まどか「愛が足りない」(147)

まどか「最近、ほむらちゃんから愛されてる実感が湧かないよ……」

さやか「なんでそれをわざわざあたしに言うのかがわかんないんだけど」

まどか「え、私たち親友でしょ?恋愛相談ぐらい乗ってよ」

さやか「恋愛相談も何もあんたら、いくとこまで行ってんじゃん。惚気なんて聞きたくないよ」

まどか「だって、信用できて独り身寂しい人っていったら絶賛失恋中のさやかちゃんしか思い浮かばないんだもん」

さやか「帰る」

まどか「ごめんなさい、冗談だから待ってぇ!」

さやか「次にそのこと言ったら、まどかでも本気で引っ叩くからね」

まどか「わかったわかった。魔法少女の力で叩かれたら一溜りもないから止めてね」

さやか「あんた、ちょっと前に比べて随分図太くなったよね。色々と……」

まどか「ティヒヒ、それは愛の力だよ。ほむらちゃんという女神の存在が、私に勇気をくれるの」キリッ

さやか「へーへーそうですか。で、その愛するほむらのどこが不満なのよ」

まどか「やだぁ、いくらほむらちゃんが一途な心の持ち主で私とラブラブだからってそんなにハッキリと、愛するだなんてぇ」

さやか(ハナシ進まね~……)


まどか「それに私は不満があるわけじゃなくて、ほむらちゃんが私に飽きちゃったんじゃないかって心配なだけなの」

さやか「は~ん、そんだけベタベタしといてそういう事言うか。客観的に自分たちが見れてないんじゃないの?」

まどか「もしもほむらちゃんが私以外の誰かの下に行ったらどうしよう……思わず契約して世界を滅ぼしちゃうかも」

さやか「まどかが言うと洒落にならないから止めてよ!心配しなくたって、ほむらに限って浮気とか絶対に無いから」

まどか「どうしてそんなこと言い切れるの?万が一……ううん、億が一があったら、私……」

さやか「そこまで疑うとなると、なんか根拠でもあるの?でないとほむらが可哀想だよ」

まどか「勿論あるよ!心配の種も無いのに、私がほむらちゃんを疑うわけないじゃない」

さやか「ふ~ん。まあそれはそっか。で、なんなのよ」

まどか「私がなんでほむらちゃんの心配をしてるのかというとね……こんなものがあるからだよ!」ドンッ

さやか「これは……ラブレター?」

まどか「そう、ほむらちゃんを狙う薄汚い豚どもの落書きだよ」

まどか「しかもこれだけじゃないよ。ここにも、ここにも、これも、これもこれも!こんなにもあるの!」

さやか「ひーふーみー……ザッと見ただけで30通以上はある。これは?」

まどか「ここ一ヶ月くらいの間、ほむらちゃんの机や下駄箱の中にあったのを密かに抜き取ってたんだよ」

まどか「ほむらちゃんの超絶な美しさでこれだけ?って思うかもしれないけど、実際は直接手渡してきた輩もいるからもっと多いよ」

さやか「男子女子、性別問わずにあるからこんなに多いんだ。変な包みまで…これプレゼント?
    ……最近あんたと付き合い始めてから人気が出たのは知ってたけど、ここまでとは思わなかった」

まどか「私という花がほむらちゃんの美しさと魅力を存分に引き立ててるんだね」

さやか「わ~、言ってること気持ち悪ぅ。でもさ、ほむらはどうせオッケーしないんでしょ?じゃあ別にいいじゃん」

まどか「よくないよ!いちいち断るために、私と一緒にいる時間を削られたくないもん。
    それにほむらちゃんは優しいからあんなゴミクズどもの戯言を聞き流すのにも罪悪感を感じるんだよ!」

さやか「まあそれだけの告白に返事しようと思ったら大変だろうしなあ」

まどか「この落書きの束だって、ほむらちゃんにバレないように苦労して回収してるんだから」

まどか「これでわかったでしょ。ほむらちゃんの周囲には危険が一杯なんだよ」

さやか「いや、肝心のほむらが誰にもなびかないんだから何の心配も無くない?」

まどか「なに言ってるの!もしもフラれて逆恨みした猿どもがほむらちゃんを襲ったりしたら……」

まどか「油断して捕まって、身動きが取れないのをいい事に、大勢に無理矢理汚されるほむらちゃん……考えただけで滅ぼしたい」

さやか「どこの薄い本よ!あのね……あいつも魔法少女なんだよ。そんな事態があるわけないじゃん。
   襲われたとしても、大量の死体の前で硝煙の匂いをさせてるほむらしか思い浮かばないって」

まどか「確かにほむらちゃんは時間停止なくてもそれなりに強いし、そうだと思うんだけどぉ……」

さやか「それよりも、そのラブレターどうすんの?ほむらの評判のためにも、流石に完全無視はまずいでしょ」

まどか「うん。だから、差出人の名前だけ控えてこれは全部シュレッダーにかけるよ。
    で、そのあと私が書いた、この当たり障りのないお断りの手紙をコピーして返すの」

さやか「コピー文章の手紙でお断りの返事か……あたしがやられたら地味にヘコむだろうなぁ」

まどか「男の子も女の子も、直接告白する度胸ぐらいは無いとスタートラインにすら立ったとは認められないよ」

さやか「そういうところだけママさんに似て……」

まどか「あ~、ほむらちゃんがどこの馬の骨とも知れない人に、手篭めにされたらどうしよう……」

さやか「無い無い、ありえない。よっぽどあいつが弱ってるとかじゃなきゃ、まず押し倒すことも……あっ」

まどか「どうしたの?」

さやか「いや、弱ってるで思い出したんだけど、最近ほむらの様子がおかしいと思う事が何度かあってさぁ」

まどか「いつ!?何月何日、何時、何分、何十秒?事細かに正確に、早く教えてさやかちゃん!」ギリギリ

さやか「ぐっ、ぐっ、ぐるじぃ……はなじで…い、言うから…ちゃんと言うから離してってば!」

まどか「ほむらちゃん…あぁ、ほむらちゃん。待ってて、今私が助けてあげるからね!」

さやか「いいから少しの間だけでも大人しく聞けっての!」

まどか「さあ、私は大人しくしてるよ。だから早く、ハリィ、ハリィ、ハリィ、ハリィ!」

さやか「急かすなってば。全然大人しくないし……ま、別に大した事じゃないんだけどさ」

さやか「ここんとこあいつ、妙に体調が悪そうな日があるのよ。
    いや、女の子のアレとかそうのじゃなくてね?」

まどか「わかってるよ。私がほむらちゃんの生理周期を知らないわけないでしょ?」

さやか「へーそうなんだー、じゃあ続き話すね」

さやか「で、具体的には妙に顔が赤くて息が上がってたり、時々震えてたり、熱っぽそうだったり……
    椅子が濡れるくらいに汗掻いてるような感じもしたっけな」

さやか「風邪じゃないのかと思って本人に訊いても、いつもの澄まし顔で『平気よ。何でもないわ』って言うしさ」

さやか「まあ無理してんの丸分かりなんだけど本人がそう言う以上、無理にあれこれ言うのもどうかと思って結局放っとくのよ」

さやか「んで、次の日になるといつものほむらに戻ってて一安心したかと思ったら、ある日また調子悪そうにしてて……」

さやか「そんなことの繰り返しよ。っていうか、まどか気付いてなかったの?あんたが一番最初に分かりそうなもんなのに」

まどか「あー……ごめんねさやかちゃん。それ、病気でもなんでもないの」

さやか「は?どういうことよ。ってか、あんた原因知ってんの?」

まどか「うん。詳しくは回想で説明させてもらうね。はい、始まり始まり~」

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ほむら「あっ…ま、まどかぁ……ほんとに、んっ!」

ほむら「こ…これつけて行かなくちゃいけないの……?」

まどか「ティヒヒッ、勿論だよ、ほむらちゃん」

まどか「今ほむらちゃんがおまたに挿れてるのは、私の分身だと思ってね」

まどか「色もピンク色を選んで買ってきたんだよ?それに……えい!」カチッ

ヴィィィィィィィィン!!

