ほむら「まどかの様子がおかしい…」(156)

――放課後の教室

ほむら「まどか、一緒に帰りましょう?」

まどか「あ…ほむらちゃん…え、えっと今日、ちょっと用事があって急いでるの…」

ID:tIn7M45O0

ほむら「そう…」

まどか「うん、ごめんね…じゃあ!」ダッ

ほむら「…」

ほむら「まどかぁ…」

さやか「ん?どうしたの、ほむら?ぼーっとして」

ほむら「…………ねえ、ミッキー」

さやか「……」

さやか「………えっ?なに、あたし!?」

ほむら「そうよ。ミッキー」

さやか「ちょ、おい、待って待って、え、急にどうしたの!?ミッキーってなに!?」

ほむら「あだ名よ。無理してフルネームで呼ばなくていいって前にあなた言ってたでしょ?」

さやか「そ、それはそうだけど……苗字が美樹だからミッキー…?」

ほむら「ふふ…そうよ。ミキティでもいいけど?」

さやか「え」

ほむら「ミキティーーーッ!!!」

さやか「うおーい!?やめてっ!やめてっ!恥ずかしい!恥ずかしいからっ!」

―――
――

ほむら「で、ミッキ…じゃなくて、さやか」

さやか「それでよろしい。んで、何?」

ほむら「一緒に帰りましょう?」

さやか「えっ?うん、いいわよ。帰ろっか」

――帰り道

とことこ

ほむら「…あのね」

さやか「なに?」

ほむら「最近まどかが変なの。今日も慌てて帰っちゃうし…」

さやか「そういえば最近まどかと帰ってないな…用事があるって言って先に帰っちゃうもんね」

ほむら「まどか、学校ではなんだかぼーっとしてるし…考え事でもしてるのかしら?」

さやか「ああ、たしかに…なんでだろ?」

ほむら「はっ!?ままま、まさか、恋人ができたとか!?」

さやか「んー…どうかな?でもまどかの隠れファンってけっこういそうだもんね」

ほむら「そそそ、そんな!誰!?誰なの!?…はっ!まさか中沢君!?この間『もう女子なら誰でもいいわ~』みたいなこと言ってたわ…!ダメ、ダメよまどか!騙されないで!まどかぁぁーーー!!」

さやか「ちょ、おい、落ち着いて!大丈夫だって!」

―――
――

ほむら「はあはあ……」

さやか「落ち着いた?」

ほむら「ええ…ごめんなさい、取り乱してしまったわ…」

さやか「あんたマミさんのこと豆腐メンタルだとかなんとか散々言ってるけど、さっきのあんたもけっこうな豆腐メンタルだったわよ」

ほむら「そうかしら」

さやか「そうよ」

ほむら「あ、噂をすればあそこにいるのは豆腐先輩じゃない?」

さやか「えっ?なに?誰?」

ほむら「ほら、あっち」


マミ「…♪」


さやか「……マミさんじゃん……豆腐先輩はやめてあげて」

―――
――

野良猫「にゃあ」

マミ「ふふ…あなた人懐っこいわね。可愛い…」なでなで

さやか「マミさーん!」

マミ「え?あら、美樹さんに暁美さん。こんにちは」

さやか「こんにちはー」

ほむら「こんにちは。なにをしているの?」

マミ「猫ちゃんと遊んであげてたのよ。この子、学校周辺に住み着いているの。可愛いでしょ!」

野良猫「にゃあ」

ほむら「………美味しそうね」

マミ「!?」

さやか「おい」

マミ「そそ、そんな!?ダメよ!この子は私のお友達なの!お願い!食べないで!」

さやか「マミさん…真に受けちゃだめです…」

マミ「…え?冗談なの?よかった……あ!あなたたちこれから暇かしら?」

さやか「はい、特に用事はないですよ」

ほむら「私も」

マミ「よかったら私の家に来ない?」

ほむら「ごちになるわ」

マミ「え、『ケーキ作ったんだけど食べない?』って言おうとしたのだけど、どうしてわかったの暁美さん!?」

ほむら「ふ、あなたの考えはお見通しよ」

さやか(まあ…マミさんの家行くと毎回ほぼ必ずケーキ出てくるもんね…あたしもだいたい予想はついたわ)

