淡「あんた、私にだけ態度違くない?」穏乃「そうですかね?」 (34)

※咲・阿知賀編最終回のネタバレあり。単行本派の人はご注意を
※キャラ崩壊・独自設定あり
※インハイ終了後の設定。長期休暇中。どの休暇かは適当に脳内補完お願いします
※麻雀? ごめんなさい

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奈良・大峯奥駈道

穏乃「」ザッザッ

淡「はあ、はあ……(きついっ! こんなの死んじゃうよ!)」ヨタヨタ

穏乃「」ザッザッザッ

淡「ぜー、はー、ぜー……はー(くそっ! なんでコイツは涼しい顔して……)」ヨタリ

穏乃「」ザッザッザッザッ

淡「はーっ、っ、げふっ、がはっ! げー、げほっ! ごほっ!」

穏乃「大丈夫ですか、大星さん」クルッ

淡「げほっ……大丈夫に、はー、見え、るの……?」

穏乃「見えませんね。少し休みましょう」

淡「(ああ、何故この私がこんな目に……)」

三日前・阿知賀女子高校麻雀部

穏乃「女子高生雀士最強タッグトーナメント?」

憧「タッグ……随分と珍しい形式でイベントやるのね」

灼「そ、清澄の元部長さんの発案らし……。名前は派手だけど、身内みたいなノリでワイワイやろうだってさ。……その割には全国から強豪がたくさん集まるらしいけど」

憧「へー、相変わらず影響力のある人ね。ほぼ個人で大会級のイベント主催するなんて」

玄「楽しみだねっ! 赤土さんがいない今の私たちにとっては数少ない練習試合の機会でもあるし」

灼「……そうだね」ドヨーン

玄「ああっ! ごめん灼ちゃん!」

灼「いや、玄は悪くないよ。ハルちゃんのプロ行きは私も望んでたことだし、素直に嬉し……ただ、まだ寂しさが抜けないだけで」

玄「灼ちゃん……」

灼「私は部長なんだからもっとしっかりしなきゃね。この機会にたくさんコネを作らなきゃ!」

玄「それでこそ灼ちゃんだよっ!」

灼「玄だって宥さんがいなくても頑張ってるからね、負けてられな……」

玄「……お姉ちゃん」ドヨーン

憧「そこで話がループすんのかよっ」ズビシッ

ギャーギャー ワイワイ

穏乃「あはは! なんにせよ、久しぶりに楽しみだね。 和ともまた会えるだろうしっ!」

憧「そうだねっ! ……それでね、しず、その大会なんだけど私と」


ガララララ(扉の開く音)


淡「たのもーっ!」


憧「ふきゅっ」

玄「ん?」

灼「……あなたは」


穏乃「……何故ここに? 大星さん」


淡「ちょっとあなたに用があってね、高鴨穏乃っ!」

穏乃「用……?」

灼「ちょっと待って」

淡「んー? 何ですかー?」

灼「来校許可証は?」

淡「受付で貰った、じゃなくて、貰いましたよ」

灼「ならいいや、続けて」

淡「どーも♪」

憧「ちょっ、灼さん!?」

玄「まあまあ、憧ちゃん。まずは話を聞こうよ」

憧「うー……分かったわよ。続けて、どーぞ」

淡「はいはい。で、あー、なんだっけ……?」

憧「おい」

玄「まあまあ」


淡「あー、ごほんっ。高鴨穏乃っ!」


穏乃「……なんですか」




淡「今度の最強タッグトーナメントで、私とタッグを組めっ!」



灼「は?」

玄「はあ?」

憧「はああああぁぁぁぁッッ!!!?」


穏乃「……」


穏乃「……まずは理由を聞いても?」

淡「えー? この高校100年生である私が組んであげるっていうのに理由が必要なの?」

憧「おいあんた! ふざけたこと言ってんじゃ……」

玄「やめろ憧っちゃん!!」

灼「この2人は……」


穏乃「……」ゴゴゴゴゴ

淡「……」ゴゴゴゴゴ


灼「(あれ、なんか空気が)」

淡「ま、いーよ。教えてあげる。……テルーとサキ、そしてあんたに勝つためだよ」

穏乃「……!」

灼「と、いうことは」

玄「あの2人が組んだってことですか!?」

淡「そーいうこと♪ サキに借りがあるのは言わずもがな、テルーにも恩返しをしなくっちゃね」

穏乃「……」

憧「ちょ、ちょっと待ってよ! しずにも勝ちたいなら、なんでしずと!?」

淡「さっきからうるっさいなあ、あなたに言う必要はないよね?」

憧「なっ!?」


淡「……で、どうかな?」

穏乃「いいですよ、組みましょう。大星さん」

憧「ちょっ!?」

淡「ま、当然だね」

憧「このっ……!」

玄「あはは……」タラリ

穏乃「? 憧、何怒ってんの?」

憧「怒ってない!」

穏乃「……ならいいけどさ。あ」スッ

憧「ん?」

穏乃「芋けんぴ、髪についてるよ♪(イケメンスマイル)」カリッ

憧「!!!」ズキューン!

