああ…まあ、ペトラでも悪くないんだがな。遺伝子の力を考えりゃ、俺とハンジの掛け合わせの方が、最強の子孫、残せそうだろ?」

ハンジはこう見えても、女性軍人の中ではトップクラスの運動能力を持っている。

確かに、リヴァイとハンジの間の子なら、強い人間が産まれる確率は高い。

ハンジ「そういう問題なの?! いや、ちょっと待って!! それ以前の問題があるよ! 私、ここ最近、生理きてないんだ! 半年くらい! だから多分、ヤっても無理だと思うよ?!」

リヴァイ「そんなもん、ヤってみねえと分からんだろ…(ユラリ)」

ハンジ(目が本気だ! え…待って?! もしかして、エルヴィン、この為に席を外したの?!)

実は、その通りだったりする(笑)。

リヴァイ「まあ、どうしても無理だって言うなら仕方ねえが。俺は、悪くない選択だと思うんだがな…」

ハンジ「リヴァイの中には、恋愛をするっていう選択肢はないのかい…?」

リヴァイ「恋愛? ああ……ヤるのに、そこまで必要な要素だとは思わんが……俺は、それなりにハンジのことは好きなんだがな」

ハンジ「へ?!」

思わず、素っ頓狂な声をあげてしまったハンジだった。

リヴァイ「? どうした」

ハンジ「初耳なんですけど……」

リヴァイ「でなけりゃ、てめーの汚い髪なんか触るかよ。今日はマシな方だが、いつもはもっとフケだらけだろ」

ハンジ「ですよねー……って、そうだったの?」

リヴァイ「何度も言わせるな。で? どうする? 俺は、エルヴィンが戻ってくるまでにはヤリたいんだが?」

ハンジ「…………………」

多分、ヤったとしても妊娠する確率は限りなくゼロに近いと思う。

でも、それは決してゼロ%ではないわけで。

あと、久しぶり過ぎて、多分、いろいろ不都合もある。

それに、相手はリヴァイなわけで。

さて……どうしよう?

というわけで、選択肢です。
どっちでもいいけど、リヴァイとハンジのエロシーン見たい方、いる?
誰もいなければ、エロは無しのシナリオで書きます。
需要があったら、エロでいくよ(笑)。

んーなんか、リヴァハンは思ったより需要なさげかな?
では、ここから先はエロなしルートで書いてもいいかな?

うーん、気持ち的にはエロ無しの方が書きやすそうな気がしてきた。
ごめんなさい、エロ無しで続き行きます! ごめんね!

ハンジ「……………リヴァイ、ちょおっと、手、触らせて♪」

その時、ハンジは何か思いついたように、リヴァイの右腕を手に取った。

リヴァイ「? ………いっ!」

すると、ある部分を触った途端、リヴァイが苦痛の表情を浮かべたのだった。

しかしそれはハンジの予想の範囲内。

ハンジ「はは~ん、リヴァイ、あんたちょっと、手首が腱鞘炎に成りかけてるね! なるほど、そういう事か」

リヴァイ「…………」

ハンジ「全く……あんたでも弱気になることあるんだね。ここだけじゃないでしょ? 傷めてるとこは」

リヴァイ「(ギクッ)………何のことだ?」

ハンジ「実は突き指もしてるとか? あちこち体痛いんでしょう? 本当は」

リヴァイ「…………まあ、痛くないと言えば嘘になるな」

骨折まではしていないにしろ、あちこちガタが来始めているのは事実である。

ハンジ「………だからか。急にそんな気分になったのね。リヴァイでも、そんな事あるんだね」

リヴァイ「……………」

ハンジ「うん……あんたの言う事、一理あるよ。私だって、あと何回、壁外調査に行けるかなんて分からないからね。でもね……」

判事はリヴァイの手を取って、続けた。

ハンジ「リヴァイはまだ充分戦える。あんたは、人類最強の男なんだから、そんな弱気でいちゃダメだよ。次の世代じゃない。私達の代で巨人との決着を付けないでどうするの。でないと、先に死んでいった奴らに見せる顔がないじゃないか」

