ほむら「逃げましょうよぉ……」(142)


マミ「じゃあ、言ってくるわ」

ほむら「そんな……鹿目さん死んじゃったのに……」

マミ「だからよ。もうワルプルギスの夜を止められるのは私だけなの」

ほむら「無理ですよ!独りであんなの勝てっこありません!巴さんまで死んじゃいます!」

マミ「それでも、私は魔法少女だから。みんなの事守らないといけないから」

ほむら「……ねぇ、逃げましょうよ……だって仕方ないですよ。誰も巴さんを恨んだりしませんよ……」

マミ「ねぇ暁美さん。私、あなたみたいな後輩ができて、とても嬉しかったのよ?」

マミ「悪い魔女に襲われてる所に魔法少女の先輩がやってきて颯爽と助ける」

マミ「そんな、物語の中に出てくるような格好いい先輩になれて、本当に嬉しかった」

ほむら「巴さん……」

マミ「それじゃあね暁美さん。元気でね」

ほむら「……いや……嫌ぁ!行かないでください!巴さんッ!」

http://www.youtube.com/watch?v=LstcsGhRMnA&feature=related

ほむら「どうして……どうしてですか……死んじゃうってわかってたのに……」

ほむら「私なんかを助けるよりも、貴女に生きてて欲しかったのに……」

QB「その言葉は本当かい?」

QB「暁美ほむら。君は、その願いのために、魂を捧げるかい?」

QB「戦いの運命を背負ってまで叶えたい望みがあるなら、僕が力になってあげるよ」

ほむら「あなたと契約すれば、どんな願いでも叶うの?」

QB「もちろんさ。さあ、言ってごらん。君はどんな願いでソウルジェムを輝かせるんだい?」

ほむら「私は……巴さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」

QB「君の祈りはエントロピーを凌駕した。さあ、解きはなってごらん。その新しい力を」

カチッ


ほむら「ここは……病院?時間が戻ってる……ソウルジェム……」



学校

ガラッ

ほむら「巴さん!」

マミ「」ビクッ

生徒A「誰だあれ……」

生徒B「巴さんの知り合いかな」

タッタッタ

ほむら「私、魔法少女になりました!これからは一緒に戦えます!」ガシッ

マミ「(えー……)」

橋の下

マミ「時間停止ねぇ……使い方が問題ね」

ほむら「はぁ……ゼェ……」



VSパトリシア

マミ「今よ、暁美さん!」

はむら「はい!……『凍り憑く時の歯車<グレイシアルリーブス>』!」カチッ

ほむら「えっほ、えっほ、えっほ。えいっ!」ヒュッ

ドーン

ほむら「やった!」

マミ「凄いわよ暁美さん!必殺技のネーミングセンスも決まっていたじゃない!」ダキッ

ほむら「えへへ……」

まどか「私橋の下の時からずっといたのに全然喋ってないね」


マミ「くぅっ……あぁ!!!」

パキィン

ほむら「そんな……ワルプルギスの夜を倒したのにどうして!?」

カチッ



ほむら「伝えなきゃ……みんなQBに騙されてる!」



さやか「あのさぁ、そんな事してQBになんのメリットがあるわけ?」

ほむら「(知らんがな)」

さやか「仲間割れでも狙ってんの?あんたあの杏子ってヤツとグルなんじゃないの?」

マミ「美樹さん、それこそ仲間割れよ」

さやか「どっちにしろあたしコイツと組むのパス。マミさんは遠くから攻撃できるからいいけど、私は何回巻き込まれた事か」

まどか「あれ私は」


オクタヴィア「~♪」

杏子「テメェ!何なんだよ!さやかに何しやがった!」

オクタイヴィア「~♪」ブンッ

まどか「へぶしっ!」ドゴッ

マミ「美樹さん目を覚まして!」

ほむら「巴さん危ない!」カチッ

ほむら「美樹さん……ごめんなさい……」ポチッ

ドーン


杏子「ちくしょう……さやか……」

パキーン

杏子「」

シュルルッ

ほむら「えっ?」

マミ「ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!貴女も……私も……」

ほむら「巴さん!?」

パキーン

マミ「」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「……なんで巴さんを殺したんですか」

まどか「え……」

ほむら「もう少しで説得できたのにっ!」

まどか「えぇっ!?」

ほむら「巴さんの仇!」パァン

まどか「」パキーン

ほむら「巴さん……」

マミ「うぅ……」

ほむら「巴さん!無事だったんですね!」

マミ「大丈夫よ……こんな事もあろうかとあなたの話を聞いた時にソウルジェムを二個に分けていたの」

ほむら「私の話、信じていてくれていたんですね!」

マミ「ごめんなさい……取り乱してしまって……もう……嫌よ……こんなの……ごめんなさい……佐倉さん……鹿目さん……」

ほむら「巴さん。二人で、ワルプルギスの夜を倒しましょう」

マミ「……私たちも、お終いね……」

ほむら「巴さん……グリーフシードは?」

マミ「……」フルフル

ほむら「そっか……巴さん、このまま魔女になって、二人で何もかも滅茶苦茶にしちゃいませんか?」

ほむら「嫌な事も悲しい事も全部なくなっちゃうくらい滅茶苦茶にして、壊して、壊して、壊して……それも、いいと思いませんか?」

マミ「……フフ。駄目よ、暁美さん」

コツッ

ほむら「!グリーフシード!?」

マミ「美樹さんのソウルジェムの成れの果て……。実はとっておいたのよ」

ほむら「そんな……どうして私に……」

マミ「私は先輩なのよ。後輩が間違えを犯そうとしているなら、何度でも止めてあげるわ……」

マミ「それに、私にできなくて暁美さんに出来る事……暁美さん、あなた、過去に戻れるのよね?