マミ「すごいわ!暁美さん!もしかしてエスパーなのかしら?」

ほむら「ホムパーよ」

さやか「なに言ってんだ」

とことこ

ほむら「あ、そうだった」

マミ「どうしたの?」

ほむら「ちょっとコンビニ寄ってきていいかしら?」

さやか「え、なんか買うの?」

ほむら「ええ、ちょっとね。先に行っててもらえるかしら?」

さやか「?…うん」

―――
――

――マミさん宅

ほむら「……ねえ、どういうことよ…!」がさごそ

さやか「…」

ほむら「無いっ…!無いわ…!」がさごそ

マミ「…」

ほむら「あの店員、割り箸入れてないじゃないっ!!」がさごそ

さやか「あの、ほむら…どうしたの…?」

ほむら「さっきコンビニでお弁当買ってきたの。だけど割り箸が入ってないのよ…くっ!あの店員…!」ぎりっ

マミ「ほらほら、こわい顔しないで!はい、お箸持ってきたから」

ほむら「あら、ありがとう!お礼に飴ちゃんあげる。ふふ…しかもメロン味よ!」

マミ「う、うん。ありがと…いただきます」もぐぺろ

さやか「ねえ、なんでお弁当買ったの?夕ご飯にはまだちょっと早いよ?」

ほむら「これは昼ご飯よ」もぐもぐ

さやか「え」

ほむら「昼は蒸しパン1個食べて缶コーヒー飲んだだけだから腹ぺこなの」もぐもぐ

さやか「あんた、意外とワイルドな食生活してるわね」

マミ「はーい、ケーキもってきたわよー!」

さやか「あ!ありがとうございますマミさん!」

ほむら「ありがとう。ごちになるわ」

マミ「どういたしまして!あ、そういえばちょっと相談したいことがあるの」

ほむら「あら、なに?学校で居場所が無いとか?」

さやか「おい」

マミ「そ、それは…う、うん…前はそうだったけど…あなたたちと仲良くなれてから少し前向きになれたから…最近はクラスの子たちともちょっとずつだけど馴染めてきたの…だ、だからあなたたちには感謝してるのよ?……ありがとね」もじもじ

さやか(もじもじしてるマミさん可愛い…)

