ほむら「アルバイトやめるわ」杏子「それがいいよ」 (158)

先日、似たようなスレタイでSSを書いた者です。
前作の後日談になります。お目汚しをお許しください。

ほむら「お世話になりました」

店長「あいよ」

ほむら(このハゲ最後まで感じ悪いわね)

前スレttp://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380725403

ーー結局、私はバイトを辞めることにした。

こんなところでソウルジェムの穢れを溜め込むのもバカらしいし、最近魔女狩りの方が忙しいからだ。

QBは約束を守っているようで、ここ最近は安定して魔女が出現している。

というか出現しすぎである。

まあ、マミさんの言うところの地域ごとのノルマとやらに追われているんだろう。

ざまあみろ。

マミさんのおかげで魔女が増えたのはいいのだけれど。

やはり今までとは違って、グリーフシードがひとりの人間に見えてくる。

人間を犠牲にして生き永らえてるという実感は、予想以上に私の心を重くしていた…。

いつか読んだ小説に書いてあった一節を思い出す。

ー人間にハッピーエンドは許されない。我々を待ち受けるはデッド・エンドのみであるー

>>4
ありがとうございます

言い得て妙なり。

まさにその通りだ。

これが小説や映画や童話だったなら。

マミさんの説得をもって終劇になるはずだ。

4人の魔法少女たちはこの後何の憂いもなく、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。

>>6
いえいえ

しかし現実はそう甘くはない。

この生ある限り、悩みというのは尽きないのだろう。

永遠の幸せは約束されない。

Happlly ever afterは死ぬまで許されないのだ。

そして、待つのはデッド・エンドのみ…。

でも私は、それでもいい、いやそうこなくてはと意気込める程度には明るい人間になったらしい。

すべてが思い通りなんてつまらない。

私は幸せに慣れたくない。

この世の不都合も理不尽も不条理も、全部私の幸せのスパイスに変えてやる。

なぜなら私は、暁美ほむら。

幾多の時間軸を飛び越えた、魔法少女なのだから。

まどか「それでね、その時さやかちゃんがね」

ほむら「だいたい察しがつくわ。ひっくり返しちゃったんでしょう?」クスクス

まどか「あったり~!よくわかったねほむらちゃん!」ティヒヒ

ほむら「目に浮かぶようだもの」

「まどか!」

そう。悩みは尽きない。

直近、私の悩みのタネとなっているのはこの声の主。

ほむら「現れたわね…!インキュベーター!」

QB「まどかの影に、僕らあり。僕たちの営業精神を舐めないでほしいね」

まどか「魔法少女ならお断りだよ?」

QB「それでいいのかいまどか!魔法少女はいいよ!いい人生のスパイスだ!それこそ老後まで付き合える身のある趣味だと思ッうっ!!」

ほむら「ちょっとこっち来なさい」グイグイ

QB「なんのつもりだい暁美ほむら。僕はいま営業活動中なんだけど、邪魔しないでくれるかな」

ほむら「なんのつもりはこっちのセリフよっ!なんで今まで無干渉だったまどかに突然営業が始まるの!」

QB「なんでもなにも、君たちが望んだことじゃないか。見滝原に魔女を生んでくれ。そして僕はその要望に応えているだけさ」

ほむら「だからってなんでまどかに!」

QB「やれやれ。やはり君の理解力は凡人以下みたいだね。まどかの抱える膨大な因果。それをものにできればもはや僕のノルマなんておがくずのようなものさ」

QB「それどころか、宇宙を救った英雄として生ける伝説となれるだろうね…」

ほむら「…なんて俗な野望なの。あなた絶対感情あるでしょう」

QB「だから感情なんてないって何回言わせるんだい!本当に君の理解力は乏しいね!」

ほむら(……)

