まどか「ほむらちゃん、寝る前にお話してよ!」(132)

まどか「眠れないの、いつものようにベットの下にいるんでしょ?」

ほむら「…ごめんなさい」

まどか「謝るのはいいから、面白いお話してよ。眠れないんだ!」

ほむら「お話、ねぇ…そうだ、あれにしましょう」

まどか「ウェヒ?」

ほむら「昔々、あるところに軍人の杏子、太鼓腹のマミ、そしてばかのさやかの三人姉妹がいたの」

まどか「どっかで聞いたことのある名前だね・・・」

ほむら「ある日、杏子とマミ、そしてばかのさやかはある男の子が好きになってしまったのよ」

まどか「へえ」

ほむら「それで三人は、ありとあらゆる方法でその子にアプローチをかけようとするの」

ほむら「一番最初に、軍人の杏子は槍をちらつかせて男の子の家に出向いて行ったわ」


杏子「あたしのこと、好きかい?」

上条「と、友達としては好きだけど…うわぁ!」

杏子「友達じゃねえ!こ、い、び、ととしてだよ!好きか?好きじゃないのか?」

上条「ひ、ひぃぃ…」

ほむら「なかなか落ちてくれない軍人の杏子は、男の子を二週間監禁したわ」

まどか「こわいよぅ…」



杏子「ほら、これ食えよ坊や」

上条「…」プイ

杏子「なあ…いいから、食えよ」

上条「いやだ、早く出してよ…!」

杏子「お前があたしの事好きになってくれないなら…私無しじゃ生きていけないようにしてやる!」


ほむら「杏子は愛用の槍で、男の子の片腕を切り落とし、もう片方の腕が切り落とされようとした時!」

まどか「うん…」

ほむら「警察が突入して、軍人の杏子は逮捕されてしまったの。これで男の子は病院送りになったわ」

まどか「可哀想だね、男の子も杏子ちゃんも」

ほむら「男の子が病院送りになった後、残った二人の姉妹は交代制で彼を看病することに決めたの」

まどか「ふむん」

ほむら「太鼓腹のマミは、お腹は太鼓腹だけど胸は大きかったら女の武器を使って男の子を誘惑したわ…」


マミ「ほぉら、恭介くぅ~ん」チラチラ

上条「…」ゴクリ

マミ「どこ見てるのかしらぁ~♪」

上条「うへぇ…」

ほむら「一方ばかのさやかは馬鹿だから、女の武器を使わないでただひたすら看病し続けたわ」

さやか「…尿瓶、持ってくね」

上条「うん、ありがと」

さやか「えへへ…」


ほむら「太鼓腹のマミが夜遊びで居ない時も、ばかのさやかはひたすら看病し続けたわ」

まどか「一途だね…」

ほむら「そうね、でもこの話」チラッ

まどか「…?」

ほむら「…まあいいわ、ばかのさやかは男の子の排泄物や、その他色々の雑用を纏めて頑張ったわ」

まどか「…」

ほむら「一方太鼓腹のマミは、彼女の大きな胸と特徴的な柔らかい声で男の子を誘惑し続けたわ」チラッ