マミ「こんな終わり方にならないように、歴史を変えられるのよね?」

ほむら「はい……」

マミ「QBに騙される前の馬鹿な私を、助けてあげて……くれないかしら……」

ほむら「約束します!絶対あなたを助けます!何度繰り返す事になっても、必ずあなたを救ってみせます!」

マミ「ふふっ。こんな素晴らしい後輩を持って……私は幸せ者ね……ぐっ!」

ほむら「巴さん!」

マミ「最後にもう一つだけお願い……」

スッ

マミ「私、魔女になりたくない。嫌な事も、苦しい事もたくさんあったけど、それでも守りたい物だって、あったもの……」

ほむら「マミさん!!」

マミ「ふふ。やっと、名前……呼んでくれたわね……嬉し……い……」

ほむら「ッ――――――!」カチャッ

パァン


ほむら「マミさんが事故に遭う前に時間を戻したわ……」

ほむら「あれがマミさんの車に衝突する予定のトラックね。とりあえずRPG-7で吹き飛ばしておきましょう」チュドーン

ほむら「これでマミさんが契約せざるを得ない状況になる事はないわ」



マミホーム

マミ「ふう。そろそろ寝ましょうか」

ガタッ

マミ「!」

ほむら「マミさん。あなたに奇跡を取り入ろうとする輩が現れても、決して耳を傾けてはいけません」

マミ「えっ……ここ8階……どうやってベランダに……」


誰も未来を信じない



ほむら「『無限に有限<リミットアンリミット>』!!!」ダダダダダダ



誰も未来を受け止められない



ほむら「止まりなさい、『凍り憑く時の歯車<グレイシアルリーブス>』!」カチッ



全ての魔女は私が倒す



ほむら「砕け散れ、『紅爆燕刃<ガーネット>』!」ヒュッ

ドーン



マミさんを魔法少女にはさせない


VSワルプルギス

ワルプル「イーツーカキミガーヒトミニトモスー」

ほむら「くっ……前よりも強い……」

ワルプル「アイノヒカリガトーキーヲコーエーテ」

ほむら「あれは……マミさん?どうしてここに!?」

マミ「――――――」

ほむら「そいつの言葉に耳を貸しちゃ駄目――――――ッ!」



QB「いやあ、本当に凄かったね変身したマミは。まさかティロ・フィナーレ一発でワルプルギスの夜を倒しちゃうなんて」

ほむら「……その結果、こうなる事は知っていたの」

QB「マミは最大の魔女を倒したんだ。あとは最強の魔女になるだけさ。僕たちの方はおおむねノルマは達成できた。あとは人類の問題だ」

ほむら「そう」スッ

QB「戦わないのかい?」

ほむら「私の戦場はここじゃないわ」

カチッ

繰り返す



ほむら「一つ答えて」



私は何度でも繰り返す



ほむら「貴女はなぜこんな戦いを挑んだの」



あなたを絶望の運命から救い出す道を




織莉子「私の世界を守るためよ」



あなたのためなら、私は永遠の迷路に閉じこめられても構わない



ほむら「マミさん、そいつから離れてください」



巴マミ。私のたった1人の先輩

終わり


マミ「……駄目よ、この子は怪我をしているもの。放っておけないわ!」ダッ

ほむら「ま、待ってください!(マミさんの優しさが行けない方向に転がっちゃった……)」



マミ「ここは……いったい何なのこれ……」

使い魔「ウジャウジャ」

マミ「ひっ」

ザクッ

さやか「大丈夫ですか、先輩!」

ヒュッ

まどか「もう大丈夫ですよ!」

マミ「あなた達は……?」

まどか「その制服、見滝原中学校三年生ですよね?私たちは同じ学校の二年生です」

さやか「まどか、自己紹介の前にまず使い魔達をやっつけよう!」

まどか「うん、さやかちゃん!」

<中略>

さやか「ほら、大丈夫だよQB」

QB「ありがとうさやか」

マミ「あの……あなた達は?」

まどか「私は鹿目まどかで、こっちの子が美樹さやかちゃん。QBと契約した魔法少女です」

QB「巴マミ、僕と契約して魔法少女になってよ!」

さやか「っと、その前に。いつまでそこに隠れてんのさ転校生」

ほむら「……」スッ

マミ「え?あなた達、暁美さんと知り合いなの?」

まどか「今日うちのクラスにやってきた転校生なんですけど、マミさんも知ってるんですか?」

マミ「えぇ。今日の昼休みに私のクラスにやってきて、屋上に呼び出されて……」

ほむら「マミさん」

マミ「!」

ほむら「今日の忠告が、無駄にならない事を期待しています。それでは」ペコ


さやか「かーっ。なんか感じ悪いヤツ!」

まどか「うーん、なんとか仲良くなりたいんだけどなぁ……」

マミ「えっと、同じ魔法少女なのに協力できないのかしら?」

さやか「えっと、その辺も含めて説明しますから、ひとまず私の家に行きましょう」



ほむら(マミさんがQBと接触してしまった……もう妨害は難しくなる)