リヴァイ「………そうだな」

ハンジの言う通りだと思った。

リヴァイ「悪かった。気の迷いだ。もう忘れろ」

ハンジ「うん、忘れる。だいたい、リヴァイと私の子孫なんて、ちょっと想像するといろいろ怖いしね」

リヴァイ「おい、どういう意味だそれは」

ハンジ「えーそのままだよー。私のマッドな部分と、リヴァイのドSっぷりの両方の要素が出てきたら、手のつけられない子供になりそうじゃない?」

リヴァイ「……あんまり、想像はしたくねえな」

ハンジ「でしょー? だから私とはやめた方がいいって! それでも、どうしても子供欲しいなら、もっと若くてピチピチした女にしときなさい! いくらでもいるでしょ? リヴァイの周りには!」

リヴァイ「…………」

リヴァイはノーコメントだった。

まあ、振られてしまったのだから、仕方がない。

リヴァイ「先に、あがるぞ」

リヴァイは何処か吹っ切れたように、そう言ってハンジより先にあがった。

ハンジ「え? もう? カラスの行水だねー」

リヴァイ「長風呂は元々好きじゃない……ま、お前はもう少し入って、体の垢を落してこい」

ハンジ「うん、そうするよ」

そしてハンジはその後、一人で温泉を充分楽しんだのだった。

リヴァイが着替えて、一度内鍵を外して、ドアを開けると、すぐそこにエルヴィンが立って待っていた。

エルヴィン「おや? 早かったね。もう終わったのかい?」

リヴァイ「ああ…見事に振られたよ」

エルヴィン「そうか……だと思ったよ。リヴァイはこういう話になると、急に不器用になるからね」

リヴァイ「俺としては、充分、頑張った方なんだがな……」

そんな風に愚痴るリヴァイに、エルヴィンはついつい苦笑するしかなかったのだった。





(おまけ①おしまい☆)

リヴァイ振られエンドになりましたwwwww
なんか、リヴァハンはくっつかなくても充分好きだ。こういうのでもいいや。

次はちびエレンのおまけいきまーす。

(おまけ②ちびエレンのおまけ)
*幼い頃のエレン、アルミン、ミカサのお話です。場所はシガンシナ区のどこか。


アルミン「エレン、やめようよ~」

エレン「いいんだよ、少しくらい」

アルミンは建物の陰に隠れて、ひとりぼっちのミカサの様子を少し遠い場所から覗き見ている。

エレンは「ここで少し待っとけ」とミカサに命令して放置し、こっそり隠れているのだ。

エレン「ふん……あいつ、最近、俺が便所に行くのにも後ろをついてくんだぜ? たまには離れないと、あいつの為にもよくねえんだよ!」

アルミン「でも……ああもう、既に落ち込んでるよ? もう一時間も放置してるんだから……」

そう、二人はミカサに「少し待っとけ」と言いつつ、もう一時間も放置しているのだ。

その間ずっと、物陰に隠れて、ミカサの様子を見ている。

アルミン「そろそろ、いいんじゃないかな? ミカサも反省したんじゃない?」

エレン「いや、まだだ! あと一時間は放置してやる!」

にししと悪い笑みを浮かべて、エレンはミカサをこっそり見守っている。

そんな時、アルミンは「僕、もう知らない」と言って家に帰ろうとした。

エレン「お、おい、アルミン! 待てよ!」

アルミン「やだよ、僕、これ以上、エレンに加担したくない。家に帰って、本でも読んだほうがましだ。続けるなら、一人でやりなよ」

エレン「うっ……」

アルミンがそういう以上。これ以上、手伝わせるのは無理だと思ったエレンだった。

エレン「分かったよ。じゃあそろそろ許してやるよ」

エレンは渋々、ミカサの元に戻った。すると……

エレン「ミカサ、遅くなったー……?!」

ミカサは、エレンがやってきた途端、泣き出したのだ。

エレン「わー! 泣くなよ! 何で泣くんだよ!」

ミカサ「だって……エレンが……なかなか……戻って……こない…から…ヒック…」

アルミン(だから、言ったのにもう…)