QB「だいたい、そっちの落ち度じゃないのかい?まどかを勧誘して欲しくないなら、そういう特則を設けるべきだろう」

QB「まあ、その場合は取り引きに応じたかわからないけどね!」キュップイ

ほむら「…なんてやつなの。最初からこれが狙いだったのね!」

ほむら「だけどそうは問屋が卸さないわ!まどかには近づかせない!」

QB「待ってもらおうか。君たちはこうも言ったはずだよ?僕たちの仕事の邪魔はしないと」

QB「つまり君が僕の営業活動を妨害した時点で、この取り引きは無効。また僕は兵糧攻めをさせてもらうだけさ」

ほむら「くぅっ…!」

QB「だから言ったろう?邪魔しないでくれって」

QB「結局この取り引き。僕の方に旨味があったようだね」

QB「さあ今日も仕事だ!」

QB「待っておくれよまどかーッ!」

QB「いま契約してくれたらグリーフシードを三つつけよう!それだけじゃない!今だけセールで願いを二つ叶えてあげるよ!!」

QB「代わりにちょっと魔女になってくれるだけでいいんだ!!簡単だろう?だから待っておくれよまどかーッッ!!!」

ほむら「…魔法少女の裏を知ってる人物にはああも俗なセールスしかできないのね」

ほむら「…ということらしいわよ、マミさん」

マミ「うーん、それは一杯食わされたわねえ…」

ほむら「でもまどかはもう魔法少女の裏は知ってるし、QBの営業もやる気があるんだかないんだか分からないものだったし」

ほむら「決して楽観はできないけれど、悲観するほどの結果でもないと思うわ」

マミ「そう言ってもらえると気が楽だわ」

マミ「まああの時は切羽詰まっていたし、QBの対策はまた練ればいいわ」

杏子「おーい」

マミ「あ、ふたりが来ちゃったわ。この話はまた後で」

ほむら「ええ」

杏子とさやかには取り引きの話はしていない。

マミさん曰く、無用な気疲れをして欲しくないそうな。

本来なら私にも隠すつもりでいたんだから、この人はすごい。

杏子「今日も疲れたぜーっ!魔女が出なかった時はどうしようかとおもったもんだが、やっぱ戦うとなるとしんどいよなー」

マミ「もうずいぶん慣れてるとはいえ、命懸けだものね」

杏子「特にさやかとペアだと疲れるな!」

さやか「なにおーっ!もうさやかちゃん怒ったよ!やられたらやり返す!」

さやか・杏子「ヴァイ返しだ」ヘンガオ

ほむら「ちょっとやめなさいよ!」ブフォッ

さやか「あーっ!ほむらが笑ってる!」

杏子「やったなさやか!このボケは採用だ!」

マミ「暁美さんがボーダーなのね」クスクス

ほむら「くっ不覚だわ…」

悩みと言えば。

さやかも悩みのタネね。

なにぶん魔女との戦闘において心もとないわ。

最近はローテーションでさやかのペアを回して、2チームで魔女を倒しているんだけど、危なっかしくて見てられないわ。

特に私とペアの時に無謀な突撃をするのは止めてほしい。

特に私とペアの時に無謀な突撃をするのは止めてほしい。

マミさんや杏子と違って魔法少女としてのポテンシャルに欠ける私じゃあいざと言う時さやかを助けられないかもしれない。

そういった危機感の上では、ひょっとしたらQBの勧誘よりもさやかの方が上だ。

一方、私たちがついてるからさやかも考え無しに突っ込むのであって、彼女一人で何度か危険な橋を渡ればしっかりしてくるのかもしれない。

しかし万が一の事があれば取り返しのつかない事になる。

難しいわ。最初の方のループで私に魔女との戦いを教えてくれたマミさんやまどかもこんな気持ちだったのかしら…。

ふたりともありがとうございました。

さやか「そんでね、まどか!その巨大な魔女をさやかちゃんは真っ二つにしたのだーっ!」

まどか「えーっ?本当に?」ティヒヒ

