櫻子「風邪ひいたー……」向日葵「!?」(126)

櫻子『げほっげほっ……うあーん喉いたいー』

向日葵「珍しく朝早くから電話してきたかと思えば……」

向日葵「(バカでも風邪ってひくんですのね……)」

櫻子『……向日葵、なんか失礼なこと考えてない?』

向日葵「ギクッ! か、考えてませんわよ?」

櫻子『ふーん……でさ、今日って暇?』

向日葵「……暇って答えたらどうしますの?」

櫻子『看病しろ!』

向日葵「くたばれ」ガチャッ

ツー ツー ツー

prrrr prrrr prrガチャ

向日葵「もし――」

櫻子『切るなよ!!!』ガー

向日葵「」キーン

櫻子『ひどいよ向日葵しんじらんない! 風邪ひいたって言ってんじゃん! 看病してって言ってんじゃん!』プリプリ

向日葵「いや言いましたけど……なんでせっかくの休みの日に私が櫻子の看病なんか……」

櫻子『今日うち誰もいないんだよー……』ゲホゲホ

向日葵「え、そうなんですの?」

櫻子『うん……みんな予定とか用事とかでどっかいっちゃった……』ズズッ

向日葵「……」

櫻子『ねー、だめ? なんか用事ある?』

向日葵「……わかった、わかりましたわ。もう少ししたら行きますから、大人しく寝てなさい」

櫻子『ぁ……40秒で支度しな! 待ってるからっ!』ガチャッ

ツー ツー ツー

向日葵「……はぁ……」

向日葵「……」

向日葵「……」ピポパポ

向日葵「……」prrrr prrrr prrrr...

