杏子「ホームレスもそろそろ無理だろ・・・」(311)

杏子「そうだ!まどかの家にすもう!」

まどか「いいよ!」


お願いしますだ

       \ヽ, ,、
        `''|/ノ
         .|
     _    |
     \`ヽ、|

       \, V
         `L,,_
         |ヽ、)

         .|
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   _,,....,,_  /                  ヽYノ
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ヽ:::::::::::::::::::::| :\                ー-ヽ|ヮ
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 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__   ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、

_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、

::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
                                      ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                       d⌒) ./| _ノ  __ノ

杏子「そうだ!まどかの家に相撲!」

まどか「いいよ!」

杏子「そうと決まれば即行動だ」

■鹿目家

ピンポーン

パパ「はーい、今開けまーす」ガチャ

杏子「まどか居る?」

パパ「まどか? 今はまだ学校だと思うけど…… お友達かい?」

杏子「まぁそんな所だ。って、まどか居ないのかよー」

パパ「というか、君もまだ学校の時間じゃないのかい? そんな格好で、サボリは感心しないなぁ」

杏子「あたしは学校なんか行ってねーよ。てか、こんな真昼間から家にいるおっさんに言われたくないね」

パパ「お、おっさんって……」ショボーン

杏子「あんた、まどかの親父かい? 働いてないのか?」

パパ「ん? そうだよ。僕は専業主夫だから」

杏子「ふーん。実際居るもんなんだな、主夫って」

パパ「あはは、よく言われるよ。ところで立ち話もなんだし、中に入るかい?」

杏子「お、いいのかよ。んじゃ遠慮無く」スタスタ

杏子「いいとこ住んでんじゃん」

パパ「ママのおかげでね。今、丁度お昼ごはんにしようと思っていたんだけれど、食べる?」

杏子「いいのか!?」

パパ「一人も二人も一緒だからね。嫌いな物とかはあるかい?」

杏子「好き嫌いなんて、そんなのあたしは許さないね」

パパ「あはは、まどかにも見習わせたいよ。それじゃあ少し待っていてね」

杏子「あいよー」

 数分後

パパ「おまたせ。簡単なパスタだけど」

杏子「めっちゃくちゃウマそうじゃねーか! いただきます!」ガツガツ!