ほむら(こうなったらワルプルギスの夜を倒すまで監視するしかないようね)

ほむら(……別にストーキングではないわ)

VSゲルトルート

ゲルトルート「フカヌポゥ」

さやか「うわ!捕まった!」

まどか「さやかちゃん、今助けるよ!」ビュッ

さやか「ありがとう、まどか!」

さやか「これで終わりだッ!」ズバッ

ゲルトルート「ウボァー」

まどか「やった、さやかちゃん!」

さやか「まどかのサポートのお陰だよ」

マミ「凄いのね、魔法少女って。私もあんな風になれるのかしら」

QB「あんな風どころじゃない。君が魔法少女になったらあれ以上だよ」

マミ「ふふっ。QBったらお世辞が上手いのね」

まどか「マミさん、どうでしたか?」

さやか「アタシ達格好良かったでしょ」

マミ「えぇ。二人とも、とっても格好良かったわよ」


まどか「えへへ……」

さやか「マミさん、契約の願いは決まったんですか?」

マミ「うーん……まだ決まらないのよね……それに、魔女との戦いも不安だし……」

ほむら(ちょっと自信がないマミさんも可愛いわね……」

まどか「あ、ほむらちゃん」

ほむら「ほむぅっ!」

さやか「なんだ転校生。見てたんだ。もしかしてあんた、仲間に入れて欲しかったの?」

ほむら「そんな事無いわ」ファッサァ

マミ「ねぇ暁美さん。私、後輩達がいがみ合ってるのはあまり見たくないの……」

マミ「でも、私だけ魔法少女じゃないから、みんなに対してあまり強く意見できなくて……先輩なのに……」グスッ

ほむら「!(マミさんの泣き顔GET!!!!)」

ほむら「そ、そうね。それでもし貴女が契約したら困るわ」

ほむら「協力してあげるわ鹿目まどか、美樹さやか。感謝しなさい」

マミ「本当!?」パアァ

ほむら「(あああああああマミさんペロペロしたいいいいいいいいい)」


さやか「まったく、素直じゃないなぁ、転校生は」

まどか「えへへ。よかった、みんな仲良くできて」

マミ「暁美さん、これから魔法少女の先輩としてよろしくね」

ほむら「はい、マミさん。でも勘違いしないでください。私は貴女を魔法少女にしないために協力します」

まどか「どうしてそこまでマミさんを魔法少女にしないのにこだわるの?」

ほむら「(全部話していいかしら……マミさんも魔法少女ではないし……いえ、美樹さやかとの関係が悪くなるだけね)」

ほむら「(本当に害悪だわこのプルーン)今はまだ話せないわ。機会があれば、そのうち」



鉄塔

杏子「ふーん、あいつらがこの街の魔法少女か。本当に仲間を組んで戦ってるんだな」

QB「どうするんだい、杏子?」

杏子「決まってんじゃん――――――


路地裏

マミ「あれが使い魔ってヤツなのね」

まどか「はい。魔女の手下です。グリーフシードは落とさないけど、人を喰らうから放っておく事はできません」

さやか「それじゃあ、あいつは私が仕留めるよ!」チャキ

グサッ

さやか「あれ?」

ほむら「(あの使い魔を仕留めた槍は……)」

杏子「いやー、わざわざ使い魔を倒すなんて、ご苦労な事だねぇ」

さやか「……なによアンタ。いきなり。何か文句あるの?」

マミ「美樹さん、喧嘩越しはよくないわ」

杏子「悪い悪い。ちょっと前まで色々あってね……使い魔を倒す正義の魔法少女と見込んで折り入って頼みがあるんだ」

杏子「私たちをあんた達の仲間に入れてくれないか?」

ほむら「私たち?(まさか……)」

ゆま「えっと、私ゆま。キョーコの仲間だよ」ヒョコ

さやか「えぇ!?こんなにちっちゃい子が魔法少女なの!?」

ゆま「むー。ゆまはちっちゃいけど弱くないよ!」

杏子「ま、そういう事だ。あたし1人じゃちょっとゆまと戦うのは辛くってな。みんなも一緒に戦って欲しいんだ」

杏子「自分勝手な願いだってのはわかってる。グリーフシードは多めに使って貰っても構わねぇ。頼む」

さやか「うーん、やっぱ誰かを守りながらってのは不安だなぁ……」

ゆま「ゆまは守って貰わなくても平気だよ!ゆま強いもん!」

まどか「ご、ごめんねゆまちゃん……」

ほむら「子連れ魔法少女とは、丸くなったわね佐倉杏子」

杏子「ん?アンタ前にどっかで会ったか?」

ほむら「いいえ。それよりあなたの頼み引き受けたわ」

杏子「本当か!?」

さやか「ちょっとほむら、大丈夫なの?」

ほむら「大丈夫よ(いざとなれば時止めで助けるわ)」


ほむら「それに、人手が大いに超した事はないわ。だって数週間後にこの地にワルプルギスの夜がくるもの」

まどさや杏「!」