向日葵「!」ガチャ

向日葵「あ、船見先輩ですか? 古谷です。あの、今日の、一緒に洋服を見ていただく約束ですけど……」

向日葵「はい、実は……ちょっと、急用が出来てしまって。はい、はい……こちらからお誘いしておいて申し訳ないんですが……」

向日葵「……そう言ってもらえると助かりますわ。ええ、お買い物はまた来週にでも。その時はご飯くらいご馳走させてください」

向日葵「はい。では失礼します」ガチャッ

向日葵「……」

向日葵「さて、冷蔵庫に何かあったかしら……」トテトテトテ

~ちっぱい家~

向日葵「櫻子ー来ましたわよー」

櫻子「……」

向日葵「櫻子?」ヒョイッ

櫻子「ぅ゛ぅー……」グッタリ

向日葵「あら……思ったより本格的にへばってますのね……」

櫻子「う゛ー……」

向日葵「櫻子、櫻子。看病に来てあげましたわよ」ユサユサ

櫻子「ぅうん……向日葵……?」

向日葵「私ですの」

櫻子「向日葵……」

向日葵「はいはい、なんですの?」

櫻子「40秒でこなかったから……罰金バッキンガム……」

向日葵「風邪をひいても減らず口は健在ですのね」イラッ

櫻子「遅いよー向日葵、こっちは死にそうなのにさー」ウーンウーン

向日葵「そりゃどーも悪うございましたわね。帰っていいですか?」

櫻子「あっだめだめだめ。私ひとりじゃほんとに死んじゃうし!」

向日葵「はあ……仕方のない子ね本当……」

向日葵「とりあえず部屋に移りますわよ。ていうかなんでリビングで寝てますのあなた」

櫻子「さっきまでみんないたし……テレビあるし」

向日葵「ああ……テレビ見たいならここにいます?」

櫻子「うーん、どーしよ……」ムムム

向日葵「……じゃ、決まったら言いなさいな」スクッ

櫻子「あ、どこいくの?」

向日葵「持ってきたものを冷蔵庫に入れるだけですわ」

櫻子「えっおみやげ!?」

向日葵「せめて見舞い品って言いなさいよ……」

櫻子「どっちでもいいから、なにがあるのっ?」キラキラ

向日葵「リンゴを持って来ましたわ。あとですりおろしてあげますからね」

櫻子「やった、すりおろしりんご大好きーっ」ワーイ

向日葵「もう、リンゴくらいでハシャがないの。熱があるんでしょう?」

櫻子「あ、そういえば……だるー」グテー

向日葵「まったく単純なんだから……やっぱり部屋で大人しくしてた方がいいですわね」

櫻子「かもねー……」グター

向日葵「じゃあ、ちょっとベッドちゃんとしてきますわ。本当に大人しくしてなさいね?」

櫻子「はーい……」

他でもない俺がすりおろしりんご食べたくなってきた

~ちっぱいルーム~

向日葵「おじゃまし汚っ」ギョッ

向日葵「なんという散らかりっぷりですの……」

向日葵「風邪をひいてるから……だけでは説明のつかない汚さですわね」

向日葵「ああもう、服もシワだらけでほっぽって……」セッセセッセ

向日葵「ジュースを飲んだコップが溜まってるし……」ガチャガチャ

向日葵「心なしかホコリっぽい気が……窓窓……」ガララッ

向日葵「簡単に掃除機かけちゃいましょう」ブオオオー

向日葵「次はベッドですわね。タオルケットもちゃんと伸ばして……」ブワサッ

向日葵「これだけで足りるかしら……一応あと1枚毛布を出しておきましょう」ヨイショ

向日葵「と、と、と。思ったより重……きゃあっ!?」ステーン

ボフン

向日葵「いたた、た……くない? どうして……」

向日葵「あ、ベッドの上に落ちたんですのね……」ポフポフ

向日葵「ふん、櫻子の私物に助けられるなんて屈辱ですわ」プイッ

向日葵「……」

向日葵「ベッド……櫻子の……」

向日葵「……」ポフポフ

向日葵「……」

向日葵「……」ゴロンッ

向日葵「……」ゴロゴロ

向日葵「……」

向日葵「櫻子、の……枕……」

向日葵「……」ドキドキドキドキドキドキ

向日葵「……」スッ

櫻子「ひまわりぃ~~~」

向日葵「ひひゃいぃ!?」ビクーッ

櫻子「ひまわり~まだ~? はやくもどってこい~」オーイ

向日葵「わ、私ったらなにをして……! い、今行きますわ!」

向日葵「……」トテトテ

~リビング~

向日葵「おまたせしましたの」

櫻子「待たせすぎ! 死ぬ所だったっつーの!」

向日葵「あなたどんだけデリケートですのよ。そんなホイホイ死なれちゃ目も離せないじゃないの」

櫻子「離すなよー病人だぞー……」ケホケホ

向日葵「はいはい……」

櫻子「ていうかお腹すいたー」

向日葵「いきなりですわね……一応、これからおじやを作りますけど」

櫻子「そんなに待てなーい! ね、さっきのリンゴすりおろしてよ!」

向日葵「ええ? ワガママな子ですわね……」シブシブ

ショリショリショリショリショリショリショリ

向日葵「どのくらい食べれますー?」ショリショリ