まどか「さっきから窓の外チラチラ見て、どうしたの?」

ほむら「なんでもないわ」

ほむら「まあそんな事もあって、男の子の切られた腕が少しづつ良くなってきたのよ」

まどか「良かったね!」

ほむら「もう少しで退院ということで、太鼓腹のマミはばかのさやかある提案をしたわ」


マミ「ねえさやか、もう上条君の腕も良くなってきたことだし、明日にでも二人一緒にに告白しないかしら?彼が選んだほうが、付き合えるの」

さやか「…うん、いいよ!」

マミ「フフ…」
ほむら「マミはもちろん絶対に勝つと思って提案したわ。彼が病院に入ってから、ずっと自慢の体と声でひたすら誘惑し続けたんですもの」

ほむら「一方ばかのさやかは、ばかだからそんな事もわからず快諾したわ」

まどか「ばやかちゃん可哀想だね…」

ほむら「そうね」

マミ「ねえ、上条君。私とこの子、どっちが好きかしら?もちろん恋愛的な意味で」

さやか「…」モジモジ

上条「うーんとね…」


ほむら「男の子が選んだのは…」

まどか「誰だろう…?」

ほむら「ばかのさやかよ」

ほむら「男の子は、ちゃんと見抜いていたの。太鼓腹のマミが自分を誘惑している間、ばかのさやかはただひたすら自分のために尽くしてくれたことを」

ほむら「てことで、ばかのさやかは男の子と末長く幸せに暮らしましたとさ、おしましおしまい」

まどか「うーん…」

ほむら「どうしたのかしら?」

まどか「あんまりリアリティが無いよ、だって男の子はやっぱり体とか、顔で選ぶだろし…」

ほむら「…確かに」

まどか「まあお話にリアリティってものどうかと思うけど…」

ほむら「いや、あなたの言っている事は間違っていないわよ」

まどか「それにね、一番いいのは、ばやかちゃんと、タミさんと、軍子ちゃんが仲良く皆で男の子と付き合うことだと思うな」

ほむら「まったく、このお話はダメダメね」

まどか「いや、ダメってことは無いけど…」

ほむら「ちょっと作者に文句言ってくるわ」ヒョイッ

ほむら「まったく…五年ぶりに盾から出してやったのに、お話ひとつまともに作れないのね」

オクタヴィア「ヴォヴォヴォ…」ペコペコ

ほむら「男なんて、顔だけで女を選ぶ生き物なのよ。それがわからないからあなたは魔女化したのよ」

オクタヴィア「ヴォー…」

ほむら「もういいわ、他に何かお話が作れる子は居ないかしら」

シャルロッテ「…」ピョコン

ほむら「…あなた?」

シャルロッテ「…」ゴニョゴニョ

ほむら「…ふん、ふん」

シャルロッテ「…」ゴニョゴニョ

ほむら「なるほど…」

まどか「あの話の、作者さんって誰なんだろ…」

ほむら「…待たせたわね」ガラガラ

まどか「あっ、ほむらちゃん…」

ほむら「今度のお話は、心躍る英雄の物語よ」

まどか「わぁ、楽しみだなあ…!