アルミンは呆れるしかない。

エレン「そんくらいの事で泣くなよ!」

ミカサ「だって……だって……わああああああん!!」

ミカサがわんわん泣き出してしまい、エレンはびっくりしてしまった。

まさか、ここまでミカサが動揺するとは思わなかったのだ。

エレン「しまった! どうしよう!? アルミン!」

アルミン「謝るしかないんじゃない?」

エレン「悪かった! ミカサ! 俺が悪かった!」

エレンは謝り倒したが、一度泣き出したミカサを止めることは出来なかった。

オロオロするエレンだった。

エレン「ああもう、泣き止んでくれよ…ミカサ」

ミカサ「うううう……(必死に堪えてる)」

エレン「くそっ……こうなったら!」

その時、咄嗟に思いついたのは、ミカサの涙を吸い上げる事だった。

口で直接、掬い取るようにして、エレンはミカサにキスをしたのだ。

ミカサ「………」

その動作にびっくりして、ミカサも泣き止んだ。

エレン「お? 泣き止んだな? よしよし」

ミカサ「…………」

ミカサは、何も反応出来なかった。

エレン「もう泣くなよ。こんくらいのことで泣くな。俺は必ず、戻ってくっから」

ミカサ「………うん」

ニコッと、小さな笑顔を見せたミカサに安心したエレンだった。

エレン(……………)

その瞬間、エレンは何故か、心臓が跳ねたのを感じた。

エレン(………?)

今のは、何だ?

良く分からない、体の感覚に戸惑う。

下半身が、特に変だ。もぞもぞする。

ミカサ「今日はもう遅いから、帰ろう、エレン」

エレン「お、おう……アルミン、悪い!」

アルミン「いいよ! また、明日ね!」

そしてそこで二人は家に帰ることにした。

エレンはミカサの手を引きながら……

先程感じた、体の変化にはてなを浮かべていた。






それからエレンは、ミカサが泣いたら、キスをして誤魔化すようになった。

キスをすると、すぐに泣き止むし、泣き止んだ後は、必ずと言ってもいいほど笑ってくれるので、つい調子に乗って、わざと泣かせることもしばしばだった。

そんな風に、毎日を過ごしていたら、ある日突然、その変化は訪れた。

エレン(あれ…?)

今、また、ミカサの笑顔を見たら、下半身が反応した。

今度は、今までより強く、激しい。

だからつい、前傾姿勢になってしまう。

ミカサ「どうしたの? エレン、お腹痛いの?」

突然、エレンが前かがみになったので、ミカサは心配している。

エレン「いや、腹は痛くねえ…痛くねえんだけど……」

ミカサ「けど?」

エレン「何か、体が変だ。ミカサの笑顔を見たら、変になった」

ミカサ「私のせい……なの? (ガーン)」

ミカサはその言葉が大変ショックだった。

エレン「やめろ! そういう意味じゃねえよ! つか、ミカサが笑わなくなったら、俺がつまらんから、絶対やめろ!」

ミカサ「……そうなの?」

エレン「ああ…! こんなのは、気合で治す!」

エレンは本当に、深呼吸で興奮を鎮めてしまった。

エレン「ほらな! もう治った! 大丈夫だ!」

ミカサ「良かった!」

エレン「じゃ、もうそろそろ寝るか!」

ミカサ「うん!」

そして二人はいつものように一緒のベッドで眠った。

ミカサの眠る顔を見ていると、またキスがしたくなってきた。

だから、エレンは軽く頬にキスをする。

ミカサ「……ん? エレン?」

泣いていないのに、キスをしてくれるとは思わず、ミカサがとろーんとした眼で聞き返す。

エレン「なんか、急にしたくなった。ダメか?」

ミカサ「ううん、もっとしていい」

エレン「そっか! じゃあ、キスするぞ! (ちゅっ)」

エレンは無邪気にミカサにチュッチュと繰り返してキスをした。

頬と額に。何度も、何度も。

ミカサ「ふふ……」

ミカサは嬉しくて、ついつい微笑んでしまう。

その反応が楽しくて、エレンも調子に乗ってしまう。

エレン「口にも、していいか?」

ミカサ「うん、していいよ」

エレンは、ミカサが頷いたので、口と口を合わせてみた。

エレン(なんか、気持ちいい……)

頬や額も楽しいけれど、口と口のキスが一番楽しかった。

バードキスを、何度も繰り返す。

ミカサ「ん…エレン……」

ミカサもうっとりした表情になっている。

それを見た瞬間、エレンの下半身がまた、大きく反応した。

エレン(…?!)