マミ「ワルプル……?」

杏子「ん?そっちのねーちゃんは魔法少女じゃないのか?」

マミ「私はまだ魔法少女じゃないわ。決めかねてるからこの三人についていってるのよ」

杏子「ふーん……それよりほむらつったか?なんでワルプルギスの夜が来るなんて事がわかるんだよ」

ほむら「統計よ」

ほむら「(杏子達と手を組めたのはワルプルギス戦に向けては心強いわ)」

ほむら「(けど、ゆまがいるという事は、あの二人がいる……)みんな、大切な話があるの」

事情説明中

マミ「そんな……私の命を狙うためだけに学校のみんなを巻き込むなんて……」

ほむら「そういうヤツらよ。QBもね。QBに絶対に契約させないようにするにはここまで大事にするしかないの」

さやか「んー、でもさ転校生。どうしてあんたそんな事知ってるの?」

ほむら「……企業秘密よ。色々あって彼女たちの計画を知ったの」

ほむら「だから計画の日、あいつらが占拠する予定の放送室で待ちかまえるわ」

マミ「ええと、私が学校に行かなければ学校のみんなは巻き込まれないんじゃ……」

杏子「多分無駄だと思うぜ。そんな事しても実行を送らせるだけだ」

杏子「学校を襲うのはQBに目的と対象を悟られないようにするためなんだろ?」

ほむら「えぇ。だから彼女たちを迎撃するしかありません」

ほむら「大丈夫です、実行に移す前にカタをつければ誰も犠牲になりません。それと杏子」

杏子「?」

ほむら「マミさんと話す時は敬語を使いなさい」ゴゴゴ

杏子「す、すいません」

マミ「あらあら暁美さんったら」

数日後

ほむら「彼女たちが来るまであと5分……」

杏子「本当に来るのかねぇ」

ほむら「正直言うと100%じゃないわ。けれど、外れるに超した事はないのよ」

マミ「そうね……私も、命を狙われるとなるとあまり心穏やかじゃないわ」

ゆま「大丈夫だよ。マミお姉ちゃんはゆまが守るから!」ピョン

マミ「ふふふ。ありがとう、ゆまちゃん」

ほむら「(あああああああマミさんの膝の上に私も座りたいいいいいいいいい)」

さやか「それにしてもキリカと織莉子かー。ねぇ転校生。そいつらってどんなヤツなの?」

ほむら「そういえば説明してなかったわね。呉キリカは眼帯を巻いた黒髪の魔法少女で時間遅効を使うわ」

ほむら「美国織莉子はバケツを被った白い魔法少女で、未来予知の能力を――――――」

さやか「ん?どうしたの転校生」

ほむら「美樹さやか、扉から離れなさい!」


ドゴン!

キリカ「あれ?かわされたよ?」

織莉子「かわされたんじゃないわ。時間を止めて移動したのよ」

ほむら「くっ……(迂闊だった。未来を読めるのなら、こっちが待ち伏せしている事くらい読んで……)」

織莉子「初めまして。といっても、あなたにとっては初めてではないのかしら?」

ほむら「えぇそうよ美国織莉子。あなたとは何回も会って何回も倒してきたわ。今回も貴女の負けよ」

まどか「何の話してるのかな……」

さやか「もしかして、ほむらは元織莉子の派閥で、なんだかんだすったもんだあって裏切って、今再開したとか!?」

織莉子「私の負け?それはおかしいわね。それなら、何故貴女はここにいるのかしら?」

ほむら「!!」

織莉子「私に勝てなかったからやり直したのでしょう?」

ほむら「くっ……」

キリカ「おりこー。まだー?」

織莉子「いいわキリカ、やってしまいましょう。この放送室だけなら一般人を巻き込む事はないわ」

杏子「やる気かっ!」スチャ

キリカ「織莉子には手を出させないよ。織莉子の為なら、私は――――――」

ほむら「!!佐倉杏子、彼女を止めなさい!」

杏子「駄目だ、アイツの動きが速すぎる!」

キリカ「――――――安らかに絶望できる!」

パキィン

マミ「きゃっ」

さやか「うわぁ……これは、魔女の結界!?」

織莉子「あら、折角手を組んでるのに何も知らされていないのね。魔法少女の真実に」

杏子「魔法少女の真実……まさかそこにいる魔女は……」

織莉子「察しの通り。魔法少女の成れの果て。このソウルジェムが濁りきった時、私たちは魔女になるの」

まどか「そんな……」

さやか「う、嘘だ!」ダッ

ほむら「!美樹さやか、迂闊に近づいては駄目よ!!」

魔女キリカ「ナンドデモーナマエヲヨブヨー」ブンッ

さやか「きゃっ!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「あいつの言ったとおり、あの魔女は呉キリカの成れの果て。速さもピカいちよ」