パパ「……」ジー

杏子「んむ? 何見てんだよ?」

パパ「ごめんごめん。なんだか昔の絢子さんに似てるなと思って」

杏子「絢子? まどかのオフクロか?」

パパ「そうだよ。一家の大黒柱さ」

杏子「ふぅん…… って、アンタも食べなよ。せっかくのメシが冷めちまう」

パパ「そうだね、いただきます」

杏子「残したらぶっ殺すかんな!」

パパ「作ったのは僕なんだけどなぁ……」

杏子「それにしても美味いな! こんなメシを毎日食えるなんてまどかは幸せ者だよ」

パパ「そうかい? そうほめられるとなんだか照れるよ」

杏子「いやぁ、あたしも毎日こんなメシを食べたいよ」

パパ「そんな事を言ったら、君のママさんも悲しむよ。毎日頑張って作ってくれてるんだから」

杏子「オフクロか…… 確かに豪華な物は無かったけど、美味かったよ」

パパ「……美味かった?」

杏子「あたしにはもう、オフクロも親父も居ないんだ」

パパ「――っ!?  ……ごめん」

杏子「気にすんなよ。って、そうも行かないか…… あー、何でこんな事言っちゃったんだろ」

杏子「なんだか、アンタと話してると安心するんだよなぁ……」

パパ「……君、名前は?」

杏子「あたしは佐倉杏子。あんたは?」

パパ「鹿目知久。知るに久しいで知久だよ。よろしく」

杏子「ふぅん。でさぁ、知久」

パパ「い、いきなり呼び捨てかい?」

杏子「別にいいっしょ。でさ、あんたは何で主夫なんかやってんの? あんま普通じゃないっしょ、こういうの」

パパ「ん? うーん。そうだなぁ…… 杏子ちゃん――でいいかな?」

杏子「構わないよ」

パパ「杏子ちゃんは、今何か真剣にやっている事はあるかい?」

杏子「んー、真剣っつーか、必要に駆られてやってる事はあるな」マジョガリトカ

パパ「じゃあ、それを何かの事情で辞めなくちゃいけなくなったらどうする?」

杏子「そいつは困る。生活できなくなっちまうよ」

パパ「ママにとって、仕事はそういうものだったんだ。だから僕はそんな彼女を助けたいと思った。これじゃぁ、答えにならないかな?」

杏子「よく分かんねーけど…… じゃあさ、たとえばまどかのオフクロのやりたいことが主婦だったら、アンタは働いてたのか?」

パパ「そうだね、もし彼女がそれを望むなら、僕はそれを支えてあげたいと思う」

パパ「まぁ、そういうのは僕にはあまり向いてないから、今の形が一番良かったんじゃないかと思うよ」

杏子「でも、それってさ、アンタの気持ちは後回しじゃんか。アンタだってやりたいことがあるだろう?」

パパ「僕にとってのやりたいことは、ママを支えてあげることだよ」

杏子「相手のために何かするのが、アンタの望みだってのかい?」

パパ「まぁ、そうだね」

杏子「……なんか、アンタがまどかの親父だっての、納得だよ」

杏子「……もう行くよ。メシ、ありがとな」

パパ「何だったら、まどかが帰ってくるまで待っていてもいいんだよ?」

杏子「いや、いいよ。ここにいると、羨ましくなっちまう」

パパ「…………」

杏子「じゃあね、知久」

パパ「ああ、お腹が空いたらまたおいで」

まどか「ただいま~」

パパ「おかえり、まどか」

まどか「今日の晩ご飯はなに?」

パパ「ハンバーグだよ。そうだまどか、今日お昼ごろにお友達が来ていたよ」

まどか「友達?」

パパ「佐倉杏子ちゃんって言ってたけど」

まどか「きょうこちゃん? 誰だろう……」

パパ「知らないのかい? ほら、赤い髪のボーイッシュな子だよ」

まどか「!? パパ、何もされなかった!?」

パパ「えっと、普通にお話しして、一緒にお昼ごはんを食べただけだけど……友達じゃなかったのかな?」

まどか「ふえ!? え、えぇと! 友達だよ! ただちょっと過激な子だから! あ、あはは……」

パパ「?」

まどか「ごめんパパ! 私もうちょっと後にご飯たべる!」ガチャ バタン

パパ「あっ! まどかー!?」

まどか(早くさやかちゃんに知らせなきゃ!)タッタッタ

杏子「鹿目、知久……か」

杏子「あー! ったくもう! なんなんだよぉ……」

ほむら「佐倉杏子」