ほむら「ええ、本当よ。あの時のさやかは調子良かったわ」

まどか「ふえぇーほむらちゃんが言うなら本当なんだね」

さやか「なんだよぅまどか!あたしの話は信用ないってかー!」

杏子「さやかの話といえば、最近上條の坊やの話を聞かねーな。うまくいってんのか?」

さやか「いやぁ…それがその、あはは」

マミ「うまくいってないの!?早めに相談してね?」

杏子「なんでそこでボルテージ上がるんだよ!マミだって恋愛経験なんてないだろ?」

マミ「心配ないわ!ちゃんと雑誌の恋愛コラムで勉強してますから!もはや私は恋愛マスターよ!」

杏子「いいか、さやか。こいつにだけは相談すんなよ。マジで」

ほむら「というか実際どうなの?本当にうまくいってないの?」

さやか「いやぁ…なんていうか。うまく行き過ぎてて言いづらい、みたいな」

ほむら「えっ」

さやか「この前あたし達、ちゅーしました」

ほむら「……」

杏子「……」

マミ「……」

まどか「ええと///」プシュー

ほむら「ああっ!まどか!」

杏子「刺激が強すぎたみたいだな」

マミさん宅でのお茶会ももう恒例行事ね。

魔法少女トークができるのはここだけだから、毎回意外と盛り上がるわ。

時々まどかが寂しそうな表情をするのは、魔女トークに加われないからかしら…。

ちょっと悪い気はするわね。

ちゃんと話は振っているのだけど…。

ほむら宅

交わしたやーくそく忘れ ないよ♪
目ーを閉じ 確かめる♪

ほむら「ふーん。いま、こういうのが流行ってるのね…」

話といえば、最近私は家でよく音楽を聴いている。

趣味ってわけじゃなく、ただクラスメイトの話について行けなくて、どちらかといえば勉強という気分だ。

こちらでは私がまどかに助けられている。

話を振ってくれたり、流行りの曲を教えてくれたりしてくれるわ。

ほむら「~♪~♪」

今度クラスメイト達とカラオケに行くことになってしまったので(まどか達+α)、いま必死に勉強している。

ほむら(うまく歌えるかしら…)

最近ではもう私が完璧超人であるという化けの皮は剥がれてきてしまっているので、ここらでまた挽回したいところだ。

iPhone「」ブルブル

ほむら「LINEかしら」

ーー
お茶会メンバー
ーー

鹿目まどっち
{皆さん!今度の連休、旅行行きませんか!?

さやかマン
{いいねー!どこ行こっか!?

あまりお金のかからない近場がいいわ}

きょーこ
{食い物が美味いとこ

魔弾の射手
{私、ちょっと調べてみるわね!

…何回見てもこのマミさんのアカウント名は笑ってしまう。

もうずいぶんマミさんの抜けてる部分はいじれるようになったけど、ここだけは誰もいじろうとしない。

杏子あたりが攻めてくれるとありがたいのだけど…。

俺はVIPで落ちるかどうかハラハラしながら書くのが好きなのだ
あっちだとのんびり出来すぎていけない

ーー
お茶会メンバー
ーー
きょーこ
{いまマミが検索してるぞー

きょーこ
{ちょっと待っててくれ

そういえばあの二人同居してるのよね。

同じ家でケータイで会話するっていうのは変な感じしないのかしら。

まあマミさんがケータイをスマホに変えたのも、みんなとLINEがしたいわ!って事だし、いいのかしらね。

ーー
お茶会メンバー
ーー

マミーポコパンツ
{みんなお待たせ!ここら辺だと、日光とか横浜とか面白そうね!

さやかマン
{!??笑

鹿目まどっち
{マミさん!?

ご乱心ね}

マミーポコパンツ
{えっみんなどうしたの!?

きょーこ
{教えてやろうマミ!アカウント名見てみな!!

さやかマン
{あんたの仕業か!笑

トーク画面じゃ自分のアカウント名出ないものね}

鹿目まどっち
{杏子ちゃんやめなよー(笑)