ほむら「ふ、過去の私を見ているようだわ」

マミ「え?」

ほむら「ふふ…私も以前は地味で口下手で人見知りの激しい暗ーい女の子だったのよ…」

さやか「そうなんだ…ちょっと意外だわ」

ほむら「……」ふるふる

マミ「どうしたの…?」

ほむら「う、うわぁぁーー!!思い出しちゃったーー!せっかく忘れてたのにーー!わあぁぁーー!」じたばた

マミ「だ、大丈夫!?暁美さん!?」

さやか「過去の傷を掘り起こしちゃったか」

―――
――

ほむら「…はあはあ」

マミ「大丈夫…?」

ほむら「ええ、ごめんなさい。取り乱してしまって」

さやか「あ、マミさん。それで相談ってなんですか?」

マミ「ええ…あのね、佐倉さんが行方不明なの」

さやか「え、杏子が?」

マミ「うん、しょっちゅう私の家に遊びにきてくれていたのだけど…近ごろ全然顔を見ないのよ。だからちょっと心配で…」

さやか「そうなんですか…杏子がねぇ…」

ほむら「この間の台風でダンボールハウスと一緒に吹っ飛んだんじゃないかしら?」

マミ「えぇ!?」マミーン

さやか「う…有り得るかも…」

マミ「そ、そんな…!?いや!そんなのいやよ…!うう…!美樹さ~ん…」ぐす

さやか「あ、えっと、大丈夫ですよマミさん!よしよし…」なでなで

ほむら「まあ、あの子はたくましいからきっと大丈夫よ。そのうちひょこっと顔を出すわ…ケーキうま」もぐもぐ

マミ「そうかしら…」

さやか「うーん…大丈夫だとは思うけど…杏子がいそうな場所までさがしに行ってみます?」

マミ「そうね…行ってみましょうか」

ほむら「ふ、仕方ないわね。私も協力するわ。ケーキのお礼よ」もぐもぐ

マミ「ありがとう暁美さん!」

さやか「それじゃあ行きますか!」

ほむら「ちょっと待って。もう1個ケーキ食べてから…」もぐもぐ

さやか「どんだけ腹ぺこなのよ」

――河原

さやか「ここにいるかな?」

マミ「橋の下とかにいないかしら?」

さやか「とりあえずさがしてみましょうか」

マミ「ええ」

とことこ

さやか「おーい杏子~」

マミ「佐倉さーん」

さやか「うーん…ここにはいないかも…ダンボールハウスも見かけないし」

マミ「そうね…」

ほむら「あっ!…ふ、二人とも!ちょっとこっちに来てっ!」

さやか「えっ!?なに、どうしたの!?」

ほむら「こんなものを見つけたわ」ぱさっ

さやか「…………Hな本じゃん」

マミ「えっ」どきっ

ほむら「なになに、『美人OLの憂鬱、秘密の給湯室…』」

さやか「うわぁー!やめろー!声に出して読むなぁーっ!!」

ほむら「あ!…ふ、二人とも、これを見て!」

さやか「今度はなによ…」

ほむら「100円玉拾ったわ」しゃきーん

さやか「…」

ほむら「これでパーッと遊びましょう。カラオケとか」

さやか「いや、100円だけじゃ…」

マミ「あ、カラオケ行きたい!」

さやか「え?」

マミ「二人とも今お金持ってる?」

さやか「まあ、それなりには…」

ほむら「私も」

マミ「じゃあ今からカラオケ行きましょ!ドリンク代くらいならおごってあげるから!」

ほむら「いいわね。行きましょうか」

さやか「え、ちょ、杏子は……」

――カラオケ屋

~♪

ほむら「交わした約束忘れないよっ♪目を閉じ確かめる♪押し寄せた闇振り払って進むよ~♪」

さやか「おっ!ほむら上手いじゃん!」

マミ「素敵よ暁美さん!」

ワイワイ! キャッキャ!

―――
――

店員「ありがとうございましたー。またお越しくださいませー」

マミ「ふうー楽しかった!」

さやか「はい!…うわ、もう外真っ暗ですよ」

マミ「そろそろお開きにしましょうか」

さやか「そうですね。じゃあまたね!ほむら、マミさん」

マミ「ばいばい!あ、私帰り道こっちだから。また遊びましょうね」

ほむら「ええ、またね」

―――
――

――さやかの帰り道

とことこ

さやか(あー、面白かった!)

さやか(またみんなで行きたいなー)

さやか(でも何か忘れてるような…)

さやか(……あ)

さやか「杏子…」

――ほむらの帰り道

とことこ

ほむら(久々にたくさん遊んだわね…)

ほむら(楽しかった…)

ほむら(?…でも何か大事なことを忘れてる気がするわ)

ほむら(……あ)