さっき治った筈なのに、また復活した。

おかしい。体が、変だ。

ミカサ「……?」

突然、キスをやめたエレンに、ミカサは小首を傾げている。

ミカサ「どうしたの? エレン?」

エレン「……………」

エレンは、なんとなく理解した。

本能的に、これ以上は、やってはいけないと体が感じたのだ。

エレン「きょ、今日は、これでおしまいだ。ミカサ、おやすみ」

ミカサ「…? おやすみ」

よく分からないけど、エレンがやめたので、ミカサは先に寝た。

エレンはそんなミカサを抱きしめながら、一緒に寝たのだった。



そして翌日、エレンは自分の体の変化を誰かに相談しようと思った。

やっぱりここは、アルミンに最初に言うべきだろう。

アルミンはふむふむと、聞いてくれた。

そしてある結論を導いてくれた。

アルミン「エレン! それは、病気じゃないよ!」

エレン「本当か?!」

アルミン「うん! 確か、それは『ぼっき』と言って、男の子は皆、大人になったら経験することなんだ。エレンの体が、大人になりつつある証拠だよ! 良かったね! おめでとう!」

エレン「そうか! 俺、ちょっと大人になったのか! やった!」

早く大人になりたいエレンは、その事を素直に喜んだ。

アルミン「ああ! でも困ったね。ぼっきをするようになったら、ミカサとはもう一緒の布団に寝ない方がいいと思う」

エレン「え…そうなのか?」

アルミン「うん…もし、そのせいで子供が出来たら困るもんね」

エレン「え? 俺、まだ子供なのに、子供作れるのか?」

アルミン「えっとね…子供を作るにはね…」

そこでエレンは初めて、子作りの仕方を勉強した。

エレン「へー! 人間って、そういう仕組みになってんのか。さすがアルミン! 物知りだなあ」

アルミン「エレンのお父さんなら、もっと詳しく知ってると思うよ? 僕は概要しか分からないけど」

エレン「がいようってなんだ?」

アルミン「だいだいのところって、意味だよ!」

アルミンが説明したのは、本当に基本的な部分だけだった。

まだ9歳の彼らにはその本当の意味を知るのは早すぎる。

エレン「そっか! 父さんが帰ってきたら、聞いてみる! ありがとうアルミン!」

アルミン「いいって! (やった! 役にたてた!)」




そしてその日の夜、エレンの父親が家に帰ってきたので、早速エレンは自分の体の変化を報告した。

すると、グリシャは少し困ったように言った。

グリシャ「そうか…もうそんな時期なのか。だったら今日から、ミカサとは一緒に寝ない方がいいな」

エレン「父さん、俺、ちょっと大人になったんだよな? そうだよな?」

グリシャ「ああ…そうだ。まだ完全ではないけれど、少しずつ大きくなっているよ。エレン、夕食の後に少し、男同士の秘密の話をしようか」

エレン「うん!」

そして連は夕食後、グリシャの部屋で大切な話を聞くことになる。

グリシャ「エレン、お前は男の子だ。これから先、そういう下半身の変化を、何度も経験することになるだろう。それは、子供を作るために必要な「合図」だから、あんまり人に知られないようにしないといけないよ。本当に子供を作りたいと思った時の、パートナー以外にはね」