ほむら「ひゃぅんっ!?あっ、やだ、まどかっ!やめ…んっくぅ!これ止めてぇ……あんっ」

まどか「だーめ。どれくらい気持ちいいのか一回試してみないと、不安で学校に挿れて行けないでしょ?」

ほむら「やらぁ、いらない!こんなのぉ…あっ、こんな…あっ、あっ、あっ、こんなきもひいいのいらないよぉ!」

まどか「気持ちいいの?……ウェヒッ、嬉しいな。おいでほむらちゃん、ぎゅ~ってしてあげる」

ほむら「まろか…せつないよぉ、まろかぁ……ひぃん!」ギュッ

まどか「いいんだよ、ほむらちゃん。おもいっきりイッちゃってもいいんだよ」

ほむら「まろかぁ…あっ、まろか…まろか、まろかぁ!
    イッちゃうの、わたひ、まろかにぎゅってされてイッひゃうのぉ!」

ほむら「ひ…いっ……イくぅぅぅぅぅぅぅっ!!」シャァァァ……

まどか「きゃっ!?もう、ほむらちゃんったら……
    だらしない顔でお漏らしなんかしちゃって、か~わいいんだ♪」


ほむら「はぁ…はぁ……まどか…わたしぃ……」

まどか「とってもえっちで可愛かったよ、ほむらちゃん」

まどか「ほむらちゃんにはこれから時々、このおもちゃを付けて学校にいってもらうよ」

まどか「時々私がこのリモコンでスイッチを入れるからイッちゃわないように上手く我慢してね?」

まどか「もし授業中なんかにほむらちゃんがイッちゃったのバレちゃったら、クラスの皆はどんな顔するんだろうね?」

まどか「男の子なんてみ~んな欲情してほむらちゃんに、発情期のワンちゃんみたいに群がっちゃうかも……」

ほむら「まどか…そんなのやだよぉ、まどかぁ……」


まどか「大丈夫。ほむらちゃんは強い子だもん、きっと我慢できるよ。だから…いいよ、ね?」

ほむら「………うん。がんばる」

まどか「ウェヒヒヒッ。ほむらちゃんの可愛いところ、い~っぱい私に見せてねっ!」


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まどか「―――と、いうわけなの」

さやか「な…何てこと聴かせてくれてんの!?」


まどか「どうして怒ってるの?」

さやか「どうしてあたしが友達のディープな性事情なんか聴かされなきゃなんないのよ!」

まどか「ほむらちゃんがおかしい原因が知りたいって言ったのは、さやかちゃんだよ?」

さやか「えぇその通りよ。ついでに言うと、予想を高層ビル一棟分くらいブッ飛んだ理由だったけどね!」

さやか「あ~……これからほむらとどんな顔して会えばいいんだろ。まどかがそんなに鬼畜だったとは……」

まどか「大丈夫、お互いに合意の上でのプレイだよっ!」

さやか「そういう問題じゃないっての!」


さやか「って言うか本当にバレたらどうすんのよ。襲われるどころの話じゃ済まないよ」

まどか「ティヒヒ!大丈夫、ほむらちゃんの限界くらいちゃんと見極めてるからね」

まどか「ちなみにこれで遊んだ日の夜は、ほむらちゃんの攻めがいつもより激しくなるんだぁ」


ほむら『まどか…いえ、豚。私の痴態が見られて、今日はさぞ楽しかったでしょうね?』

ほむら『…あら、こんなにもパンツごとぐちょぐちょにさせて……
    浅ましい。調子に乗って発情してるの?本当に汚い豚だわ』

ほむら『髪の毛だけじゃなくて、頭の中までピンクな浅ましい豚!
    ほら、豚は豚らしく卑しく鳴いてみなさい、このまどブタ!』


まどか「…ってね」

さやか「oh………」


まどか「基本的に、夜は気分が乗ってる方が攻めに回ることにしてるの」

まどか「ほむらちゃんが女王様モードの時は、私は『ワン』か『ブヒッ』か『まどっ!』でしか喋っちゃいけないんだ」

まどか「……あ、間違えた。喋るじゃなくて、鳴いちゃいけないの。
    この場合は、まどブタだから『まどっ!』だね!」

さやか「いらないいらない、なんでそんな無駄な知識増やさなきゃなんないんだっての」

さやか「とにかくさ……そこまでディープな関係になっといて今更、愛されてる実感がないってのは無いでしょうが」

さやか「よって、あんたの気のせい。はい相談終わり!あたし帰るから、じゃ~ね~」


まどか「待ってさやかちゃん!」ガシッ

さやか「へぶんっ!」バタンッ

まどか「ま、まだ相談は終わってないんだよ……逃がさないからね」

さやか「だからっていきなり足首を掴むなっつーの、おもいっきり顔打っちゃったじゃんか!」

まどか「大丈夫。ちょっとホームベースっぽい顔が、更に平らになるだけだから」

さやか「よし、そこら辺にある樽に入れ。種も仕掛けも無い、まど髭危機一髪やるから」

まどか「現代の日本で、樽はそうそう転がってないと思うよ……」


さやか「……それで、これ以上何の心配があるってのよ。
    ホント精神的な苦痛が半端なくて拷問みたいになってきたから、早く帰してくんないかな」

まどか「やだなぁ、今までのは半分冗談みたいなものだよ。
    ほとんど自己解決できてたような事ばっかりだしね」

まどか「本当に心配なのはもっと別の事なの。
    もう不安で不安で、ほむ汁もコップ一杯くらいしか喉を通らなくって……」

さやか「あっそう。気持ち悪い前置きはいいから早く言ってくんない?」

まどか「冷たいね、さやかちゃん……まあいいや」

まどか「実はね、ほむらちゃん………浮気してるかもしれないの!」マドーン!