杏子「うひゃあ! な、なんだお前か……」

ほむら「今日、まどかの家に行ったらしいわね」

杏子「そうだけど?」

ほむら「ずるいわ」

杏子「は?」

ほむら「私だってまだ家にお呼ばれしたことなんかないのに……」グスッ

杏子「え? 何で泣いてるんだよ」

ほむら「おまえなんか自爆して死んじゃえばかぁー!」タッタッタ

杏子「な、なんなんだよアイツ……」


シリアスにしようとして失敗した。やっぱギャグがいい。


■翌日、鹿目邸

杏子「…………」

杏子「今日も来ちまった」

 ガチャ

パパ「あれ? 杏子ちゃん?」

杏子「げっ」

パパ「どうしたんだい? まだお昼には早いけど……」

杏子「あたしがいつでも腹すかしてると思うなよ!」

パパ「あはは、ごめんごめん。ちなみにまどかはまだ学校だよ?」

杏子「分かってるっつーの」

パパ「? 悪いけど僕はいまから買い物に行かないといけなくてね」

杏子「ふぅん…… じゃあ着いてってやるよ」

パパ「え?」

杏子「荷物持ちくらいできるさ。ほら、行こうぜ」

パパ「ちょ、ちょっと杏子ちゃん?!」

パパ「そんな、女の子に荷物持ちさせるなんて……」

杏子「女に働かせてる奴に言われたくねーな」ニヤッ

パパ「うっ……」

杏子「でさ、知久」

パパ「相変わらず呼び捨てなんだね…… なんだい?」

杏子「アンタはさ、何で今の嫁さんと結婚したわけ?」

パパ「何でって……うーん、なんでだろう」

杏子「はぁ? 自分の人生をそいつの為に使いたいと思って主夫してんだろ? 理由がなきゃおかしいじゃん」

パパ「理由……理由かぁ。かわいいから、かな?」

杏子「ハァ? そんだけ?」

パパ「そんだけとは失礼な。絢子さんはね、普段は男らしくてしっかりしてるけど以外と甘えたがりでね。寂しいと仕事中でもすぐ電話くれるし」

杏子「聞いたあたしが馬鹿だった」

パパ「あー、うん。ごめん。女子中学生相手に惚気るとかどうかしてたよ……」

杏子「で? 本当にそんだけなのか?」

パパ「そうだなぁ…… 一生懸命なところ、かな?」

杏子「一生懸命? なんだそれ」

パパ「絢子さんはね、いつも何にだって真剣なんだ。仕事をするときも、遊びにいくときも、他愛のない話をする時だって、一生懸命だ」

パパ「僕はね、そんな彼女がすごいと思うし尊敬してる。だけど、それってやっぱり大変だと思うんだ。だから、支えてあげたい。そう思った」

杏子「だーかーらー! 何でそこで支えてあげたいとか言う発想になるんだよ! その理由が知りたいの!」

パパ「あはは、難しいことを言うなぁ……」

杏子「自分のことなんだから、難しくなんかないだろ?」

パパ「はは、君は強い子だね。そういうところも絢子さんに似てるよ」

杏子「あたしはあたしだよ」

パパ「そうだね、ごめんごめん」

パパ「あそこのスーパーが目的地だよ」

杏子「ん。何買うのさ?」

パパ「とりあえずうどん玉と、あとは野菜と油揚げかな。他にも卵とかが安かったら買おうと思ってる」

杏子「ふぅん。ま、荷物はあたしが持つからさ、気にすんなよ」

パパ「ありがとう、助かるよ」

杏子「まどかってさ、トロいじゃん」

パパ「トロいって…… 実の父親の前でそういう事言うかなぁ。まぁ確かに、僕に似てあまり強気な性格ではないね」

杏子「やっぱさ、男ってああいう性格の娘がいいのかね?」

パパ「お、恋の悩みかい?」

杏子「ち、ちげーよ。ただ、一般論でさ」

パパ「うぅん、どうだろう? 僕は絢子さんみたいなしっかりした性格のほうがいいけれど」

杏子「だから一般論だって言ってるだろ!? でさ、そういうのが好きな男ってのは要するに、守ってあげたいとか思うんだろ?」

パパ「まぁ、そうだろうね」

杏子「それって、アンタの言う支えてあげたいってのとは違うのか? 保護欲って言うの? そういうのさ」

パパ「うぅん……そうだなぁ。保護欲ってのは、あくまで自分主体だろう?」

杏子「うん?」

パパ「その対象を自分の庇護下において、守りたい。それって一種の所有欲だよね?」

杏子「まぁ、そうかもな」