エレン「分かった! 今はまだ、早すぎるもんな!」

グリシャ「そうだね。あともう一つ、注意することがある。これからはミカサともあんまり触れ合ったらいけないよ」

エレン「え…どうして?」

グリシャ「うん、ミカサに汽水sたら、下半身が反応したんだろう? それは、エレンがミカサを異性として認めている証拠なんだ」

エレン「それは、いけないことなの…か?」

グリシャ「今は、ね。エレンとミカサは、今は兄妹みたいなものだから、一緒に暮らしている間は、そういう事をしてはいけないよ。兄妹は、そういう事をしちゃイケナイ関係なんだ」

もう眠いので一旦ここで切ります。すみません…。
またねノシ

>>342
訂正
そしてエレンは夕食後、グリシャの部屋で大切な話を聞くことになる。

眠いので変換ミスした。もう限界っぽい。すまぬ。

エレン「そう……だったんだ」

知らずに沢山ミカサと触れ合ってきたエレンは、罪悪感を覚えた。

グリシャ「うん…どうやらミカサより、エレンの方が一足先に、大人になってしまったようだね。これからは、エレンにも個室が必要になるな。明日、荷物を置いている部屋を整理するから、エレン、手伝ってくれるかな?」

エレン「もちろんだ! 父さん! ありがとう! 俺、ついに自分の部屋が持てるんだな?」

グリシャ「ああ、そういう時期が来たんだよ。だから、これからはミカサとは少し距離をおいて接していかないといけないね」

エレン「う……俺は別にそれでもいいけど、ミカサの奴はまた泣くかもしれない……」

グリシャ「そうだね。でも、いつまでもミカサを甘やかすわけにはいかないからね。辛いだろうけど、もう、一緒に寝てはいけないよ。母さんには私から話しておくから、今夜は父さんと一緒に寝よう」