さやか「………へ?…ああ……ふーん、そうなんだ。マジで?」

まどか「えっ、ここはもっと驚くところだよ?!」


さやか「いや~、だって今までの話の流れでそんなこと信じるわけないじゃん。どうせまどかの妄想でしょ?」

まどか「妄想じゃないよ、失礼だよ!ちゃんとした心当たりだってあるんだから」

さやか「心当たりねぇ……まあ何でもいいけどさ。まず相手は誰なのよ。
    まさか、それすらもわからずに浮気がどうとか言ってるんじゃないでしょうね」

まどか「それも、もう分かってるよ。聞いて驚かないでね?」

まどか「ほむらちゃんの浮気相手は………なんと、マミさんなんだよ!」

さやか「………はぁ?」


まどか「まさかマミさんが私のほむらちゃんを寝取ろうと思ってるだなんて、予想もしなかったよ」

まどか「確かにマミさんには私には無い武器があるし、最近ほむらちゃんと仲が良いとは思ってたけど……」

さやか「あ~、もしもしまどかさん。一応訊かせて貰うけど―――寝ぼけてるわけじゃないよね?」

まどか「なに言ってるの、さやかさん。寝ぼけてるの?私はいつでも本気だよ」

さやか「どの口で言うのか……それで、なんか証拠でもあんの?」

まどか「おっ、ノッてきたねさやかちゃん」

さやか「さっさと終わらせて帰りたいんだっつーの。いいから早く!」

まどか「せっかちだなぁ……じゃあ説明するのも面倒臭いし、回想見てね」

さやか「え~?またキッツいの見せられるんじゃないでしょうね……」


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ほむら「んむっ…ん……んぅ…ちゅ……む…ん……」

まどか「れる…んむぅ……んちゅ………ぷはっ。はぁ…はぁ……ほむらちゃん、いつもより激しいね……」

ほむら「ふふっ、貴女が感じすぎてるのよ。相変わらず…あむっ……ちゅ……れろ……」

まどか「んん……ふあぁ…ほむらひゃん………そこ、きもひいぃよぉ……んくっ…」

ほむら「んふ……はむぅ…んくっ、ん……はぁ。まどかったら相変わらず、上の歯茎が弱いのね」

まどか「ほむらちゃんは、舌をちゅーってされるのが好きなんだよね?はい、ん~……」

ほむら「もう、甘えんぼなんだから…ん……むぅ?んぅぅ!まろか、いきなり……はげひぃ…やんっ……!」

まどか「んふふ…ちゅっ……ちゅぱ…れる……んふ………ん?(あれ…?ほむらちゃんの舌から……)」

ほむら「ふぁ…、まろかぁ……?もっとちゅーって、ひて……?」

まどか「う、うん。……んむっ……ん…ちゅるっ……ちゅ………」

まどか(ほむらちゃんの舌から……どうしてマミさんがいつも飲んでる紅茶の味がするの?)


まどか(よくわかんないけど……なんか面白くないからとりあえずお仕置きっ!)

まどか「ちゅぱっ……れる……ぷはぁ。んむっ……ちゅっ、ちゅぅっ……んぷ…ちゅぅぅぅ……!」

ほむら「はぷっ…くぅん……まろか…ひょこ、もっとぉ……ん……ん…ん、んぅぅぅぅ!」ピクンッ

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まどか「……と、いう事があったの。絶対マミさんとちゅーしてたんだよ。こんなの絶対おかしいよ……」

さやか「おかしいのはそっちだっつーの!
    いい加減にしなさいよ。これ以上あたしに、あんたらの何を知れっていうの」


まどか「あの後大変だったんだよ?
    ほむらちゃんの舌からマミさんの味を消して私の味を染み込ませるのに、10分も掛かっちゃったんだから」

まどか「今思えば、あれは宣戦布告だったのかも。もう既にほむらちゃんは舌の芯まで自分のモノだってね」

さやか「無いよ。どう考えても普通にマミさんの家へ遊びに行って、紅茶飲んで帰ってきただけでしょ」

まどか「そもそもそれがおかしいよ!わたし抜きでマミさんと会うなんて……ほむらちゃんは無防備すぎるよ」

さやか「いや、こうしてあんたがあたしと話してる間にでも、いくらだって家に行く機会はあるでしょうが」


さやか「とにかく。あの二人はここ最近は特に仲良いし、別におかしいところは何にも無いよ」

さやか「頼れる先輩としっかり者の後輩って感じで怪しくもないし……まどかが邪推しすぎなんだって」

まどか「そうかな……?」

さやか「そうだよ。むしろほぼ毎日そんな事しといて恋人疑うあんたが信じらんないわ。そんじゃお疲れ~」

まどか「ストップ、まだ終わってないよ!」

さやか「もういいじゃん……」


まどか「まだ容疑者は完全に消えてないからね。
    ほむらちゃんのモテ具合を見るに当然といえば当然なんだけど…疑わしきは消していかないと」

さやか「消すってまさか、あたしに暗殺でもさせる気じゃ……」

まどか「ううん?消去法って意味だけど……怖い事考えるんだね、さやかちゃん」

さやか「いや、ほんとに怖いのは、人にここまでのイメージを持たせたあんただからね?」

まどか「えー……わけがわからないよ」


まどか「次の容疑者は……杏子ちゃんだよ」

さやか「へー。またありがちだね。で、なんで?」

まどか「ん~…説明面倒臭いから、また回想で……」

さやか「待った!長くて面倒臭くてもいいから、便利機能使わずにちゃんと説明して!」

まどか「え~…回想した方が、事情が細かく分かって話も早いと思うよ?」

さやか「それ見る度にあたしは、あんたらの性癖を刷り込まれなきゃなんないのよ。勘弁して」

まどか「もう、仕方ないなぁ。じゃあ………あれは、つい一週間ほど…いえ、五日ほど前の事だったでしょうか」

さやか(何故急に語り口調になる……)


まどか「その日の放課後、私はいつものようにほむらちゃんの家へと足を運び、
    互いの身体に溜まった愛と肉欲と、火照りを発散しようとしていました」

さやか「うん、後半は要らないからさっさと概要だけ話して」

まどか「今日はどんな快感が私を待ち受けているのだろうと、期待に身体を熱くさせながらドアを開けると……彼女が飛び出してきたのです」

まどか「彼女……杏子ちゃんは私の顔を見るやいなや、
    元々赤く染まっていた顔を己の髪の毛よりも真っ赤にして、私の制止も振り切って夕暮れの町へと消えていきました」

まどか「その様子を不可解に思いながらも、私は愛しい人を待たせるべきではないと思い、居間へと足を運びます。
    そして、いつもの場所で私を迎えてくれたほむらちゃんは―――何故か、少し残念そうな顔をしていました」

まどか「顔を赤らめ、逃げるように去っていった杏子ちゃん。その直後に、妙な表情を見せているほむらちゃん。
    それらが無関係だと思えるほど私は鈍感でもありませんでしたが、真実を問い質せるほどの勇気もありません」

まどか「ほんの少し胸の中にしこりのようなものを残しながら私は愛する人を抱きしめ、その温かさ、心地良さに溺れていったのです……」

さやか「……終わり?」

まどか「うん」


さやか「半分くらいがまっっったく必要ない、余計な描写だった事はどうでもいいとして……確かにそれは不思議だね」

まどか「でしょ?もしかしたら、私が来る前に何かいやらしい事でもしてたんじゃないかと思って」

さやか「でもねえ…あの杏子だよ?そういう性的な事には全然知識も無さそうなのに、そんな間男じみた真似するかなぁ。……女だけどさ」

まどか「ある意味純粋だもんね。でも、そういうイメージを普段見せておいて油断したところをパクリッ!っていうのも有りえるよ」

さやか「そういえば杏子のやつ、マミさんとほむらの家に交互に転がり込んでるんだっけ?まさかそれをいい事に……」

まどか「きっとあの時顔を真っ赤にしたのは、本妻に関係を知られたかもしれないという羞恥心と危機感からきたものだったんだよ」

まどか「あの泥棒猫……ほむらちゃんが優しいのをいいことに、ごはんだけじゃなくほむらちゃんまで頂いちゃうだなんて!」

さやか「まあまあ、まだそうだと決まったわけじゃないんだしさ、落ち着いて他の可能性も考えようよ。
    あたしも自分の友達だけでドロドロの三角関係とか修羅場だとか、そんなもん見たくないし」