マミーポコパンツ
{みんなちょっと待っててね

マミーポコパンツ
{用事が出来たわ

きょーこ
{たすかて

さやかマン
{あちゃー

鹿目まどっち
{あはは…

逝ったわね…}

マミさんの中二病を攻めた彼女の勇気を、私達は忘れない…。

ちなみに旅行は横浜に決まったわ。

ーー下校中

杏子「そーだ、あたしもバイト辞めたぞ」

まどか「そうなんだ!」

さやか「あんたもか!っていうかほむらみたいにイジメられてた訳じゃないのになんで?」

ほむら「別にイジメられてはないわよ!嫌がらせを受けただけだわ!」

まどか「あんまり変わらないような…?」

仁美「プライドが高いんでしょうね」

杏子「なーに、ちょっとハゲ呼ばわりしただけでバイトをイジメるようなケツの穴の小さな男と働くのが嫌になっただけだ」

ほむら「杏子…」

仁美「ケツの穴…」

さやか「仁美そこじゃない」

杏子「ま、あたしと一緒じゃなきゃほむらはバイトできねーもんな」

さやか「いつの間にあんたらそんな仲に」

ほむら「違うわ。杏子の幻覚で面接の時だけでも高校生にならないと。流石に中学生じゃ働けないわ」

さやか「ああ!そーゆーカラクリだったのか」

仁美「幻覚…?」

まどか「さやかちゃん達のマイブームなの」

後日、私達は「流石に仁美ちゃんへのフォローが辛い。仁美ちゃんの前での魔法少女トークはやめてくれ」とのお叱りをまどかからいただきました。

ごもっとも。

ーー深夜・魔女結界

さやか「はああぁ!!」

ほむら「待ちなさい!!危ないわさやか!!!」

さやか「へ??わぶッ!」グシャ

>>45
やたら粘着して荒らしまわる奴がいるからだろう
俺も2,3回書いてみたがさすがにあれは書く気力なくなるわ金もらえるわけでもないし
でもSS速報は雰囲気やルールがやだ

ほむら「…という事があったわ」

杏子「まあ驚きはしないよ」

マミ「美樹さん。流石に緊張感に欠けるんじゃないの?」

さやか「うう…。面目ない」

ほむら「わぶッ!」

ほむら「最高な気絶の仕方ね」

杏子「気絶する時までボケんなよなー」ケタケタ

>>59
つNGID
変なのに挫けずSS書こうぜ

さやか「…さい」

杏子「ん?」

さやか「うるさいうるさいうるさーーーいッッ!!!」

さやか「なんなのさ皆して!!よってたかってあたしの事弱いってバカにして!!」

さやか「みんなが邪魔するからいけないんだ!!みんなが邪魔しなきゃあたしだって一人前に魔女を狩れてるだ!!」

ほむら「ちょっとさやか」

さやか「今日だってそうだ!!ほむらが変な時に叫ばなければ、あたしはあのまま魔女を倒せてたんだ!!」

マミ「美樹さんそれは違うわ。暁美さんはあなたを心配して…」

さやか「シャラーッップ!!もうあたしは怒ったよ!明日の魔女狩りはあたしひとりでやる!一人前に魔女を狩れるって所を見せてあげる!!」

ーー翌日・魔女結界

さやか「ーーとは言ったものの」

さやか「いざひとりになると不安だなあ」

さやか「もし負けたら…」ゾクッ

さやか「いやいや!挫けるな美樹さやか!あいつらに証明するんだ!あたしひとりでもやれるって!」

ーーーコソコソ

ほむら「早速怯えてるわね」

マミ「そうね…。あの恐怖は孤独じゃないと感じる事ができないものだわ」

杏子「まあ、こーゆー修羅場を乗り越えないと本当に強くはならないだろ」

ほむら「そうね。少し私達はさやかを甘やかしすぎたわ」

マミ「私達も反省しないとね」

ほむら「っ!さやかが動いたわ」

ーーー
ーー

さやか「いよいよ、結界の最深部ね」

魔女「うぼぁー」

さやか「いくよっ!覚悟!」


ほむら「見たところ貝の魔女」

マミ「剣を使う美樹さんには相性悪いわね」

杏子「大丈夫かよあいつ…

さやか「あいつの攻撃手段は、口を開けて泡を飛ばすこと」

さやか「どうにかあいつが攻撃するタイミングで肉薄したいな」

杏子「お!あいつあたしが教えたこと覚えてんじゃねーか!まずは遠巻きに攻撃手段の見極めだ」

さやか(あいつが口を開けた状態であたしが近づくには…!)