エレン「父さんと? 久しぶりだな!」

グリシャ「そうだね。もう少しいろいろ、話しておきたいこtもあるから……続きはその時に話そう。エレン、ミカサに今日から一緒に寝れないことを伝えてきなさい」

エレン「はーい!」

そしてエレンはミカサいその事を伝えた。

すると案の定、ミカサは涙目になった。

ミカサ「エレンは、私のこと嫌いになったの?」

エレン「ちげーよ! 俺は、ミカサのこと好きだぞ!」

ミカサ「じゃあなんで一緒に寝てくれないの?」

エレン「俺、今日から大人になったんだ。だからミカサと一緒に寝ちゃダメだって、父さんが言ったんだ! ミカサも我慢しなくちゃダメなんだぞ!」

ミカサ「嘘……エレンはまだ子供なのに」

エレン「嘘じゃねえよ! 父さんに話したら、まだ完全じゃないけど、少し大きくなったって、言ったんだ! お前より先に大人になったんだよ!」

ミカサ「……ううう」

カルラ「ミカサ、エレンのいう事は本当なの。今日は、私と一緒に寝ましょう」

その時、カルラは泣きべそをかくミカサを連れて、寝室に戻っていった。

罪悪感はあったが、これでいい筈だ。

これもミカサの為なのだ、と自分に言い聞かせるエレンだった。




それから先は、エレンは父親のいいつけ通り、ミカサと少し距離をおくようにした。

しかしどんなに振り払っても、ミカサはエレンの後をついてくるし、お節介を焼く。

それが少しうっとおしくも感じるが、あんまり突き放すと泣き出すので、エレンは渋々、ミカサと一緒にいるようになったのだ。

エレン「おい、ミカサ…」

ミカサ「何? エレン」

エレン「あんまり、俺にひっつき過ぎるなよ。距離、あけて歩けよ」

ミカサ「……これくらい? (少し離れる)」

エレン「もうちょっと! そうそう、そんくらい」

エレンはミカサと一歩半くらいの距離を取って歩くようにした。

そして遂に個室が完成し、貰えることになったので、少し狭いけど、エレンは夜はそこで一人で寝ることになったのだ。

たまに我慢できず、ミカサが部屋にやってくることもあったが、エレンは何度も追い返した。

エレン「(小声)だーから! ダメだって! 夜中に入ってくんなって、何度も言ってるだろ?」

部屋にやってくるミカサにそう言うが、ミカサもミカサで頑固だった。

ミカサ「やだ…一緒に寝たい。一人じゃ嫌だ」

ミカサもエレンと同じ時期に一人で寝るよう、小さな個室を貰ったのだが、気がつくとほとんどエレンの部屋で過ごすことが多かった。

エレンは困ったなあと思った。

エレン「どうしても、一緒に寝たいのか?」

ミカサ「うん」

エレン「俺と一緒に寝ると、子供が出来るかもしれねえぞ?」

ミカサ「? 何で? エレンは、子供がどこからくるか知ってるの?」

エレン「ええっとな……ミカサ、お前、股の間から、血が出たこと、ある?」

ミカサ「? ない…」

エレン「あ、そうなのか? だったらまだ、お前子供だな。………んー、だったらいいのかな?」

両方大人にならないと、子供が出来ないとちゃんと説明を聞いたエレンはそう解釈してしまった。

エレン「……ま、いっか! ミカサが大人になるまでは、一緒に寝てもいいかもな! よし、父さんと母さんには内緒だぞ? こっちこい!」

ミカサ「うん!」

そして結局、ミカサに折れて、エレンは一緒に寝ることにしたのだった。

エレン「……久しぶりにキスしてもいいか?」

ミカサ「うん! して!」

ちゅ~っと、頬や額にキスをする。

ミカサ「口も…」

エレン「ん……」

ねだられてキスをする。

するとやっぱり…

エレン(あ……また、反応した)

最近は全然ぼっきしなかったのに。

ミカサに触れたとたん、復活した。

ドキドキする。どうしよう…。

ミカサ「エレン…?」

エレン「………」

本当に、いいのかな? と思ってしまう。

こういう事、していいのかな? と。

でも、キスをすると、ミカサは喜ぶし…。

喜ぶ顔は見たいし…。

エレンが迷っていると、今度はミカサの方からエレンにキスをした。

ミカサ「もっと、して」

エレン「……分かった」

ミカサが喜んでいるから、いっか!

と、思い、エレンは何度もミカサにキスをした。

ミカサ「気持ちいいね」

エレン「ああ! なんか、ふわふわする」

ミカサ「ふふ…私も」

しかし、それは何度も続かなかったのである。

そう、遂にはその事が、カルラにバレてしまったのである。

カルラ「エレン……あんた、ダメでしょ! もうミカサと一緒に寝たらダメだって言ったでしょうが!」

エレン「……ごめんなさい」

ミカサ「怒らないで! 私が、悪い。私が、無理やりお願いしたから…!」

エレン「おや、俺が悪い。追い返さなかったから、俺が悪いんだ。ミカサは悪くねえ」

カルラ「………」

こういう時は何故か男らしくなるエレンにカルラも渋々ため息をついた。

カルラ「ミカサに、何した? 正直におっしゃい」

エレン「………キスは、した」

カルラ「(はあ)……それだけだね?」

エレン「? それ以外、何すんだよ」

カルラ「なら、いいよ。でも、今日からはちゃんと、一人で寝なさい。ミカサもね、いいね!」

ミカサ「……はい」

ミカサはさすがにそれ以降、エレンと一緒に寝ることはなかった。

その様子を見守りながら、カルラは再びため息をついた。

カルラ「あなた……これから先、あの子達、大丈夫かしら?」

グリシャ「ん? んー……まあ、無意識に惹かれあっているのなら、止めることは出来ないよ。大丈夫、エレンは男の子だ。幸い、ミカサより早く心が成長している。エレンはちゃんと考えることが出来る子だよ。時期がくるまで、ミカサを守ってやっていけるさ」