パパ「でも僕の場合は、あくまで相手主体なんだ。彼女が何かをして、それをサポートする。言うなら従属欲だね」

杏子「要するに、あんたはMって事だ」

パパ「Mって…… 最近の女の子は進んでるなぁ」

杏子「そうか? そういう話くらい、この年ならするだろ」

パパ「友達同士でするのかい? そういう話」

杏子「友達……ねぇ。もうずいぶん長いこと、あたしに友達なんて居ないよ」

パパ「まどかは違うのかい? まどかと仲のいい……えっと、美樹さんとか」

杏子「美樹? 美樹さやかの事か? ああいうのは苦手だね、あたしは」

パパ「前うちに遊びに来たときは、礼儀正しいいい子だと思ったけど」

杏子「いい子は好かないよ。あたしは悪い子だから」

パパ「そんな事ないと思うんだけどなぁ」

杏子「はっ この程度の会話であたしを分かった気になられちゃ困る。あたしは悪い子だ」

パパ「悪い子は買い物の手伝いなんてしてくれないよ」ニコ

杏子「なっ…… うう、とにかくあたしは悪い子なの!」

パパ「あはは、うん。悪い子悪い子」

杏子「てめぇ! 適当に流すんじゃねぇ!」

杏子「第一、いい子は平日の昼間っから無職のおっさんと買い物なんか行かない」

パパ「無職のおっさんって……酷いなぁ。ちょっと傷つくよ」シュン

杏子「う、あ…… ご、ごめん」

パパ「あはは、冗談だよ」

杏子「なっ! てめー!」

パパ「じゃあ僕はレジに行ってくるから」

杏子「あっ! 待てよ!」


パパ「大丈夫かい?」

杏子「なぁに、こう見えてあたしは力持ちなんだ」

パパ「でも、結構な量じゃないか」

杏子「鍛え方が違うんでね」

パパ「頼もしいなぁ。でも、無理はいけないよ?」

杏子「しつこいっつーの。ホラ、そっちの袋も貸せよ」

パパ「まだ持てるのかい!? さすがに無理だよ。まどかなら一つ目の袋でダウンしてる」

杏子「あいつと一緒にすんなってーの!」

杏子「見てろよ!」タッッタッタ

パパ「杏子ちゃん!?」

杏子「こんだけ持って走れるんだから! なかなかのもんだろー!」タッタッタ

パパ「おーい! 待って! 止まって!」タッタッタ

杏子「はははは! ほら! 追いついてみな!」タッタッタ

パパ「そうじゃなくて! 卵! 卵が!」

杏子「あ……」ガサガサ

杏子「あー……」デローン

パパ「あー……」

杏子「えっと、その、これはー……」アセアセ

パパ「いいよいいよ、杏子ちゃんは僕に力持ちだって証明したかったんだよね。疑った僕も悪かった」

杏子「そ、そうだろ!? あたしにとっちゃこれくらい余裕だっての!」フンス

パパ「そうだね、じゃあ残りの袋も杏子ちゃんにお願いしようかな。でも、その前にこういう時はなんて言うんだったかな?」

杏子「うあ…… ご、ごめんなさい」シュン

パパ「うん、よくできました。 それじゃあ行こうか、お昼ごはんにしよう」

杏子「うっどんっ! うっどんっ!」

パパ「あ、杏子ちゃんはうどんが食べたかったのかい?」

杏子「あ? だってうどん玉買ってたじゃねーかよ」

パパ「あぁ、これは今日の晩ご飯のつもりだったんだけど」

杏子「そうなんだ。ま、いいけどさ」

パパ「うーん、絢子さんがうどんを食べたいって言ってたからなぁ…… そうだ、夜もウチで食べていくかい?」

杏子「いや、さすがにそれは悪いっての」

パパ「別に僕は構わないんだけど? 前に美樹さんもうちでご飯を食べていったこともあるし」

杏子「いや、でもさ……」

パパ「とりあえず、お昼ごはんにしよう。そうだな、オムライスは好きかい?」

杏子「好き!」

パパ「それは良かった。じゃあすぐに作るから待っててね」

杏子「オムライスかぁ、久しぶりだ……って、何普通にメシ食うつもりでいるんだよあたしは」

ほむら「そうね」

杏子「うっひゃぁ!?」

杏子「なんだよお前! どこから入ってきた!」

ほむら「妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい」

杏子「お、おい……」

ほむら「これ以上まどかの家に居座るようなら…… 分かってるわね?」ホムッ!