ほむら「これはある街でのお話よ…」

まどか「うん!」

ほむら「とある町で、恐ろしい連続殺人事件が起きたの」

まどか「う、うん…」

ほむら「調べたところ、その正体は中学生ぐらいの少女グループ…」

まどか「うわぁ…」

ほむら「紐でグルグルに縛り上げて、頭を銃で吹き飛ばしたり…スカートの中に爆弾をつっこんで爆発させたり…」

まどか「こわいよぅ…」メオサエ

ほむら「犠牲者は毎日のように生まれて、人々は恐怖のどん底に落とされたわ」

まどか「…」ブルブル

ほむら「犯人のグループの恐ろしいところは、自分たちのやっている事が正義であると信じ切っていることよ。だから、仲間を次から次へと増やしていく…」

まどか「おかしいよ…そんなのぉ」アイアイ

ほむら「そんな中、とある子が立ち上がったの。生まれたばかりなのに、高い戦闘能力を持ってるプリティーな魔女よ」

まどか「…え?」

ほむら「その魔女は、仲間を殺しまわっている魔法少女グループの長を頭から…どうしたの、まどか」

まどか「ちょっと待って、今魔女って…」

ほむら「あっ…」

まどか「どういうことなの…?」

ほむら「え、えーと…」

ほむら「ちょ、ちょっと待ってなさい、作者に文句を言ってくるわ」

まどか「…?」


ほむら「ちょっと!」

シャルロッテ「…」ドヤ

ほむら「よく考えたら、魔女の英雄談なんて人間に通用するわけがないじゃない!ダメダメよ!」

シャルロッテ「…」ムスッ

ほむら「他にいい話は無いの?人間にも通用するような出来のいい話よ!」

ほむら「あなたは?」

イザベラ「…」

ほむら「ああ、無機物だから喋れるはずが無いわよね…」

ほむら「あなたは?」

エルザマリア「イイオハナシ、デスカ?」

ほむら「ええ、いいお話よ」

エルザマリア「アリマスヨ、ワタシノセイゼンノオハナシデスガ…」

ほむら「いいわ、ちょっと話してごらんなさい」

エルザマリア「ワタシハセイゼン、シンプノオウチノムスメデシタ…」

ほむら「神父、ねぇ」

エルザマリア「エエ、チチト、ハハト、ワタシと…アネ」

ほむら「…」

エルザマリア「シュウキョウヤッテルノニワタシノイエ、トテモビンボウデシテネ…」

エルザマリア「マアトキニハ、ユウショクガリンゴイッコッテコトモ…ウフフ」

ほむら「可哀想に…」

エルザマリア「ワタシヲヲアワレンデモ、グリーフシードハデマセンヨ」

ほむら「まあいいわ、続けて」

エルザマリア「デモアルヒトツゼン、ビンボウガオワッタンデス」

エルザマリア「アサオキタラ、ヒトビトがレツヲツクッテキョウカイノマエデマッテタンデスヨ」

ほむら「えっ?」

エルザマリア「オカシイデスヨネ…マアワタシモオカシイトオモッタンデスケド、ジツハ…」

ほむら「実は?」

エルザマリア「ソレハアトデ。マアトツゼンシンジャガタイリョウニキタカラ、チチハオオヨロコビデスヨ。ハリキッテ、シンジャアイテニセッキョウヲイッショウケンメイニシテ…」

エルザマリア「ヒツゼンテキニ、イエモオフセデオカネモチニナッテ…ジンセイデイチバンシアワセナトキデシタ…」

ほむら「…」

エルザマリア「タダ、ワタシハドウモシンジャタチノヨウスガオカシイコトニ、キヅイタノデス」

エルザマリア「ナントイウカ、メガウツロデ…ソウデスネ、エイガトカデ、マジュツデセンノウサレタヒトイルジャナイデスカ。ソンナカンジデス」

ほむら「まさか、魔女の仕業…」

エルザマリア「ハハハ、マジョ…マアタシカニ、マジョノシワザカモシレマセンネ…」

ほむら「…?」

エルザマリア「ソレカラモウヒトツ、フシンナコトガアリマシテネ」

エルザマリア「シンジャガクルヨウニナッタヒカラ、アネガマイバンネドコヲハナレテドコカヘキエテクヨウニナッタンデス」

ほむら「…」

エルザマリア「フシンニオモッタ、ワタシハ…ハハトチチヲオコシテ、コッソリミンナデアネニツイテイキマシタ…ソシタラ、オソロシイコトガハンメイシマシタ」

エルザマリア「アネハ、マホウショウジョダッタンデス」

エルザマリア「イッタイドウシテコンナコトヲヤッテルカ、アネヲトイタダシタトコロ…」

エルザマリア「アネハネガイデヒトビトをアヤツッテ、センノウシテタンデス」

ほむら「ある意味じゃ、魔女よりも…」

エルザマリア「マッタク。ソレカラガタイヘンデシタ」

エルザマリア「チチハ、オマエハマジョダ!トカノノシッテアネヲイエカラオイダシテ…」

エルザマリア「キガクルッタヨウニサケヲアオリ、トキドキハハノクビヲシメタリ、ナグッタリシテ…」

ほむら「酷いわ…」

エルザマリア「シマイニハ、ハハヲコウサツシテ…ワタシハカクレナガラ、ソノヨウスヲミテマシタ…ウッ」

エルザマリア「スイマセン、チョット…ナミダガ」ポトポト

ほむら「ほ、ほら…ハンカチ」

エルザマリア「グスグス…チーン!チーン!」フキフキ

ほむら(ハンカチが真っ赤になったわ…血の涙ってやつなのかしら)