ほむら「…」

ほむら「まどかぁ……」

――次の日

――休み時間の教室

ワイワイ ガヤガヤ

まどか「…」ぼーっ

ほむら「…まどか?」

まどか「…ん?…わっ!?な、なに?ほむらちゃん?」

ほむら「次の授業、理科室でやるそうよ。そろそろ移動しないと…」

まどか「え、あ、そうなんだ!ありがとねほむらちゃん!」

ほむら「…まどか、どうしたの?最近ぼーっとしてるけど…なにか悩みでもあるの…?」

まどか「え?そ、そんな!悩みなんてないよ!う、うん!大丈夫だよ!」あせあせ

ほむら「そう…」

―――
――

――放課後

ほむら「まどか、一緒に帰りましょう…?」

まどか「あ、ほむらちゃん…ごめんね。今日も用事があって…」

ほむら「そう…どんな用事なの?」

まどか「それは…え、えっと…ごめん。ちょっと言えないの…」

ほむら「うん…わかったわ…またね、まどか…」とことこ

まどか「…あ、ほむらちゃん!」

ほむら「え、なに…?」

まどか「……あ!ご、ごめん、やっぱりなんでもない……じゃあまたねっ!」ダッ

ほむら「…」

ほむら「……まどかぁ」

さやか「あ、いたいた!ほむらー、まどかはどうだった?」

ほむら「………ねえ、ミルキー」

さやか「……あだ名的にはちょっと可愛いけど恥ずかしいから本名で呼んで」

ほむら「……さやか、私、まどかに避けられているのかしら」

さやか「え?」

―――
――

ほむら「…………というわけなの」

さやか「うーん…その様子だとまどかは確実に何か隠してるわね」

ほむら「やや、やっぱり恋人とか…!?」

さやか「んー…」

ほむら「……まどかを追いましょう」

さやか「え?」

ほむら「まどかを尾行するのっ!さあ、もたもたしないで!行くわよ、さやか!」

さやか「えー…」

―――
――

――学校の外

ほむら「はい、これ」ぽんっ

さやか「なにこれ…?あんパンに牛乳…?」

ほむら「さっき売店で買ってきたの。尾行や張り込みには昔からあんパンと牛乳が必需品なのよ」

さやか「そうなんだ…」

ほむら「そうなの。さあ!行くわよ、ボーイッシュ刑事!」ダッ

さやか「…」

―――
――

――商店街

ほむら「あ、いた…!」



まどか「…♪」とことこ



ほむら「まどかを発見したわ。ボーイッシュ刑事。あんパンうま」もぐもぐ

さやか「ホントだ。少し様子を見ましょ。ホムパー刑事。このあんパン意外に美味しいわね」もぐもぐ

ほむら「そういえば今日はパイオツ刑事はどうしたの?」

さやか「え?…パイオツ刑事…?……もしかしてマミさんのこと?」

ほむら「そうよ」

さやか「マミさんは委員会で遅くなるって……ていうかパイオツ刑事はやめてあげて…」

まどか「…♪」とことこ

まどか「あ、杏子ちゃーん!」



ほむら「えっ!?」

さやか「杏子…?」



杏子「おっす、まどか!スルメ食うかい?」

ほむら「ありがと!食べる!」もぐ

杏子「じゃあ行こうか」

とことこ

まどか「…それで、学校でねー……!」

杏子「…へぇ!…楽しそうだな~……!」

ワイワイ キャピキャピ



ほむら「そそ、そんな…!ま、まさか杏子がまどかの恋人…!?」

さやか「いやいや、もうちょっと様子を見ましょ?……杏子無事だったんだ。パイオツ…じゃなくてマミさんに報告しないとね」

―――
――

――スーパーマーケット

まどか「えーっと何買うんだったっけ?」

杏子「メモは?」



ほむら「二人でスーパーに入ったわ…」

さやか「何の買い物なんだろ?」

>ほむら「う、うわぁぁーー!!思い出しちゃったーー!せっかく忘れてたのにーー!わあぁぁーー!」じたばた


数年後のほむらも『貴女は、鹿目まどかのままでいればいい。』とか
        『それには及ばないわ』ファサァ  とか格好つけてた事を思い出してベッドでジタバタしてそうだけどな

まどか「てぃひひ!なんかこうやってスーパーで買い物してると主婦になった気分だね!」

杏子「うん、確かにそうかもな…あ、このりんご美味そう!」

まどか「ホントだ!美味しそう!あ、あっちに試食コーナーあるよ!」

杏子「お!行こうか!」

ワイワイ キャッキャ



ほむら「楽しそうね…」

さやか「うん…」

まどか「…でね~…ほむらちゃんが……」

杏子「……へぇ、…ほむらが、…ふぅん、そうなんだ……」

ほむら(え…?私の話…?よく聞こえない…)