さやか(あいつが口を開けた状態であたしが近づくには…!)

ほむら「泡の弾幕を捌きながら後退していくわね」

マミ「どういうつもりかしら」

さやか(よし!十分に距離はとった!ここで)

杏子「隠れたな」

ほむら「そうね。敵の死角に入る。重要だわ。私の教えた通り」

さやか(よし!あたしを探すために弾幕を張るのをやめた!)

マミ「ここからが肝心ね」

杏子「ああ。さやか、どう攻める?」

さやか(ここでっ!)

ほむら「剣を真上に投げたわね」

杏子「隠れながらあいつの後ろに回り込んでるから剣の出処はわからない」

カーッン

杏子「が、当たったところでダメージにはならない」

さやか(よしっ!とっさに上を向いて攻撃を始めた!)

ほむら「いいわっ!最高のタイミング!近づけーっ!」

杏子「相手を見失った状態で死角から攻撃をもらえば、焦ってそっちを攻撃しちゃうのは当然だよな」

マミ「自分のやって欲しいことを、相手が自分にとって最善手だと思いこませて実行させる…覚えてるじゃない、美樹さん」

さやか(勝ったっ!あとは中身を斬りつけるだけ!)

さやか(いや、待て)

マミ『いい?美樹さん。勝ったと思ったタイミングが一番危ないのよ』

杏子『大抵のやつは、いざって時のために攻撃手段を温存してるもんだ』

ほむら『大切なのは、最後の最後まで気を抜かないこと。あらゆる可能性を冷静に検討しなさい』

さやか(そうだ、ここが一番気を抜いちゃいけないポイント!)

杏子「やべえっ!あの魔女の舌、剣になってやがる!逃げろさやか!!」

マミ「間に合わないわ!私のリボンで…!」

ほむら「待ってっ!」

ほむら「それじゃ今までと変わらないわ」

ほむら「さやかはいま、成長しようとしている」

ほむら「見守りましょう。さやかを信じて」

さやか(よしっ!ここで、斬りつける!)

杏子「見てられねえ!」

マミ「…っ!」

ほむら(さやか…!)

さやか(来たっ!なるほど、舌が剣に。これがあんたの最後の足掻きってわけね)

さやか(でも、無駄っ!)

ほむら(あの不意打ちを、剣でいなした!)

さやか「はあぁぁ!これで、終わりだっ!」

さやかの剣が魔女を両断した。

次の瞬間、魔女結界が消えていく。

そして。

杏子「よ、ようさやか」

マミ「ぐ、偶然ね」

ほむら(しまった…。魔女結界が消えたらこうしてご対面状態になるのは目に見えてたのに)

ほむら(ベテラン魔法少女が三人そろって失念してたわ…)