エルザマリア「ワタシヲチチハトウブンノアイダサガシテマシタガ、アキラメルト…」

エルザマリア「キョウカイニガソリンヲマイテ…ショウシンジサツシマシタ」

ほむら「ちょっと待って、貴方は…」

エルザマリア「ワタシハウンワルク、キセキテキニショウボウタイニタスケラレマシタ。ケガモヤケドテイドデスミマシタヨ」

エルザマリア「ビョウシツデワタシハチチヲ、ハハヲオモッテナキマシタ…ナンニチモナンニチモナンニチモ…」

エルザマリア「ソシテアネニハゲシイイカリヲ…ウゥ…」

エルザマリア「ソンナトコロニ、QBガキタンデス。マエマデハミエナカッタノニ…フシギデスヨネ」

エルザマリア「モウウシナウモノモナニモナイシ、ワタシハケイヤクシマシタ。ネガイハ…」

ほむら「願いは…?」

エルザマリア「"アネニハシヌマデ、ヒトダスケガデキナイヨウニシテホシイ"ト」

ほむら「…」

エルザマリア「モトハトイエバ、アネノマチガッタキモチデカゾクガホウカイシタノデス」

エルザマリア「コレイジョウ、オロカナアネノセイデギセイシャガウマレルノハアマリニキケン…」

エルザマリア「ナライッソノコト、カノジョニハヒトダスケガデキナイヨウニシタホウガマシ…トイウワケデス」

エルザマリア「ソレカラワタシハ、モトモトマリョクモナカッタノデ…スグニマジョニナッテ」

エルザマリア「ヒトビトヲキュウサイシテマワッテ…マア、アナタニトラワレタオカゲデイマハチュウダンシテマスガ」

ほむら「お姉さまは、いま何やってるのかしら」

エルザマリア「サア、イマゴロジブンカッテニイキテルンジャナイデスカ?ナンセ、ヒトダスケガデキナインデスカラ」

エルザマリア「ソレトモ、マジョニナッテルカ…シンデルカ…」

エルザマリア「マサカトハオモイマスガ、イマダニダレカヲタスケヨウトシテルノカモシレナイシ、ソレダッタラホントウニオロカモノデスガ」

ほむら「そうかしらね…」

エルザマリア「ドウデス、コノハナシヲマドカサマニ…」

ほむら「夢も希望もないわ…」

エルザマリア「マッタクデスネ」

ほむら「はぁ…他に話が出来る子は…って、これで全員じゃない」

シャルロッテ「…」ムスッ

オクタヴィア「ヴォーヴォー」

イザベラ「…」

エルザマリア「ブツブツ…」

ほむら「どうしましょ…」

ほむら「…ちょっと待ちなさい、まどかは」

ほむら「…」ガラガラ


まどか「すぅ…すぅ…」

ほむら「ありゃりゃ、寝ちゃってるわ」

エルザマリア「カワイイネガオデスネ」

ほむら「まったくね。絶対にこの子を魔法少女にしてはいけない…」

シャルロッテ「…」ジュルリ

ほむら「食べたら、お腹に水爆入れるわよ」

シャルロッテ「…」シュン

まどか「ウェヒヒ…ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「あら、私の名前を呼んでくれたわ…フフ」

オクタヴィア「ヴォヴォ」ツンツン

ほむら「貴方達は、今晩はこの家の周りでなら、自由にしてていいわよ。逃げたら」

エルザマリア「ワカッテマスヨ…ニゲマセン」

イザベラ「…」

オクタヴィア「ヴォッヴォッヴォ」グイグイ

エルザマリア「コラ!イザベラサンヲキントレノドウグニシチャダメヨ!」

オクタヴィア「ヴォー…」

エルザマリア「マッタク…」

シャルロッテ「…」モグモグ

エルザマリア「シャルロッテ、ワタシノカミヲカマナイデ」

シャルロッテ「…」モグモグ

ほむら「…Zzz」

まどか「すぅ…すぅ…」

バンバン! バンバン!」

ほむら「!」

まどか「ふぇ…なに?」

ほむら「オ、オクタヴィア!何の用よ!」

オクタヴィア「ヴォッヴォヴォッヴォヴォヴォ!」

ほむら「えっ、三体の魔法少女が?こっちに向かっているって…?」

ほむら「えーと、わかったわ…じゃあ今日の所はずらかりましょう。みんな盾に入って」

ほむら「いい所だったのに…」

エルザマリア「マタキカイハ、アリマスヨ」

ほむら「まったくねそうね…」

イザベラ「…」

シャルロッテ「…」ツンツン モンチャンハドースルノ?