まどか「うん……それでね…が、……すっごい…でさぁ……」

杏子「ほむらのやつ、ダメダメだな」

まどか「うん。ほむらちゃんダメダメなの」



ほむら「わ、私がダメダメ…?な、なにが…!?」がーん

さやか「え、ちょ、ほむらー?」

―――
――

――再び商店街

とことこ

まどか「それでねー…」

杏子「へぇー…」

キャピキャピ



ほむら「このあとはどこに行くのかしら…」ぐす

さやか「ちょ、なんで涙ぐんでるの…?えっと、こっちの道は…あ、まどかの家の方向だわ」

―――
――

――まどかの家

まどか「ただいまー!杏子ちゃん来てくれたよー」

杏子「おじゃまします」



さやか「あ、二人とも入っちゃった」

ほむら「そ、そんな…まどか…私とは帰ってくれなかったのに…杏子を連れて帰っているなんて…それに私のことダメダメって……お、終わった…なんてこった」がくっ

さやか「うわ!?だ、大丈夫?」

ほむら「うう~…!さやかぁ~!!」ぐす

さやか「あ~…よしよし…」なでなで

ガチャ

まどか「ん?誰?お客さん?」

ほむら&さやか「!」びくっ

まどか「…え!?ほむらちゃんにさやかちゃん!?」

さやか「あー…これはね…えっと…」

ほむら「…」ふるふる

さやか「ほむら…?」

ほむら「うわあぁぁーーっ!!」

まどか&さやか「!」びくっ

ほむら「まどかのバカーーッ!天使ーーっ!女神ーーっ!笑顔が可愛いーーっ!!」

まどか「えっ」

ほむら「まどかなんて、まどかなんて…うわあぁぁーん!!」ダッ

さやか「え、ちょっと!ほむらっ!待ってー!待ってってばー!」ダッ

まどか「…」

まどか「なんだったんだろ…?」

ガチャ

杏子「おーいまどかー?」

まどか「あ、今行くよ!」

――次の日の学校

――朝の教室

ワイワイ ガヤガヤ

まどか「さやかちゃんおはよう」

さやか「おはよう、まどか」

まどか「…あれ?ほむらちゃんまだ来てないの?」

さやか「あー…ほむらは今日休みだってさ」

まどか「え、そうなの…」

さやか「ねえ、まどか。私たちに何か隠してない?」

まどか「えっ」どきっ

さやか「ごめんね。昨日まどかの様子をこっそり見てたの。そしたら杏子と会って一緒に買い物して家に帰って…用事ってあのこと?」

まどか「う、うん…あ、だから昨日家の前にいたんだね…」

さやか「なんで私たちに内緒にしてたの?ほむらなんて、まどかに避けられてる、って落ち込んじゃってるわ」

まどか「えっ!?そ、そんな!?誤解だよ!」

さやか「それじゃどうして…」

まどか「……やっぱり私、隠し事下手くそだね…う~ん…ホントはぎりぎりまで内緒にしておきたかったんだけど……あのね」

さやか「?」

――ほむら宅

ほむら(…)ずるずる

ほむら(ずる休みしたのはいいけど退屈だわ…)ずるずる

ほむら(うぅ……まどかぁ)ずるずる

ほむら(…)ずるずる

ほむら(…それにしても朝ごはんにカップ麺って意外とイケるものね)ずるずる

―――
――

――夕方

カタカタ カタカタ

ほむら(…悲しみをインターネットの掲示板にぶつけていたらいつのまにか日が暮れてしまったわ)カタカタ

ほむら(…む、むなしい)ぐす

ピンポーン

ほむら「!」

「暁美さーん、お届け物でーす」

ほむら(え…なにかしら?)