櫻子「たらふく!」

向日葵「いうとおもいましたわ……」ショリショリ

向日葵「……」ショリショリ

向日葵「(私は……何をしてるんでしょうね)」ショリショリ

向日葵「(日曜の朝から櫻子の家でリンゴをすりおろして……)」ショリショリ

向日葵「(……こういうの、人の目にはどう映るのかしら)」ショリショリ

向日葵「……」ショリショリ

向日葵「(こ、恋人? それとも……ふ、夫婦?)」

向日葵「……」ショリショリ

向日葵「……」ショリショリショリショリ

櫻子「ひまわりーまだー? はやくしろー間に合わなくなってもしらんぞー」

向日葵「……」ショリショリ

向日葵「(バカな子供に苦労する親ですわね)」ショリショリ

向日葵「ほら、出来ましたわよ」コト

櫻子「おー♪」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……どうしたの、食べませんの?」

櫻子「え?」

向日葵「え?」

櫻子「食べさせてよ」

向日葵「はあっ!?」ガタッ

眠いですぞ

ビク

櫻子「?」キョトン

向日葵「た、食べさせてって……! あなた自分がなに言ってるかわかってますの!?」アセッ

櫻子「え、だって風邪の時はお母さんがいつもこうして……」

向日葵「私は櫻子のお母さんじゃありませんわ!」ムキーッ

櫻子「あー……それもそうか」

向日葵「それもそうかって……あなたねぇ」

櫻子「……」ボー

向日葵「……」

櫻子「……」ケホケホ

向日葵「……」

向日葵「は、はい……あーん」スッ

櫻子「!」

櫻子「あーん」ハムハムハム

櫻子「うまい!」テーレッテレー

櫻子「もう食べれないー向日葵あとあげるー」ウバー

向日葵「案の定完食できませんのね……」ハムハム

向日葵「(あ……すりおろし久しぶりで美味しい……)」ハムハム

向日葵「……」ハムハム

向日葵「」

向日葵「!!!!!!!!!!!!」ピシャーン

櫻子「どーした?」

向日葵「ど、どどどどどどどどーもしてませんことヨッ!?」

櫻子「いや、どーもしてなくな……別にいーけど」ゴホゴホ

向日葵「(つ、つい釣られて食べてしまいましたが、これって……!)」

向日葵「……」チラッ

櫻子「……」ボー

向日葵「~~~」

向日葵「っ」パクッ

向日葵「……」ハムハムハム

向日葵「じゃあ部屋に行きましょうか」

櫻子「だっこー」スッ

向日葵「あ、甘えるのも大概になさいっ!」

櫻子「ぶー」

向日葵「ほら、肩貸してあげますから、歩いて行きますわよ」

櫻子「へーい」

~ちっぱいルーム~

向日葵「はい、着きましたわよ。ゆっくり横になりなさい」

櫻子「んー」ゴロン

向日葵「布団かけますわよ」ファサッ

櫻子「んー」

向日葵「(さっきから言動が妙に子供っぽい……風邪のせいかしら?)」

櫻子「歩いたらおなかへった! おじやまだ?」

向日葵「(傍若無人さはいつも通りですわ)」

~台所~

向日葵「(まあ、食欲がある分マシかしらね……)」

向日葵「うーん……」

向日葵「味が薄すぎるとあの子食べたがらないのよね……」

向日葵「それでいて病人にムリがない程度の味付け……このぐらいかしら……」

向日葵「そうだ、卵を入れてあげましょう」

向日葵「結構元気そうですけど、一応長めに煮込みましょう」

向日葵「……」

~ちっぱいルーム~

向日葵「できましたわー」

櫻子「食べさせて!」

向日葵「……正直、予想は出来てましたわ」ハア

櫻子「はやくはやくー」アーン

向日葵「熱々のおじやぶち込んでやろうかしら)」

向日葵「ふーっ……ふーっ……はい、あーん」

櫻子「あーんっ。あふ、あふぅ!?」ホフホフ

向日葵「大口開けて食べるからですわ」

櫻子「ぁ、はふっ、ほふ、んぐ……んくっ」ゴクン

櫻子「うまい!」テーレッテレー

向日葵「そりゃどうも」

櫻子「なんだろー、すごく食べやすい」

櫻子「しょっぱさも柔らかさもちょうどいいし」

櫻子「私この味好きー」

櫻子「向日葵、次ちょーだい」アーン

向日葵「し、しかたないですわねっ///!!」テレッッッ

!!と///逆だった……死にたい……

櫻子「ごちそーさまー」キュップイ

向日葵「はいお粗末さま……本当によく食べましたわね」カラッ

櫻子「だっておいしいんだもん」ペロリ

向日葵「ぅ……そ、そういえば、お薬とかあるんですの?」

櫻子「あ、うん、朝起きてすぐお母さんと病院行ったから」

向日葵「じゃあそれ持ってきますから、ちゃんと飲みなさいね?」

櫻子「えー……」

向日葵「えーじゃなくて。返事はどうしましたの?」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「甘い薬ってない?」