杏子「テメェ……アタシ達に隠してたってのかよ……」

マミ「佐倉さん、そんな言い方……」

ほむら「……言い訳はしないわ。責めるたいのならいくらでも責めてくれればいい」

ほむら「けれど今は。あの魔女と美国織莉子を倒さないと……」

さやか「倒してどうなるのよ!」

ほむら「!」

さやか「ここであいつらを倒しても……私たち魔女になるんだよ……」

さやか「それなら、ここで死んじゃった方がいいよ……魔女になんか、なりたくないよ……」

杏子「さやか……そうだな……どうせ、このまま生きててもいつか魔女になるくらいなら……」

ほむら「ッ!勝手になさい。私は織莉子を討つ」ダッ

織莉子「あらあら。あの娘達ももう終わりよ」

ほむら「美国……織莉子……ッ!」チャキ

ゆま「キョーコのバカ!」

杏子「ゆま?」

ゆま「ゆま達がここで諦めたら、誰がマミお姉ちゃんを守るの!」

さやあん「!」

マミ「ゆまちゃん……」

まどか「そうだよさやかちゃん!いつか魔女になるからって諦めるなんて、さやかちゃんらしくないよ!」

さやか「まどか……」

ゆま「ゆまはキョーコに助けてもらった。もしキョーコが最初から諦めてたら、ゆまは今いないよ?」

ゆま「だから、頑張るのは無駄じゃないよ」

杏子「ゆま……」

まどか「私は戦うよ。困ってる人がいて、助ける力があるなら、私はずっと戦う」

まどか「いつかは魔女になるとしても、ずっとずっと、戦える」

ゆま「だって……」



まどゆま「「いつかはいまじゃないよ」」

魔女キリカ「ココニイルヨーココニイルヨー」ブンッ

ほむら「間に合わない!!」



ガガンッ

織莉子「!キリカ!!!」

ほむら「あれは、美樹さやかの剣!?」

さやか「まったく、まどかには適わないなぁ。いっつも助けて貰ってるんだから」

魔女キリカ「グッ……ギャアアアアム」パラパラ

織莉子「そんな……キリカ……」

ヒュッ

織莉子「!!」

まどか「困った時は助け合うんだよ。だって私達は、友達でしょ?」

織莉子「私の武器を……ッ!」

ほむら「終わりよ、美国織莉子。貴女の願いは遂げられないわ」

織莉子「……いえ……まだよ」パシッ

ブンッ

さやか「あれは……」

まどか「さっきの魔女の破片!?」

マミ「!!!」

ほむら「マミさんっ!!」

織莉子「巴マミを今守る者はいない。私達の勝ちよ!」



杏子「――――――いつからそれが、マミだと錯覚していた?」



織莉子「ッ!嘘……消えた!?」

ほむら「いえ、あれは幻影魔法……」

杏子「まったく、あたしとした事がガキに説教されるなんてらしくないな。それもこれもさやかのせいだぞ」

さやか「なによー。誰もあんたと心中しようなんて言ってないし!」

織莉子「そんな……さっきまで絶望していたのに……そのまま私が勝つ未来だったのに……」

さやか「未来?何ソレ。そんなのに全部決められたらたまったものじゃないよ」

ほむら「魔法少女は条理を覆す存在よ。どんな未来だって、絶望の運命だって、この手で変えてみせる」

ほむら「さぁ、あなたの視る未来には、一体何が映っているのかしら?」

織莉子「そんな……」ガクッ

ほむら「今度こそ終わりよ、美国織莉子」スチャ

織莉子「そう……終わりなのね……」

織莉子「……ごめんなさい。キリカ」

マミ「待って、暁美さん」

ほむら「!?マミさん、こいつに近づいたら……」

マミ「今の彼女は、もうなにもする気はないわ」

織莉子「……巴、マミ」

マミ「織莉子さん、貴女だって元々未来を変えるために、こんな事をしたのでしょう?」

織莉子「……」

マミ「ねぇ、私たちに協力してくれないかしら」


織莉子「!」

ほむら「なっ……」

マミ「私が魔法少女になれば、いずれ最強の魔女になる」

マミ「貴女はその未来を視たから、私を……その……殺そうとしたんでしょう?」

織莉子「……えぇ」

マミ「なら、貴女が未来を変えようとしたように、今、貴女が勝つ未来が変わったように」

マミ「私たちと一緒に、未来を変えて」

ほむら「何を言ってるんですかマミさん!そいつは貴女の命を奪おうとしたんですよ!?またいつ狙ってくるかわからない」

ほむら「それに、ワルプルギスの夜くらい私たち5人で……」



QB「それは無理だよ暁美ほむら」


さやか「あっ、QB!てめぇよくも私たちを騙しやがったな!」

QB「騙してないよ。本当の事を言わなかっただけさ。君たちが勝手に勘違いしたんじゃないか」

杏子「テメェ……」ジャキ

ほむら「ちょっと待って佐倉杏子。インキュベーター。私たちがアイツを倒すのが無理ってどういう事よ」

QB「逆に聞くよ。どうして君は勝てると思っているんだい?」

ほむら「それは、あの強さなら5人いればなんとか……」

まどか「あの強さ?ほむらちゃんワルプルギスの夜と戦った事あるの?」

ほむら「!それは……」

QB「思った通りだね暁美ほむら。君は恐らく何度も時間を巻き戻してるんだろう?」

さやか「な!?」

杏子「マジ……?」

マミ「本当なの、暁美さん……?」

ほむら「……はい、本当です。マミさんを助けるために、私は何度も時間を巻き戻して、繰り返して……」

ほむら「でも、何度やってもワルプルギスの夜に勝てずに……マミさんも救えずに……」

QB「やっぱりね。これで納得がいったよ。なぜ急にマミの魔力が増大したのか」

QB「君がマミを助けるため、マミを中心に時間を繰り返す事で、あらゆる世界線の巴マミの因果が一つに収束したんだ」

ほむら「嘘……それって……私のやってきた事で……マミさんが……」

QB「そしてもう一つ収束したのが、ワルプルギスの夜だ」