ほむら「あっ、イザベラはどうしましょう」

ほむら「いいわ、コイツはここで解放よ!それ以外は入った入った」

オクタヴィア「ヴォー!」スポン

エルザマリア「アワレナ…」スポン

シャルロッテ「…」スポン


イザベラ「…」

イザベラ(ドウシヨウ…ワタシコロサレチャウヨ)

イザベラ(コワイヨゥ…)

マミ「鹿目さん、大丈夫!?」

杏子「ん…?」

杏子「なんじゃこりゃ」

さやか「凱旋門…?」


イザベラ「…」

イザベラ(コワイヨゥ…)

マミ「なんでこんな所に…」

杏子「でも、よく出来てるなー」

さやか「ねえ、これって…」

杏子「なんだよ」

さやか「魔女、じゃないかな」

杏子「魔女がこんな凱旋門みたいな形してるかよ!こんなんで、どうやって攻撃するんだ?」

マミ「そうよ、魔女ってのはもっと…武器とか鋭利な歯とか持ってる物よ…」

さやか「そうですよね…」

さやか「じゃあなんなんだろ、これ」

イザベラ(ワタシノカラダヲコンナガイセンモンデスッテ!)プンスカ

杏子「知らねえよ…まさかと思うけど、ほむらの誕生日プレゼントとかじゃねえの?」

マミ「そういえば、今日鹿目さんの誕生日だったわね」

さやか「プッ!こんな凱旋門貰っても嬉しくないよ!バッカじゃないの、転校生」

イザベラ(バカハアンタヨ…オクタヴィアミタイナツラシテ)

マミ「でも、おかしいわね…魔女の反応が有ったはずなのだけれど」

杏子「だよな、魔女の反応もここだとしめしてるし…」

さやか「でも…ププ、このパリ土産が魔女なんて信じられないし…」

イザベラ(パリミヤゲ!ヒドイ!)