ガチャ

ほむら「はい…?」

さやか「ふふ、宅配便だと思った?残念!さやかちゃんでしたっ!」

ほむら「…」

すっ…

さやか「おい!そっとドア閉めようとすんなっ!」

ほむら「…どうしたの」ぐす

さやか「もう、あんまりうじうじしないのっ!ところで明日暇?」

ほむら「?…ええ」

さやか「そう、よかった!じゃあこれ、まどかからの伝言!」すっ

ほむら「え…手紙?」

さやか「じゃあね!また明日!」

ほむら「う、うん…」

―――
――

ほむら「まどかからの伝言…?」ぱさっ

『ほむらちゃん、明日のお昼の12時に私の家に来てね かなめ☆まどか』

ほむら「…?」

――次の日の昼

とことこ

ほむら(まどかの家はこっちね…)

ほむら(まどか…あれだけ私を避けておいていまさら家に来てなんて…)

マミ「あ!暁美さーん!」

ほむら「え?…あら、豆腐…じゃなくて、パイオツ…じゃなかった。巴先輩」

マミ「え!?と、巴先輩…?」

ほむら「あら、なにかおかしかったかしら?」

マミ「いいえ!うれしいわ暁美さん!いつもは私のことフルネームで呼んでたから……ふふ、巴先輩!いい響きだわ!」きゅぴーん

ほむら「そう。ところでどこに行こうとしていたの?」

マミ「鹿目さんの家よ!昨日突然佐倉さんが私の家に来てね、明日鹿目さんの家に来い!って。あ、もしかして暁美さんも?」

ほむら「ええ、私の家にはさやかが来たわ」

マミ「みんな集まるのね。なにをするのかしら?」

――まどかの家

マミ「おじゃましまーす!」

ほむら「おじゃまします…」

まどか「いらっしゃい!マミさん!ほむらちゃん!こっち来て!さやかちゃんと杏子ちゃんは先に来てるよ!」

――リビングルーム

まどか「二人とも、マミさんとほむらちゃん来たよー」

さやか「お、やっとみんな揃ったね!」

杏子「遅いぞ~」

ででーん

ほむら「……え?なにこれ、すごい…!素敵な料理…」

マミ「すごいご馳走ね!美味しそう!どうしたの、これ?」

杏子「ふふん!あたしとまどかで作ったんだよ!すげぇだろ!」

まどか「ホントは半分くらいパパに手伝ってもらったけどね」

ほむら「でも…なんで…?」

まどか「…あのね、ほむらちゃん…いつもありがとね。それから…ごめんね」

ほむら「え?」

まどか「私、どんくさいからいつもみんなに助けてもらっちゃって…特にほむらちゃんは私が困ってると真っ先に駆け付けてくれたよね?」

ほむら「…」

まどか「勉強教えてくれたり、係の仕事手伝ってくれたり、悩みを聞いてくれたり、飴ちゃんくれたり、飴ちゃんくれたり、飴ちゃんくれたり…」

さやか「飴ちゃんもらいすぎじゃない?」

まどか「だからね、お礼がしたかったの!もちろんさやかちゃん、マミさん、杏子ちゃんにも!…杏子ちゃんには結局協力してもらっちゃったけどね」

ほむら「じゃ、じゃあ、まどかが近ごろ学校でなんだか上の空だったり、私と話すときやたら焦っていたのは…?」

まどか「うぇひひ…今日の計画のことを考えてたらついぼーっとしちゃって…それにぎりぎりまで内緒にしてほむらちゃんを驚かせたかったから…誤解させちゃってごめんね。ほむらちゃんを避けてたわけじゃないの」