向日葵「櫻子の戯言より甘い薬なんて存在しませんわ」

櫻子「にがーいー……」ゥェー

向日葵「はいはい、よく飲みましたわね」

櫻子「……なんか、ねむくなってきた……」ウツラッ

向日葵「まんま子供ですわね……食べたら眠るって、どんだけ欲望に忠実なんですの……」

櫻子「だって……ねむいったらねむいんだもん……」ウトウト

向日葵「……ま、病人だし大目に見て差し上げますわ。寝ても構いませんわよ」

櫻子「うん……ねー、向日葵……」

向日葵「……ちゃんと一緒にいてあげますから、安心して眠りなさい」

櫻子「……うん、ありがとー……」

向日葵「じゃあ私は雑誌でも読んでますから、なにかあったらすぐ言いなさいね。プカリも持って来といてあげますし」

櫻子「……」

向日葵「櫻子? もう寝ちゃったんですの?」

櫻子「んーん……」

向日葵「じゃあ返事ぐらいしなさいな。それとも、返事するのも辛いぐらい苦しいんですの?」

櫻子「……んーん」

櫻子「向日葵が……なんか優しいから……」

向日葵「は?」

櫻子「ご飯作ってくれたし……ベッドに寝かせてくれたし、リンゴ食べさせてくれたし……それに、今日、看病しに来てくれたし」

向日葵「それは……そりゃ、病人相手に邪険にできるほど薄情じゃありませんわよ、私だって」

櫻子「ふーん……」ウトウト

向日葵「だいたい、今日の櫻子は素直ですしね。ケンカしようにも出来ませんわ」

櫻子「え?」パチクリ

向日葵「……えってなんですの、えって」

櫻子「……素直だと、優しいの?」

向日葵「え?」

櫻子「ひまわり、私が素直だと、やさしいの?」

向日葵「えっと……ま、まあ、ケンカする理由は、なくなりますけど……」

櫻子「そっか……そうだったんだー……」

向日葵「……櫻子?」

櫻子「ひまわりー」

向日葵「え、なんですの?」

櫻子「手、つないでほしいな」

向日葵「ぶふううううううっ!?」

櫻子「だめ?」コクビッ

向日葵「だ、めって、だめとかだめじゃないとか、え、でも、そんな、ちょ、いや、ええええええええ???」

櫻子「……」ギュッ

向日葵「!!!」

櫻子「今日……ひまわりが来てくれてすっごく嬉しかった」ギュウ

向日葵「!」

櫻子「誰もいなくてさみしかったから……本当にうれしかった」

櫻子「電話して、こないって言われたらどうしようって、すこし怖かったけど」

櫻子「でも、来てくれたから」キュッ

向日葵「櫻子……」

櫻子「……向日葵」

櫻子「私、がんばるね」

向日葵「え?」

櫻子「明日から、もう少し素直になってみる」

櫻子「向日葵に、優しくして欲しいし」

櫻子「優しくしてもらえたら、優しくできる気がするし」

櫻子「だか、ら……」

櫻子「……」

櫻子「すかー」zzZ

向日葵「!?」ビクッ

櫻子「すぴー」zzZ

向日葵「ちょ、櫻子?」

櫻子「すややー」zzZ

向日葵「……」

櫻子「ぐがー」zzZ

向日葵「言いたいことだけ言って寝やがりましたわ……!」ガクゼン

櫻子「すやすや」zzZ

向日葵「まったく……ほんっとうに子供なんだから……」

櫻子「むにゃむー」zzZ

向日葵「……」ナデナデ

櫻子「んぅ……ぅへへへ」zzZ

向日葵「……おやすみ。お大事に、櫻子」

~翌日~

向日葵「風邪ひきましたの……」

櫻子「!?」

向日葵『こほ、こほっ……』

櫻子「えっと……ひょっとして、私のがうつった……とか?」

向日葵『その元気そうな声を聞く限り、可能性は高いですわね……』ゴホゴホ

櫻子「あちゃー、ごめーんね☆」

向日葵『』イラッ

向日葵『……まあいいですわ。よく聞きなさい櫻子。今日は楓がうちにいてくれてますし、私も風邪をひいたといっても大したことはありません。ですから間違ってもあなたは看病に来たりしないで――』

ガラッ

櫻子「ひっまわりー! 遊びにきたよー!!」

向日葵「ウソでもお見舞いって言いなさいよっていうか来んじゃねーですわああああああああああ!!!!」

終われ! もうちょっと書くスピード上げたい

いくら寝ても眠い時は眠いし、実質2時間しか寝てなかろうとビンb……ピンピンしてる時はしてる。そんなもんだ
つーか睡眠時間以上にネタ切れの方が問題だよちくしょうめ

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