ほむら「!」

QB「君はマミを中心に、マミを目的として時間を遡り世界戦を紡いできたけど、その影にはいつもワルプルギスの夜があった」

QB「君はマミを目的として遡ると同時に、ワルプルギスを目標として遡ってしまったんだ」

QB「そのせいで、元魔法少女だったワルプルギスの夜にも因果が収束して、君の知っているワルプルギスの夜よりも強くなってしまったんだ」

QB「お手柄だよ暁美ほむら。君が巴マミを最強の魔法少女にして、ワルプルギスの夜をマミが契約をせざるをえない最大の魔女にしたんだ」

パァン

QB「」

ほむら「そんな……私のやってきた事って……」ボトッ

まどか「ほむらちゃん……」

さやか「えっと、話が見えないんだけど、転校生は岡部倫太郎みたいにマミさんを助ける為に何度も時間を戻したって事?」

杏子「多分……」

マミ「……もういいのよ暁美さん」

ほむら「マミさん……」

マミ「もういいの。私は、これ以上大事な後輩を苦しめたくないわ」

マミ「私は魔法少女になってワルプルギスの夜を倒すわ。そして魔女になる前にソウルジェムを砕く」

マミ「そうすれば最悪の魔女が誕生する事無く、最大の魔女を消し去れるじゃない」

ほむら「嫌ッ!私はもう、マミさんをこの手にかけたくありません……」

ほむら「マミさんを助けるっていう約束が、私の、最後に残った道しるべだったのに……」

ほむら「そんな事って……ずっとずっと、マミさんが助かる道を探して……マミさんに生きて欲しくて……」

マミ「ごめんなさい、暁美さん……あなたの願いを、あなたの頑張りを否定する事になってしまって……」

マミ「でも、他に方法がないもの。ここで倒せなかったら、あなたはまた同じ時間を繰り返さなければいけない……そんなの、嫌よ」

マミ「過去の私の約束が、あなたを永遠の時の迷路に閉じこめたのなら、その責任をとるのも私よ」

ほむら「嫌、嫌ッ!」

ゆま「織莉子お姉ちゃん、お願い。ゆま達を助けて。お姉ちゃんも手伝ってくれればワルプルギスの夜を倒せるかもしれないんだよ?」

織莉子「……無理よ……私に未来は変えられない……また、大切なモノを失うのよ……」

織莉子「キリカを巻き込んで……無駄死にさせてしまって……私はキリカがいないと駄目なの」

織莉子「キリカのいない世界……私はもう、頑張れないのよ……」

ゆま「……キリカお姉ちゃんがいれば、手伝ってくれるの?」

織莉子「……え?」

杏子「おい、ゆま……」

ゆま「ゆまが魔法少女になった時、お願いはなかった。だからこうお願いしたの」

ゆま「『一回だけ、奇跡を起こす力を頂戴』って」

さやか「願い事を保留にしたって事!?」

ゆま「でもゆまじゃ力は弱いから、キリカお姉ちゃんのソウルジェムの時間をちょっと元に戻すのが精一杯なんだ」パアァ

ほむら「呉キリカグリーフシードが、ソウルジェムに戻っていく……」

織莉子「キリカの身体は!」

キリカ「……」

織莉子「キリカ!」

キリコ「おり……こ……おなか、すいた……」

織莉子「キリカ……キリカ……」グスッ

織莉子「本当に……なんてお礼とお詫びを申し上げたらいいのか……」

キリカ「私を助けてくれてありがとうございます」ペコー

ゆま「えっと、もういいよ。なんだか照れちゃう……」

さやか「それで転校生。これだけの人数がいればワルプルギスの夜に勝てるんっだよね?」

杏子「魔法少女7人。時止め未来予知時間遅効幻術回復盾完備。しかも戦闘経験のほむらがいる」

まどか「負けるわけないよね!」

さやか「盾ってもしかして私の事!?」

マミ「……暁美さん?」

ほむら「……ワルプルギスの夜とは、戦わないわ」

全員「えっ」

キリカ「どういう事さ暁美ほむら」

ほむら「QBの言っている事は本当。ワルプルギスの夜は世界線の因果を束ね、着実に強くなっている」

ほむら「そして私は、因果を束ねた結果、どれほど強化されるかを目の当たりにしている。最初はワルプルギスの夜に為す術もなかったマミさんが、一撃で倒していた」

ほむら「今度はワルプルギスの夜の方がそのレベルで強化されているかもしれない。そうなったら、私たちは瞬殺よ」

まどか「そんな……」

ほむら「正直無駄死になるかもしれない。私はそんな危険な賭けに出たくはない」

織莉子「……」

ほむら「だから、みんなは避難所にいましょう。どうせ街を荒らすだけ荒らしたら帰るわ。台風と一緒よ」

さやか「でも……ッ!」

ほむら「お願い……これ以上……みんなが死ぬのは見たくないのよ」

さやか「転校生……」

杏子「……わーったよ」

ゆま「キョーコ?」

杏子「ワルプルギスの夜の事を知ってるのはほむらだけだし、そのほむらが嫌だって言ってるんだ。ほむらの協力なしじゃ勝てないよ」

杏子「だからどっちにしろ、ほむらに従うしかないんだ」

ほむら「ごめんなさい、佐倉杏子」

杏子「いいって。あたしも死ぬのはごめんだ。アタシとゆまは風美濃の避難所に行くよ。じゃあなみんな。今度また会おうぜ」クルッ

ゆま「ま、待ってよキョーコ」テッテッテ

まどか「杏子ちゃん……」

織莉子「私とキリカも彼女達についていくわ。キリカの恩人だもの。何かあった時に守らないと」

キリカ「じゃあな、暁美ほむら」

タッタッッタ

まどか「……みんな行っちゃったね。やっぱ戦わないんだね。ワルプルギスと」

さやか「いいんじゃないの。死ぬとわかってる戦いにわざわざ行くのは勇気じゃなくて蛮勇だよ。ね、転校生」

ほむら「そうね。それは愚かな選択よ、まどか」

まどか「うーん、そうだよねやっぱ……」



マミ(それでも、私は――――――)