まどか「他の可能性…例えば、ほむらちゃんから誘ったとか?そんなぁ……やっぱり私に飽きたのかなぁ」

さやか「最終的に、そこに行き着くわけね……はぁ」


さやか「まず杏子が無実な可能性とかは考えないわけ?」

さやか「ほら、顔赤くしてたのは単に恥ずかしい事があっただけだとか。
    あいつ意外と照れ屋だからさ、ちょっと臭い台詞言えば簡単にボンッてなるし」

まどか「恥ずかしい…照れ屋……あ、そういえば!」

~~~~~~

まどか「ウェヒヒ…ほむらちゃんどうしたの。まだ何にもしてないのに、心臓ドキドキしてるよ?」

ほむら「だ、だって……杏子が見てるのよ?やっぱりやめましょう、恥ずかしいわ……」

杏子「ど、どういうことだ、オイ……」


杏子「お前等、人の目の前でなに堂々と抱き合ってんだよ!」

まどか「あれ~、おかしいね?『たまには人に見られながらシましょう』って、ほむらちゃんから言ってきたのに」

ほむら「そ、それは……まどかが、新鮮なプレイはないかって言ったから、頑張って考えただけで……」

まどか「そうだよね、私のために考えてくれたんだもんね?ほむらちゃんったら……かわいいっ、大好き!」

ほむら「きゃっ!……やだっ、まどか。なんでそっちに……」

まどか「えへへ~。ね、杏子ちゃん知ってる?ほむらちゃんはね、腋が弱いんだよ!こうやって……れろっ…」

ほむら「ひぃ…んっ!……そこっ…そこぉ……ぺろって…っ…しないでぇ……ふぁっ」


杏子「お、おい……やめてやれよ。ほむらのやつ、嫌がってんじゃねーか…」

まどか「ん……ちゅ……む…ちゅ……嫌がってる?杏子ちゃん、ほむらちゃんの顔見てよ。本当にそう思ってるのかな?」

ほむら「あ…あぁ……まどか…はぁ…ぁ……もう、やめひゃうの…?」

杏子「う…あ……」

まどか「ね、ここ見てよ。んむっ…ちゅぅぅぅ……ぷはぁっ。ほら、こんなに赤くなってる」

まどか「私のものって印が欲しかったから、ほむらちゃんがいっちばん感じるところに沢山キスマークつけてるんだぁ」

まどか「これじゃ魔女の口づけじゃなくて、まどかの口づけだねっ。それに……ほら」

杏子「ば、馬鹿!お前こんなところで脱いで、なんてかっ…こ……う…」

まどか「私のも見て……ここ、右太ももの付け根。
    ほむらの口づけは、ここにして貰ってるの。気持ちいいんだよ~」

ほむら「まどか……はむっ」

まどか「ひゃぅ!?ほ、ほむらちゃ……んっ、そ…そんなぁ……いきなりすぎ、やぁん!」

ほむら「んっ…んぅ…ん……ちゅぱ…ちゅっ……まどかが誘ってきたんでしょう?
    杏子の前でそんな、はしたないポーズなんかして……本当に淫乱なのね。躾けなおしてあげる、あ~ん……」

まどか「ちょ、ちょっと待ってほむらちゃん!そこちがっ……あんんっ!」ピクンッ


ほむら「あらあら、何故こんなところがぷっくりしてるのかしら。
    お豆さんはまだ弄ってあげてないはずなのに……まさか、見られて興奮してるの?」

まどか「そんなぁ…違うよ……あっ、ひぁあ!……わたひ、見られてぇ……気持ちよく、なん……くぅんっ!」

ほむら「ちゅむ…はぷ……ウソばっかり。
    いつもよりもずっと…ちゅっ……ここ敏感じゃない。へ・ん・た・いっ」クチュッ

まどか「あっ、やらぁ!…ひぁぁぁぁぁあん!」プシッ

杏子「あ…あぁぁ……」ガクガクガク

ほむら「ほら、杏子も見て。まどかったらこんなところまで、こ~んなに広がっちゃうのよ」

まどか「あぁ……ほ、ほむらひゃ……ぅぁ……きもひいぃよぉ……もっろひて…もっろぉ……」

ほむら「ふふ……こんな時間からここまで乱れるなんて、見られながらするのも結構悪くないかも。ね、まどか?」

まどか「うん…うん……なんでもいいかりゃ、はやく続きひて…ほむらひゃぁ……あはぁ……ひぃん!」

ほむら「こんなにとろとろにさせて……可愛いわ、まどか。あなたほんとに……えいっ!」ヌプッ

まどか「ひぁっ!?ぁ…ほむらひゃんしゅきぃ……しゅきなのぉ……
    くちも、こえもぉ、おててもぜんぶしゅきぃ……あ…ぁあぁあああぁぁあああ!」プシャァァァッ


ほむら「また盛大に噴き出したわね……んっ…んくっ……こくん…ふふっ、美味し♪」

まどか「あぁぁ……ほむらひゃ…すき……しゅきぃ……」

杏子「あ…あ……ア、アタシ帰るから!じゃ、じゃあな!」ガチャッ、バタン!

まどか「あ……きょーこひゃん、かえっひゃった……あんっ」

ほむら「……まどかのだらしないお○んこ見て、呆れちゃったのかもね?一から躾けなおさないと」

まどか「うん…お願いしまふ…まろかのお○んこ、もっとぬちゅぬちゅしてくだひゃいぃ……」

ほむら「はい、よくできました。それじゃ……んんっ………ちゅ…ぺちゃ……んちゅぅ…」

まどか「ひゃぁぁぁ!ほ、ほむらひゃ、深ぃぃぃ……んあぁ!…舌ぁ……ひたしょんなにいれないれぇ…
    またでひゃう…イッひゃうよぉ……らめっ、らめらめらめらめぇっ…れひゃぅよぉぉぉぉ!」ピクンッ

~~~~~~~~

まどか「という風なプレイに、杏子ちゃんを巻き込んだ事があったなぁ」

さやか「とうとう断りもなく自然に導入してきたか……しかも今日一番キッツい内容だし」


まどか「もしかしたら、あの時の私たちの濃厚な愛に当てられて目覚めてしまったってことも―――」

さやか「だから無いってんでしょうが!そろそろいい加減にしないと、あんた名誉毀損で訴えられるよ」

さやか「ったく、そりゃあんたら見て顔真っ赤にして逃げるでしょうよ。また会いに来ただけでも信じらんないわ」

まどか「じゃあほむらちゃんが残念そうな顔をしてたのは?」

さやか「どうせ杏子に、またそういう変態行為に付き合えとでも誘って逃げられたんじゃないの。
    それでも寝床のために縋らなきゃならないなんて、なんか杏子が可哀想になってきた。あたしの家にでも泊めてあげようか……」

まどか「そっか……そういうことなら、まあいいよ。杏子ちゃんは無実として許してあげよう」

さやか「尊大すぎて泣けてくるわ。で、これで終わり……なワケ無いよね」

まどか「う~ん。実はもうこれくらいで、本気で疑ってる人はいないんだけど……
    さやかちゃんがわざわざそう言ってくれるほどやる気出してくれてるみたいだし、頑張ってみよっかな!」

さやか「あたしって、ほんとバカ」


まどか「次、早乙女先生」

さやか「気のせい。ありえない」

まどか「仁美ちゃん」

さやか「ないない。だって今頃恭介と……うきぃーーーー!」

まどか「中澤君」

さやか「あー……席が隣同士だったっけ。でも、ほむらはまともに相手もしてなかったでしょ」

まどか「貧乏ちゃん」

さやか「クラスメイトってこと以外に接点すらないよ」

まどか「キュ…キュゥべ」

さやか「おい、それ以上はほむらの尊厳のためにやめといたげなさい」

まどか「後は…後は……う~ん」


さやか「………ようやく心当たりもなくなった?」

まどか「うぅ……」

さやか「っていうかさ。まどかはほむらの事、どう考えてるの」

まどか「どうって……ほむらちゃんは私の大切な人で」

さやか「そう考えてるわりには全然信頼しきれてないみたいだけど。
     本当はどうなの?まさか本気で浮気してるって思ってるわけじゃないんでしょ」

まどか「………うん」

さやか「だと思ったよ。浮気の心配って言うには、みんなこじ付けが強すぎるもん」

さやか「さ、あたしに話してみなよ。このさやかちゃんが、本当の相談に乗ってあげようじゃないの」

まどか「…ありがとう、さやかちゃん。さやかちゃんでも極稀に鋭いときがあるんだね」

さやか「ホントに一言多いよね!」


まどか「実は、最近……ほむらちゃんの態度がよそよそしいというか…ちょっと温度差があるような気がするの」

さやか「ふ~ん……続けて」

まどか「毎日のように会って愛し合ってるのに、時々私以外の何かを見てるような気がするし……
     だから浮気を疑ってみたんだけど、さやかちゃんが言ったみたいに思い当たる人もこれといって居ないから」