杏子「ひぃぃぃ!!」ガクガク

パパ「杏子ちゃん、どうしたんだい!?」

杏子「こここここいつが! ……あれ?」

パパ「こいつ? 誰も居ないようだけど?」

杏子「……見間違いか? でもなんか背筋に寒気が」ブルッ

パパ「風邪かな? 待ってて、今薬を持って来るから」

杏子「いいよ。そう大したことはなさそうだし。でも、あたしはもう帰ることにするよ……」

パパ「家はどこだい? 送っていこうか?」

杏子「いいっての。それじゃあな」

パパ「うん。またね、杏子ちゃん」

 ガチャ バタン

■翌日 ダンボールハウス

杏子「結局、謎の悪寒で昼過ぎまで寝ちまった……」

杏子「もう昼飯時は過ぎちまったなぁ……」

杏子「行ってもしょうがないんだけど……」

杏子「ま、まぁ暇だしな!」

■鹿目邸

杏子「うぅ……インターホンが重い」

さやか「あぁー! この前の魔法少女!」

杏子「げ、美樹さやか」

まどか「私の家に何か用、かな?」

杏子「あ、えっとその……あたしはー……」

さやか「まどかに何かしたら絶対許さないわよ!」

杏子「ハッ! 弱い犬ほどよく吠えるってやつだな」

さやか「なんですってぇー!」

まどか「さやかちゃん、落ち着いてよ…… 杏子ちゃんも、戦いに来たわけじゃ無いん、だよね?」

杏子「まぁ、そうだけどさ……」

さやか「でもあんた、最近まどかの家の近くウロウロしてるらしいじゃん。怪しんだよね」

杏子「あたしは、別に……」

まどか「えっと、パパとお話してたんだよね?」

さやか「はぁ? ホントなの? それ」

杏子「まぁ……うん」

さやか「ホント何が目的なわけ? まどかのパパに取り入って、何企んでるのよ」

杏子「別にあたしは何も企んじゃいねーよ」

さやか「嘘。信用できない」

杏子「嘘じゃねーっての! あたしはただ、知久のメシを……」

さやか「知久ぁ!? アンタ何でまどかのパパを呼び捨てに……まさか!?」

まどか「え? えぇー!? 駄目だよ杏子ちゃん! そんなの絶対おかしいよ!」 

杏子「ちげーよ馬鹿! なんであたしがあんなおっさんを――」

パパ「僕がどうかしたのかい?」 ガチャ

杏子「うわぁっ!?」

杏子「び、びっくりさせんな! 馬鹿!」

パパ「ごめんごめん。あ、おかえり、まどか」

まどか「ただいま」

さやか「こんにちは」

パパ「こんにちは。そういえば杏子ちゃん、今日はお昼に来なかったね、やっぱり風邪でも引いてたのかい?」

杏子「なんか風邪とは違うような気がしたけど、まぁ結局昼間で寝込んじまったよ」

パパ「もう大丈夫なのかい?」

杏子「まぁね。言っただろ? 鍛え方が違うんだよ」

さやか「あの……」

パパ「ん? 何かな?」

さやか「こいつとパパさんは、どういう関係なんですか?」

パパ「うーん、なんなんだろうね?」

さやか「あたしは真剣に聞いてるんです!」サヤッ!

パパ「え、えっと……」

杏子「変な事聞いてんなよ。知久困ってんじゃんか」

さやか「うっさい! あんたは黙ってて!」

まどか「あわわ……」オロオロ

パパ「ううん…… まどか、お姉ちゃん、欲しくない?」

まどか「え? えぇと……ちょっと憧れるかな、なんて」

パパ「そっか、じゃあこちらが新しいお姉ちゃんです!」パパーン!