穏乃「それじゃあ憧、トーナメントで会おうね。負けないぞー!」

憧「あ、うん」ポー

灼「なんだこの展開」

穏乃「灼さん、そんなわけで私これからトーナメントまで大星さんとミーティングやら特訓やらしてきますね」

淡「特訓?」

灼「唐突だね。まあ穏乃なら問題なんて起こさないだろうから……トーナメント前日までに連絡入れてくれるならいいよ」

穏乃「分かりました。灼さんたちもトーナメントに向けて頑張ってください!」

灼「もちろん。阿知賀の部長として簡単には負けられな……」

玄「私だって負けないよ!」

穏乃「それでは失礼します! ……じゃ、大星さん。行きましょうか」ガラガラ(部室を出る音)

淡「え、ああ、私忘れられてなかったんだね。よかったよ」

穏乃「トーナメントまで後1週間ですけど、大星さんはそれまでのスケジュールは調整してきてるんですよね?」

淡「……お見通しってわけ。そうだよ、本番までにあんたと高めあおうと思ってね。不本意だけど、あんたの存在は私にとって、気を引き締めるには最適だし」

穏乃「光栄ですよ……じゃあ、これからちょっと付き合ってください」

淡「なーに? さっそく打つの?」

穏乃「1週間あなたと打ち続ける……それも魅力的ですけど、私たちの最終目標はあの宮永姉妹です。あの2人相手に1週間そこらの練習じゃ」

淡「足りない、って言いたいの?」ドドド

穏乃「はい」ドドド


淡「……この私と、その私が曲りなりにも認めてるあんたとのコンビが切磋琢磨した程度じゃ届かない、そう言いたいの?」ドドドドド


穏乃「はい」ドドドドド


淡「」ドドドドド

穏乃「」ドドドドド


淡「……はあ。ま、いいよ。私もなんとなくそんな気がしてたし。もうちょい期間があればまだしも、1週間じゃねー」

穏乃「……」

淡「で、なんか考えがあるっぽいけど……どうすんの?」

穏乃「それは私の特訓プランについてきてくれる、ということでいいんですか?」

淡「私のプランはケチついちゃったし、短期間で強くなる方法は阿知賀のあんたのが詳しいでしょ」

穏乃「(阿知賀の成長の大部分は赤土さんの育成能力ありき。これからする特訓は、それとは全然関係ない、私個人の嗜好によるものだと言えば怒られるだろうなー)」

淡「では改めて……これからどうすんの?」

穏乃「山です」

淡「山?」

穏乃「私だって宮永さんには借りがあります。だから、今度こそ見せつけてやらなければいけません」

淡「はあ」


穏乃「修験の極みを」淡「(なに言ってんだコイツ)」

時は戻って大峯奥駈道

淡「はー、はー(失敗した。インターハイでのイメージしかなかったから分からなかったけど……)」

穏乃「大星さん、大丈夫ですか? うーん、山初心者でも大丈夫なように整備されてる道を選んだんですけどね」

淡「はー、げほっ、ぜー(コイツ……すっげーバカだよ!!!)

淡「ぜー、はー、ぜー、はー、うう(『整備されてる道を選んだ』って何だよ!? 整備されてない道に行くのは『遭難』っていうんだよ! アップダウン激しくて三日歩いても目的地に辿り着かないこの道が初心者向け? そんなわけないじゃん!!)」

淡「うううう、あああああ(しかも、ここまで三日三晩不眠不休って……実はコイツ、私のこと殺す気なの? いや、負けん気出してコイツに付き合ってる私も私だけどさ! 今だけはこの負けず嫌いな自分の性格が憎いっ……!)」