さやか「ほむらの態度に変わったところとかは?」

まどか「ううん。ほむらちゃんはずっと、いつも私の事を考えてくれてるよ。それは嬉しいけど……」

さやか「ほむらがあんたに不満があるか、飽きられてるんじゃないかと思っちゃったわけか」

まどか「うん。我侭かもしれないけど、わたし不安で……もしかしたら、わたしからの愛が足りないんじゃないかって」

さやか「う~ん、それは無いと思うけど……なるほど。どうやら今度こそマジな悩みのようだね」

まどか「もし、別れてって言われちゃったらどうしよう!もうほむらちゃんがいない人生なんて考えられないよ……」

さやか「それも無いとは思うけど、一応ちょっとは真剣に考えてみますか」


さやか「とは言っても一番手っ取り早いのは多分、本当の事をまどかが本人に訊くことなんだよね」

まどか「ウェヒィ!?い、いきなりそんな……」

さやか「だってぇ。あんた相手ならほむら、絶対嘘は吐かないじゃん。あたしら相手だったらわかんないけどさ。
     黙ってるにしても止むを得ない事が多いし……何か事情があるとしか思えないよ」

まどか「それは、そうかもしれないけどぉ……」

さやか「聞くのが怖いのは十分わかるよ。最近あたしだって似たような経験したばっかりだしね。
     でもこのまま溜め込んだまま付き合っても、余計に悪循環になっちゃうだけじゃないかとあたしは思うんだ」

まどか「うん……」

さやか「まどかに足りないのはさ、愛なんかじゃなくて『自分に不満があるなら言ってくれ』って言える勇気じゃないのかな」


さやか「恋人なんだから、足りないところは二人で補えばいいじゃんか。
     大丈夫、あたしからしてみりゃあんたら二人は十分お似合いだよ!」

さやか「しょげてないで元気出しなよ、まどか。あんたらしくもない。
     もっと、どーんと思いっ切りぶつかれば何も怖くないって!」

まどか「さやかちゃん……」

まどか「ありがとう。そうだよね。やっぱりほむらちゃんから本当の事を聞くのが一番だよね」

さやか「そうそう。だから―――」

まどか「とうとう最終兵器……ほむらちゃんの携帯に仕掛けた盗聴器が火を噴くときが来たようだね」

さやか「やっぱあんたは何もわかってない!」


まどか「えー……どうして?わけがわからないよ」

さやか「なんで今の良い話っぽい流れで、そんな犯罪アイテムが出てくんのよ!
    ってか、盗聴器!?どこで手に入れたの、いつの間に仕掛けたの、あんたに良心とか人を信じる心は無いのか?!」

まどか「まあまあ。待ってよさやかちゃん、落ち着いて。
    これは用心とか常に監視してるとかじゃなく、元々使おうと思って一昨日ぐらいに用意してた物なの」

さやか「全然言い訳にもなってないけど……どういうことよ」

まどか「実はほむらちゃん、今日の今頃はマミさんの家に遊びに行っています」

さやか「……まさか。まどか、あんた」

まどか「………だって、心配だったんだもん」

さやか「…もしかしてマミさんとの浮気がどうこう疑ってたのだけは、割とマジだったりする?」

まどか「最近ほむらちゃん、わたしと一緒にいない時のほとんどをマミさんと過ごしてるらしいから、ちょっとね」

さやか「あ~、そういうこと。いや、だからって盗聴しても良いわけでは断じて無いけど」


まどか「とにかく、今頃ほむらちゃんはマミさんの家に居るはずだよ。本人が言ってたから間違いないと思う」カチャカチャ

さやか「とか言いつつスピーカーを取り出すんじゃないの」

まどか「私がメールを送ると、盗聴器のスイッチが入るようにしてあるの。適当な文章を送って、と……」

さやか「もうプロの犯行じゃん。(とか言いつつヤバイ。こういうのちょっとだけドキドキする…)」

まどか「ティヒヒ、ほむらちゃんが疲れて寝てる間に仕掛けたの。
     いつも思いっきりした後は、何しても起きないから簡単だったよ」

さやか「いや、訊いてないし。そもそもさあ、これで盗聴できたとして、ほむらの本音が聞ける保証なんか無いんじゃないの?」

まどか「そうだね。でも元々は浮気調査のために仕込んだんだし、それは仕方ないよ。
     もしも聞けなかったら、その時こそ本当にほむらちゃんに直接訊くことにする」

さやか「ま、それならいいんだけど。そうと決まったらさっさとやる事やって終わらせちゃお」

まどか「だね~。それじゃ、送信っ!」カチッ


ほむら『……でも…それは必要なんでしょうか?』

マミ『あら、暁美さん遅れてるわね。今の流行は必殺技じゃなくて、武器に名前をつける事なのよ』

まどか「聞こえた!やった、成功だよっ!」

さやか「おぉ、マミさんの声までここまで鮮明に聞こえるんだ。凄いな最近の盗聴器……」

ほむら『……ごめんなさい、良さがイマイチ理解できません。私には少し早すぎるのかも……』

マミ『そうかしら?まあ、暁美さんの場合は既に完成された物を使ってるから、わからないのも仕方ないのかもね』

ほむら『ええ…あ、ちょっとすいません。携帯が鳴って……』

マミ『お電話?』

ほむら『いえ、メールです。まどかから……』

マミ『あら、相変わらずお熱いわね』

まどか「でしょう?わたしたちの間には誰かが入り込む余地なんて無いんですよ。皆無!」

さやか(さっきまで愛が足りないとか、どうのこうのと騒いでた人間の言う事じゃないな……)


マミ『鹿目さん、なんて言ってるの?』

ほむら『えっと……その…今日は私が上になるから、いっぱいしようねって…』

マミ『あら、お盛ん』

さやか「あんた、なんてもの送ってんのよ…」

まどか「ただの牽制だよ」

ほむら『……はぁ』

マミ『どうかしたの?折角の恋人からのお誘いなのに』

ほむら『いえ、嬉しいんですけど……』

さやか「お?」

まどか「え?」

マミ『……相談、かしら?』


ほむら『すいません、毎回毎回……』

マミ『いえ、いいのよ。可愛い後輩達が仲良くしているのが、私にとっても一番だもの』

さやか「これは……マミさん無実っぽいけど新たな疑惑が出て来たか?」

まどか「ほむらちゃん、やっぱり私に不満が……」

マミ『それで、鹿目さんと何かあったの?』

ほむら『いいえ、そんなことはないんです。ただ……私たちってほとんど毎日、その…遊んでるんですけど』

マミ『ええ、らしいわね。ついでに言うならあなたたちが結構ハードな内容の性的な関係を持ってる事も、
   ある程度は察しがついているから隠さなくても大丈夫よ。私は軽蔑したり、引いたりもしないわ』

ほむら『……ありがとうございます』

さやか「おぉ……これが大人の対応か」

まどか(………相談ってなんなんだろう)ドキドキ


ほむら『続きを話しますね。巴さんのご想像通り、私はまどかと割と激しく、特殊な形で愛し合ってます。
    それが嫌だというわけではないんですけど……少し疲れたというか不安になってしまって』