ほむら「でも、嫌いじゃないわ」ボソッ

マミ「……」

まどか「じゃ、私たちはこっちなのでさよなら」

さやか「じゃあねぇ、転校生、マミさん」

マミ「えぇ、さよなら二人とも」

ほむら「それじゃ、生きてたらまた会いましょう」

マミ「……」テクテク

ほむら「……」ホムホム

マミ「明日よね。ワルプルギスの夜は」

ほむら「はい。強大すぎるが故に結界に身を隠す必要のない魔女。だからこっちの世界を散々荒らしていきます……」

マミ「そう……どのくらい強いの?」

ほむら「最初の世界ではあいつとマミさんの間には、ピッコロ大魔王とピラフくらいの差がありました」

マミ「そんなに違ったのね。負けるに決まってるじゃない私」クスクス

ほむら「それでもマミさんは、戦いに行きました。私が止めても、戦いました」

マミ「そして、貴女も今までずっと戦ってきたのよね」

ほむら「……」コクン

マミ「……ありがとう、暁美さん」

ほむら「礼には及びません。私を助けてくれた、大切な先輩の頼みですから」

マミ「ふふっ。他の時間では私はちゃんと先輩やれていたのかしら?」

ほむら「はい。それはもう――――――」

TV『えースーパーセルが近づいているので、指定の避難所にて待機を……』

タツヤ「キャンプーキャンプー」

知久「そうだ、今日はみんなでキャンプだ」

まどか「……」

純子「まどか、どうしたなんだい?」

まどか「……うんう、なんでもないの。私、さやかちゃんの所に行ってくるね」タッ

純子「おいっ……あまり迷惑かけるんじゃないぞ」

ほむら「(ワルプルギスがここまで強くなったのは私のせい)」

ほむら「(だから、わたし1人で全てカタをつける)」

ほむら「(ここ世界の人達に迷惑はかけられない)」

ザッ

ほむら「!?」

杏子「……どこに行こうってんだい?」

ゆま「ほむらお姉ちゃん……」

ほむら「杏子……ゆま……どいてちょうだい」

杏子「そうは行かないね……あんたのやろうとしてる事は大体予想はつく。あたし達も連れて行け」

ほむら「駄目よ。あなた達を巻き込めないわ。それに、まだ幼いゆままで連れて行くなんてなおさらよ」

ゆま「ゆま、迷惑かけないよ!ほむらお姉ちゃんの手伝いがしたい!」

杏子「アタシもゆまも覚悟はできている。ここでワルプルギスに向かってくアンタを見送ったら、目覚めが悪ぃ」

ほむら「チッ!こうなったら、力づくで貴女達を排除するわ!」

シュンッ

ゆま「消えた!」

杏子「時を止めて隠れたんだ。来るぞ!」

ゆま「……」

杏子「……」

ゆま「来ないよ……」

杏子「まさか、アイツ、時間を止めてあたし達を素通りしてワルプルギスの所に行きやがった……」

ゆま「キョーコ、追わないと!」

杏子「わかってる!」

ションッ

ほむら「(無駄に魔力を消費してしまった……けれど仕方ないわ。あの娘達を巻き込めないもの)」

いーつーか君がー

ほむら「来たわねワルプルギス……いえ、違う、これは使い魔!?