さやか「なに…。あんた達あたしの後をつけてたの」

ほむら「まあ、そうね」

さやか「はあ~。そんなにあたしって頼りないかなあ」

杏子「おう」

さやか「即答かよっ!」

マミ「いえ、でも。まだまだ危なっかしいけど、今日の戦いは素晴らしかったわ」

ほむら「ええ。もうあなたは十分、一人前の魔法少女よ」

さやか「えっ?」

杏子「聞こえなかったのかよ」

杏子「もうお前のことバカにしねーって言ったんだ」

さやか「……えへへ」

ほむら「なんか…反応が地味ね」

マミ「ええ。てっきり飛び上がるのかと」

杏子「おいさやか!らしくねーぞ!もっと騒げよーっ」

さやか「ちょっと!いま余韻に浸ってるんだから!」

さやか「ねえほむら!もっかい言ってよーっ」

ほむら「嫌よ、恥ずかしい」

さやか「そう言わずにほらーっ」


夜は更けていく…。

ーー見滝原中学・教室

杏子「ほらまどか!見ろよこれ!」

まどか「あっ!スカイツリーと…杏子ちゃん!?」

さやか「ほほう、よく撮れてるねえ。てっぺんまで行ったんだ」

杏子「おう!ここでロッキー食うのが夢だったんだ」

ほむら「ほんとにやるなんてね…。というか、どうやって撮ったの?」

さやか「そーいや。一般人は立ち入れないし、杏子はここに写ってるし」

まどか「ほんとだ!どうやったの?杏子ちゃん」

杏子「ふっふっふ!よくぞ聞いてくれた!」

杏子「ロッソ・ファンタズマさ!」

ほむら「ああ、分身するっていう」

さやか「あれ?じゃあこれ分身の方?」

まどか「じゃあロッキーは食べてないの?」

杏子「さあな。想像にお任せするよ」


まどか「……」

まどか「……」

QB「やあまどか!絶好の魔法少女日和だね!これはもう魔法少女になれという天の思し召しだ!さあレッツ契約!」

まどか「……」

QB「あれ?いつもみたいに魔法少女にはならないよ?って言わないんだね」

まどか「あのね、QB。私、いま悩んでるの」

QB「ほう」

まどか「最近ね、みんなと壁を感じるの。もちろんみんな私に気を使ってくれてるけど、なんとなく」

まどか「同じ境遇じゃないとわからない事ってあるから。時々、話についていけなくなる…」

QB「それはそうだろう。類は友を呼ぶって言うじゃないか。人間が似た者同士固まるのは自然の摂理だ。逆に全く違う性質の君たちが固まっているのは、とても不自然だよ」

まどか「もしかしたら…!いま私が感じてる溝が、どんどん深くなって、やがてみんなとは疎遠になっちゃうのかな」

まどか「そんなのは…嫌だな」

QB「…まどか。君は周りの話について行きたいから、魔法少女になるのかい?」

まどか「違うの!さやかちゃんも、ほむらちゃんも、杏子ちゃんも、マミさんも。みんな大切な友達で、なのにそうじゃなくなっちゃいそうなの…!それが怖いの!」

QB「…まどか。僕は相談相手じゃない。僕には感情がないからね。君のその迷いに答えはあげられない」

QB「ただ、君のその迷いに答えが出て、その答えに僕が必要なようならいつでも呼んでくれ。待ってるからね」

まどか「あっ!QB…!」

まどか「行っちゃった…」

まどか「……」

まどか(こんな悩み…。誰に相談したらいいの)

まどか(仁美ちゃんやパパやママは魔法少女のこと知らないし)

まどか(まさかほむらちゃん達に直接言うわけにもいかないよね)

まどか(最近壁を感じてます…なんて)

まどか「はぁ…」

ほむら「まどか」

まどか「ほむらちゃん…!ど、どうしたの」

ほむら「まどかこそ。保険委員会だから先に帰っててなんて水くさいじゃない」

ほむら「みんなと下でバレーボールして待ってたのよ。なかなか来ないから探しにきてみたら、こんなところでボーッとしてるし」

ほむら「さあ、帰りましょう。みんな待ってるわ」

まどか「あ、あのねほむらちゃん!」

ほむら「なあに?まどか」

まどか「さっき…QBと話してたの」

ほむら「QBと…話?」

ほむら「いつもの一方通行の勧誘じゃなくて?」

まどか「うん」

まどか「ほむらちゃん。私、魔法少女に」

ほむら「まどかっ!!!」

まどか「!!」ビクッ

ほむら「ま、まさか契約、してないわよね?だってまどかは、魔法少女がどういうものか、知ってるものね?」

まどか「え、えと」

ほむら「言わないでッッ!!!」

ほむら「う、嘘よ…。こんな、こんなバカなはなし…」

ほむらちゃんは、普段のクールでかっこいい姿からは想像も出来ないほど取り乱してしまいました。

泣きながらうずくまって、肩を震わせるだけ。

嗚咽とともに時々私の名前を呟くその姿があまりにも可哀想で。

愚かなことに、ようやく私はどれだけこのほむらという少女が私のことを思っていてくれたのかを悟ったのでした。

なのに情けないことに私は、ただほむらちゃんの背中をなぜることしか出来ませんでした…。

まどか「落ち着いた?」

ほむら「う"ん…」

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。紛らわしいこと言っちゃって」

まどか「大丈夫だよ。私は魔法少女になってないよ」

ほむら「う"ん、う"ん…」

まどか「ごめんねほむらちゃん。ごめん」

ほむら「いいの…。私の早とちりだから。ごめんねまどか、怒鳴ったりして」

その晩。

まどか「はあ…」

まどか(どうしよう)