マミ『不安?それは……鹿目さんと、この先うまくやっていけるかとか、そういうことかしら』

まどか「そんなこと言うまでも無いよ。わたしとほむらちゃんは末永く幸せになるって決まってるんだから!」

さやか「少なくとも、まどかの頭ん中だけは常に幸せ状態でしょうよ」

ほむら『ある意味そうなんですけど、私……このままだと、その内まどかに捨てられるんじゃないかと思って』

まどか「へ?」

マミ『それはまた穏やかじゃないわね。聞いた限りではあなたたち、上手くやれてるような気がするのだけど』

さやか「なんか、どこかで聞いたような話になってきたなぁ…」


ほむら『今のところは上手くいってると思います。でも、これからの事は分からないじゃないですか』

まどか「そ、そんなぁ……私たち、これからもずっとラブラブなんじゃなかったの?何でそんなこと言うの?」

マミ『う~ん、イマイチ要領を得ないわね。そう思った切欠とかはあるの?』

まどか「そうだよ!何の根拠も無しにそんな風に思われてるなんて心外だよ!」

さやか「聞こえないから黙ってなさいっての!第一それをあんたが言う資格は無い」

ほむら『……私は、今までまどかと色んな方法で愛し合ってきました。
    私は気持ちよかったし、満たされていました。私が自惚れていなければ、まどかも満足してくれていた筈です』

まどか「自惚れてなんか無いよ、ほむらちゃん。わたしもとっても気持ちよかったよ」

ほむら『でも、ずっとこの関係を続けていられるのか、とも思ってしまうんです。
    もしかしたら…まどかは、私の身体にしか興味が無いんじゃないのかと、心配になって…』

マミ『…そう。冗談にしては随分と失礼で性質が悪い話だけど……どうやら本気で悩んでるみたいね』

まどか「そ、そんなことないよ!?ほむらちゃんの身体はすごく魅力的だけど、身体だけが目的だなんて思ってない!」


マミ『きっと鹿目さんなら必死になって、そんなこと無いって泣きそうな眼をして言うでしょうね』

マミ『そこまで言うなら、何か心当たりでもあるんでしょう?ただの思い込みにしては行き過ぎてるもの』

まどか「そんなはずない…ほむらちゃん目を覚まして。何を考えてるかは知らないけど、濡れ衣だよ」

さやか「……まあ、なんでほむらがそんなこと考えたのかは大体想像がつくけど」

ほむら『心当たりも何も……私たちエッチな事した回数はもう数十回になるのに、デートは二回しかしたこと無いんですよ!?』

ほむら『その二回も私から勇気を出して誘ったからで、まどかは今まで一度も遊びに行こうとも言ってくれなかった。
    毎日毎日身体だけ合わせて、性欲だけ発散して……それで身体目当てじゃないのかって心配しない方がおかしいでしょう?!』

マミ『…ジ、ジーザス……』

まどか「」

さやか「…ほらやっぱり。どうせそんなことだろうと思った」


マミ『えっと……暁美さん。それ、本当なのよね?
   いえごめんなさい。そんなことまで告白してくれたのに、疑うのは無粋よね……』

さやか「まどか……あんた、言い訳は?」

まどか「だ、だってわたしはほむらちゃんとえっちな事してれば、それだけで幸せな気持ちで一杯になれたから……」

さやか「サイッテー」

まどか「うぅ……」

ほむら『エッチな事が嫌というわけじゃないんです。初めてまどかが私を求めてくれたときは、本当に嬉しかった。
    私も気持ちよかったし、だから、まどかに喜んでもらおうと思って色んな事を勉強して覚えました』

ほむら『そのために、色んな物や人を利用したりもしました。杏子だって……
    あの子にも酷い事をしました。謝って、一応は許してくれましたけど、やっぱり罪悪感で一杯で……』

さやか「………ほむらちゃんが優しいのをいいことに、ほむらちゃんまで頂いちゃうなんて~…か。恥ずかしくないの?」

まどか「かなり……。あの時、杏子ちゃんに謝ってたんだね…」


マミ『暁美さん……確かにあなたが佐倉さんにした事は褒められたことじゃないわ。
   でもあなた自身も反省してるんだし、佐倉さんも許してくれたんでしょう?あまり思い悩まないで』

ほむら『いえ。私も調子に乗ってしまったのは事実ですから……』

さやか「もっと調子に乗ってた人は、ここで堂々と犯罪行為をしてますけどね~」

まどか「盗み聞きはやめられないけど、穴があったら入りたい……」

ほむら『私……本音を言うと、好きな人ができたらたくさん遊んで、素敵な思い出を作りたいと思ってました。
    遊園地や水族館とかに行ったり、ショッピングしてお互いに服を見繕ったり、思い出の場所を回ったり……』

ほむら『よく漫画を見たりしてると、一つのジュースを先別れしたストローで、二人で飲むっていうのあったでしょう?
    私、あんなのを恋人同士で飲むのに憧れてたんです。まどかと一緒にって……ほんと、バカみたいですよね』

マミ『そんなことないわ。女の子なら誰でも、私だって一度はやってみたいと思うもの』

まどか「あぁ……そんなことなら、喜んでいくらでもするのに…」

さやか「よく言うよ。盛った犬みたいに、やらしいことしか考えてなかったくせに」


マミ『それにしてもデートはしないって言うけど、ならあなた達はずっと家の中で、えっと…せ、性行為に励んでいるの?』

ほむら『はい、大体は放課後や昼間に私の家かまどかの家で。時々外や学校でも』

ほむら『私は一人暮らしだから騒いでも割と平気なので、最近では4回中3回ほどの割合で私の家を使っています』

ほむら『ちなみにまどかのご両親は私たちの関係を知っているようで……
    以前お義母さまに、ウチの娘を虜にした責任は取れよ!と、肩を力強く叩かれました』

まどか「うそぉっ!?」

マミ『それは………おめでとうと言うべきなのかしら』

ほむら『…一応、ありがとうございます』

まどか「なんで…どうして……?できるだけバレない様に、目立たない様に気をつけてたはずなのに!」

さやか「そりゃ聞いた話だけでも、あそこまでくんずほぐれつしてれば騒がしくてバレバレでしょうよ」

まどか「そんなぁ……知られたくなかった。バレたからって別に困るわけでもないけど、まだ知られたくなかったよ…」


まどか「泡になって消えたい……」

さやか「調子に乗ってるからだよ。いい薬だわ。さて、ヘコんだまどかは放っといて続き続き、と……」

マミ『でも、ご両親公認の仲ならそんな心配をする事はないと思うけど?』

ほむら『それは……四六時中ベッタリくっついて肉体関係も持っていれば、普通は良い仲だと思われるでしょう。
    まさか、まどかに限って身体目当ての恋愛をするとは誰も思わないでしょうし』

マミ『まあ確かにそうね。未だに私も半信半疑だもの。
   ……ごめんなさいね、頼って相談してくれている本人を目の前にして言うことではないわ』

ほむら『いえ、言っている私だってそうなんですから、何もおかしくはないですよ。
    ただ…最近、流石に私としては見過ごせない事をされてしまって、それから不安になって……』