穏乃「大星さん? ほんとに大丈夫ですか……?」

淡「(この女……覚えてろよホント。いつか仕返しして、あ、まず)」


淡「うぷっ」


穏乃「え」

淡「おえ、げえ、う」ガシッ

穏乃「大星さん!? ちょ、離し」


淡「オロロロロロロロ」


穏乃「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」


淡「げー、ロロロロロロロロ」


穏乃「うわあああああああああ!! …………うう、和ぁ、憧、玄さーん……」


淡「うえ、げほっ(ふっ、勝った。……失ったものは大きいけど、ね。もう私、お嫁に行けないよテルー……)」



高鴨穏乃・大星淡ペア 前途多難

その頃の他のペア�


長野のどっかの山の川

純「……」

誠子「……」

純「…………」

誠子「…………」

ピクッ

誠子「おい、引いてるぞ」

純「おっ、ほんとだ。よっ、と」

パシィッ

純「よしっ。これで5匹目だ」

誠子「やるなー。釣りは今日が初めてなんだろ」

純「教師の腕がいいんだろ」

誠子「嬉しいこと言ってくれる……っと、こっちもヒット!」

パシィッ

誠子「これで8匹目。2人合わせて13匹だけど、どうする?」

純「2人で食うにしてももうちょい欲しいし、屋敷にお土産も持って帰りたいからな。まだ続けようぜ」

誠子「分かった。……にしても、こんなことをしてていいのだろうか」

純「まずは親睦を深めようって言ったのお前だろ。釣りに誘ったのもお前だ」

誠子「そうだが……」

純「実際タメ語で話す程度には仲良くなったし、どうせ後三日そこらしかないんだ。打つのは最低限の連携確認程度でいいだろ」

誠子「まあ、そんなところか。あ、またヒット」

純「お、こっちもだ」

パシィッ



井上純・亦野誠子ペア なかなかいい感じ

投下中に反応あってびびった。ありがとうございます。

コンビ打ちの麻雀を書きたいのではなく、咲キャラのペアを書いてみたいというSS。
メインは穏乃と淡ペアですが。
そんな長い話にはならないと思います。続きは夜か明日に。

明日投下できないかもしれないので、今日書けてる分だけ少し投下します

その頃の他のペア�


東京・弘世宅

玄「お邪魔します!」

宥「……お邪魔します」ペッコリン

菫「いらっしゃい。ゆっくりしていってくれ」

玄「お世話になります」

宥「本当にありがとうございます……」

菫「いや、寝床を提供するぐらい構わないさ。トーナメントの会場は東京だし、早めに合流していた方が都合がいい」

菫「それに、だ」


菫「『タッグを組んでくれ』と、私から妹さんに頼んだんだ。このぐらいはしないとな」


宥「だからって私まで甘えてしまうのは……」

菫「君のパートナーも明日には東京入りするんだろう? 1日ぐらい問題ない。それに、一度腰を据えて話してみたかったしな」ニコッ

宥「……私もです」ニコッ

菫「だったら、この話はここで終わりだ。他に話したいことはたくさんある」クスッ

宥「……そうですね」クスッ

玄「…………おかしいのです。弘世さんのタッグパートナーは私だったはず……何故お姉ちゃんとイチャイチャこいているのでしょうか」

菫・宥「!?」

菫「あ、いや! 申し訳ない。決して君を無視していたわけじゃないんだが……!」アタフタ

宥「玄ちゃん、ほら! 弘世さんとはインターハイで戦った仲だし……!」アタフタ

玄「……まあいいのです。苛めるのはここまでにしておきます」

菫・宥「ほっ」

玄「……それにしても驚きました。まさか白糸台の元部長さんが直々にタッグを申し込みにくるとは」

菫「そうか? 私としては君とこうも楽に組めるとは思っていなかったよ。てっきり引く手数多かと」

玄「お世辞はいいですよ。私自身、自分が連携プレイに向いているとは思っていませんし」

菫「たとえそうだとしても、君の力は強力だ。あの照でさえ、君相手では自分がドラを使うことを諦めたんだからな。インターハイで個人戦にも出ていたなら台風の目になっていただろうに……もったいない」

玄「そんな……褒めすぎですよ」テレテレ

宥「玄ちゃんになら妥当な評価だよー」テレテレ

菫「……そんな君だからこそ、打倒・照の切り札に足り得る」

玄「へ?」

菫「……高校卒業前に、1回ぐらいアイツに勝っておきたいんだよ。君だって、アイツにリベンジしたいだろ?」

玄「それは、まあ」

菫「宮永姉妹のペアはとんでもない。だが、とてもじゃないがベターな組み合わせとはいえないと、私は思っている」

宥「?」

菫「その辺はすまないが、また後で玄さんと二人で。一応トーナメントでは敵同士だしな」

宥「そうですね」

菫「話を続ける。……組み合わせとしては、ウチの淡と君たちの大将のペアの方が凶悪だと思う」

玄「……穏乃ちゃんはとっても強いですよ」

菫「それは分かってる。だが……私たち2人の組み合わせも相当凶悪だ」

宥「……」

玄「ふぅ〜〜む。なるほどなるほど、なるほどー」

菫「……。明日は白糸台の二軍以下のメンバーたちと練習試合をして調整する。その時に詳しく話そう」

玄「白糸台の! それはまた豪華な……部外者の私が行ってもいいのでしょうか?」

菫「むしろ君が来てくれるとありがたいんだ。引退した私が顔を出すだけなら嫌な顔をされただろうが、強豪校のエースを伴うとなれば後輩どもも文句はないだろうよ」

玄「もうっ! 弘世さんってば口が上手いんですから〜」

菫「ふふ。思い通りのペアが組めて、柄にもなく浮かれているからかな」

宥「……(勝てるかな? この2人に)」



弘世菫・松実玄ペア 明日の東京の天気は午前中から竜が暴れ、ところにより矢の雨が降るでしょう

とりあえずここまで。総量はそんなないけど、ローペース進行になりそうな悪寒

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