まどか(ほむらちゃんは、私を魔法少女にしないために頑張ってきたんだよね)

まどか(そりゃ、取り乱しちゃうよね)

まどか(でも実際、魔法少女になっても大丈夫そうな気もするなあ)

まどか(みんなうまくやってるみたいだし)

まどか(うーん)

知久「まどかーっ!お客さんだよーっ!」

まどか「えっ!はーい!」


まどか「ほむら、ちゃん」

ほむら「ええ。こんばんはまどか」

まどか「どうしたのこんな夜中に」

ほむら「お話ししたくて。…都合悪かったかしら」

まどか「ううん、大丈夫だよ。上がって?」

ほむら「ありがとう。お邪魔します」


まどか「それで、お話って」

ほむら「昼間はごめんなさい。取り乱してしまって…」

まどか「い、いいんだよ!私が悪かったんだから」

ほむら「いえ、聞きそびれてしまったわ」

ほむら「いつもQBの勧誘を跳ね除けてたあなたが、なぜ今日は違ったのか…。その心境の変化について」

まどか「っ!うん」

ほむら「ごめんなさい。問い詰めているわけじゃないの」

ほむら「ただ、相談してほしいわ。友達として」

ほむら「約束する。いま、なにを聞かされても取り乱さない。あなたを否定しない。受け入れてみせる」

ほむらちゃんのその真剣な眼差しに負けて。

私はポツリポツリと、話し出しました。

魔法少女の話についていけないこと。

壁を感じていること。

いつかほむらちゃん達と疎遠になるんじゃないかと恐れてること。

話せば話すほどラクになっていきます。

普段感じてた小さな不満とか、疎外感とか、全部吐き出して。

カラッポになった私の正面にいたのは、微笑んだほむらちゃんでした。

「ばかね、魔法少女がどれだけ大変か知らないくせに」

「私達のこと、そんな風に思ってたのね」

ほむらちゃんがしたのはそんな反応じゃなくてただ

私を温かく抱きしめてくれました。

そして、
「忘れないでまどか。私は何があってもあなたの味方だから。あなたを仲間外れになんかしないから」

「だから安心して」

そう耳元で囁いてくれました。

その後、私達はしこりなんて初めからなかったかのようにしゃべり続けました。

心を包み隠さないお喋りはとても楽しくて、パパがもう夜遅いからって注意しにくるまで時間なんてないみたいでした。

私には、何があっても味方でいてくれる友達がいるんだ。

そう思ったら、魔法少女なんてどうでも良くなってました…。

ーー週末

まどか「もう!遅いよさやかちゃん!」

さやか「ごめんごめーん!昨晩恭介と電話してたら寝るの遅くなっちゃって!」

ほむら「はぁ。結局日帰りになったんだから、ただでさえ時間は無駄にできないのに」

杏子「まあまあ。こんなのてきとーに過ごすのが楽しいんじゃん!固くならずにいこうぜ」

マミ「私昨日寝ないで横浜観光マップ作ったのに…」

杏子「いやお前テトリスしてただけじゃねーか」

マミ「うっ」

まどか「なんでそれを杏子ちゃんが知ってるの?」

ほむら「確かにそうね。杏子も徹夜したの?」

杏子「うっ」

さやか「わかった!昨日楽しみで寝れなかったんでしょー!」

杏子「そんなんじゃねーよ!」

ほむら「こうしてる時間が勿体無いわ。早く改札入りましょ」

まどか「そうだよ!早く行って早く遊ぼう?」

杏子「なーんかお前らふたり仲良くなってねえ?」

ほむら「気のせいよ」

おしまいです
見てくれてた人いたらありがとう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月13日 (月) 01:46:53   ID: 3BLzjOSi

全部マイブームで押し通すまどかにワロタ

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