ほむら「こんなにデカイなんて……ワルプルギスが強くなった分、使い魔も巨大になったという事……」

使い魔「カワシタヤークソクーワスレナイヨー」ブンッ

ほむら「くっ……」タッ

ドガンッ

ほむら「このっ!」パンパンッ

ペチペチ

ほむら「やはりハンドガンじゃダメージを与えられない……でもワルプルギスは武器を温存しないと勝てない……」

使い魔「オシヨセータヤミーフリハーラッテースースムヨー」ゴオッ

ほむら「ッ!時止めが間にあわ……」



「苦戦しているようね」



ドガッ

使い魔「ウオァ」

ほむら「この武器は……」

織莉子「ふぅ。間に合ったわ」

ほむら「美国……織莉子……」

ズバッ

使い魔「グッ……パァー」ドサッ

キリカ「まったく、見てらんないよ」スタッ

ほむら「貴女達……」

織莉子「1人で戦うなんて無茶にもほどがあるわ」

ほむら「あなた達には関係のない事よ……」

織莉子「関係ない事なんてないわ。私はワルプルギスの夜を倒すのに協力する代わりにキリカを助けて貰ったんだもの」

キリカ「ほむらを放っておいたら恩人に顔向けができないよ」

ほむら「関係ない!これは、私だけの戦いなのっ!」カチッ

キリカ「あーあ、時間を止めて行っちゃったよ」

織莉子「とりあえず追うわよ、キリカ!」

キリカ「合点!」

ほむら「みんな……どうして……私は、1人でも戦える……今までもそうしてきたし、今回もそうしなきゃいけないのに……」

ほむら「また居るわね、使い魔……と、あれは……」



まどか「さやかちゃん、私が引きつけるから、その間に頼むよ!」

さやか「おーけいまどか!」

まどか「やっ!」

シュババッ

さやか「いまだ!おーりゃあ!」ダッ

使い魔「デモソンナンジャダーメ」スカッ

さやか「避けられた!?」

まどか「さやかちゃん!」

カチッ

ほむら「まったく、貴女はいつも手間をかけさせるわね……」

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「遅いよ、ほむら」

ドーン

使い魔「ヘブシ」

ほむら「みんな、お人好し過ぎるのよ……バカ」

さやか「私ってほんとバカ……。ふん、友達を見捨てるくらいなら私は大バカでいいさ」

まどか「ほむらちゃん、弱ったこの使い魔は私たちでなんとかするから、先に行って」

ほむら「……ごめんなさい。さやか、まどか」ダッ

まどか「行ったね」

さやか「まったく、こういう時はごめんなさい。じゃなくて、ありがとう。なのに」

ほむら「(みんな、私の為に戦ってくれている……あれだけ拒絶しても、私のために……)」

ほむら「ほんとバカなのは……私よ……」



マミ「そうよ、暁美さん。あなたはもっと誰かを頼るべきだわ」



ほむら「マミさん……」

マミ「あなたがみんなの為に1人でここに来たように、みんなもあなたの為にここに来たのよ」

ほむら「でも、これはみんなには関係なくて……私が、私のせいでこんな事に……」

マミ「あなたのせいでもなんでもいい。あなたが困っていれば、助けるのに理由なんかいらないのよ」

ほむら「マミさん……」

マミ「私は先輩なのにあなたに背中を見せる事はできない。あなたの背中を見守る事しかできない」

マミ「けど、私はずっとずっと、傍にいるわ」

マミ「あなたは、独りぼっちじゃないのよ」

ザッ

ほむら「!」

杏子「やっと追いついたぜ……」

ゆま「疲れた……」

ほむら「杏子……ゆま……」

織莉子「やっと、私は私の世界を守る事ができるわ」

キリカ「私は全て織莉子の意のままに」

ほむら「織莉子……キリカ……」

さやか「あいつはばっちり倒せたよ、ほむら!どんなもんだい!」

まどか「もうさやかちゃんったら、ほむらちゃんが弱らせてくれたからでしょ?」

ほむら「みんな……」

マミ「行ってらっしゃい、暁美さん。帰ってきたらとびっきりおいしい紅茶を用意しておくわ」

マミ「先輩として、後輩の頑張る姿は最後まで見届けないとね」

ほむら「えぇ……。凄くつらい戦いになるかもしれないけど――――――」



マミ(それでも、私は――――――)



ほむら「――――――私達は魔法少女だから。みんなの事守らないといけないから」

ほむら「行きましょう、みんな!」

一年後

まどか「あ、来た来た」

さやか「遅刻ですよ、マミさん」

マミ「ごめんなさい、バスが遅れてて……」

ゆま「もー、遅いよマミお姉ちゃん。みんなずっと待ってたんだよ」

杏子「その辺にしてやれ、ゆまマミの家はここから遠いんだ」

キリカ「それにしても、あれから一年かー」

織莉子「早いものね」

マミ「そうね――――――あの子が死んで、もう一年ね」

さやか「思い返せば、アイツ最初はさ、なんか無表情でやり辛いなーって思ってたんだよ」

杏子「そうそう。でも、いなくなるとやっぱ寂しいもんな」

織莉子「そうね。いまみんながここにいるのも、あの子のお陰ですものね」

マミ「大切なモノは、失って初めて気づくものよ。そうでしょう――――――











   ――――――キュゥべえ」

キリカ「まさかwwwwwwwwwwwwあそこで殺したのが最後の個体だったなんてなwwwwwwwwwwwww」

まどか「なんかwwwwwwwwwwwwwwww悪い事しちゃったねwwwwwwwwwwwwwwwwww」

さやか「そういってまどかwwwwwwwwwwwwアイツに矢を30本は射ってたじゃんwwwwwwwwwwwwwwwww」

まどか「ウェヒヒwwwwwwwwwwwwwwwwww」

杏子「そいやほむらは?」

マミ「QBの命日なんて記念日として認めたくないから、今日は家に引き籠もるんですって」

織莉子「そう。では学校の裏に埋めたQBのお墓に花を添えたらほむらさんの家に行きましょうか」

キリカ「そうだね。花どうする?」

ゆま「ゆまがさっき道ばたでタンポポ摘んできたよ」

マミ「偉いわねゆまちゃん」

ゆま「えへへ」

マミ「(こうして私たちは、平和を手にした)」

マミ「(思えば、私は何もしなかった。戦ってたのは最後までほむらさんと、みんなだった)」

マミ「(だかか、これからは私はその恩返しをしないといけない。私の世界を守ってくれた暁美さんを、今度は私が守っていく)」

マミ「(ずっと、ずっと、一緒に支えていく。先輩として。そして――――――)」

ガチャ

マミ「ただいま、ほむらさん」

ほむら「お帰りなさい、マミさん。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも、ほ・む・ほ・む?」

マミ「もう、それは私のセリフでしょ?」



Fin

投下しておいてあれだが、マミさん全然ヒロインしてないな

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