マミ『見過ごせない事……。何か酷い事でもされたの?』

ほむら『酷い事というか、多分悪気はないんだと思うんですけど。……あれは、一週間ほど前の事でした』


~~~~~~~~

ほむら「ね、ねえ…まどか。今日は何をするの?……これじゃ動けないわ」

まどか「ん~、何でしょう!ほむらちゃんはなんだと思う?」

ほむら「私だけが手足を縛られてるから……その、一晩おもちゃを挿れて放置…とか?」

まどか「ぶ~っ!ハッズレ~!今日はねぇ……ほむらちゃんは、な~んにもしなくてもいいの」

ほむら「何も……?じゃあやっぱり」

まどか「ちがうちがう。ほむらちゃんには何もしないよ。
    するのはわたし。ほむらちゃんは、わたしがほむニーするのを見てるだけでいいから」

ほむら「それって……つまり、オカズになれということ?」

まどか「うん!まあほむらちゃんにはオカズ以外の役割もあるけどね」

ほむら「……?それって、どういう…」

まどか「じゃ~ん!これな~んだ?」

ほむら「それは……ソ、ソウルジェム!?どうして……」


まどか「ウェヒヒヒ、さっきお風呂に入るときに置いてたのをチョチョイってね。
    ほむらちゃんってば、私と一緒にいると気を抜いてくれるから簡単だったよ?」

ほむら「ま、まどか、それ返して!あなただって知ってるでしょう?それは私たちにとって大切な……」

まどか「うん、わかってるよ。ほむらちゃんの魂そのもの……
    とっても綺麗だよね。見てるだけで吸い込まれちゃいそう。…ふぅっ」

ほむら「んぁ……やめて、まどかぁ…。息が当たって、なんだか体の中からくすぐったいような感じが……」

まどか「ティヒヒ、やっぱり敏感なんだ。剥き出しだもんね~。それじゃ…んしょ……よいしょっと」ゴソゴソ

ほむら「な、何をする気なの?お願いだからソウルジェムを返し……まさか!」

まどか「ウェヒッ!鋭いねほむらちゃん。そうだよ、今日はこれをわたしのアソコに―――」

ほむら「やめて!それだけは……そんなことされたら私、どうなっちゃうかわからない!」

まどか「そうなんだ?ティヒヒッ、なら尚更試してみないと。
    わたしの中で感じるほむらちゃんを見ながらほむらちゃんと一つになるなんて、考えただけで……んっ」

ほむら「冗談よね……?まどかがそんな、私が嫌がることするわけ…」

まどか「じゃあいくよ~!……ちょっとどきどきするなぁ。…あっ……んあぁっ!」

にゅぷんっ

ほむら「ひっ……あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ!」ビクンッ


まどか「ひゃぅ!?……ウェヒヒィ、ほむらちゃんがイッたのと一緒に、すっごく熱くなった…
    嬉しいな。今わたし、ほむらちゃんと本当に一緒になってる…あっ、とくんって言ったよ」

ほむら「あ…ふぁぁ……や、やめてまどか…からだじゅうがあつくて、ぞくぞくって……」

まどか「知ってるよぉ。だって…んぁ……だって、ソウルジェムすっごく熱いんだもん。
    このまま、もうちょっと奥に…くぅ……っ…ゃん!ほむらちゃ、あんまり感じちゃだめ…」ヌチュ、ヌチュ…

ほむら「無理だよぉ…まどかこそ、あっ、あんまりぃ……うごかさないでぇ…やだ……んんんっ!」ピクンッ

まどか「くぅんっ!あはっ…ほむらちゃ、イキすぎぃ……
    いいよ、もっともっと…はぁ…ん…くちゅくちゅするからぁ…わたしの中で、いっぱいおかしくなってね?」

ほむら「やだぁ…ぁん……こんなのやらよぉ…ひうっ!
    ほんとにおかひくなる…やめて……ん…やめて、まろか……」

まどか「だぁ~めっ。それよりも、もうちょっとで…奥まで……」

つぷんっ

まどか「ひっ……奥にこつんってぇ……くぅぅぅぅぅっ!」

ほむら「やっ!?あ、まっ…まろかぁぁ!だめぇぇぇぇぇぇ!!」プシッ!

まどか「届いっ……いっ……イッちゃっ…たぁ……あはっ…」ピクン…


ほむら「はぁ…はぁ……あ…あぁ……ぁんっ……」ピクッピクッ

まどか「あ……はぁ…ほむらちゃん、よだれ垂らしてとろっとろのえっちな顔……かわいいよぅ…」

ほむら「ま…ろか…もう……もうやめ…へ……しん…じゃ…う……」

まどか「ティヒヒ、仕方ないなあ。ほむらちゃんがそう言うなら…終わりにしてあげようかな。
     あっ…ぅん……ほむらちゃんのソウルジェム、もうあっつあつだよ?わたしの中から出さないと」

ほむら「いいから…ぁうんっ!……いいからはやくひてよ……」

まどか「ほむらちゃん、もうちっちゃくイキっぱなしだねぇ。待っててね、今出すから……ん、くっ…」

ほむら「ひうぅぅぅん!?な、なにひてるの?はやく…はやくだひてぇ!」

まどか「待ってて、ほむらちゃん。いま……ふっ…くぅぅぅ……いま、ほむらちゃんの魂、産んであげる……!」

ほむら「いらないから!そんなのいいからはやくかえひてよぉ!
     もうからだじゅうぬるぬるして、あつくて、きもちよくておかしくなりそうなのぉ!」

まどか「もうすぐだから……もうイくからぁ……あっ、あっ…ほむらちゃん!
     ほむらちゃんほむらちゃんほむらちゃん!あっ、あぁぁぁぁぁああん!!」

ぷちゅん!

ほむら「ひぁぁぁ!まろか…まろか、まろかぁ!わたひもイく!
     まどかのなかでたましいきゅぅぅってされてイッひゃうぅぅぅう!」ビックン!


コロッ

まどか「はぁ…はぁ……はぁ……ほ、ほむらひゃん…だいじょうぶ……?」

ほむら「…あ…あぁ……まろか…どうひて……こんなの…やら……ぁ………」

まどか「ウェヒヒヒヒ…気絶してる。ちょっと強すぎちゃったかな?
    ……可愛すぎるよぅ…おやすみ、わたしのほむらちゃん。ちゅっ」

~~~~~~~~

ほむら『と、いうことがあって……』

マミ『…………ごめんなさい。ちょっとしたショックで混乱してるみたい。少しだけ頭の中を整理する時間をちょうだい』

ほむら『ええ。気持ちはわかりますからいくらでも』


さやか「………おい、そこの脳味噌ピンク頭。しみじみしてる場合じゃない、こっち向きなさい」

まどか「そういえばそんなこともあったなぁ……なに?」


さやか「……あんた、自分が何したか分かってるの?」

まどか「うん。文字通り、ほむらちゃんと魂で繋がったんだよ!」

さやか「言ってる場合か、この大馬鹿チンが!」

まどか「えっ!?ど、どうしてわたしが怒られてるの?」

さやか「本気で言ってるのか……いい?あんたにはわかんないかも知んないけど、
     ソウルジェムっていうのは、あたしら魔法少女にとって命と同じくらい大事なんだよ」

まどか「うん、そうだね。というか命そのものなんだから大事にしないといけないよ?」

さやか「分かってるんなら何でそんな大事な物を、本人に断りもなくおもちゃにしてんのよ!」

まどか「………やっぱりまずかったかな」

さやか「ええ常識で考えりゃ、マズさ極まってるでしょうよ。誰かさんは気付かなかったみたいだけど」

さやか「そもそもソウルジェムなんて、フツー肌身離さず持ってるものなんだよ。そこら辺に置いたりなんてしないの。
     奪われたら何されるか分かったもんじゃないし、それでなくても捨てられたり砕かれたら一巻の終わりなんだから」