カルラ「はあ…そうだといいんだけど……」

カルラはそれでも心配した。エレンはミカサに、キスはしてしまったのだから。

グリシャ「エレンは強い子だから、大丈夫さ。きっと、ミカサを大事にするよ。僕達の子供なんだから」

そう言って、グリシャは我が子の成長の早さに苦笑いしながら見守っていたのだった。

それからエレンは時が経つにつれ、ミカサとの距離をとるようになるが、その度にミカサはエレンを追いかけるようになる。

ミカサの誘惑に何度、下半身が反応したか分からないが、その度にエレンは耐えた。耐えに耐え抜いたのだ。

父親との約束を、守る為に。

後日、グリシャはエレンに言った。

グリシャ『エレン、ミカサはまだ幼いから、ミカサが精神的に大人になるまでは、エレン、お前が我慢するんだぞ』

エレン『ミカサが大人になるまで…? あいつが大人になったら、また触ってもいいのか?』

グリシャ『ああ、その時が来たらきっと自然に分かる日がくるからね。それまでは、ダメだよ』

エレン『ミカサの体が、大人にならないうちは触っても大丈夫なんじゃないのか? 俺、そう思って、触っちまった…』

グリシャ『そうだね。でも、それはしてはいけない事だから、今は我慢するんだよ。我慢しなくちゃいけない意味は、自然といつか分かるようになるからね』

エレン『そうなのか? 分かった! 父さん! 俺は大人だから、我慢するよ!』

グリシャ『よしよし』

グリシャはそう言って、エレンを大人扱いしたのだった。






その後、エレンはその時の記憶が薄れ、遠い記憶になったけれど……。

エレンは、自分からミカサには触れないという約束を、酒の失態で破ってしまうことになる。

エレンは、ミカサと触れ合うようになってから、父親の会話を思い出し、あの時の言葉を理解する。

そしてその意味を噛み締め、今更ながら、本当、あの頃からミカサのことが好きだったんだなあと思い出してしまった。

エレン(だってしょうがねえだろ……こいつ、俺のこと、相当好きなんだから)

たった一時間、傍を離れただけで、号泣するような弱い女の子だったのだ。

今はさすがにそんなことはないけれど、放っておくとすぐ寂しがるのは今も変わらない。

肉体は男よりも強くなってしまったけれど、精神的には脆い部分もある、そういう女の子だ。

ついててやらないと、危なっかしい。

だからあえて、傍にいてやっているのだ。

勘違いしないで欲しい。

俺がダメだから、あいつがいるんじゃない。

あいつは、俺がいないと、ダメなのだから。

と、エレンはいつも自分に言い聞かせている。




エレン(あーやばい。やっぱ、ミカサの唇、好きだ)




そう思いながら、横で眠るミカサに、昔のように、チュッチュと、バードキスをする、エレンだった。






(おまけ②ちびエレンのおまけ、おしまい)

そんなわけで、おまけでした。
ちびエレンの方はもう温泉関係ないけど、
そんなの関係ねえ! って感じで書きました。

エレンは母親の言うことには反発しても、
父親の言うことは素直に聞いてる感じですよね。パパっ子だったのかなと。
そう思います。はい。


この後、何書こう…。
まだエレミカの新ネタ、なんも具体的には思いついてないや…。

なんか、とっかかりがある方が、書きやすいんですけどね。
ちょっとネタ探しに旅に出てきますノシ

おつおつ

チビ達の話も良かった
早く帰って来いよ

乙!
ちびエレミカかわええ

>>353
おお…ありがとう! サンクスです!
今回、いっぱいエロシーン書いたから既にネタが枯渇してます(笑)。
いっそ、現代学生パロとかの方がいろいろやれそうな気もするけど、
ネタがかぶりそうな気もします。どうしようかな~。うーん。

>>354
ちびエレミカ、いいっすよね。妄想止まらない(^q^)

続きよろー

>>356

え?! 温泉のお話はここでおしまいっす。
おまけもこれでおしまい…。

あ! そう言えば言ってなかったか!
しまった! ごめんなさい!

今は、エレンと江蓮のファンタジー書いているので、
手が空いてません。すみません。

何かリクエストがあれば書いてて下さい。善処はしますですよ。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月19日 (木) 19:44:25   ID: HwkMcgAB

ミカサとエレンの話サイコーです(´・ω・`)
SSたまらなく大好きです

2 :  SS好きの774さん   2016年08月31日 (水) 20:48:48   ID: fPbcHttU

これのクリスタ版が読みたいわ。
腹筋女とかいいから。

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