マミ「まあ、今日のところはここをパトロールして終わりにしましょう。それじゃ、行くわよ」

オクタヴィア「ヴォッヴォッヴォ」

シャルロッテ「…」ピョンピョン キャッキャ

ほむら「今ごろ、イザベラは爆破解体でもされてるのかしら…」

エルザマリア「…アーメン」

ほむら「ねえ、さっきのお姉さまの事だけど」

エルザマリア「ナンデスカ?」

ほむら「貴方のお姉さま、知っている人かもしれないわ」

エルザマリア「ヘェ…」

ほむら「まあ、貴方にはもう関係ない事でしょうけど」

エルザマリア「マッタク」

ほむら「…ねえ、本当にお姉さまが許せない?」

エルザマリア「ユルスワケガナイデス」

ほむら「…」

エルザマリア「デ、ソノアネトオモワレシヒトハイマ、ナニヲヤッテイルノデスカ?」

ほむら「気になる?」

エルザマリア「…フン」

ほむら「いいわ、明日こっそり、遠くから様子を見せてあげる」

次の日

まどか「ほむらちゃん、昨日私を置いて帰っちゃったでしょ」

ほむら「ごめんなさい、ちょっと大切な用事が…」

さやか「大切な用事って、あの凱旋門の事?ぷぷ」

ほむら「えっ…凱旋門?」

マミ「あれよ、あの変な凱旋門モドキ。どこで拾ったのかしらね」

ほむら「えっ…えっ…」

さやか「あんなもんプレゼントされても、迷惑だよねえ」

まどか「えっ…凱旋門?」

さやか「あれ、まどかの家の前に無かった?ほら、パリの凱旋門みたいな…」

まどか「知らないよ。凱旋門なんて」

マミ「じゃああれ、まさか」

さやか「やっぱり魔女だったのかな…やべっ」

ほむら「ゆ、夢でも見てたんじゃないかしらね、ウフフ」

さやか「あんな変な魔女居るんだなあ、ふむ…」

ほむら「その事は置いといて、杏子知らないかしら」

さやか「えっ、杏子?いつもみたいに、公園にいると思うよ。何か用事?」

ほむら「そうなの。ありがとう、それじゃあ…」

エルザマリア「…」

ほむら「さあ行くわよ」

エルザマリア「フン…」


鳩「ポッポー」

杏子「ほら、ロッキーだぞ」ポイ

鳩「ポー」プイ

杏子「なんだよ、食わないのかよ…はぁ」


エルザマリア「アイカワラズ、チチノオシエはソンシュスルノデスネ」

ほむら「教え?」

エルザマリア「ドンナモノニモホドコシヲアタエロダッタカ…アンナコトシテオイテ、イマダニツヅケテルナンテ」

ほむら「それほど、彼女が父を愛していたってことよ」

エルザマリア「ドウデスカネ、アイガアッタトシテモユガンダアイデショウシ」

ほむら「…」

じゅんしゅ、な

>>109
本当だ、恥ずかしい…

エルザマリア「ワタシハアナタガイナケレバ、イマスグニデモアノコノクビヲシメテヤリマスヨ」

ほむら「ふん…」

ほむら「まあ今見ている通り、人助けどころか動物までもが助けられなくなったわけだけど」

ほむら「それに関しては、どう思うかしら」

エルザマリア「ザマアミヤガレ、デスネ」

ほむら「そうね、貴方の願いのせいで、彼女は一生苦しみ続けなければいけない…」

エルザマリア「モチロン」

ああ、寝てしまった

ほむら「でも、苦しみ続けるのは彼女だけかしら」

エルザマリア「エ?」

ほむら「あなたの願いで、助けられなくなったお姉さまが、助けようとした人はどうなるのかしらね」

エルザマエリア「ソ、ソレハ…」

ほむら「おいで、オクタヴィア」

オクタヴィア「ヴォヴォヴォン?」

エルザマリア「マサカ、オクタヴィアガ…」

ほむら「そう、このオクタヴィア…この時間軸じゃないけれど」

ほむら「お姉さまが助けようとした子の、なれの果てなのよ」

エルザマリア「…」

ほむら「まあ、ある意味でこの子がこうなったのは自業自得だけど」ポンポン

オクタヴィア「ヴォ…」

ほむら「貴方の願いさえなければ、助かったかもしれないわね」

エルザマリア「ウゥ…」

エルザマリア「デモ、アノオロカナアネガタスケラレタデショウカ、ムリニキマッテイル」

ほむら「どうかしらね、それはわからないけれど」

ほむら「0よりはマシだったでしょうね」

エルザマリア「…」

ほむら「さて、そこで提案なのだけど」

ほむら「お姉さまの代わりに、この時間軸でのオクタヴィアの生前の子を助けてみない?」

ほむら「もちろん直接的じゃなく、間接的にだけど」

エルザマリア「…」

ほむら「お姉さまより、上手くやる自信はあるのでしょう?」

エルザマリア「…ワカリマシタヨ」

ほむら「そう、それでいいのよ」ナデナデ

エルザマリア「フン…」

ほむら「他の子たちは、どう?」

オクタヴィア「ヴォヴォヴォッヴォヴォ!」

シャルロッテ「…」ヒマツブシニイイカモネ

ほむら「さて、じゃあこれから頑張っていこうじゃない」

エルザマリア「アネハタスケマセンカラネ…ソノコダケデスカラネ」

ほむら「じゃあさっそく、上条恭介を拉致するところから始めましょうか」

オクタヴィア「ヴォー!」ブンブン

ほむら「オクタヴィアは病室の入口から襲撃して…エルザマリアは」

シャルロッテ「…」ナンカワスレテルヨウナ

ほむら「シャルロッテは…シャルロッテ?」

シャルロッテ「…」マ、イッカ

イザベラ「…」

イザベラ(ケッカイツクッタワイイケド、マドカサマノオトウトサンモイレチャッタ)

たっくん「ぱりー!ぱりー!」ベタベタ

イザベラ(ヤメテ!ワタシノボデーニヨダレツケナイデ!)

タックン「うぇひひ!」パラパラ

イザベラ(ヒドイヨゥ…タスケテェ)



終わり

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