さやか「まどか、隠し事苦手だからあわあわしちゃったんだね」

まどか「それから…」

ほむら「?」

まどか「ほむらちゃんの食生活が心配だったの…」

ほむら「え!?」

まどか「ほむらちゃん、お昼ご飯いつも菓子パンとかコンビニのお弁当でしょ?あんまり体によくないなって…」

ほむら「う…」

まどか「あと覚えてる?ちょっと前の家庭科の課題のこと。一週間、自分の食べた夜ごはんの内容を書き出すって課題だよ」

~まどかの回想~

ほむら「まどか、家庭科の課題やってきた?」

まどか「うん!ばっちりだよ!ほむらちゃんは?」

ほむら「ふふ、私もばっちりよ!ハンパないわよ!」

まどか「うわ~、自信まんまんだね!ちょっと見ていい?」

ほむら「ええ」ぴらっ



氏名:暁美ほむら

月曜日 ちくわ
火曜日 ちくわ
水曜日 ちくわ
木曜日 ちくわ
金曜日 ちくわ
土曜日 ちくわ
日曜日 ちくわぶ



まどか「…うん…たしかにハンパないね…」

~~

まどか「………こんなことがあったの」

さやか「なにそれこわい」

マミ「日曜日だけちくわぶなのね」

まどか「うん…ほむらちゃん、食生活があまりにダメダメだから、もっと体に良くて美味しいものを食べてほしいなって思って…」

ほむら「あ…ダメダメってそのことだったんだ…」

まどか「それで、食べ物といえば杏子ちゃんでしょ?だから杏子ちゃんにも協力してもらって少しずつ準備をしてたの」

杏子「あたしは食いもんにはうるさいからね。…それにあたしもマミにはいつも世話になってるから…お礼ができればいいなって…」もじもじ

マミ「ふふ、ありがとね!」

さやか「杏子ちゃんマジ聖女ー!」

杏子「うっさい!」

まどか「…というわけで、みんないつもありがとう!そろそろ食べようよ!」

さやか「そうね!」

まどか「せーのっ…」

一同「いただきまーす!」

ワイワイ! キャッキャ! モグモグ!

まどか「どう?ほむらちゃん?」

ほむら「美味しい…まどかの優しさが五臓六腑に染み渡るわ…」もぐもぐ

さやか「言い回しが渋いわね」

まどか「ほむらちゃん…さっきも言ったけど誤解させちゃってごめんね。ほむらちゃんは大切なお友達だよ…これからもよろしくね」

ほむら「まどかぁ…ありがとう…こちらこそよろしくね…」もぐうる

さやか「よかったね、ほむら!」

マミ「これが青春ね…」

―――
――

杏子「うまー!」もぐもぐ

マミ「ホントね!美味しいわ!」もぐもぐ

まどか「よかった!あ、マミさん、シフォンケーキも作ったんであとで食べてくださいね!」

マミ「ありがとう鹿目さん!楽しみだわ!」

ワイワイ キャッキャ

ほむら「…ねえ、さやか」

さやか「ふへ?なに?」もぐもぐ

ほむら「いろいろとありがとね…」

さやか「え?ど、どうしたの急に!?」

ほむら「えっと…相談に乗ってくれたり、私のばかに付き合ってくれたり、ほかにも…」

さやか「友達だから当たり前じゃん!それにあんたと一緒にいると楽しいよ!変にあらたまってお礼なんて言わなくてもいいって!」

ほむら「そう…ふふ、ありがとう…これからも仲良くしてね」

さやか「もちろんよ!」

ほむら「あとね…」

さやか「?」

ほむら「…あだ名で呼んでいいかしら?」

さやか「あだ名…うーん…そうね、まだちょっと恥ずかしいけど…いいわよ!」

ほむら「ミッキーとミキティとミルキーのうちどれがいいかしら?」

さやか「う、うーん…悩むわ…」

ほむら「じゃあ私の一番のお気に入りにしましょう」

さやか「え」

ほむら「ミキティーーーーッ!!!」

まどか&マミ&杏子&さやか「!!?」びくっ

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月21日 (土) 05:14:16   ID: TglkV2sI

キマシタワー
ホムカワパネェす

2 :  SS好きの774さん   2015年02月21日 (土) 05:26:38   ID: TglkV2sI

てか全キャラいいんだが
ほむほむとさやかちゃんの絡み具合がやはり白眉だと感じる一品、
乙です

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