まどか「え? えぇー!?」

杏子「ちょ、待てよ! 何言ってんだおまえ!」

パパ「あはは、冗談だよ。でも、杏子ちゃんと話してると、娘がもう一人増えたみたいな気分だったからね、
    言うならそんな関係かな? どう? 納得できないかな?」

さやか「…………」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「……はぁ、鹿目家は毎日楽しそうでいいよね、ホント」

杏子「お前……」

さやか「さやか! 美樹さやかよ! アンタでもお前でも無いわ」

杏子「お? おう」

さやか「まぁ、まどかのパパがそう言うなら、そんなに悪いやつでも無さそうだし。いいわ、信用してあげる」

>>168
生きてるか

まどか「さやかちゃん!」

さやか「はぁ、ホント調子狂うよね……」

パパ「えっと、仲直りできたのかな?」

杏子「仲直りも何も、別にこいつと馴れ合うつもりなんて……」

さやか「あたしだってそうよ! ただまどかに何かするつもりじゃないってのは信用してあげるってだけだからね!」

杏子「んだとぉ……!」

まどか「あわわ……」

パパ「まぁまぁ、とりあえず上がりなよ。ココア作ってくるから。まどか、二人をリビングに連れてきてあげて」

まどか「う、うん。 ほら行こ、二人とも」

杏子「チッ 知久に感謝するんだな」

さやか「別に、アンタともう話すことなんか無いし、帰ってもいいんだけど?」

まどか「もう! さやかちゃん」マドマドプンプン!



ほむら「………壁殴ってしまったわ」ギリッ


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 /:  /    ヽー'ノ::::....  )-、,,   /:::゙' 、.    ヽ      /_..-'"″  '''^゙>'''"゛     ´                        `!、
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  ', | /   l|//     /::"  ::/ ̄ヽヽ、、、,,,::::  |  ',:::::  `'ー、,、-''"´    /     ヽ ヽ `'' 、/.:.:.:ヘ7ノ       (・ω・:.:.`)ハ=ー-、
  ',ノ,'' イ'  ::/ ィ   /    :/ ゙''':::::| ヽ;;;;; `゙;;'''';;ーi、,,、- '''''"彡゙ll|ソ , '" /  /   i l |ゝl|.__i´.:.:.:./-'       /:.`ニニ´彳`` _,,='"´.: ̄`ヽ
   { | l| /,,;イ   /    /   ::| ::」``ヽ;;;;;  ,、;;;ヽ、ヽ;; 、,,,ッ   ,、 '"ノ  / ノ  ,j lリ  j{=ー---‐' }    ,r'´ ̄`ヽ‐-=,_ゝY´.:.:.:.:.`゙ー-、,,.:.:}.::`ー、_
   ヽ  リ '"  }  /ノ l|  /     :|" 三三`' 、( );;  ヾ'、○}   {  r'  /  j  ,  |,,、 " `ー---‐'、 ,r='´`ー='"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'',,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ'´`ヽゝ、ハ
   ヽ  ヽ" :l    l l| /     :}、:::::     `' 、;;; ;;; ', ゙''、   j 、|.  y'  }. / / _,、,," ',.:.:.:.:.:.:.Y.:.:.:.:.:.:.r'´.:>、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノヽ、,,_,,/ハ.:.:.:.:.:`i.:.:`ヽ、
    ヽ  ヽ    {    " /  | リ:: ヽ:::      '' 、从 ',、 ミヽ  ゙' 、.|  ||.  ノ / /∧ _∧ .',.:.:.:.:ノハ,,='"´.:.:.::i´.:`ーt――"´-'ー--'彡/リ`ー=_ノ、.:.:.:)ヘ
    ヽ :: \  '、 ミ         / 、 ゙l:::       ゙ll ゙ll:',ヽ  ゙' 、, ゙{  jl,,,,/,z'ノノ/∧´・ω・)  ',.:.:.:.>.:.:.:_,,=-'ゝ、.:.:.:',ニ)_`i´.:_ノ、_)ー'/   /,r'.:.:.,,/.:)
     ヽ :::  ミ  '、 ミ        |:::  ヾ:::::       ゙ll ゙l|l::::゙、  {  |`"´  ,r=‐'"ノ /ノ >‐个Y´`ー=-‐'゙      `ヽ i、ヽ_ノ´.:.:.`ii´.:.:.ノ リ     j'.:./:/.:ノ
     ヽ:::::              リl|l|:::  ',         ゙ll: |::::::゙、人|; / , r='´ー-=',,_lゝ `ー‐',=-、{ {o ゚ ..,(⌒) 。゚ } ',ヽヽ_)ー-‐< }ー'ノ ,' /`ヽ、/,,;''/
      ゙l ゙ミ          /:l. :レ'::} ',         ノ、;;;;;;;ヽ l|/ヽ//´ ̄  / `ー-=x'´   ヽ' , o  `゙´。 o../ .}、 \}、_ノノ_ノi,/八`ヽ、 .`<
       |`-、ミ        /:::::::|   } |:::......    ,,、 '",、、゙゙''ー''´  ',Y    /      ヾ   ノゝ, ゚ _,r/.lヽ='../\\l.:.:.:.`.:´.:/_lr='´"`ヽ\ ヽ
       |゙、::::`' 、,_    _/:::::::/   :} /::::::::::::,,、-''" {○ ゙ll`' 、 ゙l|:  | `tチ"´`ヽ,,     ,ノゝ=='/ { `r/.// ノ7/_ ノハ `ー-=-‐' リ/,r/:.:.ノー='"
       | `'' 、:::::::::: ̄ ̄:::::::::::::/ :::   /:,、-''"   /  ヽ ゙ll ゙'、,,,,,、リ='´   /、 てー='<´_,,,,)、,,ノ、 >、..`ー‐'",/´" /l/`Y`ー=‐'´/l、ゝ'_//´
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>>172
なにかと思ったら地震あったのか。東北は地獄だな。