まどか「えー…でもほむらちゃんは、私と一緒にいるときは指輪にしても邪魔だって言って部屋の隅っこに置いてるよ?」

さやか「あのね、それはまどかだから…ほむらにとって命よりも大事なあんただから信頼して、そこまで無防備に晒してたんだよ。
     なのにあんたはそんな好意に付け込んで、人の魂掠め取って無理矢理辱めて……この強姦魔!」

まどか「ひ、ひどい!ひどい濡れ衣だよぉ!」


さやか「濡れ衣も何も、現にほむらはそれで傷付いてんでしょうが」

まどか「うぅ……ごめんね、ほむらちゃん。嫌よ嫌よも好きのうちだと思ってたんだよ…」

さやか「ほら、そろそろマミさんも落ち着いたみたいだし、懺悔はもうちょっと後に取っときなよ」

まどか「うん……」


ほむら『……大丈夫ですか?』

マミ『え、ええ…ごめんなさい。こんな醜態を晒してしまうなんて……』

ほむら『いえ、普通の人から見て、私たちのしている事が異常だってことはわかってますから。
    私もそれでよかった。受け入れているつもりだったんです。でも……』

マミ『ソウルジェムをおもちゃ代わりに、か……確かに、恋人を大事にする人間がすることではないわね』

ほむら『まどかは魔法少女じゃないからソウルジェムに対する意識が薄いのかとも思ったんですけど…
    以前その事についてもしっかり説明したからそれも無いはずだし、だったらやっぱり私の事なんて……』


マミ『早まらないで暁美さん。何も、そうと決まったわけじゃないわ。
   鹿目さんだって年頃の女の子なのよ。ちょっとぐらい冒険してみたい時だってあるに違いないわ!』

ほむら『気を使ってもらわなくてもいいの。…まどかは、外では私とあまり一緒にいようとしないんです。
    いつも、早く家に行こう、今日はどっちの家に行こうって、そればかり』

まどか「そ、それは、誰にも邪魔されないほむらちゃんとの、二人っきりの時間が一秒でも欲しかったから!」

ほむら『最近は私、それなりに告白とかされるんですよ?……それって、私が誰とも付き合ってないと思われてるってことですよね』

ほむら『もっとみんなに見えるところで一緒にいれば、私たちはそういう関係なんだって少しは思われる筈でしょう?
    それをしないってことは、もしかしたら私と付き合ってると思われるのが嫌なんじゃないのかって』

まどか「違う…違うよ……ほむらちゃんがそんなに思い詰めてたなんて……」

さやか「むしろここまで気付かなかったことに驚きだわ」

マミ『そんな……落ち着いて。あなたがそんな事を言ってどうするの?』


ほむら『わかってるんです、これはただの醜い勝手な被害妄想だって。
     でも、まどかがいつか私に飽きて、捨てられたらと思うと……私、もうあの子がいないと生きていけない………』

マミ『暁美さん、あなたそこまで……』

さやか「なんでだろ。ついさっき同じような台詞を聞いたけど、健気さと悲壮感が全然違う」

まどか「こ、心が…心が痛いよぉ……」

ほむら『…ごめんなさい、なんだか愚痴を聞かせただけになってしまって。
     たぶん私、弱くなったのね。昔はまどかに拒絶されても耐えられたのに……』

ほむら『こんなことじゃいけない。きっとまどかへの愛が足りないのよ。
     もっとあの子が喜んでくれるように、真剣に考えないと…!』

マミ『ねえ、暁美さん…あなた、いくつか間違っているわ』

ほむら『え……?』


マミ『あなたの鹿目さんに対する献身的な姿勢は、確かに素晴らしいものだと思う。
    でもね……今のあなたたちの関係を、恋人と言ってもいいのかしら』

さやか「ですよねー。まるで……」

マミ『酷い言い方だけど、それじゃまるで暁美さんは鹿目さんにとって、ただの都合の良い女だわ』

ほむら『あ……そう、かもしれません。でも…』

マミ『話は最後まで聞きなさい。いい、確かにそうは言ったけど、それは全てあなたと私の想像上での話。
    実際に鹿目さんとは話してみた?鹿目さんに、少しでも自分が本当にしたい事を伝えてみた?』

ほむら『……言ってません。だって、まどかが喜ぶと思う事だけを考えて、今まで付き合ってたから』

まどか「ほむらちゃん……ごめん。ほむらちゃんは完全にノッてたんだと思ってたよ……」

マミ『でしょうね。あなたはそんな、自分が拒絶される事を恐れるような関係で恋人が名乗れると思うのかしら?』

マミ『暁美さん。あなたの中にいる鹿目さんの声を聞いてみて。
    どんな顔をしてる?どんな声で、あなたにどんな事を言ってくれてる?』

マミ『あなたが勝手な想像の中で恐れている鹿目さんじゃない。
    あなたが今まで実際に見て、触れて、支え合ってきた鹿目さんは何を言っているの?』


ほむら『……ずっと一緒だよって。いつもの笑顔でこっちを見つめてくれています』

マミ『そうね。私も鹿目さんなら、きっとそう言うと思うわ。
   なら、その鹿目さんがあなたの我侭一つ受け入れずに、体だけを目的に付き合うと思う?』

ほむら『…………』

マミ『あのね、暁美さん。今のあなたに足りないのはきっと愛だとか、尽くす心なんかじゃない。
   私はあなたとこんな事がしたい、こうしてくれって、そんな些細な我侭を言う勇気じゃないかと思うの』

ほむら『我侭を言う勇気……』

マミ『ええ。なにも、尽くすだけが愛じゃないでしょう?
   恋人同士だって言ってるんだから気にせず、鹿目さんにも責任を負わせればいいのよ』

さやか「そう。そうなんですよ、マミさん……」

ほむら『…そっか。そういう勇気も、あるんですね』

マミ『ええ。それに、案外鹿目さんも待ってるのかもしれないわよ?
   ほむらちゃんはいつになったら、私に本気で甘えてくれるんだろう~ってね』

まどか「ごめんなさい。ほむらちゃんの好意に甘えっぱなしで、全く考えてもいませんでした…」

さやか「そこら辺が良い人にできる想像の限界か……」


ほむら『……そうでしょうか』

マミ『ええ、きっとそうよ。もしもちゃんと伝えて、それでも酷い事を言われたなら私に言いなさい。
    こんなに健気で可愛い子を蔑ろにするような見る目の腐った後輩は、性根を叩きなおしてやるんだからっ、ね?』

ほむら『………ふふっ、そうですね。私、頑張ります。
     まどかに、まずは今度一緒にどこかへデートに行こうって…できれば四日に一回は行きたいって言ってみます!』

ほむら『今日はありがとうございました、巴さん。ほんの少しだけど、勇気が出たような気がします』

マミ『いいのよ。私はあなたの愚痴を聞いてたんじゃなくて、相談に乗ったんだもの。当然でしょう?
    なんなら結果だけでも報告してちょうだい。……できれば、お幸せにね』

ほむら『はい。それじゃまた明日、学校で―――』プツッ


まどか「…………」

さやか「…………」


さやか「…………結局」

まどか「わ…わたしこれから、ほむらちゃんとのデートプランを練らなくちゃいけないから。またね~…」

さやか「結局!ほとんど大部分、あんたが悪いんでしょうがぁぁぁぁぁぁ!!!」

まどか「ウェヒッ!?ど、どこから樽を……まど髭は嫌ぁ!助けてほむらちゃぁぁぁん!!」





おしまい

これで終わりっす
無自覚なまどカスと、健気なほむほむが書きたかっただけなんでこれが精一杯
別の書き溜めが終わったらまたスレ建てるんで、今回はおやすみなさい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月03日 (火) 18:54:47   ID: TwFWb8Ct

濃いーけど後味マイルド、それはとっても嬉しいなって
思ってしまうのでした

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