パパ「はい、ココア」

さやか「ありがとうございます」

杏子「ん……」ズズ

まどか「それで、杏子ちゃんは何で私の家に来てたの?」

杏子「う……いやそれは」

パパ「まどかに何か用事があったんだよね?」

さやか「あんたやっぱり!」ガタッ

杏子「ち、ちげーよ!」

さやか「じゃあ何しに来たってのよ」

杏子「その、あたしは……」チラッ

まどか「? 私に何か用かな?」

杏子「うぅ……」

ほむら「この子はホームレスなのよ」

まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「転校生!? あんたどっから入ってきたのよ!」

ほむら「私は最初から居たわ」

パパ「えっ? ごめんね、気づかなかったよ。すぐにココアを作ってくるから」

ほむら「いえ、おかまいなく」

杏子「ガクガクブルブル」

さやか「ちょっと転校生! 今の本当なの?」

ほむら「えぇ、今は2丁目の公園にダンボールハウスを建設してそこに住んでいるわ」

杏子「ちょちょちょちょぉ! おまっ! 何いってんだよ!?」

まどか「杏子ちゃん……」グスッ

さやか「ダンボールハウス(笑)」

杏子「ウッセー! 殺すぞてめぇ!」

パパ「杏子ちゃん、本当なのかい?」

杏子「う…… えっと、そのぉ…… うん」

さやか「ダンボールハウスに?」

杏子「ダンボール、ハウスに……」

パパ「親御さんは……居ないんだったね、ごめん。えっと、保護者の方はいないの?」

杏子「……居ない」

パパ「そっか…… 行くあては、ないんだよね」

杏子「……」コクリ

パパ「…………」

まどか「じゃ、じゃあ! ウチに住みなよ! お部屋余ってるし、いいよね!?」

ほむら「!?」

さやか「ちょ、まどか。あんたそれ無茶苦茶だよ」

パパ「……うん、そうだね。しばらくウチに居るといい。ママもきっと歓迎してくれるよ」

杏子「ちょ! 何いってんだ! んなの無理に決まってんだろ!」

ほむら「そそそそうね、げげげ現実的ではないわ!」

パパ「そこを何とかするのが、大人の仕事だよ」

杏子「そういうことじゃなくて! あーもう!」

パパ「杏子ちゃんは、嫌かい?」

杏子「嫌じゃ、ないけど……」

まどか「じゃあ決まりだね! 私、空いてる部屋の掃除してくる!」

ほむら「手伝うわ、まどか」

パパ「杏子ちゃん、荷物はどうしてる?」

杏子「駅のロッカーに……」

パパ「取っておいで、その間に晩ご飯作ってるから。美樹さん、付いて行ってあげてもらえるかな?」

さやか「わかりました!」

杏子「ちょ、別にいいよ……」

さやか「いいから、行くわよ」

杏子「ちょっ! 待てよさやか!」

パパ「ふぅ……純子さんになんて説明しようかなぁ……」


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これが難しすぎてスコアが出せません。
攻略を法教えてください。

ママ「たっだいまぁ~!」

まどか「ママおかえり」

さやか「おかえりなさい、ママさん」

杏子「………」

ほむら「娘さんを私にください」

ママ「おっ! 今日は可愛いどころがお出迎えかい? なーんか知らない顔もいるけど。まどか、新しいお友達?」

まどか「うんっ! この子が転校生の暁美ほむらちゃん。こっちが佐倉杏子ちゃん」

ほむら「よろしくおねがいします」

杏子「……」

ママ「杏子ちゃんは照れ屋なの?」

まどか「あはは……あのね、ママ」

ママ「うん?」

まどか「杏子ちゃんはね、おうちが無いの」

ママ「ありゃ、今流行のホームレス中学生かい? いやぁ、あの頃はまだすべらない話も面白かったのにねぇ」

まどか「それでね、しばらくウチに泊めてあげてほしいの」

ママ「お安い御用さ。うんうん、こんな可愛い子、泊まるどころか娘にしたいぐらいさ。ちょうど後一人欲しかったところなのよ」

まどか「いいの!?」

ママ「もちろんさ。よろしくね、杏子ちゃん」

杏子「よろしく、おねがいします……」

ママ「あはは! 照れてる顔もかわいねぇ! そんじゃ、飯にしようか」

さやか「待ってました!」

ほむら「そうね、佐倉杏子がお義母さまが帰ってくるまで食べないと言い張るものだから」

杏子「! 余計な事いうんじゃねぇ!」

まどか「それじゃあ、パパに温めてもらってくるね!」タッタッタ

ほむら「私も手伝うわ、まどか」

ママ「待っててくれたんだ、杏子ちゃん」

杏子「……飯はさ、皆で食べたほうが……美味いだろ?」

ママ「あっはっは! そうさね! 気に入ったよアンタ! 本当に娘にしたいくらいだ!」

 こうして、鹿目家の夜は更けていく。
 いくつもの団欒の夜を迎え、佐倉杏子の名前が、鹿目杏子に変わるのはもう少し後の、お話。

                                                         おしまい。

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 \      ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/              _,,..-一" ̄
   \  £. CO/ ̄            \       _,,..-" ̄   __,,,...--
      ∫  /         ,、.,、       |,,-¬ ̄   _...-¬ ̄
 乙   イ /    /   ._//ノ \丿    ..|__,,..-¬ ̄     __,.-一
      .人 | / ../-" ̄   ||   | 丿 /  ).  _,,..-─" ̄   ._,,,
 マ    .ゝ∨ / ||        " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
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 ミ  ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")

     .⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_      (/
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 /      )         ノ '`--一`ヽ  冫
                 く..          /
                .  ト─-----イ |
                  ∪       ∪

      \乙マミっ!/
       , --‐―‐-、
      /_,._ /   i 、 ヽ
      |,{@}|// ヽレ)ノ
      Z_z(| | ┃ ┃ |!z
    _Zニハゝ''' ヮ''ノz_Z
   /\乙 ,゛~´{つ て_)ろ、
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